説明

現像装置および画像形成装置

【課題】現像剤保持体への駆動の伝達系における歯車の噛合の変化を抑えること。
【解決手段】現像剤を保持して回転する現像剤保持体(R0)と、前記現像剤保持体(R0)を駆動する駆動源(M1)と、前記駆動源(M1)の駆動を前記現像剤保持体(R0)に伝達する歯車(GR)と、前記駆動源(M1)および前記歯車列(GR)を支持すると共に、前記現像剤保持体(R0)を回転可能に支持する保持体回転支持部材(81〜86+V)と、を備えた現像装置(Gk)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子写真方式の画像形成装置において、現像装置に関し、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開平8−297389号公報には、感光体ドラム(1)に対して、接近、離間する方向に移動可能な担持台(41)に現像ユニット(7)を着脱可能に支持し、担持台(41)には現像ユニット(7)の現像ローラ(10)を駆動するモータ(40)や歯車(42,44,45)等を支持する構成が記載されている。特許文献1記載の構成では、現像ユニット(7)が装着されると、現像ローラ(10)の歯車(23)が、担持台(41)側の歯車(45)と噛み合って、駆動が伝達可能になると共に、担持台(41)に支持された現像ユニット(7)とモータ(40)の全体が、担持台(41)を押す引張バネ(52)により、一体的に感光体ドラム(1)に常時押し付けられている。また、特許文献1記載の構成では、現像ローラ(10)に現像剤を供給するトナー供給ローラ(11)やアジテータ(9)、トナー層厚規制ローラ(14)には、現像ローラ(10)の歯車から駆動が伝達されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−297389号公報(「0036」〜「0040」、「0044」、図1〜図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、現像剤保持体への駆動の伝達系における歯車の噛合の変化を抑えることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の現像装置は、
表面に潜像が形成される像保持体に対向して配置され且つ表面に潜像を可視像に現像する現像剤を保持して回転する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体を駆動する駆動源と、
前記駆動源の駆動を前記現像剤保持体に伝達する歯車列と、
前記駆動源および前記歯車列を支持すると共に、前記現像剤保持体を回転可能に支持する保持体回転支持部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の現像装置において、
前記現像装置を支持する枠体に支持されると共に、前記現像剤保持体を前記像保持体に対して移動可能に支持する保持体移動支持部材と、
前記現像剤保持体と一体的に移動可能に支持され、前記像保持体側の被接触部に接触して、前記現像剤保持体の表面と前記像保持体の表面との間隔を予め設定された間隔に設定する間隔設定部材と、
前記保持体移動支持部材に支持されて、前記被接触部に向けて前記間隔設定部材を付勢する付勢部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の現像装置にいて、
前記現像剤保持体の軸方向端部よりも外側に配置された前記保持体移動支持部材であって、前記歯車を支持する軸が通過する通過孔が形成された前記保持体移動支持部材、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の画像形成装置は、
表面に潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体の表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体の表面に転写された可視像を定着する定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、4に記載の発明によれば、保持体回転支持部材に駆動源および歯車列が支持されない場合に比べて、現像剤保持体への駆動の伝達系における歯車の噛合の変化を抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、現像剤保持体の表面と前記像保持体の表面との間隔を予め設定された間隔に設定するために移動する現像剤保持体と共に、駆動源および歯車列が移動でき、歯車の噛合の変化を抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べて、保持体移動支持部材の剛性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は本発明の実施例1のプリンタの全体説明図である。
【図2】図2は本発明の実施例1のプリンタの画像形成装置本体の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施例1のプリンタのインターフェースモジュール及びスタッカ装置の説明図である。
【図4】図4は画像形成装置本体の要部拡大説明図であり、可視像形成装置とベルトモジュールの説明図である。
【図5】図5は実施例1のK色の可視像形成装置の要部説明図である。
【図6】図6は実施例1の可視像形成装置を前方から見た説明図である。
【図7】図7はO色の可視像形成装置が画像形成装置本体に装着された状態における前端部の斜視説明図である。
【図8】図8は実施例1の画像形成装置本体に支持された引出体の一例としてのガイドレールが引き出された状態における画像形成装置本体の前端部分の説明図である。
【図9】図9は実施例1の画像形成装置本体の後壁部材の要部説明図である。
【図10】図10は実施例1の可視像形成装置の説明図であり、図10Aは斜視図、図10Bは被位置決め部の要部説明図である。
【図11】図11は可視像形成装置の要部分解斜視図である。
【図12】図12は実施例1の可視像形成装置の説明図であり、図12Aは感光体ユニットが取り外された状態の左前方から見た要部斜視図、図12Bはフックの斜視図である。
【図13】図13は図12Aに示す可視像形成装置を斜め後方から見た状態の説明図である。
【図14】図14はマーキングモジュールのフレームの斜視図であり、図14Aは前斜め上方から見た斜視図、図14Bは後斜め下方から見た斜視図である。
【図15】図15は実施例1の感光体ユニットの斜視図であり、図15Aは右斜め前上方から見た図、図15Bは左斜め後ろ上方から見た図である。
【図16】図16は感光体ユニットを右方から見た図である。
【図17】図17は可視像形成装置の現像ユニットの斜視図である。
【図18】図18は前記現像ユニットの現像剤補給口および現像剤排出口部分の拡大説明図である。
【図19】図19は前記現像容器の説明図で、図19Aは図18のXIXA−XIXA線断面図、図19Bは図18のXIXB−XIXB線断面図である。
【図20】図20は実施例1の現像ユニットを左斜め前上方から見た斜視図である。
【図21】図21は実施例1の現像ユニットを左斜め後上方から見た斜視図である。
【図22】図22は実施例1の現像ユニットを左斜め後下方から見た斜視図である。
【図23】図23は実施例1の現像ユニットの後端部の要部説明図である。
【図24】図24は図23のXXIV−XXIV線断面図である。
【図25】図25は図23に示す状態からモータ支持部材を取り外した状態の説明図である。
【図26】図26は実施例1の現像ユニットの後部を右斜め後上方から見た説明図である。
【図27】図27は図25に示す状態からモータ固定部材を取り外した状態の説明図である。
【図28】図28は図27に示す状態から現像ユニット固定部材を取り外した状態の説明図である
【図29】図29は実施例1の現像ユニットの歯車列を右斜め後方から見た説明図である。
【図30】図30は図29に示す状態を後斜め下方から見た説明図である。
【図31】図31は実施例1の現像ユニットの歯車列の要部斜視説明図である。
【図32】図32は実施例1の現像ユニットの駆動源と歯車列とを右斜め前方から見た斜視図である。
【図33】図33は実施例1の現像ユニットの駆動源と歯車列とを右斜め後方から見た斜視図である。
【図34】図34は実施例1の突き当て部の要部説明図である。
【図35】図35は実施例1の現像ユニット固定部材の説明図であり、図35Aは前側の現像ユニット固定部材の斜視図、図35Bは後側の現像ユニット固定部材の斜視図、図35Cはトラッキングバネ装着孔の要部説明図である。
【図36】図36は現像ユニットの前端がモジュールフロントフレームに位置決めされた状態の説明図である。
【図37】図37は現像ロールの付勢部材の要部説明図である。
【図38】図38は前側の現像ユニット固定部材に支持された付勢支持部材の説明図であり、図38Aは付勢支持部材が付勢位置に移動した状態の説明図、図38Bは付勢支持部材が付勢低減位置に移動した状態の説明図である。
【図39】図39は図38Aに示す状態を斜め後方から見た説明図である。
【図40】図40は付勢支持部材の説明図であり、図40Aは斜視図、図40Bは図40Aの矢印XLB方向から見た図、図40Cは図40Aの矢印XLC方向から見た図、図40Dは図40Bの矢印XLD方向から見た図、図40Eは図40BのXLE−XLE線断面図である。
【図41】図41は前側の付勢支持部材が付勢位置に移動した状態の説明図であり、図41Aは右方から見た図、図41Bは後斜め上方から見た図である。
【図42】図42は前側の付勢支持部材が付勢低減位置に移動した状態の説明図であり、図42Aは右斜め後方から見た図、図42Bは後方から見た図である。
【図43】図43はマーキングモジュールが取り外された状態の斜視説明図である。
【図44】図44は図43の状態を側方から見た説明図である。
【図45】図45はマーキングモジュールがガイドレールに載せられた状態の斜視説明図である。
【図46】図46は図45の状態を側方から見た説明図である。
【図47】図47はマーキングモジュールが図45に示す状態からガイドレールに固定された状態の斜視説明図である。
【図48】図48は図47の状態を側方から見た説明図である。
【図49】図49はマーキングモジュールが画像形成装置本体内に収容された状態の斜視説明図である。
【図50】図50は図49の状態を側方から見た説明図である。
【図51】図51は実施例1の現像ユニットがマーキングフレームに対して着脱される途中の説明図であり、図51Aは右斜め前方から見た説明図、図51Bは左斜め後方から見た説明図である。
【図52】図52は図51の状態からさらに現像ユニットがマーキングフレームに対して取り外される途中の説明図であり、図52Aは左斜め後方から見た説明図、図52Bは図52Aよりも上方から見た説明図である。
【図53】図53は実施例1の感光体ユニットがマーキングフレームに対して着脱される状態の説明図であり、図53Aは感光体ユニットがマーキングフレームに対して前側に移動した状態の説明図、図53Bは感光体ユニットがマーキングフレームに対して後側に移動して装着が完了した状態の説明図である。
【図54】図54はマーキングモジュールに対する現像ユニットの着脱方法による差異の説明図であり、図54Aはフロントプレートとリアプレートとの間に現像ユニットを装着する場合の現像ユニットが離脱した状態の説明図、図54Bは図54Aの状態から現像ユニットが装着された状態の説明図、図54Cはフロントプレート側から現像ユニットを装着する場合の現像ユニットが離脱した状態の説明図、図54Dは図54Cの状態から現像ユニットが装着された状態の説明図、図54Eはリアプレート側から現像ユニットを装着する実施例1の場合において現像ユニットが離脱した状態の説明図、図54Fは図54Eの状態から現像ユニットが装着された状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0013】
(実施例1のプリンタUの説明)
図1は本発明の実施例1のプリンタの全体説明図である。
図2は本発明の実施例1のプリンタの画像形成装置本体の説明図である。
図3は本発明の実施例1のプリンタのインターフェースモジュール及びスタッカ装置の説明図である。
図1〜図3において、画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像形成装置本体U1と、湾曲除去装置の一例として、画像形成装置本体U1の媒体排出方向下流側に配置され、プリンタUを操作するための操作部UIを有するインターフェースモジュールU2と、媒体排出積載装置の一例として、前記インターフェースモジュールU2の媒体排出方向下流側に配置されたスタッカ装置U3と、を有する。
【0014】
(実施例1の画像形成装置本体U1の説明)
図2において、前記画像形成装置本体U1は、画像記録部U1aと、定着反転部U1bとを有し、画像形成装置本体U1の制御を行う本体側制御部C1や、外部の情報送信装置COMからインターフェースモジュールU2を介して送信された画像情報を受信する図示しない情報送受信装置、および前記本体側制御部C1により制御される潜像形成装置駆動回路D、電源回路E等を有する。
