説明

玩具

【課題】傾斜させた滑降面に沿って滑降体を滑降させる玩具において、滑降面の傾斜角度を自由に変更できるようにすること。
【解決手段】本発明では、傾斜させた滑降面(4)に沿って滑降体(5)を滑降させる玩具(1)において、滑降面(4)を形成した滑降台(3)を基台(2)の上部に滑降台(3)を傾斜させた状態で保持可能に載置するとともに、基台(2)に下方へ向けて凹状の円弧面を有する支持部(12)を形成する一方、その支持部(12)に嵌合かつ摺動する下方へ向けて凸状の円弧面を有する載置部(18)を滑降台(3)に形成して、滑降台(3)の載置部(18)を基台(2)の支持部(12)に沿って摺動させることで滑降面(4)の傾斜角度を変更できるように構成することにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜させた滑降面に沿って滑降体を滑降させる玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、球状等の滑降体を傾斜させた滑降面に沿って下方へ向けて滑降させて楽しむ玩具が広く知られている(たとえば、特許文献1又は特許文献2参照。)。
【0003】
この玩具は、滑降台を支柱の上端部に載置して固定しており、支柱の高さによって滑降面の傾斜角度が決まるように構成されていた。
【0004】
そのため、従来の玩具では、滑降面の傾斜角度が固定されていたり、或いは、段階的にしか変更することができないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3018878号公報
【特許文献2】実用新案登録第3075714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の傾斜させた滑降面に沿って滑降体を滑降させる玩具では、滑降台を載置する支柱の高さによって傾斜角度が決まってしまうため、滑降面の傾斜角度を自由に変更することができないといった課題を有していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に係る本発明では、傾斜させた滑降面に沿って滑降体を滑降させる玩具において、滑降面を形成した滑降台を基台の上部に滑降台を傾斜させた状態で保持可能に載置するとともに、基台に下方へ向けて凹状の円弧面を有する支持部を形成する一方、その支持部に嵌合かつ摺動する下方へ向けて凸状の円弧面を有する載置部を滑降台に形成して、滑降台の載置部を基台の支持部に沿って摺動させることで滑降面の傾斜角度を変更できるように構成することにした。
【0008】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記基台と滑降台の内部に滑降体を収容するための収容空間を形成し、基台の上部に滑降台を水平状に載置した収容姿勢と、基台の上部に滑降台を傾斜状に載置した使用姿勢とに姿勢変更できるように構成することにした。
【発明の効果】
【0009】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0010】
すなわち、本発明では、傾斜させた滑降面に沿って滑降体を滑降させる玩具において、滑降面を形成した滑降台を基台の上部に滑降台を傾斜させた状態で保持可能に載置するとともに、基台に下方へ向けて凹状の円弧面を有する支持部を形成する一方、その支持部に嵌合かつ摺動する下方へ向けて凸状の円弧面を有する載置部を滑降台に形成して、滑降台の載置部を基台の支持部に沿って摺動させることで滑降面の傾斜角度を変更できるように構成することにしているために、使用者が好みに応じて滑降面の傾斜角度を自由に変更することができ、使用者を飽きさせることなく長期間にわたって使用者の興味を惹きつける玩具とすることができる。
【0011】
特に、基台と滑降台の内部に滑降体を収容するための収容空間を形成し、基台の上部に滑降台を水平状に載置した収容姿勢と、基台の上部に滑降台を傾斜状に載置した使用姿勢とに姿勢変更できるように構成することにした場合には、使用していない時には収容姿勢にすることで滑降体を紛失することなくコンパクトに収容しておくことができ、また、使用する時には滑降台を基台に沿って摺動させるだけで直ちに使用することができるので、玩具の使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る玩具を示す斜視図。
【図2】玩具の収容姿勢を示す平面図(a)、側面断面図(b)、側面図(c)。
【図3】玩具の収容姿勢を示す正面図(a)、正面断面図(b)。
【図4】玩具の使用姿勢を示す平面図(a)、側面図(b)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る玩具の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1に示すように、玩具1は、基台2の上部に滑降台3を傾斜させた状態で載置し、滑降台3に形成した滑降面4を所定角度に傾斜させ、その傾斜させた滑降面4に沿って上方から下方に向けてどんぐり型の滑降体5を滑降させるように構成している。
【0015】
この玩具1は、使用していない時には図2及び図3に示すように、基台2の上部に滑降台3を水平状に載置して基台2と滑降台3との内部に滑降体5を収容した収容姿勢とすることができ、一方、使用している時には図4に示すように、基台2の上部に滑降台3を傾斜状に載置して滑降面4を任意の傾斜角度に保持した使用姿勢とすることができるようになっている。
