現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
【課題】縦型一方向循環方式の現像装置における溢れ連れ周り現象や枯渇現象を簡易な構成で抑制でき、画質向上に寄与できる現像装置を提供する。
【解決手段】現像装置5において、現像ローラ51に現像剤を供給する供給スクリュ53の下流側に透磁率センサ70bが配置され、回収スクリュ54の下流側に透磁率センサ70aが配置されている。制御手段80の図示しないメモリには、画像濃度が適正な状態での、透磁率センサ70a、70bの平均出力電圧値が予め記憶されている。透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも低下した場合、トナー補給口56からトナーを補給して現像装置内の現像剤量を増やし、現像ローラ51に現像剤が汲み上がらない枯渇現象が起きない剤面高さを確保する制御を行う。
【解決手段】現像装置5において、現像ローラ51に現像剤を供給する供給スクリュ53の下流側に透磁率センサ70bが配置され、回収スクリュ54の下流側に透磁率センサ70aが配置されている。制御手段80の図示しないメモリには、画像濃度が適正な状態での、透磁率センサ70a、70bの平均出力電圧値が予め記憶されている。透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも低下した場合、トナー補給口56からトナーを補給して現像装置内の現像剤量を増やし、現像ローラ51に現像剤が汲み上がらない枯渇現象が起きない剤面高さを確保する制御を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上の静電潜像を現像する現像装置、該現像装置を有するプロセスカートリッジ、該現像装置又はプロセスカートリッジを有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいはこれらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来2成分現像方式による現像装置では、2本乃至3本のスクリュを水平に並べ、そのうちの1本を供給スクリュとして現像スリーブ(以下、「現像ローラ」ともいう)と対向させ、現像スリーブと供給スクリュとの間で現像剤供給と回収を同時に進行させる方式が一般的であった。
カラー化の進展に伴い、連続印刷やハーフトーンの性能向上と、タンデムレイアウト構成による小型化への要望から、上下にスクリュを配置して供給と回収を別々に行うべく、縦断面構成上で現像剤を一方向に循環搬送させる「縦型一方向循環方式」が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
上記縦型一方向循環方式では、現像スリーブ上の現像剤の層厚を略一定にするためのドクタブレードが現像スリーブの上方にあるため、現像剤の一方向循環搬送は上方に配置した供給スクリュから現像スリーブに搬送し、その後下方に配置した回収スクリュに搬送されるように構成されている。
このような方式の現像装置においては、中間転写ベルト等の転写手段が現像装置の下方に配置されている場合には、像担持体と現像スリーブの現像領域での移動方向が同一向きとなる順現像、転写手段が上方に配置されている場合には現像領域での移動方向が逆向きとなる逆現像となるため、システム構成上の制約事項となる場合がある。
【0004】
一方、ドクタブレードを現像スリーブの下方に配置した場合で、縦型一方向循環方式の例としては、特許文献3に開示されている構成が知られている。
この構成では、下方に供給スクリュ、上方に回収スクリュを配置し、下方から搬送した現像剤を2段現像ローラ構成で上方に搬送し、上部の現像スリーブ上から分離することで一方向循環の上方搬送を担うこととしている。
すなわち、特許文献1に記載の構成のように、スクリュ端部の受け渡し部でスクリュ部の剤圧を上げることで行っていた上部搬送を行わないようにし、現像剤に与えるストレスを低減可能な現像システムとなっている。
【0005】
ドクタブレードを現像スリーブ下方に配置した一方向循環方式において、図18に示すように、上方に位置する回収スクリュ54の剤嵩は、現像ローラ51から分離した現像剤が回収されるため、現像剤搬送方向下流側に行くに従い高くなる。
回収スクリュ54において、現像剤嵩が高くなると、堆積した現像剤が、下方に位置する供給スクリュ53と、回収スクリュ54との間に設けられる仕切り部材と現像ローラ51との隙間から供給スクリュ側に流れ込み、一方向循環が成立せず、使用後のトナー濃度が低下した現像剤が直ぐに現像領域に搬送される現象(以下、「溢れ連れ周り現象」という)で画像濃度低下や濃度ムラ画像が発生する。
すなわち、ドクタブレードを現像スリーブ下方に配置した従来の縦型一方向循環方式の現像装置においては、回収スクリュ54の下流側ほど、溢れ連れ周りによる不具合画像が発生しやすい、という問題があった。
【0006】
また、この方式の現像装置において、供給スクリュ上の現像剤は、現像ローラ51に供給されるので搬送方向下流側に向かうに従って現像剤の量が減少していく。
現像剤の濃度、環境や経時劣化による現像剤の嵩の変動に伴い、供給スクリュ下流側で所定量の現像剤の嵩が確保できないと、現像ローラ51に現像剤が汲み上がらない「枯渇現象」が発生する。
この場合には像担持体上の潜像を現像することができないので、画像が欠けるなどの不具合が発生しやすい、という問題があった。
図18において、符号U1は現像剤を持ち上げる連通口を、U2は現像剤を落下させる連通口を、56はトナー補給口を示している。
【0007】
特許文献4には、トナー濃度を検出する透磁率センサを複数配置し、透磁率センサが配置されている箇所での現像剤量の違いに着目し、現像剤中の磁性キャリア量の変化を検出し、この変化に基づいて現像装置の傾きを判断する技術が開示されている。
現像装置が傾斜状態で配置されると、2箇所の透磁率センサの設置部位では夫々の箇所での現像剤量が変化する。そのため、攪拌搬送部材の回転によって生じる現像剤量も大きく変化するようになり、2箇所の透磁率センサの出力波形が大きく異なるようになる。
この2箇所の透磁率センサの出力波形の振幅情報に基づいて、傾き判別装置が作動し、現像装置の長手方向における水平方向の傾きを判別する、という内容である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、縦型一方向循環方式の現像装置においては、現像装置が傾斜していなくても現像剤の供給・回収機能の特性に基づいて溢れ連れ周り現象が発生したり、現像剤の濃度、環境や経時劣化による現像剤の嵩の変動により枯渇現象が発生する。
特許文献4に記載の技術は、現像装置の傾斜状態を検出することを目的としたものであり、上記問題を解消するための対策として適用することはできない。
また、判別装置の存在により構成の複雑化、コストアップを来たす問題も抱えている。
【0009】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、縦型一方向循環方式の現像装置における溢れ連れ周り現象や枯渇現象を簡易な構成で抑制でき、画質向上に寄与できる現像装置の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置であって、トナーとキャリアからなる現像剤を収容する現像剤収容ケース部材と、前記像担持体に対向し、該像担持体の静電潜像を可視像化するための現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の近傍に配置され、該現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤量規制部材と、前記現像剤担持体に対向して配置され、現像剤を混合攪拌しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第一搬送部材と、第一搬送部材を収納する第一搬送路と、前記現像剤担持体に対向して配置されているとともに第一搬送部材の上方に配置され、前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収し、前記現像剤担持体の長手方向に搬送する第二搬送部材と、第二搬送部材を収納する第二搬送路と、第一搬送路と第二搬送路とを仕切る分離部材と、第一搬送部材と第二搬送部材の前記長手方向における両端部に配置され、各搬送部材間での現像剤の受け渡しを可能とする連通口と、現像剤のトナー濃度を磁気的に検知する濃度センサと、トナーを補給するためのトナー補給口と、を備えた現像装置において、前記濃度センサが、前記現像剤収容ケース部材の少なくとも二つの異なる位置に配置され、前記濃度センサが配置される位置は、第一搬送路と第二搬送路のうちの少なくとも一方において、画像濃度の変化につながる現像剤の偏り状態を検知可能な位置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、現像装置を傾斜させずに、環境や経時劣化による現像剤の嵩の変動に伴い発生する枯渇現象や溢れ連れ周り現象の発生を防止しでき、現像装置の構成を複雑化すること無く良好な画質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図2】プロセスカートリッジの構成図である。
【図3】現像装置を示す図で、(a)は縦断面図、(b)はケーシング上部を取り除いた斜視図である。
【図4】現像装置を示す図で、(a)は現像ローラから回収スクリュへの現像剤の移動を示す平面図、(b)は装置正面図である。
【図5】現像装置におけるスクリュ間の循環構成を示す平面図である。
【図6】現像装置の現像剤搬送方向における縦断面図である。
【図7】現像装置の現像剤搬送方向と直交する方向における縦断面図である。
【図8】濃度センサの配置構成を示す現像装置の縦断面図である。
【図9】現像剤量と透磁率センサ70bの平均出力電圧との関係を示す実験特性図である。
【図10】現像剤量と透磁率センサ70aの平均出力電圧との関係を示す実験特性図である。
【図11】スクリュ回転数を固定して現像剤量を変えたときの画像濃度の変化を示す実験特性図である。
【図12】枯渇現象が起きたときの本実施形態の制御を行った場合の画像濃度の測定結果を示す特性図である。
【図13】溢れ連れ周り現象が起きたときの本実施形態の制御を行った場合の画像濃度の測定結果を示す特性図である。
【図14】第2の実施形態における濃度センサの配置構成を示す縦断面図である。
【図15】第3の実施形態における濃度センサの配置構成を示す縦断面図である。
【図16】第4の実施形態における濃度センサの配置構成を示す縦断面図である。
【図17】第5の実施形態における濃度センサの配置構成を示す縦断面図である。
