説明

現像装置及びこれを用いる画像形成装置

【課題】現像装置における現像ローラ上の凝集トナーによる現像剤規制部材を押し上げる力を吸収して、現像ローラと現像剤規制部材との当接状態を一定化させ、安定したトナー層形成を行うことができる現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム32に現像剤を供給して感光体ドラム32上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラ62と、現像ローラ62の表面に担持される現像剤の層厚を規制するドクターブレード67とを具備する現像装置6において、ドクターブレード67の構成として、現像ローラ62に当接する規制部68と規制部68を支持する支持ブレード69とを備え、規制部68を現像ローラ62と面接触で当接させ、規制部68の構成として、現像ローラ62との当接部68aの硬度よりも当接部手前部68bの硬度が低くなるように構成したことを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを用いる画像形成装置に係り、特に、電子写真方式を採用する画像形成装置に搭載される現像ローラを備える現像装置及びこれを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用する画像形成装置においては、感光体の表面に形成される静電潜像に対して、現像装置から現像剤の成分であるトナーを供給して現像することによって可視像であるトナー像を形成し、さらにトナー像を転写媒体である記録紙などに転写し、記録紙上に転写されたトナー像を定着して堅牢な記録画像を形成する。
【0003】
近年、カラーインクジェット方式の画像形成装置の普及により、電子写真方式を利用した画像形成装置においても、小型化・低価格化が求められている。
このような状況から、電子写真の現像装置としては、構造が簡単で小型化が可能な、非磁性一成分現像方式が用いられることが多い。
【0004】
非磁性一成分現像方式には潜像担持体に接触させて現像を行う接触現像方式と、潜像担持体と所定の間隙を隔てて現像を行う非接触現像方式がある。
両者とも現像装置自身の構造は類似しており、コンパクトな特徴を有するが、現像ローラの材質が異なる場合がある。
【0005】
接触現像では、現像領域での均一な接触を得るために、現像ローラは、導電性を有するゴムなどの弾性部材から構成される。特に、潜像担持体として感光体ドラムなどの剛体を用いる構成では、接触状態の不具合による傷つけを防止する観点からも有効である。
【0006】
また、現像ローラがゴムローラの場合は、現像ローラ上のトナー層形成を行うドクターブレードとしては、ゴムブレードや金属シャフトからなるローラ型ブレード、金属板単体のブレードなどを用いる。中でも、金属板からなるブレードは低コストに提供できるため、広く用いられている。
【0007】
一方、非接触現像の場合、感光体ドラム(潜像担持体)との間隙を精密に保持する必要があるため、現像ローラとして金属等の剛体から成るローラやスリーブが用いられることが多い。これはゴムローラに比べ、表面の研磨精度向上や、駆動軸と表面の偏心の抑制に効果的なためである。また、非接触ゆえに接触による傷つけの懸念が無いことも挙げられる。
【0008】
この場合、ドクターブレードとしては、上記の接触型と同様に幾つかの方式が採用可能であるが、トナー層規制部での接触安定化や傷つけ防止の観点から、ゴム製のブレードが用いられることが多い。ゴム製のブレードとしては、トナー層を規制する部分と支持部分が全てゴム材単体で構成されているものや、金属板等の弾性支持部材とその端縁部にゴム材が配されたトナー層を規制する規制部からなるものなどが知られている。
【0009】
一般に、現像剤規制部材の現像ローラへの当接方法としては、ブレード部材(規制部材)の端縁部を当接させる、いわゆる「エッジ当て方式」と、ブレード部材の面部分を現像ローラ62に当接させる、いわゆる「腹当て方式」がある。
【0010】
エッジ当て方式は、シャープな圧力分布を構成できる反面、規制部材端面の形状や当接位置の精度に対して敏感であり、層形成の安定性に課題がある。
【0011】
そこで、エッジ当て方式におけるこれらの課題を解決する方法として、ブレード部材の当接部のゴム材質を変えたものや(特許文献1を参照。)、ブレード部材の当接部が安定して接触するように当接部の取り付け部分のゴム硬度や形状を変えたものなどが提案されている(特許文献2を参照。)。
【0012】
一方、腹当て方式の場合は、ブレード部材と現像ローラの当接状態を比較的安定に設定しやすいが、エッジ当て方式に比べると押しつけ圧力が低く、小粒径トナーなどを用いた場合にはトナー層の形成が行い辛くなる場合がある。
【0013】
そこで、これらの問題を解決するために、ブレード部材の硬さや突き出し量、荷重などを適宜調整したり、ブレード当接部のゴム部材の形状を凸状に形成するものが提案されている(特許文献3を参照。)。
【0014】
これらの提案は、例えば、図22(a),(b)に示すように、現像ローラ62とドクターブレード967のブレード部材(規制部材)968の当接部の接触状態均一化を狙ったものであり、使用初期においてはトナー層形成均一化や安定化を図る上で有効である。
符号969は、ブレード部材968を保持する支持ブレード、T1は良好なトナー層形成状態を示す。
図22(a)は従来のドクターブレードによるトナー使用初期におけるトナー層形成状態を示す説明図、(b)は(a)のA矢視による正面図である。
【0015】
また、金属性の現像ローラを用いた場合、エッジ当て方式の場合では、初期的には良好であるが、経時使用によってエッジ部の損傷が起こりやすく、それによって、トナー層の不均一が生じやすい傾向がある。一方、腹当て方式の場合では、金属ローラとの摺擦によるブレード部材の損傷劣化はさほど大きくなく、長期使用における安定化に優位である。
【0016】
しかしながら、特許文献3による技術では、以下の理由でトナー層の不均一が発生する場合がある。すなわち、経時使用により、トナー層規制やトナー攪拌などによるストレスで、トナー表面に付与された外添剤などの離脱や埋没が起こり、トナーの流動性が低下し、その影響でトナー層規制領域(以下、「ブレードニップ」と称する。)にトナーが滑らかに侵入することができなくなる。それによって、図23(a),(b)に示すように、ブレードニップ手前でトナーがブレード部材968を押し上げる作用が強くなり、ブレード当接状態が不均一(不安定な状態)になり、部分的にトナーがすり抜け、不均一なスジ状のトナー層形成状態T2となることが分かった。
図23(a)は従来のドクターブレードによるトナー劣化時におけるトナー層形成状態を示す説明図、(b)は(a)のB矢視による正面図である。
【0017】
上記従来の課題に対し、ブレード部材968のゴム材を柔らかくすれば、ブレードニップ手前での凝集トナーによる押し上げ作用を吸収できるが、ブレードニップでの所望の圧力分布を得られない場合があり、本来のトナー層形成条件から外れてしまい、前述の課題の一つである、小粒径トナーなどを用いた際のトナー層形成などに不具合を与える。
【0018】
そこで、ブレードニップ手前のトナー流れの制御に関しては、従来技術として、例えば、ブレードニップ手前のブレード部材のゴム材をカットして、滑らかな進入状態を形成するものが開示されている(特許文献4を参照。)。
【0019】
