説明

現像剤回収装置、現像剤カートリッジ、現像装置、及び画像形成装置

【課題】現像剤回収室内全域にわたって使用済み現像剤がならされ、廃トナーの収容効率が向上するようにする。
【解決手段】一端側に使用済み現像剤を回収する回収口を有する現像剤回収室内に、前記使用済み現像剤を前記回収口から前記現像剤回収室の他端側へ搬送する第1の螺旋スクリュー部と前記使用済み現像剤を前記回収口側へ搬送する第2の螺旋スクリュー部を同一軸上に交互に配置した現像剤搬送部材を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み現像剤を回収する現像剤回収装置、現像剤カートリッジ、現像装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置においては、トナー(現像剤)像転写後に感光体表面に残留するトナーを除去し、その除去したトナーを廃トナー(使用済み現像剤)として廃トナー回収室に回収する現像剤回収装置を備えている。
【0003】
従来のこの種の現像剤回収装置は、同一軸上に第1の螺旋状スクリューと該第1の螺旋状スクリューより搬送力の小さい第2の螺旋状スクリューを設けた搬送スクリューを、第1の螺旋状スクリューが回収口側に位置するように廃トナー回収室(現像剤回収室)内に配置し、回収口から廃トナー回収室内に送られてくる廃トナーを搬送スクリュー(現像剤搬送部材)の回転により廃トナー回収室内の奥側に搬送するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−128754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術においては、搬送力の異なる第1の螺旋状スクリューと第2の螺旋状スクリューを有する現像剤搬送部材により使用済み現像剤を回収口から現像剤回収室内の奥に搬送するだけであるので、現像剤回収室全体で均一に使用済み現像剤を収容するには不十分であるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明の現像剤回収装置は、一端側に使用済み現像剤を回収する回収口を有する現像剤回収室内に、前記使用済み現像剤を前記回収口から前記現像剤回収室の他端側へ搬送する第1の螺旋スクリュー部と前記使用済み現像剤を前記回収口側へ搬送する第2の螺旋スクリュー部を同一軸上に交互に配置した現像剤搬送部材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、使用済み現像剤が回収口から回収されると、現像剤搬送部材の回転により使用済み現像剤が第1の螺旋スクリューにより奥側に搬送され、第2の螺旋スクリューにより使用済み現像剤が回収口側に搬送されて複数の丘ができるように溜まり、更に第1の螺旋スクリューと第2の螺旋スクリューにより現像剤回収室内全域にわたって使用済み現像剤がならされ、局所的に大きな山ができることなく回収することが可能となるので、廃トナーの収容効率が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施例である現像剤回収装置の構成を示す長手方向断面図
【図2】第1の実施例の現像剤回収装置の作用を示す説明図
【図3】現像装置の斜視図
【図4】廃トナー回収室とサイドプレートの断面図
【図5】本実施例で用いる画像形成装置としてのプリンタの構造を示す側断面図
【図6】現像装置の構造を示す断面図
【図7】第2の実施例である現像剤回収装置の構成を示す長手方向断面図
【図8】第2の実施例の現像剤回収装置の作用を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図5は本実施例で用いる画像形成装置としてのプリンタ100の構造を示す側断面図である。図に示した現像装置10は内部に現像剤としてのトナーを収容し、後述する感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像する装置であり、この現像装置10はプリンタ100に対して着脱可能となっている。LEDヘッド17は現像装置10に設けられている後述の感光体に光を照射して静電潜像を形成する露光装置であり、転写ベルトユニット14は媒体を搬送しつつ該媒体にトナー像を転写する転写装置である。定着ユニット15は媒体上に転写されたトナー像を媒体に定着する定着装置で、排出ローラ16はトナー像定着後の媒体を装置外部に排出する排出手段であり、媒体収容部11は一定枚数の用紙等の媒体を収容することが可能な媒体収容手段である。
