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現像装置、画像形成装置、及び現像剤の帯電方法
説明

現像装置、画像形成装置、及び現像剤の帯電方法

【課題】より安定なトナー層を形成することで画像の画質悪化を防止する。
【解決手段】回転する現像剤担持体201と、現像剤208を所定極性に帯電させて、現像剤を現像剤担持体の表面に吸着させる現像剤帯電部材204と、現像剤担持体の表面に吸着した現像剤の厚さを規制する層厚規制部材203とを備え、現像剤担持体及び現像剤帯電部材の一方が導電性であり、他方が導電性の芯205及び芯を被覆する絶縁膜206を有し、現像剤帯電部材は、層厚規制部材よりも現像剤担持体の回転方向の上流に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ及び複合機等で用いられる現像装置、この現像装置を備える画像形成装置、及び現像装置における現像剤の帯電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、帯電、露光、現像、転写、定着及びクリーニングの各工程を経て画像が形成される。そのうち、現像工程では、感光体ドラムに形成された静電潜像を、現像ローラから供給される現像剤により現像して、トナー像を得る。小型で安価な画像形成装置では、現像剤である非磁性一成分トナーを担持する現像ローラを感光体ドラムに接触させる現像装置が多く用いられる。
【0003】
現像装置の一つとして、現像ローラの他に、トナー帯電ローラ(以下、単に帯電ローラとも称する。)及び層厚規制部材を備えるものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。帯電ローラは現像ローラに接触するように設けられ、帯電ローラの回転により現像ローラにトナーを供給する。一般に、帯電ローラは現像ローラと同じ方向に回転する。これにより、接触部付近で、帯電ローラと現像ローラとは反対方向に移動するので、この接触部付近には強いずれ応力が生じる。その結果、接触部付近で、トナーは機械的に強く摩擦されて帯電する。帯電ローラは、トナーの帯電で主要な役割を果たす。層厚規制部材は、現像ローラにトナー層を介して接触するように設けられ、このトナー層を適切な厚みに調整するとともに、摩擦によりトナーを帯電させる。層厚規制部材は、トナーの帯電で補助的な役割を果たす。放電によりトナーを帯電させるため、また帯電トナーを現像ローラ表面に静電力で吸着させるために、帯電ローラ及び層厚規制部材のそれぞれは、現像ローラに対して所定の電位に保たれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−119546号公報
【特許文献2】特開平9−274380号公報
【特許文献3】特開昭57−6856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1〜3では、層厚規制部材が現像ローラの回転方向に関して帯電ローラよりも上流側に配置されている。
【0006】
この位置関係により、現像ローラ上のトナーは、始めに層厚規制部材で帯電され、次いで帯電ローラで帯電される。層厚規制部材による帯電は補助的なので、現像ローラに対するトナーの吸着力は十分でない。このため、高電圧の印加を伴う帯電ローラでの帯電時に、現像ローラ表面からトナーが失われる場合がある。すなわち、帯電ローラでの帯電時に、トナーが、放電により現像ローラから飛散したり、現像ローラから剥離して帯電ローラへと付着したりする。このように、特許文献1〜3の技術では、現像ローラ上のトナー層の安定性が低く、画像の画質が良好でない場合がある。
【0007】
発明者等は、鋭意検討の結果、現像ローラの回転方向に関して、層厚規制部材を帯電ローラよりも下流側に設ければ、上述の問題を解決できることに想到した。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものである。従って、この発明の目的は、現像ローラ表面に、より安定なトナー層を形成することで画像の画質悪化を防止する現像装置、画像形成装置及び現像剤の帯電方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の現像装置は、回転する現像剤担持体と、現像剤帯電部材と、層厚規制部材とを備えている。現像剤帯電部材は、現像剤を所定極性に帯電させて、この現像剤を現像剤担持体の表面に吸着させる。層厚規制部材は、現像剤担持体の表面に吸着した現像剤の厚さを規制する。そして、現像剤担持体及び現像剤帯電部材の一方が導電性であり、他方が導電性の芯及び該芯を被覆する絶縁膜を有している。また、現像剤帯電部材は、層厚規制部材よりも現像剤担持体の回転方向の上流に設けられている。
【0010】
また、この発明の画像形成装置は、上述の現像装置を備えている。
【0011】
さらに、この発明の現像剤の帯電方法は、回転する現像剤担持体と現像剤帯電部材と層厚規制部材とを備え、現像剤担持体及び現像剤帯電部材の一方が導電性であり、他方が導電性の芯及び該芯を被覆する絶縁膜を有する現像装置で実施される。
【0012】
この帯電方法は、現像剤吸着工程と、厚さ規制工程とを備える。現像剤吸着工程では、現像剤を所定極性に帯電させて現像剤担持体の表面に吸着させる。厚さ規制工程では、現像剤担持体の表面に吸着した現像剤の厚さを規制する。そして、厚さ規制工程が、現像剤吸着工程よりも後に行われる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の現像装置及び画像形成装置では、現像剤帯電部材を層厚規制部材よりも現像剤担持体の回転方向の上流に設けるので、現像剤担持体の表面に、より安定な現像剤の層を形成できる。その結果、現像剤の層からの現像剤の散逸を抑え、画像の画質悪化を防止できる。
【0014】
また、本発明の現像剤の帯電方法は、現像剤吸着工程後に厚さ規制工程を行うので、上述した現像装置及び画像形成装置と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の画像形成装置の模式図である。
【図2】第1実施形態の現像装置の模式図である。
【図3】第1実施形態において、現像剤の帯電過程の説明に供する模式図である。
【図4】第2実施形態の現像装置の模式図である。
【図5】第3実施形態の現像装置の模式図である。
【図6】第3実施形態において、現像剤の帯電過程の説明に供する模式図である。
【図7】第4実施形態の現像装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。なお、各図において各構成要素の形状、大きさ及び配置関係について、この発明が理解できる程度に概略的に示してある。また、以下、この発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。また、各図において、共通する構成要素には同符号を付し、その説明を省略することもある。
