説明

現像ローラーの製造方法、現像ローラーの製造装置

【課題】リークを生じにくい現像ローラーを製造可能な製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の現像ローラーの製造装置4は、表面に周期的に溝部371が形成され溝部371の内側にトナーを担持可能なシャフト30aが挿通されておりシャフト30aよりも導電率が低い熱収縮チューブ30cを加熱する加熱部44〜46と、熱収縮チューブ30cとシャフト30aとの間の内部領域A1における圧力を熱収縮チューブ30cのシャフト30aと反対側の外部領域A2における圧力よりも低くする圧力調整部と、を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像ローラーの製造方法、現像ローラーの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。電子写真方式の画像形成装置は、感光ドラムや感光ドラムの表面を帯電させる帯電装置、帯電した感光ドラムに潜像を形成する書込装置、潜像に対応させて感光ドラムにトナーを付着させる現像装置、感光ドラムに付着したトナーを転写する転写装置等を含んでいる。
【0003】
現像装置は、感光ドラム表面に近接して回転する現像ローラー、トナーを帯電させるとともに現像ローラー表面に一様にトナーを付着させる規制ブレード等を含んでいる。現像ローラーが回転すると、現像ローラー表面の一部が順に感光ドラム表面に近接する。感光ドラム表面に近接した現像ローラー表面のトナーは、現像ローラーと感光ドラムとの間の電界により飛翔して感光ドラムに付着する。
【0004】
現像ローラーの表面には、トナーを良好に担持可能にするために、凹凸が設けられている。凹凸を設ける手法の1つとして、現像ローラーの表面をブラスト処理する手法が知られている。ブラスト処理により形成された凹凸は、規制ブレードとの接触により磨耗しやすいこと、帯電性が不均一になりやすいこと等の不都合がある。このような不都合を解決する技術として、特許文献1に記載されている技術が挙げられる。
【0005】
特許文献1の画像形成装置において、現像ローラー表面には転造加工により複数の溝部が周期的に形成されており、溝部の内側にトナーを担持可能になっている。ブラスト処理による凹凸と比較して、現像ローラーの溝部間の表面に尖った構造がなくなり、現像ローラーの耐摩耗性が格段に改善される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−116543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
転造加工により溝部が形成された現像ローラーを用いれば、現像装置を長寿命にすることができるが、一方で現像ローラーと感光ドラムとの間でリークが生じやすくなってしまう。これは、溝部に起因して周期的にエッジが存在することや溝部間の凸部上の面積が大きいこと等に起因すると考えられる。リーク部分では現像ローラーと感光ドラムとの間の電界が弱くなり、トナーを感光ドラムに良好に付着させることができなくなってしまう。
【0008】
リーク防止の手法として、現像ローラー表面にリーク防止用の被覆膜を塗装により形成することが考えられる。しかしながら、塗装により被覆膜を形成すると、現像ローラー表面が曲面になっており塗料が流動するので、被覆膜の厚みを均一にすることが難しい。また、溝部間の凸部から溝部内に塗料が流動することにより、被覆膜の厚みが凸部上で溝部内よりも薄くなりやすい。凸部は凹部よりも感光ドラムに接近する部分であり、この部分で厚みが相対的に薄いので、リークを防止する効果が薄れてしまう。凹部はトナーが担持される部分であるが、凹部内の厚みが相対的に厚いのでトナーを静電吸着させる力が弱まり、トナーを良好に担持させることができなくなる。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑み成されたものであって、リークを生じにくい現像ローラーの製造方法を提供することを目的の1つとする。また、リークを生じにくい現像ローラーを製造可能な製造装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の現像ローラーの製造方法は、表面に周期的に溝部が形成され該溝部の内側にトナーを担持可能なシャフトを用意するとともに前記シャフトよりも導電率が低い熱収縮チューブに前記シャフトを挿通する準備工程と、前記準備工程の後に前記熱収縮チューブと前記シャフトとの間の内部領域における圧力を前記熱収縮チューブの前記シャフトと反対側の外部領域における圧力よりも低くするとともに前記熱収縮チューブを加熱して収縮させて前記シャフトを被覆する被覆工程と、を含んでいることを特徴とする。
【0011】