【図18】従来の縦型一方向循環方式における問題点を説明するための現像装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図1乃至図8に基づいて第1の実施形態を説明する。図1及び図2にて、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す概要構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、中間転写ユニット10の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Bkが並設されている。なお、装置本体100に設置される4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2においては符号のアルファベット(Y、M、C、Bk)を省略して図示する。
【0014】
図2に示すように、作像部6は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の周囲に配設された帯電部4と、現像部としての現像装置5と、クリーニング部2等で構成されている(図1では現像装置5のみ表示している)。
感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われ、感光体ドラム1上に所望のトナー像が形成される。作像部6を構成する感光体ドラム1、帯電部4、現像装置5、クリーニング部2は、それぞれ、画像形成装置本体100に対して着脱自在に設置できるように構成されている。そして、それぞれが寿命に達したときに、新品のものに交換される。
本実施形態では、作像部6を構成する、感光体ドラム1、帯電部4、現像装置5、クリーニング部2を、それぞれ、単独のユニットとしたが、これらを一体化して、装置本体100に着脱自在に設置されるプロセスカートリッジとすることもできる。その場合、作像部6のメンテナンスを行う際の作業性が向上する。
【0015】
感光体ドラム1は、不図示の駆動部によって図2中の時計回り方向に回転駆動される。そして、帯電部4の位置で、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体ドラム1の表面は、不図示の露光部から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程)。
その後、感光体ドラム1の表面は、現像装置5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される(現像工程)。その後、感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程)。
このとき、感光体ドラム1上には、僅かながら未転写トナーが残存する。その後、感光体1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって回収される(クリーニング工程)。
【0016】
最後に、感光体ドラム1の表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkで、それぞれ行われる。すなわち、図1に示すように、作像部の下方に配設された不図示の露光部から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部6Y、6M、6C、6Bkの感光体ドラム上に向けて照射される。
詳しくは、露光部は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0017】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0018】
各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。
中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の被転写材P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、被転写材Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
中間転写ベルト上に残存する未転写トナーは、図示せぬクリーニングユニットによって除去されることで初期状態に復帰する。
こうして、中間転写ベルト8上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
【0019】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された被転写材Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の被転写材Pが複数枚重ねて収納されている。給紙ローラ27が図1中の反時計回り方向に回転駆動されると、一番上の被転写材Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28に搬送された被転写材Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、被転写材Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして被転写材P上に所望のカラー画像が転写される。
【0020】
2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された被転写材Pは、定着部20の位置に搬送される。ここで定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が被転写材P上に定着される。その後、被転写材Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図1に示すように、中間転写ユニット10の上方には、トナーボトルユニット31が設けられており、各トナーボトルは各現像装置に図示しないトナー供給手段を介して接続されている。トナー補給が必要な場合にはトナーボトルが回転駆動されて後述するトナー補給口56を介して補給される。
【0021】
次に、現像装置の構成・動作について詳しく説明する。
現像装置5は、図3に示すように、感光体ドラム1に対向する現像剤担持体としての現像ローラ51と、現像ローラ51の下方に設置された現像剤規制部材としてのドクタブレード52と、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を収容した現像剤収容ケース部材50と、現像剤収容ケース部材50に形成された第一搬送路59及び第二搬送路58と、第一搬送路59に収納された第一搬送部材としての供給スクリュ53と、第二搬送路58に収納された第二搬送部材としての回収スクリュ54とを備えている。
供給スクリュ53は、現像ローラ51に対向して配置され、現像剤を混合撹拌しながら現像ローラ51に現像剤を供給する。回収スクリュ54は、供給スクリュ53の上方において現像ローラ51に対向して配置され、現像ローラ51から離脱した現像剤を回収する。
【0022】
現像ローラ51は、内部に固設された柱状のマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成されている。現像ローラ51のマグネットには、P1極〜P5極の5つの磁極が形成されている。5つの磁極が形成されたマグネットの周囲をスリーブが回転することで、その回転に伴い現像剤が現像ローラ51上を移動することになる。なお、図3(a)の現像ローラ51に付した放射状の線分は、P1極〜P5極のそれぞれの磁力がピークになる位置を示すものである。
【0023】
現像剤収容ケース部材50には、ポリエステル樹脂を主成分とするトナーと磁性微粒子であるキャリアとを、トナー濃度7Wt%に均一混合した現像剤が一定量充填されている。並列に配置した供給スクリュ53と回収スクリュ54とを600〜800rpmで回転させることによって補給後のトナー攪拌と搬送を同時に行い、トナーとキャリアの均一混合と帯電付与を行っている。
トナーの補給は、図3(b)に示すように、回収スクリュ54の搬送方向上流側に設けられたトナー補給口56から行われる。
均一混合された現像剤は、現像ローラ51に近接して平行に設けられた供給スクリュ53より現像ローラ51に内包されたマグネット55のP4、P5磁力によってスリーブ外周部の表面に搬送される。
【0024】
現像ローラ51が図中矢印の通り回転することによって感光体ドラム1と現像ローラ51とによって作られる現像領域に運ばれ、図示しない高圧電源による現像電界を形成することによってトナーが感光体ドラム上の潜像を現像する。現像後の現像剤は現像ローラ51の回転に伴って第二搬送路58内に回収されるようになっており、第一搬送路59と第二搬送路58とを仕切る分離部材57を介して回収スクリュ54に回収される。
【0025】
図4は、本実施形態の現像装置5を示す図である。図4(a)は図3の矢印A方向から見た平面図で、現像剤収容ケース部材の上面を取り除いた状態を示している。図4(b)は現像装置5の正面図である。
図4(a)における複数の矢印は、現像ローラ51から回収スクリュ54への現像剤の流れを示している。
【0026】
図5は、供給スクリュ53と回収スクリュ54間の現像剤の流れを示している。
スクリュ端の現像剤受け渡し領域である連通口U1及びU2では上段と下段の搬送路が上下に連通している。連通口U2では上段から下段へ、連通口U1では下段から上段へ現像剤が搬送されるようになっている(図6参照)。
連通口におけるスクリュの形状はパドルや逆巻きのスクリュを設けており、搬送方向に対して垂直方向への搬送能力を持たせている。
図6は、現像剤収容ケース部材50内における現像剤Gの堆積の様子を示す概略図である。供給スクリュ53にて攪拌搬送を行いつつ現像ローラ51に現像剤供給を行い、回収スクリュ54によりすべて回収する方式を取っているため、現像剤の堆積状態が斜めになる。
【0027】
すなわち、供給スクリュ53中の現像剤量が下流方向に向って減少する。供給スクリュ53の径、ピッチと回転数とから求まる現像剤搬送量能力:Wmと、現像ローラ51上の現像剤搬送量:Wsの関係が、Wm>Wsとなる場合に現像剤が一様に現像ローラ51上に搬送されるようになる。この条件が成立しないと供給スクリュ53の下流側において現像剤が不足してしまい、現像ローラ51への現像剤の供給が不可能となってしまう。
図7は、現像装置の現像剤搬送方向と直交する方向での断面図である。
同図に示す通り、回収スクリュ54と供給スクリュ53とによる縦2軸搬送構成で、現像ローラ51の下部にドクタブレード52を設ける方式となっている。
【0028】
この方式では、現像装置の上部に転写部材としての中間転写ベルト8を設ける構成において、現像に使用した現像剤を供給路としての第一搬送路59に戻さない現像剤一方向循環を実現している。また、感光体ドラム1に対し現像ローラ51が順方向に回転する現像方式である、いわゆるウィズ現像を成立させることができる。
回収スクリュ54の回転中心は現像ローラ51の略左斜め下に位置している。回収スクリュ54と現像ローラ51との間に現像剤分離部材57を設けることで、現像ローラ51から剥離する現像剤が回収スクリュ上の補給トナー及びトナーの多い現像剤に混合される。
【0029】
回収スクリュ54の回転方向を図示の通りとすることで、第二搬送路58における現像剤の嵩の偏りを制御することができる。トナーの多い現像剤に対し、現像ローラ51から剥離されるトナー消費された現像剤が、嵩の低い側に覆いかぶさるように混合され、さらに攪拌されることで効率の良いトナー分散、帯電効果が得られる。