【0017】
(第1実施形態)
図1〜図3を参照して、第1実施形態の現像装置、画像形成装置及び現像剤の帯電方法について説明する。図1は、第1実施形態の画像形成装置の構造を模式的に示す模式図である。図2は、現像装置の構造を模式的に示す模式図である。図3は、現像剤の帯電過程の説明に供する模式図である。
【0018】
<画像形成装置>
まず、図1を参照して、画像形成装置について説明する。ここでは、画像形成装置としてプリンタ27を例示する。このプリンタ27は、現像剤として、正に帯電した絶縁性の非磁性一成分トナーを用いる。
【0019】
プリンタ27は、静電潜像担持体として機能し、図示しない駆動機構により回転する感光体ドラム1を備える。ここでは、感光体ドラム1の回転方向を時計回り方向(図1中、矢印Iで示す。)として説明する。そして、プリンタ27は、この感光体ドラム1の周囲に、回転方向に沿って順に、帯電装置4、露光装置10、現像装置200、転写ローラ14、及びクリーニングブレード5を備える。また、プリンタ27は、被転写媒体11の搬送方向(図中、矢印Aで示す。)に関して、感光体ドラム1よりも下流に定着器15を備える。さらに、プリンタ27は搬送系13を備える。
【0020】
帯電装置4、露光装置10、現像装置200、転写ローラ14、及びクリーニングブレード5のそれぞれは、感光体ドラム1と協働して、画像形成工程における帯電、露光、現像、転写、及びクリーニングの各工程を実施する。
【0021】
感光体ドラム1には、静電潜像、及びこの静電潜像にトナーが吸着したトナー像が形成される。感光体ドラム1は、導電性支持体と、この導電性支持体を被覆する光導電層とを備えて構成される。導電性支持体としては、例えばアルミニウムの円筒を用いる。また、光導電層としては、電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した有機系感光体を用いる。
【0022】
帯電装置4は、静電潜像の形成に先立ち、所定の帯電電圧を印加することで、感光体ドラム1の表面を一様に帯電する。この例では、帯電装置4は、金属製の回転軸とこの回転軸を被覆する弾性層とを備えるローラとして構成される。弾性層としては、例えば、半導電性エピクロロヒドリンゴム層を用いる。帯電装置4は、感光体ドラム1と反対方向(この例では、反時計回り方向)に回転する。この場合、感光体ドラム1と帯電装置4の最近接部では、感光体ドラム1と帯電装置4とは、同じ方向に移動する。
【0023】
露光装置10は、感光体ドラム1に静電潜像を形成する。露光装置10は、例えば、感光体ドラム1に対向して設けられるLED(Light Emitting Diode)アレイとして構成される。LEDアレイの個々のLEDを画像データに基づき選択的に発光させると、一様に帯電した感光体ドラム1の表面が、光照射に応じて選択的に導体化して電位が低下する。これにより、感光体ドラム1の表面に、画像データに応じて高電位領域と低電位領域とが分布した静電潜像が形成される。
【0024】
現像装置200は、現像剤であるトナーを所定極性(この実施形態では正)に帯電した上で、感光体ドラム1上の静電潜像に付着させ、トナー像を形成する。なお、現像装置200については後述する。
【0025】
転写ローラ14は、感光体ドラム1上のトナー像を、紙等の被転写媒体11に転写する。転写ローラ14は、感光体ドラム1に圧接されて、感光体ドラム1と反対方向に回転する。転写ローラ14には、図示しないケーブルを介して電源207から電圧が印加されている。これにより転写ローラ14は感光体ドラム1に対して所定の電位に保たれている。この電位を利用して、転写ローラ14はトナー像から被転写媒体11へとトナー208を転写する。
【0026】
クリーニングブレード5は、転写工程終了後に感光体ドラム1に付着する残留トナーを掻き取り、次の帯電工程に備えて感光体ドラム1の表面を清浄化する。
【0027】
搬送系13は、複数の搬送ローラ13a及び搬送経路を規定する搬送ガイド13bを備えている。搬送系13は、トナー像を担持した感光体ドラム1の回転にタイミングを合わせて、感光体ドラム1と転写ローラ14との接触部に被転写媒体11を供給する。さらに、搬送系13は、画像が形成された被転写媒体11をプリンタ27から排出する。
【0028】
定着器15は、被転写媒体11に転写されたトナー像を定着する定着工程を実施する。より詳細には、定着器15は、被転写媒体11上に転写されたトナー208を、加熱及び加圧により溶融し、被転写媒体11に定着させ、最終的な画像を形成する。定着器15は、互いに圧接された加熱ローラ15aと定着ローラ15bとを備える。加熱ローラ15aは、温度制御可能な熱源を備えたローラである。定着ローラ15bは、加熱ローラ15aに従動回転するローラである。加熱ローラ15aと定着ローラ15bとは、被転写媒体11に熱が移動しても温度低下しない熱容量を有する。
【0029】
この実施形態の非磁性一成分トナーとしては、粒子の直径が約10μmの黒色トナーを用いる。非磁性一成分トナーは、帯電したトナー208に働く静電力のみで、プリンタ27の構成要素間を輸送される。つまり、トナーの帯電極性に対して、現像ローラ201、感光体ドラム1及び転写ローラ14の電位を適切に設定することで、トナー208を、現像ローラ201、感光体ドラム1及び転写ローラ14の間で順次に輸送する。
【0030】
非磁性一成分トナーは、トナー粒子の内部に添加される内添剤、及びトナー粒子の外部に付着される外添剤を含んでいる。
【0031】
内添剤としては、例えば、熱可塑性樹脂、着色剤、荷電制御剤及び離形剤等が用いられる。熱可塑性樹脂は、トナーの主成分であり、加熱により溶融して被転写媒体11にトナー208を定着させる。熱可塑性樹脂としては、例えばスチレンアクリル樹脂やポリエステル樹脂等が用いられる。着色剤は、トナーを着色する成分である。黒色トナーには、カーボンブラックが用いられる。イエロー、シアン、マゼンダ及びブラックのカラートナーには、一般に、耐候性に優れた有機顔料が用いられる。
【0032】
荷電制御剤は、トナーの帯電性を改善するだけでなく、帯電性の立ち上がりや安定化を制御する。荷電制御剤は、画像形成に用いられるトナーの帯電極性の正負に応じて、正帯電性と負帯電性とに分類される。正帯電性の荷電制御剤としては、ニグロシン系や、4級アンモニウム塩系の化合物が用いられる。負帯電性の荷電制御剤としては、中心金属がクロム、鉄又はアルミニウムのアゾ系金属錯体やサリチル酸系金属錯体が用いられる。離形剤は、定着工程において、定着器15の加熱ローラ15aへのトナーの付着を抑制する。離形剤としては、低分子量のポリエチレンやポリプロピレン等が用いられる。
【0033】
また、トナーに添加される外添剤は、トナーの流動性や帯電性や保存安定性等を改善する。流動性を改善する流動化剤としては、シリカ、チタニア及びアルミナ等の無機微粒子が用いられる。帯電性を改善する荷電制御剤としては、高級脂肪酸金属塩等が用いられる。
