説明

現像装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】層規制回転体の位置を変更することなく、現像剤に含まれる異物・凝集物が層規制回転体付近に滞留する事態を容易に解消する。
【解決手段】現像剤保持体1と間隙TGを介して対向配置され且つ現像剤保持体2との対向部にて現像剤保持体2と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制回転体6と、現像時には、現像剤保持体2及び層規制回転体6を所定の周速で回転制御すると共に像保持体1上の静電潜像に対して現像剤保持体2上に保持した現像剤Gを現像に供する現像制御装置11と、非現像時の一時期に、現像剤保持体2を所定の周速で回転制御し、かつ、層規制回転体6を通過する現像剤の量が増減変動するように、層規制回転体6の周速を間欠的に変化させるべく層規制回転体6を回転制御し、現像剤保持体2上の増減変動する現像剤層と共に現像剤Gに含まれる異物・凝集物Wを排出する排出制御装置12と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における現像装置としては、例えば特許文献1,2に記載のものが既に提供されている。
特許文献1には、現像時に回転して現像剤を担持し搬送して静電潜像を現像する現像剤担持体と、現像剤担持体と同方向に回転して現像剤担持体上の現像剤を薄層化する現像剤規制部材とを有し、現像剤規制部材を現像時とは逆方向に現像剤担持体の回転に従動回転させて、当該現像装置内部に発生した現像剤凝集物を当該現像装置外に排出する手段を備えた技術が開示されている。
特許文献2には、現像ロールが有する磁石ロールの一つの磁極と対向する位置に、現像スリーブの周面と近接又は接触するように層厚保規制ロールを備え、この層厚規制ロールは少なくとも一部が磁性材料で構成され、現像ロール周面のほぼ法線方向に移動自在に支持され、これにより、常に略一定の圧接力が維持されると共に、現像剤回転体の回転に伴って従動回転することにより、凝集したトナーや異物が圧接位置に滞留することなく、現像ロール上に均一な現像剤層が形成される技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−123831号公報(発明の実施の形態,図1,図2)
【特許文献2】特開平7−20717号公報(実施例,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、現像剤保持体との対向部で同方向に回転する層規制回転体を備えた態様で、層規制回転体の位置を変更することなく、現像剤に含まれる異物・凝集物が層規制回転体付近に滞留する事態を容易に解消し、この種の滞留に起因する画質不良を有効に防止する現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、静電潜像が保持可能な像保持体に対向し、少なくともトナーが含まれる現像剤を保持して回転すると共に前記像保持体の静電潜像をトナーにて現像する現像剤保持体と、この現像剤保持体と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体との対向部にて当該現像剤保持体と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制回転体と、現像時には、前記現像剤保持体及び前記層規制回転体を予め決められた周速で回転制御すると共に像保持体上の静電潜像に対して前記現像剤保持体上に保持した現像剤を現像に供する現像制御装置と、非現像時の一時期に、前記現像剤保持体を予め決められた周速で回転制御し、かつ、前記層規制回転体を通過する現像剤の量が増減変動するように、前記層規制回転体の周速を間欠的に変化させるべく前記層規制回転体を回転制御し、前記現像剤保持体上の増減変動する現像剤層と共に現像剤に含まれる異物・凝集物を排出する排出制御装置と、を備えたことを特徴とする現像装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る現像装置において、前記現像制御装置は、現像時に、前記現像剤保持体上で規制すべき現像剤層の増減に伴って前記層規制回転体の周速を増減させるように、当該層規制回転体の周速を可変調整することを特徴とする現像装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る現像装置において、前記排出制御装置は、非現像時に、前記層規制回転体が予め決められた周速で回転駆動する駆動期間と、駆動停止期間との間で間欠的に変化させるように、前記層規制回転体を回転制御することを特徴とする現像装置である。
請求項4に係る発明は、請求項2に係る現像装置において、前記排出制御装置は、非現像時に、前記層規制回転体が予め決められた第1の周速と、この第1の周速とは異なる第2の周速との間で間欠的に変化させるように、前記層規制回転体を回転制御することを特徴とする現像装置である。
【0007】
請求項5に係る発明は、静電潜像が保持可能な像保持体に対向し、少なくともトナーが含まれる現像剤を保持して回転すると共に前記像保持体の静電潜像をトナーにて現像する現像剤保持体と、この現像剤保持体と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体との対向部にて当該現像剤保持体と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制回転体と、現像時には、前記現像剤保持体及び前記層規制回転体を予め決められた周速で回転制御すると共に像保持体上の静電潜像に対して前記現像剤保持体上に保持した現像剤を現像に供する現像制御装置と、非現像時の一時期に、前記現像剤保持体を予め決められた周速で回転制御し、かつ、前記層規制回転体を通過する現像剤の量が現像時よりも増加変動するように前記層規制回転体を制御し、前記現像剤保持体上の増加変動する現像剤層と共に現像剤に含まれる異物・現像剤凝集物を排出する排出制御装置と、を備えたことを特徴とする現像装置である。
【0008】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る現像装置において、前記現像制御装置は、現像時に、前記現像剤保持体上で規制すべき現像剤層の増減に伴って前記層規制回転体の周速を増減させるように、当該層規制回転体の周速を可変調整するものであり、前記排出制御装置は、非現像時の一時期には、前記層規制回転体の周速が現像時よりも速くなるように前記層規制回転体を回転制御することを特徴とする現像装置である。
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に係る現像装置において、前記排出制御装置は、非現像時には、前記現像剤保持体及び前記層規制回転体を予め決められた速度で回転制御し、前記現像剤保持体と前記層規制回転体との間に前記層規制回転体の表面がトナー現像可能に作用する電界を形成することを特徴とする現像装置である。
請求項8に係る発明は、請求項1ないし7いずれかに係る現像装置において、前記現像剤保持体は、少なくとも表面粗さが最大高さで5μm以下の平滑面として形成されて回転する現像回転体と、この現像回転体内に固定的に内包され且つ周囲に複数の磁極が配列される磁石部材と、を有し、現像回転体を回転させることで磁石部材の磁極による磁力にて現像回転体上にトナー及びキャリアが含まれる現像剤を保持するものであることを特徴とする現像装置である。
【0009】
請求項9に係る発明は、トナー像が保持可能な像保持体と、この像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体上に形成された静電潜像をトナーにて現像する請求項1ないし8いずれかに係る現像装置と、前記像保持体上のトナー像を転写媒体に転写させる転写装置と、前記像保持体のうち転写装置よりも回転方向下流側に設けられ、像保持体上に残留した残留物を清掃する清掃装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成装置において、前記排出制御装置により現像剤内の異物・凝集物が現像材保持体上の現像剤層と共に排出されるときに、排出された異物・凝集物を像保持体を介して清掃装置に回収するように前記潜像形成装置、前記現像装置、前記像保持体、前記清掃装置を制御する回収制御装置を備えていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項10に係る画像形成装置において、前記回収制御装置は、非作像時の一時期に、前記潜像形成装置にて前記像保持体上に当該像保持体の回転方向に交差する方向に延びるトナー現像可能な帯状トナー潜像を形成する帯状トナー潜像形成手段と、前記排出制御装置が非現像時の一時期に層規制回転体によって現像剤層を増減変動又は現像時よりも増加変動させ、当該変動した現像剤層が現像装置の現像領域に到達する時点に合わせて、前記像保持体上に形成した帯状トナー潜像を現像装置の現像領域に移動させ、現像装置により現像時と現像条件に準じた条件で前記帯状トナー潜像をトナー現像する帯状トナー画像形成手段と、この帯状トナー画像形成手段にて像保持体上に形成された帯状トナー画像を転写装置で転写させずに清掃装置に至るまで搬送する帯状トナー画像搬送手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項12に係る発明は、請求項10又は11に係る画像形成装置のうち、現像装置がトナー及びキャリアが含まれる現像剤を用いた態様において、前記回収制御装置は、非作像時の一時期に、前記潜像形成装置にて前記像保持体上に当該像保持体の回転方向に交差する方向に延びるキャリア付着可能な帯状キャリア潜像を形成する帯状キャリア潜像形成手段と、前記排出制御装置が非現像時の一時期に層規制回転体によって現像剤層を増減変動又は現像時よりも増加変動させ、当該変動した現像剤層が現像装置の現像領域に到達する時点に合わせて、前記像保持体上に形成した帯状キャリア潜像を現像装置の現像領域に移動させ、現像装置により現像時とは異なるキャリアが付着可能な条件で前記帯状キャリア潜像にキャリアを付着させる帯状キャリア画像形成手段と、この帯状キャリア形成作成手段にて像保持体上に形成された帯状キャリア画像を転写装置で転写させずに清掃装置に至るまで搬送する帯状キャリア画像搬送手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に係る画像形成装置において、前記転写装置は、像保持体との間に直接若しくは転写媒体を介して圧接する転写部材を有し、前記帯状トナー画像又は帯状キャリア画像が転写部位を通過するとき、像保持体に直接若しくは転写媒体を介して圧接する位置から前記転写部材を退避させ、像保持体上の帯状トナー画像又は帯状キャリア画像と転写部材若しくは転写媒体と非接触配置することを特徴とする画像形成装置である。
