説明

玩具銃及び取付器具

【課題】圧縮ガスで弾丸を発射する玩具銃をガスカートリッジの交換無しに長時間使用できるようにし、かつ、ガスカートリッジの携帯性を向上させる。
【解決手段】玩具銃内に配置される気室ボディ122は、気室126を形成する。気室ボディ122内の圧縮ガスは、ガス排出部を通過し、弾丸保持部に保持された弾丸を銃口から発射させる。バルブは、操作部による操作に応じて、気室ボディ122とガス排出部との連通を開閉する。玩具銃は、複数のガスカートリッジ取付部210を備える。ガスカートリッジ取付部210には、ガスボンベ102が取り付けられる。各ガスカートリッジ取付部210には、第1の弁部が設けられる。ガスカートリッジ取付部210に取り付けられたガスボンベ102内の圧縮ガスは、ガス導入部301を経て、気室126内に導かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスカートリッジを装着でき、このガスカートリッジ内の圧縮ガスによる圧力で弾丸を発射する玩具銃、及び、この玩具銃にガスカートリッジを取り付けるための取付器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスカートリッジを装着でき、このガスカートリッジ内の圧縮ガスによる圧力で弾丸を発射する玩具銃が普及している。その一例は、特許文献1に記載の玩具銃である。
【0003】
特許文献1の記載に従うと、この玩具中には、ボンベ22(ガスカートリッジ)が一つ装着される。ボンベ22は、圧縮された二酸化炭素ガスを収納し、玩具銃の気室24内を二酸化炭素ガスで充満させる。玩具銃の使用者は、コッキングヘッド34を後方へ引いてピストン51を後方に位置付け、その後にこのコッキングヘッド34を前進させて元の位置に戻す。この状態で、使用者がトリガ61を引くと、ピストン51は前進する。ピストン51が前進すると、シリンダー44内のエアーはバレル15内に放出され、バレル15内の弾丸12は銃口16から発射される。また、ピストン51が前進すると、ハンマーバー31が前進してバルブ26に当たり、バルブ26による気室24とハンマーバー収納室25の遮断を破る。その結果、気室24内のガスは、ハンマーバー収納室25内に放出され、ハンマーバー31を後方へ押し、コッキングヘッド34を後退させてピストン51を後方に位置付ける。以後、トリガ61を引くたびにコッキングヘッド34は自動的に前進後退する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7―41292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の玩具銃では、コッキングヘッド34が自動的に前進後退し、実銃さながらに、短時間で多くの弾丸が発射される。このため、特許文献1に記載の玩具銃は、圧縮ガスを多量に消費する。
【0006】
ここで、ボンベ22を交換せずに玩具銃を長時間使うために、ボンベ22を大型にすることが考えられる。しかしながら、この場合、ボンベ22を持ち歩くことが煩わしくなる。
【0007】
本発明の目的は、圧縮ガスで弾丸を発射する玩具銃をガスカートリッジの交換無しに長時間使用できるようにし、かつ、ガスカートリッジの携帯性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の玩具銃は、弾丸を保持する弾丸保持部と、気室を形成する気室ボディと、前記気室内の圧縮ガスを前記弾丸保持部に保持された弾丸に導くガス排出部と、前記気室と前記ガス排出部との連通を開閉するバルブと、前記バルブを開閉させるための操作部と、圧縮ガスを供給するガスカートリッジが取り付けられる複数のガスカートリッジ取付部と、前記ガスカートリッジ取付部のそれぞれに設けられる第1の弁部と、前記ガスカートリッジ取付部に取り付けられたガスカートリッジから前記気室内に圧縮ガスを導くガス導入部と、を備える。
【0009】
本発明の取付器具は、圧縮ガスを供給するガスカートリッジが取り付けられる複数のガスカートリッジ取付部と、玩具銃に備わるユニット被取付部に対して着脱自在で、前記ガスカートリッジ取付部に取り付けられたガスカートリッジから供給された圧縮ガスを前記玩具銃内に導くユニット取付部と、前記ガスカートリッジ取付部のそれぞれに設けられる第1の弁部と、前記ユニット取付部に設けられる第2の弁部と、を備える。
【0010】
別の面から見た本発明の取付器具は、弾丸を保持する弾丸保持部を備える玩具銃に対して着脱自在で、気室を形成する気室ボディと、前記玩具銃に備わり前記気室内の圧縮ガスを前記弾丸保持部に保持された弾丸に導くガス排出部と、前記気室との連通を開閉するバルブと、圧縮ガスを供給するガスカートリッジが取り付けられる複数のガスカートリッジ取付部と、前記ガスカートリッジ取付部のそれぞれに設けられる第1の弁部と、前記ガスカートリッジ取付部に取り付けられたガスカートリッジから前記気室内に圧縮ガスを導くガス導入部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ガスカートリッジを複数装着できる。また、ガスカートリッジ取付部は、第1の弁部によって閉止できる。このために、大型のガスカートリッジではなく小型のガスカートリッジを複数用いて玩具銃を使用できるようになる。したがって、圧縮ガスで弾丸を発射する玩具銃をガスカートリッジの交換無しに長時間使用できるようになる。さらに、ガスカートリッジの携帯性が向上する。加えて、ガスカートリッジが小型化できることにより、玩具銃の柔軟な設計が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一の実施の形態における、玩具銃の左側面図である。
【図2】第一の実施の形態における、玩具銃の内部構造を示す左断面図である。
【図3】第一の実施の形態における、ボルトが押圧位置に位置付けられた状態の玩具銃の内部構造を示す左断面図である。
【図4】第一の実施の形態における、ガスボンベの斜視図である。
【図5】第一の実施の形態における、ボンベ取付器具の内部構造を示す左断面図である。
【図6】第一の実施の形態における、連通路の左断面図である。
