説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】現像装置から媒体が搬出された後に、カールした媒体が現像装置の媒体搬出側の筐体に接触してしまい、媒体面上の未定着のトナー像が擦れてしまうことを防止する。
【解決手段】画像信号に基づいて静電潜像担持体に静電潜像を現像する現像部と、静電潜像を媒体に転写する転写部と、静電潜像が転写されて搬出された媒体の静電潜像担持体をカバーする筐体との接触を規制し、媒体を搬送路に導くガイドプレート1とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に関するものである。例えば、本発明は、媒体上に画像を形成する画像形成装置と、当該画像形成装置を構成する現像装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置は、現像装置が媒体上にトナー像を形成し、この未定着のトナー像が形成された媒体が定着器に搬送され、定着器が未定着のトナー像を媒体に定着させている。
【0003】
現像装置からの媒体は各種ローラにより加圧されるので、媒体がカールしてしまうことがある。そのため、定着器に正しく搬送されず、トナー像の定着前に、未定着のトナー像が擦れを起こしたり、媒体詰まりを起こしたりすることがある。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、媒体が現像装置から定着器に搬送される途中で、カールした媒体を正しく定着器にガイドするガイド手段を備えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−338290号公報
【特許文献2】特開2009−7080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1及び特許文献2は、定着器に搬送される媒体が、正しく定着器に搬送されるようにガイドするものである。
【0007】
しかしながら、現像装置から媒体が排出された直後においても、カールした媒体が現像装置の媒体搬出側の筐体に触れてしまい、媒体面上の未定着のトナー像が擦れてしまうことがある。
【0008】
例えば、媒体のカールは、使用する媒体の性質によって大きく異なる。例えば、再生紙や特殊な用紙を媒体とする場合には、大きなカールが発生してしまい、現像装置から排出されたときに、現像装置の筐体に媒体が接触してしまうことがある。
【0009】
このような場合、転写部によりトナー像が媒体に転写されて、媒体が現像装置から搬出されるときに、カールした媒体面が搬出の下流側にある筐体に当たってしまい、媒体面上の未定着のトナー像が擦れてしまう画像擦れが生じることがある。
【0010】
そこで、本発明は、現像装置から媒体が搬出された後に、カールした媒体が現像装置の媒体搬出側の筐体に接触してしまい、媒体面上の未定着のトナー像が擦れてしまうことを防止しようとする現像装置及び画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、(1)画像信号に基づいて静電潜像担持体に静電潜像を現像する現像部と、(2)静電潜像を媒体に転写する転写部と、(3)静電潜像が転写されて搬出された媒体の静電潜像担持体をカバーする筐体との接触を規制し、媒体を搬送路に導くガイド部とを備えることを特徴とする現像装置である。
【0012】
第2の本発明は、(1)画像信号に基づいて静電潜像担持体に静電潜像を現像する現像部と、(2)静電潜像を媒体に転写する転写部と、(3)媒体に転写された静電潜像を媒体に定着させる定着部と、(4)静電潜像が転写されて搬出された媒体の静電潜像担持体をカバーする筐体との接触を規制し、媒体を前記定着部までの搬送路に導くガイド部とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、現像装置から媒体が搬出された後に、カールした媒体面が現像装置の媒体搬出側の筐体に接触してしまい、媒体面上の未定着の静電潜像が擦れてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態における画像形成装置の内部構成を示す内部構成図である。
【図2】第1実施形態における現像装置の外観側面を示す外観側面図である。
【図3】第1実施形態における現像装置の内部構成を示す断面図である。
【図4】第1実施形態における現像装置の下部側から見た外観斜視図である。
【図5】従来の画像形成装置において、カールが発生していない場合の媒体の搬送を説明する説明図である。
