説明

珪酸カルシウム成形体の製造方法

【課題】設備費をかけずに、変色を十分に防止できる珪酸カルシウム成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法に関する。本発明においては、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を半硬化体の表面に塗布するか、もしくは、固形成分、水または原料スラリーに、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を混合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、珪酸カルシウム成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
珪酸カルシウム成形体は、たとえば、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練して原料スラリーを作製し、この原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させることにより製造される。
【0003】
そして上記製造方法においては、所定数の半硬化体を作製してから、これらの半硬化体を一括してオートクレーブ養生するため、半硬化体養生が完了して得られた半硬化体は、所定数の半硬化体が得られるまでの間、大気雰囲気下に待機させられる。
【0004】
そして、これらの半硬化体をオートクレーブ養生して珪酸カルシウム成形体(「成形体」ともいう)を製造すると、オートクレーブ養生前に空気に接触していた部分が他の部分と相違する色に変色して色むらが生じることがある。
【0005】
上述したように、オートクレーブ養生は所定数の半硬化体を得てから行われるため、半硬化体状態での待機時間にはばらつきがある。この待機時間が長くなるに従い、成形体の変色の度合いは大きくなる。そのため、オートクレーブ養生後に得られる複数の成形体間においても、変色の度合いの差に起因する色調の相違が生じることがある。
【0006】
従って、珪酸カルシウム成形体における変色が発生すると、単一の製品における色むらや複数の製品間での色調の相違が生じてその価値が下がったり、変色の度合い(程度)が著しく大きい場合には不良品を発生させるため、製品製造の歩留まりを悪化させるという問題がある。
【0007】
珪酸カルシウム成形体の変色の発生を防止する方法としては、例えば、特許文献1において、オートクレーブ養生工程の前に、半硬化体の空気接触面に、製品としての成形体と同一の色調の塗料やALCパネルの製品屑などを塗布することにより外気接触の影響を防ぐ保護層を形成して珪酸カルシウム成形体の変色を防止する方法が提案されている。しかしながら、塗料を塗布する方法では、色調を同一に調整するのが非常に難しく、長期使用による製品表面の色の変化が、塗料塗布部分と塗料未塗布部分とでは異なってくる。ALCパネルの製品屑を塗布する方法では製品屑作製の工程と、オートクレーブ後に製品屑を取り除く工程とが必要であるので手間がかかり、製品屑自体が変色の原因となることもあるうえに、時間の経過により表面の性状が変わってしまう。
【0008】
また、特許文献1にはステンレス板などを半硬化体の空気接触面に取り付けることにより保護層を形成する方法も提案されているが、この方法によれば、ステンレス板の面性状が半硬化体の面に転写されてしまい、表面性状が変わってしまう。
【0009】
上記以外の珪酸カルシウム成形体の変色の発生を防止する方法としては、例えば、半硬化体養生が完了した後オートクレーブ養生を行うまでの間、密閉性が高く、内部を例えば窒素ガスで一部置換した養生ヤードで半硬化体を待機させる方法が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8−231284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記方法によれば、半硬化体と空気との接触を少なくすることができるので、一般的な珪酸カルシウム成形体の製造方法よりも、変色の発生を防止することができる。しかしながら、上記方法では、完全に半硬化体と空気との接触を防止することにはならないため、変色を低減できても皆無にすることはできないうえに、半硬化体を待機させるための設備(密閉性の高い養生ヤードなど)が必要であり設備費がかかる。
【0012】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、設備費や手間をかけずに、変色を十分に防止可能な珪酸カルシウム成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
珪酸カルシウム成形体が変色するメカニズムについては、いまだ詳細は不明であり推測の範囲内ではあるが、以下のように考えられる。
