説明

珪素含有液体肥料

【課題】珪酸カリウム及び分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩を含有する珪素含有液体肥料の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、[A]珪酸カリウム、及び[B]分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩を含有する珪素含有液体肥料である。上記[B]縮合リン酸カリウム塩が、分子内に水素原子を有しない鎖状縮合リン酸カリウム塩及び分子内に水素原子を有しない環状縮合リン酸カリウム塩からなる群より選択される1種又は2種以上であるとよい。上記分子内に水素原子を有しない鎖状縮合リン酸カリウム塩が、ピロリン酸カリウム及びトリポリリン酸カリウムからなる群より選択される1種又は2種以上であるとよい。また、当該液体肥料は不溶性物質を含まないとよい。また、当該液体肥料は、窒素、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、セレン、ニッケル、モリブデン又はホウ素等をさらに含有するとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、珪素含有液体肥料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
肥料とは、植物を生育させるために栄養分として施すものであり、その成分には植物の生育のための必須要素が含まれている。中でも、窒素(N)、リン(P)及びカリウム(K)は、植物の生育に大量に必要とされる要素である。窒素は、植物細胞の原形質となるタンパク質を構成する成分であり、細胞の分裂若しくは増殖、根茎の発育、葉の繁茂、又は養分の吸収若しくは同化を促進する生理作用がある。リンは、植物中の核酸や酵素の構成成分であり、根の発育促進、発芽力向上、開花及び結実を促進し、果実の収量を高める作用がある。また、カリウムは、植物中のタンパク質や炭水化物の生合成、細胞内や細胞間の移動及び蓄積に関与し、根の発育や蒸散作用を調整する生理作用がある。またカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、セレン(Se)、ニッケル(Ni)又はモリブデン(Mo)等の金属元素も植物にとって重要な成分である。
【0003】
珪素は、植物にとって必須要素ではないものの、とりわけイネ科植物においては重要な成分である。また、珪素は植物に対する過剰供給の弊害が報告されていない唯一の元素である。イネ科植物における珪素の主な効能・効果としては、例えば、倒伏防止、根の酸化力を増強することによる2価の鉄やマンガンの過剰症の軽減、いもち病やうどんこ病の発生抑制等の病虫害抵抗性の付与等が挙げられる。珪素が植物にもたらすこれらの病虫害抵抗性は、植物体内に沈積したシリカが病原菌に対して物理的な障壁を築くだけではなく、植物体内の珪素が感染部位の抵抗性を誘導する作用を持つことが見出され、この病虫害抵抗性には水溶性珪素が重要な働きをしていることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
土壌中には多量の珪素が含まれているが、それらは植物にとって吸収し難い難溶性の珪酸アルミニウム等の形態で存在している。また、一般的に使用されている珪素含有肥料のうち大部分の種類は、その珪素源として鉄や各種金属を精錬する際に得られる鉱さいを含み、この鉱さいに含まれる珪素はメタ珪酸カルシウムの形態で存在していることが多く、これも水に難溶性である。よって、これらの化合物から植物が十分な量の珪素を吸収することは大変困難である。そこで、植物への珪素の吸収を容易にするべく、珪素含有化合物を液体肥料化する試みがなされている。しかし、珪素はリン酸等の他の栄養成分と組み合わせると水溶液中で不溶性の沈殿物を析出することが多く、珪素を含む液体肥料は他の栄養成分との組み合わせが難しい。
【0005】
従来から、珪素含有液体肥料は数多く提案されており、例えば、珪酸カリウム及びエチレンジアミン四酢酸マグネシウムを溶解した水溶液からなる液体珪酸カリウム肥料が提案されている(例えば、特開平5−78189号公報)。しかし、この肥料は他の肥料成分と混合すると不溶性の沈殿が発生し、白濁のゲル状固体に変化する。また、他の例としては、酸性珪酸ゾルに、リン酸質肥料成分及びマグネシウム質肥料成分を含有させたコロイド状珪素含有液体肥料も提案されている(例えば、特開平9−268092号公報)。しかし、この肥料はあくまでコロイド状であり、完全水溶性の珪素含有液体肥料ではない。さらに、他の例として、珪酸カリウム、尿素、燐酸二カリウム、燐酸三カリウムのいずれか又はこれらの混合物が水中に溶存する珪素含有液体肥料が提案されている(例えば、特公平2−7916号公報)。しかし、この肥料は製造の際に20℃以上に加温する必要があり、またpHを11.5以上という特殊な条件に設定しなければならず、リン酸二カリウムとリン酸三カリウムの配合比によっては結晶が析出することがある。
【0006】
また、上述したような複数の成分を含有する液体肥料を製造する場合、できるだけ少ない種類の原料を用いて製造工程を簡略化しつつ、各成分の比率調整を容易に行えるようにすることも要望されている。このような状況下、不溶化物の生成しない透明な液体肥料であって、珪素とカリウム及びリン酸を同時に植物に供給でき、容易に製造可能なものは存在していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−78189号公報
【特許文献2】特開平9−268092号公報
【特許文献3】特公平2−7916号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】高橋英一著、「作物にとってケイ酸とは何か 環境適応力を高める「有用元素」」、第1刷、社団法人農山漁村文化協会、2007年9月25日、p.188〜189
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、珪素、カリウムおよびリン酸を含有し、製造及び各肥料成分の濃度調整が容易で、不溶性沈殿物を含まず、保存安定性に優れる珪素含有液体肥料の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討したところ、珪酸等の珪素含有化合物と窒素、リン、カリウム等を含有する化合物とを混合して液体肥料とした場合に、ゲル化や不溶性沈殿物が生じる原因は、水溶液中に含まれる珪酸イオンが水素イオンの存在下では珪酸を生成し、この珪酸が脱水縮合反応してシロキサン結合を形成してゾル化を経てゲル状や不溶性物質となるためであることを突き止めた。そこで、分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩を用いることで、珪酸のシロキサン結合の形成を阻害し、不溶性物質の析出しない安定した性状を保持することができ、さらには、温度およびpHの制約を受けることなく室温下で容易に製造できる珪素含有液体肥料が得られることを見出し本発明を完成した。
【0011】
すなわち、上記課題を解決するためになされた発明は、[A]珪酸カリウム及び[B]分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩を含有する珪素含有液体肥料である。
【0012】
本発明の液体肥料は、上記[A]珪酸カリウムとともに上記[B]縮合リン酸カリウム塩を含有することで、珪酸イオンがシロキサン結合を形成して多量体化することを防止している。その結果、珪酸イオンを不溶化することなく、液体肥料中に安定して存在させることができる。このように珪酸イオンが安定化することにより、溶液中に不溶性の沈殿物が析出せず、優れた保存安定性を有する液体肥料が得られる。
【0013】
上記[B]縮合リン酸カリウム塩が、分子内に水素原子を有しない鎖状縮合リン酸カリウム塩及び分子内に水素原子を有しない環状縮合リン酸カリウム塩からなる群より選択される1種又は2種以上であるとよい。このような鎖状又は環状の縮合リン酸カリウム塩を用いることにより、植物のリンの吸収効率に優れる液体肥料が得られる。
【0014】
上記分子内に水素原子を有しない鎖状縮合リン酸カリウム塩が、ピロリン酸カリウム及びトリポリリン酸カリウムからなる群より選択される1種又は2種以上であるとよい。上記化合物を用いることにより、植物のリンの吸収効率により優れる液体肥料が得られる。
【0015】
当該液体肥料においては、不溶性物質を含まず、各成分が水に溶解している状態であるとよい。上記各物質が水に溶解していることによって、肥料成分が植物へ効率良く吸収される。また、不溶性物質を含まないことにより散布機のノズル等の目詰まりや散布後の植物体の汚れを防止することができる。
【0016】
当該液体肥料は窒素、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、セレン、ニッケル、モリブデン及びホウ素からなる群より選択される1種又は2種以上の無機成分をさらに含有するとよい。これらの成分は植物にとって重要な要素であるため、上記成分を含有することにより、植物体に必用な栄養成分を効率よく供給することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、当該液体肥料は、[A]珪酸カリウムと[B]分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩を用いることで、珪酸イオンがシロキサン結合を形成することなく溶液中で安定に存在することができ、また、製造温度やpH等を制御する必要がなく容易に製造することができる。また、当該液体肥料は、各肥料成分の比率調整が容易で、不溶化物の析出がなく、保存安定性に優れ、取り扱いが容易なため、作物や切花等あらゆる植物体に広く好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ピロリン酸カリウムと珪酸カリウムとの相互作用の分子軌道法による計算結果を示す図である。
【図2】EDTAと珪酸カリウムとの相互作用の分子軌道法による計算結果を示す図である。
【図3】キレート力確認試験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当該液体肥料は、[A]珪酸カリウム及び[B]分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩(以下、「[B]分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩」を「特定リン酸カリウム塩」ともいう)を必須成分として含有する。また、当該液体肥料には任意成分として、例えば、窒素、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、セレン、ニッケル、モリブデン又はホウ素等の無機成分を含む各種化合物を含有させることができる。
【0020】
<珪酸カリウム>
珪酸カリウムは、分子内に水素原子を有しないものであれば特に限定されず、例えば、オルト珪酸カリウム(KSiO)、メタ珪酸カリウム(KSiO)、メタ二珪酸カリウム(KSi)等が挙げられる。このような珪酸カリウムの使用形態としては、例えば、既製品の純品の珪酸カリウム粉末を水に溶解したものを用いることもできるが、化学工業の副産物である珪酸カリウム又は水ガラスを水酸化カリウム水溶液もしくは炭酸カリウム水溶液に溶解して調製したものを用いることがコスト的に好ましい。
【0021】
当該液体肥料における珪酸イオンの含有量の上限としては、SiO換算で20質量%が好ましく、18質量%がより好ましく、16質量%がさらに好ましい。また、上記珪酸イオンの含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、2質量%がさらに好ましい。このように珪酸イオンの含有量を上記範囲とすることにより、植物に病虫害抵抗性を付与することができる。
【0022】
<特定リン酸カリウム塩>
特定リン酸カリウム塩とは、分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩のことである。縮合リン酸とは、オルトリン酸(HPO)を脱水反応させて得られ、2つ以上のPを含み、かつP−O−Pをもつリン酸の縮合物である。この特定リン酸カリウム塩には、鎖状のもの(一般式:Kn+23n+1、以下、「ポリリン酸カリウム塩」ともいう)及び環状のもの(一般式:(KPO、以下、「環状ポリメタリン酸カリウム塩」ともいう)が含まれ、本実施形態ではいずれも使用可能である。このような特定リン酸カリウム塩としては、例えばピロリン酸カリウム(K)、トリポリリン酸カリウム(K10)、テトラポリリン酸カリウム(K13)等のポリリン酸カリウム塩;トリメタリン酸カリウム(KPO、テトラメタリン酸カリウム(KPO、オクタメタリン酸カリウム(KPO等の環状ポリメタリン酸カリウム塩が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
当該液体肥料における上記特定リン酸カリウム塩の含有量の上限としては15質量%が好ましく、12質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。また、上記特定リン酸カリウム塩の含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。このように特定リン酸カリウム塩の含有量を上記範囲とすることにより、植物にとって重要な肥料成分であるリンとカリウムとを同時にバランス良く供給することができる。
【0024】
また、珪酸カリウムの存在下、上記特定リン酸カリウム塩を含有させることにより、ゲル状の不溶化物を生じることなく保存安定性に優れる透明な当該液体肥料を得ることができる。一方、珪酸カリウムの存在下、リン酸一カリウム(KHPO)等の水溶液中で水素イオンを放出する化合物を含有させるとゲル状の不溶化物が生じる。これは、水素イオンの存在下では、珪酸イオンが水素イオンと結合して珪酸を生成し、この珪酸が脱水縮合反応してシロキサン結合を形成して、ゾル化を経てゲル状になるためである。ここで、シロキサン結合とはSi−O−Si結合を意味する。当該液体肥料は、特定リン酸カリウム塩を用いているため、珪酸イオンがシロキサン結合を形成することなく、保存安定性に優れる、すなわち珪酸イオンの濃度にかかわらず、保存中に珪酸イオン由来の不溶化物が生成することがない。このように不溶化物の生成が防止されることで、肥料成分が水溶性の状態で存在し、植物体へ効率良く吸収される。また、当該液体肥料は不溶化物を含まないため、散布機のノズルが目詰まりすることによる機器の不具合の招来や、作物に不溶化物が付着することによる外観上の汚れも防止することができる。
【0025】
<カリウム>
上記珪酸カリウムや特定リン酸カリウム塩に含まれるカリウムは、植物にとって重要な成分である。カリウムは炭水化物や窒素化合物の合成、同化作用の促進、根の発育促進、水分供給、冷害や病虫害への抵抗力増進、開花や結実の促進等の生理作用を有する。当該液体肥料に用いられるカリウム源としては、上述の成分の他にも、液体肥料中でカリウムイオンを放出する水溶性カリウム化合物であって、かつ、シロキサン結合の形成を引き起こすものでなければ特に限定されない。このような水溶性カリウム化合物としては、例えば、リン酸三カリウム(KPO)、硝酸カリウム(KNO)、塩化カリウム(KCl)、炭酸カリウム(KCO)、硫酸カリウム(KSO)、水酸化カリウム(KOH)又は酢酸カリウム(CHCOOK)等が挙げられる。これらの化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0026】
当該液体肥料におけるカリウムの含有量の上限としては、KO換算で15質量%が好ましく、14質量%がより好ましく、13質量%がさらに好ましい。また、上記カリウムの含有量の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。このようにカリウムの含有量を上記範囲とすることにより、植物が必要とする十分な量のカリウムを供給することができる。
【0027】
<リン>
リンは植物中の核酸や酵素の構成成分であり、根の発育を促進し、発芽力を高め、開花及び結実を促進する生理作用がある。当該液体肥料に用いられるリン源は、上述の成分の他にも、液体肥料中でリン酸イオンを放出する水溶性リン酸化合物又は水溶性亜リン酸化合物等であって、かつ珪酸イオンのシロキサン結合の形成を引き起こすものでなければ特に限定されない。このような化合物としては、例えば、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸アンモニウム、亜リン酸カリウム、又は亜リン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0028】
当該液体肥料におけるリンの含有量の上限としては、P換算で15質量%が好ましく、12質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。また、上記リンの含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。このようにリンの含有量を上記範囲とすることにより、植物が必要とする十分な量のリンを供給することができる。
【0029】
<任意の肥料成分>
当該液体肥料は、上記成分に加えて、例えば、窒素、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、セレン、ニッケル、モリブデン又はホウ素等の無機成分を含む各種化合物をさらに含有してもよい。
【0030】
(窒素)
窒素はタンパク質の合成、細胞の分裂や増殖、花芽形成、根の発育、養分の吸収、又は同化作用の促進に必要な成分である。当該液体肥料に用いられる窒素源としては、珪酸イオンのシロキサン結合の形成を引き起こすものでなければ特に限定されず、例えば、尿素態窒素、アンモニア態窒素又は硝酸態窒素等の形態であることが好ましい。このような窒素源としては、例えば、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硫硝安(硝酸アンモニウム+硫酸アンモニウム)、硝安石灰(硝酸アンモニウム+炭酸カルシウム)、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、水酸化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、尿素、カルウレア(尿素+硝酸カルシウム)、各種アミノ酸、豆類や魚類の煮汁等が挙げられる。これらの化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0031】
当該液体肥料における窒素の含有量の上限としては、窒素全量として、12質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、8質量%がさらに好ましい。また、上記窒素の含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。このように窒素の含有量を上記範囲とすることにより、植物が必要とする十分な量の窒素を供給することができる。
【0032】
(カルシウム)
カルシウムは植物の細胞壁の構造とその機能において重要な役割を果たす成分であり、カルシウムが不足すると葉に白化現象が現れる等の不具合が生じる。植物の生育期間を通じて過不足なくカルシウムを供給することにより、植物の種々の生理障害を防止すると共に生育促進効果を期待することができる。当該液体肥料におけるカルシウム源としては、水溶液中でカルシウムイオンを生じる化合物であって、かつ珪酸イオンのシロキサン結合の形成を引き起こすものでなければ特に限定されず、例えば、硝酸カルシウム、塩化カルシウム又はクエン酸カルシウム等の有機酸カルシウム等の可溶性石灰等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0033】