請求項14に係る発明は、請求項9ないし13のいずれかに係る画像形成装置において、前記排出制御装置による異物・凝集体の排出制御処理、及び、前記回収制御装置による異物・凝集体の回収制御処理は、予め決められた作像回数毎又は予め決められた現像剤補給回数毎に実施されることを特徴とする画像形成装置である。
請求項15に係る発明は、請求項9ないし14いずれかに係る画像形成装置において、前記現像剤保持体上の現像剤層又は前記像保持体若しくは前記転写媒体上のトナー画像の欠損が検出可能な欠損検出手段を備え、前記排出制御装置による異物・凝集体の排出制御処理、及び、前記回収制御装置による異物・凝集体の回収制御処理は、前記欠損検出手段にて現像剤層又はトナー画像に欠損が検出されたときに実施されることを特徴とする画像形成装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】(a)は図1に示す現像装置において、現像時に層規制回転体の周速vを変化させたときの当該像規制回転体付近の現像剤の搬送挙動を示す説明図、(b)〜(c)は図1に示す現像装置において、非現像時に行われる現像装置内の異物・凝集物の排出制御動作の代表的態様を模式的に示す説明図である。
【図3】(a)(b)は図1に示す画像形成装置において、非現像時に行われる異物・凝集物の回収制御動作の代表的態様を模式的に示す説明図である。
【図4】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図5】(a)は実施の形態1で用いられる現像装置の現像ロールと回転トリマとのレイアウトを示す説明図、(b)は現像ロールの磁石ロールの磁極による磁束密度分布例を示す説明図である。
【図6】(a)は現像装置の駆動伝達系を示す説明図、(b)はその駆動状態を模式的に示す説明図である。
【図7】現像装置の駆動制御系を示す説明図である。
【図8】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される画像情報によるMOS(Mass on the sleeve)量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される使用履歴情報によるMOS量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態1で用いられる現像装置の駆動制御系にて採用される環境情報によるMOS量制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】(a)は実施の形態1で用いられる現像装置の回転トリマの周速変化に伴うMOS変化を示す説明図、(b)は回転トリマ周速比とMOSとの関係を示すグラフ図である。
【図12】(a)〜(c)は実施の形態1で用いられる現像装置において回転トリマの周速vを変化させたときのMOSの変化状態を示す説明図であり、(a)はv=vr1のとき、(b)はv=vr2≠vr1のとき、(c)はv=0(又は<0)のときである。
【図13】図7に示す現像装置の駆動制御系にて採用される異物・凝集物の排出・回収制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】(a)は記録材上に形成された画像情報から異物・凝集物に関する欠損を検出する一例を示す説明図、(b)は現像装置内の現像剤層から異物・凝集物に関する欠損を検出する一例を示す説明図である。
【図15】(a)〜(c)は実施の形態1で用いられる排出モードの第1例における回転トリマ周辺での現像剤の挙動を模式的に示す説明図である。
【図16】(a)〜(c)は実施の形態1で用いられる排出モードの第2例における回転トリマ周辺での現像剤の挙動を模式的に示す説明図である。
【図17】(a)(b)は実施の形態1で用いられる排出モードの第3例における回転トリマ周辺での現像剤の挙動を模式的に示す説明図である。
【図18】(a)は実施の形態1で用いられる排出モードの第4例における回転トリマ周辺での現像剤の挙動を模式的に示す説明図、(b)は(a)の回転トリマの表面状態を示す説明図である。
【図19】実施の形態1で用いられる回収モードの第1例を示す説明図である。
【図20】実施の形態1で用いられる回収モードの第2例を示す説明図である。
【図21】(a)は実施例(実施例1,2)に係る現像装置の態様を示す説明図、(b)は比較例(比較例1,2)に係る現像装置の態様を示す説明図である。
【図22】(a)は実施例で用いられる現像スリーブ(平滑スリーブ)の表面状態を示す説明図、(b)は比較例1で用いられる現像スリーブ(ブラストスリーブ)の表面状態を示す説明図、(c)は比較例2で用いられる現像スリーブ(溝スリーブ)の表面状態を示す説明図である。
【図23】実施例及び比較例に係る現像装置における現像剤搬送性を評価するに当たって、トリマ、層規制用磁極の磁束密度、現像スリーブ表面を組みあわせたときの夫々のMOSを示す説明図である。
【図24】実施例1,2と比較例1に係る現像装置について、回転トリマ周速比とMOSとの関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
◎実施の形態の概要
図1は本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、画像形成装置は、トナー像が保持可能な像保持体1と、この像保持体1上に静電潜像を形成する潜像形成装置9と、像保持体1上に形成された静電潜像をトナーにて現像する現像装置10と、像保持体1上のトナー像を転写媒体14に転写させる転写装置13と、像保持体1のうち転写装置13よりも回転方向下流側に設けられ、像保持体1上に残留した残留物を清掃する清掃装置15と、を備えている。
ここで、現像装置10の第1の代表的態様としては、静電潜像が保持可能な像保持体1に対向し、少なくともトナーが含まれる現像剤Gを保持して回転すると共に像保持体1の静電潜像をトナーにて現像する現像剤保持体2と、この現像剤保持体2と予め決められた間隙TG(図2(a)参照)を介して対向して配置され且つ現像剤保持体2との対向部にて当該現像剤保持体2と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制回転体6と、現像時には、現像剤保持体2及び層規制回転体6を予め決められた周速v,vで回転制御すると共に像保持体1上の静電潜像に対して現像剤保持体2上に保持した現像剤Gを現像に供する現像制御装置11と、非現像時の一時期に、現像剤保持体2を予め決められた周速vで回転制御し、かつ、層規制回転体6で規制される現像剤層が増減変動するように、層規制回転体6の周速vを間欠的に変化させるべく層規制回転体6を回転制御し、現像剤保持体2上の増減変動する現像剤層と共に現像剤Gに含まれる異物・凝集物W(図2参照)を排出する排出制御装置12と、を備えたものが挙げられる。
尚、図1において、符号7は現像容器8内に収容されるトナー及びキャリアが含まれる現像剤Gを循環撹拌搬送し、トナーを十分に帯電させた後に現像剤保持体2に現像剤Gを保持させる撹拌搬送部材である。
【0012】
このような技術的手段において、像保持体1としては、静電潜像を形成でき、かつ、トナー像を保持可能であれば、感光体、誘電体、更には、循環移動する保持体の表面に静電潜像に対応する潜像電圧が印加される画素電極を行列配置した態様など適宜選定して差し支えない。
また、潜像形成装置9としては、像保持体1上に静電潜像を形成するものであれば適宜選定して差し支えなく、像保持体1が感光体、誘電体である場合には帯電装置と光やイオン等による潜像書込装置を用いるようにすればよいし、また、像保持体1が画素電極を有する態様では当該画素電極に対し静電潜像に対応する潜像電圧を印加するようにすればよい。
更に、転写装置13としては、接触方式に限らず、非接触方式のものをも含む。ここでいう転写媒体14は記録材は勿論、記録材に画像を転写する前に一時的に保持する中間転写体をも含む。
更にまた、清掃装置15としては、任意の清掃部材を含んでいれはよい。
【0013】
また、現像装置10としては、二成分現像剤のみならず、一成分現像剤を使用する態様にも適用可能である。
ここで、現像剤保持体2は使用する現像剤Gを保持するものであれば適宜選定して差し支えない。
例えば二成分現像方式では、現像剤保持体2は、表面に現像剤保持面を有して回転する現像回転体3と、この現像回転体3内に固定的に内包され且つ周囲に複数の磁極5が配列される磁石部材4と、を有し、現像回転体3を回転させることで磁石部材4の磁極5による磁力にて現像回転体3上にトナー及びキャリアが含まれる現像剤Gを保持するものである。
ここで、現像回転体3としては剛体の筒状体でもよいし、可撓性薄膜部材でもよい。この場合において、現像回転体3の表面粗さについては適宜選定して差し支えないが、層規制回転体6による層規制動作をより有効に作用させるという観点からすれば、現像回転体3側に現像剤搬送力を与えない方が好ましく、例えば表面粗さが最大高さ(JIS B0601 2001の規格に相当)で5μm以下の平滑面として形成されていることが好ましい。
また、磁石部材4としては、現像剤Gを搬送する搬送用磁極、像保持体1と対向する現像位置Aに設けられる現像用磁極、層規制回転体6と対向する層規制位置Bに設けられる層規制用磁極5a(図2参照)、現像回転体3上の現像吸着位置にて現像剤Gを吸着保持する吸着用磁極、現像回転体3上の現像剤剥離位置にて現像剤Gを剥離する剥離用磁極などの磁極5が配列されている。但し、これらの磁極5は単一の機能ではなく、複数の機能を兼用する形で配置されている。
