説明

現像剤搬送部材・現像装置・プロセスカートリッジ及びこれらを備えた画像形成装置

【課題】小型で保管環境に左右されることなく安定した現像剤の状態を維持でき、輸送時の不具合も解消して良好な画像を得る。
【解決手段】現像剤Gを内部に封入された可塑性を有する袋部材100が一体的に装着された現像剤搬送部材であり、現像剤搬送部をスクリュー部材36,38で構成し、袋部材100を、スクリュー部材のスクリュー36A,38A間に形成される空間36B,38B内に巻き付けられて装着し、これを現像装置にセットする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤搬送部材と現像装置とプロセスカートリッジ及びこれらを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来2成分現像方式による現像装置や現像装置を備えたプロセスは、水平に配置した2本乃至3本のスクリュー部材などの現像剤搬送部材を並べ、その内の1本と現像ローラや現像スリーブなどの現像剤担持体を対向させて配置し、現像剤担持体と現像剤搬送部材の間で現像剤の供給と回収を同時に進行させるやり方が一般的である。画像形成装置には、カラー化の進展に伴い連続してベタ画像を出力する場合やハーフトーン画像の性能向上の目的とプロセスカートリッジのタンデムレイアウト構成上、より小型化への要望から、特許文献1に記載のような上下に現像剤搬送部材を配置し、供給と回収を別々に行うべく断面構成上で現像剤を一方向に循環搬送させる方式も提案されている。
【0003】
現像装置では、搬送中に感光体などの像担持体に現像剤が付着するのを防止するためにシール構造が採用されている。例えば、二本の現像剤搬送部材を水方向に配置し、現像剤供給と回収が一本で行われる現像装置では、現像剤担持体と現像剤授受を行わない方の現像剤搬送部材の上方に構成上空間があるため、現像装置のハウジング内に現像剤を充填せず、使用前の現像剤を格納する現像剤ケースを配置し、現像剤搬送部材との間にシール部材を設け、シール除去時に現像剤を重力にて落下させて充填するようにしたものがある。しかし現像剤回収用の現像剤搬送部材の上方に現像剤ケースを配置すると、画像形成装置の高さ方向に小型化が非常に困難になる。これは現像装置の上方は、レイアウト上コンパクトになるように複数の現像、感光体にまたがって転写装置が水平に配置されるためである。
【0004】
予めハウジング内に現像剤を充填している現像装置やプロセスカートリッジでは、像担持体と対向する現像像担持体の周囲をシール部材でシールすることで、像担持体と現像剤との接触を防止するとともに、現像像担持体の周囲に形成されている隙間から現像剤が漏れるのを防止しているが、シール箇所が複数にまたがるため、実配置しにくい。また、現像装置内に出荷初期から現像剤を封入した場合には、現像装置の輸送や保管環境によっては、現像装置内の現像剤の状態を一定に管理することが難しい。このような不安定な現像剤による画像形成では、画像品質にバラツキが出でしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、小型で保管環境に左右されることなく安定した現像剤の状態を維持でき、輸送時の不具合も解消して良好な画像を得られる現像剤搬送部材と現像装置とプロセスカートリッジ及びこれらを備えた画像形成装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、現像剤を内部に封入された可塑性を有する袋部材が一体的に装着されたことを特徴とする現像剤搬送部材に特徴を有する。
【0007】
現像剤搬送部が、スクリュー部材で構成されている場合、袋部材は、スクリュー部材のスクリュー間に形成される空間内に巻き付けて装着することや、現像剤搬送部材の両端に、袋部材の両端側が係止して装着することを特徴とする。
【0008】
本発明は、現像剤担持体と、現像剤担持体を支持するハウジングと、前記ハウジング内において回転することで現像剤を搬送可能な少なくとも1つの現像剤搬送部材とを備え現像装置において、現像剤を内部に封入された可塑性を有する袋部材が一体的に装着された現像剤搬送部材を有することを特徴としている。
【0009】
本発明において、袋部材は、作業者に把持される引き抜き部と、袋部材中の現像剤を封入する部分を横断するように設けられ引き抜き部への引き抜き動作に応じて破れる破断部とを有し、ハウジングには引き抜き部をハウジング外部に露呈させる引き抜き穴を形成したことを特徴としている。
【0010】
本発明において、袋部材は、破断部を境に引き抜き部と反対側に引っ掛け部が設けられ、引っ掛け部は、現像剤搬送部材の回転軸に引っ掛けられていることを特徴としている。
【0011】
本発明において、引き抜き穴は、現像剤搬送部材を境にして現像剤担持体と反対側のハウジングの壁面に設けられていることを特徴としている。
【0012】
本発明において、引き抜き穴の大きさは、現像剤が封入された状態の袋部材を横断する方向の断面積よりも小さく形成されていることを特徴としている。本発明において、引き抜き穴の周部に磁性部材を配置したことを特徴としている。
【0013】
本発明において、袋部材は、引き抜き方向に延在し、その一部が引き吹き部まで達する補強部材を有することを特徴としている。
【0014】
本発明にかかるプロセスカートリッジは、上記何れかに記載の現像装置と、少なくとも像担持体を回転可能に保持する像担持体ハウジングとを一体にしたことを特徴としている。
【0015】
本発明にかかる画像形成装置は、上記現像装置又は上記プロセスカートリッジを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、現像剤を内部に封入された可塑性を有する袋部材が一体的に装着された現像剤搬送部材を現像装置の内部に装着するので、現像剤ケースやシール部材が不要となるとともに、シール部材を用いなくても現像剤の漏れがなくなり、小型で保管環境に左右されることなく安定した現像剤の状態を維持でき、輸送時の不具合も解消して良好な画像を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態を適用した画像形成装置の外観斜視図である。
【図2】図1に示した画像形成装置の内部構成の一形態を示す概略図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に搭載されたプロセスカートリッジの外観斜視図である。
【図4】現像剤を封入された袋部材が巻き付けられた現像剤搬送部材を有するプロセスカートリッジの内部構成の一形態を示す断面図である。
【図5】本発明の主要部となる現像剤を封入された袋部材の構成を示す拡大図である。
【図6】現像剤を封入された袋部材が巻き付けられた現像剤搬送部材の構成を模式時に示す拡大図である。
【図7】現像剤が封入された袋部材を現像剤搬送部材に巻きつけている状態を示す斜視図である。
【図8】引っ掛け部と引き抜き部を備えた袋部材の一形態を示す破断図であり、(a)は平面視図、(b)は引っ掛け部が離脱した状態を示す図である。
【図9】引っ掛け部と引き抜き部を備えた袋部材の別な形態を示す破断図であり、(a)は平面視図、(b)は側面視図を示す。
【図10】現像剤を封入する袋部材の別な形態を示す図である。
【図11】現像剤が封入された袋部材と現像剤搬送部材の別な取付け形態を模式的に示す図である。
【図12】袋部材の引き抜き部を引っ張る現像剤開封動作を説明する拡大図である。
【図13】引き抜き穴の近傍にガイド部を形成した形態を模式的に示す拡大図である。
【図14】引き抜き穴の近傍に磁性部材を配置した形態を模式的に示す拡大図であり、(a)はガイド部に配置した形態、(b)は引き抜き穴に同心円状に配置した形態、(c)は引き抜き穴の外側下部に配置した形態をそれぞれ示す。
【図15】補強部材を有する袋部材の概略構成を示す図である。
【図16】袋部材に封入された現像剤が巻き付けられた複数の現像剤搬送部材を斜めに配置し、袋部材の引き抜き位置が異なる方向にある現像装置の断面図である。
【図17】袋部材に封入された現像剤が巻き付けられた複数の現像剤搬送部材を斜めに配置し、袋部材の引き抜き位置が同一方向にある現像装置の斜視図である。
【図18】袋部材に封入された現像剤が巻き付けられた複数の現像剤搬送部材を斜めに配置し、袋部材の引き抜き位置が異なる方向にある現像装置の斜視図である。
【図19】現像剤搬送部材の1つに袋部材を装着した現像装置の形態示す拡大図である。
【図20】袋部材に封入された現像剤が巻き付けられた複数の現像剤搬送部材を水平に配置し、袋部材の引き抜き位置が同一方向にある現像装置を有するプロセスカートリッジの構成を示す拡大断面図である。
【図21】袋部材に封入された現像剤が巻き付けられた複数の現像剤搬送部材を水平に配置し、袋部材の引き抜き位置が異なる方向にある現像装置を有するプロセスカートリッジの構成を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。各実施形態及び変形例等に亘り、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すに留め、重複説明は省略する。
図1及び図2を参照して、本発明の実施の一形態を適用した画像形成装置の全体構成と動作を説明する。図1は本発明の実施の一形態を適用した画像形成装置の外観斜視図、図2はその画像形成装置の内部構成の一例を示す概略的な図である。両図に示した画像形成装置は、所謂タンデムタイプのカラー画像形成装置である。画像形成装置としては、カラープリンタに限るものではなく、ファクシミリ、複写機、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機も本発明の適用範囲であり、無論、カラー、モノクロ何れであってもよい。
【0019】
図1及び図2に示す画像形成装置は、装置本体1のほぼ中央に配置され、シートに画像を形成する後述の画像形成手段等を備えた画像形成部2と、画像形成部2の下方に配置され、画像形成部2にシートもしくはシート状記録媒体の一例としての用紙Sを給送する給紙部20と、画像形成部2にて画像形成された用紙Sを装置本体1の手前(両図の右側前方であり、装置正面側である)から奥側(両図の左側後方であり、装置背面側である)に排出するシート排出部としてのシート排紙部25と、画像形成部2の上部に配置され、シート排紙部25から排出される用紙Sを積載するシート積載部40を有する。
本形態において、シートとは、例えば転写紙や記録紙等の用紙(厚紙、はがき、封筒、普通紙、薄紙等を含む)、塗工紙(コート紙やアート紙等を含む)、OHPシートもしくはOHPフイルム、トレーシングペーパー等を含み、画像転写可能な被画像形成媒体を意味する。なお、画像形成部2は用紙Sに画像を記録する画像記録部2とも呼ばれ、シート積載部40は排出されたシートを載置・積載するシート載置部40とも呼ばれる。
画像形成部2は、図2に示すように、像担持体ないし潜像担持体として構成された複数のドラム状の感光体3a,3b,3c,3dを有している。各感光体3a〜3dには、互いに異なった色のトナー像がそれぞれ形成される。図示した例では、感光体3a〜3dの表面に、イエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。各感光体3a〜3dは、所定の間隔を空けて互いに平行に水平方向に配置されている。各感光体3a〜3dの下部には、中間転写体となる中間転写ベルト4が感光体3a〜3dに対向して配置されている。中間転写体にはドラム状のものを用いることもできるが、図示した例では複数の支持ローラ5,6に巻き掛けられて矢印方向(図2中反時計方向)に回転駆動される無端ベルトからなる中間転写ベルト4を用いている。支持ローラ6には、中間転写ベルト4を挟んで2次転写ローラ12が対向配置されている。
各感光体3a〜3dの周囲の構成は同様であるため、図2において一番右側に配置されたイエロートナー像が形成される感光体3aを代表して説明する。すなわち、感光体3aの周囲には、感光体3aの表面に一様な帯電処理を行う帯電手段としての帯電ローラ7と、画像情報に基づいて感光体3aの表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する光走査装置(LSU)8と、感光体3aの表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置9と、中間転写ベルト4を介して感光体3aと対向配置された1次転写装置10と、中間転写ベルト4に転写後の感光体3aの表面に残留するトナー等を除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレード11とがこの順に設けられている。現像装置9の上方には、円筒形状のトナー容器と補給機構が配置され、現像装置9でのトナー消費に応じて補給機構が駆動し、トナー容器から現像装置9にトナーが補給される。これら感光体3a、帯電ローラ7、現像装置9、クリーニングブレード11は、一体化されていてプロセスカートリッジ30aを構成している。プロセスカートリッジ30b,30c,30dは、感光体3b,3c,3dとその周囲に配置された帯電ローラ、現像装置、クリーニングブレードによってそれぞれ構成されている。
【0020】
かかる画像形成装置において画像形成が開始されると、感光体3aが図2における時計方向に図示しない駆動モータで回転駆動され、この時、帯電ローラ7によって感光体3aの表面が所定の極性に一様に帯電される。次いで、その帯電面に光走査装置8から画像情報に基づくレーザ光が照射され、これによって感光体3aに静電潜像が形成される。感光体3aの表面に形成された静電潜像は、現像装置9によってイエロートナー像として可視像化され、そのイエロートナー像は転写装置10によって中間転写ベルト4上に転写される。
【0021】
フルカラー画像形成時は、上記した画像形成動作が残りの全ての感光体3b〜3dで同様に行われ、これによって各感光体表面にそれぞれ形成されたイエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像が中間転写ベルト4上に順次重ねて転写される。
画像形成部2の下方に配置された給紙部20には、転写紙、記録紙または樹脂フイルムなどから成るシートとしての用紙Sを積載するシート収容部としての給紙トレイ21と、該給紙トレイ21に積載された用紙Sを送り出す給紙コロ22と、重送された用紙Sを1枚に分離する分離手段としてのフリクションパッド23等が配設されている。
【0022】
この給紙部20から給送された用紙Sは、2次転写ローラ12よりも用紙搬送方向上流側に配置されたレジストローラ13に向けて送り出され、先端が停止中のレジストローラ13に一旦突き当てられる。これによって用紙S先端の斜めずれなどが修正・整合される。レジストローラ13は、中間転写ベルト4上に形成されたカラートナー像が2次転写ローラ12を配設した2次転写部で用紙Sの先端部と合致するような所定のタイミングで回転して2次転写部に向けて用紙Sを送り出す。
2次転写部で中間転写ベルト4上から未定着のカラートナー像が転写された用紙Sは、定着装置である定着部14に送られる。定着部14による加熱・加圧によって未定着のカラートナー像が定着される。定着を終えたシートSは、シート排紙部25に配置されている排紙ローラ対25a,25bで装置本体1の上面に設けられたシート積載部40に画像面が下向き(フェースダウン)で排出・排紙される。定着部14は、上記したものに限らず、ヒータを内蔵したローラ式のもの、また加熱方式もIHを採用したものなど、適宜採用することができる。なお、カラートナー像転写後の中間転写ベルト4の表面に付着する転写残トナー等は、中間転写ベルト4の周部に配置されたベルトクリーニング装置15によって除去され、次の作像・転写工程に備える。
本形態では、装置本体1の上部に画像形成部2を覆う上カバー部材としての上カバー18が設けられており、この上カバー18の上面部分をシート積載部40のシート排出台としての排紙トレイ(シート積載面)41として用いている。上カバー18の後端側の辺には支持部を設けていない。この構成によって、上カバー18の排紙トレイ41の前後方向幅より長い長尺容姿であってもその一部が排紙トレイ41を越えて後端へ垂らすことで支障なくその長尺用紙をストックすることができる。
また、上カバー18は、図2に示すように、その下部に画像形成部(画像形成手段)2の一部である光走査装置8を支持しており、装置の後端側に設けたヒンジ17を中心に上方へ開放可能に構成されている。この上カバー18は、後述するロック手段としてのロックレバー60によって装置本体1にロックされ、このロックを解除するとヒンジ17を中心にして揺動・開閉可能な状態になる。そして、図示を省略しているが、上カバー18を反時計方向へ揺動・開放すると、下部の光走査装置8がカバー18と一緒に揺動上昇され、画像形成ユニットにアクセスすることが可能となり、メンテナンス等を容易に行うことができる。さらに、本例では上カバー18を開放した部分から画像形成部2の4つのプロセスカートリッジ30a〜30dに対して交換等のため取り出し・装着や、後述する現像剤開封動作が可能とされている。
