説明

現像剤量検知装置及び画像形成装置

【課題】画像形成装置本体に着脱可能なユニットに対する光学素子の位置決めを簡易な構成により実現することができ、装置の小型化及び低コスト化を図れる現像剤量検知装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置本体100に対して着脱可能なユニット1に配設された現像剤収容部内の現像剤量を、光学素子21,22を用いて検知する現像剤量検知装置である。現像剤量検知装置は、光学素子21,22を保持すると共に、ユニット1の画像形成装置本体100への装着動作に伴って光学素子21,22の光軸と直交する方向に任意に移動可能な保持部材50と、ユニット1を画像形成装置本体100に装着した状態で、保持部材50のユニット1に対する光軸と直交する方向への移動を規制して位置決めする位置決め手段51,52を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子を用いて現像剤の量を検知する現像剤量検知装置、及びその現像剤量検知装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置において、画像形成装置の各構成要素をユニット化し、各ユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能に構成しているものが多く開発されている。なかでも、現像装置やトナーカートリッジ、感光体等を一体化したプロセスユニットは、使用に伴い内部に充填されている現像剤が消費されていくため、新しいプロセスユニットに交換するタイミングをユーザに報知する必要がある。そのため、従来から、プロセスユニット内の現像剤量を検知するための種々の検知手段が提案されている。
【0003】
現像剤量を検知する検知手段の1つに、光学素子を用いた光透過式のものがある。
光透過式の現像剤量検知とは、現像剤を収容する現像剤収容部内に光を照射し、その光の透過時間の長さや光を検知するタイミングから現像剤収容部内の現像剤量を検知する方式である。
【0004】
具体的に、光透過式の現像剤量検知手段は、例えば、画像形成装置本体に設けられた発光素子と受光素子、プロセスユニットに設けられたプリズムやミラー等から成る第1及び第2の導光部材等によって構成される。そして、発光素子から発せられた光は、第1の導光部材を通ってプロセスユニットの現像剤収容部内に導かれ、現像剤収容部内に導かれた光は、第2の導光部材を通って外部に達し、受光素子に至る。このときの受光素子で受光する時間の長さやタイミングによって現像剤量を検知する構成となっている。
【0005】
しかしながら、プロセスユニットを画像形成装置本体に装着する際に、画像形成装置本体側の発光素子及び受光素子と、プロセスユニット側の第1及び第2の導光部材との相対的位置関係にずれが生じると、検知精度が低下するといった問題がある。そのため、例えば、特許文献1には、受光素子を回動レバーを介して画像形成装置本体に取り付け、プロセスユニットの画像形成装置本体への装着時に、プロセスユニットが回動レバーに当接して回動させることにより、受光素子をプロセスユニットに対して正確に位置合わせする技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、回動レバー及びそれを回動させるための大掛かりなリンク機構が必要となるため、部品点数が多くなり、装置が大型化、高コスト化するといった欠点がある。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑み、画像形成装置本体に着脱可能なユニットに対する光学素子の位置決めを簡易な構成により実現することができ、装置の小型化及び低コスト化を図れる現像剤量検知装置、及びその現像剤量検知装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、画像形成装置本体に対して着脱可能なユニットに配設された現像剤収容部内の現像剤量を、光学素子を用いて検知する現像剤量検知装置において、前記光学素子を保持すると共に、前記ユニットの前記画像形成装置本体への装着動作に伴って前記光学素子の光軸と直交する方向に任意に移動可能な保持部材と、前記ユニットを前記画像形成装置本体に装着した状態で、前記保持部材の前記ユニットに対する前記光軸と直交する方向への移動を規制して位置決めする位置決め手段を備えたものである。
【0009】
上記構成により、ユニットの画像形成装置本体への装着動作に伴って保持部材を光軸と直交する方向に移動させ、ユニットを装着した状態で、位置決め手段によって保持部材の光軸と直交する方向の移動を規制して、保持部材で保持する光学素子をユニットに対して位置決めすることができる。本発明の構成では、保持部材が光軸と直交する任意の方向に移動可能であるので、保持部材がユニットに対して光軸と直交するどの方向にずれていても、そのずれを修正して正確な位置決めを行うことができ、現像剤量を高精度に検知することができる。また、本発明の構成によれば、簡易な構成により正確な位置決めを実現することが可能となる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の現像剤量検知装置において、前記画像形成装置本体に前記保持部材よりも前記光軸と直交する任意の方向に大きく形成された収容空間を設け、当該収容空間内に前記保持部材を収容したものである。
【0011】
上記のように構成された収容空間内に保持部材を収容することで、保持部材を収容空間内で光軸と直交する任意の方向に移動させることができ、正確な位置決めを行うことができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の現像剤量検知装置において、前記光学素子としての発光素子と受光素子とを、前記保持部材によって保持し、前記発光素子及び前記受光素子に対向して前記発光素子からの光を前記受光素子へ導く導光部材を、前記ユニットに設けたものである。
【0013】
上記のように、保持部材で保持する光学素子をユニットに対して正確に位置決めすることができるので、発光素子及び受光素子をユニットに設けた導光部材に対しても正確に位置決めすることができ、現像剤量を高精度に検知することができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記位置決め手段は、穴部と、当該穴部に対して前記ユニットの前記画像形成装置本体への装着動作に伴って挿入可能な凸部とから成り、前記ユニットと前記保持部材の一方に前記凸部を設け、他方に前記穴部を設けたものである。
ここで、「穴部」とは、貫通した貫通穴や、貫通しない有底の穴、あるいは凹部も含むと定義する。
【0015】
この場合、凸部を穴部に挿入するだけの簡易な構成により、保持部材の光軸と直交する方向の移動を規制することができ、光学素子のユニットに対する正確な位置決めを実現できる。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4に記載の現像剤量検知装置において、前記凸部を前記ユニットに設け、前記穴部を前記保持部材に設けたものである。
【0017】
