現像剤収容器、現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置
【課題】ガイド機構のレイアウト設計の自由度が向上すると共に、小型化を図り得る現像剤収容器を提供する。
【解決手段】現像剤収容器は、容器本体70内で回転駆動される回転部材と、容器本体70の外側に設けられ、回転部材に駆動トルクを伝達する複数のギヤ62,63,64から成るギヤ列と、画像形成装置本体に設けられた本体側ガイド部との協働により、画像形成装置本体に対して容器本体70を着脱方向にガイドする容器側ガイド部73aとを備える。ギヤ列を構成する一部のギヤ64を、他のギヤ62,63と噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、当該作動位置から待避した待避位置との間で移動可能に構成した。容器側ガイド部73aを設ける面上で、容器側ガイド部73aの一部または全部が、作動位置にあるギヤ64の投影領域J内に配設されるようにした。
【解決手段】現像剤収容器は、容器本体70内で回転駆動される回転部材と、容器本体70の外側に設けられ、回転部材に駆動トルクを伝達する複数のギヤ62,63,64から成るギヤ列と、画像形成装置本体に設けられた本体側ガイド部との協働により、画像形成装置本体に対して容器本体70を着脱方向にガイドする容器側ガイド部73aとを備える。ギヤ列を構成する一部のギヤ64を、他のギヤ62,63と噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、当該作動位置から待避した待避位置との間で移動可能に構成した。容器側ガイド部73aを設ける面上で、容器側ガイド部73aの一部または全部が、作動位置にあるギヤ64の投影領域J内に配設されるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を収容する現像剤収容器、現像剤収容器を有する現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の電子写真式の画像形成装置においては、現像装置、帯電装置、感光体等を一体の画像形成ユニットとし、これを画像形成装置本体に対して着脱可能に構成した方式が知られている。この方式は、ユーザー等がユニットを交換することで容易に装置のメンテナンスを行うことができるという利点から、多くの製品に採用されている。また、この種の画像形成ユニットには、トナー等の現像剤を収容する現像剤収容器を、当該ユニットと一体に構成したものや、ユニットとは別体で構成したものなどがある。
【0003】
前者の場合、収容されている現像剤が無くなると、画像形成ユニットを新品のユニットに交換する。この場合、現像装置や感光体等を使用済みの現像剤収容器と一緒に交換することができるため、交換作業が容易となる利点がある。
【0004】
一方、後者の場合は、収容されている現像剤が無くなると、現像剤収容器のみを新しいものと交換する。この場合、現像装置や感光体等が耐用寿命に達していなければ、これらを交換せずに続けて使用することが可能である。このため、近年の環境負荷への配慮の高まりから、現像剤収容器を単独で交換可能とする構成が主流となりつつある。
【0005】
現像剤収容器を単独で着脱する構成においては、現像剤収容器を画像形成装置本体に装着した状態で、容器側の排出口の位置と現像装置側の補給口の位置とを合わせる必要がある。そのため、一般に、現像剤収容器の外面には、着脱時に容器本体をガイドするためのガイド部や、画像形成装置本体に対して位置決めするための位置決め部が設けられている。
【0006】
また、現像剤収容器には、容器内の現像剤を搬送したり撹拌したりする搬送スクリューやアジテータなどの回転部材が設けられているものがある。このような現像剤収容器において、回転部材への駆動力は、画像形成装置本体に設けられている駆動源から得るのが一般的である。そのため、この種の現像剤収容器の外側には、本体側の駆動源からの駆動力を回転部材へ伝達するためのギヤが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、現像剤収容器の外側にギヤを設けた場合、着脱時に容器本体をガイドするためのガイド機構とギヤとが干渉しないようにしなければならない。そのため、容器側に設けるガイド部はギヤの配設位置を避けて配設しなければならないといったレイアウト上の制限がある。しかしながら、ギヤの配設位置を避けてガイド部を配設すると、結果的に現像剤収容器のサイズが大きくなり、装置の小型化を図りにくいといった問題がある。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑み、ガイド機構のレイアウト設計の自由度が向上すると共に、小型化を図り得る現像剤収容器、その現像剤収容器を有する現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された現像剤収容器であって、内部に現像剤を収容する容器本体と、容器本体内の現像剤を外部へ排出する排出口と、容器本体内で回転駆動される回転部材と、容器本体の外側に設けられ、前記回転部材に駆動トルクを伝達する複数のギヤから成るギヤ列と、画像形成装置本体に設けられた本体側ガイド部との協働により、画像形成装置本体に対して容器本体を着脱方向にガイドする容器側ガイド部とを備えた現像剤収容器において、前記ギヤ列を構成する一部のギヤを、他のギヤと噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、当該作動位置から待避した待避位置との間で移動可能とし、容器側ガイド部を設ける面上で、容器側ガイド部の一部または全部が、前記作動位置にあるギヤの投影領域内に配設されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ギヤ列を構成する一部のギヤを作動位置と待避位置との間で移動可能に構成しているので、容器側ガイド部の一部または全部が、作動位置にあるギヤの投影領域内に配設されていても、容器本体の着脱動作時において、本体側ガイド部とギヤ列とが干渉するのを回避できる。また、本発明によれば、容器側ガイド部のレイアウト設計の自由度が向上するので、現像剤収容器の小型化を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】現像装置とトナーカートリッジの概略断面図である。
【図3】トナーカートリッジの外観図である。
【図4】トナーカートリッジから上ケースとギヤカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】トナーカートリッジのギヤカバーを取り外した状態を示す側面図である。
【図6】トナーカートリッジのギヤカバーを取り外した状態を示す側面図である。
【図7】ギヤホルダの斜視図である。
【図8】ギヤカバーを表側から見た斜視図である。
【図9】ギヤカバーを裏側から見た斜視図である。
【図10】トナーカートリッジをギヤカバー側から見た図である。
【図11】装置本体の一方の側壁側の内部構造を示す斜視図である。
【図12】装置本体の他方の側壁側の内部構造を示す斜視図である。
【図13】トナーカートリッジの装置本体への着脱動作を説明するための図である。
【図14】トルク伝達ギヤが作動位置に配設された状態を示す斜視図である。
【図15】排出口が開放された状態を示す斜視図である。
【図16】トルク伝達ギヤが待避位置に配設された状態を示す斜視図である。
【図17】排出口が閉鎖された状態を示す斜視図である。
【図18】トナーカートリッジに生じる力を説明するための図である。
【図19】トナーカートリッジを装置本体に装着した状態を下方から見た断面図である。
【図20】比較例のトナーカートリッジの装着状態を下方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明を適用する画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体(画像形成装置本体)100には、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
【0014】
具体的には、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3等を備えた帯電装置と、感光体2上の潜像に現像剤を供給する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード5等を備えたクリーニング装置などで構成されている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1M,1C,1Bkにおいては符号を省略している。また、本実施形態では、現像剤としてトナーから成る一成分現像剤を用いている。ただし、現像剤は、これに限らず、トナーとキャリアから成る二成分現像剤であってもよい。
【0015】
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが有する4つの現像装置4の上方には、それぞれ、各現像装置4に補給するためのトナーを収容した現像剤収容器としてのトナーカートリッジ50が配設されている。本実施形態では、各現像装置4と各トナーカートリッジ50との間に、装置本体100に設けられた仕切り板108が配設されており、この仕切り板108に形成された4つの装着部106に各トナーカートリッジ50が着脱可能に装着されている。
【0016】
また、各トナーカートリッジ50の上方付近には、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2の表面を露光する露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザー光を照射するようになっている。
【0017】
また、装置本体100の上部には、支点110を中心に回動することにより上下方向に開閉可能な上部カバー109が設けられている。また、この上部カバー109には、上記露光装置6が取り付けられている。このため、上部カバー109を開くと、露光装置6をトナーカートリッジ50の上方付近から待避させることができ、その状態でトナーカートリッジ50を装置本体100の上部開口部から着脱できるようになっている。
【0018】
上記各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト8を有する。中間転写ベルト8は、支持部材としての駆動ローラ9と従動ローラ10に張架されており、駆動ローラ9が図の反時計回りに回転することによって、中間転写ベルト8は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。
【0019】
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
【0020】
また、駆動ローラ9に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
【0021】
また、中間転写ベルト8の図の右端側の外周面には、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13が配設されている。このベルトクリーニング装置13から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、転写装置7の下方に配設された廃トナー収容器14の入り口部に接続されている。
【0022】
装置本体100の下部には、紙やOHPシート等の記録媒体Sを収容する給紙カセット15が配設されている。給紙カセット15には、収容されている記録媒体Sを送り出す給紙ローラ16が設けてある。一方、装置本体100の上部には、記録媒体を外部へ排出するための一対の排紙ローラ17が配設されている。また、排紙ローラ17によって排出された記録媒体をストックするための排紙トレイ18が、上部カバー109に設けられている。
【0023】
装置本体100内には、記録媒体Sを給紙カセット15から二次転写ニップを通って排紙トレイ18へ搬送するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って記録媒体を二次転写ニップへ搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ19が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向下流側には、定着装置20が配設されている。
【0024】
上記画像形成装置は以下のように動作する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない画像読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0025】
続いて、中間転写ベルト8を張架する駆動ローラ9が回転駆動し、中間転写ベルト8を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2上の各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト8はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト8に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
【0026】
一方、給紙カセット15では、給紙ローラ16が回転することにより、収容されている記録媒体Sが搬送路Rへ送り出される。搬送路Rへ送り出された記録媒体Sは、レジストローラ19によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト8上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上のトナー画像が記録媒体S上に一括して転写される。また、転写後の中間転写ベルト8上に残留するトナーは、ベルトクリーニング装置13によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー収容器14へ搬送され回収される。
【0027】
その後、トナー画像が転写された記録媒体Sは、定着装置20へと搬送され、定着装置20において記録媒体S上のトナー画像が当該記録媒体Sに定着される。そして、記録媒体Sは、一対の排紙ローラ17によって装置外に排出され、排紙トレイ18上にストックされる。
【0028】
以上の説明は、記録媒体にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0029】
図2は、上記現像装置と上記トナーカートリッジの概略断面図である。
図2に示すように、現像装置4は、トナーを収容する現像ハウジング40と、トナーを担持する現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像ローラ41にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ42と、現像ローラ41上に担持されたトナー量を規制する規制部材としての現像ブレード43と、トナーを搬送する搬送部材としての2つの搬送スクリュー44,45と、2つの導光部材46,47等を有する。