【0023】
上記した上カバー18を揺動・開放するとき、排紙トレイ41の後端側が下となるように揺動上昇されるが、排紙トレイ41上に用紙Sがストックされているときに誤って揺動・開放してしまうと、ストックしていた用紙Sが装置の後側に落下するという問題が生じる。すなわち、ストックした用紙Sを取り忘れて上カバー18を回動してしまうと、排紙トレイ41にストックした用紙Sが装置本体1の裏側に落ちてしまう。この用紙Sの落下は、図示しない支持部を上カバー18の後端側にも設けることによって解決できるが、長尺用紙の場合その後端支持部に当たりストックに支障がでてしまう。
そこで、本形態では、ロックレバー60のロックを解除して上カバー18を揺動・開放可能状態にする操作部61を排紙トレイ41上で、しかもストックされた用紙Sで隠れる位置に設けている。このロックレバー60には、一端側にユーザーが操作する操作部61が、他端側に装置本体1に固着された突起64に係合するロック爪62がそれぞれ一体的に設けられている。ロックレバー60は、上カバー18に固着されたピン63を中心に回動可能に支持されており、またピン63の回りに装着された図示しないねじりコイルばねによって、ロック爪62が常に突起64に係合する向きの揺動付勢力が付与されている。ロックレバー60の操作部61は、排紙トレイ41と同一面上に沿うような面を備えた板材で形成されていて、排紙トレイ41にはその操作部61に手を掛けられるようにするための図1に示す扇状の凹部44が形成されている。
このような構成によると、上カバー18を開放するときには凹部44から手を差し込み、図示しないねじりコイルばねの揺動付勢力に抗してロックレバー60の操作部61を上に持ち上げることにより、ロックレバー60がピン63を中心に時計方向に回転し、ロック爪62が突起64から外れる。そして、そのまま操作部61を持ち上げることで、上カバー18はヒンジ17を中心として揺動される。このように上カバー18を揺動・開閉可能にするロックレバー60の操作部61を用紙Sのストックされる排紙トレイ41に配置しているので、排紙トレイ41上に用紙Sがある状態で上カバー18を揺動・開放してしまうことが確実に防止される。
【0024】
図3はプロセスカートリッジ30a〜30dの概観斜視図であり、図4はプロセスカートリッジ概略断面図である。各プロセスカートリッジの構成は、トナーの色が異なる以外は同様であるため、図2において一番右側に配置されたイエローのプロセスカートリッジ30aを例にその構成を詳しく説明する。
図3,図4に示すように、プロセスカートリッジ30aは、感光体3a等が装着された感光体ハウジング31と、現像装置9を構成する各種部品が装着された現像ハウジング32とを有する。感光体ハウジング31と現像ハウジング32は、組付け・分離可能に構成されている。互いに組み付けられた感光体ハウジング31と現像ハウジング32との間には、図1に示す光走査装置8から感光体3aに照射されるレーザ光を通すレーザ光路空間33が形成されている。
感光体ハウジング31には、感光体3a以外に、帯電ローラ7、帯電ローラの表面をクリーニングする帯電ローラ清掃部材26、クリーニングブレード11、クリーニングブレード11で感光体3aの表面から除去したトナーを図示しない廃トナー回収部へと搬送する廃トナー回収用のスクリュー部材27、潤滑剤28、潤滑剤28を削り取って感光体3aの表面に塗布する潤滑剤塗布ブラシ29が装着されている。
一方、現像ハウジング32には、現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ34、現像剤を供給する供給路35内に配設され、現像剤を現像ローラ34に供給する供給側の現像剤搬送部材となる供給スクリュー部材36、供給路35の下部に位置し現像剤を回収する回収路37内に配設された回収側の現像剤搬送部材となる回収スクリュー部材38、現像ローラ34の表面に担持される現像剤の厚さを規制する規制部材としてのドクターブレード39、回収路37内のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ42が装着されている。
本実施形態における現像装置9では、トナーとキャリアから成る2成分の現像剤Gを使用している。現像剤Gに用いるトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤及び離型剤を有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び伸張反応の少なくとも一方を行って得られるトナーである。
【0025】
現像装置9は、供給スクリュー部材36と回収スクリュー部材38とが上下に配置された構成であり、供給路35内の現像剤は、供給スクリュー部材36によって搬送され、供給路35の開口部から落下して現像ローラ34上に担持される。現像ローラ34上に担持された現像剤は、ドクターブレード39と現像ローラ34の表面との間の所定の隙間を通過することによって所定の厚さに規制される。そして、現像剤が現像ローラ34と感光体3aとの対向位置(感光体ギャップ)に搬送された際、現像剤のトナーが感光体3aへ静電的に転移して感光体3a上の静電潜像が現像化される。その後、現像ローラ34上の現像剤は回収路37へ回収される。回収路37に回収された現像剤は、回収スクリュー部材38によって搬送されその搬送方向の下流側で堆積し、堆積した現像剤は図示しない搬送手段によって再び供給路35内へ搬送される。供給路35内では、消費されたトナー量に応じて図示しないトナー補給部からトナーが補給される。また、トナー濃度センサ42によって回収路37内の現像剤のトナー濃度が磁気的に検知され、その検知情報に基づいてトナー濃度調整が行われる。
上記のように、本形態の現像装置9では、現像ローラ34に供給されトナーを消費した現像剤は、そのまま現像ローラ34へ繰り返し供給されずに一旦回収され、その後トナーが補給される。すなわち、現像ロー34には、未使用の現像剤が供給されるか、又は使用後にトナーが補給された現像剤が供給されるため、特許文献1に記載の現像装置と異なり、現像ローラの長手方向の両端において画像の濃度に差異が生じるのを抑制できる。
【0026】
次に本発明の特徴部分について説明する。
本発明の特徴の1つは、図5に示すように、従来、現像装置9内の供給路35や回収路37に装置出荷時から直接充填されていた現像剤Gを、可塑性を有する袋部材となる封入容器100に収納して密閉状態としたことにあり、今1つの特徴は、図5に示すように、これら現像剤Gを封入した封入容器100を現像剤搬送部材と一体的に装着したことにある。本形態において、現像剤搬送部材とは、周知のスクリュー部材、パドル部材、アジテータなどが含まれる。
【0027】
封入容器100は、図5に示すように、変形可能な筒状であって、内部に現像剤Gと窒素を一緒に入れて膨らまし、棒状として容器の両端100A,100Bを閉じて密閉することで、容器内部に現像剤Gを封入している。
【0028】
封入容器100の一端100A側には、袋部材中の現像剤Gを封入する部分100Cを横断するように設けられた破断部101が形成され、他端100B側には作業者に把持される引き抜き部102が形成されている。破断部101は、引き抜き部102が作業者によっての引き抜き方向に引く現像剤開封動作が成されると破断する程度の強さとされている。
【0029】
そして、このように現像剤Gと窒素が封入された封入容器100は、例えば供給スクリュー部材36を例にとると、図6,図7に示すように、供給スクリュー部材36,38に形成されている複数のスクリュー36A,38A間に形成される空間36B,38B内を縫うようにして巻き付けられて供給スクリュー部材36,38に一体的に装着される。そして、本形態では、このような封入容器100が一体化された現像剤搬送部材を、現像装置9に装置出荷時から装着している。図4に示す例では、封入容器100を供給スクリュー部材36と回収スクリュー部材38の双方にそれぞれ一体的に装着したものが現像装置9に装着されている。
【0030】
図4に示すように、現像装置9の現像ハウジング32には、供給スクリュー部材36や回収スクリュー部材38との対向部位に、現像ハウジング32を貫通し、封入容器100の引き抜き部102を挿通してハウジング外部に露呈する引き抜き穴110,110を形成している。図4に示す例では、封入容器100が2つセットされているので、引き抜き穴110,111も2つ形成されている。そして、この形態では、引き抜き部102が斜め上方に引き出せるように引き抜き穴110,111を形成している。このため、引き抜き部102を引き抜きする際に引き抜き易くなる。本形態では、現像剤搬送部材となるスクリュー部材36と回収スクリュー部材38の双方に封入容器100を一体的に装着しているが、何れか一方だけでもよい。この場合、引き抜き穴も引き抜き穴110または引き抜き穴111の何れか一方だけでもよい。
【0031】
次に封入容器100の密閉方式について説明する。封入容器100を有底状の袋とすると、図5に示すように、現像剤Gと窒素を入れた後に一端100A側を絞り込んでカシメることで密閉することができる。この形態の場合、現像装置9に供給スクリュー部材36や回収スクリュー部材38を装着した状態で一端100A側をハウジング3に固定し、他端100B側の引き抜き部102を引き抜き穴110、111に挿通してハウジング外部に露呈させる。
【0032】
図8に示す形態では、両端が開口された筒状の封入容器100の一端100A側を絞り込み、引っ掛け部となるリング状のフック部材103を装着してその根元をカシメ、他端100B側は熱溶着して帯状にして密閉している。この形態の場合には、帯状部分104が引き抜き部として形成され、フック部材103よりも他端100B寄りに破断部101を形成する。この形態ではフック部103の取付部が破談部101となる。フック部103は、たとえば、図7に示すように、各スクリュー部材の回転軸36C,38Cに引っ掛け、引き抜き部102は現像ハウジング32に形成した引き抜き穴110,111にそれぞれ挿通してハウジング外部に露呈させる。
【0033】
図9に示す形態では、筒状の封入容器100の両端を熱溶着して帯状にして密閉し、一端100A側の帯状部分105を穿孔してフック部106として形成し、他端100B側の帯状部分104を引き抜き部102としている。この場合も、図8の形態と同様に、フック部106を図7に示す各スクリュー部材の回転軸36C,38Cに引っ掛け、各引き抜き部102は現像ハウジング32に形成した引き抜き穴110,111に挿通してハウジング外部に露呈させる。すなわち、封入容器100は、破断部101を境に引き抜き部102と反対側に引っ掛け部103,106が設けられる構成となる。
【0034】
引き抜き部102の形状としては、紐状あるいは帯状が挙げられる。紐状の場合、作業者が引き抜き穴110,111から露呈している部分を指などに巻き付けて引き抜くことができるので引き易い。帯状の場合、指で摘まんで引き抜く際にもち易いという利点がある。
【0035】
引き抜き穴110,111の設ける場所としては、図3、図4に示すように、各スクリュー部材36,38の境にして現像ローラ34と反対側の現像ハウジング32の壁面32Aに設ける。
