説明

独立認証手段を有するコンテンツ実行デバイス及びコンテンツ再配布方法

本発明は、特にスマートカードを用いてユーザの便宜性を極大化することができ、充分の保安水準を維持することができるデジタルコンテンツの配布方法及びこれに使われるコンテンツ実行デバイスに関する。本発明のコンテンツ実行デバイスは、コンテンツを実行するのに必要なツールが格納された独立認証手段と;接続された独立認証手段と放送サーバーとの間のユーザ認証のためのチャネルを提供するための認証サポートモジュールと;前記接続された独立認証手段に格納されたツールを呼び出すためのツールエージェントと;前記放送サーバーから入力されたコンテンツデータを実行させるためのコンテンツ実行部と;を含むことを特徴とする。本発明のコンテンツ権限管理システムに含まれるコンテンツ実行デバイスにスマートカードをユーザ認証及び/またはコンテンツ再生用ツール管理用途に適用し、これにより、ユーザは、別途の措置なくスマートカードだけを交替することによって、新しいコンテンツ実行デバイスで自身にライセンスが付与されたコンテンツを自由に実行させる便宜を付与することができるという効果がある。すなわち、本発明によれば、ユーザは、異なるブロードキャスターのコンテンツを効率的に利用可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送に使われるコンテンツ提供サービス方法及びこれに使われるコンテンツ実行デバイスに関し、特に、スマートカードを用いてユーザの便宜性を極大化することができ、充分の保安水準を維持することができるデジタルコンテンツ提供サービス方法及びこれに使われるコンテンツ実行デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルコンテンツの場合、従来のアナログコンテンツに比べて品質に優れていて、その運用上の便利性に優れているが、無限回数で複製が可能であるため、著作権の侵害可能性及び侵害範囲が増大する。特に、デジタル放送の場合、数多くの加入者に複製が容易なデジタルコンテンツを提供する場合、著作権侵害が大きく発生するだろうということは、極めて自明である。したがって、デジタル産業の発展に伴ってデジタルコンテンツの保護に対する重要性が急激に増大しながら、多様な形態のDRM(digital rights management:デジタルコンテンツ権利管理)が開発された。
【0003】
このように、放送サービスがデジタル化されるにつれて、さらに改善された保護メカニズムが必要である。既存のCAS(Conditional Access System)は、浮かび上がるブロードキャスティングビジネスモデルからブロードキャスティングコンテンツの保安を保証することができない。例えば、それは、ブロードキャスティングコンテンツを録音及び再配布から保護することができない。
【0004】
従来の放送システム上での各放送局サーバー(broadcaster)は、放送(broadcasting)サービスのために自身だけの特有な保護メカニズムを利用していて、他の放送局と互換可能な保護メカニズムは存在しなかった。したがって、最終ユーザが他のブロードキャスターから新しいチャネルサービスを利用しようとすれば、彼は、自身のセットトップボックス(Set-Top-Box:STB)を変更しなければならない。これは、放送コンテンツ消費者にとって非常に面倒なことになり、経済的に非効率的である。
【0005】
また、ユーザが自身のセットトップボックスを交替する場合、交替されたセットトップボックスに対する登録作業を各放送局毎に行わなければならないが、これは、ユーザに大きい不便を招く。
【0006】
一方、正当な権限でコンテンツを伝送されたユーザは、前記コンテンツを伝送されたマルチメディアデバイスでない他のデバイスで使用したり、他のユーザに再配布しようとする意思を有することができるが、従来技術では、このような変形されたライセンス配布は許容されなかった。これは、ユーザのコンテンツ利用において制限されるところ、デジタルコンテンツ放送の普及に障害になることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述のような問題点を克服するためになされたもので、その目的は、デジタルコンテンツの配布管理の保安性及び/または便宜性を強化することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、スマートカードを用いて便利に権限認証手続を行うことができるコンテンツ実行デバイスを提供することにある。
【0009】
また、本発明のさらに他の目的は、認証及びツール管理の役目が分担された構造の放送システムにおいてスマートカードを用いて効率的に放送サービスを提供する方法を提供することにある。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、放送コンテンツ消費者の領域をホームドメインとして規定した放送システムにおいてスマートカードを用いて効率的に放送サービスを提供する方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明のさらに他の目的は、正当に獲得したコンテンツを他のユーザやデバイスに伝送することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明のコンテンツ実行デバイスは、コンテンツを実行するのに必要なツールが格納された独立認証手段と;前記独立認証手段に格納されたツールを呼び出すためのツールエージェントと;放送サーバーから入力されたコンテンツデータを実行させるためのコンテンツ実行部と;を含むことを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するための本発明のコンテンツ実行デバイス(放送サービスユーザ側に属することを強調するためにユーザデバイスともいう)及びコンテンツデータを放送する放送サーバーへのコンテンツ放送サービス加入方法は、ユーザデバイスがコンテンツデータを放送する放送局サーバーに新規加入を要請する段階と;前記ユーザデバイスに接続されたユーザのスマートカード情報を前記放送局サーバーに伝送する段階と;前記放送局サーバーが伝送されたスマートカード情報を確認する段階と;前記放送局サーバーに新規加入及びユーザのスマートカードを登録する段階と;前記放送局サーバーが認証書を前記スマートカードに伝送する段階と;前記スマートカードが内部メモリに前記認証書を格納する段階と;を含むことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するための本発明のコンテンツ実行デバイスで行われるコンテンツ実行方法は、放送局サーバーからコンテンツを伝送される段階と;前記伝送されたコンテンツを実行するのに必要なツールを判断する段階と;前記必要なツールが前記コンテンツ実行デバイスに接続されたスマートカードに存在するか否かを判断する段階と;ツールサーバーに接続し、前記スマートカードに存在しないツールを要請する段階と;前記ツールサーバーから当該ツールを伝送される段階と;前記スマートカードに前記伝送されたツールを格納する段階と;前記スマートカードに格納されたツールを用いて前記コンテンツを再生する段階と;を含むことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するための再配布するコンテンツ実行デバイス(ソースデバイス)及び再配布されるコンテンツ実行デバイス(ソースデバイス)で行われる本発明のコンテンツ再配布方法は、再配布しようとするコンテンツが再配布許諾されたものであるか否かを検査する段階と;前記ターゲットデバイスに前記コンテンツ、使用ツール情報及び当該放送局サーバーのポインタを伝送する段階と;前記ターゲットデバイスが前記放送局サーバーに接続し、前記コンテンツの実行許可を要請する段階と;実行許可を受けて前記コンテンツを再生する段階と;を含むことを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するためのソースデバイス及びターゲットデバイスで行われる本発明の他のコンテンツ再配布方法は、再配布しようとするコンテンツが再配布許諾されたものであるか否かを検査する段階と;外部の放送サーバーから前記ターゲットデバイスを認証される段階と;前記ターゲットデバイスに前記コンテンツ、使用ツール情報及びプレイ許可情報を伝送する段階と;前記ターゲットデバイスで前記コンテンツを再生する段階と;を含むことを特徴とする。