凸部をユニットに設けた場合は、ユニットに穴部を設けないため、ユニット内の容量が減るのを回避することができ、現像剤の収容量を多くすることができる。
【0018】
請求項6の発明は、請求項4に記載の現像剤量検知装置において、前記穴部を前記ユニットに設け、前記凸部を前記保持部材に設けたものである。
【0019】
この場合、凸部を着脱可能なユニットではなく保持部材に設けているので、ユニットに凸部を設けている場合に比べて、凸部の破損や損傷が生じにくくなる。
【0020】
請求項7の発明は、請求項4から6のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記凸部と前記穴部の少なくとも一方が、前記凸部を前記穴部内に案内する案内部を有するものである。
【0021】
これにより、凸部を穴部内にスムースに挿入することができるようになる。
【0022】
請求項8の発明は、請求項4から7のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記現像剤収容部に収容される現像剤の色ごとに、前記凸部及び前記穴部の形状又は配置を異ならせたものである。
【0023】
このように構成することで、各色のユニットを対応しない色の位置に装着することができなくなるで、誤装着を防止できる。
【0024】
請求項9の発明は、請求項4から8のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、画像形成装置によって、前記凸部及び前記穴部の形状又は配置を異ならせたものである。
【0025】
このように構成することで、凸部及び穴部の形状又は配置が異なる画像形成装置に対してはユニットを装着できなくなり、他機への誤装着防止又は非互換機能を発揮できるようになる。
【0026】
請求項10の発明は、請求項4から9のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記凸部を前記穴部に挿入した状態で、前記凸部を中心に前記保持部材が前記ユニットに対して相対的に回転するのを規制する回転規制手段を備えるものである。
【0027】
回転規制手段によって保持部材の相対的回転を規制することにより、ユニットに対する光学素子の位置決めをより正確に行うことができるようになり、現像剤量の検知精度が一層向上する。
【0028】
請求項11の発明は、請求項10に記載の現像剤量検知装置において、前記回転規制手段は、嵌合穴と、当該嵌合穴に対して前記ユニットの前記画像形成装置本体への装着動作に伴って挿入可能な突起とから成り、前記ユニットと前記保持部材の一方に前記突起を設けると共に、他方に前記嵌合穴を設けたものである。
ここで、「嵌合穴」とは、貫通した貫通穴や、貫通しない有底の穴、あるいは凹部も含むと定義する。
【0029】
これにより、保持部材とユニットは、位置決め用の凸部と回転規制用の突起との二軸によって係合されるため、凸部を中心とする保持部材の相対的回転を規制することができる。
【0030】
請求項12の発明は、請求項11に記載の現像剤量検知装置において、前記突起の先端が挿入されると共に、挿入された前記突起の先端を前記嵌合穴へ誘導する溝部を、前記凸部を中心とする前記保持部材の回転方向に沿って形成したものである。
【0031】
このように構成することで、ユニットを画像形成装置に装着する際に、保持部材がユニットに対して凸部を中心とする回転方向に相対的に位置ずれしていたとしても、溝部で突起の先端を嵌合穴へ誘導することにより、前記回転方向の位置ずれを修正して保持部材をユニットに対して所定の位置に位置決めすることができる。
【0032】
請求項13の発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記光学素子の周囲を覆い光軸の方向に開口する遮光カバーを前記ユニットに設け、前記ユニットの前記画像形成装置本体への装着動作に伴って、前記遮光カバーが前記光学素子の周囲に配設されるように構成したものである。
【0033】
この場合、遮光カバーが光学素子からの不要な光の発散又は光学素子への不要な光の入射を防止でき、誤検知を防止できる。また、上記のように、本発明の構成では、光学素子をユニットに対して正確に位置決めすることができるので、遮光カバーに対する光学素子の位置決めも正確に行うことができる。
【0034】
請求項14の発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記光学素子の周囲を覆い光軸の方向に開口する遮光カバーを前記保持部材に設けたものである。
【0035】
この場合も、遮光カバーが光学素子からの不要な光の発散又は光学素子への不要な光の入射を防止でき、誤検知を防止できる。
【0036】
請求項15の発明は、請求項1から14のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記ユニットが、前記現像剤収容部を有し、画像形成装置本体に対して着脱可能な現像剤収容器である。
【0037】
本発明の構成を現像剤収容器に適用可能である。
【0038】
請求項16の発明は、請求項1から14のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記ユニットが、前記現像剤収容部と、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に対して着脱可能な現像装置である。
【0039】
本発明の構成を現像装置に適用可能である。
【0040】
請求項17の発明は、請求項1から14のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置において、前記ユニットが、前記現像剤収容部と、静電潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットである。
【0041】
本発明の構成をプロセスユニットに適用可能である。
【0042】
請求項18の発明は、請求項1から17のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置を備えた画像形成装置である。
【0043】
画像形成装置が、請求項1から17のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置を備えているので、これらの現像剤量検知装置の上記効果が得られる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、現像剤量を検知するための光学素子を、画像形成装置本体に対して着脱可能なユニットに対して、簡易な構成により正確な位置決めを行うことができる。すなわち、光学素子を、光軸と直交する方向に任意に移動可能な保持部材で保持し、その保持部材を位置決め手段によって位置決めするだけで、光学素子の正確な位置決めを行うことができる。このため、本発明は、従来の構成に比べて部品点数を少なくすることができ、装置の小型化及び低コスト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】画像形成装置本体に対するプロセスユニットの着脱構成を示す図である。
【図3】プロセスユニットをその長手方向と直交する方向に切断した概略断面図である。