【0011】
次に、このプリンタ100の印刷動作を説明すると、まず媒体収容部11から媒体が繰り出されて転写ベルトユニット14に送り込まれ、転写ベルトユニット14により現像装置10に搬送される。LEDヘッド17は現像装置10に設けられている感光体に光を照射して静電潜像を形成し、この静電潜像が現像装置10の内部に収容されたトナーにより現像される。図5に示したプリンタ100では4つの現像装置10が連続して並べて設けられており、これに対応してLEDヘッド17が配置され、これにより各現像装置10の感光体に色の異なるトナー像が形成されることになる。
【0012】
感光体に形成されたトナー像は転写ベルトユニット14により搬送される媒体に順次転写され、トナー像が転写された媒体は定着ユニット15に搬送されて、この定着ユニット15によりトナー像が媒体に定着された後、媒体が排出ローラ16により排出され、印刷動作が完了する。
【0013】
次に現像装置10について説明する。図6は現像装置10の構造を示す断面図で、図中のイメージドラムユニット9はトナーを現像する現像器であり、トナーカートリッジ1は内部にトナーを収容する現像剤カートリッジであって、このトナーカートリッジ1はイメージドラムユニット9の上部に着脱可能に設けられている。
このトナーカートリッジ1は、トナーを収容する現像剤収容室としてのトナー収容室20と、使用済み現像剤である廃トナーを回収する現像剤回収室としての廃トナー回収室24を有し、このトナー収容室20と廃トナー回収室24は互いに隣接するように設けられている。
【0014】
トナー収容室20の下部には円筒形部材により囲われたトナー供給部12が設けられ、このトナー供給部12の下部にはトナーをイメージドラムユニット9に供給するためのトナー供給口12aが開口し、またトナー供給部12内にはトナーをトナー供給口12へと搬送する攪拌部材である攪拌バー23が設けられている。廃トナー回収室24内には、該廃トナー回収室24に回収された廃トナーを内部へ搬送する現像剤搬送部材としての回収スクリュー25が回転可能に設けられている。
【0015】
イメージドラムユニット9には、静電潜像担持体である感光体2、現像ローラ4、供給ローラ5、現像ブレード6、トナー貯蔵室7、クリーニングブレード8、第1の搬送スパイラル13、廃トナー収集室26が備えられている。
トナー貯蔵室7はトナーカートリッジ1からトナー供給口12を介して供給されるトナーを貯蔵する室で、イメージドラムユニット9の上部に設けられており、感光体2はトナー貯蔵室7下部の開口部に配されていて、この感光体2の直上にLEDヘッド17が配置されている。
【0016】
帯電ローラ3は感光体2の表面全体を一様に帯電する帯電部材で、感光体2の回転方向におけるLEDヘッド17の上流側に回転可能に配置されており、また、現像ローラ4は感光体2上に形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段であって、感光体2の回転方向におけるLEDヘッド17の上流側に位置するようにトナー貯蔵室7内に回転可能に配置されている。
【0017】
供給ローラ5はトナー貯蔵室7のトナーを現像ローラ4に供給する供給部材で、現像ローラ4と当接するようにトナー貯蔵室7内に回転可能に配置されており、また現像ブレード6は現像ローラ4上のトナーを薄層化するトナー層規制部材で、先端が現像ローラ4の表面に当接するようにトナー貯蔵室7内に取り付けられている。
クリーニングブレード8はトナー像転写後に感光体2の表面に残った転写残トナーを除去するトナー除去部材で、感光体2の回転方向の最下流側に配置され、先端が感光体2の表面に当接するように他端が固定されている。
【0018】
廃トナー収集室26はクリーニングブレード8によって除去された廃トナーを回収する室で、この廃トナー収集室26内に回収された廃トナーを一方向に搬送する搬送部材であるある第1の搬送スパイラル13が回転可能に設けられている。
図3は現像装置10の斜視図で、本装置の一側にはその側面形状同等の形状を持つ筐体形のサイドプレート27が設けられ、このサイドプレート27内に廃トナー収集室26から廃トナー回収室24へ廃トナーを搬送する搬送ベルト18が設けられている。
