説明

現像剤の搬送装置および画像形成装置

【課題】本体側の開閉部材が誤って開放されることを抑制すること。
【解決手段】現像剤の流入口(23)を開閉する本体側の開閉部材(37)と、容器(K)の現像剤の流出口(51a)を開閉する容器側の開閉部材(67)と、本体側の開閉部材(37)の開く動作を規制する本体側の規制部材(41〜46)と、本体側の開閉部材(37)の開く動作の規制を解除可能な容器側の解除部材(63)と、を備え、容器側の開閉部材(67)が閉じている場合に、本体側の規制部材(41〜46)が本体側の開閉部材(37)を規制するとともに,容器側の開閉部材(67)が開いている場合に、容器側の解除部材(63)が本体側の開閉部材(37)の規制を解除する現像剤の搬送装置(RT+KS+K)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤の搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置では、画像形成動作に伴って消費される現像剤を補給するための補給現像剤の収容容器や、画像形成動作時に排出される現像剤が回収される回収現像剤の収容容器等が、着脱、交換可能な構成が広く採用されている。現像剤の収容容器を有する画像形成装置に関し、以下の特許文献1記載の技術が従来公知である。
【0003】
特許文献1としての特開2005−134452号公報には、トナーカートリッジ(Ky〜Kk)が着脱される際に、トナーカートリッジ(Ky〜Kk)に設けられた係合突起(137y)が、補給装置本体(1y〜1k)の補給口シャッタ(33y)に係合して、トナーカートリッジ(Ky〜Kk)の移動に連動して、補給口シャッタ(33y)が開閉される構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−134452号公報(「0090」、「0094」、「0096」、「0098」、「0101」、図19〜図23)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、本体側の開閉部材が誤って開放されることを抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の現像剤の搬送装置は、
現像剤が流入する流入口を有する搬送装置の本体と、
前記流入口を開閉する本体側の開閉部材と、
内部に収容された現像剤が流出する流出口を有し、前記搬送装置の本体に対して着脱可能に支持される容器と、
前記流出口を開閉する容器側の開閉部材と、
前記搬送装置の本体に設けられ、前記本体側の開閉部材の開く動作を規制する本体側の規制部材と、
前記容器に設けられ、前記本体側の開閉部材の開く動作の規制を解除可能な容器側の解除部材と、
を備え、
前記容器側の開閉部材が閉じている場合に、前記本体側の規制部材が前記本体側の開閉部材を規制するとともに,
前記容器側の開閉部材が開いている場合に、前記容器側の解除部材が前記本体側の開閉部材の規制を解除する
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像剤の搬送装置において、
前記容器側の解除部材は、前記容器から突出する突出部を有し、
前記容器側の開閉部材が開く方向に移動した場合に、前記容器側の開閉部材が前記突出部から離れ、
前記本体側の規制部材は、前記突出部が通過可能な隙間と規制部とを有し、
隙間を通過した前記突出部は、前記規制部に接触して、前記本体側の開閉部材の開く動作の規制が解除される
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の現像剤の搬送装置において、
前記突出部は、前記容器の挿入方向に沿って配置され、
前記本体側の規制部材の隙間は、前記容器の挿入方向に沿って配置された
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の現像剤の搬送装置において、
本体側の規制部材は、前記規制部から突出する規制部材側の突出部を有し、
前記規制部材側の突出部は、前記本体側の規制部材が前記本体側の開閉部材の規制を解除する場合に、隣接する部材に接触して、前記本体側の規制部材の姿勢を規制する、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の現像剤の搬送装置において、
前記容器側の開閉部材は、前記容器の挿入方向と直交する方向に移動する
ことを特徴とする。
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項6に記載の発明の画像形成装置は、
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着する定着装置と、
前記現像装置に現像剤を搬送する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤の搬送装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、6に記載の発明によれば、容器側の開閉部材が閉じている場合に本体側の開閉部材の規制が解除される場合に比べて、本体側の開閉部材が誤って開放されることを抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、突出部が通過可能な隙間を有しない場合に比べて、容器側の開閉部材が開いていない場合に、誤って規制が解除されることが低減されている。
請求項3に記載の発明によれば、容器の挿入方向に沿って突出部が配置されていない場合に比べて、突出部の位置の精度を安定させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、規制部材側の突出部を有しない場合に比べて、本体側の規制部材の姿勢を安定させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、容器の挿入方向に沿った方向に設定されている場合に比べて、容器の着脱時に、容器側の開閉部材が誤って開放されることを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明の実施例1の現像剤搬送装置を備えた画像形成装置の説明図である。
【図2】図2は実施例1のリザーブタンクの説明図である。
【図3】図3は実施例1のカートリッジホルダにトナーカートリッジが装着された状態の斜視図である。
【図4】図4はカートリッジホルダの説明図であり、図4Aは図3においてトナーカートリッジが取り外された状態の説明図、図4Bは本体側のシャッタが閉塞される位置に移動した状態の要部説明図、図4Cは本体側のシャッタが開放される位置に移動した状態の要部説明図である。
【図5】図5は実施例1の本体シャッタの説明図であり、図5Aは平面図、図5Bは図5Aの矢印VB方向から見た図である。
【図6】図6は実施例1の本体側のシャッタのロックの要部説明図であり、図6Aは図4BのVIA−VIA線断面図、図6Bはロックの支持部の拡大図である。
【図7】図7は実施例1のロックの支持部の要部説明図であり、図7Aは図6AのVIIA−VIIA線断面図、図7Bは図7Aから本体側のシャッタのロック部材が取り外された状態の説明図である。
【図8】図8は実施例1の本体側のシャッタのロックの説明図であり、図8Aは本体側のシャッタのロックが停止する位置に移動した状態を前方から見た要部説明図、図8Bは本体側のシャッタのロックが停止する位置に移動した状態における本体側のシャッタと本体側のシャッタのロックとの位置関係を説明する説明図、図8Cは本体側のシャッタのロックが停止を解除する位置に移動した状態を前方から見た要部説明図、図8Dは本体側のシャッタのロックが停止を解除する位置に移動した状態における本体側のシャッタと本体側のシャッタのロックとの位置関係を説明する説明図、図8Eは本体側のシャッタのロックを左方から見た側面図である。
【図9】図9は実施例1のカートリッジのシャッタの説明図であり、図9Aは外側のシャッタが外側を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図9Bは外側のシャッタが外側を開放する位置に移動し且つ内側のシャッタが流出口を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図9Cは外側のシャッタおよび内側のシャッタが開放する位置に移動した状態の説明図である。
【図10】図10は実施例1の内側のシャッタの支持部の断面図であり、図10Aは図9AのXA−XA線断面図、図10Bは図9BのXB−XB線断面図である。
