説明

獲得玉数表示装置

【目的】 遊技島台内にパチンコ玉の補給・回収用の通路を別途設けることなく、また、遊技島台に設置される玉貯留タンクや玉揚送装置等の各種構成部材の大型化を回避することができる獲得玉数表示装置を提供する。
【解決手段】 パチンコ玉を待機貯留する待機貯留部50と、パチンコ玉を回収する回収通路部と、該回収通路部を流下したパチンコ玉及び待機貯留部50に貯留されたパチンコ玉を揚送する玉揚送機構60と、該玉揚送機構60によって揚送されたパチンコ玉を貯留演出表示部13〜15又は待機貯留部50のいずれかに振り分けて送り込む玉振分機構70と、を設けて、獲得玉数表示装置10内でパチンコ玉を循環使用する。これにより、遊技島台内にパチンコ玉の補給・回収用の通路を別途設けることなく、また、遊技島台に設置される玉貯留タンクや玉揚送装置等の各種構成部材の大型化を回避することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技島台に列設される遊技機における遊技において遊技者が獲得したパチンコ玉の総数を獲得玉数として表示する獲得玉数表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に、遊技島台に列設されるパチンコ機等の遊技機には、遊技機からの払い出しによって遊技者が獲得するパチンコ玉を計数する玉計数装置を備えたものが提案されている。このような遊技機では、遊技終了時に、最終的に遊技者が獲得しているパチンコ玉の総数(以下、これを獲得玉数ともいう)を磁気カードに記録したり、あるいはレシートに印字するなどしてこれを遊技者に与えることで、景品との交換作業を容易にするようになっている。また、玉計数装置を備えた遊技機の構成において、特許文献1には、入賞に伴って払い出されるパチンコ玉(景品玉)の数に対応する得点を遊技者に付与して、遊技終了時に、遊技者が獲得している総得点を印字したレシートをプリンター装置から排出することで、当該レシートによる景品との交換を可能にした玉封入式パチンコ機が開示されている。この玉封入式パチンコ機の構成によれば、実際には遊技者の手元にパチンコ玉の払い出しが行われない。このため、パチンコ玉が払い出されたという実感を遊技者に味あわせるために、入賞に伴って払い出されるべきパチンコ玉の流れを遊技者に対して疑似的に見せる払出確認表示装置をパチンコ機本体の一側に隣接して設けている。
また、特許文献2には、玉計数装置(各台計数機)で計数されたパチンコ玉をそのまま遊技者が視認可能に貯留していく遊技媒体演出装置を隣接して設けた遊技機が開示されている。特許文献2に記載の構成では、玉計数装置で計数されたパチンコ玉を揚上装置によって遊技媒体演出装置の上端位置まで揚上し、該揚上したパチンコ玉を遊技媒体演出装置の内部空間(パチンコ玉の貯留空間)に上方から導入して順次貯留していくようになっている。
【0003】
また、特許文献3には、玉計数装置(計数機)で計数されたパチンコ玉と同一数のパチンコ玉を遊技者が視認可能に貯留していく出玉表示ユニットを隣接して設けた遊技機が開示されている。特許文献3に記載の構成では、玉計数装置で計数されたパチンコ玉をそのまま出玉表示ユニットに送り込むのではなく、遊技島台内で循環使用されているパチンコ玉を玉計数装置で計数されたパチンコ玉の数だけ玉搬送管から出玉表示ユニットに送り込んで、当該パチンコ玉を出玉表示ユニット内で遊技者が視認可能に貯留していくようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−23128号公報(図3)
【特許文献2】特開2010−142582号公報(図9)
【特許文献3】特開2011−50551号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記した特許文献1に記載の構成によれば、実際のパチンコ玉を累積的に積み上げてこれを遊技者に見せる構成とはなっていないため、獲得したパチンコ玉を積み上げていくことによる達成感や優越感をリアルに遊技者に与えることができない。一方、特許文献2及び特許文献3に記載の構成によれば、遊技者によるパチンコ玉の獲得に応じて実際にパチンコ玉を遊技媒体演出装置(出玉表示ユニット)の貯留空間内に貯留していくため、遊技者に対して達成感や優越感を与えることはできる。しかしながら、特許文献2,3に記載のいずれの構成においても、遊技媒体演出装置で使用(貯留)するパチンコ玉は、遊技島台全体で循環使用するようになっており、遊技終了時には、遊技媒体演出装置で貯留したパチンコ玉を遊技島台に戻すべく装置外に排出するようになっている。このため、遊技島台内には、遊技媒体演出装置にパチンコ玉を補給するための玉補給通路を設けると共に、遊技媒体演出装置から排出されるパチンコ玉を回収するための玉回収通路を設ける必要がある。さらには、遊技島台に列設される全ての遊技機で使用するパチンコ玉に加えて、遊技機毎に隣接して設けられる各遊技媒体演出装置で使用するパチンコ玉を全て貯留しておく必要があり、これに伴って、遊技島台内の玉貯留タンクを大型化しなければならず、然も、遊技島台内でパチンコ玉を揚送するための玉揚送装置も同様に大型化しなければならない。
本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、獲得したパチンコ玉を積み上げていくことによる達成感や優越感をリアルに遊技者に与えた上で遊技継続中の獲得玉数を遊技者に認識させる構成において、遊技島台内にパチンコ玉の補給・回収用の通路を別途設けることなく、また、遊技島台に設置される玉貯留タンクや玉揚送装置等の各種構成部材の大型化を回避することができる獲得玉数表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明においては、遊技島台に列設される遊技機における遊技において遊技者が獲得したパチンコ玉の総数を獲得玉数として表示する獲得玉数表示装置であって、前記獲得玉数表示装置は、前記獲得玉数を数値で表示する玉数表示部と、当該獲得玉数表示装置内で循環使用するパチンコ玉を待機貯留する待機貯留部と、該待機貯留部から移動されたパチンコ玉を貯留することによって所定数のパチンコ玉を獲得していることを遊技者に認識させる複数の貯留演出表示部と、該貯留演出表示部に貯留されたパチンコ玉を回収する回収通路部と、該回収通路部を流下したパチンコ玉及び前記待機貯留部に貯留されたパチンコ玉を揚送する玉揚送手段と、該玉揚送手段によって揚送されたパチンコ玉を前記貯留演出表示部と前記待機貯留部とのいずれかに振り分けて送り込む玉振分手段と、前記複数の貯留演出表示部に対してパチンコ玉の貯留が可能な状態とパチンコ玉の貯留が不可能な状態との間で移行制御すると共に、前記獲得玉数の増減に伴って前記玉揚送手段によるパチンコ玉の揚送及び前記玉振分手段によるパチンコ玉の振り分けを制御することで、前記複数の貯留演出表示部による前記獲得玉数の表示を制御する貯留演出表示制御手段と、を備え、前記貯留演出表示制御手段は、前記獲得玉数が増加したときは、前記複数の貯留演出表示部においてパチンコ玉の貯留が可能な状態に移行制御して前記待機貯留部に貯留されたパチンコ玉を前記玉揚送装置で揚送制御すると共に前記玉振分手段をパチンコ玉が前記貯留演出表示部に送り込まれる状態に制御してパチンコ玉を前記貯留演出表示部に送り込む一方、前記獲得玉数が減少したときは、前記複数の貯留演出表示部においてパチンコ玉の貯留が不可能な状態に移行制御して前記貯留演出表示部に貯留されたパチンコ玉を前記回収通路部を介して流下させた後に前記玉揚送装置で揚送制御すると共に前記玉振分手段をパチンコ玉が前記待機貯留部に送り込まれる状態に制御してパチンコ玉を前記待機貯留部に送り込むようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明においては、請求項1記載の獲得玉数表示装置において、前記複数の貯留演出表示部は、それぞれパチンコ玉の流下方向に沿って上下方向に列設されると共に、前記上下方向に列設される各貯留演出表示部間には、各々を連通する連通通路部が設けられ、前記玉振分手段により前記貯留演出表示部に振り分けられたパチンコ玉は、前記複数の貯留演出表示部の各内部空間及び前記連通通路部を流下することで、前記複数の貯留演出表示部のうち最上位に位置する貯留演出表示部から最下位に位置する貯留演出表示部に向けて送り込まれることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明においては、請求項1又は請求項2記載の獲得玉数表示装置において、前記複数の貯留演出表示部のそれぞれは、当該貯留演出表示部の前面側を視認可能に被覆する透明カバー部材と、該透明カバー部材の内部に配置される内部突起部材と、を備えると共に、該内部突起部材と前記透明カバー部材との間には、パチンコ玉の直径よりも若干大きめの間隔となってパチンコ玉を貯留し得る貯留空間が設けられ、当該貯留空間にパチンコ玉が満杯に貯留されたときに、遊技者に対して前記所定数のパチンコ玉で埋まったように見せる底上げ構造に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明においては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の獲得玉数表示装置において、前記獲得玉数表示装置は、当該獲得玉数表示装置と対応して設けられると共に遊技者が獲得しているパチンコ玉からのパチンコ玉の貸し出しを可能にする玉貸機においてパチンコ玉の貸し出しが行われた場合、遊技者が獲得したパチンコ玉の総数から前記玉貸機で貸し出されたパチンコ玉の総数を減算した数を前記獲得玉数として表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明においては、遊技継続中に遊技者が獲得しているパチンコ玉の総数を獲得玉数として玉数表示部に数値で表示することにより、遊技者に対して獲得玉数を正確に認識させることができる。また、遊技機における遊技で遊技者がパチンコ玉を獲得することに伴って獲得玉数表示装置内で使用するパチンコ玉を玉振分手段で貯留演出表示部に送り込み、貯留演出表示部で遊技者が視認可能に貯留することで、獲得したパチンコ玉を積み上げていくことによる達成感や優越感をリアルに遊技者に与えた上で遊技継続中の獲得玉数を遊技者に認識させることができる。また、このような構成において、獲得玉数表示装置内で使用するパチンコ玉を待機貯留する待機貯留部と、貯留演出表示部に貯留されたパチンコ玉を回収する回収通路部と、該回収通路部を流下したパチンコ玉及び待機貯留部に貯留されたパチンコ玉を揚送する玉揚送手段と、該玉揚送手段によって揚送されたパチンコ玉を貯留演出表示部と待機貯留部とのいずれかに振り分けて送り込む玉振分手段と、を設けることで、獲得玉数表示装置内でパチンコ玉を循環使用するようになっている。このため、獲得玉数表示装置で使用するパチンコ玉を遊技島台全体で循環使用する必要がなくなるので、遊技島台内にパチンコ玉の補給・回収用の通路を別途設けることなく、また、遊技島台に設置される玉貯留タンクや玉揚送装置等の各種構成部材の大型化を回避することができる。
【0011】
また、請求項2の発明においては、複数の貯留演出表示部を、それぞれパチンコ玉の流下方向に沿って上下方向に列設すると共に、各貯留演出表示部間に各々を連通する連通通路部を設け、玉振分手段により貯留演出表示部に振り分けられたパチンコ玉を、複数の貯留演出表示部のうち最上位に位置する貯留演出表示部から最下位に位置する貯留演出表示部に向けて送り込む構成とする。これにより、複数の貯留演出表示部に対して、自然落下によりスムーズにパチンコ玉を送り込むことができる。また、獲得玉数表示装置を縦長形状の構成とすることができるので、遊技島台に列設される各遊技機間となる狭いスペースに獲得玉数表示装置を配置することができる。
【0012】
また、請求項3の発明においては、前面側を視認可能に被覆する透明カバー部材と、該透明カバー部材の内部に配置される内部突起部材とによって貯留演出表示部を構成して、内部突起部材と透明カバー部材との間の貯留空間にパチンコ玉が満杯に貯留されたときに、遊技者に対して所定数のパチンコ玉で埋まったように見せる。これにより、所定数のパチンコ玉を獲得していることを認識させる貯留演出表示部の構成において、所定数よりも少ないパチンコ玉が満杯に貯留された状態でも、見た目上では貯留演出表示部に所定数のパチンコ玉が貯留されているように見せることができる。
【0013】
また、請求項4の発明においては、遊技者が獲得しているパチンコ玉からのパチンコ玉の貸し出しを可能にする玉貸機を設けて、該玉貸機によるパチンコ玉の貸し出しが行われた場合には、遊技者が獲得したパチンコ玉の総数から玉貸機で貸し出されたパチンコ玉の総数を減算した数を獲得玉数として獲得玉数表示装置で表示する。これにより、遊技者が獲得したパチンコ玉からのパチンコ玉の貸し出しを可能にすることで、遊技の利便性を高めることができ、然も、パチンコ玉の獲得あるいは貸し出しに応じてトータルとしての獲得玉数を遊技者に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】遊技島台の内部構造の一部と玉貸機、外枠、及び獲得玉数表示装置を示す正面図である。
【図2】遊技島台の内部構造の一部と玉貸機、外枠、及び獲得玉数表示装置を示す斜視図である。
【図3】獲得玉数表示装置を示す斜視図である。
【図4】獲得玉数表示装置を示す縦断面図である。
【図5】獲得玉数表示装置における制御装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図6】玉積演出処理を示すフローチャートである。
【図7】玉数比例演出処理を示すフローチャートである。
【図8】循環処理を示すフローチャートである。
【図9】待機処理を示すフローチャートである。
【図10】獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図11】獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図12】獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図13】獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図14】第二実施形態における獲得玉数表示装置を示す斜視図である。
【図15】第二実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図16】第二実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図17】第二実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図18】第二実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図19】第二実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図20】第三実施形態における獲得玉数表示装置を示す斜視図である。
【図21】第三実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図22】第三実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図23】第三実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図24】第四実施形態における獲得玉数表示装置を示す斜視図である。