【0017】
前記ソースデバイスが保有するコンテンツを前記ターゲットデバイスに再配布する方法は、前記コンテンツが再配布許諾されたものであるか否かを検査する段階と;前記ツールサーバーから前記ターゲットデバイスを認証される段階と; 前記ターゲットデバイスに前記コンテンツ、使用ツール情報及び前記コンテンツに対する権利を保有する放送局サーバーのポインタを伝送する段階と;を含むことを特徴とする。
【0018】
前記ターゲットデバイスが前記ソースデバイスから保有するコンテンツを再配布される方法は、前記ソースデバイスから前記コンテンツ、使用ツール情報及び前記放送局サーバーのポインタを伝送される段階と;前記コンテンツに対する権利を保有する放送局サーバーに接続し、前記コンテンツの実行許可を要請する段階と;実行許可を受けて前記コンテンツを再生する段階と;を含むことを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するためのコンテンツ実行デバイス(ソースデバイス)及びポータブルデバイス(ターゲットデバイス)で行われるコンバージョンするコンテンツ再配布方法は、前記ソースデバイスに格納されたコンテンツがコンバージョン再配布が許可されたものであるか否かを検査する段階と;ツールサーバーにポータブルデバイス用ツール(以下、ポータブルツールという)の伝送を要請し、ダウンロードされる段階と;放送局サーバーに前記ターゲットデバイスへの再伝送許可書を要請し、伝送される段階と;ポータブルデバイスにコンテンツ、ポータブルツール及び前記再伝送許可書を伝送する段階と;前記ターゲットデバイスで前記ポータブルツール及び再伝送許可書を使用して前記コンテンツを再生する段階と;を含むことを特徴とする。
【0020】
前記ソースデバイスが保有するコンテンツを前記ターゲットデバイスにコンバージョン再配布する方法は、前記コンテンツがコンバージョン再配布が許可されたものであるか否かを検査する段階と;前記ツールサーバーにポータブルツールの伝送を要請し、ダウンロードされる段階と;前記コンテンツに対する権利を保有する放送局サーバーに前記コンテンツのコンバージョン再配布許可書を要請し、伝送される段階と;前記ターゲットデバイスにコンテンツ、ポータブルツール及び前記再伝送許可書を伝送する段階と;を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
前述したような本発明のコンテンツ権限管理システムに含まれるコンテンツ実行デバイスにスマートカードをユーザ認証及び/またはコンテンツ再生用ツール管理用途に適用し、これにより、ユーザは、別途の措置なくスマートカードだけを交替することによって、新しいコンテンツ実行デバイスで自身にライセンスが付与されたコンテンツを自由に実行させる便宜を付与する効果がある。
【0022】
すなわち、本発明によれば、ユーザは、異なるブロードキャスターのコンテンツを効率的に利用可能になる。
【0023】
本発明に係るコンテンツデータの再配布方法を実施することによって、当該放送に加入しない他のユーザも制限された範囲で当該コンテンツを実行するようにすることによって、適法な方法でコンテンツの広範囲な使用を誘導する効果がある。
【0024】
本発明に係るコンテンツデータの再配布方法を実施することによって、コンテンツ放送受信機だけでなく、PDAのようなユーザが保有する他のマルチメディアデバイスでも著作権保護装置がある当該コンテンツを便利に実行するようにすることによって、適法な方法でコンテンツの広範囲な使用を誘導する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
より明確な説明のために、本発明が使われることができるデジタルコンテンツ保護/管理システムについて記述する。本発明のホームドメインシステムは、多様な形態のデジタルコンテンツ保護/管理システムと共に使われることができる。しかし、本発明がデジタルコンテンツ保護/管理システムに関するものでないから、本発明の動作を説明するために、特定のデジタルコンテンツ保護/管理システムに限定して説明する。
【0026】
図1に示す放送コンテンツ保護/管理システムは、コンテンツ提供者が保有するプロデューサーサーバーと;前記プロデューサーサーバーから入力されたコンテンツを各サービス加入者に伝達するための伝送サーバー300−1と;各加入者及び/またはコンテンツに対する認証を行うためのクリアリングハウス300−2と;コンテンツデータを暗号化/復号化するためのツールを管理するツールサーバー400と;から構成される。
【0027】
図示のプロデューサーサーバーは、放送コンテンツを保護管理するための情報を著作するサーバーであって、ツールサーバー400と連係して保護管理対象であるコンテンツ情報(防護ストリーム)を伝送サーバー300−1に伝達する役目を担当する。すなわち、放送サービスするコンテンツをクリアリングハウス300−2に登録し、流通に必要な情報(コンテンツID、クリアリングハウス公開キー、クリアリングハウスURLなど)を入力される。また、コンテンツに適用するツールを決定し、ツールに関連した情報(ツールID、ツール定義(descriptor)など)を入力される。この時、適用するツールがツールサーバー400に存在しない場合、プロデューサーサーバーは、新しいツールとツールの定義をツールサーバー400に登録し、新しいツールIDを付与されることもできる。また、DMPターミノロジーによってCPまたはSPで動作することができる。
【0028】
図示の伝送サーバー300−1は、前記プロデューサーサーバーから入力された前記防護ストリームをサービス加入者のドメインコントローラ(コンテンツ実行デバイス)100に伝送する役目を行う。この時、具現によって、前記防護ストリームをさらに所定のフォーマットに変換して伝送することができ、前記フォーマットの具現によって、前記ツールサーバー400に登録されたツールをもって変換を行うこともできる。ツールサーバー400を使用せずに、フォーマット変換がなされる具現においては、前記プロデューサーサーバーが前記伝送サーバー300に伝送する流通、ツール、格納などに関する情報をシンタックスファイルで作って伝送する時、伝送サーバー300内で適用されるツールに関連した情報をも別途のシンタックスファイルで伝送されることができる。
【0029】
図示のツールサーバー400は、放送コンテンツに適用されるツールを管理するサーバーであって、放送コンテンツに対する暗号化/復号化及び/またはスクランブリング/ディスクランブリング及び/またはウォーターマーキング/フィンガープリンティングツールを体系的に管理するためのものである。ツールを登録するためのツールサーバーのサーバー及びツールを配布/管理するためのツール管理機関のサーバーを含むことができる。本実施例のスマートカードに格納されるソールをダウンロードされるためのサーバーである。
