説明

珪藻土用バインダーおよびその製造方法、ならびに珪藻土含有塗布材およびその製造方法

【課題】珪藻土を種々の塗布対象物に良好に塗布することができる珪藻土用バインダーおよびその製造方法、ならびに珪藻土の特性を十分に発揮させることができる珪藻土含有塗布材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】珪藻土用バインダーは、水と、シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤と、ポリカルボン酸系の分散剤と、アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤と、を含む。また、珪藻土用バインダーの製造方法は、水に、上記分散剤を添加して攪拌し、これに上記主剤を添加して攪拌し、さらに、これに上記増粘剤を添加して攪拌する。珪藻土含有塗布材は、珪藻土と、上記珪藻土用バインダーとを含む。また、珪藻土含有塗布材の製造方法は、上記手順で製造された珪藻土用バインダーと珪藻土を混合して攪拌する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、珪藻土を各種の物質に塗布するための珪藻土用バインダーおよびその製造方法、ならびに珪藻土含有塗布材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、珪藻土は、多孔質の構造を有する物質であり、その構造および材質に基づく各種の特性を有している。具体的には、珪藻土は、水分の吸収および放出による調湿機能や、揮発性有機化合物などを吸着する吸着機能、さらには防音機能や耐火機能などを有している。このような珪藻土は、それのみでは、例えば室内の壁面や天井面などに塗布することができず、そのため、バインダーなどと混合した塗布材として、壁面などに塗布される。そのような塗布材として、従来、特許文献1に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1の塗布材は、粒子状の珪藻土を含有するとともに、アクリル樹脂系エマルジョンをバインダーとするものである。このバインダーは、コア層の周囲にシェル層を有するコア・シェル構造のものであり、コア層のガラス転移点が0℃以下に、シェル層のガラス転移点が20℃以上になるように構成されている。このような構成のバインダーは、通気性が比較的高く、その理由は明らかではないが、次のように考えられている。すなわち、上記バインダーで形成された塗膜では、ガラス転移点が常温よりも低いコア層の樹脂成分が、塗膜の形成に関与する一方、ガラス転移点が常温よりも高いシェル層の樹脂成分が、破断した殻として、塗膜内に分散することで、多数の微細な孔が塗膜に形成される。そして、このような微細な孔が通気孔として機能することにより、塗膜の通気性が高まると考えられている。上記のようなバインダーおよび珪藻土からなる塗布材を、壁面などに塗布した場合には、珪藻土の粒子が塗膜の微細な孔を介して外部に連通し、これにより、珪藻土の特性を発揮させるようにしている。
【0004】
しかし、特許文献1の塗布材を壁面などに塗布した場合、その塗布材に含まれた珪藻土を壁面に適切に塗布できないことがある。すなわち、例えば常温時には、バインダーのシェル層が固体の性質を有するため、珪藻土の粒子のうち、大部分がシェル層に接するものは、バインダーによる接着力が不十分となることがある。このような場合には、室内の居住者の手などが壁面に触れることなどにより、珪藻土の粒子が壁面から脱離したり、居住者の手に付着したりすることがある。このように珪藻土の粒子が壁面から脱離すると、珪藻土を塗布した壁面において、珪藻土の特性を十分に発揮させることができなくなる。加えて、バインダーによる珪藻土の粒子間の接着力が不十分である場合には、壁面に塗布した塗布材の表面にひび割れが生じることがあり、その場合には、壁面の美観が損なわれてしまう。また、常温時には、バインダーのコア層が液体の性質を有するため、コア層に接する珪藻土の粒子では、その多数の孔がコア層に塞がれ、それにより、珪藻土の多孔質の特性を十分に発揮させることができない。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、珪藻土を種々の塗布対象物に良好に塗布することができる珪藻土用バインダーおよびその製造方法、ならびに珪藻土の特性を十分に発揮させることができる珪藻土含有塗布材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】特開2004−256649号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、珪藻土と混合した状態で使用され、珪藻土を塗布対象物に塗布するための珪藻土用バインダーであって、水と、シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤と、ポリカルボン酸系の分散剤と、アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤と、を含むことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、珪藻土用バインダー(以下本項において、適宜、単に「バインダー」という)が、シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤を含んでおり、この主剤によって、珪藻土の特性を発揮させることが可能な状態で、珪藻土の粒子間が比較的強固に結合するとともに、珪藻土が種々の塗布対象物に比較的強固に接着する。