【0019】
図4は搬送ベルト18と廃トナー回収室24の断面図であり、廃トナー回収室24の一端には凹部が設けられ、該凹部に廃トナーを回収するための開口である回収口32が設けられている。サイドプレート27には廃トナー回収室24の凹部に嵌合する筒状の廃トナー排出路21が突出形成されていて、この廃トナー排出路21には回収口32と対向するようにトナー排出口22が設けられ、また廃トナー排出路21内には搬送ベルト18によりサイドプレート27内を搬送されてきた廃トナーをトナー排出口22まで搬送する第2の搬送部材である第2の搬送スパイラル19が回転可能に配置されている。
【0020】
ここで廃トナーの回収動作を図3、図4、及び図6を参照して説明する。トナー像転写後に感光体2の表面に残った転写残トナーがクリーニングブレード8により除去され、廃トナー収集室26に廃トナーとして回収される。廃トナー収集室26に溜まった廃トナーは第1の搬送スパイラル13の回転によりサイドプレート27側に搬送され、サイドプレート27内に配置された搬送ベルト18上に送られる。このとき搬送ベルト18は所定の方向に走行するように駆動されており、廃トナーは搬送ベルト18によりサイドプレート27の上方に搬送される。
【0021】
サイドプレート27の上方に搬送された廃トナーは第2の搬送スパイラル19の回転により廃トナー排出路21内を搬送され、トナー排出口22から回収口32を介して廃トナー回収室24内に回収される。
【0022】
次に第1の実施例の現像剤回収装置について説明する。図1は本実施例の現像剤回収装置の構成を示す長手方向断面図で、現像剤回収装置は、廃トナー回収室24と、この廃トナー回収室24内に設けられた回収スクリュー25を備えている。
回収スクリュー25は軸部30と、この軸部30上に一体成形された第1の螺旋スクリュー28及び第2の螺旋スクリュー29から成り、第1の螺旋スクリュー28及び第2の螺旋スクリュー29は軸方向に交互に複数、本実施例では2カ所ずつ設けられている。
【0023】
この回収スクリュー25の軸部30の両端は廃トナー回収室24の両端で回転自在に軸支されていて、その一端は廃トナー回収室24を貫通して廃トナー回収室24の外部に突出し、その突出部分にギヤ31が取り付けられており、該ギヤ31が図示せぬ駆動手段により回転することで、回収スクリュー25が回転するようになっている。
【0024】
また、第1の螺旋スクリュー28は外径D1、山間のピッチP1で形成されていて、廃トナーを廃トナー回収室24の他端側つまり回収口32と反対側へ搬送するように螺旋(スパイラル)状に形成されており、第2の螺旋スクリュー29は外径D2、山間のピッチP1で形成されていて、第1の螺旋スクリュー28とは逆巻き形成され、廃トナーを廃トナー回収室24の回収口32側へ搬送するように螺旋(スパイラル)状に形成されている。
【0025】
この第1の螺旋スクリュー28の外径D1は第2の螺旋スクリュー29の外径D2よりも大きい関係にあり、また第1の螺旋スクリュー28の山間のピッチP1は第2の螺旋スクリュー29の山間のピッチP2と等しい関係にあるが、回収スクリュー25全体として廃トナーを廃トナー回収室24の回収口32側から奥側へと搬送可能である。
【0026】
図2は上述した構成による第1の実施例の現像剤回収装置の作用を示す説明図で、ここでは説明を分かりやすくするため、回収口32に最も近い最上流の第1の螺旋スクリュー28を28a、これより下流側の第1の螺旋スクリュー28を28b、第1の螺旋スクリュー28aと28baの間の第2の螺旋スクリュー29を29a、第1の螺旋スクリュー28bの下流側の第2の螺旋スクリュー29を29bとする。
【0027】
図2(a)は回収口32に最も近い最上流の第1の螺旋スクリュー28aと第2の螺旋スクリュー29aにかかる位置まで廃トナー33が回収された状態、図2(b)は第2の螺旋スクリュー29bの下流側の位置まで廃トナー33が回収された状態、図2(c)は廃トナー回収室24がほぼ廃トナー33により満たされた状態を示している。
【0028】
回収スクリュー25が回転している状態で、上記のように搬送ベルト18により廃トナー収集室26から搬送されてきた廃トナー33が回収口32から廃トナー回収室24内に落とし込まれると、廃トナー33は回収スクリュー25の回収口32に最も近くに位置している第1の螺旋スクリュー28aにより奥側へと搬送され、そして第1の螺旋スクリュー28aの奥側に搬送された廃トナー33は第2の螺旋スクリュー29aにより回収口32側へと戻される。
