説明

玉検出器の取付部材

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ玉が流下する玉通路に臨んで設けられる玉検出器の取付部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パチンコ玉が整列して流下する玉通路に臨んで設けられる玉検出器の取付構造としては、玉通路自体に検出器を取り付ける取付部を予め形成しておくか、あるいは玉検出器を取り付けるための取付部材を特別に用意して、それを使用して玉通路に玉検出器が臨むように取り付けていた。また、玉検出器が臨設される玉通路も1つの通路だけでなく、複数条の通路が前後方向に重複して形成されたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した取付構造のうち、玉検出器を取り付けるための取付部材を使用する場合には、玉通路の数に応じて形成される取付部材を複数種類用意し、その取付工程において、玉通路の数に応じた取付部材を選択して玉検出器と組合せて取り付けるようにしていた。このため、取付部材を複数種類作成しなければならず不経済であると共に、その取付工程での部品管理が大変面倒であるという問題があった。本発明は、上記した問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、玉通路の数に関係なく1つの部材で任意の数の玉検出器を取り付けることができる取付部材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、本発明においては、パチンコ玉が流下する玉通路に臨んで設けられる玉検出器の取付部材であって、該取付部材は、複数の玉検出器を重複して収納可能な枠部材と、該枠部材の収納空間に向かって突設されると共に折曲除去可能な押え部材と、からなり、該押え部材は、前記収納空間に収納される玉検出器の数に応じて折曲除去するように形成されていることを特徴とするものである。
【0005】
【作用】枠部材に収納される玉検出器が1個の場合には、そのまま収納空間に玉検出器をセットすることにより、押え部材によってその玉検出器の側面が支えられて収納され、枠部材を所定の位置に取り付ける。また、枠部材に収納される玉検出器が2個の場合には、押え部材を折曲除去して2つの玉検出器を重複して収納空間にセットすることにより、押え部材によってその2個目の玉検出器の側面が支えられて収納され、枠部材を所定の位置に取り付ける。以下、同様に玉検出器の数に応じて押え部材を順次折曲除去することにより、複数の玉検出器を重複して収納することができる。したがって、本発明においては、玉通路の数に関係なく1つの部材で任意の数の玉検出器を取り付けることができるので、経済的であると共に、その取付工程での部品管理が容易となる。
【0006】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。図5及び図6を参照して実施例に係る玉検出器の取付部材が応用される弾球遊技機の一例としてのパチンコ遊技機1の裏面に配置される機構板2の構成について説明する。まず、機構板2の全体の構成について説明し、その後、本実施例の要部である玉検出器90a,90bが使用されている入賞玉処理装置50と、該入賞玉処理装置50に関連する景品玉払出装置30とについて詳細に説明する。
【0007】機構板全体の構成機構板2は、パチンコ遊技機1の遊技盤に設けられた入賞口からの入賞玉を処理して、その入賞玉に対応する所定個数の景品玉を排出するための各種の機構が設けられるものである。しかして、機構板2は、合成樹脂で成型されたほぼ方形板状の機構板本体に各種の機構を組み付けて構成される。しかして、機構板2のほぼ中央には、窓開口3が開設され、この窓開口3の下方位置に第1の入賞玉集合樋4aと第2の入賞玉集合樋4bが形成されている。第1の入賞玉集合樋4aは、相対的に多い景品玉数(例えば、15個)を排出することができる入賞玉が誘導されるもので、機構板2の前面側に形成される。また、第2の入賞玉集合樋4bは、相対的に少ない景品玉数(例えば、7個)を排出することができる入賞玉を誘導するものである。なお、第2の入賞玉集合樋4bは、窓開口3の下縁に沿って機構板2の後面側に形成されるものである。第1の入賞玉集合樋4a及び第2の入賞玉集合樋4bに誘導された入賞玉は、後述する入賞玉処理装置50に導かれるようになっている。