【図4】プロセスユニットをその長手方向と平行な方向に切断した概略断面図である。
【図5】画像形成装置本体の内部構造の概略図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】プロセスユニットの外観の概略図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】発光素子及び受光素子の位置決め方法を説明するための図である。
【図10】凸部の位置決め部の先端と穴部の入口側の端部との距離と、発光素子及び受光素子の各先端と遮光カバーの先端との距離の関係を説明するための図である。
【図11】穴部の入口側の端部に凸部の位置決め部の先端が到達した状態を示す図である。
【図12】穴部の入口側に案内部を設けた実施形態において、凸部の先端と穴部の位置決め部における入口側の端部との距離と、発光素子及び受光素子の各先端と遮光カバーの先端の距離の関係を説明するための図である。
【図13】穴部の位置決め部における入口側の端部に凸部の先端が到達した状態を示す図である。
【図14】保持部材に凸部を設け、プロセスユニットに穴部を設けた実施形態を示す図である。
【図15】保持部材に遮光カバーを設けた実施形態を示す図である。
【図16】穴部の形状を互いに異ならせた実施形態を示す図である。
【図17】穴部の配置を互いに異ならせた実施形態を示す図である。
【図18】遮光カバーを設けていない場合の構成を示す図である。
【図19】回転規制手段を設けた構成を示す図である。
【図20】回転規制手段を構成する嵌合穴と溝部を拡大した図である。
【図21】保持部材の回転方向の位置決め動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0047】
まず、図1を参照して、本発明を適用する画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体100には、画像形成ユニットとしての4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが着脱可能に装着されている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。なお、本実施形態では、現像剤としてトナーから成る一成分現像剤を用いている。
【0048】
具体的には、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、潜像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3等を備えた帯電装置と、感光体2の表面にトナーを供給する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするためのクリーニングブレード5等を備えたクリーニング装置などで構成されている。なお、図1では、イエローのプロセスユニット1Yが備える感光体2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニングブレード5のみに符号を付しており、その他のプロセスユニット1M,1C,1Bkにおいては符号を省略している。
【0049】
図1において、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの上方には、感光体2の表面を露光する露光手段としての露光装置6が配設されている。露光装置6は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体2の表面へレーザー光を照射するようになっている。露光装置6は、図では前記形態をとっているが、LEDなどの露光装置を各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの近傍に配置する構成もある。
【0050】
また、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの下方には、転写装置7が配設されている。転写装置7は、転写体としての無端状のベルトから構成される中間転写ベルト8を有する。中間転写ベルト8は、支持部材としての駆動ローラ9と従動ローラ10に張架されており、駆動ローラ9が図の反時計回りに回転することによって、中間転写ベルト8は図の矢印に示す方向に周回走行(回転)するように構成されている。
【0051】
4つの感光体2に対向した位置に、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ11が配設されている。各一次転写ローラ11はそれぞれの位置で中間転写ベルト8の内周面を押圧しており、中間転写ベルト8の押圧された部分と各感光体2とが接触する箇所に一次転写ニップが形成されている。各一次転写ローラ11は、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が一次転写ローラ11に印加されるようになっている。
【0052】
また、駆動ローラ9に対向した位置に、二次転写手段としての二次転写ローラ12が配設されている。この二次転写ローラ12は中間転写ベルト8の外周面を押圧しており、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8とが接触する箇所に二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ12は、一次転写ローラ11と同様に、図示しない電源に接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ12に印加されるようになっている。
【0053】
また、中間転写ベルト8の図の右端側の外周面には、中間転写ベルト8の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置13が配設されている。このベルトクリーニング装置13から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、転写装置7の下方に配設された廃トナー収容器14の入り口部に接続されている。
【0054】
画像形成装置本体100の下部には、紙やOHPシート等の記録媒体Pを収容した給紙カセット15が配設されている。給紙カセット15には、収容されている記録媒体Pを送り出す給紙ローラ16が設けてある。一方、画像形成装置本体100の上部には、記録媒体を外部へ排出するための一対の排紙ローラ17と、排出された記録媒体をストックするための排紙トレイ18とが配設されている。
【0055】
また、画像形成装置本体100内には、記録媒体Pを給紙カセット15から二次転写ニップを通って排紙トレイ18へ搬送するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向上流側には一対のレジストローラ19が配設されている。また、二次転写ローラ12の位置よりも記録媒体搬送方向下流側には、定着装置20が配設されている。
【0056】
