説明

玩具セット、ゲーム制御プログラム、及びゲーム装置・玩具間交信システム

【課題】ゲーム装置のハードウェア構成を変えずに該装置と玩具との間で交信できる玩具セットを提供する。
【解決手段】玩具セットは、玩具と記憶媒体とから成り、記憶媒体に格納されるプログラムは、ゲーム装置の制御手段により実行されたとき、該装置に単一振動数の音を検出するフィルター手段と、検出された時系列的に配列された音の組合せに対応して音声等を出力させる出力手段と、単一振動数の複数の音を生成する生成手段と、該音の組合せにより制御信号を生成してゲーム装置の発音手段から送出する送出手段を構成するよう構成され、玩具は、発音手段と音声入力手段と制御手段と感知手段とを内蔵し、操作に応じて音声を出力し、制御手段は、単一振動数の複数の音を生成する生成手段を備え、該音の組合せにより制御信号を生成して玩具の発音手段から送出するように形成され、玩具は、ゲーム装置からの制御信号を入力し、該信号に対応して所定の動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置にゲーム制御プログラムを供給する手段と、このゲーム制御プログラムが実行されるゲーム装置と連携して作動する玩具と、を組合わせた玩具セットに関し、また、ゲーム制御プログラムが実行されたゲーム装置と玩具との間での音声帯域を利用した交信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の接触動作を感知して喜怒哀楽を表現する擬似ペットとされるキャラクタ玩具が多数知られている。また、ゲーム装置からの信号で作動するキャラクタ玩具や、キャラクタの外観をした形象玩具から発せられる鳴き声を翻訳する装置も知られている。例えば、特開2008−228746号公報(特許文献1)では、ゲームの進行に伴って予め設定された制御信号を送出する構成とされるゲーム装置からの制御信号を受信して、複数の音声情報から1の音声情報を選択して出力する音声出力玩具についての提案がなされている。
【0003】
また、特開2002−311984号公報(特許文献2)では、ペットロボットなどのキャラクタ玩具から出力される音声(鳴き声)を認識し、認識した音声と対応する文字列などの情報を液晶表示装置に表示する、即ち翻訳する会話装置についての提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−228746号公報
【特許文献2】特開2002−311984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献に記載の発明によれば、ゲーム装置及びキャラクタ玩具に専用の電気的、光学的インターフェースが予め装備されていれば当該ゲーム装置とキャラクタ玩具との間の交信を簡単に実行することができる。しかしながら、記憶媒体を装着することでゲーム制御プログラムを実行させる携帯ゲーム装置のように、インターフェースの装備に制約がありハードウェアの追加変更が許されない環境では、ゲーム装置との間でワイヤレスで連携するキャラクタ玩具を利用したアプリケーションソフト(ゲームソフト)の開発が困難であった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、ゲーム装置、特に携帯ゲーム装置に対し、当該ゲーム装置にハードウェア的な変更を加えることなく、あるいは新しいハードウェアインターフェースを付加することなく、ゲーム装置と玩具との間でワイヤレスで交信を可能にした玩具セット、当該交信を可能にするゲーム制御プログラム、及びゲーム装置・玩具間交信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の玩具セットは、ゲーム装置等のゲーム操作が可能に構成された電子装置と連携して作動する玩具を有し、(a)前記電子装置内に読み込まれて前記電子装置の制御手段によって実行可能に構成された第1のプログラムであって、前記第1のプログラムは、複数の個別プログラムと前記玩具の外形に対応するキャラクタを含む画像及び音を生成するデータとを含み、前記電子装置の制御手段によって実行されたとき、前記電子装置に、前記電子装置の音入力手段に入力された単一振動数の音のそれぞれを検出するフィルター機能と、該フィルター機能によって検出された時系列的に配列された単一振動数の音の組合せに対応する個別プログラムを読み出して画像及び音の少なくとも何れかを出力させる機能と、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する機能と、前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記電子装置の表示手段の表示画面に表示されている画像と連携して出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に前記電子装置の発音手段から送出する機能と、を付与するように構成された前記第1のプログラムと、(b)前記電子装置に備えられた音入力手段に入力される音声帯域の音を出力する発音手段と、前記電子装置に備えられた発音手段から出力される音声帯域の音を入力する音入力手段と、玩具搭載制御手段と、使用者の接触動作を感知する感知手段と、音を生成する手段と、複数の個別プログラムを含む第2のプログラムが格納された記憶手段と、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する手段と、を備え、前記第2のプログラムは、玩具搭載制御手段によって実行されたとき、前記玩具に、前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記玩具の発音手段から出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に前記玩具の発音手段から送出する機能と、使用者の操作に応じて音を出力する機能と、前記電子装置の発音手段から出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に送出され時系列的に配列された単一振動数の音が前記玩具の音入力手段に入力されたとき、入力された単一振動数の音の組合せに対応する個別プログラムを前記玩具の記憶手段から読み出して音を出力し、あるいは所定の動作を行うように制御する機能とを備えるように構成された前記キャラクタ形状の玩具とによって構成され、前記電子装置のハードウェア構成に変更を加えることなく当該電子装置に備えられた前記音入力手段と前記発音手段とを利用して前記ゲーム装置との相互交信を可能にしたことを特徴とする。
【0008】
本発明の玩具セットは、(a)ゲーム装置のインターフェースに対応する接続仕様の接続部と、記憶部と、前記記憶部に格納され前記ゲーム装置内に読み込まれて前記ゲーム装置の制御手段によって実行可能に構成された第1のプログラムとを含み、前記第1のプログラムは、複数の個別プログラムと前記玩具の外形によって具象されるキャラクタを含む画像及び音声を生成するデータとを含み、前記インターフェースから読み込まれ前記ゲーム装置の制御手段によって実行されたとき、前記ゲーム装置に、前記ゲーム装置の音声入力手段に入力された単一振動数の音のそれぞれを検出するフィルター機能と、該フィルター機能によって検出された、時系列的に配列された単一振動数の音の組合せに対応する個別プログラムを読み出して画像及び音声の少なくとも何れかを出力させる機能と、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する機能と、前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示されている画像と連携して出力される音声に重畳し若しくは前記音声が出力される直前に前記ゲーム装置の発音手段から送出する機能とを付与するように構成された記憶媒体と、(b)前記ゲーム装置に備えられた音声入力手段に入力される音声帯域の音を出力する発音手段と、前記ゲーム装置に備えられた発音手段から出力される音声帯域の音を入力する音声入力手段と、玩具搭載制御手段と、使用者の接触動作を感知する感知手段と、音声を生成する手段と、複数の個別プログラムを含む第2のプログラムが格納された記憶手段と、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する手段と、を備え、前記第2のプログラムは、玩具搭載制御手段によって実行されたとき、前記玩具に、前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次前記玩具の発音手段から出力される音声に重畳し若しくは前記音声が出力される直前に前記玩具の発音手段から送出する機能と、使用者の操作に応じて音声を出力する機能と、前記ゲーム装置の発音手段から出力される音声に重畳し若しくは前記音声が出力される直前に送出され時系列的に配列された単一振動数の音が前記玩具の音声入力手段に入力されたとき、入力された単一振動数の音の組合せに対応する個別プログラムを前記玩具の記憶手段から読み出して音声を出力し、あるいは所定の動作を行うように制御する機能とを備えるように構成された前記キャラクタ形状の玩具とによって構成され、前記ゲーム装置のハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置に備えられたた前記音声入力手段と前記発音手段とを利用して前記ゲーム装置との相互交信を可能にしたことを特徴とする。
【0009】
また、前記玩具の外形は、犬を模して構成されており、前記玩具の記憶手段には犬の鳴き声である音声を生成するデータが格納されていることが好ましい。
【0010】
さらに、前記ゲーム装置等の制御手段で実行される前記個別プログラムは、前記玩具から出力される犬の鳴き声と対応する言葉を含む音声を前記ゲーム装置の発音手段から出力させるよう制御するデータを含むものとすることができる。
【0011】
そして、前記ゲーム装置等の制御手段で実行される前記個別プログラムは、前記玩具からの制御信号が前記発音手段からの発音の直前に送出される構成の場合、該制御信号の直後に出力される音声に合わせて、前記制御信号に対応する言葉を前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示するよう制御するものであることとすることもできる。
【0012】
また、前記玩具から送出される互いに異なった単一振動数の音は、それぞれ2000〜3000Hzの周波数帯から選択されたものであり、複数の前記単一振動数の音が時系列的に配列されて間隔をおいて送出されるものであることが好ましい。
【0013】