【図25】第四実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図26】第四実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【図27】第四実施形態における獲得玉数表示装置内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る遊技島台1の概略構成について説明する。図1は、遊技島台1の内部構造の一部と玉貸機2、外枠9、及び獲得玉数表示装置10を示す正面図である。図2は、遊技島台1の内部構造の一部と玉貸機2、外枠9、及び獲得玉数表示装置10を示す斜視図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、遊技島台1には、複数の遊技機(図示しない)を取り付けるための上部島枠4と、下部島枠5と、がそれぞれ遊技機の高さ寸法とほぼ同一の間隔をあけて当該遊技島台1の長手方向に沿って掛け渡されている。下部島枠5の前端側は、遊技者が玉箱などを載置するためのいわゆるカウンター板6として突設されている。上部島枠4は、遊技機の上方に配置される図示しない補給樋などを覆い隠すための幕板3が取り付けられる固定枠のうちの下側の枠としての機能を兼ね備えている。下部島枠5の下方には、遊技島台1で循環使用されるパチンコ玉を貯留するための図示しない貯留タンクなどを覆い隠すための腰板7が取り付けられる。
【0017】
上部島枠4と下部島枠5との間には、複数の遊技機(外枠9)が所定の間隔をあけて配置されると共に、隣接する各遊技機間には、個々の遊技機と対応するように玉貸機2と獲得玉数表示装置10とが配置されている。玉貸機2は、隣接して対応する遊技機(図1及び図2中の右隣りの遊技機)に対してパチンコ玉の貸し出しを制御するものであり、獲得玉数表示装置10は、玉貸機2を挟んで対応する遊技機において遊技者が獲得しているパチンコ玉(以下、これを獲得玉ともいう)の総数(以下、これを獲得玉数ともいう)を遊技者が確認できるようにするためのものである。玉貸機2は、遊技者がパチンコ玉を獲得している場合、獲得玉からパチンコ玉の貸し出しを行う一方、遊技者がパチンコ玉を獲得していない場合、玉貸機2用に設けられたプリペイドタイプの持ち玉カード(プリペイドカードの機能と、遊技者が獲得しているパチンコ玉の数値データを記憶する機能とを合わせ持ったカード)の減額処理に基づいてパチンコ玉の貸し出しを行うようになっている。
【0018】
なお、獲得玉数表示装置10の詳細については後述する。また、遊技機は、木製材料から形成された矩形状の外枠9と、該外枠9の下辺前端に取り付けられる装飾カバー板8と、外枠9内に取り付けられる図示しない遊技機内枠(本体枠や遊技盤から構成される部材)とから構成されるものである。各遊技機(外枠9)と対応したカウンター板6の上面部分には、それぞれ遊技機毎で獲得したパチンコ玉を計数する玉計数装置80が設けられている。そして、この玉計数装置80によって計数されたパチンコ玉の数値データ、及び玉貸機2によって貸し出されたパチンコ玉の数値データは、それぞれ後述する制御装置に送信されるようになっている。
【0019】
次に、獲得玉数表示装置10の構成について、図3乃至図13を参照して説明する。図3は、獲得玉数表示装置10を示す斜視図である。図4は、獲得玉数表示装置10を示す縦断面図である。図5は、獲得玉数表示装置10における制御装置の制御処理を示すフローチャートである。図6は、玉積演出処理を示すフローチャートである。図7は、玉数比例演出処理を示すフローチャートである。図8は、循環処理を示すフローチャートである。図9は、待機処理を示すフローチャートである。図10乃至図13は、それぞれ獲得玉数表示装置10内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【0020】
獲得玉数表示装置10は、図3及び図4に示すように、縦長立方体形状の玉流下通路部11と、該玉流下通路部11の前面上端に設けられた玉数表示部12と、該玉数表示部12の下方における玉流下通路部11の前面に所定間隔を置いて配置された3つの貯留演出表示部13〜15(演出表示部)及び視認通路部16と、各貯留演出表示部13〜15と視認通路部16間にそれぞれ配置された3つの発光演出表示部17〜19(演出表示部)と、当該獲得玉数表示装置10の各種構成部材を制御する貯留演出表示制御手段としての図示しない制御装置(具体的には、CPU、ROM、RAMを有する制御基板からなる)と、獲得玉数表示装置10内で循環使用するパチンコ玉を待機貯留する待機貯留部50と、該待機貯留部50に貯留されたパチンコ玉及び後述の回収通路部を流下したパチンコ玉を揚送する玉揚送手段としての玉揚送機構60と、該玉揚送機構60によって揚送されたパチンコ玉を視認通路部16又は待機貯留部50のいずれかに振り分けて送り込む玉振分手段としての玉振分機構70と、を備えている。玉数表示部12は、遊技継続中に遊技者が獲得しているパチンコ玉の総数(具体的には、玉計数装置80によって計数されたパチンコ玉の総数から玉貸機2から貸し出されたパチンコ玉の総数を減算した数)を制御装置の制御に基づいて獲得玉数として数値で表示するようになっている。
【0021】
玉流下通路部11は、仕切壁20を介した前側通路21及び後側通路22の前後二層の通路形状に形成され、後側通路22の上端(玉数表示部12の配置箇所の真後ろ部分)には、遊技者がパチンコ玉を獲得した際に演出用のパチンコ玉を玉流下通路部11を通して視認通路部16側に導入するための視認導入部23が設けられている。仕切壁20には、前側通路21と後側通路22とを連通するための連通穴24が上下方向に亘って複数穿設されており、前側通路21の前面には、当該前側通路21と各貯留演出表示部13〜15及び視認通路部16とを連通するための連通穴25が上下方向に亘って複数穿設されている(なお、図4中には、前側通路21と視認通路部16の上端とを連通する連通穴25のみに符号を付記する)。連通穴24は、各貯留演出表示部13〜15及び視認通路部16の各下端とほぼ同一の高さ位置、及び視認通路部16の上端と同一の高さ位置にそれぞれ穿設されている。連通穴25は、各貯留演出表示部13〜15及び視認通路部16の上端及び下端の高さ位置にそれぞれ穿設されている。
【0022】
なお、視認導入部23は、玉揚送機構60によって揚送されたパチンコ玉を視認通路部16側に振り分けて送り込む一方の玉振分部分を構成するものであり、玉計数装置80によって計数されたパチンコ玉の数値データが制御装置に送信されることに基づいて、該制御装置が数値データと対応する数(具体的には、数値データの1/10の数)のパチンコ玉を玉揚送機構60で揚送制御すると共に、当該玉数のパチンコ玉を玉振分機構70で視認導入部23側に振り分け制御することで、演出用のパチンコ玉を視認導入部23に送り込むようになっている。また、以下の説明では便宜的に、貯留演出表示部13下端の連通穴24を連通穴24aといい、貯留演出表示部14下端の連通穴24を連通穴24bといい、貯留演出表示部15下端の連通穴24を連通穴24cといい、視認通路部16下端の連通穴24を連通穴24dといい、視認通路部16上端の連通穴24を連通穴24eという場合がある。
【0023】
各貯留演出表示部13〜15及び視認通路部16の上端及び下端の各連通穴25間に位置する前側通路21内には、当該位置でのパチンコ玉の流下を阻止する流下阻止板26が設けられている(なお、図4中には、視認通路部16と対応する前側通路21内の流下阻止板26のみに符号を付記する)。一方、後側通路22の前後の内壁には、当該後側通路22を流下するパチンコ玉の勢いを弱めるための交流板27が交互に複数突設されている(なお、図4中には、後側通路22内壁の最上位に突設された交流板27のみに符号を付記する)。後側通路22における視認導入部23の真下位置には、視認導入部23から送り込まれたパチンコ玉を視認通路部16上端の連通穴24を通して前側通路21に送り込むための送込板28が設けられている。また、後側通路22の後面下端には、貯留演出表示部13〜15に貯留されることなく余剰となったパチンコ玉を玉揚送機構60に送り込むための送込口29が穿設されており、後側通路22の下端には、最下位に位置する貯留演出表示部13下端の連通穴24から送り込まれたパチンコ玉及び後側通路22を流下し終えたパチンコ玉を送込口29に誘導する誘導底板30が設けられている。また、送込口29との境目部分となる誘導底板30には、該誘導底板30上を流下して送込口29に送り込まれたパチンコ玉を検出するためのセンサ30a(以下、これをセンサAともいう)が設けられており、このセンサ30aによるパチンコ玉の検出に基づいて、後述する玉揚送機構60によるパチンコ玉の揚送(駆動モータによる揚送スプロケット61の回転駆動)及び玉振分機構70によるパチンコ玉の振り分け(駆動モータによる振分スプロケット71の回転駆動)を制御するようになっている。
【0024】
後側通路22内には、各貯留演出表示部13〜15の下端の連通穴24を個々に開閉するために3つのシャッタ31が設けられている。シャッタ31は、上下方向へのスライド移動によって連通穴24を開閉するスライド板32を備えて、各貯留演出表示部13〜15下端の連通穴24の下方位置となる仕切壁20の後面に取り付けられている。シャッタ31の外周部分には、後側通路22を流下するパチンコ玉からシャッタ31を保護するための保護カバー33が設けられている。保護カバー33の外面は、後側通路22を流下するパチンコ玉と干渉しないように後側通路22の後面内壁と平行になる平坦面形状に形成されている。また、最下位に位置する貯留演出表示部13下端の連通穴24と対応するシャッタ31は、誘導底板30の下方に配置されるため、保護カバー33は設けられない。
【0025】
なお、以下の説明では便宜的に、貯留演出表示部13下端の連通穴24(24a)と対応するシャッタ31のスライド板32をスライド板32aといい、貯留演出表示部14下端の連通穴24(24b)と対応するシャッタ31のスライド板32をスライド板32bといい、貯留演出表示部15下端の連通穴24(24c)と対応するシャッタ31のスライド板32をスライド板32cという場合がある。
【0026】
ところで、前側通路21の前後方向における通路幅は、パチンコ玉の直径よりも若干大きめに設定されている。このため、前側通路21は、獲得玉数表示装置10の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路となっている。一方、後側通路22の前後方向における通路幅は、パチンコ玉の直径の2倍程度の大きさに設定されている。但し、後側通路22内に設けられた交流板27の先端面と該先端面に対向する後側通路22の内壁との間隔、及び保護カバー33の外面と該外面に対向する後側通路22の内壁との間隔は、それぞれパチンコ玉の直径よりも若干大きめに設定されている。このため、後側通路22においても、前側通路21と同様に、獲得玉数表示装置10の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路となっている。なお、前側通路21及び後側通路22の左右方向における通路幅は、それぞれパチンコ玉の直径の4倍程度の大きさに設定されており、これによって、前側通路21及び後側通路22は、獲得玉数表示装置10の左右方向で4個分のパチンコ玉を一度に流下し得る玉通路となっている。また、前側通路21及び後側通路22は、それぞれ貯留演出表示部に貯留されたパチンコ玉を回収する本発明に係る回収通路部を構成するようになっている。
【0027】
各貯留演出表示部13〜15及び視認通路部16は、それぞれ正面視で正方形状をなし且つ透明材料によって形成された透明カバー部材40と、該透明カバー部材40の内部であり且つ前側通路21の前面に取り付けられたほぼ立方体形状の内部突起部材41と、を備えている。透明カバー部材40と内部突起部材41との間には、パチンコ玉の直径よりも若干大きめの間隔となる空間42が設けられ、当該空間42がパチンコ玉を流下する通路を構成するようになっている。このため、各貯留演出表示部13〜15及び視認通路部16においても、前側通路21及び後側通路22と同様に、獲得玉数表示装置10の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路となっている。但し、図4中には、視認通路部16の透明カバー部材40、内部突起部材41、及び空間42のみに符号を付記する。
【0028】
なお、内部突起部材41の上壁面は、連通穴25を通して前側通路21から送り込まれるパチンコ玉をスムーズに空間42内に誘導するために後方から前方に向けて若干下り傾斜して設けられ、内部突起部材41及び透明カバー部材40の各下壁面は、空間42内のパチンコ玉を連通穴25を通してスムーズに前側通路21に送り込むために前方から後方に向けて若干下り傾斜して設けられている。また、貯留演出表示部13〜15は、上記した3つのシャッタ31による各連通穴24の開閉に応じて、それぞれの空間42(貯留空間)内に視認導入部23から送り込まれたパチンコ玉を透明カバー部材40を透して外部から視認可能に貯留するようになっており、各貯留演出表示部13〜15毎に、空間42内にパチンコ玉が満杯に貯留された状態で1000個のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっている。但し、空間42内で満杯状態となる実際のパチンコ玉の総数は、設定上の満杯数(1000個)の1/10となる100個となっている。一方、視認通路部16の空間42は、パチンコ玉を貯留するための空間としては用いられず、視認導入部23から送り込まれたパチンコ玉の流れを視認させることで、遊技者に対してパチンコ玉の獲得があったことを認識させるためにのみ用いられる。
【0029】
発光演出表示部17〜19は、それぞれ半円弧形状をなす4つの発光部材43を上下方向に並設して構成されており、制御装置の制御に基づいて各発光部材43の発光が制御されるようになっている。なお、発光演出表示部17〜19を構成する各発光部材43は、それぞれ点灯状態で1000個のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっており、点滅状態で1〜999個の範囲内のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっている。
【0030】
また、獲得玉数表示装置10には、前側通路21内の所定箇所でパチンコ玉の有無を検出するためのセンサ44が設けられている。センサ44は、連通穴24aの上側部分、スライド板32bを備えたシャッタ31の下側部分、スライド板32cを備えたシャッタ31の下側部分、貯留演出表示部15上端の連通穴25と対向する部分、の計4箇所に設置されている。なお、以下の説明では便宜的に、4つのセンサ44をセンサ1〜4という場合がある。
【0031】
待機貯留部50は、後側通路22の後面壁をなし且つ当該待機貯留部50の前面壁をなす仕切壁51と、該仕切壁51の裏面側に配置された後面壁52との間に形成された空間によって構成されており、仕切壁51の上端及び下端には、それぞれ待機貯留部50と後側通路22とを連通する連通穴53,54が穿設されている。上端側の連通穴53には、玉振分機構70が配置されている。一方、下端側の連通穴54は、待機貯留部50に待機貯留されたパチンコ玉を後側通路22の下側部分に送り込むための送込口を構成するようになっており、待機貯留部50の下端には、待機貯留部50内のパチンコ玉を送込口(連通穴54)に誘導する誘導底板55が設けられている。待機貯留部50の内壁(仕切壁51及び後面壁52)には、当該待機貯留部50を流下するパチンコ玉の勢いを弱めるための交流板56が交互に複数突設されている。また、待機貯留部50の連通穴54には、当該連通穴54を開閉するスライド板58を備えたシャッタ57が設けられている。なお、待機貯留部50内における玉振分機構70の配置部分、言い換えれば、連通穴53との対応部分には、玉振分機構70によって待機貯留部50側に振り分けられたパチンコ玉を待機貯留部50内に導入する待機導入部59が設けられている。