当該液体肥料におけるカルシウムの含有量の上限としては、CaO換算で、6.0質量%が好ましく、5.8質量%がより好ましく、5.5質量%がさらに好ましい。一方、カルシウムの上記含有量の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.1質量%がさらに好ましい。このようにカルシウムの含有量を上記範囲とすることで、植物の生育に必要な十分量のカルシウムを供給することができ、カルシウムによる植物生育促進作用を期待することができる。
【0034】
(マグネシウム)
マグネシウムは、植物のリンの吸収を促進させる働きがある。当該液体肥料に用いられるマグネシウム源としては、液体肥料中でマグネシウムイオンを放出する水溶性化合物であって、かつ珪酸イオンのシロキサン結合の形成を引き起こすものでなければ特に限定されない。このような水溶性化合物としては、水溶性マグネシウム塩が好ましく、水溶性マグネシウム塩としては、例えば、亜リン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、又は硝酸マグネシウム等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
【0035】
マグネシウムの含有量の上限としては、MgO換算で、5質量%が好ましく、3質量%がより好ましく、2質量%がさらに好ましい。一方、上記含有量の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。このようにマグネシウムの含有量を上記範囲とすることで、マグネシウムのリン吸収促進作用により、植物がより効果的にリンを吸収することができる。
【0036】
(微量要素)
当該液体肥料は、上記成分に加えて又は上記成分に代えて、例えば、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、セレン(Se)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ヨウ素(I)、コバルト(Co)、バナジウム(V)、フッ素(F)、ホウ素(B)、又はスズ(Sn)等の微量要素を含有してもよい。これらの成分の中でも鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、セレン(Se)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)又はホウ素(B)が好ましい。これらの各成分は、例えば、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、加工マンガン又はモリブデン酸アンモニウム等の水溶性化合物として、当該液体肥料に添加すればよい。
【0037】
上記成分の中でもホウ素は、植物にとって重要な成分であり、花芽分化、花粉の発芽と果実の細胞分裂を促進する作用を有する。また、ホウ素は、糖の転流を高めて成長点の成長を維持し、カルシウム吸収を高め、細胞壁を強化する作用を有する。マメ科、十字架植物や、花数の多い果樹等ではその要求量が多く、また、土壌中では無機態として存在するため、露地栽培では不足しやすい傾向がある。
【0038】
当該液体肥料に用いられるホウ素源としては水溶性ホウ素化合物であって、かつ珪酸イオンのシロキサン結合の形成を引き起こすものでなければ特に限定されず、例えば、ホウ酸ナトリウム(例えば、Na(OH)・8HO等)等が挙げられる。水溶性ホウ素化合物の含有量の上限としては、Bとして組成物全体に対して、0.5質量%が好ましく、0.4質量%がより好ましく、0.3質量%がさらに好ましい。また、水溶性ホウ素化合物の上記含有量の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.005質量%がより好ましく、0.01質量%がさらに好ましい。このように水溶性ホウ素化合物の含有量を上記範囲とすることで植物が必要とする十分な量のホウ素を供給することができる。
【0039】
ホウ素以外の上記微量要素の含有量の上限としては、種類により異なるが、当該液体肥料に対して3質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。また、ホウ素以外の上記金属成分の含有量の下限としては0.001質量%が好ましく、0.005質量%がより好ましく、0.008質量%がさらに好ましい。このようにホウ素以外の上記微量要素の含有量を上記範囲とすることで、植物の成長に必要な十分量の上記成分を効果的に供給することができる。また、ホウ素以外の上述の微量要素は、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0040】