本体側制御部C1により作動を制御される画像記録部U1aの潜像形成装置駆動回路Dは、前記インターフェースモジュールU2を介して送信された画像情報に基づいて、G:グリーン、O:オレンジ、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の画像情報を作成し、それらに応じた駆動信号を予め設定された時期に各色G〜Kの潜像形成装置ROSg,ROSo,ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。
【0015】
図4は画像形成装置本体の要部拡大説明図であり、可視像形成装置とベルトモジュールの説明図である。
図5は実施例1のK色の可視像形成装置の要部説明図である。
図2、図4において、前記各色G〜Kの潜像形成装置ROSg〜ROSkの下方には、各色G〜Kの感光体ユニットUG,UO,UY,UM,UC,UKと、現像装置の一例としての各色G〜Kの現像器GG,GO,GY,GM,GC,GKとが着脱可能に装着される。
図5において、黒Kの感光体ユニットUKは、像保持体の一例としての感光体ドラムPk、帯電器CCkおよび像保持体用清掃器の一例としてのドラムクリーナCLkを有する。また、前記感光体ドラムPkの右方には、黒Kの現像器GKの現像部材の一例としての現像ロールR0kが隣接して配置される。
【0016】
そして、他の各色G〜Cの感光体ユニットUG〜UCも、感光体ドラムPg,Po,Py,Pm,Pc、帯電器CCg,CCo,CCy,CCm,CCc、ドラムクリーナCLg,CLo,CLy,CLm,CLcを有する。また、前記他の各色G〜Cの感光体ドラムPg〜Pcの右方には、他の各色G〜Cの現像器GG〜GCの現像部材の一例としての現像ロールR0g,R0o,R0y,R0m,R0cが、それぞれ隣接して配置される。
なお、実施例1では、使用頻度の高く表面の磨耗が多いK色の感光体ドラムPkは、他の色の感光体ドラムPg〜Pcに比べて大径に構成され、高速回転対応および長寿命化が図られている。
【0017】
前記各感光体ユニットUG〜UKと前記各現像器GG〜GKとにより、可視像形成装置UG+GG,UO+GO,UY+GY,UM+GM,UC+GC,UK+GKが構成される。なお、実施例1では、各可視像形成装置UG+GG〜UK+GKは、交換や修理等のメンテナンス作業を行う場合に、画像形成装置本体U1に対して着脱可能な着脱ユニットとして構成されている。
【0018】
図2、図4において、前記感光体ドラムPg〜Pkは、それぞれ帯電器CCg〜CCkにより一様に帯電された後、前記潜像形成装置ROSg〜ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLg,Lo,Ly,Lm,Lc,Lkにより、その表面に静電潜像が形成される。前記感光体ドラムPg〜Pk表面の静電潜像は、現像器GG〜GK内の現像剤により、G:グリーン、O:オレンジ、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の画像、可視像の一例としてのトナー像に現像される。
なお、現像により現像器Gg〜Gk内の現像剤が消費されると、画像形成装置本体U1の上部に設けられた現像剤補給装置U1cから現像剤が現像器Gg〜Gkに補給される。前記現像剤補給装置U1cには、現像剤補給容器の一例としてのトナーカートリッジKg,Ko,Ky,Km,Kc,Kkが着脱、交換可能に支持されている。
【0019】
図2、図4において、感光体ドラムPg〜Pk表面上のトナー像は、1次転写領域Q3g,Q3o,Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて、1次転写部材の一例としての1次転写ロールT1g,T1o,T1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写体の一例としての中間転写ベルトB上に順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色画像、いわゆる、カラー画像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラー画像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、黒画像データのみの場合は黒Kの感光体ドラムPkおよび現像器GKのみが使用され、黒Kのトナー像のみが形成される。また、Y,M,C,Kの4色印刷や、使用者の設定等に応じた2色、3色印刷等が行われる場合には、該当する感光体ドラムPg〜Pkおよび現像器GG〜GKが使用される。
【0020】
1次転写後、感光体ドラムPg〜Pk表面の残留トナーは感光体ドラム用の各ドラムクリーナCLg〜CLkによりクリーニングされ、帯電器CCg〜CCkで再帯電される。
図5において、実施例1の可視像形成装置UG+GG〜UK+GKでは、帯電器CCg〜CCkの上方に、外部の空気を吸引する吸気部の一例としての吸気ダクトD1が支持されており、現像装置Gg〜Gkの上方には、近傍の空気を吸引して排気する排気部の一例としての排気ダクトD2が支持されている。したがって、帯電器CCg〜CCkで発生したオゾンや現像ロールR0(R0g〜R0k)と感光体Pg〜Pkとの間の現像領域から舞い上がった現像剤は、吸気ダクトD1から排気ダクトD2に向かって流れる空気によって回収され、図示しないフィルター等を通過した後にプリンタUの機外に空気が排気される。
【0021】
図1、図2、図4において、各感光体ドラムPg〜Pkの下方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが、前記各感光体ドラムPg〜Pkの下面に接触する上昇位置と前記下面から下方に離れた下降位置との間で昇降可能に支持されている。
前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBを有している。前記中間転写ベルトBは、中間転写ベルトBを裏面から支持する中間転写体駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRdにより矢印Ya方向に回転駆動され、張力付与部材の一例としてのテンションロールRtにより張力が付与されて張架される。また、前記中間転写ベルトBは、前記中間転写ベルトBの蛇行を防止する蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRwや、従動部材の一例としての複数のアイドラロールRf、2次転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aにより裏面側が支持される。
【0022】
また、図4において、実施例1では、G色の1次転写ロールT1gの矢印Ya方向上流側には、矢印Ya方向に対して垂直な方向であって前記感光体ドラムPgに対して前記中間転写ベルトBを接触・離隔させる方向である接離方向に移動可能に支持された接離用中間転写体支持部材の一例としての第1リトラクトロールR1が配置されている。また、O色の各1次転写ロールT1oの矢印Ya方向下流側且つY色の各1次転写ロールT1yの矢印Ya方向上流側には、前記第1リトラクトロールR1と同様に構成された前記接離用中間転写体支持部材の一例としての第2リトラクトロールR2および第3リトラクトロールR3が並んで配置されている。また、C色の各1次転写ロールT1cの矢印Ya方向下流側且つK色の各1次転写ロールT1kの矢印Ya方向上流側には、前記第1リトラクトロールR1と同様に構成された前記接離用中間転写体支持部材の一例としての第4リトラクトロールR4が配置されている。さらに、K色の各1次転写ロールT1kの矢印Ya方向下流側には、前記第1リトラクトロールR1と同様に構成された前記接離用中間転写体支持部材の一例としての第5のリトラクトロールR5が配置されている。
【0023】
また、図4において、前記各1次転写ロールT1g〜T1kの矢印Ya方向下流側には、前記中間転写ベルトB裏面の電荷を除電する除電部材の一例としての平板状の除電板金JBが配置されている。なお、実施例1の前記除電板金JBは、前記中間転写ベルトBとは非接触で配置されており、例えば、前記中間転写ベルトBの裏面から2mm離れた位置に配置できる。
前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2a,R1〜R5により、前記中間転写ベルトBを裏面から回転可能に支持する中間転写体支持部材の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2a,R1〜R5が構成される。
また、前記中間転写ベルトB、前記ベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2a,R1〜R5、前記各1次転写ロールT1g〜T1k、前記除電板金JB等により、実施例1の前記ベルトモジュールBMが構成される。
【0024】
前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写ユニットUtが配置されている。2次転写ユニットUtには、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが設けられている。前記2次転写ロールT2bは、中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに接触、離隔可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、前記バックアップロールT2aには、接触導通部材の一例としてのコンタクトロールT2cが当接している。前記コンタクトロールT2cには、本体側制御部C1により制御される電源回路Eから予め設定された時期に現像剤の帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記バックアップロールT2a、2次転写ロールT2b、コンタクトロールT2cにより、実施例1の2次転写器T2が構成される。前記1次転写ロールT1g〜T1k、中間転写ベルトB、2次転写器T2により、実施例1の転写装置T1g〜T1k+T2+Bが構成される。
【0025】
前記ベルトモジュールBMの下方には、媒体の一例としての記録シートSが収容される媒体収容部の一例として給紙トレイTR1,TR2が設けられている。前記給紙トレイTR1,TR2に収容された記録シートSは、媒体取出部材の一例としてのピックアップロールRpにより給紙トレイTR1,TR2から取り出され、捌き部材の一例としての捌きロールRsで一枚ずつ分離されて、媒体供給路SH1に搬送される。
前記媒体供給路SH1に搬送された記録シートSは、媒体搬送部材の一例としての搬送ロールRaにより、媒体不要部除去装置の一例としてのバリ取り装置Btに搬送される。前記バリ取り装置Btは、加圧部材の一例としての加圧ロールBt1と、対向部材の一例として、前記加圧ロールBt1に加圧されて接触する対向ロールBt2とを有する。前記加圧ロールBt1と対向ロールBt2とによって、記録シートSは、加圧されて挟まれて搬送され、記録シートS端部の不要部の除去、いわゆる、記録シートSのバリ取りが行われる。
【0026】
バリ取りされた記録シートSは、重送検知装置Jkに搬送される。前記重送検知装置Jkは、記録シートSについて、前記捌きロールRsにより捌ききれずに搬送され、複数枚の記録シートSが重なって搬送されているか否か、すなわち、重送か否かを検知する。
なお、前記重送検知装置Jkの媒体搬送方向上流側には、手差し供給路SH0が接続されており、図示しない手差し媒体供給部から供給された記録シートSも重送検知装置Jkで重送の検知がされる。
重送か否かが検知された記録シートSは、傾斜姿勢補正装置の一例としてのスキュー補正装置Shに搬送される。前記スキュー補正装置Shは、斜行ロールの一例としてのクロストロールRcを有し、前記クロストロールRcによって、記録シートSを、図示しない端部揃え部材に接触させて、記録シートSの傾斜姿勢、いわゆる、スキューを補正する。
スキューが補正された記録シートSは、搬送時期調整部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
【0027】
前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、中間転写ベルトB上の多色画像または単色画像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、転写前媒体案内部材SG1を通って、2次転写領域Q4に搬送される。
前記中間転写ベルトB上の多色画像は、前記2次転写領域Q4を通過する際に前記2次転写器T2により前記記録シートSに転写される。なお、多色画像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録シートSに2次転写される。2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。
【0028】