現像ローラ51からの現像剤分離力は、内包するマグネット55のP3、P4極を同極配置して反発力を作用させ、且つスリーブ回転による遠心力を加えることによって与えている。
本実施形態では矢印gの方向に分離される。また分離部材57はその先端が現像ローラ51から現像剤が剥離する剥離ポイントより若干回転方向下流に配置されている。これにより、現像ローラ51から剥離した現像剤を捕集し、回収スクリュ54に取り込むことができる。
【0030】
図8に示すように、本実施形態の現像装置5では、第一濃度センサとしての透磁率センサ70bを供給スクリュ53の下流側に配置し、第二濃度センサとしての透磁率センサ70aを回収スクリュ54の下流側に配置している。
具体的には、長手方向に330mmの長さを有する第一搬送路59、第二搬送路58において、第二搬送路58の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から80mm上流側の位置に透磁率センサ70aを配置し、第一搬送路59の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から70mm上流側の位置に透磁率センサ70bを配置している。
【0031】
透磁率センサ70a、70bの検知データは制御手段80に出力される。制御手段80の図示しないメモリには、上述した枯渇現象や溢れ連れ周り現象が生じていない状態での、透磁率センサ70a、70bの平均出力電圧値が予め記憶されている。
例えば、現像装置5内の現像剤のトナー濃度が7[wt%]、現像装置5内の現像剤量が275[g]のときの、透磁率センサ70a、70bの平均出力電圧値は3[V]である。
【0032】
上述した通り、供給スクリュ53の下流側では、環境や経時劣化による現像剤の嵩変動に伴い、枯渇現象が起き易く、透磁率センサ70bが配置されている場所での現像剤量が少なくなる。そうすると、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも低下する。
現像装置5内の現像剤のトナー濃度を7[wt%]にしたまま、現像剤量を減少させたときの、透磁率センサ70bの平均出力電圧値を測定した結果を図9に示す。図9から明らかなように、現像剤量が減少するにつれて、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が減少する結果が得られた。
この結果から、透磁率センサ70bの位置の現像剤が減少すると、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が減少するということが分かる。
【0033】
透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも低下した場合、トナー補給口56からトナーを補給して現像装置5内の現像剤量を増やし、枯渇現象が起きない剤面高さを確保する制御を行う。
この制御は、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値に戻るまで行われる。
トナーを補給して現像装置5内の現像剤量を増やし、枯渇現象が起きない剤面高さを確保する制御を行ったとき、現像装置5内のトナー濃度が上昇する虞があるので、上記制御とともに現像バイアスVbを下げる制御を行えばより好ましい濃度で潜像を現像できる。
【0034】
一方、回収スクリュ54の下流側では、上述のように溢れ連れ周り現象が起き易く、透磁率センサ70aが配置されている場所での現像剤量が多くなる。
そうすると、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも上昇する。
現像装置5内の現像剤のトナー濃度を7[wt%]にしたまま、現像剤量を増加させたときの、透磁率センサ70aの平均出力電圧値を測定した結果を図10に示す。
図10から明らかなように、現像剤量が増加するにつれて、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が増加する結果が得られた。この結果から、透磁率センサ70aの位置の現像剤が増加すると、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が増加するということが分かる。
【0035】
透磁率センサ70aの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも上昇した場合、トナーを補給せず現像装置5内の現像剤量を減らす制御を行う。
透磁率センサ70aが配置されている場所での現像剤嵩を下げれば、溢れ連れ周り現象の発生を抑制することができる。この制御も、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値に戻るまで行われる。
トナーを補給せず現像装置5内の現像剤量を減らし、透磁率センサ70aが配置されている場所での現像剤嵩を下げる制御を行ったとき、現像は行われているがトナーは補給されないので、現像装置5内の現像剤のトナー濃度は低下してしまう。従って、上記制御とともに現像バイアスVbを上げる制御を行えばより好ましい濃度で潜像を現像できる。
【0036】
透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも低下した場合、トナーを補給する制御に代えてスクリュの回転数を上げる制御を行ってもよい。
すなわち、スクリュ回転数を上げて、透磁率センサ70bが配置されている場所へ現像剤供給不足とならないように現像装置5内の現像剤を循環させるという制御を行えば、枯渇現象を抑制することができる。
【0037】
現像装置5で、供給スクリュ53、回収スクリュ54の回転数を620rpmに固定して、現像剤量を350、275、225[g]と振ったときの(F)、(C)、(R)の画像濃度を図11に示す。
ここで、Fは、図8における現像装置の左側領域を、Cは中央領域を、Rは右側領域を示している。
現像剤量が225[g]の場合は、現像剤が少ないので現像ローラ51に現像剤が汲み上がらず、画像のF側で枯渇現象が起きていることが分かる。
現像剤量が350[g]の場合は、画像のR側の画像濃度が低下しており、現像剤が回収スクリュ54の下流側で多くなり溢れ連れ周り現象が起きていることが分かる。
【0038】
以下に本実施形態における制御の実施例を説明する。
現像剤量が225[g]のとき、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が2[V]と検出された。この検出結果に基づいてトナー補給を行う制御を実行した。そのときのF、C、Rの画像濃度を図12に示す。このとき、F側は画像濃度が低下しておらず、枯渇現象を抑制することができた。この結果は画像濃度を適切にするため、通常現像バイアスを400[V]にしているが、300[V]に調整して実験を行った結果である。
現像剤量が225[g]のとき、トナーを補給せずに、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が2[V]と検出された。この検出結果に基づいて供給スクリュ53、回収スクリュ54の回転数を620[rpm]から800[rpm]に上げたときの画像濃度について同じく図12に示す。
この場合も、F側は、画像濃度が低下しておらず、枯渇現象を抑制することができた。スクリュの回転数を上げるという制御を行う場合は、現像バイアスを調整していない。
【0039】
現像剤量が350[g]のとき、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が4.5[V]と検出された。この検出結果に基づいてトナー補給を停止する制御を行い、そのときのF、C、Rの画像濃度を図13に示す。
R側は画像濃度が低下しておらず、溢れ連れ周り現象を抑制することができた。この結果は画像濃度を適切にするため、通常現像バイアスを400[V]にしているが、500[V]に調整して実験を行った結果である。
【0040】
透磁率センサ70bの平均出力電圧値と、トナー補給量との関係、透磁率センサ70bの平均出力電圧値と、スクリュの回転数との関係、透磁率センサ70aの平均出力電圧と現像剤量との関係は予め実験により求められ、制御テーブルとして記憶されている。制御手段80はこの制御テーブルに基づいてトナー補給を行う。
【0041】
以上のように、本発明によれば、現像装置5を傾斜させずに、環境や経時劣化による現像剤の嵩の変動に伴い発生する枯渇現象や溢れ連れ周り現象の発生を防止しでき、現像装置5を複雑化すること無く良好な画質を維持することができる。
【0042】
図14、図15に、それぞれ第2、第3の実施形態を示す。上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
図14に示す現像装置5では、透磁率センサ70aを供給スクリュ53から回収スクリュ54へ現像剤を重力方向に逆らうように搬送する、すなわち持上げ搬送する連通口U1付近に配置し、もう一つの透磁率センサ70bを枯渇現象が生じ易い供給スクリュ53下流側に配置している。
具体的には、第一搬送路59において、現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から上流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70aを配置し、現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から70[mm]の位置に透磁率センサ70bを配置した。
【0043】
図15に示す現像装置5では、透磁率センサ70aを持上げ搬送する連通口U1付近に配置し、もう一つの透磁率センサ70bを溢れ連れ周り現象が生じ易い回収スクリュ54の下流側に配置している。
具体的には、第一搬送路59において、第一搬送路59の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から上流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70aを配置し、第二搬送路58において、第二搬送路58の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から70[mm]の位置に透磁率センサ70bを配置した。
【0044】
図14、図15に示すように、透磁率センサ70aを持上げ搬送する連通口U1付近に配置する利点は、以下の通りである。
すなわち、供給スクリュ53から回収スクリュ54へ現像剤を受け渡す連通口U1付近は現像剤を持ち上げ搬送するため、現像剤が滞留していて現像剤の量が多い状態である。
このため、現像剤の高さが変化することに起因する見かけ上の透磁率の変化の影響を抑制することができるので、他の位置に透磁率センサを配置した構成に比べて現像装置5内の現像剤のトナー濃度を安定して正確に検出できる。
【0045】
図8に示した構成では、枯渇現象や溢れ連れ周り現象が生じていない状態での透磁率センサの平均出力電圧値を、画像形成装置の制御手段80のメモリに記憶させておく必要があったが、図14、図15に示す構成では、透磁率センサ70aが現像装置5内の現像剤のトナー濃度を安定して正確に検出できるので、透磁率センサの平均出力電圧値を記憶させておく必要が無い。
