説明

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】 画像濃度の低下およびムラを抑制することが可能な現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 現像装置において、現像ローラと供給ローラの接触領域の上方にトナーを貯留するための侵入部材を有し、供給ローラ表面の発泡層に対する侵入部材の侵入量を設定する設定手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を担持する現像剤担持体と、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材とを備えた現像装置に関する。この現像装置は、好ましくはプリンタ、複写機などの電子写真装置に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成方式(電子写真プロセス)を用いたプリンタ等の画像形成装置では、像担持体としての電子写真感光体(以下、「感光体」という。)を一様に帯電させ、帯電した感光体を選択的に露光することによって、感光体上に静電像を形成する。感光体上に形成された静電像は、現像剤のトナーでトナー像として顕像化される。そして、感光体上に形成されたトナー像を、記録用紙、プラスチックシート等の記録材に転写し、更に記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。
【0003】
このような画像形成装置は、一般に、現像剤の補給や各種のプロセス手段のメンテナンスを必要とする。この現像剤の補給作業や各種のプロセス手段のメンテナンスを容易にするために、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段等を枠体内にまとめてカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとすることが実用化されている。プロセスカートリッジ方式によれば、ユーザビリティーに優れた画像形成装置を提供することができる。
【0004】
又、近年、複数色の現像剤を用いてカラー画像を形成するカラー画像形成装置が普及してきている。カラー画像形成装置としては、複数色の現像剤を用いた画像形成動作のそれぞれに対応する感光体を、トナー像が転写される被転写体の表面移動方向に沿って一列に配置した、所謂、インライン方式の画像形成装置が知られている。インライン方式のカラー画像形成装置には、複数の感光体が鉛直方向(重力方向)と交差する方向(例えば水平方向)に一列に配置されたものがある。インライン方式は、画像形成速度の高速化やマルチファンクションプリンタへの展開などの要望に対応し易いなどの点で好ましい画像形成方式である。
【0005】
又、複数の感光体を鉛直方向と交差する方向に一列に配置したインライン方式の画像形成装置として、複数の感光体を、被転写体としての中間転写体、又は、被転写体としての記録材を搬送する記録材担持体の下方に配置したものがある(特許文献1参照)。
【0006】
感光体を中間転写体や記録材担持体の下方に配置する場合、画像形成装置本体内において中間転写体や記録材担持体を間に挟む態様で、例えば定着装置と現像装置(或いは、露光装置)とを離れた位置に配置することができる。そのため、現像装置(或いは、露光装置)が定着装置の熱の影響を受け難いなどの利点がある。
【0007】
一方、上述のように感光体を中間転写体又は記録材担持体の下方に配置するような場合には、現像装置において、重力に反して現像剤担持体や供給ローラへ現像剤を供給する必要が生じることがある。
【0008】
このような供給ローラへの現像剤の供給は、供給ローラの回転方向において現像剤担持体と供給ローラとの接触領域の直後(ニップ部上方)の場所に、トナーを搬送するのが最も効率が良い。それは、外周部に複数のセルを有する弾性層が設けられた供給ローラにおいて、ニップ部直後はニップ部での圧力から開放され、それに伴いセルが開く作用があるからである。このとき吸気が行われ、現像剤の吸い込みが行われる。従って、現像剤を供給ローラに効率的に保持させるには、この吸い込み部にトナーを直接送り込むのが好ましい。
【0009】
しかしながら、重力に反して現像剤を供給する現像装置においては、簡易な構成で吸い込み部までトナーを多量に送り込むことは困難である。また、吸い込み部付近にトナーを送り込んだとしても、一部は吸い込まれるものの、ほとんどのトナーは供給ローラの回転に伴ってトナー収納部等に戻されてしまう。
【0010】
そこで、特許文献1においては、供給ローラの下側部分で現像剤を供給する技術が提案されている。特許文献1では、現像ローラ(現像剤担持体)と供給ローラ(現像剤供給部材)の当接部において、供給ローラは下方から上方に回転する。そして、供給ローラの下方にトナー受け部材を設け、トナー受け部材に受けシートの一端を取り付けるとともに、この受けシートを供給ローラの下方に適当な線圧で接触させている。
【0011】
