説明

現像方法、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法

【課題】比較的簡易にドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することを可能とする、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる現像方法、現像装置、これを備えたプロセスカートリッジ、これらを用いるかかる画像形成装置及び画像形成方法の提供。
【解決手段】現像剤担持体50Yは、像担持体20Yに対し、カウンター方向に回転し、磁性キャリアの重量平均粒径Dcが20〜40[μm]であり、現像剤担持体50Yと像担持体20Yとの距離Gpが0.02[cm]以上であり、現像剤担持体50Y上の単位面積当たりの現像剤担持量ρが15[mg/cm]以上であり、現像剤担持量ρ/距離Gpが375〜1125[mg/cm]である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる現像方法、現像装置、これを備えたプロセスカートリッジ、これらを用いるかかる画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置において、所定方向に回転する感光体等の像担持体と、この像担持体に形成される潜像を現像する現像装置とを備えた画像形成装置が知られている。かかる現像装置は、像担持体に対向配置され所定方向に回転する現像ローラ等の現像剤担持体を備えていることが一般的である。
【0003】
現像剤担持体の回転方向としては、現像能力が高く、高濃度のドット再現性を実現するものとして、〔特許文献1〕ないし〔特許文献5〕等に記載されているように、像担持体との対向位置において像担持体の進行方向に対してカウンター方向に回転するものが知られている。以下、この回転方向に回転する現像剤担持体による現像をカウンター現像方式という。なお、現像剤担持体の回転方向としては、他に、かかる回転方向と逆の方向に回転する順回転現像方式がある。
【0004】
しかし、カウンター現像方式の場合、ドット再現性の不良が発生したり、画像先端部で濃度不足が発生したりしやすい。そこで、〔特許文献1〕では、現像剤の構成、有機感光体の構成及び現像方式との関連を検討し、カウンター現像方式に加え、像担持体である有機感光体の表面層に、潤滑性粒子と酸化防止剤を含有させ、現像剤と有機感光体の接触時に発生しやすい逆帯電性トナーの増加を防止することで、かかるドット再現性の不良の発生等を防止する技術が提案されている。また〔特許文献2〕では、カウンター現像方式と、順回転現像方式とを組み合わせたハイブリッド方式の現像装置に関する技術が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−178416号公報
【特許文献2】特許第3522080号公報
【特許文献3】特開2001−125435号公報
【特許文献4】特許第2514638号公報
【特許文献5】特開2006−138881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕に記載の技術よりも、より簡易に、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することが可能な技術が期待されていた。
【0007】
本発明は、比較的簡易にドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することを可能とする、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる現像方法、現像装置、これを備えたプロセスカートリッジ、これらを用いるかかる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤と、回転する像担持体に対向して配置され内部に磁極を有し前記2成分現像剤を担持する現像剤担持体とを用い、像担持体上の潜像を前記現像剤担持体上の前記トナーで現像する現像方法において、前記現像剤担持体は、像担持体に対し、カウンター方向に回転し、前記磁性キャリアの重量平均粒径Dcが20〜40[μm]であり、前記現像剤担持体と像担持体との距離Gpが0.02[cm]以上であり、前記現像剤担持体上の単位面積当たりの現像剤担持量ρが15[mg/cm]以上であり、前記現像剤担持量ρ/前記距離Gpが375〜1125[mg/cm]であることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の現像方法において、前記磁性キャリアの1KOeにおける磁気モーメントが70[emu/g]以上100[emu/g]以下であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の現像方法を用いて像担持体上の潜像を現像する現像装置において、像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体を備え、この現像剤担持体がトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む2成分現像剤を表面に担持して、像担持体との対向領域である現像領域に搬送し、前記現像剤担持体と像担持体との間に電界を印加し、像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の現像方法を用いて像担持体上の潜像を現像する現像装置において、前記現像剤担持体を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の現像装置において、像担持体に対する前記現像剤担持体の線速比が0.5〜2.5であることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項3ないし5の何れか1つに記載の現像装置において、前記磁極であって像担持体に対向する主磁極の法線方向における磁束密度が60〜120[mT]であることを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項3ないし6の何れか1つに記載の現像装置において、前記現像剤担持体に現像バイアスとしてDCバイアスを印加することを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項3ないし7の何れか1つに記載の現像装置と、この現像装置によって潜像を現像される像担持体とを備えたプロセスカートリッジであって、これを備える画像形成装置本体に対して着脱自在であることを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1又は2記載の現像方法、または、請求項3ないし7の何れか1つに記載の現像装置、または、請求項8記載のプロセスカートリッジを用いる画像形成装置にある。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1又は2記載の現像方法、または、請求項3ないし7の何れか1つに記載の現像装置、または、請求項8記載のプロセスカートリッジ、または、請求項9記載の画像形成装置を用いる画像形成方法にある。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤と、回転する像担持体に対向して配置され内部に磁極を有し前記2成分現像剤を担持する現像剤担持体とを用い、像担持体上の潜像を前記現像剤担持体上の前記トナーで現像する現像方法において、前記現像剤担持体は、像担持体に対し、カウンター方向に回転し、前記磁性キャリアの重量平均粒径Dcが20〜40[μm]であり、前記現像剤担持体と像担持体との距離Gpが0.02[cm]以上であり、前記現像剤担持体上の単位面積当たりの現像剤担持量ρが15[mg/cm]以上であり、前記現像剤担持量ρ/前記距離Gpが375〜1125[mg/cm]であるので、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成に寄与することができる現像方法を提供することができる。
【0019】
前記磁性キャリアの1KOeにおける磁気モーメントが70[emu/g]以上100[emu/g]以下であることとすれば、キャリアによるトナーの掻き取りを抑制するとともにキャリアの付着や飛散を抑制し、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成に寄与することができる現像方法を提供することができる。
【0020】
本発明は、上記現像方法を用いて像担持体上の潜像を現像する現像装置において、像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体を備え、この現像剤担持体がトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む2成分現像剤を表面に担持して、像担持体との対向領域である現像領域に搬送し、前記現像剤担持体と像担持体との間に電界を印加し、像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像するので、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成に寄与することができる現像装置を提供することができる。
【0021】
本発明は、上記現像方法を用いて像担持体上の潜像を現像する現像装置において、前記現像剤担持体を有するので、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成に寄与することができる現像装置を提供することができる。
【0022】
