説明

狭帯域を有するマーキング物質

対象物のマーキング法であって、その際、マーキングされるべき対象物を、少なくとも1種のマーキング物質と接触させ、かつ、該対象物と接触している少なくとも1種のマーキング物質の吸収スペクトルは、<1500cm-1の半値幅を有する少なくとも1つの狭帯域を有し、それは電磁スペクトルの紫外波長領域及び/又は可視波長領域及び/又は赤外波長領域にある。該マーキング物質は、有機染料、無機発色団又は顔料から選択される。マーキングされるべき対象物は、紙、金属、ガラス、セラミック又はプラスチックを含有する。さらに、該対象物のマーキング、該少なくとも1種のマーキング物質の該少なくとも1つの狭帯域と少なくとも部分的に重なり合う波長領域を包含する電磁線による該対象物の照射、任意に該少なくとも1つの狭帯域の位置の変更の実施、及び該少なくとも1種のマーキング物質の該少なくとも1つの狭帯域と少なくとも部分的に重なり合う波長領域を包含する該対象物の吸収量の測定を包含する、対象物上のマーキングを検出する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明:
本発明は、対象物のマーキング法、並びにこの方法に従ってマーキングされた対象物に関する。さらに、本発明は、対象物上のマーキングを検出する方法に関する。本発明の更なる対象は、対象物の真正を証明する方法である。
【0002】
本発明の更なる実施形態は、特許請求の範囲、明細書及び実施例から読み取られる。本発明による対象の前述の特徴及び下記でさらに説明される特徴は、そのつど具体的に記載された組合せにおいてだけでなく、他の組み合わせにおいても、本発明の範囲から逸れることなく使用可能なのは自明のことである。本発明の有利な実施形態と殊に有利な実施形態のそれぞれは、全ての特徴が有利な意味と殊に有利な意味のそれぞれを有する形態のことを指す。
【0003】
US6,303,213B1は、目に見える情報を適用することによって無断転載から保護されている基材を記載する。目に見える情報は、最長波長帯の反射スペクトルにおいて150nmより小さい、有利には100nmより小さい半値幅を有する染料又は顔料を使って適用される。可溶性の蛍光染料では、該半値幅について溶解状態における吸収量の値が用いられることができる。
【0004】
US5,238,903は、酢酸エチル溶液中で60〜80nmの吸収極大の半値幅を有する熱転写用のアゾメチン染料を記載する。該染料の吸収極大は、430〜620nmである。
【0005】
EP0340898A2には、対象物をマーキングする方法が記載される。安全マーキングは、無色又は微かに色付いた、赤外において吸収する染料を含有する識別マーキングを使って達成される。赤外染料として、ニトロソ化合物、シアニン化合物、イミニウム化合物、ジイミニウム化合物、ジチオレン化合物、フタロシアニン又はアゾ化合物が挙げられている。
【0006】
WO2004/029163A1には、マーキングするための印刷インキ及び対象物の真正を証明することが記載される。この場合、WO2004/029163A1の染料又は顔料は、選択された染料の色空間の人間の目を使った認知が完全とはならないように選択される。WO2004/029163A1に記載された印刷インキは、電磁スペクトルの可視領域において少なくとも1つの吸収極大を有する少なくとも1種の染料又は顔料を含有し、該吸収極大は、明らかにCIEXYZ系の基本色の吸収極大とは明らかに異なっており、及び/又はとりわけ有利には1500cm-1未満の半値幅を有する電磁スペクトルの可視領域における吸収帯を有する。染料及び顔料は、シアニン、キノン、ポルフィリン、フタロシアニン又は複素置換多環式炭化水素の化合物種から選択される。
【0007】
対象物をマーキング及び真正証明するための既に記載された試みにも関わらず、更なる方法、特に、簡単に適用されることができ、かつ、偽造に対するより高度の安全性を与える方法の需要が存在する。
【0008】
したがって、本発明の課題は、偽造に対する比較的高度の安全性にて簡単に適用される係る方法を提供することであった。
【0009】
この課題は、対象物のマーキング法であって、その際、マーキングされるべき対象物を、少なくとも1種のマーキング物質と接触させ、その際、対象物と接触している少なくとも1種のマーキング物質の吸収スペクトルが、<1500cm-1の半値幅を有する少なくとも1つの狭帯域を有し、かつ、少なくとも1つの狭帯域が、電磁スペクトルの紫外波長領域及び/又は可視波長領域及び/又は赤外波長領域にある方法によって解決された。
【0010】