また、その他の従来技術として、ブレードニップ手前のブレード部材に凹み部を設け、凝集トナーが凹み部に入り込んで循環することで、安定したトナー侵入状態を得るようにしたものが開示されている(特許文献5を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2010−66332号公報
【特許文献2】特開2000−10402号公報
【特許文献3】特開2000−112230号公報
【特許文献4】特開平07−64391号公報
【特許文献5】特開平02−25865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、特許文献4による技術では、凝集トナーによる押し上げ力を吸収しつつ、ブレードニップの当接状態を一定化させる作用は得られない。
【0022】
また、特許文献5による技術では、トナーの凝集が進むと凹み部でのトナー循環がうまく機能しなくなる場合がある。さらに、経時使用によるトナー流動性の変化に伴うトナーの押し上げ力変動を吸収しつつ、ブレードニップでの当接状態を安定化させることは困難である。
【0023】
つまり、前述した課題を解決するには、ブレードニップの圧力分布を所望状態に維持しつつ、かつ、経時使用によるトナー特性変化に伴うブレードニップ手前に侵入してくるトナーからの押し上げ力変動を吸収する必要がある。
【0024】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、現像装置における現像ローラ上の凝集トナーによる現像剤規制部材を押し上げる力を吸収して、現像ローラと現像剤規制部材との当接状態を一定化させて、安定したトナー層形成を行うことができる現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上述した課題を解決するための本発明に係る現像装置及びこれを用いる画像形成装置は、次の通りである。
【0026】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に設けられ、画像形成装置に備わる感光体に現像剤(特に、非磁性一成分現像剤であって、例えば、トナー)を供給して前記感光体上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラと、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材(例えば、ドクターブレード)とを備えた現像装置において、前記現像剤規制部材の構成として、前記現像ローラに当接する弾性部材(例えば、弾性ブレード)と、前記弾性部材を支持する支持部材(例えば、支持ブレード)とを備え、前記弾性部材と前記現像ローラとを面接触で当接して、前記弾性部材の構成として、前記現像ローラとの当接部(当接ニップ部)の硬度よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の硬度が低くなるようにすることを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明は、前記弾性部材の構成として、前記当接部よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の一部を切除することが好ましい。
【0028】
また、本発明は、前記弾性部材の切除部分(切り欠き部)を、前記弾性部材の厚さ方向に重なるように複数個所に設けていることが好ましい。
【0029】
また、本発明は、前記弾性部材の切除部分の構成として、前記弾性部材の前記現像ローラの回転方向上流側に開口部が形成されて、前記現像ローラの回転方向に沿って形成され、前記弾性部材の前記切除部分の内側の前記現像ローラ側の面と、前記弾性部材の前記現像ローラと対向する面との成す角をθ1として、前記弾性体と前記現像ローラとの当接部の前記現像ローラの回転方向上流側の端部(当接ニップ端位置)を通る前記現像ローラの接線と前記弾性部材の前記現像ローラと対向する面の成す角をθ2としたとき、「θ1>θ2」の条件を満たすことが好ましい。
【0030】
また、本発明は、前記弾性部材の切除部分を、前記弾性部材の厚さ方向に貫通するように構成することが好ましい。
【0031】
また、本発明は、前記弾性部材の構成として、前記弾性部材の前記現像ローラとの当接部よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の一部を発泡体状に形成することが好ましい。
【0032】
また、本発明は、前記支持部材を、板バネ部材を用いて構成することが好ましい。
【0033】
また、本発明は、前記支持部材の構成として、一端を前記現像装置本体側に固定される固定端とし、他方端を自由端として、前記自由端側に前記弾性部材を保持し、前記自由端の先端を、前記弾性部材と前記現像ローラとの当接部を越えて前記固定端と反対側へ延設された位置で前記弾性部材を保持するように構成することが好ましい。
【0034】
また、本発明は、前記現像ローラを、金属部材を用いて構成することが好ましい。
【0035】
また、本発明は、静電潜像が形成される感光体を備えるとともに、前記感光体に現像剤を供給して前記感光体上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラと、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを具備する現像装置を備えて、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1から9のうちの何れか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明の現像装置によれば、電子写真方式の画像形成装置に設けられ、画像形成装置に備わる感光体に現像剤(例えば、トナー)を供給して前記感光体上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラと、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを備えた現像装置において、前記現像剤規制部材の構成として、前記現像ローラに当接する弾性部材と、前記弾性部材を支持する支持部材とを備え、前記弾性部材と前記現像ローラとを面接触で当接して、前記弾性部材の構成として、前記現像ローラとの当接部の硬度よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の硬度が低くなるようにすることで、経時使用によるトナー流動性低下などが生じる劣化トナーの凝集により前記現像剤規制部材の押し上げ作用が生じても、当接部手前の部分の弾性部材の変形によって凝集トナーによる押し上げ力を吸収しつつ、かつ、当接部の圧力分布を一定化させて所望の状態に維持できるため、安定したトナー層形成を行うことができる。
【0037】
すなわち、現像剤は、経時使用によるトナー流動性低下などにより現像剤規制部材の当接部前でのトナー凝集が起こりやすくなる。この作用によって、現像剤規制部材と現像ローラとの当接部へのトナーの進入が起こりにくくなり、凝集トナーが現像剤規制部材を押し上げる作用が生じて、現像剤規制部材と現像ローラとの当接状態が不均一になって、トナーのすり抜けが起こり、トナー層の不均一状態が発生する。
【0038】
そこで、現像ローラと当接する部分に柔らかい弾性部材(例えば、ブレードゴム材)を用いることで、当接部前の凝集トナーによる押し上げ作用を吸収することができるが、この場合、所定の現像剤規制部材の押圧力(ブレード荷重)を与えると弾性部材の変化が大きくなってニップ幅が広がり、当接圧力が低下するため、当接部(当接ニップ部)において所望の押圧分布が得られない。
