説明

現像剤収容容器及びこれが適用された画像形成装置

【課題】コンテナ本体内の容量を確保しつつ、コンテナ本体内に可及的に残存させることなくトナーを排出させる。
【解決手段】コンテナ本体51の第1側壁512の第1直線状内面512A及び第2側壁513の第2直線状内面513Aは、半円形状の内面511Aの各端部から、その接線上に上方に延びている。第1直線状内面512Aと第2直線状内面512Bとの間の間隔は、底壁511から上方に向かうにつれて広くなっている。回転部材54の回転方向上流側の第1直線状内面512Aは、回転軸541の軸心Pの直上に延びる垂線を基準線Vに対して僅かに内側に傾いた、略垂直な内面である。一方、第2直線状内面513Aは、基準線Vに対して比較的大きく傾いた傾斜面である。すなわち、第1角θ1<第2角θ2となるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を貯留する現像剤収容容器、及び該現像剤収容容器が装着された画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーコンテナ(現像剤収容容器)は、現像装置へ補給するトナーを貯留するコンテナであり、画像形成装置にユーザーが着脱自在な状態で装着される。一般にトナーコンテナは、トナーの貯留空間となるコンテナ本体と、コンテナ本体の底壁の適所に設けられるトナー排出口と、このトナー排出口に向けてトナーを搬送する搬送スクリューと、コンテナ本体内部のトナーを攪拌する攪拌パドルとを備えている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−287948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トナーコンテナにおいて重要な点は、コンテナ本体内の容量を大きくする一方で、コンテナ本体内にトナーを可及的に残存させることなく、トナーをトナー排出口から排出できるようにすることである。しかしながら、従来のトナーコンテナでは、コンテナ本体の底壁や角部等にトナーが残存してしまい、コンテナ本体内のトナーが完全に排出されないという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、容器本体内の容量を確保しつつ、容器本体内に可及的に残存させることなく現像剤を排出できる現像剤収容容器、及びこれが適用された画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る現像剤収容容器は、現像剤を収容し、所定の補給姿勢で他の機器に前記現像剤を供給する現像剤収容容器であって、底壁及び天壁と、これら壁の端部同士を繋ぐ第1側壁及び第2側壁とを備える容器本体と、前記容器本体内において前記底壁上に配置され前記現像剤を搬送する回転部材であって、前記底壁の延びる方向に延在する回転軸と、該回転軸の外周に配置され前記回転軸と一体回転する搬送部材と、前記回転軸を軸回りの所定の回転方向に回転させる駆動力が入力される駆動入力部とを含む回転部材と、を備え、前記回転軸と直交する断面視において、前記底壁は、前記搬送部材の径方向における最突出部分の回転軌跡に対応した半円形状の内面を有し、前記第1側壁及び第2側壁は、直線状に上下方向に延びる第1直線状内面及び第2直線状内面を有し、前記第1直線状内面及び第2直線状内面は、前記底壁の半円形状の内面の接線上に上方に延びており、前記第1側壁は前記回転部材の回転方向上流側に位置し、前記第2側壁は前記回転部材の回転方向下流側に位置し、前記第1直線状内面と前記第2直線状内面との間の間隔が前記底壁側から上方に向かうにつれて広くなるものであって、当該現像剤収容容器が前記補給姿勢の状態において、前記回転軸の直上に延びる垂線を基準線とするとき、前記基準線と前記第1直線状内面とがなす第1角θ1の方が前記基準線と前記第2直線状内面とがなす第2角θ2よりも小さい。
【0007】
この構成によれば、容器本体の底壁が、搬送部材の径方向における最突出部分の回転軌跡に対応した半円形状の内面を有するので、底壁に現像剤が残存し難くすることができる。一方で、第1直線状内面と前記第2直線状内面との間の間隔が前記底壁側から上方に向かうにつれて広くなっているので、現像剤収容に必要な容器容量を確保することが可能であると共に、回転部材の搬送部材に、確実に現像剤が落下することになる。また、第1角θ1<第2角θ2とされており、回転部材の回転方向下流側に位置することになる第2直線状内面が前記基準線に対してより大きく傾いている。この第2直線状内面側に位置する現像剤は、回転部材の回転に伴って下方に送られるので、回転部材は現像剤の重量の影響を受けにくくなり、スムースに回転することができる。つまり、回転方向下流側の第2直線状内面側で容器容量を確保する一方で、回転部材の前記回転軸回りの回転が現像剤によって妨げられにくい構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記底壁に形成され、前記容器本体に収容されている現像剤を吐出する現像剤排出口をさらに備え、前記基準線は、前記回転軸の軸心と、前記現像剤排出口の前記回転軸と直交する断面における幅方向の中心点とを結ぶ線の延長線上に延びる線であることが望ましい。
【0009】
この構成によれば、現像剤の排出位置を基準に第1直線状内面及び前記第2直線状内面の傾きが定まるので、前記回転部材を、より一層現像剤の影響を受けずに回転させるようにすることができる。
【0010】
上記構成において、前記第1直線状内面が水平面に対して略垂直な面となるよう前記第1角θ1が選ばれ、前記第2直線状内面が水平面に対して前記現像剤の安息角よりも大きな傾きを持つ面となるよう前記第2角θ2が選ばれることが望ましい。
