説明

現像装置及びこれを用いる画像形成装置

【課題】トナー層規制部材の当接部の変形を抑制して、安定した当接圧を実現でき、トナーにかかるストレスを軽減できる現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体51にトナーを供給する現像ローラ3と、現像ローラ3の表面に担持されるトナーの層厚を規制するトナー層規制部材9を備える現像装置1において、トナー層規制部材9として、現像ローラ3に当接する可撓性シート7と、可撓性シート7を保持するシート保持部材8とを備え、可撓性シート7を現像ローラ3の軸線方向に沿って長く形成するとともに、現像ローラ3の周方向に沿って複数個並設し、現像ローラ3の軸線方向に沿って現像ローラ3に対向する一端側を自由端とし、他端側を固定端としてシート保持部材8により保持し、シート保持部材8に可撓性シート7を変位可能に保持する凹部を備えることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを用いる画像形成装置に係り、電子写真方式を採用する画像形成装置に搭載される現像装置、特に、静電潜像担持体に形成された静電潜像をトナーによって現像する一成分系の現像剤を用いる現像装置及びこれを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用する画像形成装置においては、現像装置の構成として、金属スリーブを有する現像剤担持体である現像ローラを用いた非磁性トナーによる非接触現像方式による現像装置に対して、現像剤担持体上に一成分トナーを薄層形成するために現像剤の量を規制する現像剤量規制部材を備え、該現像剤量規制部材として、薄板弾性部材を片持ち支持し、その対向部の腹面を現像ローラに当接させるブレード形状の現像剤量規制部材を採用する現像装置が知られている。
【0003】
前記現像剤量規制部材を小型化すると、薄板を片持ち支持した支点から現像ローラとの当接点までの距離、すなわち自由長さが短くなる。これにより、当接圧のバネ定数が高くなり、現像剤量規制部材の設定位置がわずかに変化しただけでも当接圧が大きく変化してしまう。そのため、安定した当接圧に設定するためには、高精度な組み立てが必要である。
【0004】
また、従来技術における現像剤量規制部材を用いた場合、所望の当接圧最大値に安定して設定することが難しく、現像剤量規制部材の長手方向に渡り当接圧最大値のばらつきが生じ易い。そのため、耐久(現像装置の長期使用)後にトナー劣化具合のばらつきが長手方向に渡って発生し、結果として、耐久後のベタ画像に濃度ムラが長手方向に渡って発生するという課題があった。
【0005】
さらに、前記現像剤量規制部材の場合、現像装置の組み立てにおける現像ローラ組み込み前のブレードの設定位置と現像ローラ組み込み後の現像ローラ表面位置との仮想距離である、いわゆる「現像ローラ押し込み量」が増加すると、当接圧最大値は現像ローラ押し込み量に比例して増加する。
【0006】
そのため、組み立てによる現像ローラ押し込み量のばらつきにより、当接圧最大値もばらつくことが予測される。結果、ばらつきの少ない所望の当接圧最大値に安定して設定するためには高い組み立て精度を必要とする。
【0007】
また、生産のばらつきや現像ローラの円周振れ等により、現像ローラの長手方向に渡って現像剤量規制部材と現像ローラとの設定位置のばらつきが生じた場合、即ち、長手方向に渡って現像剤量規制部材に対する現像ローラ押し込み量にばらつきが生じた場合、現像剤量規制部材と現像ローラとの当接圧最大値のばらつきが長手方向に渡って発生する。これにより、特に耐久後にトナー劣化具合のばらつきが長手方向に渡って発生する。その結果として、耐久後のベタ画像に濃度ムラが長手方向に渡って発生する。
【0008】
一方、近年、電子写真装置の消費電力を低減する手段の一つとして、定着過程における消費電力の低減が望まれている。定着過程での低消費電力化を達成するためには、トナーを溶融するのに必要な熱量の低減、すなわちトナーの融点を低くすることが有効である。
【0009】
しかしながら、低融点のトナーは低温定着が容易になる反面、トナーストレスに対する強度が低下する。そのため、従来の一成分現像系では現像剤量規制部材から受ける圧力により、トナーが破砕・溶融し易くなる。このような低融点のトナーを用いた場合、前述したような当接圧最大値のばらつきに対するトナー劣化具合のばらつきがさらに顕著となってしまう。
【0010】
このような問題に対処するために、例えば、現像剤担持体に当接して押圧する押圧部を有する可撓性のシート状の現像剤量規制部材と、該現像剤量規制部材が前記現像剤担持体に当接していない状態において、前記現像剤量規制部材が前記現像剤担持体に向けて凸となる曲率形状を有するように前記現像剤量規制部材を保持する保持部材と、を備えることを特徴とする現像装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第4423345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1の現像装置では、押し込み量に対して可撓性シート状の現像剤量規制部材が変形し、さらに現像剤担持体が回動することによって、現像剤量規制部材の現像剤担持体との当接部が不安定になり、当接圧が安定せず、均一な現像剤量を規制できない。また、押し込み量が大きい高い当接圧において当接幅が広くなり、トナーに与えるストレスが大きい。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、現像剤量規制部材の当接部の変形を抑制して、安定した当接圧を実現でき、トナーにかかるストレスを軽減できる現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するための本発明に係る現像装置及びこれを用いる画像形成装置は、次の通りである。