珪酸カルシウム成形体の原料(珪酸質原料・石灰質原料)には、鉄含有鉱物などの金属含有鉱物が含まれている。鉄含有鉱物は半硬化体の状態においては、鉄イオン、水酸化鉄、酸化鉄、硫化鉄などの化合物となっていると考えられる。これらの鉄含有鉱物が半硬化体の表面付近に存在すると半硬化体に含まれる水分や空気中の水分により酸化されて黒褐色や赤褐色の酸化鉄(FeO、Fe)や黄褐色の各種オキシ酸化物(α、β、γ型)など種々の酸化物が生成する。ここで、半硬化体はアルカリ性であるが、空気に接するとカルシウム分(水酸化カルシウムなど)が空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムとなり中性化が進行する。鉄含有鉱物の酸化反応はアルカリ性条件下では反応し難く、中性条件下においては、容易に反応するため、半硬化体の炭酸化が進むに従い酸化反応が促進される。
【0014】
つまり、金属含有鉱物の酸化、原料中に含まれる水酸化カルシウムの炭酸化、およびこの炭酸化による金属含有鉱物の酸化の促進が一因となって、珪酸カルシウム成形体が変色するのではないかと考えられる。そこで、これらの原因に対する対策について鋭意検討を行った。
【0015】
その結果、半硬化体の表面にグリセリンを塗布するか、あるいは半硬化体の内部にグリセリンを混合することにより、珪酸カルシウム成形体の変色を十分に防止することができるという知見を得た。なお、ジグリセリンや重合度が3以上のポリグリセリンを用いた場合でも、グリセリンを用いたときと同様の効果があった。
【0016】
グリセリンを用いることにより珪酸カルシウム成形体の変色を抑制するメカニズムについては以下のように考えられる。
グリセリンは水と比較すると酸素溶解度が低いため、グリセリンを用いることで酸素が金属含有鉱物と接触し難くなり酸化が抑制される。
また、グリセリンは吸湿・保湿作用を有しているため、グリセリンを用いることで、半硬化体や成形体の表面からの水分蒸発が抑えられ、かつ、グリセリンの膜が形成されることにより金属鉱物と酸素とが接触し難くなる。
【0017】
さらに、グリセリンは水と比較して二酸化炭素溶解度が低いため、グリセリンを用いることで、二酸化炭素と珪酸カルシウム成形体中のカルシウム分との反応が困難となり、アルカリ性が維持され金属含有鉱物の酸化反応が抑制される。
つまり、グリセリンが、直接的に作用し、かつ(あるいは)、カルシウム分の炭酸化を抑制することにより間接的に作用して、半硬化体や成形体に含まれる金属含有鉱物の酸化を防止し珪酸カルシウム成形体の変色を防止しているのではないかと考えられる。
【0018】
本発明は、かかる新規な知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法において、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を、前記半硬化体の表面に塗布することを特徴とする珪酸カルシウム成形体の製造方法である。
【0019】
本発明によれば、半硬化体の表面にグリセリン類を塗布するだけで、珪酸カルシウム成形体の変色を十分に防止することができ、大がかりな設備が不要であり手間もかからない。
【0020】
本発明の製造方法(半硬化体の表面にグリセリン類を塗布する工程を含む製造方法)においては、以下の構成とするのが好ましい。
グリセリン類の塗布量を、半硬化体の表面積1m当たり20g以上400g以下とする。このような構成とすると、変色抑制効果を高めることができる。グリセリン類の塗布量を、半硬化体の表面積1m当たり30g以上250g以下とすると、さらに変色抑制効果を高めることができる。
【0021】
グリセリン類を、濃度が10質量%以上85質量%以下の水溶液として半硬化体にスプレー塗布する。このような構成とすると、グリセリン類がスプレー塗布に適した粘度に調整されるので塗布作業を簡便なものとすることができ、かつ、グリセリン類の塗布量を適切な量とすることができるので、塗りムラが生じにくく好ましい。
【0022】
珪酸カルシウム成形体が軽量気泡コンクリートである構成とするのが好ましい。軽量気泡コンクリート(ALC)は以下の性質を有する
(1)ALCを使用する際には、多数のパネルを並べて用いるため、パネル間の色調の相違が目立ちやすい。
(2)ALCは他の珪酸カルシウム成形体と比べて石灰質が多いため、石灰質が発熱して半硬化体の温度が高くなりやすく、これにより酸化反応が進みやすくなり変色しやすい。
【0023】
つまり、本発明の製造方法により製造したALCでは、変色防止効果が顕著に発現するので、上記構成とするのが好ましい。
【0024】
また、本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法において、前記固形成分、前記水または前記原料スラリーに、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を混合することを特徴とする珪酸カルシウム成形体の製造方法である。
