独立光源を用いたウェハ温度測定のための方法及び装置
【課題】迷光等のバックランドノイズの影響を受けずに、基板表面温度を正確に測定する。
【解決手段】基板支持面内に形成された1以上の窓と、第1信号をパルスするように構成された第1信号発生器104と、第1信号発生器から1以上の窓を透過したエネルギーを受信するように配置された第1センサ106を含む装置100が、エッチングプロセス中に基板温度を測定するために提供される。輻射エネルギーを用いて基板102を加熱する工程と、第1光をパルスする工程と、第1光がオンにパルスされたときに基板を透過する全透過率を示す計量値を決定する工程と、第1光がオフにパルスされたときに基板を透過する背景透過率を示す計量値を決定する工程と、プロセス温度を決定する工程を含む方法が、エッチングプロセス中に基板温度を測定するために提供される。
【解決手段】基板支持面内に形成された1以上の窓と、第1信号をパルスするように構成された第1信号発生器104と、第1信号発生器から1以上の窓を透過したエネルギーを受信するように配置された第1センサ106を含む装置100が、エッチングプロセス中に基板温度を測定するために提供される。輻射エネルギーを用いて基板102を加熱する工程と、第1光をパルスする工程と、第1光がオンにパルスされたときに基板を透過する全透過率を示す計量値を決定する工程と、第1光がオフにパルスされたときに基板を透過する背景透過率を示す計量値を決定する工程と、プロセス温度を決定する工程を含む方法が、エッチングプロセス中に基板温度を測定するために提供される。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(発明の分野)
本発明の態様は、概して半導体基板の温度を測定するための方法及び装置に関する。更に、本発明の態様は、赤外線加熱環境での非接触ウェハ温度測定に関する。より具体的には、本発明の態様は、基板の赤外線透過(伝達)によってエッチングプロセス中に半導体基板温度を測定するための方法及び装置に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
超大規模集積(ULSI)回路は、シリコン(Si)基板等の半導体基板上に形成される10億個を超える電子デバイス(例えば、トランジスタ)を含み、デバイス内で様々な機能を実行するように連携している。処理中に、多くの熱処理工程が、時折、基板表面上で実行される。熱処理は通常、プロセス制御のために正確な基板温度の測定を必要とする。不正確な基板温度制御は、デバイス性能に悪影響を与える可能性のある悪いプロセス結果をもたらし、及び/又は基板の膜材料の損傷をもたらす可能性がある。
【0003】
処理中に基板温度を測定するために、異なる種類の温度測定ツールを使用することができる。例えば、熱電対は、基板表面上の所定の位置で基板に物理的に接触させることによって、基板温度を測定するのにしばしば使用される。しかしながら、大口径の基板では、測定位置間の距離が大きいので、基板表面全域に亘る全体的な温度変動を判定することは困難である。更に、基板表面への熱電対の熱物理的接触の信頼性を制御するのは難しく、汚染が懸念される。
【0004】
あるいはまた、基板温度を測定するために光高温測定が時々使用される。処理中に基板表面から放出される輻射(放射)が、光高温測定センサによって測定され、基板温度を決定する。しかしながら、基板表面からの光の放出の測定は、発熱要素からの強烈な光やプラズマ源からの熱、チャンバ壁からの光の放出、及び/又は窓からの迷光などのバックグラウンドノイズから分離することは困難である。基板表面からの光の放出を正確に測定することはできず、更にバックグラウンドノイズは温度測定に誤差を生じさせる可能性があるので、実際の基板表面温度を正確に測定することは困難であり、これは誤った基板温度の決定とその結果として悪い処理結果をもたらす可能性がある。
したがって、基板温度測定のための改良された装置及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
プロセス中の温度を測定するための装置及び方法が提供される。一実施形態では、チャンバ本体を包囲するチャンバ蓋を有するチャンバ本体と、チャンバ本体内に配置され、基板支持面を有する基板支持アセンブリと、基板支持面内に形成された1以上の窓と、第1信号パルスを発するように構成された第1信号発生器であって、第1信号発生器は基板支持アセンブリを通って1以上の窓に光結合され、これによってパルス信号が1以上の窓を透過可能である第1信号発生器と、第1信号発生器から1以上の窓を透過したエネルギーを受信するように配置され、透過率を示す計量値を検出するように構成される第1センサを含む装置が、エッチングプロセス中の基板温度を測定するために提供される。
【0006】
別の一実施形態では、第1信号発生器は光の波長をパルスするように構成されたレーザであり、第1センサは光の波長を検出するように構成される。更なる一実施形態では、電源をオンにすると、第1信号発生器と少なくとも同じ波長の光を発光可能であり、光は、約1000nm〜1500nmの波長の赤外光であり、第1センサは、(a)第1信号発生器がオンにパルスされたときに第1信号発生器及び1以上の加熱ランプからの、及び(b)第1信号発生器がオフにパルスされたときに1以上の加熱ランプからの赤外光の波長を検出するように配置される1以上の加熱ランプが提供される。
【0007】
別の一実施形態は、基板支持面上に配置される基板を透過する第1信号からの透過率の変化を判定するようにプログラミングされ、配線され、又はその他構成される計算装置を更に含み、計算装置は、(a)第1信号がオフにパルスされたときに、1以上の加熱ランプから基板を透過する赤外光の透過率を表す値を、(b)第1信号がオンにパルスされたときに、1以上の加熱ランプ及び第1信号から基板を透過する赤外光の透過率を表す値から減算し、計算装置は、基板の温度を決定する。透過率を表す値は、正規化された透過率比であってもよい。その代わりに又はそれに加えて、透過率を表す値は、電圧で測定された光信号であってもよい。更に、1以上の加熱ランプ及び計算装置に結合された閉ループ制御システムを提供することもできる。第1信号発生器によって供給される赤外光の波長は1200nmであることができる。
【0008】
更なる一実施形態では、第2信号発生器は、第2信号をパルスするように構成され、第2信号発生器は、基板支持アセンブリ内の窓を通して光結合され、第2センサは、第2信号発生器が結合された窓を透過して第2信号発生器から伝達されるエネルギーを受信するように配置され、第2センサは、透過率を示す計量値を検出するように構成される。第2信号は、第1信号よりも短い波長の赤外光であることが可能である。装置は、対数検出器を更に含んでもよい。あるいはまた、第2信号は、第1信号よりも長い波長の赤外光であることが可能である。
【0009】
他の実施形態は、第1赤外線波長の透過率の転移点未満の開始温度でプロセスチャンバ内に基板を提供する工程と、輻射エネルギーを用いて基板を加熱する工程と、第1赤外線波長にほぼ等しい波長を有する第1光をパルスする工程と、第1光がオンにパルスされたときの基板を透過する全透過率を示す計量値を決定する工程と、第1光がオフにパルスされたときの基板を透過する背景透過率を示す計量値を決定する工程と、基板を透過する第1光からの第1赤外線波長の透過率に基づいて、基板のプロセス温度を決定する工程を含む、エッチングプロセス中に基板温度を測定する方法を提供する。第1光はレーザであってもよい。
【0010】
本方法は、レーザから基板を透過する背景透過の無い透過率を示す計量値を分離する工程を更に含むことができる。あるいは、本方法は、(a)第1光がオフにパルスされたときの基板を透過する背景透過率を示す計量値を、(b)第1光がオンにパルスされたときの基板を透過する全透過率を示す計量値から減算する工程を更に含むことができる。赤外レーザ光の波長は1200nmであることができ、加熱工程は、1以上の加熱ランプの電源をオンにする工程を更に含むことができる。透過率を示す計量値は、正規化された透過率比又は電圧で測定された光信号のいずれかであることが可能である。
【0011】
別の一実施形態では、本方法は、プロセス温度を決定する工程の間、基板を冷却する工程を更に含むことができる。更に別の一実施形態では、本方法は、基板のプロセス温度に基づいて1以上の加熱ランプに供給される電力量を変化させるための制御システムを使用する工程を更に含むことができる。更なる一実施形態では、本方法は、第1赤外線波長とは異なる第2赤外線波長を有する第2光をパルスする工程を含むことができる。更なる一実施形態は、第1及び第2赤外線波長の両方と異なる第3赤外線波長を有する第3光をパルスする工程を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限されていると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【0013】
【図1A】〜
【図1C】特定の実施形態を実施するのに適した例示的な処理装置の簡略化した概略図を示す。
【図2】特定の赤外光の波長で基板温度に対するシリコン基板の透過率を示すグラフを示す。
【図3】特定の赤外光の波長で基板温度に対するシリコン基板の透過率を示すグラフを示す。
【図4】線形測定及び対数測定に対して特定の赤外光の波長で基板温度に対する光強度及び基板の透過率を示すグラフを示す。
【図5A】本発明を実施するように構成された例示的な処理装置の概略図を示す。
【図5B】〜
【図5C】図5Aの処理装置内に配置された基板支持アセンブリの別の実施形態の上面図を示す。
【図6】本発明を実施するために、図5Aの装置のうち少なくとも1つが組み込まれた例示的な処理システムの概略図を示す。
【図7】図5Aの装置のうち少なくとも1つを内部に組み込んだ例示的な処理システムの概略図を示す。
【図8】従来の方法のプロセス工程を示すグラフを示す。
【図9】ウェハ温度に対する光強度又は透過率比を示すグラフを示す。
【図10】加熱中のレーザ及びランプ信号を示すグラフを示す。
【図11】20Hzのサンプリングに対してサンプル数及び加熱速度による温度分解能を示す表を提供している。
【0014】
一実施形態の要素及び構成を更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込んでもよいと理解される。しかしながら、図面は本発明の例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限されていると解釈されるべきではなく、本発明は他の有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【詳細な説明】
【0015】
本明細書で説明される実施形態は、例えばエッチングで使用することができる、加熱又は冷却プロセス中の基板温度を測定するための方法及び装置を提供する。他の例示的プロセスは、プラズマプロセス(とりわけ、エッチング、成膜、アニール、プラズマ表面処理及びイオン注入など)を含めることができる。一実施形態では、基板温度は、基板を透過するエネルギーの透過率を監視することによって決定することができる。更なる一実施形態では、レーザ発光赤外線(IR)光などのエネルギー源は、透過率測定から他のエネルギー源を減算することを可能にするために、プロセス中にオン・オフすることができる。赤外線伝送による基板温度測定に関する様々な詳細は、米国特許第7,946,759号及び米国特許出願第12/144,157号に見付けることができ、両者ともあたかも完全に本明細書中に記載されているように参照として援用される。
【0016】
図1A〜1Cは、本発明を実施するのに適した処理装置の簡略化した概略図を示す。装置100は、真空下で運転されている。装置100は、装置100内に設けられた基板102に熱エネルギーを供給するために使用される熱源108を含む。一実施形態では、熱源108は、基板102に隣接して生成されたプラズマから提供される。別の一実施形態では、熱源108は、その代わりに、加熱した基板ホルダー、加熱した支持台、抵抗ヒータ、又は基板の温度を上げるのに適した他の熱源によって提供されることができる。
【0017】
図1Aに示される実施形態では、信号発生器104及びセンサ106は、基板102の上面の上方に配置されている。信号発生器104は、基板102の上方に配置され、基板102を透過する信号110を生成する。信号発生器104は、基板102を透過可能な少なくとも1つの波長を有するエネルギーを供給するエネルギー源であってもよく、レーザ又は広帯域光源を含めることができる。信号110が基板102に当たると、信号110の第1部分112は、直接基板の上面から反射する。信号110の第2部分は、基板102を透過し、部分的に基板102に吸収される可能性がある。基板102を透過した信号110の第2部分は、基板102の底面から反射して、センサ106によって検出可能な信号110のセンサ部114を提供することができる。センサ106は、基板102の底面で反射した信号110のセンサ部114を受信するために利用される。基板102を透過せずにセンサ106に反射した信号110の第1部分112をスクリーニングするために、フィルタ(図示せず)を用いてもよい。
【0018】
コントローラ120は、受信信号を分析するためにセンサ106に接続されている。コントローラ120は、一般に中央処理装置(CPU)138、メモリ140、及びサポート回路142を含む。CPU138は、工業環境で使用可能な汎用コンピュータプロセッサのいずれかの形態のうちの1つでもよい。サポート回路142は、従来はCPU138に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源等を含むことができる。CPU138によって実行されるとき、ソフトウェアルーチンは、特定の目的のコンピュータ(コントローラ)にCPU138を変える。ソフトウェアルーチンはまた、格納されている装置100から遠隔に位置する第2コントローラ(図示せず)によって格納され及び/又は実行されてもよい。
【0019】
図1Aの構成と同様に、図1Bは、信号発生器104及びセンサ106が基板102の下側の下方に配置されている別の一実施形態を示す。
【0020】
図1Cは、信号発生器104及びセンサ106が基板102の反対側に配置されている更に別の一実施形態を示す。信号発生器104は、基板102の上方に配置され、信号110を生成する。センサ106は、信号発生器104に対向する位置に配置されており、これによって、基板102を透過し、反射又は吸収されない信号110のセンサ部114を受信する。二次反射信号122がセンサ106から反射し、基板102を透過し、これによって二次反射信号122の一部124が基板102の上面まで基板102を透過することができる。したがって、信号発生器104及びセンサ106の1組以上が、基板102の異なる側に配置されるように使用され、これによってプロセス中に任意の方向に発生する信号の部分を生成及び受信することができる。
