説明

玉虫色をもつ多層フィルム

実質的に均一な厚さの非常に薄い少なくとも10枚の層をもち、該層は一般に平行であり、隣接した層は異なった透明な熱可塑性の樹脂状の材料から成り、その一つはナフタレートをベースにしたポリエステルまたはポリエステル共重合体樹脂であり、該隣接した層は屈折率が少なくとも約0.03異なっている透明な熱可塑性樹脂の積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【本発明の分野】
本発明は、光の干渉のために狭い反射帯をもったナフタレートをベースにしたポリエステルを含む同時押出しされた光反射性多層フィルムに関する。
【0002】
(本発明の背景)
玉虫色の(iridescent)多層フィルムは透明な熱可塑性樹脂状材料の一般に平行になった多数の層から成り、その中で隣接した層は屈折率の差が少なくとも約0.03である種々の樹脂状材料からつくられている。このフィルムは少なくとも10枚、通常は少なくとも35枚、好ましくは少なくとも約70枚の層を含んでいる。
【0003】
このフィルムの個々の層は非常に薄く、その厚さは約30〜500nm、好ましくは約50〜400nmの範囲にあり、それによって多くの干渉の結果反射される光は相補的な干渉を起こす。層の厚さおよび重合体の屈折率に依存して、最有力の一つの波長帯で反射が起こり、残りの光はフィルムを透過する。反射される波長は一対の層の光学的な厚さの和によって決定される。
【0004】
反射光の量(反射率)および色の強度は二つの屈折率の差、層の光学的な厚さの比、層の数および厚さの均一性に依存する。屈折率が同じならば、層の境界で全く反射は起こらない。玉虫色の多層フィルムの場合には、隣接した層の屈折率の差は少なくとも0.03、好ましくは少なくとも0.06またはそれ以上である。一次反射に対しては層の光学的な厚さが等しい時に反射は最大であるが、二つの光学的な厚さの比が5:95〜95:5の範囲に入る場合には適当に高い反射を得ることができる。10枚程度の少ない枚数の層でも明瞭な色の反射を得ることができる。しかし最高の色の強度を得るためには35〜1000枚またはそれ以上の数の層が望ましい。強い色の強度は、比較的狭くピークの所の反射率が大きい反射帯に伴って得られる。ここで「色の強度」という言葉を便宜上使用するが、紫外および赤外領域における目に見えない反射に対しても同じ意味が適用されるものと了解されたい。
【0005】
多層フィルムは、それぞれ2個またはそれ以上の押出し機から出る熔融物を集めた後これを所望の層のパターンになるように配置する供給ブロックを、通常の単一の多岐管平面フィルム用ダイス型と組み合わせて使用することにより低温ロール注型法によって製造することができる。供給ブロックは米国特許3,565,985号および同3,773,882号に記載されている。供給ブロックを用いて二つまたはそれ以上の成分が交互に存在する層(例えばABABAB...、ABCABC...、ACBCACBC...)をつくることができる。単一の多岐管平面フィルム用ダイス型を通して非常に狭い多層流を流し、これらの層を同時にダイス型の幅まで広げ、薄くして最終的なダイス型の出口の厚さになるようにする。層の数およびそれらの厚さの分布は異なった供給ブロック・モジュールを挿入することによって変えることができる。通常、シートのそれぞれの側の最も外側の層は他の層よりも厚くなっている。この厚い外皮は光学的な芯をつくる成分の一つから成るか、所望の機械的性質、熱封性または他の性質を賦与する重合体材料であるか、或いはこれらの組み合わせであることができる。
【0006】
所望の光学的性質をもった玉虫色のフィルムを検討した結果機械的性質に欠点があることが分かった。例えば、多層構造物の個々の層の間の接着が不十分であったり、使用中フィルムが内部的な積層剥離または層の分離を起こすことがある。玉虫色のフィルムはその装飾的な効果を使うために紙または板に接着され、挨拶状、収納箱、包装紙等に使用されることが多い。フィルムが積層剥離を起こすと見苦しくなり、収納箱の場合には糊付けした接合部が剥がれることがある。またこのようなフィルムの溶媒耐性および熱安定性は広範囲の用途に望まれるほど大きくはない。
【0007】