【0032】
玉揚送機構60は、待機貯留部50の下方であり且つ前述した送込口29と連通した空間内に設けられた揚送スプロケット61と、該揚送スプロケット61を一方向(図4に示す反時計方向)に回転駆動する図示しない駆動モータと、後面壁52の裏面側に設けられてパチンコ玉を玉振分機構70に誘導する揚送通路部62と、を備えている。揚送スプロケット61は、パチンコ玉1個を個々に受け入れ可能な玉受け凹部61aが全周に亘って形成されており、駆動モータの駆動に基づく玉受け凹部61aの回転によって、送込口29から送り込まれたパチンコ玉を1個ずつ押し上げるようになっている。また、揚送通路部62は、揚送スプロケット61によって押し上げられたパチンコ玉を1個ずつ整列して上方の玉振分機構70に送り込む通路形状に形成されている。
【0033】
玉振分機構70は、前述した連通穴53に配置された振分スプロケット71と、該振分スプロケット71を正逆両方向(図4に示す反時計方向及び時計方向)に回転駆動する図示しない駆動モータと、玉揚送機構60の揚送通路部62から送り込まれたパチンコ玉を上方から振分スプロケット71に誘導する誘導通路部72と、を備えている。振分スプロケット71は、パチンコ玉1個を個々に受け入れ可能な玉受け凹部71aが全周に亘って形成されている。そして、駆動モータの駆動に基づく振分スプロケット71の正方向(図4に示す反時計方向)の回転により、玉受け凹部71aのパチンコ玉を前述した視認導入部23から視認通路部16側に振り分けて送り込む一方、駆動モータの駆動に基づく振分スプロケット71の逆方向(図4に示す時計方向)の回転により、玉受け凹部71aのパチンコ玉を前述した待機導入部59から待機貯留部50側に振り分けて送り込むようになっている。
【0034】
次に、獲得玉数表示装置10における制御装置の制御処理について説明する。先ず、制御装置は、図5に示すように、遊技中であるか否かを判別する(ステップS1)。なお、このとき、前述した持ち玉カードが玉貸機2に挿入された状態のときを遊技中であると判別する一方、持ち玉カードが玉貸機2に挿入されていない状態のときを遊技中でないと判別する。遊技中のときは、玉積演出処理を実行した後に(ステップS2)、循環処理を実行する一方(ステップS3)、遊技中でないときは、待機処理を実行する(ステップS4)。玉積演出処理では、図6に示すように、先ず、玉計数装置80又は玉貸機2からの入力信号があるか否か、即ち遊技者によるパチンコ玉の獲得、あるいはパチンコ玉の貸し出しがあるか否かを判別する(ステップS11)。入力信号がないときはそのままメインフローに復帰する一方、入力信号があると、当該入力信号となるパチンコ玉の数値データを管理制御すると共に管理制御した数値データの値(具体的には、その時点での獲得玉数)を玉数表示部12に表示制御する獲得玉数管理・表示処理を実行する(ステップS12)。具体的に、玉計数装置80からの入力信号となるパチンコ玉の数値データに対しては、管理制御として獲得玉数に対する加算処理を行い、玉貸機2からの入力信号となるパチンコ玉の数値データに対しては、管理制御として獲得玉数に対する減算処理を行う。次いで、玉数比例演出処理を実行して(ステップS13)、メインフローに復帰する。
【0035】
上記したステップS13の玉数比例演出処理では、図7に示すように、先ず、獲得玉数が1〜1000個の範囲内であるか否かを判別する(ステップS21)。ステップS21で獲得玉数が1〜1000個の範囲内のときは、貯留演出表示部13下端の連通穴24と対応するシャッタ31(以下、これをシャッタ1という)及び貯留演出表示部15下端の連通穴24と対応するシャッタ31(以下、これをシャッタ3という)を閉鎖すると共に、貯留演出表示部14下端の連通穴24と対応するシャッタ31(以下、これをシャッタ2という)を開放して(ステップS22)、メインフローに復帰する。一方、ステップS21で獲得玉数が1〜1000個の範囲内でないときは、次に、獲得玉数が1001〜5000個の範囲内であるか否かを判別する(ステップS23)。ステップS23で獲得玉数が1001〜5000個の範囲内のときは、発光演出表示部17を構成する4つの発光部材43(以下、この4つを下から上の順番で発光演出表示部1〜4という)を黄色で点滅・点灯表示した後(ステップS24)、前記ステップS22に移行する。
【0036】
ところで、制御装置による制御処理の初期状態、言い換えれば、遊技者によるパチンコ玉の獲得がない状態では、図4に示すように、視認導入部23からのパチンコ玉の送り込みは行われない。このとき、全てのシャッタ1〜3のスライド板32(32a〜32c)は進出方向にスライド移動され、貯留演出表示部13〜15下端の連通穴24(24a〜24c)は全て閉鎖状態にある。なお、ここでいう閉鎖状態とは、連通穴24がスライド板32によって完全に閉ざされた状態をいうのではなく、スライド板32の進出方向へのスライド移動によってパチンコ玉が連通穴24を通過できない状態を、便宜的に連通穴24の閉鎖状態という。
【0037】
また、獲得玉数が1〜1000個又は1001〜5000個の範囲内となって前記ステップS22の処理を行った場合には、図10に示すように、シャッタ1,3のスライド板32a,32cは進出方向へのスライド移動が継続される一方、シャッタ2のスライド板32bは退行方向にスライド移動される。これにより、連通穴24a,24cはそれぞれ閉鎖状態にある一方、連通穴24bは開放状態になり、この状態で視認導入部23から獲得玉数のパチンコ玉が送り込まれる。
【0038】
そして、視認導入部23から後側通路22内に送り込まれたパチンコ玉は、送込板28から連通穴24eを通って前側通路21に誘導された後、視認通路部16と対応する流下阻止板26の上壁面を伝って視認通路部16上端の連通穴25から視認通路部16の空間42内に送り込まれる。視認通路部16の空間42内に送り込まれたパチンコ玉は、視認通路部16下端の連通穴25を通って前側通路21に誘導されて当該前側通路21内をそのまま自然落下する。このとき、視認通路部16の空間42内を流下するパチンコ玉は、透明カバー部材40を透して外部から視認可能となっている。
【0039】
その後、パチンコ玉は、貯留演出表示部15と対応する流下阻止板26の上壁面に落ち、該上壁面を伝って貯留演出表示部15上端の連通穴25から貯留演出表示部15の空間42内に送り込まれる。次いで、貯留演出表示部15の空間42内に送り込まれたパチンコ玉は、視認通路部16の空間42内に送り込まれたときと同様に、透明カバー部材40を透して外部から視認可能な状態で、貯留演出表示部15の空間42内を流下し、貯留演出表示部15下端の連通穴25を通って前側通路21に誘導されて当該前側通路21内をそのまま自然落下する。その後は、同様にして、貯留演出表示部14の空間42内、及び貯留演出表示部13の空間42内を順次流下する。
【0040】
即ち、視認導入部23から後側通路22内に送り込まれたパチンコ玉は、視認通路部16の空間42内、視認通路部16と貯留演出表示部15との間を連通する前側通路21の部分、貯留演出表示部15の空間42内、各貯留演出表示部15,14間を連通する前側通路21の部分、貯留演出表示部14の空間42内、各貯留演出表示部14,13間を連通する前側通路21の部分、貯留演出表示部13の空間42内、を順次流下する。そして、貯留演出表示部13下端の連通穴25を通って前側通路21に誘導されたパチンコ玉は、進出方向にスライド移動して連通穴24aを閉鎖するシャッタ1のスライド板32aによってその流下が阻止される。これにより、視認導入部23から送り込まれたパチンコ玉は、最下位の貯留演出表示部13の空間42内で貯留演出表示部13の透明カバー部材40を透して外部から視認可能に貯留される。
【0041】
なお、獲得玉数が1〜1000個の範囲内となる場合、該当する獲得玉数と対応するパチンコ玉(実際の獲得玉数の1/10のパチンコ玉)が貯留演出表示部13の空間42内にそのまま貯留される。一方、獲得玉数が1001〜5000個の範囲内となる場合、実際には獲得玉数の1/10のパチンコ玉が視認導入部23から送り込まれるが、そのうち獲得玉数1000個目(実際には100個目)までのパチンコ玉は、獲得玉数が1〜1000個の範囲内のときと同様に、貯留演出表示部13の空間42内にそのまま貯留される。獲得玉数1001個目(実際には101個目)以降のパチンコ玉は、貯留演出表示部13と対応する流下阻止板26の上壁面の上方空間となる前側通路21内で連通穴24bの高さ位置まで貯留され、その高さ位置以上に送り込まれたパチンコ玉は、開放状態にある連通穴24bを通って後側通路22に誘導されて誘導底板30上に落下し、最終的に送込口29から玉揚送機構60に回収玉として送り込まれる。この場合、余剰となったパチンコ玉を回収する前側通路21及び後側通路22の通路部分T1は、それぞれパチンコ玉の貯留が可能な状態にある貯留演出表示部(貯留演出表示部13)でパチンコ玉が満杯となり、且つ、パチンコ玉の貯留が不可能な状態にある貯留演出表示部(貯留演出表示部14)に対して視認通路部16を流下したパチンコ玉が送り込まれたときに、当該パチンコ玉を獲得玉数表示装置10内で回収する本発明に係る回収通路部を構成するようになっている。
【0042】
また、獲得玉数が1001〜5000個の範囲内となる場合には、前記ステップS24の処理によって発光演出表示部1〜4が黄色で点滅・点灯表示される。具体的に、獲得玉数が1001〜2000個の範囲内のときは、発光演出表示部1が点滅表示され、獲得玉数が2001〜3000個の範囲内のときは、発光演出表示部1が点灯表示されると共に発光演出表示部2が点滅表示され、獲得玉数が3001〜4000個の範囲内のときは、発光演出表示部1,2がそれぞれ点灯表示されると共に発光演出表示部3が点滅表示され、獲得玉数が4001〜5000個の範囲内のときは、発光演出表示部1〜3がそれぞれ点灯表示されると共に発光演出表示部4が点滅表示される。
【0043】
次に、玉数比例演出処理において、上記したステップS23で獲得玉数が1001〜5000個の範囲内でないときは、獲得玉数が5001〜6000個の範囲内であるか否かを判別する(ステップS25)。ステップS25で獲得玉数が5001〜6000個の範囲内のときは、発光演出表示部1〜4を全て黄色で点灯表示した後(ステップS26)、各シャッタ1,2を閉鎖すると共にシャッタ3を開放して(ステップS27)、メインフローに復帰する。一方、ステップS25で獲得玉数が5001〜6000個の範囲内でないときは、次に、獲得玉数が6001〜10000個の範囲内であるか否かを判別する(ステップS28)。ステップS28で獲得玉数が6001〜10000個の範囲内のときは、発光演出表示部1〜4を全て黄色で点灯表示すると共に(ステップS29)、発光演出表示部18を構成する4つの発光部材43(以下、この4つを下から上の順番で発光演出表示部5〜8という)を黄色で点滅・点灯表示して(ステップS30)、前記ステップS27に移行する。
【0044】
なお、獲得玉数が5001〜6000個又は6001〜10000個の範囲内となって前記ステップS27の処理を行った場合には、図11に示すように、シャッタ1のスライド板32aは進出方向へのスライド移動が継続される。一方、シャッタ2のスライド板32bは進出方向にスライド移動され、シャッタ3のスライド板32cは退行方向にスライド移動される。これにより、連通穴24a,24bはそれぞれ閉鎖状態になる一方、連通穴24cは開放状態になり、この状態で視認導入部23から獲得玉数のパチンコ玉が送り込まれる。
【0045】
そして、視認導入部23から後側通路22内に送り込まれたパチンコ玉は、前述した獲得玉数が1〜5000個の範囲内のときの獲得玉数表示装置10内でのパチンコ玉の流れと同様に、視認通路部16の空間42内、視認通路部16と貯留演出表示部15との間を連通する前側通路21の部分、貯留演出表示部15の空間42内、各貯留演出表示部15,14間を連通する前側通路21の部分、貯留演出表示部14の空間42内、を順次流下する。その後、貯留演出表示部14の空間42内を流下したパチンコ玉は、獲得玉数が1〜5000個の範囲内のときに連通穴24bの高さ位置まで貯留されたパチンコ玉によって流下が阻止されて貯留演出表示部14の空間42内に貯留される。
【0046】
但し、連通穴24bの高さ位置までパチンコ玉が貯留されていないときには、一旦、連通穴24bの高さ位置となる前側通路21内までパチンコ玉が貯留される。そして、貯留演出表示部14の空間42内を流下したパチンコ玉は、連通穴24bの高さ位置となる前側通路21内まで貯留されたパチンコ玉、及び進出方向にスライド移動して連通穴24bを閉鎖するシャッタ2のスライド板32bによってその流下が阻止され、最下位の貯留演出表示部13の空間42内に貯留されたパチンコ玉と同様に、貯留演出表示部14の空間42内で貯留演出表示部14の透明カバー部材40を透して外部から視認可能にパチンコ玉が貯留される。
【0047】
これにより、獲得玉数が5001〜6000個の範囲内となる場合には、貯留演出表示部13の空間42内にパチンコ玉が満杯に貯留されると共に貯留演出表示部14の空間42内には該当する獲得玉数と対応するパチンコ玉が貯留される。また、このとき、前記ステップS26の処理によって発光演出表示部1〜4が全て黄色で点灯表示される。
【0048】
一方、獲得玉数が6001〜10000個の範囲内となる場合、獲得玉数6000個目までのパチンコ玉は、各貯留演出表示部13,14の空間42内で満杯になるように貯留される。獲得玉数6001個目以降のパチンコ玉は、貯留演出表示部14と対応する流下阻止板26の上壁面の上方空間となる前側通路21内で連通穴24cの高さ位置まで貯留され、その高さ位置以上に送り込まれたパチンコ玉は、開放状態にある連通穴24cを通って後側通路22に誘導されて誘導底板30上に落下し、最終的に送込口29から玉揚送機構60に回収玉として送り込まれる。この場合、余剰となったパチンコ玉を回収する前側通路21及び後側通路22の通路部分T2は、それぞれパチンコ玉の貯留が可能な状態にある貯留演出表示部(貯留演出表示部13,14)でパチンコ玉が満杯となり、且つ、パチンコ玉の貯留が不可能な状態にある貯留演出表示部(貯留演出表示部15)に対して視認通路部16を流下したパチンコ玉が送り込まれたときに、当該パチンコ玉を獲得玉数表示装置10内で回収する本発明に係る回収通路部を構成するようになっている。
【0049】
また、獲得玉数が6001〜10000個の範囲内となる場合には、前記ステップS29の処理によって発光演出表示部1〜4が全て黄色で点灯表示されると共に、前記ステップS30の処理によって発光演出表示部5〜8が黄色で点滅・点灯表示される。発光演出表示部5〜8の具体的な点滅・点灯表示態様として、獲得玉数が6001〜7000個の範囲内のときは、発光演出表示部5が点滅表示され、獲得玉数が7001〜8000個の範囲内のときは、発光演出表示部5が点灯表示されると共に発光演出表示部6が点滅表示され、獲得玉数が8001〜9000個の範囲内のときは、発光演出表示部5,6がそれぞれ点灯表示されると共に発光演出表示部7が点滅表示され、獲得玉数が9001〜10000個の範囲内のときは、発光演出表示部5〜7がそれぞれ点灯表示されると共に発光演出表示部8が点滅表示される。
【0050】
次に、玉数比例演出処理において、上記したステップS28で獲得玉数が6001〜10000個の範囲内でないときは、獲得玉数が10001〜11000個の範囲内であるか否かを判別する(ステップS31)。ステップS31で獲得玉数が10001〜11000個の範囲内のときは、発光演出表示部5〜8を全て黄色で点灯表示した後(ステップS32)、全てのシャッタ1〜3を閉鎖して(ステップS33)、メインフローに復帰する。一方、ステップS31で獲得玉数が10001〜11000個の範囲内でないときは、次に、獲得玉数が11001〜15000個の範囲内であるか否かを判別する(ステップS34)。ステップS34で獲得玉数が11001〜15000個の範囲内のときは、発光演出表示部1〜8を全て黄色で点灯表示すると共に(ステップS35)、発光演出表示部19を構成する4つの発光部材43(以下、この4つを下から上の順番で発光演出表示部9〜12という)を黄色で点滅・点灯表示して(ステップS36)、前記ステップS33に移行する。また、ステップS34で獲得玉数が11001〜15000個の範囲内でないときは、各発光演出表示部1〜12を他の演出表示に変更して(ステップS37)、メインフローに復帰する。