【図7】第一の実施の形態における、ユニット被取付部が取り付けられた状態の連通路の左断面図である。
【図8】第一の実施の形態の変形例として示す、連通路の左断面図である。
【図9】第一の実施の形態の変形例として示す、ユニット被取付部が取り付けられた状態の連通路の左断面図である。
【図10】第一の実施の形態における、一のガスカートリッジ取付部にのみガスボンベが取り付けられた状態のボンベ取付器具の左断面図である。
【図11】第一の実施の形態における、全てのガスカートリッジ取付部にガスボンベが取り付けられた状態のボンベ取付器具の左断面図である。
【図12】第一の実施の形態における、全てのガスカートリッジ取付部にガスボンベが取り付けられたボンベ取付器具を気室ボディに連結させた状態の左断面図である
【図13】第一の実施の形態における、一のガスカートリッジ取付部にのみガスボンベが取り付けられたボンベ取付器具を気室ボディに連結させた状態の左断面図である。
【図14】第二の実施の形態における、全てのガスカートリッジ取付部が取り付けられた状態の玩具銃の左断面図である。
【図15】第三の実施の形態における、ボンベユニットの左断面図である。
【図16】第三の実施の形態における、玩具銃の左断面図である。
【図17】第三の実施の形態の変形例として示す、ボンベユニットの左断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の一形態を、図1ないし図13に基づいて説明する。本実施の形態を、説明の便宜上、第一の実施の形態と呼ぶ。図1は、玩具銃101の左側面図である。玩具銃101には、ガスボンベ102(ガスカートリッジ)が取り付けられる。使用者は、玩具銃101を使用する場合、掌でグリップ104を握り、トリガ105に指をかけ、銃口103を射撃対象物(例えば、的)に向け、トリガ105を引く。トリガ105が引かれると、ガスボンベ102に封入された圧縮ガスの圧力によって、弾丸Bが銃口103から発射される。以下、銃口103がある側を玩具銃101の前方側と呼ぶ。また、グリップ104がある側を玩具銃101の後方側と呼ぶ。
【0014】
図2は、玩具銃101の内部構造を示す左断面図である。図2中、圧縮ガスが満たされている部分は、ドットで埋められている。玩具銃101は、フレーム111と、マガジン112と、バレル113と、ボルト121と、気室ボディ122と、バルブ123と、ボルトスプリング124、バルブスプリング129とを備える。フレーム111は、銃身の一部をなし、玩具銃101の前後方向を規定する。
【0015】
マガジン112は、気室ボディ122に設けられた弾丸導入口190a(後述)から下方に延びている。マガジン112は、一方の端部のみ開口している筒状をなし、閉口端を下方に位置させてフレーム111に対し着脱される。マガジン112内には、マガジンスプリング112aとマガジンフォロア112bとが配置される。マガジンスプリング112aは、マガジン112の閉口端とマガジンフォロア112bとを繋ぐ。マガジン112には、弾丸Bが収納される。マガジン112内の弾丸Bは、マガジンスプリング112aによって押し上げられ、弾丸導入口190aから通路190(後述)に送り込まれる。
【0016】
バレル113は、銃身の前後方向に延び、フレーム111から玩具銃101の前方に突出する。バレル113の前端は、銃口103となっている。バレル113の後端は、フレーム111の前方側に連結されている。なお、バレル113は、フレーム111の内部に収納されてもよい。
【0017】
気室ボディ122は、フレーム111に収納される。気室ボディ122には、通路190が形成される。通路190は、バレル113における銃口103とは反対側の後方端部103aから銃身の前後方向に直線状に延び、気室126(後述)に連通する。マガジン112から弾丸導入口190aに供給された弾丸Bは、マガジンフォロア112bに押し上げられ、通路190内に位置付けられ、弾丸保持部192によって保持される。弾丸保持部192の一例は、通路190の内空間の上面に形成された微小窪みである。
【0018】
気室ボディ122の内部には、気室126が形成される。気室126の前方側からは、前述の通路190が延びている。気室126の後方側は、後蓋122aで閉じられる。後蓋122aには、銃身の前後方向に貫通する貫通孔122bが形成される。後蓋122aの前方の端面で貫通孔122bの周りには、リング状のパッキン122cが取り付けられる。貫通孔122bの後方側は、内径が大きくなっていて、嵌合孔122dとなっている。嵌合孔122dには、ボルト121に備わる当接部121e(後述)が入り込む。
【0019】
気室ボディ122には、ガス導入路122eが形成される。ガス導入路122eのために、気室ボディ122は下方に突出した形状をなしていて、フレーム111に嵌めこまれて下方に突出している。
【0020】
ボルト121は、フレーム111に収納される。ボルト121は、筒状をなし、玩具銃101の前後方向に延びている。ボルト121の前方側は、開口端121aになっている。ボルト121の後方側は、閉口端121bになっている。ボルト121の上面からは、レバー121cが、上方に突出する。レバー121cの一部は、フレーム111から上方に突出している。ボルト121の後方側の下面からは、係止突起121dが、下方に突出する。閉口端121bからボルト121の内空間に向けて、当接部121eが突出する。
【0021】
ボルト121は、銃身の前後方向に移動自在である。ボルト121は、使用者がトリガ105を引くと前進を開始し、ボルトスプリング124と圧縮ガスの圧力とによって押圧位置121Aと後退位置121Bとの間を往復する。ここで、後退位置121Bとは、玩具銃101の後方側で、当接部121eがバルブ123の摺動突起123b(後述)から離反しているようなボルト121の位置である。図2では、ボルト121は、後退位置121Bに位置付けられている。また、押圧位置121Aとは、後退位置121Bよりも玩具銃101の前方側で、当接部121eがバルブ123の摺動突起123bに接しているようなボルト121の位置である。ボルト121が121Aに位置付けられている様子は、図3に示す。