米国特許4,310,584号では、系の高屈折率成分として熱可塑性のテレフタレート・ポリエステルまたはポリエステル共重合体を使用し、2種またはそれ以上の樹脂状材料が多数の層をつくるようにしてこれらの欠点を著しく改善している。実質的な改善が得られたが、著しく異なった種類の2種の重合体を使用することが必要とされている。この事実は、2種の重合体の種類、お互いの相対的な接着性および化学薬品耐性、靭性等の間に著しい固有の差が存在することを意味する。その結果、特定の特性に関し、フィルム自体は使用した重合体のうちの弱いものまたは悪いものよりも一般に良くはならない。他方、お互い同士の相対的な接着性、靭性、或いは化学薬品耐性を最高にするために良く似た重合体を使用した場合には、得られた重合体は所望の玉虫色を生じるのに十分な屈折率の差をもたないであろう。
【0008】
SchrenkおよびWheatly(Co−extruded Elastomeric Optical Interference Film,Antec ’88,1703〜1707)は、2種の熱可塑性エラストマーから同時押出しした光反射性の多層フィルムを報告している。ナイロンをベースにした1種の熱可塑性エラストマーとウレタンをベースにした他のエラストマーから成るこのフィルムは、変形させた場合および元に戻した場合に反射スペクトルに可逆的な変化を示す。この種のフィルムは米国特許4,927,134号に詳細に記載されている。
【0009】
米国特許5,089,318号には、樹脂状材料の一つとして熱可塑性エラストマー(TPE)を使用することにより接着性、溶媒耐性等をさらに改善できると記載されている。このような材料は熱可塑性のかたいセグメント、例えばポリブチルテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等と、軟らかいエラストマー・セグメント、例えばポリエチレングリコール、シリコーンゴム、ポリエーテルイミド等との共重合体である。
【0010】
従来法の構造物は積層剥離耐性の分野で著しい改善を示し、また良好な溶媒耐性をもっているが、これらの性質に関してなお限界がある。さらに、従来法の玉虫色フィルムは温度安定性、引張り強さおよび紫外線安定性に関しなお欠点をもっている。驚くべきことに本発明によれば、これらの特性に関し現在公知の構造物に比べ著しい改善が得られる。
【0011】
(本発明の概要)
従って本発明の目的は、良好な熱安定性および溶媒安定性、良好な引張り強さ、良好な積層剥離耐性および良好な紫外線安定性を有する透明な熱可塑性樹脂積層品を提供することである。
【0012】
一具体化例においては、本発明により実質的に均一な厚さの少なくとも10枚の非常に薄い層から成り、該層は一般に平行であり、隣接した層は異なった透明な熱可塑性樹脂状材料からつくられ、その一つはナフタレートをベースにしたポリエステル樹脂またはポリエステル共重合体樹脂であり、隣接した層の屈折率の差は少なくとも約0.03である透明な熱可塑性樹脂の積層フィルムが提供される。
【0013】
他の具体化例においては、本発明により実質的に均一な厚さをもつ少なくとも10枚の非常に薄い層から成り、該層は一般に平行であり、隣接した層は異なった透明な熱可塑性樹脂状材料からつくられ、その一つはポリエチレンナフタレート・ポリエステルまたはポリエステル共重合体であり、他はポリブチレンテレフタレート・ポリエステルまたはポリエステル共重合体であり、最も外側の層はポリブチレンテレフタレート・ポリエステルである透明な熱可塑性樹脂の積層フィルムが提供される。
【0014】
本発明の他の目的および利点は下記の説明および添付特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0015】
(本発明の詳細な説明)
本発明の上記目的は、ナフタレートをベースにしたポリエステル樹脂またはポリエステル共重合体樹脂を透明な熱可塑性樹脂の積層フィルムの光学的な芯の中にある隣接した層の一成分として使用することによって達成されることが見出された。好ましくは、ナフタレートをベースにしたポリエステルまたはポリエステル共重合体はナフタレンジカルボキシレートをベースにしている。使用可能なポリエステル樹脂の例にはエチレンナフタレートおよび/またはブチレンナフタレートを含む共重合体が含まれる。該共重合体はエチレンナフタレートおよびブチレンナフタレートから成ることが好ましい。
【0016】