【0036】
封入容器100としては現像装置9に設置される各スクリュー部材36,38に巻き付けるため、可塑性を有するのが好ましく、その材質としてはナイロン、塩化ビニリデン、ポリエチレン、ポリエステル、セルローズ等が挙げられる。また、湿気などを考慮すると薄いアルミシート材で形成してもよい。容器の形態としては、上述のような袋形状や筒状部材の両端をカシメや溶着する形態だけでなく、図10に示すように4方向を溶着して余白部107を形成したラミネート構造としてもよい。
【0037】
上記形態では、現像剤Gと窒素を封入した封入容器100を各スクリュー部材のスクリュー36A,38Aの間の空間36B,38Bに巻き付けて各スクリュー部材と一体的に装着したが、本発明はこのような形成に限定されるものでない。他の形態としては、例えば図11に示すように、現像剤搬送部材となるスクリュー部材36、38の少なくとも一方の両端から突出している回転軸36Cや回転軸38Cの両端36Ca,36Cb、38Ca,38Cbに、封入容器100の両端100A,100Bを掛け渡すように係止して一体的に装着するようにしてもよい。この場合、一端100A側にはフック部103、106を形成し、他端100Bの引き抜き部102を穿孔してフック部106と同様な引っ掛け部を形成し、両端を回転軸36Cや回転軸38Cに引っ掛けることで供給スクリュー部材36や回収スクリュー部材38と封入容器100一体化することができる。
【0038】
このように封入容器100を掛け渡して現像剤搬送部材と一体的にすると、スクリュー間に封入容器100を巻き付ける作業が不要となるので、組付け時間の短縮を図れるという利点がある。
【0039】
封入容器100を一体化した供給スクリュー部材36や回収スクリュー部材38を現像装置9に装着して感光体ハウジング31と合わせて一体化することで各プロセスカートリッジが形成され、これらプロセスカートリッジの状態で装置本体1にセットする。このため、湿度に弱い現像剤Gでも完全密閉される封入容器100に入れて現像装置9内に保存できるので、装置の保管状態に左右されることがなく(温度や湿度の影響を受けることがなく)、未使用の現像剤Gが安定した状態で保存され、良好な画像を得られる。封入容器100内に現像剤Gと一緒に窒素などの不活性ガスも充填するので、より未使用の現像剤Gの長期保管を容易に行える。
【0040】
未使用の現像剤Gは封入容器100内に密閉されているため、シール部材が無くても輸送時に各現像ローラや各感光体と接触することがなくなるので、シール部材が不要となるとともに未使用の現像剤Gの漏れも防止できる。
【0041】
画像成形装置を出荷状態から最初に使用する場合、あるいはプロセスカートリッジを交換して新品のものを使用する場合、図12に示すように、作業者が引き抜き穴110,111から現像ハウジング32の外部に露呈している引き抜き部102を現像ハウジング32の外側に向かって引き抜く現像剤開封動作を行う。このとき、封入容器100の一端100Aは現送装置9に固定あるいは回転軸36C,38Cに係止されているので、封入容器100が引き抜き方向に引っ張られ、引っ張り力が破談部101の強度を超えると、封入容器100が図8,図9に示すように破談部101から引きちぎれ、封入されていた現像剤Gが現像ハウジング32内、具体的には供給路35と回収路37内に放出される。つまり、画像形成直前に、引き抜き部102を引き抜き穴110,111から引き抜く動作で破断部101が破れ、現像剤Gの現像装置9内へのセットを完了できる。この現像剤開封動作は、各プロセスカートリッジを装置本体1から離脱して状態で行なってもよいし、装置本体1にセットした状態でも行なえる。
【0042】
このとき、図12に示すように、引き抜き穴110,111の大きさとなる直径Rを現像剤Gが封入された状態の封入容器100を横断する方向の断面積幅R1よりも小さく形成していると、封入容器100内の現像剤Gが引き抜き穴110,111を通過し難くなる。すなわち、封入容器100が引き抜き穴110,111内を通過する際に搾り出されるので、この搾り作用により容器内から押し出された現像剤Gが開放された一端100A側から放出されることになる。よって、封入容器100内の現像剤Gを現像ハウジング32内に効率よく放出することができる。
【0043】
封入容器100には、破断部101を境に引き抜き部102と反対側に引っ掛け部103,106が形成され、これら引っ掛け部103,106は、供給スクリュー部材36や回収スクリュー部材38の回転軸36C、38Cにそれぞれ引っ掛けられているので、引き抜き部102を引っ張ることで、回転軸36C,38Cに引っ掛け部103,106が引っ掛って固定されるため、引き抜き動作時に破断部111の破断を容易に行える。
【0044】
このように、現像剤Gを予め封入容器100に封入しておくことで、未使用の現像装置9の開口部を、従来のようにシールするシール部材が不要になる。また封入容器100が加塑性を有するので、レイアウトの小規模な現像装置9内の空間を有効活用することができる。
【0045】
現像剤Gを封入した封入容器100を供給スクリュー部材36や回収スクリュー部材38と一体的にすることで、サブアッシー化でき、部品としての搬送効率を高めることができる。さらに、各スクリュー部材のスクリュー間の空間36B,38Bに封入容器100を巻き付けて装着する場合、搬送に使用しないときには余剰空間となる空間36B,38Bを有効に利用することができ、コンパクトな現像装置9やプロセスカートリッジ30であっても、容易に封入容器100を収納することができる。
【0046】