【0015】
本発明は、画像形成装置に備わる静電潜像担持体にトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラに圧接して前記現像ローラの表面に担持されるトナーの層厚を規制するトナー層規制部材を備え、前記静電潜像担持体上の静電潜像をトナーにより可視化する現像装置において、前記トナー層規制部材として、前記現像ローラに当接する可撓性を有するシート状の弾性部材と、前記弾性部材を保持する保持部材とを備え、前記弾性部材を、前記現像ローラの軸線方向に沿って長く形成するとともに、前記現像ローラの周方向に沿って複数個並設し、前記現像ローラの軸線方向に沿って前記現像ローラに対向する一端側を自由端とし、他端側を固定端として前記保持部材により保持し、前記保持部材に、前記弾性部材の自由端側が変位可能な状態で他端側を保持する凹部を備えることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明は、前記弾性部材を、湾曲させた状態で前記保持部材の凹部に保持することが好ましい。
【0017】
また、本発明は、前記保持部材の構成として、前記複数の弾性部材に対応して複数の凹部を備え、前記複数の弾性部材の構成として、シート状部材の厚さを、前記現像ローラの回転方向下流側の弾性部材よりも前記現像ローラの回転方向上流側の弾性部材の方が厚くなるように構成し、前記複数の凹部の構成として、前記現像ローラの周方向に沿った幅を、前記現像ローラの回転方向下流側の凹部よりも前記現像ローラの回転方向上流側の凹部の方が狭くなるように構成することが好ましい。
【0018】
また、本発明は、前記凹部の構成として、前記弾性部材の固定端を保持する部分が曲面または斜面を有し、前記弾性部材の自由端側を、その端部の両側または片側が変位可能とすることが好ましい。
【0019】
また、本発明は、静電潜像が形成される静電潜像担持体を備えるとともに、前記静電潜像担持体にトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラに圧接して前記現像ローラの表面に担持されるトナーの層厚を規制するトナー層規制部材を備え、前記静電潜像担持体上の静電潜像をトナーにより可視化する現像装置を備えて、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1から4のうちの何れか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の現像装置によれば、画像形成装置に備わる静電潜像担持体にトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラに圧接して前記現像ローラの表面に担持されるトナーの層厚を規制するトナー層規制部材を備え、前記静電潜像担持体上の静電潜像をトナーにより可視化する現像装置において、前記トナー層規制部材として、前記現像ローラに当接する可撓性を有するシート状の弾性部材と、前記弾性部材を保持する保持部材とを備え、前記弾性部材を、前記現像ローラの軸線方向に沿って長く形成するとともに、前記現像ローラの周方向に沿って複数個並設し、前記現像ローラの軸線方向に沿って前記現像ローラに対向する一端側を自由端とし、他端側を固定端として前記保持部材により保持し、前記保持部材に、前記弾性部材の自由端側が変位可能な状態で他端側を保持する凹部を備えることで、前記弾性部材の前記現像ローラとの当接部の変形を抑制し、かつ安定した当接圧を提供することができる。さらに、前記弾性部材を複数個備え、前記弾性部材のシートの厚さ(幅)や硬度を変化させたりすることで、前記弾性部材の当接圧を高くかつ当接幅を小さくしたトナー層規制や、当接圧を低くかつ当接幅を広くした帯電を行うことができるので、トナーにかかるストレスを軽減させることができる。
【0021】
また、本発明によれば、前記弾性部材を、湾曲させた状態で前記保持部材の凹部に保持することで、シート状の部材の厚さに応じて、前記弾性部材の硬度や当接圧、当接幅を変えることができる。
【0022】
