説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】感光体とトナー担持体とを対向させた後に、感光体とトナー担持体との隙間の大きさを測定できる現像装置及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】感光体ドラム4Kにトナー画像を現像する現像装置。現像ローラ72Kは、感光体ドラム4Kに対向している。飛散トナー防止部材80Kは、現像ローラ72Kよりも感光体ドラム4Kの移動方向の下流側において、感光体ドラム4Kに対して所定の隙間を介して対向している対向面S1を有している。飛散トナー防止部材80Kには、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとが対向している部分を対向面S1の裏面側から観察可能とするための窓w1,w2が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に関し、特に、感光体にトナー画像を現像する現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の現像装置としては、例えば、特許文献1に記載の現像装置が知られている。図11は、特許文献1に記載の現像装置500の構成図である。
【0003】
現像装置500は、図11に示すように、現像ローラ502、飛散トナー防止板504及びトナー吸引ダクト506を備えている。現像ローラ502は、感光体510にトナー画像を現像する。飛散トナー防止板504は、現像ローラ502からトナーが飛散することを防止するために、感光体510と対向するように設けられている部材である。トナー吸引ダクト506は、吸引孔508を介して、飛散したトナーを吸引する。以上のような現像装置500によれば、トナーの飛散が抑制され、画像品質の低下を防ぐことが可能である。
【0004】
ところで、現像装置500が用いられた画像形成装置では、現像ローラ502と感光体510との隙間の大きさが製造ばらつきによって所定範囲から外れると、画像品質の低下が発生する。そこで、画像形成装置の出荷段階において、現像ローラ502と感光体510との隙間の大きさを測定することが好ましい。
【0005】
しかしながら、現像装置500では、図11のように現像ローラ502と感光体510とを対向させた後に、現像ローラ502と感光体510との隙間の大きさを測定することが困難であった。より詳細には、現像装置500では、飛散トナー防止板504は、現像ローラ502からトナーが飛散することを防止するために、図11に示すように、現像ローラ502と感光体510との隙間を覆っている。そのため、飛散トナー防止板504を取り外さなければ、現像ローラ502と感光体510との隙間の大きさを測定することができない。
【0006】
ところが、飛散トナー防止板504を現像装置500から取り外すためには、現像ローラ502と感光体510とを離す必要がある。すなわち、現像ローラ502と感光体510とを離して飛散トナー防止板504を取り外し、現像ローラ502と感光体510とを再び対向させることによって、現像ローラ502と感光体510との隙間を測定することができる。ただし、画像形成装置を出荷するためには、飛散トナー防止板504を再び現像装置500に取り付ける必要がある。飛散トナー防止板504を取り付けるためには、現像ローラ502と感光体510とを再び離す必要がある。この際、現像ローラ502と感光体510との隙間の大きさは、測定値からずれてしまう。よって、現像装置500では、図11のように現像ローラ502と感光体510とを対向させた後に、現像ローラ502と感光体510との隙間の大きさを測定することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−115990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、感光体とトナー担持体とを対向させた後に、感光体とトナー担持体との隙間の大きさを測定できる現像装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態に係る現像装置は、感光体にトナー画像を現像する現像装置であって、前記感光体に対向しているトナー担持体と、前記トナー担持体よりも前記感光体の移動方向の下流側において、該感光体に対して所定の隙間を介して対向している対向面を有する飛散トナー防止部材と、を備えており、前記飛散トナー防止部材には、前記感光体と前記トナー担持体とが対向している部分を前記対向面の裏面側から観察可能とするための窓が設けられていること、を特徴とする。
【0010】