その理由は次のように考えられる。すなわち、珪藻土とバインダーを混合することで生成される珪藻土含有塗布材(以下本項において、適宜、単に「塗布材」という)が、塗布対象物に塗布された後、乾燥すると、主剤中の比較的吸水性の高いシリコン成分から水分が抜け、そのシリコン成分と主剤中のアクリル酸エステル成分とによって、珪藻土の粒子間を適度に結合するとともに、これらを塗布対象物に接着させると考えられる。また、バインダーは、ポリカルボン酸系の分散剤を含んでいるので、主剤による珪藻土の粒子間の結合を阻害することなく、珪藻土の粒子をバインダー内で適度に分散させることができる。さらに、バインダーは、アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤を含んでいるので、バインダーの粘度を適度に高めることができ、塗布材を、例えば室内の壁面や天井面などに塗布する場合でも、液垂れすることなく、適切に塗布することができる。したがって、上記構成のバインダーによれば、珪藻土の特性を十分に発揮させることができる状態で、珪藻土を種々の塗布対象物に良好に塗布することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の珪藻土用バインダーにおいて、100重量部の珪藻土に対し、水が、600〜700重量部、主剤が、140〜160重量部、分散剤が、5〜20重量部、増粘剤が、15〜25重量部、であることを特徴とする。
【0010】
この配合比率によるバインダーは、塗布材を、例えばカップガンによる吹き付けで塗布する場合に適している。バインダーにおいて、100重量部の珪藻土に対し、水を600〜700重量部とするのは、水が600重量部よりも少ないと、バインダーの粘度が高くなりすぎ、塗布材がカップガンのノズルから出にくくなるからであり、一方、700重量部よりも多いと、バインダーの粘度が低く、不十分となり、塗布材を塗布する際に液垂れが生じるからである。また、主剤を140〜160重量部とするのは、主剤が140重量部よりも少ないと、塗布材の塗布、乾燥後において、珪藻土の粒子間の結合が不十分となり、珪藻土の粒子が脱離することがあるからであり、主剤が160重量部よりも多いと、塗布材の塗布、乾燥後において、表面が硬化した膜状になり、珪藻土による調湿機能が低下するからである。また、分散剤を5〜20重量部とするのは、分散剤が5重量部よりも少ないと、塗布材中の珪藻土の粒子を適度に分散させることができず、塗布材の吹き付けの際に、塗布材がノズルから出にくくなったり、カップガンのカップ内で沈殿したりすることで、塗布性が悪化するからであり、さらに、塗布材に顔料を添加した場合、塗布後の塗布材に色ムラが発生することもあるからである。一方、分散剤が20重量部よりも多いと、コストが上昇し、また珪藻土による調湿機能が低下することがあるからである。さらに、増粘剤を15〜25重量部とするのは、増粘剤が15重量部よりも少ないと、バインダーの粘度が低く、不十分となり、塗布材を塗布する際に液垂れが生じるからであり、一方、25重量部よりも多いと、バインダーの粘度が高くなりすぎ、塗布材がカップガンのノズルから出にくくなるからである。したがって、バインダーの各成分を上記配合比率にすることにより、このバインダーを、カップガンによる塗布材の吹き付けに適したものとすることができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の珪藻土用バインダーにおいて、パルプを主成分とするつなぎ材を、さらに含み、100重量部の珪藻土に対し、水が、300〜800重量部、主剤が、90〜110重量部、分散剤が、5〜20重量部、増粘剤が、35〜45重量部、つなぎ材が、15〜25重量部、であることを特徴とする。
【0012】