【0029】
このとき、第1の螺旋スクリュー28aと第2の螺旋スクリュー29aの間で対流が発生し、廃トナー33は図2(a)に示したように第1の螺旋スクリュー28aと第2の螺旋スクリュー29aにかかる位置周辺で丘状に溜まる。
廃トナー33の回収量が増えていくと、第1の螺旋スクリュー28aの方が第2の螺旋スクリュー29bより搬送能力が大きいので廃トナー33は徐々に下流側に搬送され、第2の螺旋スクリュー29aより下流側に搬送された廃トナー33は、第1の螺旋スクリュー28bによりさらに奥側へと搬送される。
【0030】
第1の螺旋スクリュー28bの奥側に搬送された廃トナーは第2の螺旋スクリュー29bにより回収口側へと戻されるが、このとき、上流側と同様に第1の螺旋スクリュー28bと第2の螺旋スクリュー29bの間で対流が発生し、そのため廃トナー33は図2(b)に示したように第1の螺旋スクリュー28bと第2の螺旋スクリュー29bにかかる位置周辺で丘状に溜まる。そして回収スクリュー25の回転により廃トナー33はならされ、更に送られて廃トナー33は図2(b)に示したように廃トナー回収室24の奥に達することになる。
【0031】
その後、更に廃トナー33の回収量が増えていくと、第1の螺旋スクリュー28aと第2の螺旋スクリュー29aの間、及び第1の螺旋スクリュー28bと第2の螺旋スクリュー29bの間にできた丘が上方向横方向に成長していき、廃トナー33はならされて図2(c)に示したように廃トナー回収室24がほぼ廃トナーにより満たされた状態になる。
【0032】
以上説明したように第1の実施例によれば、廃トナー33を廃トナー回収室24の回収口32から奥側に搬送する回収スクリュー25に廃トナー33を奥側に搬送する第1の螺旋スクリュー28と廃トナーを回収口32側に搬送する第2の螺旋スクリュー29を交互に複数配置した構成として、回収スクリュー25が回転したとき廃トナーを奥側に搬送する第1の螺旋スクリュー28と廃トナーを回収口32側に搬送する第2の螺旋スクリュー29により廃トナーは複数の丘ができるように溜まるようにしているため、廃トナー回収室24内全域にわたって廃トナー33がならされ、局所的に大きな山ができることなく回収することが可能となるので、廃トナー33の収容効率が向上するという効果が得られる。
【0033】
尚、本実施例では、第1の螺旋スクリュー28と第2の螺旋スクリュー29の外径が異なる構成について説明したが、第1の螺旋スクリュー28の巻き数を第2の螺旋スクリュー29の巻き数より多くして長さを長くすれば第1の螺旋スクリュー28と第2の螺旋スクリュー29の外径を同じにしても、同様の作用、効果が得られる。
【実施例2】
【0034】
次に第2の実施例について説明する。図7は第2の実施例の現像剤回収装置の構成を示す長手方向断面図で、この第2の実施例は、回収スクリュー25の軸部30に第1の螺旋スクリュー28と第2の螺旋スクリュー29を軸方向に交互に3カ所ずつ一体成形したものであって、ここで第1の螺旋スクリュー28は外径D1、山間のピッチP3で形成されており、第2の螺旋スクリュー29は外径D2、山間のピッチP4で形成されている。
【0035】
また、第1の螺旋スクリュー28の外径D1は第2の螺旋スクリュー29の外径D2よりも大きく、かつ第1の螺旋スクリュー28の山間のピッチP3は第2の螺旋スクリュー29の山間のピッチP4よりも大きい関係にあり、回収スクリュー25全体として廃トナーを廃トナー回収室24の回収口32側から奥側へと搬送可能である。
尚、この他の構成は上述した第1の実施例と同様であるので、同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図8は上述した構成による第2の実施例の現像剤回収装置の作用を示す説明図で、ここでは説明を分かりやすくするため、回収口32に最も近い最上流の第1の螺旋スクリュー28を28a、これより下流側の第1の螺旋スクリュー28を28b、更に下流側の第1の螺旋スクリュー28を28cとし、また、第1の螺旋スクリュー28aと28bの間の第2の螺旋スクリュー29を29a、第1の螺旋スクリュー28bと28cの間の第2の螺旋スクリュー29を29b、第1の螺旋スクリュー28cの下流側の第2の螺旋スクリュー29を29cとする。