また、本発明によれば、前記保持部材の構成として、前記複数の弾性部材に対応して複数の凹部を備え、前記複数の弾性部材の構成として、シート状部材の厚さを、前記現像ローラの回転方向下流側の弾性部材よりも前記現像ローラの回転方向上流側の弾性部材の方が厚くなるように構成し、前記複数の凹部の構成として、前記現像ローラの周方向に沿った幅を、前記現像ローラの回転方向下流側の凹部よりも前記現像ローラの回転方向上流側の凹部の方が狭くなるように構成することで、前記現像ローラの回転方向上流側の弾性部材の当接幅を狭くして、当接圧を高くすることが可能となるので、トナーに与えるストレスの小さいトナー層規制が可能となり、さらに、前記現像ローラの回転方向下流側の弾性部材の当接幅を広くして、当接圧を低くすることが可能となるので、トナーに与えるストレスの小さい帯電が可能となる。
【0023】
また、本発明によれば、前記凹部の構成として、前記弾性部材の固定端を保持する部分が曲面または斜面を有し、前記弾性部材の自由端側を、その端部の両側または片側が変位可能とすることで、前記弾性部材の押し込み量が増えた時に受ける力に対する斜面に水平な方向の力の割合が変化しないため、斜面の傾斜角度を変化させるだけで容易に安定当接圧を制御でき、小さな当接圧でも前記弾性部材が変位するため、当接圧を安定させることが可能となる。
【0024】
また、本発明の画像形成装置によれば、静電潜像が形成される静電潜像担持体を備えるとともに、前記静電潜像担持体にトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラに圧接して前記現像ローラの表面に担持されるトナーの層厚を規制するトナー層規制部材を備え、前記静電潜像担持体上の静電潜像をトナーにより可視化する現像装置を備えて、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1から4のうちの何れか一項に記載の現像装置を備えたことで、前記トナー層規制部材の安定した当接圧を提供することができ、トナーにかかるストレスを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の要部の構成の一例を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】本実施形態のトナー層規制部材の構成を示す説明図である。
【図4】(a)は図3のA部の詳細であって前記トナー層規制部材を構成するシート保持部材の凹部付近における可撓性シートの保持状態を示す詳細説明図、(b)は前記シート保持部材の凹部の傾斜面(曲面)に掛かる力(力の分解)の説明図、(c)は前記シート保持部材の凹部の側面に掛かる力(力の分解)の説明図である。
【図5】本実施形態の可撓性シートと従来のブレードによる押し込み量と当接量の関係を比較したグラフである。
【図6】本実施形態のトナー層規制部材の変形例1を示す説明図である。
【図7】本実施形態のトナー層規制部材の変形例2を示す説明図である。
【図8】本実施形態のトナー層規制部材の変形例3を示す説明図である。
【図9】本実施形態のトナー層規制部材の変形例4を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の現像装置とこれを備える画像形成装置を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置の要部の構成の一例を示す説明図である。
なお、以下に、本発明の現像装置に関しては説明するが、その他の構成については、画像形成装置の一般的な技術が適用できることはいうまでもない。また、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の参照符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
本実施形態に係る画像形成装置100は、図1に示すように、静電潜像が形成される感光体(静電潜像担持体)51を備えるとともに、感光体51にトナーを供給する現像ローラ3と、現像ローラ3に圧接して現像ローラ3の表面に担持されるトナーの層厚を規制するトナー層規制部材9(図2を参照)を備え、現像ローラ3にバイアス電圧を印加し、感光体51上の静電潜像をトナーにより可視化する現像装置1を備えて、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置100において、現像装置1として、本発明に係る特徴的な現像装置の構成を採用したものである。
【0028】
まず、本発明の実施の形態に係る現像装置1を備えた画像形成装置100の全体構成について説明する。
【0029】
画像形成装置100は、図1に示すように、静電潜像担持体に相当する感光体51を、イエロー画像用、マゼンタ画像用、シアン画像用、および黒色画像用の4つ分備え、これらによりカラー画像を形成可能なタンデム方式のカラー画像形成装置である。
【0030】
画像形成装置100は、ネットワークを介して接続されたPC(Personal Computer)等の各種端末装置から送信される画像データや、スキャナ等の原稿読み取り装置によって読み取られた画像データに基づいて、被転写材(記録媒体)となる用紙Pに対して、カラー画像またはモノクロ画像を形成するプリンタ機能を有するものである。
【0031】
画像形成装置100は、図1に示すように、用紙Pにトナー画像を形成する機能を有する画像形成ステーション部50(50Y、50M、50C、50B)と、当該画像形成ステーション部50で用紙Pに形成されたトナー像を定着させる機能を有する定着装置40と、用紙Pを載置する供給トレイ60から画像形成ステーション部50および定着装置40へと用紙Pを搬送する機能を有する搬送部30とを備えている。