【0034】
<現像装置>
次に、主に図2を参照して、この実施形態の画像形成装置が備える現像装置について説明する。
【0035】
現像装置200は、現像剤担持体である現像ローラ201と、現像剤帯電部材である現像剤帯電ローラ204と、層厚規制部材である層厚規制ブレード203とを備える。また、この実施形態では、現像装置200は電源207を備える。現像装置200を構成する現像ローラ201、現像剤帯電ローラ204及び層厚規制ブレード203は、トナー208とともにカートリッジ211に収容されている。
【0036】
現像ローラ201は、感光体ドラム1の表面に接触しながら、感光体ドラム1の反対方向(この実施形態では、反時計回り方向)に回転する。現像ローラ201から感光体ドラム1へとトナーを円滑に供給するために、現像ローラ201は感光体ドラム1に対して所定の電位に保たれている。この実施形態では、現像ローラ201として導電性の金属ローラを用いている。現像ローラ201を導電性とする場合には、導電性樹脂層を表面に備えるローラ等も用いられる。
【0037】
現像剤帯電ローラ204は、トナー208を、現像ローラ201と協働して所定極性に帯電させた上で、現像ローラ201の表面に静電力で吸着させる。現像剤帯電ローラ204は、導電性の芯205及び芯205を被覆する絶縁膜206を備える。芯205としては、例えば、ステンレス製のパイプが用いられる。
【0038】
絶縁膜206としては、例えば、厚みdが約20μmのポリエチレンテレフタレート(PET:Poly Ethylene Terephthalate)膜が用いられる。なお、絶縁膜206の厚みdは、1〜100μmであることが好ましい。厚みdが1μm以上であれば、絶縁膜206の絶縁破壊が抑制される。また、厚みdが100μm以下であれば、現像剤帯電ローラ204に対する現像ローラ201の電位ΔVを実用上許容できる大きさに抑えることができる。
【0039】
トナー208を効果的に帯電させるために、現像剤帯電ローラ204に対する現像ローラ201の電位は、電源207によりΔVに保たれている。ΔVは、現像ローラ201への印加電圧をVaとし、現像剤帯電ローラ204への印加電圧をVbとすると、Va−Vbで与えられる。この実施形態の場合は、ΔVは正の値となる。この実施形態では、トナーの帯電極性が正であるので、正のΔVが印加されている。この実施形態ではΔVは約+300Vである。
【0040】
なお、絶縁膜206は、現像剤帯電ローラ204ではなく、現像剤担持体である現像ローラ201に設けることもできる。ただし、この場合には、トナー208の帯電極性と、ΔVの符号との関係を、この実施形態とは逆にする必要がある。つまり、トナー208を正に帯電させる場合にはΔVを負(Va<Vb)とし、トナー208を負に帯電させる場合にはΔVを正(Va>Vb)とする必要がある。
【0041】
現像剤帯電ローラ204は、現像ローラ201の表面に、トナー208を介して接触するように設けられている。現像剤帯電ローラ204の現像ローラ201に対する圧着力は、例えば、約0.2N/cmとする。なお、現像剤帯電ローラ204の圧着力は、0.2N/cmには限られず、トナー208に付与すべき電荷量、摩擦によりトナー208に生じる劣化、及びΔVの大きさ等を勘案して、適切な値を選択できる。トナー208の劣化を抑える観点からは、圧着力を従来技術未満、すなわち1N/cm未満とすることが好ましい。また、圧着力を大きくした場合、トナー208はより強く摩擦されるので、トナー208に付与される電荷量が増加する。なお、層厚規制ブレード203の圧着力も同様である。
【0042】
圧着力が作用しているものの、現像剤帯電ローラ204の絶縁膜206の表面と、現像ローラ201の表面との間には1〜数層のトナー層が介在している。1個のトナー粒子の直径は3〜20μm程度なので、最近接部における両者の間隔tは3〜100μm程度である。この実施形態では、間隔tは約20μmとする。
【0043】
効果的なトナー208の供給及び帯電のために、現像剤帯電ローラ204は、カートリッジ211内に溜まるトナー208に一部埋没して配置され、さらに、現像ローラ201と同じ方向(この例では、反時計回り方向)に回転している。これにより、トナー208を、効率良く、上述の最近接部に供給して現像ローラ201と絶縁膜206との間に介在させ、両者201及び206の表面で摩擦して所定極性に帯電させる。
【0044】
層厚規制ブレード203は、現像ローラ201の表面に吸着したトナー208の厚さを規制するとともに、補助的にトナー208を帯電させる。層厚規制ブレード203は、現像装置200に固定された導電性の板状部材、例えば、ステンレス薄板である。層厚規制ブレード203は、現像ローラ201の回転方向に関して、現像剤帯電ローラ204よりも下流に設けられている。また、トナー208を帯電させるために、層厚規制ブレード203に対して現像ローラ201は、所定の電位に保たれている。
【0045】
層厚規制ブレード203は、現像ローラ201の表面にトナー208を介して接触するように設けられている。層厚規制ブレード203の現像ローラ201に対する圧着力は、例えば、約0.2N/cmとする。層厚規制ブレード203を現像ローラ201へ所定の圧着力で接触させることにより、層厚規制ブレード203は、トナー層を、現像、転写及び定着の各工程に適切な厚みに制御する。この適切な厚みは、トナー粒子の直径の2〜4倍程度の値である。
【0046】
電源207は、上述のように、現像ローラ201及び現像剤帯電ローラ204にそれぞれVa及びVbの定電圧を印加する。この実施形態では、Vaを約500Vとし、Vbを約200Vとする。その結果、現像剤帯電ローラ204に対する現像ローラ201の電位は正となる。これにより、現像剤帯電ローラ204は、トナー208を正に帯電させる。より詳細には、現像剤帯電ローラ204は、トナー208に約+20μC/gの電荷量を与える。なお、特に断らない限り、トナー208の電荷量の単位には、電子写真分野で一般的に用いられるμC/gを用いる。
【0047】
ところで、トナー208が正負の何れに帯電されるかは、電位ΔVの符号に依存する。この実施形態のように、現像ローラ201ではなく現像剤帯電ローラ204が絶縁膜206を備える場合、ΔVが正ならばトナー208は正に帯電し、ΔVが負ならばトナー208は負に帯電する。なお、現像剤帯電ローラ204がトナー208に付与する電荷量の好適値は、正帯電トナーを画像形成に用いる場合には10〜50μC/gである。また、負帯電トナーを画像形成に用いる場合には−50〜−10μC/gである。
【0048】
なお、層厚規制ブレード203を所定の電位に保つ構成については、図示と説明とを省略する。
【0049】
<現像剤の帯電方法>
次に、主に図2を参照して、この実施形態の現像装置における現像剤の帯電方法を、現像装置の動作とともに説明する。
【0050】