このように、特許文献1には、供給ローラの下側部分に受けシートを接触させる方法が開示されている。それによると、この受けシートによって、供給ローラに付着した現像剤が重力によって落下するのを防ぎ、現像ローラに供給できる現像剤が減少しないようにして、ベタ画像の濃度低下を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−173083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、特許文献1のような現像剤の供給方法では、印字率の低い画像を連続して形成する場合、供給ローラと受けシートとの間の現像剤が、消費されずに長時間滞留してしまう場合がある。このような場合、供給ローラの回転に伴って供給ローラと受けシートとの間に現像剤が次々と供給され、その場で現像剤が凝集してしまう。すると、供給ローラから現像剤ローラへのトナー供給量にムラができ、画像の濃度ムラが発生してしまう場合がある。
【0014】
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、画像濃度の低下およびムラを抑制することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために本発明はあって、現像剤を担持して静電潜像を現像する現像剤担持体と、表面に発泡層を備え、前記現像剤担持体に接触して回転し、前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給ローラであって、前記現像剤担持体との接触領域のうち前記供給ローラの回転方向下流端が上流端よりも上方に位置する供給ローラと、前記供給ローラよりも下方に設けられ、前記現像剤を収納する現像剤収納部と、前記現像剤収納部の現像剤を前記接触領域の上方に搬送する搬送部材と、前記発泡層に侵入するように配置され、前記搬送部材によって搬送された現像剤を前記接触領域の上方に前記現像剤を貯留する侵入部材と、前記侵入部材の前記発泡層に対する侵入量を設定する設定手段と、を有することを特徴とする現像装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像濃度の低下およびムラを抑制することが可能な現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1における画像形成装置の概略構成断面図である。
【図2】実施例1におけるプロセスカートリッジの概略構成断面図である。
【図3】実施例1の侵入部材の作用を説明する断面拡大図である。
【図4】実施例1における侵入部材の侵入量調整機構を説明する概略図である。
【図5】実施例2における侵入部材の侵入量調整機構を説明する概略図である。
【図6】比較例のプロセスカートリッジの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【実施例1】
【0019】
本発明の第1の実施例について図1〜図4により説明する。
【0020】
[画像形成装置の全体構成]
先ず、本発明に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の全体構成について説明する。
図1は、本実施例の画像形成装置100の概略断面図である。本実施例の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体100Aに接続された画像読み取り装置、或いは、画像形成装置本体100Aに通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体100Aに入力される。
【0021】
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。
【0022】
尚、本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
【0023】
即ち、本実施例では、画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を有する。感光体ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、画像情報に基づきレーザーを照射して感光体ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。又、感光体ドラム1の周囲には、静電像をトナー像として現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)4、転写後の感光体ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニング部材6が配置されている。更に、4個の感光体ドラム1に対向して、感光体ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
【0024】
尚、本実施例では、現像ユニット4は、現像剤として非磁性一成分現像剤のトナーを用いる。又、本実施例では、現像ユニット4は、現像剤担持体としての現像ローラ17(後述)を感光体ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものである。即ち、本実施例では、現像ユニット4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光体ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する。
【0025】
画像形成装置本体は、電圧印加手段として、現像ローラ17の芯金に電圧を印加する現像ローラ用電源91と、供給ローラ(後述)の芯金に電圧を印加する供給ローラ用電源92と、侵入部材101a(後述)に電圧を印加する侵入部材用電源93とを有する。
【0026】