さらに、前記玩具から送出される互いに異なった単一振動数の音は、3000〜2900Hzから選択された第1音、2800〜2700Hzから選択された第2音、2700〜2600Hzから選択された第3音、2500〜2400Hzから選択された第4音、及び2400〜2300Hzから選択された第5音によって構成され、前記制御信号は前記第1音乃至第5音から選択された音の組合せによって構成されていることがより好ましい。
【0014】
そしてまた、前記玩具セットに含まれる前記第1のプログラムの実行によって生成され前記ゲーム装置の発音手段から送出される互いに異なった単一振動数の音は、それぞれ7000〜9000Hzの周波数帯から選択されたものであり、複数の前記単一振動数の音が時系列的に配列されて間隔をおいて送出されるものであることが好ましい。
【0015】
そして、本発明のゲーム制御プログラムは、複数の個別プログラムと画像及び音を生成するデータとを含み、ゲーム装置内に読み込まれ前記ゲーム装置の制御手段によって実行されたとき、前記ゲーム装置に、前記ゲーム装置の音入力手段に時系列的に配列して入力された単一振動数の音のそれぞれを検出する音検出処理と、該音検出処理で検出された、時系列的に配列された単一振動数の音の組合せで指定される個別プログラムを読み出して画像及び音の少なくとも何れかを出力させる出力処理と、個別プログラムのいずれかを指定する制御信号を単一振動数の複数の音の組合せによって生成する処理と、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示されている画像に関連して出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に前記ゲーム装置の発音手段から送出する音出力処理と、を含む処理を実行させることで、前記ゲーム装置のハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置に備えられた前記音入力手段と前記発音手段とを利用して前記ゲーム装置と連携して作動する玩具との相互交信を可能にしたことを特徴とする。
【0016】
本発明のゲーム制御プログラムは、さらに、ゲーム装置のインターフェースに対応する接続仕様の接続部を備えた記憶媒体に格納され、前記ゲーム装置の制御手段によって実行可能に構成され、前記プログラムは、複数の制御プログラムと画像及び音を生成するデータとを含み、前記記憶媒体が前記インターフェースに装着され前記ゲーム装置内に読み込まれ前記ゲーム装置の制御手段によって実行されたとき、前記ゲーム装置に、前記ゲーム装置の音入力手段に時系列的に配列して入力された単一振動数の音のそれぞれを検出する音検出処理と、該音検出処理で検出された時系列的に配列された単一振動数の音の組合せで指定される個別プログラムを読み出して画像及び音の少なくとも何れかを出力させる出力処理と、個別プログラムのいずれかを指定する制御信号を単一振動数の複数の音の組合せによって生成する処理と、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示されている画像に関連して出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に前記ゲーム装置の発音手段から送出する音出力処理とを含む処理を実行させることを特徴とする。
【0017】
そして、このゲーム制御プログラムは、前記玩具から出力される音に対応する言葉を含む音声を前記ゲーム装置の発音手段から出力させる出力処理を実行させるプログラムとすることができる。
【0018】
また、このゲーム制御プログラムは、前記玩具から送出される制御信号の直後に出力される音に合わせて、前記制御信号に対応する言葉を前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示する出力処理を実行させることもできる。
【0019】
そして、本発明の電子装置間交信システムは、電子装置のそれぞれが、音声帯域の音を出力する発音手段と、音声帯域の音を入力する音入力手段と、複数の個別プログラムを含むコンピュータプログラムを読み出す手段と、前記コンピュータプログラムの実行を制御する制御手段と、を具備し、前記電子装置のそれぞれにおいて、前記コンピュータプログラムが読み出され前記制御手段によって実行されたとき、当該電子装置に、前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次前記玩具の発音手段から相手方電子装置に送出する機能と、相手方電子装置から送信されてきた時系列的に配列された単一振動数の音を音入力手段で受信したとき、当該単一振動数の音の配列で構成される制御信号に対応する個別プログラムを読み出す機能と、前記制御手段によって読み出された個別プログラムを実行する機能とを備えるように構成されてなり、電子装置のそれぞれが有する前記音入力手段と前記発音手段とを利用して電子装置間の相互交信を可能にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ゲーム装置等に備えられている音声入力手段に入力される音声帯域の音及び発音手段の発する音声帯域の音を玩具との送受信手段(即ち、交信手段)として利用し、前記音声入力手段に入力された音に含まれた制御信号を検出するフィルターはゲーム装置等に読み込まれたプログラムの実行によってソフトウェアで実現するので、既存のゲーム装置等にハードウェアを追加することなく既存のゲーム装置等のハードウェア構成を維持しながら、ゲーム装置等とキャラクタ玩具との間での制御信号のやり取りを実現することができる。
【0021】
また、制御信号を構成する一音それぞれを単一振動数の音とし、当該単一振動数の音のそれぞれを単独で(所定時間間隔をおいて一音ずつ)送信し、受信側で受信した鳴き声などの音声のなかから特定の単一振動数の一音を個別に検出する構成としたので、玩具セットの構成をシンプルにできる。
【0022】
さらに、ゲーム装置等に供給されるプログラムを複数の単位プログラム、即ち個別に実行可能に構成された一群のプログラム、で構成し、実行させる個別のプログラムを、単一振動数の音の時系列配列で構成される簡単な制御信号で指定し読み出す構成としたので、制御信号の送受信システムの構成をシンプルにできる。
【0023】
さらに、ゲーム装置等と玩具との間の音声帯域を利用した交信は、ゲーム装置及び玩具を操作する子供や友達、家族の声を含む雑音の多い環境で行われるが、単一振動数の音のみを順次個別に検出するので、音声帯域における雑音の多い環境でもゲーム装置等に専用のハードウェアを付加することなく特定の音の検出を可能にするシステムを簡単なプログラムで実現することが可能になった。このように検出された音の組合せ、例えば、5音の組合せでコードを構成し、該コードをアドレスとしてキャラクタを含む画像、音声(鳴き声、言葉やBGM)を生成するデータを選択する構成としたので、多くの種類の画像や音声のデータを予め記憶媒体に格納することで多様な遊びを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係る玩具セットを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る玩具の機能回路ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施例に係るゲーム装置の機能回路ブロックを示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る玩具から出力される単一振動数の音及び音声を示す波形の説明図である。
【図5】本発明の実施例に係るゲーム装置及び玩具における直接操作モードにおける制御フローを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例に係る玩具セットの直接操作モード時における動作の例を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係るゲーム装置及び玩具におけるゲーム装置操作モードにおける制御フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例に係る玩具セットのゲーム装置操作モード時における動作の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。図1乃至図3に示すように、玩具セット100は、発音可能な玩具1と、ゲーム装置5に着脱自在とされる記憶媒体8と、を有する。また、玩具1とゲーム装置5との交信に適した位置決めを使用者が容易に行うことのできるプレイシート101を玩具セット100に含むこともある。そして、この玩具セット100は、ゲーム装置5のハードウェア構成に変更を加えることなく、当該ゲーム装置5に備えられたハードウェア構成を利用して相互交信を可能にするものである。
【0026】
玩具セット100に利用されるゲーム装置5は、図3に示したように、液晶表示装置などの表示手段51と、音声帯域の音を出力する発音手段であるスピーカ52と、音声帯域の音を入力する音声入力手段としてのマイクロホン53と、使用者が操作する操作入力手段55と、記憶媒体装着インターフェース54と、制御手段と、を備えている。制御手段は、記憶媒体8から読み込んだプログラムを実行するものであり、CPU60と、記憶手段であるROM57及びRAM58と、を備えている。
【0027】
そして、玩具セット100を構成する記憶媒体8は、ゲーム装置5内に読み込まれてゲーム装置5の制御手段によって実行可能に構成されたゲーム制御プログラムが格納されているものであって、記憶媒体装着インターフェース54に対応する接続仕様を備えている。
【0028】
この記憶媒体8に格納されたプログラムは、ゲーム装置5に備えられたハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置5に備えられたハードウェア構成を利用して玩具1との相互交信を可能にするものである。
【0029】
また、このプログラムは、複数の制御プログラムと、玩具1のキャラクタを含む画像及び音声を生成するデータと、を含むものである。さらに、このプログラムは、記憶媒体8が記憶媒体装着インターフェース54に装着され、ゲーム装置5内に読み込まれてゲーム装置5の制御手段によって実行されたとき、ゲーム装置5に、フィルター手段63と、出力手段と、単一音生成手段62bと、を構成する。このゲーム装置5のCPU60の制御下で実行される第1のプログラムにより、ゲーム装置5のCPU60に各手段の機能を担わせることで実現できる。
【0030】
フィルター手段63は、ゲーム装置5のマイクロホン53に入力された単一振動数の音のそれぞれを検出する。また、出力手段は、フィルター手段63で検出された時系列的に配列された単一振動数の音の組合せに対応する制御プログラムを読み出して画像及び音声の少なくとも何れかを出力させる。即ち、出力手段として機能するCPU60は、ゲーム装置5の表示手段51に所定の表示画像を表示したり、ゲーム装置5のスピーカ52から所定の音声を出力させる制御を行う。単一音生成手段62bは、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する。
