説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】フィルター部材50の目詰まりを抑えつつ、返送路31からロータリーフィーダー51を介した撹拌器40内への空気の逆流に起因する現像剤のトナー濃度不足の発生を抑え、且つ、地汚れの発生を長期間に渡って抑える。
【解決手段】図示しない現像器から受け入れた現像剤に対して現像剤撹拌室46内でトナー補給処理と撹拌処理とを施した後、処理後の現像剤をロータリーフィーダー51によって返送管31に排出し、エアーポンプ60による送気で現像器に返送する構成において、空気受入室47と、現像剤撹拌室46から空気受入室47に空気を導くための導気路48と、空気受入室47に設けられた排気用開口を覆うフィルター部材50と、空気受入室47に進入した現像剤を現像剤撹拌室46に戻して回収するための回収路49とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潜像担持体に担持される潜像を現像する現像器を具備する現像装置や、かかる現像装置を備える複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トナーとキャリアとを含有する現像剤を用いて潜像を現像する現像器においては、現像に伴ってトナーを消費する現像剤のトナー濃度を適切な範囲に維持するために、現像器内の現像剤に対して定期的にトナーが補給されるようになっている。現像器内において、所定の循環経路に沿って循環搬送される現像剤は、現像スリーブなどの現像剤担持体に対向する位置まで来ると、現像剤担持体の表面に汲み上げられて現像に寄与した後、再び循環経路内に戻される。その後、必要に応じてトナーが補給された後、再び現像剤担持体との対向位置まで戻ってくる。
【0003】
かかる構成において、連続プリントモードの動作で高画像面積率の画像が現像され続けると、現像剤担持体上でトナー濃度を大きく低下させた現像剤が循環経路に戻された後、多量のトナー補給を受けてから現像剤担持体に再び汲み上げられるという現象が繰り返される。すると、循環経路で多量のトナー補給を受けた現像剤中のトナーが十分に摩擦帯電しないまま帯電不良の状態で現像担持体の表面に汲み上げられて、潜像担持体の非画像部に付着して地汚れを引き起こす。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の現像装置においては、現像剤を単に現像器の中だけで循環搬送するのではなく、現像器とは別体の撹拌器に移送して十分に撹拌してから現像器に戻すようになっている。具体的には、現像器内の循環経路の所定位置まで搬送された現像剤は、現像器に接続された導入路を介して撹拌器に送られる。撹拌器内には比較的多量の現像剤が収容されている。また、撹拌器には、前述した導入路に加えて、トナーを補給するためのトナー補給路が接続されている。現像器内から導入路を介して撹拌器内に送られた現像剤は、トナー補給路から補給されてくる新たなトナーを取り込みながら、器内の撹拌部材によって撹拌される。そして、撹拌器内で撹拌されながら滞留している間に、トナーの摩擦帯電が十分に促された後に、撹拌器から返送路に排出される。この返送路の末端には、返送路内に送気するためのエアーポンプが接続されている。また、返送路の先端は、現像器に接続されている。返送路内に排出された現像剤は、エアーポンプによる送気によって発生する気流に押されて現像器内に返送される。
【0005】
かかる構成では、現像器内の現像剤が高画像面積率の画像を現像してトナー濃度を大きく低下させ、それに応じて現像剤に多量のトナーの補給を受けたとしても、撹拌器内で十分にトナーを帯電させてから現像器に戻されて現像に寄与するので、地汚れの発生を抑えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、エアーポンプによって返送路内に送られた空気の一部が、返送路に沿って現像器に向けて進まずに、撹拌器内に進入して器内を逆流することがある。そして、逆流した空気が撹拌器に接続されたトナー補給路に進入して、トナー補給路をトナー補給方向とは逆方向に進むことで、トナー補給能力を低下させてトナー濃度不足を引き起こしてしまう。
【0007】
なお、特許文献1に記載の現像装置では、トナー補給路を撹拌器に接続しているが、現像器内の現像剤を撹拌器に導入するための導入路にトナー補給路を接続した構成においても、同様のトナー濃度不足が発生する。返送路内から撹拌器に進入した空気が撹拌器内から導入路を経てトナー補給路に進入して、トナー補給路内をトナー補給方向とは逆方向に進むからである。
【0008】
そこで、本発明者らは、現像剤を撹拌するための現像剤撹拌室の空気を逃がす排気部を撹拌器に設けた新規な現像装置を開発中である。排気部は、撹拌器の現像剤撹拌室の空気を受け入れる空気受入室と、空気受入室に設けられた排気用開口と、この排気用開口を覆うフィルター部材と、現像剤撹拌室の空気を空気受入室に導く導気路とを具備している。そして、返送路から撹拌器の現像剤撹拌室内に逆流した空気を、導気路と空気受入室とフィルター部材とに通して外部に逃がす。
【0009】
排気用開口及びフィルター部材を撹拌器の現像剤撹拌室に設けるのではなく、現像剤撹拌室とは別の空気受入室に設けるのは、次に説明する理由による。即ち、現像剤撹拌室内には、上述したように、比較的多量の現像剤が収容されている。フィルター部材を現像剤撹拌室内の現像剤に直接接触させると、ごく短時間のうちに目詰まりを起こしてしまうため、排気用開口やフィルター部材については、現像剤撹拌室内の現像剤に直接接触させない位置に設ける必要がある。また、現像剤撹拌室では、現像剤が勢い良く撹拌されるのに伴って、一部の現像剤が室内の空間に舞い上がることから、空間内の空気には比較的多くの現像剤が含まれている。このため、排気用開口やフィルター部材を現像剤に直接接触させない現像剤撹拌室上部に設けたとしても、フィルター部材は、比較的短時間のうちに目詰まりを起こしてしまう。そこで、現像剤撹拌室とは別の空気受入室に排気用開口やフィルター部材を設けるとともに、現像剤撹拌室と空気受入室とを導気路によって繋いでいる。現像剤撹拌室から導気路に進入した空気が導気路内を空気受入室に向けて移動している間に、空気中の現像剤が導気路の内壁に接触して空気からの分離が促される。このように、現像剤をある程度分離した状態の空気を空気受入室のフィルター部材に通すことで、フィルター部材の目詰まりの頻度を少なくすることができる。
【0010】
かかる構成においては、返送路から撹拌器に逆流してしまった空気を空気受入室のフィルター部材を介して外部に逃がすことで、トナー補給路内で空気の逆流を発生させ難くして、トナー濃度不足の発生を抑えることができる。更には、空気受入室を設けずに撹拌器から空気を直接逃がす場合に比べて、フィルター部材の目詰まりの頻度を少なくすることができる。
【0011】
ところが、この開発中の現像装置においては、長期に渡って使用しているうちに、地汚れの発生を十分に抑えることが困難になってくるという新たな問題が発生してしまった。具体的には、撹拌器の現像剤撹拌室から空気受入室に空気を進入させる際に、導気路の内壁では除去し切れずに空気中に残ってしまった僅かな現像剤も空気受入室に移動してしまう。これにより、空気受入室内に現像剤が徐々に堆積していき、その分だけ、現像剤撹拌室内の現像剤の貯留量が減って、現像剤撹拌室内での現像剤の滞留時間(現像剤撹拌時間)が短くなる。このようにして、現像剤撹拌室内での現像剤の滞留時間が徐々に短くなっていくことで、撹拌器から現像器に返送される現像剤の帯電量が徐々に低下していくことから、地汚れの発生を十分に抑えることが困難になってしまうのである。
【0012】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような現像装置や画像形成装置を提供することである。即ち、フィルター部材の目詰まりを抑えつつ、返送路から撹拌器内への空気の逆流に起因する現像剤のトナー濃度不足の発生を抑え、且つ、地汚れの発生を長期間に渡って抑えることができる現像装置等である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、現像剤収容部に収容している現像剤を用いて、画像形成装置の潜像担持体に担持される潜像を現像する現像器と、前記現像器とは別体として構成され、前記現像器から排出される現像剤を自らの現像剤撹拌室に受け入れて撹拌する撹拌器と、前記現像器から排出された現像剤を前記撹拌器に導入するための導入路と、前記撹拌器から排出された現像剤を前記現像器に返送するための返送路と、前記返送路内に送気することで、前記撹拌器から前記返送路に排出された現像剤を前記現像器に向けて送る送気手段とを有する現像装置において、前記現像剤撹拌室の空気を受け入れる空気受入室と、前記現像剤撹拌室から前記空気受入室に空気を導くための導気路と、前記空気受入室に設けられた排気用開口と、前記排気用開口を覆うフィルター部材と、前記空気受入室に進入した現像剤を前記現像剤撹拌室に戻して回収するための回収路とを設け、前記現像剤撹拌室の空気を前記空気受入室の前記フィルター部材に通して外部に逃がすようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、返送路から撹拌器の現像剤撹拌室内に逆流した空気を空気受入室とフィルター部材とに通して外部に逃がすことで、導入路又は撹拌器に接続されたトナー補給路内で空気の逆流を発生させ難くする。これにより、トナー補給路から導流路又は撹拌器へのトナー補給能力を低下させ難くすることで、現像剤のトナー濃度不足の発生を抑えることができる。
【0015】
また、本発明においては、現像剤撹拌室から導気路に進入させた空気を導気路内で空気受入室に向けて移動させている間に、空気中の現像剤を導気路の内壁に接触させて空気からの現像剤の分離を促す。そして、導気路内で現像剤をある程度分離した状態の空気を空気受入室のフィルター部材に通すことで、フィルター部材の目詰まりの頻度を少なくすることができる。
【0016】
また、本発明においては、空気と一緒に現像剤撹拌室から空気受入室に移動してしまった現像剤を、回収路によって空気受入室から現像剤撹拌室に戻す。これにより、空気受入室内での現像剤の堆積を抑えて、現像剤撹拌室内における現像剤貯留量を減少させ難くすることで、長期間に渡って現像剤を現像剤撹拌室内で十分に撹拌して地汚れの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図。