【0025】
本発明によれば、半硬化体の内部にグリセリン類を混合するだけで、珪酸カルシウム成形体の変色を十分に防止することができ、大がかりな設備が不要であり手間もかからない。
本発明の製造方法(半硬化体にグリセリン類を混合する工程を含む製造方法)においては、以下の構成とするのが好ましい。
【0026】
グリセリン類を、発泡硬化前の原料スラリーの体積1mに対して、0.5リットル以上7.0リットル以下混合する構成とするのが好ましい。グリセリン類の混合量が多すぎる場合、半硬化体の発泡が阻害されたり、原料スラリーの硬化時間(所定の硬度の半硬化体を得るまでの時間)が長くなることがあり、グリセリン類の混合量が少なすぎると変色抑制効果が不十分となることがある。上記のような構成とすると、上記のような問題は発生しないうえに、変色抑制効果を高めることができるので好ましい。なお、上記構成において、グリセリン類を、発泡硬化前の原料スラリーの体積1mに対して、1.0リットル以上5.0リットル以下混合する構成とすると、変色抑制効果をさらに高めることができ、かつ、コストを抑えることができるので特に好ましい。
【0027】
珪酸カルシウム成形体が軽量気泡コンクリートである構成とするのが好ましい。
軽量気泡コンクリート(ALC)は、上述したように、色調の相違が目立ちやすく他の珪酸カルシウム成形体よりも変色しやすいという性質を有するので、上記構成とすると、変色防止効果が顕著に発現するので好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、設備費や手間をかけずに、変色を十分に防止できる珪酸カルシウム成形体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】標準色測定用のALCパネルの作製に用いる半硬化体を示す斜視図
【図2】標準色測定用のALCパネルの色彩測定面を説明する斜視図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の珪酸カルシウム成形体の製造方法について説明する。
本発明は、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られる半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法である。
【0031】
本発明の珪酸カルシウム成形体の製造方法によって得られる珪酸カルシウム成形体としては、例えば、軽量気泡コンクリート(ALC)やケイ灰れんが、珪酸カルシウム板、セメント押し出し成形板等が挙げられる。これらのうち、本発明の製造方法によりALCを作製するのが好ましい。これはALCが以下の性質を有するからである。
(1)ALCを使用する際には、多数のパネルを並べて用いるため、パネル間の色調の相違が目立ちやすい。
(2)ALCは他の珪酸カルシウム成形体と比べて石灰質が多いため、石灰質が発熱して半硬化体の温度が高くなりやすく、これにより酸化反応が進みやすくなり変色しやすい。
【0032】
つまり、本発明の製造方法により製造したALCでは、変色防止効果が顕著に発現するので好適なのである。
【0033】
さて、本発明の製造方法(第1の方法)は、半硬化体の表面にグリセリン類を塗布する工程を含むところに特徴を有している。また、本発明の製造方法(第2の方法)は、原料スラリーなどにグリセリン類を混合する工程を含むところに特徴を有している。以下各方法についてそれぞれ説明する。
【0034】
(第1の方法:半硬化体の表面にグリセリン類を塗布する工程を含む製造方法)
本発明の第1の方法においては、まず、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練し原料スラリーを作製する(原料スラリー作製工程)。
珪酸質原料としては、珪石、珪砂、スラグ、フライアッシュなどのSiOを含む原料として公知のものの粉末または粒状物を一種類または二種類以上組み合わせて用いることができる。
石灰質原料としては、生石灰、消石灰、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、その他の各種ポルトランドセメント等の粉末または粒状物を一種類または二種類以上組み合わせて用いることができる。
【0035】
ここで、例えば、本発明の方法によりALCを作製する場合には、原料スラリーの材料としては上記固形成分や水以外に、アルミニウム粉末などの発泡剤や減水剤などを用いることができる。また、原料スラリーを作製する際には、上記の主成分となる原料以外に、石膏、補強用繊維、繰返し原料(原料スラリーを発泡硬化させて得られる半硬化体を、ピアノ線で切断した際に発生する不要な部分)や、不要となったALCの粉末(半硬化体を養生して得られるALCを切断した際に発生する不要な部分)を添加してもよい。これらの原料を添加すると、原料スラリーの発泡が安定する上に、原料費を節約できるので、好ましい。