【0030】
図示のクリアリングハウス300−2は、一種のサーバーシステムであって、放送コンテンツの流通のために、ユーザのコンテンツ使用、配布などを制御するための使用権限及び条件をライセンスに含めて発給する機能と、コンテンツ使用による課金/支払い/精算機能及びユーザ/デバイス/コンテンツ/ドメイン認証機能を担当する。前記クリアリングハウスは、統合的なデジタル放送提供のための放送標準機関などで保有する統合認証システムであることもでき、各放送局毎に別途に具備した認証システムであることもできる。前記クリアリングハウス300−2は、前記スマートカードを登録し、必要な保安キー、キー情報、公認認証書のうち少なくとも1つ以上を発給する。
【0031】
前記プロデューサーサーバー、クリアリングハウス300−2、伝送サーバー300−1及びツールサーバー400は、ユーザの立場で放送局を形成する機関の集合である放送サーバードメインに所属されている。本実施例のコンテンツ実行デバイス100の観点から、ツール登録及び管理のためのサーバーであるツールサーバー400を除いた、コンテンツ実行デバイス100に遠隔連結される放送サーバードメインのクリアリングハウス300−2及び伝送サーバー300−1を放送局サーバー300と称し、前記ツールサーバー400及び放送局サーバー300を包括して放送サーバーと称する。
【0032】
本発明が適用される前記コンテンツ保護/管理システムは、1つのホームドメインに多数のコンテンツ実行デバイス及び/または多数のユーザが含まれる本発明のホームドメインシステムと連係して使われることができる。この場合、デバイス間のコンテンツの再配布は、互いに異なるホームドメイン間のコンテンツ再配布であることができ、コンテンツのコンバージョン再配布は、同一のホームドメイン間のコンテンツ再配布であることができる。
【0033】
このために、前記クリアリングハウス300−2の認証データ格納モジュールには、各ホームドメイン別に含むデバイス及び/またはユーザに関する情報を有することができ、認証実行モジュールは、各ホームドメイン別に含むデバイス及び/またはユーザに対する登録手続を行うことができる。
【0034】
この場合、本実施例のコンテンツ実行デバイスは、1つのホームドメインに多数のコンテンツ実行デバイス及び/または多数のユーザが含まれるホームドメインシステムのホームドメインコントローラとして使われることができる。前記ホームドメイン(ホームドメイン:Home Domain)とは、1つのホームドメインコントローラと、当該ホームドメインコントローラに属するユーザ及びデバイス(SAV、PAV)のグループを意味する。1つのホームドメインコントローラが1つのホームドメインを規定し、各ホームドメインには、多数のユーザ及びデバイスを含む。ホームドメインコントローラは、デジタル放送受信用セットトップボックスのようにそれ自体が1つのマルチメディア再生機の役目を兼ねるように具現することもでき、ホームドメイン管理だけを担当するように具現することもできる。このように各ホームドメインの定義及び各ユーザ及び/またはデバイスの管理において、ホームドメインコントローラが重大な役目を行うようになる。スマートカードを用いて加入者認証を容易で且つ安全に行うことができる本実施例のコンテンツ実行デバイスは、前記ホームドメインコントローラとして適合した特性を有する。
【0035】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。本実施例は、本発明の権利範囲を限定するものでなく、ただ例示的に提示されたものである。
【0036】
図2に示すコンテンツ実行デバイスは、独立認証モジュールをスマートカードで具現した実施例であって、接続されたスマートカード200と外部の放送局サーバー300との間のユーザ認証のためのチャネルを提供するための認証サポートモジュール110と;前記接続されたスマートカード200に格納されたツールを呼び出すためのツールエージェント120と;外部の放送局サーバー300から入力されたコンテンツデータを実行させるためのコンテンツ実行部130と;を含む。
【0037】
本実施例のコンテンツ実行デバイス100に接続される認証用スマートカード200は、独立的な演算装置(CPU)及び格納メモリ(EEPROM)を内蔵したスマートチップから構成され、本発明の思想と関連した構成要素としては、コンテンツ再生に必要なツールを格納するためのツール格納部210と;外部の放送サーバーに対する権限情報を格納するための権限格納部230と;外部の放送サーバーに対して相互認証を行うための認証モジュール220と;を含む。
【0038】
前記スマートカード200は、RF無線通信方式のRFカードで具現可能であるが、コンテンツ実行デバイス100との安定した連結を保証するために、接触式パッドを使用した通信方式の接触式カードで具現することが好ましい。
【0039】
前記認証サポートモジュール110は、接触式スマートカードと接続するための接触式端子と、スマートカードのための直列通信フォーマットに、または直列通信フォーマットからのデータ変換のためのスマートカードインタフェースモジュールとを含むことができる。
【0040】
前記コンテンツ実行部130及びツールエージェント120は、具体的にコンテンツ実行デバイスに備えられるCPUのような演算装置、前記演算装置が実行させるプログラム及び前記プログラムがローディングされるRAMのような演算メモリで具現されることができる。前記コンテンツ実行部130の構成及び動作は、一般的なマルチメディア実行デバイスの場合と同様であるが、但し、コンテンツの再生中に前記スマートカード200に格納された特定のツールが必要な場合、ツールエージェント120を呼び出すことができる。前記ツールエージェント120は、前記スマートカード200のツール格納部210からコンテンツデータの実行に必要なツールをローディングして実行させる役目を行う。
【0041】
本実施例のコンテンツ実行デバイス100は、インターネットのような遠隔通信チャネルを使用して外部の放送局サーバー300に接続し、必要なデータ通信を行うための放送受信段140をさらに含むことができる。
【0042】
前記ツール格納部210及び権限格納部230は、スマートカード内部のワンチップに内蔵されたEEPROM上に具現することができ、前記認証モジュール220は、スマートカード内部のワンチップに内蔵されたCPUコア及び当該プログラムで具現することができる。また、前記スマートカードは、接触式パッドを介して外部(本実施例では、コンテンツ実行デバイス)と直列データ通信を行うことができる直列通信インタフェースをさらに含むことができる。前記ツール格納部210は、主に放送国で許可されたユーザのみに配布するツールを格納するための空間であり、前記権限格納部230は、放送局に加入されたユーザ(正確に言えば、スマートカードユーザ)の識別情報及び接続(または認証)に必要な情報(例:キー情報、公認認証書)を格納するための空間である。これにより、放送局に登録されて当該スマートカードを発給された加入者は、自身のスマートカードを有していれば、いずれのコンテンツ実行デバイス(但し、スマートカード挿入が可能でなければならない)でも別途の措置なく自身の加入権限の通り放送コンテンツを実行することができるようになる。前記認証モジュール220は、外部の放送サーバーが保有する保安キーと対応する保安キー(対称キー方式場合であることもでき、非対称キー方式であることもできる)を保有していて、前記放送サーバーと相互認証を通じて自身の真正性を確認されることができる。相互認証とは、自体演算機能を有するスマートカードの特性を用いてスマートカードでも放送サーバーの真正性を認証することを含むスマートカードに対する認証方法であって、スマートカード業界において広く使われる技術である。
