説明

状態表示・指示入力装置

【課題】入力にかかる時間を低減することができる状態表示・指示入力装置を得ること。
【解決手段】外部装置102の状態表示及び外部装置102への指示入力の受付を行うプログラマブル表示器100であって、外部装置102への指示に対応する複数のGUI部品を表示する表示部12と、表示部12に表示された複数のGUI部品の各々に対する選択操作を受け付ける入力部11と、GUI部品の各々に対する選択操作の順序を示す操作順序情報を記憶するデータ記憶部22と、選択操作が行われた際に、データ記憶部22に記憶された操作順序情報に基づいて、次に選択操作を行うべきGUI部品を検出する統括処理部20と、統括処理部20が検出したGUI部品を表示部12上で強調表示させる表示生成部21と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置の状態表示及び外部装置への指示入力を受ける状態表示・指示入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プログラマブル表示器などの状態表示・指示入力装置の操作において入力時間を低減する方法として、メニュー項目の表示形態をその使用頻度に応じて変更するものがあり、ユーザ専用の画面に選択頻度の高い画面への遷移項目を上位数点表示する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、状態表示・指示入力装置の操作における入力時間を低減する別の方法として、過去に選択された項目を専用の画面に表示するものがあり、複数の項目を一画面で選択できるように動作する(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
さらに、ソフトウェアの操作性を向上させる従来の方法として、操作順序を予め登録するように構成されており、次に操作すべきGUI部品を画面上で目立たせて表示する(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−178363号公報(0022段落、第4図)
【特許文献2】特許第3521147号公報(0033段落、第7図)
【特許文献3】特許第3633415号公報(0033段落、第5図、第6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の入力時間を低減する従来の方法では、過去に選択された項目を専用画面に一覧として羅列表示させるため、操作する順序が明確ではない。このため、操作順序の指定間違いが発生する可能性がある。
【0007】
また、習熟度の違いにより、操作に要する時間がユーザ間でばらつくという問題がある。
【0008】
さらに、専用画面を表示することにより、その他の情報を表示する領域が減少してしまう。
【0009】
また、ソフトウェアの操作性を向上させる従来の方法では、一つの操作に対となるリストを一つ作成するため、各操作に対して逐次リストを記載する必要がある。このため、作業量が膨大となり、網羅性の検証も困難である。
【0010】
また、対応するソフトウェアの機能向上に伴いGUIが変更となった場合や、ユーザが意図せず未表示設定とした場合は機能しない。
【0011】
さらに、GUI制御ソフトウェアの設計者しか機能を実現することができず、実際に使用するユーザは任意に変更できない。
【0012】
さらに、従来の操作入力方法では、ユーザに一連の操作を促すためには、操作マニュアルなど、画面以外の別媒体を作成する必要があり、新たな設計工数が発生する。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、入力にかかる時間を低減することができる状態表示・指示入力装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、外部装置の状態表示及び該外部装置への指示入力の受付を行う状態表示・指示入力装置であって、外部装置への指示に対応する複数のGUI部品を表示する表示部と、表示部に表示された複数のGUI部品の各々に対する選択操作を受け付ける入力部と、GUI部品の各々に対する選択操作の順序を示す操作順序情報を記憶するデータ記憶部と、選択操作が行われた際に、データ記憶部に記憶された操作順序情報に基づいて、次に選択操作を行うべきGUI部品を検出する統括処理部と、統括処理部が検出したGUI部品を表示部上で強調表示させる表示生成部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、操作する順序を明確に誘導することが可能であるため、選択間違いの発生を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明にかかる状態表示・指示入力装置の実施の形態1としてのプログラマブル表示器の構成を示す図である。
【図2】図2は、プログラマブル表示器の入力誘導動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】図3は、プログラマブル表示器における、次の操作を誘導する表示の一例を模式的に示す図である。