【0011】
この構成によれば、回転部材の回転方向上流側における現像剤滞留量が略極小となるので、回転部材の回転負荷を一層小さくすることができる。一方、回転方向下流側の第2直線状内面は、現像剤の安息角よりも大きな傾きを持つ面であるので、現像剤が第2直線状内面に付着して残存することを防止できる。
【0012】
この場合、前記第1角θ1が0度〜5度の範囲とし、前記第2角θ2を5度〜45度の範囲とすることは、上記の効果を発揮させるために望ましい。
【0013】
上記構成において、前記容器本体は、前記第1側壁及び第2側壁の一端側同士を繋ぐ第3側壁と、他端側同士を繋ぐ第4側壁と、を備え、前記第3側壁には、前記底壁に連なった筒状部が突設され、該筒状部の下面には現像剤排出口が形成され、前記回転部材は、前記筒状部にその一部が進入し、前記回転軸は、前記筒状部に備えられた第1軸支部と前記第4側壁に設けられた第2軸支部とで回転自在に支持されている構成とすることができる。
【0014】
この構成によれば、前記筒状部から現像剤が補給されるので、現像装置に対する当該現像剤収容容器の配置位置の自由度を向上させることができる。
【0015】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、周面に現像剤像を担持する像担持体と、前記像担持体の周面に現像剤を供給する現像ローラーを含む現像装置と、前記現像装置に組み付けられ、前記現像装置に現像剤を補給する上述の現像剤収容容器とを備える。
【0016】
この場合、前記現像装置は、前記現像ローラーの軸方向に沿った第1方向に長い形状の現像ハウジングを備え、前記現像剤収容容器は、前記回転軸が前記第1方向と直交する第2方向に沿う方向で、前記現像装置に組み付けられていることが望ましい。
【0017】
この構成によれば、画像形成装置内において、現像装置の直上に現像剤収容容器を配置するレイアウトを取る必要がないので、現像剤収容容器の配置位置の自由度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、容器本体内の容量を確保しつつ、容器本体内に可及的に残存させることなく現像剤を排出できる現像剤収容容器を提供できる。しかも、回転部材の回転負荷を増加させることもないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す断面図である。
【図2】前記画像形成装置に組み込まれている現像装置及びトナーコンテナを示す平面図である。
【図3】図2に示す現像装置及びトナーコンテナの斜視図である。
【図4】現像装置単体の斜視図である。
【図5】現像装置の内部構造を示す平面図である。
【図6】トナーコンテナの斜視図である。
【図7】図6と視線方向を180度変えた、トナーコンテナの斜視図である。
【図8】トナーコンテナの側面図である。
【図9】トナーコンテナの側断面図である。
【図10】トナーコンテナ内に配置される回転部材の斜視図である。
【図11】蓋部材を取り外した状態の、トナーコンテナの正面図である。
【図12】回転部材の回転動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1としてモノクロプリンターを例示するが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよく、またカラー画像を形成する画像形成装置であっても良い。
【0021】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する本体ハウジング10と、この本体ハウジング10内に収容される給紙部20、画像形成部30、定着部40及びトナーコンテナ50(現像剤収容容器)とを含む。
【0022】
本体ハウジング10の前面側(図1の右側)には前カバー11が、後面側には後カバー12が各々備えられている。ユーザーは、前カバー11を開放することで、トナー切れの際にトナーコンテナ50を本体ハウジング10の前面側から取り出すことができる。後カバー12は、シートジャムやメンテナンスの際に開放されるカバーである。画像形成部30及び定着部40の各ユニットは、後カバー12が開放されることで、本体ハウジング10の後面側から取り出し可能となる。また、本体ハウジング10の上面には、画像形成後のシートが排出される排紙部13が備えられている。
【0023】
給紙部20は、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット21を含む。この給紙カセット21は、その一部が本体ハウジング10の前面からさらに前方に突出している。給紙カセット21には、前記シートの束が収容されるシート収容空間、前記シートの束を給紙のためにリフトアップするリフト板等が備えられている。給紙カセット21の後端側の上部にはシート繰出部21Aが設けられている。このシート繰出部21Aには、給紙カセット21内のシート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すためのピックアップローラー(図略)が配置されている。
【0024】
画像形成部30は、給紙部20から送り出されるシートにトナー画像を形成する画像形成処理を行う。画像形成部30は、感光体ドラム31(像担持体)と、この感光体ドラム31の周囲に配置された、帯電装置32、露光装置(図1には表れていない)、現像装置33、転写ローラー34及びクリーニング装置35とを含む。
【0025】