【0043】
一方、前記ツールエージェント120は、図3に示すようなツールパック構造のコンテンツ再生用ソフトウェアパッケージ手段を使用する具現である場合に、一層有用である。
【0044】
前記ツールパック構造の一例は、ソフトウェア及びデータパッケージであって、ツールパックの書誌情報を含むツールパック書誌情報と;図2のツールエージェントにローディングされる前の原本データであるツールエージェントと;前記ツールエージェントにより活性化され、コンテンツデータを所定の規則で処理するための1つ以上のツールプログラムを含むツールグループと;から構成される。空中波放送やインターネット放送のようなコンテンツデータ提供サービス毎に別途の固有なツールパックを有するようになる。具現によって、前記ツールパック構造は、ツールパック構造が保有するツールパックデータパケットの真正性−権限ある者により生成された後、偽造/変造がないことを表示−を保証するためのツールパック署名値をさらに含むことができる。前記ツールパックインフォメーションには、図1に示すツールサーバーの位置を示すツールサーバーURLを含むことができる。
【0045】
前記ツールエージェントは、当該ツールパックによりエンコーディングされたコンテンツデータを取り扱う外部デバイスまたは応用プログラム製作者の便宜のために、当該呼出インタフェース及び/または媒介変数、リターン変数などの仕様を公衆に公開することが好ましい。前記ツールパックエージェントは、当該ツールパックを必要とするコンテンツデータを実行させようとする時、あらかじめツールエージェントにローディングされることが好ましい。
【0046】
前記ツールプログラムは、個別的なエンコーディング/デコーディング処理のためのプログラムであり、前記活性化されたツールエージェントは、行うべき業務の処理中に、1つ以上のツールプログラムを呼び出し、必要なエンコーディング/デコーディング処理を委任することができる。ところが、前記ツールエージェントは、エンコーディングされたコンテンツデータを取り扱う外部デバイスまたは応用プログラム上で呼び出されるので、関連製作者がツールエージェントに対する呼出インタフェース及び/または媒介変数、リターン変数などの仕様を認知することが好ましいが、前記ツールプログラムは、ただツールエージェントにより呼び出されるだけであるから、前記ツールプログラムに対する呼出インタフェース及び/または媒介変数、リターン変数などの仕様を非公開で保護する場合、外部デバイスまたは応用プログラム関連製作者に不便を与えることなく、コンテンツデータ変換に対する強化された保安性を確保することができる。
【0047】
一方、前記ツールパックに含まれる多数のツールプログラムは、当該ツールエージェントにより使われる全ての非公開ツールプログラム及び公開ツールプログラムを共に含むこともでき、一部の公開ツールプログラムを含まないこともできる。後者の場合が前者の場合に比べて多少保安性が劣っているが、多数のツールパックで重複されて使用される可能性が高い前記公開ツールプログラムを別途に格納することによって、ツールパックデータの格納効率を高めることができる。このために、後者の場合には、呼出インタフェース及び/または媒介変数、リターン変数などの実行仕様が公開された1つ以上のツールプログラムの集合である共通ツールプール構造をさらに含まなければならない。
【0048】
本実施例に係る放送サービス提供システムの動作を各細部項目シナリオ別に説明する。
【0049】
シナリオI.新しいブロードキャスティングサービスの加入
本シナリオの状況は、次の通りである。放送業者(broadcaster)Aと放送業者Bは、彼らの有料チャネルサービスを保護するために、彼ら自身の保護ツールを利用する。各放送業者は、コンテンツと共に彼らのツール情報及びツールを初期化する情報を伝送する。AとBは、彼らの保護ツールをツール登録機関(Tool Registration Authority:TRA)のツールサーバーに伝送する。ツールサーバーは、新しいツールを登録し、ツールを管理し、ツールを最終ユーザ(デバイス)に伝送する役目を行う。ユーザCは、現在放送業者Aから有料チャネルサービスを受信している。また、彼は、放送業者Bからの新しい有料チャネルサービスに加入することを希望する。
【0050】
図4に示すような前記シナリオに適用するための新しい放送業者のコンテンツ提供サービスに加入するための方法は、ユーザデバイス100が新しい放送業者の放送局サーバー300に新規加入を要請し(ステップS110)、ユーザ情報を伝送する段階(ステップS124)と;前記放送局サーバー300が伝送されたユーザ情報を確認し(ステップS126)、ユーザのスマートカード200を登録する段階(ステップS132、S134)と;前記放送局サーバー300がキー情報を生成し(ステップS136)、前記スマートカード200に伝送する段階(ステップS140)と;前記スマートカード200が内部メモリに前記キー情報を格納する段階(ステップS150)と;を含む。
【0051】
図示の構造では、スマートカードに格納する認証書としてキー情報を使用して具現したが、ここで、キー情報とは、スマートカード200で復号(descrambling)用キーを生成するために使用する情報を言う。具現によって、さらに複雑な構造を有し、別途の公認された認証用機関で規定するフォーマットを有する公認認証書を使用することができる。
【0052】
前述のような過程で、ユーザCは、新しい放送サービスBへの加入を完了し、加入が完了した状態のユーザCのスマートカードには、放送サービスAの加入認証書及び放送サービスBの加入認証書が各々格納されている。このように加入が完了した状態で、ユーザCは、いずれのデバイス(例:セットトップボックス)でも加入認証書が内蔵されたスマートカードを接続すれば、放送業者Bの放送サーバーから当該放送コンテンツを伝送されることができる。
【0053】
ところが、前記放送業者Bの放送サーバーは、自身がサービスするコンテンツデータを自身だけのツールとして処理(エンコーディング)して提供するところ、これを伝送されるユーザCのデバイスには、これを逆処理(デコーディング)するためのツールが必要である。加入が完了した状態では、ユーザCは、当該放送Bに対するツールを有していないが、図5に示すような前記放送Bに対するツールを獲得するための方法は、スマートカード200を接続した状態のユーザデバイス100がツールサーバー400に接続し、特定の放送に対するツールを要請する段階(ステップS160)と;前記ツールサーバー400が前記スマートカード200を検証する段階(ステップS170)と;前記ツールサーバー400が前記ユーザデバイス100に前記放送に対するツールを伝送する段階(ステップS180)と;前記スマートカード200に伝送された前記ツールを格納する段階(ステップS190)と;を含む。
【0054】
ユーザデバイス100から放送コンテンツの伝送を要請された前記放送局サーバー300は、ツールのバージョンを含むツール情報を前記コンテンツと共にユーザデバイス100に伝送する。具現によって、前記ツール情報は、ウォーターマーク抽出のためのシード番号や暗号化されたコンテンツデータの復号化のためのキー値をさらに含むことができる。コンテンツデータを伝送されたユーザデバイス100は、自身のメモリまたはスマートカード200に前記コンテンツと共に伝送されたツール情報に該当するツールが存在するか否かを確認する。適合したツールが存在しない場合、前述のようなツールダウンロード過程を行い、適合したツールが存在すれば、これを用いて前記コンテンツを実行(再生)させる。