上記画像形成装置は以下のように動作する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2が図の時計回りに回転駆動され、帯電ローラ3によって各感光体2の表面が所定の極性に一様に帯電される。図示しない読取装置によって読み取られた原稿の画像情報に基づいて、露光装置6から各感光体2の帯電面にレーザー光が照射されて、各感光体2の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように感光体2上に形成された静電潜像に、各現像装置4によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
【0057】
中間転写ベルト8を張架する駆動ローラ9が回転駆動し、中間転写ベルト8を図の矢印の方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ11に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ11と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。そして、各感光体2上の各色のトナー画像が、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト8はその表面にフルカラーのトナー画像を担持する。また、中間転写ベルト8に転写しきれなかった各感光体2上のトナーは、クリーニングブレード5によって除去される。
【0058】
また、作像動作が開始されると、給紙ローラ16が回転して、給紙カセット15から記録媒体Pが搬出される。搬出された記録媒体Pは、レジストローラ19によってタイミングを計られて、二次転写ローラ12と中間転写ベルト8との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ12には、中間転写ベルト8上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト8上のトナー画像が記録媒体P上に一括して転写される。その後、記録媒体Pは定着装置20に送り込まれトナー画像が記録媒体P上に定着される。そして、記録媒体Pは一対の排紙ローラ17によって排紙トレイ18に排出される。
【0059】
以上の説明は、記録媒体にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つのプロセスユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0060】
また、図2に、画像形成装置本体に対するプロセスユニットの着脱構成を示す。
図2に示すように、画像形成装置本体100の外装部における図の手前側の面には、開閉可能な扉200が設けられている。この扉200を開放することで、画像形成装置本体100内に装着されているプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkが露出した状態となり、この状態で、画像形成装置本体100に対してプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkをその長手方向にかつ水平に出し入れすることが可能となっている。
【0061】
図3は、プロセスユニットをその長手方向と直交する方向に切断した概略断面図である。
図3では、上記4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのうちの1つプロセスユニット1の構成を示し、各色を示すアルファベット(Y,M,C,Bk)を便宜的に省略している。なお、その他の図においても、特に必要とする場合を除いて、各色を示すアルファベット(Y,M,C,Bk)を省略する。
【0062】
図3に示すように、プロセスユニット1が有する現像装置4には、トナーを担持する現像ローラ40と、現像ローラ40にトナーを供給する供給ローラ41と、現像ローラ40上に担持されたトナーを薄層化する現像ブレード42と、トナーを収容する現像剤収容部43と、現像剤収容部43内のトナーを撹拌する撹拌部材44等が設けられている。現像剤収容部43内のトナーは、供給ローラ41により現像ローラ40上に担持された後、現像ブレード42により、現像ローラ40上で所定の極性に帯電したトナーの薄層を形成する。現像ローラ40は、感光体2に当接しながら回転し、感光体2上に形成された静電潜像にトナーを付着させて顕像化する。
【0063】
次に、プロセスユニット内のトナー量を光学素子を用いて検知する現像剤量検知装置の構成について説明する。
図4は、プロセスユニットをその長手方向と平行な方向に切断した概略断面図である。
図4に示すように、プロセスユニット1には、画像形成装置本体側に設けられた発光素子21からの光を、同じく画像形成装置本体側に設けられた受光素子22へ導く第1及び第2の2つの導光部材31,32が設けられている。これらの導光部材31,32は、光を曲げて案内できるプリズムで構成されており、それぞれ現像装置4の現像剤収容部43内を通過するように配設されている。
【0064】
詳しくは、各導光部材31,32の一端面31a,32aは、プロセスユニット1のハウジング25から外部に露出している。プロセスユニット1が画像形成装置本体に装着されることによって、第1の導光部材31の露出する端面31aは発光素子21に対向して配置され、第2の導光部材32の露出する端面32aは受光素子22に対向して配置される。また、各導光部材31,32の他端面31b,32bは、現像剤収容部43内で互いに対向するように配設されている。この場合、発光素子21から発せられた光は、第1の導光部材31の一端面31aから入り、図の矢印に示すように反射された後、他端面31bから出て、第2の導光部材32の一端面32aへ入る。そして、第2の導光部材32に入った光は、その他端面32bから出て受光素子22に到達するようになっている。なお、発光素子21と受光素子22の配置を入れ換えてもよいが、本実施形態のように、発光素子21を感光体2から遠い位置に配設した方が、感光体2への光暴露を回避できる点で望ましい。
【0065】
また、導光部材31,32の互いに対向する端面31b,32bの間は、一定の間隔が設けられており、この間を撹拌部材44の回転軸440に設けられた羽根441が通過するように構成されている。導光部材31,32の互いに対向する端面31b,32bの間を撹拌部材44の羽根441が通過する際、羽根441が各端面31b,32bに摺擦することで、各端面31b,32bに付着したトナーが掻き落とされ光透過路が形成される。
【0066】
図4において、符号T1、T2、T3は、それぞれ現像剤収容部43内に収容されているトナーの上面の位置を示す。トナーが消費されるのに伴い、トナーの上面は、T1からT2、そしてT3の位置へと徐々に下がっていく。T1で示すように、トナーの上面が導光部材31,32の互いに対向する端面31b,32bよりも上にある場合、撹拌部材44の羽根441が対向する端面31b,32bを摺擦しても、すぐに周囲のトナーが各端面31b,32bに付着し、十分な光が第1の導光部材31から第2の導光部材32へ入らず、受光素子22へ光が届かないか、あるいは光が届いたとしても連続的ではなく、受光素子22が光を検知できる時間は極めて短い。