【0051】
なお、獲得玉数が10001〜11000個又は11001〜15000個の範囲内となって前記ステップS33の処理を行った場合には、図12に示すように、シャッタ1,2のスライド板32a,32bはそれぞれ進出方向へのスライド移動が継続され、シャッタ3のスライド板32cは進出方向にスライド移動される。これにより、全ての連通穴24a〜24cは閉鎖状態になり、この状態で視認導入部23から獲得玉数のパチンコ玉が送り込まれる。
【0052】
そして、視認導入部23から後側通路22内に送り込まれたパチンコ玉は、前述した獲得玉数が5001〜10000個の範囲内のときの獲得玉数表示装置10内でのパチンコ玉の流れと同様に、視認通路部16の空間42内、視認通路部16と貯留演出表示部15との間を連通する前側通路21の部分、貯留演出表示部15の空間42内、を順次流下する。その後、貯留演出表示部15の空間42内を流下したパチンコ玉は、獲得玉数が1〜10000個の範囲内のときに連通穴24cの高さ位置まで貯留されたパチンコ玉によって流下が阻止されて貯留演出表示部15の空間42内に貯留される。
【0053】
但し、連通穴24cの高さ位置までパチンコ玉が貯留されていないときには、一旦、連通穴24cの高さ位置となる前側通路21内までパチンコ玉が貯留される。そして、貯留演出表示部15の空間42内を流下したパチンコ玉は、連通穴24cの高さ位置となる前側通路21内まで貯留されたパチンコ玉、及び進出方向にスライド移動して連通穴24cを閉鎖するシャッタ3のスライド板32cによってその流下が阻止され、貯留演出表示部13,14の空間42内に貯留されたパチンコ玉と同様に、貯留演出表示部15の空間42内で貯留演出表示部15の透明カバー部材40を透して外部から視認可能にパチンコ玉が貯留される。
【0054】
これにより、獲得玉数が10001〜11000個の範囲内となる場合には、各貯留演出表示部13,14の空間42内にパチンコ玉が満杯に貯留されると共に貯留演出表示部15の空間42内には該当する獲得玉数と対応するパチンコ玉が貯留される。また、このとき、前記ステップS32の処理によって発光演出表示部1〜8が全て黄色で点灯表示される。
【0055】
一方、獲得玉数が11001〜15000個の範囲内となる場合、獲得玉数11000個目までのパチンコ玉は、各貯留演出表示部13〜15の空間42内で満杯になるように貯留される。獲得玉数11001個目以降のパチンコ玉は、貯留演出表示部15と対応する流下阻止板26の上壁面の上方空間となる前側通路21内で連通穴24dの高さ位置まで貯留され、その高さ位置以上に送り込まれたパチンコ玉は、シャッタが設けられることなく常に開放状態にある連通穴24dを通って後側通路22に誘導されて誘導底板30上に落下し、最終的に送込口29から玉揚送機構60に回収玉として送り込まれる。この場合、余剰となったパチンコ玉を回収する前側通路21及び後側通路22の通路部分T3は、それぞれ複数全ての貯留演出表示部(貯留演出表示部13〜15)でパチンコ玉が満杯となった状態で視認導入部23によりパチンコ玉が導入されたときに、当該パチンコ玉を獲得玉数表示装置10内で回収する本発明に回収通路部を構成するようになっている。
【0056】
また、獲得玉数が11001〜15000個の範囲内となる場合には、前記ステップS35の処理によって発光演出表示部1〜8が全て黄色で点灯表示されると共に、前記ステップS36の処理によって発光演出表示部9〜12が黄色で点滅・点灯表示される。発光演出表示部9〜12の具体的な点滅・点灯表示態様として、獲得玉数が11001〜12000個の範囲内のときは、発光演出表示部9が点滅表示され、獲得玉数が12001〜13000個の範囲内のときは、発光演出表示部9が点灯表示されると共に発光演出表示部10が点滅表示され、獲得玉数が13001〜14000個の範囲内のときは、発光演出表示部9,10がそれぞれ点灯表示されると共に発光演出表示部11が点滅表示され、獲得玉数が14001〜15000個の範囲内のときは、発光演出表示部9〜11がそれぞれ点灯表示されると共に発光演出表示部12が点滅表示される。
【0057】
また、獲得玉数が15001個以上となる場合、視認導入部23から送り込まれたパチンコ玉は、視認通路部16の透明カバー部材40を透して外部から視認可能に視認通路部16の空間42内を流下した後、連通穴24dの高さ位置となる前側通路21内まで貯留されたパチンコ玉によって前側通路21内での流下が阻止される。これにより、パチンコ玉は、連通穴24dを通って後側通路22に誘導されて誘導底板30上に落下し、最終的に送込口29から玉揚送機構60に回収玉として送り込まれる。即ち、獲得玉数が15001個以上になると、視認通路部16の空間42は、前述したようにパチンコ玉を貯留するための空間として用いられることなく、視認導入部23から送り込まれたパチンコ玉の流れを視認させることで遊技者に対してパチンコ玉の獲得があったことを認識させるために用いられる。
【0058】
また、獲得玉数が15001個以上となって前記ステップS37の処理を行った場合には、各発光演出表示部1〜12の表示制御を他の演出表示に変更する。具体的な他の演出表示態様としては、各貯留演出表示部13〜15の空間42内でパチンコ玉が満杯に貯留された状態を維持したまま、全ての発光演出表示部1〜12を一旦消灯する。そして、獲得玉数が1000個増加する毎に発光演出表示部1〜12のうち下側の表示部から上側の表示部に向けて順次、オレンジ色で点灯表示する。このとき、前述した黄色の点滅表示と同様に、表示制御を行う最上位の発光演出表示部をオレンジ色に点滅表示することで、1000個毎の増加に加えて1〜999個の範囲内のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっている。また、全ての発光演出表示部1〜12がオレンジ色で点灯表示された状態で獲得玉数の増加がある場合は、発光演出表示部1〜12の点灯・点滅色を緑色とした態様を他の演出表示態様として実行する。なお、ステップS37の処理となる他の演出表示においては、各貯留演出表示部13〜15の空間42内でパチンコ玉が満杯に貯留された状態を維持した上で発光演出表示部1〜12の点灯・点滅を行う構成としているが、この構成に限定するものではない。例えば、獲得玉数表示装置10に貯留された全てのパチンコ玉を一旦外部に排出した後、獲得玉数の増加に基づいて視認導入部23から玉流下通路部11へのパチンコ玉の送り込み処理を行い、これに伴って発光演出表示部1〜12の点灯・点滅制御を行うようにしてもよい。また、上記した制御装置による玉数比例演出処理において、複数の貯留演出表示部(貯留演出表示部13〜15)に対して個々にパチンコ玉の貯留が可能な状態とパチンコ玉の貯留が不可能な状態との間で移行制御するステップS22,S27,S33の各処理は、本発明に係る貯留演出表示制御手段を構成するようになっている。
【0059】
次に、制御装置の制御処理において、前述したステップS3の循環処理では、図8に示すように、先ず、玉計数装置80又は玉貸機2からの入力信号があるか否か、即ち遊技者によるパチンコ玉の獲得、あるいはパチンコ玉の貸し出しがあるか否かを判別する(ステップS41)。入力信号がないときはそのままメインフローに復帰する一方、入力信号があると、当該入力信号がパチンコ玉の貸し出しによるものか否か、言い換えれば、貸し玉信号であるか否かを判別する(ステップS42)。ステップS42で貸し玉信号のときは、貯留演出表示部13と対応するシャッタ31のスライド板32(32a)を退行方向にスライド移動して連通穴24aを開放することで、貸し玉信号に応じた玉数を貯留演出表示部13〜15(図8中には、貯留演出部と記載)から放出する(ステップS43)。そして、揚送スプロケット61を回転制御することで、玉揚送機構60(図8中には、揚送手段と記載)が必要に応じた玉数を揚送すると共に(ステップS44)、振分スプロケット71を回転制御することで、玉振分機構70(図8中には、玉導入手段と記載)が必要に応じた玉数を待機導入部59から待機貯留部50へ振り分けて送り込む(ステップS45)。
【0060】
一方、ステップS42で貸し玉信号でないときは、次に、センサ1〜4によるパチンコ玉の検出に基づいて、獲得玉数(図8中には、持ち玉と記載)が所定数以上であるか否か、言い換えれば、貯留演出表示部13〜15に獲得玉数に応じた所定数以上のパチンコ玉が貯留されているか否かを判別する(ステップS46)。ステップS46で獲得玉数が所定数以上のときはそのままメインフローに復帰する一方、獲得玉数が所定数以上でないときは、待機貯留部50からのパチンコ玉の送り込みが必要であるか否かを判別する(ステップS47)。ステップS47でパチンコ玉の送り込みが必要なときは、入力信号に応じて必要に応じた玉数を待機貯留部50から放出した後に(ステップS48)、また、パチンコ玉の送り込みが必要でないときはそのままステップS49に移行する。そして、揚送スプロケット61を回転制御することで、玉揚送機構60が必要に応じた玉数を揚送すると共に(ステップS49)、振分スプロケット71を回転制御することで、玉振分機構70が必要に応じた玉数を視認導入部23から貯留演出表示部13〜15へ振り分けて送り込む(ステップS50)。
【0061】
次に、制御装置の制御処理において、前述したステップS4の待機処理では、図9に示すように、先ず、獲得玉数をリセットすると共に(ステップS51)、全てのシャッタ1〜3を開放して、貯留演出表示部13〜15のパチンコ玉を全て待機貯留部50に回収する(ステップS52)。次いで、センサAがOFFであるか否か、言い換えれば、センサ30aが設置された誘導底板30から送込口29を通って玉揚送機構60に送り込まれるパチンコ玉の有無を判別する(ステップS53)。ステップS53でセンサAがOFFのとき、言い換えれば、玉揚送機構60に送り込まれるパチンコ玉がないときは、そのままステップS56へ移行する。一方、センサAがOFFでないとき、言い換えれば、玉揚送機構60に送り込まれるパチンコ玉があるときは、センサAがOFFになるまで玉揚送機構60(図9中には、揚送手段と記載)がパチンコ玉の揚送を継続して行うと共に(ステップS54)、センサAがOFFになるまで揚送したパチンコ玉を玉振分機構70(図9中には、玉導入手段と記載)が待機導入部59から待機貯留部50へ振り分けて送り込む(ステップS55)。
【0062】
その後、ステップS56では、全てのセンサ1〜4がOFFであるか否か、言い換えれば、センサ44が設置された前側通路21内の4つの箇所(連通穴24aの上側部分、スライド板32bを備えたシャッタ31の下側部分、スライド板32cを備えたシャッタ31の下側部分、貯留演出表示部15上端の連通穴25と対向する部分)でのパチンコ玉の貯留がないか否かを判別する。ステップS56で全てのセンサ1〜4がOFFとなってパチンコ玉が貯留されていないことが確認できたときは、初期状態に戻すべく全てのシャッタ1〜3を閉鎖して(ステップS57)、メインフローに復帰する。一方、ステップS56で全てのセンサ1〜4がOFFでないとき、即ち、ステップS52で全てのシャッタ1〜3を開放して貯留演出表示部13〜15のパチンコ玉を全て待機貯留部50に回収する処理を行ったにも拘わらず、貯留演出表示部13〜15内にパチンコ玉が残っているときには、エラー報知を行った後に(ステップS58)、メインフローに復帰する。
【0063】
具体的に、遊技者が遊技を終了することで獲得玉数表示装置10を初期状態に戻す場合には、図13に示すように、各貯留演出表示部13〜15と対応するシャッタ31のスライド板32(32a〜32c)がそれぞれ退行方向にスライド移動され、各連通穴24a〜24cは開放状態となる。これにより、貯留演出表示部13〜15に貯留されたパチンコ玉が連通穴24a〜24cを通って誘導底板30に送り込まれ、該誘導底板30から送込口29を通って玉揚送機構60に送り込まれる。そして、玉揚送機構60に送り込まれたパチンコ玉は、玉揚送機構60(揚送スプロケット61の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構70(振分スプロケット71の回転)によるパチンコ玉の待機導入部59側への振り分けによって、待機貯留部50内に回収される。なお、このようなパチンコ玉の回収において、スライド板32a〜32cの退行移動、言い換えれば、玉揚送機構60へのパチンコ玉の送り込みは、貯留演出表示部13〜15内のパチンコ玉を全て回収するまで行われる。また、玉揚送機構60によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構70によるパチンコ玉の待機導入部59側への振り分けは、誘導底板30に設けられたセンサ30aによるパチンコ玉の検出があるまで継続される。
【0064】
なお、上記した実施形態(第一実施形態)では、視認通路部を流下させたパチンコ玉を貯留することによって所定数のパチンコ玉を獲得していることを遊技者に認識させる本発明に係る複数の貯留演出表示部に加えて、発光表示によって所定数のパチンコ玉を獲得していることを遊技者に認識させる複数の発光演出表示部を設けた構成を例示しているが、これに限らず、複数の貯留演出表示部のみで演出表示部を構成するようにしてもよい。以下、複数の貯留演出表示部のみで演出表示部を構成した獲得玉数表示装置を第二実施形態として、図14乃至図19を参照して説明する。図14は、第二実施形態における獲得玉数表示装置10を示す斜視断面図である。図15乃至図19は、それぞれ第二実施形態における獲得玉数表示装置100内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【0065】
図14及び図15に示すように、第二実施形態における獲得玉数表示装置100は、縦長立方体形状の玉流下通路部101と、該玉流下通路部101の前面上端に設けられた玉数表示部102と、該玉数表示部102の下方における玉流下通路部101の前面に所定間隔を置いて配置された3つの貯留演出表示部103〜105(演出表示部)及び視認通路部106と、当該獲得玉数表示装置100の各種構成部材を制御する貯留演出表示制御手段としての図示しない制御装置(具体的には、CPU、ROM、RAMを有する制御基板からなる)と、獲得玉数表示装置100内で循環使用するパチンコ玉を待機貯留する待機貯留部140と、該待機貯留部140に貯留されたパチンコ玉及び後述の回収通路部を流下したパチンコ玉を揚送する玉揚送手段としての玉揚送機構150と、該玉揚送機構150によって揚送されたパチンコ玉を視認通路部106又は待機貯留部140のいずれかに振り分けて送り込む玉振分手段としての玉振分機構160と、を備えている。玉数表示部102は、遊技継続中に遊技者が獲得しているパチンコ玉の総数(具体的には、玉計数装置50によって計数されたパチンコ玉の総数から玉貸機2から貸し出されたパチンコ玉の総数を減算した数)を制御装置の制御に基づいて獲得玉数として数値で表示するようになっている。
【0066】
玉流下通路部101の後面壁であり且つ待機貯留部140との仕切りとなる仕切壁110には、玉流下通路部101と待機貯留部140とを連通するための連通穴114が上下方向に亘って複数穿設されており、玉流下通路部101の前面には、当該玉流下通路部101と各貯留演出表示部103〜105及び視認通路部106とを連通するための連通穴115が上下方向に亘って複数穿設されている。連通穴114は、貯留演出表示部103及び視認通路部106の各下端とほぼ同一の高さ位置、及び視認通路部106の上端と同一の高さ位置にそれぞれ穿設されている。連通穴105は、各貯留演出表示部63〜65及び視認通路部66の上端及び下端の高さ位置にそれぞれ穿設されている。