【0021】
異なる基板材料は、異なる温度及び異なる波長において光の異なる透過率をもたらすことができる。熱源108は、基板表面に熱エネルギーを供給するので、基板温度は変化する。信号110のセンサ部114は、別の部分が吸収されている間、基板102を透過する。基板102を透過する信号の量は、基板102の温度に依存している。したがって、基板102が加熱されると、基板102を透過しセンサ106に伝達される信号110のセンサ部114に変化が生じる。センサ106は、基板102の温度を示す信号110のセンサ部114の変化を検出する。基板温度は、信号110のセンサ部114の検出の変化に基づいて決定することができる。
【0022】
一実施形態では、信号発生器104は、異なる波長を有する光発生器であってもよい。例えば、信号発生器104は、所望の範囲内に、又は所望の値に中心をもつ狭帯域波長を有するレーザビームを提供することができる。範囲は約1000nm〜約1500nmの間で選択することができる。更なる実施形態では、約1080nm、1200nm、又は1310nmの波長を有するレーザを使用することができる。
【0023】
図2は、基板温度が上昇したとき、約1200nmの波長で測定された基板の光透過率を示す。トレース202は、摂氏約60度〜摂氏約300度の間で温度の関数としてのシリコン半導体材料の透過率を示す。基板が摂氏60度を下回る温度であるとき、基板の光透過率は、第1温度ゾーン204に示されるように一定のままであり、後続のデータ点の測定データに対して基線として正規化される。基板温度が特定の値を超えて、例えば摂氏120度よりも高く上昇すると、基板透過率に変化が発生する。したがって、トレース202の傾き206が変わる。基板温度が増加するにつれて、基板は、その透過性を失う。したがって、測定されたエネルギー強度に基づいて、基板温度を決定することができる。
【0024】
様々なプロセスにおいて、シリコンウェハの急速加熱が必要とされており、温度の測定値にアクセスすることは困難な場合がある。例えば、いくつかのエッチングプロセスでは、シリコンウェハは約5〜30秒の時間間隔を通して約300℃まで加熱する必要がある場合がある。この急速な加熱は、入射オゾンの急速な分解を促進するために使用できる。熱を供給するためにしばしばランプが使用され、ランプへの供給電力は供給される加熱量を決定することができる。電力レベルは、加熱速度を変更するプロセス中に変更される場合がある。したがって、急速加熱に対して、例えばランプに高電力レベルを供給することによって、素早くウェハの温度を上げるためにランプ(傾斜)ステップが使用可能である。一定の温度に達すると、電力レベルを下げる、あるいはオフにすることさえ可能である。上述したように、この加熱プロセス中に、ウェハを透過したランプからの光は、シリコンウェハの温度を決定するために測定することができる。しかしながら、この方法はランプステップの間に温度を決定することができるだけであり、温度範囲は限られており、この方法は、特定のウェハの不透明性(不透過性)に制限される。更に、検出のための所望の波長に広帯域の光をフィルタリングして使用するための所望の波長(例えば、1200nm)で利用可能な光は限られる可能性がある。特定のレシピ中にランプの電力が変化すると、初期の帯域エッジの透過率を参照する機能が失われ、温度が不定となる。(シリコンウェハを透過した赤外線輻射量は温度の関数としてシフトするので、特定の波長は特定の温度で吸収される又は透過する。透過する最も低い波長が温度によって変化する。)
【0025】
例示的な先行技術のプロセスが図8に示される。トレース810及びトレース820は、加熱ランプ用の第1及び第2電力ドライバをそれぞれ示している。電力は左スケール上ワット単位で測定される。トレース830は、実際の信号測定値(ボルト単位、図示せず)の形状を示している。トレース840は、トレース830によって示される信号測定値に基づいて計算された温度を(左スケール上、℃単位で)示している。トレースは、下部スケール上ミリ秒単位で時間の関数として示されている。図示されるように、ランプは最初に数秒間素早く電源が投入され、その後、電力は低下する。10秒のマークでは、トレース810によって示される第1電力ドライバが遮断され、トレース820によって示される第2電力ドライバも30秒のマークで遮断されるまで低下する。図示されるように、最初の数秒にわたる最初のランプアップステップの間は、温度計算に関して不確実性がある。その後約360℃近傍又はそれ以上の温度推定値の辺りで、トレース830によって示される信号の測定値がゼロで平坦化する10秒マークまでの間だけは、温度プロファイルはトレース840を使用して120℃を超える値で決定される。
【0026】
換言すると、温度を決定するために必要とされる透過率比は、トレース830によって示される信号の測定値が下方に傾斜している時間の部分の間だけ決定することができる。更に、その後の冷却ステップ中は、温度を測定することはできない。
【0027】
レーザ出力を温度計算に使用している間、独立したソース(レーザダイオードなど)を使用することによって、ランプ電力は処理中に変更することができる。信号発生器104を使用する場合、ランプは信号発生器104と同じ波長範囲で輻射が可能である。この輻射は、プロセス全体を通してウェハの温度を決定する際に考慮する必要のあるバックグラウンド「ノイズ」を生成する。このような背景輻射は、温度測定に制限を課す可能性がある。
【0028】
温度決定の改良法は、レーザをパルス化することによって提供できる。レーザとランプ出力の組み合わせは、光検出器によって収集され、レーザがオフのときに収集された値と比較することができる。レーザがオフのときの値をレーザがオンのときの値から減算することによって、レーザ信号はバックグラウンドノイズ(ランプ)から分離することができる。減少したレーザ信号は、温度に対する波長固有のルックアップテーブルの相関信号比と比較することができ、これによってランプ電力とは独立して、ウェハ温度の決定が可能となる。(温度の相関関係は、数式を介して、又はデータベースを搭載したコンピュータプログラミングを介して適用することもできる。)これによって、レシピのすべてのステップを通して、温度を知ることができる。そうでなければ、ホールドステップ内の電力は、熱電対ウェハを使用して決定する必要があるかもしれず、ユーザーは、各ウェハの走行中にこの温度が維持されていることを信頼する必要がある。しかしながら、レーザをパルス化することによって、プロセスのチューニングを改善することができ、レシピ中の温度の問題がより容易に検出される。また、冷却中に温度を知ることができ、冷却時間とスループットを最適化するために使用することができる。更に、全体的に信号がより高いので、測定可能な温度範囲の拡張を可能にする。
【0029】
低濃度及び高濃度ドープシリコンに対して、1080nm、1200nm、1310nmの3つの波長を調べた。ドーピング範囲は6桁にわたる大きさでテストされ、様々な実施形態の堅牢性を検証した。図3は、温度に対する透過率の変化を示している。透過率の変化は左スケール上の正規化された透過率比によって示されている。温度は、下部スケールで示されている。トレース310は1080nmの波長を示し、トレース320は1200nmの波長を示し、トレース330は1310nmの波長を示している。他の波長を用いてもよいことを理解すべきである。
【0030】
図3は、1200nmの波長が約120℃〜350℃の範囲にわたって最も良好な温度感受性を示すことを示している。しかしながら、1200nmの波長は、ランプからのバックグラウンドノイズが最も多いことも示している。このように、1200nmの波長は、レーザパルス方式が採用されない限り、使用することは難しい。1080nmの信号は、より低いバックグラウンドノイズを有するが、その帯域エッジがより低い温度であり、到着するウェハの変動する可能性のある温度を決定することをより困難にしている。トレース310によって示されるように、1080nmの信号は200℃近くでゼロに近い値まで低下し、したがって、その範囲を超える温度に対しては線形スケール上において適さない可能性がある。図3は、1310nmのソースが120℃〜350℃の範囲にわたって比較的鈍感であることを示しているが、300℃を超える温度で透過率比の減少を示している。
【0031】
図9は、ボルト単位での信号測定又は摂氏単位での温度の関数として正規化された透過率比を示すグラフにおいてウェハ温度に対する光強度を示している。図9は、1200nmの波長が所望の温度範囲の多くにわたって直線の傾きを示すことを示している。本発明者らはまた、1200nmレーザ(〜200mW)に対して、ボルト単位で信号強度を測定する検出器は、温度に対してプロットしたときに非常に線形に近い結果が得られ、このため、この波長に対して温度の決定を著しく簡素化することを見出した。これらの結果は、図9において、1200nmのデータ点トレース920を通過するライン910によって示されている。1080nmのレーザの結果は、透過率比に対する1080nm第1データ点トレース940と、ボルト単位で検出された信号に対する1080nm第2データ点トレース950によって示されている。ライン930は、1080nmのデータ点が1200nmのデータ点ほど線形ではないことを示している。しかしながら、温度は、数式又はデータテーブル又はその他の方法のいずれかによって、1080nmの波長に対する透過率比又は信号検出に対して依然として相関可能である。
【0032】
1080nmのレーザは、対数光検出器を用いて更に検討した。結果は図4に示されており、左スケール上に(ボルト単位で検出された)光強度、下部スケール上に℃単位で温度を示している。正規化された透過率比が、特定のデータセットに対して右スケールで示される。1080nmでの温度との透過率の関係が急峻なため、対数検出器が使用された。ウェハ温度に対するウェハの透過率データは、1080nmに対してテストスタンド上で収集された。検出器の設定の調整によって、応答は強く影響を受け、信号レベル、全体の範囲、及び帯域幅を制御した。調整が検出器に対して行われたが、1200nmレーザ(〜200mW)に対して必要とされるものよりも複雑であった。図4において、トレース410は、線形スケールでの信号強度(ボルト)を示している。トレース420は、線形スケールでの正規化された透過率比を示している。トレース430は、対数スケールでの正規化された透過率比を示し、トレース440は、対数スケールでの信号強度(ボルト)を示している。図示されるように、対数スケールは、温度を決定するのに好ましい所望の温度範囲に対してより幅広い範囲の値を提供している。
【0033】
また、1080nmの波長は、場合によっては、又は特定の理由でより好まれるかもしれない。例えば、ランプは1080nmレンジでは1200nmレンジほどは多くのバックグラウンド信号を生成しない。更に、図3のトレース310によって示されるように、1080nmの波長は1200nmの波長よりも低い温度に転移点を有するので、1200nmの波長のおおよその転移点である120℃よりも低い温度を調べる際に役に立つ可能性がある。また、図3は、トレース310が150℃未満の温度に対して、比較的線形の勾配を有しており、このためその範囲内で温度の相関をより容易にできることを示している。
【0034】
1200nmのレーザでは、シリコンウェハは、適切な電力のランプによって、室温から約120℃まで一定の透過率を有することが期待できる。その温度よりも上では、既存の透過率の相関関係を使用できる。現在の温度に相関している現在の値に対する120℃でのピーク値の比率を算出することができる。プロセス内において、ウェハは約40〜60℃の温度でエッチング工程からやって来る可能性がある。ウェハが所定のランプ電力で120℃に加熱されている場合、透過率は一定である。120℃から377℃までは、透過率は低下し、1200nmのレーザは上述のように温度測定を行うためにパルス化することができる。1200nmの波長は、この温度範囲の波長をカバーするのに十分である。ウェハ又はプロセスステップは、ウェハが使用される波長の転移点未満でやって来ることを確認するために監視することもできる。
【0035】
更に、1080nmのレーザは、120℃未満で温度測定を行うために使用することもできる。このように、異なる波長のレーザ(又は光源)を組み合わせることが可能である。また、377℃を超える温度検出の範囲を拡張するために、より高い波長(1310nmなど)を有するレーザ(又は光源)を使用することができる。所望の波長のみを検出器に送るために、フィルタリングデバイス又は技術を使用することもできる。
【0036】
加熱工程の間、アルゴンなどの不活性ガスをチャンバ内に流入させることができる。11%の濃度で約14500sccmの固定流量が、200Torrの圧力で使用可能である。本明細書内で説明される方法及び装置は、加熱工程が終了した後、冷却時の温度を監視するために使用されることもできる。ウェハは、冷却ステーションに移動させることができる。基板支持体(すなわち、台座)も水冷可能である。また、雰囲気も、排気又はさもなければ冷却を促進するように制御することができる。冷却しながらウェハの温度を知ることによって、冷却を最適化することができ、このため、いつウェハが所望のレベルまで冷却されるかを知ることによって、プロセスをスピードアップすることができる。こうして、冷却工程が完了していることを即座に判定できる。制御ループを、冷却用にも構築可能である。また、台座内の水の循環、雰囲気の循環又は排気などの能動冷却工程を停止することができる。
【0037】
図10は、加熱プロセス中にパルスレーザをオン・オフする効果を示している。これは、オン又はオフのいずれかである方形波1010のブロックとして示される。図10では、パルスレーザによって引き起こされた方形波1010によってもたらされた領域は、上側をライン1010aによって境界付けられ、下側をライン1010bによって境界付けられている。この例において、検出器に入るランプの光信号1020は、比較的一定である。(これは、図10でランプの光信号1020に対して描かれた直線によって表される。)稼働中の総光入力は、パルスレーザの方形波1010及びランプ光信号1020の合計である総光入力領域1030で表される。図10では、総光入力領域1030は、上側を基準線1030aによって境界付けられ、下側を基準線1030bによって境界付けられているが、これらは単に理解を容易にするために描かれている。分離されたレーザ光入力1040は、上側を基準線1040aによって境界付けられ、下側を基準線1040bによって境界付けられている領域で表される。加熱プロセス中に透過率は減少するので、分離されたレーザ光入力1040は降下している。信号の増加(〜1Vから5+Vへ)は、上限温度測定限界を320℃から約370℃まで改善することができ、より不透明なウェハに終点検出機能を拡張する。これは、ウェハとチャンバ間のプロセス再現性を向上させる。温度分解能は、ランプレートとサンプリングレートによって決定することができる。