【図2】同画像形成装置の現像装置を示す斜視図。
【図3】同現像装置の現像器を示す断面図。
【図4】同現像装置の撹拌器とその周囲構成とを示す断面図。
【図5】第1実施例に係る画像形成装置の撹拌器における空気受入室とその周囲構成とを示す拡大断面図。
【図6】第2実施例に係る画像形成装置の撹拌器における空気受入室とその周囲構成とを示す拡大断面図。
【図7】第3実施例に係る画像形成装置の撹拌器における空気受入室とその周囲構成とを示す拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を適用したの画像形成装置の一実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。図1の画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニット1Y、M、C、Bkを備え、これらを所定のピッチで配列した、所謂、タンデム型の画像形成装置である。尚、Y、M、C、Bkの色順は、図1に限るものでなく、他の並び順であっても構わない。
【0019】
4つの画像形成ユニット1Y、M、C、Bkは、使用されるトナーの色が異なる以外は同じ構成である。例えば、イエロー用の画像形成ユニット1Yは、像担持体としての感光体2Yの周りに、帯電手段3Y、後述する現像装置の現像器10Y、クリーニング手段7Y等を備えている。他の画像形成ユニット1M、C、Bkも同様の構成である。
【0020】
画像形成ユニット1Y、M、C、Bkの下方には、画像データに基づいてドラム状の感光体2Y、M、C、Bkの表面にレーザー光を走査しながら照射する光書込ユニット(不図示)が配置されている。また、画像形成ユニット1Y、M、C、Bkの上方には各画像形成ユニットのトナー像を重ね合わせて転写するように搬送する中間転写ベルト5が配置されている。中間転写ベルト5の左側には、記録シートにトナー像を転写する二次転写ローラ6が配置されている。その上方には定着装置80が配置されている。中間転写ベルト5の右側には、外周面に接触するようにベルトクリーニング装置が接触するように配置されている。このベルトクリーニング装置により中間転写ベルト5上に付着したトナー等の異物が除去される。また、画像形成装置下部には、転写媒体である記録シートが載置された給紙カセット80を備えている。
【0021】
次に、画像形成装置の動作について説明する。
例えば、画像形成ユニット1Yでは、帯電手段3Yが感光体2Y表面を帯電させる。所定の電位に帯電した各感光体2Y表面には、光書込ユニット(不図示)により画像データに基づくレーザー光が走査され、静電潜像が書き込まれる。静電潜像を担持した各感光体2Y表面が現像器10Yに到達すると、各感光体2Y表面の静電潜像にトナーが供給されて、トナー像が形成される。このようなプロセスが画像形成ユニット1M、C、Bkにおいても同様に行われる。これにより、感光体2Y、M、C、Bk表面にはそれぞれ所定の色のトナー像が形成される。
【0022】
中間転写ベルト5を挟んで感光体2Y、M、C、Bkに対向している1次転写ローラ9Y、M、C、Bkには、トナーの帯電極性とは逆極性の1次転写バイアスが印加されている。これにより、感光体2Y,M,C,Bkと1次転写ローラ9Y,M,C,Bkとの間には、トナーを感光体側からローラ側に静電移動させる1次転写電界が形成される。中間転写ベルト5上には、感光体2Y、M、C、Bk上のY,M,C,Bkトナー像が順に重ね合わせて1次転写される。
【0023】
給紙カセット80は、内部に収容している記録シートを所定のタイミングで送り出す。送り出された記録シートは、給紙路内を搬送されて、給紙路の末端付近に配設されたレジストローラ対18のレジストニップに突き当たる。このタイミングで、記録シートの搬送が一時中断される。
【0024】
中間転写ベルト5のループ外側には、2次転写ローラ6が配設されている。この2次転写ローラ6は、中間転写ベルト5における周方向の全域のうち、ベルトループ内側に配設された駆動ローラに対する掛け回し箇所に当接して2次転写ニップを形成している。駆動ローラには、図示しない2次転写電源から出力される2次転写バイアスが印加される。そして、駆動ローラと、接地されている2次転写ローラ6との間には、トナーを駆動ローラ側から2次転写ローラ6側に静電移動させる2次転写電界が形成される。
【0025】
レジストローラ対18は、記録シートを2次転写ニップで中間転写ベルト5上のトナー像に重ね合わせ得るタイミングで回転駆動を再開する。この再開によってレジストニップから送り出された記録シートには、2次転写ニップ内でベルト上のトナー像が2次転写される。このようにしてトナー像が転写された記録シートは、2次転写ニップから排出されて定着装置90に送られる。
【0026】
定着装置90は、加熱ローラや従動ローラなどによって張架している無端状の定着ベルトと、これに向けて押圧される加圧ローラとの当接によって定着ニップを形成している。そして、定着ニップに挟み込んだ記録シートを加熱及び加圧することで、シート表面にトナー像を定着させる。定着装置90を通過した記録シートは、排紙ローラ対を経て機外へと排出される。