【0008】機構板2の後面側には、パチンコ遊技機設置台の図示しない補給機構から補給される景品玉を遊技者に払い出すための各種の機構が設けられている。これらの機構について、以下説明すると、機構板2の上部には、景品玉タンク5が固定されている。この景品玉タンク5には、上記した補給機構から多量の景品玉が補給されるようになっている。景品玉タンク5の下方には、景品玉を整列させるための景品玉誘導樋6が設けられている。この景品玉誘導樋6は、景品玉が3列に整列して自然流下するように傾斜して取り付けられる。このように景品玉誘導樋6を景品玉が3列になって流下するように構成したのは、前記したように2種類の景品玉数を払い出すように構成したためである。
【0009】また、景品玉誘導樋6の上流側の底面には、景品玉量感知板7が揺動自在に軸支されている。しかして、景品玉量感知板7上に景品玉が載置されて充満しているときは、図示しない重錘及び付勢スプリングの付勢力に抗して景品玉量感知板7の上端が押し下げられた状態となっており、一方、景品玉量感知板7上に景品玉が欠乏して載置されなくなったときは、重錘及び付勢スプリングの付勢力により景品玉量感知板7の上端が跳ね上がった状態となる。そして、景品玉量感知板7が跳ね上がったときには、その下部に配置された作動検出スイッチ8が動作され、図示しない玉切れ報知ランプを点灯してその旨を報知するとともに、遊技場に設置してある管理コンピュータに信号を送り、上記図示しない補給機構を動作させて景品玉タンク5に所定個数の景品玉を補給する。
【0010】景品玉誘導樋6の下流側には、3列の通路を構成すべく区画された屈曲樋9が接続されるように取り付けられている。この屈曲樋9は、景品玉誘導樋6を流下してきた景品玉の流下方向を180度転換させるとともに、連続して流下している景品玉の玉圧を弱めるためにある。屈曲樋9の屈曲部には、玉抜き装置12が設けられ、閉店後に操作することにより、景品玉タンク5及び景品玉誘導樋6に貯留されていた景品玉を玉抜き通路13に排出してパチンコ遊技機1外へ誘導するようになっている。
【0011】また、屈曲樋9の屈曲部より下流側のほぼ下り傾斜通路部分には、それぞれの通路に対応して玉欠乏検知板10a〜10cが揺動自在に設けられている。この玉欠乏検知板10a〜10cは、屈曲樋9内に景品玉があるときは、上端が景品玉に押圧されて下端を外側に跳ねあげた状態を維持し、逆に屈曲樋9内に景品玉がなくなると、自重により上端が上方向に回動して下端がほぼ垂直方向に垂れ下がるような状態となる。そして、このような垂れ下がった状態のときに、後述する上下摺動部材39a,39bが上昇すると、上下摺動部材39a,39bの上端に形成された係合部40a,40bが下端の係止部11a〜11cと係合して上下摺動部材39a,39bを上昇した位置で保持するように作用し、最終的に景品玉の払い出しが行われなくなるようにしている。また、屈曲樋9の下流部には、ほぼ垂直状に形成され、その末端には、段差部が形成されている。この段差部は、後述する景品玉払出装置30の上部玉ストッパー36a,36bがスムーズに動作するように玉圧を弱めるように作用しているものである。
【0012】屈曲樋9の下流側には、景品玉払出装置30が接続されている。景品玉払出装置30は、所定個数の景品玉を受け入れて、その所定個数の景品玉を入賞玉処理装置50の動作に連動して払い出すものである。景品玉払出装置30及び入賞玉処理装置50については、後に詳述する。
【0013】景品玉払出装置30から払出された景品玉は、景品玉排出通路14に排出される。この景品玉排出通路14の下端には、上皿連通口15が開設され、この上皿連通口15がパチンコ遊技機1の前面に設けられる打球供給皿(図示しない)に連通している。また、上皿連通口15の反対側(機構板2の手前側)には、溢れ出口16が形成され、該溢れ出口16に余剰玉通路18と連絡するための連絡樋17が臨み、打球供給皿に景品玉が満杯となって溢れ出口16から溢れた余剰の景品玉が連絡樋17を流下して機構板2の下部中央に形成された余剰玉通路18に導かれるようになっている。なお、余剰玉通路18は、その下端がパチンコ遊技機1の前面枠の裏面に取付られる接続樋19に接続され、余剰の景品玉をパチンコ遊技機1の前面に設けられる余剰玉受皿(図示しない)に誘導するようになっている。
