説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】初期駆動時における供給ローラ24にかかる負荷を抑制すること。
【解決手段】現像ローラ25の芯金25aに固着され現像駆動手段Mにより駆動される現像ローラ25駆動ギアと、供給ローラ24の芯金24aに隣接し駆動を伝達しない待機位置に保持される供給ローラ駆動ギア7と、供給ローラ駆動ギア7を供給ローラ24の方向に付勢する付勢部材11と、を有し、供給ローラ24の芯金24aと供給ローラ駆動ギア7とは互いに嵌合可能な構成で、現像ローラ25の初期駆動時に、現像ローラ25の芯金25aが所定角度の回転をすると、待機位置にある供給ローラ駆動ギア7が付勢部材により付勢されて供給ローラ24の芯金24aと嵌合する駆動位置に移動し、且つ供給ローラ駆動ギア7が現像ローラ25駆動ギアと係合することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤担持体にトナーを供給する供給部材を備えた現像装置及び当該現像装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置に適用される現像装置は、通常、像担持体上の静電潜像を現像するための現像ローラと、現像ローラに現像剤(トナー)を供給する供給ローラを具備する。
【0003】
一般的に、供給ローラは、多数の穴(発泡セル)が設けられているスポンジ状のローラを用い、現像ローラへ積極的にトナーを供給するために現像ローラとは逆回転方向に回転しながら当接していることが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
近年画像形成装置は小型化が進んでスペースをとらず、輸送時において様々な姿勢をとることが可能となっている。すると、本来の設置姿勢とは異なる状態で搬送される場合も多くなる。ここで、運搬過程で、舗装されていない悪路を経由する場合、画像形成装置が様々な姿勢で載置されつつ、振動の影響を受ける場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平07−181786
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トナーシールを持たない現像装置を有する画像形成装置は、新品状態において供給ローラの周囲にトナーが存在する。ここで、このような状況下において、輸送時の振動によってトナー供給部材内に過度にトナーが詰まり、使用時に供給ローラの駆動のトルクが上昇し、供給ローラに過度の負担がかかることがあった。
【0007】
次に新品時における供給ローラへの過剰なトナー詰まりについて具体的に説明する。図8は従来のトナー供給部における課題の説明図であり、(a)は供給ローラ及び現像ローラの芯金付近の断面図で、(b)は供給ローラと現像ローラの当接状態を示す図である。
【0008】
図8において、搬送時に供給ローラ124(現像剤供給部材)と現像ローラ125は当接した状態である。供給ローラ124は回転軸として導電性芯金128を有し、現像ローラ125は回転軸として導電性芯金129を有する。
【0009】
供給ローラ124への過剰なトナー詰まりは、供給ローラ124の長手方向に対し現像容器121の壁との距離が短く、且つ供給ローラ124端面と現像容器121の内壁との距離が振動によって変化することで特に起こりやすくなる。
【0010】
図8(a)に画像形成装置本体が縦置きされて、供給ローラ124が地面に対し鉛直方向に配置された状態を示す。ここで、供給ローラ124は長手方向にガタを持っている。このため、画像形成装置が運搬時に鉛直方向(図中矢印方向)に振動した時、供給ローラ124の端部と現像容器121の壁との間の距離が変化する。
【0011】
ここで、供給ローラ124の下端側の現像容器121の壁近傍に重力によって溜まったトナー112が、供給ローラ124の端面側から侵入する(図中上方向の矢印参照)。このため、トナー112が供給ローラ124に密に充填され、供給ローラ124の導電性芯金128の近傍までトナー112が侵入してしまう。
【0012】
一方、図8(b)に示す、現像ローラ125と供給ローラ124の当接ニップ部124bでは、供給ローラ124は圧縮されており、当接ニップ部以外の部分124aに比べてトナー112の侵入が少なくなっている。従って、当接ニップ部124bとそれ以外の部分124aとではトナー含有量が異なり、供給ローラ124の周方向に硬度ムラが生じる。その結果、当接ニップ部以外の部分124aでは、供給ローラ124の見かけの硬度が上昇し、駆動トルクが上昇する。
【0013】
また、供給ローラ124のスポンジ層は硬度上昇のため回動しづらい状況になっている。この状態において、供給ローラ124の初期駆動時に駆動入力部である供給ローラ124の導電性芯金128を回動させると、導電性芯金128とスポンジ層との間でねじれる力が働く。すると、供給ローラ124の内部に過度な負荷をかけることになる。
