説明

現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置および現像方法

【課題】移相電界を用いる静電搬送手段によりトナー粒子を現像部に向けて搬送する現像装置において、静電搬送手段の静電搬送面のうち、トナー供給部に対応する部位へのトナー粒子の付着を抑える。
【解決手段】静電搬送手段13aの静電搬送面13Aのうち、トナー供給部Tfの上流部分に対応する部分、すなわちトナー除去部Ttに堆積しようとするトナー粒子を除去するためのトナー除去手段13fとして、振動子104を備えた導電性板101を設ける。この導電性板に所定のバイアス電圧を印加することにより一旦、トナー粒子を導電性板100に静電的に吸着させ、ついで導電性板101に吸着時と逆極性のバイアスを印加するとともに、振動子104により導電性板101を振動させることで、上記吸着トナー粒子を分離落下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体であるトナー粒子を移相電界によって現像部に搬送する静電搬送手段を設けた現像装置、この現像装置を備えたプロセスカートリッジ、このプロセスカートリッジを備えた画像形成装置および、上記静電搬送手段を用いる現像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置として、像担持体(潜像担持体)上に静電潜像を形成し、この潜像に粉体であるトナー粒子を付着させることで、トナー像として現像する電子写真方式のものが知られている。
【0003】
また、上記静電潜像の現像装置として、特許文献1のように移相電界のエネルギーを粉体であるトナー粒子に与えることによって、静電搬送部材の表面でトナー粒子を水平方向および垂直方向に移動させる現像装置が知られている。かかる現像装置においては、トナー粒子は移相電界によって像担持体と現像装置との対向部である現像領域(現像部)に移送され、この現像領域において像担持体上の潜像の画像部に付着する。
【0004】
特許文献1では、平板状の静電搬送部材によって形成される移相電界によって、トナー供給手段から供給されたトナー粒子を像担持体との対向位置である現像領域まで搬送し、像担持体上の潜像の現像に寄与させ、現像領域で現像に寄与しなかったトナー粒子をトナー回収手段との対向位置まで搬送し、トナー回収手段で回収したトナーを上記トナー供給手段に戻している。
【0005】
トナー粒子を静電搬送により現像領域に搬送供給する方式の現像装置としては、特許文献1に記載のものの他に、特許文献2に記載のものが知られている。この現像装置においては、エンドレスループ状の静電搬送部材を用いている。
【0006】
特許文献1に記載の現像装置では平板状の静電搬送部材を用いているため、現像領域を通過し、平板の端部に達したトナーを回収し搬送する回収搬送部材を、別途設ける必要があった。エンドレスループ状やローラ状のように環状の表面を備えた静電搬送部材では、トナー供給部で供給されたトナーのうち現像に寄与しなかったトナーは、環状の表面を1周してトナー供給部に戻ってくる。このトナー供給部に戻る前の箇所にトナーを回収する回収部を設けることで、回収部と供給部を互いに接近させて設けることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0007】
【特許文献1】特開2004−198675号公報
【特許文献2】特開2002−99143号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
移相電界によってトナー粒子を移動させるタイプの現像装置では、トナー粒子は静電搬送部材の表面を跳びはねるように移動するため、大部分の時間はトナー粒子と静電搬送部材とは非接触である。したがってトナー粒子が移相電界によって移動している状態においては、トナー粒子が静電搬送部材に静電的に付着する力が弱い。このため現像電界を弱く設定しても(例えば現像ポテンシャル100V以下でも)現像能力を容易に確保することができる利点がある。しかし現像電界を弱く設定すると、ひとたびトナー粒子が静電搬送部材上で静止した場合に、電界によって静電搬送部材からトナー粒子を引き剥がすことが困難となる。したがって、現像ポテンシャル100V以下の低電位プロセスでは、静電搬送部材に付着したトナー粒子を引き剥がすことが難しくなる。
【0009】
特に、トナー粒子を静電搬送部材上に供給するトナー供給部においては、供給電界により移相電界をつぶしてしまいトナー粒子の移動を妨げる。これによりトナー供給部上流領域において供給されたトナー粒子及び、浮遊しているトナー粒子が移相電界により静電搬送部材上を移動して供給電界により移動を妨げられ堆積するケースが考えられる。また、2成分現像剤を供給するため磁気ブラシを使用する供給方法においては、供給部の磁気穂によりトナー粒子の移動が妨げられる。このようにトナー供給部の静電搬送部材上に付着したトナー粒子が増加すると移相電界に乱れが生じ、トナー粒子の供給性能、搬送性能に悪影響を与える。
ここで、上記「静電搬送部材上を移動して供給電界により移動を妨げられ堆積する」の意味について説明する。移相電界はトナーを運ぶための電界で、搬送面に形成される。供給電界は、例えば2成分現像剤ではキャリアとトナーを分離するための電界であり、これは供給ローラ(磁気ローラ)に形成させる。供給電界によりトナーは磁気ローラを離れ搬送面上に移るが、キャリアは磁気ローラに残る。移相電界(搬送面)と供給電界(供給ローラ)は独立しており、供給部では搬送面と供給ローラは近接しているので、移相電界(+−が交互に印加される)と供給電界(−が印加)が緩衝して移相電界が乱されるため搬送しにくくなる結果、上記堆積の問題が生じる。
【0010】
以上のように、移相電界によってトナー粒子を移動させるタイプの現像装置では、トナー供給部での静電搬送部材へのトナー粒子の付着を抑制することが重要となる。
【0011】
そこで本発明の主な目的は、移相電界によってトナー粒子を移動させるタイプの現像装置において、特に静電搬送部材上にトナー粒子を供給するトナー供給部での、静電搬送部材に対するトナー粒子の付着・堆積を抑え、これにより、静電搬送部材のトナー粒子搬送機能を正常なものに維持し、トナー粒子を安定して像担持体に向けて搬送することにある。
本発明の別の目的は、トナー搬送機能に優れるこのような現像装置を備えたプロセスカートリッジおよび、このプロセスカートリッジを備えてなる画像形成装置を提供することである。
本発明の更なる目的は、移相電界によってトナー粒子を移動させるタイプの現像方法において、トナー粒子を安定的に像担持体に向けて搬送することができる現像方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明(図2、図9を参照)は、トナー格納部(13h)内のトナーを表面に保持して搬送する現像剤担持体すなわちトナー供給手段(13b)と、
静電搬送面(13A)および、トナー移動用の移相電界(進行波電界)を発生させる複数の電極(13−2)を有し、トナー供給手段(13b)によりトナー供給部(Tf)に搬送されたトナー粒子を前記移相電界により、静電搬送面(13A)上を像担持体(11)に向けて搬送する静電搬送手段(13a)と、を備えてなる現像装置であって、
静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)のうち、トナー供給部(Tf)の上流部分に対応する部分、すなわちトナー除去部(Tt)に堆積しようとするトナー粒子を除去するトナー除去手段(13f)と、
静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)のうち、トナー回収部(Tr)に堆積しようとするトナー粒子を除去して回収するトナー回収手段(13g)と、を備えていることを特徴とする現像装置である。
なお、本明細書において上記「堆積しようとする」とは、トナーが静電搬送面上に静電的に貼り付いて溜まっていく状態を意味する(以下同じ)。
また、上記トナー供給部(Tf)は、静電搬送面(13A)のうち、トナー供給手段(13b)で供給されたトナー粒子を受け取る領域である。また上記トナー回収部(Tr)は、静電搬送面(13A)のうち、現像部(像担持体上の静電潜像を顕像化する領域)よりもトナー粒子搬送方向下流側に位置する領域である。