【0039】
また、非接触現像、とくに交番電圧を用いない直流電界によるトナー飛翔作用を用いる場合、トナー飛翔性を向上させるために、トナー層規制時の現像剤規制部材の押圧(ブレード押圧)を高めすぎない方が良好であるが、ブレード押圧が小さいため、凝集トナーによるブレード押圧への影響が出やすい場合がある。本発明を用いることで、ブレード押圧の安定化を図れるため、非接触現像を用いる場合にはより好適である。
【0040】
また、本発明によれば、前記弾性部材の構成として、前記当接部よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の一部を切除することで、簡単な構成で当接部と当接部手前部の実質的な硬さを変えることができ、トナー層形成に適した弾性部材硬度と、凝集トナーの押し上げ力吸収に適した硬度を適宜設定することが可能となる。
【0041】
また、本発明によれば、前記弾性部材の切除部分を、前記弾性部材の厚さ方向に重なるように複数個所に設けることで、当接部手前の実質的硬さや、トナーに押しつけられた際の変形度合いを任意に調整可能となる。これにより、当接部(当接ニップ部)の圧力変動抑制や、当接部への安定したトナー進入状態を得ることができ、より安定したトナー層形成が可能となる。
【0042】
また、本発明によれば、前記弾性部材の切除部分の構成として、前記弾性部材の前記現像ローラの回転方向上流側に開口部が形成されて、前記現像ローラの回転方向に沿って形成され、前記弾性部材の前記切除部分の内側の前記現像ローラ側の面と、前記弾性部材の前記現像ローラと対向する面との成す角をθ1として、前記弾性体と前記現像ローラとの当接部の前記現像ローラの回転方向上流側の端部(当接ニップ部端の位置)を通る前記現像ローラの接線と前記弾性部材の前記現像ローラと対向する面の成す角をθ2としたとき、「θ1>θ2」の条件を満たすことで、前記切除部分にトナーが進入した際、進入トナーの押し上げ力の一部が切除部分の下方側の弾性部材の一部を押し下げる方向に作用する。これによって、凝集トナーが弾性部材全体を押し上げる力を緩和することが可能となり、より安定したトナー層形成が可能となる。
【0043】
また、本発明によれば、前記弾性部材の切除部分を、前記弾性部材の厚さ方向に貫通するように構成することで、前記切除部分に進入したトナーが前記弾性部材の当接部の反対側より排出されていくため、凝集トナーによる圧力を一定レベルに抑えることが可能となり、より安定したトナー層形成が可能となる。
【0044】
また、本発明によれば、前記弾性部材の構成として、前記弾性部材の前記現像ローラとの当接部よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の一部を発泡体状に形成することで、簡単な構造で硬度の異なる部位を有する弾性部材を実現できる。
【0045】
また、本発明によれば、前記支持部材を、板バネ部材を用いて構成することで、前記弾性部材を現像ローラに安定して加圧できるため、長期にわたって安定したトナー層形成を行うことができる。
【0046】
また、本発明によれば、前記支持部材の構成として、一端を前記現像装置本体側に固定される固定端とし、他方端を自由端として、前記自由端側に前記弾性部材を保持し、前記自由端の先端を、前記弾性部材と前記現像ローラとの当接部を越えて前記固定端と反対側へ延設された位置で前記弾性部材を保持するように構成することで、すなわち、自由端を弾性部材と現像ローラとの当接部を跨ぐように配置することで、前記弾性部材に多少の位置ずれが生じても、当接部の圧接力を一定に制御することが可能である。
【0047】
また、本発明によれば、前記現像ローラを、金属部材を用いて構成することで、現像剤規制部材(弾性部材)の当接状態の安定化を維持できるため、非接触現像方式での画像安定化をより向上させることが可能である。
【0048】
詳しくは、非接触現像を行う場合には、感光体と現像ローラの距離(現像ギャップ)を正確に維持することが重要であり、金属性の現像ローラを用いる方が現像ギャップ安定化により好適である。しかしながら、金属ローラの場合には凝集トナーによる圧力をローラ側ではほとんど吸収することができないため、ブレードの押し上げ作用が出やすい。そこで、本発明の現像剤規制部材の構成を採用することで、ブレード当接状態の安定化を維持することができる。
【0049】
また、本発明の画像形成装置によれば、静電潜像が形成される感光体を備えるとともに、前記感光体に現像剤を供給して前記感光体上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラと、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを具備する現像装置を備えて、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1から9のうちの何れか一項に記載の現像装置を備えたことで、現像剤規制部材と現像ローラとの当接部(当接ニップ部)の圧力分布を一定化させて所望の状態に維持できるため、安定したトナー層形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係る現像装置の構成を示す説明図である。
【図3】(a)は本実施形態のドクターブレードの実施例1の構成を示す説明図、(b)は前記ドクターブレードの作用を示す説明図である。
【図4】(a)従来のドクターブレードの作用を示す説明図、(b)は前記ドクターブレードの切り欠き部の構成を示す説明図、(c)は実施例1と従来例の当接ニップ部におけるブレード圧を示すグラフである。
【図5】実施例1のドクターブレードの変形例1を示す説明図である。
【図6】実施例1のドクターブレードの変形例2を示す説明図である。
【図7】実施例1のドクターブレードの変形例3を示す説明図である。
【図8】本実施形態のドクターブレードの実施例2の構成を示す説明図である。
【図9】実施例2のドクターブレードの変形例1を示す説明図である。
【図10】実施例2のドクターブレードの変形例2を示す説明図である。
【図11】(a)は本実施形態のドクターブレードの実施例3の構成を示す説明図、(b)は前記ドクターブレードの作用を示す説明図である。
【図12】実施例3のドクターブレードの変形例を示す説明図である。
【図13】本実施形態のドクターブレードの実施例4の構成を示す説明図である。
【図14】実施例4のドクターブレードの変形例1を示す説明図である。
【図15】実施例4のドクターブレードの変形例2を示す説明図である。
【図16】本実施形態のドクターブレードの実施例5の構成を示す説明図である。
【図17】本実施形態のドクターブレードの実施例6の構成を示す説明図である。
【図18】実施例6のドクターブレードの突出方向を逆にした変形例を示す説明図である。
【図19】本実施形態のドクターブレードの実施例7の構成を示す説明図である。
【図20】実施例7のドクターブレードの突出方向を逆にした変形例を示す説明図である。
【図21】実施例7のドクターブレードの比較例を示す説明図である。
【図22】(a)は従来のドクターブレードによるトナー使用初期におけるトナー層形成状態を示す説明図、(b)は(a)のA矢視による正面図である。