【0036】
原料スラリーは、上記固形成分に、全固形成分(珪酸質原料、石灰質原料などの主成分となる原料、および石膏などの固形成分)100質量部に対して50〜90質量部の水を加えて混練することにより得られる。
【0037】
原料スラリーを所定形状の型枠に打設して、所定の硬度(例えばピアノ線で切断可能な硬度)となるまで半硬化養生させることにより半硬化体を作製する(半硬化体作製工程)。
【0038】
本発明の製造方法においては、半硬化体作製工程を経て得られた半硬化体の表面に、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を塗布する(グリセリン塗布工程)。これらのグリセリン類のうち、グリセリン、ジグリセリン、重合度が3以上10以下のポリグリセリンが、取り扱いやすく好ましい。また、グリセリン類は半硬化体を切断した直後に塗布するのが好ましい。
【0039】
グリセリン類の(原液)塗布量は、半硬化体の表面1m当たり20g以上400g以下であると、変色防止効果が高いので好ましく、半硬化体の表面1m当たり30g以上250g以下であると、変色防止効果が更に高まるので、特に好ましい。「グリセリン類の(原液)塗布量」とは、グリセリン類の原液としての塗布量を意味する。
【0040】
グリセリン類の(原液)塗布量が硬化体の表面1m当たり20g未満であると、十分な変色防止効果が得られないことがあり、半硬化体の表面1m当たり400gを超えると、塗布されたグリセリン類が過剰となって液ダレを生じるため、求められている表面性状が得られなくなる。
【0041】
グリセリン類の塗布方法としては、スプレー塗布、刷毛塗り、半硬化体をグリセリン類に浸漬する方法、各種ロールコーター法など種々の方法を採ることができる。これらの方法のうち、刷毛塗りや半硬化体を浸漬する方法は表面形状を変えるおそれがあるが、スプレー塗布は本来の珪酸カルシウム成形体の表面性状を生かし、かつ、塗布作業を簡易なものとすることができ、特にALCを製造する場合に好適な方法である。
【0042】
グリセリン類は、原液のまま、あるいは水に希釈して水溶液とした状態で半硬化体に塗布することができる。例えば、スプレー塗布する場合には、グリセリン類の濃度を10質量%以上85質量%以下の水溶液とすると、スプレー塗布に適した粘度に調整されるので、塗布作業を簡便なものとすることができ、かつ、グリセリン類の(原液)塗布量を適切な量とすることができるので、塗りムラが生じにくく好ましい。グリセリン類の濃度が10質量%未満では、水の影響が大きくなり変色抑制効果が小さくなるうえに、好適な変色抑制効果を得るために塗布量を増やす必要が生じるので表面性状に及ぼす影響が懸念される。グリセリン類の濃度が85質量%を超えると、スプレー塗布には適さない粘度になってしまううえに、好適な変色抑制効果を得るためには塗布量を少なくする必要が生じるので塗りムラが生じることがある。
【0043】
次に、グリセリン塗布工程を経た半硬化体を、180℃〜190℃で4時間〜24時間オートクレーブ養生すると、珪酸カルシウム成形体が得られる。
【0044】
(第2の方法:原料スラリーなどにグリセリン類を混合する工程を含む製造方法)
本発明の第2の方法においては、珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練し原料スラリーを作製する原料スラリー作製工程においてグリセリン類を混合する。
グリセリン類は、固形成分、水または原料スラリーに、混合して用いられる。水の中に溶解している酸素を減らすことができるという点で、グリセリン類を水に混合して用いるのが好ましい。
【0045】
珪酸質原料、石灰質原料、固形成分、原料スラリーに用いられる各材料、およびグリセリン類としては第1の方法と同様のものを用いることができる。
【0046】
本発明では、グリセリン類の混合量を、発泡硬化前の原料スラリーの体積1mに対して、原液の状態で0.5リットル以上7.0リットル以下とするのが好ましい。グリセリン類を上記のような範囲で混合すると、半硬化体の発泡性が阻害されず、硬化時間が長期化することもなく、変色抑制効果を高めることができる。
グリセリン類の混合量が、発泡硬化前の原料スラリーの体積1mに対して、原液の状態で0.5リットル未満の場合、変色抑制効果が十分でない場合があり、グリセリン類の混合量が、発泡硬化前の原料スラリーの体積1mに対して、原液の状態で7.0リットルを超える場合半硬化体が十分に発泡しないことがある。
なお、グリセリン類を、発泡硬化前の原料スラリーの体積1mに対して、原液の状態で1.0リットル以上5.0リットル以下混合する構成とすると、変色抑制効果をさらに高めることができ、かつ、コストを抑えることができるので特に好ましい。
【0047】