また、層規制回転体6は、現像剤保持体2との対向部にて現像剤保持体2と少なくとも同方向に回転するものであればよく、現像剤保持体2との間には少なくとも現像剤Gの層規制が可能な範囲で予め定めた間隙を確保するようにすればよい。また、磁性、非磁性のいずれでも差し支えなく、表面粗さも特には制限はないが、あまり粗く設定すると、表面粗さが現像剤Gに対する搬送力に大きく寄与するため、目標とする現像剤層厚を考慮して好ましいものを選定するようにすればよい。
【0014】
更に、現像制御装置11は、例えば図2(a)に示すように、現像剤保持体2及び層規制回転体6を予め決められた速度v(=vdc)、v(=vr1)で回転制御し、これにより、層規制回転体6で規制する現像剤層厚を決めることが可能である。この場合、現像剤保持体2に保持された現像剤Gは、その上部が層規制回転体6の回転に伴う搬送力を受け、現像剤保持体2と層規制回転体6との間の層規制位置ではMOSの搬送量にて通過して現像位置に向かって搬送される。そして更に、現像制御装置11は像保持体1上の静電潜像との間での現像動作を可能にするように例えば現像電界を形成するものである。
更にまた、排出制御装置12は、層規制回転体6の周速を間欠的に変化させることで現像剤保持体2上の現像剤の量を増減変動させ、層規制回転体6付近に滞留していた異物・凝集物W(図2参照)を増減変動する現像剤層と共に排出させる。ここで、現像時のように予め決められた現像剤層を形成したとしても、層規制回転体6を通過する現像剤の量に変化がないため、層規制回転体6付近に滞留している異物・凝集物Wはそのまま移動することなく滞留し続けることが多いと推測される。
【0015】
次に、本態様のうち、現像制御装置11又は排出制御装置12の好ましい態様は以下の通りである。
先ず、現像制御装置11の好ましい態様としては、現像時に、現像剤保持体2上で規制すべき現像剤層の増減に伴って層規制回転体6の周速vを増減させるように、当該層規制回転体6の周速を可変調整する態様が挙げられる。
これは、層規制回転体6で規制すべき現像剤層を増減する態様であり、画像情報や現像剤の使用履歴情報や環境情報に応じて適宜増減させるようにすることが好ましい。
また、排出制御装置12の好ましい態様としては、図2(b)に示すように、非現像時に、層規制回転体6が予め決められた周速v(=vr1)で回転駆動する駆動期間と、駆動停止期間(v=0)との間で間欠的に変化させるように、層規制回転体6を回転制御する態様(間欠駆動方式の第1の態様)が挙げられる。
本例は、層規制回転体6の周速が一義的に定まった態様は勿論、層規制回転体6の周速が可変調整される態様でも適用可能である。
ここで、図2(b)において、現像剤保持体2に保持された現像剤Gは、その上部が間欠的に周速vの変化する層規制回転体6に接触し、現像剤保持体2と層規制回転体6との間の層規制位置では現像剤Gの搬送量(MOS)を増減変動させながら通過して現像位置に向かって搬送される。
このとき、層規制回転体6付近に滞留していた異物・凝集物Wは増減変動する現像剤層と一緒になって層規制位置を通過する。
更に、排出制御装置12の好ましい別の態様としては、非現像時に、層規制回転体6が予め決められた第1の周速と、この第1の周速とは異なる第2の周速との間で間欠的に変化させるように、層規制回転体6を回転制御する態様(間欠駆動方式の第2の態様)が挙げられる。
本例は、層規制回転体6の周速を可変調整する態様を前提とし、第1の周速と第2の周速との間で間欠的に変化させるようにすればよく、搬送される現像剤Gは前述した間欠駆動方式の第1の態様と略同様に挙動する。このとき、第1の周速と第2の周速とについては適宜選定して差し支えないが、現像剤層の増減を大きく確保するという観点からすれば、両者の周速差を十分大きいものに選定することがよい。好ましくは上限の周速が現像時の周速よりも大きい方がよい。
【0016】
また、現像装置10の第2の代表的態様としては、静電潜像が保持可能な像保持体1に対向し、少なくともトナーが含まれる現像剤Gを保持して回転すると共に像保持体1の静電潜像をトナーにて現像する現像剤保持体2と、この現像剤保持体2と予め決められた間隙TG(図2(a)参照)を介して対向して配置され且つ現像剤保持体2との対向部にて当該現像剤保持体2と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制回転体6と、現像時には、現像剤保持体2及び層規制回転体6を予め決められた周速v,vで回転制御すると共に像保持体1上の静電潜像に対して現像剤保持体2上に保持した現像剤を現像に供する現像制御装置11と、非現像時の一時期に、現像剤保持体2を予め決められた周速vで回転制御し、かつ、層規制回転体6で規制される現像剤層が現像時よりも増加変動するように前記層規制回転体6を制御し、前記現像剤保持体2上の増加変動する現像剤層と共に現像剤Gに含まれる異物・凝集物W(図2(c))を排出する排出制御装置と、を備えている。
【0017】
このような技術的手段において、排出制御装置12、層規制回転体6を制御することで現像剤保持体2上の現像剤層を増加変動させ、層規制回転体6付近に滞留していた異物・凝集物Wを増減変動する現像剤層と共に排出させる。
ここで、本態様である第2の代表的態様と第1の代表的態様との関係について補足しておくと、排出制御装置12の構成要件として、第1の代表的態様は、現像剤層を増減変動させるのに対し、第2の代表的態様は、現像時に比べて現像剤層を増加変動させ、いずれも、現像剤に含まれる異物・凝集物を排出するという作用を与えるために、現像時の予め決められた現像剤層とは異なる状態の現像剤層を形成したものである点で共通の着想を見出すことが可能である。
【0018】
また、本態様のうち好ましい態様としては以下のものが挙げられる。
先ず、現像制御装置11は、現像時に、現像剤保持体2上で規制すべき現像剤層の増減に伴って層規制回転体6の周速vを増減させるように、当該層規制回転体の周速を可変調整するものであり、排出制御装置12は、非現像時の一時期には、図2(c)に示すように、層規制回転体6の周速vが現像時(vr1)よりも速くなるようにvr1からvr2(>vr1)に層規制回転体6を回転制御する態様(現像剤層増加方式の代表的態様1)が挙げられる。
本例は、層規制回転体6の周速vを可変調整することで現像剤層を増減する態様を前提とするものであり、現像剤保持体2に保持された現像剤Gは、その上部が現像時よりも周速vの増加する層規制回転体6に接触して、現像剤保持体2と層規制回転体6との間の層規制位置では現像剤Gの搬送量(MOS)を増加変動させながら通過して現像位置に向かって搬送される。
このとき、層規制回転体6付近に滞留していた異物・凝集物Wは増加変動する現像剤層と一緒になって層規制位置を通過する。
【0019】
また、現像剤層増加方式の別の態様としては、図2(d)に示すように、非現像時には、現像剤保持体2及び層規制回転体6を予め決められた速度v(=vdc),v(vr2=vr1)で回転制御し、現像剤保持体2と層規制回転体6との間に層規制回転体6の表面がトナー現像可能に作用する電界Eを形成する態様(現像剤層増加方式の代表的態様2)が挙げられる。
本態様は、層規制回転体6の表面にトナーを現像する方式で、層規制回転体6の表面にトナーが現像されると、層規制回転体6の表面にトナーが付着したことに伴い表面粗さがトナー現像前に比べて一時的に粗くなる。すると、層規制回転体6がその表面粗さにより現像剤搬送力が上昇することになり、その分、層規制回転体6を通過する現像剤層が増加変動する。このため、本態様においても、層規制回転体6付近に滞留していた異物・凝集物Wは増加変動する現像剤層と一緒になって層規制位置を通過する。
【0020】
次に、画像形成装置としては、現像装置10から排出された異物・凝集物Wについては適宜回収することが必要である。
ここで、異物・凝集体Wの回収方式については適宜選定して差し支えないが、画像形成装置内の環境汚染を有効に防ぐという観点からすれば、排出制御装置12により現像剤G内の異物・凝集物Wが現像材保持体2上の現像剤層と共に排出されるときに、排出された異物・凝集物Wを像保持体1を介して清掃装置15に回収するように潜像形成装置9、現像装置10、像保持体1、清掃装置15を制御する回収制御装置16を備えている態様が好ましい。
次に、回収制御装置16の代表的態様について説明する。
先ず、回収制御装置16の第1の代表的態様としては、図1及び図3(a)に示すように、非作像時の一時期に、潜像形成装置9にて像保持体1上に当該像保持体1の回転方向に交差する方向に延びるトナー現像可能な帯状トナー潜像Ztを形成する帯状トナー潜像形成手段16aと、排出制御装置12が非現像時の一時期に層規制回転体6によって現像剤層を増減変動又は現像時よりも増加変動させ、当該変動した現像剤層が現像装置10の現像領域に到達する時点に合わせて、前記像保持体1上に形成した帯状トナー潜像Ztを現像装置10の現像領域に移動させ、現像装置10により現像時と現像条件に準じた条件で前記帯状トナー潜像Ztをトナー現像する帯状トナー画像形成手段16bと、この帯状トナー画像形成手段16bにて像保持体1上に形成された帯状トナー画像Tbを転写装置13で転写させずに清掃装置15に至るまで搬送する帯状トナー画像搬送手段16cと、を備えたものが挙げられる。
これは、帯状トナー画像Tbによる異物・凝集物Wの回収方式であり、像保持体1上に帯状トナー画像Tbを形成することで、トナーに近い帯電性の異物・凝集物Wが帯状トナー画像Tbと一緒に像保持体1を移動し、清掃装置15に回収される。
【0021】
また、回収制御装置16の第2の代表的態様としては、図1及び図3(b)に示すように、現像装置10がトナー及びキャリアが含まれる現像剤Gを用いる態様を前提とし、非作像時の一時期に、潜像形成装置9にて像保持体1上に当該像保持体1の回転方向に交差する方向に延びるキャリア付着可能な帯状キャリア潜像Zcを形成する帯状キャリア潜像形成手段16dと、排出制御装置12が非現像時の一時期に層規制回転体6によって現像剤層を増減変動又は現像時よりも増加変動させ、当該変動した現像剤層が現像装置12の現像領域に到達する時点に合わせて、前記像保持体1上に形成した帯状キャリア潜像Zcを現像装置10の現像領域に移動させ、現像装置10により現像時とは異なるキャリアが付着可能な条件で帯状キャリア潜像Zcにキャリアを付着させる帯状キャリア画像形成手段16eと、この帯状キャリア画像形成手段16eにて像保持体1上に形成された帯状キャリア画像Cbを転写装置13で転写させずに清掃装置15に至るまで搬送する帯状キャリア画像搬送手段16fと、を備えたものが挙げられる。