【図23】(a)は従来のドクターブレードによるトナー劣化時におけるトナー層形成状態を示す説明図、(b)は(a)のB矢視による正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の現像装置とこれを備える画像形成装置を実施するための形態について図面を参照して説明する。尚、以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す説明図である。
【0052】
本実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、静電潜像が形成される感光体ドラム(感光体)32を備えるとともに、感光体ドラム32に現像剤を供給して感光体ドラム32上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラ62と、現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制するドクターブレード(現像剤規制部材)67(図2を参照)とを具備する現像装置6を備えて、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置1において、現像装置6として、本発明に係る特徴的な現像装置の構成を採用したものである。
【0053】
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態に係る現像装置6を備えた画像形成装置1の全体構成について説明する。
【0054】
本実施形態に係る画像形成装置1は、印刷モードとしてコピアモード(複写モード),プリンタモード,FAXモードを有しており、不図示の操作部からの操作入力や、パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置からの印刷ジョブの受信に応じた印刷モードが、後述する制御部によって選択される。
【0055】
画像形成装置1は、図1に示すように、原稿読み取り部10、給紙部20、印刷部30、排紙部40に大別され、原稿読み取り部10が給紙部20の上方に配設され、排紙部40が原稿読み取り部10と給紙部20の中間部位に配設されている。
【0056】
以下に、上記各処理モードの中からコピアモードについて説明する。
ユーザが、原稿読み取り部(スキャナ部)10のプラテンガラス11上に原稿を載置した後,給紙部20の給紙カセット21或いは装置側面に設けられた手差しトレイ23に用紙(記録紙)を装着し、さらに装置の外装前面部に配置される操作パネル(不図示)上の条件入力キー(印刷枚数/印刷倍率等々)を入力した後に、操作パネルのスタートキーを操作するとコピー動作が開始される。
【0057】
スタートキーが操作されると、メイン駆動モータ(不図示)が始動し、各駆動ギヤが回転する。その後、給紙ローラ22又は22aが回転して用紙が装置内へ送出(給紙)され、給紙された用紙はレジストローラ31(ローラ対)に到達して捕捉される。
【0058】
このレジストローラ31により、用紙は、感光体ドラム32上に形成される画像の先端部(画像形成開始部)と同期をとるために一時停止され、用紙の先端部が均一にレジストローラ31に押しつけられて用紙の先端位置の補正が行なわれる。
【0059】
一方、原稿読み取り部10においては、コピーランプ(光源)12aが点灯し、コピーランプユニット12が矢印C方向へ移動することで露光が開始される。コピーランプ12aにより原稿に照射された照射光は、原稿の画像情報を含む反射光(原稿からの反射光)となり、該反射光は、コピーランプユニット12に設けられた第1ミラー12bから第2ミラー13,第3ミラー14,光学レンズ15から、CCD16へ入力されることによって読み取られる。
【0060】
このようにして読み取られた画像情報は、不図示のCCD回路で、光の画像情報が電気的信号に変換され、その画像情報信号は、設定された条件で画像処理が行われ、レーザスキャナユニット33へプリントデータとして送信される。
【0061】
他方、帯電ユニット(帯電手段)34により、感光体ドラム32の周面の一部が軸方向全体に渡って所定帯電電位に帯電され、感光体ドラム32が回転することによってその周面全体が所定の負の帯電電位に帯電される。帯電した感光体ドラム32表面は、感光体ドラム32の回転により次工程へ移動する。
【0062】
次に、レーザスキャナユニット33(露光手段)では、回転方向に複数の反射面を有したポリゴンミラー(回転多面鏡)及び各種光学系により、半導体レーザから出射されたレーザ光が偏向されながら感光体ドラム32へ照射される。これにより、レーザ光が帯電ユニット34により帯電した感光体ドラム32上を走査されて、感光体ドラム32上に静電潜像が形成される。
【0063】
その後、現像装置6が備える現像槽61内の負の直流電位に印加された現像ローラ62により、現像槽61内のトナー(現像剤の一例)が回転する感光体ドラム32表面上に供給され、静電潜像はこのトナーによって感光体ドラム32上の電位ギャップに応じて顕像化(現像)される。
【0064】
また、作像される用紙(記録紙)は、タイミングを合わせてレジストローラ31により、感光体ドラム32方向へ搬送され、転写ユニット(コロナチャージャ(転写手段))36により感光体ドラム32上のトナーが用紙に転写される。感光体ドラム32上の残留したトナーはドラムユニットのクリーニングブレード37aによってかきとられ、クリーナーユニット37により回収される。
【0065】
クリーニングブレード37aによりトナーがかきとられた感光体ドラム32の表面は、前記帯電ユニット34へ移動する途中で除電装置(除電手段)39により必要に応じて除電される。
【0066】
他方、トナーの転写が終了した用紙は、定着装置38(定着工程)の加熱ローラ38aと加圧ローラ38bとの間を通過して、熱と圧力が加えられ、用紙上の未定着トナーが用紙に溶融・固着され、排紙ローラ41により排紙トレイ42に排出される。前記加熱ローラ38aは、その内部に設けられた加熱ヒータ38cによって加熱される。
【0067】
また、原稿読み取り部10が備える原稿トレイ19に原稿が載置されていることが、所定のセンサにより検出されている場合には、所定のスタートキー操作がなされたときに給紙ローラ51が回転し、原稿トレイ19上に載置された原稿が原稿読み取り部10内へ送出されて所定の搬送経路Rt1中を搬送される。
【0068】
この搬送経路Rt1には、レジストローラ53が設けられており、このレジストローラ53によって原稿が捕捉され、原稿先端の位置決めが行われた後、所定のタイミングで原稿読み取り位置へ搬送される。
【0069】
そして、コピーランプユニット12が所定の停止位置(原稿読み取り位置)で停止したまま搬送中の原稿を露光する。この露光により得られた原稿からの反射光により原稿画像を読み取る処理は前述した通りである。
このようにして画像が読み取られた原稿は、原稿排出部18へ排出される。
【0070】
次に、本実施形態に係る特徴的な現像装置6について図面を参照して説明する。
図2は本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す説明図である。
【0071】
本実施形態に係る現像装置6は、図2に示すように、画像形成装置1に備わる感光体ドラム32に現像剤を供給して感光体ドラム32上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラ62と、現像剤を収容する現像槽61と、現像槽61の中で現像剤60を撹拌搬送する撹拌搬送部材63、64及び65と、現像ローラ62の表面に担持される現像剤の層厚を規制するドクターブレード(現像剤規制部材)67とを備えている。それぞれ矢印で示す反時計方向に回転している。
【0072】