本実施例では、感光体ドラム1と、感光体ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像ユニット4及びクリーニング部材6とは、一体化され、即ち、一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ7を形成している。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体100Aに設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、画像形成装置本体100aに着脱可能となっている。本実施例では、各色用のプロセスカートリッジ7は、全て同一形状を有しており、各色用のプロセスカートリッジ7内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブランク(K)の各色のトナーが収納されている。
【0027】
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト5は、全ての感光体ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材として、駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53に掛け渡されている。
【0028】
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光体ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。一次転写ローラ8は、中間転写ベルト5を感光体ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト5と感光体ドラム1とが当接する一次転写部N1を形成する。そして、一次転写ローラ8に、図示しない一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。なお、トナーの正規帯電極性とは、静電潜像を現像するための帯電極性である。本実施例では負極性の静電潜像を反転現像するので、トナーの正規帯電極性は負である。
【0029】
又、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。二次転写ローラ9は、中間転写ベルト5を介して二次転写対向ローラ52に圧接し、中間転写ベルト5と二次転写ローラ9とが当接する二次転写部N2を形成する。そして、二次転写ローラ9に、図示しない二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト5上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。
【0030】
更に説明すれば、画像形成時には、先ず、感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザー光によって、帯電した感光体ドラム1の表面が走査露光され、感光体ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。次いで、感光体ドラム1上に形成された静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
【0031】
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が次に重ね合わせて一次転写される。
【0032】
その後、中間転写ベルト5の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部N2へと搬送される。中間転写ベルト5上の4色トナー像は、記録材12を介して中間転写ベルト5に当接している二次転写ローラ9の作用によって、一括して記録材12上に二次転写される。
【0033】
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱及び圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
【0034】
又、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6によって除去、回収される。又、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置11によって清掃される。
【0035】
尚、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部のみを用いて、又は、幾つか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又はマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
【0036】
[プロセスカートリッジ]
次に、本実施例の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。
図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見た本実施例のプロセスカートリッジ7の概略断面(主断面)図である。
【0037】
尚、本実施例では、収納している現像剤の種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は実質的に同一である。