【0013】
請求項2に係る発明(図9を参照)は、請求項1に記載の現像装置において、トナー除去手段(13f)が導電性部材からなる除去部材(101)を備え、該除去部材(101)と静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)との間に回収電界を形成することにより、トナー除去部(Tt)に堆積しようとするトナー粒子を当該除去部材(101)の表面に静電的に吸着するものであることを特徴とする現像装置である。
【0014】
請求項3に係る発明(図9を参照)は、請求項2に記載の現像装置において、除去部材(101)は静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)に対して非接触に設けられていることを特徴とする現像装置である。
【0015】
請求項4に係る発明(図9を参照)は、請求項2または3に記載の現像装置において、除去部材(101)は、搬送されるトナー粒子と逆極性のバイアスが印加されることにより、静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)上のトナー粒子を吸着する導電性板(101)であることを特徴とする現像装置である。
【0016】
請求項5に係る発明(図9を参照)は、請求項4に記載の現像装置において、トナー除去手段(13f)は適宜のトナー分離手段(104)を備え、静電搬送手段(13a)から除去されたトナー粒子が除去部材(101)に吸着された後、トナー分離手段(104)により除去部材(101)から分離されて回収されることを特徴とする現像装置である。
【0017】
請求項6に係る発明(図11を参照)は、請求項1に記載の現像装置において、トナー除去手段(13f)が、静電搬送面(201A)および、トナー移動用の移相電界(進行波電界)を発生させる複数の電極(201B)を有する静電搬送部材(201)からなる除去部材を備え、トナー除去部(Tt)に堆積しようとするトナー粒子を、静電搬送面(201A)上を搬送して除去するものであることを特徴とする現像装置である。
【0018】
請求項7に係る発明(図11を参照)は、請求項6に記載の現像装置において、トナー除去手段(13f)におけるトナー粒子搬送方向下流側の端部を、トナー回収手段(13g)に接近させ、トナー除去手段(13f)で搬送されたトナー粒子をトナー回収手段(13g)により回収することを特徴とする現像装置である。
【0019】
請求項8に係る発明(図13、図14を参照)は、請求項1に記載の現像装置において、トナー回収手段(13g)がトナー除去手段(13f)を兼ねており、
静電搬送手段(13a)は、静電搬送面(13A)が環状に形成された円筒体であって、移相電界(進行波電界)を発生させる複数の電極として、トナー供給部(Tf)のトナー粒子を像担持体およびトナー回収手段(13g)に向けて搬送する第一搬送電極(13a−5)と、トナー供給部(Tf)近傍のトナー粒子を、第一搬送電極(13a−5)による搬送方向の逆向きに、かつトナー回収手段(13g)に向けて搬送する第二搬送電極(13a−6)とを備えていることを特徴とする現像装置である。
【0020】
請求項9に係る発明(図16を参照)は、請求項1の現像装置において、静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)のうちトナー除去部(Tt)に向けて気体を吹き付ける気体噴射手段(301)と、トナー除去部近傍の気体を吸引除去する気体吸引手段(303)とを備えてなるトナー除去手段を、トナー除去部(Tt)近傍に設けたことを特徴とする現像装置である。
【0021】
請求項10に係る発明は、画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、電子写真プロセス用の像担持体(潜像担持体)、帯電手段、クリーニング手段のうちの少なくとも一つと、請求項1〜9のいずれかに記載の現像装置とを一体に設けてなることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項11に係る発明は、電子写真方式の画像形成装置において、請求項10に記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
請求項12に係る発明は、トナー格納部内のトナー粒子をトナー供給手段(13b)により、ついで移送電界を用いる静電搬送手段(13a)より像担持体に向けて搬送し、該トナー粒子により像担持体上の静電潜像を顕像化する現像方法であって、静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)のうち、トナー供給部(Tf)の上流部分に対応する部分であるトナー除去部(Tt)に堆積しようとするトナー粒子を除去するとともに、静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)のうち、トナー回収部(Tr)に堆積しようとするトナー粒子を除去して回収することを特徴とする現像方法である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1〜請求項9に係る現像装置によれば、静電搬送手段(13a)におけるトナー供給部上流部位に堆積しようとするトナー粒子をトナー除去手段(13f)により除去することで、トナー供給量の低下を防止することができる。すなわち、静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)のうちトナー除去部(Tt)に堆積しようとするトナー粒子を除去するようにしたため、静電搬送面(13A)に堆積/付着したトナー粒子に起因する移相電界の乱れが生じないので、静電搬送手段(13a)のトナー粒子搬送機能が正常なものに維持され、トナー粒子を安定して像担持体に向けて搬送することができる。またこの現像装置では、上記トナー回収部(Tr)に堆積しようとするトナー粒子をトナー回収手段(13g)により除去して回収するようにしたので、トナー粒子を円滑に像担持体に循環させて現像に供することができる。
【0024】
なお、現像装置が表面に磁性キャリア粒子とトナーとを含む2成分現像剤を使用する場合には、この現像剤は2成分状態のまま、静電搬送手段(13a)により像担持体に向けて搬送され、最終的にトナーのみが像担持体の潜像上に供給され、磁性キャリア粒子は実質的に像担持体上に供給されることなく回収され、トナー供給手段によって静電搬送手段(13a)に向けてリサイクルされる。また、現像装置がトナー粒子のみからなる1成分現像剤を使用する場合には、この現像剤はトナー粒子の形態のまま静電搬送手段(13a)により像担持体に向けて搬送され、最終的に像担持体の潜像上に供給される。いずれにしても、現像剤を構成するトナーはトナー供給手段によって静電搬送手段に向けて搬送され、ついでこの静電搬送手段により像担持体に向けて搬送され、像担持体の潜像上に供給される。
【0025】
請求項2〜請求項4に係る現像装置によれば、静電搬送面上のトナー粒子を搬送電界から回収電界に移すことで、静電的にトナー粒子を容易に除去回収することができる。
請求項5に係る現像装置では、トナー粒子が除去部材(101)に吸着された後、トナー分離手段(104)によりトナー除去手段(13f)から分離されるから、静電搬送手段(13a)のトナー供給部上流部位に堆積しようとするトナーを、より確実に除去回収することが可能となる。
請求項6に係る現像装置では、静電搬送手段(13a)上のトナー供給部上流部位に堆積しようとするトナーが、静電搬送面(201A)および電極(201B)を有する、静電搬送部材(201)を備えてなるトナー除去手段(13f)により除去される。また、請求項7に係る現像装置によれば、トナー除去手段(13f)で除去されたトナー粒子が、トナー回収手段(13g)により回収される。
請求項8に係る現像装置では、トナー供給部(Tf)のトナー粒子が第一搬送電極(13a−5)により、像担持体およびトナー回収手段(13g)に向けて搬送され、トナー供給部(Tf)近傍のトナー粒子が第二搬送電極(13a−6)により、上記と逆向きにトナー回収手段(13g)に向けて搬送され、このトナー回収手段(13g)により回収される。
【0026】