図1〜図3において、未定着可視像が2次転写された記録シートSは、転写後媒体案内部材SG2を通って、定着前媒体搬送部材の一例としての搬送ベルトHBによって、定着反転部U1bに設けられた定着装置Fに搬送される。
図3において、前記定着装置Fは、加熱定着部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧定着部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。前記記録シートSは、一対の定着部材Fh,Fpが、圧力が作用した状態で接触する定着領域Q5に搬送される。前記記録シートS上の未定着可視像は定着領域Q5を通過する際に定着装置Fにより加熱定着される。
【0029】
図2において、加熱定着された記録シートSは、冷却装置Coに搬送される。前記冷却装置Coは、無端帯状の上側搬送部材の一例として、回転可能に張架された上側搬送ベルトCo1と、無端帯状の下側搬送部材の一例として、前記上側搬送ベルトCo1に対向して回転可能に張架された下側搬送ベルトCo2とを有する。前記上側搬送ベルトCo1の内側には、放熱部材の一例としてのヒートシンクCo3が配置されており、上側搬送ベルトCo1の熱が奪われて、図示しない送風部材により外部に放出される。
これにより、定着装置Fによって加熱された記録シートSが、一対の搬送ベルトCo1,Co2に挟まれて搬送されると、記録シートSの熱が、搬送ベルトCo1,Co2によって奪われて、前記記録シートSが冷却される。
【0030】
冷却された記録シートSは、本体側の湾曲除去装置の一例としての本体デカール装置Hdに搬送される。前記本体デカール装置Hdは、第1湾曲除去部材の一例として、大径で上側の軟性円筒部材と小径で下側の硬性円筒部材とによって記録シートSを挟み、記録シートSの湾曲、いわゆる、カールを除去するロール型デカール部材Hd1を有する。前記ロール型デカール部材Hd1の媒体搬送方向下流側には、第2湾曲除去部材の一例として、張架された無端帯状部材と前記無端帯状部材に上側から接触する円筒部材とによって記録シートSを挟み、カールを除去するベルト型デカール部材Hd2が配置されている。
本体デカール装置Hdでは、ロール型デカール部材Hd1、ベルト型デカール部材Hd2によって、カールが除去された後に、排出部材Hd3によって、記録シートSが本体デカール装置Hdから排出される。
【0031】
前記本体デカール装置Hdの媒体搬送方向下流側には、搬送路切替部材GT1が設けられている。前記搬送路切替部材GT1は、媒体搬送路の一例としての本体処理路SH2を搬送された記録シートSの搬送先を、本体排出路SH3または媒体反転路SH4のいずれかに選択的に切り替える。
前記本体排出路SH3に搬送された記録シートSは、本体排出部材の一例としての本体排出ロールRhにより、画像の記録された画像記録面が上向きの状態のまま、いわゆる、フェイスアップの状態で、インターフェースモジュールU2に搬送される。
【0032】
記録シートSの画像記録面を上向きの状態から下向きの状態に反転して、いわゆる、フェイスダウンの状態でインターフェースモジュールU2に搬送する場合、本体処理路SH2から搬送された記録シートSは、前記搬送路切替部材GT1によって媒体反転路SH4に案内される。そして、前記記録シートSの媒体搬送方向後端が、媒体反転路SH4の分岐部に設けられた搬送路切替部材GT2を通過すると、反転搬送部材の一例としての正逆回転可能な反転ロールRbによって、記録シートSが逆搬送されて、いわゆる、スイッチバックする。そして、スイッチバックした記録シートSは、前記搬送路切替部材GT2によって本体排出路SH3に案内されて、記録シートSの画像記録面が上向きの状態から下向きの状態に反転されて、インターフェースモジュールU2に搬送される。
【0033】
記録シートSの両面に画像が記録される場合、本体処理路SH2から搬送された片面に画像が記録済みの記録シートSは、搬送路切替部材GT1によって、媒体反転路SH4に案内される。そして、前記記録シートSは、媒体反転路SH4の反転ロールRbによって、媒体循環路SH5に搬送され、両面記録反転路SH6に向けて搬送される。前記記録シートSの媒体搬送方向後端が、媒体循環路SH5と両面記録反転路SH6の接続部に設けられた搬送路切替部材GT3を通過すると、記録シートSがスイッチバックされる。スイッチバックした記録シートSは、前記搬送路切替部材GT3によって媒体供給路SH1側に案内され、媒体供給路SH1に再送される。
これにより、片面に画像が記録された記録シートSは、表裏が反転した状態で、媒体供給路SH1を搬送されて2次転写領域Q4に再送され、画像の記録されていないもう一方の面にも画像が記録される。
【0034】
(実施例1のインターフェースモジュールU2の説明)
図3において、インターフェースモジュールU2の操作部UIは、情報を表示する表示部UI1やプリンタUの各種設定を行うための入力釦UI2を有する。また、インターフェースモジュールU2は、外部の情報送信装置COMから送信された画像情報を受信して、各種処理およびプリンタUの制御を行う主制御部C2を有する。
前記インターフェースモジュールU2の内部には、湾曲除去装置の搬送路の一例としてのカール除去路SH21が設けられている。前記カール除去路SH21には、画像形成装置本体U1の本体排出路SH3から記録シートSが搬送される。前記カール除去路SH21に搬送された記録シートSは、搬送ロールMRaによって、湾曲除去装置本体の一例としてのモジュールデカール装置Mdに搬送される。前記記録シートSは、前記モジュールデカール装置Mdによって、カールが除去され、排出ロールMRhによって、カール除去路SH21からスタッカ装置U3に排出される。なお、前記モジュールデカール装置Mdは、従来公知であり、例えば、特開2006−520333号公報に記載されている構成と同様の構成を採用可能であるため、その詳細な説明は省略する。
【0035】
(実施例1のスタッカ装置U3の説明)
図3において、実施例1のスタッカ装置U3は、媒体排出積載装置の搬送路の一例として、前記インターフェースモジュールU2のカール除去路SH21に接続されたスタッカ排出路SH31を有する。前記スタッカ排出路SH31の媒体搬送方向下流側には、媒体排出積載装置の媒体排出部材の一例としてのスタッカ排出ロールSRhが配置されている。前記スタッカ排出ロールSRhによって、下方に配置された積載容器の一例としてのスタッカ容器TRhに、記録シートSが排出、積載される。前記スタッカ容器TRh内には、積載部材の一例として、上面に記録シートSが積載される底板TRh1が配置されている。前記底板TRh1は、記録シートSの積載量に応じて自動的に昇降する。
【0036】
(本体側の説明)
図6は実施例1の可視像形成装置を前方から見た説明図である。
図7はO色の可視像形成装置が画像形成装置本体に装着された状態における前端部の斜視説明図である。
図8は実施例1の画像形成装置本体に支持された引出体の一例としてのガイドレールが引き出された状態における画像形成装置本体の前端部分の説明図である。
図3〜図7において、実施例1のプリンタUでは、各可視像形成装置UG+GG〜UK+GKは、画像形成装置本体U1に着脱可能に支持される着脱ユニットの一例としてのマーキングモジュール1により構成されている。図8において、画像形成装置本体U1の枠体の一例としてのフレーム2の前端壁3には、各可視像形成装置UG+GG〜UK+GKに対応して、本体位置決め部の一例として、前方に突出する左右一対の本体前位置決め突起4が設けられている。前端壁3の下部には、ユニット仕切部の一例として、各可視像形成装置UG+GG〜UK+GKの左右両側に対応して、下方に延びるユニット仕切壁6が支持されている。各ユニット仕切壁6の左右両側面には、引出体の一例として、各可視像形成装置UG+GG〜UK+GKの左右両側に対応する左右一対のガイドレール7が支持されている。
【0037】
図9は実施例1の画像形成装置本体の後壁部材の要部説明図である。
図8、図9において、前記ガイドレール7は、仕切壁6に固定支持される外側案内部の一例としてのアウターレール7aと、アウターレール7aの内側に前後方向に移動可能に支持された中間案内部の一例としての中間レール7bと、中間レール7bの内側に前後方向に移動可能に支持されたインナーレール7cとを有する。したがって、ガイドレール7は、図8のYのガイドレール7に示すように画像形成装置本体U1からインナーレール7cが前方に引き出された引出位置と、図8のY以外のガイドレール7に示すように画像形成装置本体U1内にインナーレール7cが収容された収容位置と、の間で移動可能に支持されている。
【0038】
図8において、実施例1のインナーレール7cには、引出規制部材の一例として、板バネ状のロックメカ8が支持されている。前記ロックメカ8は、インナーレール7cが引出位置に移動するまでは、弾性変形してインナーレール7cと中間レール7bとの間に収容された状態で保持され、インナーレール7cが引出位置まで移動した場合に、図8のYのように外方に弾性復元して、インナーレール7cの移動、すなわち、ガイドレール7全体の移動を規制、いわゆるロックする。そして、ロックメカ8の前端の操作部8aを作業者が操作して、作業者の指で内側に押して弾性変形させると、ロックが解除されて、インナーレール7cが収容位置に向けて移動可能な状態となる。なお、このようなロックメカ8は、従来公知の構成を採用可能であり、例えば、いわゆるストップ型のディスコネクトスプリングを使用することが可能である。
【0039】
図8、図9において、左右一対のインナーレール7cには、それぞれ、ユニット支持部材の一例として、左右一対のユニット支持レール11,12が固定支持されている。ユニット支持レール11,12は、インナーレール7cの上面に沿って前後方向に延びるレール上壁11a,12aと、レール上壁11a,12aの内端から下方に延びるレール側壁11b,12bとを有する。
右側のユニット支持レール11には、レール上壁11aの前端から下方に折り曲げて形成された前端連結部11cが形成されており、前端連結部11cには、固定部の一例としてのネジ孔11dが形成されている。また、レール上壁11aの前端部には、引出位置決め部の一例として、上下方向に貫通する位置決め開口11eが形成されている。また、レール上壁11aの後端には、位置決め部の一例として、上方に突出するピン11fが支持されている。
左側のユニット支持レール12のレール上壁12aには、前側から後側に向けて順に、固定部の一例としてのネジ穴12c、引出位置決め部の一例としての位置決め開口12d、脱落防止部の一例としてのフック引っ掛け口12eとが形成されている。
【0040】
図9において、実施例1の画像形成装置本体U1では、マーキングモジュール1が装着される奥側である後壁16には、本体位置決め部の一例として、丸孔状の感光体位置決め孔16aと、感光体位置決め孔16aの右斜め上方に配置された長孔状のピン位置決め孔16bと、が形成されている。なお、後壁16には、ガイドレール7やマーキングモジュール1の後端に対応する開口16cも形成されている。
【0041】
(マーキングモジュールの説明)
図10は実施例1の可視像形成装置の説明図であり、図10Aは斜視図、図10Bは被位置決め部の要部説明図である。
図11は可視像形成装置の要部分解斜視図である。
図12は実施例1の可視像形成装置の説明図であり、図12Aは感光体ユニットが取り外された状態の左前方から見た要部斜視図、図12Bはフックの斜視図である。
図13は図12Aに示す可視像形成装置を斜め後方から見た状態の説明図である。
図7、図10〜図13において、実施例1のマーキングモジュール1は、枠体の一例としてのマーキングフレーム21と、マーキングフレーム21に着脱可能に支持される前記現像ユニットGG〜GKと、マーキングフレーム21に着脱可能に支持される前記感光体ユニットUG〜UKと、吸気ダクトD1と、排気ダクトD2と、を有する。
【0042】
(マーキングフレームの説明)
図14はマーキングモジュールのフレームの斜視図であり、図14Aは前斜め上方から見た斜視図、図14Bは後斜め下方から見た斜視図である。
図13、図14において、前記マーキングフレーム21は、枠体前部の一例であってマーキングモジュール1の挿入方向の上流側である上流壁の一例としての板状のモジュールフロントフレーム26を有する。モジュールフロントフレーム26の後方には、枠体後部の一例であって下流壁の一例としての板状のモジュールリアフレーム27が配置され、モジュールフロントフレーム26およびモジュールリアフレーム27とは、接続部材の一例としての前後方向に延びる左右一対のモジュール連結フレーム28,29により接続されている。
【0043】
図14において、モジュールフロントフレーム26の前面には、位置決め部の一例として、前方に突出するカバー位置決め突起26aと、固定部の一例として、3つのカバー固定部材26bとが支持されている。前記モジュールフロントフレーム26の下端には、後方に延びる板状の感光体ユニット前支持部26cが形成されている。
図13、図14において、前記モジュールフロントフレーム26の後面には、上流支持部材の一例として、感光体ユニット23の感光体Pkの前端部、すなわち、マーキングモジュール1の装着方向上流端部を支持可能な感光体前支持部材31が支持されている。前記感光体前支持部材31の左部には、上流位置決め凹部の一例であって現像位置決め部の一例として、現像ユニット22の前端を位置決めするための現像位置決め孔31aが上下一対形成された上流支持部の一例としての現像前支持部31bが形成されている。前記感光体前支持部材31には、左側が開放されたC字形状に形成された感光体前支持部31cが形成されている。