透磁率センサ70aは、現像装置5内のトナー濃度を正確に検出するだけでなく、透磁率センサ70bの出力電圧値と比較して、枯渇現象や溢れ連れ周り現象を抑制するための制御をするための基準となる働きもする。
【0046】
図14に示す現像装置5では、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が透磁率センサ70aの平均出力電圧値と比較して低下したら、枯渇現象が起きているということを示すので、先述したようにトナーを補給する、またはスクリュ回転数を上げるという制御を行い、枯渇現象が起きない剤面高さを確保すれば良い。
図15に示す現像装置5では、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が透磁率センサ70aの平均出力電圧値と比較して上昇したら、溢れ連れ周り現象が起きているということを示すので、先述したようにトナーを補給せず溢れ連れ周り現象が起きている箇所での現像剤嵩を下げるという制御を行えば良い。
【0047】
以上の制御は透磁率センサ70bの平均出力電圧値が透磁率センサ70aの平均出力電圧値に戻るまで行えば良い。
なお、現像剤が充満している領域内であっても連通口U1が設けられた位置以外の位置に透磁率センサ70aを配置することが望ましい。これは以下の理由による。
持上げ搬送する連通口U1の下方に透磁率センサ70aを配置した場合は、連通口U1よりも更に上方にある第二搬送路58内の現像剤まで検出範囲となることがある。現像装置5内での現像剤の嵩が変化したとき、透磁率センサ70aの検出範囲が第二搬送路58の現像剤まで含まれると、トナー濃度を正確に検出することができなくなるためである。
また、連通口U1が形成された位置では現像剤が連通口U1から第二搬送路58に移動可能であるため、現像剤内での圧力が逃げ、現像剤の密度が疎になり易い。このため、連通口U1が設けられた位置以外の、連通口U1近傍に透磁率センサ70aを配置することが望ましい。
【0048】
現像装置5内の現像剤のトナー濃度が7[wt%]、現像装置5内の現像剤量が275[g]のときの、透磁率センサ70aの平均出力電圧値は3[V]である。
この平均出力電圧値を基準にして透磁率センサ70bの平均出力電圧値の増減により、枯渇現象、または溢れ連れ周り現象を検出し、それらを抑制するような制御を行う。これらの実験結果は、図8の構成で実験した結果と同様であった。
【0049】
図16、図17に、それぞれ第4、第5の実施形態を示す。
図16に示す現像装置5では、透磁率センサ70aを回収スクリュ54から供給スクリュ53へ現像剤を重力方向に沿うように搬送する、すなわち持下げ搬送する連通口U2付近に配置し、もう一つの透磁率センサ70bを枯渇現象が生じ易い供給スクリュ53の下流側に配置している。
具体的には、第一搬送路59において、第一搬送路59の現像剤搬送方向における上流側端部の壁面から下流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70aを配置し、第一搬送路59の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から上流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70bを配置した。
【0050】
図17に示す現像装置5では、透磁率センサ70aを持下げ搬送する連通部U2付近に配置し、もう一つの透磁率センサ70bを溢れ連れ周り現象が生じ易い回収スクリュ54の下流側に配置している。
具体的には、第一搬送路59において、第一搬送路59の現像剤搬送方向における上流側端部の壁面から下流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70aを配置し、第二搬送路58において、第二搬送路58の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から上流側に70[mm]の位置に透磁率センサ70bを配置した。
【0051】
図16、図17に示すように、透磁率センサ70aを持下げ搬送する連通口U2付近に配置する利点は以下の通りである。
回収スクリュ54から供給スクリュ53へ現像剤を持下げ搬送する連通口U2付近は現像剤が現像ローラ51に供給されておらず現像剤が滞留していて現像剤の量が多い状態である。
このため、現像剤の高さが変化することに起因する見かけ上の透磁率の変化の影響を抑制することができるので、他の位置に透磁率センサを配置した構成に比べて現像装置5内の現像剤のトナー濃度を安定して正確に検出できる。
【0052】
図16、図17に示す構成では、図14、図15に示した構成と同様に、透磁率センサ70aが現像装置5内の現像剤のトナー濃度を安定して正確に検出できるので、透磁率センサの平均出力電圧値を記憶させておく必要が無い。
透磁率センサ70aは、現像装置5内のトナー濃度を正確に検出するだけでなく、透磁率センサ70bの出力電圧値と比較して、枯渇現象や溢れ連れ周り現象を抑制するための制御をするための基準となる働きもする。
透磁率センサ70bの平均出力電圧値が透磁率センサ70aの平均出力電圧値と比較して低下、または上昇した後の制御方法は図14、図15に示した構成の場合と同じである。
なお、現像剤が充満した領域内であっても連通口U2が形成された位置以外の位置に透磁率センサ70aを配置することが望ましい。これは先述した連通口U1の理由と同様である。
【0053】
現像装置5内の現像剤のトナー濃度が7[wt%]、現像装置5内の現像剤量が275[g]のときの、透磁率センサ70aの平均出力電圧値は3[V]である。
この平均出力電圧値を基準にして透磁率センサ70bの平均出力電圧値の増減により枯渇現象、または溢れ連れ周り現象を検出し、それらを抑制するような制御を行う。これらの実験結果も、図8の構成で実験した結果と同様であった。
【符号の説明】
【0054】
1 像担持体としての感光体ドラム
5 現像装置
50 現像剤収容ケース部材
51 現像剤担持体としての現像ローラ
52 現像剤量規制部材としてのドクタブレード
53 第一搬送部材としての供給スクリュ
54 第二搬送部材としての回収スクリュ
56 トナー補給口
57 分離部材
58 第二搬送路
59 第一搬送路
70a、70b 濃度センサ
G 現像剤
U1、U2 連通口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開平05−333691号公報
【特許文献2】特開平11−174810号公報
【特許文献3】特許第3950735号公報
【特許文献4】特開2008−40227号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体上の静電潜像を現像する現像装置、該現像装置を有するプロセスカートリッジ、該現像装置又はプロセスカートリッジを有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいはこれらのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来2成分現像方式による現像装置では、2本乃至3本のスクリュを水平に並べ、そのうちの1本を供給スクリュとして現像スリーブ(以下、「現像ローラ」ともいう)と対向させ、現像スリーブと供給スクリュとの間で現像剤供給と回収を同時に進行させる方式が一般的であった。
カラー化の進展に伴い、連続印刷やハーフトーンの性能向上と、タンデムレイアウト構成による小型化への要望から、上下にスクリュを配置して供給と回収を別々に行うべく、縦断面構成上で現像剤を一方向に循環搬送させる「縦型一方向循環方式」が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
上記縦型一方向循環方式では、現像スリーブ上の現像剤の層厚を略一定にするためのドクタブレードが現像スリーブの上方にあるため、現像剤の一方向循環搬送は上方に配置した供給スクリュから現像スリーブに搬送し、その後下方に配置した回収スクリュに搬送されるように構成されている。
このような方式の現像装置においては、中間転写ベルト等の転写手段が現像装置の下方に配置されている場合には、像担持体と現像スリーブの現像領域での移動方向が同一向きとなる順現像、転写手段が上方に配置されている場合には現像領域での移動方向が逆向きとなる逆現像となるため、システム構成上の制約事項となる場合がある。
【0004】
一方、ドクタブレードを現像スリーブの下方に配置した場合で、縦型一方向循環方式の例としては、特許文献3に開示されている構成が知られている。
この構成では、下方に供給スクリュ、上方に回収スクリュを配置し、下方から搬送した現像剤を2段現像ローラ構成で上方に搬送し、上部の現像スリーブ上から分離することで一方向循環の上方搬送を担うこととしている。
すなわち、特許文献1に記載の構成のように、スクリュ端部の受け渡し部でスクリュ部の剤圧を上げることで行っていた上部搬送を行わないようにし、現像剤に与えるストレスを低減可能な現像システムとなっている。
【0005】
ドクタブレードを現像スリーブ下方に配置した一方向循環方式において、図18に示すように、上方に位置する回収スクリュ54の剤嵩は、現像ローラ51から分離した現像剤が回収されるため、現像剤搬送方向下流側に行くに従い高くなる。
回収スクリュ54において、現像剤嵩が高くなると、堆積した現像剤が、下方に位置する供給スクリュ53と、回収スクリュ54との間に設けられる仕切り部材と現像ローラ51との隙間から供給スクリュ側に流れ込み、一方向循環が成立せず、使用後のトナー濃度が低下した現像剤が直ぐに現像領域に搬送される現象(以下、「溢れ連れ周り現象」という)で画像濃度低下や濃度ムラ画像が発生する。
すなわち、ドクタブレードを現像スリーブ下方に配置した従来の縦型一方向循環方式の現像装置においては、回収スクリュ54の下流側ほど、溢れ連れ周りによる不具合画像が発生しやすい、という問題があった。
【0006】
また、この方式の現像装置において、供給スクリュ上の現像剤は、現像ローラ51に供給されるので搬送方向下流側に向かうに従って現像剤の量が減少していく。
現像剤の濃度、環境や経時劣化による現像剤の嵩の変動に伴い、供給スクリュ下流側で所定量の現像剤の嵩が確保できないと、現像ローラ51に現像剤が汲み上がらない「枯渇現象」が発生する。
この場合には像担持体上の潜像を現像することができないので、画像が欠けるなどの不具合が発生しやすい、という問題があった。
図18において、符号U1は現像剤を持ち上げる連通口を、U2は現像剤を落下させる連通口を、56はトナー補給口を示している。
【0007】
特許文献4には、トナー濃度を検出する透磁率センサを複数配置し、透磁率センサが配置されている箇所での現像剤量の違いに着目し、現像剤中の磁性キャリア量の変化を検出し、この変化に基づいて現像装置の傾きを判断する技術が開示されている。
現像装置が傾斜状態で配置されると、2箇所の透磁率センサの設置部位では夫々の箇所での現像剤量が変化する。そのため、攪拌搬送部材の回転によって生じる現像剤量も大きく変化するようになり、2箇所の透磁率センサの出力波形が大きく異なるようになる。