この配合比率によるバインダーは、塗布材を、例えばカップガンよりも大きいノズル口径を有するリシンガンによる吹き付けで、室内の壁面や天井面などに塗布する場合に適しており、上記請求項2の成分に加えて、パルプを主成分とするつなぎ材を含んでいる。このように、バインダーがつなぎ材を含むことにより、塗布材の塗布、乾燥後において、ひび割れの発生を防止することができる。上記のバインダーにおいて、100重量部の珪藻土に対し、つなぎ材を15〜25重量部とするのは、つなぎ材が15重量部よりも少ないと、塗布材の塗布、乾燥後において、ひび割れが発生することがあるからであり、一方、25重量部よりも多いと、塗布材の吹き付けの際に、塗布材がノズルから出にくくなることで、塗布性が悪化するからである。バインダーにおけるつなぎ材以外の各成分の配合比率の上限および下限の理由は、上述した請求項2と同様である。したがって、バインダーの各成分を上記配合比率にすることにより、このバインダーを、リシンガンによる塗布材の吹き付けに適したものとすることができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の珪藻土用バインダーにおいて、パルプを主成分とするつなぎ材を、さらに含み、100重量部の珪藻土に対し、水が、250〜400重量部、主剤が、90〜110重量部、分散剤が、5〜20重量部、増粘剤が、35〜45重量部、つなぎ材が、25〜35重量部、であることを特徴とする。
【0014】
この配合比率によるバインダーは、塗布材を、例えばこてを使用した左官仕上げなどで、室内の壁面などに塗布する場合に適しており、上記請求項3と同様、塗布材の塗布、乾燥後のひび割れの発生を防止するために、パルプを主成分とするつなぎ材を含んでいる。上記のバインダーにおいて、100重量部の珪藻土に対し、つなぎ材を25〜35重量部とし、リシンガンによる吹き付けに適した請求項3の場合よりも多くするのは、通常、左官仕上げでは、塗り厚が比較的厚く、塗布材の塗布、乾燥後において、ひび割れが発生しやすくなるからである。つなぎ材が25重量部よりも少ないと、塗布材の塗布、乾燥後において、ひび割れが発生することがあるからであり、一方、35重量部よりも多いと、塗布材を塗布する際に、塗布材の伸びが少なくなることで、塗布性が悪化するからである。バインダーにおけるつなぎ材以外の各成分の配合比率の上限および下限の理由は、上述した請求項2と同様である。したがって、バインダーの各成分を上記配合比率にすることにより、このバインダーを、左官仕上げによる塗布材の塗布に適したものとすることができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、珪藻土を塗布対象物に塗布するための珪藻土用バインダーの製造方法であって、水に、ポリカルボン酸系の分散剤を添加し、攪拌する第1工程と、第1工程で生成された生成物に、シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤を添加し、攪拌する第2工程と、第2工程で生成された生成物に、アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤を添加し、攪拌する第3工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、上記の手順で、水に、所定の分散剤、主剤、および増粘剤を順に添加するとともに、それぞれの添加後に攪拌することにより、珪藻土の特性を十分に発揮させることができる状態で、その珪藻土を塗布対象物に良好に塗布することができるバインダーを得ることができる。なお、後述するように、各成分の配合手順を上記と異なるように製造したバインダーは、ゲル状に沈殿して凝固したり、粒状に凝固したりするなど、バインダーとして不良な状態になることが確認された。
【0017】
請求項6に係る発明の珪藻土含有塗布材は、珪藻土と、水と、シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤と、ポリカルボン酸系の分散剤と、アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤と、を含むことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、塗布材は、珪藻土、および上記請求項1のバインダーと同じ成分を含んでいるので、上述した請求項1と同様の作用、効果、すなわち、珪藻土の特性を十分に発揮させることができる状態で、塗布材を種々の塗布対象物に良好に塗布することができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の珪藻土含有塗布材において、珪藻土が、100重量部、水が、600〜700重量部、主剤が、140〜160重量部、分散剤が、5〜20重量部、増粘剤が、15〜25重量部、であることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、塗布材は、珪藻土、および上記請求項2のバインダーと同じ成分を含むとともに、珪藻土およびバインダーの各成分の配合比率が、請求項2と同じであるので、上述した請求項2と同様の作用、効果、すなわち、この塗布材を、カップガンによる吹き付けに適したものとすることができる。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の珪藻土含有塗布材において、パルプを主成分とするつなぎ材を、さらに含み、珪藻土が、100重量部、水が、300〜800重量部、主剤が、90〜110重量部、分散剤が、5〜20重量部、増粘剤が、35〜45重量部、つなぎ材が、15〜25重量部、であることを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、塗布材は、珪藻土、および上記請求項3のバインダーと同じ成分を含むとともに、珪藻土およびバインダーの各成分の配合比率が、請求項3と同じであるので、上述した請求項3と同様の作用、効果、すなわち、この塗布材を、リシンガンによる吹き付けに適したものとすることができる。