【0032】
画像形成ステーション部50は、イエロー画像用、マゼンタ画像用、シアン画像用、および黒色画像用のそれぞれ4つの画像形成ステーション50Y、50M、50C、50Bから構成されている。具体的には、供給トレイ60と定着装置40との間において、供給トレイ60側から、イエロー画像形成ステーション50Y、マゼンタ画像形成ステーション50M、シアン画像形成ステーション50C、および黒色画像形成ステーション50Bがこの順に配置されている。
【0033】
これら各色の画像形成ステーション50Y、50M、50C、50Bは、それぞれ、トナーの種類以外は、実質的に同一の構成を有しており、各色に対応する画像データに基づいて、イエロー、マゼンタ、シアン、および黒色のトナー画像を形成して、最終的に記録媒体となる用紙P上に転写するものである。
【0034】
本実施形態の画像形成ステーション部50では、イエロー、マゼンタ、シアン、および黒色の4色の画像を形成する構成であるが、特にこれら4色に限定せず、例えばシアンおよびマゼンタと同一の色相で濃度がより低いライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(Lm)を加えた6色のトナー画像を形成する構成であっても良い。
【0035】
なお、図1における各画像形成ステーションの構成部品の符号については、イエロー画像用の画像形成ステーション50Yを代表として記載し、他の各画像形成ステーション50M、50C、50Bの構成部品の参照符号は、省略している。
【0036】
各画像形成ステーション50Y、50M、50C、50Bは、それぞれ静電潜像が形成される静電潜像担持体となる感光体51を備え、これらの感光体51の周囲には、周方向に帯電装置52、露光装置53、現像装置1、転写ローラ55、およびクリーニング装置56がそれぞれ配置されている。
【0037】
感光体51は、OPC(Organic Photoconductor;有機光導電体)等の感光性材料を表面に有する略円筒のドラム形状を呈し、露光装置53の下方に配設され、図示しない駆動手段と制御手段によって、所定方向(図中矢印F方向)に回転駆動されるように制御されている。
【0038】
帯電装置52は、感光体51の表面を所定の電位に均一に帯電するための帯電手段であって、感光体51の上方でその外周面に近接して配置されている。本実施形態では、接触型のローラ方式の帯電ローラが使用されているが、チャージャー型やブラシ方式、イオン放出帯電方式等の帯電装置を用いてもよい。
【0039】
露光装置53は、画像処理部(図示せず)から出力された画像データに基づいて、帯電装置52にて帯電された感光体51の表面に、レーザ光を照射して露光することにより、感光体51の表面に画像データに応じた静電潜像を書き込む機能を有する。
【0040】
露光装置53は、各画像形成ステーション50Y、50M、50C、50Bに応じて、イエロー、マゼンタ、シアン、または黒色にそれぞれ対応する画像データが入力されることにより、対応する色に応じた静電潜像をそれぞれ形成する。露光装置53としては、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)や、ELやLED等の発光素子をアレイ状に並べた書込み装置(例えば、書込みヘッド)を使用することができる。
【0041】
現像装置1は、現像剤を担持する現像剤担持体に相当する現像ローラ3を有している。
現像ローラ3は、現像ローラ3と感光体51とが近接し、トナーが感光体51へと移動する現像領域へと現像剤を搬送するように構成される。
【0042】
この現像装置1は、本実施形態では、現像剤としてトナーを使用する、いわゆる一成分系の現像装置であり、露光装置53によって感光体51表面に形成された静電潜像を現像してトナー像(可視像)を形成する。
【0043】
現像装置1には、各画像形成ステーション50Y、50M、50C、50Bの画像形成に応じて、イエロー、マゼンタ、シアン、または黒色の現像剤が収容されている。これらの現像剤は、帯電された感光体51の表面電位と同極性に帯電されたトナーを含んでいる。
【0044】
転写ローラ55は、感光体51上に形成されたトナー像を搬送ベルト33にて搬送される用紙P表面に転写するものであり、トナーの帯電極性とは、逆極性(本実施形態では、正(プラス)極性)のバイアス電圧が印加される転写ローラを有している。
【0045】
クリーニング装置56は、用紙Pへのトナー画像転写後に、感光体51の外周面上に残存しているトナーを除去および回収する。本実施形態では、感光体51を挟んで現像装置1と略対向する位置で、かつ感光体51の側方に配置されている。
【0046】
搬送部30は、駆動ローラ31、従動ローラ32、および搬送ベルト33を備え、各画像形成ステーション50Y、50M、50C、50Bにおいて、各色のトナー像が転写される用紙Pを搬送する。搬送部30は、無端状の搬送ベルト33が駆動ローラ31と従動ローラ32との間に張架された構成となっており、供給トレイ60から給紙された用紙Pを各画像形成ステーション50Y、50M、50C、50Bへと順に搬送する。