【0067】
なお、視認通路部106の上端と同一の高さ位置に穿設された連通穴114は、遊技者がパチンコ玉を獲得した際に演出用のパチンコ玉を玉振分機構160の視認導入部163から受け入れる玉受入口を構成するものである。視認導入部163は、玉揚送機構150によって揚送されたパチンコ玉を視認通路部106側に振り分けて送り込む一方の玉振分部分を構成するものであり、玉計数装置50によって計数されたパチンコ玉の数値データが制御装置に送信されることに基づいて、該制御装置が数値データと対応する数(具体的には、数値データの1/10の数)のパチンコ玉を玉揚送機構150で揚送制御すると共に、当該玉数のパチンコ玉を玉振分機構160で視認導入部163側に振り分け制御することで、演出用のパチンコ玉を視認導入部163に送り込むようになっている。また、視認通路部106の下端と同一の高さ位置に穿設された連通穴114は、視認通路部106を流下した後に余剰となったパチンコ玉を待機貯留部140に回収するための玉回収口を構成するものである。なお、以下の説明では便宜的に、貯留演出表示部103下端の連通穴114を連通穴114aといい、視認通路部106下端の連通穴114を連通穴114bといい、視認通路部106上端の連通穴114を連通穴114cという場合がある。
【0068】
各貯留演出表示部103〜105及び視認通路部106の上端及び下端の各連通穴115間に位置する玉流下通路部101内には、当該位置でのパチンコ玉の流下を阻止する流下阻止板116が設けられている。なお、貯留演出表示部103の下端と同一の高さ位置に穿設された連通穴114aは、貯留演出表示部103〜105に貯留されることなく余剰となったパチンコ玉を玉揚送機構150に送り込むための送込口を構成するようになっている。また、連通穴114aには、当該連通穴114aを開閉するためのシャッタ121が設けられており、シャッタ121は、上下方向へのスライド移動によって連通穴114aを開閉するスライド板122を備えている。
【0069】
ところで、玉流下通路部101の前後方向における通路幅は、パチンコ玉の直径よりも若干大きめに設定されている。このため、玉流下通路部101は、獲得玉数表示装置100の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路となっている。また、玉流下通路部101の左右方向における通路幅は、パチンコ玉の直径の4倍程度の大きさに設定されており、これによって、玉流下通路部101は、獲得玉数表示装置100の左右方向で4個分のパチンコ玉を一度に流下し得る玉通路となっている。また、玉流下通路部101は、貯留演出表示部103〜105に貯留されたパチンコ玉を回収する本発明に係る回収通路部を構成するようになっている。
【0070】
各貯留演出表示部103〜105及び視認通路部106は、それぞれ透明材料によって形成された透明カバー部材130と、該透明カバー部材130の内部であり且つ玉流下通路部101の前面に取り付けられた内部突起部材131と、を備えている。透明カバー部材130と内部突起部材131との間には、パチンコ玉の直径よりも若干大きめの間隔となる空間132が設けられている。なお、視認通路部106を構成する透明カバー部材130は、正面視で正方形状をなし、視認通路部106に内部突起部材131は設けられない。これに対して、貯留演出表示部103〜105を構成する透明カバー部材130は、正面視で縦長(正方形状をなす視認通路部106の透明カバー部材130の縦幅寸法のほぼ3倍の長さ寸法)の長方形状をなしている。そして、貯留演出表示部103〜105においては、内部突起部材131の上側部分が当該貯留演出表示部103〜105後方の玉流下通路部101を含んで多量のパチンコ玉を貯留し得る空間に形成され、内部突起部材131の下側部分が獲得玉数表示装置100の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路の形成空間となっている。
【0071】
なお、内部突起部材131の上壁面は、連通穴115を通して前側通路111から送り込まれるパチンコ玉をスムーズに空間132内に誘導するために後方から前方に向けて若干下り傾斜して設けられ、内部突起部材131及び透明カバー部材130の各下壁面は、空間132内のパチンコ玉を連通穴115を通してスムーズに玉流下通路部101に送り込むために前方から後方に向けて若干下り傾斜して設けられている。また、貯留演出表示部103〜105は、上記したシャッタ121による連通穴114aの開閉に応じて、それぞれの空間132(貯留空間)内に視認導入部163から送り込まれたパチンコ玉を透明カバー部材130を透して外部から視認可能に貯留するようになっており、各貯留演出表示部103〜105毎に、空間132内にパチンコ玉が満杯に貯留された状態で5000個のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっている。但し、空間132内で満杯状態となる実際のパチンコ玉の総数は、設定上の満杯数(5000個)の1/10となる500個となっている。一方、視認通路部106の空間132は、パチンコ玉を貯留するための空間としては用いられず、視認導入部163から送り込まれたパチンコ玉の流れを視認させることで、遊技者に対してパチンコ玉の獲得があったことを認識させるためにのみ用いられる。
【0072】
待機貯留部140は、前述した玉流下通路部101の後面壁をなす仕切壁110と、該仕切壁110の裏面側に配置された後面壁142との間に形成された空間によって構成されている。待機貯留部140の内壁(仕切壁110及び後面壁142)には、当該待機貯留部140を流下するパチンコ玉の勢いを弱めるための交流板146が交互に複数突設されている。また、待機貯留部140の上側には、玉振分機構160の視認導入部163に振り分けられたパチンコ玉を視認通路部106側となる連通穴114cに誘導するための視認誘導板143と、玉振分機構160の待機導入部164に振り分けられたパチンコ玉を待機貯留部140内に誘導するための待機誘導板144と、が設けられている。一方、待機貯留部140の下側には、当該待機貯留部140からパチンコ玉を下方に排出するための排出口141が設けられ、この排出口141には、当該排出口141を開閉するスライド板148を備えたシャッタ147が設けられている。なお、待機貯留部140の排出口141から下方に排出されたパチンコ玉は、待機貯留部140の下方空間に配置される後述の玉揚送機構150の揚送スプロケット151に送り込まれるようになっている。また、待機貯留部140の下方には、排出口141から排出されたパチンコ玉を玉揚送機構150に誘導するための誘導底板120が設けられており、誘導底板120には、該誘導底板80上を流下して玉揚送機構150に送り込まれたパチンコ玉を検出するためのセンサ120aが設けられている。そして、このセンサ120aによるパチンコ玉の検出に基づいて、玉揚送機構150によるパチンコ玉の揚送(駆動モータによる揚送スプロケット151の回転駆動)及び玉振分機構160によるパチンコ玉の振り分け(駆動モータによる振分スプロケット161の回転駆動)を制御するようになっている。
【0073】
玉揚送機構150は、待機貯留部140の下方であり且つ前述した連通114aと連通した空間内に設けられた揚送スプロケット151と、該揚送スプロケット151を一方向(図20に示す反時計方向)に回転駆動する図示しない駆動モータと、後面壁142の裏面側に設けられてパチンコ玉を玉振分機構160に誘導する揚送通路部152と、を備えている。揚送スプロケット151は、パチンコ玉1個を個々に受け入れ可能な玉受け凹部151aが全周に亘って形成されており、駆動モータの駆動に基づく玉受け凹部151aの回転によって、待機貯留部140の排出口141から排出されたパチンコ玉及び連通114aから送り込まれたパチンコ玉を1個ずつ押し上げるようになっている。また、揚送通路部152は、揚送スプロケット151によって押し上げられたパチンコ玉を1個ずつ整列して上方の玉振分機構160に送り込む通路形状に形成されている。
【0074】
玉振分機構160は、待機貯留部140の上側空間に配置された振分スプロケット161と、該振分スプロケット161を正逆両方向(図20に示す反時計方向及び時計方向)に回転駆動する図示しない駆動モータと、玉揚送機構150の揚送通路部152から送り込まれたパチンコ玉を上方から振分スプロケット161に誘導する誘導通路部162と、振分スプロケット161によって振り分けられたパチンコ玉を視認通路部106側に誘導する視認導入部163と、振分スプロケット161によって振り分けられたパチンコ玉を待機貯留部140内に誘導する待機導入部164と、を備えている。振分スプロケット161は、パチンコ玉1個を個々に受け入れ可能な玉受け凹部161aが全周に亘って形成されている。そして、駆動モータの駆動に基づく振分スプロケット161の正方向(図20に示す反時計方向)の回転により、玉受け凹部161aのパチンコ玉を視認導入部163から視認通路部106側に振り分けて送り込む一方、駆動モータの駆動に基づく振分スプロケット161の逆方向(図20に示す時計方向)の回転により、玉受け凹部161aのパチンコ玉を待機導入部164から待機貯留部140側に振り分けて送り込むようになっている。
【0075】
しかして、第二実施形態の獲得玉数表示装置100では、制御装置による制御処理の初期状態、即ち、遊技者によるパチンコ玉の獲得がない状態で、図20に示すように、視認導入部163からのパチンコ玉の送り込みは行われない。言い換えれば、玉揚送機構150(揚送スプロケット151の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構160(振分スプロケット161の回転)によるパチンコ玉の振り分けは行われない。このとき、連通穴114aに設けられたシャッタ121のスライド板122は進出方向にスライド移動され、連通穴114aは閉鎖状態にある。また、このとき、待機貯留部140に設けられたシャッタ147のスライド板148は進出方向にスライド移動されて、待機貯留部140下端の排出口141は閉鎖状態にあり、待機貯留部140には、獲得玉数表示装置100内で循環使用する全てのパチンコ玉(厳密には、玉揚送機構150の揚送通路部152内に待機された一部のパチンコ玉を除く)が貯留された状態にある。
【0076】
そして、遊技者によるパチンコ玉の獲得があると、待機貯留部140に設けられたシャッタ147のスライド板148は退行方向にスライド移動されて、待機貯留部140下端の排出口141が開放される。これにより、待機貯留部140内のパチンコ玉が排出口141から誘導底板120上に排出されて玉揚送機構150に送り込まれる。また、これに伴って、玉揚送機構150(揚送スプロケット151の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構160(振分スプロケット161の回転)によるパチンコ玉の視認導入部163側への振り分けが行われる。即ち、視認導入部163から獲得玉数のパチンコ玉が送り込まれる。これにより、視認導入部163から送り込まれたパチンコ玉は、視認誘導板143から連通穴114eを通って玉流下通路部101に誘導された後、視認通路部106と対応する流下阻止板116の上壁面を伝って視認通路部106上端の連通穴115から視認通路部106の空間132内に送り込まれる。視認通路部106の空間132内に送り込まれたパチンコ玉は、視認通路部106下端の連通穴115を通って玉流下通路部101に誘導されることで貯留演出表示部105の空間132内に送り込まれる。貯留演出表示部105内に送り込まれたパチンコ玉は、貯留演出表示部105と対応する流下阻止板116の上壁面に落ちた後、貯留演出表示部105下端の連通穴115を通って玉流下通路部101に誘導されることで貯留演出表示部104の空間132内に送り込まれる。その後は、同様にして、貯留演出表示部104の空間132内、及び貯留演出表示部103の空間132内を順次流下する。
【0077】
即ち、視認導入部163から玉流下通路部101内に送り込まれたパチンコ玉は、視認通路部106の空間132内(視認通路部106後方の玉流下通路部101の部分を含む)、貯留演出表示部105の空間132内(貯留演出表示部105後方の玉流下通路部101の部分を含む)、貯留演出表示部104の空間132内(貯留演出表示部104後方の玉流下通路部101の部分を含む)、貯留演出表示部103の空間132内(貯留演出表示部103後方の玉流下通路部101の部分を含む)、を順次流下する。そして、貯留演出表示部103下端の連通穴115を通って玉流下通路部101に誘導されたパチンコ玉は、進出方向にスライド移動して連通穴114aを閉鎖するシャッタ121のスライド板122によってその流下が阻止される。これにより、視認導入部163から送り込まれたパチンコ玉は、最下位の貯留演出表示部103の空間132内で貯留演出表示部103の透明カバー部材130を透して外部から視認可能に貯留される。なお、貯留演出表示部103〜105の空間132内には、それぞれ500個のパチンコ玉が満杯状態で貯留可能となっており、制御装置が数値データと対応する数(具体的には、数値データの1/10の数)のパチンコ玉を視認導入部163に供給制御することから、貯留演出表示部103の空間132内にパチンコ玉が満杯となったときには、5000個のパチンコ玉を獲得したことを遊技者に認識させる。
【0078】
そして、獲得玉数が1〜5000個の範囲内となる場合には、図21に示すように、該当する獲得玉数と対応するパチンコ玉(実際の獲得玉数の1/10のパチンコ玉)が貯留演出表示部103の空間132内にそのまま貯留される。また、獲得玉数が5001〜10000個の範囲内となる場合には、図22に示すように、該当する獲得玉数と対応するパチンコ玉(実際の獲得玉数の1/10のパチンコ玉)が貯留演出表示部103,104の各空間132内にそのまま貯留される。また、獲得玉数が10001〜15000個の範囲内となる場合には、図23に示すように、該当する獲得玉数と対応するパチンコ玉(実際の獲得玉数の1/10のパチンコ玉)が貯留演出表示部103〜104の各空間132内にそのまま貯留される。
【0079】
また、獲得玉数が15001個以上となる場合、玉振分機構160から送り込まれたパチンコ玉は、視認通路部106の透明カバー部材130を透して外部から視認可能に視認通路部106の空間132内を流下した後、連通穴114bの高さ位置となる玉流下通路部101内まで貯留されたパチンコ玉によって玉流下通路部101内での流下が阻止される。これにより、パチンコ玉は、連通穴114bを通って待機貯留部140に回収玉として誘導される。即ち、獲得玉数が15001個以上になると、視認通路部106の空間132は、パチンコ玉を貯留するための空間として用いられることなく、玉振分機構160から送り込まれたパチンコ玉の流れを視認させることで遊技者に対してパチンコ玉の獲得があったことを認識させるために用いられる。この場合、余剰となったパチンコ玉を回収する玉流下通路部101の通路部分T’は、複数全ての貯留演出表示部(貯留演出表示部103〜105)でパチンコ玉が満杯となった状態で玉振分機構160によりパチンコ玉が送り込まれたときに、当該パチンコ玉を獲得玉数表示装置100内で回収する本発明に係る回収通路部を構成するようになっている。
【0080】