【0027】
次に、現像装置について説明する。
Y,M,C,Bkの各色の現像装置は、感光体(2Y、M、C、Bk)に対向配置された現像器(10Y、M、C、Bk)や、現像器(10Y、M、C、Bk)とは別体として構成された撹拌器(40Y,M,C,Bk)などを有している。
【0028】
図2は、現像装置を示す斜視図である。なお、Y,M,C,Bk用の現像装置の構成は、互いにほぼ同じであるので、同図においては、何れの色にも共通の構成の現像装置を1つだけ示し、符号の末尾に添えるY,M,C,Bkという添字を省略している。後述する図3〜図7においても、同様の理由により、符号の末尾に添えるY,M,C,Bkという添字を省略している。
【0029】
図2に示されるように、感光体2に対向している現像器10は、トナーと磁性キャリアとを含有する現像剤を担持する現像剤担持体としての現像ローラ11を有している。現像器10の下方には、撹拌器40が配置され、撹拌器40内の現像剤に補給するトナーを収容するトナーホッパー22が画像形成装置本体に対して着脱可能に配設されている。
【0030】
また、現像装置は、トナー補給管21、トナーホッパー22、トナー補給用モータ28、導入管30、返送管31、トナー撹拌用モータ45、ロータリーフィーダー51、フィーダーモータ55、エアーポンプ60なども有している。
【0031】
図3、現像装置の現像器を示す断面図である。現像器10は、現像ローラ11と、現像ローラ11上の現像剤を規制する規制部材としてのドクタブレード12と、現像剤を攪拌搬送しながら現像ローラ11に供給する供給スクリュウ14と、現像剤を攪拌搬送しながら現像ローラ11から使用後の現像剤を回収する回収スクリュウ13とを備えている。供給スクリュウ14と回収スクリュウ13とは上下に配置され、その間には仕切り壁16が形成されている。また、供給スクリュウ14の近傍には、供給スクリュウにより搬送される現像剤のトナー濃度を検知するためのトナー濃度検知センサー63を有している。
【0032】
現像ローラ11は、外周部を構成する非磁性で円筒状の現像スリーブと、その内側に配置された磁界発生手段(複数の磁極が着磁されたマグネットローラ、あるいは複数の磁石)とからなる。現像ローラ11を構成する現像スリーブは、固定(非回転)された磁界発生手段のまわりを回転駆動可能に構成される。現像ローラ11は、現像スリーブを回転しながら、供給スクリュウ14により供給された現像剤を磁力によってローラ表面に担持して、ドクタブレード12で現像剤の高さを規制された後、感光体2上の潜像を現像剤中のトナーで現像する。
【0033】
供給スクリュウ14は、図3中手前側から奥側に現像剤を攪拌しながら搬送するとともに、現像ローラ11に現像剤を供給する。現像ローラ11に供給されずに供給スクリュウ14により奥側まで搬送された現像剤は、仕切り壁16の奥側端部に形成された開口部(不図示)を通って落下し、回収スクリュウ13に受け渡される。回収スクリュウ13は、図3の図紙面に直交する方向の奥側から手前側に現像剤を攪拌しながら搬送するとともに、現像ローラ11から現像に使用後の現像剤を回収する。このように、現像器10内では、現像ローラ11に現像剤を供給・回収しながら、現像剤を攪拌しつつ循環搬送している。
【0034】
回収スクリュウ13により回収された現像剤は、現像によりトナーが消費されているのでトナー濃度が低下している。回収スクリュウ13により、図紙面に直交する方方向の手前側端部まで搬送されたトナー濃度の低下した現像剤は、ケーシング底部に設けられた開口(不図示)から、図2に示される導入管30を通って撹拌器40に落下する。
【0035】
図4は、現像装置の撹拌器40とその周囲構成とを示す断面図である。撹拌器40は、全体として鉛直方向に延在する円筒状の形状をしており、撹拌用モータ45、現像剤撹拌室46、空気受入室47、導気路48、回収路49、フィルター部材50、ロータリーフィーダー51などを有している。
【0036】
導入管30から撹拌器40内に落下した現像剤は、撹拌器40の現像剤撹拌室46内に進入する。現像剤撹拌室46内には、比較的多量の現像剤が貯留されており、現像剤撹拌室46内に新たに落下してきた現像剤は、内部の貯留現像剤の表層に取り込まれる。
【0037】
撹拌器40の上壁外面には、撹拌用モータ45が固定されており、この撹拌用モータ45のモータ軸45aが撹拌器40の上壁を貫いて現像剤撹拌室46内に至っている。現像剤撹拌室46内では、モータ軸45aの先端部に撹拌スクリュウ43が固定されており、モータ軸45aと同じ回転軸線上で回転する。また、モータ軸45aには、軸を中心に公転するように2枚の撹拌羽根44が固定されている。現像剤撹拌室46内の現像剤は、撹拌スクリュウ43の回転や撹拌羽根44の公転によって水平方向に円を描くような軌道で撹拌される。
【0038】
先に図2に示したように、撹拌器40の上壁には、現像器10内の現像剤を撹拌器40内に導入するための導入管30の他に、現像剤撹拌室46内にトナーを補給するためのトナー補給管21が接続されている。このトナー補給管21には、補給用のトナーを収容しているトナーホッパー22が接続されており、トナーホッパー22内のトナーは自重によってトナー補給管内に落下する。また、トナー補給管21内には、図示しない搬送スクリュウが管長手方向に延在する姿勢で収容されており、トナー補給用モータ28によって回転駆動される。