像担持体に対する前記現像剤担持体の線速比が0.5〜2.5であることとすれば、現像バイアスとしてDCバイアスを印可しても、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成に寄与することができる現像装置を提供することができる。
【0023】
前記磁極であって像担持体に対向する主磁極の法線方向における磁束密度が60〜120[mT]であることとすれば、キャリアによるトナーの掻き取りを抑制するとともにキャリアの付着を抑制し、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成に寄与することができる現像装置を提供することができる。
【0024】
前記現像剤担持体に現像バイアスとしてDCバイアスを印加することとすれば、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、低廉で現像能力が高く、良好な画像形成に寄与することができる現像装置を提供することができる。
【0025】
本発明は、上記現像装置と、この現像装置によって潜像を現像される像担持体とを備えたプロセスカートリッジであって、これを備える画像形成装置本体に対して着脱自在であるので、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成に寄与することができるプロセスカートリッジを提供することができる。
【0026】
本発明は、上記現像方法、または、上記現像装置、または、上記プロセスカートリッジを用いる画像形成装置にあるので、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することができる。
【0027】
本発明は、上記現像方法、または、上記現像装置、または、上記プロセスカートリッジ、または、上記画像形成装置を用いる画像形成方法にあるので、ドット再現性の不良、画像先端部での濃度不足を防止ないし抑制することができ、良好な画像形成を行うことができる画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に本発明を適用した画像形成装置の概略を示す。画像形成装置100は、プリンタであってフルカラーの画像形成を行うことができるようになっている。画像形成装置100は、PC等の外部入力装置を接続されるものであり、外部入力装置から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
【0029】
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体としてのシートの両面に画像形成可能な両面画像形成装置でもある。
【0030】
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを並設したタンデム構造を採用したタンデム型の画像形成装置である。感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、同一径であり、画像形成装置100の箱状の本体101の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである転写ベルトの外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。
【0031】
転写ベルトは、本体101の対角線方向に斜めに配置されており、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに接触しながら図中時計方向である矢印A1方向に移動可能となっている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルトによって搬送されているシートに対しそれぞれ重畳転写されるようになっている。このように画像形成装置100は直接転写方式を採用している。
【0032】
シートに対する重畳転写は、シートがA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに形成されたトナー像が、シートの同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルトを挟んで各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャたる転写ブラシ12Y、12M、12C、12BKによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKとの対向位置すなわち転写位置にて行われる。
【0033】
各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を形成するための、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
【0034】
画像形成装置100は、4つの画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによって構成される画像形成部としての作像部60と、各感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの下方に対向して配設され、転写ベルトを備えた転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、本体101の下部に位置し感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKと転写ベルトとの間に向けて搬送されるシートを積載した給紙テーブルとしてのシート給送装置23とを有している。
【0035】
画像形成装置100はまた、本体101の上部に位置し画像ステーション60Y、60M、60C、60BKの上方に対向して配設された露光手段である光書き込み装置としての光走査装置8と、シート給送装置23から搬送されてきたシートを、画像ステーション60Y、60M、60C、60BKによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルトと画像ステーション60Y、60M、60C、60BKとの間に向けて繰り出すレジストローラ13と、シートの先端がレジストローラ13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
【0036】
画像形成装置100はまた、作像部60を経てトナー像を担持したシートが進入し、シートにトナー像を定着させるためのベルト定着方式の定着ユニットとしての定着装置6と、シートの搬送方向において定着装置6の下流側に分岐して形成され定着済みのシートを本体101外に排出する反転搬送路14と、本体101の左方に位置し反転経路14とは別の経路を形成した反転ユニットとしての排紙ユニット79と、転写ベルトユニット10の下方に位置し排紙ユニット79によって搬送されてきたシートを再度レジストローラ13に向けて搬送する再給紙ユニットとしての両面ユニット96とを有している。
【0037】
画像形成装置100はまた、本体101上面によって構成され画像形成済みのシートを積載する排紙トレイ75と、図1における本体101の右側面に配設され矢印D方向に開閉可能に設けられた手差し給紙装置33と、画像形成装置100の操作を行う図示しない操作パネルと、画像形成装置100全体の動作を制御する図示しない制御手段とを有している。
【0038】
転写ベルトユニット10は、転写ベルトの他に、転写ブラシ12Y、12M、12C、12BKと、転写ベルトを巻き掛けられ、転写ベルトをA1方向に回転駆動する駆動ローラを含む、複数のローラを有している。この複数のローラのうち、レジストローラ13に対向する位置に配設されているローラ84は、レジストローラ13から繰り出されたシートを転写ベルトに静電的に吸着させるために転写ベルトを帯電させる紙吸着ローラである。
【0039】
定着装置6は、トナー像を担持したシートに、熱と圧力とを作用させ、担持したトナー像をシートの表面に定着するようになっている。
反転経路14は、定着装置6から搬送されてきた定着済みのシートを排紙トレイ75に案内する排紙ローラ98を備えている。
【0040】
排紙ユニット79は、進入してきたシートをスイッチバックさせたうえで、反転経路14又は両面ユニット96に向けて搬送する。
両面ユニット96は、排紙ユニット79から搬送されてきた、一方の面に画像形成されたシートをレジストローラ13に向けて送り出す給紙ローラ95を有している。
【0041】
シート給送装置23は、両面ユニット86の下方に位置しており、多数枚のシートを積載した複数の給紙カセット25を有するペーパーバンク26と、給紙カセット25に積載されたシートのうち最上位のシートを1枚だけ分離して送り出す給紙ローラとしての給送ローラ24とを有している。
複数の給紙カセット25は互いに異なるサイズのシートを積載するものである。
【0042】
操作パネルは、フルカラー画像形成を行うか黒色の単色画像形成を行うか等の画像形成モードを選択するモード選択キー等を備えている。操作パネルにおいては、定着装置6を経たシートをそのまま排紙トレイ75上に排出するか、排紙ユニット79を経た上で排紙トレイ75上に排出するか、両面ユニット96を経てサイドレジストローラ13に送り出すかのいずれかを選択することができるようになっている。この選択は、外部入力装置においても行うことができるようになっている。
制御手段は、CPU、記憶手段としてのメモリ等を備えている。
【0043】
図2に示すように、光走査装置8は、同軸上に配置された2つの回転多面鏡8a、8bがポリゴンモータ8cにより回転される。回転多面鏡8a、8bは、図示しない2つのレーザ光源としてのレーザダイオードのそれぞれに対応している。
【0044】