【0038】
利用可能なサンプリングレートが分解能とノイズフィルタリングを制限することを、計算は示している。プロセステストは、電力レベル、パルスレート、サンプリングレートの要件を決定するだろう。図11は、様々な加熱速度に対して、分解能とサンプリングレートを決定可能な方法を示している。図11において、レーザは20Hzで動作している。レーザは、(50ミリ秒の期間に対して)25ミリ秒間のオンと25ミリ秒間のオフとなるような方形波でパルス化されている。20Hzの設定は、利用可能なハードウェアの制限によって決定された。しかしながら、図11は、所望の温度分解能に対してレーザをどれだけ速くパルス化するかを決定することができる方法も示している。したがって、他のパルスの長さを生成するためには、他の設定を使用可能であることを理解すべきである。秒単位の時間は、各列の用語「分解能」に続く括弧内に記載されている。したがって、第1列の「分解能(5)」は、20℃から320℃まで温度を上げるために、加熱速度が5秒にわたって提供されたことを表している。サンプルの列は、各測定を得るための点の数を表す。分解能は、サンプルの数によって提供された温度分解能を表す。5秒の加熱速度で1つのサンプルは、2.95℃の温度分解能を提供し、これは温度測定値における誤差範囲を表すことができる。(1つの温度測定値を収集するために100サンプルが取られた場合、分解能は295℃となり、これは100サンプルで決定するには温度があまりにも目まぐるしく変化していることを示している。)加熱速度は、使用されるプロセスによって予め決定可能である。プロセスは、均一性が良好である限り、可能な限り高速に実行することが好ましいかもしれない。このように、図11は、利用可能なハードウェア及びプロセスによって得られる分解能を示している。図示されるように、より高い分解能は短い加熱速度よりも長い加熱速度で提供される。
【0039】
上述の実施形態は様々な組み合わせで使用することもできる。例えば、レーザ及び/又は検出器は異なる波長で使用し、これによって測定範囲を拡張し、又は他の利点を提供することができる。いくつかの実施形態では、より高い波長はより高い温度範囲に使用することができ、及び/又はより低い波長はより低い温度範囲に使用することができる。更に、対数スケール又は対数スケール検出器を用いた方法又は装置を、線形の方法又は装置と組み合わせることができる。追加のレーザ及び/又は検出器はまた、ウェハ上の複数の場所で温度を測定することができる。このようにして、均一性を検証又は確認することができる。更に、本明細書で提供される改良された温度測定方法は、より正確にランプ電力及び/又はタイミングを制御するために使用することができる。制御ループは、ランプ電力制御を提供するように設定することができ、制御ループは閉ループシステムが可能である。更に、異なる制御プロトコルが異なるランプ又は異なるランプセットに適用される複数のランプを使用することができる。したがって、いくつかのランプを他のものよりも高い電力で制御することができ、及び/又はいくつかのランプを他のものよりもすぐにオフにする又は電力を下げることができる。コンピュータプログラム及び/又はハードウェアは、測定値からバックグラウンドノイズを減算除去し、温度の決定を行うためにも使用することができる。
【0040】
図5Aは、図1A〜Cの基板102などの基板上で、エッチング又は他のプラズマプロセスを実行するために利用可能なプロセスチャンバ500の一実施形態を示している。プロセスチャンバ500は、例示的に本発明を実施するために使用可能な基板支持アセンブリ502(基板を支持するための台座アセンブリであってもよい)とチャンバ蓋532の一実施形態を含む。本明細書内で示されるプロセスチャンバ500の特定の実施形態は、例示の目的のために提供されており、本発明の範囲を制限するために使用されるべきではない。一実施形態では、プロセスチャンバは、アプライドマテリアルズ社から入手可能なHART(商標名)チャンバであることが可能である。あるいはまた、他のメーカーのものを含む他のプロセスチャンバを、本発明から恩恵を受けるように使用することもできる。
【0041】
プロセスチャンバ500は、一般的に、プロセスチャンバ本体550と、ガスパネル574と、コントローラ580を含む。プロセスチャンバ本体550は、処理容積536を囲む導電体(壁)530とチャンバ蓋532を含む。処理ガスは、ガスパネル574からプロセスチャンバ500の処理容積536に供給される。
【0042】
コントローラ580は、中央演算処理装置(CPU)584と、メモリ582と、及びサポート回路586を含む。コントローラ580は、プロセスチャンバ500のコンポーネントに結合され、プロセスチャンバ500のコンポーネント及びプロセスチャンバ内で実行された処理を制御し、同時に、集積回路の工場のデータベースと任意のデータ交換を促進することができる。
【0043】
一実施形態では、少なくとも1つの信号発生器508は、基板温度測定用の信号が基板支持アセンブリ502上に支持される基板の少なくとも一部に作用するようにプロセスチャンバに対して配置される。少なくとも1つのセンサ510は、信号発生器508から生成され、基板を透過した信号の一部を受信するように配置される。特定の実施形態では、第2信号源512及び第2センサ514の1組以上が、基板の異なる領域で基板温度を検出するために利用される場合がある。信号発生器及びセンサの構成及び配置は、図1A〜Cを参照して上述した信号発生器104及びセンサ106の構成と類似であってもよい。
【0044】
一実施形態では、信号発生器508は、約1000nm〜約1400nm、例えば約1050nm〜約1300nm、例えば約1100nm〜約1200nmの波長を有する赤外線輻射を供給可能なレーザ又は他の光源である。信号発生器508の波長は、測定が求められている温度範囲内、例えば、エッチング工程中の基板温度で、処理される材料及び/又は膜の透過率が大きな変化を有するように選択される。
【0045】
一実施形態では、センサ510は、InGaAsダイオードセンサである。センサ510は、基板102を透過した収集されたエネルギーを検出する。収集された信号をフィルタリングし、所望の波長内の赤外光のみがセンサ510に到達可能となるように、フィルタ(図示せず)をセンサ510に隣接して配置してもよい。センサ510は、基板102の温度を計算するために、センサ510に到達して、その後コントローラ580によって更に分析される光エネルギーを示す計量値を提供する。
【0046】
図示の実施形態では、チャンバ蓋532は、実質的に平坦な誘電体部材である。プロセスチャンバ500の他の実施形態は、他のタイプの天井、例えばドーム型天井を有することができる。チャンバ蓋532の上方には、1以上の誘導コイル要素(2つの同軸コイル要素572A及び572Bが例示されている)を含むアンテナ572が配置されている。アンテナ572は、第1整合ネットワーク570を介して、高周波(RF)プラズマ電源568に結合されている。
【0047】
一実施形態では、チャンバ蓋532は、複数の窓プラグ520が内部に形成されている場合がある。窓プラグ520は、窓プラグ520の交換を容易にするため、リムーバブルであってもよい。一実施形態では、窓プラグ520は、信号発生器からの光508がセンサ510へと窓を透過することを可能にする光アクセス窓である。なお、信号発生器508及びセンサ510の構成、配置、機能は、図1A〜Cに参照される上記の信号発生器104及びセンサ106と同様である。
【0048】
一実施形態において、基板支持アセンブリ502は、ベースプレート506上に配置された静電チャック504を含む。基板支持アセンブリ502を構成するために必要とされる他の基板支持アセンブリのコンポーネント及び部品の関連した説明は、簡潔にするためにここでは削除されている。本明細書中で使用される基板支持アセンブリ502の一実施形態は、本明細書中で参照として援用されているHollandによって公開された米国特許出願第2006/0076108号を参照することができる。
【0049】
一実施形態において、基板支持アセンブリ502に加熱又は冷却液体を供給するのを促進するように、基板支持アセンブリ502は、少なくとも1つのオプションの埋設型ヒータ522又は複数のオプションのコンジット(図示せず)を更に含む。ヒータ522及びコンジットは、基板支持アセンブリ502の温度を制御するために利用され、これによってエッチング処理中に上に配置される基板102の温度を制御する。
【0050】
一実施形態では、信号発生器508からの信号の透過を促進するために、複数の窓プラグ524が静電チャック504の本体内に形成される。ベースプレート506は、静電チャック504内に形成された窓プラグ524と整列して内部に形成された複数の開口及び/又は窓プラグ526も有することができる。ベースプレート506及び静電チャック594内の整列した窓プラグ526及び窓プラグ524の組は、信号発生器508からの信号528が最小限の屈折でそれぞれを透過することを可能にする。図5A及び図1Cに示されるように、センサと信号源が基板102の反対側にある一実施形態では、基板支持アセンブリ502内に形成された窓プラグ526及び窓プラグ524の整列した組は、チャンバ蓋532内に形成された窓プラグ520と更に整列しており、これによってチャンバ蓋532の上方に配置されたセンサ510に光が透過して伝達されるのを促進する。更に、窓プラグ526及び窓プラグ524の整列した組は、チャンバ蓋532の上方に配置された第2信号源512からの信号が、基板支持アセンブリ502の下方に配置された第2センサ514へ透過するのも促進する。
【0051】
一実施形態では、基板支持アセンブリ502及びチャンバ蓋532内に形成される窓プラグ524、526、520の数及び分布は、基板表面全体にわたる、例えば少なくとも端部と中心位置において、温度均一性の検出を可能にするように構成される。窓プラグ524、526、520の異なる構成及び分布は、基板表面全体にわたる異なる領域及びゾーンに位置する各ピンポイントの温度を検出するために、基板の異なる領域及びゾーンに信号が伝達されるのを促進する。各ピンポイントの基板温度が決定されると、基板102の温度均一性及び温度プロファイルを得ることができる。したがって、基板支持アセンブリ502の温度を制御するために供給される加熱又は冷却流体は、全体の基板温度の均一性を制御し維持するために、測定された温度プロファイルに従って調整することができる。
【0052】
一実施形態では、窓プラグ524、526、520は、石英、サファイア、及び検出信号を透過し、基板支持アセンブリ502及びチャンバ蓋532を製造するために選択された材料と互換性のある他のセラミック材料で製造可能である。窓プラグ524、526、520は、基板支持アセンブリ502及びチャンバ蓋532から容易に取り外され、交換することができる形のプラグが可能である。窓プラグ524、526、520は、基板支持アセンブリ502及びチャンバ蓋532に、焼結、クランプ、又は他の適当な方法によって取り付けられる。
【0053】
なお、窓プラグ524、526は、図1Bに記載されている構成と同様に、基板支持アセンブリ502内にのみ形成されてもよく、又は窓プラグ520は、図1Aに記載されている構成と同様に、チャンバ蓋532内にのみ形成されてもよい。あるいはまた、窓プラグ524、526、520は、図1C及び図5Aに記載されている構成と同様に、チャンバ蓋532及び基板支持アセンブリ502の両方に形成されてもよい。
【0054】
図5Bは、窓プラグ524が焼結され内部に取り付けられた静電チャック504の上面図を示している。窓プラグ524は、基板温度を検出するために信号を透過可能にする静電チャック504の表面全体に一様に分布させることができる。内部に形成される各窓プラグ524は、実質的に互いに等距離にあり、基板温度の異なる領域及びゾーンを測定するために用いられる。同様に、チャンバ蓋532内に形成された窓プラグ520の分布及び構成は、透過率の変化によって、基板の異なる領域の温度を検出するために、信号が透過可能なように同様に構成することができる。
【0055】
図5Cは、異なる数及び構成の窓プラグ524が焼結され内部に取り付けられた静電チャック504の別の一実施形態の上面図を示している。静電チャック504は、第1半径R1を有する中央ゾーン598と、第2半径R2を有する周辺ゾーン596を有することができる。第1半径R1は約0mm〜約75mmの間の長さを有することができ、第2半径R2は約75mm〜約150mmの間の長さを有することができる。あるいはまた、第2半径R2は、第1半径R1の長さの約2倍又は3倍の長さで制御することができる。窓プラグ524は、静電チャック504内に構成された中央ゾーン598内及び/又は周辺ゾーン596内に実質的に形成することができる。あるいはまた、窓プラグ524は、必要に応じて任意の構成又は分布で形成することができる。
【0056】
運転中、基板102は、エッチング工程を実行するために、プロセスチャンバ500内に搬送される。プロセスチャンバ500は、他のプロセス(成膜プロセス、アニールプロセス、又は基板温度測定から恩恵を受けるであろうその他の任意のプロセスなど)を実行するように構成可能であることが理解される。一実施形態では、基板102は、エッチングプロセス、又は他のプロセスが実行され可能な任意の基板又は材料であってもよい。一実施形態では、基板は、構造(ゲート構造など)を形成するために利用される、上に1又は複数の層が形成されたシリコン半導体基板であってもよい。その代わりに基板は、基板に構造又は構造体の転写を促進するために基板上に配置されたエッチングマスク及び/又はエッチストップ層としてマスク層を利用することができる。別の一実施形態では、基板は、異なるパターン及び/又は構造(例えば、デュアルダマシン構造等)を形成するために使用される、複数の層(例えば、フィルムスタック)を有するシリコン半導体基板であってもよい。基板は、例えば、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープ又は非ドープポリシリコン、ドープ又は非ドープシリコンウェハ、及びパターニング又は非パターニングウェハ、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素ドープ酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガラス、サファイア、シリコン上に配置された金属層等の材料であってもよい。基板は、様々な寸法(直径200mm又は300mmのウェハ、長方形又は正方形のパネルなど)を有することができる。一実施形態では、基板はシリコン半導体基板である。
【0057】