現像装置200においてトナー208を帯電するに当たり、現像剤吸着工程と厚さ規制工程とがこの順で行われる。
【0051】
現像剤吸着工程では、まず、現像ローラ201と同じ回転方向に回転する現像剤帯電ローラ204により、カートリッジ211のトナー溜まりから、現像ローラ201へと粉体状のトナー208が供給される。
【0052】
より詳細には、トナー208は、現像ローラ201と現像剤帯電ローラ204との間の最近接部付近に供給される。最近接部付近に供給されたトナー208は、現像剤帯電ローラ204の絶縁膜206と現像ローラ201との間に介在する。現像ローラ201と現像剤帯電ローラ204の最近接部における線速度v1及びv2は異なっているので、この速度差により、最近接部付近にはずれ応力が生じる。このずれ応力を利用して、最近接部付近において、現像ローラ201の表面と絶縁膜206の表面とでトナー208を摩擦して帯電させる。ところで、現像剤帯電ローラ204に対して、現像ローラ201は上述の電位ΔV(約+300V)に保たれているので、トナー208は正に帯電して、約+20μC/gの電荷を得る。その結果、トナー208は、静電力により現像ローラ201に吸着する。
【0053】
続いて行われる厚さ規制工程では、層厚規制ブレード203により、現像ローラ201に吸着したトナー208の厚みが適切な値に規制される。すなわち、層厚規制ブレード203は、現像ローラ201に約0.2N/cmの圧着力で押し付けられており、この圧着力により、現像ローラ201上の余分なトナー208を削り取る。これにより、現像ローラ201上のトナー208が、画像形成に適切な厚みに規制される。
【0054】
このようにして、電荷量と厚みとが適切に調整されたトナー208は、現像ローラ201の回転に連れて、感光体ドラム1と現像ローラ201との当接部に搬送される。当接部において、トナー208は、感光体ドラム1から、静電潜像の電位分布に応じた静電引力を受ける。その結果、帯電したトナー208は、現像ローラ201表面から脱離して、この電位分布に応じて感光体ドラム1に吸着され、静電潜像を現像する。
【0055】
<帯電メカニズム>
次に、主に図3を参照して、この実施形態の現像装置がトナーを帯電するメカニズムについて説明する。図3は、図1の最近接部付近における拡大図であり、現像ローラ201及び現像剤帯電ローラ204を、個々のトナー208及び正電荷とともに示している。
【0056】
まず、現像ローラ201及び現像剤帯電ローラ204の最近接部の間隔tにおける電界Eの大きさを求める。この電界Eは下記式(1)で与えられることが知られている。
【0057】
E=(ΔV−(εr×d)ΔV/(εr×d+t))/t・・・(1)
絶縁膜206であるPETの比誘電率εrは約3.2であるので、式(1)から電界Eは、約11MV/mと求まる。
【0058】
また、図3に示すように、現像ローラ201及び現像剤帯電ローラ204の線速度v1及びv2が異なっているので、両者の最近接部には、トナー208を摩擦するためのずれ応力が生じている。
【0059】
これらの結果、最近接部付近において、トナー208は電界Eの中で摩擦帯電される。摩擦帯電によりトナー208に生じた電荷は、トナー208、絶縁膜206及び現像ローラ201間で電荷交換を行うことで、電界Eを打ち消す方向に移動する。電荷交換は、個々のトナー208と絶縁膜206表面との摩擦、個々のトナー208と現像ローラ201表面との摩擦、個々のトナー208同士の摩擦、及び、現像ローラ201と絶縁膜206の間の間隔tを介する空気放電により行われる。
【0060】
つまり、上述の電荷交換により、摩擦で発生した正電荷は、高電位の現像ローラ201から低電位の現像剤帯電ローラ204へ向かって移動する。しかし、現像剤帯電ローラ204の表面は絶縁膜206で構成されているため、この正電荷は導電性の芯205には到達できず、絶縁膜206で塞き止められて、絶縁膜206及び最近接部に蓄積する。その結果、蓄積された正電荷が、最近接部付近のトナー208に与えられ、トナー208が正に帯電する。
【0061】
以上のように、この帯電メカニズムでは、適切なΔVの下で、導体である現像ローラ201と、現像剤帯電ローラ204の絶縁膜206とに介在する絶縁性粉体であるトナー208を摩擦帯電している。これにより、摩擦により生じた電荷を芯205に逃がすことなく、絶縁膜206の表面近傍に蓄積させ、トナー208の帯電に利用する。つまり、この実施形態の帯電メカニズムは、機械的な摩擦だけでトナーを帯電する従来の場合よりも、発生した電荷の利用効率が高い。
【0062】
なお、帯電が終了した段階でのトナー208の電荷量は、ΔVに応じて変化する。すなわち、下記表1に示すように、ΔVの正負に応じて、トナー208の電荷量の正負も変化する。また、ΔVの絶対値の大小に応じて、電荷量の絶対値も増減する。
【0063】
【表1】

【0064】
以上説明したように、この実施形態の現像装置200では、現像剤帯電ローラ204を、層厚規制ブレード203よりも現像ローラ201の回転方向の上流に設けている。従来の現像装置の問題である、現像ローラからのトナーの散逸は、層厚規制部材での帯電で現像ローラに弱く吸着したトナーに、帯電ローラが高電圧を印加することに起因する。この実施形態の現像装置200では、層厚規制部材と帯電ローラの位置を従来と逆転し、現像剤帯電ローラ204でトナーを強く帯電した後に、層厚規制ブレード203で厚みを調整する。その結果、現像ローラ201に対して強い静電引力(鏡像力)で吸着するトナー208に対して、厚み調整が行われるので、トナー208の現像ローラ201からの散逸が抑制される。
【0065】
また、現像装置200は、トナー208を従来よりも効率的に帯電できるので、トナーが受ける摩擦ストレスを低減し、トナーの劣化を抑制できる。以下、この点について詳述する。
【0066】
非磁性一成分トナーを用いる従来の現像装置(以下、単に従来装置とも称する。)では、一般に、機械的な摩擦のみでトナーを帯電する。そのため、従来装置で十分な帯電量を得るためには、トナーを強く摩擦する必要があった。強い摩擦に必要なずれ応力を得るために、従来装置では、現像ローラに対して帯電ローラを、1〜2N/cm程度の強い圧着力で圧接していた。帯電ローラと協働してトナーを帯電する層厚規制部材も、1〜2N/cm程度の圧着力で現像ローラに接触していた。その結果、従来装置では、強い摩擦ストレスによりトナーが劣化する問題が生じていた。すなわち、荷電制御剤や流動化剤等の外添剤が摩擦でトナー表面から脱離することで、トナーの帯電特性や流動特性等の変化が引き起こされ、トナーの帯電量がばらついて、カブリ等の画像不良が生じていた。
【0067】
この問題を解決するために、特許文献1及び2には、帯電ローラとは別の補助帯電ローラにより、現像ローラ上のトナーを補助的に帯電する技術が開示されている。特許文献1及び2では、現像ローラを基準として、補助帯電ローラにトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加した上で、補助帯電ローラからの放電を利用して、トナーを補助的に帯電する。