被覆工程において、熱収縮チューブとシャフトとの間の領域である内部領域の圧力を、熱収縮チューブに対してシャフトと反対側の領域である外部領域の圧力よりも低くするので、熱収縮チューブが内部領域と外部領域との圧力差によりシャフト側に押し付けられる。熱収縮チューブをシャフト側に押し付けるとともに加熱して収縮させるので、シャフト表面の溝部に追従させて熱収縮チューブによりシャフト表面を被覆することができる。熱収縮後の熱収縮チューブの肉厚は、熱収縮前の熱収縮チューブの肉厚及び収縮率により定まる。熱収縮前の熱収縮チューブの肉厚及び収縮率は予め選択しておくことができるので、熱収縮後の熱収縮チューブの肉厚を所望の厚みにすることができ、シャフト表面を均一な厚みで被覆することができる。被覆された溝部がトナーを担持可能な凹部となり、現像ローラーを製造することができる。
【0012】
以上のように本発明によれば、シャフトよりも導電率が低い熱収縮チューブによりシャフトを均一な厚みで被覆することができ、良好にトナーを担持可能であるとともにリークを生じにくい現像ローラーを製造することができる。
【0013】
また、前記被覆工程では、前記内部領域のガスを前記熱収縮チューブの外部に排気する処理を含んで、該内部領域の圧力を前記外部領域の圧力よりも低くすることが好ましい。
このようにすれば、シャフト表面に周期的に溝部が形成されているので、内部領域のガスが溝部を通って良好に排気される。したがって、シャフトと熱収縮チューブとの間にガスをほとんど残留させなくすることができ、熱収縮後の熱収縮チューブをシャフト表面の溝部に良好に追従させることができる。
【0014】
また、前記被覆工程では、前記外部領域の圧力を加圧する処理を含んで、前記内部領域の圧力を該外部領域の圧力よりも低くすることが好ましい。
このようにすれば、熱収縮チューブがシャフト側に押し付けられて、内部領域のガスがシャフト表面の溝部を通って排気される。したがって、シャフトと熱収縮チューブとの間にガスをほとんど残留させなくすることができ、熱収縮後の熱収縮チューブをシャフト表面の溝部に良好に追従させることができる。
【0015】
本発明の現像ローラーの製造装置は、表面に周期的に溝部が形成され該溝部の内側にトナーを担持可能なシャフトが挿通されており前記シャフトよりも導電率が低い熱収縮チューブを加熱する加熱部と、前記熱収縮チューブと前記シャフトとの間の内部領域における圧力を前記熱収縮チューブの前記シャフトと反対側の外部領域における圧力よりも低くする圧力調整部と、を含んでいることを特徴とする。
【0016】
このようにすれば、圧力調整部により内部領域の圧力を外部領域の圧力よりも低くすることができ、熱収縮チューブをシャフト側に押し付けるとともに、加熱部により熱収縮チューブを加熱して熱収縮させることができる。したがって、溝部に追従させて熱収縮チューブによりシャフト表面を被覆することができ、良好にトナーを担持可能であるとともにリークを生じにくい現像ローラーを製造することができる。このように、本発明の現像ローラーの製造装置は、良好な現像ローラーを製造可能なものになっている。
【0017】
また、前記圧力調整部は、前記シャフトにおいて前記溝部が形成された領域の少なくとも一部を囲む部分の前記内部領域のガスを前記熱収縮チューブの外部に排気する減圧部を含んでいることが好ましい。
このようにすれば、減圧部によりシャフトと熱収縮チューブとの間のガスを排気してほとんど残留させなくすることができ、熱収縮後の熱収縮チューブをシャフト表面の溝部に良好に追従させることができる。
【0018】
前記減圧部は、前記シャフトが挿通された前記熱収縮チューブの両端部の各々を収容する一対の端部収容室と、前記一対の端部収容室の少なくとも一方の内部のガスを排気する排気装置を含んでいるとよい。
端部収容室の内部のガスが排気装置により排気されると、内部領域のガスが溝部を通って端部収容室側に排気され、内部領域のガスを良好に排気することができる。
【0019】
また、前記圧力調整部は、前記シャフトにおいて前記溝部が形成された領域の少なくとも一部を囲む部分の前記外部領域を加圧する加圧部を含んでいることが好ましい。
このようにすれば、加圧部によりシャフトと熱収縮チューブとの間のガスを押し出してほとんど残留させなくすることができ、熱収縮後の熱収縮チューブをシャフト表面の溝部に良好に追従させることができる。
【0020】
前記加圧部は、前記シャフトが挿通された前記熱収縮チューブの両端部を除いた部分を収容する中央部収容室と、前記中央部収容室の内部にガスを供給するガス供給装置と、を含んでいるとよい。
中央部収容室の内部にガス供給装置によりガスが供給されると、中央部収容室の内部の圧力、すなわち外部領域の圧力が高められる。これにより、熱収縮チューブがシャフト側に押し付けられ、内部領域のガスが溝部を通って良好に排気される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】現像ローラーを含んだプリンターの構成を示す模式断面図である。
【図2】現像ローラーを含んだ現像装置の構成を示す模式的断面図である。
【図3】本発明に係る現像ローラーの概略構成を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る現像ローラーの(a)は断面図、(b)は拡大図である。
【図5】現像ローラーの製造装置の実施形態を示す構成図である。