【0014】ところで、上皿連通口15と溢れ出口16とは、図6に示すようにそれぞれ反対側に位置すると共に溢れ出口16の開口縁が長いため、景品玉で上皿連通口15が詰まって満杯となったときでも、景品玉の溢れ出し状態がスムーズに行われるばかりでなく、溢れ出口16部分での玉詰まり現象が起こることがない。なお、連絡樋17と前記玉抜き通路13と余剰玉通路18とによって囲まれる領域に、本実施例の要部を構成する入賞玉処理装置50が取り付けられる取付開口25が形成されている。
【0015】また、余剰玉通路18の一側側壁には、景品玉充満検知板20が上端を中心にして揺動自在に設けられている。しかして、景品玉充満検知板20は、景品玉によって余剰玉通路18内が満杯になったときに該景品玉に押圧されて揺動し、景品玉充満検知板20に連結されたスライド線材が移動して打球供給装置の動作を固定して打玉を打球発射位置に供給しないようしている。また、景品玉充満検知板20の対向する位置に充満検知スイッチ21が設けられている。そして、景品玉充満検知板20が揺動されたときに充満検知スイッチ21がOFFとなり、入賞玉処理装置50の後述する駆動モータ78の回転を停止させるようになっている。したがって、景品玉充満検知板20が動作したときには、打球の弾発ができなくなると共に、景品玉の払出も行われなくなる。なお、景品玉排出通路14の途中、及び余剰玉通路18の上部には、流下する景品玉が衝突して音を発生するベル22、23が設けられている。上記した構成以外に機構板2には、アウトとなった玉を誘導するアウト玉誘導樋24が設けられている。
【0016】景品玉払出装置次に、所定個数の景品玉を排出する景品玉払出装置30について図6を参照して説明する。景品玉払出装置30は、景品玉収容筒35a〜35cが形成され且つ上部玉ストッパー36a,36bが設けられた上部収容筒体31と景品玉収容筒35a〜35cが形成され且つ下部玉ストッパー37a,37bが設けられた下部収容筒体32との2つに分割されており、上部収容筒体31の背面には、上部玉ストッパー36a,36b及び下部玉ストッパー37a,37bを開閉駆動するように係合する上下摺動部材39a,39bが設けられている。
【0017】上部収容筒体31は、機構板2に対してビス33によって止着されるようになっているのに対して、下部収容筒体32は、機構板2に対して固定爪34によって着脱自在に取り付けられるようになっている。これは、後述するように下部玉ストッパー37a,37bが設けられる下部収容筒体32だけを交換することにより、景品玉払出装置30全体の景品玉の払出数を変化させるためである。
【0018】しかして、上部収容筒体31及び下部収容筒体32が機構板2に取り付けられた状態では、所定個数の景品玉を収容する景品玉収容筒35a〜35cが形成される。この景品玉収容筒35a〜35cは、3列に形成された前記屈曲樋9に連続するもので、そのうち2列の景品玉収容筒35a,35bに上部玉ストッパー36aと下部玉ストッパー37aが対応し、1列の景品玉収容筒35cに上部玉ストッパー36bと下部玉ストッパー37bとが対応している。
【0019】ところで、下部玉ストッパー37a,37bには、景品玉収容筒35a〜35c内に出没し得るストッパー部38a〜38cが突設されている。また、3つのストッパー部のうち2つのストッパー部38a,38bは、下部玉ストッパー37aに突設されるとともに、景品玉収容筒35a,35bの出口を開閉するように作用し、他の1つのストッパー部38cは、下部玉ストッパー37bに突設されると共に、景品玉収容筒35cの出口を開閉するように作用する。なお、ストッパー部38a〜38cが突設される位置は、例えば、ストッパー部38aが景品玉収容筒35a内に8個の景品玉が収容されるような位置であり、ストッパー部38b,38cが景品玉収容筒35b,35c内に7個の景品玉が収容されるような位置である。このように下部玉ストッパー37a,37bのストッパー部38a〜38cの突設される位置の異なる種類のものと交換することによって簡単に景品玉の払出数を変えることができるので、下部玉ストッパー37a,37bが設けられる下部収容筒体32だけを交換すれば、景品玉払出装置30全体の景品玉の払出数を変化させることができる。