本発明は、前記現像装置を備えている画像形成装置に対しても向けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、感光体とトナー担持体とを対向させた後に、感光体とトナー担持体との隙間の大きさを測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】現像装置を有する作像ユニットの外観斜視図である。
【図3】図3(a)は、現像装置の外観斜視図であり、図3(b)及び図3(c)は、現像装置の拡大図である。
【図4】現像装置を鉛直方向の上側から平面視した図である。
【図5】図5(a)は、現像装置のA−Aにおける断面構造図であり、図5(b)は、現像装置のB−Bにおける断面構造図であり、図5(c)は、現像装置のC−Cにおける断面構造図である。
【図6】感光体ドラムと現像ローラとの隙間近傍の拡大図である。
【図7】現像装置の分解斜視図である。
【図8】現像装置の分解斜視図である。
【図9】現像装置の分解斜視図である。
【図10】感光体ドラムと現像ローラとの隙間近傍の拡大図である。
【図11】特許文献1に記載の現像装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態に係る現像装置及び画像形成装置について図面を参照しながら説明する。
【0014】
(画像形成装置の構成)
以下に、本発明の実施形態に係る現像装置を備えた画像形成装置について図面を参照しながら説明する。図1は、画像形成装置1の全体構成を示した図である。
【0015】
画像形成装置1は、電子写真方式によるカラープリンタであって、いわゆるタンデム式で4色(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:ブラック)の画像を合成するように構成したものである。該画像形成装置1は、スキャナにより読み取った画像データに基づいて、用紙に画像を形成する機能を有し、図1に示すように、印刷部2、給紙部15、タイミングローラ対19、定着装置20及び排紙トレイ21を備えている。
【0016】
給紙部15は、用紙を1枚ずつ供給する役割を果たし、用紙トレイ16及び給紙ローラ17を含む。用紙トレイ16には、印刷前の状態の用紙が複数枚重ねて載置される。給紙ローラ17は、用紙トレイ16に載置された用紙を1枚ずつ取り出す。タイミングローラ対19は、印刷部2においてトナー画像が用紙に2次転写されるように、タイミングを調整しながら用紙を搬送する。
【0017】
印刷部2は、給紙部15から供給されてくる用紙にトナー画像を形成し、作像ユニット(22Y,22M,22C,22K)、光走査装置6(6Y,6M,6C,6K)、転写部8(8Y,8M,8C,8K)、中間転写ベルト11、駆動ローラ12、従動ローラ13、2次転写ローラ14及びクリーニング装置18を含んでいる。また、作像ユニット(22Y,22M,22C,22K)は、感光体ドラム4(4Y,4M,4C,4K)、帯電器5(5Y,5M,5C,5K)、現像装置7(7Y,7M,7C,7K)及びクリーナー9(9Y,9M,9C,9K)を含んでいる。
【0018】
感光体ドラム4(4Y,4M,4C,4K)は、円筒形状をなしており、図1において時計回りに回転させられる。帯電器5(5Y,5M,5C,5K)は、感光体ドラム4(4Y,4M,4C,4K)の周面を帯電させる。光走査装置6(6Y,6M,6C,6K)は、制御部(図示せず)の制御により、感光体ドラム4(4Y,4M,4C,4K)の周面に対してビームB(BY,BM,BC,BK)を走査する。これにより、感光体ドラム4(4Y,4M,4C,4K)の周面には静電潜像が形成される。
【0019】
現像装置7(7Y,7M,7C,7K)は、感光体ドラム4(4Y,4M,4C,4K)に静電潜像に基づくトナー画像を現像する。なお、現像装置7の詳細については後述する。
【0020】
中間転写ベルト11は、駆動ローラ12と従動ローラ13との間に張り渡されている。中間転写ベルト11には、感光体ドラム4に現像されたトナー画像が1次転写される。転写部8は、中間転写ベルト11の内周面に対向するように配置されており、感光体ドラム4に形成されたトナー画像を中間転写ベルト11に1次転写する役割を果たす。クリーナー9は、1次転写後に感光体ドラム4の周面に残存しているトナーを回収する。駆動ローラ12は、中間転写ベルト駆動部(図1には記載せず)により回転させられることにより、中間転写ベルト11を矢印αの方向に駆動させる。これにより、中間転写ベルト11は、トナー画像を2次転写ローラ14まで搬送する。
【0021】
2次転写ローラ14は、中間転写ベルト11と対向し、ドラム形状をなしている。そして、2次転写ローラ14は、転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト11との間を通過する用紙に対して、中間転写ベルト11が担持しているトナー画像を2次転写する。クリーニング装置18は、用紙へのトナー画像の2次転写後に、中間転写ベルト11に残存しているトナーを除去する。