【0044】
図14Bにおいて、前記モジュールリアフレーム27の右下部には、現像ユニットGg〜Gkの後端部が通過する通過口27aが形成されている。また、モジュールリアフレーム27の下端には、感光体ユニット前支持部26cに対応して、前方に延びる板状の感光体ユニット後支持部27bが形成されている。さらに、モジュールリアフレーム27の左上端部には、感光体ユニットの固定部の一例としての回り止め孔27cが形成されている。
図13において、モジュールリアフレーム27には、感光体Pkの後端が前方から貫通可能な丸孔形状に形成され、感光体ユニット23の感光体Pkの後端部を支持可能な感光体後支持部材32が支持されている。感光体後支持部材32の上下には、現像固定部の一例として、上下一対の現像固定ネジ孔33が形成されている。前記現像固定ネジ孔33の近傍には、下流位置決め突起の一例であって現像位置決め部の一例として、後方に突出する現像位置決め凸部34が形成されている。したがって、前記現像固定ネジ孔33および現像位置決め凸部34を含むモジュールリアフレーム27の後面により、下流支持部の一例として、現像ユニットGg〜Gkの後部を支持する現像後支持部33+34が構成されている。
【0045】
また、モジュールリアフレーム27の上部には、ユニット位置決め部の一例として、画像形成装置本体U1の後壁16に形成されたピン位置決め孔16bに対応する位置に、後方に延びるユニット位置決めピン35が支持されており、マーキングモジュール1が画像形成装置本体U1に装着される際に、ユニット位置決めピン35がピン位置決め孔16bを貫通して嵌まり、位置決めがされるように構成されている。
実施例1の連結フレーム28,29は、ユニット支持レール11,12に対応して配置されており、ユニット支持レール11,12のレール側壁11b,12bの内側に対向する上下方向に延びる板状の連結本体28a,29aを有する。連結本体28a,29aの上端には、被支持部の一例として、ユニット支持レール11,12のレール上壁11a,12a上面に支持可能なように外側に折れ曲がった形状且つ前後方向に延びる被支持レール28b,29bが形成されている。
【0046】
図10、図14において、右側の被支持レール28bの前端には、前端連結部11cに対応して下方に折り曲げて形成され、マーキングモジュール1装着時に前端連結部11cに対向する前端被連結部36が形成されている。前記前端被連結部36には、被固定部の一例として、ネジ孔11dよりも大径の丸孔、いわゆるバカ孔により構成されたネジ貫通孔36aが形成されている。したがって、被支持レール28bは、ネジ貫通孔36aを貫通して、ネジ孔11dにネジ止めされるネジにより、ユニット支持レール11に支持される。なお、実施例1では、ネジとして、いわゆるショルダースクリューを使用しており、各方向にガタ、隙間をもって締結されるように構成されている。
図10Bにおいて、被支持レール28bの前端部には、被位置決め部の一例として、位置決め開口11eに対応して、被支持レール28bよりも下方に延びて位置決め開口11eに係合可能な引っ掛け爪37が形成されている。図13において、被支持レール28bの後端には、ユニット支持レール11のピン11fが嵌って位置決めの補助がされる前方に延びる溝部38が形成されている。
【0047】
図13、図14において、左側の被支持レール29bの前端には、左側のユニット支持レール12のネジ穴12cに対応して、被固定部の一例として、いわゆるバカ孔により構成されたネジ貫通孔41が形成されている。ネジ貫通孔41の後方には、被位置決め部の一例として、左側のユニット支持レール12の位置決め開口12dに対応して、引っ掛け爪37と同様に構成された引っ掛け爪42が形成されている。また、引っ掛け爪42の後方には、脱落防止通過部の一例として、左側のユニット支持レール12のフック引っ掛け口12eに対応して、フック通過口43が形成されている。
図12において、前記左側の被支持レール29bの前端の右側には、脱落防止支持部の一例として、フック支持部46が支持されている。前記フック支持部46には、脱落防止部材の一例としてのフック47が回転可能に支持されている。
【0048】
図12Bにおいて、フック47は、脱落防止本体の一例として、板状のフック本体47aを有し、フック本体47aの前部にはフック支持部46にネジを介して回転可能に支持される丸孔状の回転中心部47bが形成されている。フック本体47aの前端には、脱落操作部の一例として、上端から左方に延びるレバー47cが形成されている。前記フック本体47aの後端には、脱落防止部の一例として、下方に延び且つフック通過口43を通過可能な爪状のフック爪47dが形成されている。実施例1のフック47は、重心の位置が回転中心部47bよりも後側に設定されており、外力が作用していない状態、すなわち、作業者がレバー47cを操作していない状態で、フック爪47dが下方に回転した状態で保持されるように構成されている。
【0049】
したがって、作業者がフック47のレバー47cを操作していない状態では、フック爪47dがフック通過口43を通過し、マーキングモジュール1がユニット支持レール11、12に支持されている状態では、フック爪47dがフック引っ掛け口12eに嵌って引っ掛かり、マーキングモジュール1を前後方向に押しても脱落しないように保持する。そして、作業者がフック47のレバー47cを操作して、下方に押すと、フック爪47dが上方に回転して、フック爪47dと引っ掛け口12eとの係合が解除され、マーキングモジュール1がユニット支持レール11,12から離脱可能な状態となる。
【0050】
図10〜図12において、前記モジュールフロントフレーム26の前側には、ユニット操作支持部材の一例として、モジュールフロントカバー51が支持されている。モジュールフロントカバー51は、支持部材本体の一例として、平板状のカバー本体52を有する。前記カバー本体52には、モジュールフロントフレーム26のカバー位置決め突起26aに対応する位置に、被位置決め部の一例として、カバー位置決め突起26aが貫通して位置決めされるカバー位置決め孔52aが形成されている。また、カバー本体52には、3つのカバー固定部材26bに対応する位置に、被固定部の一例として、カバー固定部材26bにより固定支持される固定支持孔52bが形成されている。
また、カバー本体52の上下方向中央部には、ユニット操作部の一例として、マーキングモジュール1を作業者が操作するためのハンドル53が支持されている。
【0051】
また、カバー本体52の上端には、ユニット前被位置決め部の一例として、本体前位置決め突起4に対応して配置された前位置決め孔54が左右一対形成されている。したがって、マーキングモジュール1が画像形成装置本体U1に装着される際に、図4、図7に示すように、前位置決め孔54を本体前位置決め突起4が貫通した状態で嵌ることで、マーキングモジュール1の前側の位置決めが行われる。
また、カバー本体52の下部には、操作部56が支持されており、感光体ユニットUG〜UKが後述する後側の装着位置に移動した状態で保持したり、離脱可能にするように、回転時に前後方向に移動可能に支持されている。
【0052】
図10〜図12において、カバー本体52の右端部には、間隔をあけて配置された左右一対の補給支持部57が配置されており、補給支持部57どうしは、前端部で前側に湾曲する連結部57aで連結されている。右側の補給支持部57には、右方に張り出した形状の張出部58が一体的に形成されており、張出部58の上部58aでモジュールフロントフレーム26の右端部にネジ止めされている。張出部58の下部には、歯車保護部の一例としてのギアカバー58bが形成されている。
前記一対の補給支持部57の間には、トナーカートリッジKkからの現像剤を現像装置Gkに補給するための補給部材59が支持されており、図6に示すように、前記補給部材59は、上方の現像剤補給装置U1cに接続されている。なお、前記補給部材59や現像剤補給装置U1cは、例えば、特開2001−154468号公報等に記載されており、従来公知の任意の構成を採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0053】
(感光体ユニットの説明)
図15は実施例1の感光体ユニットの斜視図であり、図15Aは右斜め前上方から見た図、図15Bは左斜め後ろ上方から見た図である。
図16は感光体ユニットを右方から見た図である。
図11、図15、図16において、マーキングフレーム21に着脱される感光体ユニットUG〜UKは、帯電器CCg〜CCkとドラムクリーナCLg〜CLkとを支持する支持枠61を有する。したがって、実施例1の感光体ユニットUG〜UKは、感光体Pg〜Pkと、帯電器CCg〜CCk、ドラムクリーナCLg〜CLkが一体的に着脱可能に構成されている。
【0054】
前記支持枠61は、前後一対の前端壁62および後端壁63を有する。実施例1の感光体ユニットUG〜UKは、各端壁62,63の下面が、マーキングフレーム21の各感光体ユニット支持部26c,27bの上面に支持された状態で、保持される。
前記各端壁62,63には、右側が開放されたU字状の感光体Pg〜Pkの軸部支持溝62a,63aが形成されている。図15Bにおいて、後端壁63の左側上端部には、位置決め部の一例として、後方に突出してマーキングフレーム21の回り止め孔27cに貫通可能な回り止め突起63bが形成されている。なお、感光体ユニットUG〜UKには、ドラムクリーナCLg〜CLkから後方に延びて、回収された現像剤が搬送、排出される排出筒63cが支持されている。
【0055】
図11、図16において、各端壁62,63には、感光体Pg〜Pkの前端の軸部64を回転可能に支持する軸受け66が支持されている。図16において、前側の軸受66の後端部には、後方に行くに連れて小径になる小径部66aが形成され、小径部66aの前部には大径部66bが形成されている。前記小径部66aは、感光体ユニットUG〜UKがマーキングフレーム21に装着される際に、左側からC字形状の感光体前支持部31cを通過可能な径に形成されており、軸受66の前側の小径部66aよりも大径の大径部66bは、感光体前支持部31cのC字形状の隙間を通過不能な径に設定されている。
図15A、図16において、前記感光体Pg〜Pkの後端部には、被接触部の一例として、後述するトラッキング部材131が突き当てられるフランジ部64aが形成されている。
【0056】
(現像ユニットの説明)
図17は可視像形成装置の現像ユニットの斜視図である。
図18は前記現像ユニットの現像剤補給口および現像剤排出口部分の拡大説明図である。
図19は前記現像容器の説明図で、図19Aは図18のXIXA−XIXA線断面図、図19Bは図18のXIXB−XIXB線断面図である。
図20は実施例1の現像ユニットを左斜め前上方から見た斜視図である。
図21は実施例1の現像ユニットを左斜め後上方から見た斜視図である。
図22は実施例1の現像ユニットを左斜め後下方から見た斜視図である。
【0057】
図17〜図22において現像ユニットGg〜Gkは現像容器Vを有し、現像容器Vには前方に突出する上下一対の前方突出部Vaおよび後方に突出する後方突出部Vbが設けられている。前記現像器Gkは、前記現像容器V内部に収容された現像ロールR0、撹拌部材の一例としての上下一対の撹拌オーガR1,R2を有している。前記上下一対の撹拌オーガR1,R2の前端部は前記上下一対の前方突出部Vaおよび後方突出部Vb内に延びている。
【0058】
前記現像容器Vの内部には、上下一対の撹拌オーガR1,R2の間を仕切る仕切壁V1が形成されており、仕切壁V1の前後両端には流入部E1が形成されている。なお、図18には前側の流入部E1のみを図示してあるが、後側の流入部も前側の流入部E1と同様に構成されている。したがって、上下一対の撹拌オーガR1が互いに逆方向に現像剤を搬送することで、仕切壁V1の下側と上側とで、現像剤が撹拌されながら搬送され、前側の流入部E1で上から下に現像剤が流入し、後側の流入部で下から上に現像剤が流入することで、循環する。
なお、前記現像ロールR0と下側の撹拌オーガR2との間には、現像ロールR0の表面から離脱した現像剤を下側の撹拌オーガR2に向けて撹拌しながら搬送する現像剤攪拌搬送部材の一例としての補助オーガR3が配置されている。
また、現像ロールR0の下方には、回収部材の一例として、現像領域の下方で浮遊する現像剤や感光体Pg〜Pk表面に過剰に付着した現像剤を回収する回収ロールR5が回転可能に支持されている。
【0059】
上側の前方突出部Vaの上面には補給部材連結部71が形成されており、補給部材連結部71は上方に突出する円筒状接続部71aと補給口71bとを有している。前記円筒状接続部71aは、補給部材59の下端が接続されており、補給部材59からの現像剤が補給口71bを通じて補給される。また、前記上側の前方突出部Vaの側面には、劣化したキャリア等を含む現像剤が排出される現像剤排出口V2が形成されている。