【0055】
シナリオII.保護ツールのアップグレード
本シナリオの状況は、次の通りである。放送局Aは、その有料チャネルサービスを保護するために自身の保護ツールを利用する。放送局Aは、その新しいサービスを保護したり、既存のツールをアップグレードするために、新しいツールを採用することを決定した。ユーザCは、現在放送局Aから有料チャネルサービスを受信している。ユーザCのコンテンツ実行デバイス(スマートカードを含む)は、以前バージョンの保護ツールのみを有しているので、今後の放送局Aのサービスを続いて受信するために、新しいバージョンのツールへの交替が要求される。放送局Aの放送局サーバーでは、アップグレード(または新規採用)を決定したツールを前記ツールサーバーに登録し、コンテンツの放送サービス時、コンテンツと共にツールバージョン値を含むツール情報を伝送する。
【0056】
前記ユーザデバイスが自身のスマートカードにアップグレードされたツールを格納するための方案は、前記ツールサーバーに接続して伝送される方法、前記放送局サーバーから伝送される方法及び放送コンテンツと共に伝送されるツールリンクが示す場所に接続して伝送される方法がある。前記3つの場合、全てユーザデバイスの立場では遠隔に位置する放送局側サーバーに接続してダウンロードされるものであって、その動作は、ほぼ同様なので、以下では、ツールサーバーからダウンロードされるものとして具体化して説明する。または、ツールまたはツールリンクがコンテンツと共に放送されることもできる。
【0057】
放送局Aがそれ自身の永続的な放送サービスのために新しいツールを採用することを決定すれば、まず、前記新しいツールをツールサーバーに登録する。その後、図6に示された手続が行われるところ、放送局Aは、ログインされた(ステップS210)ユーザデバイス(100)に放送しようとするコンテンツと共に前記新しいツール及び関連情報を放送する(ステップS220)。前記コンテンツを伝送されたスマートカード200を接続した状態のユーザデバイス100は、伝送されたコンテンツを実行するのに必要なツールを判断する段階(ステップS230)と;前記必要なツールが前記スマートカード200に存在するか否かを判断する段階(ステップS240)と;ツールサーバー400に接続し、前記スマートカード200に存在しないツールを要請する段階(ステップS260)と;を含むツール伝送要請作業を行う。
【0058】
前記ツール伝送要請を受け付けたツールサーバー400は、前記スマートカード200を検証する段階(ステップS270)と;前記ユーザデバイス100に前記放送に対するツールを伝送する段階(ステップS280)と;を含むツール伝送作業を行う。その後、前記ユーザデバイス100は、前記スマートカード200に伝送された前記ツールを格納し(ステップS290)、新しく導入したツールを用いて前記コンテンツを実行させる。
【0059】
シナリオIII.さらに他のSTBへのブロードキャスティングコンテンツ伝送
本シナリオの状況は、次の通りである。放送局Aは、最終ユーザが特定のコンテンツ(全部または一部)を異なるドメインの他のデバイス(セットトップボックス)に伝送することができるようにする。放送局A及び放送局Bは、コンテンツ保護のために自身固有の保護ツールを利用する。放送局A及び放送局Bは、それら自身の保護ツールをツールサーバーに登録したものと仮定する。ユーザCは、放送Aに加入し、ユーザDは、放送Bに加入した。ユーザCは、自身のデバイス(ソースデバイス)にある放送AのコンテンツをユーザDのデバイス(ターゲットデバイス)に配布することを希望する。本シナリオにおいてコンテンツの配布は、ユーザCが保有するものとして登録されたデバイスから他のユーザDが保有するものとして登録されたデバイスに行われるという点が、後述するシナリオと区別される。
【0060】
図7に示すような、前記シナリオに適用するためのユーザCのソースデバイスに格納されたコンテンツの再配布方法は、再配布しようとするコンテンツが再配布許諾されたものであるか否かを検査する段階(ステップS310)と;前記ターゲットデバイスに前記コンテンツ、使用ツール情報及び当該放送局のポインタを伝送する段階(ステップS320)と;前記ターゲットデバイスが前記放送局サーバーに伝送されたコンテンツの実行許可を要請する段階(ステップS330)と;実行許可を受け(ステップS335)、前記コンテンツを再生する段階(ステップS340)と;を含む。
【0061】
前記再配布権限検査段階(ステップS310)は、前記ソースデバイス100−1の制御部が内部の格納メモリに格納されたコンテンツデータの書誌情報を検査し、再配布可能なものとして表示されているか否かを確認する方式で行われる。権限表示の不法的な毀損を防止するために、前記書誌情報は、暗号化されることが好ましい。しかし、後続過程で当該放送局にさらに再配布可能可否を確認する手続(例えば、下記ステップS330、S335)がある場合には、暗号化しなくてもよい。
【0062】
再配布をより厳格に規制しようとする具現の場合には、前記再配布権限検査段階(ステップS310)の後に、外部の放送局サーバー300から前記ターゲットデバイス100−2を認証される段階をさらに含むことができる。これは、少なくとも本発明のコンテンツ放送サービスに加入したユーザ(すなわちいずれか1つの放送局サービスに加入したユーザ)間のみにコンテンツの再配布を許容しようとする政策を実現するためのものであって、本段階をより適切に適用するためには、本発明の放送システムで使われるコンテンツ実行デバイスは、各自MAC(Media access code)のような固有の識別値を有していることが好ましい。本実施例では、各コンテンツ実行デバイスに挿入されるスマートカードの固有識別値(MAC値であることもでき、アプリケーションで付与された識別番号であることもできる)でコンテンツ実行デバイスを識別することができる。全てのコンテンツ実行デバイスに固有の識別値を付与することは、従来のデバイスとの互換性及びデバイス製造費用の増大問題の点から好ましくないのに対し、固有の識別値で認識されるための本然の目的を有するスマートカードを用いてデバイスを識別することは、適用が容易で且つ低価であり、ユーザも便利なので、さらに好ましい。
【0063】
放送局サーバー300でないツール登録/管理センターに保有するツールサーバーでユーザ確認を実行するように具現することもできるが、この具現は、本発明に係るコンテンツ放送サービスに加入された各放送の全ての加入者に関する情報をツールサーバーで有しているように具現することが容易であるという観点から好ましい。
【0064】
前記ターゲットデバイス100−2の認証段階は、ソースデバイス100−1からターゲットデバイス100−2の識別値を前記ツールサーバーに伝送する段階と;前記ツールサーバーから入力された識別値をDBで照会し、当該識別値のデバイスが再配布される権限を保有するか否かを判断する段階と;前記判断結果を前記ターゲットデバイス100−1に伝達する段階と;を含むことができる。
【0065】
コンテンツ/関連情報の伝送段階(ステップS320)で、前記ソースデバイスから前記ターゲットデバイスに伝送される関連情報としては、伝送するコンテンツを再生するために使われるツールを示す情報及び伝送しようとするコンテンツの権利を有している当該放送局のポインタ(URL、リンクなど)であることができ、当該放送著作権管理システムに加入されていないユーザに伝送する場合には、ツールサーバーのポインタを共に伝送することもできる。