一実施形態では、プロセスチャンバ500に搬送された基板は、少なくともハロゲン含有ガスを有するガス混合物を供給することによってエッチングされる。ハロゲン含有ガスの適切な例としては、臭化水素(HBr)、塩素(Cl2)、四フッ化炭素(CF4)などが含まれるが、これらに限定されない。エッチング時に、信号発生器508などの光源をオンにして、基板表面に赤外線輻射を提供する。一実施形態では、1以上の信号発生器508は、1200nmの測定波長で非常に高い強度を有する、約1000nm〜約1400nmの間の波長の赤外光を生成する。一実施形態では、強度は約50ミリワット〜約1000ミリワットの間である。センサ510からの情報は、信号発生器508が基線の透過率の測定値を確立する定常状態の出力に達した後、基板102を透過する信号発生器508からの赤外光を検出するために利用される。センサ510は、信号発生器508からの出力が安定した後でオンにする。一実施形態では、出力は約2秒〜約5秒の間の後に安定化する。
【0058】
前述したように、異なる基板温度での基板の透過率は、基板102を透過し、更にセンサ510に到達する光エネルギー量に大幅に影響を与える。基板温度が上昇すると、基板102を透過した光エネルギー量は変化し、これによって、センサ510に伝達される光エネルギー量の変化を引き起こす。したがって、センサ510は、基板温度を決定するために利用することができる透過率の変化を示す計量値を提供する。透過率の変化を示す計量値に基づいて、基板温度を適宜決定することができる。どのようにして透過率の変化を示す計量値を得ることができるかに関する詳細は、Davisが出願した米国特許出願第11/676,092号に記載されており、これは参照として援用される。
【0059】
図6は、エッチング工程中に基板温度測定を実行するために、それぞれ図5に示されるように、プロセスチャンバ500を含むように構成された少なくとも1つの領域を含む例示的な処理システム600の概略上面図である。一実施形態では、処理システム600は、カリフォルニア州サンタクララに位置するアプライドマテリアルズ社(Applied Materials Inc.)から市販されている適切に適応されたCENTURA(商標名)統合処理システムであってもよい。エッチングプロセス用に適している可能性のある別の処理システムは、AP Solsticeプロセスであり、これもアプライドマテリアルズ社から入手できる。他の処理システム(他のメーカーのものを含む)は、本発明の恩恵を受けるように用いることができることが理解される。
【0060】
処理システム600は、処理プラットフォーム604(真空気密であってもよい)、ファクトリインタフェース602、及びシステムコントローラ644を含む。処理プラットフォーム604は、真空基板搬送チャンバ636に結合された複数のプロセスチャンバ500、612、632、628、620と、少なくとも1つのロードロックチャンバ622を含む。図6には、2つのロードロックチャンバ622が示されている。ファクトリインタフェース602は、ロードロックチャンバ622によって搬送チャンバ636に結合されている。
【0061】
一実施形態では、ファクトリインタフェース602は、基板の搬送を促進するために、少なくとも1つのドッキングステーション608と、少なくとも1つのファクトリインタフェースロボット614を含む。ドッキングステーション608は、1以上の正面開口式カセット一体型搬送・保管箱(FOUP)を受け入れるように構成されている。2つのFOUP606A〜Bが、図6の実施形態で示されている。ファクトリインタフェースロボット614の一端に配置されたブレード616を有するファクトリインタフェースロボット614は、基板をファクトリインタフェース602から処理プラットフォーム604のロードロックチャンバ622に搬送するように構成されている。オプションで、基板がファクトリインタフェース602内にいる間の基板の測定を促進するために、ファクトリインタフェース602の末端626に、1以上の計測ステーション618を接続することができる。
【0062】
各ロードロックチャンバ622は、ファクトリインタフェース602に結合された第1ポートと、搬送チャンバ636に結合された第2ポートを有する。ロードロックチャンバ622は、ロードロックチャンバ622を減圧及び排気する圧力制御システム(図示せず)に結合されており、これによって搬送チャンバ636の真空環境とファクトリインタフェース602の実質的周囲(例えば、大気)環境の間を基板が通過するのを促進する。
【0063】
搬送チャンバ636は、内部に配置された真空ロボット630を有する。真空ロボット630は、ロードロックチャンバ622とプロセスチャンバ500、612、632、628、620との間で基板624を搬送可能にするブレード634を有する。
【0064】
一実施形態では、プロセスチャンバ500、612、632、628、620のうちの少なくとも1つがエッチングチャンバである。例えば、エッチングチャンバは、アプライドマテリアルズ社から入手可能なHART(商標名)チャンバであることが可能である。エッチングでは、プロセスチャンバ500は、内部に配置された基板102をエッチングするのにハロゲン含有ガスを使用する場合がある。ハロゲン含有ガスの例としては、臭化水素(HBr)、塩素(Cl2)、四フッ化炭素(CF4)などを含む。プロセスチャンバ500、612、632、628、620のいずれかのエッチングプロセスの間に、センサ(図5のセンサ510、514など)が、基板温度と相関しているエッチングプロセス中に基板を透過した信号強度を監視するために使用される。
【0065】
システムコントローラ644は、処理システム600に結合されている。システムコントローラ644は、処理システム600のプロセスチャンバ500、612、632、628、620の直接制御を使用して、あるいは、プロセスチャンバ500、612、632、628、620、及び処理システム600に関連したコンピュータ(又はコントローラ)を制御することによって、処理システム600の動作を制御する。運転中、システムコントローラ644は、それぞれのチャンバ及びシステムコントローラ644からのデータ収集及びフィードバックが、処理システム600のパフォーマンスを最適化するのを可能にする。
【0066】
システムコントローラ644は、一般に中央処理装置(CPU)638、メモリ640、及びサポート回路642を含む。CPU638は、工業環境で使用できる汎用コンピュータプロセッサのいずれかの形態の1つであってもよい。サポート回路642は、従来CPU638に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを含むことができる。ソフトウェアルーチンは、CPU638によって実行されると、特定の目的のコンピュータ(コントローラ)644にCPU638を変換する。ソフトウェアルーチンは、処理システム600から遠隔に位置する第2コントローラ(図示せず)によって格納及び/又は実行されることもできる。
【0067】
図5A〜Cの装置を利用して基板温度を検出するためのプロセスは、図5Aのプロセスチャンバ500などの処理装置内に基板を提供する工程を含むことができる。エッチングプロセスは、基板上に構造を形成するために、基板上で実行される。光発生器(例えば、第2信号源512)からのパルス光は、エッチングしながら基板の透過率の変化を検出するために、基板に伝達される。その後、検出された透過率が分析される。異なる基板温度での基板の透過率は、基板を透過する光エネルギーの量に大幅に影響を与えるので、基板を透過する光透過率の変化に基づいて、基板温度は、透過率の変化を示す計量値に基づいて決定することができる。
【0068】
このように、本発明は、エッチングプロセス中に基板温度を測定するための方法及び装置を提供する。この方法及び装置は、有利なことに、基板を透過する赤外線透過率を測定することによって、エッチングプロセス中にセンサによって実際の基板温度を監視する。異なる温度での基板の不透明度は、基板を透過する異なる赤外線透過量を提供し、これによってセンサが実際の基板温度を決定するのを支援する。
【0069】
有利なことに、本発明の実施形態は、非接触、非回避、リアルタイムの方法を使用して、処理中の基板の温度プロファイル及び温度勾配を決定するのを促進する複数の窓を提供している。
【0070】
図7は、本明細書に記載の温度決定方法及び装置と組み合わせて使用することができる基板処理システム700の一実施形態を示す概略図である。(追加の詳細については、米国特許出願第12/106,881号に見つけることが可能であり、これはあたかも本明細書内に完全に記載されるかのように参照として援用される。)エッチングプロセスに適しているかもしれない別の処理システムは、アプライドマテリアルズ社から入手可能なCentris Solsticeプロセスである。基板処理システム700は、基板がロードロックチャンバ740にロードされ、ロードロックチャンバ740からアンロードされるファクトリインタフェース710と、基板ハンドリングロボット772を収容する基板搬送チャンバ770と、搬送チャンバ770に接続された複数のツインプロセスチャンバ780を含む。基板処理システム700は、様々なプロセス及び支援チャンバハードウェア(例えばCVD、エッチングプロセスなど)を収容するように用いられる。以下に説明する実施形態は、アモルファスカーボンを含む高度なパターニング膜を堆積し、また基板上に堆積された膜の端部をエッチングするPEVCDを実装することができるシステムを指向しているだろう。しかしながら、他のプロセスが、本明細書内に記載される実施形態によって意図されることを理解すべきである。
【0071】
図7に示されるように、ファクトリインタフェース710は、基板カセット713及び基板ハンドリングロボット715を含むことができる。基板カセット713の各々は、処理の準備ができた基板を含む。基板ハンドリングロボット715は、ロードロックチャンバ740内に基板をロードするのに備えて、各基板カセット713内で基板のインデックスを作成するための基板マッピングシステムを含むことができる。
【0072】
搬送チャンバ770は、ロードロックチャンバ740とツインプロセスチャンバ780との間で基板を搬送する操作が可能な基板ハンドリングロボット772を含む。具体的には、基板ハンドリングロボット772は、1つのチャンバから別のチャンバまで同時に2つの基板を搬送するのに適したデュアル基板ハンドリングブレード774を有することができる。基板は、スリットバルブ776を介して搬送チャンバ770とツインプロセスチャンバ780との間を搬送可能である。基板ハンドリングロボット772の動作は、サーボモータ又はステッピングモータを含むことができるモータ駆動システム(図示せず)によって制御可能である。
【0073】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
【背景】
【0001】
(発明の分野)
本発明の態様は、概して半導体基板の温度を測定するための方法及び装置に関する。更に、本発明の態様は、赤外線加熱環境での非接触ウェハ温度測定に関する。より具体的には、本発明の態様は、基板の赤外線透過(伝達)によってエッチングプロセス中に半導体基板温度を測定するための方法及び装置に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
超大規模集積(ULSI)回路は、シリコン(Si)基板等の半導体基板上に形成される10億個を超える電子デバイス(例えば、トランジスタ)を含み、デバイス内で様々な機能を実行するように連携している。処理中に、多くの熱処理工程が、時折、基板表面上で実行される。熱処理は通常、プロセス制御のために正確な基板温度の測定を必要とする。不正確な基板温度制御は、デバイス性能に悪影響を与える可能性のある悪いプロセス結果をもたらし、及び/又は基板の膜材料の損傷をもたらす可能性がある。
【0003】
処理中に基板温度を測定するために、異なる種類の温度測定ツールを使用することができる。例えば、熱電対は、基板表面上の所定の位置で基板に物理的に接触させることによって、基板温度を測定するのにしばしば使用される。しかしながら、大口径の基板では、測定位置間の距離が大きいので、基板表面全域に亘る全体的な温度変動を判定することは困難である。更に、基板表面への熱電対の熱物理的接触の信頼性を制御するのは難しく、汚染が懸念される。
【0004】
あるいはまた、基板温度を測定するために光高温測定が時々使用される。処理中に基板表面から放出される輻射(放射)が、光高温測定センサによって測定され、基板温度を決定する。しかしながら、基板表面からの光の放出の測定は、発熱要素からの強烈な光やプラズマ源からの熱、チャンバ壁からの光の放出、及び/又は窓からの迷光などのバックグラウンドノイズから分離することは困難である。基板表面からの光の放出を正確に測定することはできず、更にバックグラウンドノイズは温度測定に誤差を生じさせる可能性があるので、実際の基板表面温度を正確に測定することは困難であり、これは誤った基板温度の決定とその結果として悪い処理結果をもたらす可能性がある。
したがって、基板温度測定のための改良された装置及び方法が必要である。
【発明の概要】
【0005】
プロセス中の温度を測定するための装置及び方法が提供される。一実施形態では、チャンバ本体を包囲するチャンバ蓋を有するチャンバ本体と、チャンバ本体内に配置され、基板支持面を有する基板支持アセンブリと、基板支持面内に形成された1以上の窓と、第1信号パルスを発するように構成された第1信号発生器であって、第1信号発生器は基板支持アセンブリを通って1以上の窓に光結合され、これによってパルス信号が1以上の窓を透過可能である第1信号発生器と、第1信号発生器から1以上の窓を透過したエネルギーを受信するように配置され、透過率を示す計量値を検出するように構成される第1センサを含む装置が、エッチングプロセス中の基板温度を測定するために提供される。
【0006】
別の一実施形態では、第1信号発生器は光の波長をパルスするように構成されたレーザであり、第1センサは光の波長を検出するように構成される。更なる一実施形態では、電源をオンにすると、第1信号発生器と少なくとも同じ波長の光を発光可能であり、光は、約1000nm〜1500nmの波長の赤外光であり、第1センサは、(a)第1信号発生器がオンにパルスされたときに第1信号発生器及び1以上の加熱ランプからの、及び(b)第1信号発生器がオフにパルスされたときに1以上の加熱ランプからの赤外光の波長を検出するように配置される1以上の加熱ランプが提供される。
【0007】
別の一実施形態は、基板支持面上に配置される基板を透過する第1信号からの透過率の変化を判定するようにプログラミングされ、配線され、又はその他構成される計算装置を更に含み、計算装置は、(a)第1信号がオフにパルスされたときに、1以上の加熱ランプから基板を透過する赤外光の透過率を表す値を、(b)第1信号がオンにパルスされたときに、1以上の加熱ランプ及び第1信号から基板を透過する赤外光の透過率を表す値から減算し、計算装置は、基板の温度を決定する。透過率を表す値は、正規化された透過率比であってもよい。その代わりに又はそれに加えて、透過率を表す値は、電圧で測定された光信号であってもよい。更に、1以上の加熱ランプ及び計算装置に結合された閉ループ制御システムを提供することもできる。第1信号発生器によって供給される赤外光の波長は1200nmであることができる。