【0031】
さらに、記憶媒体8に格納されたプログラムは、ゲーム装置5内に読み込まれてゲーム装置5の制御手段によって実行されたとき、単一振動数の音の組合せによって構成される制御信号を生成するとともに、この生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次ゲーム装置5の表示手段51の表示画面に表示されている画像に関連して出力される音声(ゲーム音)に重畳し若しくは音声(ゲーム音)が出力される直前にゲーム装置5のスピーカ52から送出する送出手段を構成するように構成されている。この送出手段は、ゲーム装置5のCPU60にその機能を担わせることができる。
【0032】
玩具1は、図1に示したように、犬を模したキャラクタの外形を有する。また、この玩具1は、図2に示したように、ゲーム装置5に備えられたマイクロホン53に入力される音声帯域の音を出力する発音手段であるスピーカ12と、ゲーム装置5に備えられたスピーカ52から出力される音声帯域の音を入力する音声入力手段であるマイクロホン13と、制御手段と、使用者の接触動作を感知する感知手段としてのタッチセンサー15及びプッシュセンサー16と、を内蔵している。そして、この玩具1は、使用者の操作に応じて所定の動作を実行し、あるいは音声を出力するように構成されている。また、この玩具1は、使用者の操作に応じてゲーム装置5に制御信号を送出するように構成されている。
【0033】
玩具1の制御手段は、CPU20と、複数の制御プログラムが格納された記憶手段としてのROM17と、ワークメモリとして機能するRAM18と、を備えている。CPU20は、音声を生成する音声生成手段22aと、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する単一音生成手段22bと、して機能する。また、記憶手段であるROM17には、犬の鳴き声である音声を生成するデータが格納されている。
【0034】
また、この玩具1の制御手段は、単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する。そして、この制御手段は、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して、玩具1のスピーカ12から音声(犬の鳴き声)が出力される直前に、順次玩具1のスピーカ12からこの時系列的に配列した複数の単一振動数の音(制御信号)を送出するように形成されている。
【0035】
玩具1は、さらに、ゲーム装置5のスピーカ52から出力される音声(ゲーム音)に重畳し若しくは音声(ゲーム音)が出力される直前に送出された時系列的に配列された単一振動数の音を玩具1のマイクロホン13で入力し、入力された単一振動数の音の組合せに対応する制御プログラムを玩具1の記憶手段であるROM17から読み出して音声を出力し、あるいは所定の動作を行うようにCPU20により制御される。
【0036】
よって、この玩具1は、玩具1の記憶手段としてのROM17に記憶され、玩具1の動作などを制御するプログラムやデータである第2のプログラムによりゲーム装置5のハードウェア構成に変更を加えることなく、当該ゲーム装置5に備えられたハードウェア構成を利用し、第1のプログラムによる制御と相俟ってゲーム装置5と相互に交信することができる。
【0037】
また、記憶媒体8に格納された制御プログラムは、玩具1からの制御信号の直後に出力される音声(犬の鳴き声)に合わせて、制御信号に対応する言葉をゲーム装置5の表示手段51の表示画面に表示するよう制御するものである。
【0038】
ここで、玩具1から送出される互いに異なった単一振動数の音は、それぞれ2000〜3000Hzの周波数帯から選択される。そして、これら複数の単一振動数の音は、時系列的に配列されて、約0.1秒の間隔をおいてそれぞれ約0.05秒の長さで順次送出される。また、玩具セット100を構成する記憶媒体8から読み込まれたプログラムの実行によって生成された送出手段によって送出される互いに異なった単一振動数の音は、それぞれ7000〜9000Hzの周波数帯から選択される。また同様に、これら複数の単一振動数の音は、時系列的に配列されて、約0.1秒の間隔をおいてそれぞれ約0.05秒の長さで順次送出される。
【0039】
そして、玩具1から出力される互いに異なった単一振動数の音は、3000〜2900Hzから選択された第1音、2800〜2700Hzから選択された第2音、2700〜2600Hzから選択された第3音、2500〜2400Hzから選択された第4音、及び2400〜2300Hzから選択された第5音、から成る5種類の音であって、この実施例では、制御信号は、この第1音乃至第5音の内から3音を選択(同一音の選択を含む)して組み合わせることにより形成される。同様に、ゲーム装置5から出力される互いに異なった単一振動数の音も、7000〜9000Hzの周波数帯から第1音乃至第5音までの5種類が構成し、この5種類の中から例えば3音を選択して組み合わせることにより制御信号を構成する。即ち、制御信号は、第1音乃至第5音から選択された音の組合せによって構成されている。
【実施例】
【0040】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、本実施例に係る玩具セット100を示す外観斜視図である。本実施例に係る玩具セット100は、図示するように、犬を模したキャラクタの外形を有する発音可能な玩具1と、携帯ゲーム装置5に着脱自在とされる記憶媒体8(図1には図示されていないが、ゲーム装置の側面に形成されたインターフェースに装着される。)と、を備える。また、玩具1とゲーム装置5との交信に適した位置決めを使用者が容易に行うことのできるプレイシート101を玩具セット100に含むこともある。
【0041】
そして、この玩具セット100は、ゲーム装置5のハードウェア構成に変更を加えることなく、当該ゲーム装置5に備えられた前記音声入力手段と前記発音手段とを利用して相互交信を可能にするものである。つまり、この玩具セット100は、ゲーム装置5を操作することで、ゲーム装置5から出力される制御信号を玩具1に送信して玩具1に所定の動作をさせることができるとともに、玩具1を操作することで、玩具1から出力される制御信号をゲーム装置5に送信してゲーム装置5に所定の動作をさせることができる。
【0042】
玩具セット100に利用されるゲーム装置5及び玩具1の構成について図1乃至図3を参照して説明する。図2及び図3は、玩具1及びゲーム装置5の機能回路ブロックを示す図である。
【0043】
先ず、玩具1の構成について図1及び図2を参照して説明する。玩具1は、犬を模したキャラクタの外形を有する形象玩具である。そして、この玩具1は、目部等に内蔵されるLED11と、胸部に内蔵されるスピーカ12と、頭部に内蔵されるマイクロホン13と、背部に内蔵されるタッチセンサー15と、尻尾部分に内蔵されるプッシュセンサー16と、を備えている。また、この玩具1は、LED11、スピーカ12、マイクロホン13、タッチセンサー15やプッシュセンサー16の動作を制御するCPU20を内蔵している。
【0044】
そして、この玩具1は、使用者の操作に応じて音声を発したり、動いたりするように構成されている。具体的には、この玩具1は、背部をなでたり、尻尾部分に触れたりすることで、体を伏せたり、頭部を傾げたり、目を光らせたり、鳴いたりするなどの種々の動作を実行可能な構成とされる。体を伏せる動作は、肩を支点として腕部を回動させるモータを駆動することで実行される。また、頭部を傾げる動作は、回動可能に保持される首部をモータにより所定角度回動させることで実行される。さらに、この玩具1は、LED11を発光して目などの体の一部分、あるいは全体の色を変えてキャラクタ(犬)の状態を表現することができる。そして、この玩具1は、スピーカ12から犬の鳴き声を発音することもできる。即ち、この玩具1は、使用者の操作に応じて種々の動作を実行することで、喜怒哀楽や健康状態等を表現することができるようになっている。また、これらの動作は、後述するゲーム装置5からの制御信号によっても実行される。
【0045】
玩具1の制御手段は、図2に示すように、CPU20と該CPU20に接続される記憶手段としてのROM17及びRAM18と、有する。ROM17は、第2のプログラムとする複数の制御プログラムやデータが格納された記憶手段である。CPU20は、タッチセンサー15及びプッシュセンサー16からの信号や、後述するゲーム装置5から送出される制御信号を受けて、又は、自動でROM17に予め記憶されている制御プラグラムなどに基づいて、RAM18をワークメモリとして回路各部の動作を制御する。
【0046】
また、記憶手段であるROM17には、玩具1から犬の鳴き声(疑似音声)を生成する音声データが格納されている。さらに、記憶手段であるROM17には、単一振動数の複数の音を玩具1から出力させるためのデータが格納されている。そして、記憶手段であるROM17には、後述するゲーム装置5からの制御信号(コード)に対応して所定の動作を玩具1に実行させるための個別プログラムが格納されている。
【0047】
つまり、CPU20は、ROM17に記憶される第2のプログラムである制御プログラムが実行されることにより、犬の鳴き声などの音声を生成する音声生成手段22a及び互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する単一音生成手段22b、玩具1のLED11を発光させる光源制御手段21、玩具1のモータを駆動するモータ制御手段29、並びに後述するゲーム装置5からの制御信号(コード)を検出するフィルター手段23として機能する。
【0048】
発音手段であるスピーカ12は、音生成回路12aを介してCPU20からの信号を受けて音を出力するものである。そして、出力される音には、後述するゲーム装置5に備えられたマイクロホン53に入力する音声帯域の音が含まれる。音声入力手段であるマイクロホン13は、外部からの音を入力し、入力された音信号を増幅回路を含む音検出回路13aを介してデジタル化して、CPU20へ送信するものである。そして、外部からの音には、後述するゲーム装置5に備えられたスピーカ52から出力される音声帯域の音が含まれる。
【0049】
発光手段であるLED11は、CPU20からの信号を受けた光源駆動回路11aにより駆動されて可視光波長帯域の光を発するものである。また、モータ19は、CPU20からの信号を受けたモータ駆動回路19aにより駆動されるものである。
【0050】