【0023】
請求項9に係る発明は、請求項6に記載の珪藻土含有塗布材において、パルプを主成分とするつなぎ材を、さらに含み、珪藻土が、100重量部、水が、250〜400重量部、主剤が、90〜110重量部、分散剤が、5〜20重量部、増粘剤が、35〜45重量部、つなぎ材が、25〜35重量部、であることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、塗布材は、珪藻土、および上記請求項4のバインダーと同じ成分を含むとともに、珪藻土およびバインダーの各成分の配合比率が、請求項4と同じであるので、上述した請求項4と同様の作用、効果、すなわち、この塗布材を、左官仕上げによる塗布に適したものとすることができる。
【0025】
請求項10に係る発明の珪藻土含有塗布材の製造方法は、水に、ポリカルボン酸系の分散剤を添加し、攪拌する第1工程と、第1工程で生成された生成物に、シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤を添加し、攪拌する第2工程と、第2工程で生成された生成物に、アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤を添加し、攪拌する第3工程と、第3工程で生成された生成物と珪藻土を混合し、攪拌する第4工程と、を備えることを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、上記請求項5と同じ手順で、水に、所定の分散剤、主剤、および増粘剤を順に添加するとともに、それぞれの添加後に攪拌することにより、バインダーを製造し、このバインダーと珪藻土を混合して攪拌することにより、塗布材を製造する。これにより、塗布材中の珪藻土の特性を十分に発揮させることができる状態で、塗布対象物に良好に塗布することができる塗布材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。下記表1は、本発明の珪藻土含有塗布材(以下、単に「塗布材」という)、および珪藻土用バインダー(以下、単に「バインダー」という)の実施例1〜3の各成分の配合比率を重量部で示している。
【表1】

【0028】
表1に示すように、実施例1〜3の塗布材はいずれも、100重量部の珪藻土と、所定の量および成分のバインダーで構成されている。珪藻土は、高純度の無定型シリカからなり、白色のパウダー状に形成されている。また、この珪藻土の各粒子は、多孔質であり、粒子サイズが2〜12ミクロン、多孔率が65〜95%、比表面積が20〜25m2/gである。
【0029】
一方、バインダーにおける水以外の各成分は、以下のとおりである。
主剤
シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする水性エマルジョンであり、より具体的には、シラン系モノマーとアクリル酸エステルが共重合したアクリル酸エステル共重合樹脂、および水から成り、前者および後者の重量組成がそれぞれ、49および51%である。なお、この主剤は、pHが8.5±1、イオン性がアニオン系である。
分散剤
ポリカルボン酸系のアクリル樹脂系水溶液であり、より具体的には、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、および水から成り、前者および後者の重量組成がそれぞれ、30および70%である。なお、この分散剤は、pHが9〜11、固形分が30±1%、比重が1.10〜1.30(20℃)である。
増粘剤
アクリル酸エステル系共重合体を主成分とするアルカリ増粘型アクリルエマルジョンであり、より具体的には、アクリル酸エステル共重合樹脂と、水から成り、前者および後者の重量組成がそれぞれ、28および72%である。なお、この増粘剤は、pHが3±1、比重が1.054(25℃)、イオン性がアニオン系である。
つなぎ材
パルプを主成分とするものであり、このパルプは、繊維状のもので、粒度が100メッシュパス90%以上、水分が8%以内である。
【0030】