引き抜き部102が現像ハウジング32に形成した引き抜き穴110,111からハウジング外部に突出して露呈されているので、現像装置9の外側から封入容器100を開放して現像剤Gを現像装置9内に放出することができる。また、引き抜き穴110,111は現像ローラ34やドクターブレード39が配置されていて側の壁部32Aに形成しているので、引き抜き部102の引き抜きと動作時に、これら部材と接触することがなく、ドクタープレード39への異物の付着も防止することができる。
【0047】
次に引き抜き穴110,111の形状について説明する。
【0048】
図12に示すように、現像ハウジング32の壁部32Aを貫通して形成された引き抜き穴110,111の径Rは、壁部32Aの厚さ方向に同一径としているが、同一径で、かつ小径であると、引き抜き部102を引き抜く際に現像剤Gが引き抜き穴110,111の付近で圧を受けるので固着し易く、引き抜き抵抗も大きくなることが考えられる。このため、図13に示すように、引き抜き穴110,111が形成された壁部32Aの内面32Bに、引き抜き穴110,111に向かって徐々に壁部32Aの断面積が小さくなる傾斜したガイド部120を、引き抜き穴110,111にそれぞれ連通するように形成する。このようなガイド部120を形成すると、引き抜き部102を引き抜く際に封入容器100の断面が徐々に狭められるので抵抗が少なく、スムーズな引き抜き動作を行えるとともに、現像剤Gの固着も低減することができる。
【0049】
引き抜き部102を引き抜いて容器内の現像剤Gが現像装置9内に放出されると、放出された現像剤Gが、封入容器100の表面に付着し、場合によっては引き抜き穴110,111を通過してハウジング外部に出てしまうことも想定される。
【0050】
このため、図14に示すように引き抜き穴110,111の周部に磁性部材となる例えば磁石130を配置してもよい。磁石130の配置場所としては、図14(a)に示すようにガイド部120内、図14(b)に示すように、ガイド部120を備えていない場合は壁部32Aの内面32Bで引き抜き穴110,111と同心円状に、あるいは図14(c)に示すように、壁部32Aの外面32C側で引き抜き穴110,111よりも下部が挙げられる。
【0051】
このように、引き抜き穴110,111の周部に磁石130を配置すると、引き抜き穴110,111を通過した現像剤Gを磁石130の磁力によって引き付けることができ、現像剤Gによる現像装置9周辺の汚れや作業者の手の汚れを少なくあるいは無くすことができる。また、磁石130を配置することで、引き抜き部102(封入容器100)を現像装置9外に引き抜く際に、引き抜き穴110,111を通過して現像装置外部に引きずられて排出される現像剤Gを低減あるいは無くすことができ、現像剤Gを効率よく現像装置9内に放出することができる。
【0052】
引き抜き部102を引っ張る際の抵抗により、封入部材100が破断部101と異なる部位で破れてちぎれてと舞うことも想定されるため、図15に示すように、封入部材100に、引き抜き方向に延在し、その一部が引き吹き部102まで達する補強部材117を設けてもよい。補強部材117は、封入容器100の長手方向外壁に沿って、封入容器100の材質よりも強度の高い材質の別部材を貼り付けて構成している。無論、封入容器100形成する際に、袋部分と補強部分とで強度を代えて一体的に形成してもよい。
【0053】
このような補強部材117を封入容器100に設けることで、封入容器100の強度を上げると同時に、封入部材100を引き抜く過程で封入容器が破断部101以外で破損して封入容器100が現像装置9内に在留するのを防ぐことができる。
【0054】
上記形態において、封入容器100が一体化された現像剤搬送部材を装着する、あるいは適用可能な現像装置としては、図3,図4に示すように、供給スクリュー部材36と回収スクリュー部材38が上下に配置され、供給スクリュー部材36と回収スクリュー部材38の中間部分に現像ローラ34を配置した現送装置9に限定されるものではない。
【0055】
例えば図16、図17に示すように、供給スクリュー部材36と回収スクリュー部材38とが斜めに配置されていて、回収スクリュー部材38の上部に現像ローラ34が配置された現像装置9Aに適用してもよい。この場合、現像ローラ34と反対側に位置する現像ハウジング321の補給口321Aに引き抜き穴110,111を形成し、各引き抜き穴からそれぞれ引き抜き部102,102をそれぞれハウジング外部へ露呈させ、現像ローラ34と反対側に引き抜くようにしてもよい。あるいは、図18に示すように、供給スクリュー部材36の引き抜き部102と回収スクリュー部材38の引き抜き部102を挿通させる引き抜き部110,111をそれぞれ異なる方向に位置するように現像ハウジング321の補給口321Aに形成し、各引き抜き部102の引き抜き方向を異なる方向としてもよい。
【0056】
封入容器100は、全ての現像剤搬送部材に装着する必要はなく、1つの封入容器100で現像剤Gの容量を確保できるのであれば、図19に示すように、複数の現像剤搬送部材の1本にだけ装着した形態であってもよい。図19は、供給スクリュー部材36のみに封入容器100を一体的にした形態を示す。
【0057】
現像装置及びプロセスカートリッジの形態としては、図20に示すものであってもよい。図20に示すプロセスカートリッジ300の構成について簡単に述べると、感光体3a等が装着された感光体ハウジング31と、現像装置9Bを構成する各種部品が装着された現像ハウジング32とを有する。感光体ハウジング31と現像ハウジング32は、組付け・分離可能に構成されている。