【0022】
トナー画像が2次転写された用紙は、定着装置20に搬送される。定着装置20は、用紙に対して加熱処理及び加圧処理を施すことにより、トナー画像を用紙に定着させる。排紙トレイ21には、印刷済みの用紙が載置される。
【0023】
(現像装置の構成)
次に、現像装置7の構成の詳細を図面を参照しながら説明する。以下では、現像装置7Kを例にとって説明する。図2は、現像装置7Kを有する作像ユニット22Kの外観斜視図である。図3(a)は、現像装置7Kの外観斜視図であり、図3(b)及び図3(c)は、現像装置7Kの拡大図である。図4は、現像装置7Kを鉛直方向の上側から平面視した図である。図5(a)は、現像装置7KのA−Aにおける断面構造図であり、図5(b)は、現像装置7KのB−Bにおける断面構造図であり、図5(c)は、現像装置7KのC−Cにおける断面構造図である。以下では、現像装置7Kの長手方向をx軸方向と定義する。また、現像装置7Kにおける鉛直方向をz軸方向と定義し、x軸方向及びz軸方向に直交する方向をy軸方向と定義する。
【0024】
現像装置7Kは、図2に示すように、作像ユニット22Kの一部を構成している。そして、現像装置7Kは、図3ないし図5に示すように、現像ローラ(トナー担持体)72K、供給ローラ74K、撹拌ローラ76K、収容部78K、飛散トナー防止部材80K、吸引ダクト82K及びシール部材90−1K,90−2Kを備えている。
【0025】
収容部78Kは、現像装置7Kの本体を構成しており、トナーを収容していると共に、現像ローラ72K、供給ローラ74K及び撹拌ローラ76Kを格納している。撹拌ローラ76Kは、収容部78K内のトナーを撹拌して負に帯電させる。供給ローラ74Kは、負に帯電しているトナーを現像ローラ72Kに供給する。
【0026】
現像ローラ72Kは、図1及び図5に示すように、感光体ドラム4Kと所定の隙間Gを介して対向しており、図3及び図4に示すように、x軸方向に延在している円筒形状をなしている。現像ローラ72Kは、図3及び図4に示す軸Axを中心として、感光体ドラム4Kと同方向(すなわち、図1では時計回り)に回転させられる。以上のような構成を有する現像ローラ72Kは、その周面においてトナーを担持し、図3及び図4に示すように、収容部78Kから長方形状に露出している。そして、現像ローラ72Kは、収容部78Kから露出している部分において感光体ドラム4Kと対向し、該感光体ドラム4Kにトナーを付与する。
【0027】
ここで、現像ローラ72Kは、図3に示すように、担持領域A1及び非担持領域A2,A3を有している。非担持領域A2,A3はそれぞれ、現像ローラ72のx軸方向の負方向側及び正方向側の端部に設けられており、トナーを担持しない領域である。非担持領域A2,A3は、現像ローラ72Kの両端に金属製のカバーが取り付けられることにより構成されている。また、担持領域A1は、非担持領域A2,A3間に設けられており、トナーを担持する。
【0028】
飛散トナー防止部材80Kは、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間Gからトナーが飛散することを防止するための部材である。そこで、飛散トナー防止部材80Kは、図5に示すように、現像ローラ72Kよりも感光体ドラム4Kの周面の移動方向の下流側(すなわち、現像ローラ72Kの周面の移動方向の上流側)において、感光体ドラム4Kに対して所定の隙間を介して対向する対向面S1を有している。飛散トナー防止部材80Kは、図3及び図5に示すように、本体84K及びカバー部材86−1K,86−2Kを含んでいる。
【0029】
本体84Kは、図3に示すように、x軸方向において現像ローラ72Kと略同じ長さを有する板状の部材であり、主面S2,S3を有している。主面S2は、対向面S1の一部を構成しており、図5に示すように、感光体ドラム4Kと対向しており、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間Gを覆っている。これにより、感光体ドラム4Kが回転することによって発生する気流によって、トナーが現像装置7K外に飛散することを防止している。また、主面S2には、図3に示すように、長方形状の窓w1,w2が設けられている。窓w1,w2は、本体84Kのx軸方向の両端近傍において、z軸方向の正方向側の長辺の一部が切り欠かれることにより形成されている。主面S3は、主面S2の裏面である。
【0030】