感光体ドラム31は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム31としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電装置32は、感光体ドラム31の表面を均一に帯電するものであって、感光体ドラム31に当接する帯電ローラーを含む。露光装置は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム31の周面に、パーソナルコンピューター等の外部装置から与えられる画像データに基づいて変調された光を照射して、静電潜像を形成する。
【0026】
現像装置33は、感光体ドラム31上の前記静電潜像を現像してトナー像を形成するために、感光体ドラム31の周面にトナーを供給する。現像装置33は、感光体ドラム31に供給するトナーを担持する現像ローラー331と、現像ハウジング60(図2〜図5参照)の内部で現像剤(トナー)を攪拌しながら循環搬送する第1搬送スクリュー332及び第2搬送スクリュー333とを含む。この現像装置33については、後記で詳述する。
【0027】
転写ローラー34は、感光体ドラム31の周面に形成されたトナー像をシート上に転写させるためのローラーであって、感光体ドラム31と転写ニップ部を形成している。この転写ローラー34には、トナーと逆極性の転写バイアスが与えられる。クリーニング装置35は、クリーニングローラー等を有し、トナー像転写後の感光体ドラム31の周面を清掃する。
【0028】
定着部40は、転写されたトナー像をシート上に定着する定着処理を行う。定着部40は、加熱源を内部に備えた定着ローラー41と、この定着ローラー41に対して圧接され、定着ローラー41との間に定着ニップ部を形成する加圧ローラー42とを含む。トナー像が転写されたシートが前記定着ニップ部に通紙されると、トナー像は、定着ローラー41による加熱および加圧ローラー42による押圧により、シート上に定着される。
【0029】
トナーコンテナ50は、現像装置33に補給するトナー(現像剤)を貯留する。トナーコンテナ50は、トナーの主な貯留箇所となるコンテナ本体51(容器本体)と、コンテナ本体51の一側面(図1では後面)の下部から突設された筒状部52と、コンテナ本体51の他の側面を覆う蓋部材53と、コンテナ内部に収容されトナーを搬送する回転部材54とを含む。トナーコンテナ50内に貯留されたトナーは、回転部材54が回転駆動されることによって、筒状部52の先端下面に設けられたトナー排出口521から現像装置33内に供給される。このトナーコンテナ50については、図6〜図12を参照して後記で詳述する。
【0030】
本体ハウジング10内には、シートを搬送するために、主搬送路22F及び反転搬送路22Bが備えられている。主搬送路22Fは、給紙部20のシート繰出部21Aから画像形成部30及び定着部40を経由して、本体ハウジング10上面の排紙部13に対向して設けられている排紙口14まで延びている。反転搬送路22Bは、シートに対して両面印刷を行う場合に、片面印刷されたシートを主搬送路22Fにおける画像形成部30の上流側に戻すための搬送路である。
【0031】
主搬送路22Fの、感光体ドラム31と転写ローラー34との転写ニップ部よりも上流側には、レジストローラー対23が配置されている。シートは、レジストローラー対23にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、前記転写ニップ部に送り出される。主搬送路22F及び反転搬送路22Bの適所には、シートを搬送するための搬送ローラーが複数配置されており、例えば排紙口14の近傍には排紙ローラー対24が配置されている。
【0032】
反転搬送路22Bは、反転ユニット25の外側面と、本体ハウジング10の後カバー12の内面との間に形成されている。なお、反転ユニット25の内側面には転写ローラー34及びレジストローラー対23の一方のローラーが搭載されている。後カバー12及び反転ユニット25は、それらの下端に設けられた支点部121の軸回りに各々回動可能である。反転搬送路22Bにおいてシートジャムが発生した場合、後カバー12が開放される。主搬送路22Fでシートジャムが発生した場合、或いは感光体ドラム31のユニットや現像装置33が外部に取り出される場合には、後カバー12に加えて反転ユニット25も開放される。
【0033】
続いて、図2〜図7を参照して、現像装置33及びトナーコンテナ50の構造、並びにこれらの配置関係について説明する。図2は、現像装置33とトナーコンテナ50との組み付け状態を示す平面図、図3はその斜視図、図4は、現像装置33単体の斜視図、図5は、現像装置33の内部構造を示す平面図、図6及び図7は、トナーコンテナ単体の斜視図をそれぞれ示している。
【0034】
現像装置33は、一方向(現像ローラー331の軸方向)に長尺の箱形形状を有する現像ハウジング60を備える。現像ハウジング60は、その長手方向に延びる開口部が形成され、該開口部から現像ローラー331の周面の一部が露呈している。本実施形態において現像ハウジング60は、その長手方向が本体ハウジング10の左右方向(第1方向)と一致するよう、本体ハウジング10に組み付けられている。
【0035】
現像ハウジング60の左端付近の天板60Tには、トナーコンテナ50から供給されるトナーを当該ハウジング内に受け入れるためのトナー補給口60Hが穿孔されている。このトナー補給口60Hと、トナーコンテナ50のトナー排出口521とが上下方向に重なるように、現像装置33とトナーコンテナ50とが組み付けられる。トナーコンテナ50は、図2に矢印Aで示すように、現像ハウジング60の長手方向と直交する方向(前後方向/第2方向)において、現像装置33に対して着脱される。トナーコンテナ50は上面視で一方向に長いハウジング形状を備えるので、現像装置33にトナーコンテナ50が装着された状態では、上面視で略L字型の構造体を形成することになる(図2参照)。