a〜Cbの形の表記は、この発明の枠内では、ある一定の数の炭素原子を有する化合物又は置換基を意味する。炭素原子の数は、a及びbを含めた、a〜bの範囲全体から選択されることができ、aは少なくとも1であり、かつ、bは常にaより大きい。該化合物又は該置換基の更なる規定は、Ca〜Cb−Vの形で表記することによって行われる。この場合、Vは、化合物種又は置換基種、例えばアルキル化合物又はアルキル置換基を表す。
【0011】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素、塩素又は臭素、とりわけ有利にはフッ素又は塩素を表わす。
【0012】
個別的に、種々の置換基について記載される集合名は、次の意味を有する:
1〜C20−アルキル:炭素原子20個までを有する直鎖状若しくは分枝鎖状の炭化水素基、例えばC1〜C10−アルキル又はC11〜C20−アルキル、有利にはC1〜C10−アルキル、例えばC1〜C3−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はC4〜C6−アルキル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、又はC7〜C10−アルキル、例えばヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ノニル又はデシル並びにそれらの異性体。
【0013】
2〜C20−アルケニル:炭素原子2〜20個および1個の二重結合を任意の位置で有する直鎖状若しくは分枝鎖状の不飽和炭化水素基、例えばC2〜C10−アルケニル又はC11〜C20−アルケニル、有利にはC2〜C10−アルケニル、例えばC2〜C4−アルケニル、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、又はC5〜C6−アルケニル、例えば1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル又は1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、並びにC7〜C10−アルケニル、例えばヘプテニル、オクテニル、ノネニル又はデセニルの異性体。
【0014】
2〜C20−アルキニル:炭素原子2〜20個及び1個の三重結合を任意の位置で有する直鎖状若しくは分枝鎖状の炭化水素基、例えばC2〜C10−アルキニル又はC11〜C20−アルキニル、有利にはC2〜C10−アルキニル、例えばC2〜C4−アルキニル、例えばエチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、又はC5〜C7−アルキニル、例えば1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−1−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル又は1−エチル−1−メチル−2−プロピニル、並びにC7〜C10−アルキニル、例えばヘプチニル、オクチニル、ノニネル又はデシニルの異性体。
【0015】
3〜C15−シクロアルキル:炭素環員3〜15個までを有する単環式飽和炭化水素基、有利にはC3〜C8−シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル並びに飽和環系若しくは不飽和環系、例えばノルボルニル又はノルベニル。
【0016】
アリール:炭素環員6〜14個を含有する単環〜三環の芳香族環系、例えばフェニル、ナフチル又はアントラセニル、有利には単環〜二環の、とりわけ有利には単環の芳香族環系。
【0017】
1〜C20−アルコキシは、酸素原子(−O−)を介して結合されている、炭素原子1〜20個を有する直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基(例えば前述の基)、例えばC1〜C10−アルコキシ又はC11〜C20−アルコキシ、有利にはC1〜C10−アルキルオキシ、特に有利にはC1〜C3−アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシを意味する。
【0018】
アリールオキシは、酸素原子(−O−)を介して結合されている、単環〜三環の芳香族環系(例えば前述の基)、有利には単環〜二環の、とりわけ有利には単環の芳香族環系である。
【0019】
アリールアルキルは、C1〜C20−アルキレン基を介して結合されている、単環〜三環の芳香族環系(例えば前述の基)、有利には単環〜二環の、とりわけ有利には単環の芳香族環系である。
【0020】
ヘタリール:1個以上のメチン基(−C=)及び/又はビニレン基(−CH=CH−)が三価又は二価の複素原子によって置き換えられることにより形式的にアリール基から誘導される複素環式置換基。複素原子として有利なのは、酸素、窒素及び/又は硫黄である。特に有利なのは、窒素及び/又は酸素である。