本態様は、帯状キャリア画像Cbによる異物・凝集物Wの回収方式であり、像保持体1上に帯状キャリア画像Cbを形成することで、キャリアに近い帯電性の異物・凝集物Wが帯状キャリア画像Cbと一緒に像保持体1を移動し、清掃装置15に回収される。
【0022】
更に、上述した回収制御装置16を採用する場合、転写装置13の好ましい態様としては、像保持体1との間に直接若しくは転写媒体14を介して圧接する転写部材13aを有し、帯状トナー画像Tb又は帯状キャリア画像Cbが転写部位を通過するとき、像保持体1に直接若しくは転写媒体14を介して圧接する位置から前記転写部材13aを退避させ、像保持体1上の帯状トナー画像Tb又は帯状キャリア画像Cbと転写部材13a若しくは転写媒体14と非接触配置する態様が挙げられる。
本態様では、像保持体1に排出された異物・凝集物Wは転写部材13a(転写ロール、転写ベルト等)や転写媒体14に接触することなく、清掃装置15に回収される。このため、転写部材13aや転写媒体14に異物・凝集物Wが転移して汚れるという懸念はない。
【0023】
また、異物・凝集物の排出回収処理の実施タイミングとしては、排出制御装置12による異物・凝集体Wの排出制御処理、及び、回収制御装置16による異物・凝集体Wの回収制御処理は、予め決められた作像回数毎又は予め決められた現像剤補給回数毎に実施される態様が挙げられる。
ここで、「作像回数毎」に排出・回収制御処理を実施すると、現像装置10内の異物・凝集物Wを定期的にメンテナンスすることが可能である。また、「現像剤補給回数毎」に排出・回収制御処理を実施する態様では、現像剤補給に伴って、劣化した現像剤を廃棄する要請があるとしても、現像装置10に現像剤Gの廃棄機構を設けることなく、劣化した現像剤Gに含まれる異物・凝集物Wを排出して清掃装置15に回収することが可能である。
更に、異物・凝集体Wの排出回収処理の実施する上で好ましい態様としては、現像剤保持体2上の現像剤層又は像保持体1若しくは転写媒体14上のトナー画像の欠損が検出可能な欠損検出手段(図示せず)を備え、排出制御装置12による異物・凝集体Wの排出制御処理、及び、回収制御装置16による異物・凝集体Wの回収制御処理は、欠損検出手段にて現像剤層又はトナー画像に欠損が検出されたときに実施される態様が挙げられる。
本態様において、「欠損検出手段」が現像剤層を検出対象にする態様としては、例えばレーザ変位計などで現像剤保持体上の現像剤の穂立ちを計測する態様が挙げられる。この場合、現像剤の穂立ちが局部的に均一でない箇所が検出されると、異物・凝集物Wの詰まりに伴う現像剤の穂立ちが欠損していることが理解される。
また、「欠損検出手段」が像保持体1又は転写媒体14上のトナー画像を検出対象とする場合には、像保持体1、転写媒体14の移動方向に交差する方向に沿って延びる読取センサなどでトナー画像を検出する態様が挙げられる。この場合に、トナー画像に白抜けなどの画質欠損が見られれば、現像剤層のうち白抜けに対応した箇所に異物・凝集体Wが詰まっているという欠損が存在するものと推測される。
【0024】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
−画像形成装置の全体構成−
図4は実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置30は、像保持体としてのドラム状の感光体31と、この感光体31を帯電する帯電装置32と、この帯電装置32で帯電された感光体31に静電潜像を光にて書き込む露光装置33と、感光体31上に書き込まれた静電潜像を現像剤(トナー)にて可視像化する現像装置34と、この現像装置34にて可視像化されたトナー像を転写媒体としての記録材38に転写する転写装置35と、この転写装置35にて転写された後に感光体31上に残留する残留トナーを清掃する清掃装置36と、を備えている。
そして、本例では、記録材38に転写された転写像は図示外の定着装置にて定着された後に排出される。尚、本例では、転写媒体としては記録材38が例示されているが、これに限られることなく、記録材38に転写する前に一時的にトナー像を保持する中間転写体をも含む。
【0025】
ここで、帯電装置32は例えば帯電容器321を有し、この帯電容器321内に帯電部材として放電ワイヤ322及びグリッド電極323を配設したものであるが、帯電装置32としてはこれに限られるものではなく、例えばロール状の帯電部材を用いるなど適宜選定して差し支えない。
また、露光装置33としては、レーザ走査装置やLEDアレイなどが使用される。
更に、現像装置34としては、トナー及びキャリアが含まれる二成分現像剤を用いた二成分現像方式が採用されたものが用いられる。尚、現像装置34の詳細については後述する。
更にまた、転写装置35としては、感光体31上のトナー像を記録材38側に静電転写させる転写電界を作用させるものであればよく、例えば転写バイアスが印加されるロール状の転写部材35aが用いられる。そして、本例では、転写部材35aはリトラクト機構35bにて感光体31との間で記録材38を挟持する転写位置と当該転写位置から退避する退避位置との間で進退可能に設けられている。
尚、転写装置35としては、これに限られるものではなく、放電ワイヤを用いた転写コロトロンなど適宜選定して差し支えない。
また、清掃装置36は、感光体31側が開口し且つ残留トナーが収容される清掃容器360を有し、この清掃容器360の開口のうち感光体31回転方向下流側縁にブレードやスクレーパ等の板状清掃部材361を配設すると共に、この板状清掃部材361の感光体31の回転方向上流側にはブラシ状又はロール状の回転清掃部材362を配設し、前記清掃容器360の開口のうち感光体31回転方向上流側縁に封止用のシール部材363を設け、更に、清掃容器360内の回転清掃部材362の下方には清掃された残留トナーを廃棄回収するために搬送する搬送部材364(例えば回転軸部材の周囲に螺旋羽根を設けた態様)を配設したものである。
【0026】
−現像装置−
本実施の形態において、現像装置34は、感光体31側が開口し且つトナー及びキャリアを含む二成分現像剤が収容される現像容器40を有し、この現像容器40の感光体31に面した箇所に現像剤が保持搬送可能な現像ロール41を配設すると共に、現像容器40内の現像ロール41の背面側にはトナーを摩擦帯電するために現像剤が撹拌搬送せしめられる撹拌搬送部材42,43を例えば水平方向に並べて配設し、撹拌搬送部材42,43にて撹拌搬送された現像剤を現像ロール41に受け渡し、現像ロール41上に保持された現像剤を層規制部材44にて層規制した後に感光体31に対向する現像位置Aに現像剤を供給するようにしたものである。
ここで、現像容器40は、図6(a)に示すように、現像ロール41の軸方向に沿って延びる仕切板48にて内部空間を仕切り、この仕切板48の長手方向両端付近に夫々通孔49,50を開設し、前記仕切板48で仕切られた空間には例えば回転軸部材51の周囲に螺旋羽根52が設けられる前記撹拌搬送部材42,43を配設し、この撹拌搬送部材42,43及び通孔49,50にて現像剤を循環搬送するようになっている。
尚、現像容器40の開口上縁には封止用のシール部材45(図4参照)が設けられている。
【0027】
<現像ロール>
本例では、現像ロール41は前記現像位置Aにて感光体31との間に間隙を介して非接触配置されているが、当該間隙は、前記現像位置Aに対し現像ロール41上に現像に必要な現像剤搬送量(MOS:Mass on the sleeveの略)を有する場合には感光体31と現像ロール41との間に現像剤が充填される程度に選定されている。
そして、現像ロール41は、図4及び図5に示すように、非磁性材料(例えばSUS304等)にて筒状に形成され且つ回転可能な現像スリーブ61と、この現像スリーブ61内に固定的に内包される磁石ロール62とを備えている。
本実施の形態において、現像スリーブ61はその表面に平滑面61aを有している。この平滑面61aは、例えば非磁性材料からなる現像スリーブ61の素管の表面に対し研磨処理を施すことで形成されており、表面粗さが最大高さRz(JIS B0601 2001)で5μm以下の値に選定されている。
また、磁石ロール62は、図5(a)(b)に示すように、非磁性のロール部材63の周囲に複数の磁極64(本例では5つの磁極64a〜64e)を配列したもので、具体的には、前記現像位置Aに対応して現像剤を現像に供する現像用磁極64a(本例ではN極)、前記層規制部材44による層規制位置Bに対応して現像剤層を規制する層規制用磁極64b(本例ではS極)、更には、現像ロール41に現像剤を吸着保持する吸着用磁極64d(本例ではS極)、そして、層規制用磁極64bと吸着用磁極64dとの間には現像剤を搬送するための搬送用磁極64c(本例ではN極)、また、現像用磁極64aと吸着用磁極64dとの間には吸着用磁極64dとの間に反発磁界が生成されて現像ロール41上の現像剤を剥離する剥離用磁極64e(本例ではS極)を配置したものである。尚、現像用磁極64a、層規制用磁極64b、吸着用磁極64d、剥離用磁極64eが隣り合う異なる極性の磁極との間では搬送用磁極として機能するものである。
そして、磁石ロール62の磁極64(64a〜64e)による磁束密度分布Mは現像スリーブ61が回転したときに現像スリーブ61上の現像剤を前記磁束密度分布Mによる磁力で保持搬送できる程度に選定されている。
【0028】
<層規制部材>
層規制部材44は、図5(a)に示すように、回転可能なロール状部材(以下必要に応じて回転トリマと称する)からなり、現像スリーブ61との対向部位では少なくとも現像スリーブ61と同方向に回転するようになっている。
そして、この層規制部材(回転トリマ)44は、現像スリーブ61の表面との間に予め決められた間隙TGを介して現像スリーブ61に対し非接触配置されている。この間隙TGは、現像位置Aに供されるべき現像剤搬送量(MOS)を得ることができるように、例えば0.035〜1.5mmの範囲で適宜選定される。
