説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】支持面板に対してローラ間距離の対象となる2つのローラ部材の回転軸を変位させることなく、2つのローラ部材のローラ間距離を調節することができるローラ間距離の調節方法を提供する。
【解決手段】作像ユニット200は、感光体1と、現像ローラ41と2つのローラ部材の両端部をそれぞれ支持する第一支持面板である前面板210及び第二支持面板である後面板220と、板状ステー230とを有し、板状ステー230と前面板210との間のスペーサ−部材であるシム231の装着数を変えることによって、第一スパンS1の長さを変化させ、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させることにより、現像ギャップGPを調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のローラ部材を備えるローラ装置のローラ間距離調節方法、画像形成装置が備える作像装置の現像ギャップ調節方法、複数のローラ部材を備えるローラ装置、現像ギャップが調節可能なローラ装置としての作像装置、この作像装置を備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。また、本発明は、複数の長手部材を備える長手部材装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高い生産性を目的とした画像形成装置では、高速のプロセス線速に対応する現像能力確保が必要となる。このような画像形成装置では、高速のプロセス線速に対応するため感光体や現像ローラを高速で回転させる必要があるが、高速で回転させることは軸受などの摺擦部や駆動源であるモータへの負担が大きくなる。このため、感光体や現像ローラの回転速度を抑制しつつ、高速のプロセス線速に対応するために、大径の感光体や現像ローラを用いる構成がある。そして、感光体や現像ローラが大径の場合、小径ローラと比較してどうしても加工時のローラ径のバラツキを押え込むことが難しくなる。また、感光体や現像ローラの径を大きくした構成であっても、高画質化を実現するためには、感光体と現像ローラとの間隙である現像ギャップは狭くする方向性にある。
このような状況において、特に複雑な構成となる高速・大型の画像形成装置では、部品精度による現像ギャップ精度の確保が困難である。このため、現像ギャップを調整する機構を追加する必要性が生じてくる。
現像ギャップを調節する機構を備えた画像形成装置としては、特許文献1に記載のものがある。特許文献1に記載の画像形成装置では、現像ローラの回転軸の端部を、現像ローラとは回転中心が異なり、且つ、現像装置に対して回動可能な回転軸支持部材であるローラ位置調整ホルダが支持する。そして、ローラ位置調整ホルダの回動を調節することによって現像装置に対する現像ローラの回転軸の位置が調節され、現像装置に対して位置が固定された感光体に対して現像ローラを近づけたり遠ざけたりすることができる。これにより、現像ギャップの間隔を広げたり、狭めたりして、現像ギャップを調節可能となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、感光体の両端を支持する2つの支持面板を有し、この支持面板に対して現像装置を固定し、作像装置を構成する構成において、特許文献1に記載の現像ギャップを調節する機構を用いると支持面板とは別に、現像ローラの回転軸を支持し、感光体に対して移動可能な回転軸支持部材が必要となる。このように、支持面板とは別に回転軸支持部材を設ける調節機構であると、特に装置奥側に配置される場合が多い現像駆動構成部品の影響で、レイアウト上調整機構追加に制約が生じて装置の大型化に繋がる。また、現像ローラに対して駆動を伝達する側の回転軸は、その支持部材に対して回転可能に構成する必要があり、支持部材に対しては軸受部材を介して支持される構成となる。このように軸受部材を介して回転軸を支持する支持部材を支持面板とは別に設け、支持面板に対して移動可能に構成すると、軸受部材ごと支持しているため、さらに装置の大型化に繋がる。
また、以上の説明では、現像ローラの回転軸を支持する支持部材を支持面板とは別に設け、移動可能とする構成の問題について説明したが、感光体の回転軸を支持する部材を移動可能とする構成であっても同様の問題が生じる。
また、以上の説明では、所定の現像ギャップとなるように近接配置される感光体と現像ローラとを備えた作像装置について説明した。しかし、このような問題は、作像装置に限るものではなく、複数のローラ部材を備え、複数のローラ部材のうちの2つのローラ部材が所定のローラ間距離(2つのローラ部材の回転中心間の距離)となるように配置されたローラ装置であれば、同様の問題が生じる。このようなローラ装置の2つのローラ部材の組み合わせとしては、感光体と帯電ローラ、搬送ローラ対、定着装置の定着ニップを形成するローラ対などを挙げることができるが、これらに限るものではない。
さらに、このような問題は、複数のローラ部材を備えるローラ装置に限るものでもなく、長手方向に平行に配置された複数の長手部材を備え、複数の長手部材のうちの2つの長手部材が所定の部材間距離となるように配置された長手部材装置であれば、同様の問題が生じる。このような長手部材装置の2つ長手部材の組み合わせとしては、トナー像担持体とクリーニングブレード、現像ローラとドクタブレードなどを挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その一つ目の目的は、支持面板に対してローラ間距離の対象となる2つのローラ部材の回転軸を変位させることなく、2つのローラ部材のローラ間距離を調節することができるローラ間距離の調節方法を提供することである。