【0066】
具現によって、コンテンツ及び関連情報の伝送段階(ステップS320)の後に、ターゲットデバイス100−2がツールサーバー(不図示)から必要なツールを獲得する段階をさらに含むことができる。ツール獲得段階を省略することは、既にターゲットデバイス100−2に当該ツールが存在する場合及び前記コンテンツ/関連情報の伝送段階で必要なツールを共に伝送する具現の場合である。前記ターゲットデバイス100−2は、前記ツールサーバーから必要なツールに対する伝送を要請し、ダウンロードされる。具現によって、前記要請されたツールサーバーは、使用回数の制限があるツールをターゲットデバイス100−2に伝送することができる。
【0067】
前記コンテンツ実行許可要請段階(ステップS330)では、ターゲットデバイス100−2が当該コンテンツに対する権利を保有する放送局の放送局サーバー300に(有無線通信などの手段に)再配布されたコンテンツの実行のための許可書を要請する方式で行われる。これを要請された放送局サーバー300は、自身のDBで当該コンテンツに対する再配布回数、再配布可能範囲などの情報を勘案して許可書発給可否を決定し、発給が決定されれば、規定された範囲の許可書を作成し、ターゲットデバイス100−2に伝送する(ステップS335)。
【0068】
前記コンテンツ再生段階(ステップS340)で、前記ターゲットデバイス100−2は、伝送された許可書を使用して再配布されたコンテンツを再生する。前記許可書は、電子的なファイル形式を有する再配布されたコンテンツの実行に必ず必要なソフトウェアモジュールであることができる。
【0069】
図8に示すような構成を有する、他のユーザのデバイス(ターゲットデバイス)へのコンテンツの再配布方法の他の実施例として前記シナリオに適用するためのユーザCのデバイス(ソースデバイス)に格納されたコンテンツの再配布方法は、再配布しようとするコンテンツが再配布許諾されたものであるか否かを検査する段階(ステップS410)と;外部のツールサーバー400から前記ターゲットデバイス100−2を認証される段階(ステップS420)と;ターゲットデバイス100−2に前記コンテンツ、使用ツール情報及びプレイ許可情報を伝送する段階(ステップS430)と;ターゲットデバイス100−2で前記コンテンツを再生する段階(ステップS440)と;を含む。
【0070】
前記再配布権限検査段階(ステップS410)は、前記ソースデバイス100−1の制御部が内部の格納メモリに格納されたコンテンツデータの書誌情報を検査し、再配布可能なものとして表示されているか否かを確認する方式で行われることができる。権限表示の不法的な毀損を防止するために、前記書誌情報は、暗号化されることが好ましい。しかし、後続過程で当該放送局にさらに再配布可能可否を確認する手続が別途に存在する場合には、暗号化しなくてもよい。
【0071】
前記ターゲットデバイス認証段階(ステップS420)は、少なくとも本発明のコンテンツ放送サービスに加入したユーザ(すなわちいずれか1つの一放送局サービスに加入したユーザ)間のみにコンテンツの再配布を許容しようとする政策を実現するためのものであって、本段階をより適切に適用するためには、本発明の放送システムで使われるコンテンツ実行デバイスは、各自MAC(Media access code)のような固有の識別値を有していることが好ましい。本実施例では、各コンテンツ実行デバイスに挿入されるスマートカードの固有識別値(MAC値であることもでき、チップアプリケーションで付与された識別番号であることもできる)にコンテンツ実行デバイスを識別する。これは、全てのコンテンツ実行デバイスに固有の識別値を付与することは、従来のデバイスとの互換性及びデバイス製造費用の増大問題の点から好ましくないが、固有の識別値で認識されるための本然の目的を有するスマートカードを用いてデバイスを識別することは、適用が容易で且つ低価であり、ユーザも便利である。
【0072】
前記ターゲットデバイスの認証段階(ステップS420)は、ソースデバイス100−1からターゲットデバイス100−2の識別値を前記ツールサーバー400に伝送し、認証を要請する段階(ステップS422)と;前記ターゲットデバイス100−2を認証する段階(ステップS424)と;前記判断結果をソースデバイス100−1に伝達する段階と;を含むことができる。
【0073】
具現によって、前記認証段階(ステップS424)では、前記ターゲットデバイスの識別値をDBで照会し、当該識別値のデバイスが再配布される権限を保有するか否かを判断するオフライン認証を行ったり、当該放送局サーバー(不図示)と連結して直接オンライン認証を行うことができる。
【0074】
コンテンツ/関連情報の伝送段階(ステップS430)で、ソースデバイス100−1からターゲットデバイス100−2に伝送される関連情報の1つとして、伝送するコンテンツを再生するために使われるツールを示す情報があり、前記ターゲットデバイス100−2は、前記ツール情報に該当するツールを自身が保有しているか否かを検査し、保有していない場合、これをソースデバイス100−1に通知し、ソースデバイス100−1から当該ツールを伝送されるように具現することができる。
【0075】
前記コンテンツ再生段階(ステップS440)で、ターゲットデバイス100−2は、伝送されたコンテンツを必要なツールを使用して再生する。本段階でも、ターゲットデバイス100−2は、伝送された許可書を使用して再配布されたコンテンツを再生するように具現することができる。
【0076】
シナリオIV.他のマルチメディアデバイスへのブロードキャスティングコンテンツ伝送
本シナリオの状況は、次の通りである。放送局Aは、ユーザがそれ自身のポータブルデバイスで特定のコンテンツ(全部または一部)をプレイすることができるように許容する。放送局Aは、ポータブルデバイス再生用ツールを前記ツールサーバーに登録する。ポータブルデバイスは、通常、ブロードキャスティングコンテンツを再生するに低い性能を有する。したがって、コンテンツは、ポータブルデバイスの仕様によって適切な解像度に変換される必要がある。すなわち、これは、コンテンツ著作物のコンバージョン(変形)をもたらす。ユーザCは、放送コンテンツをソースデバイスに格納し、それを自身のポータブルデバイス(ターゲットデバイス)で再生しようとする。
【0077】
図9に示すような、前記シナリオに適用するためのユーザCのデバイスに格納されたコンテンツの再配布方法は、ソースデバイス100−1に格納されたコンテンツがコンバージョン再配布が許可されたものであるか否かを検査する段階(ステップS510)と;外部のツールサーバー400にポータブルデバイス用ツール(以下、ポータブルツールという)の伝送を要請し、ダウンロードされる段階(ステップS520)と;放送局サーバー300にターゲットデバイス100−3へのコンバージョン再伝送許可書を要請し、伝送される段階(ステップS530)と;ターゲットデバイス100−3にコンテンツ、ポータブルツール及び前記再伝送許可書を伝送する段階(ステップS540)と;ターゲットデバイス100−3で前記ポータブルツール及び再伝送許可書を使用して前記コンテンツを再生する段階(ステップS550)と;を含む。
【0078】
前記コンバージョン再配布許可可否の検査段階(ステップS510)は、前記ソースデバイス100−1の制御部が内部の格納メモリに格納されたコンテンツデータの書誌情報を検査し、再配布可能なものとして表示されているか否かを確認する方式で行われることができる。権限表示の不法的な毀損を防止するために、前記書誌情報は、暗号化されることが好ましい。