【0039】
現像器10に設けられたトナー濃度検知センサー(図3の63)により、現像器10内の現像剤について、トナー濃度が下限値を下回ったことが検知されると、トナー補給用モータ28の駆動によって搬送スクリュウが回転して、トナー補給管21内のトナーを撹拌器40の現像剤撹拌室46内に補給する。トナー補給用モータ28の駆動時間は、トナー濃度検知センサー63による検知結果と下限値との差分に応じて決定される。
【0040】
図4において、現像剤撹拌室46内では、図示しないトナー補給管(図2の21)から補給されてくるトナーと、導入管30から導入されてくる現像剤とが撹拌スクリュウ43や撹拌羽根44によって混合撹拌されて、トナーと磁性キャリアとの摩擦によってトナーの帯電が促される。具体的には、回転羽根44の公転によってトナーを水平方向にかき回すとともに、攪拌スクリュウ43によって鉛直方向下方から上方に向かう流れを起こす。これにより、撹拌スクリュウ43の回転軸線に沿って鉛直方向下方から上方に向かった後、現像剤撹拌室46の上部にて、回転軸線上から法線方向に向かってから、現像剤撹拌室46の内壁付近で鉛直方向上方から下方に向かう対流を発生させる。この対流により、現像剤は現像剤撹拌室46内で長期間撹拌されてトナーの摩擦帯電が十分になされた後、現像剤撹拌室46の下部を通る際に、後述するロータリーフィーダー51に取り込まれて、返送管31内に排出される。
【0041】
現像剤撹拌室46の下端には、ロータリーフィーダー51が接続されている。ロータリーフィーダー51は、ステータ53の内部空間に、羽根を具備するロータ52を内包している。ロータ52が回転すると、現像剤撹拌室46の下端に位置している現像剤がロータ52内に巻き込まれて、ロータ52の回転に伴って返送管31内まで移送される。なお、ロータリーフィーダー51は、フィーダーモータ(図2の55)の駆動力によって回転駆動される。
【0042】
返送管31の末端には、送気手段としてのエアーポンプ60が接続されている。このエアーポンプ60は自らの内部に取り込んだ外気を返送管31内に吐き出すことで、送気管31に向けて送気を行う。ロータリーフィーダー51によって返送管31内に移送された現像剤は、送気によって発生する気流に押されて現像器に返送される。
【0043】
返送管31の末端付近では、エアーポンプ60による送気の力と、返送管31の先端側に存在している現像剤との押し合いによって内圧が大気圧よりも上昇する。すると、ロータリーフィーダー51のロータ52内に返送管31内の空気が移動し、ロータ52内の空気が圧縮された状態で、ロータ52の回転に伴って現像剤撹拌室46内に戻る。このようにして、返送管31から現像剤撹拌室46内に空気が逆流する。そして、現像剤撹拌室46内を鉛直方向下側から上側に向けて逆流して、現像剤撹拌室46に接続されているトナー補給管(図21)内に進入する。進入した空気は、トナー補給管内をトナー補給方向とは逆方向に進むことで、トナー補給能力を低下させてトナー濃度不足を引き起こしてしまう。
【0044】
本発明者らの実験によれば、エアーポンプ60による送気量の約30%がロータリーフィーダー51を介して現像剤撹拌室46内に逆流した。このような逆流量では、現像剤撹拌室46内の圧力を高めることによっても、トナー補給管のトナー補給能力を低下させてしまう。
【0045】
そこで、実施形態に係る画像形成装置では、空気受入室47を設けている。空気受入室47には撹拌器40から流入した空気を装置外へ排気する排気用開口が設けられており、この排気用開口は空気内の現像剤を捕捉するためのフィルター部材50によって覆われている。現像剤撹拌室46と、空気受入室47とは、現像剤撹拌室46内の空気を空気受入室47に導くための導気路48によって繋がれている。
【0046】
返送管31内からロータリーフィーダー51を介して撹拌器40内に流入した空気は、撹拌器40から導気路48を経由して空気受入室47に流入する。このとき、空気は、現像剤撹拌室46内で舞い上がった現像剤を取り込みながら空気受入室47内に流入する。
【0047】
空気受入室47には、室内の空気を外部に逃がすための排気用開口と、この排気用開口を覆うフィルター部材50とが設けられている。フィルター部材50のメッシュ開口径は、トナー粒子や磁性キャリア粒子の粒径よりも小さくなっているため、フィルター部材50は、空気中に含まれる現像剤を捕捉することが可能である。
【0048】
現像剤撹拌室46から空気受入室47内に流入した空気は、フィルター部材50を経由して外部に排出される。この際、フィルター部材50は、空気中に含まれる現像剤を捕捉して空気から分離して、空気受入室47の床に向けて落下させる。空気受入室47の床には、フィルター部材50によって分離された現像剤を撹拌器40に戻して回収するための回収路49が接続されている。空気受入室47内で空気と分離された現像剤は、自重によって回収路49を通って現像剤撹拌室46に落下する。このように、空気と一緒に現像剤撹拌室46から空気受入室47に移動してしまった現像剤を、回収路49によって空気受入室47から現像剤撹拌室46に戻す。これにより、空気受入室46内での現像剤の堆積を抑えて、現像剤撹拌室46内における現像剤貯留量を減少させ難くすることで、長期間に渡って現像剤を現像剤撹拌室46内で十分に撹拌して地汚れの発生を抑えることができる。