請求項9に係る現像装置では、何らかの装置上のトラブルが原因で静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)のうち、トナー除去部(Tt)に堆積/付着したトナー粒子が、気体噴射手段から噴きつけられる気体によりを剥離し、気体吸引手段により吸引除去される。
【0027】
請求項10に係るプロセスカートリッジでは、所定のとおり構成したから、請求項1〜9のいずれかに記載の現像装置による効果が得られる。
請求項11に係る画像形成装置では、請求項10のプロセスカートリッジを備えているから、請求項1〜9のいずれかに記載の現像装置による効果が得られる。
【0028】
請求項12の現像方法では、静電搬送手段(13a)の静電搬送面(13A)のうちトナー除去部(Tt)に堆積しようとするトナー粒子を除去するから、請求項1の現像装置の場合と同様の作用によって、上記トナー除去部に堆積/付着したトナー粒子に起因する移相電界の乱れが生じないため、静電搬送手段(13a)のトナー粒子搬送機能が正常なものに維持され、トナー粒子を安定して像担持体に向けて搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の各実施形態を図面に従って説明する。各図において、同一の要素は同一の記号で表されている。また、トナー粒子を単にトナーと記載する場合がある。
[第1の実施形態]
本実施形態は請求項1に係るものであり、図1はこの現像装置を備えた、電子写真方式によるカラー画像形成装置の要部構造を示す説明図である。図2は本発明の現像装置で構成された作像ユニットの要部構造を示す説明図である。図3は上記現像装置を構成する静電搬送手段(トナー搬送手段)の構造を示す説明図である。図4(A)は、図3の静電搬送手段の電極に印加するパルス状駆動波形(駆動信号)の一例を示す説明図である。図4(B)は粉体(トナー粒子)の搬送・ホッピングの説明図である。図5はトナー搬送領域において、トナーをホッピングするために静電搬送手段の電極に印加するパルス状駆動波形(駆動信号)の一例を示す説明図である。図6は現像領域において、トナーをホッピングするために静電搬送手段の電極に印加するパルス状駆動波形(駆動信号)の一例を示す説明図である。図7は図2の現像装置に設けられた供給ローラ(現像剤担持体)を構成する磁石ローラの説明図である。
【0030】
図1を基に、画像形成装置の動作を順次説明する。通常の画像形成動作においては、給紙装置5から供給される記録用紙等の転写材は、吸着ローラ2aに所定の電圧が印加されることで、転写体である転写材搬送ベルト2に吸着される。転写材は、転写材搬送ベルト2に担持された状態で転写材搬送ベルトとともに移動し、移動中に作像手段である作像ユニット1(1K、1M、1C、1Y)からトナー像が転写される。転写材が搬送ベルト2を通過して定着装置3に到達すると、転写材上のトナー像は加熱ローラ3aおよび加圧ローラ3bに挟まれつつ加熱されることで転写材上に定着され、転写材上に可視像が形成される。
【0031】
また各色トナー像の色ずれやトナー濃度の調整を行なうモードにおいては、作像ユニット1(1K、1M、1C、1Y)から転写材搬送ベルト2上に直接所定パターンのトナー像が形成され、フォトセンサ2Bによってこのトナーパターンが検出され、その検出結果に基づいて書込タイミングや現像バイアスの変更などが行なわれ、最適なカラー画像を得ることができる状態に調整される。転写材搬送ベルト2上のトナーパターンは吸着ローラ2aに印加されたバイアスによって帯電極性を整えられた後、転写ローラ2b(2bk、2bm、2bc、2by)に印加された電圧によって作像ユニット1(1K、1M、1C、1Y)に回収される。書込み装置4(4K、4M、4C、4Y)は、画像情報に従って帯電後の像担持体11に潜像を書き込むための装置である。この書込み装置4には、ポリゴンを用いた光走査装置やLEDアレイ等、種々のものを使用することができる。
【0032】
転写ローラ2b(2bk、2bm、2bc、2by)は弾性体からなり、転写材搬送ベルト2を介して像担持体11と対向した状態に配置されている。すなわち、転写ローラ2bは、少なくとも芯金とこの芯金を被覆する導電性弾性層とを有し、この導電性弾性層はポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗率)を106〜1010Ω・cmの中抵抗に調整されている。
【0033】
次に、図1および図2を用いて本実施形態の作像プロセスを説明する。なお作像ユニット1K、1M、1C、1Yは同一構造であるので1つのみについて説明する。像担持体11は負帯電の有機感光体であり、図示を省略した回転駆動機構によって矢印方向すなわち反時計回りに回転するように備えられている。クリーニング装置14は、像担持体11の回転方向に対してカウンターで当接させられたクリーニングブレード14aと、クリーニングされたトナー粒子を廃トナーとして収納する廃トナー格納部14bとを有する。
【0034】
接触帯電部材12は芯金12a上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方してなる中抵抗の発泡ウレタン層12bをローラ状に形成した可撓性の帯電ローラである。この帯電ローラ12において芯金上に形成される中抵抗層の材質としては、上記に限定するものではなく、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブタジエン−アクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることができる。
【0035】
次いで現像装置13について詳説する。現像装置13は図2、図3に示すように、(A)トナー格納部13h内のトナーを表面に保持して搬送する供給ローラ13b(現像剤担持体)と、(B)静電搬送面13Aおよびトナー移動用の移相電界(進行波電界)を発生させる複数の電極13−2を有し、トナー供給手段としての供給ローラ13bによりトナー供給部Tf(図9)に搬送されたトナー粒子を上記移相電界により、静電搬送面13A上を像担持体11に向けて、すなわち現像部Ge(図9)に向けて搬送する円筒状の静電搬送手段(トナー搬送部材)13aと、を備えている。
ただし、この静電搬送手段13aは位置を固定して、かつ回転しないように配置されている(後記する他の実施形態においても同じ)。上記トナー供給部Tfは、静電搬送面13Aのうち、トナー供給手段13bで供給されたトナー粒子を受け取る領域である。上記現像部は、像担持体上の静電潜像を顕像化する領域である。
【0036】
またこの現像装置は、(a)静電搬送手段13aの静電搬送面13Aのうち、上記トナー供給部Tfの上流部分に対応する部分、すなわちトナー除去部Tt(図9)に堆積しようとするトナー粒子を除去するトナー除去手段13fと、(b)静電搬送手段13aの静電搬送面13Aのうち、トナー回収部Tr(これは静電搬送面13Aのうち、現像部よりもトナー粒子搬送方向下流側に位置する領域である。)に堆積しようとするトナー粒子を除去して回収するトナー回収手段13gと、を備えている。
【0037】
上記静電搬送手段13aは、画像形成時には、像担持体11に対して50〜1000μm、好ましくは150〜400μmの間隙をあけて非接触に対向している。
なお、図2に記載された符号について説明すると、4aは書込み光、13cはドクタブレード、13dはスクリュー、13eはケーシング(現像ケース)である。
【0038】
静電搬送手段13aの構成について、図3を参照して詳細に説明する。図3は静電搬送手段13aにおける像担持体11側の表層部分を拡大して示した断面図であり、ここでは説明の便宜上、円筒体の円弧状部分を直線状に描いてある。静電搬送手段13aは、支持基板13a−1上に複数(n本)の電極13a−2,13a−2,13a−2……を1セットとして、トナー移動方向に沿って所要の間隔で配置し、この上に搬送面を形成する絶縁性の搬送面形成部材となり、電極13a−2の表面を覆う保護膜となる、無機又は有機の絶縁性材料で形成した表面保護層13a−3を積層したものである。
【0039】
上記支持基板13a−1としてはガラス基板、樹脂基板、セラミックス基板等の絶縁性材料からなる基板、或いは、SUSなどの導電性材料からなる基板にSiO2 等の絶縁膜を成膜したもの、ポリイミドフィルムなどのフレキシブルに変形可能な材料からなる基板などを用いることができる。