【図6】図5と異なる態様の製造装置の(a)は構成図、(b)は拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない範囲内で多様な変形が可能である。なお、説明に用いる図面において、特徴的な部分を分かりやすく示すために、図面中の構造の寸法や縮尺を実際の構造に対して異ならせている場合がある。また、実施形態において同様の構成要素については、同じ符号を付して図示し、その詳細な説明を省略する場合がある。
現像ローラーの製造方法、現像ローラーの製造装置の実施形態の説明に先立ち、本発明により得られる現像ローラー、現像ローラーを備えた現像装置、現像装置を備えた画像形成装置について説明する。
【0023】
図1は、本発明に係るプリンター1(画像形成装置)の概略構成を模式的に示す断面図である。図1に示すようにプリンター1は、図示矢印方向(図1では時計回り)に回転する感光体110を有している。プリンター1において、感光体110の周囲には、その回転方向に沿って帯電ユニット120、露光ユニット130、現像ユニット140、一次転写ユニット150および中間転写体160、クリーニングユニット170が順に配設されている。プリンター1は、図1の下部に、紙などの記録媒体P1を給紙する給紙トレイ180を有している。記録媒体P1は、給紙ローラー181、レジローラー182によって搬送される。記録媒体P1の搬送方向下流に、二次転写ユニット183、定着ユニット184が順次配設されている。
【0024】
感光体110は、円筒状の導電性基材と、その外周面に形成された感光層とを有し、その中心軸周りに回転可能になっている。帯電ユニット120は、コロナ帯電などにより感光体110の表面を一様に帯電させる装置である。露光ユニット130は、例えば図示略のパーソナルコンピュータなどの信号源から供給される画像情報に基づいて、感光体120にレーザー照射することにより静電気的な潜像を書き込む(形成する)ものである。
【0025】
現像ユニット140は、感光体110上にて潜像をトナー像として可視化(現像)する装置である。現像ユニット140の中心軸140aの周囲には、保持部141〜144が設けられている。保持部141〜144には、それぞれ現像装置2a〜2dが着脱可能に保持されている。現像装置2a〜2dは、それぞれブラック、マゼンダ、シアン、イエローの各色に対応している。現像装置2a〜2dの詳細な構成については後述する。
【0026】
現像ユニット140は、概略すると以下のように動作する。現像ユニット140は、中心軸140a周りに保持部141〜144を回転させる。保持部141〜144の回転にともなって、現像装置2a〜2dは、互いの相対位置を維持した状態で中心軸140a周りに回転する。このようにして現像ユニット140は、潜像に対応させて現像装置2a〜2dを選択的に感光体110に対向させる。感光体110に対向した現像装置2a〜2dは、感光体110の表面に各色のトナーを潜像に対応したパターンで付着させてトナー像を形成する。
【0027】
一次転写ユニット150は、感光体110に形成されたトナー像を中間転写体160に転写する装置である。
中間転写体160は、エンドレスのベルトであり、図1に示す矢印方向(図1では反時計回り)に、感光体110とほぼ同じ周速度にて回転駆動される。中間転写体160上には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのうちの1色以上のトナー像が転写される。例えばフルカラー画像の形成時には、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの4色のトナー像が順次重ねて転写されて、フルカラーのトナー像が形成される。
【0028】
二次転写ユニット183は、中間転写体160上に形成された単色やフルカラーなどのトナー像を、紙、フィルム、布等の記録媒体P1に転写する装置である。
定着ユニット184は、トナー像の転写を受けた記録媒体P1を加熱および加圧することにより、トナー像を記録媒体P1に融着させて永久像として定着させる装置である。
【0029】
クリーニングユニット170は、感光体110上のトナー像が中間転写体160上に転写された後に、感光体110上に残存したトナーを除去する装置である。クリーニングユニット170は、一次転写ユニット150と帯電ユニット120との間で感光体110の表面に当接するゴム製のクリーニングブレード171を有している。クリーニングブレード171が、感光体110の表面に当接して残存したトナーを掻き落とすようになっている。
【0030】
次に、現像ユニット140の現像装置2a〜2dについて詳細に説明する。現像装置2a〜2dはいずれもほぼ同一の構成である。ここでは、現像装置2aの構成を説明し、現像装置2b〜2dの構成についてはその詳細な説明を省略する。
【0031】
図2は、本発明に係る現像装置の概略構成を示す模式的断面図である。図2に示すように、現像装置2aは、ハウジング21を有している。ハウジング21は、その内部領域である収容部22にトナーTを収容可能になっている。収容部22は、外部に通じる開口を有している。収容部22の内部における開口近傍には、トナー供給ローラー23が回転可能に支持されている。収容部22の外部における開口近傍には、現像ローラー3が回転可能に支持されている。