【図6】従来の画像形成装置において、カールが発生した場合の媒体の搬送を説明する説明図である。
【図7】第1実施形態のガイドプレートを有する画像形成装置において、カールが発生した場合の媒体の搬送を説明する説明図である。
【図8】第2実施形態における画像形成装置の画像形成部の断面図及び媒体の挙動を説明する説明図である(その1)。
【図9】第2実施形態における画像形成装置の画像形成部の断面図及び媒体の挙動を説明する説明図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の現像装置及び画像形成装置の第1の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
(A−1)第1の実施形態の構成
(A−1−1)画像形成装置の構成
図1は、第1の実施形態の画像形成装置100の内部構成を示す内部構成図である。
【0017】
図1において、画像形成装置100は、カセット部202、給紙ローラ201、搬送ローラ207、現像装置110、加熱ローラ21及び加圧ローラ22を有する画像定着器20、制御部130、分離フレーム部204、通過センサレバー208、媒体搬出センサレバー210、排出センサレバー215、排出ローラ216、スタッカ220を有する。
【0018】
現像装置110は、画像データに基づいて感光ドラム9(静電潜像担持体)にトナー像(静電潜像)を形成し、そのトナー像を媒体203上に転写するものである。現像装置110は、図1に示すように、感光ドラム9を有する現像ユニット10(現像部)と、転写ローラ8(転写部)とを有するものである。
【0019】
画像形成部120は、現像装置110と、加熱ローラ21及び加圧ローラ22を有する画像定着器20(定着部)とを有するものである。なお、図1では、画像形成部120が、現像装置110及び画像定着器20に加えて、現像装置110と画像定着器20との間に媒体搬送装置30を有する場合を例示する。
【0020】
図1において、第1の実施形態の画像形成装置100は、PC(Personal Computer)等の上位装置と接続し、上位装置から画像データ及び制御情報を受け取り、制御情報に従って画像データに基づく画像を媒体203上に形成するものである。画像形成装置100は、画像形成装置100の画像形成処理を制御する制御部130を有する。
【0021】
制御部130は、例えば、マイクロコンピュータ等を有して構成される装置である。制御部130は、各構成要素への電源供給制御、各種ローラを回転させるためのモータ駆動制御、媒体搬送装置30への媒体203の吸引指示、各種センサ(例えば、媒体搬出センサ、通過センサ、排出センサ等)からのセンサ情報に基づく印刷制御等を行なうものである。
【0022】
画像形成装置100において、上位装置から画像データが与えられると、画像データがメモリに記憶される。そして、制御部130の制御により、給紙ローラ201が回転し、カセット部202に置かれている媒体203が給紙される。
【0023】
このとき、給紙ローラ201が媒体203を給紙すると共に、制御部130の制御により、感光ドラム9と、転写ローラ8と、排出ローラ216と、媒体搬送装置30が有するファン(媒体吸引部)と、画像定着器20が有する加熱ローラ21及び加圧ローラ22とが、回転を開始する。
【0024】
給紙ローラ201により給紙された媒体203は、分離フレーム部204に与えられる。分離フレーム部204は、媒体203を1枚毎に分離するものであり、給紙ローラ201の回転により、媒体203が媒体搬送経路の下流に搬送される。ここで、媒体203の搬送経路において、カセット202側を上流とし、スタッカ220側を下流とする。
【0025】
分離フレーム部204により分離された媒体203は、2組の搬送ローラ207に送られる。2組の搬送ローラ207のうち下部の1組の搬送ローラ207が回転することにより、媒体203は搬送され、通過センサレバー208は、搬送される媒体203の先端が到達したことを検知する。
【0026】
現像ユニット10は、通過センサレバー208により媒体203が検知されると、当該媒体203に形成する画像のトナー像を感光ドラム9に形成する。すなわち、現像ユニット10は、メモリに記憶される画像データに基づいて感光体ドラム9の表面にトナー像を形成する。
【0027】
搬送ローラ207により搬送された媒体203が現像ユニット10に与えられると、現像装置110では、感光体ドラム9と転写ローラ8とが回転し、感光体ドラム9の表面上のトナー像が媒体203に転写される。
【0028】