【0022】
ボルトスプリング124は、ボルト121の閉口端121bの外側面と、フレーム111の後部内側面111bとの間に位置する。ボルトスプリング124は、後退位置121Bに位置付けられているボルト121を、押圧位置121Aに向けて前方に押す。
【0023】
バルブ123は、気室126と通路190との間に位置付けられ、気室126の内部に配置される。バルブ123の後端側には、フランジ部123aと摺動突起123bとが形成される。フランジ部123aは、バルブ123の外周から放射方向に突出する。摺動突起123bは、貫通孔122bに入り込み、嵌合孔122d側に突出する。バルブ123は、圧縮ガスが通過するための、直線路123cと傾斜路123dとを形成する。直線路123cは、バルブ123の前方の端面に開口し、銃身の前後方向に延びている。傾斜路123dは、直線路123cに連なっていて、この直線路123cに対して傾斜する方向に延び、フランジ部123aと摺動突起123bとの間に開口する。バルブ123の前端側の外周には、Oリング127とワッシャ128とが取り付けられる。Oリング127は、ワッシャ128と気室ボディ122の内壁とに挟まれる。
【0024】
バルブスプリング129は、ワッシャ128とフランジ部123aの間に位置し、バルブ123の外周に巻きつくように配置される。バルブスプリング129は、ワッシャ128を前方に押してOリング127を気室ボディ122の内壁に押し付ける。また、バルブスプリング129は、フランジ部123aをパッキン122cに押し付ける。これにより、通路190と気室126との連通が閉止される。
【0025】
図3は、ボルト121が押圧位置121Aに位置付けられた状態の玩具銃101の内部構造を示す左断面図である。ボルト121が前進して押圧位置121Aまで達すると、気室ボディ122の後方側の外周部分がボルト121の開口端121a(図2参照)に嵌合する。ボルト121がさらに前進すると、当接部121eが、嵌合孔122d内に突出しているバルブ123の摺動突起123bを前方に押す。これにより、バルブ123は前方側にスライド移動し、フランジ部123aがパッキン122cから離反して、通路190と気室126との連通が開放される。
【0026】
通路190と気室126との連通が開放されると、気室126に満たされた圧縮ガスは、図3中の矢印に示すように、傾斜路123d及び直線路123cを通過して通路190に流入し、弾丸保持部192に保持された弾丸B(図2参照)の後面を押す。その結果、弾丸Bは、銃口103(図2参照)から飛び出す。ここに、傾斜路123dと直線路123cと通路190とは、気室126内の圧縮ガスを弾丸保持部192に保持された弾丸Bに導くガス排出部194を構成する。そして、バルブ123は、気室126とガス排出部194との連通を開閉する。
【0027】
また、通路190と気室126との連通が開放されると、圧縮ガスは、図3中の矢印に示すように、貫通孔122bの内壁面と摺動突起123bとの間の空隙Sにも入り込む。この圧縮ガスは、貫通孔122bを通過し、当接部121eを後方に押す。これにより、ボルト121は、後退を開始し、後退位置121B(図2参照)に達する。後退位置121Bに達したボルト121は、ボルトスプリング124に押されて再び前進する。そして、ボルト121は、押圧位置121Aに達すると、バルブ123の摺動突起123bを前方に押す。このように、ボルト121は、前進と後退とを繰り返す往復運動をする。そしてボルト121は、一往復する間にバルブ123に当接及び離反し、通路190と気室126との連通を開閉する。
【0028】
ところで、当接部121eが摺動突起123bから離反すると、バルブスプリング129はバルブ123を後方に押し返す。これにより、バルブ123は後方にスライド移動し、フランジ部123aがパッキン122cに密接する。その結果、通路190と気室126との連通は閉止される。その後、気室126内は、ガス導入路122eから供給される圧縮ガスで満たされる。
【0029】
図2を再び参照する。玩具銃101は、トリガ105と、トリガスプリング131と、ボルトシア132と、ボルトシアスプリング133とを備える。トリガ105は、グリップ104(図1参照)の前方に位置する。トリガ105は、支点105aを中心に回転自在にフレーム111に取り付けられている。トリガ105は、指掛部105dと後方延出部105bとを有する。指掛部105dは、支点105aから下方に延びる。後方延出部105bは、支点105aから後方に延びる。後方延出部105bの上面からは、ボルトシア押上部105cが上方に突出する。トリガスプリング131は、指掛部105dを、図2における時計回りに押す。
【0030】
ボルトシア132は、ボルトシア押上部105cの上方かつボルト121の下方で、これらに挟まれる位置に設けられる。ボルトシア132は、軸芯132aを中心に回動自在にフレーム111に取り付けられる。ボルトシア132は、平板状の前方突出部132bと、側面視扇形形状に広がる後方突出部132cとを有する。前方突出部132bは、軸芯132aよりも前方に突出する。後方突出部132cは、軸芯132aよりも後方に突出する。後方突出部132cの上方には、ボルト121の係止突起121dを止めるストッパ部132dが設けられる。ボルトシアスプリング133は、後方突出部132cの下面に当接し、ボルトシア132を図2における反時計回りに回転させ、ストッパ部132dを上方に持ち上げる。ストッパ部132dが上方に持ち上げられているとき、ストッパ部132dはボルト121の係止突起121dに引っかかり、ボルト121の前進を阻止している。
【0031】