また、遊技者が遊技を終了することで獲得玉数表示装置100を初期状態に戻す場合、あるいは、玉貸機2によって獲得玉からパチンコ玉の貸し出しを行う場合には、図24に示すように、シャッタ121のスライド板122が退行方向にスライド移動され、連通穴114aは開放状態となる。これにより、貯留演出表示部103に貯留されたパチンコ玉が連通穴114aを通って誘導底板120に送り込まれ、該誘導底板120から玉揚送機構150に送り込まれる。そして、玉揚送機構150に送り込まれたパチンコ玉は、玉揚送機構150(揚送スプロケット151の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構160(振分スプロケット161の回転)によるパチンコ玉の待機導入部164側への振り分けによって、待機貯留部140内に回収される。なお、このようなパチンコ玉の回収において、スライド板122の進退移動、言い換えれば、貯留演出表示部103から玉揚送機構150へのパチンコ玉の送り込みは、獲得玉数表示装置100を初期状態に戻す場合、貯留演出表示部103〜105内のパチンコ玉を全て回収するまで行われ、獲得玉からパチンコ玉の貸し出しを行う場合、貸し出し数に対応するパチンコ玉を回収するまで行われる。また、玉揚送機構150によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構160によるパチンコ玉の待機導入部164側への振り分けは、誘導底板120に設けられたセンサ120aによるパチンコ玉の検出があるまで継続される。
【0081】
また、以上説明した第一及び第二の実施形態では、獲得玉数の増加に伴ってパチンコ玉を遊技者が視認可能に流下させる視認通路部を設けているが、これに限らず、視認通路部を設けない獲得玉数表示装置の構成としてもよい。以下、視認通路部を設けない獲得玉数表示装置を第三及び第四の実施形態として説明する。先ず、視認通路部を設けない第三実施形態の獲得玉数表示装置について、図20乃至図23を参照して説明する。図20は、第三実施形態における獲得玉数表示装置200を示す斜視断面図である。図21乃至図23は、それぞれ第三実施形態における獲得玉数表示装置200内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【0082】
図20及び図21に示すように、第三実施形態における獲得玉数表示装置200は、縦長立方体形状の玉流下通路部201と、該玉流下通路部201の前面上端に設けられた玉数表示部202と、該玉数表示部202の下方における玉流下通路部201の前面に所定間隔を置いて配置された3つの貯留演出表示部203〜205(演出表示部)と、各貯留演出表示部203〜205の上方にそれぞれ配置された3つの発光演出表示部207〜209(演出表示部)と、当該獲得玉数表示装置200の各種構成部材を制御する貯留演出表示制御手段としての図示しない制御装置(具体的には、CPU、ROM、RAMを有する制御基板からなる)と、獲得玉数表示装置200内で循環使用するパチンコ玉を待機貯留する待機貯留部240と、該待機貯留部240に貯留されたパチンコ玉及び後述の回収通路部を流下したパチンコ玉を揚送する玉揚送手段としての玉揚送機構250と、該玉揚送機構250によって揚送されたパチンコ玉を貯留演出表示部203〜205又は待機貯留部240のいずれかに振り分けて送り込む玉振分手段としての玉振分機構260と、を備えている。玉数表示部202は、遊技継続中に遊技者が獲得しているパチンコ玉の総数(具体的には、玉計数装置50によって計数されたパチンコ玉の総数から玉貸機2から貸し出されたパチンコ玉の総数を減算した数)を制御装置の制御に基づいて獲得玉数として数値で表示するようになっている。
【0083】
玉流下通路部201は、仕切壁210を介した前側通路211及び後側通路212の前後二層の通路形状に形成され、後側通路212の上端(玉数表示部202の配置箇所の真後ろ部分)には、遊技者がパチンコ玉を獲得した際に演出用のパチンコ玉を玉流下通路部201を通して貯留演出表示部203〜205側に導入するための視認導入部213が設けられている。仕切壁210には、前側通路211と後側通路212とを連通するための連通穴214が上下方向に亘って複数穿設されており、前側通路211の前面には、当該前側通路211と各貯留演出表示部203〜205とを連通するための連通穴215が上下方向に亘って複数穿設されている(なお、図21中には、前側通路211と貯留演出表示部205の上端とを連通する連通穴215のみに符号を付記する)。連通穴214は、各貯留演出表示部203〜205及び玉数表示部202の各下端とほぼ同一の高さ位置にそれぞれ穿設されている。連通穴215は、各貯留演出表示部203〜205の上端及び下端の高さ位置にそれぞれ穿設されている。
【0084】
なお、視認導入部213は、玉揚送機構250によって揚送されたパチンコ玉を貯留演出表示部203〜205側に振り分けて送り込む一方の玉振分部分を構成するものであり、玉計数装置50によって計数されたパチンコ玉の数値データが制御装置に送信されることに基づいて、該制御装置が数値データと対応する数(具体的には、数値データの1/10の数)のパチンコ玉を玉揚送機構250で揚送制御すると共に、当該玉数のパチンコ玉を玉振分機構260で視認導入部213側に振り分け制御することで、演出用のパチンコ玉を視認導入部213に送り込むようになっている。また、以下の説明では便宜的に、貯留演出表示部203下端の連通穴214を連通穴214aといい、貯留演出表示部204下端の連通穴214を連通穴214bといい、貯留演出表示部205下端の連通穴214を連通穴214cといい、玉数表示部202下端の連通穴214を連通穴214eという場合がある。
【0085】
各貯留演出表示部203〜205の上端及び下端の各連通穴215間に位置する前側通路211内には、当該位置でのパチンコ玉の流下を阻止する流下阻止板216が設けられている(なお、図21中には、貯留演出表示部205と対応する前側通路211内の流下阻止板216のみに符号を付記する)。一方、後側通路212の前後の内壁には、当該後側通路212を流下するパチンコ玉の勢いを弱めるための交流板217が交互に複数突設されている(なお、図21中には、後側通路212内壁の最上位に突設された交流板217のみに符号を付記する)。後側通路212における視認導入部213の真下位置には、視認導入部213から送り込まれたパチンコ玉を玉数表示部202下端の連通穴214を通して前側通路211に送り込むための送込板218が設けられている。また、後側通路212の後面下端には、貯留演出表示部203〜205に貯留されることなく余剰となったパチンコ玉を玉揚送機構250に送り込むための送込口219が穿設されており、後側通路212の下端には、最下位に位置する貯留演出表示部203下端の連通穴214から送り込まれたパチンコ玉及び後側通路212を流下し終えたパチンコ玉を送込口219に誘導する誘導底板220が設けられている。また、送込口219との境目部分となる誘導底板220には、該誘導底板220上を流下して送込口219に送り込まれたパチンコ玉を検出するためのセンサ220aが設けられており、このセンサ220aによるパチンコ玉の検出に基づいて、後述する玉揚送機構250によるパチンコ玉の揚送(駆動モータによる揚送スプロケット251の回転駆動)及び玉振分機構260によるパチンコ玉の振り分け(駆動モータによる振分スプロケット261の回転駆動)を制御するようになっている。
【0086】
後側通路212内には、各貯留演出表示部203〜205の下端の連通穴214を個々に開閉するために3つのシャッタ221が設けられている。シャッタ221は、上下方向へのスライド移動によって連通穴214を開閉するスライド板222を備えて、各貯留演出表示部203〜205下端の連通穴214の下方位置となる仕切壁210の後面に取り付けられている。シャッタ221の外周部分には、後側通路212を流下するパチンコ玉からシャッタ221を保護するための保護カバー223が設けられている。保護カバー223の外面は、後側通路212を流下するパチンコ玉と干渉しないように後側通路212の後面内壁と平行になる平坦面形状に形成されている。また、最下位に位置する貯留演出表示部203下端の連通穴214と対応するシャッタ221は、誘導底板220の下方に配置されるため、保護カバー223は設けられない。
【0087】
なお、以下の説明では便宜的に、貯留演出表示部203下端の連通穴214(214a)と対応するシャッタ221のスライド板222をスライド板222aといい、貯留演出表示部204下端の連通穴214(214b)と対応するシャッタ221のスライド板222をスライド板222bといい、貯留演出表示部205下端の連通穴214(214c)と対応するシャッタ221のスライド板222をスライド板222cという場合がある。
【0088】
ところで、前側通路211の前後方向における通路幅は、パチンコ玉の直径よりも若干大きめに設定されている。このため、前側通路211は、獲得玉数表示装置200の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路となっている。一方、後側通路212の前後方向における通路幅は、パチンコ玉の直径の2倍程度の大きさに設定されている。但し、後側通路212内に設けられた交流板217の先端面と該先端面に対向する後側通路212の内壁との間隔、及び保護カバー223の外面と該外面に対向する後側通路212の内壁との間隔は、それぞれパチンコ玉の直径よりも若干大きめに設定されている。このため、後側通路212においても、前側通路211と同様に、獲得玉数表示装置200の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路となっている。なお、前側通路211及び後側通路212の左右方向における通路幅は、それぞれパチンコ玉の直径の4倍程度の大きさに設定されており、これによって、前側通路211及び後側通路212は、獲得玉数表示装置200の左右方向で4個分のパチンコ玉を一度に流下し得る玉通路となっている。また、前側通路211及び後側通路212は、それぞれ貯留演出表示部203〜205に貯留されたパチンコ玉を回収する本発明に係る回収通路部を構成するようになっている。
【0089】
各貯留演出表示部203〜205は、それぞれ正面視で正方形状をなし且つ透明材料によって形成された透明カバー部材230と、該透明カバー部材230の内部であり且つ前側通路211の前面に取り付けられたほぼ立方体形状の内部突起部材231と、を備えている。透明カバー部材230と内部突起部材231との間には、パチンコ玉の直径よりも若干大きめの間隔となる空間232が設けられ、当該空間232がパチンコ玉を流下する通路を構成するようになっている。このため、各貯留演出表示部203〜205においても、前側通路211及び後側通路212と同様に、獲得玉数表示装置200の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路となっている。但し、図21中には、貯留演出表示部205の透明カバー部材230、内部突起部材231、及び空間232のみに符号を付記する。
【0090】
なお、内部突起部材231の上壁面は、連通穴215を通して前側通路211から送り込まれるパチンコ玉をスムーズに空間232内に誘導するために後方から前方に向けて若干下り傾斜して設けられ、内部突起部材231及び透明カバー部材230の各下壁面は、空間232内のパチンコ玉を連通穴215を通してスムーズに前側通路211に送り込むために前方から後方に向けて若干下り傾斜して設けられている。また、貯留演出表示部203〜205は、上記した3つのシャッタ221による各連通穴214の開閉に応じて、それぞれの空間232(貯留空間)内に視認導入部213から送り込まれたパチンコ玉を透明カバー部材230を透して外部から視認可能に貯留するようになっており、各貯留演出表示部203〜205毎に、空間232内にパチンコ玉が満杯に貯留された状態で1000個のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっている。但し、空間232内で満杯状態となる実際のパチンコ玉の総数は、設定上の満杯数(1000個)の1/10となる100個となっている。
【0091】
発光演出表示部207〜209は、それぞれ半円弧形状をなす4つの発光部材233を上下方向に並設して構成されており、制御装置の制御に基づいて各発光部材233の発光が制御されるようになっている。なお、発光演出表示部207〜209を構成する各発光部材233は、それぞれ点灯状態で1000個のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっており、点滅状態で1〜999個の範囲内のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっている。
【0092】
また、獲得玉数表示装置200には、前側通路211内の所定箇所でパチンコ玉の有無を検出するためのセンサ234が設けられている。センサ234は、連通穴214aの上側部分、スライド板222bを備えたシャッタ221の下側部分、スライド板222cを備えたシャッタ221の下側部分、貯留演出表示部205上端の連通穴215と対向する部分、の計4箇所に設置されている。
【0093】
待機貯留部240は、後側通路212の後面壁をなし且つ当該待機貯留部240の前面壁をなす仕切壁241と、該仕切壁241の裏面側に配置された後面壁242との間に形成された空間によって構成されており、仕切壁241の上端及び下端には、それぞれ待機貯留部240と後側通路212とを連通する連通穴243,244が穿設されている。上端側の連通穴243には、玉振分機構260が配置されている。一方、下端側の連通穴244は、待機貯留部240に待機貯留されたパチンコ玉を後側通路212の下側部分に送り込むための送込口を構成するようになっており、待機貯留部240の下端には、待機貯留部240内のパチンコ玉を送込口(連通穴244)に誘導する誘導底板245が設けられている。待機貯留部240の内壁(仕切壁241及び後面壁242)には、当該待機貯留部240を流下するパチンコ玉の勢いを弱めるための交流板246が交互に複数突設されている。また、待機貯留部240の連通穴244には、当該連通穴244を開閉するスライド板248を備えたシャッタ247が設けられている。なお、待機貯留部240内における玉振分機構260の配置部分、言い換えれば、連通穴243との対応部分には、玉振分機構260によって待機貯留部240側に振り分けられたパチンコ玉を待機貯留部240内に導入する待機導入部249が設けられている。
【0094】
玉揚送機構250は、待機貯留部240の下方であり且つ前述した送込口219と連通した空間内に設けられた揚送スプロケット251と、該揚送スプロケット251を一方向(図21に示す反時計方向)に回転駆動する図示しない駆動モータと、後面壁242の裏面側に設けられてパチンコ玉を玉振分機構260に誘導する揚送通路部252と、を備えている。揚送スプロケット251は、パチンコ玉1個を個々に受け入れ可能な玉受け凹部251aが全周に亘って形成されており、駆動モータの駆動に基づく玉受け凹部251aの回転によって、送込口219から送り込まれたパチンコ玉を1個ずつ押し上げるようになっている。また、揚送通路部252は、揚送スプロケット251によって押し上げられたパチンコ玉を1個ずつ整列して上方の玉振分機構260に送り込む通路形状に形成されている。
【0095】
玉振分機構260は、前述した連通穴243に配置された振分スプロケット261と、該振分スプロケット261を正逆両方向(図21に示す反時計方向及び時計方向)に回転駆動する図示しない駆動モータと、玉揚送機構250の揚送通路部252から送り込まれたパチンコ玉を上方から振分スプロケット261に誘導する誘導通路部262と、を備えている。振分スプロケット261は、パチンコ玉1個を個々に受け入れ可能な玉受け凹部261aが全周に亘って形成されている。そして、駆動モータの駆動に基づく振分スプロケット261の正方向(図21に示す反時計方向)の回転により、玉受け凹部261aのパチンコ玉を前述した視認導入部213から貯留演出表示部203〜205側に振り分けて送り込む一方、駆動モータの駆動に基づく振分スプロケット261の逆方向(図15に示す時計方向)の回転により、玉受け凹部261aのパチンコ玉を前述した待機導入部249から待機貯留部240側に振り分けて送り込むようになっている。