【0008】
更なる一実施形態では、第2信号発生器は、第2信号をパルスするように構成され、第2信号発生器は、基板支持アセンブリ内の窓を通して光結合され、第2センサは、第2信号発生器が結合された窓を透過して第2信号発生器から伝達されるエネルギーを受信するように配置され、第2センサは、透過率を示す計量値を検出するように構成される。第2信号は、第1信号よりも短い波長の赤外光であることが可能である。装置は、対数検出器を更に含んでもよい。あるいはまた、第2信号は、第1信号よりも長い波長の赤外光であることが可能である。
【0009】
他の実施形態は、第1赤外線波長の透過率の転移点未満の開始温度でプロセスチャンバ内に基板を提供する工程と、輻射エネルギーを用いて基板を加熱する工程と、第1赤外線波長にほぼ等しい波長を有する第1光をパルスする工程と、第1光がオンにパルスされたときの基板を透過する全透過率を示す計量値を決定する工程と、第1光がオフにパルスされたときの基板を透過する背景透過率を示す計量値を決定する工程と、基板を透過する第1光からの第1赤外線波長の透過率に基づいて、基板のプロセス温度を決定する工程を含む、エッチングプロセス中に基板温度を測定する方法を提供する。第1光はレーザであってもよい。
【0010】
本方法は、レーザから基板を透過する背景透過の無い透過率を示す計量値を分離する工程を更に含むことができる。あるいは、本方法は、(a)第1光がオフにパルスされたときの基板を透過する背景透過率を示す計量値を、(b)第1光がオンにパルスされたときの基板を透過する全透過率を示す計量値から減算する工程を更に含むことができる。赤外レーザ光の波長は1200nmであることができ、加熱工程は、1以上の加熱ランプの電源をオンにする工程を更に含むことができる。透過率を示す計量値は、正規化された透過率比又は電圧で測定された光信号のいずれかであることが可能である。
【0011】
別の一実施形態では、本方法は、プロセス温度を決定する工程の間、基板を冷却する工程を更に含むことができる。更に別の一実施形態では、本方法は、基板のプロセス温度に基づいて1以上の加熱ランプに供給される電力量を変化させるための制御システムを使用する工程を更に含むことができる。更なる一実施形態では、本方法は、第1赤外線波長とは異なる第2赤外線波長を有する第2光をパルスする工程を含むことができる。更なる一実施形態は、第1及び第2赤外線波長の両方と異なる第3赤外線波長を有する第3光をパルスする工程を含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本発明のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限されていると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【0013】
【図1A】〜
【図1C】特定の実施形態を実施するのに適した例示的な処理装置の簡略化した概略図を示す。
【図2】特定の赤外光の波長で基板温度に対するシリコン基板の透過率を示すグラフを示す。
【図3】特定の赤外光の波長で基板温度に対するシリコン基板の透過率を示すグラフを示す。
【図4】線形測定及び対数測定に対して特定の赤外光の波長で基板温度に対する光強度及び基板の透過率を示すグラフを示す。
【図5A】本発明を実施するように構成された例示的な処理装置の概略図を示す。
【図5B】〜
【図5C】図5Aの処理装置内に配置された基板支持アセンブリの別の実施形態の上面図を示す。
【図6】本発明を実施するために、図5Aの装置のうち少なくとも1つが組み込まれた例示的な処理システムの概略図を示す。
【図7】図5Aの装置のうち少なくとも1つを内部に組み込んだ例示的な処理システムの概略図を示す。
【図8】従来の方法のプロセス工程を示すグラフを示す。
【図9】ウェハ温度に対する光強度又は透過率比を示すグラフを示す。
【図10】加熱中のレーザ及びランプ信号を示すグラフを示す。
【図11】20Hzのサンプリングに対してサンプル数及び加熱速度による温度分解能を示す表を提供している。
【0014】
一実施形態の要素及び構成を更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込んでもよいと理解される。しかしながら、図面は本発明の例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限されていると解釈されるべきではなく、本発明は他の有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【詳細な説明】
【0015】
本明細書で説明される実施形態は、例えばエッチングで使用することができる、加熱又は冷却プロセス中の基板温度を測定するための方法及び装置を提供する。他の例示的プロセスは、プラズマプロセス(とりわけ、エッチング、成膜、アニール、プラズマ表面処理及びイオン注入など)を含めることができる。一実施形態では、基板温度は、基板を透過するエネルギーの透過率を監視することによって決定することができる。更なる一実施形態では、レーザ発光赤外線(IR)光などのエネルギー源は、透過率測定から他のエネルギー源を減算することを可能にするために、プロセス中にオン・オフすることができる。赤外線伝送による基板温度測定に関する様々な詳細は、米国特許第7,946,759号及び米国特許出願第12/144,157号に見付けることができ、両者ともあたかも完全に本明細書中に記載されているように参照として援用される。
【0016】
図1A〜1Cは、本発明を実施するのに適した処理装置の簡略化した概略図を示す。装置100は、真空下で運転されている。装置100は、装置100内に設けられた基板102に熱エネルギーを供給するために使用される熱源108を含む。一実施形態では、熱源108は、基板102に隣接して生成されたプラズマから提供される。別の一実施形態では、熱源108は、その代わりに、加熱した基板ホルダー、加熱した支持台、抵抗ヒータ、又は基板の温度を上げるのに適した他の熱源によって提供されることができる。
【0017】
図1Aに示される実施形態では、信号発生器104及びセンサ106は、基板102の上面の上方に配置されている。信号発生器104は、基板102の上方に配置され、基板102を透過する信号110を生成する。信号発生器104は、基板102を透過可能な少なくとも1つの波長を有するエネルギーを供給するエネルギー源であってもよく、レーザ又は広帯域光源を含めることができる。信号110が基板102に当たると、信号110の第1部分112は、直接基板の上面から反射する。信号110の第2部分は、基板102を透過し、部分的に基板102に吸収される可能性がある。基板102を透過した信号110の第2部分は、基板102の底面から反射して、センサ106によって検出可能な信号110のセンサ部114を提供することができる。センサ106は、基板102の底面で反射した信号110のセンサ部114を受信するために利用される。基板102を透過せずにセンサ106に反射した信号110の第1部分112をスクリーニングするために、フィルタ(図示せず)を用いてもよい。
【0018】
コントローラ120は、受信信号を分析するためにセンサ106に接続されている。コントローラ120は、一般に中央処理装置(CPU)138、メモリ140、及びサポート回路142を含む。CPU138は、工業環境で使用可能な汎用コンピュータプロセッサのいずれかの形態のうちの1つでもよい。サポート回路142は、従来はCPU138に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源等を含むことができる。CPU138によって実行されるとき、ソフトウェアルーチンは、特定の目的のコンピュータ(コントローラ)にCPU138を変える。ソフトウェアルーチンはまた、格納されている装置100から遠隔に位置する第2コントローラ(図示せず)によって格納され及び/又は実行されてもよい。
【0019】
図1Aの構成と同様に、図1Bは、信号発生器104及びセンサ106が基板102の下側の下方に配置されている別の一実施形態を示す。
【0020】
図1Cは、信号発生器104及びセンサ106が基板102の反対側に配置されている更に別の一実施形態を示す。信号発生器104は、基板102の上方に配置され、信号110を生成する。センサ106は、信号発生器104に対向する位置に配置されており、これによって、基板102を透過し、反射又は吸収されない信号110のセンサ部114を受信する。二次反射信号122がセンサ106から反射し、基板102を透過し、これによって二次反射信号122の一部124が基板102の上面まで基板102を透過することができる。したがって、信号発生器104及びセンサ106の1組以上が、基板102の異なる側に配置されるように使用され、これによってプロセス中に任意の方向に発生する信号の部分を生成及び受信することができる。
【0021】
異なる基板材料は、異なる温度及び異なる波長において光の異なる透過率をもたらすことができる。熱源108は、基板表面に熱エネルギーを供給するので、基板温度は変化する。信号110のセンサ部114は、別の部分が吸収されている間、基板102を透過する。基板102を透過する信号の量は、基板102の温度に依存している。したがって、基板102が加熱されると、基板102を透過しセンサ106に伝達される信号110のセンサ部114に変化が生じる。センサ106は、基板102の温度を示す信号110のセンサ部114の変化を検出する。基板温度は、信号110のセンサ部114の検出の変化に基づいて決定することができる。
【0022】
一実施形態では、信号発生器104は、異なる波長を有する光発生器であってもよい。例えば、信号発生器104は、所望の範囲内に、又は所望の値に中心をもつ狭帯域波長を有するレーザビームを提供することができる。範囲は約1000nm〜約1500nmの間で選択することができる。更なる実施形態では、約1080nm、1200nm、又は1310nmの波長を有するレーザを使用することができる。
【0023】
図2は、基板温度が上昇したとき、約1200nmの波長で測定された基板の光透過率を示す。トレース202は、摂氏約60度〜摂氏約300度の間で温度の関数としてのシリコン半導体材料の透過率を示す。基板が摂氏60度を下回る温度であるとき、基板の光透過率は、第1温度ゾーン204に示されるように一定のままであり、後続のデータ点の測定データに対して基線として正規化される。基板温度が特定の値を超えて、例えば摂氏120度よりも高く上昇すると、基板透過率に変化が発生する。したがって、トレース202の傾き206が変わる。基板温度が増加するにつれて、基板は、その透過性を失う。したがって、測定されたエネルギー強度に基づいて、基板温度を決定することができる。
【0024】
様々なプロセスにおいて、シリコンウェハの急速加熱が必要とされており、温度の測定値にアクセスすることは困難な場合がある。例えば、いくつかのエッチングプロセスでは、シリコンウェハは約5〜30秒の時間間隔を通して約300℃まで加熱する必要がある場合がある。この急速な加熱は、入射オゾンの急速な分解を促進するために使用できる。熱を供給するためにしばしばランプが使用され、ランプへの供給電力は供給される加熱量を決定することができる。電力レベルは、加熱速度を変更するプロセス中に変更される場合がある。したがって、急速加熱に対して、例えばランプに高電力レベルを供給することによって、素早くウェハの温度を上げるためにランプ(傾斜)ステップが使用可能である。一定の温度に達すると、電力レベルを下げる、あるいはオフにすることさえ可能である。上述したように、この加熱プロセス中に、ウェハを透過したランプからの光は、シリコンウェハの温度を決定するために測定することができる。しかしながら、この方法はランプステップの間に温度を決定することができるだけであり、温度範囲は限られており、この方法は、特定のウェハの不透明性(不透過性)に制限される。更に、検出のための所望の波長に広帯域の光をフィルタリングして使用するための所望の波長(例えば、1200nm)で利用可能な光は限られる可能性がある。特定のレシピ中にランプの電力が変化すると、初期の帯域エッジの透過率を参照する機能が失われ、温度が不定となる。(シリコンウェハを透過した赤外線輻射量は温度の関数としてシフトするので、特定の波長は特定の温度で吸収される又は透過する。透過する最も低い波長が温度によって変化する。)
【0025】
例示的な先行技術のプロセスが図8に示される。トレース810及びトレース820は、加熱ランプ用の第1及び第2電力ドライバをそれぞれ示している。電力は左スケール上ワット単位で測定される。トレース830は、実際の信号測定値(ボルト単位、図示せず)の形状を示している。トレース840は、トレース830によって示される信号測定値に基づいて計算された温度を(左スケール上、℃単位で)示している。トレースは、下部スケール上ミリ秒単位で時間の関数として示されている。図示されるように、ランプは最初に数秒間素早く電源が投入され、その後、電力は低下する。10秒のマークでは、トレース810によって示される第1電力ドライバが遮断され、トレース820によって示される第2電力ドライバも30秒のマークで遮断されるまで低下する。図示されるように、最初の数秒にわたる最初のランプアップステップの間は、温度計算に関して不確実性がある。その後約360℃近傍又はそれ以上の温度推定値の辺りで、トレース830によって示される信号の測定値がゼロで平坦化する10秒マークまでの間だけは、温度プロファイルはトレース840を使用して120℃を超える値で決定される。
【0026】
換言すると、温度を決定するために必要とされる透過率比は、トレース830によって示される信号の測定値が下方に傾斜している時間の部分の間だけ決定することができる。更に、その後の冷却ステップ中は、温度を測定することはできない。
【0027】
レーザ出力を温度計算に使用している間、独立したソース(レーザダイオードなど)を使用することによって、ランプ電力は処理中に変更することができる。信号発生器104を使用する場合、ランプは信号発生器104と同じ波長範囲で輻射が可能である。この輻射は、プロセス全体を通してウェハの温度を決定する際に考慮する必要のあるバックグラウンド「ノイズ」を生成する。このような背景輻射は、温度測定に制限を課す可能性がある。
【0028】