この2箇所の透磁率センサの出力波形の振幅情報に基づいて、傾き判別装置が作動し、現像装置の長手方向における水平方向の傾きを判別する、という内容である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、縦型一方向循環方式の現像装置においては、現像装置が傾斜していなくても現像剤の供給・回収機能の特性に基づいて溢れ連れ周り現象が発生したり、現像剤の濃度、環境や経時劣化による現像剤の嵩の変動により枯渇現象が発生する。
特許文献4に記載の技術は、現像装置の傾斜状態を検出することを目的としたものであり、上記問題を解消するための対策として適用することはできない。
また、判別装置の存在により構成の複雑化、コストアップを来たす問題も抱えている。
【0009】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、縦型一方向循環方式の現像装置における溢れ連れ周り現象や枯渇現象を簡易な構成で抑制でき、画質向上に寄与できる現像装置の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置であって、トナーとキャリアからなる現像剤を収容する現像剤収容ケース部材と、前記像担持体に対向し、該像担持体の静電潜像を可視像化するための現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の近傍に配置され、該現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤量規制部材と、前記現像剤担持体に対向して配置され、現像剤を混合攪拌しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第一搬送部材と、第一搬送部材を収納する第一搬送路と、前記現像剤担持体に対向して配置されているとともに第一搬送部材の上方に配置され、前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収し、前記現像剤担持体の長手方向に搬送する第二搬送部材と、第二搬送部材を収納する第二搬送路と、第一搬送路と第二搬送路とを仕切る分離部材と、第一搬送部材と第二搬送部材の前記長手方向における両端部に配置され、各搬送部材間での現像剤の受け渡しを可能とする連通口と、現像剤のトナー濃度を磁気的に検知する濃度センサと、トナーを補給するためのトナー補給口と、を備えた現像装置において、前記濃度センサが、前記現像剤収容ケース部材の少なくとも二つの異なる位置に配置され、前記濃度センサが配置される位置は、第一搬送路と第二搬送路のうちの少なくとも一方において、画像濃度の変化につながる現像剤の偏り状態を検知可能な位置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、現像装置を傾斜させずに、環境や経時劣化による現像剤の嵩の変動に伴い発生する枯渇現象や溢れ連れ周り現象の発生を防止しでき、現像装置の構成を複雑化すること無く良好な画質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の概要構成図である。
【図2】プロセスカートリッジの構成図である。
【図3】現像装置を示す図で、(a)は縦断面図、(b)はケーシング上部を取り除いた斜視図である。
【図4】現像装置を示す図で、(a)は現像ローラから回収スクリュへの現像剤の移動を示す平面図、(b)は装置正面図である。
【図5】現像装置におけるスクリュ間の循環構成を示す平面図である。
【図6】現像装置の現像剤搬送方向における縦断面図である。
【図7】現像装置の現像剤搬送方向と直交する方向における縦断面図である。
【図8】濃度センサの配置構成を示す現像装置の縦断面図である。
【図9】現像剤量と透磁率センサ70bの平均出力電圧との関係を示す実験特性図である。
【図10】現像剤量と透磁率センサ70aの平均出力電圧との関係を示す実験特性図である。
【図11】スクリュ回転数を固定して現像剤量を変えたときの画像濃度の変化を示す実験特性図である。
【図12】枯渇現象が起きたときの本実施形態の制御を行った場合の画像濃度の測定結果を示す特性図である。
【図13】溢れ連れ周り現象が起きたときの本実施形態の制御を行った場合の画像濃度の測定結果を示す特性図である。
【図14】第2の実施形態における濃度センサの配置構成を示す縦断面図である。
【図15】第3の実施形態における濃度センサの配置構成を示す縦断面図である。
【図16】第4の実施形態における濃度センサの配置構成を示す縦断面図である。
【図17】第5の実施形態における濃度センサの配置構成を示す縦断面図である。
【図18】従来の縦型一方向循環方式における問題点を説明するための現像装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
まず、図1乃至図8に基づいて第1の実施形態を説明する。図1及び図2にて、本実施形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す概要構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、中間転写ユニット10の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Bkが並設されている。なお、装置本体100に設置される4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2においては符号のアルファベット(Y、M、C、Bk)を省略して図示する。
【0014】
図2に示すように、作像部6は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の周囲に配設された帯電部4と、現像部としての現像装置5と、クリーニング部2等で構成されている(図1では現像装置5のみ表示している)。
感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われ、感光体ドラム1上に所望のトナー像が形成される。作像部6を構成する感光体ドラム1、帯電部4、現像装置5、クリーニング部2は、それぞれ、画像形成装置本体100に対して着脱自在に設置できるように構成されている。そして、それぞれが寿命に達したときに、新品のものに交換される。
本実施形態では、作像部6を構成する、感光体ドラム1、帯電部4、現像装置5、クリーニング部2を、それぞれ、単独のユニットとしたが、これらを一体化して、装置本体100に着脱自在に設置されるプロセスカートリッジとすることもできる。その場合、作像部6のメンテナンスを行う際の作業性が向上する。
【0015】
感光体ドラム1は、不図示の駆動部によって図2中の時計回り方向に回転駆動される。そして、帯電部4の位置で、感光体ドラム1の表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体ドラム1の表面は、不図示の露光部から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程)。
その後、感光体ドラム1の表面は、現像装置5との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される(現像工程)。その後、感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト8及び第1転写バイアスローラ9との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程)。
このとき、感光体ドラム1上には、僅かながら未転写トナーが残存する。その後、感光体1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって回収される(クリーニング工程)。
【0016】
最後に、感光体ドラム1の表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、4つの作像部6Y、6M、6C、6Bkで、それぞれ行われる。すなわち、図1に示すように、作像部の下方に配設された不図示の露光部から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部6Y、6M、6C、6Bkの感光体ドラム上に向けて照射される。
詳しくは、露光部は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0017】
4つの1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y、9M、9C、9Bkの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0018】
各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。
中間転写ベルト8上に形成されたカラートナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の被転写材P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、被転写材Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
中間転写ベルト上に残存する未転写トナーは、図示せぬクリーニングユニットによって除去されることで初期状態に復帰する。
こうして、中間転写ベルト8上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
【0019】
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された被転写材Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の被転写材Pが複数枚重ねて収納されている。給紙ローラ27が図1中の反時計回り方向に回転駆動されると、一番上の被転写材Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28に搬送された被転写材Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、被転写材Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして被転写材P上に所望のカラー画像が転写される。
【0020】
2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された被転写材Pは、定着部20の位置に搬送される。ここで定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が被転写材P上に定着される。その後、被転写材Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図1に示すように、中間転写ユニット10の上方には、トナーボトルユニット31が設けられており、各トナーボトルは各現像装置に図示しないトナー供給手段を介して接続されている。トナー補給が必要な場合にはトナーボトルが回転駆動されて後述するトナー補給口56を介して補給される。