感知手段であるタッチセンサー15及びプッシュセンサー16は、使用者の接触動作を感知するものである。したがって、使用者が犬の背部をなでると、タッチセンサー15は使用者からの押圧操作を検出し、押圧が検出されたことを示す信号をCPU20へ送信する。同様に、使用者が前後方向に回動可能な犬の尻尾部分を回動操作すると(即ち、尻尾部分に触れると)、プッシュセンサー16は使用者からの回動操作を検出し、回動が検出されたことを示す信号を、CPU20へ送信する。
【0051】
そして、この玩具1のCPU20は、タッチセンサー15及びプッシュセンサー16が操作されると、あるいは後述するゲーム装置5からの制御信号(音信号の組合せから成る信号)を受信すると、その操作信号、あるいはゲーム装置5からの制御信号に応じて、玩具1から出力する制御信号を生成する。
【0052】
この玩具1から出力される制御信号は、単一振動数の音の組合せから成る。ここで、玩具1から送出される互いに異なった単一振動数の音は、それぞれ2000〜3000Hzの周波数帯から選択される。具体的には、玩具1から送出される互いに異なった単一振動数の音は、3000〜2900Hzから選択された第1音、2800〜2700Hzから選択された第2音、2700〜2600Hzから選択された第3音、2500〜2400Hzから選択された第4音、及び2400〜2300Hzから選択された第5音から成る5種類の音であって、制御信号は、この第1音乃至第5音の内から例えば3音を選択し組み合わせることにより形成される。
【0053】
即ち、制御信号は、第1音乃至第5音から選択された音の組合せによって構成されている。例えば、制御信号は、初めに発音される第1音、次に発音される第3音、最後に発音される第5音というように、時系列的に配列された選択音から構成されている。なお、制御信号は、初めに発音される第1音、次に発音される第1音、最後に発音される第1音というように、同一種類の選択音により構成されることもある。
【0054】
なお、単一振動数の音は、2000〜3000Hzの周波数帯から選択する場合に限定されるものでなく、選択音も5種類に限るものではない。しかしながら、選択する周波数帯の幅が狭すぎる、あるいは選択音が多すぎると選択音同士の周波数が近すぎて検出し難くなることがある。また、選択音が多い場合、使用者に違和感を生じさせる弊害もある。逆に周波数帯の幅が広すぎる、あるいは選択音が少なすぎると選択音同士の周波数が離れすぎて、ゲーム音(制御信号を構成する単一振動数の音を除く、ゲーム進行に合わせて出力される音)や周囲の雑音に影響を受けやすくなる場合があり、また、構成の違う種々のゲーム装置5の多くに対応させ難くなる場合がある。また、選択音が少なすぎると、制御信号の種類が少なくなってしまう。したがって、2000Hz〜3000Hz程度の周波数帯から5種類程度の周波数を選択する構成とすることが好適である。
【0055】
そして、本実施例においては、この第1音乃至第5音の内から1音を抜き出すことを3回行うことにより、組合せた一つの制御信号(コード)を形成して玩具1のスピーカ12から送出させることとした。なお、抽出する選択音の発音回数は3回に限定されるものでなく、制御信号を増やすために4回以上選択音を抽出することとしてもよい。
【0056】
そして、制御手段は、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して、玩具1のスピーカ12から出力される音声(犬の鳴き声)が出力される直前に、順次玩具1のスピーカ12からこの時系列的に配列した複数の単一振動数の音を送出するように形成されている。具体的には、図4(a)に示すように、これら第1音乃至第5音(複数の単一振動数の音)の中から1音ずつ抽出された3音(例えば、第1音、第3音、第5音)は、時系列的に配列されて、約0.1秒の間隔をおいてそれぞれ約0.05秒の長さで順次送出されるものである。そして、犬の鳴き声(音声)が続いて出力される。なお、制御信号は、図4(b)に示すように、玩具1のスピーカ12から出力される音声(犬の鳴き声)に重畳して送出することとしてもよい。
【0057】
また、CPU20は、ROM17に記憶される制御プログラムが実行されることにより、音検出回路13aから入力される音信号のうちから所定の音声帯域(7000〜9000Hzを除く帯域)の音を遮断するフィルター手段23としても機能する。つまり、フィルター手段23としてのCPU20は、受信した音信号の周波数帯の中から、ゲーム装置5のスピーカ52から出力される制御信号に対応する周波数帯以外の音を遮断して、玩具1のマイクロホン13に入力された単一振動数の音のそれぞれを検出する。これにより、外部からの音声であるゲーム音や使用者の話し声などの雑音が、単一振動数の音から構成される制御信号とともに入力されることに起因する誤認識の発生を抑制することができる。
【0058】
なお、フィルター手段は、CPU20にその機能を担わせることなく音検出回路13aにフィルタ(ハード)を設ける構成とすることもできる。
【0059】
したがって、この玩具1は、後述するゲーム装置5のスピーカ52から出力される音声に重畳し若しくは音声が出力される直前に送出された時系列的に配列された単一振動数の音(制御信号)を玩具1のマイクロホン13で入力し、入力された単一振動数の音の組合せに対応する(即ち、単一振動数の音の組合せで指定される)制御プログラムを玩具1のROM17から読み出して音声を出力し、あるいは所定の動作を行うように制御されてなる。この所定の動作には、制御信号を出力する動作が含まれる。
【0060】
つまり、この玩具1は、ゲーム装置5に備えられたハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置5に備えられたハードウェア構成を利用してゲーム装置5との相互交信を可能にし、ゲーム装置5と連携して動作するものである。
【0061】
次に、玩具セット100に利用されるゲーム装置5の構成について説明する。ゲーム装置5は、図1及び図3に示すように、液晶表示装置などの表示手段51と、音声帯域の音を出力する発音手段としてのスピーカ52と、音声帯域の音を入力する音声入力手段としてのマイクロホン53と、使用者が操作する操作入力手段55と、記憶媒体装着インターフェース54と、を備え、制御手段を内蔵している。
【0062】
制御手段は、CPU60と、該CPU60に接続される記憶手段としてのROM57及びRAM58と、を備える。ROM57は、ゲーム装置の動作を制御する複数の制御プログラムが格納された記憶手段である。CPU60は、操作入力手段(十字キーやプッシュボタン、タッチパネル)55からの信号や上述した玩具1から送出される制御信号を受けて、又は、自動でROM57に予め記憶されている制御プラグラムなどに基づいて、RAM58をワークメモリとして回路各部の動作を制御する。そして、この制御手段は、ゲーム装置5に装着される記憶媒体8に格納されるプログラムを読み込み、読み込んだプログラムを実行することで、表示手段51の表示画面に画像を表示させたり、スピーカ52から音を出力させたりするように、ゲーム装置5内の回路各部の動作を制御する。
【0063】
そして、玩具セット100を構成する記憶媒体8は、カード型の記憶媒体であって、ゲーム装置5の記憶媒体装着インターフェース54に対応する接続仕様を備えている。また、この記憶媒体8には、ゲーム装置5内に読み込まれてゲーム装置5の制御手段によって実行可能に構成されたゲーム制御プログラムやデータが第1のプログラムとして格納されている。
【0064】
この記憶媒体8に格納されたゲーム制御プログラムは、ゲーム装置5の制御手段によって実行されたとき当該ゲーム装置5に、ゲーム装置5のハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置5に備えられたハードウェア構成を利用して、当該ゲーム装置5と連携して動作する発音可能なキャラクタ玩具1との間での相互交信を可能にする機能を生成するものである。
【0065】
具体的には、ゲーム装置5の記憶媒体装着インターフェース54に装着される記憶媒体8に格納されるこのコンピュータプログラムは、フィルター機能、制御信号生成機能等をゲーム装置に付与する複数の制御プログラムと、玩具1から受信した制御信号に対応して読み出されて実行される複数の個別プログラムと、玩具1のキャラクタを含む画像及び音声(ゲーム音など)を生成するデータを含むものである。また、記憶媒体8には、制御信号を構成する単一振動数の複数の音を生成するデータが含まれる。そして、このゲーム制御プログラムは、記憶媒体8が記憶媒体装着インターフェース54に装着され、ゲーム装置5内に読み込まれてゲーム装置5の制御手段によって実行されたとき、ゲーム装置5のCPU60に、フィルター手段63、表示制御手段61、音声生成手段62a、及び単一音生成手段62bとしての機能を発揮させる。ここで、表示制御手段61は、表示手段51の表示画面に表示画像を表示させる出力手段であり、音声生成手段62aは、スピーカ52からゲーム音を出力させる出力手段である。
【0066】
音声生成手段62aとしてのCPU60は、ゲーム音などの音声を生成する。また、単一音生成手段62bとしてのCPU60は、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する。
【0067】
発音手段であるスピーカ52は、音生成回路52aを介してCPU60からの信号を受けて音を出力するものである。そして、出力される音には、玩具1に備えられたマイクロホン13(図2参照)に入力する音声帯域の音が含まれる。音声入力手段であるマイクロホン53は、外部からの音を入力し、入力された音信号を増幅回路を含む音検出回路53aを介してデジタル化して、CPU50へ送信するものである。そして、外部からの音には、上述した玩具1のスピーカ12(図3参照)から出力される音声帯域の音が含まれる。
【0068】
表示手段51は、液晶表示装置であって、記憶媒体8から読み出されたプログラムが実行されることによりCPU60から送信される信号に基づくゲーム画像、各種の設定のための設定画像、各種の処理に関するメッセージ等の種々の情報を表示する。
【0069】
操作入力手段55は、十字キーやプッシュボタン、あるいは、液晶表示装置上にタッチセンサー面を備えて一体とされるタッチパネル等であって、使用者の操作入力を検出するものである。使用者が操作入力手段55を押圧操作すると、操作入力手段55は使用者からの押圧操作を検出し、押圧が検出されたことを示す信号を、CPU60へ送信する。
【0070】
そして、このゲーム装置5のCPU60は、操作入力手段55が操作されると、あるいは上述した玩具1からの制御信号(音信号の組合せから成る信号)を受信すると、その操作信号、あるいは玩具1からの制御信号に応じて、ゲーム装置5から出力する制御信号を生成する。
【0071】