そして、現像装置6は、ドクターブレード67の構成として、現像ローラ62に当接する規制部(弾性部材)68と、規制部68を支持する支持ブレード(支持部材)69とを備えている。この規制部68は、現像ローラ62と面接触で当接され、現像ローラ62との当接部(当接ニップ部)68aの硬度よりも現像ローラ62の回転方向上流側近傍の領域(以下、「当接部手前部」と称する。)68bの硬度が低くなるように構成されている。
【0073】
現像ローラ62は、現像槽内で回転自在に設けられるアルミ製の現像ローラである。
現像ローラ62は、感光体ドラム32を臨み、その軸線が感光体ドラム32の回転軸線と平行になるように配置され、現像槽61本体のフレーム部に支持される。
【0074】
現像ローラ62に担持される現像剤としては、非磁性の一成分現像剤であるトナーが用いられる。
【0075】
現像槽61内において、トナー搬送方向で現像ローラ62上流に設けられたトナー供給ローラ66により、その表面にトナーを吸着し、現像ローラ上に一定量のトナーを供給する。
【0076】
現像ローラ62の上方には、現像ローラ62上に一定量のトナー層を形成するための現像剤規制部材、いわゆるドクターブレード67が設けられている。ドクターブレード67を構成する支持ブレード69の先端には、支持ブレード69と一体化されたウレタンゴム製の規制部68が設けられ、他端側は、固定板金71及び72によって支持ブレード69を挟み込んだ状態で、ビス73によって現像槽61本体に固定されている。
【0077】
支持ブレード69は、薄く、ばね性を有した金属板金であり、このばね性によって規制部68を一定の圧力で現像ローラ62上に押圧している。これにより、現像ローラ62上に一定の帯電を有したトナー層が担持される。
【0078】
これらの電荷を有するトナーが、現像ローラ62と感光体ドラム32との電位差に応じて、現像ローラ62から感光体ドラム32に供給されて静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
【0079】
現像槽61は、例えば、硬質の合成樹脂などからなり、外観が略直方体形状を有する容器部材である。現像槽61内において、第1撹拌搬送部材65と第2撹拌搬送部材63は主として回転方向のトナーの攪拌と搬送の役割を持っている。両部材共に回転軸の周囲に設けられた薄い樹脂性、例えばPET製の羽を有している。
【0080】
また、第1撹拌搬送部材65と第2撹拌搬送部材63との間には、第3撹拌搬送部材64が配置されている。第3撹拌搬送部材64は、例えば硬質の合成樹脂製のスクリュー状の回転部材であって、主として軸方向のトナーの攪拌と搬送の役割を持っている。
【0081】
第2撹拌搬送部材63とトナー供給ローラ66との間には、中間壁部材80が設けられる。中間壁部材80は、例えば合成樹脂などからなる平板状の部材であり、現像槽61の長手方向に延びて現像槽61の底部から立ち上がるようにして設けられる。
中間壁部材80の中央部には開口穴81が形成され、現像槽61内において、第2撹拌搬送部材63からトナー供給ローラ66へ向う現像剤の流れを形成している。
【0082】
トナー供給ローラ66は、芯金のまわりに円筒状のたとえば発泡ウレタンなどの多孔性弾性部材が設けられたものであり、この穴部にトナーを吸着させつつ、現像ローラ62を摺擦することでトナーを現像ローラ62に供給し、且つ現像後、現像ローラ62に残った余分のトナー層をクリーニングする役割も持つ。
【0083】
(実施例1)
次に、本実施形態の特徴的なドクターブレードの構成の実施例1について図面を参照して説明する。
図3(a)は本実施形態のドクターブレードの実施例1の構成を示す説明図、(b)は前記ドクターブレードの作用を示す説明図、図4(a)従来のドクターブレードの作用を示す説明図、(b)は前記ドクターブレードの切り欠き部の構成を示す説明図、(c)は実施例1と従来例の当接ニップ部におけるブレード圧を示すグラフ、図5は実施例1のドクターブレードの変形例1を示す説明図、図6は実施例1のドクターブレードの変形例2を示す説明図、図7は実施例1のドクターブレードの変形例3を示す説明図である。
【0084】
図3(a)はトナー劣化がさほど進んでいない初期状態を示すものであって、図3(b)はトナー劣化が進み、トナー凝集がブレードと現像ローラの当接ニップ手前で、ブレードを押し上げる作用を与えている状態を示したものである。
【0085】
実施例1のドクターブレード67は、図3(a),(b)に示すように、現像ローラ62に向かい当接する規制部68と、規制部68を支持する支持ブレード69とを備えている。
【0086】
規制部68は、現像ローラ62と面接触で当接され、材質はウレタンゴムを用いている。他にシリコンゴムなども使用可能である。
また、規制部68は、図3(a),(b)に示すように、現像ローラ62との当接部(当接ニップ部)68aの硬度よりも現像ローラ62の回転方向上流側近傍の当接部手前部68bの硬度が低くなるように構成されている。
【0087】
具体的には、規制部68の全体的な硬度は、JIS-A硬度で65°〜85°が好適であり、本実施例では75°〜80°とした。規制部68の厚さt1は0.5〜3mmが好適であり、本実施例では2mmとした。また、規制部68の現像ローラ62の回転方向に沿った方向における長さL1は8mmとしている。
【0088】
さらに、実施例1では、規制部68の、当接部68aよりも現像ローラ62の回転方向上流側近傍の領域の一部には、切り欠き部68cが形成されている。そして、規制部68の現像ローラ62の回転方向上流側に切り欠き部68cの開口部68dが形成されている。切り欠き部68cは、厚さ方向にt2を1mm、幅方向にL2を3mmとし、切り欠き部68cの終端部は断面形状が円弧状に形成されている。
【0089】
また、規制部68の中央部68CLが現像ローラ62と規制部68の当接部(当接ニップ)68aの中央68a1となるようにし、切り欠き部68cが当接部68aの範囲に掛からないように形成されている。
【0090】
このような構成により、規制部68において、切り欠き部68cが存在する当接部手前部68bの実質的な硬さを低くしている。なお、切り欠き部68cの形状は、これに限定されるものではない。
【0091】
次に支持ブレード69について説明する。
支持ブレード69は、材質としてりん青銅板を用いて形成されている。なお、他の材質として、ステンレス板やベリリウム銅板などばね性を有し、かつゴム材の成型温度に耐えうる材質ならば使用可能である。
【0092】
支持ブレード69の厚さt3は、0.05〜0.25mmが好適であり、本実施例では0.12mm厚のものを用いた。また、支持ブレード69の長さ(現像ローラ62の回転方向に沿った長さ)は30mmとし、現像装置6本体側の固定側からブレードニップまでの距離、いわゆる自由長は17mmとなるようにしている。
【0093】
上記構造の規制部68は、支持ブレード69を金型にセットし、金型にゴム材を溶融させて注入し、一体成型することで得られる。あるいは規制部68と支持ブレード69とを接着剤や粘着テープで固定してもかまわない。
【0094】
このようにして構成した規制部68を、図3(a),(b)に示すように、現像ローラ62に当接させて、現像剤の層規制を行う。規制部68に付与する押付け力は、1cmあたり30gf/cmと設定した。
【0095】
この実施例1の比較例として、図4(a)に示すように、従来技術のドクターブレード967を用いて、上記の実施例1のドクターブレード67と同様の接触状態に設定した。