【0021】
次に、現像装置の構成・動作について詳しく説明する。
現像装置5は、図3に示すように、感光体ドラム1に対向する現像剤担持体としての現像ローラ51と、現像ローラ51の下方に設置された現像剤規制部材としてのドクタブレード52と、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を収容した現像剤収容ケース部材50と、現像剤収容ケース部材50に形成された第一搬送路59及び第二搬送路58と、第一搬送路59に収納された第一搬送部材としての供給スクリュ53と、第二搬送路58に収納された第二搬送部材としての回収スクリュ54とを備えている。
供給スクリュ53は、現像ローラ51に対向して配置され、現像剤を混合撹拌しながら現像ローラ51に現像剤を供給する。回収スクリュ54は、供給スクリュ53の上方において現像ローラ51に対向して配置され、現像ローラ51から離脱した現像剤を回収する。
【0022】
現像ローラ51は、内部に固設された柱状のマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成されている。現像ローラ51のマグネットには、P1極〜P5極の5つの磁極が形成されている。5つの磁極が形成されたマグネットの周囲をスリーブが回転することで、その回転に伴い現像剤が現像ローラ51上を移動することになる。なお、図3(a)の現像ローラ51に付した放射状の線分は、P1極〜P5極のそれぞれの磁力がピークになる位置を示すものである。
【0023】
現像剤収容ケース部材50には、ポリエステル樹脂を主成分とするトナーと磁性微粒子であるキャリアとを、トナー濃度7Wt%に均一混合した現像剤が一定量充填されている。並列に配置した供給スクリュ53と回収スクリュ54とを600〜800rpmで回転させることによって補給後のトナー攪拌と搬送を同時に行い、トナーとキャリアの均一混合と帯電付与を行っている。
トナーの補給は、図3(b)に示すように、回収スクリュ54の搬送方向上流側に設けられたトナー補給口56から行われる。
均一混合された現像剤は、現像ローラ51に近接して平行に設けられた供給スクリュ53より現像ローラ51に内包されたマグネット55のP4、P5磁力によってスリーブ外周部の表面に搬送される。
【0024】
現像ローラ51が図中矢印の通り回転することによって感光体ドラム1と現像ローラ51とによって作られる現像領域に運ばれ、図示しない高圧電源による現像電界を形成することによってトナーが感光体ドラム上の潜像を現像する。現像後の現像剤は現像ローラ51の回転に伴って第二搬送路58内に回収されるようになっており、第一搬送路59と第二搬送路58とを仕切る分離部材57を介して回収スクリュ54に回収される。
【0025】
図4は、本実施形態の現像装置5を示す図である。図4(a)は図3の矢印A方向から見た平面図で、現像剤収容ケース部材の上面を取り除いた状態を示している。図4(b)は現像装置5の正面図である。
図4(a)における複数の矢印は、現像ローラ51から回収スクリュ54への現像剤の流れを示している。
【0026】
図5は、供給スクリュ53と回収スクリュ54間の現像剤の流れを示している。
スクリュ端の現像剤受け渡し領域である連通口U1及びU2では上段と下段の搬送路が上下に連通している。連通口U2では上段から下段へ、連通口U1では下段から上段へ現像剤が搬送されるようになっている(図6参照)。
連通口におけるスクリュの形状はパドルや逆巻きのスクリュを設けており、搬送方向に対して垂直方向への搬送能力を持たせている。
図6は、現像剤収容ケース部材50内における現像剤Gの堆積の様子を示す概略図である。供給スクリュ53にて攪拌搬送を行いつつ現像ローラ51に現像剤供給を行い、回収スクリュ54によりすべて回収する方式を取っているため、現像剤の堆積状態が斜めになる。
【0027】
すなわち、供給スクリュ53中の現像剤量が下流方向に向って減少する。供給スクリュ53の径、ピッチと回転数とから求まる現像剤搬送量能力:Wmと、現像ローラ51上の現像剤搬送量:Wsの関係が、Wm>Wsとなる場合に現像剤が一様に現像ローラ51上に搬送されるようになる。この条件が成立しないと供給スクリュ53の下流側において現像剤が不足してしまい、現像ローラ51への現像剤の供給が不可能となってしまう。
図7は、現像装置の現像剤搬送方向と直交する方向での断面図である。
同図に示す通り、回収スクリュ54と供給スクリュ53とによる縦2軸搬送構成で、現像ローラ51の下部にドクタブレード52を設ける方式となっている。
【0028】
この方式では、現像装置の上部に転写部材としての中間転写ベルト8を設ける構成において、現像に使用した現像剤を供給路としての第一搬送路59に戻さない現像剤一方向循環を実現している。また、感光体ドラム1に対し現像ローラ51が順方向に回転する現像方式である、いわゆるウィズ現像を成立させることができる。
回収スクリュ54の回転中心は現像ローラ51の略左斜め下に位置している。回収スクリュ54と現像ローラ51との間に現像剤分離部材57を設けることで、現像ローラ51から剥離する現像剤が回収スクリュ上の補給トナー及びトナーの多い現像剤に混合される。
【0029】
回収スクリュ54の回転方向を図示の通りとすることで、第二搬送路58における現像剤の嵩の偏りを制御することができる。トナーの多い現像剤に対し、現像ローラ51から剥離されるトナー消費された現像剤が、嵩の低い側に覆いかぶさるように混合され、さらに攪拌されることで効率の良いトナー分散、帯電効果が得られる。
現像ローラ51からの現像剤分離力は、内包するマグネット55のP3、P4極を同極配置して反発力を作用させ、且つスリーブ回転による遠心力を加えることによって与えている。
本実施形態では矢印gの方向に分離される。また分離部材57はその先端が現像ローラ51から現像剤が剥離する剥離ポイントより若干回転方向下流に配置されている。これにより、現像ローラ51から剥離した現像剤を捕集し、回収スクリュ54に取り込むことができる。
【0030】
図8に示すように、本実施形態の現像装置5では、第一濃度センサとしての透磁率センサ70bを供給スクリュ53の下流側に配置し、第二濃度センサとしての透磁率センサ70aを回収スクリュ54の下流側に配置している。
具体的には、長手方向に330mmの長さを有する第一搬送路59、第二搬送路58において、第二搬送路58の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から80mm上流側の位置に透磁率センサ70aを配置し、第一搬送路59の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から70mm上流側の位置に透磁率センサ70bを配置している。
【0031】
透磁率センサ70a、70bの検知データは制御手段80に出力される。制御手段80の図示しないメモリには、上述した枯渇現象や溢れ連れ周り現象が生じていない状態での、透磁率センサ70a、70bの平均出力電圧値が予め記憶されている。
例えば、現像装置5内の現像剤のトナー濃度が7[wt%]、現像装置5内の現像剤量が275[g]のときの、透磁率センサ70a、70bの平均出力電圧値は3[V]である。
【0032】
上述した通り、供給スクリュ53の下流側では、環境や経時劣化による現像剤の嵩変動に伴い、枯渇現象が起き易く、透磁率センサ70bが配置されている場所での現像剤量が少なくなる。そうすると、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも低下する。
現像装置5内の現像剤のトナー濃度を7[wt%]にしたまま、現像剤量を減少させたときの、透磁率センサ70bの平均出力電圧値を測定した結果を図9に示す。図9から明らかなように、現像剤量が減少するにつれて、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が減少する結果が得られた。
この結果から、透磁率センサ70bの位置の現像剤が減少すると、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が減少するということが分かる。
【0033】
透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも低下した場合、トナー補給口56からトナーを補給して現像装置5内の現像剤量を増やし、枯渇現象が起きない剤面高さを確保する制御を行う。
この制御は、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値に戻るまで行われる。
トナーを補給して現像装置5内の現像剤量を増やし、枯渇現象が起きない剤面高さを確保する制御を行ったとき、現像装置5内のトナー濃度が上昇する虞があるので、上記制御とともに現像バイアスVbを下げる制御を行えばより好ましい濃度で潜像を現像できる。
【0034】
一方、回収スクリュ54の下流側では、上述のように溢れ連れ周り現象が起き易く、透磁率センサ70aが配置されている場所での現像剤量が多くなる。
そうすると、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも上昇する。
現像装置5内の現像剤のトナー濃度を7[wt%]にしたまま、現像剤量を増加させたときの、透磁率センサ70aの平均出力電圧値を測定した結果を図10に示す。
図10から明らかなように、現像剤量が増加するにつれて、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が増加する結果が得られた。この結果から、透磁率センサ70aの位置の現像剤が増加すると、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が増加するということが分かる。
【0035】
透磁率センサ70aの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも上昇した場合、トナーを補給せず現像装置5内の現像剤量を減らす制御を行う。
透磁率センサ70aが配置されている場所での現像剤嵩を下げれば、溢れ連れ周り現象の発生を抑制することができる。この制御も、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値に戻るまで行われる。
トナーを補給せず現像装置5内の現像剤量を減らし、透磁率センサ70aが配置されている場所での現像剤嵩を下げる制御を行ったとき、現像は行われているがトナーは補給されないので、現像装置5内の現像剤のトナー濃度は低下してしまう。従って、上記制御とともに現像バイアスVbを上げる制御を行えばより好ましい濃度で潜像を現像できる。
【0036】
透磁率センサ70bの平均出力電圧値が、予め記憶されている電圧値よりも低下した場合、トナーを補給する制御に代えてスクリュの回転数を上げる制御を行ってもよい。
すなわち、スクリュ回転数を上げて、透磁率センサ70bが配置されている場所へ現像剤供給不足とならないように現像装置5内の現像剤を循環させるという制御を行えば、枯渇現象を抑制することができる。