【0014】
本発明の目的は、初期駆動時における現像剤供給部材にかかる負荷を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための、本発明の代表的な構成は、
現像剤供給部材と現像剤担持体とが当接し前記現像剤供給部材から前記現像剤担持体へ現像剤を供給する現像装置において、
前記現像剤担持体の回転軸に固着され現像駆動手段により駆動される現像剤担持体駆動ギアと、
前記現像剤供給部材の回転軸に隣接し駆動を伝達しない待機位置に保持される現像剤供給部材駆動ギアと、
前記現像剤供給部材駆動ギアを前記現像剤供給部材の方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記現像剤供給部材の回転軸と前記現像剤供給部材駆動ギアとは互いに嵌合可能な構成で、
前記現像剤担持体の初期駆動時に、前記現像剤担持体の回転軸が所定角度の回転をすると、前記待機位置にある前記現像剤供給部材駆動ギアが前記付勢部材により付勢されて前記現像剤供給部材の回転軸と嵌合する駆動位置に移動し、且つ前記現像剤供給部材駆動ギアが前記現像剤担持体駆動ギアと係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記構成を有するため、初期駆動時における現像剤供給部材にかかる負荷を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図。
【図2】本実施形態に係る現像装置の概略構成図。
【図3】本実施形態に係る供給ローラと駆動ギアの概略構成図。
【図4】本実施形態に係る初期時の駆動部の状態を示す概略構成図。
【図5】本実施形態に係る初期時の駆動の概略構成図。
【図6】本実施形態に係る嵌合時の駆動部の状態を示す概略構成図。
【図7】本実施形態に係る嵌合時の駆動の概略構成図。
【図8】従来のトナー供給部における課題の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を例示する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。このため、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨のものではない。
【0019】
(画像形成装置)
図1を用いて画像形成装置の概略を説明する。図1は本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0020】
図1に示すように、画像形成装置は、感光体ドラム1(像担持体)を有する。感光体ドラム1の周囲には、帯電ローラ2、露光装置3、現像装置5(現像手段)等のプロセス手段が配設される。
【0021】
この構成により、感光体ドラム1は図1中の矢印R1方向に、100mm/secで回転している状態で、感光体ドラム1の表面上を帯電ローラ2が所定電位に帯電する。この状態において、色毎の画像信号に応じて、露光装置3から反射ミラー4を介して感光体ドラム1の露光位置Aに達する。これにより、感光体ドラム1上にレーザービームによる静電潜像が感光体ドラム1上に形成される。
【0022】
この静電潜像には、現像装置5に内包されるトナー(現像剤)が、感光体ドラム1の現像位置Cにおいて供給される。これにより、トナー像が感光体ドラム1上に形成される。尚、現像装置5はカートリッジ形態であり、画像形成装置本体に着脱可能に構成される。これにより、内包するトナーの消耗時には現像装置5の交換が可能である。
【0023】
感光体ドラム1の下部には、転写ローラ6が配置され、転写ローラ6よりも転写材P搬送方向下流側には定着器15が配置される。
【0024】
この構成により、上述のように感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、転写位置Bにおいて転写ローラ6によって転写材Pに転写され、その後、定着器15に送られる。定着器15において転写材Pに対して加圧及び加熱が行われると、トナー像は転写材Pに定着し、最終画像となる。
【0025】
尚、感光体ドラム1と転写ローラ6とが対向する転写位置に対して感光体ドラム1の移動方向下流には、クリーニング装置9が設置されている。付属のブレードが感光体ドラム1上のトナーを掻き落とす。このように、トナー像転写後の感光体ドラム1はクリーニングされる。
【0026】
(現像装置)
図2を用いて現像装置5を詳細に説明する。図2は本実施形態に係る現像装置の概略構成図である。
【0027】