カバー部材86−1K,86−2Kはそれぞれ、図3に示すように、本体84Kの主面S3側から窓w1,w2を覆っている板状の部材である。そして、カバー部材86−1K,86−2Kの主面S4は、図5に示すように、感光体ドラム4Kに対向している。よって、対向面S1は、主面S2,S4により構成されている。カバー部材86−1K,86−2Kは、本体84Kに対して着脱可能に両面テープや接着剤などにより貼りつけられている。
【0031】
ここで、前記のとおり、カバー部材86−1K,86−2Kは、本体84Kの主面S3側に貼りつけられている板状の部材である。そのため、本体84Kの主面S2とカバー部材86−1K,86−2Kの主面S3との間には、図3に示すように、本体84Kの厚みに相当する段差が存在する。これにより、飛散トナー防止部材80Kの対向面S1には、本体84K及びカバー部材86−1K,86−2Kにより構成されている凹部g1,g2が設けられている。凹部g1,g2は、感光体ドラム4Kから離れる方向に窪んでいる。すなわち、対向面S1の凹部g1,g2における感光体ドラム4Kと飛散トナー防止部材80Kとの隙間の大きさは、対向面S1の凹部g1,g2以外の部分における感光体ドラム4Kと飛散トナー防止部材80Kとの隙間の大きさよりも大きくなっている。
【0032】
また、本体84Kとカバー部材86−1K,86−2Kとの間には、隙間が設けられている。図6は、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間G近傍の拡大図である。
【0033】
カバー部材86−1K,86−2Kは、本体84Kの主面S3に貼りつけられている板状の部材である。この際、カバー部材86−1K,86−2Kは、本体84Kとカバー部材86−1K,86K−2との間に隙間g10,g11が形成されるように、本体84Kに対して貼りつけられる。図6では、カバー部材86−1K,86−2Kのz軸方向の負方向側の端部と本体84Kとの間に隙間g10,g11が形成されている。隙間g10,g11の幅は、例えば、0.2mm〜0.5mmである。
【0034】
吸引ダクト82Kは、図3及び図5に示すように、収容部78Kのz軸方向の正方向側に設けられており、画像形成装置1に設けられた負圧発生源により内部が負圧に保たれている箱状部材である。吸引ダクト82Kは、上部92−1K及び下部92−2Kにより構成されている。上部92−1Kは、z軸方向の負方向側が開口した箱である。下部92−2Kは、z軸方向の正方向側が開口した箱である。そして、上部92−1Kの開口と下部92−2Kの開口とが一致するように上部92−1Kと下部92−2Kとが組み合わされることにより、箱状の吸気ダクト82Kが構成されている。
【0035】
また、下部92−2Kには、図3に示すように、吸引孔h1,h2が設けられている。吸引孔h1,h2は、飛散トナー防止部材80Kよりも感光体ドラム4Kの周面の移動方向の下流側に位置し、かつ、感光体ドラム4Kと飛散トナー防止部材80Kとの隙間から漏れ出たトナーを吸引するために設けられている。
【0036】
ここで、吸引孔h1,h2はそれぞれ、図3に示すように、現像ローラ72Kのx軸方向の両端近傍に設けられている。より詳細には、吸引孔h1,h2はそれぞれ、y軸方向から平面視したときに、非担持領域A2,A3と重なるように設けられている。また、吸引孔h1は、凹部g1よりもx軸方向の負方向側に設けられ、吸引孔h2は、凹部g2よりもx軸方向の正方向側に設けられている。これにより、凹部g1,g2はそれぞれ、図3に示すように、吸引孔h1,h2よりも、現像ローラ72Kのx軸方向の両端部から離れた位置に設けられている。
【0037】
シール部材90−1Kは、図3に示すように、現像ローラ72Kのx軸方向の負方向側の端部に接していると共に、飛散トナー防止部材80Kの一部を覆っている。また、シール部材90−2Kは、図3に示すように、現像ローラ72Kのx軸方向の正方向側の端部に接していると共に、飛散トナー防止部材80Kの一部を覆っている。これにより、シール部材90−1K,90−2Kは、現像ローラ72Kと飛散トナー防止部材80との間に隙間が発生することを防止している。
【0038】
ところで、現像装置7Kでは、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとを対向させた後に、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間Gの大きさを測定できる。以下に、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間Gの大きさの測定方法について図面を参照しながら説明する。図7ないし図9は、現像装置7Kの分解斜視図である。図10は、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間G近傍の拡大図である。図10では、カバー部材86−1K,86−2Kが取り外されている。
【0039】