現像ハウジング32には、現像像担持体となる現像ローラ115と、これと対向配置されたドクターブレード116と、2つに仕切られた収容槽117と、現像剤搬送部であり現像剤攪拌部材としての一対の攪拌スクリュー118とを備えている。一対の攪拌スクリュー118は、それぞれ収容槽117に水平方向に隣接して配置されていて、互いの異なる方向に回転することで現像剤を軸方向に搬送するとともに、一方の攪拌スクリュー118は現像ローラ115に、現像剤を供給する。
【0058】
本発明は、このようなプロセスカートリッジ300や現像装置9Bに適用することもできる。この形態では攪拌スクリュー118,118に封入容器100をそれぞれ巻き付けて一体化し、現像装置9Bの現像ハウジング322であって、現像ローラ115と反対側に位置する壁部322Aに2つの封入容器100からそれぞれ延びる引き抜き部102を挿通する引き抜き穴110,111を形成し、これら引き抜き穴110,111に引き抜き部102をそれぞれ挿通させてハウジング外部に露呈して同一方向から引き抜き可能としている。
【0059】
図21は、現像装置9Bの現像ハウジング322の互いに対極に位置する壁部322A,322Bに引き抜き穴110,111をそれぞれ形成し、各引き抜き部102をそれぞれ挿通させてハウジング外部に露呈して異なる方向から引き抜き可能としている。
【0060】
このように本発明は現像剤搬送部材を備えた様々な形式の現像装置に対して適用することができ、各現像装置においても、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0061】
3a〜3d 像担持体
9,9A,9B 現像装置
30a〜30d プロセスカートリッジ
31 像担持体ハウジング
32 ハウジング
32A,321A,322A ハウジングの壁面
34 現像剤担持体
36,38 現像剤搬送部材
36A,38A スクリュー間
36B,38B 空間
36C,38C 回転軸
36Ca,36Cb 現像剤搬送部の両端
38Ca,38Cb 現像剤搬送部の両端
100 袋部材
100A,100B 袋部材の両端
101 破断部
102 引き抜き部
103,106 引っ掛け部
117 補強部材
110,111 引き抜き穴
130 磁性部材
G 現像剤
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開平11−174810号公報
【特許文献2】特開平05−333691

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を内部に封入された可塑性を有する袋部材が一体的に装着されたことを特徴とする現像剤搬送部材。
【請求項2】
前記現像剤搬送部は、スクリュー部材で構成されていて、
前記袋部材は、前記スクリュー部材のスクリュー間に形成される空間内に巻き付けられて装着されていることを特徴とする請求項1記載の現像剤搬送部材。
【請求項3】
前記袋部材は、前記現像剤搬送部材の両端に、その両端側が係止されて装着されていることを特徴とする請求項1記載の現像剤搬送部材。
【請求項4】
現像剤担持体と、前記現像剤担持体を支持するハウジングと、前記ハウジング内において回転することで現像剤を搬送可能な少なくとも1つの現像剤搬送部材とを備え、
前記現像剤搬送部材が請求項1ないし3の何れか1つに記載の現像剤搬送部材であることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
前記袋部材には、作業者に把持される引き抜き部と、前記袋部材中の現像剤を封入する部分を横断するように設けられ、前記引き抜き部への引き抜き動作に応じて破れる破断部とを有し、
前記ハウジングは、前記引き抜き部を前記ハウジング外部に露呈させる引き抜き穴が形成されていることを特徴する現像装置。
【請求項6】
前記袋部材は、前記破断部を境に前記引き抜き部と反対側に引っ掛け部が設けられ、
前記引っ掛け部は、前記現像剤搬送部材の回転軸に引っ掛けられていることを特徴とする請求項5記載の現像装置。
【請求項7】
前記引き抜き穴は、前記現像剤搬送部材を境にして現像剤担持体と反対側の前記ハウジングの壁面に設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の現像装置。
【請求項8】
前記引き抜き穴の大きさは、前記現像剤が封入された状態の前記袋部材を横断する方向の断面積よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項5ないし7の何れか1つに記載の現像装置。
【請求項9】
前記引き抜き穴の周部に磁性部材を配置したことを特徴とする請求項5ないし8の何れか1つに記載の現像装置。
【請求項10】
前記袋部材は、引き抜き方向に延在し、その一部が前記引き吹き部まで達する補強部材を有することを特徴とする請求項5ないし9の何れか1つに記載の現像装置。
【請求項11】
請求項4ないし6の何れか1つに記載の現像装置と、少なくとも像担持体を回転可能に保持する像担持体ハウジングとを一体にしたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項請求項4ないし6の何れか1つに記載の現像装置又は請求項7に記載のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−164352(P2011−164352A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26851(P2010−26851)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】