【0020】上記した上部玉ストッパー36a,36b及び下部玉ストッパー37a,37bの開閉を制御する上下摺動部材39a,39bは、その上端に前記係止部11a〜11cと係合する係合部40a,40bが形成され、その途中に前記上部玉ストッパー36a,36bと係脱する当接凹部41a,41bが形成され、その下部に前記下部玉ストッパー37a,37bと係脱する当接凸部42a,42bが形成されている。更に、上下摺動部材39a,39bの後端下部には、連動杆43a,43bの上端が連結されている。この連動杆43a,43bは、後述する入賞玉処理装置50に連結されている。
【0021】上記した構成を有する景品玉払出装置30の作用について以下説明する。上下摺動部材39a,39bが下降位置にあるときは、下部玉ストッパー37a,37bの上端部と当接凸部42a,42bとが当接しているので、ストッパー部38a〜38cが景品玉収容筒35a〜35c内に侵入した状態を保持する。このとき上部玉ストッパー36a,36bにおいては、上部玉ストッパー36a,36bの後端と当接凹部41a,41bの上端部とが当接して、上部玉ストッパー36a,36bの先端を景品玉収容筒35a〜35cの入口から後退した位置で保持している。したがって、景品玉は、前記屈曲樋9から景品玉収容筒35a〜35c内に流れ込み、下部玉ストッパー37a,37bのストッパー部38a〜38cで係止された第1の状態となっている。
【0022】一方、上下摺動部材39a,39bが上昇した位置にあるときは、当接凸部42a,42bと下部玉ストッパー37a,37bの上端部とが当接しなくなるので、下部玉ストッパー37a,37bは、回動可能なフリーな状態となる。下部玉ストッパー37a,37bがフリーな状態になると、景品玉収容筒35a〜35c内に収容されていた景品玉の玉圧によりストッパー部38a〜38cが押圧されて回動し、景品玉収容筒35a〜35c内に収容されていた景品玉が前記景品玉排出通路14に払出される。このとき、上部玉ストッパー36a,36bは、その自重によって景品玉収容筒35a〜35cの入口を閉成し、当接凹部41a,41bの下端部と上部玉ストッパー36a,36bの後端とが係合して上部玉ストッパー36a,36bの先端を景品玉収容筒35a〜35cの入口内に侵入させた位置で保持している。そのため、景品玉は、景品玉収容筒35a〜35cの入口の直前で停止された第2の状態となっている。
【0023】このように、景品玉払出装置30は、上部玉ストッパー36a,36bと下部玉ストッパー37a,37bとを交互に開閉させることにより、景品玉を景品玉収容筒35a〜35c内へ供給する第1の状態と、景品玉を景品玉収容筒35a〜35cから排出する第2の状態とを繰り返すようになっている。そして、これを動作させるために上下摺動部材39a,39bには、前記した連動杆43a,43bの上端が連結され、この連動杆43a,43bが後述する入賞玉によって作動される回動部材60a,60bによって上下方向に摺動されることに応じて上下摺動部材39a,39bが上下方向に摺動する。
【0024】入賞玉処理装置上記した連動杆43a,43bの下端には、入賞玉処理装置50が関連付けられている。この入賞玉処理装置50について図3及び図4を参照して説明する。入賞玉処理装置50は、前記第1の入賞玉集合樋4a及び第2の入賞玉集合樋4bに対応するように前後方向に重複して設けられる。具体的には、図3に示す装置板51に集約して設けられるものであり、装置板51に所定間隔を置いて取り付けられる2枚の区画板54a,54bと装置板51とによって形成される空間に駆動モータ78を除くすべての構成部品がセット化されている。そして、そのようにセット化された装置板51を、機構板2の前記した取付開口25の周縁に沿って形成された複数の装置板取付ボス26a〜26e(ただし、26eは図示しない)に装置板51に形成された取付穴52a〜52eを対応させた後、ビス53で止着することにより、駆動モータ78を除く入賞玉処理装置50が機構板2の内側から機構板2に固定される。
【0025】次に、装置板51と区画板54a,54bとの間に形成される入賞玉処理装置50の構造について図4を参照して説明する。図4においては、主として第2の入賞玉集合樋4bに対応する入賞玉処理装置の構造(末尾にbの符号を付す)についてだけ示す。ただし、以下の説明では、第1の入賞玉集合樋4aに対応する入賞玉処理装置の構造(末尾にaの符号を付す)についても記載説明する。