【0021】
複素原子は、リン、酸素、窒素又は硫黄、有利には酸素、窒素又は硫黄であり、それらの自由原子価は、場合によりH原子によって満たされている。
【0022】
本発明にとって重要な電磁スペクトルの紫外波長領域は180〜380nmである。相応して電磁スペクトルの可視波長領域及び赤外波長領域は380〜780nm及び780〜1800nmである。
【0023】
本発明によれば、狭帯域は<1500cm-1(1500cm-1未満)の半値幅を有する。有利には、狭帯域の半値幅は<1200cm-1(1200cm-1未満)、とりわけ有利には<1000cm-1(1000cm-1未満)、殊に有利には20〜1000cm-1、特に20〜800cm-1である。
【0024】
有利には、マーキング物質は、それがマーキングされるべき対象物と接触された後に持続的に対象物と結合されたままである。例えば、マーキング物質は、化学結合又は、例えば吸着といった物理的な力によって、マーキングされるべき対象物に付着若しくはそれと結合されていてよい。持続的な結合は、マーキング物質を、マーキングされるべき対象物との強力な相互作用によって結合されていることによって達成される。この強力な相互作用は、マーキング剤が持続的に、すなわち、数分〜数年、有利には数日〜25年、とりわけ有利には1年〜20年まで、特に1年〜10年までの期間のあいだ対象物と結合されたままであることを担う。
【0025】
それゆえ、本発明による方法の1つの利点は、マーキング剤が、分離状態、例えば溶解状態においてのみならず、マーキングされるべき対象物との接触後、例えば印刷プロセス後にも狭帯域を有することである。
【0026】
本発明による方法の有利な実施形態において、マーキング物質は、対象物、例えばラベルと接触しており、その際、この対象物自体は、それを一時的に又は永続的に更なる対象物と、例えば接着剤により結合することにより、この更なる対象物をマーキングすることに役立てられる。
【0027】
本発明による方法の更なる有利な実施形態において、マーキング物質の少なくとも1種は、<1500cm-1の半値幅を有する少なくとも2つの狭帯域を有し、かつ、これらの狭帯域は、電磁スペクトルの紫外波長領域及び/又は可視波長領域及び/又は赤外波長領域にある。
【0028】
有利には、本発明による方法の枠内では、少なくとも1つの帯域の吸収極大は、180〜1100nmの波長領域にあり、とりわけ有利には350〜900nmの波長領域にあり、殊にとりわけ有利には350〜750nm、特に400〜750nmにある。
【0029】
一般に、本発明による方法の枠内では、有機染料又は顔料から選択されたマーキング物質が使用され、その際、マーキングされるべき対象物と接触しているこれらは狭帯域を有する。
【0030】
さらに、或いはまた、無機発色団もマーキング物質として考慮に入れられ、例えば希土類金属化合物又は遷移金属化合物が考慮に入れられる。ここでは、しばしば非常に狭帯域の輝線を有する希土類元素のイオンが挙げられ、それらは、例えば蛍光ランプ及び陰極線管において使用されることができる。例示的に、Y23:Eu錯体、Mg4GeO5.5F又は(Ce,Tb)MgAl1119(Industrial Inorganic Pigments:edited by Gunter Buxbaum and Gerhard Pfaff,WILEY−VCH,p.274−275,third,completely revised and extended edition)が挙げられる。それに加えて、スペクトルキャリブレーションに用いられるホルミウム酸化物Ho23の狭帯域の吸収線が挙げられ、さらになお、LiYF4又はNd:YAG化合物におけるHo(3+)が挙げられる。
【0031】
有利には、マーキング物質は、立体的に要求の高い置換基をシリコン原子上又はフタロシアニン発色団上に備えている、金属含有若しくは金属不含のフタロシアニン、有利には銅フタロシアニン、シリコンフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、とりわけ有利にはシリコンフタロシアニンから選択される;シアニン染料、有利には荷電シアニン染料、とりわけ有利にはローダミン染料、オキサジン染料又はプソイドイソシアニン染料;メロシアニン染料、有利には電気的に中性のメロシアニン、とりわけ有利にはシアンリミット(Cyanlimit)におけるメロシアニン;ペリレン染料;ビオラントロン、イソビオラントロン;スクエア酸染料;キノン、クマリン、ローダミン又はポルフィリン。
【0032】
本発明による方法の有利な実施形態において、マーキング物質として次の化合物が使用される:
【化1】

その際、
Rは、アリール、ヘタリール、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C3〜C15−シクロアルキル、C1〜C20−アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルであり、
1、R2、R3、R4、R5、R6は、互いに無関係に、同じであるか若しくは異なって、アリール、ヘタリール、C1〜C20−アルキル、C2〜C20−アルケニル、C2〜C20−アルキニル、C3〜C15−シクロアルキル、C1〜C20−アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルキルである]
又は
【化2】


【0033】
アリール基は、一般的な構造において、パラ位にスルホン酸基若しくはこれらの置換基のアルカリ金属塩(例えば−SO3H、−SO3Na、−SO3K)も含有してよい。
更なる化合物は:
【化3】

【0034】
【化4】

その際、
Mは、2H、Zn、AIR7であり、
7は、C1〜C20−アルキル、C3〜C15−シクロアルキル、アリール、ヘタリール、N−複素環式化合物、
【化5】

Bu:互いに無関係に、同じであるか若しくは異なって、n−ブチル、イソブチル、有利には同じである、
【化6】

8、R9は、互いに無関係に、同じであるか若しくは異なって、H、Cl、Br、CN、アリールオキシ、C1〜C20−アルコキシ、N−複素環式化合物である。
N−複素環式化合物は、ここでは、有利にはピロリジン又はピペリジンである。アリールオキシ基は、パラ位にスルホン酸基若しくはこれらの置換基のアルカリ金属塩(例えば−SO3H、−SO3Na、−SO3K)も含有してよい。
【0035】
【化7】

1は、2H、Cu、Znであり、
11、R12、R13、R14は、H、SO3H、SO3Na、SO3K、SO2NH(CH23N(CH32であり、
21、R22、R23は、H、C1〜C20−アルキル、C25OHであり、
nは、1、2、3、4であり、
Xは、Cl、Br、BF4、PF6である、
【化8】

24は、C1〜C20−アルキル、アリールである、
【化9】

25は、C1〜C20−アルキルである。
【0036】
例示的に、さらに、EP08168116.5に応じたメロシアニン染料が挙げられる(式IIa 第34頁、及び式L2−03 第37頁)。特に、適切に狭い吸収帯を有する、
【化10】

メロシアニン染料。
【0037】
一般に、本発明による方法の枠内では、マーキング物質の存在をのちほど検出するためのそれぞれの方法を使ってなお検出可能であるマーキング物質の量が用いられる。マーキング物質のこの量は、マーキング物質又は検出法の性質に依存して、幅広い範囲にわたって変化してよい。一般に、マーキング物質及びマーキングされるべき対象物の全量を基準として、50質量%〜数ppbまでのマーキング物質が、マーキングされるべき対象物と接触され、有利には0.01〜10質量%で用いられる。
【0038】
有利には、本発明による方法の枠内では、マーキングされるべき対象物は、その表面の少なくとも1箇所で少なくとも1種のマーキング物質と接触させられる。その際、表面上のマーキングされるべき箇所は、対象物の全表面に対する割合の点でしばしば比較的小さい。有利には、マーキングされるべき箇所の面積は平方ミリメートル〜平方センチメートルまでである。
【0039】
マーキングされるべき対象物には、本発明による方法の枠内では、紙、例えば厚紙又はボール紙、金属、ガラス、セラミック又はプラスチックを含有する。とりわけ有利には、マーキングされるべき対象物は、その際、1〜99質量%、殊にとりわけ有利には10〜99質量%の紙、金属、ガラス、セラミック又はプラスチックを含有する。有利な実施形態において、マーキングされるべき対象物は、紙、金属、ガラス、セラミック及び/又はプラスチックから本質的に成る。有利な実施形態において、マーキングされるべき対象物は、例えば紙若しくはボール紙及びプラスチックを含有する複合材料をベースとする。更なる有利な実施形態において、マーキングされるべき対象物は、多層のプラスチックフィルム(ラミネート)をベースとする。
【0040】
本発明による方法の有利な実施形態において、マーキングされるべき対象物は紙を含有し、かつ、銀行券、有価証券、入場券、証書、パッケージ、ラベル又は文書である。
【0041】
本発明による方法の他の有利な実施形態において、マーキングされるべき対象物はプラスチックを含有し、かつ、キャッシュカード、フィルム又はパッケージである。
【0042】
更なる有利な実施形態において、マーキングされるべき対象物は、消費財、医薬品、化粧品、洗浄剤、食品又は産業財、特に自動車部品用のパッケージである。
