独居者見守りシステム、独居者見守り方法及びプログラム
【課題】各独居者の行動を時間帯毎に検出し、さらにその時間帯を基に世帯間の情報を比較することができる、より正確に異常を検知する独居者見守りシステム、独居者見守り方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】状態遷移判別部101は、センサ5から受信した家電機器4の動作信号から状態遷移の種類を求め、時刻取得部102は機器状態の出現時刻を取得し、時間帯変換部103は出現時刻を時間帯DB107に従い時間帯に変換し、ルール抽出部104は当該時間帯と状態遷移の種類を基に、ルールDB108からルールと当該ルールに対応する危険度及び確信度を抽出し、危険度及び確信度処理部105は、当該時間帯における状態遷移の全出現回数と、過去の平均出現回数を比較し、当該ルールと一致する場合は、そのルールに対応する危険度及び確信度を求め、出力部106に送信し、出力部106はその危険度及び確信度を表示する。
【解決手段】状態遷移判別部101は、センサ5から受信した家電機器4の動作信号から状態遷移の種類を求め、時刻取得部102は機器状態の出現時刻を取得し、時間帯変換部103は出現時刻を時間帯DB107に従い時間帯に変換し、ルール抽出部104は当該時間帯と状態遷移の種類を基に、ルールDB108からルールと当該ルールに対応する危険度及び確信度を抽出し、危険度及び確信度処理部105は、当該時間帯における状態遷移の全出現回数と、過去の平均出現回数を比較し、当該ルールと一致する場合は、そのルールに対応する危険度及び確信度を求め、出力部106に送信し、出力部106はその危険度及び確信度を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独居者の安否状態を検知し、監視者に対し警報を発するシステム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化の影響で、高齢者独居世帯が増加している。これらの人々は、隣人や社会との接点が乏しいことから、周囲に知られないまま孤独死する場合も有り、社会問題として取り沙汰されている。
【0003】
上述の理由から、独居者の見守りを行うために、独居世帯の家電装置の動作状態や動作時間に焦点を当て、独居者の安否状態を検知するためのシステムが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1は、監視対象者の住居内の家電機器の動作状態(連続動作時間や連続不動作時間など)を、通電情報を基に検出し、住居外の管理機関がこの情報を管理することで、監視者に対し情報を送信する生活モニタリングシステムを開示している。
【0005】
また、特許文献2は、監視対象者の住居の配電網上における電気信号を基に、家電機器の動作状態を検出し、これらの情報から生成した追跡データで監視対象者の行動を確率的に評価する遠隔人物追跡装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−86383号公報
【特許文献2】特開2007−48265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1が開示する生活モニタリングシステムは、家電機器毎に異常検知の規定となる値が予め決められており、検出した連続動作時間又は連続不動作時間をこの規定値と比較している。
【0008】
このため、個々の監視対象者の生活リズムに当てはまらない規定値を定義した場合、誤検出をしてしまうという問題がある。
【0009】
さらに、各世帯での生活リズムは異なることが普通であるため、複数世帯の比較による判断を行えず、検知された異常がその世帯特有の状況であるのか、一般的に起こりうる状況なのかを判断できないという問題がある。
【0010】
また、特許文献2が開示する遠隔人物追跡装置は、1日を数時間毎の時間帯に区切り、その時間帯内での監視対象者の追跡データを基に重み付けをし、確率的に監視対象者の行動を評価している。
【0011】
しかしながら、この区切られた時間帯は予め固定されているため、特許文献1が開示する発明と同様に、個々の監視対象者の生活リズムに当てはまらない時間帯を定義した場合、誤検出をしてしまうという問題がある。
【0012】
さらに、各世帯での生活リズムは異なることが普通であるため、複数世帯の比較による判断を行えず、検知された異常がその世帯特有の状況であるのか、一般的に起こりうる状況なのかを判断できないという問題がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、各独居者の行動を時間帯毎に検出し、さらにその時間帯を基に世帯間の情報を比較することができる、より正確に異常を検知する独居者見守りシステム、独居者見守り方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る独居者見守りシステムは、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出手段と、
前記操作状況検出手段により計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶手段と、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定手段と、
前記操作状況検出手段により求められた計数値であって前記時間帯特定手段が特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶手段に記録されている履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得手段と、
前記安否情報取得手段により取得された安否情報を出力する出力手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0015】
本発明のその他の観点に係る独居者見守りプログラムは、
コンピュータに、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
前記操作状況検出ステップで計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶ステップと、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶ステップと、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記操作状況検出ステップで求められた計数値であって前記時間帯特定ステップで特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶ステップで記録された履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を実行させる、
ことを特徴とする。
【0016】
本発明のその他の観点に係る独居者見守り方法は、
独居者の異常を検知する独居者見守りシステムにて実行される独居者見守り方法であって、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
前記操作状況検出ステップで計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶ステップと、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶ステップと、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記操作状況検出ステップで求められた計数値であって前記時間帯特定ステップで特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶ステップで記録された履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、各独居者の行動を時間帯毎に検出し、さらにその時間帯を基に世帯間の情報を比較することができる、より正確に異常を検知する独居者見守りシステム、独居者見守り方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る各独居世帯の生活リズムに合わせた時間帯の分類及び定義の一例である。
【図3】第1の実施形態に係るルールデータベースの一例である。
【図4】第1の実施形態に係る履歴情報データベースの一例である。
【図5】第1の実施形態に係る独居者見守りシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る危険度及び確信度処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る危険度及び確信度の算出方法の具体例である。
【図8】第2の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る履歴情報データベースの一例である。
【図10】第2の実施形態に係るルールデータベースの一例である。
【図11】第2の実施形態に係る独居者見守りシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係る危険度及び確信度処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態に係る危険度及び確信度の算出方法の具体例である。
【図14】第3の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態に係る電気情報データベースの一例である。
【図16】第3の実施形態に係る独居者見守りシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態に係る独居者見守りシステムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る独居者見守りシステムを図面に基づいて説明する。
【0020】
本発明において、危険度は、見守り対象の予め決められた危険性を1以上の段階に分けたもの、確信度は、その危険度が信頼できる程度を示す。
【0021】
[第1の実施形態]
本実施形態に係る独居者見守りシステムを、図1乃至図7を参照して説明する。
【0022】
始めに、図1は、本発明の第1の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。本実施例の独居者見守りシステム1は、独居者見守り装置100と、家電機器4と、センサ5と、ネットワーク6と独居世帯8から構成される。
【0023】
独居者見守り装置100は、状態遷移判別部101と、時刻取得部102と、時間帯変換部103と、ルール抽出部104と、危険度及び確信度処理部105と、出力部106と、時間帯データベース(以下、時間帯DBという)107と、ルールデータベース(以下、ルールDBという)108及び履歴情報データベース(以下、履歴情報DBという)109から構成されている。
【0024】
家電機器4は、本実施例においては、監視対象としている独居世帯8に設置されている一般世帯の電力で使用される家電機器を指す。例えば、冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器といったような機器が該当する。
【0025】
センサ5は、家電機器4の周囲又は家電機器4に取り付けられているセンサであり、家電機器4が動作する際の動作状態を検知する1つあるいは複数のセンサを用いて構成され、家電機器4の現在の動作状態の情報を1つあるいは複数個取得し、一定時間間隔若しくは家電機器4の状態に変化があった場合などのタイミングで、家電機器4の動作状態の情報を信号としてネットワーク6を介して、状態遷移判別部101に送信する。
【0026】
状態遷移判別部101は、ネットワーク6を介してセンサ5から受信した家電機器4の動作状態を具体的な機器状態へと変換し、家電機器4の状態遷移の有無を求め、状態遷移が起きている場合は、時刻取得部102より機器状態の出現時刻を受信し、状態遷移の種類とともに、時間帯変換部103へと送信する。状態遷移が起きていない場合は、処理を終了する。
【0027】
時刻取得部102は、上述の通り、機器状態の出現時刻を取得する。
【0028】
時間帯DB107は、各独居世帯8の生活リズムに応じて、1日又は1週間の期間を複数個の生活時間に分類されたデータを予め格納している。さらに、季節毎、月毎に分類されたデータを予め格納してもよい。
【0029】
時間帯変換部103は、時間帯DB107を参照し、状態遷移判別部101から受信した出現時刻を、時間帯DB107に定義されている時間帯に変換し、さらにその時間帯の一つ前の時間帯(以下、作業用時間帯という)を求め、状態遷移判別部101から受信した状態遷移の種類と共に、ルール抽出部104へと送信する。
【0030】
ルールDB108は、状態遷移の種類の出現回数に係るルールと、そのルールと一致した場合に抽出される安否情報とを格納している。安否情報は、危険度と確信度とを含む。このルールは、状態遷移の種類毎に格納され、時間帯DB107が格納している時間帯の数だけ存在する。
【0031】
ルール抽出部104は、時間帯変換部103から受信した作業用時間帯と状態遷移の種類の2つの要素に基づいて、ルールDB108にある複数のルールの中から当該要素に対応するルールと、そのルールに対応する危険度及び確信度を全て抽出し、作業用時間帯と状態遷移の種類に基づく履歴を、履歴情報DB109に蓄積する。さらに、作業用時間帯及び状態遷移の種類と、ルールDB108から抽出したルールと危険度及び確信度を、危険度及び確信度処理部105に送信する。
【0032】
履歴情報DB109は、上述のルール抽出部104から時間帯及び状態遷移の種類を受信することで、過去の時間帯における状態遷移の種類の出現回数を蓄積する。
【0033】
危険度及び確信度処理部105は、ルール抽出部104から受信した作業用時間帯及び状態遷移の種類を基に、ルール抽出部104から受信したルールと照合し、履歴情報DB109から抽出した出現回数との比較を行い、ルールと一致した場合は危険度及び確信度を求め、求めた危険度及び確信度を出力部106に送信する。ルールと一致しなかった場合は、まだ警報を発生する段階ではないため、当該独居者の状態に異常は無いという情報を出力部106に送信する。
【0034】
出力部106は、危険度及び確信度処理部105から送信された危険度と確信度を表示する。この表示された危険度と確信度を比較し、警報発生の適否も求める。当該独居者の状態に異常が無い旨の情報を受信した場合は、当該独居者の状態に異常は無い旨の表示をする。
【0035】
図2は、本実施例における時間帯DB107に格納されているデータの一例である。当該独居者の1日を5つの時間帯に分類し、それぞれ6時から11時を「朝」の時間帯、11時から16時を「昼」の時間帯、16時から20時を「夕」の時間帯、20時から23時を「夜」の時間帯、23時から6時を「就寝」の時間帯とし、さらに1週間のうち月曜日から金曜日を平日、土曜日、日曜日を休日という2つの時間帯に分類することで、合計10個の時間帯に分類する。なお、これらの区切り方は各独居世帯8毎に異なっていても良い。
【0036】
図3は、本実施形態におけるルールDB108に格納されているデータの一例である。例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、冷蔵庫の開から閉への状態遷移についてのルールが存在し、図示されていないがその他のルール(冷蔵庫の閉から開等)についても存在する。
【0037】