回転多面鏡8aは、一方のレーザダイオードからのM画像データで変調されたM用レーザ光、C画像データにより変調されたC用レーザ光を左右に振り分けて反射し、回転多面鏡8bは、他方のレーザダイオードからのY画像データにより変調されたY用レーザ光、BK画像データにより変調されたBK用レーザ光を左右に振り分けて反射する。
【0045】
回転多面鏡8a、8bによって反射されたY用レーザ光及びM用レーザ光は2層のfθレンズ8dを通る。このfθレンズ8dを透過したY用レーザ光は、ミラー8eで反射されて長尺WTL8fを通過した後にミラー8g、8hを介して感光体ドラム20Yに照射される。fθレンズ8dを透過したM用レーザ光は、ミラー8iで反射されて長尺WTL8jを通過した後にミラー8k、8lを介して感光体ドラム20Mに照射される。
【0046】
回転多面鏡8a、8bによって反射されたC用レーザ光及びK用レーザ光は2層のfθレンズ8mを通る。このfθレンズ8mを透過したC用レーザ光は、ミラー8nで反射されて長尺WTL8oを通過した後にミラー8p、8qを介して感光体ドラム20Cに照射される。fθレンズ8mを透過したBK用レーザ光は、ミラー8rで反射されて長尺WTL8sを通過した後にミラー8t、8uを介して感光体ドラム20BKに照射される。
【0047】
画像ステーション60Y、60M、60C、60BKは、画像ステーション60Yが給紙側に位置し、画像ステーション60BKが定着装置6側に位置するように、A1方向に沿ってこの順で並設されている。
【0048】
画像ステーション60Y、60M、60C、60BKについて、そのうちの一つの、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yの構成を代表して構成を説明する。なお、配設位置を除くと他の画像ステーションの構成に関しても実質的に同一であるので、以下の説明においては、便宜上、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーションの構成に付した符号に対応する符号を、他の画像ステーションの構成に付し、詳細な説明については適宜省略することとし、符号の末尾にY、C、M、Kが付されたものはそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成を行うための構成であることを示すこととする。
【0049】
図3または図4に示すように、感光体ドラム20Yを備えた画像ステーション60Yは、感光体ドラム20Yの周囲に、図中時計方向であるその回転方向B1に沿って、クリーニング手段としてのクリーニング装置40Yと、帯電手段である帯電ユニットとしての帯電装置30Yと、現像手段としての現像ユニットである現像装置50Yとを有している。
【0050】
感光体ドラム20Yと、クリーニング装置40Yと、帯電装置30Yと、現像装置50Yとは一体化されており、図2に示したようにプロセスカートリッジ95Yを構成している。プロセスカートリッジ95Yは本体101に固定された図示しないガイドレールに沿って本体101に対して引き出し自在であるとともに、本体101に押し込むことが可能であり、本体101に対して着脱自在に設置されている。
【0051】
プロセスカートリッジ95Yは、本体101に押し込むと、画像形成に適した所定の位置に装填され、位置決めされるようになっている。このようにプロセスカートリッジ化することは、交換部品として取り扱うことができるため、メンテナンス性が著しく向上し、大変好ましい。
【0052】
プロセスカートリッジ95Yは、感光体ドラム20Yと、クリーニング装置40Yと、帯電装置30Yと、現像装置50Yとのうち、少なくとも感光体ドラム20Yと現像装置50Yが一体化されることによって構成され、本体101に着脱自在に設置される感光体ユニットしてのユニットである。
【0053】
図3に示すように、帯電装置30Yは、感光体ドラム20Yの表面に当接して従動回転する帯電ローラ31Yと、帯電ローラ31Yに当接したスポンジ状のクリーニング部材32Yとを有している。帯電ローラ31Yには、直流に交流成分のバイアスを重畳印加する図示しない電圧印加手段が接続されており、感光体ドラム20Yと対向する帯電領域において、感光体ドラム20Yの表面を除電すると同時に、所定の極性に帯電するようになっている。
【0054】
図2に示した光走査装置8は、感光体ドラム20Yにおける帯電領域と現像領域との間の領域に、画像情報に応じて光変調されたY用レーザ光LYを照射して帯電ローラ31Yにより帯電された後の感光体ドラム20Yの表面を露光し、現像装置50Yによってイエロートナー像として可視像化される潜像としての静電潜像を形成するようになっている。現像ブレード52Yは、SUS材料で形成されている。
【0055】
図3に示すように、クリーニング装置40Yは、感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の残留トナー、キャリア、紙粉等の不要物を掻き取ってクリーニングする回転ブラシとしてのブラシローラ45Yと、感光体ドラム20Yの回転方向B1において、ブラシローラ45Yよりも下流側の位置で感光体ドラム20Yに当接し感光体ドラム20Y上の不要物を掻き取ってクリーニングするためのブレードとしてのクリーニングブレード41Yとを有している。
【0056】
図4に示すように、現像装置50Yは、感光体ドラム20Yに対向する部分に開口部55aYを有する現像ケース55Yと、かかる開口部55aYから感光体ドラム20Yに臨むよう感光体ドラム20Yに近接対向して配設された現像剤担持体としての現像ローラ51Yと、現像ローラ51Y上の現像剤を一定の高さに規制し現像剤の担持量を規制する現像剤規制部材としてのドクタである現像ブレード52Yとを有している。
【0057】
現像装置50Yはまた、現像ケース55Yの下部に互いに対向するように配設され、互いに逆方向に回転駆動されることで現像剤を攪拌するとともに現像ローラ51Yに現像剤を供給するための現像剤供給部材としてのスクリュ部材である第1搬送スクリュ53Y及び第2攪拌スクリュ54Yと、第1搬送スクリュ53Yと第2搬送スクリュ54Yとの間に設けられた仕切り壁57Yと、仕切り壁57Yによって仕切られ第1搬送スクリュ53Y、第2搬送スクリュ54Yをそれぞれ収容するとともにトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む2成分現像剤を収容した現像剤収容器としての現像剤収容部を構成する第1収容室58Y、第2収容室59Yとを有している。
【0058】
現像装置50Yはまた、イエロー色のトナーを蓄える図示しないトナーホッパーと、現像ケース55Yに形成されトナーホッパー内のトナーを第2収容室59Yに供給するための供給口80Yと、第1収容室58Yの底部にその検知面が臨むように備えられ現像剤中のトナー濃度を測定するトナー濃度検知手段たるトナー濃度測定センサとしてのトナー濃度検知センサ56Yとを有している。
【0059】
現像装置50Yはまた、第1搬送スクリュ53Y、第2攪拌スクリュ54Yをそれぞれ現像ケース55Yに回転自在に支持する図示しない軸受部材と、DCバイアスである現像バイアスを現像ローラ51Yに印加し、現像ローら51Yと感光体ドラム20Yとの間に電界を印加する図示しない電界印加手段としてのバイアス印加手段と、現像ローラ51Yを駆動する図示しない現像駆動手段と、第1搬送スクリュ53Yと第2搬送スクリュ54Yとを互いに逆方向に等速で回転駆動する図示しない搬送駆動手段と、トナーをトナーホッパーから第2収容室59Yに補給する図示しないトナー補給手段等を有している。
【0060】
現像ローラ51Yは、磁界発生手段としてのマグネットローラ81Yと、マグネットローラ81Yを内包し現像駆動手段により図中時計方向であるC1方向に駆動される円筒状の非磁性の現像スリーブ82Yとを有している。このC1方向は、感光体ドラム20Yへの対向位置において、感光体ドラム20Yの回転方向であるB1方向に対して反対向きであって、現像スリーブ82Yは感光体ドラム20Yに対し、カウンター方向に回転する。
【0061】
マグネットローラ81Yは、図示を省略するが、現像ケース55Yに固定されたプラスチックローラと、プラスチックローラに埋め込まれた複数の磁極を形成する複数の磁石であるマグネットブロックとを有している。
【0062】
複数のマグネットブロックは、感光体ドラム20Yの対向部位に配設されたP1極である主磁極としての主極83Yと、主極83YからC1方向すなわち図中時計方向に沿ってS極とN極とが交互に配設された図示しない他の極とを有している。ただし、他の極のうち、C1方向において主極83Yの下流側で隣り合う2つの極は、現像剤を現像スリーブ82Yから剥離するため同極とされている。
【0063】
現像スリーブ82Yは、現像ケース55Y及びマグネットローラ81Yに回転自在に支持されている。現像スリーブ82Yは、アルミニウム製であって、周面に、軸方向に延設された断面V字状の溝を多数並設されている。現像スリーブ82Yは、バイアス印加手段により感光体ドラム20Yとの間に所定の大きさのDCバイアスである現像バイアスを印加される。
【0064】
現像剤中のトナー濃度は、トナー濃度検知センサ56Yによる検知に基づき、制御手段による後述の制御によって、約4〜11重量%の所定の範囲内となるように制御され、キャリアに対するトナーの混合比率が常に適正値に保たれ、高品質の画像を得るのに寄与する。
【0065】
第1搬送スクリュ53Y、第2搬送スクリュ54Yは、現像ローラ51Yの幅方向言い換えると現像ローラ51Yの長手方向である図4における紙面に垂直な方向に延在するように配設されている。第1搬送スクリュ53Yは現像ローラ51Y及びこれを介した感光体ドラム20Yへの現像剤の供給側に位置し、第2搬送スクリュ54Yは供給口80Yからのトナーの供給側に位置している。