【0030】
現像ハウジング40の内部は、連通口48aを有する仕切部材48によって、図の上側の第1の領域E1と、図の下側の第2の領域E2とに分割されている。連通口48aは、仕切部材48の両端部(図2の紙面に直交する方向の手前側と奥側)にそれぞれ設けられている。すなわち、第1の領域E1と第2の領域E2は、2つの連通口48aを形成した箇所で互いに連通している。
【0031】
第1の領域E1内には、一方の搬送スクリュー44と、2つの導光部材46,47が設けられている。一方、第2の領域E2内には、他方の搬送スクリュー45と、供給ローラ42が設けられている。また、第2の領域E2の感光体2と対向する開口部には、現像ローラ41及び現像ブレード43が設けてある。
【0032】
上記2つの搬送スクリュー44,45は、それぞれ回転軸440,450の外周に螺旋状の羽根441,451を設けて形成されている。各搬送スクリュー44,45が回転すると、それぞれの軸方向にトナーを搬送するようになっているが、ここでは、各搬送スクリュー44,45によるトナー搬送方向は互いに逆方向となっている。
【0033】
上記現像ローラ41は、金属製の芯金と、その芯金の外周に配設された導電性ゴムで構成されている。本実施形態では、芯金の外径をφ6、導電性ゴムの外周をφ12、ゴム硬度Hs75に設定している。また、導電性ゴムは、体積抵抗値を約105〜107Ω程度に調整されている。導電性ゴムとしては、例えば、導電性ウレタンゴムやシリコーンゴム等を使用可能である。現像ローラ41は、図2において反時計回りの方向に回転し、表面に保持した現像剤を現像ブレード43及び感光体2との対向位置へと搬送する。
【0034】
上記供給ローラ42には、一般に、スポンジローラなどが用いられる。スポンジローラとしては、金属製の芯金の外周に、カーボンを混合して半導電化させた発泡ポリウレタンを付着したものが適当である。本実施形態では、芯金の外径をφ6、スポンジ部分の外径をφ12に設定している。供給ローラ42は、現像ローラ41に対して当接している。供給ローラ42と現像ローラ41とが当接して形成されるニップ部は、通常約1mm〜3mm程度に設定されている。本実施形態では、ニップを2mmとしている。また、供給ローラ42は、現像ローラ41に対してカウンター方向(図2において反時計回り)に回転することで、現像ハウジング40内のトナーを現像ローラ41の表層まで効率よく供給できるようにしている。さらに、本実施形態では、現像ローラ41と供給ローラ42の回転数比を1に設定することで、良好なトナー供給機能を確保している。
【0035】
上記現像ブレード43は、例えば、厚さ0.1mm程度のSUSなどの金属板で構成される。現像ブレード43は、その先端側で現像ローラ41の表面に当接している。現像ブレード43による現像ローラ41上のトナー量の制御は、現像特性を安定させ良好な画質を得るために非常に重要なパラメータである。そのため、通常の製品においては現像ローラ41に対する現像ブレード43の当接圧は20〜60N/m程度、ニップ部の位置は現像ブレード43の先端から0.5±0.5mm程度に厳しく管理されている。また、これらのパラメータは、使用するトナー、現像ローラ、供給ローラなどの特性に合わせて適宜決定される。本実施形態では、現像ブレード43を厚さ0.1mmのSUS材で構成し、当接圧45N/m、ニップ部の位置を現像ブレード43の先端から0.2mm、現像ブレード43の支持端部から自由端(先端)までの長さ(自由長)を14mmに設定することで、現像ローラ41上に安定したトナーの薄層を形成できるようにしている。
【0036】
上記2つの導光部材46,47は、光透過性の良い材料を用いて形成される。その材料として、例えば、樹脂を用いる場合は、透明度の高いアクリル材やPC材などが好ましい。また、各導光部材46,47の材料として、より良好な光学特性が得られる光学ガラスなどを用いることも可能である。あるいは、各導光部材46,47に光ファイバーを用いてもよい。この場合は、導光部材46,47によって形成される光路の設計自由度が向上する。
【0037】
各導光部材46,47の一端部は、現像ハウジング40の外側に露出している。プロセスユニットを画像形成装置本体に装着した状態では、これらの露出する各端部に対して、本体側に設けられたトナー量検知手段としての図示しない発光素子と受光素子が対向するようになっている。発光素子と受光素子が各導光部材46,47の露出する端部に対向した状態では、各導光部材46,47を介して、発光素子から受光素子へ光を導く光路が形成される。すなわち、発光素子から発せられる光が一方の導光部材46によって現像ハウジング40内に導かれ、さらにその光が他方の導光部材47によって受光素子まで導かれるようになっている。また、現像ハウジング40内において、両導光部材46,47の互いに対向する端部の間には、所定の隙間が設けてある。
【0038】
トナーカートリッジ50は、トナーを収容する現像剤収容部51を内部に有する容器本体70と、現像剤収容部51内のトナーを外部へ排出する排出口52と、現像剤収容部51内のトナーを排出口52へ搬送する搬送部材としての搬送スクリュー53と、現像剤収容部51内の現像剤を撹拌する撹拌部材としてのアジテータ54等を備える。排出口52は現像剤収容部51の下部に設けられている。一方、トナーカートリッジ50が装着される仕切り板108の各装着部106には、トナーカートリッジ50の排出口52と連結される補給口49が形成されている。
【0039】
搬送スクリュー53は、回転軸530の外周に、螺旋状の羽根531を設けて形成されている。アジテータ54は、搬送スクリュー53の回転軸530と平行に配設された回転軸540に、平面状の変形可能な羽根541を設けて形成されている。アジテータ54の羽根541は、例えば、PETフィルム等から成る可撓性の材料で構成される。また、図2に示すように、現像剤収容部51の底面501を、羽根541の回転軌道に沿った円弧状に形成することで、羽根541によって移動されずに現像剤収容部51内に残ってしまうトナー量を減らすことができる。
【0040】
なお、本実施形態では、装置本体100に対し、トナーカートリッジ50を単独で着脱可能に構成しているが、この構成に限定されることはない。例えば、トナーカートリッジ50を現像装置4や感光体2等と一体的に構成し、プロセスユニットとして交換可能にしてもよい。あるいは、トナーカートリッジ50を現像装置4と一体的に構成し、現像ユニットとして交換することもできる。その場合、上記仕切り板108をなくし、当該仕切り板108に設けているような装着部106を現像装置4の上部に設けることで、トナーカートリッジ50を現像装置4の上部に直接装着することが可能である。
【0041】
図2を参照しつつ、上記現像装置の現像動作について説明する。
作像動作開始の指示があり、現像ローラ41と供給ローラ42が回転を開始すると、供給ローラ42によって現像ローラ41の表面にトナーが供給され担持される。現像ローラ41上に担持されたトナーは、現像ローラ41と現像ブレード43とのニップ部を通過することにより、トナー層の厚さが規制されると同時に摩擦荷電させられる。そして、現像ローラ41上のトナーが感光体2との対向位置(現像領域)に搬送されると、トナーが感光体2上の静電潜像へ静電的に転移してトナー画像が形成される。
【0042】
続いて、現像装置へのトナー補給動作について説明する。
現像装置へのトナーの補給は、現像ハウジング40内のトナー量が所定の基準値以下となった場合に行われる。具体的に、現像ハウジング40内にトナー量が所定の基準値よりも多い場合は、2つの導光部材46,47の互いに対向する端部間にトナーが存在しており、そのトナーによって端部間における光路が遮断されているため、受光素子には光が届かない状態となっている。その後、現像ハウジング40内のトナーが消費されトナー量が所定の基準値以下になると、上記導光部材46,47の互いに対向する端部間にトナーが存在しなくなり、当該端部間において光が透過するようになる。このときの光の透過を検知することによって、トナー補給の指示が発せられる。
【0043】
トナー補給の指示が発せられると、トナーカートリッジ50内の搬送スクリュー53が回転する。これにより、トナーが排出口52へ向かって搬送され、排出口52から現像ハウジング40の第1の領域E1内にトナーが補給される。また、本実施形態では、トナーカートリッジ50内の搬送スクリュー53が回転を開始すると同時に、アジテータ54も回転を開始する。このアジテータ54の回転によって、トナーカートリッジ50内のトナーが撹拌されると共に搬送スクリュー53の方へ移動させられる。その後、トナーの補給によって、現像ハウジング40内のトナー量が所定の基準値よりも多くなると(トナーによって2つの導光部材46,47間の光路が遮断されると)、搬送スクリュー53とアジテータ54の回転駆動が停止され、トナー補給を終了する。
【0044】
一方、現像ハウジング40では、トナーの補給があると、第1の領域E1内に設けられた搬送スクリュー44と、第2の領域E2に設けられた搬送スクリュー45が回転し、各領域E1,E2でトナーが互いに反対方向に搬送される。各搬送スクリュー44,45によって各領域E1,E2の搬送方向下流端まで搬送されたトナーは、仕切部材48の両端部に形成された各連通口48aを通って、他方の領域内(領域E1から領域E2、又は領域E2から領域E1)に送り込まれる。そして、他方の領域内に送り込まれたトナーは、それぞれの領域内で搬送スクリュー44,45によって搬送され、上記とは反対側の連通口48aを通って元の領域内に戻される。この動作を繰り返し行うことにより、トナーが第1の領域E1と第2の領域E2との間で循環し、補給された新しいトナーと現像ハウジング40内にあるトナーとが混ざり合う。
【0045】
このように、本実施形態では、現像ハウジング40内でトナーを循環させることで、トナーの状態(トナー中の新しいトナーの割合)を均一にし、色ムラや地汚れ等の不具合の発生を防止している。
【0046】
図3は、上記トナーカートリッジの外観図である。
図3に示すように、トナーカートリッジ50の容器本体70は、上ケース55と下ケース56を有する。これらのケース55,56を接合することによって形成される内部空間に、トナーや、上記搬送スクリュー53及びアジテータ54が収容されている。両ケース55,56の接合方法には、振動溶着や超音波溶着などの溶着、もしくは、両面粘着テープや接着剤などによる接着などの方法が用いられる。
【0047】
上ケース55及び下ケース56の長手方向の一端側の側面には、ギヤカバー57が設けられている。ギヤカバー57内には、容器本体70内で回転駆動される回転部材としての、上記搬送スクリュー53や上記アジテータ54に駆動力を伝達する複数のギヤが収容されている。これらのギヤをギヤカバー57で覆っていることで、ユーザー等がトナーカートリッジ50の交換作業中に誤ってギヤに触れるのを防止できる。
【0048】
また、ギヤカバー57には、情報記憶媒体58が設けてある。この情報記憶媒体58には、収容されているトナーの色やトナー量などのトナーカートリッジ50に関する情報が記憶されている。情報記憶媒体58は複数の接続端子を有しており、各接続端子が画像形成装置本体100側に設けられた図示しない情報読み取り装置に電気的に接続されることで、トナーカートリッジ50に関する情報を読み取り、又は情報記憶媒体58が記憶している情報を更新することができるようになっている。
【0049】
また、ギヤカバー57が設けられている容器本体70の一端側には、トナーを充填するための充填口を密封するキャップ部材59と、上記排出口52を開閉するシャッター60が設けられている。キャップ部材59は、充填口からトナーカートリッジ50内にトナーが充填された後、充填口からのトナー漏れを防止するために取り付けられる。シャッター60は、容器本体70に回動可能に設けられており、シャッター60が回動することで、排出口52が開放された状態と閉鎖された状態とに切換可能となっている。
【0050】
また、容器本体70の長手方向の中央部上面には、取っ手61が設けられている。取っ手61は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどの材質から成る可撓性を有する部材で形成されている。トナーカートリッジ50を交換する際に、ユーザー等がこの取っ手61を把持することで、容易にトナーカートリッジ50を着脱できるようになっている。
【0051】
図4に、トナーカートリッジから上ケースとギヤカバーを取り外した状態を示す。
図4において、符号62,63,64は、上記ギヤカバー57内に収容される複数のギヤである。これらのギヤのうち、符号62と符号63で示すギヤは、下ケース56の一端側の側面から外部に突出した搬送スクリュー53とアジテータ54の各回転軸に設けられた搬送駆動ギヤと撹拌駆動ギヤである。また、符号64で示すギヤは、搬送駆動ギヤ62及び撹拌駆動ギヤ63と噛み合って回転トルクを伝達するトルク伝達ギヤである。
【0052】
また、下ケース56の搬送スクリュー53とアジテータ54の各回転軸が貫通する箇所には、各回転軸を受けると共にその貫通箇所からのトナー漏れを防止するシール機能を有する軸受部材80,81(図19参照)が設けられている。この軸受部材80,81のシール機能には、例えば、Gシールなどを用いることが可能である。Gシールは、リング本体の内周部に一体に形成された弾性密封リップによって軸をラジアル方向に締め付けてシールする断面略G字型のゴム製のシールリングである。また、Gシールを用いたものよりも低コストな軸受部材として、硬度の高いスポンジとPOMなどの樹脂軸受を組み合わせたものを用いてもよい。
【0053】
本実施形態では、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着すると、搬送駆動ギヤ62が、装置本体100に設けられている本体側駆動ギヤ105(図11参照)と噛み合う状態となる。この状態で、本体側駆動ギヤ105が回転駆動すると、搬送駆動ギヤ62、トルク伝達ギヤ64及び撹拌駆動ギヤ63は、それぞれ、図4の矢印で示す方向に回転し、搬送スクリュー53とアジテータ54とが回転するようになっている。
【0054】
なお、本実施形態における搬送駆動ギヤ62は大径のギヤ部と小径のギヤ部とを有する二段ギヤで構成されており、このうち、大径のギヤ部に上記トルク伝達ギヤ64が連結し、小径のギヤ部に上記本体側駆動ギヤ105が連結するようになっている。
【0055】
以下、上記トナーカートリッジ50の構成についてさらに詳しく説明する。
図5及び図6は、トナーカートリッジのギヤカバーを取り外した状態を示す側面図である。
本実施形態において、上記トルク伝達ギヤ64は、図5に示すように、他のギヤ62,63と噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、図6に示すように、前記作動位置から待避した待避位置との間で移動可能に構成されている。具体的に、トルク伝達ギヤ64は、搬送スクリュー53(又は搬送駆動ギヤ62)の回転軸530を中心に回動可能に設けられたギヤホルダ71に保持されており、このギヤホルダ71が回動することでトルク伝達ギヤ64が図5に示す作動位置と図6に示す待避位置とに切り換えられるようになっている。