この層規制部材(回転トリマ)44は非磁性材料(例えばSUS304)又は磁性材料(例えばSUS416)にて形成されており、表面に平滑面44aを有している。この平滑面44aは、層規制部材(回転トリマ)44の素管の表面に対し研磨処理を施すことで形成されており、表面粗さが最大高さRz(JIS B0601 2001)で5μm以下の値に選定されている。
また、層規制部材(回転トリマ)44は、図5(b)に示すように、現像ロール41の層規制用磁極64bに対応した位置に設けられていればよい。本例では、層規制部材(回転トリマ)44と現像ロール41との層規制位置Bの最近接部位は、層規制用磁極64bのピーク磁力位置に対してkだけ現像剤搬送方向の下流側に偏って配置されており、前記最近接部位には層規制用磁極64bから30mT以上60mT以下の磁力Uが作用するようになっている。
【0029】
<駆動伝達系>
図6(a)は本実施の形態で用いられる現像装置の駆動伝達系を示す。
同図において、現像装置34は、二つの駆動モータ(MOT,MOT)71、72によって駆動されるようになっている。
一方の駆動モータ(MOT)71による駆動伝達系は、モータ駆動軸73に駆動ギア74を同軸に取付ける一方、現像ロール41の現像スリーブ61の回転軸、撹拌搬送部材42,43の回転軸の一端には夫々伝達ギア75〜77を同軸に取付けると共に、伝達ギア76,77を噛み合わせ、更に、前記駆動ギア74と伝達ギア76との間に中間伝達ギア78を噛み合わせた状態で介在させると共に、前記伝達ギア76に前記中間伝達ギア78を噛み合わせるようにしたものである。
他方の駆動モータ(MOT)72による駆動伝達系は、モータ駆動軸81に駆動ギア82を同軸に取り付ける一方、前記層規制部材(回転トリマ)44の回転軸に伝達ギア83を同軸に取付け、前記駆動ギア82と前記伝達ギア83とを噛み合わせるようにしたものである。
そして、二つの駆動モータ71,72は制御装置100から送出された制御信号に基づいて回転駆動又は停止するようになっている。
本例では、一方の駆動モータ71は、図6(a)(b)に示すように、現像ロール41の現像スリーブ61、撹拌搬送部材42,43を同時に回転駆動又は停止するようになっている。また、他方の駆動モータ72は、層規制部材(回転トリマ)44を回転駆動又は停止するようになっている。
【0030】
<駆動制御系>
本実施の形態では、制御装置100はCPU、RAM、ROM及び入出力ポートを含むコンピュータシステムからなり、図7に示すように、例えば画像形成装置の使用条件J(例えばJ〜J)、及び、現像装置34から異物・凝集物を排出する排出モードの実施判定条件(本例ではプリント枚数n、現像剤補給回数s、記録材38上の画像品質を検出するラインセンサ出力など)を入力信号として受け取り、ROM内に予めインストールされた現像駆動制御プログラム(例えば図7〜9参照)又は異物・凝集物の排出回収制御プログラム(図13参照)をCPUにて実行し、二つの駆動モータ(MOT,MOT)71,72に制御信号を送出し、各駆動モータ71,72を介して現像ロール41の現像スリーブ61や層規制部材(回転トリマ)44を駆動制御するものである。
本例では、現像ロール41の現像スリーブ61の周速vは予め定めた一定値(const.)に設定されており、層規制部材(回転トリマ)44の周速vは予め定めた下限値vminと上限値vmaxとの範囲で可変設定されるようになっている。
【0031】
−現像制御処理−
次に、本実施の形態で用いられる現像装置の現像制御処理について説明する。
本例の現像制御処理としては以下のものが挙げられる。
<画像情報によるMOS量制御>
これは、図8に示すように、例えば画像情報Jとして像密度に着目したものであり、像密度が予め定めた低像密度、高像密度、あるいは、両者の中間に位置する通常像密度であるか否かを判別し、通常画像(通常像密度画像)である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
つまり、図11(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)44の回転速度(周速)vを初期設定値とすれば、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
【0032】
また、画像情報が低像密度画像である場合には、‘MOS減’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値よりも減少させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図11(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vが減少すると、回転トリマ44の回転の減少に伴って現像剤Gには小さい搬送力が与えられ、小さい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(二点鎖線で示すMOS(減))をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
この場合には、MOSが減少することから、低像密度画像は細密画像としてプリントされる。
更に、画像情報が高像密度画像である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図11(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きい搬送力が与えられ、大きい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
この場合には、MOSが増加することから、高像密度画像は高濃度画像としてプリントされる。
【0033】
<使用履歴情報によるMOS量制御>
これは、図9に示すように、例えば使用履歴情報Jとしてプリント枚数に着目したものであり、プリント枚数が予め定めた閾値N、N、N(N<N<N)以上か否かを判別し、総プリント枚数がN以下である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
この場合、図11(a)に示すように、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
また、総プリント枚数がNより多くN以下である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図11(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きな搬送力が与えられ、大きな搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
更に、総プリント枚数がNより多くN以下である場合には、更に‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値よりも更に増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図11(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vが更に増加すると、回転トリマ44の回転のさらなる増加に伴って現像剤Gにはより大きい搬送力が与えられ、より大きい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した更なる‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
【0034】
<環境情報によるMOS量制御>
これは、図10に示すように、例えば環境情報Jとして温度・湿度に着目したものであり、温度・湿度が予め定めた低温低湿、高温高湿、あるいは、両者の中間に位置する常温常湿であるか否かを判別し、常温常湿である場合には、‘MOS通常値’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値とし、プリント動作(現像動作)を実施する。
この場合、図11(a)に示すように、回転トリマ44の回転に伴って現像剤Gに搬送力が与えられ、搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定したMOS通常値に相当する現像剤搬送量(MOS)をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
また、環境情報が低温低湿である場合には、‘MOS増’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値よりも増加させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図11(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vが増加すると、回転トリマ44の回転の増加に伴って現像剤Gには大きな搬送力が与えられ、大きな搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS増’に相当する現像剤搬送量(点線で示すMOS(増))をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
この場合には、MOSが増加することから、低温低湿であるとしても画像品質を保った状態でプリントされる。
更に、環境情報が高温高湿である場合には、‘MOS減’に設定し、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vを初期設定値よりも減少させ、プリント動作(現像動作)を実施する。
このとき、図11(a)に示すように、層規制部材(回転トリマ)の回転速度(周速)vが減少すると、回転トリマ44の回転の減少に伴って現像剤Gには小さい搬送力が与えられ、小さい搬送力が与えられた現像剤Gは、回転トリマ44の層規制位置Bを通過し、設定した‘MOS減’に相当する現像剤搬送量(二点鎖線で示すMOS(減))をもって現像位置A(図4参照)へと到達する。