【0096】
しかして、第三実施形態の獲得玉数表示装置200では、制御装置による制御処理の初期状態、即ち、遊技者によるパチンコ玉の獲得がない状態で、図21に示すように、視認導入部213からのパチンコ玉の送り込みは行われない。言い換えれば、玉揚送機構250(揚送スプロケット251の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構260(振分スプロケット261の回転)によるパチンコ玉の振り分けは行われない。このとき、貯留演出表示部203〜205と対応するシャッタ221のスライド板222(82a〜82c)はそれぞれ進出方向にスライド移動され、貯留演出表示部203〜205下端の連通穴214(214a〜214c)は閉鎖状態にある。また、このとき、待機貯留部240に設けられたシャッタ247のスライド板248は進出方向にスライド移動されて、待機貯留部240下端の連通穴244は閉鎖状態にあり、待機貯留部240には、獲得玉数表示装置200内で循環使用する全てのパチンコ玉(厳密には、玉揚送機構250の揚送通路部252内に待機された一部のパチンコ玉を除く)が貯留された状態にある。
【0097】
そして、遊技者によるパチンコ玉の獲得があると、待機貯留部240に設けられたシャッタ247のスライド板248は退行方向にスライド移動されて、待機貯留部240下端の連通穴244が開放される。これにより、待機貯留部240内のパチンコ玉が連通穴244から誘導底板220上に排出され、送込口219から玉揚送機構250に送り込まれる。また、これに伴って、玉揚送機構250(揚送スプロケット251の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構260(振分スプロケット261の回転)によるパチンコ玉の視認導入部213側への振り分けが行われる。即ち、視認導入部213から獲得玉数のパチンコ玉が送り込まれる。これにより、視認導入部213から後側通路212内に送り込まれたパチンコ玉は、送込板218から連通穴214eを通って前側通路211に誘導された後、貯留演出表示部205上端の連通穴215から貯留演出表示部205の空間232内に送り込まれる。留演出表示部205の空間232内に送り込まれたパチンコ玉は、貯留演出表示部205下端の連通穴215を通って前側通路211に誘導されることで貯留演出表示部204の空間232内に送り込まれる。その後は、同様にして、貯留演出表示部204の空間232内、及び貯留演出表示部203の空間232内を順次流下する。
【0098】
即ち、視認導入部213から後側通路212内に送り込まれたパチンコ玉は、貯留演出表示部205の空間232内(貯留演出表示部205後方の前側通路211の部分を含む)、貯留演出表示部204の空間232内(貯留演出表示部204後方の前側通路211の部分を含む)、貯留演出表示部203の空間232内(貯留演出表示部203後方の前側通路211の部分を含む)、を順次流下する。そして、貯留演出表示部203下端の連通穴215を通って前側通路211に誘導されたパチンコ玉は、進出方向にスライド移動して連通穴214aを閉鎖するシャッタ221のスライド板222aによってその流下が阻止される。これにより、視認導入部213から送り込まれたパチンコ玉は、最下位の貯留演出表示部203の空間232内で貯留演出表示部203の透明カバー部材230を透して外部から視認可能に貯留される。なお、貯留演出表示部203〜205の空間232内には、それぞれ100個のパチンコ玉が満杯状態で貯留可能となっており、制御装置が数値データと対応する数(具体的には、数値データの1/10の数)のパチンコ玉を視認導入部213に供給制御することから、貯留演出表示部203の空間232内にパチンコ玉が満杯となったときには、1000個のパチンコ玉を獲得したことを遊技者に認識させる。
【0099】
そして、獲得玉数表示装置200は、獲得玉数が1〜15000個の範囲内となる場合には、前述した第一実施形態の獲得玉数表示装置10と同様に、獲得玉数に応じた貯留演出表示部203〜205のパチンコ玉の貯留表示及び発光演出表示部207〜209の発光表示によって、遊技者に獲得玉数を認識させる。その後、獲得玉数が15001個以上となる場合には、図22に示すように、玉揚送機構250(揚送スプロケット251の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構260(振分スプロケット261の回転)によるパチンコ玉の振り分けを停止し、15001個以上となる獲得玉数を玉数表示部202で表示することにより遊技者に獲得玉数を認識させる。
【0100】
また、遊技者が遊技を終了することで獲得玉数表示装置200を初期状態に戻す場合には、図23に示すように、各貯留演出表示部203〜205と対応するシャッタ221のスライド板222(222a〜222c)がそれぞれ退行方向にスライド移動され、各連通穴214a〜214cは開放状態となる。これにより、貯留演出表示部203〜205に貯留されたパチンコ玉が連通穴214a〜214cを通って誘導底板220に送り込まれ、該誘導底板220から送込口219を通って玉揚送機構250に送り込まれる。そして、玉揚送機構250に送り込まれたパチンコ玉は、玉揚送機構250(揚送スプロケット251の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構260(振分スプロケット261の回転)によるパチンコ玉の待機導入部249側への振り分けによって、待機貯留部240内に回収される。なお、このようなパチンコ玉の回収において、スライド板222a〜222cの退行移動、言い換えれば玉揚送機構250へのパチンコ玉の送り込みは、貯留演出表示部203〜205内のパチンコ玉を全て回収するまで行われる。また、玉揚送機構250によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構260によるパチンコ玉の待機導入部249側への振り分けは、誘導底板220に設けられたセンサ220aによるパチンコ玉の検出があるまで継続される。また、獲得玉からパチンコ玉の貸し出しを行う場合には、貯留演出表示部203と対応するシャッタ221のスライド板222(222a)だけが退行方向にスライド移動されて連通穴214aが開放状態となる。そして、玉揚送機構250にパチンコ玉を送り込むためのスライド板222aの退行移動は、貸し出し数に対応するパチンコ玉を回収するまで行われる。また、後側通路212下端の誘導底板220は、貯留演出表示部203〜205に貯留されたパチンコ玉を回収する本発明に係る回収通路部を構成するようになっている。
【0101】
次に、視認通路部を設けない第四実施形態の獲得玉数表示装置について、図24乃至図27を参照して説明する。図24は、第四実施形態における獲得玉数表示装置300を示す斜視断面図である。図25乃至図27は、それぞれ第四実施形態における獲得玉数表示装置300内でのパチンコ玉の流れを説明するための縦断面図である。
【0102】
図24及び図25に示すように、第四実施形態における獲得玉数表示装置300は、縦長立方体形状の玉流下通路部301と、該玉流下通路部301の前面上端に設けられた玉数表示部302と、該玉数表示部302の下方における玉流下通路部301の前面に所定間隔を置いて配置された3つの貯留演出表示部303〜305(演出表示部)と、当該獲得玉数表示装置300の各種構成部材を制御する貯留演出表示制御手段としての図示しない制御装置(具体的には、CPU、ROM、RAMを有する制御基板からなる)と、獲得玉数表示装置300内で循環使用するパチンコ玉を待機貯留する待機貯留部340と、該待機貯留部340に貯留されたパチンコ玉及び後述の回収通路部を流下したパチンコ玉を揚送する玉揚送手段としての玉揚送機構350と、該玉揚送機構350によって揚送されたパチンコ玉を貯留演出表示部303〜305又は待機貯留部340のいずれかに振り分けて送り込む玉振分手段としての玉振分機構360と、を備えている。玉数表示部302は、遊技継続中に遊技者が獲得しているパチンコ玉の総数(具体的には、玉計数装置50によって計数されたパチンコ玉の総数から玉貸機2から貸し出されたパチンコ玉の総数を減算した数)を制御装置の制御に基づいて獲得玉数として数値で表示するようになっている。
【0103】
玉流下通路部301の後面壁であり且つ待機貯留部340との仕切りとなる仕切壁310には、玉流下通路部301と待機貯留部340とを連通するための連通穴314が上下方向に亘って複数穿設されており、玉流下通路部301の前面には、当該玉流下通路部301と各貯留演出表示部303〜305とを連通するための連通穴315が上下方向に亘って複数穿設されている。連通穴314は、貯留演出表示部303及び玉数表示部302の各下端と同一の高さ位置にそれぞれ穿設されている。連通穴315は、各貯留演出表示部303〜305の上端及び下端の高さ位置にそれぞれ穿設されている。
【0104】
なお、玉数表示部302の下端と同一の高さ位置に穿設された連通穴314は、遊技者がパチンコ玉を獲得した際に演出用のパチンコ玉を玉振分機構360の視認導入部363から受け入れる玉受入口を構成するものである。視認導入部363は、玉揚送機構350によって揚送されたパチンコ玉を貯留演出表示部303〜305側に振り分けて送り込む一方の玉振分部分を構成するものであり、玉計数装置50によって計数されたパチンコ玉の数値データが制御装置に送信されることに基づいて、該制御装置が数値データと対応する数(具体的には、数値データの1/10の数)のパチンコ玉を玉揚送機構350で揚送制御すると共に、当該玉数のパチンコ玉を玉振分機構360で視認導入部363側に振り分け制御することで、演出用のパチンコ玉を視認導入部363に送り込むようになっている。なお、以下の説明では便宜的に、貯留演出表示部303下端の連通穴314を連通穴314aといい、玉数表示部302下端の連通穴314を連通穴314cという場合がある。
【0105】
各貯留演出表示部303〜305の上端及び下端の各連通穴315間に位置する玉流下通路部301内には、当該位置でのパチンコ玉の流下を阻止する流下阻止板316が設けられている。また、連通穴314aには、当該連通穴314aを開閉するためのシャッタ321が設けられており、シャッタ321は、上下方向へのスライド移動によって連通穴314aを開閉するスライド板322を備えている。
【0106】
ところで、玉流下通路部301の前後方向における通路幅は、パチンコ玉の直径よりも若干大きめに設定されている。このため、玉流下通路部301は、獲得玉数表示装置300の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路となっている。また、玉流下通路部301の左右方向における通路幅は、パチンコ玉の直径の4倍程度の大きさに設定されており、これによって、玉流下通路部301は、獲得玉数表示装置300の左右方向で4個分のパチンコ玉を一度に流下し得る玉通路となっている。
【0107】
各貯留演出表示部303〜305は、それぞれ透明材料によって形成された透明カバー部材330と、該透明カバー部材330の内部であり且つ玉流下通路部301の前面に取り付けられた内部突起部材331と、を備えている。透明カバー部材330と内部突起部材331との間には、パチンコ玉の直径よりも若干大きめの間隔となる空間332が設けられている。貯留演出表示部303〜305を構成する透明カバー部材330は、正面視で縦長の長方形状をなしている。そして、内部突起部材331の上側部分が当該貯留演出表示部303〜305後方の玉流下通路部301を含んで多量のパチンコ玉を貯留し得る空間に形成され、内部突起部材331の下側部分が獲得玉数表示装置300の前後方向で1個分のパチンコ玉を流下し得る玉通路の形成空間となっている。
【0108】
なお、内部突起部材331の上壁面は、連通穴315を通して前側通路111から送り込まれるパチンコ玉をスムーズに空間332内に誘導するために後方から前方に向けて若干下り傾斜して設けられ、内部突起部材331及び透明カバー部材330の各下壁面は、空間332内のパチンコ玉を連通穴315を通してスムーズに玉流下通路部301に送り込むために前方から後方に向けて若干下り傾斜して設けられている。また、貯留演出表示部303〜305は、上記したシャッタ321による連通穴314aの開閉に応じて、それぞれの空間332(貯留空間)内に視認導入部363から送り込まれたパチンコ玉を透明カバー部材330を透して外部から視認可能に貯留するようになっており、各貯留演出表示部303〜305毎に、空間332内にパチンコ玉が満杯に貯留された状態で5000個のパチンコ玉が獲得されていることを示すようになっている。但し、空間332内で満杯状態となる実際のパチンコ玉の総数は、設定上の満杯数(5000個)の1/10となる500個となっている。
【0109】
待機貯留部340は、前述した玉流下通路部301の後面壁をなす仕切壁310と、該仕切壁310の裏面側に配置された後面壁342との間に形成された空間によって構成されている。待機貯留部340の内壁(仕切壁310及び後面壁342)には、当該待機貯留部340を流下するパチンコ玉の勢いを弱めるための交流板346が交互に複数突設されている。また、待機貯留部340の上側には、玉振分機構360の視認導入部363に振り分けられたパチンコ玉を貯留演出表示部303〜305側となる連通穴314cに誘導するための視認誘導板343と、玉振分機構360の待機導入部364に振り分けられたパチンコ玉を待機貯留部340内に誘導するための待機誘導板344と、が設けられている。一方、待機貯留部340の下側には、当該待機貯留部340からパチンコ玉を下方に排出するための排出口341が設けられ、この排出口341には、当該排出口341を開閉するスライド板348を備えたシャッタ347が設けられている。なお、待機貯留部340の排出口341から下方に排出されたパチンコ玉は、待機貯留部340の下方空間に配置される後述の玉揚送機構350の揚送スプロケット351に送り込まれるようになっている。また、待機貯留部340の下方には、排出口341から排出されたパチンコ玉を玉揚送機構350に誘導するための誘導底板320が設けられており、誘導底板320には、該誘導底板80上を流下して玉揚送機構350に送り込まれたパチンコ玉を検出するためのセンサ320aが設けられている。そして、このセンサ320aによるパチンコ玉の検出に基づいて、玉揚送機構350によるパチンコ玉の揚送(駆動モータによる揚送スプロケット351の回転駆動)及び玉振分機構360によるパチンコ玉の振り分け(駆動モータによる振分スプロケット361の回転駆動)を制御するようになっている。
【0110】
玉揚送機構350は、待機貯留部340の下方であり且つ前述した連通114aと連通した空間内に設けられた揚送スプロケット351と、該揚送スプロケット351を一方向(図20に示す反時計方向)に回転駆動する図示しない駆動モータと、後面壁342の裏面側に設けられてパチンコ玉を玉振分機構360に誘導する揚送通路部352と、を備えている。揚送スプロケット351は、パチンコ玉1個を個々に受け入れ可能な玉受け凹部351aが全周に亘って形成されており、駆動モータの駆動に基づく玉受け凹部351aの回転によって、待機貯留部340の排出口341から排出されたパチンコ玉及び連通114aから送り込まれたパチンコ玉を1個ずつ押し上げるようになっている。また、揚送通路部352は、揚送スプロケット351によって押し上げられたパチンコ玉を1個ずつ整列して上方の玉振分機構360に送り込む通路形状に形成されている。
【0111】