また、その二つ目の目的は、支持面板に対してローラ間距離の対象となる2つのローラ部材の回転軸の位置を変位させることなく、2つのローラ部材のローラ間距離を調節することができるローラ装置、ローラ装置としての作像装置、この作像装置を備えたプロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、支持面板に対して部材間距離の対象となる2つの長手部材の支持面板に対する固定位置を変位させることなく、2つの長手部材の部材間距離を調節することができる長手部材装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転軸が平行になるように配置された複数のローラ部材と、上記複数のローラ部材の軸方向一端を支持する第一支持面板と、上記複数のローラ部材を挟んで上記第一支持面板に対向して配置され、上記複数のローラ部材の軸方向の他端を支持する第二支持面板とを有するローラ装置の上記複数のローラ部材のうちの2つのローラ部材の回転中心間の距離であるローラ間距離を調節するローラ間距離調節方法において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させることにより、ローラ間距離を調節することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のローラ間距離調節方法において、上記軸方向に延在し、該軸方向の両端部が上記第一支持面板と上記第二支持面板とにそれぞれ固定され、上記第一支持面板と上記第二支持面板との上記軸方向についての距離を決める複数のステー部材を備え、該複数のステー部材のうちの一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることによって、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のローラ間距離調節方法において、上記ローラ装置は、上記複数のステー部材として、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する位置が固定された固定ステー部材と、固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離が調節可能に構成された支持面板間距離調節可能ステー部材とを備え、上記第一支持面板と上記第二支持面板との少なくとも一方と上記支持面板間距離調節可能ステー部材との間に着脱可能なスペーサー部材の装着数を変えることによって、上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2のローラ間距離調節方法において、上記ローラ装置は、上記複数のステー部材として、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する位置が固定された固定ステー部材と、固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離が調節可能な支持面板間距離調節可能ステー部材とを備え、上記支持面板間距離調節可能ステー部材の長さを調節することによって、上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、感光体と、その表面が該感光体の表面との間で現像ギャップを形成し、該感光体上の潜像を現像する現像ローラを備える現像装置とを備える作像装置の上記現像ギャップを調節する現像ギャップ調節方法において、上記作像装置は上記2つのローラ部材として上記感光体と上記現像ローラとを備えるローラ装置であり、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のローラ間距離調節方法によって現像ギャップを調節することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、回転軸が平行になるように配置された複数のローラ部材と、上記複数のローラ部材の軸方向一端を支持する第一支持面板と、上記複数のローラ部材を挟んで上記第一支持面板に対向して配置され、上記複数のローラ部材の軸方向の他端を支持する第二支持面板とを有するローラ装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを調節する支持面板間傾き調節手段を備え、該支持面板間傾き調節手段によって上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させることにより、上記複数のローラ部材のうちの2つのローラ部材の回転中心間の距離であるローラ間距離を調節することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6のローラ装置において、上記回転軸の軸方向に延在し、該軸方向の両端部が上記第一支持面板と上記第二支持面板とにそれぞれ固定され、上記第一支持面板と上記第二支持面板との上記回転軸の軸方向についての距離を決める複数のステー部材を備え、上記支持面板間傾き調節手段として、上記複数のステー部材のうちの一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を調節する支持面板間距離調節手段を備え、該支持面板間距離調節手段によって上記一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることによって、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを調節することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のローラ装置において、上記複数のステー部材として、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する位置が固定された固定ステー部材と、固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