【0067】
その後、印刷動作などでトナーが消費され、トナーの上面が導光部材31,32の対向する端面31b,32bとほぼ同じ高さのT2の位置まで下がると、第1の導光部材31から第2の導光部材32への光透過量や光透過時間が増えるので、受光素子22が光を検知できる時間が増える。特に、撹拌部材44の羽根441が対向する端面31b,32bの間を通過した直後は、各端面31b,32b間に存在するトナーが最も少ない状態になるため、光が透過しやすい。
【0068】
さらに、トナーの消費が進み、トナーの上面が導光部材31,32の対向する端面31b,32bよりも下がったT3の位置になると、第1の導光部材31から第2の導光部材32への光透過量や光透過時間がさらに増え、受光素子22が光を検知できる時間がより増えてくる。このように、受光素子22が光を検知できる時間の長さやタイミングの違いから、トナーの量(残量)を検知する仕組みとなっている。
【0069】
図5は、画像形成装置本体の内部構造の概略図、図6は、図5の要部拡大図である。
図5に示すように、画像形成装置本体100の内面には、発光素子21及び受光素子22がプロセスユニットと同じ数ずつ配設されており、ここでは、それぞれ4つずつ4組設けられている。また、各組の発光素子21及び受光素子22は、画像形成装置本体100内に取り付けられた板状の保持部材50によって保持されている。
【0070】
図6に示すように、保持部材50は、画像形成装置本体100に形成された収容空間101内に収容されている。この収容空間101は、上方から保持部材50を挿入するための挿入用開口部102を有する。挿入用開口部102から挿入された保持部材50は、収容空間101の底部に当接して受け止められる。また、収容空間101は、発光素子21及び受光素子22をプロセスユニット側へ露出させるための露出用開口部105を有する。露出用開口部105の横方向の幅D4は、収容空間101から保持部材50が脱落しないように、保持部材50の横方向の幅d1よりも小さく設定されている。また、収容空間101の横方向の幅D1は保持部材50の横方向の幅d1よりも大きく、収容空間101の縦方向の長さD3は保持部材50の縦方向の長さd3よりも大きく、収容空間101の奥行き方向の幅D2は保持部材50の厚さd2よりも僅かに大きく設定されている。
【0071】
上記のように、収容空間101が保持部材50に対して横方向及び縦方向に大きく形成されていることで、保持部材50は収容空間101内で横方向と縦方向に任意に移動可能に構成されている。すなわち、保持部材50は、発光素子21及び受光素子22の光軸Lと直交する方向に任意に移動可能となっている。ここで、発光素子21及び受光素子22の光軸Lとは、上記第1及び第2の導光部材31,32を介して発光素子21から受光素子22へ光を案内する経路のことである。
【0072】
また、保持部材50の裏面(プロセスユニットと対向する面とは反対側の面)側からは、発光素子21及び受光素子22を画像形成装置の図示しない電子素子集約基板(エンジンボード)に電気的に接続するためのハーネス26が伸びている。ただし、このハーネス26は、保持部材50の光軸Lと直交する方向の移動を規制するものではない。また、電子素子集約基板には、通常、4色分のハーネス26のコネクタスペースが必要となるが、そのコネクタスペースを省スペース化するために、途中に中継基板を設け、4色分をまとめてから1つのコネクタで接続してもよい。また、本実施形態では、収容空間101を形成する周壁部分が、保持部材50に設けられた発光素子21及び受光素子22などの端子と接触しても誤信号の原因とならないように、周壁部分を熱可塑性樹脂で構成している。
【0073】
続いて、図6、図7及び図8に基づいて、発光素子及び受光素子を位置決めするための位置決め手段について説明する。なお、図7は、プロセスユニットの外観の概略図、図8は、図7の要部拡大図である。
図6に示すように、保持部材50には、位置決め手段としての円形の穴部51が貫設されている。一方、図7に示すように、プロセスユニット1には、保持部材50の穴部51に挿脱可能なピン状の凸部52が設けられている。この凸部52は、プロセスユニット1の画像形成装置本体に対する装着方向Aへ突出している。
【0074】
図8に示すように、凸部52は、穴部51への挿入をスムースに行うために先端に向かってテーパ状に細く形成された円錐状の案内部520と、位置決めのための円柱状の位置決め部521とを有する。また、本実施形態では、各導光部材31,32の露出した端面31a,32aの周囲に、遮光カバー33,34が設けられている。各遮光カバー33,34は、発光素子及び受光素子の上記光軸の方向に開口する筒状の部材であり、それぞれの内側のエッジはC面取り加工されている。
【0075】
以下、図9を参照して、発光素子及び受光素子の位置決め方法について説明する。
まず、図9(a)に示すように、プロセスユニット1を画像形成装置本体100に対して図の矢印Aの方向に挿入する。図9(a)に示す状態では、プロセスユニット1に設けられた凸部52は、保持部材50の穴部51には挿入されていない。また、この状態では、保持部材50は重力により収容空間101の底部101aに当接した状態で保持されている。
【0076】
図9(b)に示すように、さらにプロセスユニット1を図の矢印Aの方向に挿入すると、凸部52の先端が保持部材50の穴部51の縁に当接する。このとき、テーパ状の案内部520が穴部51の縁に摺接することにより、凸部52が穴部51内に案内されると共に、保持部材50は図の矢印Bに示す上方へ持ち上げられる。
【0077】
そして、図9(c)に示すように、プロセスユニット1の画像形成装置本体100への装着が完了し、凸部52の位置決め部521が穴部51内に挿入された状態になると、保持部材50の光軸と直交する方向の移動が規制される。また、このとき、発光素子21と受光素子22は遮光カバー33,34内に干渉することなく挿入され、それぞれ導光部材31,32の露出した端面31a,32aに対向する。
【0078】
上記のように、本実施形態では、プロセスユニット1の装着動作に伴い、凸部52が穴部51に挿入されることによって、保持部材50の光軸と直交する方向の移動を規制することができるので、発光素子21及び受光素子22を各導光部材31,32の露出した端面31a,32aに対して正確に位置決めすることができる。すなわち、本発明の構成では、保持部材50が光軸と直交する任意の方向に移動可能であるので、保持部材50がプロセスユニット1に対して光軸と直交するどの方向にずれていても、そのずれを修正して正確な位置決めを行うことができる。これにより、トナー量を高精度に検知することが可能である。
【0079】
また、位置決めが完了した状態で、発光素子21と受光素子22の周囲にはそれぞれ遮光カバー33,34が配設されるので、発光素子21からの不要な光の発散と、受光素子22への不要な光の入射を防止できる。特に、本実施形態のように、発光素子21と受光素子22と互いに近い位置に配設されている場合は、発光素子21からの光がそのまま受光素子22に受光されやすく、誤検知となる虞があるが、遮光カバー33,34を設けることで誤検知を防止できるようになる。また、近年の小型化により発光素子21と感光体との間隔も短くなってきており、このような構成の場合、発光素子21からの光が強いと感光体上の静電潜像形成に悪影響を及ぼすことも懸念されるが、遮光カバー33,34を設けることで感光体への不要な光の照射を防止できるようになる。