【図11】図11は実施例1のカートリッジが装着される場合における本体側のシャッタ、流入口、本体側のシャッタのロック、カートリッジ側の内側のシャッタ、内側のシャッタの支持部材、カートリッジ側の接触部、解除用のリブおよび容器側のシャッタのロックの説明図であり、図11Aはカートリッジが本体に対して離れている場合の説明図、図11Bは図11Aに示す状態からカートリッジが挿入されてカートリッジ側の内側のシャッタが容器側のシャッタのロックに接触した状態の説明図である。
【図12】図12は図11の続きの説明図であり、図12Aは図11Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の接触部が本体側の接触部に接触した状態の説明図、図12Bは図12Aに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の接触部が本体側の接触部の内部に収容された状態の説明図である。
【図13】図13は図12の続きの説明図であり、図13Aは図12Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジの挿入が完了した状態の説明図、図13Bは図13Aに示す状態からカートリッジが引き出されて本体側の接触部の変形が記載されている状態の説明図である。
【図14】図14は図13の続きの説明図であり、図13Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されてロックの解除部が内側のシャッタのロックに接触した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施例1の現像剤搬送装置を備えた画像形成装置の説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としての複写機Uは、画像形成装置の本体の一例としての複写機本体U1を有する。複写機本体U1は、上面に透明な原稿台の一例であるプラテンガラスPGを有し、前記プラテンガラスPGの上には、追加装置の一例としての原稿搬送装置U2が着脱可能に支持されている。
前記原稿搬送装置U2は、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿収容部の一例としての原稿トレイTG1を有している。前記原稿トレイTG1に収容された複数の原稿Giは、順次プラテンガラスPG上の複写位置を通過して、原稿排紙部の一例である原稿排紙トレイTG2に排出される。
【0016】
前記複写機本体U1は、操作者が入力を行う入力部U0と、前記プラテンガラスPGを上面に有する画像読取部の一例としてのスキャナ部U1aと、画像記録部の一例としてのプリンタ部U1bを有する。実施例1のスキャナ部U1aには、画像処理部GSが設けられている。
原稿読取装置の一例としてのスキャナ部U1aは、原稿読取り位置に配置された露光系の位置検出部材の一例としての露光レジセンサSp、および露光光学系Aを有している。
【0017】
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光レジセンサSpの検出信号により制御され、常時は画像読取り位置の一例としてのホーム位置、すなわち、初期位置に停止している。
前記原稿搬送装置U2を使用して自動的に原稿を搬送して複写を行う自動読取動作の場合は、前記露光光学系Aはホーム位置に停止した状態で、プラテンガラスPG上の複写位置F1を順次通過する各原稿Giを露光する。
原稿Giを作業者が手でプラテンガラスPG上に置いて複写を行う手動読取動作の場合、露光光学系Aは移動しながらプラテンガラスPG上の原稿を露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通って撮像部材の一例としての固体撮像素子CCD上に収束される。前記固体撮像素子CCDは、その撮像面上に収束された原稿反射光を電気信号に変換する。
【0018】
画像処理部GSは、スキャナ部U1aのCCDから入力された読取画像信号をデジタルの画像書込信号に変換してプリンタ部U1bの像書込回路DLに出力する。
前記像書込回路DLは、入力された画像書込信号に応じた潜像形成用の駆動信号を潜像形成装置の一例としての露光装置ROSに出力する。
【0019】
前記露光装置ROSの下方に配置された像保持体の一例としての感光体ドラムPRは、矢印Ya方向に回転する。前記感光体ドラムPRの表面は、帯電領域Q0において帯電器の一例としての帯電ロールCRによりに帯電された後、潜像書込位置Q1において前記露光装置ROSから出力される潜像書込光の一例としてのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。前記静電潜像が形成された感光体ドラムPRの表面は回転移動して現像領域Q2、転写領域Q3を順次通過する。
【0020】
前記現像領域Q2において感光体ドラムPRに対向する現像装置Gは、現像剤保持体の一例としての現像ロールR0により現像剤を現像領域Q2に搬送し、前記現像領域Q2を通過する静電潜像を可視像の一例としてのトナー像に現像する。
前記現像装置Gの左方には、現像装置Gで消費される現像剤を補給するための現像剤の収容容器の一例としてのカートリッジKが配置されており、カートリッジKは、収容容器の装着部材の一例としてのカートリッジホルダKSに着脱可能に装着される。前記カートリッジKの内部の現像剤は、一時貯留部の一例としてのリザーブタンクRTで攪拌されながら搬送され、リザーブタンクRTに連結された搬送系GHにより現像装置Gに搬送される。
【0021】
複写機本体U1の下部には、媒体収容部の一例としての給紙トレイTR1〜TR4が着脱可能に支持されている。前記給紙トレイTR1〜TR4には、媒体の一例としての記録シートSが収容されている。
前記各トレイTR1〜TR4のシートSは、予め設定された給紙時期に取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出されて、分離部材の一例としてのさばきロールRsで1枚づつ分離されて、媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより送出部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0022】
また、前記カートリッジホルダKSおよびリザーブタンクRTの左方には、手差し給紙部の一例としての手差しトレイTRtが設置されており、手差しトレイTRtから給紙されたシートSも、レジロールRrに搬送される。実施例1の手差しトレイTRtは、回転中心TRt0を中心として回転可能に支持されており、図1の実線で示すように手差しトレイTRtが画像形成装置U内部に収容された状態では、手差しトレイTRtの回転中心TRt0側の一部TRt1が、カートリッジホルダKSの下方且つリザーブタンクRTの左方の空間に進入した状態で収容され、複写機U全体が省容量で小型化された状態で手差しトレイTRtが収容される。
【0023】
前記レジロールRrに搬送されたシートSは、感光体ドラムPRの表面のトナー像が転写領域Q3に移動する時期に合わせて、転写前の案内部材の一例としての転写前シートガイドSG1から転写領域Q3に向けて搬送される。
前記転写領域Q3には、前記感光体ドラムPRに対向して、転写装置の一例であって、転写搬送装置の一例としての転写ユニットTUが配置されている。前記転写ユニットTUは、媒体搬送部材の一例として、転写領域Q3に搬送された記録シートSを表面に支持して搬送する転写搬送ベルトTBを有する。前記転写搬送ベルトTBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRdおよび従動部材の一例としての従動ロールRfを有する媒体搬送部材の支持系の一例としてのベルト支持ロールRd+Rfにより回転可能に支持されている。前記転写搬送ベルトTBを挟んで前記感光体ドラムPRに対向する位置には、転写器の一例としての転写ロールTRが配置されている。
【0024】
転写ロールTRには、制御部の一例としてのコントローラCにより制御される電源回路Eから転写電圧が印加され、感光体ドラムPR表面のトナー像Tnが、転写領域Q3を通過する記録シートSに転写される。
転写後、感光体ドラムPR表面は、像保持体の清掃器の一例としての感光体クリーナCLpにより残留トナーが除去され、前記帯電ロールCRにより再帯電される。
【0025】
転写搬送ベルトTBを挟んで駆動ロールRdに対向する位置には、媒体剥離部材の一例としての剥離爪SCが配置されており、転写領域Q3において転写ロールTRによりトナー像が転写された前記シートSは、転写領域Q3の下流側の剥離爪SCにより転写搬送ベルトTB表面から剥離される。