次に、上記原料スラリー作製工程を経て得られた原料スラリーを所定形状の型枠に打設して、所定の硬度(例えばピアノ線で切断可能な硬度)となるまで半硬化養生させることにより半硬化体を作製する(半硬化体作製工程)。このようにして得られた半硬化体を180〜190℃で4〜24時間オートクレーブ養生すると、珪酸カルシウム成形体が得られる。
【0048】
<実施例>
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
1.珪酸カルシウム成形体の変色防止方法の検討
以下に示す方法により作製した種々のALCパネルについて評価試験を行い検討した。
(比較例1のALCの作製)
(1)半硬化体の作製
珪石粉末65質量部、早強セメント20質量部、生石灰粉末11質量部、石膏4質量部、これらの固形成分100質量部に対して70質量部の水、アルミニウム粉末0.06質量部、および減水剤0.1質量部を混合して原料スラリーを作製し、型枠内に打設し、発泡・硬化させた。3時間経過後の半硬化体を脱型してピアノ線で所定寸法に切断し、型枠周辺の非製品部分を取り除き、半硬化体を作製した。
【0049】
(2)保管、オートクレーブ養生
半硬化体を30℃に保温された養生ヤードで2時間保管した。この半硬化体を、180℃、10時間オートクレーブで養生することにより比較例1のALCパネルを作製した。
【0050】
(3)評価試験
(i)オートクレーブから取り出した比較例1のALCパネルを、ケット科学研究所製の水分計を用いて測定した含水率が10〜20%の範囲となるまで、室内で乾燥した。乾燥後のALCパネルの表面の5箇所におけるL値、a値、およびb値を、色彩色差計[ミノルタ(株)製、CR−200]を用いて測定して、それぞれの平均値を算出した。この値を比較例1のALCパネルのL値、a値、およびb値とした。
【0051】
(ii)上記(1)と同様の方法により作製した半硬化体1を、図1に示すように縦断して、当該縦断面2を内側に配して接触状態(すなわち空気に触れない状態)とし、30℃に保温された養生ヤードで2時間保管した後、180℃、10時間オートクレーブで養生することにより図2に示す標準色測定用のALCパネル3を作製した。
養生ヤードでの保管およびオートクレーブ養生の際に、内側に配されていた縦断面2が、標準色測定用のALCパネル3の、標準色を測定するための測定面4であり、この測定面4の5箇所のL値、a値、およびb値を、色彩色差計[ミノルタ(株)製、CR−200]を用いて測定し、平均値を算出した。この値を標準色となるALCパネルのL値、a値、およびb値とした。
【0052】
(iii)比較例1のALCパネルにおけるL値、a値、およびb値と、標準色となるALCパネルのL値、a値、およびb値との差(ΔL、Δa、Δb)を算出した。次に、以下の式(1)によりΔEを算出した。表1にはΔLおよびΔEを示した。
【0053】
【数1】

【0054】
なお、L値は明るさを示す値であり、a値は赤色−緑色の程度を示す値であり、b値は黄色−青色の程度を示す値であるので、ΔLが小さければ標準色との明るさの差が小さく、ΔEが小さいと、標準色との色の差が小さいといえる。
【0055】
(比較例2のALCパネルの作製、密閉した養生ヤードでの保管)
比較例1の(1)で作製した半硬化体を、窒素で置換して密閉状態とした養生ヤードで保管したこと以外は比較例1と同様にして比較例2のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
【0056】
(比較例3のALCパネルの作製:水の塗布)
比較例1の(1)で作製した半硬化体の表面に、半硬化体1m当たり30gとなるように水を塗布した後、養生ヤードで待機させたこと以外は、比較例1と同様にして比較例3のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
【0057】
(比較例4のALCパネルの作製:ステンレス板を使用)
比較例1の(1)で作製した半硬化体の表面を、ステンレス板で覆った後、養生ヤードで待機させたこと以外は、比較例1と同様にして比較例4のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
【0058】
(比較例5のALCパネルの作製:ALC製品屑を塗布)
比較例1の(1)で作製した半硬化体の表面に、半硬化体1を、1m当たりの塗布量が30gとなるようにALC製品屑のスラリーを塗布した後、養生ヤードで待機させたこと以外は、比較例1と同様にして比較例5のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
【0059】
(比較例6〜比較例8のALCパネルの作製:各種樹脂の塗布)
水に代えて、下記に示す量の樹脂を塗布したこと以外は比較例3と同様にして、比較例6〜比較例8のALCパネルをそれぞれ作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