【0080】
なお、プロセスユニット1を画像形成装置本体100から取り外す場合は、上記矢印Aの方向とは反対方向にプロセスユニット1を移動させることにより、凸部52が穴部51から離脱し、保持部材50は再び収容空間101の底部101aに当接した状態で保持される。
【0081】
また、図10に示すように、発光素子21及び受光素子22の先端21a,22aと、各遮光カバー33,34の先端33a,34aとの、プロセスユニット1の装着方向Aの距離X1,X2は、穴部51の入口側の端部51aと、凸部52の位置決め部521の先端521aとの、プロセスユニット1の装着方向Aの距離Yより、大きく設定されていることが好ましい。このように設定することで、図11に示すように、穴部51の入口側の端部51aに位置決め部521の先端521aが到達した状態で、発光素子21及び受光素子22の先端21a,22aと遮光カバー33,34の先端33a,34aとの間に間隔W1,W2をもたせることができる。これにより、プロセスユニット1を装着する際、遮光カバー33,34の先端33a,34aが発光素子21及び受光素子22の先端21a,22aの位置に到達するより先に、位置決め部521の先端521aが穴部51の入口側の端部51aに到達して位置決めすることができるので、遮光カバー33,34と発光素子21及び受光素子22との干渉を確実に防止することができ、発光素子21及び受光素子22の傷付きを防止できる。
【0082】
また、図12に示すように、穴部51の入口側に案内部510を設けてもよい。この場合、入口側に向かってテーパ状に拡大するように形成された案内部510によって、凸部52を穴部51内にスムースに挿入することができる。また、穴部51は、挿入方向にストレートに形成された位置決め部511を有しており、この位置決め部511に円柱状に形成された凸部52が挿入されることで発光素子21及び受光素子22の位置決めが行われる。
【0083】
図12に示すように、発光素子21及び受光素子22の先端21a,22aと、各遮光カバー33,34の先端33a,34aとの、プロセスユニット1の装着方向Aの距離X1,X2は、位置決め部511における入口側の端部511aと、凸部52の先端52aとの、プロセスユニット1の装着方向Aの距離Zより、大きく設定されていることが好ましい。このように設定することで、図13に示すように、位置決め部511の入口側の端部511aに凸部52の先端52aが到達した状態で、発光素子21及び受光素子22の先端21a,22aと遮光カバー33,34の先端33a,34aとの間に間隔W1,W2をもたせることができ、上記と同様に、遮光カバー33,34と発光素子21及び受光素子22との干渉を確実に防止することができる。
【0084】
また、図14に示す実施形態のように、保持部材50に凸部52を設け、プロセスユニット1に穴部51を設けてもよい。すなわち、この実施形態は、凸部52と穴部51を設ける対象(保持部材50及びプロセスユニット1)が、上記実施形態とは反対になっている。それ以外は、図9に示す上記実施形態と同様の構成である。
【0085】
この場合も、図14(a)に示すように、凸部52が穴部51内に挿入される前の状態では、保持部材50は重力により収容空間101の底部101aに当接した状態で保持されている。
【0086】
次いで、図14(b)に示すように、プロセスユニット1の画像形成装置本体100への装着動作(挿入動作)に伴って、穴部51の先端が保持部材50の凸部52の縁に当接すると、テーパ状の案内部520が穴部51の縁に摺接することにより、凸部52が穴部51内に案内されつつ、保持部材50が図の矢印Bに示す上方へ持ち上げられる。
【0087】
そして、図14(c)に示すように、プロセスユニット1の画像形成装置本体100への装着が完了し、凸部52の位置決め部521が穴部51内に挿入された状態になると、保持部材50の光軸と直交する方向の移動が規制される。
【0088】
これにより、上記と同様に、発光素子21及び受光素子22が各導光部材31,32の露出した端面31a,32aに対して正確に位置決めされ、トナー量を高精度に検知することができる。また、本実施形態においても、位置決めが完了した状態で、発光素子21と受光素子22とが遮光カバー33,34内に挿入されることで、発光素子21からの不要な光の発散と、受光素子22への不要な光の入射を防止できる。
【0089】
また、図14に示す実施形態では、凸部52を着脱可能なプロセスユニット1ではなく保持部材50に設けているので、プロセスユニット1に凸部52を設けている場合に比べて、凸部52の破損や損傷が生じにくくなる利点がある。一方、凸部52をプロセスユニット1側に設けている場合は、穴部51をプロセスユニット1に設けないため、プロセスユニット1内の容量が減るのを回避することができ、現像剤の収容量を多くすることができる利点がある。
【0090】
また、図15に示すように、遮光カバー33,34を保持部材50に設けてもよい。この場合、プロセスユニット1の着脱動作に関係なく、発光素子21及び受光素子22は常に遮光カバー33,34によって囲まれた状態となっている。それ以外は、図9に示す上記実施形態と同様の構成である。
【0091】
図15に示す実施形態の場合、図15の(a)(b)(c)の順にプロセスユニット1を画像形成装置本体100に対して挿入していくと、凸部52が穴部51に挿入されることにより保持部材50の光軸と直交する方向の移動が規制され、発光素子21と受光素子22及び遮光カバー33,34が、各導光部材31,32の露出した端面31a,32aに対して位置決めされる。なお、ここでの凸部52の挿入動作に伴う保持部材50の位置決め作用は、図9に示す実施形態と基本的に同様であるので詳しい説明は省略する。
【0092】
上述の各実施形態では、各保持部材50に設けられた穴部51は互いに同じ形状に形成されているが(図5参照)、図16に示す実施形態のように、穴部51の形状を互いに異ならせることも可能である。さらに、この場合、図示省略するが、各色のプロセスユニット1に設けられた凸部52も、各穴部51に対応して互いに異なる形状に形成されている。すなわち、プロセスユニット1の像剤収容部に収容されるトナーの色ごとに、凸部52及び穴部51の形状を異ならせている。このように、凸部52及び穴部51の形状を互いに異ならせておくことにより、各色のプロセスユニット1を対応しない色の位置に装着しようとすると、凸部52を穴部51に挿入できないので、誤装着を防止することができる。また、間違えて、プロセスユニット1を対応しない色の位置に挿入した場合は、凸部52が穴部51に挿入されないことにより、当該プロセスユニット1が画像形成装置本体100から突出し、画像形成装置本体100に設けた扉200(図2参照)を閉じることができない状態となるようにしてもよい。
【0093】
また、プロセスユニット1の誤装着を防止するために、図17に示すように、各保持部材50に設けられた穴部51の配置、及び各色のプロセスユニット1に設けられた凸部52の配置(図示省略)を互いに異ならせてもよい。