【図4】図4は、実施の形態2にかかるプログラマブル表示器の使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかる状態表示・指示入力装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる状態表示・指示入力装置の実施の形態1としてのプログラマブル表示器の構成を示す図である。プログラマブル表示器100は、外部装置102の状態表示及び外部装置102への指示入力の受付を行う装置である。プログラマブル表示器100は、入力部11、表示部12、外部装置接続インタフェース(I/F)13、統括処理部20、表示生成部21及びデータ記憶部22を有する。外部装置102は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)やマイコン、パーソナルコンピュータなどの制御装置である。
【0019】
表示部12は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置である。入力部11は、表示部12に重ね合わせて設置されたタッチパネルである。なお、ここでは入力部11がタッチパネルである場合を例としているが、入力部11としては、マウスなどのポインティングデバイスを適用することも可能である。外部装置接続I/F13は、外部装置102と有線又は無線通信により表示部12において表示する画面の基となる情報(ビットの立ち上がりや立ち下がり、データ(数値の羅列)など)をやりとりするためのインタフェースである。統括処理部20は、プログラマブル表示器100全体の動作を制御する。また、過去に入力された操作の履歴により、発生頻度の高い一連の操作順序を決定し、その操作順序において次に入力されるGUI部品を検出する。表示生成部21は、表示部12に表示する画面のデータを生成する。データ記憶部22は、操作履歴や事前に決定された操作順序を操作順序情報として記憶する。例えば、過去にA、B、CというGUI部品をこの順に入力操作を行ったことがあれば、A→B→Cという順序を示す情報が操作順序情報としてデータ記憶部22に記憶される。また、過去にこの順での入力操作を行ったことがなくても、入力部11を介しての操作により操作順序情報としてデータ記憶部22に記憶させることもできる。
【0020】
プログラマブル表示器100においては、操作者101からの指示入力を検出し、入力に割り当てられた機能を実行する。また、操作者101からの指示入力がデータ記憶部22に格納されている操作順序情報が示す操作順序に該当する場合、次に入力されるGUI部品を検索し、表示生成部21において該当するGUI部品を点滅させる。
【0021】
図2は、プログラマブル表示器100の入力誘導動作の流れを示すフローチャートである。入力誘導動作を開始すると統括処理部20は、入力部11を介しての操作者101からの入力操作を監視する(ステップS101)。入力操作が無い場合(ステップS101/No)、入力操作の監視を継続する(ステップS101)。一方、入力操作があった場合(ステップS101/Yes)、統括処理部20は行われた操作に割り当てられた機能を実行する(ステップS102)。
【0022】
操作に割り当てられた機能を実行したのち、統括処理部20は、データ記憶部22に格納されている操作順序情報を参照し、現在行われている操作手順が操作順序情報が示す操作順序に該当するか否かを判断する(ステップS103)。操作順序情報が示す操作順序に該当しない場合(ステップS103/No)、統括処理部20は入力誘導動作を終了する。なお、データ記憶部22に操作順序情報が複数記憶されている場合には、記憶されている操作順序情報が示す操作順序のいずれにも該当しない場合に統括処理部20が入力誘導操作を終了するようにしても良い。操作順序情報が示す操作順序に該当する場合(ステップS103/Yes)、統括処理部20は、操作順序情報における次の操作で用いるGUI部品を検索する(ステップS104)。そして、統括処理部20は表示生成部21に指示を出し、次の操作で用いるGUI部品の枠色などを変化させる(ステップS105)。表示生成部21は、枠色を変更するなどしたGUI部品を表示部12に表示させる(ステップS106)。その後、ステップS101に戻り、入力操作を監視する。
【0023】
図3は、プログラマブル表示器100における、次の操作を誘導する表示の一例を模式的に示す図である。図3においては、次の操作で用いるGUI部品302以外のGUI部品301、303、304は無枠となっており、次の操作で用いるGUI部品302のみ枠を表示させている。したがって、GUI部品301を選択する操作を行った際に、GUI部品302の枠302aが表示部12に表示される。
【0024】
なお、表示生成部21による枠色の変化は、GUI部品を点滅させて表示させたり、その他のGUI部品の明度を落として相対的に強調表示するようにしても良い。また、これらを組み合わせて次の操作に用いるGUI部品を強調表示しても良い。
【0025】
本実施の形態によれば、初回の入力を検出したのち、操作履歴や選択された操作順序から外れるまでは次に入力すべきGUI部品(次に入力される頻度の高いGUI部品)をユーザに対して目に付くように表示を変化させるため、入力を誘導することができ、入力にかかる時間を低減できる。また、入力順序を容易に識別することが可能であるため、操作者による選択間違いの発生を抑制することができる。また、操作者の習熟度によらず入力に要する時間を短縮することが可能である。さらに、次に入力されるGUI部品を、部品の点滅や枠色の変化、他のGUI部品の明度を落として相対的にGUI部品を目立たせるなどの手法により汎用の画面で強調表示するため、画面に表示する情報量が減少してしまうことがない。
【0026】
実施の形態2.