【0032】
現像ローラー3の回転方向において収容部22の内部を起点とすると、回転方向の下流側における収容部22の開口近傍に、現像ローラー3の一部に当接させて規制ブレード24が配置されている。回転方向の上流側における収容部22の開口近傍に、現像ローラー3の一部に当接させてシール部材25が配置されている。
【0033】
現像ローラー3は、本発明を適用したものであり、その詳細な構造については後述する。現像ローラー3の表面は、感光体110の表面と非接触に対向している。現像ローラー3は、その表面にトナーTを担持可能になっている。現像ローラー3と感光体110との間には、電界を印加することが可能になっている。トナーTは、例えばポリエステル等の樹脂からなり帯電性を有する粒状体に、顔料や電荷制御材等の微粒子を付着させたものである。トナーTの粒径は、例えば7±3μm程度である。
【0034】
トナー供給ローラー23は、ポリウレタンフォーム等からなり、弾性変形(圧縮)された状態で現像ローラー3に圧接されている。現像ローラー3の回転にともなってトナー供給ローラー23が回転し、現像ローラー3にトナーが供給される。
【0035】
規制ブレード24は、現像ローラー3表面のトナーTの厚みを規制するとともに、このトナーTに電荷を付与するものである。規制ブレード24は、現像ローラー3の軸方向に沿って現像ローラー3に当接するゴム部241と、ゴム部241を支持するゴム支持部242とを有している。
【0036】
ゴム部241は、シリコンゴム、ウレタンゴム等を主材料として構成される。収容部22の内部側におけるゴム部241の端部は、端縁が現像ローラー3の表面から離れている。ゴム部241は、この端縁よりも収容部22の外部側の部分が、現像ローラー3と当接している。このように、ゴム部241の端縁が現像ローラー3の回転に巻き込まれないようになっている。
【0037】
ゴム支持部242は、リン青銅、ステンレス等の弾性薄板により構成される。ゴム支持部242は、ゴム部241を現像ローラー3側に付勢して設けられている。ゴム支持部242は、その一端がブレード支持板金27に固定されている。ブレード支持板金27は、ハウジング21に取り付けられている。規制ブレード24の現像ローラー3と反対側に、ブレード裏部材26が設けられている。ブレード裏部材26により、ゴム支持部242とハウジング21との間にトナーTが入り込まないようになっている。ゴム部241は、ゴム支持部242やブレード裏部材26により、現像ローラー3に押圧されている。
【0038】
収容部22の開口は、おおむね現像ローラー3により塞がれている。収容部22は、現像ローラー3の軸方向に沿った部分において、回転方向の上流側がシール部材25により封止されており、回転方向の下流側が規制ブレード24により封止されている。収容部22の開口は、現像ローラー3の周方向に沿った部分において図示略のシール部材により封止されている。このシール部材は、現像ローラー3の両端部にそれぞれ配置されて、現像ローラー3の端部に当接させて設けられている。このように、収容部22は、その内部から外部にトナーが漏れ出さないように封止されている。
【0039】
以上のような構成の現像装置2aは、概略すると以下のように動作する。
現像ローラー3は、感光体110に対応して回転する。すると、現像ローラー3に連動してトナー供給ローラー23が回転し、現像ローラー3の表面にトナーTが供給される。現像ローラー3表面のトナーTは、余分な厚み部分が規制ブレード24によりそぎ落とされるとともに、規制ブレード24との摩擦により帯電する。
【0040】
帯電したトナーTは、現像ローラー3と感光体110との間の電界により、現像ローラー3の表面上から感光体110の表面上に飛翔する。現像ローラー3と感光体110との間の電界の強さは、潜像のパターンと対応した分布になるので、トナーTが潜像に対応したパターンで飛翔して感光体110の表面に付着する。これにより、感光体110の表面に、潜像に対応したトナー像が形成(現像)される。
【0041】
次に、図3、及び図4(a)、(b)を参照しつつ現像ローラー3について説明する。図3は現像ローラー3の概略構成を示す斜視図である。図4(a)は、図3のC−C’線を含んだ面における現像ローラー3の断面図であり、図4(b)は、中央領域34における現像ローラー3表面の拡大図である。図4(b)では、被覆材の一部を破断して表層を模式的に示している。
【0042】
図3に示すように、現像ローラー3は、C−C’線を中心軸とする略円柱状のものである。現像ローラー3は、主部31と、主部31の軸方向両端にそれぞれ設けられた副部32、33とを含んでいる。主部31、副部32、33はいずれも略円柱状のものであり、主部31の径は副部32、33の径よりも大きくなっている。主部31は、現像ローラー3の使用時にトナーを担持する部分である。副部32、33は、現像ローラー3の製造時や使用時に主部31を支持する部分である。ここでは、副部32、33が主部31と一体に形成されている。
【0043】