また、当該液体肥料は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)又はその塩等の公知のキレート剤を添加して、上記各成分を液体肥料中にキレート剤と上記肥料成分とが結合したキレート化合物の状態で含有させることもできる。
【0041】
(その他の成分)
当該液体肥料は、上記成分に加えて、例えば、リン酸三ナトリウム、分子内に水素原子を有しない縮合リン酸ナトリウム塩(例えば、ピロリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等)等を配合することができ、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、ビタミン類(例えば、ビタミンB1、ビタミンB6、ニコチン酸アミド、コリン塩類等)、腐敗防止剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸等)、界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、両性界面活性剤等)又は着色剤(例えば、青色1号等)などを配合することができる。
【0042】
また、上述したこれらの成分の配合量を適宜調整することにより、当該液体肥料中の各肥料成分の濃度比率を目的に応じて調整することができる。さらに、当該液体肥料は、任意成分としてカルシウム、マグネシウム、微量要素等の上述の各種成分を含有させた場合でも、ゲル状の不溶化物を生じることなく、保存安定性に優れた液体肥料として供することができる。
【0043】
(液体肥料の製造方法)
当該液体肥料の製造方法は、上記必須成分及び必要に応じて上記任意成分を混合し、水溶液とすることができる限り特に限定されるものではない。当該液体肥料は、製造時に、温度やpHの制約を受けることなく、室温下で容易に製造することができる。通常、水に特定リン酸カリウム塩及び必要に応じて上記任意成分を任意の順序で添加・混合し、最後に珪酸カリウムの水溶液を添加・混合することで製造される。製造に用いる水としては、例えば、水道水、精製水、イオン交換水又は蒸留水等が挙げられるが、これらに限定されない。溶解は、室温にて撹拌機等の公知の手段によって適宜行なえばよく、また、所望により溶解を促進するために加温してもよい。さらに必要であればろ過を行ってもよい。また、必須成分として縮合リン酸カリウム塩を使用するので、該縮合リン酸カリウム塩の種類を変えることで、リン酸及びカリウムの濃度比率の調整を容易に行うことができる。
【0044】
(液体肥料の使用方法)
当該液体肥料の使用方法としては、例えば、水で100〜5000容量倍程度に希釈してから植物体等へ供給すればよい。植物への供給方法としては、例えば、希釈した当該液体肥料を葉面、茎、果実等に直接散布する方法、土壌中に注入する方法、水耕栽培やロックウールのように根に接触している水耕液や供給水に希釈混合して供給する方法等が挙げられる。すなわち、植物の葉面等の地上部に散布する、土壌栽培の土壌へ灌水する、水耕栽培の水耕液へ添加する、苗を希釈液に浸漬する等の方法が挙げられる。中でも、葉面等の植物の地上部に散布する方法や、水耕栽培の水耕液へ添加する方法が好ましい。希釈に用いる水は特に限定されず、当該液体肥料の製造時に使用する水や通常農家が作物の栽培時に使用する水と同様のものを使用すればよい。
【0045】
当該液体肥料を施用する時期は、定植から収穫までのいずれの時期でも良い。施用の回数は、対象となる植物体の種類や成長度合いによって異なるため、一概には言えないが、好ましくは、できるだけ回数を多くした方が、効果が安定的に現れるため望ましい。施用量は植物体の生育段階によって適宜調整すればよいが、例えば、幼苗期における散布処理の場合、散布対象となる部位に水滴が付着する程度の量を散布すればよい。
【0046】
当該液体肥料を植物体に施用すると、病虫害の予防・抑制、収量増加、葉や根部の生育促進、花芽成形促進、花数の増加、開花の促進等の植物生育上好ましい結果を得ることができる。当該液体肥料を適用し得る植物としては、いずれの植物にも適用でき、例えば、イネ(米)、コムギ(小麦)、トウモロコシ、オオムギ、ライムギ等のイネ科植物、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロン、トマト、ナス、ピーマン、イチゴ、オクラ、サヤインゲン、ソラマメ、エンドウ、エダマメ、シシトウ、トウガラシ、ラッカセイ、トウモロコシ等の果菜類;ハクサイ、コマツナ、チンゲンサイ、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、メキャベツ、ネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラ、アスパラガス、レタス、サラダ菜、セルリー、ホウレンソウ、シュンギク、パセリ、ミツバ、セリ、ウド、ミョウガ、フキ、シソ、シュンギク、カイワレダイコン、クレソン等の葉茎菜類;ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤマイモ、ショウガ、レンコン、ラディッシュ、タマネギ、ニンニク等の根菜類;温州ミカン等の柑橘類、リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ、カキ、クリ、ウメ、オウトウ、ビワ、パイナップル、バナナ等の果樹類等が挙げられる。その他、花卉類等にも使用可能である。