【0037】
図8(a)は回収口32に最も近い最上流の第1の螺旋スクリュー28aと第2の螺旋スクリュー29aにかかる位置まで廃トナー33が回収された状態、図8(b)は第1の螺旋スクリュー28bと第2の螺旋スクリュー29bにかかる位置まで廃トナー33が回収された状態、図8(c)は廃トナー回収室24がほぼ廃トナー33により満たされた状態を示している。
【0038】
回収スクリュー25が回転している状態で、上記のように搬送ベルト18により廃トナー収集室26から搬送されてきた廃トナー33が回収口32から廃トナー回収室24内に落とし込まれると、廃トナー33は回収スクリュー25の回収口32に最も近くに位置している第1の螺旋スクリュー28aにより奥側へと搬送され、そして第1の螺旋スクリュー28aの奥側に搬送された廃トナー33は第2の螺旋スクリュー29aにより回収口32側へと戻される。
【0039】
このとき、第1の螺旋スクリュー28aと第2の螺旋スクリュー29aの間で対流が発生し、廃トナー33は図2(a)に示したように第1の螺旋スクリュー28aと第2の螺旋スクリュー29aにかかる位置周辺で丘状に溜まる。
廃トナー33の回収量が増えていくと、第1の螺旋スクリュー28aの方が第2の螺旋スクリュー29bより搬送能力が大きいので廃トナー33は徐々に下流側に搬送され、第2の螺旋スクリュー29aより下流側に搬送された廃トナー33は、第1の螺旋スクリュー28bによりさらに奥側へと搬送される。
【0040】
第1の螺旋スクリュー28bの奥側に搬送された廃トナーは第2の螺旋スクリュー29bにより回収口側へと戻されるが、このとき、上流側と同様に第1の螺旋スクリュー28bと第2の螺旋スクリュー29bの間で対流が発生し、そのため廃トナー33は図8(b)に示したように第1の螺旋スクリュー28bと第2の螺旋スクリュー29bにかかる位置周辺で丘状に溜まる。
【0041】
その後、更に廃トナー33の回収量が増えていくと、第1の螺旋スクリュー28aと第2の螺旋スクリュー29aの間、及び第1の螺旋スクリュー28bと第2の螺旋スクリュー29bの間にできた丘が上方向及び横方向に成長していき、廃トナー33はならされて図8(c)に示したように廃トナー回収室24がほぼ廃トナーにより満たされた状態になる。
【0042】
以上説明したように第2の実施例によれば、第1の実施例と同様に廃トナー33を廃トナー回収室24の回収口32から奥側に搬送する回収スクリュー25に廃トナーを奥側に搬送する第1の螺旋スクリュー28と廃トナーを回収口32側に搬送する第2の螺旋スクリュー29を交互に複数配置した構成として、回収スクリュー25を回転したとき廃トナーを奥側に搬送する第1の螺旋スクリュー28と廃トナーを回収口32側に搬送する第2の螺旋スクリュー29により廃トナーは複数の丘ができるように溜まるようにしているため、廃トナー回収室24内全域にわたって廃トナーがならされ、局所的に大きな山ができることなく回収することが可能となるので、廃トナーの収容効率が向上するという効果が得られる。しかもこの第2の実施例では、第1の螺旋スクリュー28と第2の螺旋スクリュー29の外径とピッチを変えているため、より均一な廃トナーの搬送を実現できるという効果が得られる。
【0043】
尚、上述した第2の実施例では、第1の螺旋スクリュー28と第2の螺旋スクリュー29の外径とピッチが異なる構成について説明したが、第1の螺旋スクリュー28のピッチだけ、或いは、ピッチと巻き数を変えても同様の作用、効果が得られ、第1の螺旋スクリュー28と第2の螺旋スクリュー29の外径、ピッチ、巻き数を適宜に変更することで搬送能力の細かい調整が可能となる。
【0044】
以上本発明の実施例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、上述した各実施例では現像剤回収装置が備えられたトナーカートリッジを例に説明したが、転写ベルトから廃トナーを回収する廃トナー回収ボックスにも適用可能である。
また、上述した各実施例では画像形成装置としてプリンタを用いて説明したが、複写機、FAX、これらを複合させた複合機にも適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 トナーカートリッジ
2 感光体
3 帯電ローラ
4 現像ローラ
5 供給ローラ
6 現像ブレード
7 トナー貯蔵室
8 クリーニングブレード