従来のドクターブレード967の規制部968の構造は、ゴム部材内の切り欠き部がないこと以外は同一とする。
【0096】
実施例1及び比較例で用いる現像ローラ62は、直径φ16mmで、材質がアルミのスリーブで構成されている。そのスリーブの表面は、平均粗さRaが0.3〜0.5μmでガラスビーズでブラスト処理されている。そのスリーブの回転周速度は145mm/sとした。
【0097】
実施例1及び比較例で用いる現像剤は、ポリエステル樹脂を主成分とする非磁性一成分トナーであり、平均粒径は8μmとして粉砕法で作成したものである。
【0098】
上述した実施例1及び比較例のドクターブレード67,967を用いて、現像剤の層形成状態や画像形成性能を確認した。
【0099】
なお、実施例1及び比較例とも、初期のスリーブ上の単位面積当たりの現像剤付着量を約0.6mg/cm、帯電量は約−7μC/g程度とし、空転エージングテストを行った。
【0100】
初期状態では、双方とも均一なトナー層形成状態であったが、約2時間後には、比較例ではトナー層の筋状のムラが認められた。筋状のムラは、規制部968の当接部968aからのトナーのすり抜けによって、局所的に厚いトナー層になっている部分と、その両側にはやや薄めのトナー層厚みなっている部分とが交互に現れている状態となっている。
【0101】
規制部968を外して当接部968aを観察すると、トナーが局所的にすり抜けている部分が散見された。このときの画像形成状態を確認するため、市販のMFP機(シャープ製AR-C262S)を改造したマシンで画像出力を行ったところ、現像ローラ62上のトナー層筋部に対応した画像ムラが認められた。
【0102】
一方、本発明を適用した実施例1のドクターブレード67では、2時間を超えても均一なトナー層が形成されており、トナー層スジの発生や、それに伴う画像欠陥も認められなかった。
【0103】
規制部68を外して当接部68aを観察すると、トナーの通過状態も均一で、本発明の特徴的な構成である当接部手前部68bの切り欠き部68cによって、凝集トナーによるブレード押し上げ作用の吸収効果が認められた。
【0104】
従って、実施例1のドクターブレード67によれば、図4(b)に示すように、当接部手前部68bの切り欠き部68cが潰れることによって、凝集トナーによるブレード押し上げ作用を吸収することができるので、図4(c)に示すように、従来のドクターブレード167と比較して当接部68aにおけるブレード圧を高くできるので、トナー層スジの発生や、それに伴う画像欠陥を抑制することができる。
【0105】
なお、規制部68の切り欠き構造については、図3(a),(b)や図4(b)に示すような構造だけでなく、変形例1として、図5に示すように、切り欠き部68c1をU字状断面を有するものであったり、変形例2として、図6に示すように、くさび状断面を有するものであったり、変形例3として、図7に示すように、内部に中空部68c3を有する中空体で構成したであってもよく、それぞれ同様の効果が得られる。
【0106】
(実施例2)
次に、本実施形態の特徴的なドクターブレードの構成の実施例2について図面を参照して説明する。
図8は本実施形態のドクターブレードの実施例2の構成を示す説明図、図9は実施例2のドクターブレードの変形例1を示す説明図、図10は実施例2のドクターブレードの変形例2を示す説明図である。
【0107】
実施例2のドクターブレード167は、図8に示すように、現像ローラ62に向かい当接する規制部(弾性部材)168と、規制部168を支持する支持ブレード(支持部材)169とを備えている。
【0108】
実施例2における規制部168及び支持ブレード169の基本構成は、実施例1の規制部68及び支持ブレード69と同様な構成を有している。
【0109】
実施例2では、規制部168の当接部手前部168bに、実施例1の切り欠き部68cと同様な切り欠き部168c1を規制部168の厚さ方向に重なるように複数設けられている。
【0110】
実施例2のドクターブレード167によれば、複数の切り欠き部168c1が潰れることによって、凝集トナーによるブレード押し上げ作用をより吸収することができるので、実施例1のドクターブレード67と同様に、トナー層スジの発生や、それに伴う画像欠陥を抑制することができる。
【0111】
なお、実施例2の変形例1として、図9に示すように、くさび状断面を有する切り欠き部168c2を規制部168の厚さ方向に重なるように複数設けるものであったり、変形例2として、図10に示すように、異なる断面形状を有する切り欠き部168c31,168c32,168c33を規制部168の厚さ方向に重なるように複数組み合わせて設けるものであっても良い。
【0112】
このような構成にすることで、規制部168の当接部手前部168bの変形状態をより所望の状態とすることが可能となる。
【0113】
(実施例3)
次に、本実施形態の特徴的なドクターブレードの構成の実施例3について図面を参照して説明する。
図11(a)は本実施形態のドクターブレードの実施例3の構成を示す説明図、(b)は前記ドクターブレードの作用を示す説明図、図12は実施例3のドクターブレードの変形例を示す説明図である。
【0114】
実施例3のドクターブレード267は、図11(a)に示すように、現像ローラ62に向かい当接する規制部(弾性部材)268と、規制部268を支持する支持ブレード(支持部材)269とを備えている。
【0115】
実施例3における規制部268及び支持ブレード269の基本構成は、実施例1の規制部68及び支持ブレード69と同様な構成を有している。
【0116】
実施例3では、規制部268内部に現像ローラ62の回転方向に沿って切り欠き部268cが形成されている。そして、規制部268の現像ローラ62の回転方向上流側に切り欠き部268cの開口部268dが形成されている。
【0117】
切り欠き部268cは、規制部268において、規制部268の切り欠き部268cの内側の現像ローラ62側の面268c1と、規制部268の現像ローラ62と対向する面268eとの成す角をθ1として、規制部268と現像ローラ62との当接部268aの現像ローラ62の回転方向上流側の端部(当接ニップ端位置)268a1を通る現像ローラ62の接線268L1と規制部268の現像ローラ62と対向する面268eの成す角をθ2としたとき、(θ1>θ2)となるように構成されている。
【0118】
ここで、実施例3のドクターブレード167による作用効果について説明する。
図11(b)に示すように、現像ローラ62の回転により搬送されたトナーが規制部268により規制されると、規制されたトナーの一部が、開口部268dから切り欠き部268c内にトナーが進入する。
【0119】
開口部268dから切り欠き部268c内にトナーが進入すると、トナーが進入することにより生じる力が規制部268を押し上げる力として作用する。このトナーが進入することにより生じる押し上げ力の一部は、切り欠き部268cの下方側の面268c1に作用して、規制部268の一部を押し下げる方向(F方向)に作用する。
【0120】
これによって、凝集トナーにより規制部268全体を押し上げる力を緩和することが可能となる。つまり、当接部268a手前の上流側では切り欠き部268cの変形による圧力吸収作用が作用し、切り欠き部268cに進入したトナーによって、当接部268a付近を加圧する作用が与えられるため、より安定したトナー層形成が可能となる。
【0121】
なお、実施例3の変形例として、図12に示すように、規制部268内部に切り欠き部268c11を形成するとともに、規制部268の現像ローラ62の回転方向上流側に切り欠き部268c11の開口部268d1を形成し、さらに、切り欠き部268c11が規制部268の厚さ方向上方に貫通する開口部268d2を形成した構造としても良い。