図5に示すように、吸気ダクト82Kが収容部78Kに取り付けられた状態では、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間Gの大きさを測定することができない。そこで、図7に示すように、吸気ダクト82Kの上部92K−1を取り外す。次に、図8に示すように、吸気ダクト82Kの下部92−2Kを取り外す。これにより、本体84Kの主面S3及びカバー部材86−1K,86−2Kが露出する。
【0040】
ここで、カバー部材86−1K,86−2Kは、窓w1,w2を覆うように、本体84Kの主面S3側に取り付けられている。よって,図9に示すように、カバー86−1K,86−2Kを取り外すことができる。これにより、窓w1,w2が露出する。よって、図10に示すように、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとを対向させた状態で、窓w1,w2を介して、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間Gの大きさを測定することができる。
【0041】
(効果)
以上のように構成された現像装置7Kによれば、飛散トナー防止部材80Kの本体84Kには、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとが対向している部分(隙間G)を、対向面S1の裏面側から観察可能とするための窓w1,w2が設けられている。これにより、吸気ダクト82K及びカバー部材86−1K,86−2Kを取り外すことにより、窓w1,w2を露出させることができる。その結果、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとを対向させた状態で、窓w1,w2を介して、感光体ドラム4Kと現像ローラ72Kとの隙間Gを測定することができる。
【0042】
また、現像装置7Kによれば、画像品質の低下を抑制できる。より詳細には、飛散トナー防止部材80Kには、図3に示すように、凹部g1,g2が設けられている。凹部g1,g2は、吸引孔h1,h2よりも、感光体ドラム4Kの周面の移動方向の上流側に位置している。そのため、感光体ドラム4Kの回転により発生した気流は、図3の矢印に示すように、飛散トナー防止部材80Kの本体84Kを通過する際に、対向面S1の凹部g1,g2以外の部分よりも凹部g1,g2を優先的に通過するようになる。そして、該気流は、凹部g1,g2を通過した後に、吸引孔h1,h2に流入する。すなわち、凹部g1,g2は、トナーを吸引孔h1,h2に導くための流路として機能する。その結果、トナーが飛散トナー防止部材80Kに堆積することが抑制されるようになり、現像装置7において画像品質の低下が抑制される。
【0043】
更に、現像装置7Kによれば、以下の理由によっても、画像品質の低下を抑制できる。より詳細には、非担持領域A2,A3ではトナーが担持されないため、担持領域A1よりも非担持領域A2,A3においてトナーが飛散しやすい。そこで、現像装置7では、y軸方向から平面視したときに、吸引孔h1,h2と非担持領域A2,A3とを重ねるように設けている。これにより、非担持領域A2,A3において飛散したトナーは、吸引孔h1,h2により吸引されやすくなる。その結果、トナーが飛散トナー防止部材80Kに堆積することが抑制されるようになり、現像装置7において画像品質の低下が抑制される。
【0044】
更に、現像装置7Kによれば、以下の理由によっても、画像品質の低下を抑制できる。より詳細には、非担持領域A2,A3ではトナーが担持されないため、担持領域A1よりも非担持領域A2,A3において多くのトナーが飛散する。飛散したトナーの一部は、吸引孔h1,h2により吸引されることなく、飛散トナー防止部材80Kの対向面S1全面に広がって、飛散トナー防止部材80Kの対向面S1の全面にトナーが堆積するおそれがある。そこで、現像装置7Kでは、凹部g1,g2は、吸引孔h1,h2よりも、現像ローラ72Kのx軸方向の端部から離れた位置に設けられている。したがって、トナーを吸引孔h1,h2に導くための流路は、吸引孔h1,h2よりも、飛散トナー防止部材80Kの対向面S1においてx軸方向の中央の近くに形成されるようになる。その結果、非担持領域A2,A3において飛散したトナーは、吸引孔h1,h2を通過して対向面S1全体に広がる前に、凹部g1,g2によって吸引孔h1,h2に導かれるようになる。すなわち、飛散したトナーは、飛散トナー防止部材80Kの対向面S1においてx軸方向の中央の近くには到達しにくくなる。その結果、トナーが飛散トナー防止部材80Kに堆積することが抑制されるようになり、現像装置7において画像品質の低下が抑制される。
【0045】