【0037】
現像装置5で、供給スクリュ53、回収スクリュ54の回転数を620rpmに固定して、現像剤量を350、275、225[g]と振ったときの(F)、(C)、(R)の画像濃度を図11に示す。
ここで、Fは、図8における現像装置の左側領域を、Cは中央領域を、Rは右側領域を示している。
現像剤量が225[g]の場合は、現像剤が少ないので現像ローラ51に現像剤が汲み上がらず、画像のF側で枯渇現象が起きていることが分かる。
現像剤量が350[g]の場合は、画像のR側の画像濃度が低下しており、現像剤が回収スクリュ54の下流側で多くなり溢れ連れ周り現象が起きていることが分かる。
【0038】
以下に本実施形態における制御の実施例を説明する。
現像剤量が225[g]のとき、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が2[V]と検出された。この検出結果に基づいてトナー補給を行う制御を実行した。そのときのF、C、Rの画像濃度を図12に示す。このとき、F側は画像濃度が低下しておらず、枯渇現象を抑制することができた。この結果は画像濃度を適切にするため、通常現像バイアスを400[V]にしているが、300[V]に調整して実験を行った結果である。
現像剤量が225[g]のとき、トナーを補給せずに、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が2[V]と検出された。この検出結果に基づいて供給スクリュ53、回収スクリュ54の回転数を620[rpm]から800[rpm]に上げたときの画像濃度について同じく図12に示す。
この場合も、F側は、画像濃度が低下しておらず、枯渇現象を抑制することができた。スクリュの回転数を上げるという制御を行う場合は、現像バイアスを調整していない。
【0039】
現像剤量が350[g]のとき、透磁率センサ70aの平均出力電圧値が4.5[V]と検出された。この検出結果に基づいてトナー補給を停止する制御を行い、そのときのF、C、Rの画像濃度を図13に示す。
R側は画像濃度が低下しておらず、溢れ連れ周り現象を抑制することができた。この結果は画像濃度を適切にするため、通常現像バイアスを400[V]にしているが、500[V]に調整して実験を行った結果である。
【0040】
透磁率センサ70bの平均出力電圧値と、トナー補給量との関係、透磁率センサ70bの平均出力電圧値と、スクリュの回転数との関係、透磁率センサ70aの平均出力電圧と現像剤量との関係は予め実験により求められ、制御テーブルとして記憶されている。制御手段80はこの制御テーブルに基づいてトナー補給を行う。
【0041】
以上のように、本発明によれば、現像装置5を傾斜させずに、環境や経時劣化による現像剤の嵩の変動に伴い発生する枯渇現象や溢れ連れ周り現象の発生を防止しでき、現像装置5を複雑化すること無く良好な画質を維持することができる。
【0042】
図14、図15に、それぞれ第2、第3の実施形態を示す。上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
図14に示す現像装置5では、透磁率センサ70aを供給スクリュ53から回収スクリュ54へ現像剤を重力方向に逆らうように搬送する、すなわち持上げ搬送する連通口U1付近に配置し、もう一つの透磁率センサ70bを枯渇現象が生じ易い供給スクリュ53下流側に配置している。
具体的には、第一搬送路59において、現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から上流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70aを配置し、現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から70[mm]の位置に透磁率センサ70bを配置した。
【0043】
図15に示す現像装置5では、透磁率センサ70aを持上げ搬送する連通口U1付近に配置し、もう一つの透磁率センサ70bを溢れ連れ周り現象が生じ易い回収スクリュ54の下流側に配置している。
具体的には、第一搬送路59において、第一搬送路59の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から上流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70aを配置し、第二搬送路58において、第二搬送路58の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から70[mm]の位置に透磁率センサ70bを配置した。
【0044】
図14、図15に示すように、透磁率センサ70aを持上げ搬送する連通口U1付近に配置する利点は、以下の通りである。
すなわち、供給スクリュ53から回収スクリュ54へ現像剤を受け渡す連通口U1付近は現像剤を持ち上げ搬送するため、現像剤が滞留していて現像剤の量が多い状態である。
このため、現像剤の高さが変化することに起因する見かけ上の透磁率の変化の影響を抑制することができるので、他の位置に透磁率センサを配置した構成に比べて現像装置5内の現像剤のトナー濃度を安定して正確に検出できる。
【0045】
図8に示した構成では、枯渇現象や溢れ連れ周り現象が生じていない状態での透磁率センサの平均出力電圧値を、画像形成装置の制御手段80のメモリに記憶させておく必要があったが、図14、図15に示す構成では、透磁率センサ70aが現像装置5内の現像剤のトナー濃度を安定して正確に検出できるので、透磁率センサの平均出力電圧値を記憶させておく必要が無い。
透磁率センサ70aは、現像装置5内のトナー濃度を正確に検出するだけでなく、透磁率センサ70bの出力電圧値と比較して、枯渇現象や溢れ連れ周り現象を抑制するための制御をするための基準となる働きもする。
【0046】
図14に示す現像装置5では、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が透磁率センサ70aの平均出力電圧値と比較して低下したら、枯渇現象が起きているということを示すので、先述したようにトナーを補給する、またはスクリュ回転数を上げるという制御を行い、枯渇現象が起きない剤面高さを確保すれば良い。
図15に示す現像装置5では、透磁率センサ70bの平均出力電圧値が透磁率センサ70aの平均出力電圧値と比較して上昇したら、溢れ連れ周り現象が起きているということを示すので、先述したようにトナーを補給せず溢れ連れ周り現象が起きている箇所での現像剤嵩を下げるという制御を行えば良い。
【0047】
以上の制御は透磁率センサ70bの平均出力電圧値が透磁率センサ70aの平均出力電圧値に戻るまで行えば良い。
なお、現像剤が充満している領域内であっても連通口U1が設けられた位置以外の位置に透磁率センサ70aを配置することが望ましい。これは以下の理由による。
持上げ搬送する連通口U1の下方に透磁率センサ70aを配置した場合は、連通口U1よりも更に上方にある第二搬送路58内の現像剤まで検出範囲となることがある。現像装置5内での現像剤の嵩が変化したとき、透磁率センサ70aの検出範囲が第二搬送路58の現像剤まで含まれると、トナー濃度を正確に検出することができなくなるためである。
また、連通口U1が形成された位置では現像剤が連通口U1から第二搬送路58に移動可能であるため、現像剤内での圧力が逃げ、現像剤の密度が疎になり易い。このため、連通口U1が設けられた位置以外の、連通口U1近傍に透磁率センサ70aを配置することが望ましい。
【0048】
現像装置5内の現像剤のトナー濃度が7[wt%]、現像装置5内の現像剤量が275[g]のときの、透磁率センサ70aの平均出力電圧値は3[V]である。
この平均出力電圧値を基準にして透磁率センサ70bの平均出力電圧値の増減により、枯渇現象、または溢れ連れ周り現象を検出し、それらを抑制するような制御を行う。これらの実験結果は、図8の構成で実験した結果と同様であった。
【0049】
図16、図17に、それぞれ第4、第5の実施形態を示す。
図16に示す現像装置5では、透磁率センサ70aを回収スクリュ54から供給スクリュ53へ現像剤を重力方向に沿うように搬送する、すなわち持下げ搬送する連通口U2付近に配置し、もう一つの透磁率センサ70bを枯渇現象が生じ易い供給スクリュ53の下流側に配置している。
具体的には、第一搬送路59において、第一搬送路59の現像剤搬送方向における上流側端部の壁面から下流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70aを配置し、第一搬送路59の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から上流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70bを配置した。
【0050】
図17に示す現像装置5では、透磁率センサ70aを持下げ搬送する連通部U2付近に配置し、もう一つの透磁率センサ70bを溢れ連れ周り現象が生じ易い回収スクリュ54の下流側に配置している。
具体的には、第一搬送路59において、第一搬送路59の現像剤搬送方向における上流側端部の壁面から下流側に40[mm]の位置に透磁率センサ70aを配置し、第二搬送路58において、第二搬送路58の現像剤搬送方向における下流側端部の壁面から上流側に70[mm]の位置に透磁率センサ70bを配置した。
【0051】
図16、図17に示すように、透磁率センサ70aを持下げ搬送する連通口U2付近に配置する利点は以下の通りである。
回収スクリュ54から供給スクリュ53へ現像剤を持下げ搬送する連通口U2付近は現像剤が現像ローラ51に供給されておらず現像剤が滞留していて現像剤の量が多い状態である。
このため、現像剤の高さが変化することに起因する見かけ上の透磁率の変化の影響を抑制することができるので、他の位置に透磁率センサを配置した構成に比べて現像装置5内の現像剤のトナー濃度を安定して正確に検出できる。
【0052】
図16、図17に示す構成では、図14、図15に示した構成と同様に、透磁率センサ70aが現像装置5内の現像剤のトナー濃度を安定して正確に検出できるので、透磁率センサの平均出力電圧値を記憶させておく必要が無い。
透磁率センサ70aは、現像装置5内のトナー濃度を正確に検出するだけでなく、透磁率センサ70bの出力電圧値と比較して、枯渇現象や溢れ連れ周り現象を抑制するための制御をするための基準となる働きもする。
透磁率センサ70bの平均出力電圧値が透磁率センサ70aの平均出力電圧値と比較して低下、または上昇した後の制御方法は図14、図15に示した構成の場合と同じである。
なお、現像剤が充満した領域内であっても連通口U2が形成された位置以外の位置に透磁率センサ70aを配置することが望ましい。これは先述した連通口U1の理由と同様である。
【0053】
現像装置5内の現像剤のトナー濃度が7[wt%]、現像装置5内の現像剤量が275[g]のときの、透磁率センサ70aの平均出力電圧値は3[V]である。