比較例6:半硬化体1m当たりの樹脂の量が90gとなるように濃度20%のスチレンアクリル樹脂[商品名(ニカゾール)、日本カーバイド工業(株)製、白色の樹脂]を塗布
【0060】
比較例7:半硬化体1m当たりの樹脂の量が20gとなるように濃度10%のアクリル酸エステル樹脂A[商品名(CPウェットコート)、水谷ペイント(株)製、白色の樹脂]を塗布
【0061】
比較例8:半硬化体1m当たりの樹脂量40gとなるように濃度20%のアクリル酸エステル樹脂Aを塗布
【0062】
(比較例9〜比較例13ALCパネルの作製:各種材料の塗布)
水に代えて、下記に示す量の材料を塗布したこと以外は比較例3と同様にして、比較例9〜比較例13のALCパネルをそれぞれ作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
比較例8:半硬化体1m当たり600gとなるようにケイ酸アルカリ液[商品名(RF−100)、太平洋マテリアル(株)製]の原液を塗布
【0063】
比較例9:半硬化体1m当たり20gとなるように長鎖アルキル変性撥水剤[商品名(KF−4917)、信越シリコーン(株)製]の原液を塗布
【0064】
比較例10:半硬化体1m当たり20gとなるように、濃度20質量%のグリシン[扶桑化学(株)製]の水溶液を塗布
【0065】
比較例11:半硬化体1m当たり20gとなるように、濃度30質量%のグルコース[サンエイ糖化(株)製]の水溶液を塗布
【0066】
(実施例1のALCパネルの作製:グリセリンの塗布)
比較例1の(1)で作製した半硬化体を、型枠から脱型し型枠周辺の非製品部分を取り除いた直後に、エアスプレーを用いて、表面に濃度が10質量%のグリセリン水溶液を、グリセリン原液としての塗布量が半硬化体1m当たり30gとなるように均一に塗布した後、比較例1の(2)と同様にして保温し、オートクレーブ養生することにより実施例1のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
【0067】
(実施例2のALCパネルの作製:グリセリンの混合)
珪石粉末65質量部、早強セメント20質量部、生石灰粉末11質量部、および石膏4質量部からなる固形成分を混合した。この固形成分100質量部に対して70質量部の水と、発泡・硬化前の原料スラリーの体積1m当たり0.50リットルに相当するグリセリン原液と、を混合したものと、アルミニウム粉末0.06質量部と、減水剤1質量部とを、固形成分に入れて混合して原料スラリーを作製した。この原料スラリーを型枠内に打設し、発泡・硬化させた。3時間経過後の半硬化体を脱型してピアノ線で所定寸法に切断し、型枠周辺の非製品部分を取り除き、半硬化体を作製した。この半硬化体を比較例1の(2)と同様にして保管し、オートクレーブ養生することにより実施例2のALCパネルを作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表1に示した。
【0068】
なお、比較例1〜11ならびに、実施例1および2については、以下の基準により、変色防止効果の程度を判断し、それぞれのΔEおよびΔLとともに表1に示した。
ΔEおよびΔLに基づく評価基準は以下の通りである
×:ΔEが3.0より大きい(顕著に標準色との色の差が認められる)
△:ΔEが1.5より大きく3.0以下(わずかに標準色との色の差が認められる)
○:ΔEが1.5以下(標準色との色の差がほとんど認められない)
実施例品には製造上の問題があるものはなかったが、比較例品(比較例1〜11)のなかには、製造上の問題を有するものがあったため、これらについては評価の際に、製造上の問題についても考慮して評価をさげるとともに、表1中に理由をコメントとして示した。
【0069】
【表1】

【0070】
(結果と考察)
本発明の製造方法により作製した実施例1のALCパネルおよび、実施例2のALCパネルは、標準色との色の差がほとんど認められず、変色防止効果が高いということがわかった。なお、グリセリン以外にジグリセリンや重合度が3以上のポリグリセリンを用いて実施例1および実施例2と同様の方法でALCパネルを作製した場合にも、グリセリンを用いたときと同様の効果があった。
【0071】
これに対して、比較品(比較例1〜11)のALCパネルは、本発明の方法により製造したALCパネルよりも変色防止効果が劣っているということがわかった。
比較例のうち、半硬化体を密閉した養生ヤードで保管した比較例2のALCパネル、半硬化体をステンレス板で被覆して保管した比較例3のALCパネル、半硬化体の表面にALCの製品屑を塗布した比較例4のALCパネルでは、変色防止効果がわずかに認められた。
しかし、比較例2では特別な設備が必要であり、比較例3および比較例4では手間がかかって頻雑となるうえに、本来のALCパネルの有するような表面性状が得られないという欠点(製造上の問題)を有していた。
【0072】