この場合には、MOSが減少することから、高温高湿であるとしても画像品質を保った状態でプリントされる。
【0035】
−層規制部材の周速調整処理−
本実施の形態において、層規制部材(回転トリマ)44の周速を変化させたときのMOSの変化を測定したところ、図11(b)に示す傾向が見られた。
同図において、横軸は回転トリマの周速比(対現像ロール周速)であり、図11(a)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)との対向部位で同方向に回転トリマ44を回転させる条件で、回転トリマ44の周速vを変化させたところ、MOSが次第に増加していき、本例では、800g/m付近を最大として変化していることが理解される。
つまり、図12(a)に示すように、今、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vで回転している状態で、回転トリマ44の周速がv=vr1であるときに、現像位置Aに到達するMOSがMOSと仮定する。
このとき、図12(b)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vで回転している状態のままで、回転トリマ44の周速がv=vr2≠vr1であるとき、現像位置Aに到達するMOSはMOS≠MOSに変化する。
ここで、vr2>vr1の場合には、MOS>MOS
r2<vr1の場合には、MOS<MOS
になる。
更に、図11(b)及び図12(c)に示すように、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vで回転している状態のままで、回転トリマ44の回転駆動を停止すると、MOS=0になる。このとき、現像位置Aへの現像剤の供給が遮断される。
尚、本実施の形態では、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)が一定周速vで回転している状態のままで、現像ロール41(具体的には現像スリーブ61)との対向部位で逆方向に回転トリマ44を回転させた場合にも、図11(b)及び図12(c)に示すように、MOS=0なる。このため、回転トリマ44の回転駆動を停止した場合と同様に、現像位置Aへの現像剤の供給が遮断される。
【0036】
―排出回収制御処理―
本実施の形態では、現像装置34を継続して使用すると、現像容器40内に紙粉等の異物が混入したり、現像剤の凝集により凝集物が生成されるという懸念が生ずる。これらの異物・凝集物が層規制部材としての回転トリマ44付近に滞留すると、特に異物・凝集物が層規制位置Bに引っ掛かった状態で滞留するような場合には、回転トリマ44による現像剤Gの均一な層規制動作に支障をきたす。つまり、滞留した異物・凝集物が規制すべき現像剤層に対し凹んだ溝が生成され、この凹んだ溝を含む現像剤層が現像位置Aに到達して、感光体31上の静電潜像に対する現像に供されると、感光体31上の現像されたトナー像に白筋が生成されてしまう虞れがある。
このため、本実施の形態では、図9に示す制御装置100は、定期的あるいは画質に影響が現れたことを検出した際に、現像装置34内の異物・凝集物を排出回収するという排出回収制御処理を実施するようになっている。
本実施の形態では、排出回収制御処理は、図13に示すように、異物・凝集物の排出モード実施タイミングか否かを判別し、排出モードの実施タイミングであることを判別すると、現像装置34内から異物・凝集物を排出する「排出モード」を実施し、これに連動して、現像装置34から排出された異物・凝集物を回収する「回収モード」として、トナーバンド方式又はキャリアバンド方式のいずれかを選択して実行する。
【0037】
―排出モード実施タイミング―
本実施の形態では、排出モードの実施タイミングの判定事項としては以下のものが選定されている。
(1)プリント枚数n
これは、現像装置34内に異物・凝集物が滞留しないように、予め定めたプリント枚数n毎に定期的に排出モードを実施するという趣旨である。
(2)現像剤補給回数s
現像装置34では、トナーの消費に伴って現像剤を補給する現像剤補給方式が採用されることが多い。この場合において、補給する現像剤としてトナーのみならずキャリアも含めた現像剤そのものを補給する方式では、現像装置34内に充填される現像剤容量が増加するため、劣化した現像剤(主としてキャリア)が排出させられる排出機構を付加する手法が採用されることがある。
一般に、現像剤の補給動作は通常消費したトナー量に応じてこれを補給するものであるから、各現像剤の補給時における実際の現像剤補給量はまちまちである。このため、本例では、予め決めた定量補給量に換算した現像剤補給回数s毎に定期的に排出モードを実施し、異物・凝集物と共に劣化した現像剤を排出するという趣旨である。このように、現像剤補給回数sに伴って排出モードを実施することで、前述した排出機構による劣化現像剤の排出動作に代えることが可能になるため、前述した排出機構を省略することができる。
尚、現像剤補給量を直接計測する方式を採用している態様では、現像剤補給回数sに代えて、現像剤補給量を用いるようにしても差し支えない。
【0038】
(3)ラインセンサ出力異常
図14(a)は記録材上の画像品質を検出する方式の一例を示す。
同図において、記録材38が通過する搬送経路の一部にラインセンサ200が配設されている。このラインセンサ200は記録材38の搬送方向に交差する幅方向に沿って延びる長尺なイメージセンサであって、センサアレイ201内に記録材38の幅方向に沿って多数のセンサ素子202を配列し、記録材38上の画像IMの濃度情報を光学的に検出するものである。
例えば現像装置34内に異物・凝集物が滞留したことに起因し、記録材38上にハーフトーン等の面画像からなる画像IMが描かれている一部に白筋からなる欠損205が生成されていると仮定すると、このような画像IMに対して、ラインセンサ200からは図14(a)に示すセンサ出力が得られる。このセンサ出力Sには、画像IMのうち本来のハーフトーンの面画像部分からの濃度レベルSaに比べて白筋からなる欠損205に対応した部位の濃度レベルSbが低い(光学的なセンサ出力としては高い)という傾向が見られる。
そこで、例えば画像品質を検査するモードで、ハーフトーンの面画像からなる画像IMを記録材38に作製し、ラインセンサ200からの出力をチェックし、前述した欠損205を判別するためにセンサ出力に対して予め閾値mを定めておき、この閾値mを超えたセンサ出力が検出された場合に欠損205が生成されていると推測し、排出モードを実施する必要があると判定する趣旨である。
尚、本例では、記録材38上の画像品質を検出するようにしているが、感光体31上あるいは中間転写体を用いた態様の画像形成装置にあっては中間転写体上に形成された画像に対してラインセンサにて画像品質を検出するようにしてもよい。
【0039】
更に、現像装置34内の現像剤層は回転トリマ44によって本来的には均一な層に規制されるが、例えば現像剤Gの一部に異物・凝集物Wが顕著に存在する場合には、これらの異物・凝集物Wが回転トリマ44付近に滞留し易いという懸念が考えられる。そこで、例えば図14(b)に示すように、現像装置34内に異物・凝集物の検出装置210を設けるようにしてもよい。
この種の検出装置210としては、現像ロール41の軸方向の一方に発光光源211を設けると共に、他方に受光センサ212を設け、発光光源211から受光センサ212への光路軌跡Bmを、現像ロール41上の現像剤層の規制厚より僅かに高い位置に設定しておくようにすれば、例えば現像剤G上に異物・凝集物Wが顕著に存在する場合には前記光路軌跡Bmを遮ることから、受光センサ212の出力が予め定めた閾値よりも低下したことで異物・凝集物Wの存在を推測し、排出モードを実施する必要があると判定するようにしてもよいことは勿論である。
(4)その他
排出モードの実施タイミングの判定事項については、前述したものに限られるものではなく、例えば以下のようなものでもよい。
・画像形成装置の電源投入時
・ユーザの指定時期
・サービスエンジニアによるメンテナンス指定時期
・トナーカートリッジの交換・補給時
【0040】
―排出モード―
本実施の形態では、排出モードの実施態様としては以下のものが挙げられる。
<実施態様1>
本例は、回転トリマ44を通過する現像剤層を増減変動させる方式の一例であり、図15(a)〜(c)に示すように、排出モード実施時に、回転トリマ44が予め決められた周速v(=vr1)で回転駆動する駆動期間と、駆動停止期間(v=0)との間で間欠的に変化させるように、回転トリマを回転制御する態様である。尚、本例では現像ロール41は現像時の周速v(vdc)と同様の周速で回転している。
本例では、図15(a)〜(c)において、現像ロール41に保持された現像剤Gは、その上部が間欠的に周速vの変化する回転トリマ44に接触し、現像ロール41と回転トリマ44との間の層規制位置Bでは現像剤搬送量(MOS)をMOSと0との間で増減変動させながら通過して現像位置Aに向かって搬送される。
このとき、回転トリマ44付近に滞留していた異物・凝集物Wは、増減変動する現像剤層と一緒になって層規制位置Bを通過する。
<実施態様2>
本例は、回転トリマ44を通過する現像剤層を増減変動させる方式の他の例であり、図16(a)〜(c)に示すように、排出モード実施時に、回転トリマ44が予め決められた第1の周速vr11と、この第1の周速とは異なる第2の周速vr12(>vr11)との間で間欠的に変化させるように、回転トリマ44を回転制御する態様である。尚、本例では現像ロール41は現像時の周速v(vdc)と同様の周速で回転している。
本例では、図16(a)〜(c)において、現像ロール41に保持された現像剤Gは、その上部が間欠的に周速vの変化する回転トリマ44に接触し、現像ロール41と回転トリマ44との間の層規制位置Bでは現像剤搬送量(MOS)をMOS11とMOS12(>MOS11)との間で増減変動させながら通過して現像位置Aに向かって搬送される。
このとき、回転トリマ44付近に滞留していた異物・凝集物Wは、増減変動する現像剤層と一緒になって層規制位置Bを通過する。
【0041】
<実施態様3>