実施例1の塗布材は、比較的小さなノズル口径(例えば1.2mm)を有するカップガンによる吹き付けで塗布する場合に適しており、種々の塗布対象物、例えば金属、コンクリート、プラスチックまたはガラスなどに塗布することができる。この実施例1では、表1に示すように、バインダーが、水、主剤、分散剤および増粘剤をそれぞれ、670、150、10および20重量部含んでおり、このバインダーに100重量部の珪藻土を混合することによって、塗布材が構成されている。
【0031】
また、実施例2の塗布材は、カップガンよりも大きいノズル口径(例えば4.0mm)を有するリシンガンによる吹き付けで塗布する場合に適しており、上記実施例1の塗布材と同様に、種々の塗布対象物に塗布することができる。この実施例2では、表1に示すように、バインダーが、水、主剤、分散剤、増粘剤およびつなぎ材をそれぞれ、400、100、10、40および20重量部含んでおり、このバインダーに100重量部の珪藻土を混合することによって、塗布材が構成されている。
【0032】
さらに、実施例3の塗布材は、こてを使用した左官仕上げで、室内の壁面などに塗布する場合に適している。この実施例3では、表1に示すように、バインダーが、水、主剤、分散剤、増粘剤およびつなぎ材をそれぞれ、345、100、10、40および30重量部含んでおり、このバインダーに100重量部の珪藻土を混合することによって、塗布材が構成されている。
【0033】
下記表2は、上記実施例1〜3の塗布材を、それぞれが適する塗布手法によって、塗布対象物に塗布したときの各種の評価項目(塗布性、分散性、調湿性能および塗布後の状態)についての評価結果を示している。
【表2】

【0034】
上記評価項目の塗布性は、塗布材を塗布対象物に塗布する際に、その塗布がし易いか否か、および液垂れすることなく塗布可能であるか否かを評価したものである。また、分散性は、塗布前の塗布材において、珪藻土が沈殿することなく、塗布材中に適度に分散しているか否かを評価したものである。さらに、調湿性能は、塗布後の塗布材において、十分な調湿性能を有するか否かを評価したものである。さらにまた、塗布後の状態は、塗布材の塗布、乾燥後において、珪藻土の粒子が脱離しないか否か、および表面にひび割れが発生していないか否かを評価したものである。
【0035】
上記表2に示すように、実施例1〜3の塗布材はいずれも、塗布性、分散性、調湿性能および塗布後の状態について、すべて良好であることが確認された。
【0036】
また、上記実施例1〜3ではそれぞれ、カップガン、リシンガンおよび左官仕上げに適した塗布材の配合比率を一つずつ示したが、本発明の塗布材およびバインダーの各成分の配合比率は、これに限定されるものではなく、下記表3に示すように、各成分の配合比率が所定の範囲内であればよい。
【表3】

【0037】
表3に示すように、カップガン用の塗布材が、100重量部の珪藻土と、所定の配合比率のバインダー、具体的には、水、主剤、分散剤および増粘剤をそれぞれ、600〜700、140〜160、5〜20、および15〜25重量部含んだバインダーとで構成されることにより、上記実施例1と同様に、上記評価項目について、良好な結果を得られることが確認できた。また、リシンガン用の塗布材が、100重量部の珪藻土と、水、主剤、分散剤、増粘剤およびつなぎ材をそれぞれ、300〜800、90〜110、5〜20、35〜45、および15〜25重量部含んだバインダーとで構成されることにより、上記実施例2と同様に、上記評価項目について、良好な結果を得られることが確認できた。さらに、左官仕上げ用の塗布材が、100重量部の珪藻土と、水、主剤、分散剤、増粘剤およびつなぎ材をそれぞれ、250〜400、90〜110、5〜20、35〜45、および25〜35重量部含んだバインダーとで構成されることにより、上記実施例3と同様に、上記評価項目について、良好な結果を得られることが確認できた。
【0038】
また、表3に示すように、カップガン用の塗布材において、リシンガン用および左官仕上げ用よりも、主剤が多いのは、前者の塗布材は、通常、比較的薄く塗布されるため、珪藻土の粒子間、および珪藻土の塗布対象物に対する付着強度を高める必要があるからである。さらに、リシンガン用および左官仕上げ用の塗布材において、カップガン用よりも、増粘剤が多いのは、前者の塗布材は、通常、後者の塗布材よりも厚く塗布されるため、塗布時の塗布材が自重などで、塗布対象物から剥がれ落ちるのを防止するために、塗布材の粘度を高める必要があるからである。さらにまた、左官仕上げ用の塗布材において、リシンガン用よりも、つなぎ材が多いのは、前者の塗布材は、通常、後者の塗布材よりも厚く塗布されるため、乾燥後にひび割れが生じやすくなり、それを防止するためである。
【0039】
また、カップガン用、リシンガン用および左官仕上げ用の塗布材において、水の含有量の範囲をそれぞれ、600〜700、300〜800および250〜400重量部としたが、塗布材を実際に塗布する際の気温、湿度などの塗布環境や、塗布対象物などに応じて、水の含有量を、上記各範囲よりも少なくしたり、多くしたりすることで、塗布材の最終的な粘度調整を行ってもよい。
【0040】