図4は、本実施形態における履歴情報DB109に格納されているデータの一例である。例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、冷蔵庫の状態遷移の出現時刻より前に出現した開から閉や、閉から開の状態遷移の出現回数を蓄積している。また、この他の機器(冷蔵庫以外の家電機器)や、他の状態遷移についても同様に、過去の出現回数を蓄積している。
【0038】
図5は、本実施形態における独居者見守り処理の一例を示すフローチャートである。
【0039】
まず、家電機器4の動作状態に変化が生じると、センサ5は家電機器4の動作状態を信号としてネットワーク6を介して送信する。
【0040】
例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、冷蔵庫の扉や蓋などの開閉の状態を、既存の開閉センサを用いて収集する。さらに、消費電力情報を既存の電力センサを用いて収集することも可能である。
【0041】
状態遷移判別部101は、ネットワーク6を介してセンサ5からの信号を受信し(S101)、送信元を特定する。
以後、独居者見守りシステム1は、特定した独居者用に設定されている時間帯、ルールなどに基づいて動作する。ただし、理解を容易にするため、逐一言及はしないものとする。
まず、状態遷移判別部101は、受信した信号を具体的な機器状態に変換する(S102)。
【0042】
さらに前回変換した機器状態と比較し、状態遷移の種類を求め(S103)、状態遷移が起きている場合は(S104;Yes)、時刻取得部102にて機器状態出現時刻を取得し(S105)、状態遷移の種類とともに、時間帯変換部103に送信する。状態遷移が発生していない場合は処理を終了する(S104;No)。
【0043】
例えば、家電機器4が冷蔵庫であり、センサ5が冷蔵庫の扉に取り付けた開閉センサの場合、状態遷移判別部101は、ネットワーク6を介してセンサ5から受信した家電機器4の動作信号を、扉の開状態や閉状態に変換する。さらに、前回の機器状態と比較し、開状態から閉状態への遷移、若しくは閉状態から開状態への遷移などの状態遷移を求める。
【0044】
時間帯変換部103は、受信した機器状態出現時刻を、時間帯DB107を参照して時間帯に変換し(S106)、さらに作業用時間帯を求め(S107)、状態遷移判別部101から受信した状態遷移の種類とともに、ルール抽出部104に送信する。
【0045】
例えば、時間帯DB107に格納されているデータが図2に示すデータである場合、機器状態の出現時刻が13:00であったとすると、図2を参照し、13:00に対応した時間帯は「昼」の時間帯、となる。その一つ前の時間帯とは、「朝」の時間帯となるため、作業用時間帯は「朝」としてルール抽出部104に送信する。
【0046】
ルール抽出部104は、受信した時間帯及び状態遷移の種類に基づく履歴を履歴情報DB109に蓄積し(S108)、さらにルールDB108を参照し、作業用時間帯及び状態遷移の種類に該当するルールと、そのルールに対応する危険度及び確信度を抽出し(S109)、作業用時間帯及び状態遷移の種類と、抽出したルールと、危険度及び確信度を危険度及び確信度処理部105に送信する。
【0047】
危険度及び確信度処理部105は、危険度及び確信度処理を実行し(S110)、当該独居者の危険度及び確信度を求め、出力部106に送信する。
【0048】
出力部106は、危険度及び確信度処理部105から受信した情報を基に、警報発生の適否を求め、警報を発生する場合は(S111;Yes)、受信した危険度及び確信度を表示し(S112)、警報を発生しない場合は処理を終了する(S111;No)。
【0049】
図6は、本実施形態における危険度及び確信度処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
始めに、危険度及び確信度処理部105は、ルール抽出部104から受信した作業用時間帯における状態遷移の出現回数を求める(S201)。
【0051】
次に、履歴情報DB109から抽出した過去の履歴情報から、作業用時間帯までの状態遷移の出現回数を取得し、時間帯あたりの平均出現回数を求める(S202)。
【0052】
次に、ルール抽出部104から受信したルールに従い、上述にて求めた作業用時間帯における状態遷移の出現回数(S201にて求めた値)と、過去の履歴情報から求めた作業用時間帯における平均出現回数(S202にて求めた値)を比較し、ルールと一致するかどうかを判定する(S203)。ルールと一致した場合は(S203;Yes)、次のステップに進み危険度及び確信度を取得し、ルールと一致しなかった場合は(S203;No)、まだ警報を発生する段階ではないため、出力部106へ警報が発生していないという情報を送信する(S206)。
【0053】
ルールと一致した場合は、そのルールに対応する危険度及び確信度を取得する(S204)。この危険度及び確信度が当該独居者の状態となり、危険度及び確信度を出力部106へと送信する(S205)。
【0054】
以下、理解を容易にするために、上述までで説明した危険度及び確信度処理部105の具体的な算出方法を、図7を参照して説明する。
【0055】
平日の朝及び昼の冷蔵庫の開閉の状態が図7(a)のように遷移しており、作業用時間帯が平日の朝であり、動作開始の契機となった状態遷移の種類が開から閉への状態遷移の場合は、図6のS201では、図7(b)に示すように、1回と求めることができる。
【0056】
次に、履歴情報DB109に蓄積されている履歴情報が、図4に示すデータであり、この値が過去1週間分の履歴情報であった場合、平日の朝の開から閉への状態遷移の合計出現回数は15回となり、図6のS202では図7(c)に示すように、平均出現回数は3回(15÷5)となる。
【0057】
次に、平日の朝の開から閉への状態遷移におけるルールが、図7(d)に示すように、「状態遷移の出現回数が、平均出現回数の50%未満」となっている場合、これを上述にて求めた値に当てはめて比較すると、開から閉への状態遷移の回数は1回、過去の平均出現回数の50%は、1.5回(3回×0.5)となるため、当該ルールと一致することになる。
【0058】
一致したルールに対応する危険度及び確信度は、一致したルールを参照すると、危険度5、確信度40、となる。このため、図7(e)に示すように、この危険度及び確信度が出力部106に送信される。なお、本実施例では、危険度及び確信度は、一致したルールに対応する危険度及び確信度をそのまま利用しているが、その限りではない。例えば、独居者別に危険度及び確信度に重み付けをした値を独居者の安否情報としても良い。
【0059】
上記実施形態においては、独居者自身の動き、即ち、家電機器の操作(されたこと)を検出するために、電子機器の状態を検出し、さらに検出した状態の変化から操作を検出したが、独居者自身による操作(例えば、開動作、閉操作、オン操作、オフ操作、移動操作、把持操作等)を直接検出するセンタ5を配置して、独居者見守りシステム1で該センサ5の出力を受信するようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施の形態においては、同一時間帯の過去の平均的な操作回数と直近の時間帯の確定した計数値(操作回数)との比に基づいて、危険度と確信度とを求めたが、過去の平均値に限らず、代表値等であってもよい。
【0061】
また、現在時刻が属する時間帯の1つ前の時間帯の計数値に基づいて危険度と確信度とを求める例を示したが、どの時間帯の確定した計数値を使用するかは任意であり。例えば、現在時刻が属する時間帯の2つ前、3つ前の所定の時間帯の計数値に基づいて危険度と確信度とを求めることも可能である。
さらに、1つの時間帯の計数値に基づいて危険度と確信度とを求めるだけでなく、複数の時間帯の確定した計数値を使用してもよい。例えば、現在時刻が属する時間帯の直近1日分の5つの時間帯の計数値に基づいて危険度と確信度とを求めることも可能である。この場合、例えば、直近5つの時間帯それぞれについて危険度と確信度とを個別に求め、最後に平均値、代表値等を求める等すればよい。
【0062】
本実施形態の構成にすることで、以下の利点が生まれる。
まず、各世帯の独居者の生活リズムに応じた時間帯を定義し、ある機器の状態遷移の出現回数と、当該機器の状態遷移が出現するまでの過去の時間帯当たりの当該状態遷移の平均出現回数を比較し、危険度及び確信度を求めるように構成しているため、独居者の生活リズムを崩さずに異常を検知することができる。
次に、各世帯の独居者に応じて分類した時間帯を基準にし、世帯間の異常検知結果を比較することで、生活リズムの異なる独居者同士でも、異常検知結果を比較することが可能となる。
【0063】
[第2の実施形態]
本実施形態に係る独居者見守りシステムを、図8乃至図13を参照して説明する。
【0064】
始めに、図8は、本発明の第2の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。本実施例の独居者見守りシステム2は、独居者見守り装置200と、家電機器4と、センサ5と、ネットワーク6と、独居世帯8から構成される。
【0065】
独居者見守り装置200の構成は、第1の実施形態と同じく、状態遷移判別部101と、時刻取得部102と、時間帯変換部103と、ルール抽出部104と、危険度及び確信度処理部105と、出力部106と、時間帯DB107と、ルールDB108及び履歴情報DB109から構成されている。
【0066】
本実施例において、家電機器4及びセンサ5は、第1の実施形態に係る独居者見守りシステム1と同様の構成であり、出力部106は第1の実施形態に係る独居者見守り装置100と同様の処理となっているため、ここでは説明を省く。
【0067】
なお、本実施例における各独居世帯8の生活リズムに合わせた時間帯の定義も、第1の実施形態における定義と同等の意味のものとする。
【0068】
履歴情報DB109は、機器状態に対応する最後の確信度算出時刻(以下、処理完了時刻という)、出現時刻、危険度及び確信度を蓄積している。
【0069】
状態遷移判別部101は、第1の実施形態と同様に、ネットワーク6を介してセンサ5から受信した家電機器4の動作状態の信号を具体的な機器状態へと変換し、家電機器4の状態遷移を求め、時刻取得部102から、機器状態の出現時刻と処理完了時刻を受信する。
【0070】
状態遷移が起きている場合は、履歴情報DB109を初期化し、処理を終了する。
【0071】
状態遷移が起きていない場合は、履歴情報DB109を更新し、機器状態とその出現時刻及び処理完了時刻を、時間帯変換部103へ送信する。
【0072】
時刻取得部102は、上述の通り、機器状態の出現時刻と、履歴情報DB109を参照し、処理完了時刻を取得する。
【0073】
時間帯変換部103は、時間帯DB107を参照し、状態遷移判別部101から受信した出現時刻と処理完了時刻を、時間帯DB107に定義されている時間帯に変換し、状態遷移判別部101から受信した機器状態と共にルール抽出部104へ送信する。
【0074】
ルールDB108は、機器状態毎に、危険度と、時間帯毎に定義したルールを予め格納している。このルールは、確信度を求めるために必要なパラメータであり、処理完了時刻から出現時刻までに経過した時間に従い、パラメータを用いて確信度を増加させる。
【0075】
ルール抽出部104は、時間帯変換部103から受信した時間帯と機器状態に基づいて、ルールDB108にある複数のルールから、出現時刻から変換された時間帯と機器状態に対応するルールと、処理完了時刻から変換された時間帯と機器状態に対応するルールと、機器状態に対応する危険度を抽出し、抽出した各ルール及び危険度と、時間帯変換部103から受信した時間帯を、危険度及び確信度処理部105へ送信する。
【0076】
危険度及び確信度処理部105は、ルール抽出部104から受信したルールを基に、危険度及び確信度を求め、求めた危険度及び確信度を出力部106に送信する。
【0077】
図9は、本実施形態における履歴情報DB109に格納されているデータの一例である。例えば家電機器4が冷蔵庫である場合は、機器状態(開状態や閉状態)に対応する処理完了時刻、出現時刻、危険度及び確信度を蓄積している。また、図示されていないが、この他の機器や、他の状態についても同様に機器状態に対応する処理完了時刻、出現時刻、危険度及び確信度が蓄積されている。
【0078】
図10は、本実施例におけるルールDB108に格納されているデータの一例である。例えば、家電機器4が冷蔵庫の場合、開状態についてのルールが時間帯毎に存在する。図10のルールにおいて、確信度が0の場合に、処理完了時刻から出現時刻までに経過した時間から、確信度の初期値を求めるために処理完了時刻に加算するパラメータを初期時間、その際に確信度に代入するパラメータを初期値、確信度が0以外の場合に、経過した時間から確信度を増加するために処理完了時刻に加算するパラメータを増加時間、その際に確信度に加算するパラメータを増加値と表す。
【0079】
図11は、本実施形態における独居者見守り処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、家電機器4の動作状態に変化が生じると、センサ5は家電機器4の動作状態を信号としてネットワーク6を介して送信する。例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、センサ5は、第1の実施形態と同様に、冷蔵庫の扉や蓋などの開閉の状態を送信する。
【0081】
状態遷移判別部101は、ネットワーク6を介してセンサ5からの信号を受信し(S301)、受信した信号を具体的な機器状態に変換する(S302)。さらに前回変換した機器状態と比較し、状態遷移の種類を求め、(S303)時刻取得部102から、機器状態の出現時刻と処理完了時刻を取得する(S304)
【0082】
状態遷移が起きている場合は(S305;Yes)、履歴情報DB109の前回処理していた項目を初期化し(S306)、処理完了時刻を出現時刻に置き換え、履歴情報DB109に蓄積し(S307)、処理を終了する。
【0083】
状態遷移が発生していない場合は(S305;No)、機器状態と出現時刻を履歴情報DB109に蓄積し(S308)、機器状態とその出現時刻及び処理完了時刻を、時間帯変換部103へ送信する。
【0084】
時間帯変換部103は、時間帯DB107を参照し、受信した出現時刻及び処理完了時刻を時間帯に変換し(S309)、機器状態とともにルール抽出部104に送信する。
【0085】
ルール抽出部104は、受信した機器状態及び時間帯を基に、ルールDB108を参照し、出現時刻から変換された時間帯と機器状態に対応するルールと、処理完了時刻から変換された時間帯と機器状態に対応するルールと、機器状態に対応する危険度を抽出し(S310)、機器状態及び時間帯とともに危険度及び確信度処理部105に送信する。
【0086】
危険度及び確信度処理部105は、危険度及び確信度処理を実行し(S311)、当該独居者の危険度及び確信度を求め、出力部106に送信する。
【0087】
出力部106は、危険度及び確信度処理部105から受信した情報を基に、警報発生の適否を求め(S312)、警報を発生する場合は、受信した危険度及び確信度を表示し(S313)、警報を発生しない場合は処理を終了する。
【0088】
図12は、本実施形態における危険度及び確信度処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
危険度及び確信度処理部105は、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する確信度を抽出し、その確信度が0であるかどうかを判定する(S401)。確信度が0の場合は(S401;Yes)、まだ警報が発生していないことを表し、ルール抽出部104から受信したルールにおける初期時間及び初期値を適用するために次のステップへ進む。確信度が0でない場合は(S401;No)、すでに前回の動作から警報が発生されていることを表し、ルール抽出部104から受信したルールにおける増加時間及び増加値を適用するためのステップへ進む。