離が調節可能に構成された支持面板間距離調節可能ステー部材とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8のローラ装置において、上記固定ステー部材と上記支持面板間距離調節可能ステー部材とを、熱膨張係数が略等しい材質で構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項8または9のローラ装置において、上記支持面板間距離調節手段として、上記第一支持面板と上記第二支持面板との少なくとも一方と上記支持面板間距離調節可能ステー部材との間にスペーサー部材を着脱可能に構成し、該スペーサー部材の装着数を変えることによって、上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化できるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項8または9のローラ装置において、上記支持面板間距離調節手段として、上記支持面板間距離調節可能ステー部材の長さを調節可能に構成し、該支持面板間距離調節可能ステー部材の長さを調節することによって、上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化できるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項8、9、10または11のローラ装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、上記第二支持面板と上記支持面板間距離調節可能ステー部材とは複数のネジによってネジ止めすることによって固定が成され、上記第二支持面板における上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第二支持面板の形状が半島形状であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項8、9、10、11または12のローラ装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、上記第二支持面板と上記支持面板間距離調節可能ステー部材とは複数のネジによってネジ止めすることによって固定が成され、複数のネジ止め位置のうち、上記固定ステーに近いネジ止め位置が、上記第二支持面板における上記ローラ間距離の対象となる上記二つのローラ部材の回転中心同士を結ぶ直線上またはこの直線の近傍に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項6、7、8、9、10、11、12または13のローラ装置において、ローラ間距離の対象となる2つのローラ部材のうちの一方のローラ部材の両端を支持する2つの軸受部のうち、少なくとも一方の軸受部は、その軸受部が配置された上記第一支持面板または上記第二支持面板に対して、上記軸方向についての位置がオフセットした配置であることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、感光体と、その表面が該感光体の表面との間で現像ギャップを形成し、該感光体上の潜像を現像する現像ローラを備える現像装置と、上記感光体の回転軸の軸方向の一端と上記現像ローラの回転軸の軸方向の一端とを支持する第一支持面板と、上記感光体及び上記現像ローラを挟んで上記第一支持面板に対向して配置され、上記感光体の回転軸の軸方向の他端と上記現像ローラの回転軸の軸方向の他端とを支持する第二支持面板とを有する作像装置において、上記作像装置は上記2つのローラ部材として上記感光体と上記現像ローラと備える、請求項6、7、8、9、10、11、12または13のローラ装置であることを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項15の作像装置において、上記回転軸の軸方向に延在し、該軸方向の両端部が上記第一支持面板と上記第二支持面板とにそれぞれ固定され、上記第一支持面板と上記第二支持面板との上記回転軸の軸方向についての距離を決める複数のステー部材を備え、上記支持面板間傾き調節手段として、上記複数のステー部材のうちの一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を調節する支持面板間距離調節手段を備え、該支持面板間距離調節手段によって上記一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることによって、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを調節することを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、請求項16の作像装置において、上記複数のステー部材として、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する位置が固定された固定ステー部材と、固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離が調節可能に構成された支持面板間距離調節可能ステー部材とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項18の発明は、請求項17の作像装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、上記第二支持面板と上記支持面板間距離調節可能ステー部材とは複数のネジによってネジ止めすることによって固定が成され、上記現像装置は2つの現像ローラを有し、複数のネジ止め位置のうち、上記固定ステーに近いネジ止め位置が、上記第二支持面板における上記2つの現像ローラの回転中心の中点と上記感光体の回転中心とを結