温度決定の改良法は、レーザをパルス化することによって提供できる。レーザとランプ出力の組み合わせは、光検出器によって収集され、レーザがオフのときに収集された値と比較することができる。レーザがオフのときの値をレーザがオンのときの値から減算することによって、レーザ信号はバックグラウンドノイズ(ランプ)から分離することができる。減少したレーザ信号は、温度に対する波長固有のルックアップテーブルの相関信号比と比較することができ、これによってランプ電力とは独立して、ウェハ温度の決定が可能となる。(温度の相関関係は、数式を介して、又はデータベースを搭載したコンピュータプログラミングを介して適用することもできる。)これによって、レシピのすべてのステップを通して、温度を知ることができる。そうでなければ、ホールドステップ内の電力は、熱電対ウェハを使用して決定する必要があるかもしれず、ユーザーは、各ウェハの走行中にこの温度が維持されていることを信頼する必要がある。しかしながら、レーザをパルス化することによって、プロセスのチューニングを改善することができ、レシピ中の温度の問題がより容易に検出される。また、冷却中に温度を知ることができ、冷却時間とスループットを最適化するために使用することができる。更に、全体的に信号がより高いので、測定可能な温度範囲の拡張を可能にする。
【0029】
低濃度及び高濃度ドープシリコンに対して、1080nm、1200nm、1310nmの3つの波長を調べた。ドーピング範囲は6桁にわたる大きさでテストされ、様々な実施形態の堅牢性を検証した。図3は、温度に対する透過率の変化を示している。透過率の変化は左スケール上の正規化された透過率比によって示されている。温度は、下部スケールで示されている。トレース310は1080nmの波長を示し、トレース320は1200nmの波長を示し、トレース330は1310nmの波長を示している。他の波長を用いてもよいことを理解すべきである。
【0030】
図3は、1200nmの波長が約120℃〜350℃の範囲にわたって最も良好な温度感受性を示すことを示している。しかしながら、1200nmの波長は、ランプからのバックグラウンドノイズが最も多いことも示している。このように、1200nmの波長は、レーザパルス方式が採用されない限り、使用することは難しい。1080nmの信号は、より低いバックグラウンドノイズを有するが、その帯域エッジがより低い温度であり、到着するウェハの変動する可能性のある温度を決定することをより困難にしている。トレース310によって示されるように、1080nmの信号は200℃近くでゼロに近い値まで低下し、したがって、その範囲を超える温度に対しては線形スケール上において適さない可能性がある。図3は、1310nmのソースが120℃〜350℃の範囲にわたって比較的鈍感であることを示しているが、300℃を超える温度で透過率比の減少を示している。
【0031】
図9は、ボルト単位での信号測定又は摂氏単位での温度の関数として正規化された透過率比を示すグラフにおいてウェハ温度に対する光強度を示している。図9は、1200nmの波長が所望の温度範囲の多くにわたって直線の傾きを示すことを示している。本発明者らはまた、1200nmレーザ(〜200mW)に対して、ボルト単位で信号強度を測定する検出器は、温度に対してプロットしたときに非常に線形に近い結果が得られ、このため、この波長に対して温度の決定を著しく簡素化することを見出した。これらの結果は、図9において、1200nmのデータ点トレース920を通過するライン910によって示されている。1080nmのレーザの結果は、透過率比に対する1080nm第1データ点トレース940と、ボルト単位で検出された信号に対する1080nm第2データ点トレース950によって示されている。ライン930は、1080nmのデータ点が1200nmのデータ点ほど線形ではないことを示している。しかしながら、温度は、数式又はデータテーブル又はその他の方法のいずれかによって、1080nmの波長に対する透過率比又は信号検出に対して依然として相関可能である。
【0032】
1080nmのレーザは、対数光検出器を用いて更に検討した。結果は図4に示されており、左スケール上に(ボルト単位で検出された)光強度、下部スケール上に℃単位で温度を示している。正規化された透過率比が、特定のデータセットに対して右スケールで示される。1080nmでの温度との透過率の関係が急峻なため、対数検出器が使用された。ウェハ温度に対するウェハの透過率データは、1080nmに対してテストスタンド上で収集された。検出器の設定の調整によって、応答は強く影響を受け、信号レベル、全体の範囲、及び帯域幅を制御した。調整が検出器に対して行われたが、1200nmレーザ(〜200mW)に対して必要とされるものよりも複雑であった。図4において、トレース410は、線形スケールでの信号強度(ボルト)を示している。トレース420は、線形スケールでの正規化された透過率比を示している。トレース430は、対数スケールでの正規化された透過率比を示し、トレース440は、対数スケールでの信号強度(ボルト)を示している。図示されるように、対数スケールは、温度を決定するのに好ましい所望の温度範囲に対してより幅広い範囲の値を提供している。
【0033】
また、1080nmの波長は、場合によっては、又は特定の理由でより好まれるかもしれない。例えば、ランプは1080nmレンジでは1200nmレンジほどは多くのバックグラウンド信号を生成しない。更に、図3のトレース310によって示されるように、1080nmの波長は1200nmの波長よりも低い温度に転移点を有するので、1200nmの波長のおおよその転移点である120℃よりも低い温度を調べる際に役に立つ可能性がある。また、図3は、トレース310が150℃未満の温度に対して、比較的線形の勾配を有しており、このためその範囲内で温度の相関をより容易にできることを示している。
【0034】
1200nmのレーザでは、シリコンウェハは、適切な電力のランプによって、室温から約120℃まで一定の透過率を有することが期待できる。その温度よりも上では、既存の透過率の相関関係を使用できる。現在の温度に相関している現在の値に対する120℃でのピーク値の比率を算出することができる。プロセス内において、ウェハは約40〜60℃の温度でエッチング工程からやって来る可能性がある。ウェハが所定のランプ電力で120℃に加熱されている場合、透過率は一定である。120℃から377℃までは、透過率は低下し、1200nmのレーザは上述のように温度測定を行うためにパルス化することができる。1200nmの波長は、この温度範囲の波長をカバーするのに十分である。ウェハ又はプロセスステップは、ウェハが使用される波長の転移点未満でやって来ることを確認するために監視することもできる。
【0035】
更に、1080nmのレーザは、120℃未満で温度測定を行うために使用することもできる。このように、異なる波長のレーザ(又は光源)を組み合わせることが可能である。また、377℃を超える温度検出の範囲を拡張するために、より高い波長(1310nmなど)を有するレーザ(又は光源)を使用することができる。所望の波長のみを検出器に送るために、フィルタリングデバイス又は技術を使用することもできる。
【0036】
加熱工程の間、アルゴンなどの不活性ガスをチャンバ内に流入させることができる。11%の濃度で約14500sccmの固定流量が、200Torrの圧力で使用可能である。本明細書内で説明される方法及び装置は、加熱工程が終了した後、冷却時の温度を監視するために使用されることもできる。ウェハは、冷却ステーションに移動させることができる。基板支持体(すなわち、台座)も水冷可能である。また、雰囲気も、排気又はさもなければ冷却を促進するように制御することができる。冷却しながらウェハの温度を知ることによって、冷却を最適化することができ、このため、いつウェハが所望のレベルまで冷却されるかを知ることによって、プロセスをスピードアップすることができる。こうして、冷却工程が完了していることを即座に判定できる。制御ループを、冷却用にも構築可能である。また、台座内の水の循環、雰囲気の循環又は排気などの能動冷却工程を停止することができる。
【0037】
図10は、加熱プロセス中にパルスレーザをオン・オフする効果を示している。これは、オン又はオフのいずれかである方形波1010のブロックとして示される。図10では、パルスレーザによって引き起こされた方形波1010によってもたらされた領域は、上側をライン1010aによって境界付けられ、下側をライン1010bによって境界付けられている。この例において、検出器に入るランプの光信号1020は、比較的一定である。(これは、図10でランプの光信号1020に対して描かれた直線によって表される。)稼働中の総光入力は、パルスレーザの方形波1010及びランプ光信号1020の合計である総光入力領域1030で表される。図10では、総光入力領域1030は、上側を基準線1030aによって境界付けられ、下側を基準線1030bによって境界付けられているが、これらは単に理解を容易にするために描かれている。分離されたレーザ光入力1040は、上側を基準線1040aによって境界付けられ、下側を基準線1040bによって境界付けられている領域で表される。加熱プロセス中に透過率は減少するので、分離されたレーザ光入力1040は降下している。信号の増加(〜1Vから5+Vへ)は、上限温度測定限界を320℃から約370℃まで改善することができ、より不透明なウェハに終点検出機能を拡張する。これは、ウェハとチャンバ間のプロセス再現性を向上させる。温度分解能は、ランプレートとサンプリングレートによって決定することができる。
【0038】
利用可能なサンプリングレートが分解能とノイズフィルタリングを制限することを、計算は示している。プロセステストは、電力レベル、パルスレート、サンプリングレートの要件を決定するだろう。図11は、様々な加熱速度に対して、分解能とサンプリングレートを決定可能な方法を示している。図11において、レーザは20Hzで動作している。レーザは、(50ミリ秒の期間に対して)25ミリ秒間のオンと25ミリ秒間のオフとなるような方形波でパルス化されている。20Hzの設定は、利用可能なハードウェアの制限によって決定された。しかしながら、図11は、所望の温度分解能に対してレーザをどれだけ速くパルス化するかを決定することができる方法も示している。したがって、他のパルスの長さを生成するためには、他の設定を使用可能であることを理解すべきである。秒単位の時間は、各列の用語「分解能」に続く括弧内に記載されている。したがって、第1列の「分解能(5)」は、20℃から320℃まで温度を上げるために、加熱速度が5秒にわたって提供されたことを表している。サンプルの列は、各測定を得るための点の数を表す。分解能は、サンプルの数によって提供された温度分解能を表す。5秒の加熱速度で1つのサンプルは、2.95℃の温度分解能を提供し、これは温度測定値における誤差範囲を表すことができる。(1つの温度測定値を収集するために100サンプルが取られた場合、分解能は295℃となり、これは100サンプルで決定するには温度があまりにも目まぐるしく変化していることを示している。)加熱速度は、使用されるプロセスによって予め決定可能である。プロセスは、均一性が良好である限り、可能な限り高速に実行することが好ましいかもしれない。このように、図11は、利用可能なハードウェア及びプロセスによって得られる分解能を示している。図示されるように、より高い分解能は短い加熱速度よりも長い加熱速度で提供される。
【0039】
上述の実施形態は様々な組み合わせで使用することもできる。例えば、レーザ及び/又は検出器は異なる波長で使用し、これによって測定範囲を拡張し、又は他の利点を提供することができる。いくつかの実施形態では、より高い波長はより高い温度範囲に使用することができ、及び/又はより低い波長はより低い温度範囲に使用することができる。更に、対数スケール又は対数スケール検出器を用いた方法又は装置を、線形の方法又は装置と組み合わせることができる。追加のレーザ及び/又は検出器はまた、ウェハ上の複数の場所で温度を測定することができる。このようにして、均一性を検証又は確認することができる。更に、本明細書で提供される改良された温度測定方法は、より正確にランプ電力及び/又はタイミングを制御するために使用することができる。制御ループは、ランプ電力制御を提供するように設定することができ、制御ループは閉ループシステムが可能である。更に、異なる制御プロトコルが異なるランプ又は異なるランプセットに適用される複数のランプを使用することができる。したがって、いくつかのランプを他のものよりも高い電力で制御することができ、及び/又はいくつかのランプを他のものよりもすぐにオフにする又は電力を下げることができる。コンピュータプログラム及び/又はハードウェアは、測定値からバックグラウンドノイズを減算除去し、温度の決定を行うためにも使用することができる。
【0040】
図5Aは、図1A〜Cの基板102などの基板上で、エッチング又は他のプラズマプロセスを実行するために利用可能なプロセスチャンバ500の一実施形態を示している。プロセスチャンバ500は、例示的に本発明を実施するために使用可能な基板支持アセンブリ502(基板を支持するための台座アセンブリであってもよい)とチャンバ蓋532の一実施形態を含む。本明細書内で示されるプロセスチャンバ500の特定の実施形態は、例示の目的のために提供されており、本発明の範囲を制限するために使用されるべきではない。一実施形態では、プロセスチャンバは、アプライドマテリアルズ社から入手可能なHART(商標名)チャンバであることが可能である。あるいはまた、他のメーカーのものを含む他のプロセスチャンバを、本発明から恩恵を受けるように使用することもできる。
【0041】
プロセスチャンバ500は、一般的に、プロセスチャンバ本体550と、ガスパネル574と、コントローラ580を含む。プロセスチャンバ本体550は、処理容積536を囲む導電体(壁)530とチャンバ蓋532を含む。処理ガスは、ガスパネル574からプロセスチャンバ500の処理容積536に供給される。
【0042】
コントローラ580は、中央演算処理装置(CPU)584と、メモリ582と、及びサポート回路586を含む。コントローラ580は、プロセスチャンバ500のコンポーネントに結合され、プロセスチャンバ500のコンポーネント及びプロセスチャンバ内で実行された処理を制御し、同時に、集積回路の工場のデータベースと任意のデータ交換を促進することができる。
【0043】
一実施形態では、少なくとも1つの信号発生器508は、基板温度測定用の信号が基板支持アセンブリ502上に支持される基板の少なくとも一部に作用するようにプロセスチャンバに対して配置される。少なくとも1つのセンサ510は、信号発生器508から生成され、基板を透過した信号の一部を受信するように配置される。特定の実施形態では、第2信号源512及び第2センサ514の1組以上が、基板の異なる領域で基板温度を検出するために利用される場合がある。信号発生器及びセンサの構成及び配置は、図1A〜Cを参照して上述した信号発生器104及びセンサ106の構成と類似であってもよい。
【0044】