図17、図19において、前記現像容器Vの右側部には前後に延びる現像剤排出筒72が支持されており、現像剤排出筒72の前端部と前記前方突出部Vaとの間には、前方突出部Vaから排出される排出現像剤を前記現像剤排出筒72の前端部に流入させる接続路形成部材73が設けられている。
前記現像剤排出筒72内には、現像剤排出部材の一例として、排出現像剤を後方に搬送する排出オーガR4が配置されている。
【0060】
前記現像剤排出筒72の後端部には、容器接続部の一例としての回収タンク接続筒74が設けられており、回収タンク接続筒74は画像形成装置本体U1内に支持された回収容器の一例としての回収タンクTに接続されている。なお、前記回収タンク接続筒74は、マーキングモジュール1が画像形成装置本体U1に装着される際に、回収タンクTの上端に挿入されて接続されるように構成されている。
回収タンク接続筒74が現像剤回収タンクTに接続された状態では、前記排出オーガR4により現像剤排出筒72内を後方に搬送された排出現像剤は、現像剤排出筒72の後端部に接続された回収タンク接続筒74から現像剤回収タンクTに排出され、回収される。
【0061】
(モータと現像容器との固定構造の説明)
図23は実施例1の現像ユニットの後端部の要部説明図である。
図17、図20〜図23において、実施例1の現像ユニットGg〜Gkの後端部には、撹拌オーガR1等を駆動する駆動源の一例としての現像モータユニットM1が配置されている。現像モータユニットM1の前端部は、駆動源固定部材の一例としてのモータ固定部材81に固定支持されている。モータ固定部材81は、現像モータユニットM1が固定される固定部材本体81aを有する。固定部材本体81aには、導線案内部の一例として、右側部や上側部に沿ったケーブルガイド溝81bや、ケーブル本体81aの右上端部から前方に延びるケーブルガイド部81cが形成されている。前記ケーブルガイド溝81bやケーブルガイド部81cには、現像モータユニットM1の制御基板SKに接続されて制御信号や電源を供給したり、現像ロールR0へ現像電圧を印加したり等する導線の一例としてのケーブルCbが案内される。
【0062】
図24は図23のXXIV−XXIV線断面図である。
図25は図23に示す状態からモータ支持部材を取り外した状態の説明図である。
図26は実施例1の現像ユニットの後部を右斜め後上方から見た説明図である。
図21、図23、図24、図25において、前記ケーブルガイド部81cの前部には、支持固定部の一例として、左方に延びるカバー固定爪81dが形成されている。
図20〜図24において、モータ固定部材81の前方には、駆動源支持部材の一例としてのギアカバー82が配置されている。前記ギアカバー82は、図24に示すように、右側が開放された略コの字形状に形成されており、カバー上壁82aと、カバー右側壁82bと、カバー下壁82cとを有する。図20〜図24において、カバー上壁82aには、カバー固定爪81dに対応する位置に開口82dが形成されており、開口82dにカバー固定爪81dが嵌まってギアカバー82とモータ固定部材81とが連結されている。図26において、前記カバー上壁82aの後端には、下方に延びる板状の後壁82eが形成されており、後壁82eに現像モータユニットM1が支持されている。前記後壁82eの右部には、ケーブルガイド部81cの下面に沿って前方に延びる上側歯車支持部82fと、右側面に沿って前方に延びる右側歯車支持部82gとが形成されている。
【0063】
カバー上壁82aの前端には、上方に延びる容器固定部83が形成されている。容器固定部83には、位置決め部の一例として、左端に形成された長孔状の上下位置決め孔83aと右端に形成された丸孔状の位置決め孔83bとが形成されており、現像容器Vの後端壁84の上端から後方に突出する位置決め突起84a,84bが貫通して位置決め可能に構成されている。前記各位置決め孔83a,83bの間には、被固定部の一例として、図示しない丸孔状のネジ貫通孔が形成されており、ネジ貫通孔を貫通して後端壁84の固定部の一例としての図示しないネジ孔に嵌るネジ86によりギアカバー82が現像容器Vに固定支持される。
前記符号81〜86を付した部材および現像容器Vにより、実施例1の保持体回転支持部材81〜86+Vが構成されている。
【0064】
(歯車列の説明)
図27は図25に示す状態からモータ固定部材を取り外した状態の説明図である。
図28は図27に示す状態から現像ユニット固定部材を取り外した状態の説明図である
図29は実施例1の現像ユニットの歯車列を右斜め後方から見た説明図である。
図30は図29に示す状態を後斜め下方から見た説明図である。
図31は実施例1の現像ユニットの歯車列の要部斜視説明図である。
図32は実施例1の現像ユニットの駆動源と歯車列とを右斜め前方から見た斜視図である。
図33は実施例1の現像ユニットの駆動源と歯車列とを右斜め後方から見た斜視図である。
【0065】
図24〜図29において、前記現像モータユニットM1は、駆動歯車の一例としてのモータギアM1aを有する。図24〜図33において、前記モータギアM1aの上方には、回転軸の一例であり且つ被駆動軸の一例として、現像容器Vの後端壁84から後方に延びる分岐軸91が回転可能に支持されており、分岐軸91の後端には、モータギアM1aに噛み合う被駆動歯車の一例としての第1ギア92が支持されている。前記分岐軸91には、前から順に、第1歯車の一例であり且つ保持体分岐歯車の一例としてのローラ分岐ギア93と、第2歯車の一例であり且つ撹拌分岐歯車の一例としてのオーガ分岐ギア94とが、第1ギア92と同軸に支持されている。
前記ローラ分岐ギア93には、保持体歯車の一例として現像ロールR0の後端に支持された現像ロールギア96が噛み合っている。したがって、現像モータユニットM1が回転すると、モータギアM1a、第1ギア92、ローラ分岐ギア93、現像ロールギア96を介して現像ロールR0に回転が伝達され、現像ロールR0が回転する。
したがって、実施例1では、分岐軸91のローラ分岐ギア93に直接噛み合う現像ロールギア96により、保持体回転伝達系が構成されているが、現像ロールギア96とローラ分岐ギア93との間に1つまたは複数の歯車を有するギア列からなる保持体回転伝達系とすることも可能である。
【0066】
前記オーガ分岐ギア94の左下側には、中間歯車の一例として、モータ固定部材81の前面に回転可能に支持され且つオーガ分岐ギア94に噛み合う第1中間ギア97が配置されており、オーガ分岐ギア94から第1中間ギア97に回転が伝達される。なお、実施例1の第1中間ギア97は、噛み合うオーガ分岐ギア94との関係で、減速されるように、径や歯数が設定されている。
前記第1中間ギア97の下方には、現像容器Vの後端壁84から後方に延び且つ回転可能に支持された回収伝達軸98が配置されており、回収伝達軸98の後端には、中間歯車の一例として、第1中間ギア97に噛み合う第2中間ギア99が支持されている。前記回収伝達軸98の前部には、偏心部材の一例としての偏心カム101が支持されている。前記偏心カム101の左斜め上方には、回収ロールR5の回転軸R5aが延びており、回収ロールR5の回転軸R5aの後端には、一方向伝達部材の一例としてのワンウェイクラッチ102を介して、回転伝達部材の一例としてのカム伝達部材103が支持されている。前記カム伝達部材103は、偏心カム101の外表面に接触して挟み込む二又状の爪部103aを有している。
【0067】
図28、図30において、前記回収伝達軸98には、偏心カム101の前側に、第3撹拌伝達歯車の一例としての補助オーガ伝達ギア104が支持されている。図30において、補助オーガ伝達ギア104には、撹拌歯車の一例として、補助オーガR3の後端に支持された補助オーガギア105に噛み合っている。
したがって、現像モータユニットM1が駆動すると、モータギアM1a、第1ギア92、オーガ分岐ギア94、中間ギア97,99を介して偏心カム101および補助オーガ伝達ギア104が回転し、補助オーガR3が回転する。また、偏心カム101が回転するとカム伝達部材103が回転軸R5aを中心として上下方向に往復移動するが、ワンウェイクラッチ102が特定の一方向のみ回転を回転軸R5aに伝達するため、回転軸R5aが、偏心カム101の回転数に比べて大きく減速された回転数で特定の一方向に回転する。したがって、回収ロールR5が、大きく減速された回転速度で回転する。
【0068】
図29、図31〜図33において、分岐軸91の右斜め下方には、中間歯車の一例として、ギアカバー82の後壁82eに支持された第3中間軸106に支持された第3中間ギア107が配置されており、オーガ分岐ギア94に噛み合い、回転が伝達される。前記第3中間ギア107には、第1の撹拌歯車の一例として、上側の撹拌オーガR1の後端に支持された上オーガギア108が噛み合っている。上オーガギア108には、中間歯車の一例として、後方突出部Vbに支持された第4中間ギア109に噛み合っている。前記第4中間ギア109には、第4中間ギア109の斜め下方において後方突出部Vbに支持された中間歯車の一例としての第5中間ギア111に噛み合っている。前記第5中間ギア111には、第2の撹拌歯車の一例として、下側の撹拌オーガR2の後端に支持された下オーガギア112が噛み合っている。
【0069】
したがって、現像モータユニットM1が駆動すると、モータギアM1a、第1ギア92、オーガ分岐ギア94、各ギア107〜112を介して、上下一対の撹拌オーガR1,R2が駆動され、現像容器V内の現像剤が撹拌されながら、搬送されて現像容器V内を循環する。
なお、第3中間ギア107は、噛み合うオーガ分岐ギア94との関係において、減速されるように径や歯数が設定されている。
【0070】
前記第3中間ギア107の右斜め上方には、中間歯車の一例として、上側歯車支持部82fに回転可能に支持された第6中間ギア116が噛み合っている。第6中間ギア116の同軸には中間歯車の一例としての第7中間ギア117が配置されており、第7中間ギア117には、右側歯車支持部82gに回転可能に支持された中間歯車の一例としての第8中間ギア118が噛み合っている。第8中間ギア118の同軸には、中間歯車の一例としての第9中間ギア119が支持されている。
図17において、第9中間ギア119の下方には、現像容器Vの右方に回転可能に支持された前後方向に延びる伝達軸121が配置されており、伝達軸121の後端に支持された排出伝達歯車の一例としての第1の排出伝達ギア122が前記第9中間ギア119に噛み合っている。前記伝達軸121の前端には、排出伝達歯車の一例として、第2の排出伝達ギア123が支持されており、第2の排出伝達ギア123は、接続路形成部材73の前端に回転可能に支持された排出伝達歯車の一例としての排出中間ギア124に噛み合っている。前記排出中間ギア124は、撹拌歯車の一例として、排出オーガR4の前端に支持された排出オーガギア126に噛み合っている。
【0071】
したがって、現像モータユニットM1が駆動すると、モータギアM1a、第1ギア92、オーガ分岐ギア94、各ギア107、116〜126を介して、排出オーガR4が回転して、現像剤排出筒72内の現像剤が回収タンクTに向けて搬送される。
前記符号97〜126を付した部材により、実施例1の撹拌回転伝達系97〜126が構成されている。
また、モータギアM1aや第1ギア92、各分岐ギア93,94、保持体回転伝達系96や撹拌回転伝達系97〜126により、歯車列の一例としてのギア列GRが構成されており、前記ギア列GRおよび現像モータユニットM1により実施例1の現像ユニット駆動系GR+M1が構成されている。
【0072】
(トラッキング部材の説明)
図34は実施例1の突き当て部の要部説明図である。
図20、図22、図25、図27、図28、図34において、現像容器Vの後端壁84には、間隔設定部材の一例としてのトラッキング部材131が、現像ロールR0の後端よりも後方に支持されている。前記トラッキング部材131は、後側に形成された本設定部131aと、本設定部131aの前側に連続する段差状に形成され且つ感光体Pg〜Pk側に突出する仮設定部131bとを有する。前記トラッキング部材131では、各設定部131a,131bが感光体ユニットUG〜UKの後側のフランジ部64aに接触して、突き当て可能に構成されている。そして、現像ユニットGg〜Gkがマーキングフレーム21に着脱される際に、仮設定部131bとフランジ部64aとが接触した状態では、現像ロールR0の表面と感光体Pg〜Pkとの表面との間隔が予め設定された間隔よりも広い間隔に設定され、現像ユニットGg〜Gkの装着が完了した状態では、本設定部131aとフランジ部64aとが接触し、現像ロールR0の表面と感光体Pg〜Pkとの表面との間隔が予め設定された間隔に設定されるように構成されている。
【0073】
(現像ユニット固定部材の説明)
図35は実施例1の現像ユニット固定部材の説明図であり、図35Aは前側の現像ユニット固定部材の斜視図、図35Bは後側の現像ユニット固定部材の斜視図、図35Cはトラッキングバネ装着孔の要部説明図である。