【0056】
本実施形態では、ギヤ列を3つのギヤ62,63,64で構成しているが、ギヤ列は2つのギヤ又は4つ以上のギヤで構成されていてもよい。また、作動位置と待避位置との間で移動させるギヤは、ギヤ列を構成するギヤのうちの複数のギヤであっても構わない。
【0057】
図7に示すように、ギヤホルダ71には、上記シャッター60が一体的に設けられている。従って、図5又は図6に示すように、ギヤホルダ71が回動すると、これに伴ってシャッター60も搬送スクリュー53の回転軸530を中心に回動するようになっている。この場合、図5に示すように、トルク伝達ギヤ64が作動位置に配設された状態では、シャッター60によって排出口52が開放され、一方、図6に示すように、トルク伝達ギヤ64が待避位置に配設された状態では、シャッター60によって排出口52が閉鎖されるように構成されている。
【0058】
また、付勢手段としての引張バネ72の一端部が、ギヤホルダ71に設けてある取付部71aに引っ掛けて取り付けられ、当該引張バネ72の他端部が、上ケース55の側面に設けられた取付部70aに引っ掛けて取り付けられている。この引張バネ72による引張力(付勢力)によって、ギヤホルダ71はトルク伝達ギヤ64を撹拌駆動ギヤ63から離間させるように付勢されている。従って、ギヤホルダ71に外力が作用しない状態では、図6に示すように引張バネ72によってギヤホルダ71が上方に引っ張られ、トルク伝達ギヤ64は待避位置に配設されるようになっている。
【0059】
また、ギヤホルダ71には、トナーカートリッジ50を装置本体100へ装着する際に、装置本体100に設けてある当接部102(図11参照)が当接する被当接部71bが設けられている。
【0060】
図8は、ギヤカバーを表側から見た斜視図である。
図8に示すように、ギヤカバー57の外面(表側の面)には、上下方向に配設された溝73が形成されている。この溝73は、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着する際に、装置本体100に設けられた突起部101(図11参照)との協働により、装置本体100に対して容器本体70を装着方向にガイドする機能と、装置本体100に対して容器本体70を位置決めする機能を有する。具体的には、溝73のうち、下端部から上方の幅が狭くなっている部分の手前までが、ガイド機能を有する容器側ガイド部73aであり、前記幅が狭くなっている部分が位置決め機能を有する容器側位置決め部73bである。容器側ガイド部73aの下端部は、下方へ臨んで開口している。この容器側ガイド部73aの開口した部分では幅が広く形成され、その幅は容器側ガイド部73aの上部において容器側位置決め部73bに向かって徐々に狭くなるように形成されている。
【0061】
また、ギヤカバー57の表側には、装置本体100に対する別の容器側ガイド部及び容器側位置決め部として、凸部79が設けられている。この凸部79は、装置本体100に設けられた本体側溝103(図11参照)との協働により、装置本体100に対して容器本体70を装着方向にガイドすると共に、装置本体100に対して容器本体70の位置決めを行う。このように、本実施形態では、置本体100に対する容器本体70の位置決めを、図8に示す溝73の容器側位置決め部73bと凸部79との2箇所で行っている。
【0062】
図9は、ギヤカバーを裏側から見た斜視図である。
図9に示すように、ギヤカバー57の裏面には、位置決め用のボス76が突出して設けられている。このボス76は、ギヤカバー57を各ケース55,56に取り付ける際に、上ケース55の側面に設けられた長孔77(図5参照、長方形の穴)に挿入される。これにより、ギヤカバー57が上ケース55に対し位置決めされるようになっている。なお、各ケース55,56へのギヤカバー57の取付は、双方又は一方に設けた弾性変形可能な掛け止め片(本実施形態では図9の掛け止め片57a)を相手側の爪に掛け止めすることよって行っている。
【0063】
また、ギヤカバー57の裏面には、孔部78が形成されている。この孔部78には、搬送スクリュー53の下ケース56から突出した回転軸530の一端部が挿入される。すなわち、この孔部78によって搬送スクリュー53の回転軸530を保持することで、ギヤカバー57が下ケース56に対して位置決めされるようになっている。このように、本実施形態では、各ケース55,56に対するギヤカバー57の位置決めを、図9に示すボス76と孔部78との2箇所で行っている。
【0064】
上記のように、本実施形態では、ギヤカバー57の表側と裏側とに、装置本体100に対する位置決め部と、各ケース55,56に対する位置決め部を、それぞれ2箇所設けているが、これらの位置決め部はギヤカバー57の表側と裏側とで同じ位置もしくはほぼ同じ位置に配設されている。具体的には、図8に示す溝73の容器側位置決め部73bの裏側近傍に、図9に示すボス76が配設され、図8に示す凸部79の裏側に、図9に示す孔部78が配設されている。
【0065】
図10は、トナーカートリッジをギヤカバー側から見た図である。
図10では、溝73を設けたギヤカバー57の外面上における、各ギヤ62,63,64の投影領域を点線で示している。また、符号Jで示す領域は、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域であり、符号Uで示す領域は、待避位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域である。このように、本実施形態では、溝73の容器側ガイド部73aの一部を、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J内に配設している。なお、容器側ガイド部73aの全部を、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J内に配設することも可能である。一方、幅の狭い容器側位置決め部73bは、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J外に配設されることが必要である。
【0066】
以下、装置本体100の構成について説明する。
図11に示すように、装置本体100の内部には、各色のトナーカートリッジ50を装着する複数の装着部106が設けられている。この装着部106は、トナーカートリッジ50ごとに1つずつ、合計4つ設けられているが、図11では、そのうちの2つにトナーカートリッジ50を装着した状態を示している。いずれの装着部106にトナーカートリッジ50を装着するかについては、トナーカートリッジ50内のトナーの色ごとに予め決められている。
【0067】
各装着部106には、上方に向かって突出した当接部102が設けられている。この当接部102は、トナーカートリッジ50を装置本体100へ装着する際に、上記ギヤホルダ71の被当接部71b(図7参照)に対し当接するものである。
【0068】
図11に示す一方の側壁111の内面には、情報読み取り装置の接続端子104が4箇所に設けられている。これらの接続端子104は、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着した状態で、トナーカートリッジ50のギヤカバー57に設けられている情報記憶媒体58の接続端子と接続されるようになっている。
【0069】
また、装置本体100の側壁111の内面には、装着部106ごとに、水平方向に突出した突起部101が設けられている。この突起部101は、上記ギヤカバー57に設けられた溝73(図8参照)と協働して、容器本体70を着脱方向にガイドする本体側ガイド部としての機能と、容器本体70を装置本体100に位置決めする本体側位置決め部としての機能を有する。
【0070】
さらに、装置本体100の側面111の内面には、装着部106ごとに、上記突起部101とは別の本体側ガイド部及び本体側位置決め部としての本体側溝103が上下方向に設けられている。各本体側溝103の上端部103aは上方を臨んで開口しており、その開口する上端部103aから上記トナーカートリッジ50に設けられた凸部79(図8参照)を挿入可能となっている。一方、本体側溝103の下端部103bには、凸部79を受ける受け部が形成されている。すなわち、本体側溝103の下端部103bが凸部79を位置決めする本体側位置決め部として機能し、本体側溝103の上端部103aから下端部103bの手前までが凸部79をガイドする本体側ガイド部として機能するようになっている。
【0071】
また、各本体側溝103の下端部103bの近傍には、本体側駆動ギヤ105が設けられている。この本体側駆動ギヤ105は、装置本体100に設けられた図示しない駆動源によって回転駆動されるようになっている。また、本体側駆動ギヤ105は、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着した状態で、上記搬送駆動ギヤ62(図5参照)と噛み合うようになっている。
【0072】
図12は、図11に示すのとは反対側の側面の装置本体の内部構造を示す図である。
図12に示すように、他方の側壁112側には、装着部106ごとに、トナーカートリッジ50を一方(反対側)の側壁111側に付勢する付勢部材107が設けられている。本実施形態では、付勢部材107を板バネで構成している。
【0073】
以下、図13を参照しつつ、上記本実施形態に係るトナーカートリッジ50の装置本体100への着脱動作について説明する。
まず、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着する場合は、装置本体100の上部カバー109(図1参照)を開放し、装着部106へトナーカートリッジ50を装着可能な状態にする。そして、トナーカートリッジ50を把持し、図13(a)に示すように、トナーカートリッジ50を装置本体100の上部開口部から下方の装着部106へ向かって挿入する。
【0074】
トナーカートリッジ50を装置本体100内に挿入する際は、図13(b)に示すように、トナーカートリッジ50に設けられた凸部79を、装置本体100に設けられた本体側溝103に挿入する。このように、凸部79を本体側溝103に挿入することで、凸部79と本体側溝103との協働により、トナーカートリッジ50がガイドされつつ挿入される。さらに、トナーカートリッジ50を下方へ挿入すると、トナーカートリッジ50に設けられた溝73に装置本体100に設けられた突起部101が挿入され、この突起部101と溝73との協働によっても、トナーカートリッジ50がガイドされる。
【0075】
そして、図13(c)に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態となると、トナーカートリッジ50側の凸部79が、本体側溝103の溝の下端部(受け部)に当接し、これらの当接によってトナーカートリッジ50が位置決めされる。詳しくは、凸部79と本体側溝103の下端部との協働によって、トナーカートリッジ50の下方への移動と、装置本体100の側壁111に沿った横方向(図13(c)における水平方向)への移動が規制される。
【0076】
また、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態では、本体側の突起部101が、溝73の幅が狭くなっている容器側位置決め部73bに配設され、これらの協働によってもトナーカートリッジ50が位置決めされる。詳しくは、突起部101と溝73の容器側位置決め部73bとの協働により、上記凸部79を中心としたトナーカートリッジ50の回転方向の移動が規制される。
【0077】
本実施形態では、トナーカートリッジ50側の溝73の下端部において、幅が広く形成されているので、その下端部から突起部101を挿入しやすくなっている。また、溝73の幅は、容器側位置決め部73bに向かって徐々に狭くなるように形成されているため、突起部101を容器側位置決め部73bへ円滑にガイドでき、幅の狭い容器側位置決め部73bにおいて、突起部101との協働により精度良く位置決めできるようになっている。
【0078】
また、本実施形態では、上述のように、ギヤカバー57の表側に設けた装置本体100に対する位置決め部(図8に示す溝73の容器側位置決め部73bと凸部79)と、ギヤカバー57の裏側に設けた各ケース55,56に対する位置決め部(図9に示すボス76と孔部78)とが、ギヤカバー57の表側と裏側とで同じ位置もしくはほぼ同じ位置に配設されている。しかも、表側の凸部79と裏側の孔部78とが、それぞれの位置決めの主基準となり、表側の容器側位置決め部73bとその裏側近傍のボス76とが、ぞれぞれの位置決めの従基準となっている。このように、本実施形態では、ギヤカバー57の表側と裏側における位置決めの主基準と従基準の位置を、表側と裏側とで同じ位置又はほぼ同じ位置に設定しているので、図13(a)〜(c)の紙面を基準平面とするときの両主基準間の距離、及び両従基準間の距離がそれぞれ極小(ほぼ0mm)に設定されることになる。そうすると、ギヤを保護するという事情でギヤカバー57を採用したが、その影響、即ち、ギヤカバー57を介して装置本体100に容器本体70の位置を決める際の寸法ばらつきを抑制でき、結果、トナーカートリッジを大量生産した場合でも全品で装置本体100への位置決めを精度良く行うことができる。
【0079】
また、上記突起部101や溝73によってトナーカートリッジ50が位置決めされる側とは反対側の端部側では、装置本体100に設けられた付勢部材107(図12参照)によってトナーカートリッジ50が、装置本体100の突起部101等を設けた側壁111側へ付勢される。この付勢力によって、トナーカートリッジ50の装置本体100の側壁111に直交する方向(図13(c)の紙面に直交する方向)への移動が規制され、本体側溝103からの凸部79の脱落や、容器側位置決め部73bからの突起部101の脱落が防止される。特に本実施形態では、付勢部材107は容器本体70とギヤカバー57とを介して情報記憶媒体58の複数の接続端子を本体側の接続端子に確実に押し付け、導通を確保する機能をも担っている。
【0080】
また、図13(c)に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態にすると、ギヤホルダ71の被当接部71bに、装置本体100に設けられた当接部102が当接する。これにより、ギヤホルダ71は、引張バネ72の引張力(付勢力)に抗して図13(c)に示す矢印の方向に回動され、トルク伝達ギヤ64が撹拌駆動ギヤ63と噛み合う作動位置に配設される。また、ギヤホルダ71が回動することによって、ギヤホルダ71に一体的に設けられたシャッター60も回動し、排出口52が開放された状態となる。
【0081】
また、上記トルク伝達ギヤ64が作動位置に移動する際、溝73内では突起部101が移動中であるが、トルク伝達ギヤ64が溝73に接近した時点で、突起部101はすでに溝73上の作動位置と重なる領域を通過しているので、トルク伝達ギヤ64と突起部101とが干渉することはない。
【0082】