【0049】
実施形態に係る画像形成装置においては、空気受入室47を現像剤撹拌室46よりも鉛直方向の上側に配設している。そして、現像剤撹拌室46から空気受入室47に流入した現像剤を、自重によって回収路49を介して現像剤撹拌室46に落下させるようにしている。かかる構成では、空気受入室47内の現像剤を現像剤撹拌室46に移動するための特別な駆動源を駆動することなく、現像剤を空気受入室47内から現像剤撹拌室46内に移送することができる。
【0050】
導気路48の断面積(空間断面及びパイプ断面の合計)は、回収路49の断面積よりも大きくなっている。具体的には、導気路48の断面に対し、回収路49の断面は1/3の大きさになっている。これにより、現像剤撹拌室46内の空気を回収路49よりも導気路48に対して流れ込み易くすることで、現像剤撹拌室46から回収路49を介して空気受入室47に向かう空気の逆流を発生し難くしている。このため、空気の逆流に起因する回収路49による現像剤回収能力の低下を抑えることができる。
【0051】
なお、実施形態においては、空気受入室47を現像剤撹拌室46と一体的に形成して撹拌器40の一部としているが、空気受入室47を撹拌器40とは別体として設けてもよい。
【0052】
次に、実施形態に係る画像形成装置に、より特徴的な構成を付加した各実施例の画像形成装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各実施例に係る画像形成装置の構成は、実施形態と同様である。
[第1実施例]
図5は、第1実施例に係る画像形成装置の撹拌器における空気受入室47とその周囲構成とを示す拡大断面図である。図示の撹拌器においては、現像剤撹拌室46側から空気受入室47側に向かう空気の流れであるエアー逆流を阻害する逆流阻害手段を回収路49内に設けている。具体的には、逆流阻害手段として、羽根車60を設けている。羽根車60は、回収路49の横断面方向に延在する回転軸線を中心にして回転する。回収路49の長手方向の全域のうち、羽根車60が設けられている領域は、羽根車60の回転軸線に沿って延在する円筒状の空間になっている。羽根車60の回転軸部材には、複数の羽根部材が放射状に立設せしめられており、それぞれ回転軸部材を中心にして公転する。羽根車60が所定の回転角度位置で回転を停止すると、2枚の羽根部材がそれぞれ管内壁に近接する位置で停止して、回収路49を閉塞する。これにより、回収路49内での空気の逆流が阻止される。
【0053】
空気受入室47内から回収路49内に落下した現像剤は、羽根車60の上に堆積するが、羽根車60が回転駆動されると、その回転に伴って羽根車60の下方まで搬送されて現像剤撹拌室46内に落下する。このように、羽根車60の回転駆動により、回収路49内における空気受入室47側から現像剤撹拌室46側への現像剤の移動を促すことができる。
【0054】
なお、羽根車60の回転速度を速くし過ぎると、羽根部材の公転によって現像剤撹拌室46側から現像剤受入室47側に向かう空気の流れを却って助長してしまうので、羽根車60については、比較的低速で回転させる必要がある。
【0055】
[第2実施例]
図6は、第2実施例に係る画像形成装置の撹拌器における空気受入室47とその周囲構成とを示す拡大断面図である。図示の撹拌器においても、現像剤撹拌室46側から空気受入室47側に向かう空気の流れであるエアー逆流を阻害する逆流阻害手段を回収路49内に設けている。具体的には、逆流阻害手段として、剤吸着ローラ61を設けている。剤吸着ローラ61は、磁力を帯びた部材からなり、回収路49の横断面方向に延在する回転軸線を中心にして回転する。回収路49の長手方向の全域のうち、剤吸着ローラ61が設けられている領域は、剤吸着ローラ61の回転軸線に沿って延在する円筒状の空間になっている。この円筒状の空間の内壁と、剤吸着ローラ61砥の間には、ある程度の間隙が保持されている。
【0056】
空気受入室47から回収路49内に流入した現像剤は、磁力によって剤吸着ローラ61の周面に吸着する。これにより、剤吸着ローラ61の周面上には現像剤層が形成される。この現像剤層が上記間隙を埋めることで、回収路49を閉塞する。これにより、回収路49内での空気の逆流が阻止される。
【0057】
剤吸着ローラ61の下方では、片持ち支持される剤掻き落としブレード62の自由端が剤吸着ローラ61に当接している。剤吸着ローラ61が回転駆動されると、ローラ周面上の現像剤層のうち、剤吸着ローラ61よりも上方に位置していた箇所が、剤吸着ローラ61よりも下方の位置に移動する。そして、剤掻き落としブレード62によってローラ表面から掻き落とされて現像剤撹拌室46内に落下する。このように、剤吸着ローラ61の回転駆動により、回収路49内における空気受入室47側から現像剤撹拌室46側への現像剤の移動を促すことができる。
【0058】