【0090】
次に、上述にて履歴情報DB109から抽出した確信度が0であった場合は、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する処理完了時刻に初期時間を加算すると、出現時刻を上回るかどうかを判定し(S402)、上回らない場合は(S402;No)、次のステップへ進み、上回る場合は(S402;Yes)、まだ警報を発生させる段階ではないため、危険度及び確信度を求めず、出力部106へ警報が発生していないという情報を送信する。
【0091】
上述にて、処理完了時刻に初期時間を加算しても出現時刻を上回らない場合は、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する処理完了時刻に、初期時間を加算し(S403)、確信度には初期値を代入し、危険度には機器状態に対応した危険度を代入する(S404)。
【0092】
次に、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する処理完了時刻に増加時間を加算すると、出現時刻を上回るかどうかを判定し(S405)、上回らない場合は(S405;Yes)次のステップへと進み、上回る場合は(S405;No)、機器状態に対応する危険度及び確信度を出力部106へ送信する(S408)。
【0093】
上述にて、処理完了時刻に増加時間を加算しても出現時刻を上回らない場合は、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する処理完了時刻に増加時間を加算し(S406)、確信度には増加値を加算し(S407)、上述の判定(S405)へと戻る。処理完了時刻に増加時間を加算することで時間帯が変わる場合には、処理完了時刻から変換された時間帯を次の時間帯に更新する。この次の時間帯とは、例えば、第1の実施の形態における図2に示すような時間帯の場合、処理完了時刻から変換された時間帯が「昼」の時間帯だった場合は、次の時間帯は「夕」となり、処理完了時刻から更新された時間帯が「就寝」の時間帯だった場合は次の時間帯は「朝」となる。
【0094】
以下、理解を容易にするために、上述までで説明した危険度及び確信度処理部105の具体的な算出方法を、図13を参照して説明する。
【0095】
始めに、図13(a)は、例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、履歴情報DB109の冷蔵庫の扉の開状態の各パラメータを表しており、図13(a)の段階では状態遷移判別部101によって初期化されている状態である。また、このとき冷蔵庫の扉は閉まっており、状態遷移判別部101は閉状態を検出しているとする。
【0096】
ここで、冷蔵庫の扉が開かれると、センサ5は開状態を取得し、状態遷移判別部101は状態遷移が起きていると判断し、図13(b)に示すように、時刻取得部102から受信した処理完了時刻に冷蔵庫の開状態の出現時刻を代入し、履歴情報DB109に冷蔵庫の開状態の項目の処理完了時刻と出現時刻を更新する。
【0097】
次に、図13(c)は、前回から時間が経過し、再びセンサ5で冷蔵庫の扉の開状態が取得され、状態遷移判別部101は、状態遷移は起きていないと判断し、冷蔵庫の出現時刻が更新されていることを表している。
【0098】
図13(c)の場合、確信度は0であることから、図12のS401では次のステップ(図12のS402)へと進む。
【0099】
ルール抽出部104により抽出されたルールが、図13(i)に示すルールの場合、平日の昼の時間帯における開状態のルールの初期時間は45分であり、この場合、図13(c)では、処理完了時刻に初期時間45分を加算しても、出現時刻を上回らないため、次のステップ(図12のS403)へと進む。
【0100】
次に、図13(d)は、図12のS403及びS404の処理により、図13(c)の処理完了時刻に初期時間45分を加算し、確信度に初期値10を代入、危険度に冷蔵庫の開状態に対応する値を代入したものである。
【0101】
図13(d)では、処理完了時刻に増加時間20分を加算すると、出現時刻を上回るため、図12のS405にて処理が終了し、出力部106は、図13(d)の危険度(5)及び確信度(10)を表示することになる。
【0102】
次に、図13(e)は、図13(d)の状態からさらに時間が経過し、再度冷蔵庫の扉の開状態を検出し、出現時刻を更新した状態である。この状態において、確信度は0では無いため、図12のS401から図12のS405へと処理が進むこととなる。図13(e)では、処理完了時刻に、図13(i)における平日の昼の時間帯のルールの増加時間20分を加算しても、出現時刻を上回らないため、次のステップ(図12のS406)へと処理が進む。
【0103】
次に、図13(f)は、図12のS406及びS407の処理により、図13(e)の状態から、増加時間20分を処理完了時刻に加算し、確信度に増加値10を加算した状態である。
【0104】
次に、図13(g)は、再度図12のS405の判定において、図13(f)の処理完了時刻に増加時間20分を加算しても、出現時刻を上回らないため、図12のS406及びS407の処理により、増加時間20分を処理完了時刻に、増加値10を確信度に加算した状態である。ただし、加算された後の処理完了時刻に対応する時間帯が昼から夕に遷移するため、次の増加時間と確信度の加算の際には、冷蔵庫の夕の時間帯における開状態のルールが適用されることになる。
【0105】
次に、図13(h)は、再度図12のS405の判定において、図13(g)の処理完了時刻に平日の夕の時間帯のルールの増加時間10分を加算しても、出現時刻を上回らないため、図12のS406及びS407の処理により、増加時間10分を処理完了時刻に、増加値15を確信度に加算した状態である。この状態から再度図12のS405の判定に戻るが、図13(h)の処理完了時刻に増加時間10分を加算すると、出現時刻を上回るために処理終了となり、出力部106は図13(h)の危険度(5)及び確信度(45)を表示することとなる。
【0106】
上述の実施例のように、処理完了時刻を加算することにより時間帯が遷移する場合の処理完了時刻と確信度の加算方法は、処理完了時刻に対応する時間帯のルールの増加時間と確信度の増加値である必要はなく、例えば、出現時刻に対応する時間帯のルールの増加時間と確信度の増加値を加算しても良い。また、その他に処理完了時刻から時間帯の変わり目までの時間を求め、その時間と処理完了時刻に対応する時間帯のルールの増加時間の割合を求め、確信度を掛けた値を確信度に加算し、時間帯の変わり目の時間を処理完了時刻に更新しても良い。
【0107】
本実施形態の構成にすることで、以下の利点が生まれる。
まず、ある機器の状態の経過時間によって危険度及び確信度を求めるように構成し、第1の実施形態と同様に各世帯の独居者の生活リズムに応じた時間帯を定義しているため、独居者の生活リズムを崩さずに異常を検知することができる。
次に、第1の実施形態と同様に、各世帯の独居者に応じて分類した時間帯を基準にし、世帯間の異常検知結果を比較することで、生活リズムの異なる独居者同士でも、異常検知結果を比較することが可能となる。
【0108】
[第3の実施形態]
本実施形態に係る独居者見守りシステムを、図14乃至図16を参照して説明する。
【0109】
始めに、図14は、本発明の第3の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。本実施例の独居者見守りシステム3は、独居者見守り装置300と、家電機器4と、センサ5と、ネットワーク6と、独居世帯8から構成される。
【0110】
独居者見守り装置300の構成は、状態遷移判別部101と、時刻取得部102と、時間帯変換部103と、ルール抽出部104と、危険度及び確信度処理部105と、出力部106と、時間帯DB107と、ルールDB108と、履歴情報DB109と、電気情報変換部110と、電気情報データベース(以下、電気情報DBという)111及びメール送信部112から構成されている。
【0111】
本実施例において、センサ5は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る独居者見守りシステム1及び2の構成とは異なる。
【0112】
また、電気情報変換部110、電気情報DB111、メール送信部112及び出力部106を除く独居者見守り装置300の構成は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る独居者見守り装置100及び200の構成と同じであるため、ここでは説明を省く。
【0113】
センサ5は、家電機器4の周囲又は家電機器4に取り付けられているセンサであり、家電機器4が動作する際の電流、電圧、電力のうち少なくとも一つを含む電気情報を計測するセンサを用いて構成される。これは既存の電流計、電圧計、電力計を用いて実現することができる。センサ5は、一定時間間隔若しくは値に変化が生じるタイミングで、少なくとも一つの電気情報を計測し、ネットワーク6を介して、電気情報変換部へ信号を送信する。
【0114】
電気情報DB111は、家電機器4の種類に対応して、各電気情報における機器状態を予め格納している。
【0115】
電気情報変換部110は、ネットワーク6を介してセンサ5から受信した電気情報を基に、家電機器4の種類を求める。家電機器4の種類の求め方は、一般的に知られている、電気情報の波形から特徴量を求め、この特徴量を既知の家電機器4の特徴量と比較し、家電機器4の種類を求める手法を用いる。さらに、電気情報変換部110は、家電機器4の種類を求めると、当該種類及び電気情報を基に電気情報DB111を参照し、機器状態を求め、求めた機器状態を状態遷移判別部101に送信する。
【0116】
この先の処理は、第1の実施形態に係る独居者見守り装置100で説明した処理でも、第2の実施形態に係る独居者見守り装置200で説明した処理でも良い。
【0117】
出力部106は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る独居者見守り装置100及び200と同様に、危険度及び確信度処理部105から受信した危険度と確信度を表示する。さらに、出力部106は、メール送信部112に危険度及び確信度を送信する。
【0118】
メール送信部112は、出力部106から受信した危険度及び確信度を基に、監視者への問い合わせ適否を求め、監視者への問い合わせが必要な場合は、出力部106を介して監視者に問い合わせ、電子メールの送信可否を判断させる。監視者が電子メールを送信すると判断した場合は、電子メールを送信し、そうでない場合は処理を終了する。監視者への問い合わせが不要な場合、電子メールを送信し、処理を終了する。
【0119】
図15は、本実施形態における電気情報DB111に格納されているデータの一例である。図15のように、電気情報DB111は、家電機器4の電気情報に対応した機器状態が格納されている。図15の例では、家電機器の種類は、炊飯器、テレビ、電気ポットの例を示しているが、これに限らない。また、電気情報は、電力値として例を示しているが、これに限らない。
【0120】
図16は、本実施例における独居者見守り処理の一例を示すフローチャートである。
【0121】
まず、家電機器4は、動作状態に変化が生じると、センサ5は、家電機器4の電気情報を信号として、ネットワーク6を介して電気情報変換部110に送信する。
【0122】
例えば、家電機器4がテレビである場合、センサ5は、テレビのスイッチがONになると、このときの電気情報を取得し、独居者見守り装置300に送信する。
【0123】
電気情報変換部110は、ネットワーク6を介してセンサ5からの信号を受信し(S101)、受信した電気情報を基に、その情報の特徴量を求める(S501)。
【0124】
求めた特徴量を各家電機器4の特徴量と比較し、家電機器4の種類を求める(S502)。
【0125】
例えば、家電機器4がテレビである場合、受信した電気情報から特徴量を求め、その特徴量がテレビの特徴量と一致する場合、家電機器4はテレビであると求める。
【0126】
次に、受信した電気情報を基に、電気情報DB111を参照して、機器状態を求める(S503)。そして求めた機器状態を、状態遷移判別部101に送信する。
【0127】
例えば、電気情報DB111が格納するデータが、図15に示すデータであるとすると、家電機器4がテレビであり、受信した電気情報が電力値15Wであった場合は、機器状態は、ONの状態だと求められ、ONの状態が状態遷移判別部101に送信される。
【0128】
この先の処理は、第1の実施形態に係る独居者見守り装置100で説明した処理、若しくは第2の実施形態に係る独居者見守り装置200で説明した処理をする(S504)。
【0129】
メール送信部112は、出力部106から受信した危険度及び確信度を基に、監視者への問い合わせ可否を求め(S505)、問い合わせが必要な場合(S505;Yes)、出力部106を介して監視者に問い合わせる(S506)。問い合わせが不要な場合は(S505;No)、電子メールを送信し、処理を終了する。監視者に問い合わせた結果、電子メールを送信すると指示された場合は(S507;Yes)電子メールを送信する(S508)。電子メールの送信は不要だと判断された場合は(S507:No)、処理を終了する。
【0130】
例えば、メール送信部112は、危険度が1から3であった場合は、監視者に対して電子メールの送信適否を問い合わせ、危険度が4から5であった場合は、無条件に電子メールを送信する、という処理を実行する。
【0131】
電子メールの宛先は、予め決められた宛先でも良く、家電機器4の所有者に対応した宛先でも良い。
【0132】
本実施形態の構成は、危険度及び確信度の求め方は第1の実施形態及び第2の実施形態の構成と同様であるため、本実施形態にすることで生まれる利点は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
【0133】
なお、独居者の安否情報として、危険度と確信度とを例示したが、他の指標を使用することも可能である。例えば、安全度と確信度、生存率と確信度、等を安否情報として使用することも可能である。
【0134】
図17は、図1及び図8及び図14に示す本発明の実施の形態に係る独居者見守り装置の物理的な構成例を示すブロック図である。独居者見守り装置は、図17に示すように、制御部71、主記憶部72、外部記憶部73、操作部74、表示部75及び送受信部76を備える。主記憶部72、外部記憶部73、操作部74、表示部75及び送受信部76はいずれも内部バス70を介して制御部71に接続されている。
【0135】
制御部71は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部73に記憶されている制御プログラム79に従って、独居者見守り装置の状態遷移判別部101、時刻取得部102、時間帯変換部103、ルール抽出部104、危険度及び確信度処理部105、出力部106、電気情報変換部110及びメール送信部112の各処理を実行する。
【0136】
主記憶部72は、RAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部73に記憶されている制御プログラム79をロードし、制御部71の作業領域として使用される。
【0137】