【0122】
このように構成することで、切り欠き部268c11に凝集トナーが圧入されて、次第に圧力吸収作用が十分発揮できなくなることを防止する効果を奏し、より長期わたり安定したトナー層形成を行うことが可能となる。
【0123】
(実施例4)
次に、本実施形態の特徴的なドクターブレードの構成の実施例4について図面を参照して説明する。
図13は本実施形態のドクターブレードの実施例4の構成を示す説明図、図14は実施例4のドクターブレードの変形例1を示す説明図、図15は実施例4のドクターブレードの変形例2を示す説明図である。
【0124】
実施例4のドクターブレード367は、図13に示すように、現像ローラ62に向かい当接する規制部(弾性部材)368と、規制部368を支持する支持ブレード(支持部材)369とを備えている。
【0125】
実施例4における規制部368及び支持ブレード369の基本構成は、実施例1の規制部68及び支持ブレード69と同様な構成を有している。
【0126】
実施例4では、規制部368の構成として、図13に示すように、当接部手前部368bの部分を発泡体としたものであり、当接部368aよりも柔らかい性状を与えることができる。
【0127】
このように構成することで、実施例4のドクターブレード367によれば、図13に示すように、規制部368の当接部手前部368bが潰れることによって、凝集トナーによるブレード押し上げ作用を吸収することができるので、トナー層スジの発生や、それに伴う画像欠陥を抑制することができる。
【0128】
また、規制部368を、同種のゴム材料を用いて、当接部368aの部分をソリッド状とし、当接部手前部368bの部分を発泡体状に形成することで、接合部の親和性も高く、信頼性があり、かつ低コストに本願作用を呈するブレード材を提供することができる。
【0129】
なお、実施例4の変形例1として、図14に示すように、当接部手前部368bの現像ローラ62との当接面と反対側の一部領域に低硬度部材368b1に設けても良い。また、変形例2として、図15に示すように、当接部手前部368bの現像ローラ62との当接面側の一部領域に低硬度部材368b2に設けても良い。
【0130】
特に、図14に示すように、低硬度部材368b1を現像ローラ62との当接面と反対側に設ける場合は、汚染や表面性状の制約が緩和されるため、比較的安価な材料の使用が可能となり、低コスト化に対してより有効である。
【0131】
(実施例5)
次に、本実施形態の特徴的なドクターブレードの構成の実施例5について図面を参照して説明する。
図16は本実施形態のドクターブレードの実施例5の構成を示す説明図である。
【0132】
実施例5のドクターブレード467は、図16に示すように、主に弾性部材で構成された規制部468で構成されている。すなわち、規制部468を支持する支持部材を有していない。
【0133】
規制部468は、その一端部が固定部材469により保持されている。
固定部材469は、規制部468と現像ローラ62との当接部468aに対して現像ローラ62の回転方向下流側に配置され、規制部468を回転方向上流側に向かって突き出した状態で配置している。
【0134】
規制部468は、当接部468aよりも現像ローラ62の回転方向上流側近傍の領域、すなわち当接部手前部468bの一部(自由端側の一部)に切り欠き部468cが形成されている。
【0135】
切り欠き部468cの構成は、実施例1の規制部68に形成された切り欠き部68cと同じように構成されたものであっても良い。
【0136】
このように構成したので、実施例5のドクターブレード467によれば、実施例1のドクターブレード67と同様に、当接部手前部468bの切り欠き部468cが潰れることによって、凝集トナーによるブレード押し上げ作用を吸収することができるので、トナー層スジの発生や、それに伴う画像欠陥を抑制することができる。
【0137】
なお、実施例5のドクターブレード467のように、弾性部材による規制部468のみで構成されている場合は、長期に渡る使用で弾性部材の特性変化や永久歪みなどの影響で当接力が変化しないように材料選定を行う必要がある。
【0138】
(実施例6)
次に、本実施形態の特徴的なドクターブレードの構成の実施例6について図面を参照して説明する。
図17は本実施形態のドクターブレードの実施例6の構成を示す説明図、図18は実施例6のドクターブレードの突出方向を逆にした変形例を示す説明図である。
【0139】
実施例6のドクターブレード567は、図17に示すように、現像ローラ62に向かい当接する規制部(弾性部材)568と、規制部568を支持する支持ブレード(支持部材)569とを備えている。
【0140】
規制部568は、ゴム部材などからなる弾性部材から構成されている。また、規制部568の当接部手前部568bには、実施例1の切り欠き部68cと同様な切り欠き部568cが設けられている。
支持ブレード569は、リン青銅板やステンレス板などを用いて構成されている。
【0141】
実施例6のドクターブレード567の概略構成は、実施例1のドクターブレード67と略同様な構成を有するものである。
【0142】
実施例6のドクターブレード567によれば、切り欠き部568cが潰れることによって、凝集トナーによるブレード押し上げ作用をより吸収することができるので、実施例1のドクターブレード67と同様に、トナー層スジの発生や、それに伴う画像欠陥を抑制することができる。
【0143】
さらに、実施例6のドクターブレード567は、支持ブレード569が板金等から構成されているため、長期の加圧力維持が安定しており、ブレードの弾性体部分に対してトナー層規制に適した特性を優先的に配慮した材料や形状選定を行うことができるため、より安定した性能、また低コスト化にも有用である。
【0144】
なお、支持ブレード569の現像ローラ62に対する突出方向は、規制部568の当接部568aが現像ローラ62と面で接触する、いわゆる「腹当て」になるように設定すれば、図17に示すように、現像ローラ62の回転方向に対して順方向であっても良いし、図18に示すように、逆方向(カウンター方向)であっても構わない。
【0145】
(実施例7)
次に、本実施形態の特徴的なドクターブレードの構成の実施例7について図面を参照して説明する。
図19は本実施形態のドクターブレードの実施例7の構成を示す説明図、図20は実施例7のドクターブレードの突出方向を逆にした変形例を示す説明図、図21は実施例7のドクターブレードの比較例を示す説明図である。
【0146】
実施例7のドクターブレード667は、図19に示すように、現像ローラ62に向かい当接する規制部(弾性部材)668と、規制部668を支持する支持ブレード(支持部材)669とを備えている。
【0147】
実施例7における規制部668及び支持ブレード669の基本構成は、実施例1の規制部68及び支持ブレード69と同様な構成を有している。
【0148】
支持ブレード669は、その自由端部(現像装置との固定端と逆側)669aが当接部668aを越えて固定端と反対側へ延設された位置で規制部668を保持するように構成されている。すなわち、支持ブレード669は、当接部668aの上部を覆うように配置されている。
【0149】
実施例7のドクターブレード667によれば、支持ブレード669により規制部668の当接部668aを現像ローラ62に対して確実に押し付けることができるので、支持ブレード669による所望のブレード当接力を得るための現像ユニット本体への取り付け精度の自由度が大きくなり、より安定したトナー層形成条件を与えることができる。