使用者がレバー121cを持って後方に動かすと、ボルト121が後方に動き、係止突起121dがストッパ部132dを乗り越える。続いて、使用者がレバー121cから手を離すと、ボルト121はボルトスプリング124に押されて前進し、係止突起121dがストッパ部132dに引っ掛かる。その後、使用者が指でトリガ105を後方に引くと、トリガ105は、図2における反時計回りに回転し、ボルトシア押上部105cを動かして前方突出部132bを上方に変位させる。これにより、ボルトシア132は、図2における時計回りに回転し、係止突起121dが下方に変位する。その結果、ボルト121は、ボルトスプリング124に押されて前方に進み、バルブ123が前方に動いて、気室126とガス排出部194との連通が開閉される。なお、図2では、トリガ105が後方に引かれたときのトリガ105、トリガスプリング131、ボルトシア132及びボルトシアスプリング133の状態を、二点鎖線で示されている。
【0032】
使用者がトリガ105から指を離すと、トリガスプリング131が指掛部105dを図2における時計回りに押し、ボルトシア押上部105cを下方に変位させる。ここで、ボルトシアスプリング133は、ボルトシア132を図2における反時計回りに回転させるよう押している。このために、前方突出部132bは下方に動き、ストッパ部132dは上方に動く。その結果、ボルト121の前進は阻止され、バルブ123が後方に押され、気室126とガス排出部194との連通が閉止される。このように、トリガ105は、バルブ123を開閉させるための操作部130を構成する。
【0033】
ここで、玩具銃101に用いられるガスボンベ102と、このガスボンベ102を玩具銃101に取付けるためのボンベ取付器具201について考える。ボンベ取付器具201は、特許請求の範囲における「取付器具」に相当する。まず、図1を参照する。ガスボンベ102は、本実施の形態では、ボンベ取付器具201内に収納され、トリガ105の前方に位置付けられる。ボンベ取付器具201は、ガスボンベ102を収納した状態で、ユニット被取付部122f(図2も参照)に装着される。このユニット被取付部122fは、ガス導入路122eの下方の端部に設けられている。
【0034】
ボンベ取付器具201は、上下に長い箱型形状をなす。ボンベ取付器具201の上面からは、ユニット取付部202が突出する。ボンベ取付器具201の内部には、ガスボンベ102を二本収納するための収納空間203が形成される。収納空間203内には、仕切部203aが設けられる。仕切部203aは、収納空間203を、個々のガスボンベ102を配置するための配置空間204aに区画する。ボンベ取付器具201の側面には、収納空間203に通じるガスボンベ導入口204が開口する。収納空間203内でユニット取付部202とは反対側の取付器具底部205の近くには、二つのボンベ押え206が配置される。ボンベ押え206のそれぞれからは、シャフト207が延びる。いずれのシャフト207も、取付器具底部205を貫通する。ハンドル208は、収納空間203の外部で、各シャフト207の端部に設けられる。また、各シャフト207の外周には、ネジ部209が設けられる。ネジ部209は、取付器具底部205に螺合する。使用者がハンドル208を回転させると、ボンベ押え206が上下に動く。使用者がハンドル208の回転を止めると、取付器具底部205とネジ部209との螺合によってボンベ押え206は落下することなく停止する。ボンベ押え206、シャフト207、ハンドル208及びネジ部209は、配置空間204aに配置されたガスボンベ102を動かしてガスボンベ102の封止材102c(図4等参照)に針部217a(図6等参照)が突き刺さるようにし、その状態でガスボンベ102を固定する。
【0035】
なお、配置空間204aに配置されたガスボンベ102の封止材102cに針部217aを突き刺させてガスボンベ102を固定する技術として、ボンベ押え206、シャフト207、ハンドル208及びネジ部209に代えて、米国特許第7290539号明細書に記載されている技術を採用してもよい。この場合、回転ローラ付のパネルをボンベ取付器具201に取り付けてこのパネルが収納空間203を開閉するようにする。パネルが閉じられると、回転ローラが収納空間203のガスボンベ102を押す。ガスボンベ102が回転ローラに押されると、ガスボンベ102が収納空間203内で固定され、針部217aがガスボンベ102の封止材102cに突き刺さる。
【0036】
図4は、ガスボンベ102の斜視図である。ガスボンベ102は、円筒状をなす。ガスボンベ102内には、圧縮ガスが封止されている。圧縮ガスの例は、炭酸ガス、フロンガス、代替フロンガス等である。ガスボンベ102の一方の第1の端部102aは、円錐状に窄まっている。第1の端部102aの先端には、ガス噴出口102bが設けられる。ガス噴出口102bは、封止材102cにより封止される。ガスボンベ102の他方の第2の端部102dは、閉口端となっている。
【0037】
図5は、ボンベ取付器具201の内部構造を示す左断面図である。図6は、連通路213の左断面図である。図5及び図6を参照する。ボンベ取付器具201は、ガスカートリッジ取付部210と、第1の弁部211と、第2の弁部212とを有する。また、ボンベ取付器具201には、連通路213が形成されている。本実施の形態では、ガスカートリッジ取付部210と第1の弁部211とユニット取付部202と第2の弁部212とは、ユニット化されてボンベ取付器具201に備わっている。このため、ボンベ取付器具201は、ユニット被取付部122fに対してまとめて着脱自在となっている。
【0038】
連通路213は、主路213aを有する。主路213aは、ユニット取付部202に設けられ、このユニット取付部202の内部で延びている。主路213aは、二本の分岐路213bに分岐する。分岐路213bは、主路213aの端部から主路213aに交差する方向に延びる第1路213baと、第1路213baと配置空間204aとを繋ぐ第2路213bbとにより構成される。
【0039】
分岐路213bには、ガスカートリッジ取付部210及び第1の弁部211が配置される。以下、ガスカートリッジ取付部210及び第1の弁部211について述べる。ガスカートリッジ取付部210は、開封パーツ217(後述)を有していて、分岐路213bの配置空間204a側の端部に設けられる。ガスカートリッジ取付部210には、ガスボンベ102のガス噴出口102b(図4参照)が取り付けられる。ガスカートリッジ取付部210には、第1の弁部211が設けられる。第1の弁部211は、連通路213と配置空間204aとの連通を開閉する。第1の弁部211は、逆止弁211aを含む。この逆止弁211aは、弁ボール214とボール弁用パッキン215とから構成される。