【0040】
上記電極13a−2は、支持基板13a−1上にAl、Ni−Cr等の導電性材料を0.1〜10μm厚、好ましくは0.5〜2.0μmで成膜し、これをフォトリソグラフィー技術等により、所要の電極形状にパターン化して形成されている。これら複数の電極13a−2の粉体進行方向における幅Lは、移動させる粉体の平均粒径の1倍以上、20倍以下とし、かつ、隣り合う電極13a−2,13a−2間の粉体進行方向の間隔Rも、移動させる粉体の平均粒径の1倍以上、20倍以下としている。
【0041】
上記表面保護層13a−3は、例えばSiO2、TiO2、TiO4、SiON、BN、TiN、Ta2 5などを厚さ0.5〜10μm、好ましくは厚さ0.5〜3μmで成膜して形成されている。
【0042】
図3において各電極13a−2から伸びる線は、各電極13a−2に電圧を印加するための導電線を表している。そして、各線の重なる部分のうち黒丸で示した部分だけが電気的に接続されており、他の部分は電気的に絶縁状態である。各電極13a−2に対しては、本体側の電源からn相の異なる駆動電圧が印加される。本実施形態では3相の駆動電圧が印加される場合(n=3)について説明するが、本発明はトナー粒子が搬送される限りにおいて、n>2を満たす任意の自然数nについて適用可能である。
【0043】
本実施形態では、各電極13a−2は現像装置側の接点S11,S12,S13、S21,S22,S23のいずれかに接続されており、各接点は現像装置が画像形成装置本体に装着された状態においては、それぞれ駆動波形V11,V12,V13、V21,V22,V23を与える本体側電源Pと接続される。
静電搬送手段13aは、(i)トナー粒子を像担持体11近傍まで移送し、また現像領域通過後の現像に寄与しなかったトナー粒子を回収するための搬送領域と、(ii)像担持体11の潜像にトナー粒子を付着させてトナー像を形成するための現像領域とに分けられる。現像領域は像担持体11に近接した領域のみに存在し、搬送領域は静電搬送手段13aの周上、現像領域以外の全域に存在する。静電搬送面13Aはこのような、トナー粒子が移相電界によって移動可能な領域に対応している。本実施形態の場合、静電搬送手段13a表面の約3/4が静電搬送面13Aとなっている(図9を参照)。搬送領域では各電極13a−2に駆動波形V11、V12、V13が印加され、現像領域では各電極13a−2に駆動波形V21、V22、V23が印加される。
【0044】
次に、静電搬送手段13aにおけるトナー静電搬送の原理について説明する。静電搬送手段13aの複数の電極13a−2に対してn相の駆動波形を印加することにより、複数の電極13a−2によって移相電界(進行波電界)が発生し、静電搬送手段13a上の帯電したトナー粒子は反発力及び/又は吸引力を受けて移送方向に移動する。
【0045】
例えば、静電搬送手段13aの複数の電極13a−2に対して図4の(A)に示すように、グランドG(0V)と正の電圧+との間で変化する3相のパルス状駆動波形をタイミングをずらして印加する。このとき、図4(B)に示すように、静電搬送手段13a上に負帯電トナーTがあり、静電搬送手段13aの連続した複数の電極13a−2にそれぞれ「G」、「G」、「+」、「G」、「G」が印加された((1))とすると、負帯電トナーTは「+」の電極13a−2上に位置する。次のタイミングで複数の電極13a−2にはそれぞれ「+」、「G」、「G」、「+」、「G」が印加され((2))、負帯電トナーTには左側の「G」の電極13a−2との間で反発力が、右側の「+」の電極13a−2との間で吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電トナーTは「+」の電極13a−2側に移動する。さらに、次のタイミングで複数の電極13a−2には符号(3)に示すようにそれぞれ「G」、「+」、「G」、「G」、「+」が印加され、負帯電トナーTには同様に反発力と吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電トナーTは更に「+」の電極13a−2側に移動する。
【0046】
このように複数の電極13a−2に電圧の変化する複相の駆動波形を印加することで、静電搬送手段13a上には進行波電界が発生し、負帯電トナーはこの進行波電界の進行方向に移動する。なお、正帯電トナーの場合には駆動波形の変化パターンを逆にすることで同様に同方向に移動する。
【0047】
静電搬送手段13aの搬送領域では、各電極13a−2に対して図5に示すように、各相の+100Vの印加時間taを、繰り返し周期tfの1/3である約33%に設定した(これを「搬送電圧パターン」という)3相の駆動波形(駆動パルス)V11、V12、V13を印加する。この駆動波形は搬送領域においてトナー粒子を高速搬送するのに適した波形であることが、本発明者の研究で分かっている。
【0048】
また、静電搬送手段13aの現像領域では、各電極13a−2に対して、図6に示すように、各相の+100V又は0Vの印加時間taを、繰り返し周期tfの2/3である約67%に設定した(これを「現像電圧パターン」という)3相の駆動波形(駆動パルス)V21、V22、V23を印加する。現像領域ではトナー粒子を積極的に像担持体に向かって打ち上げることが好ましく、図6の駆動波形はトナー粒子を打ち上げるのに適していることが本発明者の研究で分かっている。
【0049】
なお、現像電圧パターンの駆動波形を印加した場合でも、0V電極のセンターに位置したトナー以外は、横方向への力も受けるため、すべてのトナーがいっせいに高く打ち上げられるというものではなく、水平方向に移動するトナーもあり、逆に、搬送電圧パターンの駆動波形を印加した場合でも、トナーの位置によっては、大きな角度で斜めに打ち上げられて水平に移動するより上昇距離の方が大きいものがある。
【0050】
したがって、搬送領域において各電極13a−2に印加する駆動波形パターンは前述した図5に示す搬送電圧パターンに限られるものではなく、また、現像領域の各電極13−2に印加する駆動波形パターンも前述した図6に示す現像電圧パターンに限られるものではない。
【0051】
ここまで駆動波形は3層の場合について説明したが、これをn相に一般化すると、次のようになる。各電極に対してn相(nは3以上の整数)のパルス状電圧(駆動波形)を印加して進行波電界を発生させる場合、1相あたりの電圧印加時間が{繰り返し周期時間×(n−1)/n}未満となる電圧印加デューティとすることによって、搬送、現像の効率を上げることができる。例えば、3相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間tfの2/3である約67%未満に設定し、4相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間を繰り返し周期時間の3/4である75%未満に設定することが好ましい。
【0052】
他方、電圧印加デューティーは{繰り返し周期時間/n}以上に設定することが好ましい。例えば、3相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間tfの1/3である約33%以上に設定することが好ましい。
【0053】
すなわち、注目電極に印加する電圧と進行方向上流側隣接電極及び下流側隣接電極に印加する各電圧との間には、上流側隣接電極が反発、下流側隣接電極が吸引という時間を設定することによって、効率を向上させることができる。特に、駆動周波数が高い場合は、{繰り返し周期時間/n}以上で{繰り返し周期時間×(n−1)/n}未満の範囲内に設定することにより、注目電極上のトナーに対する初期速度が得られやすくなる。
【0054】
なお、上記静電搬送手段13aは、ベストモードと考えられるものを説明したのであるが、所望の搬送/現像性能が得られるのであれば、現像領域と搬送領域とで隣り合う電極13−2,13−2間の間隔を異ならせて電界の方向を調整しても良いし、あるいは現像領域と搬送領域で電極の間隔および駆動波形を同一としても良い。
【0055】