【実施例】
【0047】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。以下の実施例において、特に断りにない限り「%」は「質量%」を示す。
【0048】
[試験例1]安定性試験(その1)
水68.12gに珪酸カリウム水溶液(日本化学工業株式会社製「B珪酸カリ」、SiO:28.3%、KO:15.6%)11.00gを溶解し、次いで、表1に示す各種リン酸化合物を室温条件下にて、P換算で4.10%になるように徐々に添加して攪拌混合し、混合時にゲル状の不溶化物が生じるか否かを目視で観察した。表1に結果を示す。
【0049】
【表1】

【0050】
(結果)
表1のサンプルNo.1〜8に示す8種類のリン酸化合物は、混合時に不溶化物を生じず無色透明の溶液となった。一方、表1のサンプルNo.9〜16に示す8種類のリン酸化合物は少量を添加した時点で不溶化物を生じた。ここで、表1のサンプルNo.1〜8に示すリン酸化合物の化学式に着目すると、8種類とも分子内に水素原子を有しないことが確認された。これに対し、表1のサンプルNo.9〜16に示すリン酸化合物の化学式に着目すると、8種類とも分子内に水素原子を有しており、水溶液中で水素イオンを放出する化合物であった。したがって、上記結果から、珪酸カリウム水溶液と混合した時に不溶化物を生じないようにするには、分子内に水素原子を有しないリン酸化合物を用いればよいことが分かる。
【0051】
[試験例2]安定性試験(その2)
以下の表2〜4に記載の成分及びその配合量を、表2〜4に示す手順に従って、室温条件下にて攪拌混合し、無色透明な液体肥料(実施例品1〜3)100gを調製した。得られた各液体肥料の成分組成(質量%)を表5に示す。
【0052】
【表2】

【0053】
【表3】

【0054】
【表4】

【0055】
【表5】

【0056】
上記表5において「T−N」は「窒素全量」、「W−P」は「水溶性リン酸」、「W−KO」は「水溶性カリウム」、「W−SiO」は「水溶性珪酸」、「W−B」は「水溶性ホウ素」をそれぞれ意味する。以下も同様である。
【0057】
得られた上記実施例品1〜3の各液体肥料を、30℃の恒温条件下にて、2ヶ月間静置保存し、不溶性沈殿物の析出の有無を観察した。その結果、2ヶ月間経過後も不溶性沈殿物の析出は全く認められず、性状にも変化はみられなかった。
【0058】
[試験例3]安定性試験(その3)
以下の表6に記載の成分及びその配合量を、表6に示した手順に従って室温条件下にて攪拌混合し、液体肥料(比較例品1)100gを調製した。得られた液体肥料の成分組成(質量%)を表7に示す。
【0059】
【表6】

【0060】
【表7】

【0061】
(結果)
その結果、表6の手順5で、珪酸カリウム水溶液を添加したときに白色のゲル状不溶化物が生じた。
【0062】
[試験例4]安定性試験(その4)
以下の表8に記載の成分及びその配合量を、表8に示した手順に従って、室温条件下にて攪拌混合し、無色透明の液体肥料(実施例品4)100gを調製した。カルシウムに対するキレート剤にはエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA・4Na)を使用した。得られた液体肥料の成分組成(質量%)を表9に示す。得られた液体肥料を、30℃の恒温条件下にて、1ヶ月間静置保存し、不溶性沈殿物の析出の有無を観察した。
【0063】
【表8】

【0064】
【表9】

【0065】
上記表9において、「W−CaO」は「水溶性カルシウム」を意味する。
【0066】
(結果)
その結果、30℃で1ヶ月間保存しても沈殿は生じず性状に変化は認められなかった。
【0067】
[試験例5]相互作用計算結果
縮合リン酸及びその塩にはキレート作用があることが知られている。また、キレート作用を有する、いわゆるキレート剤には脱水縮合反応を阻害する作用があることが知られている。そこで、本発明の液体肥料に含まれる縮合リン酸がキレート剤として、珪酸イオンのシロキサン結合の形成を阻害する作用を有するか否かを評価するために、以下の計算を行った。
【0068】
(1)分子軌道法による相互作用エネルギーの計算