外部記憶部73は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、上述の処理を制御部71に行わせるための制御プログラム79を予め記憶し、また、制御部71の指示に従って、この制御プログラム79が記憶するデータを制御部71に供給し、制御部71から供給されたデータを記憶する。
【0138】
操作部74は、キーボード及びマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボード及びポインティングデバイス等を内部バス70に接続するインタフェース装置から構成されている。
【0139】
表示部75は、CRT(Cathode Ray Tube)又はLCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、独居者の危険度及び確信度の結果などを表示する。
【0140】
送受信部76は、ネットワーク6に接続する網終端装置または無線通信装置、及びそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部76は、ネットワーク6を介して、センサ5及び独居者見守り装置に接続する。
【0141】
図1及び図8及び図14に示す独居者見守り装置の状態遷移判別部101、時刻取得部102、時間帯変換部103、ルール抽出部104、危険度及び確信度処理部105、出力部106、電気情報変換部110及びメール送信部112の処理は、制御プログラム79が、制御部71、主記憶部72、外部記憶部73、操作部74、表示部75及び送受信部76等を資源として用いて処理することによって実行する。
【0142】
その他、上述の物理的な構成や、フローチャートは一例であり、任意に変更及び修正が可能である。
【0143】
制御部71、主記憶部72、外部記憶部73、操作部74、内部バス70等から構成される制御処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する独居者見守り装置を構成しても良い。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで独居者見守り装置を構成しても良い。
【0144】
また、独居者見守り装置の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムの協働により実現する場合には、アプリケーションプログラム部分のみを記憶媒体や記憶装置に格納しても良い。
【0145】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に上述のコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信しても良い。そして、このコンピュータを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成しても良い。
【0146】
上記の実施形態の一部又は全ては、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0147】
(付記1)
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出手段と、
予め設定された時間帯別に、前記操作状況検出手段により検出された操作状況と独居者の安否情報とを関連付けるルールを記憶するルール記憶手段と、
現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定手段と、
前記時間帯特定手段が特定した時間帯と前記操作状況検出手段により検出された操作状況に基づいて、前記ルール記憶手段に記憶されたルールに従って独居者の安否情報を求める安否情報取得手段と、
前記安否情報取得手段により取得された安否情報を出力する出力手段と、
を備える、
ことを特徴とする独居者見守りシステム。
【0148】
(付記2)
前記操作状況検出手段は、予め設定された前記時間帯別に、前記家電機器の操作回数を計数する計数手段を備え、
前記ルール記憶手段は、前記時間帯と各時間帯における前記家電機器の操作回数と独居者の安否情報とを関連付けるルールを記憶しており、
前記安否情報取得手段は、前記時間帯特定手段が特定する現在の時間帯よりも所定数前の時間帯と、該時間帯において前記計数手段により計数された操作回数を、前記ルール記憶手段に記憶されたルールに適応することにより、独居者の安否情報を求める、
ことを特徴とする付記1に記載の独居者見守りシステム。
【0149】
(付記3)
前記操作状況検出手段は、前記操作検出手段が家電機器の操作を検出したときに、検出時点の時間帯における前記家電機器の操作回数を更新し、
前記安否情報取得手段は、現時点が属す時間帯の1つ前の時間帯における操作の回数を、前記ルール記憶手段に記憶されたルールに適応して、安否情報を求める、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の独居者見守りシステム。
【0150】
(付記4)
前記操作状況検出手段により計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶手段を備え、
前記ルールは、時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの安否情報とを対応付けて記憶しており、
前記安否情報取得手段は、前記操作状況検出手段により求められた所定の時間帯における計数値と、前記履歴記録手段に記録されている履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って安否情報を取得する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の独居者見守りシステム。
【0151】
(付記5)
前記ルールは、時間帯別に、履歴より求められる該時間帯における過去の平均的操作回数と、直近の同一時間帯における計数値との比と、安否情報とを対応付けて記憶しており、
前記安否情報取得手段は、前記操作状況検出手段により求められた過去の平均的操作回数と直近の同一時間帯における計数値との比に基づいて安否情報を取得する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の独居者見守りシステム。
【0152】
(付記6)
前記安否情報は、前記独居者の安否の危険度と該危険度の確信度とを含み、
前記ルールは、時間帯別に、操作状況と危険度と確信度とを対応付ける情報を含む、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の独居者見守りシステム。
【0153】
(付記7)
前記操作状況検出手段は、独居者により操作される家電機器の無操作の継続時間を検出する無操作継続時間検出手段を備え、
前記ルールは、時間帯と該時間帯用の加算値を記憶しており、
前記無操作継続時間検出手段が測定した継続時間に応じて、時間帯に対応する加算値を前記ルールから求めて累算する累算手段を備え、
前記安否情報取得手段は、前記累算手段よる累算値に基づいて安否情報を求める、
ことを特徴とする付記1に記載の独居者見守りシステム。
【0154】
(付記8)
前記安否情報は、前記独居者の安否の危険度と該危険度の確信度とを含み、
前記家電機器は複数の分類に分類されており、分類別に危険度が設定されており、
前記安否情報取得手段は、前記家電機器が属す分類に割り当てられている危険度と、前記ルールに基づいて求めた累算値に対応する確信度を取得する、
ことを特徴とする付記1又は7に記載の独居者見守りシステム。
【0155】
(付記9)
前記操作状況検出手段は、前記家電機器の消費電力を求める手段と、消費電力の変化に基づいて、前記家電機器への操作を検出する手段と、を備える、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項に記載の独居者見守りシステム。
【0156】
(付記10)
前記時間帯は、一日を朝、昼、夕、夜、就寝時間の五つの生活時間帯に分類されている、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の独居者見守りシステム。
【0157】
(付記11)
前記安否情報を基に電子メールを送信するか否かを判別し、必要がある場合は電子メールを送信するメール送信手段と、を備える、
ことを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項に記載の独居者見守りシステム。
【0158】
(付記12)
コンピュータに、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
予め設定された時間帯別に、前記操作状況検出ステップにより検出された操作状況と独居者の安否情報とを関連付けるルールを記憶するルール記憶ステップと、
現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記時間帯特定ステップが特定した時間帯と前記操作状況検出ステップにより検出された操作状況に基づいて、前記ルール記憶ステップに記憶されたルールに従って独居者の安否情報を求める安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を実行させる、
ことを特徴とする独居者見守りプログラム。
【0159】
(付記13)
独居者の異常を検知する独居者見守りシステムにて実行される独居者見守り方法であって、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
予め設定された時間帯別に、前記操作状況検出ステップにより検出された操作状況と独居者の安否情報とを関連付けるルールを記憶するルール記憶ステップと、
現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記時間帯特定ステップが特定した時間帯と前記操作状況検出ステップにより検出された操作状況に基づいて、前記ルール記憶ステップに記憶されたルールに従って独居者の安否情報を求める安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を備える、
ことを特徴とする独居者見守り方法。
【符号の説明】
【0160】
1、2、3 独居者見守りシステム
100、200、300 独居者見守り装置
101 状態遷移判別部
102 時刻取得部
103 時間帯変換部
104 ルール抽出部
105 危険度及び確信度処理部
106 出力部
107 時間帯データベース
108 ルールデータベース
109 履歴情報データベース
110 電気情報変換部
111 電気情報データベース
112 メール送信部
4 家電機器
5 センサ
6 ネットワーク
70 内部バス
71 制御部
72 主記憶部
73 外部記憶部
74 操作部
75 表示部
76 送受信部
8 独居世帯
【技術分野】
【0001】
本発明は、独居者の安否状態を検知し、監視者に対し警報を発するシステム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化の影響で、高齢者独居世帯が増加している。これらの人々は、隣人や社会との接点が乏しいことから、周囲に知られないまま孤独死する場合も有り、社会問題として取り沙汰されている。
【0003】
上述の理由から、独居者の見守りを行うために、独居世帯の家電装置の動作状態や動作時間に焦点を当て、独居者の安否状態を検知するためのシステムが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1は、監視対象者の住居内の家電機器の動作状態(連続動作時間や連続不動作時間など)を、通電情報を基に検出し、住居外の管理機関がこの情報を管理することで、監視者に対し情報を送信する生活モニタリングシステムを開示している。
【0005】
また、特許文献2は、監視対象者の住居の配電網上における電気信号を基に、家電機器の動作状態を検出し、これらの情報から生成した追跡データで監視対象者の行動を確率的に評価する遠隔人物追跡装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−86383号公報
【特許文献2】特開2007−48265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1が開示する生活モニタリングシステムは、家電機器毎に異常検知の規定となる値が予め決められており、検出した連続動作時間又は連続不動作時間をこの規定値と比較している。
【0008】
このため、個々の監視対象者の生活リズムに当てはまらない規定値を定義した場合、誤検出をしてしまうという問題がある。
【0009】
さらに、各世帯での生活リズムは異なることが普通であるため、複数世帯の比較による判断を行えず、検知された異常がその世帯特有の状況であるのか、一般的に起こりうる状況なのかを判断できないという問題がある。
【0010】
また、特許文献2が開示する遠隔人物追跡装置は、1日を数時間毎の時間帯に区切り、その時間帯内での監視対象者の追跡データを基に重み付けをし、確率的に監視対象者の行動を評価している。
【0011】
しかしながら、この区切られた時間帯は予め固定されているため、特許文献1が開示する発明と同様に、個々の監視対象者の生活リズムに当てはまらない時間帯を定義した場合、誤検出をしてしまうという問題がある。
【0012】
さらに、各世帯での生活リズムは異なることが普通であるため、複数世帯の比較による判断を行えず、検知された異常がその世帯特有の状況であるのか、一般的に起こりうる状況なのかを判断できないという問題がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、各独居者の行動を時間帯毎に検出し、さらにその時間帯を基に世帯間の情報を比較することができる、より正確に異常を検知する独居者見守りシステム、独居者見守り方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る独居者見守りシステムは、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出手段と、
前記操作状況検出手段により計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶手段と、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定手段と、
前記操作状況検出手段により求められた計数値であって前記時間帯特定手段が特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶手段に記録されている履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得手段と、
前記安否情報取得手段により取得された安否情報を出力する出力手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0015】
本発明のその他の観点に係る独居者見守りプログラムは、
コンピュータに、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
前記操作状況検出ステップで計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶ステップと、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶ステップと、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記操作状況検出ステップで求められた計数値であって前記時間帯特定ステップで特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶ステップで記録された履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を実行させる、
ことを特徴とする。
【0016】
本発明のその他の観点に係る独居者見守り方法は、
独居者の異常を検知する独居者見守りシステムにて実行される独居者見守り方法であって、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
前記操作状況検出ステップで計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶ステップと、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶ステップと、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記操作状況検出ステップで求められた計数値であって前記時間帯特定ステップで特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶ステップで記録された履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、各独居者の行動を時間帯毎に検出し、さらにその時間帯を基に世帯間の情報を比較することができる、より正確に異常を検知する独居者見守りシステム、独居者見守り方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る各独居世帯の生活リズムに合わせた時間帯の分類及び定義の一例である。
【図3】第1の実施形態に係るルールデータベースの一例である。
【図4】第1の実施形態に係る履歴情報データベースの一例である。
【図5】第1の実施形態に係る独居者見守りシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る危険度及び確信度処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る危険度及び確信度の算出方法の具体例である。
【図8】第2の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係る履歴情報データベースの一例である。
【図10】第2の実施形態に係るルールデータベースの一例である。
【図11】第2の実施形態に係る独居者見守りシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に係る危険度及び確信度処理の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態に係る危険度及び確信度の算出方法の具体例である。
【図14】第3の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。
【図15】第3の実施形態に係る電気情報データベースの一例である。
【図16】第3の実施形態に係る独居者見守りシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態に係る独居者見守りシステムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る独居者見守りシステムを図面に基づいて説明する。
【0020】
本発明において、危険度は、見守り対象の予め決められた危険性を1以上の段階に分けたもの、確信度は、その危険度が信頼できる程度を示す。
【0021】
[第1の実施形態]
本実施形態に係る独居者見守りシステムを、図1乃至図7を参照して説明する。
【0022】
始めに、図1は、本発明の第1の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。本実施例の独居者見守りシステム1は、独居者見守り装置100と、家電機器4と、センサ5と、ネットワーク6と独居世帯8から構成される。
【0023】
独居者見守り装置100は、状態遷移判別部101と、時刻取得部102と、時間帯変換部103と、ルール抽出部104と、危険度及び確信度処理部105と、出力部106と、時間帯データベース(以下、時間帯DBという)107と、ルールデータベース(以下、ルールDBという)108及び履歴情報データベース(以下、履歴情報DBという)109から構成されている。
【0024】
家電機器4は、本実施例においては、監視対象としている独居世帯8に設置されている一般世帯の電力で使用される家電機器を指す。例えば、冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器といったような機器が該当する。
【0025】
センサ5は、家電機器4の周囲又は家電機器4に取り付けられているセンサであり、家電機器4が動作する際の動作状態を検知する1つあるいは複数のセンサを用いて構成され、家電機器4の現在の動作状態の情報を1つあるいは複数個取得し、一定時間間隔若しくは家電機器4の状態に変化があった場合などのタイミングで、家電機器4の動作状態の情報を信号としてネットワーク6を介して、状態遷移判別部101に送信する。
【0026】
状態遷移判別部101は、ネットワーク6を介してセンサ5から受信した家電機器4の動作状態を具体的な機器状態へと変換し、家電機器4の状態遷移の有無を求め、状態遷移が起きている場合は、時刻取得部102より機器状態の出現時刻を受信し、状態遷移の種類とともに、時間帯変換部103へと送信する。状態遷移が起きていない場合は、処理を終了する。
【0027】
時刻取得部102は、上述の通り、機器状態の出現時刻を取得する。
【0028】
時間帯DB107は、各独居世帯8の生活リズムに応じて、1日又は1週間の期間を複数個の生活時間に分類されたデータを予め格納している。さらに、季節毎、月毎に分類されたデータを予め格納してもよい。
【0029】
時間帯変換部103は、時間帯DB107を参照し、状態遷移判別部101から受信した出現時刻を、時間帯DB107に定義されている時間帯に変換し、さらにその時間帯の一つ前の時間帯(以下、作業用時間帯という)を求め、状態遷移判別部101から受信した状態遷移の種類と共に、ルール抽出部104へと送信する。
【0030】
ルールDB108は、状態遷移の種類の出現回数に係るルールと、そのルールと一致した場合に抽出される安否情報とを格納している。安否情報は、危険度と確信度とを含む。このルールは、状態遷移の種類毎に格納され、時間帯DB107が格納している時間帯の数だけ存在する。
【0031】
ルール抽出部104は、時間帯変換部103から受信した作業用時間帯と状態遷移の種類の2つの要素に基づいて、ルールDB108にある複数のルールの中から当該要素に対応するルールと、そのルールに対応する危険度及び確信度を全て抽出し、作業用時間帯と状態遷移の種類に基づく履歴を、履歴情報DB109に蓄積する。さらに、作業用時間帯及び状態遷移の種類と、ルールDB108から抽出したルールと危険度及び確信度を、危険度及び確信度処理部105に送信する。
【0032】
履歴情報DB109は、上述のルール抽出部104から時間帯及び状態遷移の種類を受信することで、過去の時間帯における状態遷移の種類の出現回数を蓄積する。
【0033】
危険度及び確信度処理部105は、ルール抽出部104から受信した作業用時間帯及び状態遷移の種類を基に、ルール抽出部104から受信したルールと照合し、履歴情報DB109から抽出した出現回数との比較を行い、ルールと一致した場合は危険度及び確信度を求め、求めた危険度及び確信度を出力部106に送信する。ルールと一致しなかった場合は、まだ警報を発生する段階ではないため、当該独居者の状態に異常は無いという情報を出力部106に送信する。
【0034】
出力部106は、危険度及び確信度処理部105から送信された危険度と確信度を表示する。この表示された危険度と確信度を比較し、警報発生の適否も求める。当該独居者の状態に異常が無い旨の情報を受信した場合は、当該独居者の状態に異常は無い旨の表示をする。
【0035】
図2は、本実施例における時間帯DB107に格納されているデータの一例である。当該独居者の1日を5つの時間帯に分類し、それぞれ6時から11時を「朝」の時間帯、11時から16時を「昼」の時間帯、16時から20時を「夕」の時間帯、20時から23時を「夜」の時間帯、23時から6時を「就寝」の時間帯とし、さらに1週間のうち月曜日から金曜日を平日、土曜日、日曜日を休日という2つの時間帯に分類することで、合計10個の時間帯に分類する。なお、これらの区切り方は各独居世帯8毎に異なっていても良い。
【0036】
図3は、本実施形態におけるルールDB108に格納されているデータの一例である。例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、冷蔵庫の開から閉への状態遷移についてのルールが存在し、図示されていないがその他のルール(冷蔵庫の閉から開等)についても存在する。
【0037】
図4は、本実施形態における履歴情報DB109に格納されているデータの一例である。例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、冷蔵庫の状態遷移の出現時刻より前に出現した開から閉や、閉から開の状態遷移の出現回数を蓄積している。また、この他の機器(冷蔵庫以外の家電機器)や、他の状態遷移についても同様に、過去の出現回数を蓄積している。
【0038】
図5は、本実施形態における独居者見守り処理の一例を示すフローチャートである。
【0039】
まず、家電機器4の動作状態に変化が生じると、センサ5は家電機器4の動作状態を信号としてネットワーク6を介して送信する。
【0040】
例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、冷蔵庫の扉や蓋などの開閉の状態を、既存の開閉センサを用いて収集する。さらに、消費電力情報を既存の電力センサを用いて収集することも可能である。
【0041】
状態遷移判別部101は、ネットワーク6を介してセンサ5からの信号を受信し(S101)、送信元を特定する。
以後、独居者見守りシステム1は、特定した独居者用に設定されている時間帯、ルールなどに基づいて動作する。ただし、理解を容易にするため、逐一言及はしないものとする。
まず、状態遷移判別部101は、受信した信号を具体的な機器状態に変換する(S102)。
【0042】
さらに前回変換した機器状態と比較し、状態遷移の種類を求め(S103)、状態遷移が起きている場合は(S104;Yes)、時刻取得部102にて機器状態出現時刻を取得し(S105)、状態遷移の種類とともに、時間帯変換部103に送信する。状態遷移が発生していない場合は処理を終了する(S104;No)。
【0043】
例えば、家電機器4が冷蔵庫であり、センサ5が冷蔵庫の扉に取り付けた開閉センサの場合、状態遷移判別部101は、ネットワーク6を介してセンサ5から受信した家電機器4の動作信号を、扉の開状態や閉状態に変換する。さらに、前回の機器状態と比較し、開状態から閉状態への遷移、若しくは閉状態から開状態への遷移などの状態遷移を求める。
【0044】
時間帯変換部103は、受信した機器状態出現時刻を、時間帯DB107を参照して時間帯に変換し(S106)、さらに作業用時間帯を求め(S107)、状態遷移判別部101から受信した状態遷移の種類とともに、ルール抽出部104に送信する。
【0045】
例えば、時間帯DB107に格納されているデータが図2に示すデータである場合、機器状態の出現時刻が13:00であったとすると、図2を参照し、13:00に対応した時間帯は「昼」の時間帯、となる。その一つ前の時間帯とは、「朝」の時間帯となるため、作業用時間帯は「朝」としてルール抽出部104に送信する。
【0046】
ルール抽出部104は、受信した時間帯及び状態遷移の種類に基づく履歴を履歴情報DB109に蓄積し(S108)、さらにルールDB108を参照し、作業用時間帯及び状態遷移の種類に該当するルールと、そのルールに対応する危険度及び確信度を抽出し(S109)、作業用時間帯及び状態遷移の種類と、抽出したルールと、危険度及び確信度を危険度及び確信度処理部105に送信する。
【0047】
危険度及び確信度処理部105は、危険度及び確信度処理を実行し(S110)、当該独居者の危険度及び確信度を求め、出力部106に送信する。
【0048】
出力部106は、危険度及び確信度処理部105から受信した情報を基に、警報発生の適否を求め、警報を発生する場合は(S111;Yes)、受信した危険度及び確信度を表示し(S112)、警報を発生しない場合は処理を終了する(S111;No)。
【0049】
図6は、本実施形態における危険度及び確信度処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
始めに、危険度及び確信度処理部105は、ルール抽出部104から受信した作業用時間帯における状態遷移の出現回数を求める(S201)。
【0051】
次に、履歴情報DB109から抽出した過去の履歴情報から、作業用時間帯までの状態遷移の出現回数を取得し、時間帯あたりの平均出現回数を求める(S202)。
【0052】
次に、ルール抽出部104から受信したルールに従い、上述にて求めた作業用時間帯における状態遷移の出現回数(S201にて求めた値)と、過去の履歴情報から求めた作業用時間帯における平均出現回数(S202にて求めた値)を比較し、ルールと一致するかどうかを判定する(S203)。ルールと一致した場合は(S203;Yes)、次のステップに進み危険度及び確信度を取得し、ルールと一致しなかった場合は(S203;No)、まだ警報を発生する段階ではないため、出力部106へ警報が発生していないという情報を送信する(S206)。
【0053】
ルールと一致した場合は、そのルールに対応する危険度及び確信度を取得する(S204)。この危険度及び確信度が当該独居者の状態となり、危険度及び確信度を出力部106へと送信する(S205)。
【0054】
以下、理解を容易にするために、上述までで説明した危険度及び確信度処理部105の具体的な算出方法を、図7を参照して説明する。
【0055】
平日の朝及び昼の冷蔵庫の開閉の状態が図7(a)のように遷移しており、作業用時間帯が平日の朝であり、動作開始の契機となった状態遷移の種類が開から閉への状態遷移の場合は、図6のS201では、図7(b)に示すように、1回と求めることができる。
【0056】
次に、履歴情報DB109に蓄積されている履歴情報が、図4に示すデータであり、この値が過去1週間分の履歴情報であった場合、平日の朝の開から閉への状態遷移の合計出現回数は15回となり、図6のS202では図7(c)に示すように、平均出現回数は3回(15÷5)となる。
【0057】
次に、平日の朝の開から閉への状態遷移におけるルールが、図7(d)に示すように、「状態遷移の出現回数が、平均出現回数の50%未満」となっている場合、これを上述にて求めた値に当てはめて比較すると、開から閉への状態遷移の回数は1回、過去の平均出現回数の50%は、1.5回(3回×0.5)となるため、当該ルールと一致することになる。
【0058】
一致したルールに対応する危険度及び確信度は、一致したルールを参照すると、危険度5、確信度40、となる。このため、図7(e)に示すように、この危険度及び確信度が出力部106に送信される。なお、本実施例では、危険度及び確信度は、一致したルールに対応する危険度及び確信度をそのまま利用しているが、その限りではない。例えば、独居者別に危険度及び確信度に重み付けをした値を独居者の安否情報としても良い。
【0059】
上記実施形態においては、独居者自身の動き、即ち、家電機器の操作(されたこと)を検出するために、電子機器の状態を検出し、さらに検出した状態の変化から操作を検出したが、独居者自身による操作(例えば、開動作、閉操作、オン操作、オフ操作、移動操作、把持操作等)を直接検出するセンタ5を配置して、独居者見守りシステム1で該センサ5の出力を受信するようにしてもよい。
【0060】
また、上記実施の形態においては、同一時間帯の過去の平均的な操作回数と直近の時間帯の確定した計数値(操作回数)との比に基づいて、危険度と確信度とを求めたが、過去の平均値に限らず、代表値等であってもよい。
【0061】
また、現在時刻が属する時間帯の1つ前の時間帯の計数値に基づいて危険度と確信度とを求める例を示したが、どの時間帯の確定した計数値を使用するかは任意であり。例えば、現在時刻が属する時間帯の2つ前、3つ前の所定の時間帯の計数値に基づいて危険度と確信度とを求めることも可能である。
さらに、1つの時間帯の計数値に基づいて危険度と確信度とを求めるだけでなく、複数の時間帯の確定した計数値を使用してもよい。例えば、現在時刻が属する時間帯の直近1日分の5つの時間帯の計数値に基づいて危険度と確信度とを求めることも可能である。この場合、例えば、直近5つの時間帯それぞれについて危険度と確信度とを個別に求め、最後に平均値、代表値等を求める等すればよい。
【0062】
本実施形態の構成にすることで、以下の利点が生まれる。
まず、各世帯の独居者の生活リズムに応じた時間帯を定義し、ある機器の状態遷移の出現回数と、当該機器の状態遷移が出現するまでの過去の時間帯当たりの当該状態遷移の平均出現回数を比較し、危険度及び確信度を求めるように構成しているため、独居者の生活リズムを崩さずに異常を検知することができる。
次に、各世帯の独居者に応じて分類した時間帯を基準にし、世帯間の異常検知結果を比較することで、生活リズムの異なる独居者同士でも、異常検知結果を比較することが可能となる。
【0063】
[第2の実施形態]
本実施形態に係る独居者見守りシステムを、図8乃至図13を参照して説明する。
【0064】
始めに、図8は、本発明の第2の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。本実施例の独居者見守りシステム2は、独居者見守り装置200と、家電機器4と、センサ5と、ネットワーク6と、独居世帯8から構成される。
【0065】
独居者見守り装置200の構成は、第1の実施形態と同じく、状態遷移判別部101と、時刻取得部102と、時間帯変換部103と、ルール抽出部104と、危険度及び確信度処理部105と、出力部106と、時間帯DB107と、ルールDB108及び履歴情報DB109から構成されている。
【0066】
本実施例において、家電機器4及びセンサ5は、第1の実施形態に係る独居者見守りシステム1と同様の構成であり、出力部106は第1の実施形態に係る独居者見守り装置100と同様の処理となっているため、ここでは説明を省く。
【0067】
なお、本実施例における各独居世帯8の生活リズムに合わせた時間帯の定義も、第1の実施形態における定義と同等の意味のものとする。
【0068】
履歴情報DB109は、機器状態に対応する最後の確信度算出時刻(以下、処理完了時刻という)、出現時刻、危険度及び確信度を蓄積している。
【0069】
状態遷移判別部101は、第1の実施形態と同様に、ネットワーク6を介してセンサ5から受信した家電機器4の動作状態の信号を具体的な機器状態へと変換し、家電機器4の状態遷移を求め、時刻取得部102から、機器状態の出現時刻と処理完了時刻を受信する。
【0070】
状態遷移が起きている場合は、履歴情報DB109を初期化し、処理を終了する。
【0071】
状態遷移が起きていない場合は、履歴情報DB109を更新し、機器状態とその出現時刻及び処理完了時刻を、時間帯変換部103へ送信する。
【0072】
時刻取得部102は、上述の通り、機器状態の出現時刻と、履歴情報DB109を参照し、処理完了時刻を取得する。
【0073】
時間帯変換部103は、時間帯DB107を参照し、状態遷移判別部101から受信した出現時刻と処理完了時刻を、時間帯DB107に定義されている時間帯に変換し、状態遷移判別部101から受信した機器状態と共にルール抽出部104へ送信する。
【0074】
ルールDB108は、機器状態毎に、危険度と、時間帯毎に定義したルールを予め格納している。このルールは、確信度を求めるために必要なパラメータであり、処理完了時刻から出現時刻までに経過した時間に従い、パラメータを用いて確信度を増加させる。
【0075】
ルール抽出部104は、時間帯変換部103から受信した時間帯と機器状態に基づいて、ルールDB108にある複数のルールから、出現時刻から変換された時間帯と機器状態に対応するルールと、処理完了時刻から変換された時間帯と機器状態に対応するルールと、機器状態に対応する危険度を抽出し、抽出した各ルール及び危険度と、時間帯変換部103から受信した時間帯を、危険度及び確信度処理部105へ送信する。
【0076】
危険度及び確信度処理部105は、ルール抽出部104から受信したルールを基に、危険度及び確信度を求め、求めた危険度及び確信度を出力部106に送信する。
【0077】
図9は、本実施形態における履歴情報DB109に格納されているデータの一例である。例えば家電機器4が冷蔵庫である場合は、機器状態(開状態や閉状態)に対応する処理完了時刻、出現時刻、危険度及び確信度を蓄積している。また、図示されていないが、この他の機器や、他の状態についても同様に機器状態に対応する処理完了時刻、出現時刻、危険度及び確信度が蓄積されている。
【0078】
図10は、本実施例におけるルールDB108に格納されているデータの一例である。例えば、家電機器4が冷蔵庫の場合、開状態についてのルールが時間帯毎に存在する。図10のルールにおいて、確信度が0の場合に、処理完了時刻から出現時刻までに経過した時間から、確信度の初期値を求めるために処理完了時刻に加算するパラメータを初期時間、その際に確信度に代入するパラメータを初期値、確信度が0以外の場合に、経過した時間から確信度を増加するために処理完了時刻に加算するパラメータを増加時間、その際に確信度に加算するパラメータを増加値と表す。
【0079】
図11は、本実施形態における独居者見守り処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
まず、家電機器4の動作状態に変化が生じると、センサ5は家電機器4の動作状態を信号としてネットワーク6を介して送信する。例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、センサ5は、第1の実施形態と同様に、冷蔵庫の扉や蓋などの開閉の状態を送信する。
【0081】
状態遷移判別部101は、ネットワーク6を介してセンサ5からの信号を受信し(S301)、受信した信号を具体的な機器状態に変換する(S302)。さらに前回変換した機器状態と比較し、状態遷移の種類を求め、(S303)時刻取得部102から、機器状態の出現時刻と処理完了時刻を取得する(S304)
【0082】
状態遷移が起きている場合は(S305;Yes)、履歴情報DB109の前回処理していた項目を初期化し(S306)、処理完了時刻を出現時刻に置き換え、履歴情報DB109に蓄積し(S307)、処理を終了する。
【0083】
状態遷移が発生していない場合は(S305;No)、機器状態と出現時刻を履歴情報DB109に蓄積し(S308)、機器状態とその出現時刻及び処理完了時刻を、時間帯変換部103へ送信する。
【0084】
時間帯変換部103は、時間帯DB107を参照し、受信した出現時刻及び処理完了時刻を時間帯に変換し(S309)、機器状態とともにルール抽出部104に送信する。
【0085】
ルール抽出部104は、受信した機器状態及び時間帯を基に、ルールDB108を参照し、出現時刻から変換された時間帯と機器状態に対応するルールと、処理完了時刻から変換された時間帯と機器状態に対応するルールと、機器状態に対応する危険度を抽出し(S310)、機器状態及び時間帯とともに危険度及び確信度処理部105に送信する。
【0086】
危険度及び確信度処理部105は、危険度及び確信度処理を実行し(S311)、当該独居者の危険度及び確信度を求め、出力部106に送信する。
【0087】
出力部106は、危険度及び確信度処理部105から受信した情報を基に、警報発生の適否を求め(S312)、警報を発生する場合は、受信した危険度及び確信度を表示し(S313)、警報を発生しない場合は処理を終了する。
【0088】
図12は、本実施形態における危険度及び確信度処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
危険度及び確信度処理部105は、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する確信度を抽出し、その確信度が0であるかどうかを判定する(S401)。確信度が0の場合は(S401;Yes)、まだ警報が発生していないことを表し、ルール抽出部104から受信したルールにおける初期時間及び初期値を適用するために次のステップへ進む。確信度が0でない場合は(S401;No)、すでに前回の動作から警報が発生されていることを表し、ルール抽出部104から受信したルールにおける増加時間及び増加値を適用するためのステップへ進む。
【0090】
次に、上述にて履歴情報DB109から抽出した確信度が0であった場合は、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する処理完了時刻に初期時間を加算すると、出現時刻を上回るかどうかを判定し(S402)、上回らない場合は(S402;No)、次のステップへ進み、上回る場合は(S402;Yes)、まだ警報を発生させる段階ではないため、危険度及び確信度を求めず、出力部106へ警報が発生していないという情報を送信する。
【0091】
上述にて、処理完了時刻に初期時間を加算しても出現時刻を上回らない場合は、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する処理完了時刻に、初期時間を加算し(S403)、確信度には初期値を代入し、危険度には機器状態に対応した危険度を代入する(S404)。
【0092】
次に、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する処理完了時刻に増加時間を加算すると、出現時刻を上回るかどうかを判定し(S405)、上回らない場合は(S405;Yes)次のステップへと進み、上回る場合は(S405;No)、機器状態に対応する危険度及び確信度を出力部106へ送信する(S408)。
【0093】
上述にて、処理完了時刻に増加時間を加算しても出現時刻を上回らない場合は、履歴情報DB109に蓄積されている機器状態に対応する処理完了時刻に増加時間を加算し(S406)、確信度には増加値を加算し(S407)、上述の判定(S405)へと戻る。処理完了時刻に増加時間を加算することで時間帯が変わる場合には、処理完了時刻から変換された時間帯を次の時間帯に更新する。この次の時間帯とは、例えば、第1の実施の形態における図2に示すような時間帯の場合、処理完了時刻から変換された時間帯が「昼」の時間帯だった場合は、次の時間帯は「夕」となり、処理完了時刻から更新された時間帯が「就寝」の時間帯だった場合は次の時間帯は「朝」となる。
【0094】
以下、理解を容易にするために、上述までで説明した危険度及び確信度処理部105の具体的な算出方法を、図13を参照して説明する。
【0095】
始めに、図13(a)は、例えば、家電機器4が冷蔵庫である場合、履歴情報DB109の冷蔵庫の扉の開状態の各パラメータを表しており、図13(a)の段階では状態遷移判別部101によって初期化されている状態である。また、このとき冷蔵庫の扉は閉まっており、状態遷移判別部101は閉状態を検出しているとする。
【0096】
ここで、冷蔵庫の扉が開かれると、センサ5は開状態を取得し、状態遷移判別部101は状態遷移が起きていると判断し、図13(b)に示すように、時刻取得部102から受信した処理完了時刻に冷蔵庫の開状態の出現時刻を代入し、履歴情報DB109に冷蔵庫の開状態の項目の処理完了時刻と出現時刻を更新する。
【0097】
次に、図13(c)は、前回から時間が経過し、再びセンサ5で冷蔵庫の扉の開状態が取得され、状態遷移判別部101は、状態遷移は起きていないと判断し、冷蔵庫の出現時刻が更新されていることを表している。
【0098】
図13(c)の場合、確信度は0であることから、図12のS401では次のステップ(図12のS402)へと進む。
【0099】
ルール抽出部104により抽出されたルールが、図13(i)に示すルールの場合、平日の昼の時間帯における開状態のルールの初期時間は45分であり、この場合、図13(c)では、処理完了時刻に初期時間45分を加算しても、出現時刻を上回らないため、次のステップ(図12のS403)へと進む。
【0100】
次に、図13(d)は、図12のS403及びS404の処理により、図13(c)の処理完了時刻に初期時間45分を加算し、確信度に初期値10を代入、危険度に冷蔵庫の開状態に対応する値を代入したものである。
【0101】
図13(d)では、処理完了時刻に増加時間20分を加算すると、出現時刻を上回るため、図12のS405にて処理が終了し、出力部106は、図13(d)の危険度(5)及び確信度(10)を表示することになる。
【0102】
次に、図13(e)は、図13(d)の状態からさらに時間が経過し、再度冷蔵庫の扉の開状態を検出し、出現時刻を更新した状態である。この状態において、確信度は0では無いため、図12のS401から図12のS405へと処理が進むこととなる。図13(e)では、処理完了時刻に、図13(i)における平日の昼の時間帯のルールの増加時間20分を加算しても、出現時刻を上回らないため、次のステップ(図12のS406)へと処理が進む。
【0103】
次に、図13(f)は、図12のS406及びS407の処理により、図13(e)の状態から、増加時間20分を処理完了時刻に加算し、確信度に増加値10を加算した状態である。
【0104】
次に、図13(g)は、再度図12のS405の判定において、図13(f)の処理完了時刻に増加時間20分を加算しても、出現時刻を上回らないため、図12のS406及びS407の処理により、増加時間20分を処理完了時刻に、増加値10を確信度に加算した状態である。ただし、加算された後の処理完了時刻に対応する時間帯が昼から夕に遷移するため、次の増加時間と確信度の加算の際には、冷蔵庫の夕の時間帯における開状態のルールが適用されることになる。
【0105】
次に、図13(h)は、再度図12のS405の判定において、図13(g)の処理完了時刻に平日の夕の時間帯のルールの増加時間10分を加算しても、出現時刻を上回らないため、図12のS406及びS407の処理により、増加時間10分を処理完了時刻に、増加値15を確信度に加算した状態である。この状態から再度図12のS405の判定に戻るが、図13(h)の処理完了時刻に増加時間10分を加算すると、出現時刻を上回るために処理終了となり、出力部106は図13(h)の危険度(5)及び確信度(45)を表示することとなる。
【0106】
上述の実施例のように、処理完了時刻を加算することにより時間帯が遷移する場合の処理完了時刻と確信度の加算方法は、処理完了時刻に対応する時間帯のルールの増加時間と確信度の増加値である必要はなく、例えば、出現時刻に対応する時間帯のルールの増加時間と確信度の増加値を加算しても良い。また、その他に処理完了時刻から時間帯の変わり目までの時間を求め、その時間と処理完了時刻に対応する時間帯のルールの増加時間の割合を求め、確信度を掛けた値を確信度に加算し、時間帯の変わり目の時間を処理完了時刻に更新しても良い。