【0094】
また、図14に示すような、保持部材50に凸部52を設け、プロセスユニット1に穴部51を設けた実施形態においても、現像剤の色ごとに、凸部52及び穴部51の形状又は配置を異ならせることも可能である。この場合も上記と同様にプロセスユニット1の誤装着を防止できるようになる。
【0095】
また、画像形成装置によって、凸部52と穴部51の形状又は配置を異ならせてもよい。この場合は、凸部52と穴部51の形状又は配置が異なる画像形成装置には、プロセスユニット1を装着することができなくなり、他機への誤装着防止又は非互換機能を発揮できるようになる。
【0096】
また、図18は、遮光カバーを設けていない場合の構成を示す図である。
このように、上記遮光カバー33,34を設けない構成においても、上述の実施形態と同様に、本発明の構成を適用することは可能である。また、図18では、プロセスユニット1に凸部52を設け、保持部材50に穴部51を設けているが、反対に、プロセスユニット1に穴部51を設け、保持部材50に凸部52を設けてもよい。
【0097】
ところで、上述の実施形態では、保持部材50を位置決めするのに、円柱状の凸部52を円形の穴部51に挿入するだけの一軸による係合であるので、基本的に保持部材50は凸部52を中心として回転可能となっている。従って、上述の実施形態においては、万が一、保持部材50が回転すると、発光素子21及び受光素子22は、第1及び第2の導光部材31,32に対して位置ずれする可能性がある。そのため、保持部材50の回転を規制する回転規制手段を設けてもよい。
【0098】
図19に、回転規制手段を設けた構成を示す。
図19に示すように、回転規制手段は、プロセスユニット1に設けられた突起55と、保持部材50に設けられた嵌合穴54及びそれに連接された2つの溝部56を有する。
【0099】
突起55は、凸部52よりも短いピンで構成されている。また、突起55は、凸部52と同様に、先端に向かってテーパ状に細く形成された円錐状の案内部550と、位置決めのための円柱状の位置決め部551とを有する。
【0100】
嵌合穴54は、突起55の位置決め部551の外径とほぼ同じ大きさの径に形成された円形の穴である。また、2つの溝部56は、嵌合穴54の反対側にそれぞれ連設されている。なお、図19に示す例では、嵌合穴54及び溝部56は、保持部材50を貫通して形成されているが、それぞれ、貫通しない有底の穴や溝で構成することも可能である。
【0101】
図20に示すように、各溝部56は、穴部51の中心から半径rの円軌跡J上に形成されている。言い換えれば、各溝部56は、穴部51(又は穴部51に挿入された凸部52)を中心として保持部材50が回転する回転方向Vに沿って形成されている。また、各溝部56の開口幅H2は、嵌合穴54の開口幅(直径)H1よりも小さく、かつ、嵌合穴54に近づくにつれて漸増するように形成されている。
【0102】
以下、保持部材の回転方向の位置決め動作について説明する。
図19において、プロセスユニット1を(画像形成装置本体に取り付けられている)保持部材50に接近させると、まず、凸部52が穴部51内に挿入され、次いで、突起55が嵌合穴54内に挿入されて互いに嵌合する。これにより、保持部材50とプロセスユニット1は、凸部52と突起55との二軸によって係合されるため、保持部材50の凸部52を中心とする回転が規制される。
【0103】
また、図21(a)に示すように、保持部材50の位置決めを行う際に、保持部材50が穴部51を中心に回転方向に位置ずれている場合がある。この場合、プロセスユニット1を保持部材50に接近させると、上記と同様に、凸部52が穴部51内に挿入されるが、突起55は嵌合穴54ではなく溝部56に挿入される。ここで、溝部56に挿入されている突起55の部分は、テーパ状に形成された先端(案内部550)のみである。そして、プロセスユニット1をさらに保持部材50側へ接近させると、溝部56に挿入された突起55の先端が、溝部56に沿って開口幅の漸増する方向、すなわち嵌合穴54側へ移動する。この作用により、保持部材50は、図21(a)の矢印の方向に回転して、回転方向の位置ずれが修正される。そして、図21(b)に示すように、突起55が嵌合穴54の位置に到達すると、突起55が嵌合穴54内に挿入されて互いに嵌合する。これにより、保持部材50の回転が規制され、保持部材50が所定の位置に保持される。
【0104】
このように、図19〜図21に示す実施形態では、簡易な構成により、保持部材50の回転方向の位置ずれを修正して所定の位置に保持することができるので、各導光部材31,32に対する発光素子21及び受光素子22の位置決めをより正確に行うことができるようになり、トナー量の検知精度が一層向上する。
【0105】
なお、図21では、突起55が、2つの溝部56のうち、図の上側の溝部56に挿入される場合を例に説明したが、保持部材50が図21(a)で示す場合とは反対の回転方向に位置ずれしている場合は、突起55は図の下側の溝部56に挿入される。この場合、図の下側の溝部56によって、上記と同様の作用により突起55が嵌合穴54へと誘導されることで、保持部材50の回転方向の位置ずれが修正される。
【0106】
また、上述の実施形態とは反対に、突起55を保持部材50側に設け、嵌合穴54及び溝部56をプロセスユニット1側に設けることも可能である。突起55と嵌合穴54を、プロセスユニット1と保持部材50のいずれに設けるかは、凸部52と穴部51の場合と同様に、各場合における利点が異なるので、それらを考慮して選択すればよい。すなわち、突起55を保持部材50に設けている場合は、プロセスユニット1に突起55を設けている場合に比べて、突起55の破損や損傷が生じにくくなる利点がある。一方、突起55をプロセスユニット1側に設ける場合は、プロセスユニット1に嵌合穴54を設けないので、プロセスユニット1内の容量が減るのを回避することができ、現像剤の収容量を多くすることができる利点がある。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の構成は、少なくとも現像剤収容部を有し、画像形成装置本体に対して着脱可能なユニットであれば、プロセスユニット以外のものにも適用可能である。例えば、現像剤収容部を有し画像形成装置本体に対して着脱可能な現像剤収容器や、現像剤収容部と現像ローラ等の現像手段を有し、画像形成装置本体に着脱可能な現像装置などにも、本発明の構成を適用可能である。また、本発明の構成を、画像形成装置本体に対して着脱可能な廃トナー収容器に適用してもよい。
【0108】
上述の実施形態では、現像剤としてトナーから成る一成分現像剤を用いているが、本発明はこれに限らず、トナーとキャリアから成る二成分現像剤を用いる画像形成装置にも適用可能である。また、本発明を、インク等の粉体以外の現像剤量を検知する現像剤量検知装置に適用してもよい。
【0109】
また、本発明は、図1に示すような4つの感光体上に形成された画像を中間転写ベルトを介して記録媒体に一括転写するタンデム式のカラーレーザープリンタに限らず、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の画像形成装置にも適用可能である。
【0110】