【0066】
第1搬送スクリュ53Yは、搬送駆動手段によって回転駆動されることで、第1収容室58Y内の現像剤を図4における紙面奥側から手前側へと搬送しながら現像ローラ51Yに供給する。第1搬送スクリュ53Yによって第1収容室58Y内の端部付近まで搬送された現像剤は、仕切り壁57Yに形成された図示しない開口部を通って第2収容室59Y内に進入する。
【0067】
第2収容室59Y内において、第2搬送スクリュ54Yは、搬送駆動手段によって回転駆動されることで第1収容室58Yから送られてくる現像剤を第1搬送スクリュ53Yとは逆方向に搬送する。このとき、トナーホッパーからトナーが補給された場合には、補給されたトナーを現像剤中に攪拌混合しながら搬送を行う。第2搬送スクリュ54Yによって第2収容室59Yの端部付近まで搬送された現像剤は、仕切り壁57Yに設けられたもう一方の図示しない開口部を通って第1収容室58Y内に戻る。
【0068】
現像剤はこのように第1収容室58Y、第2収容室59Y内を循環し、供給されたトナーは、第1搬送スクリュ53Y及び第2搬送スクリュ54Yによって、現像剤と攪拌搬送されながら攪拌混合され、摩擦帯電され、現像ローラ51Yに供給され担持される。
【0069】
現像ブレード52Yによって現像剤の担持量を規制され層厚を規制された現像ローラ51Yは、その回転及びバイアス印加手段による現像バイアスにより、現像ローラ51Yと感光体ドラム20Yとの間の、これらが互いに対向する対向領域である現像領域に、現像ブレード52Yによって量を適量とされた現像剤を運ぶ。
【0070】
現像領域では、主極83Yにより、現像スリーブ82Y上に担持されている磁性キャリアが、磁気ブラシとして穂立ちし、かかる現像バイアス等の作用により、磁性キャリア上のトナー又は磁性キャリア上から分離した、図5を参照して後述するようにトナーが感光体ドラム20Yの表面に形成された静電潜像に静電的に移行する。この移行により、現像剤中のイエロートナーが感光体ドラム20Y表面の静電潜像をイエロートナー像として可視像化される。
現像によりイエロートナーを消費した現像剤は、現像ローラ51Yの回転に伴って上述の互いに隣り合う同極の他の極により現像装置50Y内に戻される。
【0071】
このように、現像装置50Yにおいては、第1搬送スクリュ53Y及び第2搬送スクリュ54Yによって攪拌搬送された現像剤は、マグネットローラ81Yの磁力により汲み上げられて現像スリーブ82Yに担持され、感光体ドラム20Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体ドラム20Y上の潜像にトナーが供給されて現像が行われる。
【0072】
現像後のトナーを消費した現像剤は、現像スリーブ82Y表面から第1収容室58Y内に解放され、第1搬送スクリュ53Y及び第2搬送スクリュ54Yにより第1収容室58Y、第2収容室59Y内の現像剤と攪拌され、再び現像スリーブ82Y表面に汲み上げられるというサイクルを繰り返す。マグネットブロックはこのようなサイクルを繰り返すように配設されている。
【0073】
このようなサイクルにおいて、現像剤中のトナーが消費されるため、トナー濃度が低下する。トナー濃度の低下はトナー濃度検知センサ56Yによって検知される。
トナー濃度検知センサ56Yは、現像剤の透磁率によりトナー濃度を測定するものであり、その出力は電圧Voutとして取り出され、制御手段に入力されて、電圧Voutの大きさにより、トナー濃度が判別される。トナー濃度は重量%を単位としている。
【0074】
トナーと磁性のキャリアとを含む現像剤において、トナー濃度が低いとキャリアの比率が増加するため透磁率が高くなり、トナー濃度が高いとキャリアの比率が低下するため透磁率が低くなることから、トナー濃度TCの低下と電圧Voutの上昇とはほぼ正比例の関係にある。
【0075】
そこで、トナー濃度検知センサ56Yからの出力電圧Voutに基づいて制御手段がトナー濃度の低下を認識すると、制御手段は、出力電圧Voutが所定の大きさに回復するまで、トナー補給手段を駆動し、トナーホッパーから、供給口80Yを経て、トナーを第2収容室59Yに供給する。
【0076】
このような構成の画像形成装置100において、画像形成を行うときには、画像形成装置100に接続したPC等の外部入力装置において画像形成を行う画像データを選択、入力等したうえで、かかる外部入力装置あるいは操作パネルにおいて画像形成開始の操作を行う。
【0077】
入力された画像データに基づいて、上述の構成の画像ステーション60Y、60M、60C、60BKが作動する。
画像ステーション60Yにおいては、感光体ドラム20Yは、B1方向への回転に伴い、帯電ローラ31Yにより表面を一様に帯電され、光走査装置8からのレーザー光Lの露光走査によりイエロー色に対応した静電潜像を形成され、この静電潜像を現像装置50Yによりイエロー色のトナーにより良好に現像され、現像により得られたイエロー色のトナー像を、A1方向に移動する転写ベルトに静電的に吸着され搬送されているシート上に転写ブラシ12Yにより転写され、転写後に残留したトナーを含む不要物をクリーニング装置40Yにより除去されて帯電ローラ31Yによる次の帯電に供される。
【0078】
他の感光体ドラム20M、20C、20BKにおいても同様に各色のトナー像が形成等され、形成された各色のトナー像は、転写ブラシ12C、12M、12BKにより、転写ベルトによってA1方向に移動するシート上の同じ位置に順次転写され、フルカラーの合成カラー画像が形成される。
【0079】
転写ベルト上を搬送されてきたシートは、シート給送装置23の1つの給送ローラ24が選択されこの回転によって対応する給紙カセット25から繰り出されてフィードされたものであるか、または、手差し給紙装置33から繰り出されてフィードされたものであるか、または、両面ユニット96から給紙ローラ95によって繰り出されてフィードされたものであるかの何れかであって、レジストローラ13によって、センサによる検出信号に基づいて、転写ベルトによって搬送されるシートがイエロー色のトナー像を担持した感光体ドラム20Yに対向するタイミングで送り出されたものである。
【0080】
シートは、すべての色のトナー像を転写され、担持すると、定着装置6に進入し、熱と圧力との作用により、担持したトナー像を定着され、シート上にカラー画像が形成される。定着装置6を通過した定着済みのシートは、操作パネル等における選択に応じて、そのまま反転経路14を経て排紙トレイ75上に反転排出されるか、排紙ユニット79でスイッチバックされた上で排紙トレイ75上にストレートに排出されるか、両面ユニット96を経て再度の画像形成に供される。
【0081】
なお、以上の動作は、4色フルカラーの画像形成を行うときであって、他に、例えば、3色フルカラーの画像形成を行うときにはブラックトナー像の形成が省略され、また、白黒画像形成を行うときにはブラックトナー像のみの形成が行われる。
【0082】
以上のような画像形成動作における、カウンター現像方式による現像工程について、詳細な現像過程を調べた。図5ないし図7を参照して、カウンター現像方式による現像工程について、順回転現像方式による現像工程との対比において説明する。なおこの場合も本発明を適用した構成を示す図5では画像ステーション60Yの構成を例にとって説明する。一方、順回転現像方式を示す図6、図7においては、像担持体、現像剤担持体をそれぞれ符号120、151で示し、それぞれの回転方向を符号Q、Rで示している。また図5ないし図7において大きな球は磁性キャリアを示しており、小さな球はトナーを示している。
【0083】
順回転現像方式では、図6に示すように、潜像が像担持体120の現像領域に到達するニップ入り口側では、現像剤担持体151に磁気ブラシが穂立ちする過程でキャリア上のトナーが遊離し現像される。さらに図7に示すように穂が像担持体120に強く接触することでキャリア上のトナーが像担持体120側へ移動する。すなわち順回転現像方式の場合、細い磁気ブラシで徐々に現像が行われる。
【0084】
これに対し、カウンター現像方式の場合、図5に示すように、現像領域Gを構成するニップの入り口側すなわち同図における右側では、感光体ドラム20Yと現像ローラ51Yとの間で均され密集した現像剤が存在しているため、現像ニップ入口側で潜像に均一な現像剤層が接触するため一気にトナーが現像に供され、ニップ出口側に近づくに連れてクラウド化されたトナーや穂立ちする磁気ブラシにより現像によって形成されたトナー層が均される。そしてニップ通過時に磁気ブラシによって潜像上のトナー層が整えられると、さらに同図の左側の出口側で磁気ブラシによってトナー層および地肌部の最終調整が行われる。
【0085】
画像形成装置100において、DCバイアスを印可して現像能力を高くすることができたのは、潜像がニップに入った瞬間に高密度な状態にある現像剤によって一気に現像が行われるためと考えられる。従来の順回転現像方式のように徐々に現像される系では、潜像がトナーで現像されることでトナー電荷により現像ポテンシャルが弱くなり、現像ポテンシャル埋めるだけのトナーが移動できない。また、同じ理由で画像濃度ムラやドット再現性の良い粒状度の高い現像ができると考えられる。
【0086】
ただし、ニップ中で現像剤が強い力で像担持体に接触した場合には、カウンター現像方式で従来問題となっていた濃度ムラやドット欠けが起こり得る。これは、現像剤が強い力で像担持体を摺擦するため、現像されたトナーをキャリアが掻き取ることによることが詳細観察することでわかった。しかしながら、これら濃度ムラやドット欠けは、次に述べる各構成により解消される。
【0087】