ぶ直線上またはその直線の近傍に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項19の発明は、請求項17または18の作像装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、上記支持面板間距離調節可能ステー部材を複数備え、複数の該支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離は互いに独立して調節可能に構成され、上記現像装置は2つの現像ローラを有し、複数の該支持面板間距離調節可能ステー部材の上記第二支持面板に対する固定位置は、上記2つの現像ローラの回転中心の中点と上記感光体の回転中心とを結ぶ直線に直交する直線上またはその直交する直線の近傍に位置するように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項20の発明は、請求項17、18または19の作像装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、上記第一支持面板は該作像装置を配置する画像形成装置に対して固定する固定部が設けられ、該固定部と上記第一支持面板に対して上記支持面板間距離調節可能ステー部材を固定する位置とが離れた位置となるように配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項21の発明は、請求項20の作像装置において、上記第一支持面板の画像形成装置に対する固定部は複数ヵ所あり、固定部のうちの少なくとも一箇所の固定部近傍の上記第一支持面板の曲げ強度が弱くなるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項22の発明は、請求項17、18、19、20または21の作像装置において、上記第一支持面板及び上記第二支持面板は、上記固定ステー部材の固定部と、上記支持面板間距離調節可能ステー部材の固定部との間に、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する上記感光体の位置決め機構が配置された構成であることを特徴とするものである。
また、請求項23の発明は、請求項17、18、19、20、21または22の作像装置において、上記現像装置を上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対して固定することによって、上記現像装置4が上記固定ステー部材としての機能を兼用することを特徴とするものである。
また、請求項24の発明は、請求項15、16、17、18、19、20、21、22または23の作像装置において、上記第一支持面板及び上記第二支持面板のそれぞれに対して上記感光体の位置決めを行う感光体位置決め機構は、上記感光体を上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対して回転可能に支持する回転支持部材である感光体軸受部材を備え該感光体軸受部材の少なくとも一方は、その感光体軸受部材が配置された上記第一支持面板または上記第二支持面板に対して、上記回転軸の軸方向についての位置がオフセットした配置であることを特徴とするものである。
また、請求項25の発明は、請求項24の作像装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させたときの上記感光体軸受部材の変位量が、上記第一支持面板に配置された上記感光体軸受部材と、上記第二支持面板に配置された上記感光体軸受部材とで異なる構成であることを特徴とするものである。
また、請求項26の発明は、請求項25の作像装置において、上記第一支持面板に配置された上記感光体軸受部材と、上記第二支持面板に配置された上記感光体軸受部材とで、その感光体軸受部材が配置された支持面板に対するオフセット量が異なるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項27の発明は、請求項25または26の作像装置において、上記第一支持面板及び上記第二支持面板における上記現像ローラの回転中心と上記感光体の回転中心とを結ぶ直線上の方向に対する曲げ強度が上記第一支持面板と上記第二支持面板とで異なることを特徴とするものである。
また、請求項28の発明は、請求項25、26または27の作像装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させたときの上記感光体軸受部材の変位量が小さい側の支持面板に、その支持面板における上記現像ローラの回転軸を支持する位置を調節する現像ローラ位置調節機構を備えることを特徴とするものである。
また、請求項29の発明は、請求項30の作像装置において、上記現像装置は複数の現像ローラを有し、上記複数の現像ローラのそれぞれに対して独立の上記現像ローラ位置調節機構を有することを特徴とするものである。
また、請求項30の発明は、請求項25、26、27、28または29の作像装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させたときの上記感光体軸受部材の変位量が大きい側の支持面板側に、上記現像ローラに駆動を伝達する現像ローラ駆動機構を有することを特徴とするものである。
また、請求項31の発明は、請求項25、26、27、28、29または30の作像装置において、上記支持面板間傾き調節手段の操作位置を、上記第一支持面板または上記第二支持面板のうち、該作像装置を画像形成装置本体に配置したときにアクセスが容易な側の支持面板に配置し、この支持面板は、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させたときの上記感光体軸受部材の変位量が他方に比べて小さい側の支持面板側であることを特徴とするものである。