前記剥離爪SCの転写搬送ベルトTBの回転方向下流側には、媒体搬送部材の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbが配置されており、記録シートS剥離後の転写搬送ベルトTBの表面に付着した現像剤や紙粉等の付着物を除去する。
【0026】
剥離されたシートSは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpを有する定着装置Fにより、トナー像が加熱定着される。トナー像が定着された記録シートSは、弾性材料製の切換部材の一例としての第1のゲートMGを弾性変形させながら通過して、媒体排出路の一例としてのシート排出路SH2の正逆回転可能な搬送ロールRbに搬送される。
排紙トレイTRhに排出されるシートSは正逆回転可能な搬送ロールRbおよび複数の搬送ロールRaが配置されたシート排出路SH2を搬送される。シート排出路SH2の下流端部には切換部材の一例としての第2のゲートGT1が配置されている。第2のゲートGT1は、複写機Uに図示しない後処理装置が接続されている場合には、搬送されてきたシートSを媒体排出部の一例としての排紙トレイTRhまたは図示しない後処理装置のいずれかに排出するように切替える。なお、後処理装置が装着されていない状態では、切替ゲートGT1は、シート排出路SH2の下流端部に搬送されたシートSを、排紙トレイTRhに排出する。
【0027】
両面印刷が行われる場合、片面記録済シートが正逆回転可能な搬送ロールRbに搬送されると、片面記録済シートSの後端が搬送ロールRbを通過する前に逆回転を開始する。したがって、片面記録済シートSは、シート排出路SH2側に戻され、いわゆるスイッチバックされる。前記第1のゲートMGは、前記搬送ロールRbによりスイッチバックして来たシートSを、循環路の一例としての循環搬送路SH3に向かわせる。循環搬送路SH3に搬送された片面記録済シートSは、表裏反転した状態で前記転写領域Q3に再送される。前記転写領域Q3に再送された片面記録済シートSは、2面目にトナー像が転写される。
なお、前記符号SH1〜SH3,Rp,Rs,Rr,Ra,Rb,MG等で示す構成要素により、実施例1の媒体搬送装置SHが構成される。
【0028】
(現像剤搬送装置の説明)
図2は実施例1のリザーブタンクの説明図である。
図2において、実施例1のリザーブタンクRTは、搬送部の一例として、前後方向に延びて内部に現像剤が収容されるタンク本体1を有する。前記タンク本体1の内部には、搬送部材の一例として、前後方向に延びる補給用のオーガ2が回転可能に支持されている。前記補給用のオーガ2は、後端に支持された回転の伝達部材の一例としての補給用のギア3を有し、補給用のギア3に図示しない駆動源から回転が伝達されることで、タンク本体1内の現像剤を後方から前方に搬送する。前記タンク本体1の後端部の側壁には、検知部材の一例として、タンク本体1に流入する現像剤を検知することでカートリッジKが空になったか否かを判別するためのセンサ4が支持されている。
また、タンク本体1の前端には、補給用のオーガ2で前端まで搬送された現像剤を現像装置Gに搬送する搬送系GHが支持されている。なお、前記搬送系GHは、例えば、特開2008−129357号公報等に記載されており、従来公知であり、種々の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0029】
図3は実施例1のカートリッジホルダにトナーカートリッジが装着された状態の斜視図である。
図4はカートリッジホルダの説明図であり、図4Aは図3においてトナーカートリッジが取り外された状態の説明図、図4Bは本体側のシャッタが閉塞される位置に移動した状態の要部説明図、図4Cは本体側のシャッタが開放される位置に移動した状態の要部説明図である。
図1、図3、図4において、リザーブタンクRTの上方に支持されたカートリッジのホルダKSは、容器の支持部材の本体の一例として、前後方向に延びるホルダの本体11を有する。前記ホルダの本体11の内周面は略半円筒状に形成されており、底部には、容器側の開閉部材の通過部の一例として、下方に凹み且つ前後方向に延びるカートリッジ側のシャッタの通過部12が形成されている。
【0030】
図4において、前記カートリッジ側のシャッタの通過部12の左上方には、接触体の通過部の一例として、段差状の突起の通過部13が形成されている。突起の通過部13の後方には、開閉部材の接触部の第1の案内部の一例として、ホルダ本体11の前後方向の中央部から、内周面に沿って左上方向且つ後方に向かう螺旋状の凹部により構成された第1の突起のガイド溝14が形成されており、第1の突起のガイド溝14の上端には、開閉部材の接触部の第2の案内部の一例として、後方に延びる凹部により構成された第2の突起のガイド溝16が連続して形成されている。
前記突起の通過部13、第1の突起のガイド溝14、第2の突起のガイド溝16により、実施例1の容器側の開閉部材を移動させる部材13〜16が構成されている。
図4において、前記カートリッジ側のシャッタの通過部12の後部には、ガタの規制部の一例として、後方に行くに連れて上方に傾斜する複数のガタを詰めるリブ17が形成されている。
【0031】
(流入シャッタホルダの説明)
前記ガタを詰めるリブ17の後方には、本体側の開閉部材の支持部材の一例としての本体側のシャッタのホルダ21が支持されている。前記本体側のシャッタのホルダ21は、下端に配置された底部22を有し、底部22の中央には、ホルダ本体11を上下方向に貫通する流入口23が形成されている。図2において、前記流入口23は、前記リザーブタンクRTの後端部の空検知センサ4に対応する位置の上方に開口している。
本体側のシャッタのホルダ21の左右両端には、本体側の開閉部材の案内部の一例として、前後方向に延びる本体側のシャッタのガイド24が一体的に形成されている。実施例1の本体側のシャッタのガイド24は、底部22の左右両端から上方に延びる左右一対の縦壁部26と、縦壁部26の上端から内側に延びる上壁部27とを有する。
【0032】
前記上壁部27の左右方向の内側面には、前端部に、変形の許可部の一例として、左右方向外側に凹んだ形状に形成された凹部28が形成されている。また、凹部28の後側の上壁部27の内側面には、変形の規制部の一例としての後方に延びる狭部29と、案内部の一例としての狭部29の後端に接続され且つ後方に行くに連れて左右方向外側に傾斜する傾斜部31と、変形の許容部の一例として、傾斜面31の後端に接続され且つ後方に延びる広部32とが形成されている。
【0033】
また、前記本体側のシャッタのホルダ21は、容器側の開閉部材の規制部材の本体の一例として、上壁27から前方に延びる左右一対のロック用のアーム33が一体的に形成されている。各ロック用のアーム33の前端には、接触部の一例として、左右方向の内側に突出するロック用の爪34が形成されている。前記ロック用の爪34は、装着時の案内部の一例として、後方に行くに連れて左右方向の内側に傾斜する前端面により構成された前側の案内面34aと、前側の案内面34aの内端から左右方向に延びる後側の端面34bとを有する。
図4において、底部22の上面には、漏出を防止する部材の一例として、板状の本体側のシール36が支持されている。実施例1の本体側のシール36は、弾性材料の一例としてのスポンジにより構成されている。本体側のシール36には、前記流入口23に対応して形成された開口36aが形成されている。
【0034】
(本体シャッタの説明)
図5は実施例1の本体シャッタの説明図であり、図5Aは平面図、図5Bは図5Aの矢印VB方向から見た図である。
図4において、前記本体側のシール36の上面には、本体側の開閉部材の一例としての本体側のシャッタ37が支持されている。図4、図5において、実施例1の本体側のシャッタ37は、本体側の開閉部材の本体の一例として、板状のシャッタ本体38を有し、本体側のシール36に下面が接触して現像剤の漏出が低減されている。
【0035】
図5において、シャッタ本体38の左右両側には、被案内部の一例として、前後方向に延び且つ上方に突出する被ガイド用のリブ38aが形成されており、本体側のシャッタガイド24により前後方向に移動可能に支持されている。したがって、シャッタ本体38は、図4Bに示すように前側に移動して流入口23を閉塞する流入口の閉塞位置と、図4Cに示すように後側に移動して流入口23が開放される流入口の開放位置と、の間で移動可能になっている。
図5において、前記シャッタ本体38の右側端には、右方に張り出す張出部38bが形成されており、前記張出部38bの前後方向の中央部には、被停止部の一例として、左方に切り欠かれた切欠部38cが形成されている。前記切欠部38cの前端には、後方、すなわち、流入口を開放する位置側に行くに連れて下方に傾斜する第1の傾斜面の一例としての本体側の傾斜面38dが形成されている。
【0036】
図4、図5において、シャッタ本体38の上面には、本体側の連動部材の一例としての本体側の接触部39が支持されている。本体側の接触部39は、全体が略U字形状に形成されており、左右方向の中央部である後端部39aでシャッタ本体38に支持されている。本体側の接触部39は、変形部の一例として、後端部39aから前方に延びて弾性的に変形可能な左右一対のアーム39bを有する。アーム39bの前端には、変形の規制部の接触部の一例として、左右方向の外側に突出する外側の爪部39cと、連動用の保持部の一例として、左右方向内側に突出する内側の爪部39dとを有する。なお、実施例1の外側の爪部39cの外端どうしの幅は、広部32の幅に対応して形成されており、凹部28よりも狭く、狭部29の幅よりも広い幅に設定されている。
【0037】
(本体シャッタロックの説明)
図6は実施例1の本体側のシャッタのロックの要部説明図であり、図6Aは図4BのVIA−VIA線断面図、図6Bはロックの支持部の拡大図である。
図4、図6において、本体側のシャッタのホルダ21の右側の縦壁部26には、停止部材の支持部の一例として、右方に突出するロックの支持部41が支持されている。前記ロックの支持部41は、前端に配置されて上下方向に延びる板状の前板41aと、前板41aの上端から後方に延びる板状の左板41bと、左板41bの後端から右方に延びる板状の後板41cと、後板41cの右端に形成された上下方向に延びる柱状の右柱41dと、を有する。
前記前板41aには、案内部の一例として、上下方向に延びる長方形状の開口により構成されたガイド口41eが形成されている。
【0038】
図7は実施例1のロックの支持部の要部説明図であり、図7Aは図6AのVIIA−VIIA線断面図、図7Bは図7Aから本体側のシャッタのロック部材が取り外された状態の説明図である。
図7Bにおいて、前記ロックの支持部41に囲まれた内側且つ前記縦壁部26には、流入口を閉塞する位置に移動した状態のシャッタ本体38の切欠部38cの本体側の傾斜面38dに対応する位置に、停止部材の通過部の一例として、縦壁部26を左右方向に貫通し且つ底部22を下方に貫通するロックの通過口42が形成されている。
【0039】
図8は実施例1の本体側のシャッタのロックの説明図であり、図8Aは本体側のシャッタのロックが停止する位置に移動した状態を前方から見た要部説明図、図8Bは本体側のシャッタのロックが停止する位置に移動した状態における本体側のシャッタと本体側のシャッタのロックとの位置関係を説明する説明図、図8Cは本体側のシャッタのロックが停止を解除する位置に移動した状態を前方から見た要部説明図、図8Dは本体側のシャッタのロックが停止を解除する位置に移動した状態における本体側のシャッタと本体側のシャッタのロックとの位置関係を説明する説明図、図8Eは本体側のシャッタのロックを左方から見た側面図である。
図4、図6、図8において、ロックの支持部41には、本体側の規制部の一例としての本体側のシャッタのロック43が上下方向に移動可能に支持されている。図8において、前記本体側のシャッタのロック43は、停止部材の本体の一例として、ロックの支持部41に囲まれるように配置される左方のロックの本体44と、解除用の接触部の一例として、ロックの本体44の右方に支持された解除用のブロック45と、を有する。
【0040】
前記ロックの本体44は、板状の本体部44aを有し、本体部44aの左端には、接触部の一例として、前記ロックの通過口42を通過して左方に延びる突起44bが形成されている。図7A、図8Eにおいて、前記突起44bの前端には、第2の傾斜面の一例として、後方に向かうに連れて下方に傾斜し、本体側の傾斜面38dに対向、接触可能に配置されたロック側の傾斜面44cが形成されている。図6、図8において、本体部44aの前端には、被案内部の一例として、前方に突出する突起状の被ガイド44dが形成されている。前記被ガイド44dは、ガイド口41eに嵌った状態で、ガイド口41eに沿って上下方向に案内可能に構成されている。
【0041】
前記解除用のブロック45は、解除用の接触部の一例として、前端から後方に行くに連れて上方に傾斜するガイド面45aが形成され、ガイド面45aの上端には、解除用の保持部の一例として、後方に延びる平面状の接触面45bが形成されている。
前記接触面45bの左端には、規制部材側の突出部の一例であって、動作の安定部の一例として、隣接する部材の一例としての左板41bに隣接して配置され且つ上方に延びる動作の安定用のリブ45cが形成されている。また、解除用のブロック45の右後端部には、右柱41dに対応する切欠形状に形成されて右柱41dに案内されるガイド用の凹部45dが形成されている。
前記解除用のブロック45の下面とカートリッジのシャッタの通過部12の上面との間には、付勢部材の一例として、本体側のシャッタのロック43を上方に付勢するロックのバネ46が配置されている。
【0042】
したがって、実施例1の本体側のシャッタのロック43は、図8A、図8Bに示す上方の停止する位置と、図8C、図8Dに示す下方の停止を解除する位置と、の間で移動可能に支持されている。
図8A、図8Bに示す停止する位置では、ロックの突起44bが本体側の傾斜面38dに対向した状態となっており、本体側のシャッタ37が後方の流入口を開放する位置に向けて移動しようとしても、ロックの突起44bが本体側の傾斜面38dに接触して、移動を規制する。したがって、図8A、図8Bに示す停止する位置では、ロックの突起44bが、本体側のシャッタ37が流入口を開放する位置へ移動することを規制した状態、すなわち、本体側のシャッタ37がロックされた状態となる。
図8C、図8Dに示す停止を解除する位置では、ロックの突起44bが下方に移動して、本体側の傾斜面38dに対して非対向の状態となる。したがって、本体側のシャッタ37が流入口を開放する位置に向けて移動可能な状態、すなわち、ロックが解除された状態となる。
【0043】
図8C、図8Dに示す停止が解除される位置では、本体側のシャッタのロック43の動作の安定用のリブ45cの上端が左板41bよりも上方に配置される構成となっている。よって、ロックのバネ46で押されている本体側のシャッタのロック43が左側に倒れようとしても、動作の安定用のリブ45cが隣接する左板41bに接触して、本体側のシャッタのロック43の倒れが防止され、姿勢が規制される。したがって、実施例1の本体側のシャッタのロック43は、停止が解除される位置において左側に倒れて停止する位置に復帰できなくなることが低減されており、本体側のシャッタのロック43の姿勢が安定し、昇降が安定する。
なお、本体側のシャッタのロック43は、停止する位置と停止が解除される位置との間で移動する際に、被ガイド44d、動作の安定用のリブ45c、ガイド用の凹部45dが、それぞれ、ガイド口41e、左板41b、右柱41dに案内されて、上下方向に移動可能に支持されている。
前記符号41〜46を付した各部材により、実施例1の本体側の規制部材の一例としての本体側のロック機構41〜46が構成されている。
【0044】
図3、図4において、ホルダの本体11の後端には、図示しない後端壁に回転軸47が回転可能に支持されており、回転軸47の前端には、回転の伝達部材の一例としてのカップリング48が支持されている。また、回転軸47の後端には、回転の伝達部材の一例としてのカートリッジの駆動用のギア49が支持されており、カートリッジの駆動用のギア49には図示しない駆動源からの回転が伝達可能に構成されている。
前記符号11〜49を付した部材等により、実施例1のカートリッジのホルダKSが構成されており、前記符号1〜49を付した部材、すなわちリザーブタンクRTとカートリッジのホルダKSにより、実施例1の搬送装置の本体RT+KSが構成されている。
【0045】
(カートリッジの説明)
図3において、実施例1の容器の一例としてのカートリッジKは、現像剤の収容部の一例として、前後方向に延びる筒状に形成され内部に補給用の現像剤が収容されるカートリッジの本体51を有する。カートリッジの本体51の後端には、接続口の一例として、カートリッジの本体51内の現像剤が流出する流出口51aが形成されている。
カートリッジの本体51の前端には、取手部の一例として、作業者が把持するためのハンドル52が支持されている。
【0046】
また、カートリッジの本体51の内部の後端には、回転の伝達部材の一例として、前記カップリング48に噛み合って回転が伝達されるカップリング53が回転可能に支持されている。前記カップリング53には、現像剤の搬送部材の一例としてのアジテータ54の後端が支持されている。実施例1のアジテータ54は、線材が螺旋状に有り曲げられた形状、いわゆるコイルスプリング状に形成されており、カップリング53の回転時に、カートリッジKの内部の現像剤を流出口51aに向けて搬送する。
【0047】
(内シャッタおよびそのガイドの説明)
図9は実施例1のカートリッジのシャッタの説明図であり、図9Aは外側のシャッタが外側を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図9Bは外側のシャッタが外側を開放する位置に移動し且つ内側のシャッタが流出口を閉塞する位置に移動した状態の説明図、図9Cは外側のシャッタおよび内側のシャッタが開放する位置に移動した状態の説明図である。
図10は実施例1の内側のシャッタの支持部の断面図であり、図10Aは図9AのXA−XA線断面図、図10Bは図9BのXB−XB線断面図である。
図9、図10において、カートリッジの本体51の後端側で前記流出口51aの外表面側には、容器側の開閉部材の支持部材の一例として、径方向の外方に突出する内側のシャッタの支持部56が形成されている。図10Bにおいて、前記内側のシャッタの支持部56の左右両端部には、案内部の一例として、左右方向外側に張り出して形成された内側のシャッタのガイド57が形成されている。
【0048】
図9B、図9Cにおいて、内側のシャッタの支持部56の前端、すなわち、カートリッジKの取外方向の下流端には、開閉の規制の解除部の一例として、ロックの解除部58が形成されている。実施例1のロックの解除部58は、内側のシャッタのガイド57の前側延長上に形成されており、ロックの解除部58は内側のシャッタのガイド57の機能も有する。すなわち、実施例1のロックの解除部58は、内側のシャッタのガイド57と一体形成されており、兼用されている。
図9B、図9Cにおいて、前記内側のシャッタのガイド57には、容器側の開閉部材の一例であって、容器側の第1の開閉部材の一例としての内側のシャッタ59が前後方向に移動可能に支持されている。前記内側のシャッタ59は、第1の開閉部材の本体の一例として、平板状のシャッタ本体59aを有する。内側のシャッタ本体59aの左右両端には、被案内部の一例として、前後方向に延びて前記内側のシャッタのガイド57に案内される内側のガイド部59bが形成されている。したがって、実施例1の内側のシャッタ59は、図9Bに示す流出口51aを閉塞する流出口を閉塞する位置と、図9Cに示す流出口51aを開放する流出口を開放する位置との間で移動可能に支持されている。
【0049】
内側のシャッタ本体59aの前端には、解除の避け部の一例として、左右一対のロックの解除部58に対応して、ロックの解除部58の部分を外部に露出させるように切り欠かれた切欠部59cが左右一対形成されている。図9B、図10Aにおいて、前記切欠部59cの間には、第2の開閉部材の案内部の一例として、内側のシャッタ59が流出口を閉塞する位置に移動した状態において、内側のシャッタの支持部56の前端56aよりも前方に突出する外側のシャッタのガイドの延長部59dが形成されている。
実施例1の内側のシャッタ59は、カートリッジKがカートリッジのホルダKSに装着された場合に、ロック用のアーム33の内側に収容されるように構成されている。したがって、内側のシャッタ59の左右方向の幅は、ロック用のアーム33どうしの幅に対応して形成されており、内側のシャッタ59の前後方向の長さは、内側のシャッタ59の後端から切欠部59cの後端までの長さが、本体側のシール36の前端からロック用の爪34の後端面34bまでの長さに対応して形成されている。さらに、内側のシャッタ59の本体59aの厚さは、内側のシャッタの本体59aの上面が本体側のシール36の上面と、面一となるように設定されている。
【0050】
図9、図10において、内側のシャッタの支持部56の外表面と内側のシャッタ59との間には、容器側の漏出の防止部材の一例として、弾性材料製のカートリッジ側のシール61が支持されており、内側のシャッタ59と内側のシャッタの支持部56との間の隙間からの現像剤の漏出を防止している。図9Cにおいて、カートリッジ側のシール61は、中央部に流出口51aに対応する開口61aが形成されている。実施例1のカートリッジ側のシール61は、内側のシャッタ59の形状に対応する形状に形成されており、内側のシャッタ59の切欠部59cに対応する部分、すなわち、ロックの解除部58に対応する部分には、カートリッジ側のシール61は設けられていない。
実施例1では、内側のシャッタのガイド57の上面からカートリッジ側のシール61の下面までの高さが、本体側のシャッタのガイド24の下面から本体側のシール36の上面までの高さに対応して形成されている。そして、内側のシャッタの支持部56の左右方向の幅が、本体側のシャッタのホルダ21の狭部29の幅より短く設定されており、内側のシャッタのガイド57の左右方向外端どうしの幅が、本体側のシャッタのガイド24どうしの幅より短く設定されている。したがって、カートリッジKがカートリッジのホルダKSに装着された場合に、内側のシャッタのガイド57が本体側のシャッタのガイド24に案内されて内側のシャッタの支持部56が本体側のシャッタのホルダ21の内部に収容され、流出口51aと流入口23とが接続可能になっている。
【0051】
図9、図10において、内側のシャッタの支持部56の後方のカートリッジ本体51の外周面には、容器側の接触部材の一例であって容器側の連動部材の一例としてのカートリッジ側の接触部62が径方向に突出して形成されている。前記カートリッジ側の接触部62は、後方に向かう略U字形状に形成されており、左右方向に延びる前端部62aと、前端部62aの左右両端から後方に延びる進入部62bと、を有する。前記進入部62bは、左右方向の外側面が後方に行くに連れて左右方向の内側に傾斜して形成されている。
実施例1のカートリッジ側の接触部62は、本体側のシャッタ37の本体側の接触部39の内部に収容可能な大きさに形成されており、前端部62aの左右方向の長さは、アーム39bどうしの幅よりも小さく且つ内側の爪部39dの内端どうしの幅よりも長く設定されている。また、進入部62bの後端、すなわち、カートリッジKの装着方向の下流端どうしの幅は、内側の爪部39dの内端どうしの幅よりも短く設定されている。
【0052】
(外シャッタおよびそのガイドの説明)
図8、図9において、カートリッジの本体51の外表面には、内側のシャッタの支持部56の右方に、容器側の解除部材の一例であって、第2の開閉部材の停止部の一例として、前後方向に延びる解除用のリブ63が形成されている。なお、実施例1の解除用のリブ63は、後述する外側のシャッタ67の右側部の開口部分を塞ぐ機能も有する。前記解除用のリブ63は、解除用のブロック45のガイド面45aおよび接触面45bに対応する位置に配置されており、ガイド面45aおよび接触面45bの幅よりも小さな幅に形成されている。したがって、実施例1の解除用のリブ63は、ロックの支持部41の前板41aと、図4B、図4Cに示すホルダ本体11の右壁11aと、の間に形成された隙間を通過可能な長さに、左右方向の長さが形成されている。
なお、実施例1の解除用のリブ63は、突出部の一例として、カートリッジの本体51の外表面から突出して形成されており、解除用のリブ63の先端には、各面45a,45bに接触可能な接触部63aが形成されている。
【0053】
図9B、図9C、図10Aにおいて、カートリッジの本体51の後端部には、第2の開閉部材の案内部の一例として、カートリッジの本体51に沿って弧状に後方に張り出した形状の外側のシャッタの後側のガイド64が形成されている。図9Cにおいて、内側のシャッタの支持部56の左方には、第2の開閉部材の案内部の一例として、外側のシャッタのガイドの延長部59dの周方向の延長上に対応する位置に、円弧状に形成された外側のシャッタの前側のガイド66が形成されている。前記外側のシャッタの前側のガイド66は、内側のシャッタ59の移動を妨げないように、内側のシャッタの支持部56からカートリッジの本体51の周方向に離れた位置に右端66aが形成されている。
【0054】
図9、図10において、前記外側のシャッタのガイド64,66,59dには、容器側の開閉部材の一例であって、容器側の第2の開閉部材の一例としての外側のシャッタ67が支持されている。前記外側のシャッタ67は、第2の開閉部材の本体の一例として、カートリッジの本体51の外周面に沿った部分円筒状の外側のシャッタの本体67aを有する。外側のシャッタの本体67aの前後両端には、被案内部の一例として、前記外側のシャッタのガイド64,66,59dに案内される外側のシャッタの被ガイド部67bが形成されている。したがって、外側のシャッタ67は、外側のシャッタのガイド64,66,59dに沿って、カートリッジの本体51の周方向に沿って移動可能に支持されており、図9Aに示す流出口51aおよび内側のシャッタ59を二重に閉塞する外側のシャッタ67が流出口51aを閉塞する位置と、図9Bに示す内側のシャッタ59を露出させる外側のシャッタ67が流出口51aを開放する位置との間で移動する。
【0055】
図9Aにおいて、外側のシャッタ67の外表面には、接触体の一例として、外方に突出する外側のシャッタの開閉用の突起67cが形成されている。前記外側のシャッタの開閉用の突起67cは、カートリッジ側のシャッタの通過部12に対応して形成されており、前記突起のガイド溝14,16の内側面に接触可能に構成されている。
前記符号51〜67を付した部材により、実施例1の現像剤の収容容器の一例としてのカートリッジKが構成されている。また、前記搬送装置本体RT+KSとカートリッジKとにより、実施例1の現像剤の搬送装置RT+KS+Kが構成されている。
【0056】
(実施例1の作用)
前記構成要件を備えた実施例1の複写機Uでは、感光体PRの表面に形成された潜像は、現像領域Q2において現像装置Gで現像され、現像装置G内の現像剤が消費される。現像装置Gの内部の現像剤が消費されると、消費量に応じて、補給オーガ2や搬送系GHが作動して、カートリッジKから現像剤の補給が行われる。
カートリッジKから補給が行われて、カートリッジKの内部の現像剤が空になったり、カートリッジKが故障等した場合、カートリッジKが複写機本体U1に対して前後方向に挿入、引き出しされて、交換される。
【0057】
(カートリッジの装着動作の説明)
図3、図4、図9Aにおいて、カートリッジKがカートリッジホルダKSに挿入される場合、前方からカートリッジKが挿入されると、外側のシャッタ67の外側のシャッタの開閉用の突起67cがカートリッジ側のシャッタの通過部12に沿って後方に移動し、第1の突起のガイド溝14の下端に接触する。その状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されると、第1の突起のガイド溝14に沿って外側のシャッタの開閉用の突起67cがガイドされて、外側のシャッタ67は、カートリッジの本体51の周方向に沿って、上方に移動する。したがって、カートリッジKが後方に挿入されると、外側のシャッタ67が周方向に移動して、図9Aに示す外側のシャッタ67が流出口51aを閉塞する位置から図9B、図9Cに示す外側のシャッタ67が流出口51aを開放する位置に移動して、内側のシャッタ59が露出する。
【0058】
図11は実施例1のカートリッジが装着される場合における本体側のシャッタ、流入口、本体側のシャッタのロック、カートリッジ側の内側のシャッタ、内側のシャッタの支持部材、カートリッジ側の接触部、解除用のリブおよび容器側のシャッタのロックの説明図であり、図11Aはカートリッジが本体に対して離れている場合の説明図、図11Bは図11Aに示す状態からカートリッジが挿入されてカートリッジ側の内側のシャッタが容器側のシャッタのロックに接触した状態の説明図である。
図11において、内側のシャッタ59が露出した状態で、さらにカートリッジKが挿入されると、図11Aに示す状態から内側のシャッタ59が本体側のシャッタのホルダ21に近づく。そして、ロック用の爪34の間をカートリッジ側の接触部62が後方に通過し、内側のシャッタ59の後端、すなわち、カートリッジKの装着方向の下流端が、ロック用のアーム33の前側の案内面34aに接触する。この状態から、さらにカートリッジKが挿入されると、図11Bに示すように、ロック用のアーム33が弾性的に変形して互いに外側に開く。したがって、カートリッジKの内側のシャッタ59や内側のシャッタの支持部56が後方に進入可能となる。
【0059】
図12は図11の続きの説明図であり、図12Aは図11Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の接触部が本体側の接触部に接触した状態の説明図、図12Bは図12Aに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジ側の接触部が本体側の接触部の内部に収容された状態の説明図である。
図11Bに示す状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されると、内側のシャッタ59の底面がガタを詰めるリブ17にガイドされて上方に持ち上げられ、上下方向のガタが低減され、位置決めがされた状態となる。そして、カートリッジ側の接触部62が本体側の接触部39に到達すると、カートリッジ側の接触部62の進入部62bが、内側の爪部39dどうしの間に進入し、連動用のアーム39bを押し広げようとする。このとき、外側の爪部39cは、本体側のシャッタのホルダ21の凹部28の位置に配置されており、左右方向の外側への移動が可能な状態となっている。したがって、図12Aに示すように、連動用のアーム39bが弾性的に変形して外側に押し広げられる。
【0060】
また、このとき、解除用のリブ63は、本体側のシャッタのロック43のガイド面45aに接触した状態となり、図8Aに対応する状態となる。したがって、解除用のリブ63の後方への移動に伴って、ガイド面45aが解除用のリブ63に押されて、ガイド面45aの傾斜に応じて、本体側のシャッタのロック43が、ロック用のバネ46の弾性力に抗して、図8Aに示す停止する位置から図8Cに示す停止を解除する位置に向けて下降を開始する。
そして、図12Aに示す状態から、さらにカートリッジKが後方に挿入されてカートリッジ側の接触部62が本体側の接触部39の内部に収容されると、図12Bに示すように、連動用のアーム39bが弾性的に復元して、元の状態に戻る。したがって、内側の爪部39dが、カートリッジ側の接触部62の前端部62aの前面の前側で挟んだ状態となり、カートリッジ側の接触部62が本体側のシャッタ37に対して相対的な移動が規制された状態、すなわち、ロックされた状態となる。
【0061】
なお、このとき、解除用のリブ63は、ガイド面45aから接触面45bに到達しており、本体側のシャッタのロック43は停止を解除する位置に移動し、本体側のシャッタ37のロックが解除され、本体側のシャッタ37が流入口を開放する位置に向けて移動可能な状態となる。
図12Bに示す状態から、さらにカートリッジKを後方に挿入すると、カートリッジ側の接触部62が本体側の接触部39を押して、本体側のシャッタ37が後方に移動する。すなわち、本体側のシャッタ37が、流入口を閉塞する位置から流入口を開放する位置にむけて移動する。また、内側のシャッタ59の後端が、本体側のシール36の前端に接触すると、内側のシャッタ59の移動が停止し、カートリッジKの後方への移動に伴って、内側のシャッタの支持部56のみが後方に向けて移動する。すなわち、内側のシャッタ59が、流出口を閉塞する位置から流出口を開放する位置に向けて相対的に移動する。
【0062】
図13は図12の続きの説明図であり、図13Aは図12Bに示す状態からさらにカートリッジが挿入されてカートリッジの挿入が完了した状態の説明図、図13Bは図13Aに示す状態からカートリッジが引き出されて本体側の接触部の変形が記載されている状態の説明図である。
図13において、カートリッジKが、図3に示すように一番奥まで挿入されると、各シャッタ37,59が前記開放する位置に移動し、図13Aに示すように、流出口51aと流入口23とが接続され、カートリッジKからリザーブタンクRTに現像剤の補給が可能な状態となる。
なお、図13Aに示す状態では、カートリッジKの内側のシャッタの支持部56が後方に移動しており、内側のシャッタ59の切欠部59cの位置からロックの解除部58が後方に抜けた状態となっている。したがって、図13Aに示すように、ロック用の爪34とロックの解除部58との接触が解除され、ロック用のアーム33が復元して、切欠部59cを外から挟んだ状態となる。したがって、この状態では、ロック用のアーム33は、内側のシャッタ59の前後方向の移動を規制した状態、いわゆる、ロックする。
【0063】
(カートリッジの取り外し動作の説明)
カートリッジKの現像剤が空になった等の理由で、カートリッジKを取り外す場合、カートリッジKが前方に引き出される。図13Aに示す状態からカートリッジKが前方に引き出される場合、内側のシャッタ59がロック用のアーム33のロック用の爪34でロックされて移動不能であり、カートリッジKの前方への移動に伴って内側のシャッタの支持部56のみが前方に移動する。したがって、ロック用のアーム32が、内側のシャッタ59を相対的に流出口を閉塞する位置に向けて移動させる。また、このとき、カートリッジ側の接触部62も本体側の接触部39にロックされており、カートリッジKのカートリッジ側の接触部62の前方への移動に伴って、本体側の接触部39も前方に引っ張られ、本体側のシャッタ37が前方、すなわち、流入口を閉塞する位置に向けて移動する。
【0064】
ここで、本体側のシャッタ37が前方に向けて移動する際に、本体側の接触部39の連動用のアーム39bが、前方に移動するカートリッジ側の接触部62から力を受けて外側に広がろうとする。これに対して、実施例1では、外側の爪部39cの幅が広部32の幅に対応して形成されており、連動用のアーム39bが広がろうとしても外側の爪部39cが広部32に接触して、連動用のアーム39bが広がることが規制される。したがって、カートリッジ側の接触部62が本体側の接触部39から抜けることが低減されている。
そして、カートリッジKが前方に引き出されると、本体側の接触部39の外側の爪部39cが傾斜部31や狭部29に接触し、連動用のアーム39bが内側に絞られる力を受け、カートリッジ側の接触部61の抜け止めが強固になる。したがって、実施例1では、本体側のシャッタ37が、流入口を閉塞する位置に戻る前に流入口を開放する位置や途中で接触部39,62の連結が外れてしまって停止してしまうことが低減されている。
【0065】
図14は図13の続きの説明図であり、図13Bに示す状態からさらにカートリッジが引き出されてロックの解除部が内側のシャッタのロックに接触した状態の説明図である。
図13Bに示す状態から、さらにカートリッジKが前方に移動して、図14に示す状態となると、ロックの解除部58がロック用の爪34の後端面34bに接触する。この状態から、カートリッジKがさらに前方に移動すると、ロックの解除部58に押されて、ロック用の爪34が外側に向かう力を受け、ロック用のアーム33が外側に開くように弾性変形する。したがって、図12Bに示す状態となり、内側のシャッタ59が、流出口を閉塞する位置に移動すると共に、内側のシャッタ59のロックが解除される。したがって、カートリッジKの前方への移動に伴って、内側のシャッタの支持部56の流出口51aを閉塞した状態で内側のシャッタの支持部56と一体的に前方に移動可能になる。
【0066】
図12Bに示す状態から、カートリッジKがさらに前方に移動すると、本体側のシャッタ37が流入口を閉塞すうる位置に移動し、流入口23が閉塞されると共に、図示しないストッパで本体側のシャッタ37の前方への移動が規制される。この状態では、外側の爪部39cが、凹部28に対応する位置に移動しており、連動用のアーム39bが外側に弾性的に変形可能な状態となっている。したがって、図12Bに示す状態からカートリッジKが前方に移動すると、図12Aに示すように、連動用のアーム39bが押し広げられて、カートリッジ側の接触部61が本体側の接触部39から離脱する。したがって、カートリッジKがさらに前方に移動すると、図11B、図11Aの状態を経て、さらに、外側のシャッタが第1の突起のガイド溝14にガイドされて、外側のシャッタ67が流出口51aを閉塞する位置に移動する。したがって、カートリッジKの流出口51aが内側のシャッタ59と外側のシャッタ67で二重に閉塞されると共に、流入口23が本体側のシャッタ37で閉塞された状態で、カートリッジKが取り外される。
【0067】
したがって、実施例1の複写機Uでは、カートリッジKが取り外された状態では、本体側のシャッタのロック43が停止する位置に移動して、本体側のシャッタ37がロックされて、流入口を開放する位置への移動が規制される。本体側のシャッタのロック43が設けられない構成では、カートリッジKが取り外された状態では、利用者が手を差し入れて本体側のシャッタ37に触れることが可能であり、本体側のシャッタ37が開放される恐れがある。このとき、複写機Uの画像形成動作中にカートリッジKが交換可能な構成では、本体側のシャッタ37が開放されると、駆動中の補給用のオーガ2に指が触れる恐れがある。これに対して、実施例1では、本体側のシャッタロック43が本体側のシャッタ37をロックしており、誤って本体側のシャッタ37が開放されることが低減されている。
【0068】
特に、実施例1では、本体側のシャッタ37および本体側のシャッタのロック43には、後方、すなわち、流入口を開放する位置側に行くに連れて、下方、すなわち、停止を解除する位置側に向って傾斜する本体側の傾斜面38dおよびロック側の傾斜面44cが形成されている。したがって、本体側のシャッタ37が後方の流入口を開放する位置側に押された場合、本体側の傾斜面38dとロック側の傾斜面44cとが接触して、ロック側の傾斜面44cが上方、すなわち、停止を解除する位置から離れる側に押される。したがって、実施例1の本体側のシャッタのロック43は、本体側のシャッタ37が流入口を開放する位置側に押されると、ロックが解除される方向とは逆方向に移動し、ロックがより一層かかる方向に移動する。よって、誤って本体側のシャッタ37が開放されることが低減されている。
【0069】
また、実施例1のカートリッジKでは、本体側のシャッタのロック43を、停止を解除する位置に移動させる解除用のリブ63は、外側のシャッタ67が流出口51a閉塞する位置に移動した状態では、外側のシャッタ67に接触、近接し、外側のシャッタ67の右端に一体的な状態、すなわち、外側のシャッタ67に同化した状態で配置されている。したがって、外側のシャッタ67が流出口51aを閉塞する位置に移動した状態では、解除用のリブ63が本体側のシャッタのロック43のガイド面45aに接触しようとしても、外側シャッタ67の後面が、ロックの支持部41の前板41aとホルダ本体11の右壁11aとの隙間よりも幅が広く、通過できない。したがって、解除用のリブ63がガイド面45aに到達する前に、ガイド面45a等よりも広い外側のシャッタ67の後面がその他の部材に干渉して、解除用のリブ63が本体側のシャッタのロック43に接触できず、ロックが解除できない状態で保持される。
したがって、カートリッジKが、ホルダ本体11との間のガタつき等で、誤った姿勢で挿入された場合には、外側のシャッタ67が流出口51aを閉塞する位置から開放されない状態となり、解除用のリブ63が露出せず、ロックの解除が行われず、誤った姿勢で挿入された場合に、誤って本体側のシャッタ37が開放されることが低減されている。
【0070】
なお、カートリッジKとホルダ本体11との間のガタつきを無くすと、部品精度等を向上させる必要があり、製造費用が高価になる恐れがあると共に、一定程度のガタ、遊び、余裕がないと、各シャッタ37,59,67が動かなくなる問題がある。よって、実施例1では、製造費用の高騰やシャッタ37,59,67が動かなくなる問題を解消しつつ、本体側のシャッタ37が誤って開放されることが低減されている。
さらに、実施例1では、解除用のリブ63が、本体側のシャッタのロック43を解除すると共に、外側のシャッタ67の右側部を塞ぐ部材と共通化されており、外側のシャッタ67が流出口51aを閉塞する位置に移動した状態では、外側のシャッタ67とほぼ同化した形態となっている。したがって、外側のシャッタ67から離れた位置に配置される場合に比べて、独立して突起する部分が無く、余計な突起が無くなり、シャッタ59,67の周囲の構成を小型効率化、いわゆる、コンパクト化することが可能である。
【0071】
また、実施例1の外側のシャッタ67は、開閉時に移動する方向である周方向が、カートリッジKの着脱される前後方向に対して交差している。外側のシャッタ67の移動する方向が、カートリッジKの着脱される方向に対して、沿った方向に設定されている場合、カートリッジKの着脱時に、シャッタが各種部材に接触する等して、解除用のリブ63が露出する時期では無いのにも関わらず、解除用のリブ63が露出して、誤ってロックが解除される恐れがある。これに対して、実施例1では、外側のシャッタ67の移動する方向がカートリッジKが着脱される方向に対して交差、直交しており、沿った方向に設定されている場合に比べて、外側のシャッタ67が誤って開放されたり、解除用のリブ63が誤って露出してロックが誤って解除されることが低減されている。
【0072】
また、実施例1では、外側のシャッタ67が開閉時に移動する方向が、カートリッジKが挿入される方向に直交する周方向に設定され、本体側のシャッタ37が開閉時に移動する方向がカートリッジKの挿入方向に沿って設定されている。したがって、外側のシャッタ67が、カートリッジKの挿入方向に沿って移動する場合に比べて、外側のシャッタ67が開く際に、誤って本体側のシャッタ37に接触して、本体側のシャッタ37が開くことが抑制される。
さらに、実施例1の解除用のリブ63は、カートリッジKの挿入方向に沿って配置されており、解除用のリブ63と本体側のシャッタのロック43が挿入方向に沿って配置されない場合や解除用のリブ63が移動したりする場合に比べて、カートリッジKの挿入時に解除用のリブ63の位置が変動しにくく、位置の安定性が向上している。
【0073】
また、実施例1のカートリッジKでは、特許文献1のような従来技術のように、カートリッジK側のシャッタのロックを解除する場合に、カートリッジKから突出する突起が必要なく、内側のシャッタの支持部56に設けられたロックの解除部58によりロックを解除している。したがって、突起を有する構成では、突起をシャッタから離れた位置に配置しており、全体として構成が大型化し、そのためにカートリッジが大型化する問題があると共に、突起を成型するための型の費用が上昇したり、突起が折れる等の破損の問題があるが、実施例1では、これらの問題が解決されている。特に、実施例1では、ロックの解除部58が内側のシャッタのガイド57と一体化されており、成形や作成が容易になっている。
【0074】
また、実施例1のカートリッジKでは、内側のシャッタ59と外側のシャッタ67の二重のシャッタが採用されており、内側のシャッタ59の部分で現像剤がこぼれても、外側のシャッタ67で漏出を防止することが可能となり、現像剤の漏出や汚れを低減することが可能になっている。また、仮に、特許文献1記載の技術のように突起を設けると、外側のシャッタ67が、突起も覆う構成とする必要があり、外側のシャッタ67が大型化する問題がある。これに対して、実施例1では、内側のシャッタの支持部56に設けたロックの解除部58が採用されており、外側のシャッタ67を小型化することが可能になっている。
さらに、実施例1のカートリッジKでは、内側のシャッタ59にガイドの延長部59dが形成されており、外側のシャッタ67がガイド可能となっている。仮に、ガイドの延長部59dが無い場合には、外側のシャッタ67が外側の閉塞位置に近づくと、前側の案内部が無くなっていまい、動作が不安定になり、外側のシャッタ67が閉まらなかったり、最悪の場合にはカートリッジKから脱落してしまう恐れがある。一方で、カートリッジの本体51に案内部を形成すると、内側のシャッタ59の移動が妨げられる問題がある。したがって、内側のシャッタ59にガイドの延長部59dが形成された実施例1のカートリッジKでは、これらの問題を解消されている。
【0075】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H06)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されず、プリンタ、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、単色の画像形成装置に限定されず、多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H02)前記実施例において、現像剤の収容容器の一例として、現像装置Gに補給される新規の現像剤を収容するカートリッジKを例示したが、これに限定されず、例えば、感光体クリーナCLpやベルトクリーナCLbから回収された現像剤を収容する収容容器の一例としての廃トナーボックスや、内部に現像剤が収容される収容容器の一例としての着脱可能な現像装置G等において、画像形成装置の本体側の搬送装置本体に対して着脱される部分に適用可能である。
【0076】
(H03)前記実施例において、ロックの解除部58を内側のシャッタのガイド57と一体化する構成を例示したが、これに限定されず、例えば、内側のシャッタのガイドとしての機能を有さず、内側のシャッタ59が外れないような抜け止め、いわゆる、ストッパとしての機能を持たせたり、あるいは、ロックの解除以外の機能を持たせない構成とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、本体側のシャッタのロック43を解除する解除部材として、外側のシャッタ67を停止させたり右側面を閉塞する機能も有する解除用のリブ63と共通化する構成を例示したが、これに限定されず、右側面の閉塞等を行う部材とは異なる部材、例えば、解除用のリブ63と流出口51aとの間に突起やリブを配置して、解除部材として使用することも可能である。なお、この場合は、外側のシャッタ67が流出口51aを閉塞する位置に移動した状態では、解除部材が外シャッタ67で覆われることとなり、誤ってロックが解除される恐れが更に低減される。
【0077】
(H05)前記実施例において、本体側のシャッタのホルダ21や本体側の接触部39やカートリッジ側の接触部62等の構成は、例示した構成に限定されず、設計や使用等に応じて、任意に変更可能である。例えば、ロック用のアーム32や連動用のアーム39b、進入部62b等は左右一対設ける構成を例示したが、右側か左側のいずれか一方のみとすることも可能である。
(H06)前記実施例において、解除部材として使用する解除用のリブ63の長さ等は設計等に応じて任意に変更可能である。また、解除用のリブ63は、前後方向に延びる1つのリブの構成を例示したが、これに限定されず、本体側のシャッタのロック43を停止を解除する位置に移動させる必要がある時期に応じた部分にのみ、複数の突起やボス、前後方向の長さの短い複数のリブを配置する構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0078】
23…流入口、
37…本体側の開閉部材、
41b…隣接する部材、
41〜46…本体側の規制部材、
43…規制部、
45c…規制部材側の突出部、
51a…流出口、
63…容器側の解除部材,突出部、
67…容器側の開閉部材、
F…定着装置、
G…現像装置、
K…容器、
PR…像保持体、
RT+KS…搬送装置の本体、
RT+KS+K…現像剤の搬送装置、
S…媒体、
TU…転写装置、
U…画像形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤が流入する流入口を有する搬送装置の本体と、
前記流入口を開閉する本体側の開閉部材と、
内部に収容された現像剤が流出する流出口を有し、前記搬送装置の本体に対して着脱可能に支持される容器と、
前記流出口を開閉する容器側の開閉部材と、
前記搬送装置の本体に設けられ、前記本体側の開閉部材の開く動作を規制する本体側の規制部材と、
前記容器に設けられ、前記本体側の開閉部材の開く動作の規制を解除可能な容器側の解除部材と、
を備え、
前記容器側の開閉部材が閉じている場合に、前記本体側の規制部材が前記本体側の開閉部材を規制するとともに,
前記容器側の開閉部材が開いている場合に、前記容器側の解除部材が前記本体側の開閉部材の規制を解除する
ことを特徴とする現像剤の搬送装置。
【請求項2】
前記容器側の解除部材は、前記容器から突出する突出部を有し、
前記容器側の開閉部材が開く方向に移動した場合に、前記容器側の開閉部材が前記突出部から離れ、
前記本体側の規制部材は、前記突出部が通過可能な隙間と規制部とを有し、
隙間を通過した前記突出部は、前記規制部に接触して、前記本体側の開閉部材の開く動作の規制が解除される
ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤の搬送装置。
【請求項3】
前記突出部は、前記容器の挿入方向に沿って配置され、
前記本体側の規制部材の隙間は、前記容器の挿入方向に沿って配置された
ことを特徴とする請求項2に記載の現像剤の搬送装置。
【請求項4】
本体側の規制部材は、前記規制部から突出する規制部材側の突出部を有し、
前記規制部材側の突出部は、前記本体側の規制部材が前記本体側の開閉部材の規制を解除する場合に、隣接する部材に接触して、前記本体側の規制部材の姿勢を規制する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の現像剤の搬送装置。
【請求項5】
前記容器側の開閉部材は、前記容器の挿入方向と直交する方向に移動する
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の現像剤の搬送装置。
【請求項6】
回転する像保持体と、
前記像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体に転写された可視像を定着する定着装置と、
前記現像装置に現像剤を搬送する請求項1ないし5のいずれかに記載の現像剤の搬送装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2013−105113(P2013−105113A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250308(P2011−250308)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】