現像装置110において、トナー像が媒体203に転写されると、その媒体203は、媒体搬送装置30により、搬送経路の下流の画像定着器20に搬送される。例えば、媒体搬送装置30はファン等の媒体吸引部を有しており、媒体吸引部の吸引力により、カールされた媒体203が搬送経路に吸引されるようになっている。
【0029】
画像定着器20において、搬送された媒体203は、加熱ローラ21及び加圧ローラ22により定着処理される。
【0030】
画像定着器20による定着処理がなされた後、回転する排出ローラ216により媒体203は搬送され、画像形成装置100の上面に設けられたスタッカ220上に排出される。これにより、画像形成装置200における印刷処理は終了する。
【0031】
(A−1−2)現像装置110の構成
次に、現像装置110の構成について図面を参照しながら説明する。
【0032】
図2は、現像装置110の外観側面を示す外観側面図である。図2において、現像装置110は、トナーを封止するトナー容器7、現像ユニット10を覆う筐体11、筐体11の搬送下流側に設けられたガイドプレート1、転写ローラ8を有する。
【0033】
図3は、現像装置110の内部構成を示す断面図である。図3において、現像ユニット10は、筐体11の内部に、感光ドラム9を有する。図3において、感光ドラム9に記載の矢印は、感光ドラム9の回転方向を示す。また、図3の転写ローラ8に記載の矢印は、転写ローラ8の回転方向を示す。
【0034】
ガイドプレート1は、筐体11の搬送下流側にある水平方向の当接部12と接するプレートである。ガイドプレート1は、感光ドラム9及び転写ローラ8からカールされた媒体203が搬出された場合、そのカールされた媒体203の先端と接触し、媒体203が筐体11に接触することを規制するものである。これにより、従来、上方向に強烈にカールされた媒体203が筐体11と接触することで生じ得る画像の擦れを防止することができる。
【0035】
ガイドプレート1の設置の方法は、カールされた媒体203が筐体11と接触しないようにすることができれば、種々の方法を適用することができるが、例えば、図3に示すようにすることができる。
【0036】
例えば、図3に示すように、筐体11の搬送下流側の構成として、略水平方向の当接部12を有する。ガイドプレート1は、当該ガイドプレート1の片面が筐体11の当接部12と当接するように設けられている。例えば、ガイドプレート1と当接部12とは、例えば、接着部材等を用いて接着させるようにしてもよいし、また例えば嵌合部等を設けて取り外し可能なようにしてもよい。
【0037】
なお、ガイドプレート1の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステル、PET等の樹脂部材であってもよいし、金属部材であってもよい。
【0038】
また、図3に示すように、ガイドプレート1は、ガイドプレート1の一方の端部(図3の左端部)と感光ドラム9との間の隙間ができるだけ小さくなるようにして設ける。これは、強烈にカールした媒体203が、ガイドプレート1の一方の端部の角に当たってしまい画像の擦れが生じ得るからである。そこで、ガイドプレート1の一方の端部と感光ドラム9との間の隙間ができるだけ小さくなるように、ガイドプレート1を設ける。例えば、図3において、ガイドプレート1の延長線上で感光ドラム9と接する点と、ガイドプレート1の一方の端部との間の長さをLとすると、長さLは1mm〜3mm程度であることが望ましく、特に1mm程度であることが好ましい。
【0039】
また、ガイドプレートの媒体搬送方向の長さは、媒体203の自重により、媒体203の先端がガイドプレート1から離脱可能な程度の長さとする。例えば、第1の実施形態の例の場合、ガイドプレート1の媒体搬送方向の長さをLとすると、長さLは10mm〜15mm程度であることが望ましい。
【0040】
図4は、現像装置110の下部側から見た外観斜視図である。図4に示すように、ガイドプレート1の長辺の長さL3は、転写ローラ8の長手方向と同じ程度とすることができ、例えば、250mm〜350mm程度とすることができる。
【0041】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の画像形成装置100における現像装置110の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0042】
図5は、従来の画像形成装置において、カールが発生しない場合の媒体203の搬送を説明する説明図である。
【0043】