【0026】まず、前記入賞玉集合樋4a,4bに接続される入賞玉誘導通路55a,55bの末端には、ほぼ逆「て」字状のストッパー部材56a,56bが臨んでいる。ストッパー部材56a,56bは、支軸57を中心にして回動自在となっている。また、その一端に回動部材60a,60bと係合する係合部58a,58bが形成され、その他端に前記入賞玉誘導通路55a,55bの末端に臨む当接部59a,59bが形成されている。
【0027】回動部材60a,60bは、ほぼ「T」字状をしており、支軸61を中心にして回動自在となっている。また、支軸61の上部に前記係合部58a,58bと係合する係合凸部62a,62bが形成され、支軸61の下部に入賞玉と当接する入賞玉当接面部63a,63bが形成され、更に、支軸61の後部に前記連動杆43a,43bと連結される連結部65a,65bが形成されている。また、入賞玉当接面部63a,63bの裏側には、後述する検出スイッチ75a,75bのアクチュエータ76a,76bと当接する押圧凸部64a,64bが形成されている。
【0028】また、前記入賞玉誘導通路55a,55bの下方には、回転玉送り部材66が配置されている。この回転玉送り部材66は、その両端を装置板51及び区画板54bに設けられた軸受67a,67bに回転自在に軸支されると共に、各入賞玉誘導通路55a,55bに対応するようにその外周に2条の侵入溝68a,68bが形成されている。この侵入溝68a,68bは、前記回動部材60a,60bの入賞玉当接面部63a,63bが回転玉送り部材66の外周縁よりも内側に侵入するために形成されるものである。
【0029】また、回転玉送り部材66には、各入賞玉誘導通路55a,55bに対応するようにそれぞれ複数(3つ)の凹部69a〜69c、70a〜70cが形成されている。この凹部69a〜69c、70a〜70cは、前記入賞玉誘導通路55a,55bから排出された入賞玉を受け入れて回転玉送り部材66の回転に伴って入賞玉を移動させるものであり、その移動の過程で前記回動部材60a,60bを回動させるものである。なお、入賞玉誘導通路55aに対応して形成される凹部69a〜69cと入賞玉誘導通路55bに形成される凹部70a〜70cとは、相互に位相をずらし形成されているので、同時に回動部材60a,60bが回動されることはない。これにより、駆動モータ78にかかる負荷を軽減させるとともに、景品玉数の異なる入賞玉を同時に処理することがなく、また遊技者に払出された景品玉数の違いを報知することができるようになっている。
【0030】更に、回転玉送り部材66の回動軸には、軸受67b側が開放している係合穴71が開設され、該係合穴71内に複数の係合片72a〜72cが中心に向かって突設されている。この係合穴71には、後述する構成により機構板2の外側に固着される駆動モータ78のモータ軸79にビスによって固着される係合部材80が挿入されるようになっている。そして、駆動モータ78が機構板2に取り付けられたときに、係合部材80が自由に係合穴71に係合して駆動モータ78の回転を回転玉送り部材66に伝達するようになっている。
【0031】前記回転玉送り部材66の回転方向の側方から下部にかけて、回転玉送り部材66によって移動され且つ回動部材60a,60bを動作させた入賞玉が排出される入賞玉排出通路74a,74bが形成される。この入賞玉排出通路74a,74bを構成する一方の排出通路形成壁73a,73bの側方には、検出スイッチ75a,75bが配置され、該検出スイッチ75a,75bのアクチュエータ76a,76bが回動部材60a,60bが回動したときに、前記押圧凸部64a,64bによって押圧されて回動部材60a,60bの動作を検出して遊技盤の前面に形成された景品玉払出報知ランプを(図示しない)点灯させるようになっている。なお、景品玉払出報知ランプを2つ設けてそれぞれ7個排出用と15個排出用とに分けて、それぞれの検出スイッチ75a,75bに対応させることにより、どちらの景品玉数が排出されたかを知らせるようにしても良い。