この平均出力電圧値を基準にして透磁率センサ70bの平均出力電圧値の増減により枯渇現象、または溢れ連れ周り現象を検出し、それらを抑制するような制御を行う。これらの実験結果も、図8の構成で実験した結果と同様であった。
【符号の説明】
【0054】
1 像担持体としての感光体ドラム
5 現像装置
50 現像剤収容ケース部材
51 現像剤担持体としての現像ローラ
52 現像剤量規制部材としてのドクタブレード
53 第一搬送部材としての供給スクリュ
54 第二搬送部材としての回収スクリュ
56 トナー補給口
57 分離部材
58 第二搬送路
59 第一搬送路
70a、70b 濃度センサ
G 現像剤
U1、U2 連通口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開平05−333691号公報
【特許文献2】特開平11−174810号公報
【特許文献3】特許第3950735号公報
【特許文献4】特開2008−40227号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置であって、
トナーとキャリアからなる現像剤を収容する現像剤収容ケース部材と、
前記像担持体に対向し、該像担持体の静電潜像を可視像化するための現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の近傍に配置され、該現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤量規制部材と、
前記現像剤担持体に対向して配置され、現像剤を混合攪拌しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第一搬送部材と、
第一搬送部材を収納する第一搬送路と、
前記現像剤担持体に対向して配置されているとともに第一搬送部材の上方に配置され、前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収し、前記現像剤担持体の長手方向に搬送する第二搬送部材と、
第二搬送部材を収納する第二搬送路と、
第一搬送路と第二搬送路とを仕切る分離部材と、
第一搬送部材と第二搬送部材の前記長手方向における両端部に配置され、各搬送部材間での現像剤の受け渡しを可能とする連通口と、
現像剤のトナー濃度を磁気的に検知する濃度センサと、
トナーを補給するためのトナー補給口と、
を備えた現像装置において、
前記濃度センサが、前記現像剤収容ケース部材の少なくとも二つの異なる位置に配置され、前記濃度センサが配置される位置は、第一搬送路と第二搬送路のうちの少なくとも一方において、画像濃度の変化につながる現像剤の偏り状態を検知可能な位置であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、
前記濃度センサは、第一搬送経路の下流側に配置された第一濃度センサと、第二搬送経路の下流側に配置された第二濃度センサとからなることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の現像装置において、
前記濃度センサは、第一搬送経路の下流側に配置された第一濃度センサと、第一濃度センサよりも更に第一搬送経路の下流側に配置された第二濃度センサとからなることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の現像装置において、
第一濃度センサの平均出力電圧値が、第二濃度センサの平均出力電圧値よりも低いときにトナーを補給することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の現像装置において、
第一搬送部材と第二搬送部材とがスクリュであり、第一濃度センサの平均出力電圧値が、第二濃度センサの平均出力電圧値よりも低いときに第一搬送部材と第二搬送部材の回転数を上げることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の現像装置において、
第二濃度センサの平均出力電圧値が、第一濃度センサの平均出力電圧値よりも高いときにはトナーを補給しないことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1に記載の現像装置において、
前記濃度センサは、第一搬送経路の上流側に配置された第一濃度センサと、第一搬送経路の下流側に配置された第二濃度センサとからなることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の現像装置において、
第二濃度センサの平均出力電圧値が、第一濃度センサの平均出力電圧値よりも低いときにトナーを補給することを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の現像装置において、
第一搬送部材と第二搬送部材とがスクリュであり、第二濃度センサの平均出力電圧値が、第一濃度センサの平均出力電圧値よりも低いときに第一搬送部材と第二搬送部材の回転数を上げることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項1に記載の現像装置において、
前記濃度センサは、第一搬送経路の上流側に配置された第一濃度センサと、第二搬送経路の下流側に配置された第二濃度センサとからなることを特徴とする現像装置。
【請求項11】
請求項10に記載の現像装置において、
第二濃度センサの平均出力電圧値が、第一濃度センサの平均出力電圧値よりも高いときにはトナーを補給しないことを特徴とする現像装置
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の現像装置を具備したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の現像装置又は請求項12に記載のプロセスカートリッジを有していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
像担持体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置であって、
トナーとキャリアからなる現像剤を収容する現像剤収容ケース部材と、
前記像担持体に対向し、該像担持体の静電潜像を可視像化するための現像剤を担持して搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の近傍に配置され、該現像剤担持体に担持された現像剤の量を規制する現像剤量規制部材と、
前記現像剤担持体に対向して配置され、現像剤を混合攪拌しながら前記現像剤担持体に現像剤を供給する第一搬送部材と、
第一搬送部材を収納する第一搬送路と、
前記現像剤担持体に対向して配置されているとともに第一搬送部材の上方に配置され、前記現像剤担持体から離脱した現像剤を回収し、前記現像剤担持体の長手方向に搬送する第二搬送部材と、
第二搬送部材を収納する第二搬送路と、
第一搬送路と第二搬送路とを仕切る分離部材と、
第一搬送部材と第二搬送部材の前記長手方向における両端部に配置され、各搬送部材間での現像剤の受け渡しを可能とする連通口と、
現像剤のトナー濃度を磁気的に検知する濃度センサと、
トナーを補給するためのトナー補給口と、
を備えた現像装置において、
前記濃度センサが、前記現像剤収容ケース部材の少なくとも二つの異なる位置に配置され、前記濃度センサが配置される位置は、第一搬送路と第二搬送路のうちの少なくとも一方において、画像濃度の変化につながる現像剤の偏り状態を検知可能な位置であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、
前記濃度センサは、第一搬送経路の下流側に配置された第一濃度センサと、第二搬送経路の下流側に配置された第二濃度センサとからなることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の現像装置において、
前記濃度センサは、第一搬送経路の下流側に配置された第一濃度センサと、第一濃度センサよりも更に第一搬送経路の下流側に配置された第二濃度センサとからなることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の現像装置において、
第一濃度センサの平均出力電圧値が、第二濃度センサの平均出力電圧値よりも低いときにトナーを補給することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の現像装置において、
第一搬送部材と第二搬送部材とがスクリュであり、第一濃度センサの平均出力電圧値が、第二濃度センサの平均出力電圧値よりも低いときに第一搬送部材と第二搬送部材の回転数を上げることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の現像装置において、
第二濃度センサの平均出力電圧値が、第一濃度センサの平均出力電圧値よりも高いときにはトナーを補給しないことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1に記載の現像装置において、
前記濃度センサは、第一搬送経路の上流側に配置された第一濃度センサと、第一搬送経路の下流側に配置された第二濃度センサとからなることを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項7に記載の現像装置において、
第二濃度センサの平均出力電圧値が、第一濃度センサの平均出力電圧値よりも低いときにトナーを補給することを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の現像装置において、
第一搬送部材と第二搬送部材とがスクリュであり、第二濃度センサの平均出力電圧値が、第一濃度センサの平均出力電圧値よりも低いときに第一搬送部材と第二搬送部材の回転数を上げることを特徴とする現像装置。
【請求項10】
請求項1に記載の現像装置において、
前記濃度センサは、第一搬送経路の上流側に配置された第一濃度センサと、第二搬送経路の下流側に配置された第二濃度センサとからなることを特徴とする現像装置。
【請求項11】
請求項10に記載の現像装置において、
第二濃度センサの平均出力電圧値が、第一濃度センサの平均出力電圧値よりも高いときにはトナーを補給しないことを特徴とする現像装置
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の現像装置を具備したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1つに記載の現像装置又は請求項12に記載のプロセスカートリッジを有していることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−105037(P2013−105037A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248905(P2011−248905)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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