主部31において、軸方向の中央領域34はトナーを担持させる領域になっており、軸方向両端の周縁領域35、36はそれぞれシール部材28が当接する領域になっている。ここでは、中央領域34が軸方向において、現像に用いる領域に対してマージンをとって広く設定されている。すなわち、中央領域34の軸方向における両端の周縁は、現像に用いない領域になっている。
【0044】
中央領域34には、トナーを担持可能な複数のトナー担持溝37が設けられている。トナー担持溝37は、主部31の軸方向において一方の端から他方の端に向かって螺旋状に設けられている。トナー担持溝37は、主部31の一方の端を起点として互いに反対方向に捩れた2つの溝群を含んでいる。2つの溝群の各々は、軸方向において略等間隔で並ぶ複数のトナー担持溝37により構成されている。2つの溝群の一方を構成する2つのトナー担持溝37と、他方を構成する2つのトナー担持溝37とに囲まれる面領域38は、規制ブレード24に直接的に、あるいはトナーを介して間接的に摩擦される部分である。
【0045】
図4(a)に示すように、現像ローラー3は、シャフト30aと被覆材30bとを含んでいる。シャフト30aは、アルミ合金や鉄合金等からなる円柱状部材を母材にして形成されている。シャフト30aは、母材表面に複数の溝部371が転造加工により形成されたものである。転造加工によれば、溝部371の形状や位置を高精度にすることができる。軸方向におけるシャフト30aの両端部は、溝部371の非形成領域になっている。シール部材28は、図2に示した現像装置2aにおいて、現像ローラー3の軸方向の両端における収容部22の内部と外部と隙間を塞ぐ部材である。周縁領域35、36は、溝部371が形成されていないので凹凸がほとんどない。したがって、収容部22の内部をシール部材28により良好に封止することができる。
【0046】
被覆材30bは、溝部371の底面372と、溝部371の側面373と、2つの溝部371間の頂面381とに、追従させてかつ当接させて設けられている。ここでは、被覆材30bが主部31の両端の各々を覆って連続して設けられている。被覆材30bは、シャフト30aよりも導電率が低い導電材料あるいは絶縁材料からなる略円筒状の熱収縮チューブにより形成されている。熱収縮チューブの材質としては、例えば導電性ゴムや導電性樹脂等が挙げられる。熱収縮チューブの具体例としては、導電性スーパーテレチューブ(帝人化成製) 等が挙げられる。
【0047】
絶縁材料からなる熱収縮チューブを採用する場合には、トナー担持溝37内にトナーを担持可能になるように、熱収縮チューブの材質や肉厚を選択するとよい。簡単なモデルに基づいて説明すると、現像ローラー3の回転時にトナーに作用する遠心力は、トナーの質量、現像ローラー3の回転速度、現像ローラー3の中心軸からトナー担持溝37内のトナーまでの距離等により求まる。また、トナーを現像ローラー3に吸着させる静電気力は、シャフト30aの電位や、トナーの電荷量、被覆材30bの肉厚、被覆材30bの誘電率等により求まる。この静電気力が前記の遠心力以上であれば、トナーをトナー担持溝37に保持することができる。被覆材30bの肉厚、及び被覆材30bの誘電率は、熱収縮チューブの材質や肉厚により定まるので、これらを選択することによりトナーをトナー担持溝37内に担持可能になる。
【0048】
図4(b)に示すように、主部31の表面を平面状に展開した状態で2つの溝群は互いに略直交しており、面領域38の平面形状は略正方形になっている。面領域38の頂面からトナー担持溝37の底面までの距離(図4(a)参照)、すなわちトナー担持溝37の深さは、トナーの体積平均粒径よりも大きくなっている。被覆材30bは、底面372と頂面381とを略均一な厚みで被覆しており、トナー担持溝37の深さは、頂面381から底面372までの深さとほぼ一致している。トナー担持溝37の幅は、溝部371の幅よりも被覆材30bの厚みに応じた寸法だけ狭くなっている。ここでは、被覆材の厚みを考慮して溝部371の幅や深さ等の寸法が選択されている。前記のように、溝部371は転造加工により寸法や位置が高精度になっており、被覆材30bがシャフト30aの表面形状にならって形成されている。したがって、トナー担持溝37の寸法が高精度になり、トナー担持溝37内にトナーを良好に担持させることが可能になっている。
【0049】
次に、本発明に係る現像ローラーの製造装置の実施形態を説明する。図5は、本実施形態の現像ローラーの製造装置4の概略構成を示す模式図である。図5に示すように、製造装置4は、中央部収容室41と、端部収容室42、43と、加熱装置44〜46と、排気装置47とを含んでいる。端部収容室42、43と、排気装置47とを含んで圧力調整部が構成されている。なお、中央部収容室41が加熱装置44とともに、圧力調整部の一部として機能するようになっている。
【0050】
中央部収容室41は、シャフト30aが熱収縮チューブ30cに挿通されてなる現像ローラー3の中間体3aの中央部34aを収容可能になっている。中央部34aは、シャフト30aにおいて溝部371が形成された領域の一部又は全部であり、中央領域34(図4(a)参照)と対応する部分である。中央部収容室41に収容されるシャフト30aの軸方向において、端部収容室42、43は、それぞれ中央部収容室41の両端側に隣接して配置されている。
【0051】