【0038】
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを一体化して構成される。
【0039】
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、感光体ドラム1が図示しない軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光体ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が感光体ユニット13に伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。本実施例にて、画像形成プロセスの中心となる感光体ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光体ドラム1を用いている。
【0040】
又、感光体ユニット13には、感光体ドラム1の周面上に接触するように、クリーニング部材6、帯電ローラ2が配置されている。クリーニング部材6によって感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体14内に落下、収納される。
【0041】
帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光体ドラム1に加圧接触することで従動回転する。
【0042】
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、感光ドラム1に対して所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット3からのレーザー光によって画像データに対応して発光されるレーザー光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。
【0043】
一方、現像ユニット4は、現像剤(トナー)80を担持するための現像剤担持体としての現像ローラ17と、現像ローラ17にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ20と、を有している。更に、現像ユニット4はトナー80を収納するトナー収納室18を備え、トナー収納室18において供給ローラ20よりも重力方向下方にトナー収納部18aが形成されている。本実施例において現像ユニットの長手幅は230mmである。
【0044】
また、供給ローラ20は、現像ローラ17とニップ部Nを持って接触して回転している。供給ローラ20は、ニップ部Nにおいて、重力方向下から上に向かって回転している(ニップ部Nのうち、供給ローラ20の回転方向下流端が上流端よりも上方に位置している)。更に、本実施例の現像ユニット4では、本発明の特徴部を構成する侵入部材101aがニップ部Nの外で且つ供給ローラ20の回転方向下流側近傍にて、供給ローラ20に侵入して配置されている。
【0045】
トナー収納室18内には、攪拌搬送部材22が設けられている。攪拌搬送部材22は、トナー収納部18aに収納されたトナーを攪拌すると共に、供給ローラ20と現像ローラ17との接触領域の上方に(図中矢印G方向に)トナーを搬送するためのものでもある。本実施例において撹拌搬送部材は30rpmで駆動回転している。図2において、攪拌搬送部材は、時計回りに回転している。
【0046】
現像ブレード21が現像ローラ17にカウンターで当接しており、供給ローラ20によって供給されたトナーのコート量規制及び電荷付与を行っている。現像ブレード21は薄い板状部材からなり、薄板のバネ弾性を利用して当接圧力を形成し、その表面がトナー及び現像ローラ17に接触当接される。トナーは、現像ブレード21と現像ローラ17との摺擦により摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。また、本実施例においては、現像ブレード21に不図示のブレードバイアス電源から所定電圧を印加し、トナーコートの安定化を図っている。
【0047】
現像ローラ17と感光体ドラム1とは、対向部(接触部)において互いの表面が同方向(本実施例では下から上に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。
【0048】
尚、本実施例では、現像ローラ17は、感光体ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ17は、感光体ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
【0049】
本実施例においては、現像ローラ17に印加された所定のDCバイアスに対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、感光体ドラム1に接触する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみ転移して静電潜像を顕像化する。
【0050】
供給ローラ20は、対向部において現像ローラ17の周面上に所定の接触領域(ニップ部)Nを形成して配設されており、図示矢印E方向(反時計方向)に回転する。供給ローラ20は、導電性芯金の外周に発泡層を形成した弾性スポンジローラである。供給ローラ20と現像ローラ17は所定の侵入量、即ち、図3に示すように、供給ローラ20が現像ローラ17により凹状とされるその凹み量△Eを持って接触している。接触領域Nにおいて互いに逆方向に移動するよう回転しており、この動作により、供給ローラ20による現像ローラ17へのトナー供給及び現像残として残った現像ローラ17上のトナーの剥ぎ取りを行っている。本実施例では、供給ローラ20が90rpmで、現像ローラ17が100rpmで駆動回転している。