図2に示すように現像装置5は、トナーを収納する現像容器21、現像容器21の開口部に配設される現像ローラ25(現像剤担持体)を有する。また現像装置5は、規制ブレード27、現像容器21の内部に現像ローラ25と隣接して設けられる供給ローラ24(現像剤供給部材)を有する。尚、新品状態においてこれらの部材と現像剤とを分離するトナーシールは設けていない。
【0028】
上述の構成により、現像ローラ25は、現像動作中において感光体ドラム1と接触した状態で回転する。現像ローラ25と供給ローラ24は、駆動入力ギア8(図5参照)から駆動伝達される。このため、供給ローラ24と現像ローラ25とは、同じタイミングで回転の開始や停止が行なわれる。
【0029】
図2に示すように、供給ローラ24と現像ローラ25とはそれぞれ同じ方向に回転する。この構成において、供給ローラ24と現像ローラ25との当接面においては、互いに対向する方向(カウンタ方向)に移動することになる。このため、供給ローラ24と現像ローラ25の当接ニップ部は摩擦力が高い状態となる。
【0030】
現像動作終了後は、画像形成装置本体に設けられたカム20が回転する。そして、カム20の一端が現像容器21の上部を押すと、現像ローラ25が感光体ドラム1から離間する。現像装置5の感光体ドラム1からの離間後、駆動装置の停止によって供給ローラ24及び現像ローラ25の回転駆動を停止する。
【0031】
本実施形態の現像ローラ25は、φ8(mm)の導電性の芯金25a(回転軸)と、その周囲に形成されるシリコンゴムを基層とした導電性弾性層25bとで構成され、その表層はアクリル・ウレタン系ゴム層にて覆われる。現像ローラ25の外径はφ13(mm)、体積抵抗は約10Ω・cmである。
【0032】
図2に示すように、現像動作中における現像ローラ25は、現像位置Cで感光体ドラム1に接触し、図2中の矢印R4方向に回転駆動するように現像容器21に支持される。現像ローラ25の回転速度(周速)は160mm/secである。
【0033】
供給ローラ24は、φ6(mm)の導電性の芯金24a(回転軸)と、その周囲に形成される柔らかい連続気泡体からなるウレタンスポンジ層24b(発泡表層)から構成される。供給ローラ24の外径はφ15(mm)、体積抵抗は約10Ω・cmである。
【0034】
本実施形態では、現像ローラ25の芯金25aの中心と、供給ローラ24の芯金24aの中心との距離(以下、中心間距離)を13mmとする。また、現像ローラ25の表面が供給ローラ24のウレタンスポンジ層24bを、1.0mmほどの侵入量で押し込むように設置する。ここで侵入量とは、芯金25aの中心と芯金24aの中心間を結ぶ線分上で、供給ローラ24と現像ローラ25の外径の和から上記中心間距離を差し引いて2で割った長さである。
【0035】
供給ローラ24は、図2中の矢印R5方向に回転駆動するように現像容器21に支持される。画像形成中において、供給ローラの回転速度(周速)は、140mm/secである。
【0036】
規制ブレード27は、可撓性を持ったリン青銅板金から成る。その一端は現像容器21に固定され、他端は自由端として現像ローラ25に当接される。現像ローラ25の回転方向に対して対向する方向となる向きで、自由端近傍の平滑面が現像ローラ25の表面と摺擦するように配設される。その他、現像ローラ25と現像容器21の隙間を覆う洩れ防止シール26が設けられる。
【0037】
ここで、供給ローラ24と現像ローラ25がそれぞれ所定の速度で回転している際の、供給ローラ24のウレタンスポンジ層とその周りの空気中に分散されたトナーの挙動を説明する。
【0038】
供給ローラ24と現像ローラ25の接触位置に対して、供給ローラ24の回転方向上流側にある領域(図2中のXの近傍)では、供給ローラ24が圧縮される。このように、X近傍においては供給ローラ24が圧縮されるため、供給ローラ24に吸い込まれていたトナーが空気と共に吐き出される。
【0039】
一方、回転方向下流側にある領域(図2中のYの近傍)では、供給ローラ24は圧縮状態から開放される。このように、Y近傍においては供給ローラ24が圧縮状態から開放されて元の形状に戻る際、空気中に分散されたトナーが、供給ローラ24のウレタンスポンジ層24b内に吸い込まれる。このとき、従来の構成では上述のような課題が生じていた。
【0040】
そこで、本実施形態では、初期の動作時における供給ローラへの負荷を防止するため、過剰に詰まったトナーを吐き出すべく、供給ローラ24に負荷を与えずにトナーを吐き出す方法を見出した。具体的には、次に示すように、初期動作時にのみ供給ローラ24を現像ローラ25に対し従動して回転させる。
【0041】
(供給ローラと供給ローラ駆動ギア)
以下に本実施形態における、発明の特徴部分である供給ローラ24と供給ローラ駆動ギア7の構成を図を用いて述べる。図3は本実施形態に係る供給ローラと駆動ギアの概略構成図である。
【0042】