【0079】
前記コンバージョン再配布許可可否の検査段階(ステップS510)の後に、ターゲットデバイス100−3がソースデバイス100−1の属する同じドメインの一員であるか否かを確認する段階をさらに含むことができる。これは、1つのユーザの保有デバイスまたはいずれか1つのサービスドメイン(例えば、ホームドメイン)に属するデバイスと関係がある場合のみに、コンテンツの再配布を許容する政策を適用するためである。このために、前記関係を有するデバイス(ポータブルデバイスを含む)の目録が前記放送局サーバー300またはツールサーバー400に登録されることができ、ユーザが有するメインデバイス(スマートカードで識別され、放送局サーバーからコンテンツを1次的に伝送される役目を行う)にも、前記関係のデバイス目録を保有するように具現することができる。
【0080】
前記ポータブルツールダウンロード段階(ステップS520)は、前記ソースデバイス100−1で行われるが、これは、前記ソースデバイス100−1が、インターネットのような手段でツールサーバー400に接続することが容易であるのに対し、ターゲットデバイス100−3が、大部分オフライン状態で使われるからである。
【0081】
前記コンバージョン再配布許可段階(ステップS530)は、前記放送局サーバー300が当該コンテンツに対する配布政策及び当該ユーザの権限をDBで検索し、ポータブル伝送の許容可否を判断する段階と;ポータブル伝送の許容を決定した場合、ポータブル用許可書を作成する段階と;作成された許可書を前記ソースデバイス100−1に伝送する段階と;を含むことができる。
【0082】
前記コンテンツ伝送段階(ステップS540)で、前記ソースデバイス100−1は、有無線通信手段(連結されたケーブルが一般的である)を介してターゲットデバイス100−3にコンテンツ、ポータブルツール及びポータブル許可書を伝送するが、ターゲットデバイス100−3は、伝送されたポータブルツールと同じツールが既に内部の格納メモリに格納されている場合、コンテンツとポータブル許可書だけを伝送されることができる。
【0083】
前記コンテンツ再生段階でターゲットデバイス100−3は、前記ポータブルツール及びポータブル許可書を使用して入力されたコンテンツを実行させる。
【0084】
メインデバイス100−1で最初にサービスされたコンテンツをポータブル用コンテンツへのコンバージョン作業は、前記放送局サーバー、ソースデバイス100−1またはターゲットデバイス100−3で実行するように各々具現が可能であるが、相互間の通信量を低減するためには、前記ソースデバイス100−1で行うように具現することもできる。この場合、前記ソースデバイス100−1からターゲットデバイス100−3に伝送されるコンテンツは、ポータブル用にコンバージョンされた(すなわち、ダウンサイズされた)コンテンツデータであり、前記ソースデバイスは、前記放送局サーバー300またはツールサーバー400からダウンサイジング用ツールを伝送され、当該コンテンツをコンバージョンする。
【0085】
以上、特定の実施例と関連して本発明を説明したが、本発明は、前述した実施例及び添付の図面に限定されるものでなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形及び変更が可能であることが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって自明である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明のコンテンツ実行デバイスが使われることができるコンテンツ放送システムの構成を示す構造図である。
【図2】本発明の一実施例に係るコンテンツ実行デバイスの構造を示すブロック図である。
【図3】本発明のコンテンツ実行デバイスに適用されることができるツールパック構造を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施例に係るコンテンツ提供サービス方法を示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施例に係るコンテンツ提供サービス方法を示すブロック図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例に係るコンテンツ提供サービス方法を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施例に係るコンテンツ再配布方法を示すブロック図である。
【図8】本発明の他の実施例に係るコンテンツ再配布方法を示すブロック図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例に係るコンテンツ再配布方法を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0087】
100 コンテンツ実行デバイス
110 認証サポートモジュール
120 ツールエージェント
130 コンテンツ実行部
140 放送受信段
200 スマートカード
210 ツール格納部
220 認証モジュール
230 権限格納部
300 放送局サーバー
400 ツールサーバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを実行するのに必要なツールが格納された独立認証手段と;
前記独立認証手段に格納されたツールを呼び出すためのツールエージェントと;
外部の放送サーバーから入力されたコンテンツデータを実行させるためのコンテンツ実行部と;
を含むコンテンツ実行デバイス。
【請求項2】
前記独立認証手段は、スマートカードであることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ実行デバイス。
【請求項3】
前記スマートカードと外部の放送サーバーとの間にデータ通信チャネルを提供するための認証サポートモジュールをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ実行デバイス。
【請求項4】
前記スマートカードは、
コンテンツの実行に必要なツールを格納するためのツール格納部と;
外部の放送サーバーに対する権限情報を格納するための権限格納部と;
外部の放送サーバーと相互認証を行うための認証モジュールと;
を含むことを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ実行デバイス。
【請求項5】
外部の放送サーバーに接続し、前記独立認証手段に格納されたツールをアップグレードするためのツールアップグレード部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ実行デバイス。
【請求項6】
ユーザデバイスから放送局サーバーに新規加入を要請する段階と;
前記ユーザデバイスに接続されたユーザのスマートカード情報を前記放送局サーバーに伝送する段階と;
前記放送局サーバーが伝送されたスマートカード情報を確認する段階と;
前記放送局サーバーに新規加入及びユーザのスマートカードを登録する段階と;
前記放送局サーバーが認証書を前記スマートカードに伝送する段階と;
前記スマートカードが内部メモリに前記認証書を格納する段階と;
を含むコンテンツ放送サービス加入方法。
【請求項7】
前記認証書格納段階の後に、
前記ユーザデバイスがコンテンツの実行に必要な少なくとも1つのツールを統合管理するツールサーバーに接続し、特定のツールを要請する段階と;
前記ツールサーバーが前記スマートカードを検証する段階と;