図17、図20〜図27、図35において、前記現像容器Vの前後両端部には、保持体移動支持部材の一例として、現像ユニット固定部材136、137が配置されている。図35Aにおいて、実施例1の前側の現像ユニット固定部材136は、固定部材本体の一例として、板状の前固定プレート136aを有する。前記前固定プレート136aには、現像容器Vに支持された回収ロールR5の前端部等の前側に延びる部材が移動可能な状態で通過させる複数の通過孔138が形成されている。すなわち、前側の現像ユニット固定部材136は、現像容器Vに対して固定支持されておらず、相対的に移動可能に支持されている。なお、前記通過孔138は、現像ロールR0が感光体Pg〜Pkに接近、離間する方向に沿って延びる長孔状に形成されており、現像ロールR0が感光体Pg〜Pkに対して接近、離間する方向に移動可能になっている。
【0074】
図36は現像ユニットの前端がモジュールフロントフレームに位置決めされた状態の説明図である。
図35、図36において、前記前固定プレート136aの左端部は、感光体ユニットUG〜UKの前端部に対応して、円弧状に切り欠かれた形状に形成されており、切り欠かれた部分の上下両端部には、上流位置決め突起の一例であって、現像位置決め部の一例として、マーキングフレーム21の現像位置決め孔31aに対応する位置に、前方に突出する現像位置決め突起139が支持されている。なお、実施例1では、現像位置決め突起139の長さは、現像位置決め凸部34の高さよりも長く形成されており、現像位置決め孔31aを貫通可能に構成されている。したがって、図36に示すように、現像ユニットGg〜Gkがマーキングフレーム21に装着される際に、現像位置決め突起139が現像位置決め孔31aに貫通して位置決めされる。
【0075】
図35Aにおいて、前記前固定プレート136aの右上端部には、付勢装着部の一例として、後方に延びるトラッキングバネ装着部140が形成されている。図35Cにおいて、トラッキングバネ装着部140には、付勢貫通部の一例として、円孔部140aと円孔から後方に延びる溝部140bとを有する鍵穴状の左右方向に貫通するトラッキングバネ装着孔140cが形成されている。前記トラッキングバネ装着孔140cの後側には、支持固定部の一例としてのネジ孔140dが形成されている。
【0076】
図24〜図27、図35Bにおいて、後側の現像ユニット固定部材137は、固定部材本体の一例として、板状の後固定プレート141を有する。図24、図25、図35において、前記後固定プレート141には、現像ロールギア96の後端部や分岐軸91等の後端壁84から後方に突出する部材が移動可能な状態で通過させる複数の通過孔142が形成されている。なお、通過孔142も、前側の通過孔138と同様に、現像ロールR0が感光体Pg〜Pkに接近、離間する方向に延びる長孔状に形成されている。また、図24に示すように、実施例1の後固定プレート141の左下部分は、後方突出部Vbや回収伝達軸98に対して現像容器Vが移動しても接触しない十分な隙間があくように切り欠かれた形状に形成されている。したがって、後側の現像ユニット固定部材137も現像容器Vに対して固定支持されておらず、相対的に移動可能に支持されている。
【0077】
図27、図28において、実施例1では、後固定プレート141の前側には、現像ロールギア96やローラ分岐ギア93と、撹拌回転伝達系97〜126の中でも、後方突出部Vbではなく現像容器Vの後端壁84よりも前側に配置される回転する部材R3,R5に回転を伝達する偏心カム101やワンウェイクラッチ102、カム伝達部材103、補助オーガ伝達ギア104、補助オーガギア105しか配置されていない。したがって、残りの撹拌回転伝達系97〜99、106〜126は、後固定プレート141の後側に配置されている。すなわち、後固定プレート141を貫通する軸や歯車は最小限となるように設定されている。
【0078】
図13、図24〜図27、図35Bにおいて、後固定プレート141の左部には、上下一対の現像ユニット被固定部141a,141bが形成されている。前記被固定部141a,141bには、下流位置決め凹部の一例であって被位置決め部の一例として、現像位置決め凸部34に対応する位置に、現像位置決め孔143が形成されている。また、後固定プレート141には、被固定部の一例として、現像固定ネジ孔33に対応する位置に、丸孔状に形成された現像固定孔144が形成されている。
したがって、現像ユニットGg〜Gkの後側は、後固定プレート141の現像位置決め孔143が現像位置決め凸部34が嵌った状態で、現像固定孔144を貫通するネジが現像固定ネジ孔33にネジ止めされることで、後固定プレート141がマーキングフレーム21に固定される。
【0079】
よって、現像ユニット固定部材136,137が、マーキングフレーム21に位置決めされて固定された状態では、現像ユニット固定部材136,137に対して相対的に移動可能な現像容器Vに支持される現像ロールR0等は、マーキングフレーム21に対して移動可能、すなわち、感光体Pg〜Pkに対して、一体的に接近、離間可能な状態で支持される。
なお、実施例1では、現像位置決め凸部34は、現像位置決め孔142に嵌った状態で、現像位置決め孔142を貫通しない程度の高さに設定されており、貫通する現像位置決め突起139に比べて、前後方向に現像ユニットGg〜Gkをずらさなくても現像位置決め孔142に嵌りやすく設定されている。すなわち、後側の位置決めが容易に可能に構成されている。
【0080】
図21〜図23、図25、図27、図35において、後固定プレート141の左下端部には、端子支持部の一例として、後方に延びるコネクタ支持部145が形成されている。前記コネクタ支持部145には、端子部の一例として、後方に延びるコネクタCNTが支持されている。前記コネクタCNTは、前記ケーブルCbが接続されると共に、マーキングモジュール1が画像形成装置本体U1に装着された場合に、画像形成装置本体U1の図示しない端子部に嵌まって、画像形成装置本体U1と現像ユニットGg〜Gkを電気的に接続させる。
前記後固定プレート141の右上端部には、付勢装着部の一例として、前方に延びるトラッキングバネ装着部146が形成されている。後側のトラッキングバネ装着部146にも、前側のトラッキングバネ装着部140と同様に、円孔部146aと溝部146bとを有する鍵穴状のトラッキングバネ装着孔146cと、ネジ孔146dとが形成されている。
【0081】
図37は現像ロールの付勢部材の要部説明図である。
図38は前側の現像ユニット固定部材に支持された付勢支持部材の説明図であり、図38Aは付勢支持部材が付勢位置に移動した状態の説明図、図38Bは付勢支持部材が付勢低減位置に移動した状態の説明図である。
図39は図38Aに示す状態を斜め後方から見た説明図である。
図40は付勢支持部材の説明図であり、図40Aは斜視図、図40Bは図40Aの矢印XLB方向から見た図、図40Cは図40Aの矢印XLC方向から見た図、図40Dは図40Bの矢印XLD方向から見た図、図40Eは図40BのXLE−XLE線断面図である。
【0082】
図17、図26、図35、図37〜図39において、各トラッキングバネ装着部140,146には、付勢支持部材の一例としてのトラッキング圧調整部材151が装着されている。図17、図26、図37〜図40において、トラッキング圧調整部材151は、調整操作部の一例として、トラッキングバネ装着部140,146の外側に配置される板状のプレート部151aを有する。図40において、前記プレート部151aの一端部には、被固定部の一例としてネジ孔140d,146dに対応するネジ貫通孔151bが形成されている。プレート部151aのネジ貫通孔151bとは離れた位置に、トラッキングバネ装着孔140c,146cの円孔部140a,146aを通過可能な略円筒状の円筒部151cが形成されている。前記円筒部151cの先端部には、低減保持部の一例として、外側に突出する爪状の抜け止め爪151dが形成されている。また、円筒部151cの基端部には、付勢保持部の一例として、ネジ貫通孔151bとは逆側の位置に、外方に突出し且つ溝部140b,146bを通過可能な突起部151eが形成されている。前記円筒部151cの内部には、付勢部材一端支持部の一例として、プレート部151aから突出するバネ支持突起151fが形成されている。
【0083】
図35、図37〜図39において、現像容器Vの右上端部においてトラッキングバネ装着部140,146に対向する面と、バネ支持突起151fとの間には、付勢部材の一例としてのトラッキングバネ152が装着されている。前記トラッキングバネ152は、現像ユニット固定部材136,137と一体的にマーキングフレーム21に固定支持されるトラッキングバネ装着部140,146に対して、現像容器Vを押して、現像ロールR0が感光体Pg〜Pkに接近する方向に付勢する。したがって、トラッキングバネ152の付勢力で前記トラッキング部材131の本設定部131aが感光体ユニットUG〜UKの後側のフランジ部64aに突き当てられることで、現像ロールR0の表面と感光体Pg〜Pkの表面との間隔が予め設定された間隔に設定される。
【0084】
図41は前側の付勢支持部材が付勢位置に移動した状態の説明図であり、図41Aは右方から見た図、図41Bは後斜め上方から見た図である。
図42は前側の付勢支持部材が付勢低減位置に移動した状態の説明図であり、図42Aは右斜め後方から見た図、図42Bは後方から見た図である。
図38、図41、図42において、実施例1のトラッキング圧調整部材151は、図38A、図41に示すように突起部151eがトラッキングバネ装着部140,146の内面に接触する付勢位置では、プレート部151aの内面がトラッキングバネ装着部140,146の外面に対向して、ネジ貫通孔151bを貫通して、ネジ孔140d,146dに嵌るネジ153により固定可能になっている。
【0085】
そして、ネジ153が取り外されて、トラッキング圧調整部材151が、図38B、図42に示すように、円筒部151cを中心に180°回転すると、突起部151eが溝部140b,146bに対応する位置に移動して、トラッキングバネ152の弾性力で、図38B、図42に示すに付勢低減位置に移動する。付勢低減位置では、抜け止め爪151dがトラッキングバネ装着部140,146の内面に接触して引っ掛かった状態となり、付勢位置に比べて、トラッキング圧調整部材151が外側に移動している。よって、付勢低減位置では、付勢位置に比べて、トラッキングバネ152が現像容器Vを押す力が低減されている。したがって、トラッキング圧調整部材151を付勢位置と、付勢低減位置との間で移動させることで、トラッキングバネ152の付勢力を増減させることができ、現像容器Vを押す力を調整できるように構成されている。
【0086】
なお、前記トラッキングバネ152の付勢力の調整は、例えば、マーキングモジュール1の組立時に行うことが可能なように、現像装置Gg〜Gkの右外側面に配置されている。すなわち、現像装置Gg〜Gkと感光体ユニットUG〜UKとを装着した後に、付勢力が調整可能なように、感光体ユニットUG〜UKとは逆側に配置されている。したがって、マーキングモジュール1が一体的に画像形成装置本体U1に対して着脱される構成に対応して、マーキングフレーム21に各ユニットUG〜UK,Gg〜Gkが組付けられ、画像形成装置本体U1に挿入される直前の状態でも、トラッキングバネ152の付勢力の調整が可能になっている。
【0087】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、画像形成動作に伴って、現像ユニットGg〜Gkや感光体ユニットUG〜UKが損耗したり、それまで使用されていた色とは異なる色の現像ユニットや感光体ユニットを使用する場合には、マーキングモジュール1の交換が行われる。
【0088】
(取り外されたマーキングモジュールの装着方法)
図43はマーキングモジュールが取り外された状態の斜視説明図である。
図44は図43の状態を側方から見た説明図である。
図45はマーキングモジュールがガイドレールに載せられた状態の斜視説明図である。
図46は図45の状態を側方から見た説明図である。
図47はマーキングモジュールが図45に示す状態からガイドレールに固定された状態の斜視説明図である。
図48は図47の状態を側方から見た説明図である。
図49はマーキングモジュールが画像形成装置本体内に収容された状態の斜視説明図である。
図50は図49の状態を側方から見た説明図である。
【0089】
図43、図44において、マーキングモジュール1が取り外された状態では、ロックメカ8がガイドレール7を、図20、図21に示す引出位置にロックした状態で保持しており、ガイドレール7およびユニット支持レール11,12が移動不能な状態で保持されている。
図43〜図46において、図43、図44に示す状態からマーキングモジュール1をユニット支持レール11,12に上から載せると、マーキングモジュール1の被支持レール28a,29aがユニット支持レール11,12のレール上壁11a,12aに支持される。このとき、ユニット支持レール11,12がロックメカ8でロックされて移動不能であり、ロックメカ8がガイドレール7をロックしない構成に比べて、マーキングモジュール1をユニット支持レール11,12に上方から装着する操作性が向上している。また、ロックメカ8でロックされたユニット支持レール11,12が移動不能であり、マーキングモジュール1が、ユニット支持レール11,12に沿って移動可能な状態で支持される。
【0090】