また、記憶媒体8に格納されたゲーム制御プログラムは、ゲーム装置5内に読み込まれてゲーム装置5の制御手段によって実行されたとき、ゲーム装置5から送出させる互いに異なった単一振動数の音の組合せによって構成される制御信号を生成し、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、ゲーム装置5の表示手段51の表示画面に表示されている画像に関連して出力される音声(ゲーム音)に重畳し若しくは音声(ゲーム音)が出力される直前にゲーム装置5のスピーカ52から送出する送出手段としての機能をCPU60に発揮させるように構成されている。即ち、記憶媒体8に格納されたゲーム制御プログラムは、ゲーム装置5の制御手段によって実行されたとき、玩具1に音声を出力させ、あるいは所定の動作を行わせるように制御するための制御プログラムを指定する制御信号を生成して、ゲーム装置5のスピーカ52から送出させる構成とされる。
【0072】
そして、このゲーム装置5から出力される制御信号は、単一振動数の音の組合せから成る。ここで、玩具セット100を構成する記憶媒体8から読み込まれたプログラムの実行によって生成されたゲーム装置5の送出手段によって送出される互いに異なった単一振動数の音は、それぞれ7000〜9000Hzの周波数帯から第1音乃至第5音までの5種類の音が選択される。そして、これら5種類の内から1音を抜き出すことを3回行うことにより制御信号を形成する。そして、抽出された音(複数の単一振動数の音)は、時系列的に配列されて、約0.1秒の間隔をおいてそれぞれ約0.05秒の長さで順次送出される。
【0073】
なお、単一振動数の音は、7000〜9000Hzの周波数帯から選択する場合に限定されるものでなく、選択音も5種類に限るものではない。これは、上述した玩具1の選択音の選定理由と同様である。そして、本実施例においては、この第1音乃至第5音から1音ずつ3回抽出して、組合せることで一つの制御信号(コード)としてゲーム装置5から出力させることとした。
【0074】
そして、ゲーム制御プログラムは、ゲーム装置5内に読み込まれてゲーム装置5の制御手段により実行されることで、生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して、順次ゲーム装置5から出力される音声(ゲーム音)に重畳させて、あるいは音声(ゲーム音)が発せられる直前にゲーム装置5のスピーカ52からこの時系列的に配列した複数の単一振動数の音を送出するように構成されている。
【0075】
また、CPU60は、記憶媒体8に記憶される制御プログラムが実行されることにより、音検出回路53aを介してマイクロホン53から入力される音信号のうちから所定の音声帯域(2000〜3000Hzを除く帯域)の音を遮断するフィルター手段63としても機能する。つまり、フィルター手段63としてのCPU60は、受信した音信号の周波数帯の中から、玩具1から出力される制御信号に対応する周波数帯以外の音を遮断して、ゲーム装置5のマイクロホン53に入力された単一振動数の音のそれぞれを検出する。これにより、外部から音声である玩具1からの犬の鳴き声(擬似音声)や使用者の話し声などが制御信号とともに入力されることに起因する誤認識の発生を抑制することができる。
【0076】
このように、記憶媒体8に格納されるゲーム制御プログラムは、ゲーム装置5の制御手段により実行されることで、ゲーム装置5のCPU60に種々の機能を発揮させることができるため、ゲーム装置5に何らの機械的、回路的なハード面の改良を付加することなく、玩具1との交信を実現できる。
【0077】
さらに、この記憶媒体8に格納されたゲーム制御プログラムは、玩具1からの制御信号が音声の直前に送出される構成の場合(図4(a)参照)、該制御信号の直後に出力される音声(犬の鳴き声)に合わせて、制御信号に対応する言葉をゲーム装置5の表示手段51の表示画面に表示するよう制御する構成とされている。
【0078】
また、この記憶媒体8に格納されたゲーム制御プログラムは、玩具1から出力される犬の鳴き声と対応する言葉を含む音声をゲーム装置5のスピーカ52から出力させるよう制御するデータを含む。
【0079】
つまり、このゲーム制御プログラムは、ゲーム装置5内に読み込まれてゲーム装置5の制御手段によって実行されることで、玩具1のスピーカ12から出力される音声に重畳し若しくは音声が出力される直前に送出された時系列的に配列された単一振動数の音(制御信号)がゲーム装置5のマイクロホン53を介して制御手段に入力されてフィルター手段63で検出されたとき、この時系列的に配列された単一振動数の音の組合せに対応する(即ち、単一振動数の音の組合せで指定される)制御プログラムを記憶媒体8から読み出して画像及び音声の少なくとも何れかを出力手段により出力させる構成とされる。
【0080】
そして、このゲーム制御プログラムは、玩具1が無くてもゲーム装置5に読み込まれて実行されることで、使用者が所定のゲームを進行できるように構成することができる。例えば、ゲーム制御プログラムが、キャラクタを育成するプログラムを含む場合、使用者は、家にいるときには玩具1と交信してゲームを進行させ、外出するときにはお出かけモードとして玩具1を出先に連れていかなくても、ゲーム装置5の表示手段51の表示画面に表示されるキャラクタの画像を見ながら、操作入力手段55を操作することによりキャラクタに餌を与えたり、遊んだりしてキャラクタを成長させるようにゲームを進行させることもできる。
【0081】
以下、ゲーム装置5における動作制御や処理を実行させる第1のプログラム、及び、玩具1の動作制御や処理を実効させる第2のプログラムに基いて行われるゲーム装置5・玩具1間の交信システムの流れについて、即ち、玩具1の制御手段、及び記憶媒体8に格納されるゲーム制御プログラムに基づいて動作するゲーム装置5の制御手段により実行される処理を、玩具1及びゲーム装置5の動作例とともに述べる。このゲーム装置5・玩具1間の交信システムは、上記した構成の玩具1と、記憶媒体8を装着したゲーム装置5と、の間で、ゲーム装置5のハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置5に備えられたハードウェア構成を利用して、音声帯域における相互交信を可能にするシステムである。
【0082】
図5は、直接操作モードにおける制御フローを示すフローチャートである。図6は、本実施例に係る玩具セット100の直接操作モード時における動作の例を示す図である。図7は、ゲーム装置操作モードにおける制御フローを示すフローチャートである。図8は、本実施例に係る玩具セット100のゲーム装置操作モード時における動作の例を示す図である。
【0083】
先ず、直接操作モードにおける制御フローを説明する。図5に示すように、直接操作モードが開始されると、玩具1の制御手段は、接触動作検出処理(ステップS101)において、接触動作が検出されたと判定されるまで待機する接触動作検出待機状態となる。このとき、図6に示すように、使用者が玩具1の背部をなでると、タッチセンサー15が使用者の押圧操作を検出して、図5に示したように、押圧が検出されたことを示す信号を、CPU20へ送信する(ステップS101)。
【0084】
そして、この玩具1の制御手段は、受信した操作信号に応じて、玩具1に所定の動作をさせる動作信号生成処理(ステップS111)、及び、玩具1から出力する制御信号を生成する制御信号生成処理(ステップS121)を実行する。
【0085】
動作信号生成処理(ステップS111)で動作信号を生成すると、制御手段は、当該動作信号を駆動対象(各部)へ送信して、駆動対象を駆動させる駆動処理(ステップS115)を実行する。ここで、駆動対象は、頭部や腕部を駆動するモータ19、スピーカ12やLED11である。
【0086】
したがって、駆動処理(ステップS115)が実行されると、この玩具1は、頭部用のモータ駆動回路19aにより頭部モータ19が動作して頭部を揺動させたり(頭を傾げたり)、腕部用のモータ駆動回路19aにより腕部モータ19が動作して腕部を回動させたり(体を伏せたり)、あるいは、音生成回路12aによりスピーカ12が動作して音声を発したり(鳴いたり)、光源駆動回路11aによりLED11が動作して目が光ったり(ペットの状態を表現したり)する。
【0087】
そして、CPU20は、制御信号生成処理(ステップS121)で所定の制御信号を生成する。この制御信号は、ゲーム装置5で実行される制御プログラムを指定するものであり、上記した時系列的に配列された第1乃至第5音の内から1音ずつ3回抽出されることにより組合せてなる音信号である。即ち、制御信号は、玩具1のスピーカ12から順次発せられる単一振動数の複数の音を時系列的に配列してなる音声として生成される。そして、CPU20は、接触動作検出処理(S101)により検出された信号に応じて、この制御信号を生成する。
【0088】
なお、この玩具1は、起動時間や、使用者の操作に応じて機嫌パラメータを変化させてRAM18に記憶する構成とした場合、制御信号生成処理(ステップS121)においては、接触動作検出処理(ステップS101)により検出された信号のみならず、この機嫌パラメータの数値に応じて制御信号を生成することもできる。
【0089】
そして、制御信号生成処理(ステップS121)で所定の制御信号が生成されると、制御手段は、音生成回路12aを駆動して、スピーカ12によって制御信号(単一振動数の複数音)を送出させる音出力処理(ステップS125)を実行する。
【0090】
また、この音出力処理(ステップS125)は、駆動処理(ステップS115)に対応して行われる。具体的には、駆動処理(ステップS115)において、スピーカ12から犬の鳴き声を発する場合、この音声(鳴き声)が出力される直前に制御信号である時系列的に配列された単一振動数の音を音出力処理(ステップS125)において実行する。なお、音声(鳴き声)に重畳させて制御信号を送出することとしてもよい。
【0091】
一方、ゲーム装置5の制御手段は、直接操作モードが開始されると、音検出処理(ステップS131)において、所定周波数帯域の音が入力されたと判定されるまで待機する音入力待機状態(制御信号入力待機状態)となる。つまり、玩具1のスピーカ12から制御信号(所定周波数帯域の単一振動数の複数音)が送出されて(ステップS125)、この制御信号がマイクロホン53により入力されると、この入力された単一振動数の音は、音検出回路53aにより増幅された後、フィルター手段63によって制御信号の周波数帯を除く他の周波数帯を遮断して、当該単一振動数の音の信号をCPU60へ送信する(ステップS131)。
【0092】
そして、ゲーム装置5の制御手段は、この音検出処理(ステップS131)で検出された制御信号(コード)に対応する出力信号をROM57から抽出する、即ち、音検出処理(ステップS131)で検出された時系列的に配列された単一振動数の音の組合せで指定される制御プログラムとしての出力信号をROM57から読み出すコード照合処理(ステップS141)を実行する。