なお、画像先端カスレや後端カスレはニップ出口側で穂立ちした穂によってトナー層が掻き取られる現象で、磁気ブラシの硬さや主極83Yの磁力を制御することで抑制できる。磁気ブラシの硬さの調整は、キャリア粒径を小さくする程同じ磁気モーメントでも柔らかい穂になることを利用して行うことができる。また、実験により、主極83Yの磁力は、法線方向における磁束密度が60〜120[mT]であることが好ましいことが分かった。すなわち、磁束密度が弱いほど磁気ブラシの硬さが柔らなくなり、かかる磁束密度が120[mT]より大きいと磁気ブラシが硬くなって穂跡ができてしまい、60[mT]より小さいと磁気ブラシの硬さは柔らかくなるが出口側でキャリアが感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに付着する問題が生じることがわかった。
【0088】
画像形成装置100において使用する現像剤は、トナー濃度が5.0〜9.0(wt%)の範囲で、平均帯電量Q/Mが15〜60[−μC/g]となるものを使用することが、キャリアのトナーによる被覆率や現像剤流動性の最適化等の観点から望ましい。
【0089】
トナー濃度が5.0(wt%)より低い場合には、現像剤の帯電量Q/Mが高くなる方向であり、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上の静電潜像を現像する現像ポテンシャルをより高く設定する必要があり、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKの寿命低下を招く恐れがある。さらに現像剤の帯電量Q/Mが60[−μC/g]を越える場合には、画像濃度が低下する可能性が高くなる。
【0090】
またトナー濃度が9.0(wt%)よりも高い場合には、現像剤の帯電量Q/Mが低くなる方向にある。現像剤の帯電量Q/Mが15[−μC/g]未満の場合には、トナー飛散が発生しやすくなり、トナー飛散のレベルが悪くなるにつれて、画像地肌部がトナーで汚れる所謂地肌汚れが発生して画像品質低下を招く。
【0091】
よって、トナー濃度が5.0〜9.0(wt%)の範囲で、平均帯電量Q/Mが15〜60[−μC/g]となる現像剤を使用することにより、小粒径キャリア、小粒径トナーを使用した現像剤であっても、長期に亘って安定した画像品質が得られるようになる。
【0092】
また、トナーによるキャリアの被覆率は、10〜80%、好ましくは20〜60%である。被覆率は次式で算出される。
被覆率(%)=(Wt/Wc)×(ρc/ρt)×(Dc/Dt)×(1/4)×100
【0093】
上式中、Dcはキャリアの重量平均粒径(μm)、Dtはトナーの重量平均粒径(μm)、Wtはトナーの重量(g)、Wcはキャリアの重量(g)、ρtはトナー真密度(g/cm)、ρcはキャリア真密度(g/cm)を表す。
【0094】
重量平均粒径は、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dtは次式で表される。
Dt={1/Σ(nD)}×{Σ(nD)}
【0095】
上式中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本実施形態では、2μmの長さを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
【0096】
また、本実施形態に係る現像剤は、トナーの重量平均粒径が4.0〜8.5μmであり、トナーの重量平均粒径(Dt)と個数平均粒径(Dn)の比(Dt/Dn)が1.20以下であることが望ましい。トナーの小粒径化は解像度を上げるためには不可欠であるが、副作用として、流動性、保存性において悪化傾向にある。トナー粒径が4.0μm未満では、現像剤の流動性が極端に悪化して、現像剤中の均一なトナー濃度を確保することが困難となる。またトナー小粒径化はキャリアに対する被覆率が上昇する方向であり、被覆率が高くなり過ぎた場合には、キャリア汚染の加速化及びトナー飛散誘発が懸念される。
【0097】
トナー及び現像剤の流動性を向上させる手段として、トナーに添加剤を多く添加する手段は副作用が発生する為に本質的な改善は期待できない。しかし、トナーの粒径分布の均一性にすることにより、トナー小粒径化に伴う副作用が克服される。つまり、トナーの重量平均と個数平均の粒子径比率Dt/Dnが1に近いことが望ましく、1.20以下にすることにより、流動性悪化の抑制効果が得られて、小粒径トナーを使用した場合でもトナー濃度の均一化が図られる。
【0098】
このように、トナーの重量平均粒径が4.0〜8.5μm、かつトナーの重量平均と個数平均の粒子径比率Dt/Dnを1.20以下にすることにより、画像濃度安定性に加えて、解像度の向上も図られ、さらに高品質な画像が得られる。またトナー粒度分布における3μm以下の粒子個数比率を5%以下にすることによって、流動性、保存性における品質改善効果は顕著であり、現像装置50Y、50M、50C、50BK中へのトナー補給性及びトナーの帯電立ち上がり特性において良好な水準が得られる。
【0099】
トナーの粒度分布は種々の方法で測定できるが、本実施形態では小孔通過法(コールターカウンター法)を用いて行った。測定装置として、COULTERCOUNTERMODELTA2(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイスを接続して、100μmのアパチャー(細孔)を使用した。測定方法として、まず電解水溶液に界面活性剤を加えた中に、トナー測定用試料を分散させる。この試料を別の1%NaCl電界液に注入して、アパチャーチューブのアパチャーの両側に電極が置かれている電解液を通して両電極間に電流を流す。このときの抵抗変化から2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、平均分布から個数平均粒径、重量平均粒径を求める。
【0100】
本実施形態に係る現像剤は、トナーの帯電立ち上がり比率Z(%)が70(%)以上であることが望ましい。トナーの帯電立ち上がり比率Z(%)を70(%)以上とすることにより、トナー飛散、及び地肌汚れにも大きな改善効果が認められた。トナー帯電立ち上がり特性は、補給されたトナーが如何に効率良く、均一にキャリアに付着して、均一な混合状態にするために重要な特性である。特に帯電立ち上がり特性が優れているということは、短時間でキャリアに対して静電力、ファンデアワールス力が働き、所望の帯電量が得られることであり、トナー飛散、地肌汚れの抑制も可能になる。
【0101】
トナーには流動性付与剤が添加されるのが好ましい。流動性付与剤には種々のものが使用可能であるが、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が50[nm]以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデアワールス力を格段に向上させることができ、トナーの流動性向上が図られる。その結果、現像剤の所望の帯電レベルを得ることができ、良好な画像品質が得られ、さらに転写残トナーの低減が図られる。さらに酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にある。よって、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、帯電立ち上がり特性の悪化の影響が大きくなることが考えられる。しかし疎水性シリカ微粒子の添加量が0.3〜1.5[wt%]の範囲で、疎水性酸化チタン微粒子が0.2〜1.2[wt%]の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、画像形成を繰り返し行っても、安定した画像品質が得られ、トナー飛散も抑制された。
【0102】
また、平均粒径が80〜140[nm]である大粒径の疎水性シリカを添加することにより、転写性、現像性に対して更に性能が向上する。特にトナー平均粒径が7[μm]以下のような小粒径トナーを使用した現像剤において、品質改善効果が顕著であった。即ち、粒径が大きい添加剤がトナー粒子間においてスペーサ的な作用をして、トナー転写圧縮時のトナー凝集や現像機の空攪拌時におけるトナー表面への添加剤埋没が抑制可能となる。その結果、転写不良に伴うベタ画像濃度ムラ、添加剤埋没に伴うトナー流動性低下が発生せずに、長期に亘って高品質な画像が得られた。
【0103】
キャリアの重量平均粒径Dcは20〜40[μm]である。キャリアの重量平均粒径Dcはトナーの重量平均粒径Dtと同様にして測定される。キャリアの重量平均粒径Dcが40[μm]よりも大きい場合には、現像スリーブ82Y等の現像スリーブ上の磁気的なキャリア保持力が強くなるため、磁気ブラシが硬くなり画像先端カスレや後端カスレを引き起こしやすくなる。また、現像ニップ部で感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKに接触する圧力が高くなり、画質が悪くなる。さらに、単位重量当たりのキャリア表面積が小さくなるため、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くした場合には、帯電量の低いトナーがトナー飛散等を引き起こす。一方、キャリアの重量平均粒径Dcが20[μm]よりも小さい場合には、キャリア粒子当たりの磁気モーメントが低下し、現像スリーブ82Y等の現像スリーブ上の磁気的なキャリア保持力が弱くなり、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BK上にキャリア付着を起こしやすくなる。
【0104】