【0047】
定着装置40は、加熱ローラ41および加圧ローラ42を備え、これらが当接する定着ニップ部に用紙Pを搬送することで、用紙P上に転写されたトナー像を熱圧着して用紙Pに定着させる。
【0048】
このように構成された画像形成装置100では、搬送部30によって搬送される用紙Pは、各画像形成ステーション50Y、50M、50C、50Bの感光体51との対向位置を通過する際に、それら対向位置において、搬送ベルト33を介して下方に配置された転写ローラ55による転写電界の作用にて、各感光体51上のトナー像が順次用紙P上に転写される。これによって、各色のトナー像が用紙P上に重なり合うように転写され、用紙P上に所望のフルカラートナー像が形成される。こうしてトナー像が転写された用紙Pは、定着装置40によってトナー像の定着処理が行われた後に、排紙トレイに送出される。
【0049】
次に、本実施形態に係る特徴的な現像装置1の構成について図面を参照して説明する。
図2は本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す説明図である。
【0050】
本実施形態の現像装置1は、図2に示すように、主に、トナー2を担持する現像ローラ3と、トナー2を収容する現像槽4と、現像槽4の中でトナー2を撹拌搬送する撹拌搬送部材5と、供給ローラ6と、可撓性シート(弾性部材)7及び可撓性シート7を保持するシート保持部材(保持部材)8を備えたトナー層規制部材9と、を含んで構成されている。
【0051】
撹拌搬送部材5は、現像槽4内に回転自在に設けられ、各々、矢印で示す反時計方向に回転している。現像槽4内において、撹拌搬送部材5は、不図示の回転軸部と、回転軸部から半径方向外方に突出する不図示の複数の羽根片を含んで構成され、その羽根片は、例えば、PET(Polyethylene Terephthalate)等の樹脂を用いて薄板状に形成される。
【0052】
供給ローラ6は、発泡ウレタン等の多孔性弾性部材であり、表面の空孔にトナー2を吸着しつつ現像ローラ3を摺擦することで、トナー2を現像ローラ3に供給し、かつ、現像後に現像ローラ3に残存した余分のトナー2をクリーニングする。
【0053】
供給ローラ6と現像ローラ3の接触部pの食い込み量は、0.5mm、この接触部pの長手方向、すなわち供給ローラ6の軸線方向の幅は、330mmで設定されている。
なお、本実施形態では、供給ローラ6は、アスカーC硬度で5度のウレタンスポンジを用いて構成され、その直径は16mmとした。
【0054】
現像槽4は、例えば、硬質の合成樹脂等からなり、外観が略直方体形状を有する容器部材である。なお、本発明では、トナー2として、ポリエステル樹脂を主成分とし、粉砕法で作製され、体積平均粒子径が9μmのトナーを用いた。
【0055】
現像ローラ3は、現像槽4内に回転自在に設けられ、現像槽4に収容されるトナー2を担持して、感光体51に搬送する。現像ローラ3は、感光体51を臨み、軸線が感光体51の回転軸線と平行になるように配置され、現像槽4本体の不図示のフレーム部に支持される。現像ローラ3の回転方向は、感光体51の回転方向と逆方向である。
【0056】
本実施形態では、現像ローラ3は、アルミニウムからなり、直径16mm、肉厚が1mmで、表面の算術平均粗さRaが、0.3〜0.8μmとなるようにサンドブラスト処理されたものである。また、現像ローラ3は、周速度145mm/secで、軸線周りに回転駆動される。
【0057】
なお、感光体51の周速度は、145mm/sec、供給ローラ6の周速度は、116mm/secとし、撹拌搬送部材5の回転数は、157rpmとした。また、感光体51の直径は30mmであり、現像ローラ3と対向して配設されている感光体51との間隔は、不図示の間隔保持部材により、200±20μmに設定されている。
【0058】
現像ローラ3の上方には、一定量のトナー2の層を形成するための可撓性シート7とシート保持部材8を備えたトナー層規制部材9が設けられている。
【0059】
可撓性シート7は、薄く、ウレタンゴムであり、湾曲させてその一端部をシート保持部材8の凹部で保持することにより、U字形状を形成している。そして、U字形状に湾曲した先端部により現像ローラ3上のトナー2の層を規制するように構成されている。
【0060】
これにより、現像ローラ3上に一定の帯電を有したトナー2の層が担持される。この帯電した電荷を有するトナー2の層が、現像ローラ3と感光体51との電位差に応じて、現像ローラ3から感光体51に供給されて静電潜像を現像し、トナー像を形成する。
【0061】
可撓性シート7の硬度は、JIS−A硬度で65°〜85°に設定されるのが好ましく、本実施形態では、70〜80°に設定されており、厚さ0.3〜1.0mmに設定される。
【0062】
シート保持部材8は、例えば、硬質の合成樹脂等からなり、凹部の幅は1.5〜3.0mmに設定される。
【0063】