【0040】
第2路213bbには、配置空間204aから、弁ボール214、ボール弁用パッキン215、第1の補助パッキン216、開封パーツ217、第2の補助パッキン218の順に導入される。弁ボール214は、真球形状をなす。ボール弁用パッキン215には、受部215aと、貫通孔215bとが形成されている。受部215aは、貫通孔215bに対して傾斜する傾斜面を形成し、この傾斜面で弁ボール214を受ける。貫通孔215bは、受部215aから延び、ボール弁用パッキン215を貫通する。開封パーツ217は、針部217aと、押え部217bと、嵌合部217cとを有する。針部217aは、配置空間204a側に突出する。押え部217bは、ユニット取付部202側に突出し、ボール弁用パッキン215を押さえこむ。嵌合部217cは、第2路213bbの内周面に形成された嵌合溝213cに嵌めこまれる。開封パーツ217には、通気孔217dが形成されている。通気孔217dは、針部217aと嵌合部217cとを貫通し、貫通孔215bに連なる。第1の補助パッキン216は、開封パーツ217の外側面を囲み、ボール弁用パッキン215と嵌合部217cとに挟まれる。第2の補助パッキン218は、第1の補助パッキン216とともに嵌合部217cを挟みこむ。第1の補助パッキン216と開封パーツ217と第2の補助パッキン218とは、いずれも第2路213bbに圧入され、第2路213bb内で動かなくなる。これにより、ボール弁用パッキン215は、押え部217b及び第1の補助パッキン216に押さえられ、第2路213bb内で動かなくなる。ここで、弁ボール214の直径は、第1路213baの内径よりも大きい。このため、弁ボール214は、第1路213baに転がり込まない。
【0041】
ここで、第1の弁部211は、逆止弁211aに代えて、使用者の操作によって開閉できる手動弁を含んでいても良い。
【0042】
主路213aには、第2の弁部212が配置される。以下、第2の弁部212について述べる。第2の弁部212は、主路213aの途中に設けられ、連通路213と外部空間との連通を開閉する。第2の弁部212は、弁体スプリング219と、弁体220と、弁体用パッキン221とを有する。
【0043】
主路213aには、ユニット取付部202に開口する開口部202aから、弁体スプリング219、弁体220、弁体用パッキン221、第3の補助パッキン222、圧入部材223、ノズル支持部材224の順に導入される。弁体用パッキン221は、第3の補助パッキン222よりも主路213aの内側に僅かに突出し、微小段部221bを形成する。本実施の形態において、弁体220は、主路213aの延びる方向に長い円柱体である。弁体220には、通気孔220aが形成される。通気孔220aは、弁体220における開口部202a側の端面と弁体220の側面とを繋いでいる。弁体220の側面で通気孔220aの開口よりも分岐路213b側寄りの箇所には、フランジ部220bが突出する。弁体スプリング219は、フランジ部220bとスプリング受部213dとの間に位置し、弁体220を開口部202aに向けて押す。なお、スプリング受部213dは、主路213aと分岐路213bとの境に設けられ、連通路213の内側に向けて迫り出している。弁体用パッキン221は、弁体220が入り込む貫通孔221aを形成する。弁体用パッキン221には、弁体スプリング219に押された弁体220のフランジ部220bが押し付けられる。第3の補助パッキン222と圧入部材223とノズル支持部材224とは、弁体用パッキン221の開口部202a側への移動を阻止する。そして、弁体220の側面にあらわれる通気孔220aの開口は、貫通孔221aの内周面に接する。これにより、主路213aは遮断される。
【0044】
図7は、ユニット被取付部122fが取り付けられた状態の連通路213の左断面図である。ところで、ユニット被取付部122fは、ノズル122gを有する(図2参照)。ノズル122gは、ガス導入路122eに連通している。ノズル122gの先端の外周は、僅かに凹んでいて、微小段部122hが形成される。ノズル122gは、開口部202aから主路213aに挿入される。このようなノズル122gに対し、ノズル支持部材224は、挿入されたノズル122gの側面を保持し、ノズル支持部材224とノズル122gとの間の隙間を塞ぐ。これにより、挿入されたノズル122gの内空間と弁体220の通気孔220aとは連通する。そして、挿入されたノズル122gの先端は、弁体220を分岐路213b側に動かす。ここで、弁体用パッキン221の微小段部221bとノズル122gの微小段部122hとが係合することにより、ノズル122gに押された弁体220は、スプリング受部213dに突き当たらない。このため、弁体スプリング219が潰れて主路213aが遮断されることはない。これにより、ノズル122gの内空間と通気孔220aと主路213aとは連通する。なお、ノズル122gによって動かされた弁体220は、図6において一点鎖線で描かれている。ノズル122gが主路213aから抜かれると、弁体スプリング219は弁体220を開口部202a側に押し、主路213aを遮断する。
【0045】
ここで、第2の弁部212に関する変形例について、図8及び図9に基づいて説明する。図8は、連通路213の左断面図である。第2の弁部212は、逆止弁212aを含む。この逆止弁212aは、弁ボール225と弁体用パッキン221とから構成される。弁ボール225は、弁体220に代えて配置されるもので、真球形状をなす。弁ボール225は、弁体スプリング219と連通路213内の圧縮ガスの圧力とにより、開口部202a側に押されて、弁ボール225が貫通孔221aの縁部に押し付けられる。これにより、主路213aが遮断される。
【0046】