【0068】
しかし、現像ローラの回転とともに移動するトナーに対して、固定された補助帯電ローラが断続的な放電を行うので、トナーの帯電量に1〜10mm周期の濃淡が生じる。この帯電量の濃淡は、画像に周期的な縞模様を発生させることがある。また、放電により生じる電荷の殆どは、トナー粒子の間を通過して導電性の現像ローラに流れるため、特許文献1及び2の補助帯電ローラでは、トナーを効果的に帯電できない。
【0069】
特許文献3は、上述の問題を解決するために、絶縁性被覆を有する帯電ローラを用い、現像ローラを基準として、帯電ローラにトナーの帯電極性と同符号の電圧を印加する。しかし、特許文献3のようにトナーの帯電極性と同符号の電圧を帯電ローラに印加すると、トナーが所望とは逆の極性に帯電されることが、発明者等の評価で明らかとなった。このように、所望の帯電極性とは逆の極性に帯電されたトナーは、現像ローラに吸着しないので、得られる画像の濃度が極端に薄くなってしまう。
【0070】
以上のように、特許文献1〜3の技術は、結局、トナーの帯電に強い摩擦を用いざるを得ず、トナーの劣化を招いていた。
【0071】
これに対し、この実施形態の現像装置200は、摩擦帯電で生じた電荷の利用効率が高いので、トナー208を効果的に帯電することができる。その結果、従来よりも、現像剤帯電ローラ204及び層厚規制ブレード203の現像ローラ201に対する圧着力を小さくすることができる。具体的には、この実施形態では、両部材204及び203の現像ローラ201に対する圧着力を従来の1/5〜1/10に抑えることができる。その結果、摩擦ストレスに起因するトナーの劣化を抑えることができる。
【0072】
<変形例>
次に、現像装置200の変形例について説明する。
【0073】
この実施形態では、画像形成装置がプリンタ27である場合について説明した。しかし、画像形成装置は、絶縁性の非磁性一成分トナーを用いて、電子写真方式で画像を形成するものであれば、プリンタには限定されない。例えば、複写機、ファクシミリ又は複合機でもよい。
【0074】
この実施形態では、現像装置200が、ΔVを供給する電源207を備える場合について説明した。しかし、現像ローラ201及び現像剤帯電ローラ204間に適切なΔVが印加されれば、現像装置200が電源207を備える必要は無い。例えば、現像装置200の外部の電源からΔVを供給してもよい。
【0075】
この実施形態では、現像剤担持体が現像ローラ201である場合について説明した。しかし、現像剤担持体は、静電力によりトナー208を表面に担持して、感光体ドラム1との当接部に供給できるものであれば、ローラには限定されない。例えば、無端ベルトでもよい。
【0076】
この実施形態では、層厚規制部材として、導電性の薄板である層厚規制ブレード203を用いる場合について説明した。しかし、層厚規制部材203は、現像剤担持体上のトナー層の厚みを適切に規制できるものであれば、層厚規制ブレード203には限定されない。例えば、ローラでもよい。
【0077】
現像装置200は、現像ローラ201の表面でのトナー208の電荷量を測定する電荷量評価手段と、この手段の測定結果(以下、測定電荷量とも称する。)に基づきΔVを制御する制御手段とを備えていてもよい。
【0078】
表1に示したように、現像装置200は、ΔVを変化させることでトナー208の電荷量を調整することができる。よって、現像ローラ201の表面のトナー208の電荷量により、ΔVをフィードバック制御すれば、トナー208の電荷量の変動を抑制することができる。フィードバック制御の一態様としては、例えば、トナー208の目標電荷量を予め設定しておき、この目標電荷量と測定電荷量との差を小さくするようにΔVを制御することが考えられる。この目標電荷量と、トナーの帯電に影響する変数(例えば、温度や湿度)とを対応付けたテーブルを作成し、この変数の測定値に応じてテーブルから目標電荷量を選択すれば、環境によらずトナーを適切に帯電できる。なお、電荷量評価手段としては、表面電位計を用いることができる。
【0079】
現像装置200は、現像ローラ201の表面でのトナー208の厚みを測定する厚み評価手段と、この手段の測定結果(以下、測定厚とも称する。)に基づきΔVを制御する制御手段とを備えていてもよい。トナー208の厚みは、トナー208の電荷量を反映し、画像の画質に大きな影響を与える。よって、トナー208の厚みによりΔVを制御すれば画質の変動を抑制することができる。フィードバック制御の一態様としては、例えば、トナー208の目標厚を予め設定しておき、この目標厚と測定厚との差を小さくするようにΔVを制御することが考えられる。上述のように、この目標厚とトナーの帯電に影響する変数とを対応付けたテーブルを作成しておけば、環境によらずトナーを適切に帯電できる。なお、厚み評価手段としては、光学式膜厚測定装置を用いることができる。
【0080】
この実施形態では、絶縁膜206としてPET膜を用いた場合について説明した。しかし、絶縁膜206の構成材料は、絶縁性樹脂には限定されず、10−6S/m以下の電気伝導率を持つ膜状に成形可能な任意の材料を選択できる。例えば、SiO、ガラス及びマイカ等の無機系の絶縁材料を用いてもよい。
【0081】
(第2実施形態)
図4を参照して、第2実施形態の現像装置について説明する。図4は、第2実施形態の現像装置の構造を模式的に描いた模式図である。
【0082】
<構造>
この実施形態の現像装置220は、追加供給ローラ202を備える点、及び現像剤帯電ローラ204の回転方向が逆転している点以外は、第1実施形態の現像装置200と略同様に構成されている。つまり、現像剤帯電ローラ204がトナー208の供給及び帯電を兼務する現像装置200とは異なり、現像装置220では、この供給及び帯電を追加供給ローラ202及び現像剤帯電ローラ204で分担している。
【0083】
追加供給手段である追加供給ローラ202は、主に、現像ローラ201にトナー208を供給する。また、追加供給ローラ202は、供給したトナー208が現像ローラ201から剥離しない程度に、トナー208を補助的に帯電する。
【0084】
追加供給ローラ202は、現像ローラ201の回転方向に関し、現像剤帯電ローラ204よりも上流に設けられている。効果的なトナー208の供給及び帯電のために、追加供給ローラ202は、カートリッジ211内に溜まるトナー208に埋没して配置され、さらに、現像ローラ201と同じ方向(ここでは、反時計回り方向)に回転する。
【0085】
また、トナー208を摩擦帯電するために、追加供給ローラ202は、現像ローラ201の表面に、トナー208を介して接触している。追加供給ローラ202の現像ローラ201に対する圧着力は、例えば、約0.1N/cmとする。これらの条件下での摩擦帯電で、追加供給ローラ202はトナー208に対して約5μC/gの電荷量を付与する。また、帯電したトナー208を現像ローラ201に静電的に付着させるために、現像ローラ201に対して追加供給ローラ202は所定の電位に保たれている。なお、追加供給ローラ202を所定の電位に保つ構成については、図示と説明とを省略する。