【0150】
なお、支持ブレード669の現像ローラ62に対する突出方向は、図19に示すように、現像ローラ62の回転方向に対して順方向であっても良いし、図20に示すように、逆方向(カウンター方向)であっても構わない。
【0151】
また、支持ブレード669の現像ローラ62に対する突出方向の選定については、より当接部手前部668bの圧力吸収を優先するならば、図20に示すように、当接部手前部668bの切り欠き部668cの上部を支持ブレード669で押さえ付けない構成が好ましい。一方、支持ブレード669のビビリや振動や騒音の抑制を優先する場合は、図19に示すように、支持ブレード669の突出方向は、現像ローラ62の回転方向に対して順方向であることが好ましい。従って、使用条件に応じて適宜選定すれば良い。
【0152】
なお、図21に示すように、支持ブレード669の先端の自由端部669aが規制部668の当接部668a上やその付近に位置すると、現像装置6への支持ブレード669の固定位置のわずかなズレで規制部668の現像ローラ62に対する当接力が大きく変化するため、取り付け精度を高める必要があり、トナー層形成の安定性を確保することが難しくなる。
【0153】
以上のように構成したので、上述した実施形態および実施例によれば、現像装置6の構成として、現像ローラ62の表面に担持される現像剤の層厚を規制するドクターブレード67を備え、ドクターブレード67の構成として、現像ローラ62に当接する弾性部材で構成された規制部68と、規制部68を支持する支持ブレード69とを備え、規制部68を現像ローラ62と面接触で当接するようにして、規制部68の構成として、現像ローラ62との当接部68aの硬度よりも当接部手前部68bの硬度が低くなるように構成することで、劣化トナーの凝集により規制部68を押し上げる作用が生じても、当接部手前部68bの変形によって凝集トナーによる押し上げ力を吸収しつつ、かつ、当接部68aの圧力分布を一定化させて所望の状態に維持できるため、安定したトナー層形成を行うことができる。
【0154】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0155】
1 画像形成装置
6 現像装置
62 現像ローラ
67,167,267,367,
467,567,667 ドクターブレード(現像剤規制部材)
68,168,268,368,468,568,668 規制部(弾性部材)
68a,268a,368a,468a,568a,668a 当接部
68b,168b,368b,468b,568b,668b 当接部手前部
68c,68c1,168c1,168c2,
168c32,168c33,268c,
268c11,468c,568c,668c 切り欠き部(切除部分)
68c3 中空部
68d,268d,268d1,268d2 開口部
69,169,269,369,569,669 支持ブレード(支持部材)
268L1 接線
268c1 切り欠き部の下方側の面
268e 現像ローラと対向する面
368b1,368b2 低硬度部材
469 固定部材
669a 自由端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式の画像形成装置に設けられ、画像形成装置に備わる感光体に現像剤を供給して前記感光体上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラと、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを備えた現像装置において、
前記現像剤規制部材は、前記現像ローラに当接する弾性部材と、前記弾性部材を支持する支持部材とを備え、
前記弾性部材は、前記現像ローラと面接触で当接され、
前記弾性部材の構成として、前記現像ローラとの当接部の硬度よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の硬度が低くなるように構成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記当接部よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の一部が切除されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記弾性部材の切除部分は、前記弾性部材の厚さ方向に重なるように複数個所に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記弾性部材の切除部分は、前記弾性部材の前記現像ローラの回転方向上流側に開口部が形成されて、前記現像ローラの回転方向に沿って形成され、
前記弾性部材の前記切除部分の内側の前記現像ローラ側の面と、前記弾性部材の前記現像ローラと対向する面との成す角をθ1として、
前記弾性体と前記現像ローラとの当接部の前記現像ローラの回転方向上流側の端部を通る前記現像ローラの接線と前記弾性部材の前記現像ローラと対向する面の成す角をθ2としたとき、
θ1>θ2
の条件を満たすことを特徴とする請求項2または3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記弾性部材の切除部分は、前記弾性部材の厚さ方向に貫通するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記弾性部材は、前記弾性部材の前記現像ローラとの当接部よりも前記現像ローラの回転方向上流側近傍の領域の一部が発泡体状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記支持部材は、板バネ部材を用いて構成されることを特徴とする請求項1から6のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記支持部材は、一端を前記現像装置本体側に固定される固定端とし、他方端を自由端として、前記自由端側には前記弾性部材が保持され、
前記自由端の先端は、前記弾性部材と前記現像ローラとの当接部を越えて前記固定端と反対側へ延設された位置で前記弾性部材を保持するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の現像装置。
【請求項9】
前記現像ローラは、金属部材を用いて構成されていることを特徴とする請求項1から8のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項10】
静電潜像が形成される感光体を備えるとともに、前記感光体に現像剤を供給して前記感光体上に形成される静電潜像を現像するための現像ローラと、前記現像ローラの表面に担持される現像剤の層厚を規制する現像剤規制部材とを具備する現像装置を備えて、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において、
前記現像装置として、請求項1から9のうちの何れか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−83771(P2013−83771A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223091(P2011−223091)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】