図3に示すように、供給ローラ24と供給ローラ駆動ギア7(現像剤供給部材駆動ギア)とは嵌合可能に構成される。具体的には、芯金24aの先端に、図3に示すように切欠部24a1が設けられる一方で、供給ローラ駆動ギア7には嵌合穴7aが形成される。そして、供給ローラ駆動ギア7と、これと係合する駆動入力ギア8(後述)とが係合することで、供給ローラ24に駆動が伝達される。
【0043】
次に、本実施形態を達成するための方法を、図を用いて説明する。図4は本実施形態に係る初期未嵌合時の駆動の概略図であり、(a)が駆動の伝達を説明する図、(b)が駆動部の嵌合関係を示す図である。
【0044】
本実施形態の供給ローラ24は、新品状態(初期時)のときのみ、駆動が伝達されないように構成される。具体的には、図4(a)の破線部で示すように、供給ローラ24の導電性の芯金24aの端部の切欠部24a1と、供給ローラ駆動ギア7の嵌合穴7aとの嵌め合いの位相をずらす。そして、図4(b)に示すように供給ローラ24の芯金24aの回転方向に対して位相をずらしつつ、バネ等の付勢部材11(後述)によって供給ローラ駆動ギア7の内側端面を芯金24aの端面に突き当てる。このように、供給ローラ24の芯金24aが所定角度回転しないと、供給ローラ駆動ギア7の嵌合穴7aと嵌合しない構成となっている。
【0045】
ここで、ずらす位相に対応する距離は、少なくとも供給ローラ24の1周分から供給ローラ24と現像ローラ25の当接ニップ部の距離だけ差し引いた距離よりも大きくなければならない。本実施形態においては、現像ローラ25と供給ローラ24の当接ニップ部の距離は略5mmである。またこの距離に対応する角度は、少なくとも略40°である。このため、距離にして略35mm、角度にして略320°以上の位相差を設ける必要がある。即ち、位相としては、少なくとも、回転体1周分の角度から現像ローラ25と供給ローラ24との当接ニップ部に相当する角度を差し引いた角度であることが必要である。
【0046】
この構成により、画像形成装置の新品時における供給ローラ24の初期駆動時について説明する。図5は本実施形態に係る初期時の駆動の概略構成図である。
【0047】
まず、図5を用いて、駆動部周りの構成の説明をする。供給ローラ24は現像ローラ25と当接する。現像ローラ25の芯金25aには、現像ローラ駆動ギア10(現像剤担持体駆動ギア)が固着配設される。そして、現像ローラ25は、現像ローラ駆動ギア10と噛み合う駆動入力ギア8からの駆動力により回転駆動する。尚、駆動入力ギア8の駆動力は現像駆動手段Mから供給される。
【0048】
図5に示すように、供給ローラ駆動ギア7は、供給ローラ24の長手の外側から中心方向に向かって供給ローラ駆動ギア7をバネ等の付勢部材11によって付勢される。従って、芯金24aと供給ローラ駆動ギア7が嵌合しない状態(図4(b)の状態)において、供給ローラ24には現像ローラ25からのみ駆動が伝わる。芯金24aと供給ローラ駆動ギア7が嵌合しない場合、供給ローラ駆動ギア7は、付勢部材11からの付勢を受けつつ、芯金24aに隣接し駆動を伝達しない位置(待機位置)に保持される。
【0049】
芯金24aと供給ローラ駆動ギア7が嵌合しない状態において、供給ローラ24と現像ローラ25との当接部の摩擦力が駆動力となり、供給ローラ24は、現像ローラ25に従動する。ここで、供給ローラ24が現像ローラ25に従動回転することによって、図2中のYの近傍において供給ローラ24が圧縮される。これにより、供給ローラ24に過剰に詰まったトナーTを現像容器21中に吐き出すことができ、駆動時に供給ローラ24にかかる負荷を軽減する。
【0050】
図6及び図7を用いて供給ローラ24へ駆動が入力された後の状態を示す。図6は本実施形態に係る嵌合時の駆動の概略図であり、(a)が駆動の伝達を説明する図、(b)が駆動部の嵌合関係を示す図である。図7は本実施形態に係る嵌合時の駆動の概略構成図である。
【0051】
まず、駆動入力ギア8が現像ローラ25を駆動し、供給ローラ24が従動する。その後、従動回転の途中で、図6に示すように、供給ローラ24の芯金24aの切欠部24a1の切欠形状と供給ローラ駆動ギア7に形成された嵌合穴7aの形状の位相が合う状態となる。すると、図7に示すように、付勢部材11に付勢される供給ローラ駆動ギア7は芯金24aと嵌合する。このように、供給ローラ駆動ギア7が供給ローラ24と嵌合した位置を駆動位置という。
【0052】
また供給ローラ駆動ギア7が駆動位置に移動することで、図7に示すように、供給ローラ駆動ギア7と駆動入力ギア8とが係合する。供給ローラ駆動ギア7と駆動入力ギア8が係合することによって、駆動入力ギア8からは、供給ローラ24に対しても駆動が入力される。
【0053】
このように、本実施形態においては、現像装置5が新品状態の時のみ、供給ローラ24が現像ローラ25に対して従動回転する。すると、現像ローラ25と供給ローラ24との当接部分に過剰な負荷がかかることがなくなる。且つ、供給ローラ24内のトナーTを現像容器21内に吐き出すことが出来る。