なお、詳細なデータは省略するが、塗布材の各成分が上記表3の範囲外である場合には、以下のような、塗布材として好ましくない結果が確認された。すなわち、水の含有量が所定範囲よりも少ないと、塗布材の粘度が高くなりすぎ、塗布材がカップガンやリシンガンのノズルから出にくくなったり、左官仕上げの際に、塗布材の伸びがなくなったりすることで、塗布材を塗布しにくくなる。一方、水の含有量が所定範囲よりも多いと、塗布材の粘度が低く、不十分となり、塗布材を塗布する際に、液垂れや自重による剥がれ落ちなどが生じる。
【0041】
また、主剤の含有量が所定範囲よりも少ないと、塗布材の塗布、乾燥後において、珪藻土の粒子が脱離しやすくなり、例えば室内の壁面などに塗布された場合には、室内の居住者の手などが壁面に触れることなどにより、珪藻土の粒子が脱落したり、居住者の手に付着したりする。一方、主剤の含有量が所定範囲よりも多いと、塗布材の塗布、乾燥後において、表面が硬化した膜状になり、調湿性能が著しく低下する。
【0042】
さらに、分散剤の含有量が所定範囲よりも少ないと、塗布材中の珪藻土の粒子を適度に分散させることができず、塗布材の吹き付けの際に、塗布材がノズルから出にくくなったり、カップガンやリシンガンのカップ内で沈殿したりすることで、塗布材を塗布しにくくなる。加えて、塗布材に顔料を添加した場合には、塗布後の塗布材に色ムラが発生する。一方、分散剤の含有量が所定範囲よりも多いと、塗布材自体にはあまり影響はないが、分散剤が多い分、塗布材のコストが上昇し、また、塗布材の塗布、乾燥後において、調湿性能が若干低下することがある。
【0043】
さらにまた、増粘剤の含有量が所定範囲よりも少ないと、塗布材の粘度が低く、不十分となり、塗布材を塗布する際に、液垂れや自重による剥がれ落ちなどが生じる。一方、増粘剤の含有量が所定範囲よりも多いと、塗布材の粘度が高くなりすぎ、塗布材がカップガンやリシンガンのノズルから出にくくなったり、左官仕上げの際に、塗布材の伸びがなくなったりすることで、塗布材を塗布しにくくなる。
【0044】
次に、バインダーおよび塗布材の製造方法について説明する。下記表4は、本発明のバインダーおよび塗布材を製造する際の各成分の配合手順の実施例4、およびこの実施例と異なる配合手順の比較例1〜4を示している。
【表4】

【0045】
表4に示すように、実施例4では、所定量の水をベースとし、まずこの水に所定量の分散剤を添加し、攪拌機で所定時間(例えば10〜15分)攪拌する(第1工程)。次いで、第1工程の生成物に、所定量の主剤を添加し、所定時間(例えば10〜20分)攪拌する(第2工程)。その後、第2工程の生成物に、所定量の増粘剤を添加し、所定時間(例えば30〜50分)攪拌する(第3工程)。上記の水、分散剤、主剤および増粘剤の量を、上記表3に示すカップガン用の配合比率に応じて設定することにより、カップガン用の塗布材を製造するためのバインダーが製造される。
【0046】
そして、上記のようにして製造されたバインダーに、所定量の珪藻土を入れ、所定時間(例えば20〜40分)、粒が見えなくなるまで攪拌する。珪藻土の量も、表3のカップガン用の配合比率に応じて設定し、これにより、カップガン用の塗布材が製造される。
【0047】
以上のように、水に、分散剤、主剤、および増粘剤を順に添加するとともに、それぞれの添加後に攪拌することにより、カップガンで珪藻土を塗布対象物に良好に塗布することができるバインダーを得ることができ、またこのバインダーに珪藻土を入れて攪拌することにより、カップガンで塗布材を良好に塗布することができる塗布材を得ることができる。
【0048】
一方、リシンガン用あるいは左官仕上げ用の塗布材を製造する場合には、上記第3工程の生成物に、所定量のつなぎ材および珪藻土を入れ、所定時間(例えば30〜60分)、粒が見えなくなり、ペースト状になるまで攪拌する。この場合の水、分散剤、主剤、増粘剤、つなぎ材および珪藻土の量を、表3に示すリシンガン用あるいは左官仕上げ用の配合比率に応じて設定することにより、リシンガンあるいは左官仕上げで塗布材を良好に塗布することができる塗布材を得ることができる。なお、上記第3工程の生成物に、所定量のつなぎ材のみを入れて攪拌することで、リシンガン用あるいは左官仕上げ用の塗布材を製造するためのバインダーをあらかじめ製造するようにしてもよい。
【0049】
以上の実施例4に対し、上記表4の比較例1〜4は、バインダーを製造する際の成分の配合手順のみが異なり、ベースとなる成分の量、他の成分の添加量、および添加後の攪拌時間は、実施例4と同じである。具体的には、比較例1では、ベースとしての水に、主剤、増粘剤および分散剤を順に添加し、また、比較例2では、ベースとしての水に、増粘剤、主剤、および分散剤を順に添加し、また、比較例3では、ベースとしての水に、分散剤、増粘剤および主剤を順に添加し、さらに、比較例4では、ベースとしての主剤に、増粘剤、分散剤および水を順に添加した。
【0050】
上記比較例1および2のバインダーは、ゲル状に沈殿して凝固する一方、比較例3および4のバインダーは、粒状に凝固し、いずれのものも、バインダーとして不良な状態になることが確認された。