図14に、上記トルク伝達ギヤ64が作動位置に配設された状態、図15に、上記排出口52が開放された状態を示す。なお、図14において、ギヤカバー57は図示省略している。
【0083】
また、図13(c)に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態では、上記開放された排出口52が補給口49と連結される。さらに、トナーカートリッジ50を装着した状態では、本体側駆動ギヤ105が搬送駆動ギヤ62と連結され、本体側の図示しない駆動源から上記搬送スクリュー53とアジテータ54に対して回転トルクを伝達可能な状態となる。これにより、搬送スクリュー53及びアジテータ54を回転させることで、上記開放された排出口52から補給口49を介して現像装置へトナーを補給することができるようになる。
【0084】
また、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態では、トナーカートリッジ50側の情報記憶媒体58の接続端子が、装置本体100側の情報読み取り装置の接続端子104に接続され、トナーカートリッジ50に関する情報を読み取り、又は情報記憶媒体58が記憶している情報を更新できるようになる。
【0085】
次に、トナーカートリッジ50を装置本体から取り外す場合は、上記装着時とは反対に、トナーカートリッジ50を把持して上方へ持ち上げる。このとき、トナーカートリッジ50は、本体側溝103と凸部79との協働作用、及びトナーカートリッジ50側の溝73と突起部101との協働作用によって、ガイドされる。また、トナーカートリッジ50を持ち上げると、ギヤホルダ71の被当接部71bに対する装置本体100側の当接部102による当接が解除され、ギヤホルダ71は引張バネ72の引張力(付勢力)によって回動して元の位置に戻される。これにより、シャッター60が回動して排出口52を閉鎖すると共に、トルク伝達ギヤ64が撹拌駆動ギヤ63と離間する待避位置に配設される(図13(b)参照)。
【0086】
図16に、上記トルク伝達ギヤ64が待避位置に配設された状態、図17に、上記排出口52が閉鎖された状態を示す。なお、図16において、ギヤカバー57は図示省略している。
【0087】
また、上記取り外し時にトナーカートリッジ50を持ち上げるのに伴い、溝73に挿入されている突起部101は溝73上の作動位置と重なる領域を通過することになるが、突起部101が当該領域に達したときには、トルク伝達ギヤ64はすでに溝73上から待避しているので、突起部101とトルク伝達ギヤ64とが干渉することはない。
【0088】
また、本実施形態では、上記のようにトナーカートリッジ50を取り外す際、その取り外し動作に連動して、シャッター60が自動的に排出口52を閉鎖するので、シャッター60の閉じ忘れによる排出口52からのトナーの漏洩や飛散を防止することができる。
【0089】
図18は、回転トルク伝達時にトナーカートリッジに生じる力を示す図である。
図18に示すように、本体側駆動ギヤ105が図の反時計回りに回転すると、本体側駆動ギヤ105と搬送駆動ギヤ62とが噛み合うトルク伝達部Gでは、矢印Fで示す方向に力が生じる。これにより、内部のトナーを攪拌、搬送する際に生じるギヤ62の回転負荷が力Fに抗し、トナーカートリッジ50全体には、位置決めされている凸部79を中心とする矢印W方向の回転力(モーメント)が生じる。しかし、上述のように、突起部101と溝73の容器側位置決め部73bとの協働により、凸部79を中心としたトナーカートリッジ50の回転方向の移動が規制されているので、前記回転力によりトナーカートリッジ50は回転することはない。特に本実施形態では凸部79の中心から突起部101の作用力を受ける箇所(一対の容器側位置決め部73bのうちの凸部79に近い側)までの腕の長さL1が、凸部79の中心からトルク伝達部Gまでの腕の長さL2の約6.4倍と十分に長く、結果トナーカートリッジの回転阻止性(位置安定性)は良好といえる。かつ、ギヤカバー57においては、内側にトルク伝達ギヤ移動時の通過領域があるにもかかわらず、それを横切るように上方の容器側位置決め部73bから垂直下方に向けて容器側ガイド部73aを延在させ、本体側の突起部101が侵入する入り口部分をトナーカートリッジ50の底部近傍(搬送駆動ギヤ62と攪拌駆動ギヤ63の間)に配置させている。これにより、ユーザーが装置本体にトナーカートリッジを装着する際、簡単に突起部101にガイド部73aの入り口を係合させることができ、その後のセット動作をスムーズに行うことができる。このような回転阻止性と装着容易性は、凸部79(即ち、シャッター60と関係する搬送駆動ギヤ62の中心)、容器側位置決め部73b、容器側ガイド部73aの三者の配置関係に拠るものであり、それらと干渉せずにトルク伝達ギヤの配置を成立させた移動機構と関連して創案された本発明の工夫部分と言える。
【0090】
また、図19は、トナーカートリッジを装置本体に装着した状態で、そのトナーカートリッジを下方から見た断面図である。
図19に示すように、上記搬送駆動ギヤ62のトルク伝達部Gは、トナーカートリッジ50の長手方向Q(又は、搬送スクリュー53の回転軸方向)において、本体側溝103と凸部79とによる位置決め箇所αと、トナーカートリッジ50側の溝73と本体側の突起部101とによる位置決め箇所βとの間に配設されている。すなわち、トナーカートリッジ50側の2つの位置決め部としての、凸部79及び溝73は、トルク伝達部Gを基準に前記長手方向Qの一方側と他方側に設けられている。
【0091】
図20は、比較例のトナーカートリッジを装置本体に装着した状態で、そのトナーカートリッジを下方から見た断面図である。
この比較例では、上記実施形態とは異なり、トナーカートリッジ50の長手方向Qにおいて、本体側溝103と凸部79とによる位置決め箇所αと、トナーカートリッジ50側の溝73と本体側の突起部101とによる位置決め箇所βとが、搬送駆動ギヤ62のトルク伝達部Gに対して、同じ側(図の上側)に設けられている。それ以外は、上記実施形態と同様の構成である。すなわち、図20に示す実施形態では、トルク伝達部Gに対して、長手方向Qの片側で位置決めする構成となっている。
【0092】
この場合、本体側駆動ギヤ105が回転することにより、トルク伝達部Gにおいて矢印F方向の力が発生すると、トルク伝達部Gに対して長手方向Qの片側で位置決めする構成であるので、トナーカートリッジ50の長手方向Qの一端側と他端側とでねじれが生じることも考えられる。特に、本実施形態に係るトナーカートリッジ50のように、ギヤ列を設けた端部とは反対側の端部では、位置決めをせずに、付勢部材107によって長手方向Qに付勢しているだけの構成の場合、その端部側において長手方向Qに交差する方向の位置ずれが生じやすい。
【0093】
そこで、本実施形態では、図19に示すように、トナーカートリッジ50の容器側位置決め部(位置決め箇所αとβ)を、トルク伝達部Gに対して長手方向Qの両側に設けることにより、トルク伝達部Gにおいてトナーカートリッジ50が力Fを受けたとしても、トナーカートリッジ50の長手方向の一端側と他端側とでねじれが生じるのを効果的に抑制することができるようになる。これにより、装置本体100に対するトナーカートリッジ50の位置決めをより高精度に行うことが可能となる。
【0094】
以上のように、上記本発明の実施形態では、トルク伝達ギヤ64を作動位置と待避位置との間で移動可能に構成しているので、着脱動作時において、突起部101がトナーカートリッジ50側の溝73を通過する際に、トルク伝達ギヤ64と干渉するのを回避できる。これにより、図10に示すように、溝73の容器側ガイド部73aの少なくとも一部を、その作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J内に配設することができるようになり、従来に比べてトナーカートリッジ50のガイド機構のレイアウト設計の自由度が向上する。
【0095】
このように、本発明によれば、ガイド機構のレイアウト設計の自由度が向上するので、トナーカートリッジを小型化することができ、ひいては画像形成装置全体のサイズの小型化を図ることができるようになる。例えば、図10に示すように、複数のギヤ62,63,64が連結されたギヤ列を有するトナーカートリッジ50において、従来の構成では、ギヤ列を避けて溝73を配設しなければならないため、溝73を、搬送駆動ギヤ62の投影領域に対して図の左側、あるいは撹拌駆動ギヤ63の投影領域に対して図の右側に配設する必要がある。しかし、このように溝73を配設すると、トナーカートリッジ50のサイズが図の左側又は右側(短手方向)に大きくなってしまう。あるいは、トナーカートリッジ50の長手方向Qを大きくし、溝73の内側にギヤ列を重ならないように配置することも考えられる。いずれの配置もトナーカートリッジのトナー収納容積とは関係のないサイズアップであり、製品の魅力を減じることになる。
【0096】
これに対し、本発明の構成によれば、図10に示すように、溝73とギヤ列とをトナーカートリッジ長手方向から見ると一見重なるよう、溝73を、搬送駆動ギヤ62と撹拌駆動ギヤ63との投影領域の間に配設することができので、従来の場合のようなトナーカートリッジ50のサイズの増大を回避でき、結果的に小型化を図ることができる。
【0097】
特に、図10に示すような実施形態の構成においては、下記の事情から、溝73がギヤ列を通過するように配設することが必要となる。
まず、図10に示すような構成の場合、情報記憶媒体58がトナーによって汚れにくくするために、情報記憶媒体58の配設位置は、排出口52から遠いトナーカートリッジ50の上部(ギヤカバー57を概ね長方形とみなしたときの略対角の方向に離れた位置)であることが望ましい。次に、情報記憶媒体58の位置決め精度を向上させるために、溝73の容器側位置決め部73bの配設位置は、情報記憶媒体58の近くであることが好ましい。その結果、溝73の容器側位置決め部73bの配設位置は、ギヤ列の上方となる。そうすると、本実施形態のように、トナーカートリッジ50を装置本体100に対して上下方向に着脱する方式では、溝73をギヤ列の上方から下方へ延ばして配設しなければならないため、結果として溝73がギヤ列を通過するように配設されることになる。
【0098】
そこで、特に、図10に示すような構成において、本発明の構成を適用することにより、溝73を搬送駆動ギヤ62と撹拌駆動ギヤ63との投影領域の間に配設することができるようになり、装置の小型化が期待できる。
【0099】
また、上記のように、本実施形態の構成では、情報記憶媒体58の近傍に容器側位置決め部73bを配設していることで、装置本体100に設けられた情報読み取り装置の接続端子に対する情報記憶媒体58の位置決め精度が向上する。これにより、情報記憶媒体58と情報読み取り装置との間での導通を確実に確保できるようになる。また、情報記憶媒体58の位置決め精度が向上することで、情報記憶媒体58側と情報読み取り装置側のそれぞれの接続端子の大きさを小さくすることが可能となる。通常、このような接続端子には、腐食を防止するため金メッキが施されているが、接続端子を小さくすることにより、これらに用いる金メッキの量も少なくなるため、製造コストの削減も図れるようになる。
【0100】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態では、本発明の構成を適用する画像形成装置として、図1に示すカラーレーザープリンタを例に説明したが、これに限らず、モノクロプリンタや、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも本発明の構成を適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1Y,1M,1C,1Bk プロセスユニット
2 感光体(潜像担持体)
4 現像装置
40 現像ハウジング
41 現像ローラ(現像剤担持体)
50 トナーカートリッジ(現像剤収容器)
52 排出口
53 搬送スクリュー(回転部材)
54 アジテータ(回転部材)
58 情報記憶媒体
60 シャッター
62 搬送駆動ギヤ
63 撹拌駆動ギヤ
64 トルク伝達ギヤ
70 容器本体
73 溝
73a 容器側ガイド部
73b 容器側位置決め部
79 凸部(容器側ガイド部及び容器側位置決め部)
100 画像形成装置本体
101 突起部(本体側ガイド部及び本体側位置決め部)
103 本体側溝(本体側ガイド部及び本体側位置決め部)
G トルク伝達部
J 作動位置にあるトルク伝達ギヤの投影領域
U 待避位置にあるトルク伝達ギヤの投影領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2006−139069号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を収容する現像剤収容器、現像剤収容器を有する現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の電子写真式の画像形成装置においては、現像装置、帯電装置、感光体等を一体の画像形成ユニットとし、これを画像形成装置本体に対して着脱可能に構成した方式が知られている。この方式は、ユーザー等がユニットを交換することで容易に装置のメンテナンスを行うことができるという利点から、多くの製品に採用されている。また、この種の画像形成ユニットには、トナー等の現像剤を収容する現像剤収容器を、当該ユニットと一体に構成したものや、ユニットとは別体で構成したものなどがある。
【0003】
前者の場合、収容されている現像剤が無くなると、画像形成ユニットを新品のユニットに交換する。この場合、現像装置や感光体等を使用済みの現像剤収容器と一緒に交換することができるため、交換作業が容易となる利点がある。
【0004】
一方、後者の場合は、収容されている現像剤が無くなると、現像剤収容器のみを新しいものと交換する。この場合、現像装置や感光体等が耐用寿命に達していなければ、これらを交換せずに続けて使用することが可能である。このため、近年の環境負荷への配慮の高まりから、現像剤収容器を単独で交換可能とする構成が主流となりつつある。
【0005】
現像剤収容器を単独で着脱する構成においては、現像剤収容器を画像形成装置本体に装着した状態で、容器側の排出口の位置と現像装置側の補給口の位置とを合わせる必要がある。そのため、一般に、現像剤収容器の外面には、着脱時に容器本体をガイドするためのガイド部や、画像形成装置本体に対して位置決めするための位置決め部が設けられている。
【0006】