【0036】
天板60Tの上面には、左右方向にスライド移動が可能な現像シャッター板61が配置されている。現像シャッター板61は、付勢バネ62で常時左方向に付勢されている。付勢バネ62はコイルバネであって、現像シャッター板61の右端縁と、該現像シャッター板61に隣接するリブとに各々設けられたバネ座621、622に各端部が取り付けられている。図4ではトナー補給口60Hが開放されている状態を示しているが、トナーコンテナ50が未装着の状態では、現像シャッター板61は付勢バネ62に付勢されて左方に位置し、トナー補給口60Hを塞ぐ。
【0037】
トナーコンテナ50の筒状部52の先端縁(他端部524)下部には、押圧板522が取り付けられている。また、筒状部52の先端面には、回転部材54に回転駆動力を入力するためのコンテナギア54Gが露出して配置されている。現像ハウジング60のトナー補給口60Hの左奥部には、入力ギア631とカップリング632とを備えるギアホルダー63が配置されている。カップリング632は、本体ハウジング10に備えられた図略のモーターからの回転駆動力が与えられる。入力ギア631は、トナーコンテナ50が現像装置33に装着された状態でコンテナギア54Gと歯合され、前記回転駆動力をコンテナギア54Gに伝達する。
【0038】
トナーコンテナ50が現像装置33に装着される際、トナー補給口60Hに対してトナーコンテナ50の筒状部52が前方から後方に進入する。この際、トナーコンテナ50の押圧板522が、トナー補給口60Hを塞いでいる状態の現像シャッター板61と干渉し、当該現像シャッター板61を右方へ移動させる。具体的には、現像シャッター板61の上面に突設されている斜行凸条623と押圧板522とが干渉し、付勢バネ62の付勢力に抗して現像シャッター板61が右方へ押し遣られる。トナーコンテナ50の筒状部52が所定位置まで進入すると、トナー補給口60Hは完全に開放されると共に、入力ギア631にコンテナギア54Gが歯合することになる。
【0039】
図5を参照して、現像ハウジング60は内部空間600を備える。二成分現像方式の場合、この内部空間600には、トナーとキャリアとからなる現像剤が充填される。キャリアは、内部空間600においてトナーと攪拌混合されトナーを帯電させると共に、トナーを現像ローラー331まで搬送する。トナーは、逐次現像ローラー331に供給されて消費され、その消費分はトナーコンテナ50から適宜供給される。
【0040】
現像ハウジング60の内部空間600は、左右方向に延びる仕切り板601によって、左右方向に長尺の第1通路602と第2通路603とに区画されている。仕切り板601は、現像ハウジング60の左右方向幅よりも短く、仕切り板601の右端及び左端には、第1通路602と第2通路603とをそれぞれ連通させる第1連通部604及び第2連通部605が備えられている。これにより、現像ハウジング60の内部には、第1通路602、第1連通部604、第2通路603及び第2連通部605に至る循環経路が形成されている。
【0041】
上述のトナー補給口60Hは、第1通路602の左端付近の上方に配置されている。第1通路602には第1搬送スクリュー332が収容され、第2通路603には第2搬送スクリュー333が収容されている。第1、第2搬送スクリュー332、333は、それぞれシャフトと、このシャフトの周上にスパイラル状に突設された羽根部材とを含む。第1搬送スクリュー332は、シャフト回りに回転駆動されることで、図5の矢印a方向に現像剤を搬送する。一方、第2搬送スクリュー333は、シャフト回りに回転駆動されることで、矢印b方向に現像剤を搬送する。
【0042】
第1、第2搬送スクリュー332、333が回転駆動されることで、上述の循環経路に沿って現像剤が循環搬送される。トナー補給口60Hから新たに補給されたトナーについて説明すると、当該トナーは第1通路602に落下して既存の現像剤と混合され、第1搬送スクリュー332により矢印a方向に搬送される。この際、トナーはキャリアと攪拌され、帯電される。次いでトナーは、第1通路602の下流端から第1連通部604を経て第2通路603に入り、第2搬送スクリュー333によって矢印b方向に搬送される。この搬送の際、トナーは同様に帯電される一方で、一部が現像ローラー331の周面に供給される。そして、残部のトナーとキャリアとは、第2連通部605を経て、第1通路602の上流端に戻される。
【0043】
続いて、図6〜図11を参照して、トナーコンテナ50の詳細構造について説明する。図6は、トナーコンテナ50を筒状部52側(図1では後方側)から見た斜視図、図7は、視線方向を180度変えて蓋部材53側から見た斜視図、図8は、トナーコンテナ50の側面図、図9はその側断面図、図10は、トナーコンテナ50内に配置される回転部材54の斜視図、図11は、蓋部材53を取り外した状態のトナーコンテナ50の正面図をそれぞれ示している。
【0044】
既述の通り、トナーコンテナ50は、コンテナ本体51、筒状部52、蓋部材53(第4側壁)及び回転部材54を含む。コンテナ本体51は、トナーを貯留する空間を形成するために、断面半円形状の底壁511と、該底壁511の一端縁から上方に延びる第1側壁512と、前記底壁511の他端縁から上方に延び前記第1側壁512と対向する第2側壁513と、筒状部52側の端縁部において第1側壁512及び第2側壁513を繋ぐ第3側壁514と、第1側壁512及び第2側壁513の上端縁同士を繋ぐ天壁515と、蓋部材53と対向する側の端縁に形成された第1フランジ部516とを備えている。なお、コンテナ本体51の第1フランジ部516の側は、側部開口面とされている。