9 イメージドラムユニット
10 現像装置
11 媒体収容部
12 トナー供給部
13 第1の搬送スパイラル
14 転写ベルトユニット
15 定着ユニット
16 排出ローラ
17 LEDヘッド
18 搬送ベルト
19 第2の搬送スパイラル
20 トナー収容室
21 廃トナー排出路
22 トナー排出口
23 攪拌バー
24 廃トナー回収室
25 回収スクリュー
26 廃トナー収集室
27 サイドプレート
28 第1の螺旋スクリュー
29 第2の螺旋スクリュー
30 軸部
31 ギヤ
32 回収口
33 廃トナー
100 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に使用済み現像剤を回収する回収口を有する現像剤回収室内に、前記使用済み現像剤を前記回収口から前記現像剤回収室の他端側へ搬送する第1の螺旋スクリュー部と前記使用済み現像剤を前記回収口側へ搬送する第2の螺旋スクリュー部を同一軸上に交互に配置した現像剤搬送部材を備えたことを特徴とする現像剤回収装置。
【請求項2】
前記第1の螺旋スクリュー部と前記第2の螺旋スクリュー部は少なくとも2個ずつ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤回収装置。
【請求項3】
前記第1の螺旋スクリュー部の長さを前記第2の螺旋スクリュー部の長さより長くしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像剤回収装置。
【請求項4】
前記第1の螺旋スクリュー部の径を前記第2の螺旋スクリュー部の径よりも大きくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の現像剤回収装置。
【請求項5】
前記第1の螺旋スクリュー部のピッチを前記第2の螺旋スクリュー部のピッチよりも大きくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像剤回収装置。
【請求項6】
前記第1の螺旋スクリュー部の径とピッチを前記第2の螺旋スクリュー部の径とピッチよりもそれぞれ大きくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の現像剤回収装置。
【請求項7】
一端側に使用済み現像剤を回収する回収口を有する現像剤回収室内に、前記使用済み現像剤を前記回収口から前記現像剤回収室の他端側へ搬送する第1の螺旋スクリュー部と前記使用済み現像剤を前記回収口側へ搬送する第2の螺旋スクリュー部を同一軸上に交互に配置した現像剤搬送部材を備えた現像剤回収装置を有することを特徴とする現像剤カートリッジ。
【請求項8】
一端側に使用済み現像剤を回収する回収口を有する現像剤回収室内に、前記使用済み現像剤を前記回収口から前記現像剤回収室の他端側へ搬送する第1の螺旋スクリュー部と前記使用済み現像剤を前記回収口側へ搬送する第2の螺旋スクリュー部を同一軸上に交互に配置した現像剤搬送部材を備える現像剤回収装置を設けた現像剤カートリッジを有することを特徴とする現像装置。
【請求項9】
一端側に使用済み現像剤を回収する回収口を有する現像剤回収室内に、前記使用済み現像剤を前記回収口から前記現像剤回収室の他端側へ搬送する第1の螺旋スクリュー部と前記使用済み現像剤を前記回収口側へ搬送する第2の螺旋スクリュー部を同一軸上に交互に配置した現像剤搬送部材を備える現像剤回収装置を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
一端側に使用済み現像剤を回収する回収口を有する現像剤回収室内に、前記使用済み現像剤を前記回収口から前記現像剤回収室の他端側へ搬送する第1の螺旋スクリュー部と前記使用済み現像剤を前記回収口側へ搬送する第2の螺旋スクリュー部を同一軸上に交互に配置した現像剤搬送部材を備える現像剤回収装置を設けた現像剤カートリッジを有する現像装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−44884(P2013−44884A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181730(P2011−181730)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】