また、請求項32の発明は、少なくとも、感光体と現像手段とからなる作像手段を備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、上記作像手段として、請求項15乃至31のいずれかの作像装置を備えることを特徴とするものである。
また、請求項33の発明は、少なくとも、感光体と現像手段とからなる作像手段を備える画像形成装置において、上記作像手段として、請求項15乃至31のいずれかの作像装置を備えることを特徴とするものである。
また、請求項34の発明は、請求項33の画像形成装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の一部の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、上記作像装置を上記画像形成装置本体に配置した状態で、上記第二支持面板は該画像形成装置本体に対して、上記回転軸の軸方向について変位可能であることを特徴とするものである。
また、請求項35の発明は、長手方向について平行に配置された複数の長手部材と、上記複数の長手部材の長手方向一端を支持する第一支持面板と、上記複数の長手部材を挟んで上記第一支持面板に対向して配置され、上記複数の長手部材の長手方向の他端を支持する第二支持面板とを有する長手部材装置において、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを調節する支持面板間傾き調節手段を備え、該支持面板間傾き調節手段によって上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させることにより、上記複数の長手部材のうちの2つの部材部材の部材間距離を調節することを特徴とするものである。
【0006】
請求項1のローラ間距離の調節方法、及び、請求項6のローラ装置の発明に係るローラ装置について、図1及び図2を用いて説明する。
図1中のローラ装置9は、ローラ間距離の対象となる2つのローラ部材として第一ローラ60及び第二ローラ61を有し、第一ローラの回転軸(65)および第二ローラの回転軸(63)の両端をそれぞれ支持する第一支持面板91及び第二支持面板92を有する。また、第二ローラ61の表面と第一ローラ60の表面との間にはローラ間ギャップGを形成する。
ここで、図1に示すように、第一支持面板91と第二支持面板92とが平行な状態を初期状態として、このときの図中一点鎖線で示す第一ローラ60と第二ローラ61との回転中心間の距離をL0とする。
図1に示す初期状態から、ローラ装置9の第二支持面板92を図中矢印α方向またはβ方向に傾けるように第一支持面板91に対する第二支持面板92の傾きを変化させると、第二支持面板92側の第一ローラ60と第二ローラ61との回転中心間の距離はL0よりも狭まる方向に変位し、回転中心間の距離が狭まる。これにより、第二支持面板92側のローラ間ギャップGを狭めるように調節することができる。このように、第一支持面板91に対する第二支持面板92の傾きを変化させることにより、第二支持面板92に対する第一ローラの回転軸(65)および第二ローラの回転軸(63)の位置を変位させることなく、ローラ間ギャップGを調節することができる。
【0007】
図2は、第一ローラ軸受64を第二支持面板92に対してオフセットとなる位置に配置したローラ装置9の説明図である。
図1と同様に、第一支持面板91と第二支持面板92とが平行な状態を初期状態として、このときの図中一点鎖線で示す第一ローラ60と第二ローラ61との回転中心間の距離をL0とする。また、第二支持面板92に支持される第一ローラ60の回転軸である第一ローラ軸65aの第一ローラ軸受64を介して支持されている位置における回転軸の中心と、第二支持面板92に支持される第二ローラ61の回転軸である第二ローラ軸63aの第二ローラ軸受62を介して支持されている位置における回転軸の中心との距離をL1とする。このとき、第一ローラ軸受64は第二支持面板92に対して回転軸の軸方向についての位置がオフセットした配置であるので、L1>L0となる。
そして、ローラ装置9の第二支持面板92を図中矢印α方向に傾けるように第一支持面板91に対する第二支持面板92の傾きを変化させると、第二支持面板92側の第一ローラ60と第二ローラ61との回転中心間の距離はL0からL1に近づくように変化し、回転中心間の距離が広がる。これにより、第二支持面板92側のローラ間ギャップGを広げるように調節することができる。また、ローラ装置9の第二支持面板92を図中矢印β方向に傾けるように第一支持面板91に対する第二支持面板92の傾きを変化させると、第二支持面板92側の第一ローラ60と第二ローラ61との回転中心間の距離はL0よりも狭まるように変化し、回転中心間の距離が狭まる。これにより、第二支持面板92側のローラ間ギャップGを狭めるように調節することができる。このように、第一支持面板91に対する第二支持面板92の傾きを変化させることにより、第二支持面板92に対する第一ローラ軸65a及び第二ローラ軸63aの位置を変位させることなく、ローラ間ギャップGを調節することができる。
【0008】
なお、図1及び図2を用いて説明したローラ装置9は、第一ローラ60と第二ローラ61とが離間し、第一支持面板91に対する第二支持面板92の傾きを変化させることにより、ローラ間ギャップGを調節することができる構成である。本発明に係るローラ装置9としては2つのローラ部材が離間しているものに限らず、二つのローラ部材が接触し、ニップを形成するものであっても良い。2つのローラ部材がニップを形成するローラ装置であれば、図1及び図2を用いて説明したように、第一支持面板91に対する第二支持面板92の傾きを変化させて回転中心間の距離を調節することにより、ニップ圧やニップ幅の調節を行うことができる。