本例は、回転トリマ44を通過する現像剤層を増加変動させる方式の一例であり、図17(a)(b)に示すように、排出モード実施時に、回転トリマ44の周速vが現像時(vr1)よりも速くなるようにvr1からvr2(>vr1)に回転トリマ44を回転制御する態様である。尚、本例では現像ロール41は現像時の周速v(vdc)と同様の周速で回転している。
本例では、現像ロール41に保持された現像剤Gは、その上部が現像時よりも周速vの増加する回転トリマ44に接触して、現像ロール41と回転トリマ44との間の層規制位置Bでは現像剤搬送量(MOS)を増加変動させながら通過して現像位置Aに向かって搬送される。
このとき、回転トリマ44付近に滞留していた異物・凝集物Wは増加変動する現像剤層と一緒になって層規制位置を通過する。
<実施態様4>
本例は、回転トリマ44を通過する現像剤層を増加変動させる方式の他の例であり、図18(a)に示すように、排出モード実施時には、現像ロール41及び回転トリマ44を予め決められた周速v(=vdc),v(vr2=vr1)で回転制御し、現像ロール41と回転トリマ44との間に回転トリマ44の表面がトナー現像可能に作用する電界Eを形成する態様である。
本例は回転トリマ44の表面にトナーを現像する方式で、図18(b)に示すように、回転トリマ44の表面にトナーTが現像されると、回転トリマ44の表面にトナーTが付着したトナー付着層220が形成され、このトナー付着層220に伴い表面粗さRtがトナー現像前に比べて一時的に粗くなる。すると、回転トリマ44がその表面粗さRtにより現像剤搬送力が上昇することになり、その分、回転トリマ44を通過する現像剤層が増加変動する。このため、本態様においても、回転トリマ44付近に滞留していた異物・凝集物Wは増加変動する現像剤層と一緒になって層規制位置Bを通過する。
尚、本態様については、実施態様1〜3のいずれかと組み合わせるようにしても差し支えない。
【0042】
―回収モード―
このような排出モードが実施されると、異物・凝集物Wは、現像ロール41の回転と伴って現像剤層と一緒に現像位置Aへと移動する。
本実施の形態では、現像装置34から排出される異物・凝集物Wを回収する回収モードが実施される。
本実施の形態では、回収モードの実施態様としては、トナーバンドによる回収モードとキャリアバンドによる回収モードとの2種類がある。
この回収モードの選択手法としては、排出モード実施回数に応じていずれの回収モードを実施するかを予め決めておけばよい。例えば両方の回収モードを交互に実施するとか、トナーバンドによる回収モードをp回実施する毎にキャリアバンドによる回収モードを実施するごとくである。尚、本例では、排出モード後の回収モードとしてはいずれかの回収モードを実施するという取り扱いにしているが、排出モード後に両方の回収モードを続けて行うようにしてもよいことは勿論である。
<トナーバンドによる回収モード>
トナーバンドによる回収モードは、図19に示すように、以下の工程で実施される。
(1)帯状トナー潜像形成工程
これは、潜像形成装置(帯電装置32及び露光装置33)にて感光体31上に当該感光体31の回転方向に交差する幅方向に延びるトナー現像可能な帯状トナー潜像Ztを形成するものである。
この帯状トナー潜像Ztの感光体31の回転方向に沿う長さdは現像ロール41の周長以上に選定されることが好ましい。これは、現像ロール41の周囲のいずれの位置に異物・凝集体Wが存在していても、これに対応した領域に亘って帯状トナー潜像Ztを形成することを考慮したものである。
(2)帯状トナー画像(トナーバンド)形成工程
これは、排出モードの実施により、回転トリマ44によって現像剤層を増減変動又は現像時よりも増加変動させ、当該変動した現像剤層が現像装置34の現像位置Aに到達する時点に合わせて、感光体31上に形成した帯状トナー潜像Ztを現像装置34の現像位置Aに移動させ、現像装置34により現像時の現像条件に準じた条件で帯状トナー潜像Ztをトナー現像し、帯状トナー画像(トナーバンド)Tbを形成するものである。
このとき、トナーバンドTbには、トナーTと共に異物・凝集物Wが混入した状態になっている。
ここで、現像時の現像条件に準じた条件とは、現像ロール41上のトナーが帯状トナー潜像Ztを現像する条件であり、感光体31上の初期帯電電位をVh、帯状トナー潜像Ztの電位をVzt、現像ロール41に印加される現像電圧をVbとすれば、
|Vh|>|Vb|>|Vzt|の関係を満たす。
(3)トナーバンド搬送工程
これは、感光体31上に形成されたトナーバンドTbを転写装置35で転写させずに清掃装置36に至るまで搬送する。
このとき、転写装置35の転写部材35aはリトラクト機構35bによって転写位置から退避しているため、感光体31上のトナーバンドTbは転写部材35aに転移することなく、清掃装置36まで搬送されて回収される。
【0043】
<キャリアバンドによる回収モード>
キャリアバンドによる回収モードは、図20に示すように、以下の工程で実施される。
(1)帯状キャリア潜像形成工程
これは、潜像形成装置(帯電装置32及び露光装置33)にて感光体31上に当該感光体の回転方向に交差する幅方向に延びるキャリア付着可能な帯状キャリア潜像Zcを形成するものである。
この帯状キャリア潜像Zcの感光体31の回転方向に沿う長さdも、帯状トナー潜像Ztの場合と同様な理由から、現像ロール41の周長以上に選定されることが好ましい。
(2)帯状キャリア画像(キャリアバンド)形成工程
これは、排出モードの実施により、回転トリマ44によって現像剤層を増減変動又は現像時よりも増加変動させ、当該変動した現像剤層が現像装置34の現像位置Aに到達する時点に合わせて、感光体31上に形成した帯状キャリア潜像Zcを現像装置34の現像位置Aに移動させ、現像装置34により現像時とは異なるキャリアが付着可能な条件で帯状キャリア潜像Zcをキャリア付着させ、帯状キャリア画像(キャリアバンド)Cbを形成するものである。
このとき、キャリアバンドCbには、キャリアCと共に異物・凝集物Wが混入した状態になっている。
ここで、現像時とは異なるキャリアが付着可能な条件とは、現像ロール41上のキャリアが帯状キャリア潜像Zcに付着する条件であり、感光体31上の初期帯電電位をVh、帯状キャリア潜像Zcの電位をVzc、現像ロール41に印加される現像電圧をVbとすれば、
|Vh|>|Vzc|>|Vb|の関係を満たす。
(3)キャリアバンド搬送工程
これは、感光体31上に形成されたキャリアバンドCbを転写装置35で転写させずに清掃装置36に至るまで搬送する。
このとき、転写装置35の転写部材35aはリトラクト機構35bによって転写位置から退避しているため、感光体31上のキャリアバンドCbは転写部材35aに転移することなく、清掃装置36まで搬送されて回収される。
【実施例】
【0044】
◎実施例1
実施例1は、実施の形態1と略同様な構成を備えているが、図21(a)に示すように、現像装置として、撹拌搬送部材42,43を上下に配列し、かつ、現像ロール41に保持された未使用現像剤を回収するロール55を付加したものである。尚、現像ロール41(平滑スリーブを具備)、層規制部材(回転トリマ)44は実施の形態1と同様である。
比較例は、図21(b)に示すように、実施例と略同様な構成を備えているが、実施例と異なり、現像ロール41’として、現像スリーブ61’がブラストスリーブ又は溝スリーブで構成され、更に、層規制部材44’として、磁性板を用いた板状規制部材(固定トリマ)を用いたものである。
ここで、実施例1の現像スリーブ61は、図22(a)に示す平滑スリーブ(平滑面が最大高さRzで3μm)にて構成されている。
一方、比較例(比較例1,2)の現像スリーブ61’は図22(b)に示すブラストスリーブ(実施例の平滑スリーブにブラスト処理を施して構成)にて構成され、あるいは、図22(c)に示す溝スリーブ(実施例の平滑スリーブに対し溝加工処理を施して構成)にて構成されている。
尚、実施例1、比較例ともに、層規制部材と現像スリーブとの間隙は240μmに設定されている。
【0045】
実施例1に係る現像装置、比較例に係る現像装置の性能を評価する上で、層規制部材(トリマ)、層規制用磁極の磁束密度、現像スリーブの表面を夫々組み合わせて、現像剤搬送量(MOS)を測定したところ、図23に示す結果が得られた。
図23によれば、比較例(比較例1,2)では、固定トリマ+ブラストスリーブ、溝スリーブを用いる場合には、一定のMOSを得るには良好であるが、MOS量を調整することは困難である。
これに対し、実施例1では、回転トリマ+平滑スリーブを使用した場合には、MOS量を調整することも極めて良好であることが確認された。
ちなみに、現像スリーブとして平滑スリーブを用いた態様で、固定トリマを使用すると、層形成自体が不可になってしまうことが理解される。
更に、層規制位置における層規制用磁極の磁束密度が50mTの場合には、MOS量は多すぎず適量になるが、例えば80mTにすると、使用可能ではあるももの、MOS量が多くなる傾向が見られる。
ここで、層規制位置における層規制用磁極の磁束密度30mT〜60mTであれば、MOS量を適量に調整し易い点で好ましい。
【0046】
また、実施例1として、層規制部材と現像スリーブとの間隙を240μmにしたものを実施例1−1、前記間隙を70μmにしたものを実施例1−2とし、更に、比較の意味で、回転トリマとブラストスリーブとを組み合わせた態様のものを実施例2とした。
これらについて、回転トリマの周速比とMOSとの関係を調べたところ、図24に示す結果が得られた。
MOS量としては、300〜800g/m程度が実使用領域であるところ、実施例1(実施例1−1,実施例1−2)は回転トリマの周速比が広範囲に亘ってMOSの実使用領域において可変調整されていることが理解される。
この点、実施例2では、ブラストスリーブを用いていることから、回転トリマの周速比に対するMOSの変化量が大きく、回転トリマの周速比が0.7以上から、MOSの実使用領域を越えてしまうことが理解される。
尚、本実施例1(実施例1−1,実施例1−2)では、現像スリーブの平滑面は最大高さ3μmであるが、この平滑面の表面粗さを振って同様な実験を行ったところ、平滑面は最大高さが5μm以下では、実施例1と同様な傾向が見られた。
また、層規制部材と現像スリーブとの間隙についても、使用領域(0.035mm〜1.5mm)で振って同様な実験を行ったところ、実施例1と同様な傾向が見られた。特に、0.060〜1.0mm程度では安定していることが確認された。