図5において、媒体203にカールが発生しない場合、媒体203が現像ユニット10に搬送されると(図5(A)参照)、媒体203は感光ドラム9及び転送ローラ8により挟持搬送されながら、媒体203上にトナー像が転写される(図5(B)参照)。従って、媒体203は、現像装置110から媒体搬送装置30に排出され、画像定着器20に搬送される(図5(C)参照)。
【0044】
図6は、従来の画像形成装置において、カールが発生した場合の媒体203の搬送を説明する説明図である。
【0045】
図6において、媒体203にカールが生じた場合、媒体203が現像ユニット10に搬送されると(図6(A)参照)、媒体203は、感光ドラム9及び転写ローラ8により挟持搬送されながら、媒体203上にトナー像が転写される(図6(B)参照)。
【0046】
感光ドラム9及び転送ローラ8により挟持搬送され、媒体203にカールが生じると、カールされた媒体203の先端が、現像ユニット10の筐体11の感光ドラム9をカバーする部分に接触してしまう(図6(C)参照)。
【0047】
その後、感光ドラム9及び転送ローラ8から媒体203が搬出されると、カールされた媒体203の先端が、現像ユニット10の筐体11の底部を擦りながら移動してしまうので(図6(D)参照)、カールされた媒体203の面上の未定着のトナー像は、現像ユニット10の筐体11と擦れてしまう(図6(E)参照)。つまり、媒体203上の未定着のトナー像が擦れることで、画像の擦れが生じてしまう。
【0048】
さらに、媒体203の搬出が進むと、媒体203の自重により、媒体203の曲率が大きくなり、筐体11と接していた媒体203の部分が筐体11から離れ、そのまま媒体203が搬出される(図6(F)参照)。
【0049】
このように、従来の画像形成装置において、カールが発生すると、媒体203が筐体11の底部と接触してしまい、筐体11と擦れた部分の画像が擦れてしまう。
【0050】
図7は、第1の実施形態のガイドプレート1を有する画像形成装置100において、カールが発生した場合の媒体203の搬送を説明する説明図である。
【0051】
図7において、媒体203が現像ユニット10に搬送されると(図7(A)参照)、媒体203は、感光ドラム9及び転写ローラ8により挟持搬送されながら、媒体203上にトナー像が転写される(図7(B)参照)。
【0052】
感光ドラム9及び転写ローラ8により挟持搬送され、媒体203上にカールが生じると、カールされた媒体203の先端が、ガイドプレート1に接触する(図7(C)参照)。
【0053】
その後、感光ドラム9及び転送ローラ8から媒体203が搬出されると、カールされた媒体203の先端がガイドプレート1を擦りながら、媒体203は上流方向に移動する(図7(D)参照)。
【0054】
さらに、媒体203の搬出が進むと、媒体203の自重により、媒体203の曲率が大きくなる。このときも、媒体203の先端は、ガイドプレート1と接触しながら移動していく(図7(E)参照)。
【0055】
このとき、媒体203の面はカールにより凹んでいるので、ガイドプレート1には媒体203の先端のみが接触し、媒体203上の転写された面上の部分がガイドプレート1に接触することはない。
【0056】
そして、カールされた媒体203の先端がガイドプレート1に沿って移動していくと、媒体203の自重により、媒体203の曲率が大きくなり、ガイドプレート1に接触していた媒体203の先端は、ガイドプレート1からから離れ、そのまま媒体203が搬出される(図7(F)参照)。
【0057】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、現像ユニットの筐体の媒体搬出側に、ガイドプレートを設けることにより、媒体の先端をガイドプレートの面で受けて、搬送方向に媒体を移動させることができる。その結果、第1の実施形態によれば、カールされた媒体が現像装置から搬出されるときでも、現像ユニットの筐体に媒体面が接触して、画像擦れを起こす現象を防止することができる。
【0058】
また、第1の実施形態によれば、ガイドプレートの媒体搬送方向の長さが、媒体の自重で先端がガイドプレートから離脱できる程度の長さとすることで、媒体の先端をガイドプレートの面で受けている間は、媒体上の転写面は、凹んでいるため、転写面がガイドプレートに接触することはないので、画像の擦れを防止することができる。
【0059】
(B)第2の実施形態
次に、本発明の現像装置及び画像形成装置の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0060】