現像装置13には、静電搬送手段13aへトナー粒子を供給するための供給ローラ13bが配置されており、この供給ローラ13bと静電搬送手段13aとの対向部分では磁気ブラシが形成されている。供給ローラ13bの表面では、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成してなる非磁性スリーブが不図示の回転駆動機構によって時計回りに回転するようになっている。
【0056】
現像剤の搬送方向における現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、即ち、スリーブ上の現像剤量を規制するドクタブレード13cが設置されている。このドクタブレード13cとスリーブとの間隔であるドクタギャップは0.4mmに設定されている。更に供給ローラ13bの像担持体11とは反対側の領域に、現像ケーシング13e内の現像剤を攪拌しながら供給ローラ13bへ汲み上げるための2つのスクリュー13dが設置されている。
【0057】
上記供給ローラ13b内には、スリーブの周表面に現像剤の穂立ちを生じるように磁界を形成する磁石ローラ体(磁石ローラ)が固定状態で備えられている。この磁石ローラ体から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアがスリーブ上にチェーン状に穂立ちを起こし、このチェーン状に穂立ちを生じたキャリアに帯電トナーが付着されて、磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシはスリーブの回転によってスリーブと同方向に移送されることとなる。上記磁石ローラ体は、複数の磁極(磁石)を備えている。
【0058】
具体的には、図7に示すように、現像領域部分に現像剤の穂立ちを生じる現像主磁極P1、スリーブ上に現像剤を汲み上げるための磁極P4およびP5、汲み上げられた現像剤を供給領域まで搬送する磁極P6、供給後の領域で現像剤を搬送する磁極P2、剤離れ磁極P3を備えている。なお本実施形態では磁石ローラ体を6極の磁石によって構成しているが、8極や12極で構成してもよい。図7において供給ローラ表面に描かれた曲線は法線磁力パターンの概略を示すものであり、「N」、「S」の記号は各磁極の供給ローラ表面側の極性がそれぞれN極、S極であることを示す。
【0059】
現像手段13内には、図示せぬトナー粒子および磁性キャリアが格納されている。本発明を実施する上では、特にキャリア粒子およびトナー粒子を限定する必要はないが、以下、本実施形態における態様を説明する。本実施形態においてトナー粒子は、バインダー樹脂としてスチレン系またはアクリル系の重合性単量体を重合開始剤と共に水中に分散させた状態でラジカル重合させたものや、あるいはポリエステル系樹脂を水中に分散させ重付加反応により高分子化させたものを用い、これに着色剤、帯電制御剤などを加えて造粒することにより得られた、重量平均粒径約5μmの非磁性トナー粒子である。
【0060】
また、本実施形態の磁性キャリアは、1キロエルステッドの磁界中における磁化量が30emu/cm3 以上、200emu/cm3 以下の範囲にあるキャリアが望ましい。磁化量が200emu/cm3 以下、好ましくは140emu/cm3 以下の低磁化であれば、隣り合う磁気ブラシの磁気的な相互作用が小さくなり、形成される磁気ブラシの穂が緻密に且つ短くなる。この結果、静電搬送手段13aに対して均一なトナー粒子の供給が達成できる。一方、磁性キャリアの磁化量が30emu/cm3 未満の場合には現像剤の搬送性能が劣る。このため磁性キャリアの磁化量は30emu/cm3 以上が好ましく、80emu/cm3 以上がより好ましい。
【0061】
本実施形態では磁性キャリアとして、少なくともバインダー樹脂と、磁性金属酸化物及び非磁性金属酸化物とからなる、重合法により生成された磁性体が分散されている樹脂磁性キャリアを用いる。具体的には、磁性金属酸化物としてはマグネタイト(Fe3 4 )を用い、金属酸化物を分散させて結着させるバインダー樹脂としては、スチレン、アクリル酸エチルなどのビニル系モノマーを重合して得られる樹脂を用いる。磁性体がバインダー樹脂中に分散されているキャリアをそのまま用いてもよいが、これをキャリアコアとして用い、絶縁性樹脂をコート剤とし、キャリアコア表面に被覆してコート磁性キャリアとして用いるとよい。磁化量は、キャリアの磁気特性を理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置にて、1キロエルステッドの外部磁場中に、円筒状の容器内にパッキングした磁性キャリアを置き、その際に測定して得た磁化の強さにキャリアの真比重を掛けることで算出できる。
【0062】
次に、本実施形態の画像形成装置(図1、図2)における作像プロセスの動作を説明する。この画像形成装置は、複写機およびプリンタとして機能することができるものである。複写機として機能する際には、スキャナから読み込まれた画像情報がA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理を施されて書込みデータに変換される。プリンタとして機能する際にはコンピュータ等から転送されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施され書込みデータに変換される。
【0063】
画像形成に先駆けて、像担持体11は表面の移動速度が所定の測度となるように図2の矢印方向すなわち反時計回りに回転を始める。また帯電ローラ12は像担持体11に対してつれまわり回転する。このとき帯電ローラ12の芯金には帯電バイアス印加電源から−100Vの直流電圧および振幅1200V、周波数2kHzの交流電圧が印加され、これにより像担持体11の表面が約−100Vに帯電する。
【0064】
帯電した像担持体11に対して書込み装置4(4C、4m、4Y、4K)は書込みデータに応じた露光を行なう。すなわち、光照射によって画像部の電位を変化させることで光照射されなかった非画像部の電位との差を発生させ、この電位コントラストによる静電潜像を形成する。
【0065】
書込み装置4によって像担持体11上に形成された静電潜像は現像装置13によって現像され、画像部にトナー粒子が付着することによって、像担持体11上の静電潜像が可視化されトナー像が形成される。移相電界による現像では、トナー粒子が静電搬送手段13a表面を跳びはねながら移動し、像担持体11に近接した際に画像部に吸着するように付着して現像が行なわれる。本実施形態では、静電搬送手段13aに−50V、供給ローラ13bに−250Vの電圧が印加されることにより、供給ローラ13bから静電搬送手段13aへ、静電搬送手段13aから像担持体11上の画像部へとトナー粒子を導く電界が形成される。
【0066】
像担持体11上に形成されたトナー像が転写ローラ2bと像担持体11との対向部である転写部に到達するのとタイミングを合わせて給紙装置5から転写材が搬送され、像担持体11上のトナー像は転写ローラ2bに印加された電圧により転写材へと転写される。転写されたトナー像は定着装置3によって転写材に定着され画像が出力される。一方、転写されずに像担持体11上に残留したトナー(転写残トナー)はクリーニング装置14によって清掃され、清掃後の像担持体表面は次回の画像形成のために使用される。
【0067】
[第2の実施形態]
本実施形態は、請求項2〜請求項5に係るものであり、図8は現像装置の要部構造を示す説明図である。図9はこの現像装置における、静電搬送手段13aおよびその周辺の構造を示す説明図である。この現像装置では、静電搬送手段13aの静電搬送面13Aのうち、トナー供給部Tfの上流部分に対応する部分、すなわちトナー除去部Ttに堆積しようとするトナー粒子を除去して回収するトナー除去手段13fとして、振動子104を備えた導電性板101を設ける。この導電性板に所定のバイアス電圧を印加することにより一旦、トナー粒子を導電性板101に静電的に吸着させ、ついでこの導電性板101に吸着時と逆極性のバイアスを印加するとともに、振動子104により導電性板101を振動させることで、上記吸着トナー粒子を分離落下させる。
【0068】
この現像装置の要部の基本的構造は図2の場合と同様であるが、トナー粒子の分離手段としての振動子104を備えた導電性板101からなるトナー除去手段13fと、トナー粒子の分離手段としての振動子103を備えた導電性板100からなるトナー回収手段13gとを設けた点に特徴がある。なお図9において、符号13Bはトナー粒子搬送用の搬送電界である。