そして、マーキングモジュール1をユニット支持レール11,12に沿って前後方向に移動させて、マーキングモジュール1の引っ掛け爪37,42が、ユニット支持レール11,12の位置決め開口11e,12dに掛かると、図47、図48に示すように、マーキングモジュール1がユニット支持レール11,12に位置決めされる。引っ掛け爪37,42が位置決め開口11e,12dに掛かった状態では、マーキングモジュール1の前方への移動が規制されており、位置決めされた状態からマーキングモジュール1がガイドレールから外れて落下させ、マーキングモジュール1が破損するといった問題が低減されている。
また、このとき、フック47のフック爪47dがフック引っ掛け口12eに自動的に掛かる。したがって、フック47が設けられていない場合、引っ掛け爪37,42だけでは、強い力が作用すると位置決め開口11e,12dから外れてしまう恐れがあるが、フック47が設けられた実施例1のマーキングモジュール1では、マーキングモジュール1が位置決めされた位置から移動することが抑制され、さらに破損する問題の発生が低減されている。
【0091】
図47、図48において、マーキングモジュール1が位置決めされると、ネジ貫通孔36aとネジ孔11dとがネジで連結、固定されると共に、ネジ貫通孔41とネジ孔12cとがネジで連結固定される。
この状態で、ロックメカ8のロックを解除すると、マーキングモジュール1が画像形成装置本体U1内に移動可能となり、図49、図50に示すように、画像形成装置本体U1内部に収容される。このとき、マーキングモジュール1の前端は、モジュールフロントカバー51の前位置決め孔54が本体前位置決め突起4に嵌って位置決めされ、マーキングモジュール1の後端は、感光体位置決め孔16aに感光体Pg〜Pkの後端が支持され且つピン位置決め孔16bにユニット位置決めピン35が貫通して位置決めされる。
【0092】
(マーキングモジュールの取外方法)
マーキングモジュール1を画像形成装置本体U1から取り外す場合は、装着する場合と逆の手順で行うことが可能である。
すなわち、図49、図50に示す状態から、マーキングモジュール1のハンドル53を把持して前方に引き出すと、図47、図48に示すように引出位置までガイドレール7が引き出され、ロックメカ8のロックが自動的にかかる。
この状態から、ネジ貫通孔36aとネジ孔11d、および、ネジ貫通孔41とネジ孔12cを固定しているネジを外して、フック47のレバー47cを押してフック爪47dの掛かりを外しながら、マーキングモジュール1を上方に持ち上げると、マーキングモジュール1が外れる。
【0093】
したがって、実施例1では、現像ユニットGg〜Gkと感光体ユニットUG〜UKが支持されるマーキングモジュール1を、ユニット支持レール11,12に対して、上方から載せたり、上方に持ち上げるだけで着脱が可能になっている。
ここで、実施例1に示すような大型のプリンタUでは、従来は、業務用途で使用されることが多く、マーキングモジュール1の耐久性、いわゆる寿命が長く設計され、これに伴って重量化しており、マーキングモジュール1の重量が10[Kg]程度になっている。したがって、マーキングモジュール1全体を交換することは負担が大きくなっており、従来は、マーキングモジュール1の交換も、利用者、いわゆるユーザが行うことが前提になっていなかった。したがって、特開2001−154468号公報に記載されているような従来の構成では、マーキングモジュール1の交換も、マーキングモジュール1を画像形成装置本体U1から取り外さず、マーキングモジュールを引き出した状態において、現像ユニットGg〜Gkや感光体ユニットUG〜UKを取り外していた。
【0094】
これに対して、近年、業務用途においても、ユーザの要求が多様化しており、特に、実施例1のような6色の現像が可能な構成では、Y,M,C,Kの4色以外の現像装置Go,Ggに対して、ユーザ毎に色を替えたり、あるいは、表面保護や防水等の目的で透明なトナーのような特殊な現像剤を使用したりといった要求がある。
実施例1のプリンタUでは、重量のあるマーキングモジュール1全体を一体的に着脱可能とする構成を採用している。これにより、色の変更等が可能となっている。特に、ユニット支持レール11,12に対して載せるだけで着脱できると共に、位置決めも、マーキングモジュール1を前後方向にずらすことで容易に実現が可能になっている。
【0095】
仮に、引っ掛け爪37,42等による位置決めが設けられていない場合、強い力で押して勢いをつけて重量のあるマーキングモジュール1を挿入すると、重量が重い分衝撃も強くなり、位置決めが不十分であると、感光体Pg〜Pkの後端や位置決めピン35、現像装置Gg〜Gkの後端が破損する恐れがある。これに対して、実施例1では、引っ掛け爪37,42で位置決めされた状態で挿入されており、破損の可能性が低減されている。
また、引っ掛け爪37、42やフック47が設けられていない場合、ネジ貫通孔36aとネジ孔11dやネジ貫通孔41とネジ孔12cを固定するネジを締め忘れて画像形成装置本体U1に装着してしまい、交換のために前方にマーキングモジュール1を引き出した場合に、勢いよく引き出すと、ネジ止めされていないマーキングモジュール1が前方に飛び出して、ガイドレールから外れる恐れがある。特に、重量のあるマーキングモジュール1では、勢いが付いた状態でガイドレールから外れ落下等の恐れがある。これに対して、実施例1では、引っ掛け爪37,42とフック47の2段階で、マーキングモジュール1の飛び出しを規制しており、落下等の問題が生じることを低減している。
【0096】
また、特開2001−154468号公報に記載されているような従来の構成のように、マーキングモジュール1を画像形成装置本体U1から取り外さず、マーキングモジュールを引き出した状態において、現像ユニットGg〜Gkや感光体ユニットUG〜UKを取り外す場合、マーキングモジュールと画像形成装置本体U1との間に手を差し込んで作業等を行うこととなり、作業空間が狭く、作業が行いにくい問題があった。これに対して、実施例1では、マーキングモジュール1が画像形成装置本体U1から取外可能であり、取り外して広い作業空間で作業が可能になっており、作業性が向上している。
【0097】
(各ユニットの着脱の説明)
図51は実施例1の現像ユニットがマーキングフレームに対して着脱される途中の説明図であり、図51Aは右斜め前方から見た説明図、図51Bは左斜め後方から見た説明図である。
図52は図51の状態からさらに現像ユニットがマーキングフレームに対して取り外される途中の説明図であり、図52Aは左斜め後方から見た説明図、図52Bは図52Aよりも上方から見た説明図である。
【0098】
図13、図51、図52において、マーキングモジュール1から現像ユニットGg〜Gkを取り外す場合、図13に示す状態から後固定プレート141の現像固定孔144と現像固定ネジ孔33とをネジ止めしているネジを取り外した状態で、前側の現像位置決め突起139を中心として、現像ユニットGg〜Gkの後部を右方に傾けることで、後側の現像位置決め凸部34と現像位置決め孔142とが外れ、図51に示す状態となる。この状態から現像ユニットGg〜Gkを、さらに傾けると図52に示す状態となり、この状態から後方に移動させると、前側の現像位置決め孔31aと現像位置決め突起139とが外れ、現像ユニットGg〜Gkが取り外される。
現像ユニットGg〜Gkをマーキングフレーム21に装着する場合には、取り外す場合と逆の手順で装着することが可能である。
【0099】
図53は実施例1の感光体ユニットがマーキングフレームに対して着脱される状態の説明図であり、図53Aは感光体ユニットがマーキングフレームに対して前側に移動した状態の説明図、図53Bは感光体ユニットがマーキングフレームに対して後側に移動して装着が完了した状態の説明図である。
図11、図53において、感光体ユニットUG〜UKを装着する場合には、図11に示す状態から、感光体前支持部31cの位置に小径部66aが合うように、感光体ユニットUG〜UKを右方に移動させ、図53Aに示すように、各端壁62,63の下面がマーキングフレーム21の各感光体ユニット支持部26c,27bの上面に支持された状態にする。この状態から、感光体ユニットUG〜UKを後方に移動させると、感光体Pg〜Pkの後端の軸部64がモジュールフレーム21の感光体後支持部材32に嵌り、図53Bに示す状態となる。図53Bに示す状態では、感光体Pg〜Pkの前端部分は、感光体前支持部31cの位置に小径部66aの前側の大径部66bが支持されている。したがって、図53Bに示す状態では、感光体ユニットUG〜UKが左方に抜けない状態でマーキングフレーム21に装着される。
なお、感光体ユニットUG〜UKを取り外す場合には、装着する場合と逆の手順で装着することが可能である。
【0100】
ここで、実施例1の現像ユニットGg〜Gkがマーキングフレーム21に装着された状態で、感光体ユニットUG〜UKを着脱しようとした場合に、感光体ユニットUG〜UKを前方にずらした際に、フランジ部64aが本設定部131aから仮設定部131bに接触して、感光体Pg〜Pkと現像ロールR0との間隔が広くなる。仮に、仮設定部131bが設けられていない場合には、感光体Pg〜Pkと現像ロールR0との間隔が狭いままであり、感光体ユニットUG〜UKの操作時に、感光体Pg〜Pkや現像ロールR0の表面が他の部材に接触して、破損する恐れがある。これに対して、実施例1では、感光体ユニットUG〜UKを移動させる場合に、仮設定部131bとフランジ部64aとが接触して、感光体Pg〜Pkと現像ロールR0との間隔が広くなっており、感光体Pg〜Pkや現像ロールR0の表面が損傷する問題の発生が低減されている。
【0101】
また、実施例1のマーキングモジュール1において、感光体ユニットUG〜UKが装着された状態で、現像ユニットGg〜Gkを着脱する場合に、現像ユニットGg〜Gkのトラッキング圧調整部材151が付勢位置に移動していると、現像容器Vがトラッキングバネ152で感光体Pg〜Pk側に強い力で押された状態となる。現像容器Vがトラッキングバネ152で感光体Pg〜Pk側に強い力で押されていると、トラッキングバネ152の力を抑えながら位置決めやネジ止めの作業を行う必要があり、作業性が悪化する恐れがある。これに対して、実施例1では、トラッキング圧調整部材151が、付勢位置と付勢低減位置との間で移動可能に支持されており、現像ユニットGg〜Gkの着脱前に、トラッキング圧調整部材151を付勢低減位置に移動させて、トラッキングバネ152の弾性力、トラッキング圧を低減させておくことが可能となっている。したがって、トラッキング圧調整部材151を設けない場合に比べて、作業性が向上している。なお、現像ユニットGg〜Gkの着脱完了後に、トラッキング圧調整部材151を付勢位置に戻すことで現像容器Vを予め設定された力で押すことが可能である。
【0102】
(マーキングフレームの強度の説明)
図54はマーキングモジュールに対する現像ユニットの着脱方法による差異の説明図であり、図54Aはフロントプレートとリアプレートとの間に現像ユニットを装着する場合の現像ユニットが離脱した状態の説明図、図54Bは図54Aの状態から現像ユニットが装着された状態の説明図、図54Cはフロントプレート側から現像ユニットを装着する場合の現像ユニットが離脱した状態の説明図、図54Dは図54Cの状態から現像ユニットが装着された状態の説明図、図54Eはリアプレート側から現像ユニットを装着する実施例1の場合において現像ユニットが離脱した状態の説明図、図54Fは図54Eの状態から現像ユニットが装着された状態の説明図である。
なお、図54では、理解の容易のため、図示は簡略化している。
【0103】
また、実施例1のマーキングモジュール1では、前述のように現像ユニットGg〜Gkが装着される場合、前端の現像位置決め突起139が現像位置決め孔31aに嵌められた状態で傾けて、通過口27aを現像ユニットGg〜Gkの後部が通過し、後側の現像位置決め凸部34と現像位置決め孔142とで位置決めされて、現像固定孔144と現像固定ネジ孔33とで固定される。したがって、実施例1では、モジュールフロントフレーム26には、モジュールリアフレーム27の通過口27aほど大きな開口は形成されていない。
図54A、図54Bにおいて、仮に、モジュールリアフレーム027に通過口27aを形成しないようにする場合、モジュールフロントフレーム026とフロントリアフレーム027とで、現像位置決め突起139の先端から後側の現像ユニット固定部材136後端までを挟み込むように構成することが考えられる。しかしながら、図54Bに示すように、現像ユニットが装着された状態で、現像位置決め突起0139の長さ分だけ、前後方向に隙間が必要となり、ネジ止め等の固定構造が採用しにくくなると共に、マーキングモジュール全体が前後方向に大型化する問題がある。特に、実施例1の現像ユニットGg〜Gkのように、従来の構成では画像形成装置本体U1に設けられる現像モータユニットM1が現像ユニットGg〜Gkに支持される構成では、マーキングモジュール全体が著しく大型化する恐れがある。
【0104】
また、図54C、図54Dにおいて、仮に、モジュールフロントフレーム026′側に通過口026aを形成した場合、モジュールフロントフレーム026′に大きな通過口026aが形成されることとなり、モジュールフロントフレーム026′の剛性が低下する。したがって、ハンドル053′を使用して、作業者がマーキングモジュール1を出し入れする操作を行う際に、モジュールフロントフレーム026′の強度が不足する恐れがある。