【0093】
さらに、ゲーム装置5の制御手段は、コード照合処理(ステップS141)で抽出された出力信号を出力対象へ送信して、出力対象を動作させる出力処理(ステップS145)を実行する。ここで、出力対象は、表示手段51、又は、スピーカ52である。なお、ゲーム装置5に振動機構や、LEDなどの発光素子が設けられている場合には、これらが出力対象とされる。
【0094】
したがって、出力処理(ステップS145)が実行されると、表示駆動回路51aにより表示手段51が動作して表示画面に所定の画像や言葉(文章)を表示させたり、音生成回路52aによりスピーカ52が動作して所定のゲーム音や言葉を発音させたりする。そして、表示画面に表示される所定の言葉(文章)、及びスピーカ52から発音される所定の言葉は、恰もキャラクタ(犬)玩具1の鳴き声が翻訳されたかのような言葉とされる。つまり、このゲーム装置5は、例えば、図6に示したように、玩具1の背部が使用者になでられたことに対応して玩具1が「ワンワン!」と鳴いたとき、当該ゲーム装置5の表示手段51の表示画面に「あ〜きもちいい!」と表示させたり、スピーカ52から「あ〜きもちいい」と発音させたりすることができる。したがって、使用者は、キャラクタ(犬)玩具1がどんな気持ちなのかを理解して、より愛着感を抱く。
【0095】
ここで、玩具1からの制御信号が音声(鳴き声)の直前に送出される場合、制御信号の直後に出力される音声に合わせて、制御信号に対応する言葉をゲーム装置5の表示手段51の表示画面に表示するように、記憶媒体8に格納される制御プログラムを構成することが好ましい。これにより、玩具1から「ピピピ」と制御信号が発せられて、ゲーム装置5により検出された後、ゲーム装置5が所定時間だけ間隔をおいて、玩具1から「ワンワン!」と鳴き声が発せられたと同時にあるいは、その直後に表示手段51の表示画面に「あ〜きもちいい!」と表示させることができるため、玩具1との会話に対する趣向性を向上させることができる。なお、表示手段51の表示画面には、キャラクタの画像を文章とともに表示させることとしてもよい。
【0096】
次に、ゲーム装置操作モードにおける制御フローを説明する。図7に示すように、ゲーム装置操作モードが開始されると、ゲーム装置5の制御手段は、操作信号検出処理(ステップS201)において、操作信号が検出されたと判定されるまで待機する操作信号入力待機状態となる。このとき、図8(a)に示すように、使用者がゲーム装置5の操作入力手段(タッチパネル)55を操作すると、操作入力手段55が使用者の押圧操作を検出して、図7に示したように、押圧が検出されたことを示す信号を、CPU60へ送信する(ステップS201)。
【0097】
そして、このゲーム装置5の制御手段は、受信した操作信号が玩具1に制御信号を送るための操作であるか否かを判定する玩具対応信号判定処理(ステップS205)を実行する。そして、この玩具対応信号判定処理(ステップS205)で、玩具1に制御信号を送るための操作でないと判定された場合、当該操作信号に応じてゲームを進行させるゲーム進行処理(ステップS215)を実行する。このゲーム進行処理(ステップS215)では、表示手段51の表示画面に操作に対応する画像を表示させたり、スピーカ52から操作に対応する音声(ゲーム音)を出力させたりする。
【0098】
これに対して、玩具対応信号判定処理(ステップS205)で、玩具1に制御信号を送るための操作信号であると判定された場合、制御手段は、当該操作信号に応じてゲームを進行させるゲーム進行処理(ステップS221)、及び、ゲーム装置5から出力する制御信号を生成する制御信号生成処理(ステップS231)を実行する。
【0099】
そして、CPU60は、制御信号生成処理(ステップS231)で所定の制御信号を生成する。この制御信号は、玩具1で実行される制御プログラムを指定するものであり、上記した時系列的に配列された第1乃至第5音の内から1音ずつ3回抽出されることにより組合せてなる音信号である。即ち、制御信号は、ゲーム装置5のスピーカ52から順次発せられる単一振動数の複数の音を時系列的に配列してなる音声として生成される。そして、CPU60は、操作信号検出処理(S201)により検出された信号と、ゲーム進行に対応した(即ちゲームモードに対応した)信号と、に基づいて、出力する制御信号を生成する。
【0100】
なお、このゲーム装置5は、ゲームの進行具合や、使用者の操作に応じて成長パラメータを変化させてRAM58に記憶する構成とした場合、制御信号生成処理(ステップS231)においては、操作信号検出処理(ステップS201)により検出された信号やゲーム進行に対応した(ゲームモードに対応した)信号のみならず、この成長パラメータの数値に応じて制御信号を生成することもできる。
【0101】
そして、制御信号生成処理(ステップS231)で所定の制御信号が生成されると、制御手段は、音生成回路52aを駆動して、スピーカ52によって制御信号(単一振動数の複数音)を送出させる音出力処理(ステップS235)を実行する。
【0102】
また、この音出力処理(ステップS235)は、ゲーム進行処理(ステップS221)に対応して行われる。具体的には、ゲーム進行処理(ステップS221)において、スピーカ52からゲーム音を発する場合、この音声(ゲーム音)に重畳し若しくは音声(ゲーム音)の発生直前に制御信号を送出する。
【0103】
一方、玩具1の制御手段は、ゲーム装置操作モードが開始されると、音検出処理(ステップS241)において、所定周波数帯域の音が入力されたと判定されるまで待機する音入力待機状態(制御信号入力待機状態)となる。つまり、ゲーム装置5のスピーカ52から制御信号(所定周波数帯域の単一振動数の複数音)が送出されて(ステップS235)、この制御信号がマイクロホン13により入力されると、この入力された単一振動数の音は、音検出回路13aにより増幅された後、フィルター手段23によって制御信号の周波数帯を除く他の周波数帯を遮断して、当該単一振動数の音の信号をCPU20へ送信する(ステップS241)。
【0104】
そして、玩具1の制御手段は、この音検出処理(ステップS241)で検出された制御信号(コード)に対応する出力信号をROM17から抽出する、即ち、音検出処理(ステップS241)で検出された時系列的に配列された単一振動数の音の組合せで指定される制御プログラムとしての出力信号をROM17から読み出すコード照合処理(ステップS249)を実行する。
【0105】
さらに、この玩具1の制御手段は、コード照合処理(ステップS249)で抽出された出力信号に応じて、玩具1に所定の動作をさせる動作信号生成処理(ステップS251)、及び、玩具1から出力する制御信号を生成する制御信号生成処理(ステップS261)を実行する。
【0106】
動作信号生成処理(ステップS251)で動作信号を生成すると、玩具1の制御手段は、当該動作信号を駆動対象へ送信して、駆動対象を駆動させる駆動処理(ステップS255)を実行する。この動作信号生成処理(ステップS251)及び駆動処理(ステップS255)は、上記した直接操作モードにおける動作信号生成処理(ステップS111)及び駆動処理(ステップS115)(図5参照)と同様の処理とされる。
【0107】
したがって、駆動処理(ステップS255)が実行されると、キャラクタ玩具1は、頭を傾げたり、体を伏せたり、あるいは、鳴いたり、目を光らせて喜怒哀楽や健康状態を表現したりする。例えば、図8(a)に示したように、ゲーム装置5の表示手段51兼操作入力手段55としてのタッチパネルに「ほねつきにく」と表示されているときに、当該部分を使用者がタッチペンによりタッチすると、ゲーム装置5から「ピピピ」と単一振動数の音から成る制御信号が発音され、この制御信号を受けた玩具1は「ワンッ」と鳴くとともに、体を伏せて「モグモグ」と恰もペットが食べ物を食べているような音声を発することができる。よって、使用者は、キャラクタ(犬)玩具1をお世話をすることができるため、より愛着感を抱く。
【0108】
そして、玩具1の制御手段は、上記した直接操作モードにおける制御信号生成処理(ステップS121)及び音出力処理(ステップS125)(図5参照)と同様に、制御信号生成処理(ステップS261)で所定の制御信号を生成し、音出力処理(ステップS265)で音生成回路12aを駆動して、スピーカ12によって制御信号(単一振動数の複数音)を出力させる。なお、玩具1の制御手段は、コード照合処理(S249)により照合されて抽出された出力信号に応じて、制御信号を生成する。
【0109】
つまり、この玩具1は、ゲーム装置5のスピーカ52の発する音声(ゲーム音)に重畳し若しくは音声(ゲーム音)の発生直前に発せられた時系列的に配列された単一振動数の音をそれぞれ玩具1のマイクロホン13で入力し、入力された音の中から制御信号を検出し(ステップS241)、検出された単一振動数の音の組合せに対応する(即ち、検出された制御信号で指定される)制御プログラムを玩具1の記憶手段であるROM17から読み出して音声を発し、あるいは制御信号を出力する音出力処理(ステップS265)を含む所定の動作を行うようにCPU20により制御される。
【0110】
つまり、玩具1は、各部を動作させるだけでなく、例えば、「モグモグ」と音声を出力した後、図8(b)に示すように、制御信号を「ピピピ」と送出してゲーム装置5と交信することができるようになっている。
【0111】
そして、図7に示したように、音出力処理(ステップS265)が実行されると、上記した直接操作モードにおけるステップS131〜145と同様の処理が実行される。即ち、ゲーム装置5のマイクロホン53を介して音の信号がCPU60に送信され、当該音の信号から制御信号が検出されると(ステップS271)、コード照合処理(ステップS281)により制御信号(コード)に対応する出力信号が抽出される。
【0112】
さらに、制御手段は、コード照合処理(ステップS281)で抽出された出力信号を出力対象へ送信して、出力対象を動作させる出力処理(ステップS285)を実行する。したがって、出力処理(ステップS285)が実行されると、表示手段51の表示画面に所定の文章を表示させたり、スピーカ52に所定の言葉を発音させたりする。
【0113】
つまり、玩具1の制御手段は、図8(b)に示すように、「ピピピ」と制御信号とともに、あるいは制御信号の送出直後に「ワンワン」と音声を出力し、玩具1からの制御信号を受けたゲーム装置5は、表示手段51に「とってもおいしい!」といった言葉を表示させることができる。よって、使用者は、ペットに食事をさせた後、ペットの感想を聞いてペットの好みなどを知ることができるため、よりペットに愛着感を持つことができる。また、RAM58に格納されるペットの成長パラメータデータを更新する場合、タッチパネルに「なかよし度があがったよ!」と表示することで使用者はペットの成長を確認することもできる。