剤吸着ローラ61が回転しても、剤吸着ローラ61の側方では、現像剤層の現像剤が回収路49内壁とローラ表面との間隙を常に埋めているので、回収路49を閉塞させ続けることができる。よって、剤吸着ローラ61の回転によって現像剤の回収搬送を促しているときにも、回収路49内での空気の逆流を阻止することができる。
【0059】
[第3実施例]
図7は、第3実施例に係る画像形成装置の撹拌器における空気受入室47とその周囲構成とを示す拡大断面図である。同図において、導気路48と空気受入室47とを連通させる連通開口は、水平方向に向く姿勢で配設されている。この連通開口に対しては、フィルター部材50によって覆われている排気用開口が対向している。このように、連通開口を排気用開口に対向させるレイアウトは、装置の小型化に有利である。但し、連通開口から空気受入室47内に流入した空気が多量の現像剤を巻き込んだままの状態でフィルター部材50に至ってしまうため、フィルター部材50に対する現像剤入力量が比較的多くなってフィルター目詰まりが頻繁に発生してしまう。
【0060】
そこで、連通開口と排気用開口との間に障壁63を介在させ、空気中の現像剤を障壁63との衝突によって落下させることで、空気中から現像剤を積極的に分離している。そして、現像剤を落下させた後の空気を、フィルター部材50に通している。かかる構成では、装置の小型化を図りながら、フィルター目詰まりの頻度を少なくすることができる。
【0061】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、内部に収容しているトナー及びキャリアを含有する現像剤を用いて、画像形成装置の潜像担持体(例えば感光体2Y,M,C,K)に担持される潜像を現像する現像器(例えば現像器10Y)と、現像器とは別体として構成され、現像器から排出される現像剤を自らの現像剤撹拌室(例えば46)に受け入れて撹拌する撹拌器(例えば40)と、現像器から排出された現像剤を撹拌器に導入するための導入路(例えば導入管30)と、撹拌器から排出された現像剤を現像器に返送するための返送路(例えば返送管31)と、返送路の末端に接続された状態で返送路内に送気することで、撹拌器から返送路に排出された現像剤を現像器に向けて送る送気手段(例えばエアーポンプ60)と、導入路内又は撹拌器内にトナーを補給するためのトナー補給路(例えばトナー補給管21)とを有する現像装置において、現像剤撹拌室の空気を受け入れる空気受入室(例えば47)と、現像剤撹拌室から空気受入室に空気を導くための導気路(例えば48)と、空気受入室に設けられた排気用開口と、排気用開口を覆うフィルター部材(例えば50)と、空気受入室に進入した現像剤を現像剤撹拌室に戻して回収するための回収路(例えば49)とを設け、現像剤撹拌室の空気を空気受入室のフィルター部材に通して外部に逃がすようにしたことを特徴とするものである。
【0062】
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記空気受入室を前記現像剤撹拌室よりも鉛直方向の上側に配設し、前記現像剤撹拌室から前記空気受入室に進入した現像剤を、自重によって前記回収路を介して前記現像剤撹拌室に落下させるようにしたことを特徴とするものである。かかる構成では、特別な駆動源を駆動することなく、空気受入室47内の現像剤を現像剤撹拌室内に戻すことができる。
【0063】
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、前記導気路の横断面積を前記回収路の横断面積よりも大きくしたことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、現像剤撹拌室から回収路に空気が逆流するのを抑えて、逆流による現像剤の回収不良の発生を抑えることができる。
【0064】
[態様D]
態様Dは、態様B又は態様Cにおいて、現像剤撹拌室側から空気受入室側に向かう空気の流れであるエアー逆流を阻害する逆流阻害手段を前記回収路内に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、現像剤撹拌室から回収路に空気が逆流するのを回避して、逆流による現像剤の回収不良の発生を回避することができる。
【0065】
[態様E]
態様Eは、態様Dにおいて、前記逆流阻害手段として、前記回収路の横断面方向に延在する回転軸線を中心にして回転し、且つ所定の回転角度位置で前記回収路を閉塞する羽根車を用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、羽根車の回転によって回収路内で現像剤の空気受入室側から現像剤撹拌室側に向けての移動を促しながら、回収路に空気が逆流するのを回避することができる。
【0066】
[態様F]
態様Fは、態様Dにおいて、前記逆流阻害手段として、前記回収路の横断面方向に延在する回転軸線を中心にして回転駆動されながら、自らの回転周面に現像剤を吸着させる剤吸着ローラと、前記剤吸着ローラの下方の回収路箇所に配設され、前記回転周面から現像剤を掻き落とす掻き落とし部材とを具備するものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、剤吸着ローラの回転によって回収路内で現像剤の空気受入室側から現像剤撹拌室側に向けての移動を促しながら、回収路に空気が逆流するのを回避することができる。