【0069】
図8および図9を基に、静電搬送手段13aの静電搬送面13Aからトナー粒子を除去回収するトナー除去手段13fと、同じく静電搬送面13Aからトナー粒子を回収するトナー回収手段13gについて説明する。円筒状の静電搬送手段13aの、現像領域からトナー供給領域までの範囲に、静電搬送面上のトナー粒子とは逆極性にバイアス電圧を印加した導電性板100および101が設置され、これらの導電性板にはそれぞれ振動子103,104が設けられている。静電搬送手段13aの搬送電界が生じる搬送電極部分は、トナー供給領域からトナー回収手段13gのある回収領域までである。
【0070】
現像に寄与しなかったトナー粒子は、静電搬送手段13aの現像領域を通過し、バイアス電圧を印加した導電性板100に静電的に吸着され、静電搬送手段13aから分離される。導電性板100に印加するバイアス電圧は、静電搬送手段13a上のトナー粒子とは逆極性のバイアス電圧である。本実施形態の場合、導電性板100には0Vから+100Vの範囲でバイアス電圧を印加している。導電性板100は静電搬送手段13aに対してわずかに離間して設置されている。導電性板100と静電搬送手段13aの間隙は、50〜1000μm、好ましくは150〜400μmとして、トナー粒子が移相電界によって移動する際にホッピングする高さより小さくする方が望ましい。本実施形態の場合、400μm程度離して設置している。導電性板100には電源30により、除去電圧としてトナー粒子とは逆極性にバイアス電圧が印加されている。
【0071】
導電性板100に吸着したトナー粒子は、静電搬送手段13aでトナー搬送を行わないタイミングで、吸着時のバイアス電圧と逆極性の電圧を印加して導電性板100から静電的に反発させるか、もしくは、アースにより電荷の除去を行って導電性板100から重力により落下させ現像装置内に回収する。また、導電性板100はトナー粒子が落下しやすいように、傾斜して(垂直方向に対し角度をつけて)取り付けられている。導電性板100に取り付けられた振動子103は、導電性板100からトナー粒子を分離落下させやすくするために、圧電素子などにより導電性板101に超音波振動や高周波振動等を付与するものである。導電性板100から落下して回収されたトナー粒子は、再び供給ローラ13bに捕捉されトナー供給部に運ばれる。
【0072】
次に、静電搬送手段13aのトナー供給部上流領域の静電搬送面13Aからトナー粒子を除去するトナー除去手段13fについて説明する。図9において、供給ローラ13bにより供給されたトナーは、静電搬送手段13aの搬送電界の表面を図中矢印方向に移動する。環状の静電搬送面13Aを備えた静電搬送手段13aの供給部上流領域に、トナー回収手段(トナー回収部材)としての導電性板101を、静電搬送面13Aに対して非接触に設置している。トナーの供給領域は供給ローラ13bの供給主磁極P1に近接した領域であり、上記したトナー供給部上流領域とは、供給主磁極P1の最近接点よりもトナー移動方向に関して上流方向を指す。また、導電性板101には電源31により、除去電圧としてトナー粒子とは逆極性のバイアス電圧が印加されている。画像形成装置としてのプリンタで用いるトナーは通常「−」の極性であるので、電源31により導電性板101に印加される回収電圧は「+」の極性となっている。
【0073】
なお、静電搬送手段13aの搬送電界が生じる搬送電極部分はトナー供給領域からトナー回収手段(導電性板101)のある回収領域までである。上記したトナー供給部の上流領域において静電搬送手段13aに向けて搬送されたトナー粒子のうち、静電搬送手段13aで搬送されなかったトナー粒子はこのトナー供給部上流領域の近傍に浮遊し、この間に、導電性板101に静電的に吸着されて静電搬送手段13aから分離される。この導電性板101は、静電搬送手段13aのうち供給部上流部分と対向して設置され、バイアス電圧が印加されている。このバイアス電圧は、静電搬送手段13a上のトナー粒子とは逆極性のバイアス電圧であり、このバイアス電圧は例えば0Vから+100Vの範囲とされる。
【0074】
また、導電性板101は静電搬送手段13aに対してわずかに離間させて設置されている。導電性板101と静電搬送手段13aの間隙は、50〜1000μm、好ましくは150〜400μmの範囲とするが、トナー粒子が移相電界によって移動する際にホッピングする高さより小さくすることが望ましい。本実施形態の場合、上記間隙は400μm程度となっている。
【0075】
導電性板101に吸着したトナー粒子は、静電搬送手段13aによるトナー搬送を行わないタイミングで、吸着時のバイアス電圧と逆極性の電圧を印加して導電性板101から静電的に反発させることで除去することができる。また、導電性板101をアースすることにより電荷の除去を行って、導電性板101から重力により落下させることで現像装置13内に回収することもできる。また、導電性板101はトナー粒子が落下しやすいように傾斜させて取り付けられている。さらに、導電性板101に取り付けられた振動子104は、導電性板101からトナー粒子を分離落下させやすくするために、圧電素子などにより導電性板101に超音波振動や高周波振動等を付与するものである。このようにして、導電性板101から落下して回収されたトナー粒子は、供給ローラ13bに捕捉されトナー供給部に運ばれる。
【0076】
[第3の実施形態]
本実施形態の現像装置は請求項6、請求項7に係るもので、図10は現像装置の要部構造を示す説明図である。図11はこの現像装置における、静電搬送手段13aおよびその周辺の構造を示す説明図である。この現像装置では、トナー除去手段13fにおけるトナー粒子搬送除去方向下流側の端部をトナー回収手段13gに接近させ、トナー除去手段13fで除去されたトナー粒子をトナー回収手段13gにより回収するようにしている。すなわち、トナー除去手段13fが静電搬送面201Aおよび、トナー移動用の移相電界を発生させる複数の電極201Bを有する静電搬送部材201からなる除去部材を備え、トナー除去部Ttに堆積しようとするトナー粒子を、静電搬送面201A上を搬送して除去する構造となっている。
【0077】
つぎに、この現像装置における、静電搬送手段13aの静電搬送面13Aからのトナー粒子の回収手段について説明する。静電搬送手段13aの現像領域からトナー供給領域までの範囲に、トナー粒子とは逆極性にバイアス電圧を印加した導電性ローラ200を備えてなるトナー回収手段13gを設置している。静電搬送手段13aの搬送電界が生じる搬送電極部分は現像領域から、トナー回収手段13gのある回収領域までである。
【0078】
現像に寄与しなかったトナー粒子は、静電搬送手段13aの現像領域を通過して、バイアス電圧を印加した導電性ローラ200に静電的に吸着され、静電搬送部材13aから分離される。導電性ローラ200に印加するバイアス電圧は、静電搬送手段13aに印加したバイアス電圧に対して逆極性とする。本実施形態の場合、導電性ローラ200には0Vから+100Vの範囲のバイアス電圧が印加される。導電性ローラ200は静電搬送手段13aに対してわずかに離間して回転するように設置されている。導電性ローラ200に吸着したトナー粒子は、導電性ローラ200を回転させることにより、ローラ表面に接触させたブレード202によって掻き取られ、重力により現像装置内に回収される。導電性ローラ200から落下して回収されたトナー粒子は、供給ローラ13bに捕捉されトナー供給部Tfに運ばれる。
【0079】
次に、静電搬送手段13aの供給部上流領域の静電搬送面13Aからトナー粒子を除去するトナー除去手段について説明する。上記したトナー供給部上流領域において静電搬送手段13aに向けて搬送されたトナー粒子のうち、静電搬送手段13aで搬送されなかったトナー粒子はこのトナー供給部上流領域の近傍に浮遊し、この間に、トナー供給部上流領域に静電搬送手段13aと対向して設置されている静電搬送部材201の搬送電界により、この静電搬送部材201に捕捉される。上記静電搬送手段13aがいわば第1の静電搬送部材であるのに対し、この静電搬送部材201は静電搬送手段13aと異なる、いわば第2の静電搬送部材としての、トナー粒子除去用の静電搬送部材である。
【0080】