【0086】
現像剤帯電ローラ204は、剥離しない程度の力(約5μC/g)で現像ローラ201に吸着されたトナー208を、画像形成に適切な電荷量(約20μC/g)に帯電する。現像装置220では、現像剤帯電ローラ204が第1実施形態とは逆の方向に回転する。つまり、現像装置220では、現像剤帯電ローラ204が現像ローラ201とは反対方向に回転する。これは、現像剤帯電ローラ204がトナー208を供給する必要が無くなったからである。上述の<帯電メカニズム>に記載のように、現像剤帯電ローラ204はトナー208の帯電効率が高いので、トナー208を適切に帯電させるだけならば、現像剤帯電ローラ204を、現像ローラ201と同方向に回転させる必要は無い。そこで、トナー208が受ける摩擦ストレス低減のために、現像剤帯電ローラ204の回転方向を変更することができる。
【0087】
また、現像装置220では、現像剤帯電ローラ204の現像ローラ201に対する圧着力が0.1N/cmに変更されている。この変更も摩擦ストレス低減のためである。また、トナー208の摩擦帯電のためのずれ応力を得るために、現像剤帯電ローラ204は、現像ローラ201とは異なる線速度で回転する。この実施形態では、現像剤帯電ローラ204の線速度v2と現像ローラ201の線速度v1との比率を、v1:v2=1:0.6としている。
【0088】
<現像剤の帯電方法>
この実施形態の現像剤の帯電方法は、上述の現像剤吸着工程の前に、現像剤事前供給工程が実施される点が第1実施形態と異なっている。以下、主にこの相違点について説明する。
【0089】
現像剤事前供給工程は、現像ローラ201と追加供給ローラ202とが協働で実施する。現像剤事前供給工程では、まず、現像ローラ201と同じ方向に回転する追加供給ローラ202により、カートリッジ211のトナー溜まりから、現像ローラ201へとトナー208が供給される。より詳細には、トナー208は、現像ローラ201と追加供給ローラ202との当接部付近に供給される。
【0090】
当接部付近に供給されたトナー208は、追加供給ローラ202と現像ローラ201との間に介在する。現像ローラ201と追加供給ローラ202の当接部における線速度v1及びv3は異なっているので、この速度差により、当接部付近にはずれ応力が生じる。このずれ応力を利用して、当接部付近において、追加供給ローラ202の表面と現像ローラ201の表面とでトナー208を摩擦して帯電する。ところで、追加供給ローラ202に対して現像ローラ201は所定の電位に保たれているので、トナー208は正に帯電して、約+5μC/gの電荷を得る。その結果、トナー208は、剥離しない程度の静電力で現像ローラ201に吸着する。
【0091】
次に、この実施形態の現像装置220の効果を説明する。現像装置220では、現像剤帯電ローラ204を、層厚規制ブレード203よりも現像ローラ201の回転方向の上流に設けている。よって、第1実施形態と同様に、トナー208の現像ローラ201からの散逸が抑制される。
【0092】
現像装置220へ追加された追加供給ローラ202は、トナー208に新たな摩擦ストレスを与える。しかし、追加供給ローラ202の圧着力は約0.1N/cmであり、このローラ202と同機能の従来装置のローラの1/10〜1/20に抑えられている。よって、トナー208に新たに加えられる摩擦ストレスは最小限に止まる。
【0093】
また、トナー208の供給を主に担当する追加供給ローラ202を設けたので、現像剤帯電ローラ204の圧着力や回転方向等のトナー摩擦条件を緩和でき、現像剤帯電ローラ204由来の摩擦ストレスが低減する。その結果、現像装置220は、トナーへの摩擦ストレスを低減し、トナーの劣化を抑制できる。
【0094】
なお、現像装置220は、第1実施形態の同様の変形が可能である。
【0095】
(第3実施形態)
図5及び6を参照して、第3実施形態の現像装置について説明する。図5は、第3実施形態の現像装置の構造を模式的に描いた模式図である。図6は、現像剤の帯電過程の説明に供する模式図である。
【0096】
<構造>
この実施形態の現像装置240は、追加帯電手段である放電電極209を備える点、及びトナー208の帯電極性が負である点以外は、第1実施形態の現像装置200と略同様に構成されている。現像装置240に追加された放電電極209は、最近接部でのトナー208の摩擦帯電に先立ち、現像剤帯電ローラ204上のトナー208を帯電する(以下、追加帯電とも称する。)。
【0097】
トナー208を負に帯電させて画像を形成することに伴い、現像装置240では、現像剤帯電ローラ204に対する現像ローラ201の電位ΔVの符号を、トナー208の帯電極性と等しい負に変更している。具体的には、電源210は現像ローラ201に−250Vの電圧Vaを印加する。また、電源210は現像剤帯電ローラ204に0Vの電圧Vbを印加する。つまり、現像剤帯電ローラ204は接地されている。
【0098】
放電電極209は、コロナ放電により、この電極209に対向する領域で、絶縁膜206をトナー208の帯電極性と同極性に帯電させる(この実施形態では負)。そして、帯電した絶縁膜206からトナー208への電荷移動を利用して、絶縁膜206上のトナー208を追加帯電させる。
【0099】
放電電極209は、現像剤帯電ローラ204の回転軸方向に沿って等間隔に並ぶ金属製の針状電極を備える。放電電極209は、現像剤帯電ローラ204の回転方向に関し、現像剤帯電ローラ204と現像ローラ201との最近接部よりも上流に設けられている。なお、現像装置240では、絶縁膜206として、厚みdが約10μmのポリテトラフルオロエチレン膜を用いている。
【0100】
放電電極209は絶縁膜206に非接触に設けられている。つまり、絶縁膜206の表面と放電電極209の先端との間には放電可能な間隔が設けられている。この間隔は例えば約5mmとする。円滑な放電を行うために、放電電極209は、カートリッジ211中のトナー208に埋没していない。つまり、放電電極209の先端と、カートリッジ211中のトナー208溜まりの表面とは離間している。
【0101】
絶縁膜206をトナー208の帯電極性と同符号に帯電させるために、放電電極209に対して現像剤帯電ローラ204は、所定の電位に保たれている。すなわち、電源210から、電圧Vbと所定の大小関係を持つ電圧Vc(以下、放電電圧とも称する。)が印加されている。すなわち、トナー208の帯電極性が正の場合にVc>Vbであり、トナー208の帯電極性が負の場合にVc<Vbである。具体的には、この実施形態では、放電電圧Vcを−6000Vとする。また、コロナ放電を発生させるために、放電電圧Vcは、電源210に設けられた昇圧回路及びパルス発生回路を介して放電電極209に印加されている。
【0102】