ここで、本実施形態の特徴的なトナー層規制部材9の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図3は本実施形態のトナー層規制部材の構成を示す説明図、図4(a)は図3のA部の詳細であって前記トナー層規制部材を構成するシート保持部材の凹部付近における可撓性シートの保持状態を示す詳細説明図、(b)は前記シート保持部材の凹部の傾斜面(曲面)に掛かる力(力の分解)の説明図、(c)は前記シート保持部材の凹部の側面に掛かる力(力の分解)の説明図である。
【0064】
トナー層規制部材9は、図3に示すように、可撓性シート7として第1の可撓性シート7aと第2の可撓性シート7bと、第1の可撓性シート7aに対応した第1の凹部8aと第2の可撓性シート7bに対応した第2の凹部8bを備えたシート保持部材8とを有してなる。
【0065】
シート保持部材8は、第1の凹部8aと第2の凹部8bにそれぞれ曲面8a1,8b1を備えることで、第1の可撓性シート7aと第2の可撓性シート7bを変位可能に保持する。
【0066】
また、例えば、図3に示すように、現像ローラ3の周方向の上流側の第1の凹部8aの幅W1を狭くし、U字形状に保持される第1の可撓性シート7aの厚さを厚くすることで当接幅が狭く、当接圧を高くすることが可能となり、トナーに与えるストレスの小さいトナー層規制が可能となる。
【0067】
さらに、現像ローラ3の周方向の下流側の第2の凹部8bの幅W2を広くし、これに保持される第2の可撓性シート7bの厚さを薄くすることで当接幅が広く、当接圧を低くすることが可能となり、トナーに与えるストレスの小さい帯電が可能となる。
【0068】
ここで、可撓性シート7に掛かる力を、第2の可撓性シート7bを例に挙げて、図面を参照して説明する。
【0069】
図3に示すように、U字形状に保持された第2の可撓性シート7bが現像ローラ3に押し込まれた時、第2の可撓性シート7bの固定側の端部7b1は、図4(a)に示すように、力F−1を受ける。
【0070】
力F−1は、図4(a),(b)に示すように、シート保持部材8の第2の凹部8bの曲面8b1に対して略垂直方向の力F−1aと水平な方向の力F−1bに分解できる。
【0071】
第2の可撓性シート7bの押し込み量が増え、力F−1bが所定の力を超えると、つまり当接圧が所定の値を超えると、第2の可撓性シート7bの端部7b1が矢印B方向(図4(a)中斜め上方)へ変位する。そのため、押し込み量が増えても、第2の可撓性シート7bに対する実際の押し込み量は変化せず、所定の当接圧で保持される。
【0072】
また、第2の可撓性シート7bの端部7b1が曲面8b1上にあり、現像ローラ3の円周振れ等により押し込み量が少なくなった場合、図4(a),(c)に示すように、第2の可撓性シート7bの復元力F−2の曲面8b1に対して略水平な方向の力F−2bにより、第2の可撓性シート7bの端部7b1が変位する。そのため、第2の可撓性シート7bに対する実際の押し込み量は変化せず、所定の当接圧で保持される。
【0073】
ここで、本実施形態の可撓性シート7と従来のブレード(トナー層規制部材)による押し込み量と当接量の関係を比較する。
図5は本実施形態の可撓性シートと従来のブレードによる押し込み量と当接量の関係を比較したグラフである。
【0074】
図5に示すように、従来のブレードの場合は、押し込み量に応じて当接圧が変化し、ばね定数が大きい場合は(図中の鎖線)、押し込み量に応じた当接圧の変化量は大きく、ばね定数が小さい場合は(図中の細かい鎖線)、押し込み量に応じた当接圧の変化量は小さくなる。一方、本実施形態の可撓性シート7によれば、押し込み量に関わらずほぼ一定の当接圧を得ることができる(図中の細線)。特に、本実施形態の構成による効果は、グラフの中央部付近において顕著に現れている。
【0075】
なお、可撓性シート7と現像ローラ3との安定した当接圧および当接幅は、シート保持部材8の凹部の形状と可撓性シート7のシート地の厚さによって制御が可能である。
【0076】
また、シート保持部材8の凹部の形状を、力F−1に対する曲面8b1に対して略水平な方向の力F−1bの成分が大きくなるような形状にすると、第2の可撓性シート7bの端部7b1が変位するための力F−1、つまり第2の可撓性シート7bの端部7b1が変位する当接圧を下げることができる。
【0077】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、現像装置1を構成するトナー層規制部材9の構成として、現像ローラ3に当接する可撓性シート7と、可撓性シート7を保持するシート保持部材8とを備え、可撓性シート7としてU字形状に湾曲させた第1の可撓性シート7aと第2の可撓性シート7bを現像ローラ3の軸線方向に沿って長く形成するとともに、現像ローラ3の周方向に沿って並設して、現像ローラ3の軸線方向に沿って現像ローラ3に対向する一端側を自由端とし、他端側を固定端としてシート保持部材8により保持するように構成し、シート保持部材8には、第1の可撓性シート7aと第2の可撓性シート7bを変位可能な状態で保持する第1の凹部8aと第2の凹部8bを備えることで、可撓性シート7の押し込み量が増えても、実際の押し込み量は変化せず、所定の当接圧で保持されるため、可撓性シート7の現像ローラ3との当接部の変形を抑制し、かつ安定した当接圧を提供することができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、複数の可撓性シート7(第1の可撓性シート7aと第2の可撓性シート7b)を備えることで、可撓性シート7のシートの厚さ(幅)や硬度を変化させたりすることで、可撓性シート7の当接圧を高く、かつ、当接幅を小さくしたトナー層規制や、当接圧を低くかつ当接幅を広くした帯電を行うことができるので、トナーにかかるストレスを軽減させることができる。