2.グリセリンの塗布量と濃度の検討
グリセリンの塗布量(グリセリン原液としての塗布量)とその濃度について検討すべく、種々の濃度のグリセリンを塗布量を変えて半硬化体に塗布してALCパネルを作製し、評価試験を行った。
(実施例3〜39のALCパネルの作製)
使用するグリセリンの濃度(質量%)および、半硬化体1m当たりの塗布量を表2に記載の量(g/m)としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3〜39のALCパネルをそれぞれ作製した。比較例1と同様に評価試験を行い、ΔLおよびΔEを算出して表2に示した。表2には、該当箇所に実施例1の結果と評価結果も併せて記載した。表2の「塗布量」とは、グリセリン原液としての塗布量を意味する。
評価基準は以下の通りである。
×:ΔEが3.0より大きい(顕著に標準色との色の差が認められる)
△:ΔEが1.5より大きく3.0以下(わずかに標準色との色の差が認められる)
○:ΔEが1.5以下(標準色との色の差がほとんど認められない)
◎:ΔEが1.5以下であり、かつ、ΔLが−1以上1以下(標準色との色の差がほとんど認められず、かつ、標準色との明るさの差がほとんどない)
【0073】
【表2】

【0074】
(結果と考察)
実施例1、および実施例3〜実施例39のALCパネルは、ΔEが1.83以下であり、比較品(比較例1〜11)よりも変色防止効果が高いということがわかった。
これらのうち、グリセリンの濃度が10質量%以上であり、かつ、グリセリンの(原液)塗布量が20g/m以上400g/m以下のもの(実施例1、実施例6〜22、実施例24〜31、実施例33〜38)ではΔEが1.48以下の良好な結果が得られた。この結果から、グリセリンの濃度を10質量%以上とし、かつ、グリセリンの(原液)塗布量は20g/m以上400g/m以下とするのが好ましいということがわかった。
【0075】
特に、グリセリンの濃度が10質量%以上であり、かつ、グリセリンの(原液)塗布量が30g/m以上250g/m以下のもの(実施例1、実施例7〜10、実施例12〜21、実施例25〜28、実施例30〜31、実施例34〜37)ではΔLが−1〜1の範囲内で、かつ、ΔEが1.32以下であるという良好な結果が得られた。この結果からグリセリンの(原液)塗布量は30g/m以上250g/m以下とするのが特に好ましいということがわかった。
【0076】
3.グリセリンの混合量の検討
グリセリンの混合量について検討すべく、種々の量のグリセリンを含む半硬化体を用いてALCパネルを作製し評価試験を行った。
(実施例40〜49のALCパネルの作製)
グリセリン原液の混合量を表3に記載の量(リットル/m)としたこと以外は実施例2と同様にして実施例40〜48のALCパネルを作製し評価試験を行いΔLおよびΔEを算出して表3に示した。表3には、該当箇所に実施例2の評価試験の結果を併せて記載した。
実施例49については、グリセリン原液の混合量を表3に記載の量(リットル/m)としたこと以外は実施例2と同様にしてALCパネルを作製しようとしたが、型枠内に打設した原料スラリーが3時間後に型枠から脱型できる程度に硬化しなかった。そこで、実施例49のALCパネルは、グリセリン原液の混合量を表3に記載の量(リットル/m)として実施例2と同様の方法で作製した原料スラリーを型枠内に打設後、10時間経過後に半硬化体を型枠から脱型してピアノ線で所定寸法に切断し、型枠周辺の非製品部分を取り除いた半硬化体を比較例1の(2)と同様にして保管し、オートクレーブ養生することにより作製した。このような手順で作製した実施例49のALCパネルについても他の実施例と同様に評価試験を行いΔLおよびΔEを算出して表3に示した。
実施例2および実施例40〜49については、ΔLおよびΔEの数値だけでなく、製造コストなども考慮して評価を行い表3に示した。
【0077】
【表3】

【0078】
(結果と考察)
実施例2、および実施例40〜実施例49のALCパネル(本実施例品)は、ΔEが1.87以下であり、比較品(比較例1〜11)よりも変色防止効果が高いということがわかった。
本実施例品のうち、実施例40についてはΔEが1.5より大きく3.0以下であった(わずかに標準色との色の差が認められた)ため、△と評価した。
本実施例品のうち、グリセリンの混合量が0.50リットル/m以上のもの(実施例2、実施例41〜49)では、ΔEが1.5以下であり、標準色との色の差がほとんど認められないという良好な結果が得られた。実施例49のALCパネルは変色防止効果には優れてはいるが、上述したように、半硬化体の作製(硬化時間)に他の実施例品よりも長時間を要し、現実の製造には不適なため△と評価した。
この結果から、本発明では、発泡・硬化前の原料スラリーの体積1m当たりのグリセリンの混合量を、原液の状態で0.50〜7.0リットル/mとするのが好ましいということがわかった。
【0079】