本発明の玉虫色フィルムは、ナフタレートをベースにしたポリエステルまたはポリエステル共重合体を、屈折率の差が少なくとも0.03、好ましくは少なくとも0.06になるように選ばれた透明な熱可塑性樹脂と同時押出しすることによって得ることができる。使用できる他の樹脂状材料の中には屈折率が約1.55〜約1.61の透明な熱可塑性ポリエステルまたはポリエステル共重合体が含まれる。使用可能な熱可塑性ポリエステル樹脂の例には、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルのいずれかをエチレングリコールと反応させて得られるポリエチレンテレフタレート(PET);1,4−ブタンジオールをテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルと触媒を使って反応させて得られるポリブチレンテレフタレート(PBT);および1種またはそれ以上のグリコール、および1種またはそれ以上の二塩基酸を使用して合成される種々の熱可塑性ポリエチレン共重合体、例えばエチレングリコールとジクロヘキサンジメタノール(CHDM)およびテレフタル酸からつくられるグリコール変性PETがある。PCTAポリエステル共重合体はCHDMとテレフタル酸およびイソフタル酸との酸変性ポリエステル共重合体である。ナフタレートをベースにしたポリエステル樹脂またはポリエステル共重合体樹脂と同時押出しできるさらに他の樹脂状材料を下記表1に掲げる。
【0017】
表1 重合体の名前 屈折率の近似値ポリ(テトラフルオロエチレン−co−ヘキサフルオロプロピレン)
1.338ポリ(アクリル酸ペンタデカフルオロオクチル) 1.339ポリ(アクリル酸テトラフルオロ−3− (ヘプタフルオロプロポキシ)プロピル) 1.346ポリ(アクリル酸テトラフルオロ−3− (ペンタフルオロエトキシ)プロピル) 1.348ポリ(テトラフルオロエチレン) 1.35(−1.38)
ポリ(アクリル酸ウンデカフルオロヘキシル) 1.356ポリ(アクリル酸ノナフルオロペンチル) 1.360ポリ(アクリル酸テトラフルオロ−3− (トリフルオロメトキシ)プロピル) 1.360ポリ(プロピオン酸ペンタフルオロビニル) 1.364ポリ(アクリル酸ヘプタフルオロブチル) 1.367ポリ(酢酸トリフルオロビニル) 1.375ポリ(アクリル酸オクタフルオロペンチル) 1.380ポリ(アクリル酸ペンタフルオロプロピル) 1.385ポリ(アクリル酸2−(ヘプタフルオロブトキシ)エチル) 1.390ポリ(アクリル酸2,2,3,4,4,4− ヘキサフルオロブチル) 1.392ポリ(アクリル酸トリフルオロエチル) 1.407ポリ(アクリル酸2−(1,1,2,2− テトラフルオロエトキシ)エチル) 1.412ポリ(メタクリル酸トリフルオロイソプロピル) 1.4177ポリ(メタクリル酸2,2,2−トリフルオロ −1−メチルエチル) 1.4185ポリ(アクリル酸2−トリフルオロエトキシ)エチル) 1.419ポリ(トリフルオロクロロエチレン) 1.42〜4.43ポリ(フッ化ビニリデン) 1.42ポリ(ジメチルシリレン)(ポリ(ジメチルシロキサン)) 1.43ポリ(メタクリル酸トリフルオロエチル) 1.437ポリ(オキシプロピレン) 1.4495ポリ(ビニルイソブチルエーテル) 1.4507ポリ(ビニルエチルエーテル) 1.4540ポリ(オキシエチレン) 1.4563ポリ(ビニルブチルエーテル) 1.4563ポリ(ビニルペンチルエーテル) 1.4581ポリ(ビニルヘキシルエーテル) 1.4591ポリ(4−メチル−1−ペンテン) 1.459〜1.465酢酸酪酸セルロース 1.46〜1.49ポリ(4−フルオロ−2−トリフルオロメチルスチレン) 1.46ポリ(ビニルオクチルエーテル) 1.4613ポリ(2−エチルヘキシルエーテル) 1.4626ポリ(ビニルデシルエーテル) 1.4628ポリ(アクリル酸2−メトキシエチル) 1.463ポリ(アクリル酸ブチル) 1.4631ポリ(アクリル酸ブチル) 1.466ポリ(メタクリル酸t−ブチル) 1.4638ポリ(ビニルドデシルエーテル) 1.4640ポリ(アクリル酸3−エトキシプロピル) 1.465ポリ(オキシカルボニルテトラメチレン) 1.465ポリ(プロピオン酸ビニル) 1.4665ポリ(酢酸ビニル) 1.4665ポリ(ビニルメチルエーテル) 1.467ポリ(アクリル酸エチル) 1.4685ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)