【0079】
(変形例1)
次に、本実施形態のトナー層規制部材9の変形例1について図面を参照して説明する。
図6は本実施形態のトナー層規制部材の変形例1を示す説明図である。
【0080】
変形例1のトナー層規制部材109は、図6に示すように、可撓性シート107として第1の可撓性シート107aと第2の可撓性シート107bと、第1の可撓性シート107aに対応した第1の凹部108aと第2の可撓性シート107bに対応した第2の凹部108bを備えたシート保持部材108とを有してなる。
【0081】
シート保持部材108は、第1の凹部108aと第2の凹部108bにそれぞれ山形状の傾斜面108a1,108a2と傾斜面108b1,108b2とを備えている。
【0082】
このように構成したので、変形例1によれば、前述した実施形態のトナー層規制部材9のシート保持部材8と同様に、第1の可撓性シート107a及び第2の可撓性シート107bの押し込み量が変化しても、第1の凹部108aと第2の凹部108bの傾斜面108a1,108a2と傾斜面108b1,108b2に沿ってシート両端部を変位可能に保持することができるので、実際の押し込み量は変化せず、所定の当接圧で保持することができる。
【0083】
すなわち、シート保持部材108の第1の凹部108aと第2の凹部108bの形状を傾斜面にすることで、第1の可撓性シート107a及び第2の可撓性シート107bの押し込み量が増えた時に受ける力に対する傾斜面に略水平な方向の力の割合が変化しないため、傾斜面の傾斜角度を変化させるだけで容易に安定当接圧を制御できる。
【0084】
(変形例2)
次に、本実施形態のトナー層規制部材9の変形例2について図面を参照して説明する。
図7は本実施形態のトナー層規制部材の変形例2を示す説明図である。
【0085】
変形例2のトナー層規制部材209は、図7に示すように、可撓性シート207として第1の可撓性シート207aと第2の可撓性シート207bと、第1の可撓性シート207aに対応した第1の凹部208aと第2の可撓性シート207bに対応した第2の凹部208bを備えたシート保持部材208とを有してなる。
【0086】
シート保持部材208は、第1の可撓性シート207aと第2の可撓性シート207bの片側の端部が変位可能となるように、第1の凹部208aと第2の凹部208bに片側に傾斜した曲面208a1,208b1を備えている。
【0087】
このように構成したので、変形例2によれば、前述した実施形態のトナー層規制部材9のシート保持部材8と同様に、第1の可撓性シート207a及び第2の可撓性シート207bの押し込み量が変化しても、第1の凹部208aと第2の凹部208bの曲面208a1と曲面208b1に沿ってシート端部を変位可能に保持することができるので、実際の押し込み量は変化せず、所定の当接圧で保持することができる。
【0088】
また、変形例2によれば、第1の可撓性シート207a及び第2の可撓性シート207bの片側のみを変位可能にすることによって、両端を可動可能にした場合に比べて、可撓性シート7の変位可能な端部207a1,207b1にかかる力は大きくなるため、小さな当接圧でも可撓性シートが変位して当接圧を安定させることが可能となる。
【0089】
また、変形例2によれば、第1の可撓性シート207aと第2の可撓性シート207bの片側の端部207a2,207b2が移動せずに保持されるため、第1の可撓性シート207aと第2の可撓性シート207bをシート保持部材208により安定して保持することができる。
【0090】
(変形例3)
次に、本実施形態のトナー層規制部材9の変形例3について図面を参照して説明する。
図8は本実施形態のトナー層規制部材の変形例3を示す説明図である。
【0091】
変形例3のトナー層規制部材309は、図8に示すように、可撓性シート307として第1の可撓性シート307aと第2の可撓性シート307bとを備え、変形例2の第1の凹部208aと第2の凹部208bに形成した片側に傾斜した曲面208a1,208b1に変えて、シート保持部材308の第1の凹部308aと第2の凹部308bに片側に傾斜した傾斜面308a1,308b1を備えたものである。
【0092】
このように構成したので、変形例3によれば、変形例2のトナー層規制部材209と同様の効果が得られる。
【0093】
(変形例4)
次に、本実施形態のトナー層規制部材9の変形例4について図面を参照して説明する。
図9は本実施形態のトナー層規制部材の変形例4を示す説明図である。
【0094】
変形例4のトナー層規制部材409は、図9に示すように、可撓性シート407として第1の可撓性シート407aと第2の可撓性シート407bと、第1の可撓性シート407aに対応した第1の凹部408aと第2の可撓性シート407bに対応した第2の凹部408bを備えたシート保持部材408とを有してなる。