また、支持面板の傾きやローラ部材の回転中心の位置を変位させているため、ローラ装置を構成する各部材やローラ装置に駆動を伝達する不図示の駆動源などの組み付けに対しての影響が考えられる。しかし、ローラ装置9のローラ間距離の調節は、部品精度の誤差や組み付け精度の誤差で生じるローラ間距離のバラツキを調整するために行うものであるため、組み付けにおける遊びや各部材の許容できる範囲の変形で吸収できる程度の影響である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1乃至33の発明によれば、第一支持面板に対する第二支持面板の傾きを変化させることによって、支持面板に対するローラ間距離の対象となる2つのローラ部材の回転軸の位置を変位させることなく、ローラ間距離を調節することができるという優れた効果がある。
また、請求項34の発明によれば、第一支持面板に対する第二支持面板の傾きを変化させることによって、支持面板に対する部材間距離の対象となる2つの長手部材の支持面板に対する固定位置を変位させることなく、部材間距離を調節することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るローラ装置の説明図。
【図2】本発明に係るローラ装置の他の例の説明図。
【図3】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図4】作像ユニットの概略断面図。
【図5】作像ユニットの斜視説明図、(a)は、ユニット後側から見た斜視説明図、(b)は、ユニット前側から見た斜視説明図。
【図6】作像ユニットの概略上面図。
【図7】作像ユニットの一つを引き出した状態のプリンタの斜視説明図。
【図8】図5に示す作像ユニットから感光体を取り外した状態の斜視説明図。
【図9】図5に示す作像ユニットの前面板及び後面板から各部材を取り外した状態の斜視説明図。
【図10】図8に示す作像ユニットの前面板及び後面板から各部材を取り外した状態の斜視説明図。
【図11】前面板の説明図、(a)は、ユニット後側から見た斜視説明図、(b)は、ユニット前側から見た斜視説明図。
【図12】後面板の説明図、(a)は、ユニット後側から見た斜視説明図、(b)は、ユニット前側から見た斜視説明図。
【図13】シムを装着する前の前面板と板状ステーとの固定部近傍の拡大説明図。
【図14】シムを装着する後の前面板と板状ステーとの固定部近傍の拡大説明図。
【図15】シムの装着枚数に対する現像ギャップの変化の測定を示すグラフ。
【図16】偏心ホルダを備えない構成の前面板の説明図。
【図17】偏心ホルダを備える構成の前面板の説明図。
【図18】偏心ホルダの斜視説明図、(a)は、ユニット後側から見た斜視図、(b)は、ユニット前側から見た斜視図。
【図19】偏心ホルダによって前側の現像ギャップを調節する構成の説明図。
【図20】上偏心ホルダの回転角度に対する現像ギャップの変化の測定を示すグラフ。
【図21】下偏心ホルダの回転角度に対する現像ギャップの変化の測定を示すグラフ。
【図22】作像ユニットのステー部材となる各部品の説明図。
【図23】各ステー部材のスパンの温度変化を示すグラフ。
【図24】前面板と、プリンタ本体の本体側板との固定部の説明図、(a)は、固定部を上方から見た断面図であり、(b)は、固定部をユニット前側から見た正面図。
【図25】ユニット前側から見た後面板の正面図。
【図26】第一スパンの調節に対する後面板の変形を模式的に示した説明図。
【図27】変形例1の作像ユニットの概略上面図。
【図28】変形例1の作像ユニットの斜視説明図。
【図29】変形例1の後面板の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタ100という)の一実施形態について説明する。
まず、プリンタ100の基本的な構成について説明する。図3は、本実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。
図3に示すようにプリンタ100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つの作像プロセス部10Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのY用の作像プロセス部10Yを例にすると、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向(図中矢印A方向)に回転駆動せしめられる感光体1Yの周囲に、クリーニング装置6Y、不図示の除電手段、帯電装置2Y、光書込装置3Y、現像装置4Yなどを有している。
【0012】
感光体1Yに対向するように配設された帯電装置2Yは、チャージワイヤーに不図示の帯電バイアス電源から帯電バイアスが印加される帯電チャージャーである。そして、帯電装置2Yが感光体1Yとの間に放電を生じせしめることで、感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。帯電チャージャーを用いた帯電装置2Yの代わりに、帯電ローラを感光体1Yに対して接触あるいは所定の間隙を介して対向するように配置して、感光体1を一様帯電せしめるものを用いてもよい。
【0013】
帯電装置2Yによって一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、光書込装置3Yから発せられる走査光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。この光書込装置3Yは、外部のパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて変調したレーザー光あるいはLED光を照射するものである。
【0014】
現像手段たる現像装置4Yは感光体1Yに対向する現像領域で、周知の技術により、感光体1Y表面に担持された静電潜像にYトナーを付着させることで、静電潜像を現像してYトナー像を得る。このYトナー像は、中間転写ベルト7に一次転写される。