玉振分機構360は、待機貯留部340の上側空間に配置された振分スプロケット361と、該振分スプロケット361を正逆両方向(図20に示す反時計方向及び時計方向)に回転駆動する図示しない駆動モータと、玉揚送機構350の揚送通路部352から送り込まれたパチンコ玉を上方から振分スプロケット361に誘導する誘導通路部362と、振分スプロケット361によって振り分けられたパチンコ玉を貯留演出表示部303〜305側に誘導する視認導入部363と、振分スプロケット361によって振り分けられたパチンコ玉を待機貯留部340内に誘導する待機導入部364と、を備えている。振分スプロケット361は、パチンコ玉1個を個々に受け入れ可能な玉受け凹部361aが全周に亘って形成されている。そして、駆動モータの駆動に基づく振分スプロケット361の正方向(図20に示す反時計方向)の回転により、玉受け凹部361aのパチンコ玉を視認導入部363から貯留演出表示部303〜305側に振り分けて送り込む一方、駆動モータの駆動に基づく振分スプロケット361の逆方向(図25に示す時計方向)の回転により、玉受け凹部361aのパチンコ玉を待機導入部364から待機貯留部340側に振り分けて送り込むようになっている。
【0112】
しかして、第四実施形態の獲得玉数表示装置300では、制御装置による制御処理の初期状態、即ち、遊技者によるパチンコ玉の獲得がない状態で、図25に示すように、視認導入部363からのパチンコ玉の送り込みは行われない。言い換えれば、玉揚送機構350(揚送スプロケット351の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構360(振分スプロケット361の回転)によるパチンコ玉の振り分けは行われない。このとき、連通穴314aに設けられたシャッタ321のスライド板322は進出方向にスライド移動され、連通穴314aは閉鎖状態にある。また、このとき、待機貯留部340に設けられたシャッタ347のスライド板348は進出方向にスライド移動されて、待機貯留部340下端の排出口341は閉鎖状態にあり、待機貯留部340には、獲得玉数表示装置300内で循環使用する全てのパチンコ玉(厳密には、玉揚送機構350の揚送通路部352内に待機された一部のパチンコ玉を除く)が貯留された状態にある。
【0113】
そして、遊技者によるパチンコ玉の獲得があると、待機貯留部340に設けられたシャッタ347のスライド板348は退行方向にスライド移動されて、待機貯留部340下端の排出口341が開放される。これにより、待機貯留部340内のパチンコ玉が排出口341から誘導底板320上に排出されて玉揚送機構350に送り込まれる。また、これに伴って、玉揚送機構350(揚送スプロケット351の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構360(振分スプロケット361の回転)によるパチンコ玉の視認導入部363側への振り分けが行われる。即ち、視認導入部363から獲得玉数のパチンコ玉が送り込まれる。これにより、視認導入部363から送り込まれたパチンコ玉は、視認誘導板343から連通穴314cを通って玉流下通路部301に誘導された後、貯留演出表示部305の空間332内に送り込まれる。貯留演出表示部305内に送り込まれたパチンコ玉は、貯留演出表示部305と対応する流下阻止板316の上壁面に落ちた後、貯留演出表示部305下端の連通穴315を通って玉流下通路部301に誘導されることで貯留演出表示部304の空間332内に送り込まれる。その後は、同様にして、貯留演出表示部304の空間332内、及び貯留演出表示部303の空間332内を順次流下する。
【0114】
即ち、視認導入部363から玉流下通路部301内に送り込まれたパチンコ玉は、貯留演出表示部305の空間332内(貯留演出表示部305後方の玉流下通路部301の部分を含む)、貯留演出表示部304の空間332内(貯留演出表示部304後方の玉流下通路部301の部分を含む)、貯留演出表示部303の空間332内(貯留演出表示部303後方の玉流下通路部301の部分を含む)、を順次流下する。そして、貯留演出表示部303下端の連通穴315を通って玉流下通路部301に誘導されたパチンコ玉は、進出方向にスライド移動して連通穴314aを閉鎖するシャッタ321のスライド板322によってその流下が阻止される。これにより、視認導入部363から送り込まれたパチンコ玉は、最下位の貯留演出表示部303の空間332内で貯留演出表示部303の透明カバー部材330を透して外部から視認可能に貯留される。なお、貯留演出表示部303〜305の空間332内には、それぞれ500個のパチンコ玉が満杯状態で貯留可能となっており、制御装置が数値データと対応する数(具体的には、数値データの1/10の数)のパチンコ玉を視認導入部363に供給制御することから、貯留演出表示部303の空間332内にパチンコ玉が満杯となったときには、5000個のパチンコ玉を獲得したことを遊技者に認識させる。
【0115】
そして、獲得玉数表示装置300は、獲得玉数が1〜15000個の範囲内となる場合には、前述した第二実施形態の獲得玉数表示装置100と同様に、獲得玉数に応じた貯留演出表示部303〜305のパチンコ玉の貯留表示によって、遊技者に獲得玉数を認識させる。その後、獲得玉数が15001個以上となる場合には、図26に示すように、玉揚送機構350(揚送スプロケット351の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構360(振分スプロケット361の回転)によるパチンコ玉の振り分けを停止し、15001個以上となる獲得玉数を玉数表示部302で表示することにより遊技者に獲得玉数を認識させる。
【0116】
また、遊技者が遊技を終了することで獲得玉数表示装置300を初期状態に戻す場合、あるいは、玉貸機2によって獲得玉からパチンコ玉の貸し出しを行う場合には、図27に示すように、シャッタ321のスライド板322が退行方向にスライド移動され、連通穴314aは開放状態となる。これにより、貯留演出表示部303に貯留されたパチンコ玉が連通穴314aを通って誘導底板320に送り込まれ、該誘導底板320から玉揚送機構350に送り込まれる。そして、玉揚送機構350に送り込まれたパチンコ玉は、玉揚送機構350(揚送スプロケット351の回転)によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構360(振分スプロケット361の回転)によるパチンコ玉の待機導入部364側への振り分けによって、待機貯留部340内に回収される。なお、このようなパチンコ玉の回収において、スライド板322の進退移動、言い換えれば、貯留演出表示部303から玉揚送機構350へのパチンコ玉の送り込みは、獲得玉数表示装置300を初期状態に戻す場合、貯留演出表示部303〜305内のパチンコ玉を全て回収するまで行われ、獲得玉からパチンコ玉の貸し出しを行う場合、貸し出し数に対応するパチンコ玉を回収するまで行われる。また、玉揚送機構350によるパチンコ玉の揚送、及び玉振分機構360によるパチンコ玉の待機導入部364側への振り分けは、誘導底板320に設けられたセンサ320aによるパチンコ玉の検出があるまで継続される。また、誘導底板320は、貯留演出表示部303〜305に貯留されたパチンコ玉を回収する本発明に係る回収通路部を構成するようになっている。
【0117】
以上のように、本実施形態の構成によれば、遊技継続中に遊技者が獲得しているパチンコ玉の総数を獲得玉数として玉数表示部12に数値で表示することにより、遊技者に対して獲得玉数を正確に認識させることができる。また、遊技機における遊技で遊技者がパチンコ玉を獲得することに伴って獲得玉数表示装置10内で使用するパチンコ玉を玉振分機構60で貯留演出表示部13〜15に送り込み、貯留演出表示部13〜15で遊技者が視認可能に貯留することで、獲得したパチンコ玉を積み上げていくことによる達成感や優越感をリアルに遊技者に与えた上で遊技継続中の獲得玉数を遊技者に認識させることができる。また、このような構成において、獲得玉数表示装置10内で使用するパチンコ玉を待機貯留する待機貯留部50と、貯留演出表示部13〜15に貯留されたパチンコ玉を回収する回収通路部(前側通路21及び後側通路22からなる通路部分T1〜T3)と、該回収通路部を流下したパチンコ玉及び待機貯留部50に貯留されたパチンコ玉を揚送する玉揚送機構60と、該玉揚送機構60によって揚送されたパチンコ玉を貯留演出表示部13〜15と待機貯留部50とのいずれかに振り分けて送り込む玉振分機構70と、を設けることで、獲得玉数表示装置10内でパチンコ玉を循環使用するようになっている。このため、獲得玉数表示装置10で使用するパチンコ玉を遊技島台1全体で循環使用する必要がなくなるので、遊技島台1内にパチンコ玉の補給・回収用の通路を別途設けることなく、また、遊技島台1に設置される玉貯留タンクや玉揚送装置等の各種構成部材の大型化を回避することができる。
【0118】
また、複数の貯留演出表示部13〜15を、それぞれパチンコ玉の流下方向に沿って上下方向に列設すると共に、各貯留演出表示部13〜15間に各々を連通する連通通路部(前側通路21)を設け、玉振分機構70により貯留演出表示部13〜15に振り分けられたパチンコ玉を、最上位に位置する貯留演出表示部15から最下位に位置する貯留演出表示部13に向けて送り込む構成とする。これにより、複数の貯留演出表示部13〜15に対して、自然落下によりスムーズにパチンコ玉を送り込むことができる。また、獲得玉数表示装置10を縦長形状の構成とすることができるので、遊技島台1に列設される各遊技機間となる狭いスペースに獲得玉数表示装置10を配置することができる。
【0119】
また、前面側を視認可能に被覆する透明カバー部材40と、該透明カバー部材40の内部に配置される内部突起部材41とによって貯留演出表示部13〜15を構成して、内部突起部材41と透明カバー部材40との間の空間42にパチンコ玉が満杯に貯留されたときに、遊技者に対して所定数のパチンコ玉で埋まったように見せる。これにより、所定数のパチンコ玉を獲得していることを認識させる貯留演出表示部の構成において、所定数よりも少ないパチンコ玉が満杯に貯留された状態でも、見た目上では貯留演出表示部に所定数のパチンコ玉が貯留されているように見せることができる。
【0120】
また、遊技者が獲得しているパチンコ玉からのパチンコ玉の貸し出しを可能にする玉貸機2を設けて、該玉貸機2によるパチンコ玉の貸し出しが行われた場合には、遊技者が獲得したパチンコ玉の総数から玉貸機2で貸し出されたパチンコ玉の総数を減算した数を獲得玉数として獲得玉数表示装置10で表示する。これにより、遊技者が獲得したパチンコ玉からのパチンコ玉の貸し出しを可能にすることで、遊技の利便性を高めることができ、然も、パチンコ玉の獲得あるいは貸し出しに応じてトータルとしての獲得玉数を遊技者に認識させることができる。
【0121】
なお、上記した実施形態では、遊技機における遊技において遊技者が獲得したパチンコ玉を玉計数装置に送り込み、該玉計数装置によるパチンコ玉の計数値に基づいて獲得玉数表示装置での玉数表示を制御する構成としているが、この構成に限定するものではなく、遊技機内でパチンコ玉を循環使用する封入式遊技機に本発明に係る獲得玉数表示装置を適用してもよい。この場合では、封入式遊技機に設けられる入賞装置へのパチンコ玉の入賞に伴って賞球信号を出力し、該賞球信号に基づいて獲得玉数表示装置での玉数表示を制御する構成となる。
【符号の説明】
【0122】
1 遊技島台
2 玉貸機
4 上部島枠
5 下部島枠
9 外枠
10 獲得玉数表示装置
11 玉流下通路部
12 玉数表示部
13〜15 貯留演出表示部(演出表示部)
16 視認通路部
17〜19 発光演出表示部(演出表示部)
21 前側通路(回収通路部)
22 後側通路(回収通路部)
50 待機貯留部
60 玉揚送機構(玉揚送手段)
70 玉振分機構(玉振分手段)
80 玉計数装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技島台に列設される遊技機における遊技において遊技者が獲得したパチンコ玉の総数を獲得玉数として表示する獲得玉数表示装置であって、
前記獲得玉数表示装置は、
前記獲得玉数を数値で表示する玉数表示部と、
当該獲得玉数表示装置内で循環使用するパチンコ玉を待機貯留する待機貯留部と、
該待機貯留部から移動されたパチンコ玉を貯留することによって所定数のパチンコ玉を獲得していることを遊技者に認識させる複数の貯留演出表示部と、
該貯留演出表示部に貯留されたパチンコ玉を回収する回収通路部と、
該回収通路部を流下したパチンコ玉及び前記待機貯留部に貯留されたパチンコ玉を揚送する玉揚送手段と、
該玉揚送手段によって揚送されたパチンコ玉を前記貯留演出表示部と前記待機貯留部とのいずれかに振り分けて送り込む玉振分手段と、
前記複数の貯留演出表示部に対してパチンコ玉の貯留が可能な状態とパチンコ玉の貯留が不可能な状態との間で移行制御すると共に、前記獲得玉数の増減に伴って前記玉揚送手段によるパチンコ玉の揚送及び前記玉振分手段によるパチンコ玉の振り分けを制御することで、前記複数の貯留演出表示部による前記獲得玉数の表示を制御する貯留演出表示制御手段と、を備え、
前記貯留演出表示制御手段は、
前記獲得玉数が増加したときは、前記複数の貯留演出表示部においてパチンコ玉の貯留が可能な状態に移行制御して前記待機貯留部に貯留されたパチンコ玉を前記玉揚送装置で揚送制御すると共に前記玉振分手段をパチンコ玉が前記貯留演出表示部に送り込まれる状態に制御してパチンコ玉を前記貯留演出表示部に送り込む一方、
前記獲得玉数が減少したときは、前記複数の貯留演出表示部においてパチンコ玉の貯留が不可能な状態に移行制御して前記貯留演出表示部に貯留されたパチンコ玉を前記回収通路部を介して流下させた後に前記玉揚送装置で揚送制御すると共に前記玉振分手段をパチンコ玉が前記待機貯留部に送り込まれる状態に制御してパチンコ玉を前記待機貯留部に送り込むようにしたことを特徴とする獲得玉数表示装置。
【請求項2】
前記複数の貯留演出表示部は、それぞれパチンコ玉の流下方向に沿って上下方向に列設されると共に、前記上下方向に列設される各貯留演出表示部間には、各々を連通する連通通路部が設けられ、
前記玉振分手段により前記貯留演出表示部に振り分けられたパチンコ玉は、前記複数の貯留演出表示部の各内部空間及び前記連通通路部を流下することで、前記複数の貯留演出表示部のうち最上位に位置する貯留演出表示部から最下位に位置する貯留演出表示部に向けて送り込まれることを特徴とする請求項1記載の獲得玉数表示装置。
【請求項3】
前記複数の貯留演出表示部のそれぞれは、当該貯留演出表示部の前面側を視認可能に被覆する透明カバー部材と、該透明カバー部材の内部に配置される内部突起部材と、を備えると共に、該内部突起部材と前記透明カバー部材との間には、パチンコ玉の直径よりも若干大きめの間隔となってパチンコ玉を貯留し得る貯留空間が設けられ、当該貯留空間にパチンコ玉が満杯に貯留されたときに、遊技者に対して前記所定数のパチンコ玉で埋まったように見せる底上げ構造に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の獲得玉数表示装置。
【請求項4】
前記獲得玉数表示装置は、
当該獲得玉数表示装置と対応して設けられると共に遊技者が獲得しているパチンコ玉からのパチンコ玉の貸し出しを可能にする玉貸機においてパチンコ玉の貸し出しが行われた場合、遊技者が獲得したパチンコ玉の総数から前記玉貸機で貸し出されたパチンコ玉の総数を減算した数を前記獲得玉数として表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の獲得玉数表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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