また、現像剤収容器には、容器内の現像剤を搬送したり撹拌したりする搬送スクリューやアジテータなどの回転部材が設けられているものがある。このような現像剤収容器において、回転部材への駆動力は、画像形成装置本体に設けられている駆動源から得るのが一般的である。そのため、この種の現像剤収容器の外側には、本体側の駆動源からの駆動力を回転部材へ伝達するためのギヤが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、現像剤収容器の外側にギヤを設けた場合、着脱時に容器本体をガイドするためのガイド機構とギヤとが干渉しないようにしなければならない。そのため、容器側に設けるガイド部はギヤの配設位置を避けて配設しなければならないといったレイアウト上の制限がある。しかしながら、ギヤの配設位置を避けてガイド部を配設すると、結果的に現像剤収容器のサイズが大きくなり、装置の小型化を図りにくいといった問題がある。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑み、ガイド機構のレイアウト設計の自由度が向上すると共に、小型化を図り得る現像剤収容器、その現像剤収容器を有する現像装置、プロセスユニット及び画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された現像剤収容器であって、内部に現像剤を収容する容器本体と、容器本体内の現像剤を外部へ排出する排出口と、容器本体内で回転駆動される回転部材と、容器本体の外側に設けられ、前記回転部材に駆動トルクを伝達する複数のギヤから成るギヤ列と、画像形成装置本体に設けられた本体側ガイド部との協働により、画像形成装置本体に対して容器本体を着脱方向にガイドする容器側ガイド部とを備えた現像剤収容器において、前記ギヤ列を構成する一部のギヤを、他のギヤと噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、当該作動位置から待避した待避位置との間で移動可能とし、容器側ガイド部を設ける面上で、容器側ガイド部の一部または全部が、前記作動位置にあるギヤの投影領域内に配設されるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ギヤ列を構成する一部のギヤを作動位置と待避位置との間で移動可能に構成しているので、容器側ガイド部の一部または全部が、作動位置にあるギヤの投影領域内に配設されていても、容器本体の着脱動作時において、本体側ガイド部とギヤ列とが干渉するのを回避できる。また、本発明によれば、容器側ガイド部のレイアウト設計の自由度が向上するので、現像剤収容器の小型化を図れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】現像装置とトナーカートリッジの概略断面図である。
【図3】トナーカートリッジの外観図である。
【図4】トナーカートリッジから上ケースとギヤカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】トナーカートリッジのギヤカバーを取り外した状態を示す側面図である。
【図6】トナーカートリッジのギヤカバーを取り外した状態を示す側面図である。
【図7】ギヤホルダの斜視図である。
【図8】ギヤカバーを表側から見た斜視図である。
【図9】ギヤカバーを裏側から見た斜視図である。
【図10】トナーカートリッジをギヤカバー側から見た図である。
【図11】装置本体の一方の側壁側の内部構造を示す斜視図である。
【図12】装置本体の他方の側壁側の内部構造を示す斜視図である。
【図13】トナーカートリッジの装置本体への着脱動作を説明するための図である。
【図14】トルク伝達ギヤが作動位置に配設された状態を示す斜視図である。
【図15】排出口が開放された状態を示す斜視図である。
【図16】トルク伝達ギヤが待避位置に配設された状態を示す斜視図である。
【図17】排出口が閉鎖された状態を示す斜視図である。
【図18】トナーカートリッジに生じる力を説明するための図である。
【図19】トナーカートリッジを装置本体に装着した状態を下方から見た断面図である。
【図20】比較例のトナーカートリッジの装着状態を下方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明を適用する画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体(画像形成装置本体)100には、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
【0014】
具体的には、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3等を備えた帯電装置と、感光体2上の潜像に現像剤を供給する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード5等を備えたクリーニング装置などで構成されている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1M,1C,1Bkにおいては符号を省略している。また、本実施形態では、現像剤としてトナーから成る一成分現像剤を用いている。ただし、現像剤は、これに限らず、トナーとキャリアから成る二成分現像剤であってもよい。
【0015】
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが有する4つの現像装置4の上方には、それぞれ、各現像装置4に補給するためのトナーを収容した現像剤収容器としてのトナーカートリッジ50が配設されている。本実施形態では、各現像装置4と各トナーカートリッジ50との間に、装置本体100に設けられた仕切り板108が配設されており、この仕切り板108に形成された4つの装着部106に各トナーカートリッジ50が着脱可能に装着されている。
【0016】
また、各トナーカートリッジ50の上方付近には、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2の表面を露光する露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザー光を照射するようになっている。
【0017】
また、装置本体100の上部には、支点110を中心に回動することにより上下方向に開閉可能な上部カバー109が設けられている。また、この上部カバー109には、上記露光装置6が取り付けられている。このため、上部カバー109を開くと、露光装置6をトナーカートリッジ50の上方付近から待避させることができ、その状態でトナーカートリッジ50を装置本体100の上部開口部から着脱できるようになっている。
【0018】
上記各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト8を有する。中間転写ベルト8は、支持部材としての駆動ローラ9と従動ローラ10に張架されており、駆動ローラ9が図の反時計回りに回転することによって、中間転写ベルト8は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。
【0019】
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
【0020】
また、駆動ローラ9に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
【0021】
また、中間転写ベルト8の図の右端側の外周面には、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13が配設されている。このベルトクリーニング装置13から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、転写装置7の下方に配設された廃トナー収容器14の入り口部に接続されている。
【0022】
装置本体100の下部には、紙やOHPシート等の記録媒体Sを収容する給紙カセット15が配設されている。給紙カセット15には、収容されている記録媒体Sを送り出す給紙ローラ16が設けてある。一方、装置本体100の上部には、記録媒体を外部へ排出するための一対の排紙ローラ17が配設されている。また、排紙ローラ17によって排出された記録媒体をストックするための排紙トレイ18が、上部カバー109に設けられている。
【0023】
装置本体100内には、記録媒体Sを給紙カセット15から二次転写ニップを通って排紙トレイ18へ搬送するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って記録媒体を二次転写ニップへ搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ19が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向下流側には、定着装置20が配設されている。
【0024】
上記画像形成装置は以下のように動作する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない画像読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0025】
続いて、中間転写ベルト8を張架する駆動ローラ9が回転駆動し、中間転写ベルト8を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2上の各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト8はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト8に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
【0026】
一方、給紙カセット15では、給紙ローラ16が回転することにより、収容されている記録媒体Sが搬送路Rへ送り出される。搬送路Rへ送り出された記録媒体Sは、レジストローラ19によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト8上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上のトナー画像が記録媒体S上に一括して転写される。また、転写後の中間転写ベルト8上に残留するトナーは、ベルトクリーニング装置13によって除去され、除去されたトナーは、廃トナー収容器14へ搬送され回収される。
【0027】
その後、トナー画像が転写された記録媒体Sは、定着装置20へと搬送され、定着装置20において記録媒体S上のトナー画像が当該記録媒体Sに定着される。そして、記録媒体Sは、一対の排紙ローラ17によって装置外に排出され、排紙トレイ18上にストックされる。
【0028】
以上の説明は、記録媒体にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0029】
図2は、上記現像装置と上記トナーカートリッジの概略断面図である。
図2に示すように、現像装置4は、トナーを収容する現像ハウジング40と、トナーを担持する現像剤担持体としての現像ローラ41と、現像ローラ41にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ42と、現像ローラ41上に担持されたトナー量を規制する規制部材としての現像ブレード43と、トナーを搬送する搬送部材としての2つの搬送スクリュー44,45と、2つの導光部材46,47等を有する。
【0030】
現像ハウジング40の内部は、連通口48aを有する仕切部材48によって、図の上側の第1の領域E1と、図の下側の第2の領域E2とに分割されている。連通口48aは、仕切部材48の両端部(図2の紙面に直交する方向の手前側と奥側)にそれぞれ設けられている。すなわち、第1の領域E1と第2の領域E2は、2つの連通口48aを形成した箇所で互いに連通している。
【0031】
第1の領域E1内には、一方の搬送スクリュー44と、2つの導光部材46,47が設けられている。一方、第2の領域E2内には、他方の搬送スクリュー45と、供給ローラ42が設けられている。また、第2の領域E2の感光体2と対向する開口部には、現像ローラ41及び現像ブレード43が設けてある。
【0032】
上記2つの搬送スクリュー44,45は、それぞれ回転軸440,450の外周に螺旋状の羽根441,451を設けて形成されている。各搬送スクリュー44,45が回転すると、それぞれの軸方向にトナーを搬送するようになっているが、ここでは、各搬送スクリュー44,45によるトナー搬送方向は互いに逆方向となっている。
【0033】
上記現像ローラ41は、金属製の芯金と、その芯金の外周に配設された導電性ゴムで構成されている。本実施形態では、芯金の外径をφ6、導電性ゴムの外周をφ12、ゴム硬度Hs75に設定している。また、導電性ゴムは、体積抵抗値を約105〜107Ω程度に調整されている。導電性ゴムとしては、例えば、導電性ウレタンゴムやシリコーンゴム等を使用可能である。現像ローラ41は、図2において反時計回りの方向に回転し、表面に保持した現像剤を現像ブレード43及び感光体2との対向位置へと搬送する。
【0034】
上記供給ローラ42には、一般に、スポンジローラなどが用いられる。スポンジローラとしては、金属製の芯金の外周に、カーボンを混合して半導電化させた発泡ポリウレタンを付着したものが適当である。本実施形態では、芯金の外径をφ6、スポンジ部分の外径をφ12に設定している。供給ローラ42は、現像ローラ41に対して当接している。供給ローラ42と現像ローラ41とが当接して形成されるニップ部は、通常約1mm〜3mm程度に設定されている。本実施形態では、ニップを2mmとしている。また、供給ローラ42は、現像ローラ41に対してカウンター方向(図2において反時計回り)に回転することで、現像ハウジング40内のトナーを現像ローラ41の表層まで効率よく供給できるようにしている。さらに、本実施形態では、現像ローラ41と供給ローラ42の回転数比を1に設定することで、良好なトナー供給機能を確保している。
【0035】
上記現像ブレード43は、例えば、厚さ0.1mm程度のSUSなどの金属板で構成される。現像ブレード43は、その先端側で現像ローラ41の表面に当接している。現像ブレード43による現像ローラ41上のトナー量の制御は、現像特性を安定させ良好な画質を得るために非常に重要なパラメータである。そのため、通常の製品においては現像ローラ41に対する現像ブレード43の当接圧は20〜60N/m程度、ニップ部の位置は現像ブレード43の先端から0.5±0.5mm程度に厳しく管理されている。また、これらのパラメータは、使用するトナー、現像ローラ、供給ローラなどの特性に合わせて適宜決定される。本実施形態では、現像ブレード43を厚さ0.1mmのSUS材で構成し、当接圧45N/m、ニップ部の位置を現像ブレード43の先端から0.2mm、現像ブレード43の支持端部から自由端(先端)までの長さ(自由長)を14mmに設定することで、現像ローラ41上に安定したトナーの薄層を形成できるようにしている。
【0036】
上記2つの導光部材46,47は、光透過性の良い材料を用いて形成される。その材料として、例えば、樹脂を用いる場合は、透明度の高いアクリル材やPC材などが好ましい。また、各導光部材46,47の材料として、より良好な光学特性が得られる光学ガラスなどを用いることも可能である。あるいは、各導光部材46,47に光ファイバーを用いてもよい。この場合は、導光部材46,47によって形成される光路の設計自由度が向上する。
【0037】