トナー208の効果的な追加帯電のためには、絶縁膜206にトナー208よりも多くの電荷を与えればよい。このようにすれば、放電電極209で帯電された絶縁膜206から、トナー208へと電荷が容易に移動する。ところで、電荷は絶縁膜206及びトナー208の表面に分布する点を考慮すると、追加帯電に関しては、電荷量を単位表面積当たりの電荷の量である電荷面密度で評価するのがよい。これらより、トナー208を効果的に追加帯電するためには、絶縁膜206の電荷面密度をトナー208よりも大きくすることが好ましい。ところで、層厚規制ブレード203よりも現像ローラ201の回転方向の下流のトナー208は、画像形成に好適な電荷量に帯電されている。この好適な電荷量を面密度換算したものを現像剤電荷量とすると、絶縁膜206を、所定極性と同符号で、かつ現像剤電荷量よりも大きな電荷面密度に帯電させるのがよい。このように構成すると、現像剤帯電ローラ204がトナー208に付与すべき電荷量が減少するので、トナー208への摩擦ストレスを低減できる。
【0103】
<現像剤の帯電方法>
次に、図5及び6を参照して、この実施形態の現像装置における現像剤の帯電方法を、現像装置の動作とともに説明する。
【0104】
この実施形態の現像剤の帯電方法は、上述の現像剤吸着工程の前に、追加帯電工程が実施される点が第1実施形態と異なっている。以下、主にこの相違点について説明する。
【0105】
追加帯電工程は、放電電極209と現像剤帯電ローラ204とが協働で実施する。追加帯電工程では、まず、電源210から印加された放電電圧Vcにより放電電極209がコロナ放電することで、負電荷(電子)が絶縁膜206に供給される。ポリテトラフルオロエチレン膜の電気伝導性は非常に小さいので、負電荷は導電性の芯205に移動することができず、絶縁膜206の表面に蓄積する。ところで、放電電極209に対向する絶縁膜206の表面領域には、現像ローラ201への供給を待つトナー208が、未帯電状態で付着している。その結果、この領域において、コロナ放電による帯電で電荷面密度が相対的に高くなった絶縁膜206から、電荷面密度が相対的に低いトナー208へと負電荷が移動する。つまり、追加帯電工程により、トナー208が負に帯電される。
【0106】
続いて行われる現像剤吸着工程及び厚さ規制工程は、トナー208の電荷が負である点を除いて第1実施形態と同様である。
【0107】
次に、この実施形態の現像装置240の効果を説明する。現像装置240では、現像剤帯電ローラ204を、層厚規制ブレード203よりも現像ローラ201の回転方向の上流に設けている。よって、第1実施形態と同様に、トナー208の現像ローラ201からの散逸が抑制される。
【0108】
また、現像装置240へ追加された放電電極209は、現像ローラ201に供給される前のトナー208を絶縁膜206上で予備的に帯電(追加帯電)する。その結果、現像剤帯電ローラ204が摩擦帯電によりトナー208に与えるべき電荷量を、第1実施形態よりも小さくできる。よって、現像剤帯電ローラ204のトナー摩擦条件を緩和でき、現像剤帯電ローラ204由来の摩擦ストレスを低減できるので、第1実施形態よりもさらに、トナー208の劣化を抑えることができる。
【0109】
<変形例>
現像装置240は、第1実施形態と同様の変形が可能である。さらに、現像装置240は、以下の変形が可能である。
【0110】
この実施形態では、追加帯電手段を放電電極209とした場合について説明した。しかし、追加帯電手段は放電電極209には限定されず、絶縁膜206に接触するブレードやローラ等の接触部材でもよい。追加帯電手段を接触部材とする場合にも、正帯電トナーの場合には接触部材に対する現像剤帯電ローラ204の電位を正とし、負帯電トナーの場合には接触部材に対する現像剤帯電ローラ204の電位を負とする必要がある。
【0111】
また、この実施形態では、絶縁膜206の帯電にコロナ放電を利用した。しかし、絶縁膜206を所定極性に帯電できれば放電形式に限定はない。絶縁膜206の帯電に、例えばグロー放電やアーク放電等を用いてもよい。
【0112】
また、この実施形態では、コロナ放電のために針状電極を用いたが、電極形状に特に限定は無く、例えば、鋸歯状の電極等を用いてもよい。
【0113】
(第4実施形態)
図7を参照して、第4実施形態の現像装置について説明する。図7は、第4実施形態の現像装置の構造を模式的に描いた模式図である。
【0114】
<構造>
この実施形態の現像装置260は、追加供給ローラ202を備える点、及び現像剤帯電ローラ204の回転方向が逆転している点以外は、第3実施形態の現像装置240と略同様に構成されている。つまり、現像装置260は、第1実施形態の現像装置200に、追加供給ローラ202と放電電極209とを追加したものに相当する。
【0115】
<現像剤の帯電方法>
この実施形態の現像剤の帯電方法は、現像剤吸着工程の前に、第3実施形態で説明した追加帯電工程と、第2実施形態で説明した現像剤事前供給工程とが実施される点が第1実施形態と異なっている。追加帯電工程及び現像剤事前供給工程は、現像剤吸着工程に先立ち並列的に実施される。
【0116】
追加供給ローラ202を備える現像装置260は、第2実施形態の現像装置220と同様の効果を有する。また、現像装置260は、第2実施形態の現像装置220に放電電極209を追加した構成であるので、放電電極209がトナー208を追加帯電することで、第2実施形態よりもトナー208の劣化を抑制できる。
【0117】
なお、現像装置260は、第1及び第3実施形態の現像装置200及び240と同様の変形が可能である。
【符号の説明】
【0118】
1 感光体ドラム
4 帯電装置
5 クリーニングブレード
10 露光装置
11 被転写媒体
13 搬送系
13a 搬送ローラ
13b 搬送ガイド
14 転写ローラ
15 定着器
15a 加熱ローラ
15b 定着ローラ
27 プリンタ
200,220,240,260 現像装置
201 現像ローラ
202 追加供給ローラ
203 層厚規制ブレード
204 現像剤帯電ローラ
205 芯
206 絶縁膜
207,210 電源
208 トナー
209 放電電極
211 カートリッジ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転する現像剤担持体と、
現像剤を所定極性に帯電させて、前記現像剤を前記現像剤担持体の表面に吸着させる現像剤帯電部材と、
前記現像剤担持体の表面に吸着した前記現像剤の厚さを規制する層厚規制部材と
を備え、
前記現像剤担持体及び前記現像剤帯電部材の一方が導電性であり、他方が導電性の芯及び該芯を被覆する絶縁膜を有し、
前記現像剤帯電部材は、前記層厚規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流に設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤帯電部材が前記絶縁膜を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤帯電部材に対する前記現像剤担持体の電位をΔVとしたとき、