【0107】
本実施形態の構成にすることで、以下の利点が生まれる。
まず、ある機器の状態の経過時間によって危険度及び確信度を求めるように構成し、第1の実施形態と同様に各世帯の独居者の生活リズムに応じた時間帯を定義しているため、独居者の生活リズムを崩さずに異常を検知することができる。
次に、第1の実施形態と同様に、各世帯の独居者に応じて分類した時間帯を基準にし、世帯間の異常検知結果を比較することで、生活リズムの異なる独居者同士でも、異常検知結果を比較することが可能となる。
【0108】
[第3の実施形態]
本実施形態に係る独居者見守りシステムを、図14乃至図16を参照して説明する。
【0109】
始めに、図14は、本発明の第3の実施形態に係る独居者見守りシステムの構成を示すブロック図である。本実施例の独居者見守りシステム3は、独居者見守り装置300と、家電機器4と、センサ5と、ネットワーク6と、独居世帯8から構成される。
【0110】
独居者見守り装置300の構成は、状態遷移判別部101と、時刻取得部102と、時間帯変換部103と、ルール抽出部104と、危険度及び確信度処理部105と、出力部106と、時間帯DB107と、ルールDB108と、履歴情報DB109と、電気情報変換部110と、電気情報データベース(以下、電気情報DBという)111及びメール送信部112から構成されている。
【0111】
本実施例において、センサ5は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る独居者見守りシステム1及び2の構成とは異なる。
【0112】
また、電気情報変換部110、電気情報DB111、メール送信部112及び出力部106を除く独居者見守り装置300の構成は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る独居者見守り装置100及び200の構成と同じであるため、ここでは説明を省く。
【0113】
センサ5は、家電機器4の周囲又は家電機器4に取り付けられているセンサであり、家電機器4が動作する際の電流、電圧、電力のうち少なくとも一つを含む電気情報を計測するセンサを用いて構成される。これは既存の電流計、電圧計、電力計を用いて実現することができる。センサ5は、一定時間間隔若しくは値に変化が生じるタイミングで、少なくとも一つの電気情報を計測し、ネットワーク6を介して、電気情報変換部へ信号を送信する。
【0114】
電気情報DB111は、家電機器4の種類に対応して、各電気情報における機器状態を予め格納している。
【0115】
電気情報変換部110は、ネットワーク6を介してセンサ5から受信した電気情報を基に、家電機器4の種類を求める。家電機器4の種類の求め方は、一般的に知られている、電気情報の波形から特徴量を求め、この特徴量を既知の家電機器4の特徴量と比較し、家電機器4の種類を求める手法を用いる。さらに、電気情報変換部110は、家電機器4の種類を求めると、当該種類及び電気情報を基に電気情報DB111を参照し、機器状態を求め、求めた機器状態を状態遷移判別部101に送信する。
【0116】
この先の処理は、第1の実施形態に係る独居者見守り装置100で説明した処理でも、第2の実施形態に係る独居者見守り装置200で説明した処理でも良い。
【0117】
出力部106は、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る独居者見守り装置100及び200と同様に、危険度及び確信度処理部105から受信した危険度と確信度を表示する。さらに、出力部106は、メール送信部112に危険度及び確信度を送信する。
【0118】
メール送信部112は、出力部106から受信した危険度及び確信度を基に、監視者への問い合わせ適否を求め、監視者への問い合わせが必要な場合は、出力部106を介して監視者に問い合わせ、電子メールの送信可否を判断させる。監視者が電子メールを送信すると判断した場合は、電子メールを送信し、そうでない場合は処理を終了する。監視者への問い合わせが不要な場合、電子メールを送信し、処理を終了する。
【0119】
図15は、本実施形態における電気情報DB111に格納されているデータの一例である。図15のように、電気情報DB111は、家電機器4の電気情報に対応した機器状態が格納されている。図15の例では、家電機器の種類は、炊飯器、テレビ、電気ポットの例を示しているが、これに限らない。また、電気情報は、電力値として例を示しているが、これに限らない。
【0120】
図16は、本実施例における独居者見守り処理の一例を示すフローチャートである。
【0121】
まず、家電機器4は、動作状態に変化が生じると、センサ5は、家電機器4の電気情報を信号として、ネットワーク6を介して電気情報変換部110に送信する。
【0122】
例えば、家電機器4がテレビである場合、センサ5は、テレビのスイッチがONになると、このときの電気情報を取得し、独居者見守り装置300に送信する。
【0123】
電気情報変換部110は、ネットワーク6を介してセンサ5からの信号を受信し(S101)、受信した電気情報を基に、その情報の特徴量を求める(S501)。
【0124】
求めた特徴量を各家電機器4の特徴量と比較し、家電機器4の種類を求める(S502)。
【0125】
例えば、家電機器4がテレビである場合、受信した電気情報から特徴量を求め、その特徴量がテレビの特徴量と一致する場合、家電機器4はテレビであると求める。
【0126】
次に、受信した電気情報を基に、電気情報DB111を参照して、機器状態を求める(S503)。そして求めた機器状態を、状態遷移判別部101に送信する。
【0127】
例えば、電気情報DB111が格納するデータが、図15に示すデータであるとすると、家電機器4がテレビであり、受信した電気情報が電力値15Wであった場合は、機器状態は、ONの状態だと求められ、ONの状態が状態遷移判別部101に送信される。
【0128】
この先の処理は、第1の実施形態に係る独居者見守り装置100で説明した処理、若しくは第2の実施形態に係る独居者見守り装置200で説明した処理をする(S504)。
【0129】
メール送信部112は、出力部106から受信した危険度及び確信度を基に、監視者への問い合わせ可否を求め(S505)、問い合わせが必要な場合(S505;Yes)、出力部106を介して監視者に問い合わせる(S506)。問い合わせが不要な場合は(S505;No)、電子メールを送信し、処理を終了する。監視者に問い合わせた結果、電子メールを送信すると指示された場合は(S507;Yes)電子メールを送信する(S508)。電子メールの送信は不要だと判断された場合は(S507:No)、処理を終了する。
【0130】
例えば、メール送信部112は、危険度が1から3であった場合は、監視者に対して電子メールの送信適否を問い合わせ、危険度が4から5であった場合は、無条件に電子メールを送信する、という処理を実行する。
【0131】
電子メールの宛先は、予め決められた宛先でも良く、家電機器4の所有者に対応した宛先でも良い。
【0132】
本実施形態の構成は、危険度及び確信度の求め方は第1の実施形態及び第2の実施形態の構成と同様であるため、本実施形態にすることで生まれる利点は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様である。
【0133】
なお、独居者の安否情報として、危険度と確信度とを例示したが、他の指標を使用することも可能である。例えば、安全度と確信度、生存率と確信度、等を安否情報として使用することも可能である。
【0134】
図17は、図1及び図8及び図14に示す本発明の実施の形態に係る独居者見守り装置の物理的な構成例を示すブロック図である。独居者見守り装置は、図17に示すように、制御部71、主記憶部72、外部記憶部73、操作部74、表示部75及び送受信部76を備える。主記憶部72、外部記憶部73、操作部74、表示部75及び送受信部76はいずれも内部バス70を介して制御部71に接続されている。
【0135】
制御部71は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部73に記憶されている制御プログラム79に従って、独居者見守り装置の状態遷移判別部101、時刻取得部102、時間帯変換部103、ルール抽出部104、危険度及び確信度処理部105、出力部106、電気情報変換部110及びメール送信部112の各処理を実行する。
【0136】
主記憶部72は、RAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部73に記憶されている制御プログラム79をロードし、制御部71の作業領域として使用される。
【0137】
外部記憶部73は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、上述の処理を制御部71に行わせるための制御プログラム79を予め記憶し、また、制御部71の指示に従って、この制御プログラム79が記憶するデータを制御部71に供給し、制御部71から供給されたデータを記憶する。
【0138】
操作部74は、キーボード及びマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボード及びポインティングデバイス等を内部バス70に接続するインタフェース装置から構成されている。
【0139】
表示部75は、CRT(Cathode Ray Tube)又はLCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、独居者の危険度及び確信度の結果などを表示する。
【0140】
送受信部76は、ネットワーク6に接続する網終端装置または無線通信装置、及びそれらと接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。送受信部76は、ネットワーク6を介して、センサ5及び独居者見守り装置に接続する。
【0141】
図1及び図8及び図14に示す独居者見守り装置の状態遷移判別部101、時刻取得部102、時間帯変換部103、ルール抽出部104、危険度及び確信度処理部105、出力部106、電気情報変換部110及びメール送信部112の処理は、制御プログラム79が、制御部71、主記憶部72、外部記憶部73、操作部74、表示部75及び送受信部76等を資源として用いて処理することによって実行する。
【0142】
その他、上述の物理的な構成や、フローチャートは一例であり、任意に変更及び修正が可能である。
【0143】
制御部71、主記憶部72、外部記憶部73、操作部74、内部バス70等から構成される制御処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する独居者見守り装置を構成しても良い。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで独居者見守り装置を構成しても良い。
【0144】
また、独居者見守り装置の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムの協働により実現する場合には、アプリケーションプログラム部分のみを記憶媒体や記憶装置に格納しても良い。
【0145】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に上述のコンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信しても良い。そして、このコンピュータを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成しても良い。
【0146】
上記の実施形態の一部又は全ては、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0147】
(付記1)
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出手段と、
予め設定された時間帯別に、前記操作状況検出手段により検出された操作状況と独居者の安否情報とを関連付けるルールを記憶するルール記憶手段と、
現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定手段と、
前記時間帯特定手段が特定した時間帯と前記操作状況検出手段により検出された操作状況に基づいて、前記ルール記憶手段に記憶されたルールに従って独居者の安否情報を求める安否情報取得手段と、
前記安否情報取得手段により取得された安否情報を出力する出力手段と、
を備える、
ことを特徴とする独居者見守りシステム。
【0148】
(付記2)
前記操作状況検出手段は、予め設定された前記時間帯別に、前記家電機器の操作回数を計数する計数手段を備え、
前記ルール記憶手段は、前記時間帯と各時間帯における前記家電機器の操作回数と独居者の安否情報とを関連付けるルールを記憶しており、
前記安否情報取得手段は、前記時間帯特定手段が特定する現在の時間帯よりも所定数前の時間帯と、該時間帯において前記計数手段により計数された操作回数を、前記ルール記憶手段に記憶されたルールに適応することにより、独居者の安否情報を求める、
ことを特徴とする付記1に記載の独居者見守りシステム。
【0149】
(付記3)
前記操作状況検出手段は、前記操作検出手段が家電機器の操作を検出したときに、検出時点の時間帯における前記家電機器の操作回数を更新し、
前記安否情報取得手段は、現時点が属す時間帯の1つ前の時間帯における操作の回数を、前記ルール記憶手段に記憶されたルールに適応して、安否情報を求める、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の独居者見守りシステム。
【0150】
(付記4)
前記操作状況検出手段により計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶手段を備え、
前記ルールは、時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの安否情報とを対応付けて記憶しており、
前記安否情報取得手段は、前記操作状況検出手段により求められた所定の時間帯における計数値と、前記履歴記録手段に記録されている履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って安否情報を取得する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の独居者見守りシステム。
【0151】
(付記5)
前記ルールは、時間帯別に、履歴より求められる該時間帯における過去の平均的操作回数と、直近の同一時間帯における計数値との比と、安否情報とを対応付けて記憶しており、
前記安否情報取得手段は、前記操作状況検出手段により求められた過去の平均的操作回数と直近の同一時間帯における計数値との比に基づいて安否情報を取得する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の独居者見守りシステム。
【0152】
(付記6)
前記安否情報は、前記独居者の安否の危険度と該危険度の確信度とを含み、
前記ルールは、時間帯別に、操作状況と危険度と確信度とを対応付ける情報を含む、
ことを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の独居者見守りシステム。
【0153】
(付記7)
前記操作状況検出手段は、独居者により操作される家電機器の無操作の継続時間を検出する無操作継続時間検出手段を備え、