【0032】また、入賞玉排出通路74a,74bの末端には、本実施例の要部を構成する取付部材によって取り付けられる玉検出器90a,90bが設けられている。この玉検出器90a,90bは、遊技場に設置された集中管理コンピュータに信号を送るものであり、当該パチンコ遊技機1の営業用データを作成するために設けられるものである。なお、この玉検出器90a,90bが入賞玉を検出する毎に音や遊技盤面のいずれかのランプ(図示しない)を駆動報知するように使用しても良い。
【0033】上記したように、駆動モータ78を除く入賞玉処理装置50は、装置板51にセット化されて機構板2の内側から止着されるが、入賞玉処理装置50の機構板2への組付工程は、1種類の入賞玉処理装置50を組み付けるだけであるため、確認しながら組み付ける必要がなくスムーズな取付作業が行えると共に、区別して管理する必要がない。
【0034】一方、駆動モータ78は、図3に示すように、機構板2の外側面を構成するモータセット板81に対して取り付けられるようになっている。また、駆動モータ78のモータ軸79には、前記したようにビスによって係合部材80が固着されている。また、モータセット板81の側方には、配線中継基板82が取り付けられ、その配線中継基板82に設けられるコネクタ端子に前記充満検出スイッチ21、検出スイッチ75a,75b、玉検出器90a,90b、及び駆動モータ78からの配線が接続される。なお、モータセット板81は、前記景品玉排出通路14、連絡樋17、余剰玉通路18等の外側を覆う通路カバー板と一体的に形成したものでも良い。
【0035】上記したように、駆動モータ78を除く入賞玉処理装置50を組み付けた機構板2に対して、出荷する地域に応じた周波数を有する駆動モータ78を機構板2の外側から取り付けることにより、モータ軸79に固着された係合部材80と回転玉送り部材66の係合穴71とが係合して入賞玉処理装置50を最終的に完成させることができるが、この場合、駆動モータ78の組付工程においては、容積的に小さな駆動モータ78を2種類用意するだけであるため、その管理が極めて容易であると共に、ストックする場所も少なくて済むという利点がある。
【0036】以上のように構成された入賞玉処理装置50の動作について説明する。なお、以下の動作説明においては、7個の景品玉が払出されるための機構に基づいて説明するが、15個の景品玉が払出されるための動作も同一であるので、その説明は省略する。まず、第2の入賞玉集合樋4bを流下して入賞玉誘導通路55bに誘導された入賞玉は、ストッパー部材56bを反時計方向に回動させながら回転玉送り部材66に載置される。すると、常時回転している回転玉送り部材66の凹部70a〜70cのいずれかに受け入れられてそのまま回転移動する。
【0037】入賞玉が回転移動するにつれてストッパー部材56bの係合部58bと回動部材60bの係合凸部62bとの係合が外され、回動部材60bは、反時計方向に回動し得る。そして、ストッパー部材56bの当接部59bと入賞玉との当接状態が解除される前に、入賞玉が回動部材60bの入賞玉当接面部63bを押圧しているので、回動部材60bは、既に反時計方向に回動しており、入賞玉の移動が進んでストッパー部材56bと入賞玉との当接状態が解消しても係合凸部62bと係合部58bとが係合することはない。
【0038】更に、入賞玉が回転移動するにつれて回動部材60bの入賞玉当接面部63bが入賞玉によって押圧されて回動部材60bを回動させることによって、係合凸部62bの前端部がストッパー部材56bを時計方向に回動させて当接部59bが入賞玉誘導通路55bの末端を塞ぐように侵入して次の入賞玉を回転玉送り部材66に落下させないようにしている。
【0039】また、それと同時に、回動部材60bの後端部である連結部65bが上昇するので、連動杆43bが上昇して景品玉払出装置30の上下摺動部材39bを上動させる。これにより所定個数の景品玉が排出される。また、この時、回動部材60bの押圧凸部64bが検出スイッチ75bをONさせるので、景品玉払出ランプが点灯する。
【0040】また、本実施例においては、回動部材60bの入賞玉当接面部63bが回転玉送り部材66の侵入溝68b内に侵入しているので、入賞玉によって回動される回動部材60bの回動角が大きくなり、これがため、連動杆43bの上下方向のストロークも十分取ることができ、景品玉払出装置30の上部玉ストッパー36b及び下部玉ストッパー37bの開閉動作を確実に行い、景品玉の払出動作が確実に行われる。