【0095】
第1の凹部408aは、変形例3の第1の凹部308aと同様に、片側に傾斜した傾斜面408a1を備えている。第2の凹部408bは、前述した本実施形態の第2の凹部8bと同様に、上方に湾曲した曲面408b1を備えている。
【0096】
このように構成したので、変形例4によれば、変形例3の第1の凹部308aや前述した実施形態の第2の凹部8bと同様に、第1の可撓性シート407a及び第2の可撓性シート407bの押し込み量が変化しても、第1の凹部408aの傾斜面408a1と第2の凹部408bの曲面408b1に沿ってシート端部を変位可能に保持することができるので、実際の押し込み量は変化せず、所定の当接圧で保持することができる。
【0097】
なお、その他の変形例として、シート保持部材の凹部の構成を、前述した実施形態や変形例におけるシート保持部材の凹部の形状、すなわち、曲面を備えた凹部や傾斜面を備えた凹部を組み合わせた構成して、可撓性シートの両側端部または片側端部を変位可能にするようにしてもよい。
【0098】
以上のように、本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0099】
1 現像装置
2 トナー
3 現像ローラ
4 現像槽
5 撹拌搬送部材
6 供給ローラ
7,107,207,307,407 可撓性シート(弾性部材)
7a,107a,207a,307a,407a 第1の可撓性シート(弾性部材)
7b,107b,207b,307b,407b 第2の可撓性シート(弾性部材)
8,108,208,308,408 シート保持部材(保持部材)
8a,108a,208a,308a,408a 第1の凹部(凹部)
8a1,8b1,208a1,208b1,408b1 曲面
8b,108b,208b,308b,408b 第2の凹部(凹部)
9,109,209,309,409 トナー層規制部材
51 感光体(静電潜像担持体)
100 画像形成装置
108a1,108a2,108b1,108b2,
308a1,308b1,408a1 傾斜面
207a1,207b1,207a2,207b2 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に備わる静電潜像担持体にトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラに圧接して前記現像ローラの表面に担持されるトナーの層厚を規制するトナー層規制部材を備え、前記静電潜像担持体上の静電潜像をトナーにより可視化する現像装置において、
前記トナー層規制部材は、前記現像ローラに当接する可撓性を有するシート状の弾性部材と、前記弾性部材を保持する保持部材とを備え、
前記弾性部材は、前記現像ローラの軸線方向に沿って長く形成されるとともに、前記現像ローラの周方向に沿って複数個並設され、前記現像ローラの軸線方向に沿って前記現像ローラに対向する一端側を自由端とし、他端側を固定端として前記保持部材により保持され、
前記保持部材は、前記弾性部材の自由端側が変位可能な状態で他端側を保持する凹部を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、湾曲させた状態で前記保持部材の凹部に保持されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記複数の弾性部材に対応して複数の凹部を備え、
前記複数の弾性部材は、シート状部材の厚さが、前記現像ローラの回転方向下流側の弾性部材よりも前記現像ローラの回転方向上流側の弾性部材の方が厚く構成され、
前記複数の凹部は、前記現像ローラの周方向に沿った幅が、前記現像ローラの回転方向下流側の凹部よりも前記現像ローラの回転方向上流側の凹部の方が狭く構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記凹部は、前記弾性部材の固定端を保持する部分が曲面または斜面を有し、
前記弾性部材の自由端側は、その端部の両側または片側が変位可能であることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項5】
静電潜像が形成される静電潜像担持体を備えるとともに、前記静電潜像担持体にトナーを供給する現像ローラと、前記現像ローラに圧接して前記現像ローラの表面に担持されるトナーの層厚を規制するトナー層規制部材を備え、前記静電潜像担持体上の静電潜像をトナーにより可視化する現像装置を備えて、電子写真方式により画像形成を行う画像形成装置において、
前記現像装置として、請求項1から4のうちの何れか一項に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−92705(P2013−92705A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235587(P2011−235587)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】