例えば、1つの感光体に対して4つの現像装置が順次接触して画像を形成する画像形成装置があるが、このような画像形成装置にも本発明を適用してもよい。特に、この場合、現像装置に対する発光素子及び受光素子の位置決め機構に本発明の構成を適用することにより、現像装置が感光体に対して接離しても、発光素子及び受光素子を保持する保持部材が現像装置に追随して移動することができるので、現像装置の接離動作に伴う発光素子及び受光素子の位置ずれを防止できる。
【0111】
また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0112】
以上のように、本発明によれば、現像剤量を検知するための光学素子を、画像形成装置本体に対して着脱可能なユニットに対して、簡易な構成により正確な位置決めを行うことができる。すなわち、光学素子を、光軸と直交する方向に任意に移動可能な保持部材で保持し、その保持部材を凸部や穴部などの位置決め手段によって位置決めするだけで、光学素子の正確な位置決めを行うことができる。このため、本発明は、従来の構成に比べて部品点数を少なくすることができ、装置の小型化及び低コスト化を図ることが可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 プロセスユニット
2 感光体
4 現像装置
21 発光素子
22 受光素子
31 第1の導光部材
32 第2の導光部材
33 遮光カバー
34 遮光カバー
43 現像剤収容部
50 保持部材
51 穴部
52 凸部
54 嵌合穴
55 突起
56 溝部
100 画像形成装置本体
101 収容空間
V 回転方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0114】
【特許文献1】特許第2606920号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱可能なユニットに配設された現像剤収容部内の現像剤量を、光学素子を用いて検知する現像剤量検知装置において、
前記光学素子を保持すると共に、前記ユニットの前記画像形成装置本体への装着動作に伴って前記光学素子の光軸と直交する方向に任意に移動可能な保持部材と、
前記ユニットを前記画像形成装置本体に装着した状態で、前記保持部材の前記ユニットに対する前記光軸と直交する方向への移動を規制して位置決めする位置決め手段を備えたことを特徴とする現像剤量検知装置。
【請求項2】
前記画像形成装置本体に前記保持部材よりも前記光軸と直交する任意の方向に大きく形成された収容空間を設け、当該収容空間内に前記保持部材を収容した請求項1に記載の現像剤量検知装置。
【請求項3】
前記光学素子としての発光素子と受光素子とを、前記保持部材によって保持し、前記発光素子及び前記受光素子に対向して前記発光素子からの光を前記受光素子へ導く導光部材を、前記ユニットに設けた請求項1又は2に記載の現像剤量検知装置。
【請求項4】
前記位置決め手段は、穴部と、当該穴部に対して前記ユニットの前記画像形成装置本体への装着動作に伴って挿入可能な凸部とから成り、前記ユニットと前記保持部材の一方に前記凸部を設け、他方に前記穴部を設けた請求項1から3のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項5】
前記凸部を前記ユニットに設け、前記穴部を前記保持部材に設けた請求項4に記載の現像剤量検知装置。
【請求項6】
前記穴部を前記ユニットに設け、前記凸部を前記保持部材に設けた請求項4に記載の現像剤量検知装置。
【請求項7】
前記凸部と前記穴部の少なくとも一方が、前記凸部を前記穴部内に案内する案内部を有する請求項4から6のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項8】
前記現像剤収容部に収容される現像剤の色ごとに、前記凸部及び前記穴部の形状又は配置を異ならせた請求項4から7のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項9】
画像形成装置によって、前記凸部及び前記穴部の形状又は配置を異ならせた請求項4から8のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項10】
前記凸部を前記穴部に挿入した状態で、前記凸部を中心に前記保持部材が前記ユニットに対して相対的に回転するのを規制する回転規制手段を備える請求項4から9のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項11】
前記回転規制手段は、嵌合穴と、当該嵌合穴に対して前記ユニットの前記画像形成装置本体への装着動作に伴って挿入可能な突起とから成り、前記ユニットと前記保持部材の一方に前記突起を設けると共に、他方に前記嵌合穴を設けた請求項10に記載の現像剤量検知装置。
【請求項12】
前記突起の先端が挿入されると共に、挿入された前記突起の先端を前記嵌合穴へ誘導する溝部を、前記凸部を中心とする前記保持部材の回転方向に沿って形成した請求項11に記載の現像剤量検知装置。
【請求項13】
前記光学素子の周囲を覆い光軸の方向に開口する遮光カバーを前記ユニットに設け、前記ユニットの前記画像形成装置本体への装着動作に伴って、前記遮光カバーが前記光学素子の周囲に配設されるように構成した請求項1から12のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項14】
前記光学素子の周囲を覆い光軸の方向に開口する遮光カバーを前記保持部材に設けた請求項1から12のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項15】
前記ユニットが、前記現像剤収容部を有し、画像形成装置本体に対して着脱可能な現像剤収容器である請求項1から14のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項16】
前記ユニットが、前記現像剤収容部と、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に対して着脱可能な現像装置である請求項1から14のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項17】
前記ユニットが、前記現像剤収容部と、静電潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤を用いて現像する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスユニットである請求項1から14のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の現像剤量検知装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−163927(P2012−163927A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33159(P2011−33159)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】