さらに、1000エルステッド(Oe)の磁場を印加したときのキャリア粒子当たりの磁気モーメントすなわち磁性キャリアの1KOeにおける磁気モーメントは、70〜150[emu/g]、好ましくは76〜100[emu/g]が望ましい。その上限値は、特に制約されないが、通常150[emu/g]程度である。しかし、磁気モーメントが大きいほど磁気ブラシの穂が硬くなり、感光体ドラム20Y、20M、20C、20BKを現像したトナーの掻き取り力が強くなって画像先端カスレや後端カスレ等の原因となり得るため、磁性キャリアの1KOeにおける磁気モーメントは100[emu/g]以下とすることが望ましい。また磁気モーメントが70[emu/g]より小さい場合には、現像スリーブ82Y等の現像スリーブ上の磁気的なキャリア保持力が低下して、キャリア付着やキャリア飛散が発生しやすくなるため、磁性キャリアの1KOeにおける磁気モーメントは70[emu/g]以上とすることが望ましい。
【0105】
キャリアの磁気モーメントは、以下のようにして測定することができる。B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒のセルにキャリア粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし3000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。更に徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブを図示し、その図より1000エルステッドの磁気モーメントを算出する。
【0106】
1000エルステッドの磁場を印加したときに、磁気モーメントが76[emu/g]以上となるキャリアの芯材粒子としては、例えば、鉄、コバルト等の強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライト、Mn系フェライト等が挙げられる。フェライトとは一般に次式で表される焼結体である。
(MO)x(NO)y(Fe)z
【0107】
但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Sr、Ca等であり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されている。
【0108】
現像装置50Y、50M、50C、50BKの特性は、現像ブレード52Y等の現像ブレードによる規制直後における現像スリーブ50Y、50M、50C、50BK上の単位面積あたりの現像剤担持量をρ[mg/cm]とし、現像領域における現像スリーブ82Y等の現像スリーブと感光体ドラム20Y等の感光体ドラムとの距離であるギャップすなわち現像ギャップをGp[cm]としたとき、ρは15[mg/cm]以上、GPは0.02[cm]以上で、かつρ/Gpが375〜1125[mg/cm]となるようにρとGpが設定されている。
【0109】
これは、現像剤担持量ρが15[mg/cm]より少ない場合には、現像スリーブ82Y等の現像スリーブと感光体ドラム20Y等の感光体ドラムとの間に印加する電界をより大きくする必要があり、キャリア付着に対して不利であるためであり、また現像ギャップGpが0.02[cm]より小さい場合には、現像ニップの出口側で、穂立ち時の磁気ブラシの衝撃力が強くなり、画像先端白抜けやドット再現性の不良が発生するためである。
【0110】
またρ/Gpが1125[mg/cm]よりも大きい場合には、現像ニップでの現像剤量が多くなり感光体ドラム20Y等の感光体ドラムへの圧力が増し穂跡を起こしやすくなる。さらにρ/Gpが大きいのは、感光体ドラム20Y等の感光体ドラムと現像スリーブ82Y等の現像スリーブとの空間において、現像剤の充填密度が高くなる方向であり、この空間での現像剤の流動性が低下する傾向にある。この流動性低下に伴い、感光体ドラム20Y等の感光体ドラム上の静電潜像に対してのトナー供給が円滑に行われなくなり、画像濃度低下や濃度ムラが発生しやすくなる。
【0111】
一方、ρ/Gpが375[mg/cm]よりも小さい場合には、下記実施例3と比較例2との対比から分かるように、下記ベタ濃度、ザラツキ感、ドット再現性、先端・後端カスレにおいて不良となる。
【0112】
また、現像装置50Y、50M、50C、50BKにおいては、現像スリーブ50Y、50M、50C、50BKの周速度をVs、感光体ドラム20Y等の感光体ドラムの周速度をVpとした場合、Vs/Vpを0.5〜2.5になるように調整することが望ましい。これにより高品質な画像を得ることが可能となる。0.5よりも低い場合には、電極部材上に十分なトナーが付着されず、現像能力が低下し、ベタ追従性に問題となる。一方、2.5より高い場合には、下記実施例5と比較例4との対比から分かるように、下記ベタ濃度、ザラツキ感において不良となる。
【0113】
以下、本実施形態で使用されるキャリア及びトナーの材料について説明する。
本実施形態で使用されるキャリアは、磁性を有する芯材粒子と、その表面を被覆する樹脂層とからなる。この樹脂層を形成するための樹脂としては、キャリアの製造に従来用いられている公知のものを用いることができる。例えば、キャリアの樹脂層には、下記の化学式で表される繰り返し単位を含むシリコーン樹脂を好ましく用いることができる。
【0114】
【化1】

【0115】
ただし、上記化学式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4の低級アルキル基、またはアリール基(フェニル基、トリル基など)を示す。Rは、炭素数1〜4のアルキレン基、またはアリーレン基(フェニレン基など)を示す。
【0116】
キャリアの樹脂層に用いられるストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。また、キャリアの樹脂層には、変性シリコーン樹脂も用いることができる。このようなものとしては、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーン等が挙げられる。上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
【0117】
上記シリコーン樹脂には、アミノシランカップリング剤を適量(0.001〜30重量%)含有させることができるが、このようなものとしては以下のようなものが挙げられる。
N(CHSi(OCH:MW179.3
N(CHSi(OC:MW221.4
NCHCHCHSi(CH(OC):MW161.3
NCHCHCHSi(CH)(OC:MW191.3
NCHCHNHCHSi(OCH:MW194.3
NCHCHNHCHCHCHSi(CH)(OCH:MW206.4
NCHCHNHCHCHCHSi(OCH:MW224.4
(CHNCHCHCHSi(CH)(OC:MW219.4
(CNCSi(OCH:MW291.6
【0118】
更に、本実施形態で使用されるキャリアの樹脂層には、以下に示すものを単独又は上記シリコーン樹脂と混合して使用することも可能である。ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0119】
キャリアの芯材粒子表面に樹脂層を形成するための方法としては、スプレードライ法、浸漬法、或いはパウダーコーティング法等公知の方法が使用できる。特に流動床型コーティング装置を用いる方法は、均一な塗付膜を形成するのに有効である。
【0120】
キャリア芯材粒子表面上に形成する樹脂層の厚みは、通常0.02〜1μm、好ましくは0.03〜0.8μmである。樹脂層の厚みはきわめて小さいことから、樹脂層を被覆した芯材粒子からなるキャリアとキャリア芯材粒子の粒度分布は実質的に同じである。
【0121】
また必要に応じてキャリアの抵抗率を調整する場合もあり、芯材粒子上の被覆樹脂の抵抗調整、膜厚の制御によって可能である。キャリア抵抗調整のために、導電性微粉末を被覆樹脂層に添加して使用することも可能である。上記導電性微粉末としては、導電性ZnO、Al等の金属又は金属酸化物粉、種々の方法で調製されたSnO又は種々の元素をドープしたSnO、TiB、ZnB、MoB等のホウ化物、炭化ケイ素、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)ポリピロール、ポリエチレン等の導電性高分子、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。これらの導電性微粉末は、コーティングに使用する溶媒、或いは被覆用樹脂溶液に投入した後、ボールミル、ビーズミル等メディアを使用した分散機、或いは高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することによって均一に分散することが出来る。
【0122】
本実施形態で使用されるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤と帯電制御剤とから構成される。このトナーは、重合法、造粒法等の各種のトナー製法によって作成された不定形または球形のトナーであることができる。また、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれも使用可能である。
【0123】
ここで使用されるトナーの結着樹脂としては従来からトナー用結着樹脂として使用されてきたものは全てが適用される。具体的にはポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上を混合して使用される。
【0124】
ここで使用されるトナーの着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な染顔料が使用できて、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料の全てが適用される。具体的には、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローGローダミン6Cレーキ、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、マラカイトグリーン、マラカイトグリーンヘキサレート、ローズベンガル、モノアゾ系染顔料、ジスアゾ系染顔料、トリスアゾ系染顔料等が挙げられる。これらの着色剤の使用量は、結着樹脂に対して、通常1〜30wt%、好ましくは3〜20wt%である。