上記の好ましい実施例品(実施例2、実施例41〜48)のうち、特に、グリセリンの混合量が1.00リットル/m以上のもの(実施例43〜48)では、ΔEが1以下であり、かつΔLが−1〜1の範囲内であるという良好な結果が得られた。
グリセリンの混合量が5.20リットル/m未満のもの(実施例43〜45)では、グリセリンの混合量を増量するにしたがい変色防止効果が顕著に向上するので◎と判断した。しかし、グリセリンの混合量が5.20リットル/m以上のもの(実施例46〜48)では、グリセリンの混合量の増量に伴う変色防止効果の向上がみられなかったり、変色防止効果が向上したとしてもわずかであるので、変色防止効果においては優れてはいるがコスト面を考慮して○と評価した。
この結果から、本発明では、発泡・硬化前の原料スラリーの体積1m当たりのグリセリンの混合量を、原液の状態で1.00〜5.0リットル/mとするのが特に好ましいということがわかった。
【0080】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例においては、石灰質原料として早強セメントと生石灰を用いたが、普通ポルトランドセメントなどを用いてもよい。
(2)上記実施例においては、ALCの製造方法を示したが、本発明はケイ灰レンガなどの珪酸カルシウム成形体などの製造方法に適用してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…半硬化体
2…縦断面
3…標準色測定用のALCパネル
4…測定面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法において、
グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を、前記半硬化体の表面に塗布することを特徴とする珪酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項2】
前記グリセリン類の塗布量は、前記半硬化体の表面1m当たり20g以上400g以下であることを特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項3】
前記グリセリン類の塗布量は、前記半硬化体の表面1m当たり30g以上250g以下であることを特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項4】
前記グリセリン類を、濃度が10質量%以上85質量%以下の水溶液として前記半硬化体にスプレー塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項5】
前記珪酸カルシウム成形体が軽量気泡コンクリートであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項6】
珪酸質原料および石灰質原料を主成分とする固形成分に水を加えて混練してなる原料スラリーを半硬化養生させて得られた半硬化体をオートクレーブ養生させる珪酸カルシウム成形体の製造方法において、
前記固形成分、前記水または前記原料スラリーに、グリセリン、ジグリセリン、および重合度が3以上のポリグリセリンから選ばれる一種以上のグリセリン類を混合することを特徴とする珪酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項7】
前記グリセリン類を、発泡硬化前の原料スラリーの体積1mに対して、0.5リットル以上7.0リットル以下混合することを特徴とする請求項6に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項8】
前記グリセリン類を、発泡硬化前の原料スラリーの体積1mに対して、1.0リットル以上5.0リットル以下混合することを特徴とする請求項6に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。
【請求項9】
前記珪酸カルシウム成形体が軽量気泡コンクリートであることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載の珪酸カルシウム成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−173754(P2011−173754A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38660(P2010−38660)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【特許番号】特許第4559537号(P4559537)
【特許公報発行日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000185949)クリオン株式会社 (105)
【Fターム(参考)】