各導光部材46,47の一端部は、現像ハウジング40の外側に露出している。プロセスユニットを画像形成装置本体に装着した状態では、これらの露出する各端部に対して、本体側に設けられたトナー量検知手段としての図示しない発光素子と受光素子が対向するようになっている。発光素子と受光素子が各導光部材46,47の露出する端部に対向した状態では、各導光部材46,47を介して、発光素子から受光素子へ光を導く光路が形成される。すなわち、発光素子から発せられる光が一方の導光部材46によって現像ハウジング40内に導かれ、さらにその光が他方の導光部材47によって受光素子まで導かれるようになっている。また、現像ハウジング40内において、両導光部材46,47の互いに対向する端部の間には、所定の隙間が設けてある。
【0038】
トナーカートリッジ50は、トナーを収容する現像剤収容部51を内部に有する容器本体70と、現像剤収容部51内のトナーを外部へ排出する排出口52と、現像剤収容部51内のトナーを排出口52へ搬送する搬送部材としての搬送スクリュー53と、現像剤収容部51内の現像剤を撹拌する撹拌部材としてのアジテータ54等を備える。排出口52は現像剤収容部51の下部に設けられている。一方、トナーカートリッジ50が装着される仕切り板108の各装着部106には、トナーカートリッジ50の排出口52と連結される補給口49が形成されている。
【0039】
搬送スクリュー53は、回転軸530の外周に、螺旋状の羽根531を設けて形成されている。アジテータ54は、搬送スクリュー53の回転軸530と平行に配設された回転軸540に、平面状の変形可能な羽根541を設けて形成されている。アジテータ54の羽根541は、例えば、PETフィルム等から成る可撓性の材料で構成される。また、図2に示すように、現像剤収容部51の底面501を、羽根541の回転軌道に沿った円弧状に形成することで、羽根541によって移動されずに現像剤収容部51内に残ってしまうトナー量を減らすことができる。
【0040】
なお、本実施形態では、装置本体100に対し、トナーカートリッジ50を単独で着脱可能に構成しているが、この構成に限定されることはない。例えば、トナーカートリッジ50を現像装置4や感光体2等と一体的に構成し、プロセスユニットとして交換可能にしてもよい。あるいは、トナーカートリッジ50を現像装置4と一体的に構成し、現像ユニットとして交換することもできる。その場合、上記仕切り板108をなくし、当該仕切り板108に設けているような装着部106を現像装置4の上部に設けることで、トナーカートリッジ50を現像装置4の上部に直接装着することが可能である。
【0041】
図2を参照しつつ、上記現像装置の現像動作について説明する。
作像動作開始の指示があり、現像ローラ41と供給ローラ42が回転を開始すると、供給ローラ42によって現像ローラ41の表面にトナーが供給され担持される。現像ローラ41上に担持されたトナーは、現像ローラ41と現像ブレード43とのニップ部を通過することにより、トナー層の厚さが規制されると同時に摩擦荷電させられる。そして、現像ローラ41上のトナーが感光体2との対向位置(現像領域)に搬送されると、トナーが感光体2上の静電潜像へ静電的に転移してトナー画像が形成される。
【0042】
続いて、現像装置へのトナー補給動作について説明する。
現像装置へのトナーの補給は、現像ハウジング40内のトナー量が所定の基準値以下となった場合に行われる。具体的に、現像ハウジング40内にトナー量が所定の基準値よりも多い場合は、2つの導光部材46,47の互いに対向する端部間にトナーが存在しており、そのトナーによって端部間における光路が遮断されているため、受光素子には光が届かない状態となっている。その後、現像ハウジング40内のトナーが消費されトナー量が所定の基準値以下になると、上記導光部材46,47の互いに対向する端部間にトナーが存在しなくなり、当該端部間において光が透過するようになる。このときの光の透過を検知することによって、トナー補給の指示が発せられる。
【0043】
トナー補給の指示が発せられると、トナーカートリッジ50内の搬送スクリュー53が回転する。これにより、トナーが排出口52へ向かって搬送され、排出口52から現像ハウジング40の第1の領域E1内にトナーが補給される。また、本実施形態では、トナーカートリッジ50内の搬送スクリュー53が回転を開始すると同時に、アジテータ54も回転を開始する。このアジテータ54の回転によって、トナーカートリッジ50内のトナーが撹拌されると共に搬送スクリュー53の方へ移動させられる。その後、トナーの補給によって、現像ハウジング40内のトナー量が所定の基準値よりも多くなると(トナーによって2つの導光部材46,47間の光路が遮断されると)、搬送スクリュー53とアジテータ54の回転駆動が停止され、トナー補給を終了する。
【0044】
一方、現像ハウジング40では、トナーの補給があると、第1の領域E1内に設けられた搬送スクリュー44と、第2の領域E2に設けられた搬送スクリュー45が回転し、各領域E1,E2でトナーが互いに反対方向に搬送される。各搬送スクリュー44,45によって各領域E1,E2の搬送方向下流端まで搬送されたトナーは、仕切部材48の両端部に形成された各連通口48aを通って、他方の領域内(領域E1から領域E2、又は領域E2から領域E1)に送り込まれる。そして、他方の領域内に送り込まれたトナーは、それぞれの領域内で搬送スクリュー44,45によって搬送され、上記とは反対側の連通口48aを通って元の領域内に戻される。この動作を繰り返し行うことにより、トナーが第1の領域E1と第2の領域E2との間で循環し、補給された新しいトナーと現像ハウジング40内にあるトナーとが混ざり合う。
【0045】
このように、本実施形態では、現像ハウジング40内でトナーを循環させることで、トナーの状態(トナー中の新しいトナーの割合)を均一にし、色ムラや地汚れ等の不具合の発生を防止している。
【0046】
図3は、上記トナーカートリッジの外観図である。
図3に示すように、トナーカートリッジ50の容器本体70は、上ケース55と下ケース56を有する。これらのケース55,56を接合することによって形成される内部空間に、トナーや、上記搬送スクリュー53及びアジテータ54が収容されている。両ケース55,56の接合方法には、振動溶着や超音波溶着などの溶着、もしくは、両面粘着テープや接着剤などによる接着などの方法が用いられる。
【0047】
上ケース55及び下ケース56の長手方向の一端側の側面には、ギヤカバー57が設けられている。ギヤカバー57内には、容器本体70内で回転駆動される回転部材としての、上記搬送スクリュー53や上記アジテータ54に駆動力を伝達する複数のギヤが収容されている。これらのギヤをギヤカバー57で覆っていることで、ユーザー等がトナーカートリッジ50の交換作業中に誤ってギヤに触れるのを防止できる。
【0048】
また、ギヤカバー57には、情報記憶媒体58が設けてある。この情報記憶媒体58には、収容されているトナーの色やトナー量などのトナーカートリッジ50に関する情報が記憶されている。情報記憶媒体58は複数の接続端子を有しており、各接続端子が画像形成装置本体100側に設けられた図示しない情報読み取り装置に電気的に接続されることで、トナーカートリッジ50に関する情報を読み取り、又は情報記憶媒体58が記憶している情報を更新することができるようになっている。
【0049】
また、ギヤカバー57が設けられている容器本体70の一端側には、トナーを充填するための充填口を密封するキャップ部材59と、上記排出口52を開閉するシャッター60が設けられている。キャップ部材59は、充填口からトナーカートリッジ50内にトナーが充填された後、充填口からのトナー漏れを防止するために取り付けられる。シャッター60は、容器本体70に回動可能に設けられており、シャッター60が回動することで、排出口52が開放された状態と閉鎖された状態とに切換可能となっている。
【0050】
また、容器本体70の長手方向の中央部上面には、取っ手61が設けられている。取っ手61は、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどの材質から成る可撓性を有する部材で形成されている。トナーカートリッジ50を交換する際に、ユーザー等がこの取っ手61を把持することで、容易にトナーカートリッジ50を着脱できるようになっている。
【0051】
図4に、トナーカートリッジから上ケースとギヤカバーを取り外した状態を示す。
図4において、符号62,63,64は、上記ギヤカバー57内に収容される複数のギヤである。これらのギヤのうち、符号62と符号63で示すギヤは、下ケース56の一端側の側面から外部に突出した搬送スクリュー53とアジテータ54の各回転軸に設けられた搬送駆動ギヤと撹拌駆動ギヤである。また、符号64で示すギヤは、搬送駆動ギヤ62及び撹拌駆動ギヤ63と噛み合って回転トルクを伝達するトルク伝達ギヤである。
【0052】
また、下ケース56の搬送スクリュー53とアジテータ54の各回転軸が貫通する箇所には、各回転軸を受けると共にその貫通箇所からのトナー漏れを防止するシール機能を有する軸受部材80,81(図19参照)が設けられている。この軸受部材80,81のシール機能には、例えば、Gシールなどを用いることが可能である。Gシールは、リング本体の内周部に一体に形成された弾性密封リップによって軸をラジアル方向に締め付けてシールする断面略G字型のゴム製のシールリングである。また、Gシールを用いたものよりも低コストな軸受部材として、硬度の高いスポンジとPOMなどの樹脂軸受を組み合わせたものを用いてもよい。
【0053】
本実施形態では、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着すると、搬送駆動ギヤ62が、装置本体100に設けられている本体側駆動ギヤ105(図11参照)と噛み合う状態となる。この状態で、本体側駆動ギヤ105が回転駆動すると、搬送駆動ギヤ62、トルク伝達ギヤ64及び撹拌駆動ギヤ63は、それぞれ、図4の矢印で示す方向に回転し、搬送スクリュー53とアジテータ54とが回転するようになっている。
【0054】
なお、本実施形態における搬送駆動ギヤ62は大径のギヤ部と小径のギヤ部とを有する二段ギヤで構成されており、このうち、大径のギヤ部に上記トルク伝達ギヤ64が連結し、小径のギヤ部に上記本体側駆動ギヤ105が連結するようになっている。
【0055】
以下、上記トナーカートリッジ50の構成についてさらに詳しく説明する。
図5及び図6は、トナーカートリッジのギヤカバーを取り外した状態を示す側面図である。
本実施形態において、上記トルク伝達ギヤ64は、図5に示すように、他のギヤ62,63と噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、図6に示すように、前記作動位置から待避した待避位置との間で移動可能に構成されている。具体的に、トルク伝達ギヤ64は、搬送スクリュー53(又は搬送駆動ギヤ62)の回転軸530を中心に回動可能に設けられたギヤホルダ71に保持されており、このギヤホルダ71が回動することでトルク伝達ギヤ64が図5に示す作動位置と図6に示す待避位置とに切り換えられるようになっている。
【0056】
本実施形態では、ギヤ列を3つのギヤ62,63,64で構成しているが、ギヤ列は2つのギヤ又は4つ以上のギヤで構成されていてもよい。また、作動位置と待避位置との間で移動させるギヤは、ギヤ列を構成するギヤのうちの複数のギヤであっても構わない。
【0057】
図7に示すように、ギヤホルダ71には、上記シャッター60が一体的に設けられている。従って、図5又は図6に示すように、ギヤホルダ71が回動すると、これに伴ってシャッター60も搬送スクリュー53の回転軸530を中心に回動するようになっている。この場合、図5に示すように、トルク伝達ギヤ64が作動位置に配設された状態では、シャッター60によって排出口52が開放され、一方、図6に示すように、トルク伝達ギヤ64が待避位置に配設された状態では、シャッター60によって排出口52が閉鎖されるように構成されている。
【0058】
また、付勢手段としての引張バネ72の一端部が、ギヤホルダ71に設けてある取付部71aに引っ掛けて取り付けられ、当該引張バネ72の他端部が、上ケース55の側面に設けられた取付部70aに引っ掛けて取り付けられている。この引張バネ72による引張力(付勢力)によって、ギヤホルダ71はトルク伝達ギヤ64を撹拌駆動ギヤ63から離間させるように付勢されている。従って、ギヤホルダ71に外力が作用しない状態では、図6に示すように引張バネ72によってギヤホルダ71が上方に引っ張られ、トルク伝達ギヤ64は待避位置に配設されるようになっている。
【0059】
また、ギヤホルダ71には、トナーカートリッジ50を装置本体100へ装着する際に、装置本体100に設けてある当接部102(図11参照)が当接する被当接部71bが設けられている。
【0060】
図8は、ギヤカバーを表側から見た斜視図である。
図8に示すように、ギヤカバー57の外面(表側の面)には、上下方向に配設された溝73が形成されている。この溝73は、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着する際に、装置本体100に設けられた突起部101(図11参照)との協働により、装置本体100に対して容器本体70を装着方向にガイドする機能と、装置本体100に対して容器本体70を位置決めする機能を有する。具体的には、溝73のうち、下端部から上方の幅が狭くなっている部分の手前までが、ガイド機能を有する容器側ガイド部73aであり、前記幅が狭くなっている部分が位置決め機能を有する容器側位置決め部73bである。容器側ガイド部73aの下端部は、下方へ臨んで開口している。この容器側ガイド部73aの開口した部分では幅が広く形成され、その幅は容器側ガイド部73aの上部において容器側位置決め部73bに向かって徐々に狭くなるように形成されている。
【0061】
また、ギヤカバー57の表側には、装置本体100に対する別の容器側ガイド部及び容器側位置決め部として、凸部79が設けられている。この凸部79は、装置本体100に設けられた本体側溝103(図11参照)との協働により、装置本体100に対して容器本体70を装着方向にガイドすると共に、装置本体100に対して容器本体70の位置決めを行う。このように、本実施形態では、置本体100に対する容器本体70の位置決めを、図8に示す溝73の容器側位置決め部73bと凸部79との2箇所で行っている。
【0062】
図9は、ギヤカバーを裏側から見た斜視図である。
図9に示すように、ギヤカバー57の裏面には、位置決め用のボス76が突出して設けられている。このボス76は、ギヤカバー57を各ケース55,56に取り付ける際に、上ケース55の側面に設けられた長孔77(図5参照、長方形の穴)に挿入される。これにより、ギヤカバー57が上ケース55に対し位置決めされるようになっている。なお、各ケース55,56へのギヤカバー57の取付は、双方又は一方に設けた弾性変形可能な掛け止め片(本実施形態では図9の掛け止め片57a)を相手側の爪に掛け止めすることよって行っている。
【0063】
また、ギヤカバー57の裏面には、孔部78が形成されている。この孔部78には、搬送スクリュー53の下ケース56から突出した回転軸530の一端部が挿入される。すなわち、この孔部78によって搬送スクリュー53の回転軸530を保持することで、ギヤカバー57が下ケース56に対して位置決めされるようになっている。このように、本実施形態では、各ケース55,56に対するギヤカバー57の位置決めを、図9に示すボス76と孔部78との2箇所で行っている。