【0041】以上のようにして所定個数の景品玉が払出されると、回転玉送り部材66によって移動されていた入賞玉は、排出通路形成壁73bに沿ってさらに移動し、遂には入賞玉排出通路74bに落下する。しかして、入賞玉が排出通路形成壁73bの上端に対応する位置に来たときには、回動部材60bは、時計方向に回動して元の状態に戻るので、それに従動して連動杆43b、上下摺動部材39bが下降する。また、このとき、ストッパー部材56bも回動部材60bの回動により元の状態に復帰するので、入賞玉誘導通路55bの末端で待機していた次の入賞玉の流下が許されて回転玉送り部材66に移動して上述の動作を繰り返す。
【0042】上記した玉検出器90a,90bは、図1及び図2に示すように、前記入賞玉排出通路74a,74bの末端から流下する排出玉が通過する玉通過穴91a,91bが形成され、該玉通過穴91a,91b内に通過する玉によって揺動するアクチュエータ92a,92bが設けられている。そして、このアクチュエータ92a,92bが揺動したときに回路が閉じて通過玉を検出するようになっている。また、玉検出器90a,90bの後端からは、配線93a,93bが延びている。
【0043】上記した構成からなる玉検出器90a,90bは、玉検出器90a,90bの長手方向の左右端にブリッジ状に差し渡される枠部材94によって装置板51に取り付けられる。即ち、枠部材94は、側方から見たときに、内部が複数(本実施例の場合には、2個)玉検出器90a,90bを収納する収納空間98となるようにコ字状に形成され、その両端下部外側に取付嵌合筒95a〜95c(ただし、95cは、図4参照)が形成されている。この取付嵌合筒95a〜95cは、装置板51に突設される嵌合ボス99a〜99cを嵌合するもので、枠部材94の取付位置を決めるものである。なお、取付嵌合筒95a〜95cのうち、1つの取付嵌合筒95aは、枠部材94の右端に形成され、残り2つの取付嵌合筒95b,95cは、枠部材94の左端上下に形成されている。そして、図示しないが、左端の取付嵌合筒95b,95cとの間に切欠溝が形成され、該切欠溝から前記配線93a,93bが導き出されている。
【0044】また、枠部材94の右側下端部には、係止片96が内側に向かって突設され、該係止片96によって装置板51から見て前方に位置する玉検出器90aの前端側面が係止される。この係止片96は、枠部材94に玉検出器90aを装着した状態で枠部材94を装置板51に取り付けることを行い易くするために設けられるものである。また、枠部材94を装置板51に取り付けたときに、係止片96が装置板51と当接しないように、嵌合ボス99aの内側の装置板51には、逃げ穴100が穿設されている。
【0045】更に、枠部材94には、その後面壁から収納空間98の内部に向かって突設される押え部材97が突設されている。この押え部材97は、指で押圧したときに容易に折曲除去できるように突設されるもので、図1R>1(A)及び図2は、本実施例に適用されて2個の玉検出器90a,90bが取り付けられるため、押え部材97が折曲除去された状態を示す。また、押え部材97は、収納空間に収納される1個目の玉検出器90aの側面に当接する長さに選ばれる。
【0046】即ち、突設される押え部材97の長さL2は、玉検出器90a,90bの横巾寸法L1とほぼ等しい長さに設定される。つまり、L2≒L1×(2−1)となる。しかして、収納空間98に収納される玉検出器が1個の場合、即ち玉通路が1条の場合には、図1(B)に示すように、1個の玉検出器90aを前方位置に寄せて係止片96と押え部材97との間に設置することにより、1個の玉検出器90aを枠部材94内に安定して収納配置することができる。また、収納空間98に収納される玉検出器が2個の場合、即ち玉通路が2条の場合には、図1(A)に示すように、押え部材97を折曲除去し、2個の玉検出器90a,90bを前後方向に重複して収納空間98内に配置することにより、2個の玉検出器90a,90bを枠部材94内に安定して収納配置することができる。
【0047】なお、上記した実施例では、最高2個の玉検出器が収納できる枠部材94について説明したが、3個以上の玉検出器を収納する枠部材においても、1本の押え部材の長さを長くして玉検出器の横巾寸法の長さ毎に折曲除去できるように構成したり、又は長さの異なる複数の押え部材を階段状となるように突設し、収納空間内に収納される玉検出器の数に応じて、前者の場合には1区画長さ毎折曲除去し、後者の場合には、長い押え部材から順番に折曲除去することにより、それぞれ任意の数の玉検出器を安定的に収納配置することができる。