前記ルールは、時間帯と該時間帯用の加算値を記憶しており、
前記無操作継続時間検出手段が測定した継続時間に応じて、時間帯に対応する加算値を前記ルールから求めて累算する累算手段を備え、
前記安否情報取得手段は、前記累算手段よる累算値に基づいて安否情報を求める、
ことを特徴とする付記1に記載の独居者見守りシステム。
【0154】
(付記8)
前記安否情報は、前記独居者の安否の危険度と該危険度の確信度とを含み、
前記家電機器は複数の分類に分類されており、分類別に危険度が設定されており、
前記安否情報取得手段は、前記家電機器が属す分類に割り当てられている危険度と、前記ルールに基づいて求めた累算値に対応する確信度を取得する、
ことを特徴とする付記1又は7に記載の独居者見守りシステム。
【0155】
(付記9)
前記操作状況検出手段は、前記家電機器の消費電力を求める手段と、消費電力の変化に基づいて、前記家電機器への操作を検出する手段と、を備える、
ことを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項に記載の独居者見守りシステム。
【0156】
(付記10)
前記時間帯は、一日を朝、昼、夕、夜、就寝時間の五つの生活時間帯に分類されている、
ことを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の独居者見守りシステム。
【0157】
(付記11)
前記安否情報を基に電子メールを送信するか否かを判別し、必要がある場合は電子メールを送信するメール送信手段と、を備える、
ことを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項に記載の独居者見守りシステム。
【0158】
(付記12)
コンピュータに、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
予め設定された時間帯別に、前記操作状況検出ステップにより検出された操作状況と独居者の安否情報とを関連付けるルールを記憶するルール記憶ステップと、
現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記時間帯特定ステップが特定した時間帯と前記操作状況検出ステップにより検出された操作状況に基づいて、前記ルール記憶ステップに記憶されたルールに従って独居者の安否情報を求める安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を実行させる、
ことを特徴とする独居者見守りプログラム。
【0159】
(付記13)
独居者の異常を検知する独居者見守りシステムにて実行される独居者見守り方法であって、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
予め設定された時間帯別に、前記操作状況検出ステップにより検出された操作状況と独居者の安否情報とを関連付けるルールを記憶するルール記憶ステップと、
現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記時間帯特定ステップが特定した時間帯と前記操作状況検出ステップにより検出された操作状況に基づいて、前記ルール記憶ステップに記憶されたルールに従って独居者の安否情報を求める安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を備える、
ことを特徴とする独居者見守り方法。
【符号の説明】
【0160】
1、2、3 独居者見守りシステム
100、200、300 独居者見守り装置
101 状態遷移判別部
102 時刻取得部
103 時間帯変換部
104 ルール抽出部
105 危険度及び確信度処理部
106 出力部
107 時間帯データベース
108 ルールデータベース
109 履歴情報データベース
110 電気情報変換部
111 電気情報データベース
112 メール送信部
4 家電機器
5 センサ
6 ネットワーク
70 内部バス
71 制御部
72 主記憶部
73 外部記憶部
74 操作部
75 表示部
76 送受信部
8 独居世帯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出手段と、
前記操作状況検出手段により計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶手段と、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定手段と、
前記操作状況検出手段により求められた計数値であって前記時間帯特定手段が特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶手段に記録されている履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得手段と、
前記安否情報取得手段により取得された安否情報を出力する出力手段と、
を備える、
ことを特徴とする独居者見守りシステム。
【請求項2】
前記ルールは、時間帯別に、履歴より求められる該時間帯における過去の平均的操作回数と、直近の同一時間帯における計数値との比と、安否情報とを対応付けて記憶しており、
前記安否情報取得手段は、前記操作状況検出手段により求められた過去の平均的操作回数と直近の同一時間帯における計数値との比に基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って安否情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の独居者見守りシステム。
【請求項3】
前記安否情報は、前記独居者の安否の危険度と該危険度の確信度とを含み、
前記ルールは、時間帯別に、操作状況と危険度と確信度とを対応付ける情報を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の独居者見守りシステム。
【請求項4】
前記操作状況検出手段は、独居者により操作される家電機器の無操作の継続時間を検出する無操作継続時間検出手段を備え、
前記ルールは、時間帯と該時間帯用の加算値を記憶しており、
前記無操作継続時間検出手段が測定した継続時間に応じて、時間帯に対応する加算値を前記ルールから求めて累算する累算手段と、
前記累算手段による累算値に基づいて安否情報を求める処理手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の独居者見守りシステム。
【請求項5】
前記安否情報は、前記独居者の安否の危険度と該危険度の確信度とを含み、
前記家電機器は複数の分類に分類されており、分類別に危険度が設定されており、
前記処理手段は、前記家電機器が属す分類に割り当てられている危険度と、前記ルールに基づいて求めた累算値に対応する確信度を取得する、
ことを特徴とする請求項4に記載の独居者見守りシステム。
【請求項6】
コンピュータに、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
前記操作状況検出ステップで計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶ステップと、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶ステップと、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記操作状況検出ステップで求められた計数値であって前記時間帯特定ステップで特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶ステップで記録された履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を実行させる、
ことを特徴とする独居者見守りプログラム。
【請求項7】
独居者の異常を検知する独居者見守りシステムにて実行される独居者見守り方法であって、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
前記操作状況検出ステップで計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶ステップと、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶ステップと、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記操作状況検出ステップで求められた計数値であって前記時間帯特定ステップで特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶ステップで記録された履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を備える、
ことを特徴とする独居者見守り方法。
【請求項1】
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出手段と、
前記操作状況検出手段により計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶手段と、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶手段と、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定手段と、
前記操作状況検出手段により求められた計数値であって前記時間帯特定手段が特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶手段に記録されている履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得手段と、
前記安否情報取得手段により取得された安否情報を出力する出力手段と、
を備える、
ことを特徴とする独居者見守りシステム。
【請求項2】
前記ルールは、時間帯別に、履歴より求められる該時間帯における過去の平均的操作回数と、直近の同一時間帯における計数値との比と、安否情報とを対応付けて記憶しており、
前記安否情報取得手段は、前記操作状況検出手段により求められた過去の平均的操作回数と直近の同一時間帯における計数値との比に基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って安否情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の独居者見守りシステム。
【請求項3】
前記安否情報は、前記独居者の安否の危険度と該危険度の確信度とを含み、
前記ルールは、時間帯別に、操作状況と危険度と確信度とを対応付ける情報を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の独居者見守りシステム。
【請求項4】
前記操作状況検出手段は、独居者により操作される家電機器の無操作の継続時間を検出する無操作継続時間検出手段を備え、
前記ルールは、時間帯と該時間帯用の加算値を記憶しており、
前記無操作継続時間検出手段が測定した継続時間に応じて、時間帯に対応する加算値を前記ルールから求めて累算する累算手段と、
前記累算手段による累算値に基づいて安否情報を求める処理手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の独居者見守りシステム。
【請求項5】
前記安否情報は、前記独居者の安否の危険度と該危険度の確信度とを含み、
前記家電機器は複数の分類に分類されており、分類別に危険度が設定されており、
前記処理手段は、前記家電機器が属す分類に割り当てられている危険度と、前記ルールに基づいて求めた累算値に対応する確信度を取得する、
ことを特徴とする請求項4に記載の独居者見守りシステム。
【請求項6】
コンピュータに、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
前記操作状況検出ステップで計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶ステップと、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶ステップと、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記操作状況検出ステップで求められた計数値であって前記時間帯特定ステップで特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶ステップで記録された履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を実行させる、
ことを特徴とする独居者見守りプログラム。
【請求項7】
独居者の異常を検知する独居者見守りシステムにて実行される独居者見守り方法であって、
独居者により操作される家電機器の操作状況を検出する操作状況検出ステップと、
前記操作状況検出ステップで計数された、時間帯別の操作回数の履歴を記憶する履歴記憶ステップと、
予め設定された正規化された時間帯別に、履歴より求められた条件と、該条件が成立したときの独居者の安否情報とを対応付けたルールを記憶するルール記憶ステップと、
前記独居者毎に定められた基準に従い具体化された前記時間帯の中から現在時刻が属す時間帯を特定する時間帯特定ステップと、
前記操作状況検出ステップで求められた計数値であって前記時間帯特定ステップで特定した時間帯を基準に決定される時間帯における計数値と、前記履歴記憶ステップで記録された履歴とに基づいて、前記ルールに設定されている条件が成立するか否かを判別し、条件が成立しているルールに従って独居者の安否情報を取得する安否情報取得ステップと、
前記安否情報取得ステップにより取得された安否情報を出力する出力ステップと、を備える、
ことを特徴とする独居者見守り方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−226780(P2012−226780A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−176285(P2012−176285)
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【分割の表示】特願2010−152509(P2010−152509)の分割
【原出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、総務省、ICT経済・地域活性化基盤確立事業(「ユビキタス特区」事業)「既成家電の状況モニタリングによる24時間見守りサービスの開発・実証」に係る委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月8日(2012.8.8)
【分割の表示】特願2010−152509(P2010−152509)の分割
【原出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、総務省、ICT経済・地域活性化基盤確立事業(「ユビキタス特区」事業)「既成家電の状況モニタリングによる24時間見守りサービスの開発・実証」に係る委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
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