中間体3aは、中央部収容室41から端部35a、35bが張り出して収容される。端部35a、35bは、それぞれ端部収容室42、43に収容される。端部35a、35bは、周縁領域35、36(図4(a)参照)に対応する部分である。換言すると、中央部収容室41、端部収容室42、43にわたって、中間体3a全体を収容することが可能になっている。ここでは、中央部34aの両端部も端部収容室42、43に収容されるようになっている。
【0052】
本実施形態では中央部収容室41、端部収容室42、43が、いずれも開閉可能な気密容器になっている。中央部収容室41及び端部収容室42は、収容されるシャフト30aの軸方向の一方の側壁41aを共有している。中央部収容室41及び端部収容室43は、収容されるシャフト30aの軸方向の他方の側壁41bを共有している。側壁41a、41bの各々に、中間体3aを挿通可能な孔部が設けられている。
【0053】
前記したように現像ローラー3の中央領域34は、軸方向において現像に用いる領域に対してマージンをとって広く設定されており、中央領域34の軸方向の周縁は、現像に用いない領域になっている。側壁41a、41bの孔部が、現像ローラー3において現像に用いない領域と重なるように、シャフト30aの軸方向に対応する中央部収容室41の寸法が設定されている。
【0054】
孔部には、中央部収容室41、端部収容室42、43の気密性を保持するシール部が設けられている。シール部は、その詳細な構造を図示しないが、収容された熱収縮チューブ30cをシャフト30a側に押圧して、孔部内壁と熱収縮チューブ30cとの間を封止している。シール部は、現像ローラー3において現像に用いない領域を押圧するようになっている。また、シール部は、熱収縮チューブ30cがシャフト30aの溝部371内に埋め込まれない程度に押圧するようになっている。
【0055】
中央部収容室41、端部収容室42、43には、それぞれ加熱装置44〜46が設けられている。本実施形態の加熱装置44〜46は、いずれも赤外光IRを熱収縮チューブ30cに照射して、熱収縮チューブ30cを加熱するものである。
【0056】
端部収容室42、43は、それぞれの内部に通じる配管48、49と接続されている。配管48、49は、共通の排気装置47に接続されている。排気装置47は、配管48、49を介して端部収容室42、43内のガスGを排気することが可能になっている。
【0057】
次に、本発明に係る現像ローラーの製造方法の実施形態を、製造装置4に基づいて説明する。現像ローラー3を製造するには、まず溝部371が形成されたシャフト30aを熱収縮チューブ30cに挿通して、中間体3aを図4に示すように製造装置4に収容する。
【0058】
次いで、排気装置47により端部収容室42、43内のガスGを排気して、端部収容室42、43内を減圧する。すると、シャフト30aと熱収縮チューブ30cとの間の領域である内部領域A1(熱収縮チューブ30cの円筒内側)のガスが、端部収容室42、43側に排気される。シール部は、熱収縮チューブ30cが溝部371に埋め込まれない程度に押圧しており、中央部収容室41内におけるシャフト30aと熱収縮チューブ30cと間のガスは、溝部371を通って端部収容室42、43側に移動して排気される。
【0059】
側壁41a、41bの孔部にはシール部が設けられているので、中央部収容室41の圧力はほとんど低下しない。したがって、熱収縮チューブ30cに対してシャフト30aと反対側の領域である外部領域A2(熱収縮チューブ30cの円筒外側)における端部収容室42、43内の領域の圧力は、内部領域A1の圧力よりも高くなる。
【0060】
また、端部収容室42、43内を減圧するとともに、加熱装置44〜46により熱収縮チューブ30cを例えば100〜160℃程度まで加熱して収縮させる。ここでは、加熱装置45、46の出力を加熱装置44の出力よりも低くする。これにより、端部収容室42、43内における熱収縮チューブ30cの熱収縮の程度が、中央部収容室41内における熱収縮チューブ30cの熱収縮の程度よりも低くなる。したがって、シャフト30aと熱収縮チューブ30cとの間隔が、端部35a、36aにおいて中央部34aよりも大きくなり、内部領域A1のガスを良好に排気することができる。
【0061】
また、中央部収容室41内におけるガスは、加熱装置44により直接的に、あるいは熱収縮チューブ30cを介して間接的に加熱される。したがって、中央部収容室41内のガスが熱膨張し、加熱にともなって中央部収容室41内の圧力が漸次高くなる。よって、熱収縮チューブ30cをシャフト30aに向けて押圧する力が漸次強くなり、内部領域A1のガスを良好に排気することができる。
【0062】
内部領域A1のガスを排気しつつ熱収縮チューブ30cを収縮させると、中央部収容室41内において熱収縮チューブ30cが、内部領域A1と外部領域A2との圧力差によりシャフト30aの表面に向かって押し付けられる。これにより、熱収縮チューブ30cがシャフト30aの頂面381(図4(a)、(b)参照)を被覆するとともに、溝部371内に引き込まれて溝部371の底面372及び側面373にならって溝部371内を被覆する。以上のようにして、熱収縮した熱収縮チューブ30cにより被覆材30bが形成され、現像ローラー3が得られる。