一実施形態では、信号発生器508は、約1000nm〜約1400nm、例えば約1050nm〜約1300nm、例えば約1100nm〜約1200nmの波長を有する赤外線輻射を供給可能なレーザ又は他の光源である。信号発生器508の波長は、測定が求められている温度範囲内、例えば、エッチング工程中の基板温度で、処理される材料及び/又は膜の透過率が大きな変化を有するように選択される。
【0045】
一実施形態では、センサ510は、InGaAsダイオードセンサである。センサ510は、基板102を透過した収集されたエネルギーを検出する。収集された信号をフィルタリングし、所望の波長内の赤外光のみがセンサ510に到達可能となるように、フィルタ(図示せず)をセンサ510に隣接して配置してもよい。センサ510は、基板102の温度を計算するために、センサ510に到達して、その後コントローラ580によって更に分析される光エネルギーを示す計量値を提供する。
【0046】
図示の実施形態では、チャンバ蓋532は、実質的に平坦な誘電体部材である。プロセスチャンバ500の他の実施形態は、他のタイプの天井、例えばドーム型天井を有することができる。チャンバ蓋532の上方には、1以上の誘導コイル要素(2つの同軸コイル要素572A及び572Bが例示されている)を含むアンテナ572が配置されている。アンテナ572は、第1整合ネットワーク570を介して、高周波(RF)プラズマ電源568に結合されている。
【0047】
一実施形態では、チャンバ蓋532は、複数の窓プラグ520が内部に形成されている場合がある。窓プラグ520は、窓プラグ520の交換を容易にするため、リムーバブルであってもよい。一実施形態では、窓プラグ520は、信号発生器からの光508がセンサ510へと窓を透過することを可能にする光アクセス窓である。なお、信号発生器508及びセンサ510の構成、配置、機能は、図1A〜Cに参照される上記の信号発生器104及びセンサ106と同様である。
【0048】
一実施形態において、基板支持アセンブリ502は、ベースプレート506上に配置された静電チャック504を含む。基板支持アセンブリ502を構成するために必要とされる他の基板支持アセンブリのコンポーネント及び部品の関連した説明は、簡潔にするためにここでは削除されている。本明細書中で使用される基板支持アセンブリ502の一実施形態は、本明細書中で参照として援用されているHollandによって公開された米国特許出願第2006/0076108号を参照することができる。
【0049】
一実施形態において、基板支持アセンブリ502に加熱又は冷却液体を供給するのを促進するように、基板支持アセンブリ502は、少なくとも1つのオプションの埋設型ヒータ522又は複数のオプションのコンジット(図示せず)を更に含む。ヒータ522及びコンジットは、基板支持アセンブリ502の温度を制御するために利用され、これによってエッチング処理中に上に配置される基板102の温度を制御する。
【0050】
一実施形態では、信号発生器508からの信号の透過を促進するために、複数の窓プラグ524が静電チャック504の本体内に形成される。ベースプレート506は、静電チャック504内に形成された窓プラグ524と整列して内部に形成された複数の開口及び/又は窓プラグ526も有することができる。ベースプレート506及び静電チャック594内の整列した窓プラグ526及び窓プラグ524の組は、信号発生器508からの信号528が最小限の屈折でそれぞれを透過することを可能にする。図5A及び図1Cに示されるように、センサと信号源が基板102の反対側にある一実施形態では、基板支持アセンブリ502内に形成された窓プラグ526及び窓プラグ524の整列した組は、チャンバ蓋532内に形成された窓プラグ520と更に整列しており、これによってチャンバ蓋532の上方に配置されたセンサ510に光が透過して伝達されるのを促進する。更に、窓プラグ526及び窓プラグ524の整列した組は、チャンバ蓋532の上方に配置された第2信号源512からの信号が、基板支持アセンブリ502の下方に配置された第2センサ514へ透過するのも促進する。
【0051】
一実施形態では、基板支持アセンブリ502及びチャンバ蓋532内に形成される窓プラグ524、526、520の数及び分布は、基板表面全体にわたる、例えば少なくとも端部と中心位置において、温度均一性の検出を可能にするように構成される。窓プラグ524、526、520の異なる構成及び分布は、基板表面全体にわたる異なる領域及びゾーンに位置する各ピンポイントの温度を検出するために、基板の異なる領域及びゾーンに信号が伝達されるのを促進する。各ピンポイントの基板温度が決定されると、基板102の温度均一性及び温度プロファイルを得ることができる。したがって、基板支持アセンブリ502の温度を制御するために供給される加熱又は冷却流体は、全体の基板温度の均一性を制御し維持するために、測定された温度プロファイルに従って調整することができる。
【0052】
一実施形態では、窓プラグ524、526、520は、石英、サファイア、及び検出信号を透過し、基板支持アセンブリ502及びチャンバ蓋532を製造するために選択された材料と互換性のある他のセラミック材料で製造可能である。窓プラグ524、526、520は、基板支持アセンブリ502及びチャンバ蓋532から容易に取り外され、交換することができる形のプラグが可能である。窓プラグ524、526、520は、基板支持アセンブリ502及びチャンバ蓋532に、焼結、クランプ、又は他の適当な方法によって取り付けられる。
【0053】
なお、窓プラグ524、526は、図1Bに記載されている構成と同様に、基板支持アセンブリ502内にのみ形成されてもよく、又は窓プラグ520は、図1Aに記載されている構成と同様に、チャンバ蓋532内にのみ形成されてもよい。あるいはまた、窓プラグ524、526、520は、図1C及び図5Aに記載されている構成と同様に、チャンバ蓋532及び基板支持アセンブリ502の両方に形成されてもよい。
【0054】
図5Bは、窓プラグ524が焼結され内部に取り付けられた静電チャック504の上面図を示している。窓プラグ524は、基板温度を検出するために信号を透過可能にする静電チャック504の表面全体に一様に分布させることができる。内部に形成される各窓プラグ524は、実質的に互いに等距離にあり、基板温度の異なる領域及びゾーンを測定するために用いられる。同様に、チャンバ蓋532内に形成された窓プラグ520の分布及び構成は、透過率の変化によって、基板の異なる領域の温度を検出するために、信号が透過可能なように同様に構成することができる。
【0055】
図5Cは、異なる数及び構成の窓プラグ524が焼結され内部に取り付けられた静電チャック504の別の一実施形態の上面図を示している。静電チャック504は、第1半径R1を有する中央ゾーン598と、第2半径R2を有する周辺ゾーン596を有することができる。第1半径R1は約0mm〜約75mmの間の長さを有することができ、第2半径R2は約75mm〜約150mmの間の長さを有することができる。あるいはまた、第2半径R2は、第1半径R1の長さの約2倍又は3倍の長さで制御することができる。窓プラグ524は、静電チャック504内に構成された中央ゾーン598内及び/又は周辺ゾーン596内に実質的に形成することができる。あるいはまた、窓プラグ524は、必要に応じて任意の構成又は分布で形成することができる。
【0056】
運転中、基板102は、エッチング工程を実行するために、プロセスチャンバ500内に搬送される。プロセスチャンバ500は、他のプロセス(成膜プロセス、アニールプロセス、又は基板温度測定から恩恵を受けるであろうその他の任意のプロセスなど)を実行するように構成可能であることが理解される。一実施形態では、基板102は、エッチングプロセス、又は他のプロセスが実行され可能な任意の基板又は材料であってもよい。一実施形態では、基板は、構造(ゲート構造など)を形成するために利用される、上に1又は複数の層が形成されたシリコン半導体基板であってもよい。その代わりに基板は、基板に構造又は構造体の転写を促進するために基板上に配置されたエッチングマスク及び/又はエッチストップ層としてマスク層を利用することができる。別の一実施形態では、基板は、異なるパターン及び/又は構造(例えば、デュアルダマシン構造等)を形成するために使用される、複数の層(例えば、フィルムスタック)を有するシリコン半導体基板であってもよい。基板は、例えば、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープ又は非ドープポリシリコン、ドープ又は非ドープシリコンウェハ、及びパターニング又は非パターニングウェハ、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素ドープ酸化ケイ素、窒化ケイ素、ドープシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガラス、サファイア、シリコン上に配置された金属層等の材料であってもよい。基板は、様々な寸法(直径200mm又は300mmのウェハ、長方形又は正方形のパネルなど)を有することができる。一実施形態では、基板はシリコン半導体基板である。
【0057】
一実施形態では、プロセスチャンバ500に搬送された基板は、少なくともハロゲン含有ガスを有するガス混合物を供給することによってエッチングされる。ハロゲン含有ガスの適切な例としては、臭化水素(HBr)、塩素(Cl2)、四フッ化炭素(CF4)などが含まれるが、これらに限定されない。エッチング時に、信号発生器508などの光源をオンにして、基板表面に赤外線輻射を提供する。一実施形態では、1以上の信号発生器508は、1200nmの測定波長で非常に高い強度を有する、約1000nm〜約1400nmの間の波長の赤外光を生成する。一実施形態では、強度は約50ミリワット〜約1000ミリワットの間である。センサ510からの情報は、信号発生器508が基線の透過率の測定値を確立する定常状態の出力に達した後、基板102を透過する信号発生器508からの赤外光を検出するために利用される。センサ510は、信号発生器508からの出力が安定した後でオンにする。一実施形態では、出力は約2秒〜約5秒の間の後に安定化する。
【0058】
前述したように、異なる基板温度での基板の透過率は、基板102を透過し、更にセンサ510に到達する光エネルギー量に大幅に影響を与える。基板温度が上昇すると、基板102を透過した光エネルギー量は変化し、これによって、センサ510に伝達される光エネルギー量の変化を引き起こす。したがって、センサ510は、基板温度を決定するために利用することができる透過率の変化を示す計量値を提供する。透過率の変化を示す計量値に基づいて、基板温度を適宜決定することができる。どのようにして透過率の変化を示す計量値を得ることができるかに関する詳細は、Davisが出願した米国特許出願第11/676,092号に記載されており、これは参照として援用される。
【0059】
図6は、エッチング工程中に基板温度測定を実行するために、それぞれ図5に示されるように、プロセスチャンバ500を含むように構成された少なくとも1つの領域を含む例示的な処理システム600の概略上面図である。一実施形態では、処理システム600は、カリフォルニア州サンタクララに位置するアプライドマテリアルズ社(Applied Materials Inc.)から市販されている適切に適応されたCENTURA(商標名)統合処理システムであってもよい。エッチングプロセス用に適している可能性のある別の処理システムは、AP Solsticeプロセスであり、これもアプライドマテリアルズ社から入手できる。他の処理システム(他のメーカーのものを含む)は、本発明の恩恵を受けるように用いることができることが理解される。
【0060】
処理システム600は、処理プラットフォーム604(真空気密であってもよい)、ファクトリインタフェース602、及びシステムコントローラ644を含む。処理プラットフォーム604は、真空基板搬送チャンバ636に結合された複数のプロセスチャンバ500、612、632、628、620と、少なくとも1つのロードロックチャンバ622を含む。図6には、2つのロードロックチャンバ622が示されている。ファクトリインタフェース602は、ロードロックチャンバ622によって搬送チャンバ636に結合されている。
【0061】
一実施形態では、ファクトリインタフェース602は、基板の搬送を促進するために、少なくとも1つのドッキングステーション608と、少なくとも1つのファクトリインタフェースロボット614を含む。ドッキングステーション608は、1以上の正面開口式カセット一体型搬送・保管箱(FOUP)を受け入れるように構成されている。2つのFOUP606A〜Bが、図6の実施形態で示されている。ファクトリインタフェースロボット614の一端に配置されたブレード616を有するファクトリインタフェースロボット614は、基板をファクトリインタフェース602から処理プラットフォーム604のロードロックチャンバ622に搬送するように構成されている。オプションで、基板がファクトリインタフェース602内にいる間の基板の測定を促進するために、ファクトリインタフェース602の末端626に、1以上の計測ステーション618を接続することができる。
【0062】
各ロードロックチャンバ622は、ファクトリインタフェース602に結合された第1ポートと、搬送チャンバ636に結合された第2ポートを有する。ロードロックチャンバ622は、ロードロックチャンバ622を減圧及び排気する圧力制御システム(図示せず)に結合されており、これによって搬送チャンバ636の真空環境とファクトリインタフェース602の実質的周囲(例えば、大気)環境の間を基板が通過するのを促進する。
【0063】
搬送チャンバ636は、内部に配置された真空ロボット630を有する。真空ロボット630は、ロードロックチャンバ622とプロセスチャンバ500、612、632、628、620との間で基板624を搬送可能にするブレード634を有する。
【0064】
一実施形態では、プロセスチャンバ500、612、632、628、620のうちの少なくとも1つがエッチングチャンバである。例えば、エッチングチャンバは、アプライドマテリアルズ社から入手可能なHART(商標名)チャンバであることが可能である。エッチングでは、プロセスチャンバ500は、内部に配置された基板102をエッチングするのにハロゲン含有ガスを使用する場合がある。ハロゲン含有ガスの例としては、臭化水素(HBr)、塩素(Cl2)、四フッ化炭素(CF4)などを含む。プロセスチャンバ500、612、632、628、620のいずれかのエッチングプロセスの間に、センサ(図5のセンサ510、514など)が、基板温度と相関しているエッチングプロセス中に基板を透過した信号強度を監視するために使用される。
【0065】