(酢酸ビニル30〜20%) 1.47〜1.50プロピオン酸セルロース 1.47〜1.49酢酸プロピオン酸セルロース 1.47ベンジルセルロース 1.47〜1.58フェノール−フォルムアルデヒド樹脂 1.47〜1.70三酢酸セルロース 1.47〜1.48ポリ(ビニルメチルエーテル)(アイソタクティック) 1.4700ポリ(アクリル酸3−メトキシプロピル) 1.471ポリ(アクリル酸2−エトキシエチル) 1.471ポリ(アクリル酸メチル) 1.472〜1.480ポリ(メタクリル酸イソプロピル) 1.4728ポリ(1−デセン) 1.4730ポリ(プロピレン)(アタクティック、 密度0.8575g/cm3) 1.4735ポリ(ビニルsec−ブチルエーテル)
(アイソタクティック) 1.4740ポリ(メタクリル酸ドデシル) 1.4740ポリ(オキシエチレンオキシスクシノイル)
(ポリ(エチレンスクシネート)) 1.4744ポリ(メタクリル酸テトラデシル) 1.4746ポリ(エチレン−co−プロピレン)
(EPRゴム) 1.4748〜1.48ポリ(メタクリル酸ヘキサデシル) 1.4750ポリ(蟻酸ビニル) 1.4757ポリ(メタクリル酸2−フルオロエチル) 1.4768ポリ(メタクリル酸イソブチル) 1.477エチルセルロース 1.479ポリ(ビニルアセタール) 1.48〜1.50酢酸セルロース 1.48〜1.50三プロピオン酸セルロース 1.48〜1.49ポリ(オキシメチレン) 1.48ポリ(ビニルブチラール) 1.48〜1.49ポリ(メタクリル酸n−ヘキシル) 1.4813ポリ(メタクリル酸n−ブチル) 1.483ポリ(エチリデンジメタクリレート) 1.4831ポリ(メタクリル酸2−エトキシエチル) 1.4833ポリ(オキシエチレンオキシマレオイル)
(ポリ(エチレンマレエート)) 1.4840ポリ(メタクリル酸n−プロピル) 1.484ポリ(メタクリル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル) 1.485ポリ(メタクリル酸エチル) 1.485ポリ(メタクリル酸2−ニトロ−2−メチルプロピル) 1.4868ポリ(メタクリル酸トリエチルカルビニル) 1.4889ポリ(メタクリル酸1,1−ジエチルプロピル) 1.4889ポリ(メタクリル酸メチル) 1.4893ポリ(2−デシル−1,3−ブタジエン) 1.4899ポリ(ビニルアルコール) 1.49〜1.53ポリ(エチルグリコレートメタクリレート) 1.4903ポリ(メタクリル酸3−メチルシクロヘキシル) 1.4947ポリ(α−エトキシアクリル酸シクロヘキシル) 1.4969メチルセルロース(低粘度) 1.497ポリ(メタクリル酸4−メチルシクロヘキシル) 1.4975ポリ(デカメチレングリコールジメタクリレート) 1.4990ポリ(ウレタン) 1.5〜1.6ポリ(1,2−ブタジエン) 1.5000ポリ(ビニルフォルマール) 1.50ポリ(2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン) 1.5硝酸セルロース 1.50〜1.514ポリ(o−クロロアクリル酸sec−ブチル) 1.500ポリ(2−ヘプチル−1,3−ブタジエン) 1.5000ポリ(o−クロロアクリル酸エチル) 1.502ポリ(2−イソプロピル−1,3−ブタジエン) 1.5028ポリ(メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル) 1.5028ポリ(プロピレン)(密度0.9075g/cm3) 1.5030ポリ(イソブテン) 1.505〜1.51ポリ(メタクリル酸ボルニル) 1.5059ポリ(2−t−ブチル−1,3−ブタジエン) 1.5060ポリ(エチレングリコールジメタクリレート) 1.5063ポリ(メタクリル酸シクロヘキシル) 1.5066ポリ(シクロヘキサンジオール−1,4−ジメタクリレート) 1.5067ブチルゴム(未加硫) 1.508ポリ(メタクリル酸テトラヒドロフルフリル) 1.5096グッタペルカ(5) 1.509ポリ(エチレン)イオノマー 1.51ポリ(オキシエチレン)(高分子量) 1.51〜1.54ポリ(エチレン)(密度0.914g/cm3) 1.51 (密度0.94〜0.945g/cm3) 1.52〜1.53 (密度0.965g/cm3) 1.545ポリ(メタクリル酸1−メチルシクロヘキシル) 1.5111ポリ(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル) 1.5119ポリ(クロロ酢酸ビニル) 1.512ポリ(ブテン)(アイソタクティック) 1.5125ポリ(メタクリル酸ビニル) 1.5129ポリ(N−ブチル−メタクリル酸アミド) 1.5135グッタペルカ(α) 1.514テルペン樹脂 1.515ポリ(1,3−ブタジエン) 1.5154シェラック 1.51〜1.53ポリ(α−クロロアクリル酸メチル) 1.517ポリ(メタクリル酸2−クロロエチル) 1.517ポリ(メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル) 1.5174ポリ(メタクリル酸2−クロロシクロヘキシル) 1.5179ポリ(1,3−ブタジエン)(シス体35%;