【0043】
しばしば、マーキングされるべき対象物とのマーキング物質の接触は、マーキング物質、又はマーキング物質を含有する混合物を対象物に印刷することによって行われる。有利には、印刷法として、インクジェット印刷(inkjet printing)、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、サーマル印刷又は(電子)写真技術が使用される。マーキング物質を含有する混合物として、例えば印刷インキ又は他のインキが使用される。混合物の配合及び/又はマーキング物質若しくは混合物の施与は、印刷用水性インキ若しくは印刷用油性インキ又は他のインキのいずれを用いても行われることができる。
【0044】
本発明の更なる対象は、以下の工程を包含する、本発明によりマーキングされた対象物上のマーキングを検出する方法である:
a.対象物を、本発明による方法に従ってマーキングする工程、
b.対象物を、少なくとも1種のマーキング物質の少なくとも1つの狭帯域と少なくとも部分的に重なり合う波長領域を包含する電磁線により照射する工程、
c.任意に、工程bの間に、少なくとも1つの狭帯域の位置の変更を、ソルバトクロミック効果、エレクトロクロミック効果、フォトクロミック効果又はサーモクロミック効果によって実施する工程、及び
d.少なくとも1種のマーキング物質の少なくとも1つの狭帯域と少なくとも部分的に重なり合う波長領域を包含する対象物の吸収量を測定する工程。
【0045】
対象物上のマーキングを検出する本発明による方法の有利な実施形態において、(工程c.)工程bの間に、少なくとも1つの狭帯域の位置の変更が、ソルバトクロミック効果、エレクトロクロミック効果、フォトクロミック効果又はサーモクロミック効果によって実施される。有利には、狭帯域の位置の変更は、エレクトロクロミズム及びサーモクロミズムの作用によって行われる。狭帯域の位置に対するソルバトクロミック効果は、例えば溶媒の変更によって引き起こされることができる。エレクトロクロミック効果は、電界を印加及び変化させることによって生じ、かつ、サーモクロミック効果は、温度変化の結果生じる。フォトクロミック効果は、電磁線の照射によって生じる。
【0046】
スペクトル位置の変更は、有利には繰り返しがきき、かつ、ある一定の周波数で変調される。この場合、変調周波数は、有利には0.1〜10Hz、特に0.1〜5Hzである。
【0047】
有利には、電磁線を使った対象物の照射(工程b.)は、狭帯域の放射線源により実施される。狭帯域の放射線源として、レーザー、例えば色素レーザー、固体レーザー又はレーザーダイオーが使用される。狭帯域の放射線源は、そこから出て行く放射線について、0.01〜10nm、とりわけ有利には0.1〜5nm、特に有利には0.1〜2nmの半値幅を有する。
【0048】
とりわけ有利には、少なくとも2つの、特に狭帯域の放射線源を使った照射が実施される。
【0049】
本発明による対象物上のマーキングを検出する方法のとりわけ有利な実施形態において、マーキング物質の少なくとも1種(工程a.)は、20cm-1〜800cm-1の半値幅を有する少なくとも2つの狭帯域を有し、かつ、これらの狭帯域は、電磁スペクトルの紫外波長領域及び/又は可視波長領域及び/又は赤外波長領域にあり、かつ、照射(工程b.)は、少なくとも2つの狭帯域放射線源を使って実施される。
【0050】
本発明による対象物上のマーキングを検出する方法の更なる有利な実施形態において、吸収量の測定(工程d.)は視覚的に実施される。
【0051】
本発明による対象物上のマーキングを検出する方法のとりわけ有利な実施形態において、マーキング物質の少なくとも1種(工程a.)は、0.5nm〜10nmの半値幅を有する少なくとも2つの狭帯域を有し、かつ、これらの狭帯域は、電磁スペクトルの紫外波長領域及び/又は可視波長領域及び/又は赤外波長領域にあり、かつ、照射(工程b.)は、少なくとも2つの狭帯域光源を使って実施され、かつ、吸収量の測定(工程d.)は視覚的に実施される。有利には、視覚的な認知の改善のために、2つの光源が逆位相に変調される(視覚的ロックイン法)。この場合、両方の光線の強度は、対象物のマーキングされなかった(領域)が非常に似た輝度又は本質的に同じ輝度を視覚系に示すように調整される。それに対して、観察者は、マーキングされなかった領域において、光源の変調周波数による振動を視覚的に観察し、この場合、変調周波数は、有利には0.1〜10Hz、特に0.1〜5Hzである。
【0052】
この方法の1つの利点は、人間の視覚系がこの周波数範囲において変調に非常に敏感に応答するということである。そのため、視覚的ロックイン法によって、妨げとなり得るものが効果的に抑制され、かつ、マーキング効果が明らかに際立つ。