図9は、ユニット被取付部122fが取り付けられた状態の連通路213の左断面図である。本変形例では、ノズル122gの先端に、切欠122iが形成される。ノズル122gが開口部202aから主路213aに挿入されると、ノズル支持部材224とノズル122gとの間の隙間が塞がれる。そして、挿入されたノズル122gの先端は、弁ボール225を分岐路213b側に動かす。これにより、ノズル122gの内空間と主路213aとは連通する。ここで、切欠122iがあることにより、ノズル122gの内空間と主路213aとの連通は確実になる。また、弁体用パッキン221の微小段部221bとノズル122gの微小段部122hとが係合することにより、ノズル122gに押された弁ボール225は、スプリング受部213dに突き当たらない。このため、弁体スプリング219が潰れて主路213aが遮断されることはない。なお、ノズル122gによって動かされた弁ボール225は、図8において一点鎖線で描かれている。ノズル122gが主路213aから抜かれると、弁体スプリング219は弁ボール225を開口部202a側に押し、主路213aを遮断する。
【0047】
ここで、図8及び図9に示す弁ボール225が連通路213内の圧縮ガスの圧力に押されて弁体用パッキン221に押し付けられることを考えると、弁体スプリング219は無くてもよい。しかしながら、弁体スプリング219があることにより、ノズル122gが主路213aから抜かれたときに、弁ボール225が素早く開口部202aに動いて、主路213aが即座に遮断される。
【0048】
また、弁体用パッキン221における弁ボール225との接触箇所に、図6及び図7に示される受部215aのような、貫通孔221aに対して傾斜する傾斜面を形成していてもよい。
【0049】
第一の実施の形態についての説明に戻る。図10は、一のガスカートリッジ取付部210にのみガスボンベ102が取り付けられた状態のボンベ取付器具201の左断面図である。図10中、圧縮ガス空気が満たされている部分は、ドットで埋められている。使用者は、ガスボンベ102を、ガスボンベ導入口204(図1参照)から配置空間204aに導入する。このとき、第1の端部102aはガスカートリッジ取付部210に近づけられ、第2の端部102dはボンベ押え206に近づけられる。続いて、使用者は、ボンベ押え206がガスカートリッジ取付部210に向かって動くよう、ハンドル208を回す。これにより、ガスボンベ102の封止材102c(図4も参照)には開封パーツ217の針部217aが突き刺さる。そして、ガスボンベ102内の圧縮ガスが噴出して通気孔217dに入り込み、弁ボール214をボール弁用パッキン215から離反させる。これにより、圧縮ガスは、分岐路213bを通過し、主路213aまで流入し、連通路213内の気圧を一気に高める。
【0050】
ここで、ガスボンベ102が取り付けられていないガスカートリッジ取付部210(図10における左側のガスカートリッジ取付部210)では、弁ボール214が連通路213内の気圧におされ、ボール弁用パッキン215の受部215aに押し付けられる。このため、ガスボンベ102が取り付けられていないガスカートリッジ取付部210から圧縮ガスが漏れない。
【0051】
また、第2の弁部212では、弁体スプリング219が弁体220を押していて、主路213aが遮断されている。このため、ユニット取付部202からも圧縮ガスが漏れない。
【0052】
図11は、全てのガスカートリッジ取付部210にガスボンベ102が取り付けられた状態のボンベ取付器具201の左断面図である。図11中、圧縮ガスが満たされている部分は、ドットで埋められている。使用者は、ガスボンベ102が取り付けられていないガスカートリッジ取付部210に対しても、同様の手順でガスボンベ102を取り付ける。これにより、いずれのガスカートリッジ取付部210からも圧縮ガスが連通路213内に入り込む。
【0053】
図12は、全てのガスカートリッジ取付部210にガスボンベ102が取り付けられたボンベ取付器具201を気室ボディ122に連結させた状態の左断面図である。図12中、圧縮ガスが満たされている部分は、ドットで埋められている。使用者は、気室ボディ122に設けられたノズル122gを、ユニット取付部202の開口部202aに挿入する。これにより、気室ボディ122内のガス導入路122eとボンベ取付器具201内の連通路213とが連通する。また、ガスカートリッジ取付部210に取り付けられたガスカートリッジ取付部210から気室126内に圧縮ガスを導くガス導入部301が形成される。そして、本実施の形態では、上述のように、ガス導入部301がユニット被取付部122fとユニット取付部202とにより連結分離自在になる。そして、使用者がトリガ105(図1等参照)を動かして玩具銃101の銃口103(図1等参照)から弾丸B(図1等参照)が発射されるたびに、圧縮ガスが、ガス導入部301を通じてガスボンベ102から供給され、気室126内に満たされる。
【0054】
図13は、一のガスカートリッジ取付部210にのみガスボンベ102が取り付けられたボンベ取付器具201を気室ボディ122に連結させた状態の左断面図である。図13中、圧縮ガスが満たされている部分は、ドットで埋められている。図10に示したような、一のガスカートリッジ取付部210にのみガスボンベ102が取り付けられたボンベ取付器具201を気室ボディ122に取り付けても、使用者は問題なく玩具銃101を使用できる。というのは、前述したように、ガスボンベ102が取り付けられていないガスカートリッジ取付部210から圧縮ガスが漏れないからである。また、使用者が、全てのガスカートリッジ取付部210にガスボンベ102が取り付けられたボンベ取付器具201を玩具銃101に取り付け、その後に一のガスボンベ102を取り外しても、ガスボンベ102が取り付けられていないガスカートリッジ取付部210から圧縮ガスが漏れない。
【0055】
また、使用者がボンベ取付器具201をノズル122gから外すと、弁体スプリング219が弁体220を開口部202a側に押し、主路213aを遮断する。これにより、ガスボンベ102内の圧縮ガスが開口部202aから漏れない。
【0056】