【0054】
本記実施形態では、供給ローラ駆動ギア7が芯金24aと嵌合した後、供給ローラ駆動ギア7が駆動入力ギア8と係合して駆動が伝達される。しかしながらこれに限るものではなく、嵌合と係合が同時に行われる構成においても、同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
また、現像装置5の新品状態時に供給ローラ24に駆動を伝達させない方法に関して述べているが、これに限るものでもない。即ち、供給ローラ24の代わりに現像ローラ25を新品状態時に駆動させずに従動させる構成にしても、同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
尚、本実施形態では現像剤をトナーとしたが、これに限るものではない。例えば、現像剤をトナーとキャリアとの混合物としてもよい。
【符号の説明】
【0057】
M…現像駆動手段
5…現像装置
7…供給ローラ駆動ギア
8…駆動入力ギア
10…現像ローラ駆動ギア
11…付勢部材
24…供給ローラ
24a…芯金
24a1…切欠部
25…現像ローラ
25a…芯金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤供給部材と現像剤担持体とが当接し前記現像剤供給部材から前記現像剤担持体へ現像剤を供給する現像装置において、
前記現像剤担持体の回転軸に固着され現像駆動手段により駆動される現像剤担持体駆動ギアと、
前記現像剤供給部材の回転軸に隣接し駆動を伝達しない待機位置に保持される現像剤供給部材駆動ギアと、
前記現像剤供給部材駆動ギアを前記現像剤供給部材の方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記現像剤供給部材の回転軸と前記現像剤供給部材駆動ギアとは互いに嵌合可能な構成で、
前記現像剤担持体の初期駆動時に、前記現像剤担持体の回転軸が所定角度の回転をすると、前記待機位置にある前記現像剤供給部材駆動ギアが前記付勢部材により付勢されて前記現像剤供給部材の回転軸と嵌合する駆動位置に移動し、且つ前記現像剤供給部材駆動ギアが前記現像剤担持体駆動ギアと係合することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤供給部材の回転軸の端部には切欠部が形成され、
前記現像剤供給部材駆動ギアには前記切欠部と嵌合可能な嵌合穴が形成されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
現像剤供給部材と現像剤担持体とが当接し前記現像剤供給部材から前記現像剤担持体へ現像剤を供給する現像装置において、
前記現像剤供給部材の回転軸に固着され現像駆動手段により駆動される現像剤供給部材駆動ギアと、
前記現像剤担持体の回転軸に隣接し駆動を伝達しない待機位置に保持される現像剤担持体駆動ギアと、
前記現像剤担持体駆動ギアを前記現像剤担持体の方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記現像剤担持体の回転軸と前記現像剤担持体駆動ギアとは互いに嵌合可能な構成で、
前記現像剤供給部材の初期駆動時に、前記現像剤供給部材の回転軸が所定角度の回転をすると、前記待機位置にある前記現像剤担持体駆動ギアが前記付勢部材により付勢されて前記現像剤担持体の回転軸と嵌合する駆動位置に移動し、且つ前記現像剤担持体駆動ギアが前記現像剤供給部材駆動ギアと係合することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
前記現像剤担持体の回転軸の端部には切欠部が形成され、
前記現像剤担持体駆動ギアには前記切欠部と嵌合可能な嵌合穴が形成されることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記所定角度とは、少なくとも、回転体1周分の角度から前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材との当接ニップ部に相当する角度を差し引いた角度であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
像担持体と、前記像担持体の静電潜像に現像剤を供給する現像手段と、を有する画像形成装置において、
前記現像手段は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−41074(P2013−41074A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177405(P2011−177405)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】