トランス体56%;1,2−含量7%) 1.5180天然ゴム 1.519〜1.52ポリ(メタクリル酸アリル) 1.5196ポリ(塩化ビニル)+40%フタル酸ジオクチル 1.52ポリ(アクリロニトリル) 1.52 1.5187ポリ(メタクリロニトリル) 1.52ポリ(1,3−ブタジエン)(高シス含量) 1.52ポリブタジエン−co−アクリロニトリル) 1.52ポリ(メチルイソプロペニルイセトン) 1.5200ポリ(イソプレン) 1.521ポリ(エステル)樹脂、剛性 (スチレン含量約50%) 1.523〜1.54ポリ(N−(2−メトキシエチル)メタクリル酸アミド) 1.5246ポリ(2,3−ジメチルブタジエン)(メチルゴム) 1.525ポリ(塩化ビニル−co−酢酸ビニル)
(95/5〜90/10) 1.525〜1.536ポリ(アクリル酸) 1.527ポリ(メタクリル酸1,3−ジクロロプロピル) 1.5270ポリ(メタクリル酸2−クロロ−1−(クロロメチル)
エチル) 1.5270ポリ(アクロレイン) 1.529ポリ(1−ビニル−2−ピロリドン) 1.53塩酸化したゴム 1.53〜1.55ナイロン6;ナイロン6,6:ナイロン6,10(成形品) (ナイロン−6−繊維、横方向 1.515、繊維方向 1.565) 1.53ポリ(ブタジエン−co−スチレン)
(スチレン約30%)ブロック共重合体 1.53ポリ(α−クロロアクリル酸シクロヘキシル) 1.532ポリ(α−クロロアクリル酸2−クロロエチル) 1.533ポリ(ブタジエン−co−スチレン)(約75/25) 1.535ポリ(メタクリル酸2−アミノエチル) 1.537ポリ(メタクリル酸フルフリル) 1.5381蛋白質 1.539〜1.541ポリ(メタクリル酸ブチルメルカプチル) 1.5390ポリ(メタクリル酸1−フェニル−n−アミル) 1.5396ポリ(N−メチル−メタクリル酸アミド) 1.5398セルロース 1.54ポリ(塩化ビニル) 1.54〜1.55尿素−フォルムアルデヒド樹脂 1.54〜1.56ポリ(α−ブロモアクリル酸sec−ブチル) 1.542ポリ(α−ブロモアクリル酸シクロヘキシル) 1.542ポリ(メタクリル酸2−ブロモエチル) 1.5426ポリ(ジヒドロアビエチン酸) 1.544ポリ(アビエチン酸) 1.546ポリ(メタクリル酸エチルメルカプチル) 1.547ポリ(N−アリルメタクリル酸アミド) 1.5476ポリ(メタクリル酸1−フェニルエチル) 1.5487ポリ(ビニルフラン) 1.55ポリ(2−ビニルテトラヒドロフラン) 1.55ポリ(塩化ビニル)+40%燐酸トリクレジル 1.55エポキシ樹脂 1.55〜1.60ポリ(メタクリル酸p−メトキシベンジル) 1.552ポリ(メタクリル酸イソプロピル) 1.552ポリ(p−イソプロピルスチレン) 1.554ポリ(クロロプレン) 1.554〜1.558ポリ(オキシエチレン−α−ベンゾエート−ω− メタクリレート) 1.555ポリ(p,p’−キシレニルジメタクリレート) 1.5559ポリ(メタクリル酸1−フェニルアリル) 1.5573ポリ(メタクリル酸p−シクロヘキシルフェニル) 1.5575ポリ(メタクリル酸2−フェニルエチル) 1.5592ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4−フェニレン −1−プロピルブチリデン−1,4−フェニレン) 1.5602ポリ(メタクリル酸1−(o−クロロフェニル)エチル) 1.5624ポリ(スチレン−co−マレイン酸無水物) 1.564ポリ(メタクリル酸1−フェニルシクロヘキシル) 1.5645ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4−フェニレン −1,3−ジメチルブチリデン−1,4−フェニレン) 1.5671ポリ(α−ブロモアクリル酸メチル) 1.5672ポリ(メタクリル酸ベンジル) 1.5680ポリ(メタクリル酸(2−スルフォニル)エチル) 