このように、本実施の形態の玩具銃101では、ガスボンベ102を複数装着できる。また、ガスカートリッジ取付部210を第1の弁部211によって閉止できる。このために、大型のガスボンベ102ではなく小型のガスボンベ102を複数用いて玩具銃101を使用できるようになる。したがって、玩具銃101をガスボンベ102の交換無しに長時間使用できるようになる。かつ、ガスボンベ102の携帯性が向上する。また、ガスボンベ102が小型化できることにより、玩具銃101の柔軟な設計が可能になる。そして、第1の弁部211が閉じられることで、ボンベ取付器具201に一のガスボンベ102を取り付けるだけでも玩具銃101から弾丸Bを発射させることができる。
【0057】
さらに、本実施の形態の玩具銃101では、第1の弁部211に逆止弁211aが含まれている。このため、使用者は、ガスボンベ102を着脱するときに第1の弁部211を開閉する必要がない。
【0058】
さらに、本実施の形態の玩具銃101では、ボンベ取付器具201に、ガスカートリッジ取付部210と第1の弁部211とユニット取付部202と第2の弁部212とがユニット化されて備わっている。このため、ボンベ取付器具201の使い勝手が向上する。
【0059】
さらに、本実施の形態の玩具銃101では、ボンベ取付器具201をノズル122gから取り外したり、いくつかのガスボンベ102をボンベ取付器具201から取り外しても、圧縮ガスが漏れない。このため、ボンベ取付器具201をノズル122gから取り外してこのボンベ取付器具201に取り付けられたガスボンベ102を後日使用することができる。ガスボンベ102が取り付けられた状態で取り外されたボンベ取付器具201を別の玩具銃101に取り付けることもできる。
【0060】
次いで、別の実施の一形態を、図14に基づいて説明する。本実施の形態を、説明の便宜上、第二の実施の形態と呼ぶ。この場合、第一の実施の形態と同一の部分には同一の符号を用い、説明も省略する。
【0061】
図14は、全てのガスカートリッジ取付部210が取り付けられた状態の玩具銃101の左断面図である。図14中、圧縮ガスが満たされている部分は、ドットで埋められている。本実施の形態では、第一の実施の形態におけるボンベ取付器具201に対応する要素が、気室ボディ122に一体的に形成されている。つまり、本実施の形態の気室ボディ122からは、ガスボンベ取付部201aが下方に延びている。ガスボンベ取付部201aには、収納空間203が形成され、ガスカートリッジ取付部210や第1の弁部211等のボンベ取付器具201に備わっている要素が収納されている。ここで、本実施の形態では、玩具銃101は、第2の弁部212(図6等参照)を備えていない。また、ガス導入路122eと主路213aとが共用されている。また、玩具銃101には、主路213aと分岐路213bとの境に位置するスプリング受部213d(図6参照)も設けられていない。
【0062】
本実施の形態の玩具銃101でも、第一の実施の形態と同様に、小型のガスボンベ102を複数用いることができる。したがって、玩具銃101をガスボンベ102の交換無しに長時間使用できるようになる。かつ、ガスボンベ102の携帯性が向上する。さらに、本実施の形態の玩具銃101では、気室ボディ122とガスボンベ取付部201aとが分離しないため、ボンベ取付器具201(第一の実施の形態参照)を紛失することがない。
【0063】
次いで、別の実施の一形態を、図15及び図16に基づいて説明する。本実施の形態を、説明の便宜上、第三の実施の形態と呼ぶ。本実施の形態は、第二の実施の形態に準じたものである。この場合、第二の実施の形態と同一の部分には同一の符号を用い、説明も省略する。
【0064】
図15は、ボンベユニット401の左断面図である。本実施の形態では、気室ボディ122とガス導入部301とガスカートリッジ取付部210と第1の弁部211とバルブ123とは、ボンベユニット401としてユニット化されている。ボンベユニット401は、特許請求の範囲における「取付器具」に相当する。このボンベユニット401は、フレーム111に対して着脱自在である。ボンベユニット401の構成は、第2の実施の形態における気室ボディ122と同じである。すなわち、ボンベユニット401は、ガスボンベ取付部201aを延出させた気室ボディ122と、気室ボディ122に収納されるバルブ123とを有する。また、ガス導入部301の側面からは、フランジ部302が延びている。
【0065】
図16は、玩具銃101の左断面図である。フレーム111の下面には、ボンベユニット401を下方から導入するためのスロット111aが設けられる。スロット111aの縁からフレーム111の内部に向かって、ボンベユニット401を案内するガイド部111cが延びる。
【0066】
フレーム111の側面には、ストッパ111dが設けられる。ストッパ111dは、玩具銃101の左右方向にスライド自在となっていて、使用者が動かすことができる。ストッパ111dは、スロット111aから挿入されたボンベユニット401のフランジ部302を保持し、ボンベユニット401が上下方向に動くことを防ぐ。さらに、図16に示すように、ストッパ111dの前方部分の上面は、気室ボディ122の前端部の下面を支持する。
【0067】
フレーム111の左右内側面からは、保持突部111eが突出する。保持突部111eは、気室ボディ122の左右両側面を挟み込み、ボンベユニット401が玩具銃101の左右方向に動くことを防ぐ。なお、ボルト121は、保持突部111eに干渉されない形状に形成されている。
【0068】
使用者は、ガスボンベ取付部201aにガスボンベ102を取り付けられたボンベユニット401を持ち、このボンベユニット401の気室ボディ122をスロット111aから上方に導入する。気室ボディ122はガイド部111cに案内されて、バレル113とバルブ123とが同軸に並ぶ位置に位置付けられる。このとき、気室ボディ122は、保持突部111eに挟まれる。続いて、使用者は、ストッパ111dを動かして、ストッパ111dにフランジ部302を保持させる。この状態で、使用者がトリガ105を動かすと、ボルト121が前進し、当接部121eが摺動突起123bを押し、気室126の圧縮ガスがガス排出部194を通って弾丸Bを押す。その結果、弾丸Bが銃口103から発射される。
【0069】