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態は、ガイドプレートの媒体搬送方向の長さを、現像ユニットから画像定着器の近傍まで延設する点で、第1の実施形態と異なる。それ以外の構成は、第1の実施形態と同じであるので、以下では、第2の実施形態の特徴的な構成を中心に説明する。
【0061】
図8は、第2の実施形態の画像形成装置100の画像形成部120の第1の断面図及び媒体の挙動を説明する説明図である。
【0062】
図8において、第2の実施形態の画像形成部120は、第1の実施形態と同様に、感光ドラム9を有する現像ユニット10、転写ローラ8、媒体搬送装置30、加熱ローラ21及び加圧ローラ22を有する画像定着器20を有する。
【0063】
現像ユニット10の筐体11の搬送下流側には、当接部12と接するようにガイドプレート2が設けられている。ガイドプレート2は、当接部12と接していればよく、第1の実施形態と同様に、例えば、接着部材等によりガイドプレート2が当接部12に接着されていてもよいし、例えば、嵌合部等を設けて取り外し可能なようにしてもよい。
【0064】
ガイドプレート2は、現像ユニット10の搬出位置近傍から画像定着器20の搬入位置近傍までに亘って、媒体203の搬送をガイドするものである。ガイドプレート2が画像定着器20の搬入位置の近傍まで延設されることにより、カールされた媒体203を正しく画像定着器20まで搬送することができる。また、ガイドプレート2の端部が、画像定着器20の筐体と接するように、ガイドプレート2を設けるようにしてもよい。
【0065】
ガイドプレート2の搬送方向の長さL4は、現像ユニット10と画像定着器20との位置関係にもよるが、例えば180mm〜220mm程度とすることができる。
【0066】
また、ガイドプレート2は、媒体203の搬送空間が、搬送方向に向かって(すなわち、上流から下流に向かって)広くなるようにして設ける。
【0067】
例えば、図8の例では、ガイドプレート2は、現像ユニット10の媒体203の搬出位置から所定長だけ水平方向に延ばし、その後搬送方向に沿って斜め上方向に延ばすようにして設けている。なお、水平方向に延びる区間がなく、ガイドプレート2が、現像ユニット10から画像定着器20まで斜め上方向に延びる傾斜を持たせて設けるようにしてもよい。
【0068】
また、図8の例の場合、ガイドプレート2の水平方向の区間長は、全体長のおよそ1/3程度であり、斜め上方向の区間長は、全体長のおよそ2/3程度である場合を例示している。なお、水平方向の区間長及び斜め上方向の区間長は、特に限定されるものではなく、画像形成装置100の構成態様に応じて決めることができる。
【0069】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、第2の実施形態の画像形成装置100における現像装置110の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0070】
第2の実施形態の現像装置110の動作は、基本的には第1の実施形態と同じであるので、以下では、第2の実施形態のガイドプレート2を設けたことにより、媒体203の挙動説明を中心に説明する。
【0071】
図9は、第2の実施形態の画像形成装置100の画像形成部120の第2の断面図及び媒体の挙動を説明する説明図である。
【0072】
図9に示す画像形成部120が図8に示す画像形成部120と異なる点は、図8に示すガイドプレート2は、上述したように、媒体203の搬送空間が広がるように斜め上方向に延ばしているのに対して、図9に示すガイドプレート3は、画像定着器20の搬入位置の近傍まで水平方向に延設されている点である。
【0073】
現像ユニット10からカールされた媒体203が搬出され得る。このとき、媒体全体に亘って大きなカールが発生した場合がある。例えば、裏面と表面に施す加工処理が異なる再生紙や特殊な用紙等のような媒体203を用いた場合に、裏面の伸びと表面の伸びとが大きく異なり、媒体全体に大きなカールが発生する場合がある。
【0074】
このような場合、媒体203の自重によっても先端が下がらず、先端がガイドプレートに接触したまま媒体203が移動することがある。
【0075】
図9に示すガイドプレート3が水平方向に延設されているものである場合、全体に大きなカールが発生した媒体203は、その先端がガイドプレート3と接触しながら搬送方向に移動することになる。
【0076】
