説明

玩具花火

【課題】線香やローソクでも、安全にかつ容易に点火出来る玩具花火を提供する。
【解決手段】図中1は薬筒であり、通常紙筒やプラスチック製筒が使用される。この薬筒1のサイズは特に限定されるものではなく、従来から使用されてきたサイズのものが広く使用できる。その代表例として例えは直径が3〜40mm程度、長さが30〜400mm程度のものが例示出来る。2は火薬であり、3は本発明の大きな特徴である突起様状点火用着火部である。また4は着火剤、5は底留めであり、6は土留めある。従来の玩具花火に於いて、その点火面に媒体物に着火剤を担持させた点火用着火部を、新たに設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は玩具花火に関し、更に詳しくは従来のこの種玩具花火の点火を容易に且つ安全に行えるように改良した玩具花火に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の玩具花火は、その点火に際しては、使用者の安全確保の目的から、タバコやライターを使用せずに、線香やローソクで点火する様に、その安全基準として求められている。
【0003】
この為、従来の玩具花火は着火を容易にするために、通常着火剤を用いている。そしてこの着火剤は玩具花火の点火部に圧着したり、或いは塗布したりして形成されているために、その着火は不十分で線香やローソクでは容易に点火し難い。
【0004】
この為、点火し易い敏感な火薬を用いる手段も知られているが、これではその製造工程ばかりでなく、運搬時や使用時にも危険性が伴う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の玩具花火の各難点を解決せんとするものであり、特に敏感な火薬を使用せずに、通常使用されている従来の火薬を用いたままで、しかも線香やローソクでも容易に且つ安全に点火可能な玩具花火を新たに開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために、本発明者は従来から鋭意研究を続けた結果、特定の媒体物に、敏感な火薬でなく通常の火薬を担持させた点火用着火部を、玩具花火の点火面に突出して設けた場合は、極めて安全にしかも線香やローソクでも容易に点火出来ることを見いだし、茲に本発明を完成したものである。
【0007】
また更にこの研究に於いては、従来のこの種玩具花火に於いて、多々生じる底抜け(バックファイヤー)と言う難点も、うまく解決出来る手段をも見いだした。
【0008】
即ち、元来この底抜け(バックファイヤー)が生じる原因は、従来の底留め手段に問題があるものであって、底留め剤である土や石膏等の固形剤を薬筒(たとえは紙筒等)に直接圧着しているために、固形剤の材質やその圧着程度の差異により、底が抜ける所謂底抜けが生じるものである。今回本発明者は、この研究に於いて固形剤を唯単に圧着するだけではなく、玩具花火と一体的に固定することにより、上記難点をうまく解決出来ることも見いだしたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の玩具花火は、花火の点火面に上記突起状点火用着火部を突出させて設けているので、線香やローソク等で容易にしかも安全に点火することが出来、使用者が使用する場合だけでなく、花火の製造や運搬時にも安全であって、その効果は極めて大きい。
【0010】
また底抜け(バックファイヤー)の問題も生ずることなく、安全に使用出来る大きな利点もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の玩具花火の好ましい実施例は図1に示す如きものである。基本的には従来の玩具花火の点火面に、本発明者が初めて開発した新しい着火部3を突出して設けたことでる。以下に図1を参照しつつ本発明を詳しく説明する。
【0012】
図中1は薬筒であり、通常紙筒やプラスチック製筒が使用される。この薬筒1のサイズは特に限定されるものではなく、従来から使用されてきたサイズのものが広く使用できる。その代表例として例えは直径が3〜40mm程度、長さが30〜400mm程度のものが例示出来る。2は火薬であり、3は本発明の大きな特徴である突起様状点火用着火部である。また4は着火剤、5は底留めであり、6は土留めある。
【0013】
図1に示した点火用着火部3は本発明の一例であって、線香やローソクで着火出来る限り、その大きさや形状は限定されることなく、広い範囲で各種のものがいずれも使用出来、その代表例は例えは次の通りである。
【0014】
形状としては棒状(円筒状)、板状、線状等であり、大きさは、円筒状や線状のものでは、直径は1〜5mm程度、長さは10〜100mm程度である。また板状のものでは、幅2〜20mm、厚さ1〜3mm,長さ10〜100mm程度である。
【0015】
この着火部3を形成するために使用される媒体物としては、着火剤を担持するために使用されるものであり、該着火剤を担持出来る可燃性のものであれは良いが、その代表例として紙類、木材、草、プラスチック類、縄、糸、布等の織物や編み物類、導火線、針金、ダンボール類等を挙げることが出来る。
【0016】
この際該着火剤の担持量は、線香やローソクで点火出来れば良く、特に限定されない。
【0017】
また担持手段としては、例えは着火剤を媒体物に浸透または塗布したり、巻付ても良い。
【0018】
本発明に於いて使用される着火剤は、原則的には従来から使用されてきたものが使用され、これを上記媒体物に担持させて突起状に形成して使用する。代表例として火薬類を接着剤や樹脂類と混合したものを例示出来る。
【0019】
本発明に於いて、着火部3を形成するために使用されることのある接着剤は、火薬類を含有し又は含有しない接着剤が使用されるが、、基本的には含有したものが使用される。この際の接着剤としては、従来公知の各種の接着剤が使用できる。
【0020】
更に詳しくは、天然ゴム系、澱粉系、ニカワ系、松脂系のごとき天然系接着剤やニトロセルロース、アセトンセルロース、フェノール系樹脂、ラックなどの合成樹脂接着剤を例示出来る。
【0021】
なおこの火薬類含有接着剤は、填薬された他の火薬の露出部の火薬漏れの防止にも用いることができる。その防止手段として、例えは火薬が漏れている箇所を被覆する手段を例示出来る。本発明に於いては接着剤の使用に際しては、着火剤中に空気が導入された状態になるように、処理するのが好ましい。この処理により、花火自体の填薬状態の異変により、爆燃や火薬漏れを未然に防ぐことができる。
【0022】
本発明のもう一つの特徴は、底抜けの発生を防止出来ることである。既に述べた通り、底留め部分を花火本体と一体的に固定することである。この手段としては、花火本体と一体的に固定する手段である限り特に制限されることはない。たとえば薬筒としてプラスチック製をのものを使用した場合は、空洞ではなく底止め加工を施す。また、紙筒を使用した場合は、紙筒の一部を利用して接着剤等で底止め加工をほどこすことが出来る。この際特に花火本体の製造に使用される材料と同じ材料のものを使用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明に係る玩具花火の一例を示す図面である。
【符号の説明】
【0024】
1: 薬筒
2: 火薬
3: 突起状点火用着火部
4: 着火剤
5: 底留め
6: 土留め

【特許請求の範囲】
【請求項1】
従来の玩具花火に於いて、その点火面に、媒体物に着火剤を担持させた点火用着火部を、新たに突出して設けたことを特徴とする玩具花火
【請求項2】
上記請求項1の玩具花火に於いて、その底留め部を、玩具花火と一体的に固定して設けたことを特徴とする請求項1に記載の玩具花火
【請求項3】
上記点火用着火部の媒体物が、可燃性であって、突出部を形成出来る物質の少なくとも1種である 請求項1又は2に記載の玩具花火
【請求項4】
上記着火剤は、接着剤及び(又は)樹脂と火薬類とを含有するものである請求項1又は2に記載の玩具花火

【図1】
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【公開番号】特開2011−12944(P2011−12944A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174767(P2009−174767)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(394024488)葛城煙火株式会社 (2)