前記所定極性が正の場合に前記ΔVを正とし、前記所定極性が負の場合に前記ΔVを負とすることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記絶縁膜と前記現像剤担持体の表面との間の前記現像剤を、前記絶縁膜と前記現像剤担持体の表面との摩擦により帯電させることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像剤担持体と前記現像剤帯電部材との最近接部における、両者の速度差により生じるずれ応力により、前記現像剤を摩擦することを特徴とする請求項3又は4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤担持体の表面における前記現像剤の電荷量を測定する電荷量評価手段をさらに備え、該電荷量評価手段で測定された電荷量と、予め設定されている前記現像剤の目標電荷量との差を小さくするように、前記ΔVを調整することを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記現像剤担持体の表面における前記現像剤の厚みを測定する厚み評価手段をさらに備え、該厚み評価手段で測定された現像剤の厚みと、予め設定されている前記現像剤の目標厚みとの差を小さくするように、前記ΔVを調整することを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記絶縁膜を前記所定極性に帯電する追加帯電手段が、さらに設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項9】
前記層厚規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の下流に位置する前記現像剤の単位表面積当たりの電荷量の絶対値を現像剤電荷量とするとき、
前記追加帯電手段が、前記絶縁膜を、前記所定極性と同符号で、単位表面積当たりの電荷量の絶対値が前記現像剤電荷量よりも大きくなるように帯電させることを特徴とする請求項8に記載の現像装置。
【請求項10】
前記追加帯電手段が前記絶縁膜に非接触の放電電極であり、
前記所定極性が正の場合に、前記放電電極に対する前記現像剤帯電部材の電位を正とし、前記所定極性が負の場合に、前記放電電極に対する前記現像剤帯電部材の電位を負とすることを特徴とする請求項8又は9に記載の現像装置。
【請求項11】
前記追加帯電手段が前記絶縁膜に接触する接触部材であり、
前記所定極性が正の場合に、前記接触部材に対する前記現像剤帯電部材の電位を正とし、前記所定極性が負の場合に、前記接触部材に対する前記現像剤帯電部材の電位を負とすることを特徴とする請求項8又は9に記載の現像装置。
【請求項12】
前記現像剤を前記現像剤担持体に供給する追加供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項13】
前記現像剤担持体及び前記現像剤帯電部材が、それぞれローラであることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項14】
前記現像剤として、絶縁性の一成分非磁性現像剤を用いることを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
回転する現像剤担持体と現像剤帯電部材と層厚規制部材とを備え、前記現像剤担持体及び前記現像剤帯電部材の一方が導電性であり、他方が導電性の芯及び該芯を被覆する絶縁膜を有する現像装置において、現像剤を帯電するに当たり、
該現像剤を所定極性に帯電させて、前記現像剤を前記現像剤担持体の表面に吸着させる現像剤吸着工程と、
前記現像剤吸着工程後に行われる、前記現像剤担持体の表面に吸着した前記現像剤の厚さを規制する厚さ規制工程と
を備えることを特徴とする現像剤の帯電方法。
【請求項17】
前記現像剤帯電部材が前記絶縁膜を有することを特徴とする請求項16に記載の現像剤の帯電方法。
【請求項18】
前記現像剤吸着工程において、
前記所定極性が正の場合に、前記現像剤帯電部材及び前記現像剤担持体の少なくとも一方に電圧を印加し、前記現像剤帯電部材に対する前記現像剤担持体の電位ΔVを正にし、
前記所定極性が負の場合に、前記現像剤帯電部材及び前記現像剤担持体の少なくとも一方に電圧を印加し、前記現像剤帯電部材に対する前記現像剤担持体の電位ΔVを負にする
ことを特徴とする請求項17に記載の現像剤の帯電方法。
【請求項19】
前記現像剤吸着工程において、前記絶縁膜と前記現像剤担持体の表面との間の前記現像剤を、前記絶縁膜と前記現像剤担持体の表面との摩擦により帯電させることを特徴とする請求項18に記載の現像剤の帯電方法。
【請求項20】
前記現像剤吸着工程において、前記現像剤担持体の表面と前記現像剤帯電部材の前記絶縁膜との最近接部における、両者の速度差により生じるずれ応力により、前記現像剤を摩擦することを特徴とする請求項18又は19に記載の現像剤の帯電方法。
【請求項21】
前記現像剤担持体の表面における前記現像剤の電荷量を測定し、該測定された電荷量と、予め設定されている前記現像剤の目標電荷量との差を小さくするように、前記ΔVを調整することを特徴とする請求項18〜20の何れか一項に記載の現像剤の帯電方法。
【請求項22】
前記現像剤担持体の表面における前記現像剤の厚みを測定し、該測定された現像剤の厚みと、予め設定されている前記現像剤の目標厚みとの差を小さくするように、前記ΔVを調整することを特徴とする請求項18〜21の何れか一項に記載の現像剤の帯電方法。
【請求項23】
前記絶縁膜を前記所定極性に帯電する追加帯電工程をさらに備えることを特徴とする請求項16〜22の何れか一項に記載の現像剤の帯電方法。
【請求項24】
前記層厚規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の下流に位置する前記現像剤の単位表面積当たりの電荷量を現像剤電荷量とするとき、
前記追加帯電工程で、前記絶縁膜の単位表面積当たりの電荷量を、現像剤電荷量よりも大きく帯電させることを特徴とする請求項23に記載の現像剤の帯電方法。
【請求項25】
前記現像剤を前記現像剤担持体に追加的に供給する追加供給工程をさらに備えることを特徴とする請求項16〜24の何れか一項に記載の現像剤の帯電方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114237(P2013−114237A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263219(P2011−263219)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】