【0125】
ここで使用されるトナーの帯電制御剤としては、正の帯電制御剤及び負の帯電制御剤、いずれのものも使用可能であるが、カラートナーの場合、色調を損なうことのない透明色から白色のものを使用するのが好ましい。例えば正極性のものとしては4級アンモニウム塩類、イミダゾール金属錯体や塩類等が用いられ、負極性のものとしては、サリチル酸錯体や塩類、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。
【0126】
また、ここで使用されるトナーにおいては、離型性を持たせるために、低分子量のポリエチレン、ポリプロピレン等の合成ワックス類の他、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、ホホバ油等の植物系ワックス類;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス類;モンタンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス類;硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステル等の油脂系ワックス類を含有することができ、これらは単独で或いは2種以上混合して使用される。
【0127】
さらに、ここで使用されるトナーには、上記の離型剤の他に必要に応じてトナーの熱特性、電気特性、物理特性を調整する目的で、各種の可塑剤(フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等)、抵抗調整剤(酸化錫、酸化鉛、酸化アンチモン等)等の助剤を添加することも可能である。更に本発明のトナーには、必要に応じて上記の離型剤、助剤等以外の流動性付与剤を混合することもできる。その流動性付与剤としては、例えばシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、酸化アルミニウム微粒子、フッ化マグネシウム微粒子、炭化ケイ素微粒子、炭化ホウ素微粒子、炭化チタン微粒子、炭化ジルコニウム微粒子、窒化ホウ素微粒子、窒化チタン微粒子、窒化ジルコニウム微粒子、マグネタイト微粒子、二硫化モリブデン微粒子、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸マグネシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子、フッ素系樹脂微粒子、アクリル系樹脂微粒子等が挙げられ、これらは単独で或いは2種以上使用することが可能である。なお、流動性付与剤としては、一次粒子の粒径が0.1μmより小さく、表面をシランカップリング剤やシリコンオイル等で疎水化処理し、疎水化度40以上のものが好ましい。
【0128】
ここで使用されるトナーの製造方法としては公知の方法が用いられる。
例えば結着樹脂、着色剤及び顔料、帯電制御剤さらに必要に応じて離型剤等を適当な比率でヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機を使用して十分に混合する。その後、スクリュー型押出し式連続混練機、2本ロールミル、3本ロールミル、加圧加熱ニーダーを用いて溶融混練を行う。またカラートナーの場合、顔料の分散性を向上させる目的で結着樹脂の一部と顔料を予め溶融混練して得られるマスターバッチ顔料を着色剤として使用することが一般的である。上記方法で得られた混練物を冷却固化させた後にハンマーミル等の粉砕機を用いて粗粉砕をする。
【0129】
さらに、粗粉砕物をジェットミル粉砕機で粉砕処理した後に気流式分級機等に連結されたローター粉砕機等を用いて表面処理を行う。例えば衝突式粉砕機としてはハンマーミル、ボールミル、チューブミル、振動ミル等を挙げることができる。圧縮空気及び衝突板を主構成要素として具備してなるジェット式粉砕機としてはIタイプ及びIDSタイプ衝突式粉砕機(日本ニューマチック工業社製)を好ましく使用できる。またローター粉砕機としてはロールミル、ピンミル、流動層式ジェットミル等を例示できる。特に外壁としての固定容器とこの固定容器と中心軸を同一にする回転片とを主構成要素として具備してなるローター式粉砕機としてはターボミル(ターボ工業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ファインミル(日本ニューマチック工業社製)等が使用できる。連結された分級機には気流式分級機としてはディスパージョンセパレータ(DS)式分級機(日本ニューマチック工業社製)、多分割式分級機(エルボージェット;日鉄鉱業社製)等が使用できる。さらに気流式分級機、機械式分級機を用いて微粉分級を行い、微細粒子を得ることができる。
【0130】
さらに上記方法で得られた微細粒子に流動性付与剤の添加混合を行う場合には、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル等の公知の設備が使用可能である。また懸濁重合法、非水分散重合法により、モノマーと着色剤、流動性付与剤から直接トナーを製造する方法であってもよい。
【0131】
・実施例
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、ここでの部は重量基準である。
【0132】
〔実施例1〕
重合トナーの製造例
イオン交換水710gに、0.1M−NaPO水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl水溶液68gを徐々に添加し、Ca(POを含む水系媒体を得た。
【0133】
(トナー成分)
スチレン 170g
n−ブチルアクリレート 30g
キナクリドン系マゼンタ顔料 10g
ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物 2g
ポリエステル樹脂 10g
【0134】
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2、2‘−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調整した。そして、上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで20分間攪拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で一部水系媒体を留去して冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、濾過、水洗、乾燥をして、重量平均粒径が7μm、3μm以下粒子個数比率が1%の着色懸濁粒子を得た。この微細粒子20kgに対して平均粒径0.3μmの疎水性シリカ微粒子100g、平均粒径0.3μmの疎水性チタン微粒子100gを添加及び攪拌混合を行って、マゼンタ電子写真用トナーAを得た。
【0135】
トナーAの主な特性
Dt=6.0μm、Dn=5.6μm、Dt/Dn=1.071
3μm以下の粒子個数比率=1%
【0136】
キャリアAの製造例
シリコーン樹脂(SR2411.トーレダウコーニングシリコーン社製)を希釈して、シリコーン樹脂溶液(固形分:5%)を得た。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径が36μmのキャリア芯材粒子(MnMgSr系フェライト、1KOeの磁気モーメント77emu/g)5Kgの各粒子表面上に、上記のシリコーン樹脂溶液を、100℃の雰囲気下で約40g/minの割合で塗布し、更に240℃で2時間加熱して、膜厚0.53μm、真比重5.0g/cmのキャリアA を得た。膜厚の調整はコート液量により行なった。
【0137】
フルカラープリンターの機械条件は以下の通り。
線速 125(mm/sec)
感光体ドラム径 30(mm)
現像スリーブ/感光体ドラム線速比 2.0
現像ギャップGp 0.4(mm)
現像剤汲み上げ量 45(mg/cm
現像スリーブ径 φ18(mm)
現像スリーブ表面 V溝(V溝の本数は100本、深さ70μmの直角)
主極角度 7°
主極磁束密度 100(mT)
ドクター対向極磁束密度 70(mT)
帯電電位V0 −520(V)
露光後電位VL −50(V)
現像バイアスVB(DC現像) −500(V)
【0138】
〔実施例2〕
実施例1と比較して、現像剤汲み上げ量すなわち現像剤担持量ρを30[mg/cm]とした以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。このときρ/Gp=750[mg/cm]である。
【0139】
〔実施例3〕
実施例1と比較して、現像剤汲み上げ量すなわち現像剤担持量ρを15[mg/cm]とした以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。このときρ/Gp=375[mg/cm]である。
【0140】
〔比較例1〕
実施例1と比較して、現像剤汲み上げ量すなわち現像剤担持量ρを50[mg/cm]とした以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。このときρ/Gp=1250[mg/cm]である。
【0141】
〔比較例2〕
実施例1と比較して、現像剤汲み上げ量すなわち現像剤担持量ρを10[mg/cm]とした以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。このときρ/Gp=250[mg/cm]である。