しかし、図9に示すように、ガイドプレート3と媒体搬送装置30とに挟まれたダクト状の搬送空間では、全体に大きなカールが発生しているので、媒体203の先端が狭い空間に押さえ込まれ、媒体203の中央部付近で反り返ってしまう。そのため、中央部付近の媒体203の表面がガイドプレート3と接触してしまい、その部分の未定着のトナー像が擦れてしまう場合がある。
【0077】
これに対して、図8に示すガイドプレート2が搬送方向に向かって搬送空間が広がるように設けられている場合、狭い搬送空間は、媒体203の搬送方向に進むに従って広くなっているため、媒体203の反り返しを緩和することができる。従って、中央部付近の媒体203の表面がガイドプレート3と接触することなく、その部分の未定着のトナー像が擦れを防止することができる。
【0078】
(B−3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、現像ユニットから画像定着器までの媒体の搬送ルートの上部をガイドプレートでつなぎ、媒体の搬送の上流から下流に向かって広くすることにより、全体に大きなカールが発生した媒体の画像擦れを防止することが可能となる。
【0079】
(C)他の実施形態
上述した第1及び第2の実施形態では、ガイドプレートが、感光ドラム及び転写ローラを有する現像装置から画像定着器までの搬送路をガイドするものとして例示したが、一般的に媒体の表面を擦らせない媒体搬送方法として、媒体を扱う装置に適用可能である。
【0080】
上述した第1の実施形態では、現像ユニットの筐体にガイドプレートを設ける場合を例示した。しかし、筐体の当接部自体の形状が、媒体の搬送方向に延びる形状であってもよい。
【0081】
上述した第1及び第2の実施形態に示す画像形成装置は、媒体に画像を形成するものであれば、例えば、プリンタ、MFP(マルチファンクショナルペリフェラル)など種々の機器を適用することができる。
【0082】
上述した第2の実施形態に示すガイドプレートは、搬送方向に向かって搬送空間が広くなるように配設される場合の一例として、配送方向に向かってガイドプレートが斜め上方向に延びたものを例示した。ガイドプレートの構成は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、他の構成例として、ガイドプレートが所定の曲率により下に凸の湾曲形状であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
100…画像形成装置、110…現像装置、120…画像形成部、
1、2及び3…ガイドプレート、11…筐体、12…当接部、
8…転写ローラ、9…感光ドラム、10…現像ユニット、
20…画像定着器、21…加熱ローラ、22…加圧ローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号に基づいて静電潜像担持体に静電潜像を現像する現像部と、
前記静電潜像を媒体に転写する転写部と、
前記静電潜像が転写されて搬出された前記媒体の前記現像部の筐体との接触を規制し、前記媒体を搬送路に導くガイド部と
を備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記ガイド部が、前記現像部の筐体の搬出側に設けられており、前記搬送路に対向して配設されたプレートであることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記ガイド部が、前記現像部の搬出位置近傍から定着部の搬入位置近傍まで延設されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記ガイド部が、搬送される前記媒体の搬送方向に向かって、前記媒体の搬送空間が広くなるように配設されたものであることを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
画像信号に基づいて静電潜像担持体に静電潜像を現像する現像部と、
前記静電潜像を媒体に転写する転写部と、
前記媒体に転写された前記静電潜像を前記媒体に定着させる定着部と、
前記静電潜像が転写されて搬出された前記媒体の前記現像部の筐体との接触を規制し、前記媒体を前記定着部までの搬送路に導くガイド部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−76759(P2013−76759A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215376(P2011−215376)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】