また、現像装置7Kによれば、以下の理由によっても、画像品質の低下を抑制できる。より詳細には、図6に示すように、カバー部材86−1K,86−2Kと本体84Kとの間には、隙間g10,g11が設けられている。そのため、図6に示すように、カバー部材86−1K,86−2Kの感光体ドラム4Kに対向していない面(主面S4の裏面)から感光体ドラム4Kに対向している主面S4に向かって気流が発生する。これにより、凹部g1,g2は、飛散したトナーを吸引孔h1,h2に導く流路としてより効果的に機能するようになる。以上より、トナーが飛散トナー防止部材80Kに堆積することが抑制されるようになり、現像装置7において画像品質の低下が抑制される。
【0046】
また、現像装置7Kは、吸引ダクト82Kを備えているとした。しかしながら、現像装置7Kは、吸引ダクト82Kを備えている必要はない。この場合には、画像形成装置1が吸引ダクト82Kを有していればよい。
【0047】
なお、窓w1,w2は、本体84Kが長方形状に切り欠かれて形成されている。しかしながら、窓w1,w2の構成はこれに限らない。窓w1,w2は、例えば、本体84に孔が設けられることにより形成されていてもよい。
【0048】
また、現像装置7Kでは、2つの窓w1,w2が設けられるとしたが、窓の数はこれに限らない。
【0049】
なお、前記説明では、現像装置7Kを例にとって説明したが、現像装置7Y,7M,7Cについても現像装置7Kと同じことが言える。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に有用であり、特に、感光体とトナー担持体とを対向させた後に、感光体とトナー担持体との隙間の大きさを測定できる点において優れている。
【符号の説明】
【0051】
A1 担持領域
A2,A3 非担持領域
G 隙間
S1 対向面
g1,g2 凹部
g10,g11 隙間
h1,h2 吸引孔
w1,w2 窓
4Y,4M,4C,4K 感光体ドラム
7Y,7M,7C,7K 現像装置
72K 現像ローラ
74K 供給ローラ
76K 撹拌ローラ
78K 収容部
80K 飛散トナー防止部材
82K 吸引ダクト
84K 本体
86−1K,86−2K カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体にトナー画像を現像する現像装置であって、
前記感光体に対向しているトナー担持体と、
前記トナー担持体よりも前記感光体の移動方向の下流側において、該感光体に対して所定の隙間を介して対向している対向面を有する飛散トナー防止部材と、
を備えており、
前記飛散トナー防止部材には、前記感光体と前記トナー担持体とが対向している部分を前記対向面の裏面側から観察可能とするための窓が設けられていること、
を特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記飛散トナー防止部材よりも前記移動方向の下流側に位置する吸引孔であって、トナーを吸引する吸引孔が設けられている吸引ダクトを、
更に備えており、
前記飛散トナー防止部材は、
前記対向面の一部を構成する主面であって、前記窓が設けられている主面を有している本体と、
前記主面の裏面側から前記窓を覆っているカバー部材と、
を含んでおり、
前記対向面には、トナーを前記吸引孔に導く流路となる凹部が、前記本体と前記カバー部材とにより構成されていること、
を特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記トナー担持体は、所定方向に延在している円筒形状をなしており、
前記凹部は、前記吸引孔よりも、前記トナー担持体の前記所定方向の端部から離れた位置に設けられていること、
を特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記トナー担持体は、前記所定方向の両端部において、トナーを担持しない非担持領域を有しており、
前記吸引孔は、前記所定方向に直交する方向から平面視したときに、前記非担持領域のそれぞれと重なるように設けられていること、
を特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記カバー部材と前記本体との間には、隙間が設けられていること、
を特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の現像装置を備えていること、
を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−232396(P2011−232396A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−100010(P2010−100010)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】