【0048】ところで、玉検出器90a,90bを収納した枠部材94を装置板51に装着するためには、玉検出器90a,90bを収納したままで、取付嵌合筒95a〜95cを嵌合ボス99a〜99cに嵌合させ、その後、区画板54bの端部にビス103で回動自在に軸支した係止レバー102の先端を枠部材94の後面壁を押圧する位置に回動させる。これにより、玉検出器90a,90bを収納した枠部材94が装置板51に装着される。なお、係止レバー102に代えて、又は加えて、取付嵌合筒95a〜95cの外側から嵌合ボス99a〜99cに螺着されるビス101a〜101cによって、玉検出器90a,90bが収納された枠部材94を装置板51に装着するようにしても良い。
【0049】なお、上記した実施例では、玉検出器90a,90bが臨む玉通路として、入賞玉排出通路74a,74bを示したが、他の通路、例えば、3条に形成される屈曲樋9であっても良い。要は、機種によって通路の数が変化し、その通路に玉検出器を臨ませる必要のあるものであれば良い。また、玉検出器90a,90bの構造も玉通過穴91a,91bを有するマイクロスイッチ形式のものだけでなく、玉通過穴を有しないマイクロスイッチ形式の玉検出器や、近接型の玉検出器であっても良い。更に、枠部材94に収納される玉検出器90a,90bの配置方向も、前後方向だけでなく、左右方向に収納配置されるものでも良い。
【0050】
【発明の効果】以上、説明したところから明らかなように、本発明においては、複数の玉検出器を重複して収納可能な枠部材と、該枠部材の収納空間に向かって突設されると共に折曲除去可能な押え部材と、からなり、該押え部材は、収納空間に収納される玉検出器の数に応じて折曲除去するように形成したので、玉検出器の数に応じて押え部材を折曲除去することにより、複数の玉検出器を重複して収納することができるため、玉通路の数に関係なく1つの部材で任意の数の玉検出器を取り付けることができ、経済的であると共に、その取付工程での部品管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る取付部材に玉検出器を収納した状態を示す側面図である。
【図2】取付部材とその取付位置との関係を示す分解斜視図である。
【図3】取付部材が適用される入賞玉処理装置と機構板との関係を示す分解斜視図である。
【図4】入賞玉処理装置の正面図である。
【図5】入賞玉処理装置が設けられる機構板を備えたパチンコ遊技機の背面図である。
【図6】機構板の主要部の構成を示す背面図である。
【符号の説明】
74a,74b 入賞玉排出通路(玉通路)
90a,90b 玉検出器
94 枠部材
97 押え部材
98 収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】 パチンコ玉が流下する玉通路に臨んで設けられる玉検出器の取付部材であって、該取付部材は、複数の玉検出器を重複して収納可能な枠部材と、該枠部材の収納空間に向かって突設されると共に折曲除去可能な押え部材と、からなり、該押え部材は、前記収納空間に収納される玉検出器の数に応じて折曲除去するように形成されていることを特徴とする玉検出器の取付部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【特許番号】特許第3014515号(P3014515)
【登録日】平成11年12月17日(1999.12.17)
【発行日】平成12年2月28日(2000.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−280585
【出願日】平成3年9月30日(1991.9.30)
【公開番号】特開平5−92065
【公開日】平成5年4月16日(1993.4.16)
【審査請求日】平成10年9月21日(1998.9.21)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【参考文献】
【文献】特開 昭63−315082(JP,A)
【文献】特開 昭62−139681(JP,A)