分子軌道法により、以下の表10の組み合わせの場合の分子間相互作用エネルギーを計算し、ピロリン酸カリウムのキレート力について評価した。ピロリン酸カリウム(1)と珪酸カリウム(2)との組み合わせの場合の両分子の相対位置関係を図1に、EDTA(3)と珪酸カリウム(4)との組み合わせの場合の両分子の相対位置関係を図2にそれぞれ示す。また、それぞれの分子を組み合わせた場合における、両分子の相互作用エネルギーを表10に示す。
【0069】
【表10】

【0070】
上記表10中の「ΔE」は、両分子の相対位置関係及びそれぞれの構造が最適化された場合のエネルギーから、各分子が単独に存在している場合の各エネルギーの和を引いたエネルギーの差を示す。ΔEの値が低いほど、両分子の相対位置関係及び構造が安定していることを示す。
【0071】
(結果)
表10より、キレート剤であるEDTA分子と珪酸カリウム分子との相互作用エネルギーの差は−57.12kcal/molと、両分子の相互作用は非常に大きいことが分かった。また、図2の結果からも、EDTA分子と珪酸カリウム分子との間には、配位結合が存在していることが推察された。一方、ピロリン酸カリウム分子と珪酸カリウム分子との相互作用エネルギーの差は−3.66kcal/molであり、この値は両分子の間に何らかの結合が存在すると考えるには非常に小さいものであった。また、図1の結果からもピロリン酸カリウム分子と珪酸カリウム分子との間にはファンデルワールス力のみが働いていると推察された。つまり、ピロリン酸カリウム分子は珪酸カリウム分子に対してキレート作用を持たないと推察された。
【0072】
(2)キレート力確認試験
珪酸カリウムは、酸(H)の存在下ではシロキサン結合の形成による重合が進み、ゲル状の固体となる性質を持つ。そこで、ピロリン酸カリウムの珪酸カリウムに対するシロキサン結合形成の阻害作用について、一般的なキレート剤であるEDTAと比較して検討した。
【0073】
(方法)
ビーカー1:珪酸カリウム1g(6.4mmol)及びピロリン酸カリウム3g(10mmol)をイオン交換水に溶解して全量を100ml(溶液a)とした。
ビーカー2:珪酸カリウム1g(6.4mmol)及びEDTA・4ナトリウム4.2g(10mmol)をイオン交換水に溶解して全量を100ml(溶液b)とした。
上記ビーカー1及びビーカー2に12N塩酸1mlを添加して溶液の状態を観察した。
【0074】
(結果)
結果を図3に示す。ビーカー1(図3の左側)に12N塩酸を添加したところ、10分で溶液が白濁し、ゲル状に変化し始め、30分後には寒天状の固体となった。一方、ビーカー2(図3の右側)に12N塩酸を添加したところ、1日経過した後でも溶液は無色透明な状態を保っていた。この結果より、EDTAはそのキレート力により珪酸カリウムのシロキサン結合の形成を阻害する作用があることが分かった。一方、ピロリン酸カリウムには、EDTAのようにシロキサン結合の形成を阻害する作用がないことが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、当該液体肥料は、珪素、カリウム及びリン酸を同時に植物に供給でき、製造温度やpH等を制御する必要がなく容易に製造することができる。また、当該液体肥料は、各肥料成分の比率調整が容易で、不溶化物の析出がなく、保存安定性に優れ、取り扱いが容易なため、作物や切花等あらゆる植物体に広く好適に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
[A]珪酸カリウム、及び
[B]分子内に水素原子を有しない縮合リン酸カリウム塩
を含有する珪素含有液体肥料。
【請求項2】
上記[B]縮合リン酸カリウム塩が、分子内に水素原子を有しない鎖状縮合リン酸カリウム塩及び分子内に水素原子を有しない環状縮合リン酸カリウム塩からなる群より選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の珪素含有液体肥料。
【請求項3】
上記分子内に水素原子を有しない鎖状縮合リン酸カリウム塩が、ピロリン酸カリウム及びトリポリリン酸カリウムからなる群より選択される1種又は2種以上である請求項2に記載の珪素含有液体肥料。
【請求項4】
不溶性物質を含まない請求項1、請求項2又は請求項3に記載の珪素含有液体肥料。
【請求項5】
窒素、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、セレン、ニッケル、モリブデン及びホウ素からなる群より選択される1種又は2種以上の無機成分をさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の珪素含有液体肥料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−184207(P2011−184207A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47800(P2010−47800)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(397015496)福栄肥料株式会社 (5)
【Fターム(参考)】