【符号の説明】
【0047】
1…像保持体,2…現像剤保持体,3…現像回転体,4…磁石部材,5…磁極,5a…層規制用磁極,6…層規制回転体,7…撹拌搬送部材,8…現像容器,9…潜像形成装置,10…現像装置,11…現像制御装置,12…排出制御装置,13…転写装置、13a…転写部材,14…転写媒体,15…清掃装置,16…回収制御装置,16a…帯状トナー潜像形成手段,16b…帯状トナー画像形成手段,16c…帯状トナー画像搬送手段,16d…帯状キャリア潜像形成手段,16e…帯状キャリア画像形成手段,16f…帯状キャリア搬送手段、G…現像剤,v…現像剤保持体の周速,v…層規制回転体の周速

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が保持可能な像保持体に対向し、少なくともトナーが含まれる現像剤を保持して回転すると共に前記像保持体の静電潜像をトナーにて現像する現像剤保持体と、
この現像剤保持体と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体との対向部にて当該現像剤保持体と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制回転体と、
現像時には、前記現像剤保持体及び前記層規制回転体を予め決められた周速で回転制御すると共に像保持体上の静電潜像に対して前記現像剤保持体上に保持した現像剤を現像に供する現像制御装置と、
非現像時の一時期に、前記現像剤保持体を予め決められた周速で回転制御し、かつ、前記層規制回転体を通過する現像剤の量が増減変動するように、前記層規制回転体の周速を間欠的に変化させるべく前記層規制回転体を回転制御し、前記現像剤保持体上の増減変動する現像剤層と共に現像剤に含まれる異物・凝集物を排出する排出制御装置と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1記載の現像装置において、
前記現像制御装置は、現像時に、前記現像剤保持体上で規制すべき現像剤層の増減に伴って前記層規制回転体の周速を増減させるように、当該層規制回転体の周速を可変調整することを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の現像装置において、
前記排出制御装置は、非現像時に、前記層規制回転体が予め決められた周速で回転駆動する駆動期間と、駆動停止期間との間で間欠的に変化させるように、前記層規制回転体を回転制御することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項2記載の現像装置において、
前記排出制御装置は、非現像時に、前記層規制回転体が予め決められた第1の周速と、この第1の周速とは異なる第2の周速との間で間欠的に変化させるように、前記層規制回転体を回転制御することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
静電潜像が保持可能な像保持体に対向し、少なくともトナーが含まれる現像剤を保持して回転すると共に前記像保持体の静電潜像をトナーにて現像する現像剤保持体と、
この現像剤保持体と予め決められた間隙を介して対向して配置され且つ現像剤保持体との対向部にて当該現像剤保持体と同方向に回転して現像剤層を規制する層規制回転体と、
現像時には、前記現像剤保持体及び前記層規制回転体を予め決められた周速で回転制御すると共に像保持体上の静電潜像に対して前記現像剤保持体上に保持した現像剤を現像に供する現像制御装置と、
非現像時の一時期に、前記現像剤保持体を予め決められた周速で回転制御し、かつ、前記層規制回転体を通過する現像剤の量が現像時よりも増加変動するように前記層規制回転体を制御し、前記現像剤保持体上の増加変動する現像剤層と共に現像剤に含まれる異物・現像剤凝集物を排出する排出制御装置と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項5記載の現像装置において、
前記現像制御装置は、現像時に、前記現像剤保持体上で規制すべき現像剤層の増減に伴って前記層規制回転体の周速を増減させるように、当該層規制回転体の周速を可変調整するものであり、
前記排出制御装置は、非現像時の一時期には、前記層規制回転体の周速が現像時よりも速くなるように前記層規制回転体を回転制御することを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の現像装置において、
前記排出制御装置は、非現像時には、前記現像剤保持体及び前記層規制回転体を予め決められた速度で回転制御し、前記現像剤保持体と前記層規制回転体との間に前記層規制回転体の表面がトナー現像可能に作用する電界を形成することを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれかに記載の現像装置において、
前記現像剤保持体は、少なくとも表面粗さが最大高さで5μm以下の平滑面として形成されて回転する現像回転体と、この現像回転体内に固定的に内包され且つ周囲に複数の磁極が配列される磁石部材と、を有し、現像回転体を回転させることで磁石部材の磁極による磁力にて現像回転体上にトナー及びキャリアが含まれる現像剤を保持するものであることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
トナー像が保持可能な像保持体と、
この像保持体上に静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体上に形成された静電潜像をトナーにて現像する請求項1ないし8いずれかに記載の現像装置と、
前記像保持体上のトナー像を転写媒体に転写させる転写装置と、
前記像保持体のうち転写装置よりも回転方向下流側に設けられ、像保持体上に残留した残留物を清掃する清掃装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
前記排出制御装置により現像剤内の異物・凝集物が現像材保持体上の現像剤層と共に排出されるときに、排出された異物・凝集物を像保持体を介して清掃装置に回収するように前記潜像形成装置、前記現像装置、前記像保持体、前記清掃装置を制御する回収制御装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置において、
前記回収制御装置は、非作像時の一時期に、前記潜像形成装置にて前記像保持体上に当該像保持体の回転方向に交差する方向に延びるトナー現像可能な帯状トナー潜像を形成する帯状トナー潜像形成手段と、
前記排出制御装置が非現像時の一時期に層規制回転体によって現像剤層を増減変動又は現像時よりも増加変動させ、当該変動した現像剤層が現像装置の現像領域に到達する時点に合わせて、前記像保持体上に形成した帯状トナー潜像を現像装置の現像領域に移動させ、現像装置により現像時と現像条件に準じた条件で前記帯状トナー潜像をトナー現像する帯状トナー画像形成手段と、
この帯状トナー画像形成手段にて像保持体上に形成された帯状トナー画像を転写装置で転写させずに清掃装置に至るまで搬送する帯状トナー画像搬送手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項10又は11記載の画像形成装置のうち、現像装置がトナー及びキャリアが含まれる現像剤を用いた態様において、
前記回収制御装置は、非作像時の一時期に、前記潜像形成装置にて前記像保持体上に当該像保持体の回転方向に交差する方向に延びるキャリア付着可能な帯状キャリア潜像を形成する帯状キャリア潜像形成手段と、
前記排出制御装置が非現像時の一時期に層規制回転体によって現像剤層を増減変動又は現像時よりも増加変動させ、当該変動した現像剤層が現像装置の現像領域に到達する時点に合わせて、前記像保持体上に形成した帯状キャリア潜像を現像装置の現像領域に移動させ、現像装置により現像時とは異なるキャリアが付着可能な条件で前記帯状キャリア潜像にキャリアを付着させる帯状キャリア画像形成手段と、
この帯状キャリア形成作成手段にて像保持体上に形成された帯状キャリア画像を転写装置で転写させずに清掃装置に至るまで搬送する帯状キャリア画像搬送手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項11又は12記載の画像形成装置において、
前記転写装置は、像保持体との間に直接若しくは転写媒体を介して圧接する転写部材を有し、前記帯状トナー画像又は帯状キャリア画像が転写部位を通過するとき、像保持体に直接若しくは転写媒体を介して圧接する位置から前記転写部材を退避させ、像保持体上の帯状トナー画像又は帯状キャリア画像と転写部材若しくは転写媒体と非接触配置することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項9ないし13のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記排出制御装置による異物・凝集体の排出制御処理、及び、前記回収制御装置による異物・凝集体の回収制御処理は、予め決められた作像回数毎又は予め決められた現像剤補給回数毎に実施されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項9ないし14いずれかに記載の画像形成装置において、
前記現像剤保持体上の現像剤層又は前記像保持体若しくは前記転写媒体上のトナー画像の欠損が検出可能な欠損検出手段を備え、
前記排出制御装置による異物・凝集体の排出制御処理、及び、前記回収制御装置による異物・凝集体の回収制御処理は、前記欠損検出手段にて現像剤層又はトナー画像に欠損が検出されたときに実施されることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−80131(P2013−80131A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220426(P2011−220426)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】