1.5682ポリ(メタクリル酸m−クレジル) 1.5683ポリ(スチレン−co−アクリロニトリル)(約75/25) 1.57ポリ(オキシカルオニルオキシ1,4− フェニレンイソブチリデン−1,4−フェニレン) 1.5702ポリ(メタクリル酸o−メトキシフェニル) 1.5705ポリ(メタクリル酸フェニル) 1.5706ポリ(メタクリル酸o−クレジル) 1.5707ポリ(フタル酸ジアリル) 1.572ポリ(メタクリル酸2,3−ジブロモプロピル) 1.5739ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4−フェニレン −1−メチルブチリデン−1,4−フェニレン) 1.5745ポリ(オキシ−2,6−ジメチルフェニレン) 1.575ポリ(オキシエチレンオキシテレフタロイル)
(ポリ(エチレンテレフタレート))(無定形) (微結晶繊維:横方向1.51、繊維方向1.64) 1.5750ポリ(安息香酸ビニル) 1.5775ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4− フェニレンブチリデン−1,4−フェニレン) 1.5792ポリ(メタクリル酸1,2−ジフェニルエチル) 1.5816ポリ(メタクリル酸o−クロロベンジル) 1.5823ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4−フェニレン −sec−ブチリデン−1,4−フェニレン) 1.5827ポリ(オキシペンタエリスリトールオキシフタロイル) 1.584ポリ(メタクリル酸m−ニトロベンジル) 1.5845ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4− フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレン) 1.5850ポリ(N−(2−フェニルエチル)メタクリル酸アミド) 1.5857ポリ(4−メトキシ−2−メチルスチレン) 1.5868ポリ(o−メチルスチレン) 1.5874ポリ(スチレン) 1.59〜1.592ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4− フェニレンシクロヘキシリデン−1,4−フェニレン) 1.5900ポリ(o−メトキシスチレン) 1.5932ポリ(メタクリル酸ジフェニルメチル) 1.5933ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4− フェニレンエチリデン−1,4−フェニレン) 1.5937ポリ(メタクリル酸p−ブロモフェニル) 1.5964ポリ(N−ベンジルメタクリル酸アミド) 1.5965ポリ(p−メトキシスチレン) 1.5967硬質ゴム(S含量32%) 1.6ポリ(塩化ビニリデン) 1.60〜1.63ポリ(スルフィド)(”Thiokol”) 1.6〜1.7ポリ(メタクリル酸o−クロロジフェニルメチル) 1.6040ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4− (2,6−ジクロロ)フェニレンイソプロピリデン −1,4−(2,6−ジクロロ)フェニレン) 1.6056ポリ(オキシカルボニルオキシビス(1,4− (3,5−ジクロロフェニレン))) 1.6056ポリ(メタクリル酸ペンタクロロフェニル) 1.608ポリ(o−クロロスチレン) 1.6098ポリ(α−ブロモアクリル酸フェニル) 1.612ポリ(p−ジビニルベンゼン) 1.6150 本発明の玉虫色フィルムはまたナフタレートをベースにしたポリエステルまたはポリエステル共重合体樹脂を屈折率の差が少なくとも約0.03、好ましくは少なくとも0.06になるように選ばれた異なったナフタレートをベースにした透明なポリエステルと同時押出しすることによって得ることができる。
【0018】
本発明の玉虫色フィルムの最も外側の層は光学的な芯の樹脂と同じことも異なることもできる。例えば最も外側の層はポリブチレンテレフタレート・ポリエステルのようなポリエステルまたはポリエステル共重合体、またはPETGポリエステルのようなグリコール変性ポリエチレンテレフタレートであることができる。
【0019】
本発明の玉虫色フィルムの層の数は少なくとも10枚、好ましくは少なくとも35枚、さらに好ましくは少なくとも70枚である。
【0020】
本発明の好適な組み合わせには、光学的な芯の中の隣接した層が異なった透明な熱可塑性樹脂材料から成り、その一つがポリエチレンナフタレート・ポリエステルまたはポリエステル共重合体であり、他がポリブチレンテレフタレート・ポリエステルまたはポリエステル共重合体であり、最も外側の層はポリブチレンテレフタレートまたはPETGポリエステルである玉虫色フィルムが含まれる。
【0021】
フィルムの積層剥離耐性は接着テープを用いてフィルムの片側の面に歪みをかけることによって試験される。フィルムの他の側の面には接着テープの別の片を取り付ける。次にこの第2の接着テープを引き剥がし、積層剥離の兆候を記録する。積層剥離が全く認められない場合、テープを再び取り付け、破壊が認められるまで試験を繰り返す。異なった粘着度をもつ異なったテープを使用して種々のフィルム構造物の間の差を十分に識別することができる。さらに、試験すべきフィルム試料を試験前に溶媒に浸漬し、この試験をもっと苛酷な条件で行って評価することができる。典型的には特定のテープを用い破壊が起こるまで引っ張った回数を記録する。この試験法は米国特許5,089,318号に説明されている。
【0022】
フィルムの溶媒耐性を試験するために、フィルムの試料を試験すべき溶媒に浸漬する。溶媒がフィルムの玉虫色に影響を与え始める時間における色の変化、および色の変化の種類を観測する。最初の色の変化が起こる時間および設定した時間間隔における色の変化の種類を記録する。典型的にはこの試験は7日間行い、7日の期間を通じて観測を行う。7日後、試験溶媒からフィルム試料を取り出し、24時間乾燥させる。24時間乾燥した後、玉虫色のフィルムの色がどのように変化したかを記録する。このデータを「色の回復」と呼ぶ。
【0023】
フィルムの熱収縮性を試験するためには、2×2インチのフィルム片を問題のフィルムから切り取る。このフィルム片の色を分光光度計を用いて測定する。測定されたデータの中には試料の最有力波長(DWL)、ピークの波長(PWL)、およびピークの反射率(%)が含まれる。次いで試験試料を試験温度のオーブンの中に15分間入れる。次に試料をオーブンから取り出す。物差しを使ってフィルムが収縮した割合(%)を決定する。試料の色を再測定し、DWL、PWLおよびピークの反射率を記録する。試験者によって熱をかけた後の試料の色を試験材料の元の色とが比較される。このすべてのデータを用いフィルムの色が変わり始める温度を決定する。この値を「色の移動温度」と呼ぶ。
【0024】
実施例1 − 玉虫色フィルムIF(1〜4)
ポリブチレンテレフタレート熱可塑性ポリエステルを一つの押出し機から供給ブロックに供給し、ポリメタクリル酸メチルを第2の押出し機から供給して種々の厚さの4枚のフィルムをつくる(IF(1)=1.1ミル(28μm))、(IF(2)=1.2ミル(30μm))、(IF(3)=1.3ミル(33μm))、(IF(4)=1.4ミル(36μm))。これはそれぞれ226枚の光学的層と2枚のポリエチレンテレフタレート・ポリエステル外皮層に対応している(表2参照)。このフィルムは輝く玉虫色を呈し、同じ性質を共有していた。これらの溶媒耐性および温度安定性を表3および4に示す。
【0025】
【表1】


【0026】
【表2】


【0027】
【表3】


【0028】
色の回復:溶媒に浸漬した状態から試料を取り出し乾燥した後の材料の外観。
【0029】
優秀 − 材料は最初の外観に戻った。
【0030】
良好 − 若干の色の移動を伴って色が回復した。
【0031】
適度 − 著しい色の移動を伴って若干の色が回復した。
【0032】
なし − 色の回復はなかった。
【0033】
色の消失 − 溶媒から取り出した際材料は玉虫色を失った。
また上記の方法に従ってScotch 396 引っ張りテープを用い積層剥離に対してIF(1〜4)の試験を行った。最初引っ張った後に外皮は積層剥離を起こしたが、5回引っ張った後にも光学的な芯は積層剥離を起こさなかった。
【0034】
実施例2 − 玉虫色のフィルム IF(5〜8)
ポリブチレンテレフタレート熱可塑性ポリエステルを一つの押出し機から供給ブロックに供給し、エチレン酢酸ビニル共重合体を第2の押出し機から供給して種々の厚さの4枚のフィルムをつくる(IF(5)=1.1ミル(28μm))、(IF(6)=1.2ミル(30μm))、(IF(7)=1.3ミル(33μm))、(IF(8)=1.4ミル(36μm))。これはそれぞれ226枚の光学的層と2枚のポリメタクリル酸メチルの外皮層に対応している(表5参照)。このフィルムは輝く玉虫色を呈し、同じ性質を共有していた。これらの溶媒耐性および温度安定性を表6および7に示す。