【0016】
基台2は、矩形板状の底壁6の前後端部に前後一対の前後側壁7,8を取付けるとともに、底壁6の左右端部に左右一対の左右側壁9,10を取付け、さらに、底壁6の中央上部に矩形箱型状の係止体11を左右側壁9,10の間隔と同一幅で形成している。
【0017】
この基台2は、左右側壁9,10の上面で滑降台3を支持しており、その支持部12(左右側壁9,10の上面)を下方へ向けて凹状の所定曲率の円弧面としている。
【0018】
また、基台2は、係止体11の前後に凹部13を形成しており、その凹部13が、収容姿勢においては収容空間14の下半部を形成する一方、使用姿勢においては滑降体5の滑降場所を形成するようにしている。
【0019】
滑降台3は、矩形板状の天井壁15の左右端部に左右一対の左右側壁16,17を基台2の左右側壁9,10と同一の間隔で取付けている。
【0020】
この滑降台3は、天井壁15の上面を滑降面4とするとともに、左右側壁16,17の下面を基台2の支持部12に載置しており、その載置部18(左右側壁16,17の下面)を下方へ向けて凸状の所定曲率の円弧面としている。
【0021】
ここで、滑降台3の載置部18の円弧面の曲率は、基台2の支持部12の円弧面の曲率と同一としており、滑降台3の載置部18が基台2の支持部12に嵌合するとともに摺動するようになっている。これにより、滑降台3は、基台2の上部に載置するとともに基台2に沿って摺動させることで滑降台3及び滑降面4の傾斜角度を自由に変更することができるようになっている。
【0022】
また、滑降台3は、左右側壁16,17の間隔が基台2に形成した係止体11の幅と同一となっており、左右側壁16,17の内側部間で係止体11を挟持することができるようになっている。これにより、滑降台3は、左右側壁16,17で基台2の係止体11を挟持することで基台2の上部に傾斜した状態で保持されるようになっている。
【0023】
以上に説明したように、玩具1は、滑降面4を形成した滑降台3を基台2の上部に滑降台3を傾斜させた状態で保持可能に載置するとともに、基台2に下方へ向けて凹状の円弧面を有する支持部12を形成する一方、その支持部12に嵌合かつ摺動する下方へ向けて凸状の円弧面を有する載置部18を滑降台3に形成して、滑降台3の載置部18を基台2の支持部12に沿って摺動させることで滑降面4の傾斜角度を変更できるように構成している。
【0024】
そのため、上記構成の玩具1では、使用者が好みに応じて滑降面4の傾斜角度を自由に変更することができ、使用者を飽きさせることなく長期間にわたって使用者の興味を惹きつける玩具1とすることができる。
【0025】
なお、上記玩具1では、基台2の係止体11を滑降台3の左右側壁16,17で挟持することで基台2の上部に滑降台3を傾斜状に保持できるように構成しているが、この構成に限られず、たとえば基台2の支持部12(左右側壁9,10の上面)と滑降台3の載置部18(左右側壁16,17の下面)との摩擦力で滑降台3の傾斜状態を保持するように構成してもよい。
【0026】
また、上記玩具1では、基台2と滑降台3の内部に滑降体5を収容するための収容空間14(基台2の底壁6と前後側壁7,8と左右側壁9,10と滑降台3の天井壁15と左右側壁16,17とで囲まれた内部空間)を形成し、基台2の上部に滑降台3を水平状に載置した収容姿勢(図2及び図3参照。)と、基台2の上部に滑降台3を傾斜状に載置した使用姿勢(図4参照。)とに姿勢変更できるように構成している。
【0027】
そのため、上記構成の玩具1では、使用していない時には収容姿勢にすることで滑降体5を紛失することなくコンパクトに収容しておくことができ、また、使用する時には滑降台3を基台2に沿って摺動させるだけで直ちに使用することができるので、玩具1の使い勝手を向上させることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 玩具 2 基台
3 滑降台 4 滑降面
5 滑降体 6 底壁
7,8 前後側壁 9,10 左右側壁
11 係止体 12 支持部
13 凹部 14 収容空間
15 天井壁 16,17 左右側壁
18 載置部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜させた滑降面に沿って滑降体を滑降させる玩具において、
滑降面を形成した滑降台を基台の上部に滑降台を傾斜させた状態で保持可能に載置するとともに、基台に下方へ向けて凹状の円弧面を有する支持部を形成する一方、その支持部に嵌合かつ摺動する下方へ向けて凸状の円弧面を有する載置部を滑降台に形成して、滑降台の載置部を基台の支持部に沿って摺動させることで滑降面の傾斜角度を変更できるように構成したことを特徴とする玩具。
【請求項2】
前記基台と滑降台の内部に滑降体を収容するための収容空間を形成し、基台の上部に滑降台を水平状に載置した収容姿勢と、基台の上部に滑降台を傾斜状に載置した使用姿勢とに姿勢変更できるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の玩具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate