説明

現像剤供給装置

【課題】 ブラシローラを現像剤担持体として用いた現像剤供給装置において、ブラシローラに現像剤を良好に担持することができる構成を提供すること。
【解決手段】 前記現像剤担持量規制部材の前記現像剤担持部材側の端部である先端部が前記ブラシ層に食い込むように、当該現像剤担持量規制部材が配置されている。そして、当該現像剤担持量規制部材における前記先端部の、前記移動方向における上流側の表面(当該現像剤担持量規制部材に向かって前記移動方向に移動して来る前記繊維状部材と対向する面)が、前記移動方向と同じ方向に傾斜するように、当該現像剤担持量規制部材が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状の現像剤(乾式現像剤)を供給対象に供給するように構成された、現像剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、いわゆる「ブラシローラ」を現像剤担持体(現像ローラ)として用いたものが知られている(例えば、特開昭57−100753号公報、特開昭58−57156号公報、実願昭56−188393号(実開昭58−91755号)のマイクロフィルム、特開平10−207217号公報、等参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の従来の装置においては、ブラシローラに現像剤を良好に担持することは困難であった。具体的には、例えば、一旦ブラシローラに担持された後、ブラシローラにおけるブラシ起毛の間に入り込んだ現像剤は、ブレードによって掻き落とすことが困難となるとともに、ブラシローラに残留している間に摩擦帯電され難いため帯電量が低下しやすい。よって、このような現像剤がブラシローラに担持され続けると、形成画像に白地かぶりが発生する。このため、ブラシローラを現像剤担持体として用いた構成は、今までのところ、実用化には困難な状況となっていた。
【0004】
本発明は、かかる課題に対処するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、ブラシローラを現像剤担持体として用いた現像剤供給装置において、ブラシローラに現像剤を良好に担持することができる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の現像剤供給装置は、粉末状の現像剤を供給対象に供給するように構成されている。この現像剤供給装置は、現像剤貯留部と、現像剤担持部材と、現像剤担持量規制部材と、を備えている。
【0006】
前記現像剤貯留部は、前記現像剤を貯留するようになっている。前記現像剤担持部材は、円柱面状の外周面を有するローラ本体と、前記外周面に植設された多数の可撓性の繊維状部材からなるブラシ層と、を備えた回転体であって、前記ブラシ層にて前記現像剤を担持するように構成されている。前記現像剤担持量規制部材は、(前記ブラシ層に一旦担持された前記現像剤の一部を掻き落とすことで)前記ブラシ層における前記現像剤の担持量を規制するように設けられている。具体的には、この現像剤担持量規制部材は、前記ブラシ層が前記供給対象と対向する領域よりも前記現像剤担持部材の回転による前記繊維状部材(前記ブラシ層)の移動方向における上流側であって、且つ前記現像剤貯留部から供給されてきた前記現像剤が前記ブラシ層に担持される領域よりも前記移動方向における下流側にて、前記ブラシ層と当接するように設けられている。
【0007】
本発明の特徴は、前記現像剤供給装置が、以下のように構成されていることにある:前記現像剤担持量規制部材の前記現像剤担持部材側の端部である先端部が前記ブラシ層に食い込むように、当該現像剤担持量規制部材が配置されている。そして、当該現像剤担持量規制部材における前記先端部の、前記移動方向における上流側の表面(当該現像剤担持量規制部材に向かって前記移動方向に移動して来る前記繊維状部材と対向する面)が、前記移動方向と同じ方向に傾斜するように、当該現像剤担持量規制部材が設けられている。
【0008】
前記現像剤供給装置は、以下のように構成されていてもよい:前記現像剤担持部材は、前記供給対象と当接することで当該供給対象が前記ブラシ層に食い込むように設けられている。そして、前記現像剤担持量規制部材の前記ブラシ層への食い込み量が、前記供給対象の前記ブラシ層への食い込み量よりも大きくなるように、前記現像剤担持量規制部材が配置されている(上述の2つの「食い込み量」は、前記ブラシ層の深さ方向すなわち前記現像剤担持部材の径方向についての寸法である。)。
【発明の効果】
【0009】
上記構成を備えた本発明の現像剤供給装置においては、前記現像剤担持量規制部材の前記先端部が前記ブラシ層と当接することによる、当該ブラシ層に担持された(特に隣り合う前記繊維状部材間に介在する)前記現像剤の一部の掻き落としが、良好に実現される。このため、白地かぶりの原因となる、前記ブラシ層内における前記現像剤の長時間にわたる残留の発生が、良好に抑制される。したがって、本発明によれば、ブラシローラである前記現像剤担持部材に前記現像剤を良好に担持することができる構成を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態が適用された画像形成装置であるレーザープリンタの概略構成図である。
【図2】図1における規制ブレードの先端部の近傍を拡大した図である。
【図3】図1に示されている規制ブレードの一変形例を示す拡大図である。
【図4】図1に示されている規制ブレードの他の変形例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態に対して施され得る各種の変更(変形例:modification)は、当該実施形態の説明中に挿入されると、一貫した実施形態の説明の理解が妨げられるので、末尾にまとめて記載されている。
【0012】
<レーザープリンタの構成>
図1は、本発明の一実施形態が適用された画像形成装置であるレーザープリンタ1の概略構成図である。図1を参照すると、レーザープリンタ1は、用紙搬送機構2と、感光体ドラム3と、帯電器4と、スキャナーユニット5と、現像装置6と、を備えている。レーザープリンタ1内に備えられた、図示しない給紙トレイには、シート状の用紙Pが積み重ねられた状態で収容されている。用紙搬送機構2は、用紙Pを所定の用紙搬送経路PPに沿って搬送するように構成されている。
【0013】
本発明の供給対象としての感光体ドラム3の周面には、静電潜像担持面LSが形成されている。この静電潜像担持面LSは、主走査方向(図中z軸方向:「用紙幅方向」あるいはレーザープリンタ1の「幅方向」とも称され得る。)と平行な円柱面であって、電位分布による静電潜像が形成されるとともに、当該静電潜像に対応した位置にて本発明の現像剤としてのトナーTを担持するようになっている。感光体ドラム3は、主走査方向と平行な軸C1を中心として図中矢印で示されている方向(時計回り)に回転駆動されることで、主走査方向と直交する副走査方向に沿って静電潜像担持面LSが移動するように構成されている。
【0014】
帯電器4は、静電潜像担持面LSと対向するように配置されている。この帯電器4は、コロトロン型あるいはスコロトロン型の帯電器であって、静電潜像担持面LSを一様に正帯電させるように構成されている。
【0015】
スキャナーユニット5は、画像データに基づいて変調された(画素の有無によって発光のON/OFFが制御された)所定の波長帯域のレーザービームLBを生成して静電潜像担持面LSにおけるスキャン位置SPにて結像させるとともに、その結像位置を主走査方向に沿って等速度にて移動させる(走査する)ように構成されている。ここで、スキャン位置SPは、感光体ドラム3の回転による静電潜像担持面LSの移動方向における、帯電器4よりも下流側且つ現像装置6よりも上流側の位置に設けられている。
【0016】
本発明の現像剤供給装置としての現像装置6は、静電潜像担持面LSと対向するように配置されている。現像装置6は、現像領域DP(現像装置6が静電潜像担持面LSと近接しつつ対向する領域)にて、正極性に帯電したトナーTを感光体ドラム3(静電潜像担持面LS)に供給するように構成されている。ここで、本実施形態においては、トナーTは、正帯電性、非磁性一成分、黒色の粉末状乾式現像剤である。この現像装置6の詳細な構成については後述する。
【0017】
次に、レーザープリンタ1の各部の具体的な構成について、より詳細に説明する。
【0018】
用紙搬送機構2は、一対のレジストローラ21と、転写ローラ22と、定着部23と、を備えている。レジストローラ21は、用紙Pを所定のタイミングにて感光体ドラム3と転写ローラ22との間の転写位置TPに向けて送り出すように構成されている。
【0019】
転写ローラ22は、転写位置TPにて用紙搬送経路PPを隔てて静電潜像担持面LSと対向するように配置されていて、図中矢印で示されている方向(反時計回り)に回転駆動されるようになっている。この転写ローラ22は、感光体ドラム3との間に静電潜像担持面LS上に付着したトナーTを用紙Pに転写させるための所定の転写バイアスが印加されるように、図示しない転写バイアス電源回路と電気的に接続されている。
【0020】
定着部23は、加熱ローラ23aと、加圧ローラ23bと、を備えている。加熱ローラ23aは、用紙幅方向と平行に配置された回転体であって、用紙Pに担持されたトナーTを加熱することで用紙P上にトナー像を定着するように構成されている。加圧ローラ23bは、用紙搬送経路PPを挟んで加熱ローラ23aと対向するように、加熱ローラ23aと平行に配置されている。この加圧ローラ23bは、周囲にシリコンゴム層を有する回転体であって、加熱ローラ23aに対して所定の圧力をもって押圧されるようになっている。
【0021】
<<現像装置>>
現像装置6は、現像ローラ61と、トナーケース62と、規制ブレード63と、を備えている。本発明の現像剤貯留部としてのトナーケース62は、内部にトナーTを貯留可能に構成された箱状部材である。現像ローラ61は、特開昭57−64266号公報、特開昭57−108870号公報、特開昭58−57156号公報、等にて用いられているものと同様の、いわゆる周知の「ブラシローラ」であって、主走査方向と平行な軸C2を中心として図中矢印で示されている方向(反時計回り)に回転駆動可能に、トナーケース62によって支持されている。
【0022】
具体的には、現像ローラ61は、円柱状部材であるローラ本体611と、このローラ本体611の円柱面状の外周面であるローラ外周面612の外側に設けられたブラシ層613と、を備えている。本発明の現像剤担持部材としての現像ローラ61は、ローラ外周面612に植設された多数の可撓性の繊維状部材613aからなるブラシ層613にてトナーTを担持するように構成されている。
【0023】
本発明の現像剤担持量規制部材としての規制ブレード63は、ブレード本体部631と、先端部632と、を有している。ブレード本体部631は、トナーケース62に固定されている。先端部632は、規制ブレード63の現像ローラ61側の端部であって、現像ローラ61に向かって突出するように設けられている。この規制ブレード63は、1本の繊維状部材613aよりも高い剛性(すなわち1本の繊維状部材613aよりも不撓性)を有するように構成されている。具体的には、本実施形態においては、規制ブレード63は、ステンレス鋼等の金属製の板材からなり、一体的に形成されている。
【0024】
規制ブレード63は、ブラシ層613に一旦担持されたトナーTの一部を掻き落とすことで当該ブラシ層613におけるトナーTの担持量を規制するように設けられている。具体的には、規制ブレード63は、ブラシ層613が感光体ドラム3と対向する現像領域DPよりも現像ローラ61の回転によるブラシ層613の移動方向における上流側であって、且つ、トナーケース62内の空間から供給されてきたトナーTがブラシ層613に担持される領域よりも上述の移動方向における下流側にて、ブラシ層613と当接するように設けられている。
【0025】
規制ブレード63は、ブラシ層613に先端部632が食い込むように配置されている。具体的には、規制ブレード63は、先端部632の先端がブラシ層613の下端部に達するように設けられている。また、規制ブレード63における先端部632のブラシ層613への食い込み量(ブレード食い込み量)が、感光体ドラム3のブラシ層613への食い込み量(現像ニップ量)よりも大きくなるように、規制ブレード63が配置されている(なお、「ブレード食い込み量」及び「現像ニップ量」は、ブラシ層613の深さ方向すなわち現像ローラ61の径方向についての寸法である。)。
【0026】
図2は、図1における規制ブレード63の先端部632の近傍を拡大した図である。ここで、図中(i)は本実施形態(本発明)に相当する図であり、(ii)は比較例の構成に相当する図である。
【0027】
図1及び図2における(i)を参照すると、本実施形態においては、先端部632における一表面であるブラシ対向面632aが、現像ローラ61の軸C2を中心とした回転による繊維状部材613aの移動方向(図2における矢印参照)と同じ方向に傾斜するように、規制ブレード63が設けられている。ここで、ブラシ対向面632aは、先端部632の、上述の移動方向(図2における矢印参照)における上流側の表面であって、当該先端部632に向かって移動して来る繊維状部材613aと対向するように設けられた面である。
【0028】
図2を用いて、より具体的に説明すると、規制ブレード63の先端が繊維状部材613aと接触する点をCP、この点CPにおける繊維状部材613aの移動方向と平行な直線を線A、上述の点CPを通り線A及び主走査方向と直交する直線(点CPを通り現像ローラ61の径方向と平行な直線)を線Bとすると、先端部632におけるブラシ対向面632aは、線Bよりも、繊維状部材613aの移動方向における下流側に設けられている。
【0029】
<作用・効果>
次に、上述の本実施形態の構成による動作の概要を、その作用・効果とともに、図面を参照しつつ説明する。
【0030】
図1を参照すると、現像ローラ61が軸C2を中心として回転すると、トナーケース62内に収容されたトナーTは、トナーケース62内の空間と現像ローラ61とが対向する領域(図中軸C2を挟んで現像領域DPと反対側:以下「担持領域」と称する。)にてブラシ層613に供給される。これにより、トナーTは、ブラシ層613に担持されつつ、上述の担持領域から現像領域DPに向かって送出される。
【0031】
トナーTを担持したブラシ層613は、現像ローラ61の軸C2を中心とした回転により、上述の担持領域と現像領域DPとの間の位置にて、規制ブレード63と当接する。この位置においては、規制ブレード63の先端部632がブラシ層613に食い込んでいるため、ブラシ層613に担持されたトナーTの一部が掻き落とされる。これにより、ブラシ層613におけるトナーTの担持量が規制される。
【0032】
ここで、上述のように、規制ブレード63は、繊維状部材613aよりも高い剛性を有している。また、ブレード食い込み量が現像ニップ量よりも大きくなるとともに、図2における(i)に示されているように、先端部632におけるブラシ対向面632aが線Bよりも繊維状部材613aの移動方向における下流側に設けられるように、規制ブレード63がブラシ層613と当接している。
【0033】
かかる構成によれば、ブラシ層613に担持された(特に隣り合う繊維状部材613a間に介在する)トナーTの一部の掻き落としが、良好に実現される。また、ブラシ層613に担持された(特に隣り合う繊維状部材613a間に介在する)トナーTが良好に摩擦帯電させられる。このため、白地かぶりの原因となる、ブラシ層613内におけるトナーTの長時間にわたる残留の発生が、良好に抑制される。したがって、本実施形態の構成によれば、ブラシローラである現像ローラ61にトナーTを良好に担持することができる。
【0034】
これに対し、図2における(ii)に示されているように、先端部632におけるブラシ対向面632aが線Bよりも繊維状部材613aの移動方向における上流側に設けられるように、規制ブレード63がブラシ層613と当接している場合、ブラシ層613に担持された(特に隣り合う繊維状部材613a間に介在する)トナーTの大部分が、規制ブレード63における先端部632の「下」をすり抜ける。また、この場合、ブラシ層613に担持されたトナーTは、現像ローラ61(ローラ本体611:図1参照)に向けて押し付けられることとなる。したがって、この場合、繊維状部材613aの根元(すなわちブラシ層613の下端部)付近にて現像剤が詰まり、形成画像における白地かぶりの発生が助長されてしまう。
【0035】
トナーTは、上述の担持領域にてブラシ層613に担持される際や、規制ブレード63との接触の際に、摩擦帯電する。規制ブレード63を経て、良好に(すなわち、均一であって、かつ内部におけるトナー詰まりが可及的に抑制された状態で)担持されつつ良好に帯電したトナーTは、現像ローラ61の軸C2を中心とした回転により、現像領域DPにて感光体ドラム3(静電潜像担持面LS)に供給される。したがって、白地かぶりの発生が良好に抑制された、良好なトナー像が、静電潜像担持面LS上に形成され、以て、良好な画像が用紙P上に形成される。
【0036】
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を、単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
【0037】
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部材に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部材の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が援用され得るものとする。
【0038】
もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたものに限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0039】
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態及び下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(特に先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、許されない。
【0040】
本発明の適用対象は、単色のレーザープリンタに限定されない。例えば、本発明は、カラーのレーザープリンタや、単色及びカラーの複写機等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置に対して、好適に適用され得る。このとき、感光体の形状は、上述の実施形態のようなドラム状でなくてもよく、例えば、平板状や無端ベルト状等であってもよい。
【0041】
露光光源としては、レーザースキャナ以外のもの(LED、EL(エレクトロルミネッセンス)素子、蛍光体、等)が好適に用いられ得る。この場合、「主走査方向」は、発光素子(LED等)の配列方向と平行な方向となる。
【0042】
あるいは、本発明は、上述の電子写真方式以外の方式(例えば、感光体を用いないトナージェット方式、イオンフロー方式、マルチスタイラス電極方式、等)の画像形成装置に対しても、好適に適用され得る。この場合、用紙P等の画像形成媒体、アパチャー電極(例えば米国特許第5,293,181号等参照)、等が、本発明の供給対象に該当する。
【0043】
規制ブレード63の材質は、金属に限定されない。例えば、規制ブレード63の材質は、合成樹脂であってもよい。この場合、チャージアップを抑制するために、(半)導電性の合成樹脂が、規制ブレード63の材質として好適に用いられる。
【0044】
図3及び図4は、図1に示されている規制ブレード63の一変形例を示す拡大図である。図3及び図4に示されているように、規制ブレード63は、現像ローラ61の軸C2に沿って配置された多数の突起状の先端部632を有する櫛状あるいは鋸歯状部材であってもよい。
【0045】
この場合、先端部632は、図3に示されているような逆V字あるいは逆U字状の突起であってもよいし、図4に示されているような棒状の突起であってもよい。また、図3や図4に示されている突起状の先端部632における先端(図中下端)は、丸められていてもよい。さらに、多数の突起状の先端部632は、現像ローラ61の軸C2に沿って等間隔に配列されていてもよい。
【0046】
かかる構成においては、鋸歯状の規制ブレード63の突起状の先端部632がブラシ層613に食い込むことで、当該ブラシ層613に担持された(特に隣り合う繊維状部材613a間に介在する)トナーTの一部が良好に掻き落とされる。このため、ブラシ層613内(特に下端部すなわち根元付近)におけるトナー詰まりの発生が、良好に抑制される。また、規制ブレード63は櫛状あるいは鋸歯状の部材であるため、現像ローラ61の回転トルクが小さくなる。したがって、ブラシローラである現像ローラ61にトナーTを良好に担持することができる。
【0047】
その他、特段に言及されていない変形例についても、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、本発明の技術的範囲に含まれることは当然である。
【0048】
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。さらに、本明細書にて引用した各公報の内容(明細書及び図面を含む)は、本明細書の一部を構成するものとして援用され得る。
【符号の説明】
【0049】
1…レーザープリンタ 2…用紙搬送機構
3…感光体ドラム(供給対象) 4…帯電器
5…スキャナーユニット
6…現像装置(現像剤供給装置) 61…現像ローラ(現像剤担持部材)
611…ローラ本体 612…ローラ外周面
613…ブラシ層 613a…繊維状部材
62…トナーケース
63…規制ブレード 631…ブレード本体部
632…先端部 632a…ブラシ対向面
C2…軸 DP…現像領域
LS…静電潜像担持面 T…トナー(現像剤)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開昭57−100753号公報
【特許文献2】特開昭58−57156号公報
【特許文献3】実願昭56−188393号(実開昭58−91755号)のマイクロフィルム
【特許文献4】特開平10−207217号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状の現像剤を供給対象に供給するように構成された、現像剤供給装置において、
前記現像剤を貯留する、現像剤貯留部と、
円柱面状の外周面を有するローラ本体と、前記外周面に植設された多数の可撓性の繊維状部材からなるブラシ層と、を備えた回転体であって、前記ブラシ層にて前記現像剤を担持するように構成された、現像剤担持部材と、
前記ブラシ層が前記供給対象と対向する領域よりも前記現像剤担持部材の回転による前記繊維状部材の移動方向における上流側、且つ前記現像剤貯留部から供給されてきた前記現像剤が前記ブラシ層に担持される領域よりも前記移動方向における下流側にて、前記ブラシ層と当接することで、当該ブラシ層における前記現像剤の担持量を規制するように設けられた、現像剤担持量規制部材と、
を備え、
前記現像剤担持量規制部材は、
前記現像剤担持部材側の端部であって前記ブラシ層に食い込むように設けられた先端部の、前記移動方向における上流側の表面であって、当該現像剤担持量規制部材に向かって前記移動方向に移動して来る前記繊維状部材と対向する面が、前記移動方向と同じ方向に傾斜するように形成されたことを特徴とする、現像剤供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の、現像剤供給装置であって、
前記現像剤担持部材は、前記供給対象と当接することで当該供給対象が前記ブラシ層に食い込むように設けられていて、
前記現像剤担持量規制部材の前記ブラシ層への食い込み量が、前記供給対象の前記ブラシ層への食い込み量よりも大きくなるように、前記現像剤担持量規制部材が配置されたことを特徴とする、現像剤供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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