【0053】
本発明による対象物上のマーキングを検出する方法の更なる有利な実施形態において、吸収量の測定(工程d.)は、分光計を使った吸収スペクトルの測定によって実施される。
【0054】
本発明による対象物上のマーキングを検出する方法のとりわけ有利な実施形態において、マーキング物質の少なくとも1種(工程a.)は、20cm-1〜800cm-1の半値幅を有する少なくとも2つの狭帯域を有し、かつ、これらの狭帯域は、電磁スペクトルの紫外波長領域及び/又は可視波長領域及び/又は赤外波長領域にあり、かつ、照射(工程b.)は、少なくとも2つの狭帯域光源を使って実施され、かつ、吸収量の測定(工程d.)は、分光計を使った吸収スペクトルの測定によって実施される。有利には、検出の改善のために、2つの光源が逆位相に変調される(電子的ロックイン法)。この場合、両方の光線の強度は、対象物のマーキングされなかった(領域)が非常に似た輝度又は本質的に同じ輝度を分光計に示すように調整される。それに対して、分光計は検出装置若しくは検知装置として、マーキングされなかった領域において、光源の変調周波数による振動を確認する。この場合、変調周波数は、有利には0.1〜10Hz、特に0.1〜5Hzである。
【0055】
本発明の更なる対象は、以下の工程を包含する、対象物の真正を証明する方法である:
a.本発明による方法に従ってマーキングを検出する工程、
b.吸収量又は吸収スペクトルを、真正対象物の相応する吸収量又は吸収スペクトルと比較する工程。
【0056】
有利には、吸収量又は吸収スペクトルの比較(工程b.)のために、吸収量又は吸収スペクトルから導かれたパラメーターが用いられる。例えば、これらのパラメーターは、吸収極大の強度又は位置である。
【0057】
有利には、比較(工程b.)は、真正対象物の吸収量、吸収スペクトル又はそれらから導かれたパラメーターに関する記憶データにアクセスできるコンピューターを使って実施される。
【0058】
本発明による方法は、蛍光測定値を用いても実施されることができ、その際、相応して、狭い蛍光シグナルを有するマーキング物質が用いられる。これらのマーキング物質は、有利には、既に上で挙げられたマーキング物質の群から選択される。
【0059】
対象物の真正を証明する方法の有利な実施形態において、真正証明は、切符自動販売機、入場券自動販売機、又は現金自動支払機を使って実施される。とりわけ有利には、真正証明は、携帯型の装置を使って実施される。
【0060】
対象物の真正を証明する本発明による方法は、消費財又は産業財、特に有価証券、文書、パッケージの真正証明に際して使用される。
【0061】
本発明の更なる対象は、本発明による対象物をマーキングする方法を使ってマーキングされた対象物である。
【0062】
頻繁に、本発明によるマーキング法は、当業者に公知であり、ひいては簡単に実行可能である装置を用いて検出及び真正証明するために実施されることができる。狭帯域の吸収帯、狭帯域の放射線源並びに放射線源の変調又は帯域位置とを結び合わせることで、公知の対象物のマーキングに比べて高められた本発明によるマーキングの安全基準がもたらされる。
【0063】
本発明を、実施例によって、より詳細に説明するが、その際、実施例は、本発明の対象を限定しない。
【0064】
実施例:
マーキング物質を含有する印刷インキの製造:
マーキング用印刷インキを製造するためのベースとして、Horstmann−Steinberg社のクリアラッカー(マット)(ACRYLAC(R)Matt 57 0080/40;水性ベースの分散ワニス)を利用した。このラッカー中に、マーキング物質の0.01質量%を、マーキング物質の均一な分布が達成されるまで、室温(21℃)にて攪拌しながら導入した。
【0065】
マーキング物質として、シリコンフタロシアニンの混合を用いた:
【化11】

【0066】
該化合物は、1:2:1(A:B:C)の混合物として使用した。このマーキング物質は、印刷プロセスの前と後で、マーキング用印刷インキ中で666nmにて鋭い吸収を示す。溶液(酢酸エチルエステル)中で、666nmにて混合物は、265cm-1の半値幅を示し、かつ、印刷プロセス後に610cm-1の半値幅を示す。
【0067】
マーキングの施与:印刷プロセス
印刷プロセスを、Heidelberger−Druckmaschinen社のGTO 52 2色タイプの印刷機を用いて実施した(オフセット印刷)。
【0068】
シンプルなタイプライター用紙(SM用紙、DIN 6730)と、コートしたSM用紙の両方に印刷した。
【0069】
例1:
選択した版下(マーキングパターン)に応じて、マーキングを(印刷プロセスによって)白色のSM用紙に施与した。その際、上記マーキング物質の印刷インキ中での濃度は、マーキングが昼光又は白色の人工光の明かりにて可視限界をちょうど下回る程度にまで、つまり、裸眼で認められない程度にまで減少させた。
【0070】
マーキングパターンの更なるマスキングのために、マーキングした白色紙にカラー像を重ね刷りした(供覧物)。これは市販のインクジェットプリンターを用いて行った。
【0071】
この供覧物に赤色の光を照らし出すと、マーキングパターンを裸眼で認識することができた。
【0072】
マーキングパターンの認知は、特にバックライトが明るい場合に可能であったが、しかし、僅かにしか浮かび上がってこなかった。
【0073】
マーキングパターンの認知の視覚的効果を強めるために、特殊な照明装置を用いた。
【0074】
この照明装置は、異なる波長を有する2つの光源を含有する。666nmの波長(マーキング物質の吸収極大)若しくは650nmの波長(これはマーキング物質により狭い吸収帯に基づき僅かにしか吸収されない)を有する2つのレーザーダイオードを用いた。この照明装置を、光源としてライトペンの形態に切り換え、これを用いてマーキングを人間の目による認知のために連続的に照らし出すことができる。
【0075】
上記の2つの波長を、1Hzの周期で変調した。人間の目には、2つの波長は同じ色で現れる。
【0076】
この場合、2つのレーザー光線の強度は、白地において人間の目に同じ明るさであるように調整した。それゆえ、白地において目が変調を認知することはなかった。
【0077】
しかしながら、この光源で、印刷したマーキングパターンを照らし出すと、これは1Hzの周期で光を放った。この効果は、マーキング物質が吸収する波長と、吸収が存在しない波長との間でスイッチングが交互に行われているということに帰せられると考えられる。それゆえ、この方法は視覚的ロックイン法と呼ばれ得る。それはマーキングパターンの劇的に改善された再認知につながる。そのうえまた、それは観察者の注意をマーキングパターンに向けさせるという利点を有する。
【0078】
例2:
例1は、マーキングパターンの検知が人間の目ではなく、吸収シグナル若しくは蛍光シグナルの変調を検知するのに使用される分光計で行われる場合において同じように実施することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物のマーキング法において、該マーキングされるべき対象物を、少なくとも1種のマーキング物質と接触させ、その際、該対象物と接触している少なくとも1種のマーキング物質の吸収スペクトルが、1500cm-1未満の半値幅を有する少なくとも1つの狭帯域を有し、かつ、該少なくとも1つの狭帯域が、電磁スペクトルの紫外波長領域及び/又は可視波長領域及び/又は赤外波長領域にあることを特徴とする、対象物のマーキング法。
【請求項2】
前記マーキング物質の少なくとも1種が、1500cm-1未満の半値幅を有する少なくとも2つの狭帯域を有し、かつ、これらの狭帯域は、電磁スペクトルの紫外波長領域及び/又は可視波長領域及び/又は赤外波長領域にあることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの狭帯域の吸収極大が、180〜1100nmの波長領域にあることを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2つの狭帯域の吸収極大が、180〜1100nmの波長領域にあることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記マーキング物質を、有機染料、無機発色団又は顔料から選択することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記マーキング物質を、金属含有若しくは金属不含のフタロシアニン;シアニン染料;メロシアニン;ペリレン染料;ビオラントロン、イソビオラントロン;スクエア酸染料;キノン、クマリン、ローダミン、ポルフィリン又は希土類金属化合物若しくは遷移金属化合物から選択することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記マーキングされるべき対象物を、その表面の少なくとも1箇所で少なくとも1種のマーキング物質と接触させることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記マーキングされるべき対象物が、紙、金属、ガラス、セラミック又はプラスチックを含有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記マーキングされるべき対象物が紙を含有し、かつ、銀行券、有価証券、入場券、証書、パッケージ、ラベル又は文書であることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記マーキングされるべき対象物がプラスチックを含有し、かつ、キャッシュカード、フィルム又はパッケージであることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記マーキングされるべき対象物が、消費財又は産業財用のパッケージであることを特徴とする、請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