【0051】
尚、本実施例においては、現像ローラ17、供給ローラ20は、共に外径20mmであり、供給ローラ20の現像ローラ17への侵入量、即ち、供給ローラ20が現像ローラ17により凹状とされるその凹み量△Eを1.5mmに設定した。また、供給ローラ20と現像ローラ17は中心高さが同じになるように配置した。
【0052】
以下、本実施例において用いられる供給ローラ20の詳細について説明する。
【0053】
本実施例における供給ローラ20は、導電性支持体と、導電性支持体に支持される発泡層と、を備える。具体的には、導電性支持体たる外径φ5(mm)の芯金電極20aと、その周囲に気泡同士がつながっている連続気泡体(連泡)から構成される発泡層としての発泡ウレタン層20bが設けられており、図中Eの方向に回転する。また、本実施例で用いた供給ローラ20の長手幅は220mmである。
【0054】
表層のウレタンを連続気泡体とすることで、供給ローラ20内部にトナーが多量に進入可能となる。また、本実施例における供給ローラ20の抵抗は1×10(Ω)である。
【0055】
ここで、供給ローラ20の抵抗の測定方法を説明する。供給ローラ20を、直径30mmのアルミスリーブに対し、後述する侵入量が1.5mmとなるように、当接させる。このアルミスリーブを回転させることにより、供給ローラ20を30rpmでアルミスリーブに対して従動回転させる。
【0056】
次に、現像ローラ17に、−50Vの直流電圧を印加する。その際、アース側に10kΩの抵抗を設け、その両端の電圧を測定することで電流を算出し、供給ローラ20の抵抗を算出する。本実施例では、供給ローラ20の表面セル径を50μm〜1000μm、空隙率0.6とした。
【0057】
ここで、セル径とは、任意断面の発泡セルの平均径をいい、まず任意断面の拡大画像から最大である発泡セルの面積を測定し、この面積から真円相当径を換算し最大セル径を得る。そしてこの最大セル径の1/2以下である発泡セルをノイズとして削除した後、残りの個々のセル面積から同様に換算した個々のセル径の平均値のことを指す。また、空隙率とは、任意断面における発泡セルの割合をいい、まず任意断面の拡大画像からそれぞれの発泡セルの面積を測定し、発泡セルの総面積を求める。そして、この発泡セルの総面積が任意断面に占める割合を求め、その値を空隙率とした。
【0058】
次に、侵入部材101aについて図3を参照して説明する。
図3は、供給ローラ20のトナー吸い込み部近傍の拡大概略断面図であり、攪拌搬送部材22より供給ローラ20に搬送されたトナーの動きを示している。攪拌搬送部材22によるトナーの搬送は、供給ローラ20のトナー吸い込み部Mに向けて行われるのが最も効率がよい。この際、供給ローラ20が吸い込むトナー量は、供給ローラ20の現像ローラ17への侵入量により大きな影響を受ける。
【0059】
ここで、供給ローラ20の現像ローラ17への侵入量は主に現像残として残った現像ローラ17上のトナー剥ぎ取り性により決定される。よって、供給ローラ20の現像ローラ17への侵入量が大きい場合には、供給ローラ20が現像ローラ17へ供給するトナー量は実際にコートに必要な量よりも多くなる。このとき、コートに用いられないトナーはそのまま現像剤収納部へと戻ってしまう。このような構成において、安定的にコートを行うためには、供給ローラ20の現像ローラ17への侵入量に合わせて、現像剤収納部から撹拌搬送部材によりトナーを多量に汲み上げ搬送する必要がある。
【0060】
そこで、本実施例は、発泡層に侵入する侵入部材101aを供給ローラ20の長手方向に沿って設けている。侵入部材101aを設けることにより、侵入部材101aと供給ローラ20、現像ローラ17、現像ユニットによってトナーを貯留可能なトナー貯留部が形成される。これによりトナー吸い込み部付近に搬送されたトナーを効率的に供給ローラ20内に取り込み、さらに過剰な分を侵入部材101aにより吐き出させ、トナー貯留部に戻すことができる。その結果、トナー貯留部のトナーを必要な分だけ安定的に現像ローラ17へ供給することができる。
【0061】
次に、侵入部材101aの作用について述べる。
攪拌搬送部材22によって図中矢印Gの軌道をもってトナー吸い込み部近傍に搬送されたトナーは、一部、吸い込み部Mに取り込まれ、多くは図中矢印F1方向に搬送される。侵入部材101aの作用は2つある。1つはトナー吸い込み部M付近で供給ローラ20に取り込まれずに図中矢印F1方向に流されたトナーを跳ね返して、再度トナー吸い込み部M付近にトナーを持っていくトナー循環F(F1、F2、F3を合わせた循環)を作り出すことである。もう1つは供給ローラ内の余分なトナーを吐き出させて現像に効率的に利用することである。この時、供給ローラ20から吐き出されたトナーは一定の電荷量を保持しており、供給ローラ20と現像ローラ17、侵入部材101a、現像ユニットにより囲まれたトナー貯留部で循環する。すなわち、発泡層がニップ部に突入する前に、発泡層からトナーを吐き出させてトナー貯留部に供給することができるので、ニップ部からトナー収納部に落下するトナーを減らすことができる。この作用により、現像ローラ17に対して必要な分だけ攪拌搬送部材によってトナー供給部材にトナーを供給することができるため、撹拌搬送部材によるトナー汲み上げ量を最小限にすることができる(攪拌半搬送部材に求められる搬送力を小さくすることができる)。