【0045】
コンテナ本体51は、底壁511の部分が最も幅が狭く、この底壁511から上方に向かうに連れて、第1側壁512と第2側壁513との間隔が広くなる縦長の外観形状を備えている。第1側壁512及び第2側壁513は平板状の部材であり、図11に示すように、これら第1側壁512及び第2側壁513は断面視において直線状の内面を備えている。
【0046】
第3側壁514の上部には、トナーをコンテナ本体51内に充填するための開口を塞ぐキャップ517が取り付けられている。第2側壁513には、当該トナーコンテナ50の管理情報が記録された無線タグ518が取り付けられている。また、第1側壁512及び第2側壁513の上端部付近には、底壁511が延びる方向に平行な一対の溝部519が形成されている。この溝部519は、トナーコンテナ50が本体ハウジング10に装着される際に、本体ハウジング10側の図略のガイド部材でガイドされる部分である。
【0047】
筒状部52は、第3側壁514から、底壁511に連なって突設された円筒状の部分である。筒状部52の一端部523は、第3側壁514の下端部に連接され、コンテナ本体51の内部空間と筒状部52の内部空間とは連通状態とされている。筒状部52の他端部524は筒状部52の突出端であって、コンテナギア54G(駆動入力部)は他端部524から更に外方に突出する状態で配置されている。筒状部52の底部525は、コンテナ本体51の底壁511に面一とされており、これにより断面半円形状の樋状部分が、第1フランジ部516から他端部524に亘って形成されている。筒状部52は、一端部523から他端部524に向けて、僅かに先細りのテーパ形状とされている。
【0048】
上述の通り、筒状部52にはトナー排出口521が設けられ、当該筒状部52が現像装置33に装着される。この装着の際に現像ハウジング60の一部と係合する係合部526が、底部525に配置されている。コンテナ本体51内に貯留されているトナーは、後述する回転部材54の回転駆動により筒状部52に送り出され、トナー排出口521から吐出される。
【0049】
図9に示すように、トナー排出口521は、底部525の、他端部524の近傍に設けられている。トナー排出口521の下面には、筒状部52の延びる方向に沿ってスライド移動するシャッター板527が取り付けられている。シャッター板527は、図略の付勢部材により常時トナー排出口521を塞ぐよう、他端部524の方向に付勢されている。一方、筒状部52が現像装置33に装着される際、シャッター板527は現像ハウジング60の一部と干渉して、一端部523の方向にスライド移動する。図9は、シャッター板527が後退してトナー排出口521を開放している状態を示している。なお、シャッター板527と上述の係合部526とは一体の部材である。
【0050】
蓋部材53は、コンテナ本体51の側部開口面を覆うもので、凹形状を備えた蓋本体部531と、蓋本体部531の周縁に設けられ第1フランジ部516と突き合わされる第2フランジ部532とを備える。蓋本体部531は、下方から上方へ膨らむように傾斜した傾斜面と、その傾斜面の上端に連なる垂直面とを備える。蓋本体部531の前記垂直面は、第2フランジ部532から相当突出した部分となっており、ユーザーは当該部分を摘んで、トナーコンテナ50の本体ハウジング10に対する着脱操作を行うことができる。蓋本体部531の内面下端には、後述する回転部材54の回転軸の第1端部542を回転自在に支持する軸支部533(第2軸支部)が設けられている。軸支部533に第1端部542が挿入された状態で、第2フランジ部532は第1フランジ部516に溶着される。
【0051】
回転部材54は、コンテナ本体51の底壁511から筒状部52の上に亘って配置され、軸回りに回転駆動されることによりトナーを搬送する部材である。図9、図10に示すように、回転部材54は、回転軸541、第1搬送部材55、第2搬送部材56(搬送部材)及び一対の分散部材57を備えている。
【0052】
回転軸541は、底壁511の延びる方向に延在するように配置され、その両端に第1端部542及び第2端部543を備えている。第1端部542は、蓋部材53の軸支部533で回転自在に支持されている。第2端部543には、筒状保持片544が取り付けられている。この筒状保持片544に、コンテナギア54Gの胴部545が嵌め入れられることで、コンテナギア54Gと回転軸541とが一体化されている。胴部545は、筒状部52の他端部524(第1軸支部)で回転自在に支持されている。また、トナー排出口521にトナーを送り出す可撓性フイルム部材546が、回転軸541の軸方向と直交する方向に突出して、筒状保持片544の周面に取り付けられている。フイルム部材546は、回転軸541の回転時に周回する。
【0053】
第1搬送部材55は、回転軸541と一体で、回転軸541の周面にスパイラル状に突設された搬送部材である。第2搬送部材56は、回転軸541の外周に、回転軸541及び第1搬送部材55との間にギャップを置いて配置された中空のスパイラル状搬送部材である。一対の分散部材57は、回転軸541と平行に配置される棒状の部材であって、第2搬送部材56の側部をそれぞれ連結する部材である。
【0054】
換言すると、第2搬送部材56は複数のアーチ状搬送片からなり、一対の分散部材57によりこれらアーチ状搬送片が一体化され、その結果として、中空スパイラル状の第2搬送部材56が形成されている。そして、第2搬送部材56の中空スパイラルの中に、第1搬送部材55を周面に備えた回転軸541が同心状に挿通された態様が、本実施形態の回転部材54の構成である。なお、第1搬送部材55のスパイラル方向と、第2搬送部材56のスパイラル方向は逆方向である。