【0064】
上記のように、本実施形態では、ギヤカバー57の表側と裏側とに、装置本体100に対する位置決め部と、各ケース55,56に対する位置決め部を、それぞれ2箇所設けているが、これらの位置決め部はギヤカバー57の表側と裏側とで同じ位置もしくはほぼ同じ位置に配設されている。具体的には、図8に示す溝73の容器側位置決め部73bの裏側近傍に、図9に示すボス76が配設され、図8に示す凸部79の裏側に、図9に示す孔部78が配設されている。
【0065】
図10は、トナーカートリッジをギヤカバー側から見た図である。
図10では、溝73を設けたギヤカバー57の外面上における、各ギヤ62,63,64の投影領域を点線で示している。また、符号Jで示す領域は、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域であり、符号Uで示す領域は、待避位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域である。このように、本実施形態では、溝73の容器側ガイド部73aの一部を、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J内に配設している。なお、容器側ガイド部73aの全部を、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J内に配設することも可能である。一方、幅の狭い容器側位置決め部73bは、作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J外に配設されることが必要である。
【0066】
以下、装置本体100の構成について説明する。
図11に示すように、装置本体100の内部には、各色のトナーカートリッジ50を装着する複数の装着部106が設けられている。この装着部106は、トナーカートリッジ50ごとに1つずつ、合計4つ設けられているが、図11では、そのうちの2つにトナーカートリッジ50を装着した状態を示している。いずれの装着部106にトナーカートリッジ50を装着するかについては、トナーカートリッジ50内のトナーの色ごとに予め決められている。
【0067】
各装着部106には、上方に向かって突出した当接部102が設けられている。この当接部102は、トナーカートリッジ50を装置本体100へ装着する際に、上記ギヤホルダ71の被当接部71b(図7参照)に対し当接するものである。
【0068】
図11に示す一方の側壁111の内面には、情報読み取り装置の接続端子104が4箇所に設けられている。これらの接続端子104は、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着した状態で、トナーカートリッジ50のギヤカバー57に設けられている情報記憶媒体58の接続端子と接続されるようになっている。
【0069】
また、装置本体100の側壁111の内面には、装着部106ごとに、水平方向に突出した突起部101が設けられている。この突起部101は、上記ギヤカバー57に設けられた溝73(図8参照)と協働して、容器本体70を着脱方向にガイドする本体側ガイド部としての機能と、容器本体70を装置本体100に位置決めする本体側位置決め部としての機能を有する。
【0070】
さらに、装置本体100の側面111の内面には、装着部106ごとに、上記突起部101とは別の本体側ガイド部及び本体側位置決め部としての本体側溝103が上下方向に設けられている。各本体側溝103の上端部103aは上方を臨んで開口しており、その開口する上端部103aから上記トナーカートリッジ50に設けられた凸部79(図8参照)を挿入可能となっている。一方、本体側溝103の下端部103bには、凸部79を受ける受け部が形成されている。すなわち、本体側溝103の下端部103bが凸部79を位置決めする本体側位置決め部として機能し、本体側溝103の上端部103aから下端部103bの手前までが凸部79をガイドする本体側ガイド部として機能するようになっている。
【0071】
また、各本体側溝103の下端部103bの近傍には、本体側駆動ギヤ105が設けられている。この本体側駆動ギヤ105は、装置本体100に設けられた図示しない駆動源によって回転駆動されるようになっている。また、本体側駆動ギヤ105は、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着した状態で、上記搬送駆動ギヤ62(図5参照)と噛み合うようになっている。
【0072】
図12は、図11に示すのとは反対側の側面の装置本体の内部構造を示す図である。
図12に示すように、他方の側壁112側には、装着部106ごとに、トナーカートリッジ50を一方(反対側)の側壁111側に付勢する付勢部材107が設けられている。本実施形態では、付勢部材107を板バネで構成している。
【0073】
以下、図13を参照しつつ、上記本実施形態に係るトナーカートリッジ50の装置本体100への着脱動作について説明する。
まず、トナーカートリッジ50を装置本体100に装着する場合は、装置本体100の上部カバー109(図1参照)を開放し、装着部106へトナーカートリッジ50を装着可能な状態にする。そして、トナーカートリッジ50を把持し、図13(a)に示すように、トナーカートリッジ50を装置本体100の上部開口部から下方の装着部106へ向かって挿入する。
【0074】
トナーカートリッジ50を装置本体100内に挿入する際は、図13(b)に示すように、トナーカートリッジ50に設けられた凸部79を、装置本体100に設けられた本体側溝103に挿入する。このように、凸部79を本体側溝103に挿入することで、凸部79と本体側溝103との協働により、トナーカートリッジ50がガイドされつつ挿入される。さらに、トナーカートリッジ50を下方へ挿入すると、トナーカートリッジ50に設けられた溝73に装置本体100に設けられた突起部101が挿入され、この突起部101と溝73との協働によっても、トナーカートリッジ50がガイドされる。
【0075】
そして、図13(c)に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態となると、トナーカートリッジ50側の凸部79が、本体側溝103の溝の下端部(受け部)に当接し、これらの当接によってトナーカートリッジ50が位置決めされる。詳しくは、凸部79と本体側溝103の下端部との協働によって、トナーカートリッジ50の下方への移動と、装置本体100の側壁111に沿った横方向(図13(c)における水平方向)への移動が規制される。
【0076】
また、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態では、本体側の突起部101が、溝73の幅が狭くなっている容器側位置決め部73bに配設され、これらの協働によってもトナーカートリッジ50が位置決めされる。詳しくは、突起部101と溝73の容器側位置決め部73bとの協働により、上記凸部79を中心としたトナーカートリッジ50の回転方向の移動が規制される。
【0077】
本実施形態では、トナーカートリッジ50側の溝73の下端部において、幅が広く形成されているので、その下端部から突起部101を挿入しやすくなっている。また、溝73の幅は、容器側位置決め部73bに向かって徐々に狭くなるように形成されているため、突起部101を容器側位置決め部73bへ円滑にガイドでき、幅の狭い容器側位置決め部73bにおいて、突起部101との協働により精度良く位置決めできるようになっている。
【0078】
また、本実施形態では、上述のように、ギヤカバー57の表側に設けた装置本体100に対する位置決め部(図8に示す溝73の容器側位置決め部73bと凸部79)と、ギヤカバー57の裏側に設けた各ケース55,56に対する位置決め部(図9に示すボス76と孔部78)とが、ギヤカバー57の表側と裏側とで同じ位置もしくはほぼ同じ位置に配設されている。しかも、表側の凸部79と裏側の孔部78とが、それぞれの位置決めの主基準となり、表側の容器側位置決め部73bとその裏側近傍のボス76とが、ぞれぞれの位置決めの従基準となっている。このように、本実施形態では、ギヤカバー57の表側と裏側における位置決めの主基準と従基準の位置を、表側と裏側とで同じ位置又はほぼ同じ位置に設定しているので、図13(a)〜(c)の紙面を基準平面とするときの両主基準間の距離、及び両従基準間の距離がそれぞれ極小(ほぼ0mm)に設定されることになる。そうすると、ギヤを保護するという事情でギヤカバー57を採用したが、その影響、即ち、ギヤカバー57を介して装置本体100に容器本体70の位置を決める際の寸法ばらつきを抑制でき、結果、トナーカートリッジを大量生産した場合でも全品で装置本体100への位置決めを精度良く行うことができる。
【0079】
また、上記突起部101や溝73によってトナーカートリッジ50が位置決めされる側とは反対側の端部側では、装置本体100に設けられた付勢部材107(図12参照)によってトナーカートリッジ50が、装置本体100の突起部101等を設けた側壁111側へ付勢される。この付勢力によって、トナーカートリッジ50の装置本体100の側壁111に直交する方向(図13(c)の紙面に直交する方向)への移動が規制され、本体側溝103からの凸部79の脱落や、容器側位置決め部73bからの突起部101の脱落が防止される。特に本実施形態では、付勢部材107は容器本体70とギヤカバー57とを介して情報記憶媒体58の複数の接続端子を本体側の接続端子に確実に押し付け、導通を確保する機能をも担っている。
【0080】
また、図13(c)に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態にすると、ギヤホルダ71の被当接部71bに、装置本体100に設けられた当接部102が当接する。これにより、ギヤホルダ71は、引張バネ72の引張力(付勢力)に抗して図13(c)に示す矢印の方向に回動され、トルク伝達ギヤ64が撹拌駆動ギヤ63と噛み合う作動位置に配設される。また、ギヤホルダ71が回動することによって、ギヤホルダ71に一体的に設けられたシャッター60も回動し、排出口52が開放された状態となる。
【0081】
また、上記トルク伝達ギヤ64が作動位置に移動する際、溝73内では突起部101が移動中であるが、トルク伝達ギヤ64が溝73に接近した時点で、突起部101はすでに溝73上の作動位置と重なる領域を通過しているので、トルク伝達ギヤ64と突起部101とが干渉することはない。
【0082】
図14に、上記トルク伝達ギヤ64が作動位置に配設された状態、図15に、上記排出口52が開放された状態を示す。なお、図14において、ギヤカバー57は図示省略している。
【0083】
また、図13(c)に示すように、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態では、上記開放された排出口52が補給口49と連結される。さらに、トナーカートリッジ50を装着した状態では、本体側駆動ギヤ105が搬送駆動ギヤ62と連結され、本体側の図示しない駆動源から上記搬送スクリュー53とアジテータ54に対して回転トルクを伝達可能な状態となる。これにより、搬送スクリュー53及びアジテータ54を回転させることで、上記開放された排出口52から補給口49を介して現像装置へトナーを補給することができるようになる。
【0084】
また、トナーカートリッジ50を装着部106に装着した状態では、トナーカートリッジ50側の情報記憶媒体58の接続端子が、装置本体100側の情報読み取り装置の接続端子104に接続され、トナーカートリッジ50に関する情報を読み取り、又は情報記憶媒体58が記憶している情報を更新できるようになる。
【0085】
次に、トナーカートリッジ50を装置本体から取り外す場合は、上記装着時とは反対に、トナーカートリッジ50を把持して上方へ持ち上げる。このとき、トナーカートリッジ50は、本体側溝103と凸部79との協働作用、及びトナーカートリッジ50側の溝73と突起部101との協働作用によって、ガイドされる。また、トナーカートリッジ50を持ち上げると、ギヤホルダ71の被当接部71bに対する装置本体100側の当接部102による当接が解除され、ギヤホルダ71は引張バネ72の引張力(付勢力)によって回動して元の位置に戻される。これにより、シャッター60が回動して排出口52を閉鎖すると共に、トルク伝達ギヤ64が撹拌駆動ギヤ63と離間する待避位置に配設される(図13(b)参照)。
【0086】
図16に、上記トルク伝達ギヤ64が待避位置に配設された状態、図17に、上記排出口52が閉鎖された状態を示す。なお、図16において、ギヤカバー57は図示省略している。
【0087】
また、上記取り外し時にトナーカートリッジ50を持ち上げるのに伴い、溝73に挿入されている突起部101は溝73上の作動位置と重なる領域を通過することになるが、突起部101が当該領域に達したときには、トルク伝達ギヤ64はすでに溝73上から待避しているので、突起部101とトルク伝達ギヤ64とが干渉することはない。
【0088】
また、本実施形態では、上記のようにトナーカートリッジ50を取り外す際、その取り外し動作に連動して、シャッター60が自動的に排出口52を閉鎖するので、シャッター60の閉じ忘れによる排出口52からのトナーの漏洩や飛散を防止することができる。
【0089】
図18は、回転トルク伝達時にトナーカートリッジに生じる力を示す図である。
図18に示すように、本体側駆動ギヤ105が図の反時計回りに回転すると、本体側駆動ギヤ105と搬送駆動ギヤ62とが噛み合うトルク伝達部Gでは、矢印Fで示す方向に力が生じる。これにより、内部のトナーを攪拌、搬送する際に生じるギヤ62の回転負荷が力Fに抗し、トナーカートリッジ50全体には、位置決めされている凸部79を中心とする矢印W方向の回転力(モーメント)が生じる。しかし、上述のように、突起部101と溝73の容器側位置決め部73bとの協働により、凸部79を中心としたトナーカートリッジ50の回転方向の移動が規制されているので、前記回転力によりトナーカートリッジ50は回転することはない。特に本実施形態では凸部79の中心から突起部101の作用力を受ける箇所(一対の容器側位置決め部73bのうちの凸部79に近い側)までの腕の長さL1が、凸部79の中心からトルク伝達部Gまでの腕の長さL2の約6.4倍と十分に長く、結果トナーカートリッジの回転阻止性(位置安定性)は良好といえる。かつ、ギヤカバー57においては、内側にトルク伝達ギヤ移動時の通過領域があるにもかかわらず、それを横切るように上方の容器側位置決め部73bから垂直下方に向けて容器側ガイド部73aを延在させ、本体側の突起部101が侵入する入り口部分をトナーカートリッジ50の底部近傍(搬送駆動ギヤ62と攪拌駆動ギヤ63の間)に配置させている。これにより、ユーザーが装置本体にトナーカートリッジを装着する際、簡単に突起部101にガイド部73aの入り口を係合させることができ、その後のセット動作をスムーズに行うことができる。このような回転阻止性と装着容易性は、凸部79(即ち、シャッター60と関係する搬送駆動ギヤ62の中心)、容器側位置決め部73b、容器側ガイド部73aの三者の配置関係に拠るものであり、それらと干渉せずにトルク伝達ギヤの配置を成立させた移動機構と関連して創案された本発明の工夫部分と言える。