【0067】
[態様G]
態様Gは、態様A〜Fの何れかにおいて、前記導気路と前記空気受入室とを連通させる連通開口を水平方向に向ける姿勢で配設し、前記排気用開口を前記連通開口との対向位置に配設し、前記連通口と前記排気用開口との間に介在する壁を前記空気受入室内に設け、且つ、前記壁にぶつかって重力落下した現像剤を直接受け入れる位置に前記回収路を配設したことを特徴とするものである。かかる構成では、既に説明したように、現像剤撹拌室から現像剤受入室に移動した空気中に含まれる現像剤を壁にぶつけて落とすことで、空気から積極的に分離することができる。
【符号の説明】
【0068】
2Y,M,C,Bk:感光体(潜像担持体)
10Y:現像器
21:トナー補給管(トナー補給路)
30:導入管(導入路)
31:返送管(返送路)
40:撹拌器
47:空気受入室
48:導気路
49:回収路
50:フィルター部材
60:エアーポンプ(送気手段)
61:羽根車(逆流阻害手段)
62:剤吸着ローラ(逆流阻止手段)
63:障壁(壁)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2008−299217号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容しているトナー及びキャリアを含有する現像剤を用いて、画像形成装置の潜像担持体に担持される潜像を現像する現像器と、前記現像器とは別体として構成され、前記現像器から排出される現像剤を自らの現像剤撹拌室に受け入れて撹拌する撹拌器と、前記現像器から排出された現像剤を前記撹拌器に導入するための導入路と、前記撹拌器から排出された現像剤を前記現像器に返送するための返送路と、前記返送路内に送気することで、前記撹拌器から前記返送路に排出された現像剤を前記現像器に向けて送る送気手段と、前記導入路内又は前記撹拌器内にトナーを補給するためのトナー補給路とを有する現像装置において、
前記現像剤撹拌室の空気を受け入れる空気受入室と、前記現像剤撹拌室から前記空気受入室に空気を導くための導気路と、前記空気受入室に設けられた排気用開口と、前記排気用開口を覆うフィルター部材と、前記空気受入室に進入した現像剤を前記現像剤撹拌室に戻して回収するための回収路とを設け、前記現像剤撹拌室の空気を前記空気受入室の前記フィルター部材に通して外部に逃がすようにしたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1の現像装置において、
前記空気受入室を前記現像剤撹拌室よりも鉛直方向の上側に配設し、前記現像剤撹拌室から前記空気受入室に進入した現像剤を、自重によって前記回収路を介して前記現像剤撹拌室に落下させるようにしたことを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項2の現像装置において、
前記導気路の横断面積を前記回収路の横断面積よりも大きくしたことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項2又は3の現像装置において、
現像剤撹拌室側から空気受入室側に向かう空気の流れであるエアー逆流を阻害する逆流阻害手段を前記回収路内に設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4の現像装置において、
前記逆流阻害手段として、前記回収路の横断面方向に延在する回転軸線を中心にして回転し、且つ所定の回転角度位置で前記回収路を閉塞する羽根車を用いたことを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項4の現像装置において、
前記逆流阻害手段として、前記回収路の横断面方向に延在する回転軸線を中心にして回転駆動されながら、自らの回転周面に現像剤を吸着させる剤吸着ローラと、前記剤吸着ローラの下方の回収路箇所に配設され、前記回転周面から現像剤を掻き落とす掻き落とし部材とを具備するものを用いたことを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかの現像装置において、
前記導気路と前記空気受入室とを連通させる連通開口を水平方向に向ける姿勢で配設し、前記排気用開口を前記連通開口との対向位置に配設し、前記連通口と前記排気用開口との間に介在する壁を前記空気受入室内に設けたことを特徴とする現像装置。
【請求項8】
表面に潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体上の潜像を現像する現像手段とを備える画像形成装置において、
前記現像手段として、請求項1乃至7の何れかの現像装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114181(P2013−114181A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262180(P2011−262180)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】