システムコントローラ644は、処理システム600に結合されている。システムコントローラ644は、処理システム600のプロセスチャンバ500、612、632、628、620の直接制御を使用して、あるいは、プロセスチャンバ500、612、632、628、620、及び処理システム600に関連したコンピュータ(又はコントローラ)を制御することによって、処理システム600の動作を制御する。運転中、システムコントローラ644は、それぞれのチャンバ及びシステムコントローラ644からのデータ収集及びフィードバックが、処理システム600のパフォーマンスを最適化するのを可能にする。
【0066】
システムコントローラ644は、一般に中央処理装置(CPU)638、メモリ640、及びサポート回路642を含む。CPU638は、工業環境で使用できる汎用コンピュータプロセッサのいずれかの形態の1つであってもよい。サポート回路642は、従来CPU638に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを含むことができる。ソフトウェアルーチンは、CPU638によって実行されると、特定の目的のコンピュータ(コントローラ)644にCPU638を変換する。ソフトウェアルーチンは、処理システム600から遠隔に位置する第2コントローラ(図示せず)によって格納及び/又は実行されることもできる。
【0067】
図5A〜Cの装置を利用して基板温度を検出するためのプロセスは、図5Aのプロセスチャンバ500などの処理装置内に基板を提供する工程を含むことができる。エッチングプロセスは、基板上に構造を形成するために、基板上で実行される。光発生器(例えば、第2信号源512)からのパルス光は、エッチングしながら基板の透過率の変化を検出するために、基板に伝達される。その後、検出された透過率が分析される。異なる基板温度での基板の透過率は、基板を透過する光エネルギーの量に大幅に影響を与えるので、基板を透過する光透過率の変化に基づいて、基板温度は、透過率の変化を示す計量値に基づいて決定することができる。
【0068】
このように、本発明は、エッチングプロセス中に基板温度を測定するための方法及び装置を提供する。この方法及び装置は、有利なことに、基板を透過する赤外線透過率を測定することによって、エッチングプロセス中にセンサによって実際の基板温度を監視する。異なる温度での基板の不透明度は、基板を透過する異なる赤外線透過量を提供し、これによってセンサが実際の基板温度を決定するのを支援する。
【0069】
有利なことに、本発明の実施形態は、非接触、非回避、リアルタイムの方法を使用して、処理中の基板の温度プロファイル及び温度勾配を決定するのを促進する複数の窓を提供している。
【0070】
図7は、本明細書に記載の温度決定方法及び装置と組み合わせて使用することができる基板処理システム700の一実施形態を示す概略図である。(追加の詳細については、米国特許出願第12/106,881号に見つけることが可能であり、これはあたかも本明細書内に完全に記載されるかのように参照として援用される。)エッチングプロセスに適しているかもしれない別の処理システムは、アプライドマテリアルズ社から入手可能なCentris Solsticeプロセスである。基板処理システム700は、基板がロードロックチャンバ740にロードされ、ロードロックチャンバ740からアンロードされるファクトリインタフェース710と、基板ハンドリングロボット772を収容する基板搬送チャンバ770と、搬送チャンバ770に接続された複数のツインプロセスチャンバ780を含む。基板処理システム700は、様々なプロセス及び支援チャンバハードウェア(例えばCVD、エッチングプロセスなど)を収容するように用いられる。以下に説明する実施形態は、アモルファスカーボンを含む高度なパターニング膜を堆積し、また基板上に堆積された膜の端部をエッチングするPEVCDを実装することができるシステムを指向しているだろう。しかしながら、他のプロセスが、本明細書内に記載される実施形態によって意図されることを理解すべきである。
【0071】
図7に示されるように、ファクトリインタフェース710は、基板カセット713及び基板ハンドリングロボット715を含むことができる。基板カセット713の各々は、処理の準備ができた基板を含む。基板ハンドリングロボット715は、ロードロックチャンバ740内に基板をロードするのに備えて、各基板カセット713内で基板のインデックスを作成するための基板マッピングシステムを含むことができる。
【0072】
搬送チャンバ770は、ロードロックチャンバ740とツインプロセスチャンバ780との間で基板を搬送する操作が可能な基板ハンドリングロボット772を含む。具体的には、基板ハンドリングロボット772は、1つのチャンバから別のチャンバまで同時に2つの基板を搬送するのに適したデュアル基板ハンドリングブレード774を有することができる。基板は、スリットバルブ776を介して搬送チャンバ770とツインプロセスチャンバ780との間を搬送可能である。基板ハンドリングロボット772の動作は、サーボモータ又はステッピングモータを含むことができるモータ駆動システム(図示せず)によって制御可能である。
【0073】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ本体を包囲するチャンバ蓋を有するチャンバ本体と、
チャンバ本体内に配置され、基板支持面を有する基板支持アセンブリと、
基板支持面内に形成された1以上の窓と、
第1信号をパルスするように構成された第1信号発生器であって、第1信号発生器は基板支持アセンブリを通って1以上の窓に光結合され、これによってパルス信号が1以上の窓を透過可能である第1信号発生器と、
第1信号発生器から1以上の窓を透過したエネルギーを受信するように配置され、透過率を示す計量値を検出するように構成される第1センサを含む、エッチングプロセス中に基板温度を測定するための装置。
【請求項2】
第1信号発生器は光の波長をパルスするように構成されたレーザであり、第1センサは光の波長を検出するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項3】
電源をオンにすると、第1信号発生器と少なくとも同じ波長の光を発光可能な1以上の加熱ランプを更に含み、
光は、約1000nm〜1500nmの波長の赤外光であり、
第1センサは、(a)第1信号発生器がオンにパルスされたときに、第1信号発生器及び1以上の加熱ランプからの、及び(b)第1信号発生器がオフにパルスされたときに1以上の加熱ランプからの赤外光の波長を検出するように配置される請求項2記載の装置。
【請求項4】
基板支持面上に配置される基板を透過する第1信号からの透過率の変化を判定するようにプログラミングされ、配線され、又はその他構成される計算装置を更に含み、
計算装置は、(a)第1信号がオフにパルスされたときに、1以上の加熱ランプから基板を透過する赤外光の透過率を表す値を、(b)第1信号がオンにパルスされたときに、1以上の加熱ランプ及び第1信号から基板を透過する赤外光の透過率を表す値から減算し、
計算装置は、基板の温度を決定する請求項3記載の装置。
【請求項5】
透過率を表す値は、正規化された透過率比である請求項4記載の装置。
【請求項6】
透過率を表す値は、電圧で測定された光信号である請求項4記載の装置。
【請求項7】
1以上の加熱ランプ及び計算装置に結合された閉ループ制御システムを更に含む請求項4記載の装置。
【請求項8】
第1信号発生器によって供給される赤外光の波長は1200nmである請求項3記載の装置。
【請求項9】
第2信号をパルスするように構成され、基板支持アセンブリ内の窓を通して光結合された第2信号発生器と、
第2信号発生器が結合された窓を通して第2信号発生器から伝達されるエネルギーを受信するように配置され、透過率を示す計量値を検出するように構成される第2センサを更に含む請求項8記載の装置。
【請求項10】
第2信号は、第1信号よりも短い波長の赤外光である請求項9記載の装置。
【請求項11】
対数検出器を更に含む請求項10記載の装置。
【請求項12】
第2信号は、第1信号よりも長い波長の赤外光である請求項9記載の装置。
【請求項13】
エッチングプロセス中に基板温度を測定する方法であって、
第1赤外線波長の透過率の転移点未満の開始温度でプロセスチャンバ内に基板を提供する工程と、
輻射エネルギーを用いて基板を加熱する工程と、
第1赤外線波長にほぼ等しい波長を有する第1光をパルスする工程と、
第1光がオンにパルスされたときに基板を透過する全透過率を示す計量値を決定する工程と、
第1光がオフにパルスされたときに基板を透過する背景透過率を示す計量値を決定する工程と、
基板を透過する第1光からの第1赤外線波長の透過率に基づいて、基板のプロセス温度を決定する工程を含む方法。
【請求項14】
第1光はレーザである請求項13記載の方法。
【請求項15】
レーザから基板を透過する背景透過の無い透過率を示す計量値を分離する工程を更に含む請求項14記載の方法。
【請求項16】
(a)第1光がオフにパルスされたときの基板を透過する背景透過率を示す計量値を、(b)第1光がオンにパルスされたときの基板を透過する全透過率を示す計量値から減算する工程を更に含む請求項14記載の方法。
【請求項17】
赤外レーザ光の波長が約1200nmであり、加熱工程は、1以上の加熱ランプの電源をオンにする工程を更に含む請求項14記載の方法。
【請求項18】
透過率の計量値は、正規化された透過率比又は電圧で測定された光信号のいずれかである請求項17記載の方法。
【請求項19】
プロセス温度を決定する工程の間、基板を冷却する工程を更に含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
第1赤外線波長とは異なる第2赤外線波長を有する第2光をパルスする工程を更に含む請求項13記載の方法。
【請求項1】
チャンバ本体を包囲するチャンバ蓋を有するチャンバ本体と、
チャンバ本体内に配置され、基板支持面を有する基板支持アセンブリと、
基板支持面内に形成された1以上の窓と、
第1信号をパルスするように構成された第1信号発生器であって、第1信号発生器は基板支持アセンブリを通って1以上の窓に光結合され、これによってパルス信号が1以上の窓を透過可能である第1信号発生器と、
第1信号発生器から1以上の窓を透過したエネルギーを受信するように配置され、透過率を示す計量値を検出するように構成される第1センサを含む、エッチングプロセス中に基板温度を測定するための装置。
【請求項2】
第1信号発生器は光の波長をパルスするように構成されたレーザであり、第1センサは光の波長を検出するように構成される請求項1記載の装置。
【請求項3】
電源をオンにすると、第1信号発生器と少なくとも同じ波長の光を発光可能な1以上の加熱ランプを更に含み、
光は、約1000nm〜1500nmの波長の赤外光であり、
第1センサは、(a)第1信号発生器がオンにパルスされたときに、第1信号発生器及び1以上の加熱ランプからの、及び(b)第1信号発生器がオフにパルスされたときに1以上の加熱ランプからの赤外光の波長を検出するように配置される請求項2記載の装置。
【請求項4】
基板支持面上に配置される基板を透過する第1信号からの透過率の変化を判定するようにプログラミングされ、配線され、又はその他構成される計算装置を更に含み、
計算装置は、(a)第1信号がオフにパルスされたときに、1以上の加熱ランプから基板を透過する赤外光の透過率を表す値を、(b)第1信号がオンにパルスされたときに、1以上の加熱ランプ及び第1信号から基板を透過する赤外光の透過率を表す値から減算し、
計算装置は、基板の温度を決定する請求項3記載の装置。
【請求項5】
透過率を表す値は、正規化された透過率比である請求項4記載の装置。
【請求項6】
透過率を表す値は、電圧で測定された光信号である請求項4記載の装置。
【請求項7】
1以上の加熱ランプ及び計算装置に結合された閉ループ制御システムを更に含む請求項4記載の装置。
【請求項8】
第1信号発生器によって供給される赤外光の波長は1200nmである請求項3記載の装置。
【請求項9】
第2信号をパルスするように構成され、基板支持アセンブリ内の窓を通して光結合された第2信号発生器と、
第2信号発生器が結合された窓を通して第2信号発生器から伝達されるエネルギーを受信するように配置され、透過率を示す計量値を検出するように構成される第2センサを更に含む請求項8記載の装置。
【請求項10】
第2信号は、第1信号よりも短い波長の赤外光である請求項9記載の装置。
【請求項11】
対数検出器を更に含む請求項10記載の装置。
【請求項12】
第2信号は、第1信号よりも長い波長の赤外光である請求項9記載の装置。
【請求項13】
エッチングプロセス中に基板温度を測定する方法であって、
第1赤外線波長の透過率の転移点未満の開始温度でプロセスチャンバ内に基板を提供する工程と、
輻射エネルギーを用いて基板を加熱する工程と、
第1赤外線波長にほぼ等しい波長を有する第1光をパルスする工程と、
第1光がオンにパルスされたときに基板を透過する全透過率を示す計量値を決定する工程と、
第1光がオフにパルスされたときに基板を透過する背景透過率を示す計量値を決定する工程と、
基板を透過する第1光からの第1赤外線波長の透過率に基づいて、基板のプロセス温度を決定する工程を含む方法。
【請求項14】
第1光はレーザである請求項13記載の方法。
【請求項15】
レーザから基板を透過する背景透過の無い透過率を示す計量値を分離する工程を更に含む請求項14記載の方法。
【請求項16】
(a)第1光がオフにパルスされたときの基板を透過する背景透過率を示す計量値を、(b)第1光がオンにパルスされたときの基板を透過する全透過率を示す計量値から減算する工程を更に含む請求項14記載の方法。
【請求項17】
赤外レーザ光の波長が約1200nmであり、加熱工程は、1以上の加熱ランプの電源をオンにする工程を更に含む請求項14記載の方法。
【請求項18】
透過率の計量値は、正規化された透過率比又は電圧で測定された光信号のいずれかである請求項17記載の方法。
【請求項19】
プロセス温度を決定する工程の間、基板を冷却する工程を更に含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
第1赤外線波長とは異なる第2赤外線波長を有する第2光をパルスする工程を更に含む請求項13記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−57660(P2013−57660A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−161877(P2012−161877)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−161877(P2012−161877)
【出願日】平成24年7月20日(2012.7.20)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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