【0063】
本実施形態の現像ローラー3の製造方法によれば、シャフト30aの溝部371に追従させて熱収縮チューブ30cによりシャフト30a表面を被覆することができる。熱収縮後の熱収縮チューブ30c(被覆材30b)の肉厚は、熱収縮前の熱収縮チューブ30cの肉厚及び収縮率により定まり、熱収縮前の熱収縮チューブ30cの肉厚及び収縮率は予め選択しておくことができる。したがって、被覆材30bの肉厚を所望の厚みにすることができ、シャフト30a表面を均一な厚みで被覆することができる。このように、シャフト30aよりも導電率が低い熱収縮チューブ30cによりシャフト30aを均一な厚みで被覆することができるので、良好にトナーを担持可能であるとともにリークを生じにくい現像ローラー3を製造することができる。
【0064】
次に、現像ローラーの製造装置について前記実施形態と異なる態様を説明する。本実施形態が前記実施形態と異なる点は、中央部収容室の内部にガスを供給するガス供給装置を含んでいる点、加熱装置が中央部収容室内のガスを熱媒体として熱収縮チューブを加熱する点、端部収容室に熱収縮チューブとシャフトとの間隔を調整するガイドが設けられている点である。
【0065】
図6(a)は、本実施形態の製造装置5の概略構成を示す模式図であり、図6(b)は、端部35aを拡大して示す模式図である。図6(a)に示すように、製造装置5は、ガス供給装置51、加熱装置52、及び配管53〜55を含んでいる。配管53は、中央部収容室41の内部とガス供給装置51とを接続している。配管54は、ガス供給装置51と加熱装置52とを接続している。配管55は、加熱装置52と中央部収容室41とを接続している。
【0066】
ガス供給装置51は、中央部収容室41内における外部領域のガスG1を排気するとともに、ガスG1に外部のガスを合せて配管54にガスG2を供給する。ガス供給装置51から配管54に供給されたガスG2は、加熱装置52により昇温されて中央部収容室41内に供給される。中央部収容室41内に供給されたガスG3は、熱収縮チューブ30cを加熱するとともに、中央部収容室41内における外部領域A2の圧力を高めるようになっている。なお、中央部収容室41と、端部収容室42、43の間のシール部材については、前記実施形態よりも簡略化してもよいし、省略してもよい。中央部収容室41から端部収容室42、43にガスが漏れた分だけ、ガス供給装置51によりガスを供給することや、排気装置47によりガスを排気することができるからである。
【0067】
図6(b)に示すように、端部収容室42には、ガイド56が設けられている。なお、端部収容室43にも同様のガイドが設けられている。ガイド56は、例えば筒状のものであり、シャフト30aと熱収縮チューブ30cとの間に挿通可能になっている。ここでは、ガイド56が、軸方向に沿って熱収縮チューブ30cの外側から側壁41a付近まで移動可能に設けられている。側壁41aに対して反対のガイド56端部は、配管48にガスを誘導するガイドになっている。端部35aにおいてガイド56内壁とシャフト30a外壁との間にギャップが形成されるように、ガイド56の内径が選択されている。これにより、溝部371が形成されていない端部35aにおいても内部領域A1のガスがギャップを通して良好に排気される。
【0068】
本実施形態の製造装置5によれば、前記実施形態の製造装置4と同様に、シャフト30aを均一な厚みで被覆することができるので、良好にトナーを担持可能であるとともにリークを生じにくい現像ローラー3を製造することができる。また、熱収縮チューブ30cの収縮の程度に応じて、ガイド56を熱収縮チューブ30cの内側から漸次退去させることができる。これにより、内部領域のガスを良好に排気することができるとともに、熱収縮した熱収縮チューブ30cにより中央部34aの端部や端部35aを良好に被覆することができる。
【0069】
以上のように本発明の現像ローラーの製造方法にあっては、熱収縮チューブ30cによりシャフト30aを均一な厚みで被覆することができる。したがって、製造された現像ローラー3は、リークを生じることが防止されているとともにトナーを良好に担持することが可能になっている。このような現像ローラー3を用いると、高品質な画像を形成可能な画像形成装置を構成することが可能になる。
本発明の現像ローラーの製造装置にあっては、シャフト30aが熱収縮チューブ30cにより均一な厚みで被覆されてなる良好な現像ローラー3を製造可能になっている。
【0070】
なお、外部領域を加圧しないで内部領域を減圧する手法や、内部領域を減圧しないで外部領域を加圧する手法を用いてもよい。端部収容室42、43が、それぞれ独立した排気装置に接続されていてもよい。この場合には、端部収容室42、43で、減圧の程度を異ならせることが可能である。内部領域を減圧する場合には、端部収容室42、43の少なくとも一方が排気装置に接続されていればよい。中央部収容室と端部収容室とが間隙を有して配置されていてもよい。
【0071】