【0051】
次に、前述した実施例1の塗布材を用いて行った帯電防止性能の評価試験について説明する。下記表5は、本評価試験の試料および試験環境を示している。
【表5】

【0052】
本評価試験を行うための試料として、実施例1の塗布材を、正方形のポリカーボネート板(サイズ:40×40mm、厚さ:0.5mm)にカップガンで0.07mmの厚さに吹き付けて、試験体Aを作製した。また、この試験体Aのポリカーボネート板と同じサイズおよび厚さのものを、比較試験体とした。そして、シシド静電気(株)製のオネストメータを用い、室温20±2℃、湿度65±5%の試験環境において、帯電防止性能の評価試験を行った。
【0053】
本評価試験では、試験体をオネストメータにセットすることにより、その試験体を回転させながら、試験体に所定の電圧を印加する。そして、試験体表面の帯電圧値を測定することにより、時間に対する帯電圧の減衰曲線が描かれ、試験体の飽和電圧値および半減期(印加停止後の帯電圧値が半分になるまでの時間)が表示される。下記表6は、本評価試験による試験体Aおよび比較試験体の飽和電圧値および半減期を示している。
【表6】

【0054】
表6に示すように、試験体Aの飽和電圧値および半減期はそれぞれ、0.03kVおよび0.1秒であり、一方、比較試験体のそれらはそれぞれ、1.87kVおよび524.6秒であるという結果が得られた。この試験結果から明らかなように、塗布材を塗布した試験体Aの飽和電圧値は、比較試験体のそれに比べて極めて小さく、したがって、塗布材を塗布したものは、極めて帯電しにくい。また、試験体Aの半減期も、比較試験体のそれに比べて極めて短く、したがって、塗布材を塗布したものは、帯電しても直ぐに放電する。以上のことから、塗布材は、絶縁体であるとともに、帯電防止性能に極めて優れていることがわかる。
【0055】
次に、前述した実施例3の塗布材を用いて行った断熱性能の評価試験について説明する。本評価試験は、JIS−A1421−2−1999(熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法)に準拠して行われ、下記表7は、本評価試験の試料および試験環境を示している。
【表7】

【0056】
本評価試験を行うための試料として、実施例3の塗布材を、所定の木枠に入れ、コテで隙間無く押さえ、50kgの圧力をかけた後、自然乾燥させて、試験体B(サイズ:200×200mm、厚さ:12.9mm)を作製した。そして、英弘精機(株)製の断熱性測定装置を用い、室温24±2℃、湿度50℃±5%の試験環境において、断熱性能の評価試験を行った。下記表8は、本評価試験による試験体Bの試験結果を示している。
【表8】

【0057】
表8に示すように、試験体Bでは、その断熱性能の評価項目、すなわち、熱抵抗が11.3×10-2(m2・K)/Wであり、熱伝導率が0.11W/(m・K)(0.10Kcal/m・h・℃)であるという結果が得られた。この試験結果から明らかなように、塗布材からなる試験体Bは、熱抵抗が比較的大きいとともに熱伝導率が比較的小さく、したがって、試験体Bでは熱が伝わりにくい。このことから、本実施形態の塗布材は、断熱性能が優れていることがわかる。
【0058】
以上詳述したように、本実施形態によれば、水と、所定の主剤、分散剤および増粘剤とを含有するバインダー、あるいは、これに加えて、所定のつなぎ材を含有するバインダーにより、珪藻土の特性を十分に発揮させることができる状態で、珪藻土を種々の塗布対象物に良好に塗布することができる。また、上記バインダーと珪藻土を混合した塗布材を、種々の塗布対象物に塗布することにより、塗布材を塗布したものにおいて、水分の吸収および放出による調湿機能、揮発性有機化合物などを吸着する吸着機能、防音機能、および耐火機能に加えて、上述した帯電防止機能および断熱機能を付与することができる。
【0059】
なお、詳細なデータは省略するが、本実施形態の塗布材を、カビの生えた壁面に上塗りすることにより、その後の壁面におけるカビの発生を抑制できることが確認された。また、内外で比較的温度差が大きくなる部屋、例えば浴室などにおいて、その壁面や天井面に塗布材を塗布することにより、結露を防止できることも確認された。さらに、塗布材を不織布などに塗布することも可能であり、塗布材を塗布した不織布を、例えば布団の中に入れることにより、調湿性および断熱性が優れた布団を得ることができる。さらにまた、塗布材は、上述した壁面などの塗装材として利用可能である他、例えば電磁波の防止材としてなど、種々の産業分野での利用が可能である。
【0060】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、塗布材を、カップガン、リシンガンおよび左官仕上げで塗布する場合について説明したが、塗布材を他の塗布手法、例えばブラシやローラなどを用いて塗布することも、もちろん可能である。その場合には、各塗布手法に適するように、塗布材の各成分の配合比率を調整することが好ましい。また、塗布材には、上述した各成分の他、着色するための顔料や、種々の充填剤を添加することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