【0062】
侵入部材101aは、供給ローラ20の含み量を調整できるものであるから、トナー特性に応じて含み量を調整することで、画像品位を向上させたり、維持させたりすることが可能である。例えばサンプル画像中の白部に小量のトナーが点在する、かぶり画像などが顕在化しやすいB色のカートリッジでは供給ローラの含み量を少なくすることでかぶりを改善することができる。また、サンプル画像中の濃度の高い領域が広く搬送方向後端で薄くなる場合は供給ローラ20の含み量を多くすることで濃度薄を良化させることができる。
【0063】
しかし、各色で侵入部材の異なる現像容器を量産用の金型で製造するには複数の金型が必要になり、設備コストが高くなってしまう。したがって、現像容器とは別部材の侵入部材を用意し、同一形状の現像容器に対して、侵入部材の位置をカートリッジ組み立て工程で調整する方法が考えられる。
【0064】
ただし、カートリッジの組み立てにおいて侵入部材の位置を調整するのに時間がかかると、カートリッジ組み立てライン全体のタクトを長くする必要があるため、位置調整工程なしで供給ローラの発泡層に対する侵入部材の侵入量を所望の位置に設定することが好ましい。ここで、発泡層に対する侵入部材の侵入量ΔFは、供給ローラの半径をr1、供給ローラの回転中心から侵入部材までの最短距離をSとすると、ΔF = r1−Sで定義される。
【0065】
本実施例は侵入部材の供給ローラに対して一定の侵入量を簡単に設定する機構を有することを特徴としている。
【0066】
以下、侵入部材の侵入量設定機構を説明する。
侵入部材は現像容器の座面102にネジで固定する構成になっている。現像容器の座面102には供給ローラ20の中心線から同じ距離で複数のネジ穴が設けられている。侵入部材101aは座面に接合した状態で、供給ローラの中心軸線からの距離がΔxになる間隔であり、長手方向の位置は現像容器の座面102と同じ位置にネジ穴が設けられている。
【0067】
図4(a)、図4(b)において、現像容器の座面のネジ穴Aに、侵入部材A’を合わせて、ネジで固定することで侵入部材101aが供給ローラ20に侵入量ΔFの配置になるように構成されている。ここで、現像容器の座面のネジ穴Bに侵入部材のネジ穴B’を合わせて固定すれば、供給ローラ20に対する侵入量ΔF+Δxになるように配置することができる。同様に、現像容器の座面のネジ穴Cに侵入部材のネジ穴C’を合わせて固定すれば、供給ローラ20に対する侵入量ΔF+2×Δxになるように配置することができる。また、現像容器の座面のネジ穴Dに侵入部材のネジ穴D’を合わせて固定すれば、供給ローラ20に対する侵入量ΔF+3×Δxになるように配置することができる。
【0068】
このように侵入部材に複数のネジ穴を設けて現像容器座面に接続することで、カートリッジ組み立て工程の中で供給ローラに対する侵入量を調整する工程が不要で、カートリッジ組み立てラインのタクト時間に影響することなく、色の特性に応じた供給ローラのトナー含み量を調整することが可能になる。
【0069】
次に、本実施例の効果を確認するために比較例とともに実験を行った。
【0070】
<実施例1>
・侵入部材101aの厚さtを1.0mm、高さHを5.0mm、開口高さIを7mmとする。
・カートリッジB(ブラック)の侵入量ΔF=1.0mm、カートリッジY,M,Cの侵入量ΔF=0.5mmとする。
【0071】
<比較例1>
本比較例においては侵入部材の高さ5.0mmのものを用いて、Y,M,C,Kすべてトナー供給部材の最上面で4.6mm侵入するように配置した。それ以外の構成は実施例1と同様である。
【0072】
<比較例2>
本比較例においては侵入部材の高さ5.0mmのものを用いて、Y,M,C,Kすべてトナー供給部材の最上面で1.0mm離れてするように配置した。それ以外の構成は実施例1と同様である。
【0073】
<比較例3>
本比較例3は前述の背景技術のように、現像剤担持体と現像剤供給部材の当接部において、現像剤供給部材は下方から上方に回転する。(図7参照)そして、現像剤供給部材の下方にトナー受け部材を設け、トナー受け部材に受けシートの一端を取り付けるとともに、この受けシートを現像剤供給部材の下方に適当な線圧で接触させている。
【0074】
<実験>
本発明の実施例の構成について、以下の3つ実験を行った。
【0075】
(1)ベタ濃度追従性評価
トナーの供給性の比較として、高印字プリントを連続した際の濃度低下量を測定するベタ濃度追従性評価を実施した。
【0076】
評価条件は、画像形成装置を評価環境25.0℃、50%Rhにて1日放置して当該環境になじませた後、100枚印字後に行った。100枚の印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙している。その後、ベタ黒画像を連続3枚出力し、3枚目のベタ黒画像の出力先端と後端の濃度差から下記に示す評価を、X−Rite製spectordensitometer 500を用いて行った。印字テスト及び評価画像は単色で出力した。
A:ベタ黒画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.2未満
B:ベタ黒画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.2以上0.3未満
C:ベタ黒画像において、紙先端と紙後端での濃度差が0.3以上