【0035】
【表4】


【0036】
【表5】


【0037】
【表6】


【0038】
また上記の方法に従ってScotch 396 引っ張りテープを用い積層剥離に対してIF(5〜8)の試験を行った。最初引っ張った後に外皮および光学的な芯の両方が積層剥離を起こした。
実施例3 − 玉虫色のフィルム IF(9〜12)
ポリブチレンテレフタレート熱可塑性ポリエステルを一つの押出し機から供給ブロックに供給し、ポリエチレンナフタレート・ポリエステルを第2の押出し機から供給して種々の厚さの4枚のフィルムをつくる(IF(9)=1.1ミル(28μm))、(IF(10)=1.2ミル(11μm))、(IF(7)=1.3ミル(33μm))、(IF(12)=1.4ミル(36μm))。これはそれぞれ226枚の光学的層と2枚のポリブチレンテレフタレートの外皮層に対応している(表8参照)。このフィルムは輝く玉虫色を呈し、同じ性質を共有していた。これらの溶媒耐性および温度安定性を表9および10に示す。
【0039】
【表7】


【0040】
【表8】


【0041】
【表9】


【0042】
また上記の方法に従ってScotch 396 引っ張りテープを用い積層剥離に対してIF(5〜8)の試験を行った。10回引っ張った後も外皮および光学的な芯の両方とも積層剥離を起こさなかった。
実施例4 − 玉虫色のフィルム IF(13〜18)
樹脂Aを一つの押出し機から供給ブロックに供給し、樹脂Bを第2の押出し機から供給して表12のような5枚のフィルム、IF(13〜18)をつくった。各フィルムは100枚の層から成り、厚さは約1.1ミル(28μm)である。
【0043】
【表10】


【0044】
IF(13〜15)と比較すると、IF(16〜18)は剥離耐性、温度安定性および溶媒耐性(少なくとも1種の溶媒に関し)が良好である。
【0045】
以上本発明をその好適具体化例によって説明したが、当業界の専門家には理解できるように本発明はもっと広い範囲で応用可能である。従って本発明は添付特許請求の範囲にだけ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 実質的に均一な厚さの少なくとも10枚の非常に薄い層から成り、該層は一般に平行であり、隣接した層は異なった透明な熱可塑性樹脂状材料からつくられ、その一つはナフタレートをベースにしたポリエステル樹脂またはポリエステル共重合体樹脂であり、隣接した層の屈折率の差は少なくとも約0.03であることを特徴とする透明な熱可塑性樹脂の積層フィルム。
【請求項2】 該ナフタレートをベースにしたポリエステルまたはポリエステル共重合体はナフタレンジカルボキシレートをベースにしたポリエステルまたはポリエステル共重合体であることを特徴とする請求項1記載の透明な熱可塑性樹脂の積層フィルム。
【請求項3】 該ナフタレンジカルボキシレートをベースにしたポリエステルはポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項2記載の透明な熱可塑性樹脂の積層フィルム。
【請求項4】 該ナフタレンジカルボキシレートをベースにしたポリエステルはポリブチレンナフタレートであることを特徴とする請求項2記載の透明な熱可塑性樹脂の積層フィルム。
【請求項5】 該ナフタレンジカルボキシレートをベースにしたポリエステル共重合体はエチレンナフタレートを含んでいることを特徴とする請求項2記載の透明な熱可塑性樹脂の積層フィルム。
【請求項6】 該ナフタレンジカルボキシレートをベースにしたポリエステル共重合体はブチレンナフタレートを含んでいることを特徴とする請求項2記載の透明な熱可塑性樹脂の積層フィルム。

【公表番号】特表2002−529288(P2002−529288A)
【公表日】平成14年9月10日(2002.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−582232(P2000−582232)
【出願日】平成11年11月3日(1999.11.3)
【国際出願番号】PCT/US99/25256
【国際公開番号】WO00/29212
【国際公開日】平成12年5月25日(2000.5.25)
【出願人】
【氏名又は名称】エンゲルハード・コーポレーシヨン
【氏名又は名称原語表記】ENGELHARD CORPORATION
【Fターム(参考)】