【0114】
このように、本発明によれば、ゲーム装置5に備えられているマイクロホン53を介して制御手段に入力される音声帯域の音及びスピーカ52の発する音声帯域の音を玩具1との送受信手段(即ち、交信手段)として利用するので、既存のゲーム装置5にハードウェアを追加することなく既存のゲーム装置5のハードウェア構成を維持しながら、ゲーム装置5とキャラクタ玩具1との間での制御信号のやり取りを実現することができる。
【0115】
また、制御信号を構成する一音それぞれを単一振動数の音とし、当該単一振動数の音のそれぞれを単独で(所定時間間隔をおいて一音ずつ)送信し、受信側で受信した鳴き声やゲーム音などの音声のなかから特定の単一振動数の一音を個別に検出する構成としたので、玩具セット100の構成をシンプルにできる。
【0116】
さらに、ゲーム装置5と玩具1との間の音声帯域を利用した交信は、ゲーム装置5及び玩具1を操作する子供や友達、家族の声を含む雑音の多い環境で行われるが、単一振動数の音のみを順次個別に検出するので、音声帯域における雑音の多い環境でもゲーム装置5に専用のハードウェアを付加することなく特定の音の検出を可能にするシステムを簡単なプログラムで実現することが可能になった。このように検出された音の組合せ、例えば、5音の組合せでコードを構成し、該コードをアドレスとしてキャラクタを含む画像、音声(鳴き声、言葉やBGM)を生成するデータを選択する構成としたので、多くの種類の画像、鳴き声及び音声のデータを予め記憶媒体8に格納することで多様な遊びを提供することができる。
【0117】
そして、玩具1を犬を模したキャラクタの形状とするとともに、犬の鳴き声を発する構成とすることで、ペットロボットとしての興趣性を向上させることができる。なお、キャラクタは犬に限定されることなく、猫、猿などの動物でもあってもよいし、人物や、物品、あるいは、創造物であってもよい。
【0118】
また、記憶媒体8に格納された制御プログラムが、犬の鳴き声と対応する言葉を含む音声をゲーム装置5のスピーカ52から出力させるように制御する構成とすることで、使用者の聴覚にロボットの心の声を訴えることができるので、より興趣性を向上させた玩具セット100として提供することができる。
【0119】
さらに、記憶媒体8に格納された制御プログラムが、玩具1が発する制御信号が音声直前に送信される構成の場合、制御信号の直後に発せられる音声に合わせて、制御信号に対応する言葉(文章)をゲーム装置5の表示画面に表示するよう制御する構成とすることで、玩具1が音声(鳴き声)を発すると同時に、あるいは玩具1が音声(鳴き声)を発する直後に、対応する言葉(文章)をゲーム装置5の表示画面に表示させることができるため、玩具1との会話に対する趣向性が向上されている。
【0120】
そして、玩具1から発せられる制御信号として用いられる互いに異なった単一振動数の音を、2000〜3000Hzの周波数帯から選択し、ゲーム装置5から発せられる互いに異なった単一振動数の音を、7000〜9000Hzの周波数帯から選択することで、ゲーム装置5及び玩具1の双方において制御信号を検出しやすくなるため、スムーズな交信が可能となる。
【0121】
また、第1音乃至第5音から選択された音の組合せによって制御信号を構成し、第1音を3000〜2900Hzから選択し、第2音を2800〜2700Hzから選択し、第3音を2700〜2600Hzから選択し、第4音を2500〜2400Hzから選択し、第5音を2400〜2300Hzから選択することで、ゲーム装置5において制御信号を検出しやすくするとともに、多数のコードを設定することができる。
【0122】
そして、第1音乃至第5音から1音ずつ3回音を抜き出して制御信号を構成することとすれば、125種類のコードを設定することができるとともに、音出力される音を3音とするとともに各選択音同士の間隔を0.1秒程度とすることで、使用者に違和感を与えることなく、玩具1との自然な会話を実現できる。
【0123】
そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。例えば、玩具1から出力させる制御信号の周波数帯と、ゲーム装置5から出力させる制御信号の周波数帯とは、同一としたり、一部重複することとしてもよい。
【0124】
そして、玩具1から制御信号としての単一振動数の音を出力する構成としては、PWM方式により周波数を可変させて複数の単一振動数の音を出力することとしてもよいし、予め音声データとして保持するデジタル信号をD/Aコンバータにより変換して出力することもできる。なお、後者を採用することで、音ひずみを抑制することができるため、好適である。
【0125】
また、ゲーム装置5と玩具1との間の交信により、実行されるゲーム装置5及び玩具1の動作内容については、上記した例に限るものではない。例えば、使用者は、ゲーム装置5を操作することでキャラクタ玩具1とモグラ叩きなどの対戦ゲームをすることができるように玩具セット100を構成することとしてもよい。この場合、表示手段51の表示画面には、キャラクタの腕の画像を表示して、対戦ゲームとしての臨場感を高める。さらに、ゲーム装置5に実行されるゲームが、レースゲームなどである場合において、ゲーム進行途中で出現する障害物を協力者としてのキャラクタ玩具1からの制御信号を受けて、当該障害物を排除するように玩具セット100のプログラムを構成すれば、使用者は、キャラクタ玩具1と一緒になってゲームを進行させて楽しむこともできる。
【0126】
さらに、ゲーム制御プログラムはゲーム装置に設けられた記憶媒体装着インターフェースを介して記憶媒体から供給する場合を例に記載したが、対象ゲーム装置がインターネット等のネットワーク接続手段を備え、ネットワークを介してダウンロードされたゲーム制御プログラムを実行する機能を備えているときは、当該ネットワーク接続手段を利用して前記ゲーム制御プログラムをゲーム装置内に読み込むことで供給するようにしてもよい。
【0127】
また、前記実施例では、いぬ形状の玩具を例に説明したが、例えば、モータバイクや車の操作ハンドル、さらには釣具の巻き取り操作部等の操作部を模した玩具とし、当該玩具の操作に応答して音を発する構成とし、当該操作音に本願発明の単一振動数の組み合わせで構成される制御音を重畳して発音手段から送出する構成としてもよい。そして前記実施例では、ゲーム専用機器(ゲーム装置)を例に説明したが、対象となる電子機器は、マイクロフォンやスピーカを有し、ゲーム操作が可能に構成された携帯端末(mobile phone)等の電子装置であってもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 玩具 5 ゲーム装置
8 記憶媒体
11 LED 11a 光源制御回路
12 スピーカ 12a 音生成回路
13 マイクロホン 13a 音検出回路
15 タッチセンサー
16 プッシュセンサー 17 ROM
18 RAM
19 モータ 19a モータ駆動回路
20 CPU
21 光源制御手段 22a 音声生成手段
22b 単一音生成手段 23 フィルター手段
29 モータ制御手段
51 表示手段 51a 表示駆動回路
52 スピーカ 52a 音生成回路
53 マイクロホン 53a 音検出回路
54 記憶媒体装着インターフェース 55 操作入力手段
57 ROM 58 RAM
60 CPU 61 表示制御手段
62a 音声生成手段 62b 単一音生成手段
63 フィルター手段 100 玩具セット
101 プレイシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム操作が可能に構成された電子装置と連携して作動する玩具と前記電子装置で実行可能なプログラムとを組み合わせた玩具セットであって、
(a)前記電子装置内に読み込まれて前記電子装置の制御手段によって実行可能に構成された第1のプログラムであって、前記第1のプログラムは、複数の個別プログラムと前記玩具の外形に対応する画像及び音を生成するデータとを含み、前記電子装置の制御手段によって実行されたとき、前記電子装置に、
前記電子装置の音入力手段に入力された単一振動数の音のそれぞれを検出するフィルター機能と、
該フィルター機能によって検出された時系列的に配列された単一振動数の音の組合せに対応する個別プログラムを読み出して画像及び音の少なくとも何れかを出力させる機能と、
互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する機能と、
前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、
生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示されている画像と連携して出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に前記電子装置の発音手段から送出する機能と
を付与するように構成された前記第1のプログラムと、
(b)前記電子装置に備えられた音入力手段に入力される音帯域の音を出力する発音手段と、前記電子装置に備えられた発音手段から出力される音帯域の音を入力する音入力手段と、玩具搭載制御手段と、使用者の接触動作を感知する感知手段と、音を生成する手段と、複数の個別プログラムを含む第2のプログラムが格納された記憶手段と、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する手段と、を備え、前記第2のプログラムは、玩具搭載制御手段によって実行されたとき、前記玩具に、
前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、
生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記玩具の発音手段から出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に前記玩具の発音手段から送出する機能と、
使用者の操作に応じて音を出力する機能と、
前記電子装置の発音手段から出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に送出され時系列的に配列された単一振動数の音が前記玩具の音入力手段に入力されたとき、入力された単一振動数の音の組合せに対応する個別プログラムを前記玩具の記憶手段から読み出して音を出力し、あるいは所定の動作を行うように制御する機能と
を備えるように構成された前記玩具と
によって構成され、
前記電子装置のハードウェア構成に変更を加えることなく当該電子装置に備えられた前記音入力手段と前記発音手段とを利用して前記電子装置との相互交信を可能にしたことを特徴とする前記玩具と前記電子装置で実行可能なプログラムによって構成された玩具セット。
【請求項2】