静電搬送部材201では、静電搬送手段13aのトナー供給部上流領域の静電搬送面13Aに対向したところに、搬送電極が始まる搬送電極始端部が位置し、トナー回収手段である導電性ローラ200に対向したところに搬送電極終端部がある。搬送電界により捕捉されたトナー粒子は、上記搬送電極終端部まで搬送され、この搬送電極終端部より導電性ローラ200上に飛翔し、導電性ローラ200により回収される。導電性ローラ200に吸着したトナー粒子は、導電性ローラ200を回転させることによりローラ表面に接触させたブレード202によって掻き取られ、重力により現像装置内に回収される。導電性ローラ200の回転方向は特に規制はしないが、静電搬送手段13aのトナー搬送方向と同じ方向が望ましい。
【0081】
静電搬送部材201は、これと対向する静電搬送手段13aに対し非接触とする。この場合、両者間の間隙は50〜1000μm、好ましくは150〜400μmとするが、トナー粒子が移相電界によって移動する際にホッピングする高さより小さい方が望ましい。本実施形態では、上記間隙を400μm程度に設定している。また、静電搬送部材201は、これと対向する導電性ローラ200に対し非接触とし、両者間の間隙は50〜1000μm、好ましくは150〜400μmとするが、トナー粒子が移相電界によって移動する際にホッピングする高さより小さい方が望ましい。本実施形態の場合、上記間隙を400μm程度に設定している。
【0082】
[第4の実施形態]
本実施形態は請求項8に係るものであり、図12は現像装置の要部構造を示す説明図である。図13はこの現像装置を構成する円筒状の静電搬送手段13a、およびその周辺の構造を示す説明図である。図14は上記静電搬送手段13aの要部構造を示す説明図である。なお、図14では説明の便宜上、円筒体の円弧状部分を直線状に描いてある。
【0083】
本実施形態の現像装置は、トナー回収手段13gがトナー除去手段13fを兼ねており、静電搬送手段13aは、静電搬送面13Aが環状に形成された円筒体であって、移相電界を発生させる複数の電極として、トナー供給部Tfのトナー粒子を像担持体およびトナー回収手段13gに向けて搬送する第一搬送電極13a−5と、トナー供給部Tf近傍のトナー粒子を、第一搬送電極13a−5による搬送方向の逆向きに、かつトナー回収手段13gに向けて搬送する第二搬送電極13a−6とを備えている点に特徴がある。また、この静電搬送手段13aでは、表面全体が静電搬送面13Aとなっている。
【0084】
次に、図12〜図14を参照して、静電搬送手段13aのトナー供給部上流領域の静電搬送面13Aからトナー粒子を除去するトナー除去手段について説明する。環状の静電搬送表面13Aを備えた静電搬送手段13aは、粉体であるトナー粒子を供給→搬送→現像→回収する搬送電界を発生するための第一の電極領域(第一搬送電極13a−5を設けた領域)と、トナー供給部上流領域のトナーを除去してトナー回収部Trまで搬送する第二の電極領域(第二搬送電極13a−6を設けた領域)とを有している。本実施形態では3相の駆動電圧が印加される場合(n=3)について説明するが、本発明はトナー粒子が搬送される限りにおいてn>2を満たす任意の自然数nについて適用可能である。なお、静電搬送手段13aとして、エンドレスループ状(無端ベルト状)のものを設けることもできる。
【0085】
図14のように搬送電極13−5,13−6は、現像装置側の接点S11,S12,S13、S21,S22,S23のいずれかに接続されており、各接点は現像装置が画像形成装置本体に装着された状態においては、それぞれ駆動波形V11,V12,V13、V21,V22,V23を与える本体側電源Pと接続される。
【0086】
供給領域すなわちトナー供給部Tfは、供給ローラ13bの供給主磁極P1に近接した領域で、搬送領域は供給領域から現像領域までの間、現像領域は像担持体11に近接した領域のみに存在し、回収領域すなわちトナー回収部Trは、現像領域から供給領域までの間であり、供給ローラ13bの回収磁極P2の近傍領域である。供給、搬送、現像、回収領域では各電極13a−2に駆動波形V11、V12、V13が印加され、移相電界によりトナー粒子は、図13中の矢印T1で示すように、供給→搬送→現像→回収部方向に移動する。一方、トナー供給部上流領域は、供給主磁極P1の最近接点よりもトナー移動方向に関して上流方向で、供給ローラ13bの回収磁極P2の近傍領域である。トナー供給部上流領域、回収領域では各電極に駆動波形V21、V22、V23が印加され、移相電界によりトナー粒子は、図13中の矢印T2で示すように、供給部上流領域→トナー回収部方向に移動する。第一、第二搬送電極13a−5,13a−6により回収領域まで搬送されたトナー粒子は、導電性板100および振動子103からなるトナー回収手段13gにより回収される。
【0087】
[第5の実施形態]
本実施形態は請求項9に係るもので、図15および図16に示すように、トナー除去部の近傍に、静電搬送手段13aの静電搬送面13A上に堆積/付着したトナー粒子を除去するべく、静電搬送面13Aに向けて気体を吹き付ける気体噴射手段としてのエアーノズル301と、気体吸引手段としての吸引ノズル303とを備えてなるトナー除去手段13fを設けた点に特徴がある。
【0088】
図15は現像装置の要部構造を示す説明図である。図16はこの現像装置における、静電搬送手段13aおよびその周辺の構造を示す説明図である。これらの図を基に、トナー供給部上流領域の静電搬送面13Aからトナー粒子を除去するトナー除去手段について説明する。本実施形態では、静電搬送手段13aのトナー供給部上流領域近傍に、エアーノズル301および吸引ノズル303を設置している。エアーノズル301のエアー噴出し口302および、吸引ノズル303の吸気口304は、静電搬送手段13aの静電搬送面13Aに向けてある。エアーノズル301はダクト305を介して、吸引ノズル303はダクト306を介して、それぞれエアーポンプ307に接続され、ダクト306内を流れる空気中のトナー粒子は、図略のフィルタで捕捉・除去され、清浄化されたエアーがダクト305内を流れて静電搬送面13Aに噴射される。なお図15、図16ではトナー回収手段は図示されていない。
【0089】
上記構成では、エアーがエアー噴出し口302から静電搬送面13Aに向かって流れ、エアーはこの静電搬送面で跳ね返り、吸気口304から吸引されて外部に排出される。すなわち、トナー供給部上流領域近傍に浮遊し、または静電搬送手段上に堆積しようとするトナー粒子は、エアーノズル301から噴出した空気流により静電搬送面13Aから剥離する。剥離したトナー粒子は、吸引ノズル303により除去される。上記エアーブローに使用するエアーポンプ307としてはダイアフラムポンプなど、トナーのような粉体を搬送できるポンプが望ましい。
【0090】
エアーノズル301の噴出し口302でのエアー流速は、トナー搬送速度以上が望ましい。本実施形態では、トナー搬送速度1m/secに対してエアー流速を3m/sec以上に設定している。しかし、エアーブローにより現像器内の圧力が上昇するので、流速はなるべく低い方が望ましい。本実施形態では図15、図16に示すように噴出し口302と吸気口304が近接しているためエアーはノズル近傍で循環するので、現像器内圧の上昇を抑えることができる。
【0091】
以上、各実施形態に基づいて説明してきたが、本発明の現像装置は中間転写ベルト、転写ドラム、中間転写ドラムなどを用いたカラ−画像形成装置、モノクロ画像形成装置などに広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る現像装置を備えた、電子写真方式によるカラー画像形成装置の要部構造を示す説明図である。
【図2】図1の現像装置を設けて構成された作像ユニットの要部構造を示す説明図である。
【図3】図1の現像装置を構成する静電搬送手段の要部構造説明図であって、像担持体側の表層部分を拡大して示した断面図である。
【図4】(A)は図3の静電搬送手段の電極に印加するパルス状駆動波形(駆動信号)の一例を示す説明図、(B)はトナーの搬送・ホッピングの説明図である。
【図5】トナー搬送領域において、トナーをホッピングするために静電搬送手段の電極に印加するパルス状駆動波形(駆動信号)の一例を示す説明図である。
【図6】現像領域において、トナーをホッピングするために静電搬送手段の電極に印加するパルス状駆動波形(駆動信号)の一例を示す説明図である。