前記接触を、前記マーキング物質、又は前記マーキング物質を含有する混合物を、前記対象物に印刷することによって行うことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
対象物上のマーキングを検出する方法であって、以下の工程:
a.該対象物を、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法に従ってマーキングする工程、
b.該対象物を、該少なくとも1種のマーキング物質の少なくとも1つの狭帯域と少なくとも部分的に重なり合う波長領域を包含する電磁線により照射する工程、
c.任意に、工程bの間に、該少なくとも1つの狭帯域の位置の変更を、ソルバトクロミック効果、エレクトロクロミック効果、フォトクロミック効果又はサーモクロミック効果によって実施する工程、及び
d.該少なくとも1種のマーキング物質の少なくとも1つの狭帯域と少なくとも部分的に重なり合う波長領域を包含する該対象物の吸収量を測定する工程
を包含する、対象物上のマーキングを検出する方法。
【請求項14】
工程cを実施することを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項15】
電磁線による前記対象物の照射を、狭帯域放射線源を使って行うことを特徴とする、請求項13又は14記載の方法。
【請求項16】
前記照射を、少なくとも2つの放射線源を使って実施することを特徴とする、請求項13から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
前記吸収量の前記測定を視覚的に実施することを特徴とする、請求項13から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
前記吸収量の前記測定を、分光計を使った前記吸収スペクトルの測定によって実施することを特徴とする、請求項13から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
対象物の真正を証明する方法であって、以下の工程:
a.請求項13から18までのいずれか1項記載の方法に従って前記マーキングを検出する工程、
b.前記吸収量又は前記吸収スペクトルを、真正対象物の相応する吸収量又は吸収スペクトルと比較する工程
を包含する、対象物の真正を証明する方法。
【請求項20】
前記吸収量又は前記吸収スペクトルから導かれたパラメーターを使用することを特徴とする、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記比較を、前記真正対象物の吸収量、吸収スペクトル又はそれらから導かれたパラメーターに関する記憶データにアクセスできるコンピューターを使って実施することを特徴とする、請求項19又は20記載の方法。
【請求項22】
前記真正証明を、切符自動販売機、入場券自動販売機、又は現金自動支払機を使って実施することを特徴とする、請求項19から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記真正証明を、携帯型の装置を使って実施することを特徴とする、請求項19から22までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
消費財又は産業財の真正証明のための、請求項19から23までのいずれか1項記載の方法の使用。
【請求項25】
請求項1から13までのいずれか1項記載の方法を使ってマーキングされた対象物。

【公表番号】特表2013−507276(P2013−507276A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533606(P2012−533606)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065234
【国際公開番号】WO2011/045294
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】