本実施の形態の玩具銃101でも、第一の実施の形態と同様に、小型のガスボンベ102を複数用いることができる。したがって、玩具銃101をガスボンベ102の交換無しに長時間使用できるようになる。かつ、ガスボンベ102の携帯性が向上する。さらに、本実施の形態の玩具銃101では、気室ボディ122を交換できる。ここで、気室ボディ122には、弾丸Bの発射をさせるために重要な気室126とバルブ123とを有している。このため、使用者は、ボンベユニット401を交換することで、玩具銃101を通じて様々な狙撃感を楽しむことができる。
【0070】
第三の実施の形態の変形例として、図17に示すように、ボンベユニット401のガスボンベ取付部201aの側面に、マガジン112が取り付けられていても良い。
【0071】
第三の実施の形態及びその変形例において、フレーム111に対するボンベユニット401の固定及び解除は、フランジ部302及びストッパ111dを用いることに代えて、以下のようにすることもできる。
【0072】
フレーム111に対するボンベユニット401の固定及び解除の一例を示す。左右方向に延び溝を有するマガジンリリース部を、フレーム111に設ける。溝には、スロット111aから挿入されたボンベユニット401が係合する。マガジンリリース部を動かすと、溝とボンベユニット401との係合が解除され、マガジン112の取り外しが可能になる。
【0073】
フレーム111に対するボンベユニット401の固定及び解除の別の一例を示す。爪部と操作レバー部とを有するマガジンキャッチを、フレーム111に連結する。マガジンキャッチの爪部は、バルブ123の下面に対して進退自在であり、このバルブ123の下面を支持する。マガジンキャッチは、爪部がバルブ123の下面に入り込むよう、スプリング等により押されている。使用者が操作レバー部を動かすと、爪部がバルブ123の下面に対して退き、ボンベユニット401がスロット111aに対して挿抜自在となる。使用者が操作レバー部から手を離すと、爪部が移動してバルブ123の下面を支持する。これにより、ボンベユニット401がフレーム111に対し固定される。
【0074】
なお、第一から第三のいずれの実施の形態においても、玩具銃101は、トリガ105を引き続ける限り弾丸Bを発射し続ける連射方式のものであるが、本発明は、単射方式の玩具銃にも、点射(バースト)方式の玩具銃にも適用できることは言うまでもない。
【0075】
また、第一から第三のいずれの実施の形態及びその変形例においても、ガスボンベ102はトリガ105よりも前方に位置付けられるが、本発明は、ボンベ取付器具201やボンベユニット401の取付箇所をトリガ105よりも後方に設けてガスボンベ102がトリガ105よりも後方に位置付けられるようにした玩具銃にも適用できることは言うまでもない。
【0076】
また、各実施の形態及びその変形例で具体的に説明している部分を、他の実施の形態及びその変形例に適宜組み合わせることができるのは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
101 玩具銃
102 ガスボンベ(ガスカートリッジ)
122 気室ボディ
122f ユニット被取付部
123 バルブ
126 気室
130 操作部
192 弾丸保持部
194 ガス排出部
201 ボンベ取付器具(取付器具)
202 ユニット取付部
210 ガスカートリッジ取付部
211 第1の弁部
211a 逆止弁
212 第2の弁部
301 ガス導入部
401 ボンベユニット(取付器具)
B 弾丸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾丸を保持する弾丸保持部と、
気室を形成する気室ボディと、
前記気室内の圧縮ガスを前記弾丸保持部に保持された弾丸に導くガス排出部と、
前記気室と前記ガス排出部との連通を開閉するバルブと、
前記バルブを開閉させるための操作部と、
圧縮ガスを供給するガスカートリッジが取り付けられる複数のガスカートリッジ取付部と、
前記ガスカートリッジ取付部のそれぞれに設けられる第1の弁部と、
前記ガスカートリッジ取付部に取り付けられたガスカートリッジから前記気室内に圧縮ガスを導くガス導入部と、
を備える玩具銃。
【請求項2】
前記第1の弁部は、逆止弁を含む、
請求項1記載の玩具銃。
【請求項3】
前記ガス導入部は、前記気室側に設けられるユニット被取付部と、前記ガスカートリッジ取付部側に設けられ前記ユニット被取付部に対して着脱自在のユニット取付部とを含んで連結分離自在であり、
前記ユニット取付部には、第2の弁部が設けられ、
前記ガスカートリッジ取付部と前記第1の弁部と前記ユニット取付部と前記第2の弁部とは、ユニット化され、まとめて着脱自在である、
請求項1又は2記載の玩具銃。
【請求項4】
前記第2の弁部は、逆止弁を含む、
請求項3記載の玩具銃。
【請求項5】
前記気室ボディと前記ガス導入部と前記ガスカートリッジ取付部と前記第1の弁部と前記バルブとは、ユニット化され、まとめて着脱自在である、
請求項1又は2記載の玩具銃。
【請求項6】
圧縮ガスを供給するガスカートリッジが取り付けられる複数のガスカートリッジ取付部と、
玩具銃に備わるユニット被取付部に対して着脱自在で、前記ガスカートリッジ取付部に取り付けられたガスカートリッジから供給された圧縮ガスを前記玩具銃内に導くユニット取付部と、
前記ガスカートリッジ取付部のそれぞれに設けられる第1の弁部と、
前記ユニット取付部に設けられる第2の弁部と、
を備える取付器具。
【請求項7】
弾丸を保持する弾丸保持部を備える玩具銃に対して着脱自在で、気室を形成する気室ボディと、
前記玩具銃に備わり前記気室内の圧縮ガスを前記弾丸保持部に保持された弾丸に導くガス排出部と、前記気室との連通を開閉するバルブと、
圧縮ガスを供給するガスカートリッジが取り付けられる複数のガスカートリッジ取付部と、
前記ガスカートリッジ取付部のそれぞれに設けられる第1の弁部と、
前記ガスカートリッジ取付部に取り付けられたガスカートリッジから前記気室内に圧縮ガスを導くガス導入部と、
を備える取付器具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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