【0142】
〔実施例4〕
実施例1と比較して、スリーブ/感光体線速比を0.5とした以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。
【0143】
〔実施例5〕
実施例1と比較して、スリーブ/感光体線速比を2.5とした以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。
【0144】
〔比較例3〕
実施例1と比較して、スリーブ/感光体線速比を0.4とした以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。
【0145】
〔比較例4〕
実施例1と比較して、スリーブ/感光体線速比を2.6とした以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。
【0146】
〔実施例6〕
実施例1と比較して、キャリア芯材粒子の重量平均粒径が22μmのキャリアBを用いた以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。
【0147】
〔比較例5〕
実施例1と比較して、キャリア芯材粒子の重量平均粒径が42μmのキャリアCを用いた以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。
【0148】
〔比較例6〕
実施例1と比較して、現像装置を従来の順回転現像方式に変更した以外は、実施例1と同様の条件で画像形成を行った。
【0149】
上記のような各条件で画像形成を行い、ベタ濃度、画像のザラツキ感、ドット再現性、先端・後端カスレを評価した。各評価方法は以下の通りである。
【0150】
ベタ濃度については、A4横連続100枚全ベタ印刷を行い、A4横用紙の左上、中央上、右上、左下、中央下、右下の画像濃度を測定した。ID偏差が0.1以下の場合○、0.1〜0.15の場合を△、0.15以上の場合を×とした。
【0151】
ザラツキ感の程度を表す評価基準として粒状度を用いる。ここで、粒状度の測定原理を説明する。粒状度を測定用として、ハーフトーン領域の画像をスキャナで読み取り、1cm程度のパッチを用意する。この画像をフーリエ変換して得られたパワースペクトルに対し、人間の視覚特性を表す周波数フィルタをかけて、人間の目に目立ちやすい部分を抽出したパワースペクトルを積分する。このようにしてパッチ毎に得られた数値のことを粒状度と呼ぶ。本実施形態では、特に明度が40〜80となる部分のパッチの粒状度の平均値を用いた。粒状度は、小さい程ザラツキ感のない良好な画像であるといえる。なお、粒状度0.46未満を〇、0.46以上を×として、ザラツキ感の良否を判定した。
【0152】
ドット再現性については、1by1ドットの未定着画像(0.6mm×0.4mm)をCCDカメラで撮影し、それをスキャナで読み取り2値化し、
ドット面積揺らぎ=ドット面積の標準偏差/ドット平均面積
で求められるドット面積揺らぎが、10%以下の場合を○、それ以外を×と判定した。
【0153】
先端・後端カスレについては、白地中に網点画像(2×2cm)を形成し、網点画像の先端・後端カスレを目視で判断した。カスレが内場合を○、ある場合を×と判定した。
【0154】
実施例1ないし6、比較例1ないし6について、ベタ濃度の判定、ザラツキ感の判定、ドット再現性の判定、先端・後端カスレの判定の各結果をまとめると図8に示すようになった。
同図から、本発明に係る構成の意義が容易に理解される。
【0155】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0156】
たとえば、中間転写ベルト等の中間転写体を用い、各色のトナー像を中間転写体に重ね合わせ転写してから一括でシートに転写する間接転写方式を採用しても良い。すなわち被転写体は中間転写体であっても良い。
【0157】
中間転写体を用いる場合、いわゆるタンデム方式の画像形成装置ではなく、1つの感光体ドラム上に順次各色のトナー像を形成して各色トナー像を順次重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム方式の画像形成装置にも同様に適用することができる。
モノクロ画像のみを形成可能な画像形成装置であっても良い。
【0158】
像担持体はドラム状でなくベルト状であってもよい。
画像形成装置は、プリンタでなく、複写機、ファクシミリ、その他、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機、複写機とプリンタとの複合機等の他の組み合わせの複合機であっても良い。
【0159】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明を適用した画像形成装置の概略正面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた光走査装置の構造を示す概略正面図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に備えられた複数の像担持体のうち1つの像担持体周りの構成の一部を示す概略正面図である。
【図4】図1に示した画像形成装置に備えられた複数の像担持体のうち1つの像担持体周りの構成の他の一部を示す概略正面図である。
【図5】図4に示した像担持体と現像剤担持体との間における2成分現像剤及び現像の様子を示す概略拡大正面図である。
【図6】順回転現像方式の像担持体と現像剤担持体との間における2成分現像剤及び現像の様子を示す概略拡大正面図である。
【図7】図6に示した像担持体における現像の様子を示す拡大斜視図である。
【図8】各実施例及び各比較例における画像形成の質を示した図である。
【符号の説明】
【0161】
20Y、20M、20C、20BK 像担持体
50Y、50M、50C、50BK 現像装置
51Y 現像剤担持体
83Y 磁極、主磁極
95Y、95M、95C、95BK プロセスカートリッジ
100 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤と、
回転する像担持体に対向して配置され内部に磁極を有し前記2成分現像剤を担持する現像剤担持体とを用い、
像担持体上の潜像を前記現像剤担持体上の前記トナーで現像する現像方法において、
前記現像剤担持体は、像担持体に対し、カウンター方向に回転し、
前記磁性キャリアの重量平均粒径Dcが20〜40[μm]であり、
前記現像剤担持体と像担持体との距離Gpが0.02[cm]以上であり、
前記現像剤担持体上の単位面積当たりの現像剤担持量ρが15[mg/cm]以上であり、
前記現像剤担持量ρ/前記距離Gpが375〜1125[mg/cm]であることを特徴とする現像方法。
【請求項2】
請求項1記載の現像方法において、
前記磁性キャリアの1KOeにおける磁気モーメントが70[emu/g]以上100[emu/g]以下であることを特徴とする現像方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の現像方法を用いて像担持体上の潜像を現像する現像装置において、像担持体に対向して配置され、内部に磁石を有する現像剤担持体を備え、この現像剤担持体がトナーとトナーを保持する磁性キャリアとを含む2成分現像剤を表面に担持して、像担持体との対向領域である現像領域に搬送し、前記現像剤担持体と像担持体との間に電界を印加し、像担持体表面上に形成される潜像をトナーで現像することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の現像方法を用いて像担持体上の潜像を現像する現像装置において、前記現像剤担持体を有することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の現像装置において、
像担持体に対する前記現像剤担持体の線速比が0.5〜2.5であることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項3ないし5の何れか1つに記載の現像装置において、
前記磁極であって像担持体に対向する主磁極の法線方向における磁束密度が60〜120[mT]であることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項3ないし6の何れか1つに記載の現像装置において、
前記現像剤担持体に現像バイアスとしてDCバイアスを印加することを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項3ないし7の何れか1つに記載の現像装置と、この現像装置によって潜像を現像される像担持体とを備えたプロセスカートリッジであって、これを備える画像形成装置本体に対して着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
請求項1又は2記載の現像方法、または、請求項3ないし7の何れか1つに記載の現像装置、または、請求項8記載のプロセスカートリッジを用いる画像形成装置。
【請求項10】
請求項1又は2記載の現像方法、または、請求項3ないし7の何れか1つに記載の現像装置、または、請求項8記載のプロセスカートリッジ、または、請求項9記載の画像形成装置を用いる画像形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−98593(P2009−98593A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18111(P2008−18111)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】