【0055】
一対の分散部材57は、その端部571において連結ピース572によって連結されている。連結ピース572は、その中央部において、回転軸541の第1端部542付近に固着されている。図10には表れていないが、第2端部543の側にも同様な連結ピースが配置されている。すなわち、回転軸541と、第2搬送部材56及び分散部材57とは連結ピース572によって一体化されており、回転軸541が回転すると、第2搬送部材56及び分散部材57も一体回転する。
【0056】
回転部材54は、コンテナ本体51から筒状部52に跨って架設されており、コンテナ本体51内に位置する第1部分54Aと、筒状部52内に位置する第2部分54Bとを含む。第1搬送部材55は、回転軸541の軸方向のほぼ全長に亘って形成されている。つまり、第1部分54A及び第2部分54Bの双方に、第1搬送部材55は存在している。一方、第2搬送部材56は、第1部分54Aに相当する領域にのみ配置されている。なお、分散部材57は、第1部分54A及び第2部分54Bの双方に跨って配置されている。
【0057】
コンテナギア54Gに、回転軸541を所定の回転方向に回転させる回転駆動力が与えられると、第1搬送部材55及び第2搬送部材56は、それぞれのスパイラル方向に応じてトナーの搬送力を発生する。第2搬送部材56は、コンテナ本体51から筒状部52(トナー排出口521)に向けて送り込むように、トナーを搬送する。つまり、回転軸541の第1端部542側から第2端部543側に向けてトナーを搬送する。これに対し、第1搬送部材55は、トナーを筒状部52からコンテナ本体51に戻すように、トナーを搬送する。つまり、回転軸541の第2端部543側から第1端部542側に向けてトナーを搬送する。分散部材57は、第1搬送部材55及び第2搬送部材56によって搬送されるトナーを、回転軸541の径方向外側へ分散させる役目を果たす。
【0058】
第2搬送部材56によって筒状部52に送り出されたトナーは、専ら筒状部52の内周壁に近い部分において、他端部524に向かうよう移動する。他端部524に到達したトナーの一部は、フイルム部材546で押圧される形で、トナー排出口521から吐出される。一方、トナー排出口521から吐出されなかったトナーは、第1搬送部材55の駆動によって、専ら筒状部52の中心軸に近い部分において、一端部523に向かうよう移動する。そして、分散部材57による分散効果も相俟って、前記トナーはコンテナ本体51に戻される。
【0059】
このように、本実施形態のトナーコンテナ50においては、第2搬送部材56によって一旦筒状部52に送り出されたトナーが、第1搬送部材55によってコンテナ本体51に戻される循環搬送機能が具備されているので、トナー排出口521においてトナーが凝集することを抑止できる。すなわち、第2搬送部材56によるトナーの順方向送りの搬送機能のみが備えられている場合、トナーの送り量に対して吐出量が少ないと、筒状部52という限られた空間内においてトナーはやがて行き場を失い筒状部52内で押し固められ、ついには凝集化する。そうすると、トナー排出口521がトナーの凝集体で塞がれ、トナーが吐出できなくなる不具合が生じる。これに対して本実施形態のトナーコンテナ50では、第1搬送部材55が筒状部52内において逆方向送りする搬送機能を備えるので、トナーが押し固められることはない。
【0060】
続いて、主に図11及び図12を参照して、コンテナ本体51の形状的工夫について詳細に説明する。コンテナ本体51の底壁511は、回転軸541と直交する断面視において、半円形状の内面511Aを有している。この内面511Aは、回転部材54の径方向における最突出部分である第2搬送部材56の回転軌跡に対応した曲面である。つまり、第2搬送部材56のスパイラル半径よりも僅かに大きい半径を有する内面511Aを、底壁511は有している。なお、図11では、図示簡略化のため第2搬送部材56の記載を省いている。
【0061】
第1側壁512は、回転軸541と直交する断面視において直線状の内面(第1直線状内面512A)を備えている。第2側壁513も同様に直線状の内面(第2直線状内面513A)を備えている。ここで、回転部材54(回転軸541)の回転方向は、図11に矢印で示している通り、反時計方向である。従って、第1側壁512は回転軸541の回転方向上流側に、第2側壁513は回転軸541の回転方向下流側にそれぞれ位置する側壁である。
【0062】
第1直線状内面512Aは、半円形状の内面511Aの一端側(図11では右側)から、その接線上に上方に延びている。また、第2直線状内面513Aは、半円形状の内面511Aの他端側(図11では左側)から、接線上に上方に延びている。そして、第1直線状内面512Aと第2直線状内面512Bとの間の間隔は、底壁511から上方に向かうにつれて広くなっている。
【0063】
このような形状を有するトナーコンテナ50によれば、半円形状の内面511Aが第2搬送部材56のスパイラル半径よりも僅かに大きい半径の曲面とされているので、実質的に底壁511上の全ての領域が回転部材54によるトナーの搬送領域となる。従って、底壁511上のトナーは回転部材54によって効率的に搬送され、底壁511にトナーが残存し難くすることができる。また、回転部材54に向けてトナーを送る攪拌パドル等をコンテナ本体51内に設置する必要が無く、構成をシンプル化できる利点もある。一方で、第1直線状内面512Aと第2直線状内面513Aとの間隔が上方に向けて拡張するテーパ形状を備えているので、その拡張分だけコンテナ容量を大きくすることができると共に、回転部材54の上に確実にトナーが集約させることができる。
【0064】