また、熱収縮チューブとしては、端部35a、36aに円筒内側と円筒外側とを貫通する孔部やスリットが設けられたものを用いてもよい。これにより、内部領域のガスを端部35a、36aの孔部等を通して排気することができる。この場合には、熱収縮チューブの収縮にともなって孔部やスリットが塞がるように、孔部やスリットの寸法を選択するとよい。熱収縮後の熱収縮チューブは、現像ローラーにおいて現像に用いる領域を少なくとも被覆していればよく、例えば端部35a、36aの一部又は全部を被覆していなくともよい。
【0072】
熱収縮チューブを収縮させる手法としては、軸方向において一括して収縮させる手法や、軸方向の一方から他方に向かって順に収縮させる手法を用いることができる。一括して収縮させる手法によれば、熱収縮チューブの収縮の程度を軸方向において均一にすることができ、収縮の程度が異なることによるたるみや歪みを防止することができる。また、軸方向において順に収縮させる手法を用いれば、内部領域のガスを効果的に排気することができる。また、ガイド56の代わりに、シャフト30a外壁と熱収縮チューブ30c内壁との間隔を調整する治具を用いてもよい。このような治具としては、例えシャフト30aと熱収縮チューブ30cとの間に装着可能なリング状のスペーサが挙げられる。スペーサに中央部収容室側と端部収容室側とに通じる切欠等を設けておくことにより、内部領域のガスを良好に排気することができる。
【符号の説明】
【0073】
1・・・プリンター(画像形成装置)、2a、2b、2c、2d・・・現像装置、3・・・現像ローラー、30a・・・シャフト、30b・・・被覆材、30c・・・熱収縮チューブ、4、5・・・現像ローラーの製造装置、41・・・中央部収容室、42、43・・・端部収容室、44〜46、52・・・加熱装置、47・・・排気装置、A1・・・内部領域、A2・・・外部領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に周期的に溝部が形成され該溝部の内側にトナーを担持可能なシャフトを用意するとともに前記シャフトよりも導電率が低い熱収縮チューブに前記シャフトを挿通する準備工程と、
前記準備工程の後に前記熱収縮チューブと前記シャフトとの間の内部領域における圧力を前記熱収縮チューブの前記シャフトと反対側の外部領域における圧力よりも低くするとともに前記熱収縮チューブを加熱して収縮させて前記シャフトを被覆する被覆工程と、を含んでいることを特徴とする現像ローラーの製造方法。
【請求項2】
前記被覆工程では、前記内部領域のガスを前記熱収縮チューブの外部に排気する処理を含んで、該内部領域の圧力を前記外部領域の圧力よりも低くすることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラーの製造方法。
【請求項3】
前記被覆工程では、前記外部領域の圧力を加圧する処理を含んで、前記内部領域の圧力を該外部領域の圧力よりも低くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像ローラーの製造方法。
【請求項4】
表面に周期的に溝部が形成され該溝部の内側にトナーを担持可能なシャフトが挿通されており前記シャフトよりも導電率が低い熱収縮チューブを加熱する加熱部と、
前記熱収縮チューブと前記シャフトとの間の内部領域における圧力を前記熱収縮チューブの前記シャフトと反対側の外部領域における圧力よりも低くする圧力調整部と、を含んでいることを特徴とする現像ローラーの製造装置。
【請求項5】
前記圧力調整部は、前記シャフトにおいて前記溝部が形成された領域の少なくとも一部を囲む部分の前記内部領域のガスを前記熱収縮チューブの外部に排気する減圧部を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の現像ローラーの製造装置。
【請求項6】
前記減圧部は、
前記シャフトが挿通された前記熱収縮チューブの両端部の各々を収容する一対の端部収容室と、
前記一対の端部収容室の少なくとも一方の内部のガスを排気する排気装置を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の現像ローラーの製造装置。
【請求項7】
前記圧力調整部は、前記シャフトにおいて前記溝部が形成された領域の少なくとも一部を囲む部分の前記外部領域を加圧する加圧部を含んでいることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の現像ローラーの製造装置。
【請求項8】
前記加圧部は、前記シャフトが挿通された前記熱収縮チューブの両端部を除いた部分を収容する中央部収容室と、
前記中央部収容室の内部にガスを供給するガス供給装置と、を含んでいることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の現像ローラーの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−164850(P2010−164850A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8138(P2009−8138)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】