本発明にかかる状態表示・指示入力装置の実施の形態2としてのプログラマブル表示器の構成は、図1に示した実施の形態1のプログラマブル表示器100と同様である。ただし、本実施の形態において、外部装置接続I/F13は、外部装置102との間でファイルをやりとりする機能を備えている。外部装置接続I/F13を介して受信したファイルは、統括処理部20によってデータ記憶部22に記憶される。
【0027】
図4は、実施の形態2にかかるプログラマブル表示器100の使用方法を示す図である。マウス等のポインティングデバイスを用いてコンピュータ200を操作し、GUI部品301にポインタを合わせてクリックし、次にGUI部品302にポインタを合わせてクリックすることでGUI部品301、302を順に選択する操作順序ファイル400が作成される。実施の形態2にかかるプログラマブル表示器100は、コンピュータ200の画面作成ソフトウェアのシミュレーション機能により選択されたGUI部品の種類と順序とを記録した操作順序ファイル400が入力され、操作順序ファイル400が操作順序情報としてデータ記憶部22に記憶される。統括制御部20は、データ記憶部22に記憶された操作順序ファイル400に基づいて、実施の形態1と同様の入力誘導動作を行う。
【0028】
本実施の形態によれば、操作順序の決定が容易であるため、作成にかかる作業時間を短縮することが可能である。また、操作マニュアル等の別媒体が不要である。さらに、各運用場面での機能の作り込みが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明にかかる状態表示・指示入力装置は、設定項目や変更の多いプログラマブル表示器や表示入力端末に適している。
【符号の説明】
【0030】
11 入力部
12 表示部
13 外部装置接続I/F
20 統括処理部
21 表示生成部
22 データ記憶部
100 プログラマブル表示器
101 操作者
102 外部装置
200 コンピュータ
301〜304 GUI部品
400 操作順序ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置の状態表示及び該外部装置への指示入力の受付を行う状態表示・指示入力装置であって、
前記外部装置への指示に対応する複数のGUI部品を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記複数のGUI部品の各々に対する選択操作を受け付ける入力部と、
前記GUI部品の各々に対する前記選択操作の順序を示す操作順序情報を記憶するデータ記憶部と、
前記選択操作が行われた際に、前記データ記憶部に記憶された操作順序情報に基づいて、次に前記選択操作を行うべき前記GUI部品を検出する統括処理部と、
前記統括処理部が検出した前記GUI部品を前記表示部上で強調表示させる表示生成部と、
を有することを特徴とする状態表示・指示入力装置。
【請求項2】
前記データ記憶部は、前記複数のGUI部品の各々に対する選択操作の履歴を、前記操作順序情報として記憶することを特徴とする請求項1に記載の状態表示・指示入力装置。
【請求項3】
コンピュータとの通信用のインタフェースを有し、
前記インタフェースを介して前記コンピュータから前記操作順序情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の状態表示・指示入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−77134(P2013−77134A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216243(P2011−216243)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】