第1直線状内面512Aは、回転軸541の軸心Pの直上に延びる垂線を基準線Vに対して僅かに内側(基準線Vに近づく方向)に傾いている程度の、略垂直な内面である。一方、第2直線状内面513Aは、基準線Vに対して外側(基準線Vから離れる方向)に、比較的大きく傾いた傾斜面である。すなわち、基準線Vと第1直線状内面512Aとがなす第1角θ1の方が、基準線Vと第2直線状内面513Aとがなす第2角θ2よりも小さく設定されている。本実施形態では、第1角θ1=−3°、第2角θ2=15°である。
【0065】
ここで、上記の基準線Vは、トナーコンテナ50がトナーを現像装置33(他の機器)に補給する補給姿勢に設定された状態において定められる線である。すなわち、現像装置33にトナーコンテナ50が正規に装着された状態において、回転軸541の軸心Pの直上に延びる垂線が基準線Vである。従って、基準線Vは、トナーコンテナ50が単体で取り扱われる場合において、例えば水平面にトナーコンテナ50が静置された時に自立する姿勢で定まるものではなく、現に補給対象に装着されて補給姿勢とされている状態、或いは前記補給姿勢を模擬した状態で定まる線である。図11は、補給姿勢の状態のトナーコンテナ50を図示している。
【0066】
なお、本実施形態では、基準線Vが、回転軸541の軸心Pと、トナー排出口521の回転軸541と直交する断面における幅Wの中心点Owとを結ぶ線の延長線上に延びている例を示している。もちろん、この配置は一例であり、トナー排出口521が偏心して配置されていても良い。
【0067】
回転軸541の回転方向上流側に位置する第1直線状内面512Aは、水平面に対して略垂直な面であることが好ましく、前記第1角θ1は0度〜±5度の範囲から選ばれることが望ましい。これに対し、回転軸541の回転方向下流側に位置する第2直線状内面513Aは、コンテナ容量を大きくするという観点からは、基準線Vから離れる方向に傾斜した面であることが好ましく、第2角θ2は5度〜45度の範囲から選ばれることが望ましい。
【0068】
図12に示すように、コンテナ本体51にトナーTが貯留されている状態では、回転部材54の上にトナーTが覆い被さる状態となる。回転軸541が反時計方向に回転すると、第1直線状内面512Aの側に存在するトナーは、矢印Y1で示すように上方に持ち上げられる。これに対し、第2直線状内面513Aの側に存在するトナーは、回転軸541の回転に伴って、矢印Y2で示すように下方に送られる。
【0069】
このため、第1直線状内面512Aの側に多量にトナーが存在すると、回転部材54がスムースに回転することが妨げられる。従って、回転部材54を回転させるための負荷が大きくなり、回転部材54を駆動するモーター等の駆動装置に大きな負荷を与えることになる。従って、第1角θ1を0度〜±5度の範囲とし、可及的に回転部材54の回転方向上流側にトナー荷重を与えないようにすることが望ましい。第1角θ1が5度を超えると、第1直線状内面512Aの側に多くトナーが存在することになるので好ましくない。また、第1角θ1が−5度を超えると、コンテナ容量が少なくなるので好ましくない。
【0070】
一方、第2直線状内面513Aの側に位置するトナーは、回転部材54の回転に伴って下方に送られるので、回転部材54の回転に大きな影響を与えることはない。従って、第2角θ2を第1角θ1よりも大きな角度とし、コンテナ容量を確保することが好ましい。但し、第2直線状内面513Aの傾斜が、トナーコンテナ50内に収容されるトナーの安息角を上回る傾斜となると、底壁511に到達せず、第2直線状内面513Aに付着した状態で残存するトナーが生じるので好ましくない。一般に、トナーの安息角は、水平面に対して35度〜40度である。従って、第2直線状内面513Aが水平面に対して前記安息角よりも大きな傾きを持つ面となるよう第2角θ2が選ばれることが望ましく、第2角θ2は45度を超過しないことが望ましい。一方、第2角θ2が5度よりも小さくなると、コンテナ容量が少なくなるので好ましくない。
【0071】
本実施形態に係るトナーコンテナ50によれば、コンテナ本体51内の容量を確保しつつ、コンテナ本体51内に可及的に残存させることなくトナーをトナー排出口521から現像装置33に供給することができる。しかも、回転部材54のスムースな回転を妨げないという利点がある。
【0072】
特に、基準線Vが、回転軸541の軸心Pと、トナー排出口521の回転軸541と直交する断面における幅Wの中心点Owとを結ぶ線の延長線上に延びている。このため、トナーの排出位置を基準に第1直線状内面512A及び前記第2直線状内面513Aの傾きが定まるので、回転部材54を、より一層トナーの影響を受けずに回転させるようにすることができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態に係るトナーコンテナ50及び画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
【0074】
(1)上記実施形態では、コンテナ本体51と、このコンテナ本体51から突設された筒状部52とを備えるトナーコンテナ50を例示した。トナーコンテナ50は、筒状部52を設けず、コンテナ本体51の底壁511の一端側にトナー排出口521を設けたものであっても良い。
【0075】
(2)上記実施形態では、回転部材54として、互いに反対方向にトナーを搬送する第1搬送部材55及び第2搬送部材56と、一対の分散部材57とを備えるものを例示した。これに代えて、トナー排出口521に向かう一方向にトナーを搬送する回転部材を採用しても良い。
【0076】