【図7】図2の現像装置に設けられた供給ローラ(現像剤担持体)を構成する磁石ローラの説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る現像装置の要部構造を示す説明図である。
【図9】図8の現像装置における、静電搬送手段およびその周辺の構造を示す説明図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る現像装置の要部構造を示す説明図である。
【図11】図10の現像装置における、静電搬送手段およびその周辺の構造を示す説明図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係るもので、現像装置の要部構造を示す説明図である。
【図13】図12の現像装置における、静電搬送手段およびその周辺の構造を示す説明図である。
【図14】図12の現像装置を構成する静電搬送手段の要部構造説明図であって、静電搬送面側の表層部分を拡大して示した断面図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る現像装置の要部構造を示す説明図である。
【図16】図15の現像装置における、静電搬送手段およびその周辺の構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0093】
1(1K、1M、1C、1Y) 作像ユニット
2 転写材搬送ベルト
2B フォトセンサ
2a 吸着ローラ
2b(2bk、2bm、2bc、2by) 転写ローラ
3 定着装置
3a 加熱ローラ
3b 加圧ローラ
4(4K、4M、4C、4Y) 書込み装置
5 給紙装置
11 像担持体(潜像担持体、感光体)
12 帯電ローラ(接触帯電部材)
12a 芯金
12b 発泡ウレタン層
13 現像装置
13A 静電搬送面
13B 搬送電界
13a 静電搬送手段
13a−1 支持基板
13a−2 電極(搬送電極)
13a−3 表面保護層
13a−5 第一搬送電極
13a−6 第二搬送電極
13b 供給ローラ(現像剤担持体)
13c ドクタブレード
13d スクリュー
13e ケーシング(現像ケース)
13f トナー除去手段
13g トナー回収手段
13h トナー格納部
14 クリーニング装置
14a クリーニングブレード
14b 廃トナー格納部
30〜32 電源
100,101 導電性板
103,104 振動子
200 導電性ローラ
201 静電搬送部材
201A 静電搬送面
201B 電極
202 ブレード
301 エアーノズル
302 エアー噴出し口
303 吸引ノズル
304 吸気口
305,306 ダクト
307 ポンプ
Ge 現像領域(現像部)
L 幅
P 電源
R 間隔
S11〜S13 接点
S21〜S23 接点
Tf トナー供給部
Tr トナー回収部
Tt トナー除去部
V11〜V13 駆動波形(駆動パルス)
V21〜V23 駆動波形(駆動パルス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー格納部内のトナーを表面に保持して搬送するトナー供給手段と、静電搬送面およびトナー移動用の移相電界を発生させる複数の電極を有し、前記トナー供給手段によってトナー供給部に搬送されたトナー粒子を前記移相電界により、静電搬送面上を像担持体に向けて搬送する静電搬送手段と、を備えてなる現像装置であって、
前記静電搬送手段の静電搬送面のうち、前記トナー供給部の上流部分に対応する部分であるトナー除去部に堆積しようとするトナー粒子を除去するトナー除去手段と、
前記静電搬送手段の静電搬送面のうちトナー回収部に堆積しようとするトナー粒子を除去して回収するトナー回収手段と、を備えていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、前記トナー除去手段は導電性部材からなる除去部材を備え、該除去部材と静電搬送手段の静電搬送面との間に回収電界を形成することにより、前記トナー除去部に堆積しようとするトナー粒子を当該除去部材の表面に静電的に吸着するものであることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の現像装置において、前記除去部材は静電搬送手段の静電搬送面に対して非接触に設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の現像装置において、前記除去部材は、搬送されるトナー粒子と逆極性のバイアスが印加されることにより、前記静電搬送手段の静電搬送面上のトナー粒子を吸着する導電性板であることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4に記載の現像装置において、前記トナー除去手段は適宜のトナー分離手段を備え、前記静電搬送手段から除去されたトナー粒子が前記除去部材に吸着された後、前記トナー分離手段により除去部材から分離されて回収されることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1に記載の現像装置において、前記トナー除去手段は静電搬送面および、トナー移動用の移相電界を発生させる複数の電極を有する静電搬送部材からなる除去部材を備え、前記トナー除去部に堆積しようとするトナー粒子を、静電搬送面上を搬送して除去するものであることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の現像装置において、前記トナー除去手段におけるトナー粒子搬送方向下流側の端部を前記トナー回収手段に接近させ、トナー除去手段で搬送されたトナー粒子をトナー回収手段により回収することを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項1に記載の現像装置において、前記トナー回収手段が前記トナー除去手段を兼ねており、
前記静電搬送手段は、静電搬送面が環状に形成された円筒体であって、移相電界を発生させる複数の電極として、トナー供給部のトナー粒子を像担持体および前記トナー回収手段に向けて搬送する第一搬送電極と、トナー供給部近傍のトナー粒子を、第一搬送電極による搬送方向と逆向きに、かつ前記トナー回収手段に向けて搬送する第二搬送電極とを備えていることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項1に記載の現像装置において、前記静電搬送手段の静電搬送面のうちトナー除去部に向けて気体を吹き付ける気体噴射手段と、トナー除去部近傍の気体を吸引除去する気体吸引手段とを備えてなるトナー除去手段を、トナー除去部近傍に設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項10】
画像形成装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジにおいて、電子写真プロセス用の像担持体、帯電手段、クリーニング手段のうちの少なくとも一つと、請求項1〜9のいずれかに記載の現像装置とを一体に設けてなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
電子写真方式の画像形成装置において、請求項10に記載のプロセスカートリッジを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
トナー格納部内のトナー粒子をトナー供給手段により、ついで移送電界を用いる静電搬送手段より像担持体に向けて搬送し、該トナー粒子により像担持体上の静電潜像を顕像化する現像方法であって、前記静電搬送手段の静電搬送面のうち、トナー供給部の上流部分に対応する部分であるトナー除去部に堆積しようとするトナー粒子を除去するとともに、前記静電搬送手段の静電搬送面のうち、トナー回収部に堆積しようとするトナー粒子を除去して回収することを特徴とする現像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−147991(P2007−147991A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342139(P2005−342139)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】