ゲーム装置と連携して作動する玩具と前記ゲーム装置で実行可能なプログラムとを組み合わせた玩具セットであって、
(a)前記ゲーム装置のインターフェースに対応する接続仕様の接続部と、記憶部と、前記記憶部に格納され前記ゲーム装置内に読み込まれて前記ゲーム装置の制御手段によって実行可能に構成された第1のプログラムと、を含み、前記第1のプログラムは、複数の個別プログラムと前記玩具の外形によって具象されるキャラクタを含む画像及び音声を生成するデータとを含み、前記インターフェースから読み込まれ前記ゲーム装置の制御手段によって実行されたとき、前記ゲーム装置に、
前記ゲーム装置の音声入力手段に入力された単一振動数の音のそれぞれを検出するフィルター機能と、
該フィルター機能によって検出された時系列的に配列された単一振動数の音の組合せに対応する個別プログラムを読み出して画像及び音声の少なくとも何れかを出力させる機能と、
互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する機能と、
前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、
生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示されている画像と連携して出力される音声に重畳し若しくは前記音声が出力される直前に前記ゲーム装置の発音手段から送出する機能と
を付与するように構成された記億媒体と、
(b)前記ゲーム装置に備えられた音声入力手段に入力される音声帯域の音を出力する発音手段と、前記ゲーム装置に備えられた発音手段から出力される音声帯域の音を入力する音声入力手段と、玩具搭載制御手段と、使用者の接触動作を感知する感知手段と、音声を生成する手段と、複数の個別プログラムを含む第2のプログラムが格納された記憶手段と、互いに異なった単一振動数の複数の音を生成する手段と、を備え、前記第2のプログラムは、玩具搭載制御手段によって実行されたとき、前記玩具に、
前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、
生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記玩具の発音手段から出力される音声に重畳し若しくは前記音声が出力される直前に前記玩具の発音手段から送出する機能と、
使用者の操作に応じて音声を出力する機能と、
前記ゲーム装置の発音手段から出力される音声に重畳し若しくは前記音声が出力される直前に送出され時系列的に配列された単一振動数の音が前記玩具の音声入力手段に入力されたとき、入力された単一振動数の音の組合せに対応する個別プログラムを前記玩具の記憶手段から読み出して音声を出力し、あるいは所定の動作を行うように制御する機能と
を備えるように構成された前記キャラクタ形状の玩具と
によって構成され、
前記ゲーム装置のハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置に備えられた前記音声入力手段と前記発音手段とを利用して前記ゲーム装置との相互交信を可能にしたことを特徴とする前記キャラクタ形状の玩具と前記記憶媒体によって構成された玩具セット。
【請求項3】
前記玩具の外形は、犬を模して構成されており、前記前記第1のプログラムには犬の鳴き声である音声を生成するデータが格納されていることを特徴とする請求項1または2に記載の玩具セット。
【請求項4】
前記個別プログラムは、前記玩具から出力される犬の鳴き声と対応する言葉を含む音声を前記ゲーム装置の発音手段から出力させるよう制御するデータを含むものであることを特徴とする請求項3に記載の玩具セット。
【請求項5】
前記個別プログラムは、前記玩具からの制御信号が前記発音手段からの発音の直前に送出される構成の場合、該制御信号の直後に出力される発音に合わせて、前記制御信号に対応する言葉を前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示するよう制御するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の玩具セット。
【請求項6】
前記玩具から送出される互いに異なった単一振動数の音は、それぞれ2000〜3000Hzの周波数帯から選択されたものであり、複数の前記単一振動数の音が時系列的に配列されて間隔をおいて送出されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の玩具セット。
【請求項7】
前記玩具から送出される互いに異なった単一振動数の音は、3000〜2900Hzから選択された第1音、2800〜2700Hzから選択された第2音、2700〜2600Hzから選択された第3音、2500〜2400Hzから選択された第4音、及び2400〜2300Hzから選択された第5音によって構成され、前記制御信号は前記第1音乃至第5音から選択された音の組合せによって構成されていることを特徴とする請求項5に記載の玩具セット。
【請求項8】
前記玩具セットを構成する前記第1のプログラムの実行によって生成され前記ゲーム装置の発声手段送出される互いに異なった単一振動数の音は、それぞれ7000〜9000Hzの周波数帯から選択されたものであり、複数の前記単一振動数の音が時系列的に配列されて間隔をおいて送出されるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の玩具セット。
【請求項9】
ゲーム装置の制御手段によって実行可能に構成されたプログラムであって、
前記プログラムは、複数の個別プログラムと画像及び音を生成するデータとを含み、前記ゲーム装置内に読み込まれ前記ゲーム装置の制御手段によって実行されたとき、前記ゲーム装置に、
前記ゲーム装置の音入力手段に時系列的に配列して入力された単一振動数の音のそれぞれを検出する音検出処理と、
該音検出処理で検出された、時系列的に配列された単一振動数の音の組合せで指定される個別プログラムを読み出して画像及び音の少なくとも何れかを出力させる出力処理と、
個別プログラムのいずれかを指定する制御信号を単一振動数の複数の音の組合せによって生成する処理と、
生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示されている画像に関連して出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に前記ゲーム装置の発音手段から送出する音出力処理と、
を含む処理を実行させることで、
前記ゲーム装置のハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置に備えられた前記音入力手段と前記発音手段とを利用して前記ゲーム装置と連携して作動する玩具との相互交信を可能にしたことを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項10】
ゲーム装置のインターフェースに対応する接続仕様の接続部を備えた記憶媒体に格納され、前記ゲーム装置の制御手段によって実行可能に構成されたプログラムであって、
前記プログラムは、複数の個別プログラムと画像及び音を生成するデータとを含み、前記記憶媒体が前記インターフェースに装着され前記ゲーム装置内に読み込まれ前記ゲーム装置の制御手段によって実行されたとき、前記ゲーム装置に、
前記ゲーム装置の音入力手段に時系列的に配列して入力された単一振動数の音のそれぞれを検出する音検出処理と、
該音検出処理で検出された、時系列的に配列された単一振動数の音の組合せで指定される個別プログラムを読み出して画像及び音の少なくとも何れかを出力させる出力処理と、
個別プログラムのいずれかを指定する制御信号を単一振動数の複数の音の組合せによって生成する処理と、
生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次、前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示されている画像に関連して出力される音に重畳し若しくは前記音が出力される直前に前記ゲーム装置の発音手段から送出する音出力処理と、
を含む処理を実行させることで、
前記ゲーム装置のハードウェア構成に変更を加えることなく当該ゲーム装置に備えられた前記音入力手段と前記発音手段とを利用して前記ゲーム装置と連携して作動する玩具との相互交信を可能にしたことを特徴とするゲーム制御プログラム。
【請求項11】
前記玩具から出力される音と対応する言葉を含む音声を前記ゲーム装置の発音手段から出力させる出力処理を実行させることを特徴とする請求項9または請求項10に記載のゲーム制御プログラム。
【請求項12】
前記玩具から送出される制御信号の直後に出力される音に合わせて、前記制御信号に対応する言葉を前記ゲーム装置の表示手段の表示画面に表示する出力処理を実行させることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれかに記載のゲーム制御プログラム。
【請求項13】
音声帯域の音を出力する発音手段と音声帯域の音を入力する音入力手段とを備えた電子装置間で制御信号の送受信を可能にする送受信システムであって、
前記電子装置のそれぞれは、音声帯域の音を出力する発音手段と、音声帯域の音を入力する音入力手段と、複数の個別プログラムを含むコンピュータプログラムを読み込む手段と、前記コンピュータプログラムの実行を制御する制御手段と、を具備し、
前記電子装置のそれぞれにおいて、前記コンピュータプログラムが読み込まれ前記制御手段によって実行されたとき、当該電子装置に、
前記単一振動数の音の組合せによって制御信号を生成する機能と、
生成された制御信号を構成する複数の単一振動数の音を時系列的に配列して順次前記玩具の発音手段から相手方電子装置に送出する機能と、
相手方電子装置から送信されてきた時系列的に配列された単一振動数の音を前記音入力手段で受信したとき、当該単一振動数の音の配列で構成される制御信号に対応する個別プログラムを読み出す機能と、
前記制御手段によって読み出された個別プログラムを実行する機能と
を備えるように構成されてなり、
電子装置のそれぞれが有する前記音入力手段と前記発音手段とを利用して電子装置間の相互交信を可能にしたことを特徴とする電子装置間交信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−172901(P2011−172901A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165859(P2010−165859)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(599064214)株式会社セガ トイズ (32)
【Fターム(参考)】