(3)上記実施形態では、第1側壁512及び第2側壁513の双方が、その上下方向全長に亘って直線状の内面の内面(第1直線状内面512A及び第2直線状内面513A)を備えている例を示した。第1側壁512及び第2側壁513の上部付近は、上述の第1角θ1及び第2角θ2を具備しない内面であっても良い。例えば、第2側壁513の上部が、水平面に対して垂直な面であっても良い。また、第1側壁512及び第2側壁513の内面を、緩やかな曲面を持つ内面としても良い。
【0077】
(4)上記実施形態では、現像剤収容容器の具体例としてトナーコンテナ50を例示した。現像剤収容容器は、例えばトナー貯留部と現像ローラー等とが一体化された現像ユニットであっても、トナーコンテナと現像装置との間に介在される中間ホッパー等であっても良い。
【0078】
(5)上記実施形態では、トナーとキャリアを含む二成分現像方式が採用された現像装置33を例示した。これに代えて、一成分現像方式など、他の現像方式が採用されても良い。
【符号の説明】
【0079】
1 画像形成装置
10 本体ハウジング
31 感光体ドラム(像担持体)
33 現像装置
331 現像ローラー
50 トナーコンテナ(現像剤収容容器)
51 コンテナ本体(容器本体)
511 底壁
511A 内面
512 第1側壁
512A 第1直線状内面
513 第2側壁
513A 第2直線状内面
514 第3側壁
515 天壁
52 筒状部
524 他端部(第1軸支部)
53 蓋部材(第4側壁)
533 軸支部(第2軸支部)
54 回転部材
541 回転軸
54G コンテナギア(駆動入力部)
55 第1搬送部材
56 第2搬送部材(搬送部材)
60 現像ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容し、所定の補給姿勢で他の機器に前記現像剤を供給する現像剤収容容器であって、
底壁及び天壁と、これら壁の端部同士を繋ぐ第1側壁及び第2側壁とを備える容器本体と、
前記容器本体内において前記底壁上に配置され前記現像剤を搬送する回転部材であって、前記底壁の延びる方向に延在する回転軸と、該回転軸の外周に配置され前記回転軸と一体回転する搬送部材と、前記回転軸を軸回りの所定の回転方向に回転させる駆動力が入力される駆動入力部とを含む回転部材と、を備え、
前記回転軸と直交する断面視において、
前記底壁は、前記搬送部材の径方向における最突出部分の回転軌跡に対応した半円形状の内面を有し、前記第1側壁及び第2側壁は、直線状に上下方向に延びる第1直線状内面及び第2直線状内面を有し、
前記第1直線状内面及び第2直線状内面は、前記底壁の半円形状の内面の接線上に上方に延びており、
前記第1側壁は前記回転部材の回転方向上流側に位置し、前記第2側壁は前記回転部材の回転方向下流側に位置し、前記第1直線状内面と前記第2直線状内面との間の間隔が前記底壁側から上方に向かうにつれて広くなるものであって、
当該現像剤収容容器が前記補給姿勢の状態において、前記回転軸の直上に延びる垂線を基準線とするとき、前記基準線と前記第1直線状内面とがなす第1角θ1の方が前記基準線と前記第2直線状内面とがなす第2角θ2よりも小さい、現像剤収容容器。
【請求項2】
請求項1に記載の現像剤収容容器において、
前記底壁に形成され、前記容器本体に収容されている現像剤を吐出する現像剤排出口をさらに備え、
前記基準線は、前記回転軸の軸心と、前記現像剤排出口の前記回転軸と直交する断面における幅方向の中心点とを結ぶ線の延長線上に延びる線である、現像剤収容容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の現像剤収容容器において、
前記第1直線状内面が水平面に対して略垂直な面となるよう前記第1角θ1が選ばれ、
前記第2直線状内面が水平面に対して前記現像剤の安息角よりも大きな傾きを持つ面となるよう前記第2角θ2が選ばれる、現像剤収容容器。
【請求項4】
請求項3に記載の現像剤収容容器において、
前記第1角θ1が0度〜5度の範囲であり、
前記第2角θ2が5度〜45度の範囲である、現像剤収容容器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の現像剤収容容器において、
前記容器本体は、前記第1側壁及び第2側壁の一端側同士を繋ぐ第3側壁と、他端側同士を繋ぐ第4側壁と、を備え、
前記第3側壁には、前記底壁に連なった筒状部が突設され、該筒状部の下面には現像剤排出口が形成され、
前記回転部材は、前記筒状部にその一部が進入し、前記回転軸は、前記筒状部に備えられた第1軸支部と前記第4側壁に設けられた第2軸支部とで回転自在に支持されている、現像剤収容容器。
【請求項6】
周面に現像剤像を担持する像担持体と、
前記像担持体の周面に現像剤を供給する現像ローラーを含む現像装置と、
前記現像装置に組み付けられ、前記現像装置に現像剤を補給する、請求項1に記載の現像剤収容容器と、
を備える画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記現像装置は、前記現像ローラーの軸方向に沿った第1方向に長い形状の現像ハウジングを備え、
前記現像剤収容容器は、前記回転軸が前記第1方向と直交する第2方向に沿う方向で、前記現像装置に組み付けられている、画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−230350(P2012−230350A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−26991(P2012−26991)
【出願日】平成24年2月10日(2012.2.10)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】