前記ツールサーバーから前記ユーザデバイスに前記特定のツールを伝送する段階と;
前記スマートカードに伝送された特定のツールを格納する段階と;
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のコンテンツ放送サービス加入方法。
【請求項8】
放送局サーバーからコンテンツを受信する段階と;
前記受信されたコンテンツを実行するのに必要なツールを判断する段階と;
前記必要なツールがスマートカードに存在するか否かを判断する段階と;
ツールサーバーに接続し、前記スマートカードに存在しないツールを要請する段階と;
前記放送サーバーから当該ツールを伝送される段階と;
前記スマートカードに前記伝送されたツールを格納する段階と;
前記スマートカードに格納されたツールを用いて前記コンテンツを実行する段階と;
を含むコンテンツ実行方法。
【請求項9】
放送局サーバー及び/またはツールサーバーから許可を受けて、ソースデバイスに格納されたコンテンツをターゲットデバイスに再配布する方法において、
前記コンテンツが再配布許諾されたものであるか否かを検査する段階と;
前記ターゲットデバイスに前記コンテンツ、使用ツール情報及び前記放送局サーバーのポインタを伝送する段階と;
前記ターゲットデバイスが前記放送局サーバーに接続し、前記コンテンツの実行許可を要請する段階と;
実行許可を受けて前記コンテンツを再生する段階と;
を含むコンテンツ再配布方法。
【請求項10】
前記再配布許諾可否の検査段階の後に、
前記ツールサーバーから前記ターゲットデバイスを認証される段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ再配布方法。
【請求項11】
前記ターゲットデバイス認証段階は、
ソースデバイスからターゲットデバイスの識別値を前記ツールサーバーに伝送する段階と;
前記ツールサーバーから入力された識別値をDBで照会し、前記ターゲットデバイスが再配布される権限を保有するか否かを判断する段階と;
前記判断結果を前記ソースデバイスに伝達する段階と;
を含むことを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ再配布方法。
【請求項12】
前記コンテンツ伝送段階の後に、
ターゲットデバイスが前記ツールサーバーから必要なツールを獲得する段階をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のコンテンツ再配布方法。
【請求項13】
放送サーバーから許可を受けて、ソースデバイスに格納されたコンテンツをターゲットデバイスに再配布する方法において、
前記コンテンツが再配布許諾されたものであるか否かを検査する段階と;
外部の放送サーバーから前記ターゲットデバイスを認証される段階と;
前記ターゲットデバイスに前記コンテンツ、使用ツール情報及びプレイ許可情報を伝送する段階と;
前記ターゲットデバイスで前記コンテンツを再生する段階と;
を含むコンテンツ再配布方法。
【請求項14】
放送局サーバー及び/またはツールサーバーから許可を受けて、ソースデバイスに格納されたコンテンツをコンバージョンし、ターゲットデバイスに再配布する方法において、
前記ソースデバイスに格納されたコンテンツがコンバージョン再配布が許可されたものであるか否かを検査する段階と;
前記ツールサーバーにポータブルツールの伝送を要請し、ダウンロードされる段階と;
前記放送局サーバーに前記コンテンツのコンバージョン再配布許可書を要請して伝送される段階と;
前記ターゲットデバイスにコンテンツ、ポータブルツール及び前記再伝送許可書を伝送する段階と;
前記ターゲットデバイスで前記ポータブルツール及び再伝送許可書を使用して前記コンテンツを再生する段階と;
を含むコンテンツ再配布方法。
【請求項15】
前記再配布許可可否の検査段階の後に、
前記ターゲットデバイスが前記ソースデバイスの属する同じユーザドメインの一員であるか否かを確認する段階をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載のコンテンツ再配布方法。
【請求項16】
コンテンツデバイスが保有するコンテンツを外部のターゲットデバイスに再配布する方法において、
前記コンテンツが再配布許諾されたものであるか否かを検査する段階と;
外部のツールサーバーから前記ターゲットデバイスを認証される段階と;
前記ターゲットデバイスに前記コンテンツ、使用ツール情報及び前記コンテンツに対する権利を保有する放送局サーバーのポインタを伝送する段階と;
を含むコンテンツ再配布方法。
【請求項17】
前記ターゲットデバイス認証段階は、
コンテンツデバイスからターゲットデバイスの識別値を前記ツールサーバーに伝送する段階と;
前記ツールサーバーから前記ターゲットデバイスが再配布される権限を保有するか否かの判断結果を伝達される段階と;
を含むことを特徴とする請求項16に記載のコンテンツ再配布方法。
【請求項18】
コンテンツデバイスが外部のソースデバイスから保有するコンテンツを再配布される方法において、
前記ソースデバイスから前記コンテンツ、使用ツール情報及び前記放送局サーバーのポインタを伝送される段階と;
前記コンテンツに対する権利を保有する放送局サーバーに接続し、前記コンテンツの実行許可を要請する段階と;
実行許可を受けて前記コンテンツを再生する段階と;
を含むコンテンツ再配布方法。
【請求項19】
前記コンテンツを伝送される段階の後に、
外部のツールサーバーから前記使用ツール情報に対応するツールを獲得する段階をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載のコンテンツ再配布方法。
【請求項20】
コンテンツデバイスが保有するコンテンツをコンバージョンし、外部のターゲットデバイスに再配布する方法において、
前記コンテンツがコンバージョン再配布が許可されたものであるか否かを検査する段階と;
外部のツールサーバーにポータブルツールの伝送を要請し、ダウンロードされる段階と;
前記コンテンツに対する権利を保有する放送局サーバーに前記コンテンツのコンバージョン再配布許可書を要請して伝送される段階と;
前記ターゲットデバイスにコンテンツ、ポータブルツール及び前記再伝送許可書を伝送する段階と;
を含むことを特徴とするコンテンツ再配布方法。
【請求項21】
前記再配布許可可否の検査段階の後に、
前記ターゲットデバイスが、前記ソースデバイスの属する同じユーザドメインの一員であるか否かを確認する段階をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のコンテンツ再配布方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2008−529152(P2008−529152A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553034(P2007−553034)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際出願番号】PCT/KR2006/000308
【国際公開番号】WO2006/080814
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(596099882)エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート (179)
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】