【0090】
また、図19は、トナーカートリッジを装置本体に装着した状態で、そのトナーカートリッジを下方から見た断面図である。
図19に示すように、上記搬送駆動ギヤ62のトルク伝達部Gは、トナーカートリッジ50の長手方向Q(又は、搬送スクリュー53の回転軸方向)において、本体側溝103と凸部79とによる位置決め箇所αと、トナーカートリッジ50側の溝73と本体側の突起部101とによる位置決め箇所βとの間に配設されている。すなわち、トナーカートリッジ50側の2つの位置決め部としての、凸部79及び溝73は、トルク伝達部Gを基準に前記長手方向Qの一方側と他方側に設けられている。
【0091】
図20は、比較例のトナーカートリッジを装置本体に装着した状態で、そのトナーカートリッジを下方から見た断面図である。
この比較例では、上記実施形態とは異なり、トナーカートリッジ50の長手方向Qにおいて、本体側溝103と凸部79とによる位置決め箇所αと、トナーカートリッジ50側の溝73と本体側の突起部101とによる位置決め箇所βとが、搬送駆動ギヤ62のトルク伝達部Gに対して、同じ側(図の上側)に設けられている。それ以外は、上記実施形態と同様の構成である。すなわち、図20に示す実施形態では、トルク伝達部Gに対して、長手方向Qの片側で位置決めする構成となっている。
【0092】
この場合、本体側駆動ギヤ105が回転することにより、トルク伝達部Gにおいて矢印F方向の力が発生すると、トルク伝達部Gに対して長手方向Qの片側で位置決めする構成であるので、トナーカートリッジ50の長手方向Qの一端側と他端側とでねじれが生じることも考えられる。特に、本実施形態に係るトナーカートリッジ50のように、ギヤ列を設けた端部とは反対側の端部では、位置決めをせずに、付勢部材107によって長手方向Qに付勢しているだけの構成の場合、その端部側において長手方向Qに交差する方向の位置ずれが生じやすい。
【0093】
そこで、本実施形態では、図19に示すように、トナーカートリッジ50の容器側位置決め部(位置決め箇所αとβ)を、トルク伝達部Gに対して長手方向Qの両側に設けることにより、トルク伝達部Gにおいてトナーカートリッジ50が力Fを受けたとしても、トナーカートリッジ50の長手方向の一端側と他端側とでねじれが生じるのを効果的に抑制することができるようになる。これにより、装置本体100に対するトナーカートリッジ50の位置決めをより高精度に行うことが可能となる。
【0094】
以上のように、上記本発明の実施形態では、トルク伝達ギヤ64を作動位置と待避位置との間で移動可能に構成しているので、着脱動作時において、突起部101がトナーカートリッジ50側の溝73を通過する際に、トルク伝達ギヤ64と干渉するのを回避できる。これにより、図10に示すように、溝73の容器側ガイド部73aの少なくとも一部を、その作動位置にあるトルク伝達ギヤ64の投影領域J内に配設することができるようになり、従来に比べてトナーカートリッジ50のガイド機構のレイアウト設計の自由度が向上する。
【0095】
このように、本発明によれば、ガイド機構のレイアウト設計の自由度が向上するので、トナーカートリッジを小型化することができ、ひいては画像形成装置全体のサイズの小型化を図ることができるようになる。例えば、図10に示すように、複数のギヤ62,63,64が連結されたギヤ列を有するトナーカートリッジ50において、従来の構成では、ギヤ列を避けて溝73を配設しなければならないため、溝73を、搬送駆動ギヤ62の投影領域に対して図の左側、あるいは撹拌駆動ギヤ63の投影領域に対して図の右側に配設する必要がある。しかし、このように溝73を配設すると、トナーカートリッジ50のサイズが図の左側又は右側(短手方向)に大きくなってしまう。あるいは、トナーカートリッジ50の長手方向Qを大きくし、溝73の内側にギヤ列を重ならないように配置することも考えられる。いずれの配置もトナーカートリッジのトナー収納容積とは関係のないサイズアップであり、製品の魅力を減じることになる。
【0096】
これに対し、本発明の構成によれば、図10に示すように、溝73とギヤ列とをトナーカートリッジ長手方向から見ると一見重なるよう、溝73を、搬送駆動ギヤ62と撹拌駆動ギヤ63との投影領域の間に配設することができので、従来の場合のようなトナーカートリッジ50のサイズの増大を回避でき、結果的に小型化を図ることができる。
【0097】
特に、図10に示すような実施形態の構成においては、下記の事情から、溝73がギヤ列を通過するように配設することが必要となる。
まず、図10に示すような構成の場合、情報記憶媒体58がトナーによって汚れにくくするために、情報記憶媒体58の配設位置は、排出口52から遠いトナーカートリッジ50の上部(ギヤカバー57を概ね長方形とみなしたときの略対角の方向に離れた位置)であることが望ましい。次に、情報記憶媒体58の位置決め精度を向上させるために、溝73の容器側位置決め部73bの配設位置は、情報記憶媒体58の近くであることが好ましい。その結果、溝73の容器側位置決め部73bの配設位置は、ギヤ列の上方となる。そうすると、本実施形態のように、トナーカートリッジ50を装置本体100に対して上下方向に着脱する方式では、溝73をギヤ列の上方から下方へ延ばして配設しなければならないため、結果として溝73がギヤ列を通過するように配設されることになる。
【0098】
そこで、特に、図10に示すような構成において、本発明の構成を適用することにより、溝73を搬送駆動ギヤ62と撹拌駆動ギヤ63との投影領域の間に配設することができるようになり、装置の小型化が期待できる。
【0099】
また、上記のように、本実施形態の構成では、情報記憶媒体58の近傍に容器側位置決め部73bを配設していることで、装置本体100に設けられた情報読み取り装置の接続端子に対する情報記憶媒体58の位置決め精度が向上する。これにより、情報記憶媒体58と情報読み取り装置との間での導通を確実に確保できるようになる。また、情報記憶媒体58の位置決め精度が向上することで、情報記憶媒体58側と情報読み取り装置側のそれぞれの接続端子の大きさを小さくすることが可能となる。通常、このような接続端子には、腐食を防止するため金メッキが施されているが、接続端子を小さくすることにより、これらに用いる金メッキの量も少なくなるため、製造コストの削減も図れるようになる。
【0100】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態では、本発明の構成を適用する画像形成装置として、図1に示すカラーレーザープリンタを例に説明したが、これに限らず、モノクロプリンタや、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも本発明の構成を適用可能である。
【符号の説明】
【0101】
1Y,1M,1C,1Bk プロセスユニット
2 感光体(潜像担持体)
4 現像装置
40 現像ハウジング
41 現像ローラ(現像剤担持体)
50 トナーカートリッジ(現像剤収容器)
52 排出口
53 搬送スクリュー(回転部材)
54 アジテータ(回転部材)
58 情報記憶媒体
60 シャッター
62 搬送駆動ギヤ
63 撹拌駆動ギヤ
64 トルク伝達ギヤ
70 容器本体
73 溝
73a 容器側ガイド部
73b 容器側位置決め部
79 凸部(容器側ガイド部及び容器側位置決め部)
100 画像形成装置本体
101 突起部(本体側ガイド部及び本体側位置決め部)
103 本体側溝(本体側ガイド部及び本体側位置決め部)
G トルク伝達部
J 作動位置にあるトルク伝達ギヤの投影領域
U 待避位置にあるトルク伝達ギヤの投影領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0102】
【特許文献1】特開2006−139069号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された現像剤収容器であって、
内部に現像剤を収容する容器本体と、
容器本体内の現像剤を外部へ排出する排出口と、
容器本体内で回転駆動される回転部材と、
容器本体の外側に設けられ、前記回転部材に駆動トルクを伝達する複数のギヤから成るギヤ列と、
画像形成装置本体に設けられた本体側ガイド部との協働により、画像形成装置本体に対して容器本体を着脱方向にガイドする容器側ガイド部とを備えた現像剤収容器において、 前記ギヤ列を構成する一部のギヤを、他のギヤと噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、当該作動位置から待避した待避位置との間で移動可能とし、
容器側ガイド部を設ける面上で、容器側ガイド部の一部または全部が、前記作動位置にあるギヤの投影領域内に配設されるようにしたことを特徴とする現像剤収容器。
【請求項2】
画像形成装置本体に容器本体を装着した状態で、画像形成装置本体に設けた本体側位置決め部と協働して容器本体の位置決めを行う容器側位置決め部を、前記作動位置でのギヤの投影領域外に設けた請求項1に記載の現像剤収容器。
【請求項3】
前記ギヤ列を構成する一部のギヤにおける、画像形成装置本体に設けられた本体側駆動ギヤと噛み合って駆動トルクが伝達されるトルク伝達部を基準に、当該ギヤの回転軸方向の一方側に、前記容器側位置決め部を設け、前記回転軸方向の他方側に、画像形成装置本体に容器本体を装着した状態で、別の本体側位置決め部と協働して容器本体の位置決めを行う別の容器側位置決め部を設けた請求項2に記載の現像剤収容器。
【請求項4】
前記作動位置と前記待避位置とに移動可能なギヤに連動して、当該ギヤが待避位置にあるときに排出口を閉鎖し、前記ギヤが作動位置にあるときに排出口を開放するシャッターを備える請求項1から3のいずれか1項に記載の現像剤収容器。
【請求項5】
画像形成装置本体に容器本体を装着した状態で、画像形成装置本体に設けた情報読み取り装置に電気的に接続可能な接続端子を有する情報記憶媒体を、容器本体に設けた請求項1から4のいずれか1項に記載の現像剤収容器。
【請求項6】
情報記憶媒体が有する接続端子の近傍に、前記容器側位置決め部を設けた請求項5に記載の現像剤収容器。
【請求項7】
現像剤を収容する現像ハウジングと、
前記現像ハウジング内の現像剤を担持して当該現像剤を潜像担持体上の潜像に供給する現像剤担持体と、
現像剤を収容すると共に、当該現像剤を前記現像ハウジング内へ供給する現像剤収容器とを少なくとも有する現像装置において、
前記現像剤収容器として、請求項1から6のいずれか1項に記載の現像剤収容器を有することを特徴とする現像装置。
【請求項8】
表面に潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体上の潜像に現像剤を供給する現像装置とを少なくとも有し、
画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスユニットにおいて、
前記現像装置として、請求項7に記載の現像装置を有することを特徴とするプロセスユニット。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1項に記載の現像剤収容器、請求項7に記載の現像装置、又は請求項8に記載のプロセスユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱可能に構成された現像剤収容器であって、
内部に現像剤を収容する容器本体と、
容器本体内の現像剤を外部へ排出する排出口と、
容器本体内で回転駆動される回転部材と、
容器本体の外側に設けられ、前記回転部材に駆動トルクを伝達する複数のギヤから成るギヤ列と、
画像形成装置本体に設けられた本体側ガイド部との協働により、画像形成装置本体に対して容器本体を着脱方向にガイドする容器側ガイド部とを備えた現像剤収容器において、 前記ギヤ列を構成する一部のギヤを、他のギヤと噛み合ってトルク伝達を行う作動位置と、当該作動位置から待避した待避位置との間で移動可能とし、
容器側ガイド部を設ける面上で、容器側ガイド部の一部または全部が、前記作動位置にあるギヤの投影領域内に配設されるようにしたことを特徴とする現像剤収容器。
【請求項2】
画像形成装置本体に容器本体を装着した状態で、画像形成装置本体に設けた本体側位置決め部と協働して容器本体の位置決めを行う容器側位置決め部を、前記作動位置でのギヤの投影領域外に設けた請求項1に記載の現像剤収容器。
【請求項3】
前記ギヤ列を構成する一部のギヤにおける、画像形成装置本体に設けられた本体側駆動ギヤと噛み合って駆動トルクが伝達されるトルク伝達部を基準に、当該ギヤの回転軸方向の一方側に、前記容器側位置決め部を設け、前記回転軸方向の他方側に、画像形成装置本体に容器本体を装着した状態で、別の本体側位置決め部と協働して容器本体の位置決めを行う別の容器側位置決め部を設けた請求項2に記載の現像剤収容器。
【請求項4】
前記作動位置と前記待避位置とに移動可能なギヤに連動して、当該ギヤが待避位置にあるときに排出口を閉鎖し、前記ギヤが作動位置にあるときに排出口を開放するシャッターを備える請求項1から3のいずれか1項に記載の現像剤収容器。
【請求項5】
画像形成装置本体に容器本体を装着した状態で、画像形成装置本体に設けた情報読み取り装置に電気的に接続可能な接続端子を有する情報記憶媒体を、容器本体に設けた請求項1から4のいずれか1項に記載の現像剤収容器。
【請求項6】
情報記憶媒体が有する接続端子の近傍に、前記容器側位置決め部を設けた請求項5に記載の現像剤収容器。
【請求項7】
現像剤を収容する現像ハウジングと、
前記現像ハウジング内の現像剤を担持して当該現像剤を潜像担持体上の潜像に供給する現像剤担持体と、
現像剤を収容すると共に、当該現像剤を前記現像ハウジング内へ供給する現像剤収容器とを少なくとも有する現像装置において、
前記現像剤収容器として、請求項1から6のいずれか1項に記載の現像剤収容器を有することを特徴とする現像装置。
【請求項8】
表面に潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体上の潜像に現像剤を供給する現像装置とを少なくとも有し、
画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスユニットにおいて、
前記現像装置として、請求項7に記載の現像装置を有することを特徴とするプロセスユニット。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1項に記載の現像剤収容器、請求項7に記載の現像装置、又は請求項8に記載のプロセスユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−47776(P2013−47776A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−19937(P2012−19937)
【出願日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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