【0077】
(2)トナー凝集の有無
トナー凝集の評価は、耐久の終了した画像形成装置を分解し、現像室内にトナーの凝集があるか否かを調査し、評価した。
A:トナー凝集なし
B:トナー凝集が発生
【0078】
耐久の条件としては、32.5℃、80%Rh環境において、間欠的に5000枚印字した。間欠的な通紙とは、印字後に待機状態を経て、次の印刷を行うという意味である。また、トナー凝集とは、現像室内でトナーが高密度で塊状になって存在している状態を示している。
【0079】
(3)かぶり評価
かぶり画像の評価は出力用紙のベタ白印字部と非印字部について、東京電色製デジタル白色度計TC−6Dを用いて行った。
【0080】
評価条件は、画像形成装置を評価環境15.0℃、10%Rhにて1日放置して当該環境になじませた後、100枚印字後に行った。100枚の印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙している。その後、ベタ白を連続5枚出力し、出力用紙のベタ白印字部と非印字部との白色度の差をから下記に示す評価を、東京電色デジタル白色度計TC−6Dを用いて行った。印字テスト及び評価画像は単色で出力した。
A:ベタ白画像において、印字部と非印字部での白色度の差が1.0未満
B:ベタ白画像において、印字部と非印字部での白色度の差が1.0以上2.0未満
C:ベタ白画像において、印字部と非印字部での白色度の差が2.0以上
【0081】
<実験結果>
以下、各実施例の設定及びその評価結果を表1に示す。
【0082】
【表1】

【0083】
まず、従来技術である比較例3に対する本発明の優位性について述べる。
本発明において、供給ローラ上のトナー吸い込み部へトナーだまりを形成し効率的にトナーを供給することで、供給ローラは充分にトナーを保持することが可能になり、比較例3と同様にベタ濃度の追従性を確保できる。また、比較例3のような受けシート起因のトナー凝集は発生せず、トナー供給ムラは発生しない。また、Bkに関しては侵入部材の侵入量を高くすることで、供給ローラのトナー含み量を調整し、かぶりを良化させている。
次に、従来技術である比較例1に対する本発明の優位性について述べる。
【0084】
比較例1においては、比較例3のような受けシート起因のトナー凝集は発生しない。ただし、トナーを撹拌部材22によりトナー吸い込み部へと搬送され、供給ローラがトナーを含みすぎる場合にはかぶりが悪化する。また、比較例1において高印字印刷を連続して行うと、供給ローラの20の回転によって、まだ供給ローラに取り込まれていないトナーがトナー収容室へと戻されてしまう。そのため、充分に供給ローラ20内にトナーを含ませることが困難であり、現像ローラへの供給不足を招いてしまう。
【0085】
また、従来技術である比較例2に対する本発明の優位性について述べる。
比較例2においても、比較例3のような受けシート起因のトナー凝集は発生しない。また、侵入部材により供給ローラのトナー含み量を少なくしており、かぶりも良化する。ただし、比較例2は、トナーを撹拌部材22によりトナー吸い込み部へと搬送できるものの、供給ローラに対する侵入部材の侵入量が現像ローラの侵入量よりも大きくなってしまうため、現像ローラに対して必要なトナー量を供給することが難しい。
【0086】
また、上述したように、侵入部材の供給ローラへの侵入量ΔFは、0≦ΔF≦ΔEにするのが好ましい。ΔF<0の領域では供給ローラに対して、侵入部材が接触しないため、供給ローラに取り込まれずに搬送されるトナーを跳ね返す作用が十分得られなくなってしまう。また、ΔF>ΔEの領域では供給ローラに対する侵入部材の侵入量が現像ローラの侵入量よりも大きくなってしまうため、現像ローラに対して必要なトナー量を供給することが難しい。
【0087】
また、本実施例はネジを用いたが他の固定部材でも位置が決められる部材であればよく、また、位置固定部分は侵入部材、現像容器の座面の両方にある必要はなく、それぞれ片方であってもよい。また、取り付け位置の間隔は一定間隔でなくてもよい。
【0088】
本実施例では同じトナーの色に応じて、侵入部材の侵入量を変更したが、供給ローラや現像ローラによる現像特性や充填量の異なるカートリッジの品質の違いに応じて侵入量の変更を適用してもよい。
【0089】
以上述べたように、本発明においては、侵入部材101aを適当な位置に配設することにより供給ローラ20へのトナー供給を効率よく行うことができるため、ベタ濃度の安定性を改善しつつ、トナー劣化によるトナー融着画像を防止し、高品位な画像を供給することが可能な現像装置、プロセスカートリッジ、電子写真画像形成装置を提供することができる。
【実施例2】
【0090】
図5−a、図5−bを用いて、本実施例の侵入部材101bの侵入量設定機構を説明する。
侵入部材101bは図5−aに示すように、侵入部材101bの端部において、加圧手段としてのバネ部材105により、供給ローラ20を加圧している。すなわち、バネ部材105は侵入部材101bを供給ローラ方向に加圧している。図5−bに示すように、バネ部材105は現像容器のガイド部106に組み込まれる。侵入部材には凸状の嵌合部が存在し、凹状の現像容器のガイド部106に嵌め込まれる。この構成により侵入部材101bは図5の矢印Bの方向のみ変位可能になる。
【0091】