珪藻土と混合した状態で使用され、当該珪藻土を塗布対象物に塗布するための珪藻土用バインダーであって、
水と、
シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤と、
ポリカルボン酸系の分散剤と、
アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤と、
を含むことを特徴とする珪藻土用バインダー。
【請求項2】
100重量部の前記珪藻土に対し、
前記水が、600〜700重量部、
前記主剤が、140〜160重量部、
前記分散剤が、5〜20重量部、
前記増粘剤が、15〜25重量部、
であることを特徴とする請求項1に記載の珪藻土用バインダー。
【請求項3】
パルプを主成分とするつなぎ材を、さらに含み、
100重量部の前記珪藻土に対し、
前記水が、300〜800重量部、
前記主剤が、90〜110重量部、
前記分散剤が、5〜20重量部、
前記増粘剤が、35〜45重量部、
前記つなぎ材が、15〜25重量部、
であることを特徴とする請求項1に記載の珪藻土用バインダー。
【請求項4】
パルプを主成分とするつなぎ材を、さらに含み、
100重量部の前記珪藻土に対し、
前記水が、250〜400重量部、
前記主剤が、90〜110重量部、
前記分散剤が、5〜20重量部、
前記増粘剤が、35〜45重量部、
前記つなぎ材が、25〜35重量部、
であることを特徴とする請求項1に記載の珪藻土用バインダー。
【請求項5】
珪藻土を塗布対象物に塗布するための珪藻土用バインダーの製造方法であって、
水に、ポリカルボン酸系の分散剤を添加し、攪拌する第1工程と、
当該第1工程で生成された生成物に、シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤を添加し、攪拌する第2工程と、
当該第2工程で生成された生成物に、アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤を添加し、攪拌する第3工程と、
を備えることを特徴とする珪藻土用バインダーの製造方法。
【請求項6】
珪藻土と、
水と、
シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤と、
ポリカルボン酸系の分散剤と、
アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤と、
を含むことを特徴とする珪藻土含有塗布材。
【請求項7】
前記珪藻土が、100重量部、
前記水が、600〜700重量部、
前記主剤が、140〜160重量部、
前記分散剤が、5〜20重量部、
前記増粘剤が、15〜25重量部、
であることを特徴とする請求項6に記載の珪藻土含有塗布材。
【請求項8】
パルプを主成分とするつなぎ材を、さらに含み、
前記珪藻土が、100重量部、
前記水が、300〜800重量部、
前記主剤が、90〜110重量部、
前記分散剤が、5〜20重量部、
前記増粘剤が、35〜45重量部、
前記つなぎ材が、15〜25重量部、
であることを特徴とする請求項6に記載の珪藻土含有塗布材。
【請求項9】
パルプを主成分とするつなぎ材を、さらに含み、
前記珪藻土が、100重量部、
前記水が、250〜400重量部、
前記主剤が、90〜110重量部、
前記分散剤が、5〜20重量部、
前記増粘剤が、35〜45重量部、
前記つなぎ材が、25〜35重量部、
であることを特徴とする請求項6に記載の珪藻土含有塗布材。
【請求項10】
水に、ポリカルボン酸系の分散剤を添加し、攪拌する第1工程と、
当該第1工程で生成された生成物に、シリコン変性アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする主剤を添加し、攪拌する第2工程と、
当該第2工程で生成された生成物に、アクリル酸エステル系共重合体を主成分とする増粘剤を添加し、攪拌する第3工程と、
当該第3工程で生成された生成物と珪藻土を混合し、攪拌する第4工程と、
を備えることを特徴とする珪藻土含有塗布材の製造方法。

【公開番号】特開2006−241413(P2006−241413A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−62680(P2005−62680)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(505083335)株式会社ジクシス (6)
【出願人】(394020882)フロッグスピリッツ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】