これらに対して、図54E、図54Fに示すように、実施例1の構成では、図54C、図54Dに示す構成に比べて、モジュールフロントフレーム26に通過口27aが形成されておらず、剛性が向上している。したがって、ハンドル53の操作を行う際に、モジュールフロントフレーム26の強度が不足することが低減される。また、図54A、図54Bに示す構成に比べて、ネジ止めという簡易な固定構造を採用可能であると共に、モジュール全体が大型化することが低減されている。
【0105】
特に、実施例1では、後側の現像位置決め凸部34の高さが、現像位置決め突起139よりも低く形成されており、現像位置決め凸部34の高さが高い場合に比べて、現像位置決め孔142との係合が容易であると共に、全体の小型化にも寄与している。
また、実施例1では、前側の感光体前支持部材31がC字形状に形成され、後側の感光体後支持部材32が丸孔状の部材により構成されており、C字形状の方が切り欠かれた部分が多く、剛性が出しにくい構成となっている。
ここで、仮に、モジュールフロントフレーム26に、モジュールリアフレーム27に形成されているような通過口27aが形成されている場合、通過口27aが形成されていない場合に比べて、モジュールフロントフレーム26の剛性が低下し、さらに、剛性が出しにくいC字形状の感光体前支持部材31が設けられると、マーキングモジュール1の前側の剛性が厳しくなる。
【0106】
これに対して、実施例1のモジュールフロントフレーム26では、現像装置Gg〜Gkが、図51、図52に示すように、回転するように着脱され、前後方向に抜差しして着脱される構成が採用されておらず、通過口27aのような孔が不要になっている。したがって、モジュールフロントフレーム26には、モジュールリアフレーム27に形成されているような通過口27aが形成されておらず、通過口27aが形成される場合に比べて、モジュールフロントフレーム26の剛性が維持されている。よって、剛性の出しにくいC字形状の感光体前支持部材31を前側に配置しても、モジュールフロントフレーム26で剛性を出すことが可能になっている。
【0107】
また、実施例1では、現像ユニットGg〜Gkでは、現像モータユニットM1やギア列GRが、モータ固定部材81やギアカバー82、後端壁84を介して、現像容器Vに対して固定されている。すなわち、現像モータユニットM1およびギア列GRが、マーキングフレーム21や感光体Pg〜Pkに対して移動可能に支持された現像ロールR0と一体的に移動可能に支持されており、従来のように、画像形成装置本体U1に設けられていないだけでなく、現像ユニット固定部材136、137にも支持されていない。従来のように画像形成装置本体U1に設けられている構成では、現像ロールR0や現像容器Vと一体的に移動せず、マーキングモジュール1の着脱時に、画像形成装置本体U1側のギアとマーキングモジュール1側のギアとを噛み合わせる必要がある。このとき、現像ローラR0が移動する構成では、ギアどうしの噛み合いにばらつきが発生し、現像ローラR0や撹拌部材R1,R2等への駆動の伝達が不安定になり、振動や騒音、摩耗に伴う低寿命化が発生する恐れがある。また、現像モータユニットM1が現像ユニット固定部材136,137に固定されている場合も、同様に、ギアどうしの噛み合いにばらつきが発生する恐れがある。すなわち、従来の構成では、現像ローラR0の回転が安定しない恐れがあり、現像が不安定となり画質が低下する恐れがある。これに対して、実施例1では、現像モータユニットM1とギア列GRが、現像ロールR0と一体的に移動可能になっており、現像ロールR0が移動しても、現像モータユニットM1等との位置関係が変動せず、ギアの噛み合いにばらつきが発生することが低減されている。
【0108】
また、実施例1では、コネクタCNTは、現像ユニット固定部材136,137に支持されており、コネクタCNTと現像ユニットGg〜Gkの各部材とが可撓性のあるケーブルCbで接続されている。したがって、画像形成装置本体U1に固定されている端子と接続されるコネクタCNTは、現像ロールR0と一体的に移動せず、画像形成装置本体U1との電気的な接続は確保しつつ、現像モータユニットM1や現像ロールR0等への給電が安定して可能となっている。
【0109】
さらに、実施例1では、後側の現像ユニット固定部材137が、撹拌回転伝達系97〜99、106〜126と、現像ロールギア96、ローラ分岐ギア93等との間に配置されている。仮に、現像ユニット固定部材137が、現像ロールギア96等よりも前側に配置される場合、現像ロールギア96等が通過する通過孔142の大きさを大きくする必要があり、マーキングフレーム21に固定される現像ユニット固定部材137の剛性が低下する恐れがある。一方で、現像ユニット固定部材137を、現像モータユニットM1よりも後方に配置すれば、通過孔142を形成する必要がなく、現像ユニット固定部材137の剛性は十分に出せるが、前側の現像ユニット固定部材136との距離が離れすぎてしまい、現像ユニットGg〜Gk全体が捩れ、歪んでしまうと、マーキングフレーム21に対する位置のズレ、すなわち精度が低下する恐れもある。
【0110】
これに対して、実施例1の後側の現像ユニット固定部材137では、現像容器Vの後端壁84の真後ろに配置された1つめのギア93,96,104,105等と、後端壁84から後側に離れた撹拌回転伝達系97〜99、106〜126との間に配置されており、形成される通過孔142の数と大きさを必要最小限にすることが可能になっている。したがって、現像ユニット固定部材137の剛性を高めつつ、前側の現像ユニット固定部材136との距離ができるだけ近くなるように配置されており、現像モータユニットM1よりも後方には位置する場合に比べて、精度も向上している。
【0111】
また、実施例1の現像ユニットGg〜Gkでは、ギア列GRにおいて、現像ロールギア96は、モータギアM1aに直接噛み合う第1ギア92と同軸に配置されたロール分岐ギア93から駆動が伝達されており、ロール分岐ギア93には撹拌オーガR1,R2等に駆動を伝達する歯車が噛み合っていない。例えば、ロール分岐ギア93から撹拌オーガR1,R2等への駆動を伝達した場合や、第3中間ギアから現像ロールR0への駆動を伝達した場合、撹拌オーガR1,R2等が回転中に現像容器V内の現像剤の増減や異物等により不規則な回転、振動が撹拌オーガR1,R2に作用した場合に、歯車を介して、現像ロールR0に伝達されやすくなり、現像された画像に、帯状の濃淡、いわゆるバンディングが発生する恐れがある。
これに対して、実施例1では、モータギアM1aにモータギアM1aに直接噛み合う最上流の第1ギア92と同軸に配置されたロール分岐ギア93から駆動が伝達され、下流側のギアから伝達されないと共に、撹拌オーガR1,R2等へはオーガ分岐ギア94から伝達されている。したがって、撹拌オーガR1,R2等で振動等が発生しても現像ロールR0へ振動等が伝達されにくくなっており、画像への悪影響が低減されている。
【0112】
特に、実施例1では、オーガ分岐ギア94から各オーガR1,R2,R4への回転の伝達される際に、減速されており、仮に各オーガR1,R2,R4で振動等が発生しても、オーガ分岐ギア94へ伝達されるまでに、振動の影響が低減、減衰しやすくなっている。したがって、実施例1では、現像ロールR0への振動等の悪影響がさらに低減されている。
さらに、実施例1では、従来現像ロールギア96から回転が伝達されていた回収ローラR5や補助オーガR3の駆動が、ローラ分岐ギア93とは異なるオーガ分岐ギア94から伝達されている。したがって、従来の構成では、回収ローラR5や補助オーガR3で発生した振動等の現像ロールR0への影響が大きかったが、実施例1では、最上流のオーガ分岐ギア94で分岐されており、影響が低減されている。
【0113】
また、実施例1では、ギア列GRにおいて、現像ロールR0への現像ロールギア96や、補助ロールR3および回収ロールR5への第1中間ギア97、撹拌オーガR1,R2および排出オーガR4への第3中間ギア106が、モータギアM1aに直接噛み合う第1ギア92に噛み合わず、同軸の分岐ギア93,94に噛み合っている。一般的に、モータギアM1aに直接噛み合う第1ギア92は、摩耗が大きく、第1ギア92に第1中間ギア97等を噛み合わせると、オーガR1〜R5で発生した影響を全て第1ギア92が受け、摩耗が促進され、寿命が短くなる恐れが高い。これに対して、実施例1では、第1ギア92には、モータギアM1aしか直接噛み合っておらず、第1ギア92の寿命が短くなることが低減されており、ギア列GR全体として長寿命化されている。
【0114】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタUを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、プリンタUとして、6色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、5色以下または7色以上の多色の画像形成装置にも適用可能である。
【0115】
(H03)前記実施例において、引っ掛け爪37,42およびフック47は設けることが望ましいが、いずれか一方を省略し、他方のみで位置決めを行うようにすることも可能である。
(H04)前記実施例において、トラッキング部材131において、本設定部131aと仮設定部131bを設けることが望ましいが、仮設定部131bを省略することも可能である。また、トラッキング部材131は後側のみに設けたが前側に設けることも可能であり、前後両側に設けることも可能である。
【0116】
(H05)前記実施例において、ギア列GRの各オーガR1〜R5へ回転を伝達する際に、減速する構成とすることが望ましいが、これに限定されず、任意の関係とすることが可能である。
(H06)前記実施例において、後側の現像ユニット固定部材137は、現像容器Vの後端壁84の真後ろに配置された1つめのギア93,96,104,105等と、後端壁84から後側に離れた撹拌回転伝達系97〜99、106〜126との間に配置することが望ましいが、これに限定されず、任意の位置に配置することも可能である。
(H07)前記実施例において、後側の現像位置決め凸部34の高さを現像位置決め突起139よりも低く形成される構成を例示したが、これに限定されず、設計や仕様等に応じて、任意に変更可能である。
【0117】
(H08)前記実施例において、位置決めをする際に、突起、凸部と、孔との関係は、実施例に例示した構成に限定されず、突起等と孔との関係が逆にすることも可能である。
【符号の説明】
【0118】
21…枠体、
64a…被接触部、
81〜86+V…保持体回転支持部材、
131…間隔設定部材、
136,137…保持体移動支持部材、
142…通過孔、
152…付勢部材、
F…定着装置、
Gy,Gm,Gc,Gk,Go,Gg…現像装置、
GR…歯車列
M1…駆動源、
Py,Pm,Pc,Pk,Po,Pg…像保持体、
R0…現像剤保持体、
S…媒体、
T1g〜T1k+T2+B…転写装置、
U…画像形成装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に潜像が形成される像保持体に対向して配置され且つ表面に潜像を可視像に現像する現像剤を保持して回転する現像剤保持体と、
前記現像剤保持体を駆動する駆動源と、
前記駆動源の駆動を前記現像剤保持体に伝達する歯車列と、
前記駆動源および前記歯車列を支持すると共に、前記現像剤保持体を回転可能に支持する保持体回転支持部材と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像装置を支持する枠体に支持されると共に、前記現像剤保持体を前記像保持体に対して移動可能に支持する保持体移動支持部材と、
前記現像剤保持体と一体的に移動可能に支持され、前記像保持体側の被接触部に接触して、前記現像剤保持体の表面と前記像保持体の表面との間隔を予め設定された間隔に設定する間隔設定部材と、
前記保持体移動支持部材に支持されて、前記被接触部に向けて前記間隔設定部材を付勢する付勢部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤保持体の軸方向端部よりも外側に配置された前記保持体移動支持部材であって、前記歯車を支持する軸が通過する通過孔が形成された前記保持体移動支持部材、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
表面に潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体の表面の潜像を可視像に現像する請求項1ないし3のいずれかに記載の現像装置と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体の表面に転写された可視像を定着する定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公開番号】特開2011−123445(P2011−123445A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283490(P2009−283490)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】