この侵入部材101bの変位可能な方向を侵入部材加圧方向Bとすると、侵入部材101bは供給ローラ20と侵入部材を結ぶ線上を変位し、供給ローラ両端の芯金部にコロスペーサ107aに当接する。すなわち、供給ローラ20の発泡層に対する侵入部材101bの侵入量は、侵入量規制手段としてのコロスペーサ107aに規制される。この侵入部材の侵入量は供給ローラ20の半径r1、107aスペーサコロの半径r2とすると、以下の式で表せる。
侵入量ΔF=半径r1−半径r2
このような実施形態にすることにより、現像容器の影響を大きく受けずに供給ローラの芯金中心に対して侵入部材の位置を精度よく決めることができるので、供給ローラのトナー含み量を適正化しやくなる。
【0092】
図5−cコロスペーサを用いた別の実施形態を示す。供給ローラの芯金部のゴム端面から外側の方向にコロスペーサ107b、107aを順に接続している。コロスペーサ107b、107aはそれぞれ供給ローラに対する侵入部材の侵入量を規制する部材、現像ローラから供給ローラの侵入量を規制する部材である。また、その外側から不図示の供給ローラ用の軸受けにより、コロスペーサを固定している構成にしてある。本実施形態では上記実施例の効果の他に、現像ローラの侵入量ΔE、侵入部材の侵入量ΔFを同一基準である供給ローラの芯金中心からの距離で規定できる。したがって、現像ローラの侵入量ΔE、侵入部材の侵入量ΔFの関係を精度よく設定できるので、トナー供給部材の含み量もより制御しやすくなる。
【0093】
また、本実施例では侵入部材をスペーサコロに付き当てる加圧部材としてバネ部材を用いたが、バネ部材のかわりに侵入部材がスペーサコロに当接する状態で加圧力を有するように、現像容器の一部に可撓性を持たせてもよい。
【0094】
以上、実施例1、2について説明をした。前述した実施例では、カラー画像形成が可能な画像形成装置を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、モノクロ画像形成が可能な画像形成装置であっても良く、前記画像形成装置における現像装置に本発明を通用することにより同様の効果を得ることができる。
【0095】
また、前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置や、記録剤担持体を使用し、前記記録剤担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ね合わせて転写する画像形成装置であっても良く、前記画像形成装置における現像装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0096】
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
3 スキャナユニット
4 現像ユニット
5 中間転写ベルト
6 クリーニング部材
7 プロセスカートリッジ
13 感光体ユニット
14 クリーニング枠体
15 現像室
17 現像ローラ
18 トナー収納室
18a トナー収納部
20 供給ローラ
21 現像ブレード
22 撹拌搬送部材
80 トナー
100 画像形成装置
101a、101b、101c 侵入部材
102 侵入部材取り付け座面
105 バネ部材
106 ガイド
107a、107b コロスペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持して静電潜像を現像する現像剤担持体と、
表面に発泡層を備え、前記現像剤担持体に接触して回転し、前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給ローラであって、前記現像剤担持体との接触領域のうち前記供給ローラの回転方向下流端が上流端よりも上方に位置する供給ローラと、
前記供給ローラよりも下方に設けられ、前記現像剤を収納する現像剤収納部と、
前記現像剤収納部の現像剤を前記接触領域の上方に搬送する搬送部材と、
前記発泡層に侵入するように配置され、前記搬送部材によって搬送された現像剤を前記接触領域の上方に前記現像剤を貯留する侵入部材と、
前記侵入部材の前記発泡層に対する侵入量を設定する設定手段と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記設定手段は、前記侵入部材を前記供給ローラの方向に加圧する加圧手段と、前記侵入部材の前記発泡層に対する侵入量を規制する侵入量規制手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、静電潜像を担持する像担持体と、請求項1又は2に記載の現像装置と、を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
記録材に画像を形成する画像形成装置であって、前記記録材を搬送する搬送手段と、請求項3に記載のプロセスカートリッジと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
記録材に画像を形成するカラー画像形成装置であって、前記記録材を搬送する搬送手段を有し、請求項3に記載のプロセスカートリッジをカラー画像を形成するために複数備え、前記侵入量はカラーに応じて異なる侵入量に設定されることを特徴とするカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−104971(P2013−104971A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247815(P2011−247815)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】