図3に示す現像装置4Yは、現像ローラとして、上現像ローラ411Yと下現像ローラ412Yとの2つの現像ローラを備えた構成である。2つの現像ローラを用いて感光体1Y上の潜像を現像することによって、感光体1Yの周速を高速にした場合、1つの現像ローラによって現像を行うものよりも、より確実に潜像の現像を行うことができる。なお、二つの現像ローラを用いた現像装置としては、例えば、特開20007−311915に記載されたものを用いることができる。
【0015】
クリーニング装置6Yは、一次転写工程を経た後の感光体1Y表面に付着している転写残トナーを除去する。なお、クリーニング装置6としては、クリーニングブレードよりも感光体回転方向下流側の感光体表面に接触摺擦するようにクリーニングブラシを配し、さらにクリーニングブラシに接触してトナー回収ローラを配し、トナー回収ローラからゴムブレードによってトナーを除去する構成を適用することができる。クリーニング装置としては、この構成に限るものではない。クリーニング装置6Yによって、クリーニング処理が施された感光体1Y表面は、図示しない除電ランプ等の除電手段によって除電されて、次の画像形成に備えられる。
【0016】
図3において、他色用の作像プロセス部10C,M,Kにおいても、同様にして感光体1C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト7上に中間転写される。
【0017】
作像プロセス部10Y,C,M,Kの図中下方には、トナー像担持体である中間転写ベルト7を張架しながら図中時計回り方向(図中矢印B方向)に無端移動せしめる転写ユニット70が配設されている。転写手段たる転写ユニット70は、中間転写ベルト7の他、二次転写対向ローラ71、及び、2つの張架ローラ(7a、7b)、一次転写部材としての4つの一次転写チャージャー5Y,C,M,K、二次転写ローラ8、図示しないベルトクリーニング装置などを備えている。
【0018】
中間転写ベルト7は、そのループ内側に配設された第一張架ローラ7a、第二張架ローラ7b、及び、二次転写対向ローラ71によって張架されながら、3つの張架ローラのうちの一つが回転駆動することによって図中時計回りに無端移動せしめられる。
【0019】
4つの一次転写チャージャー5Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト7を挟んで感光体1Y,C,M,Kと対向し、Y,C,M,K用の一次転写部を形成している。そして、中間転写ベルト7の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト7は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写部を順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体1Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト7上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。なお、一次転写部を構成する一次転写部材としては、転写チャージャーに限るものではなく、例えば、感光体1との間で中間転写ベルト7を挟み込んで一次転写ニップを形成する一次転写ローラであってもよい。
【0020】
中間転写ベルト7のループ外側には、図示しない電源から出力される二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ8が配設されており、これはベルトループ内側の二次転写対向ローラ71との間に中間転写ベルト7を挟み込んで二次転写ニップを形成している。
【0021】
転写ユニット70の下方には、図示しない給紙カセットが配設されている。この給紙カセット内には、記録媒体である記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pを所定のタイミングで図示しない給紙路に送り出す。この給紙路の末端には、レジストローラ対81が配設されている。レジストローラ対81は、互いに当接しながら回転するローラ間に搬送されてきた記録紙Pを挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを中間転写ベルト7上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに向けて送り出す。
【0022】
中間転写ベルト7上に形成された4色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ8と接地された二次転写対向ローラ71との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録紙Pに一括二次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
【0023】
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト7には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、第一張架ローラ7aとの間に中間転写ベルト7を挟み込んでいる図示しないベルトクリーニング装置によって除去される。
【0024】
二次転写ニップの図中左側には、図示しない定着装置が配設されている。この定着装置は、電子写真方式の画像形成装置で周知になっているように、加圧や加熱によってトナー像を記録紙に定着せしめるものである。
【0025】
以上の基本的な構成を備えるプリンタ100においては、4つの作像プロセス部10Y,C,M,Kが、潜像担持体たる感光体1Y,C,M,Kの無端移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段として機能している。また、4つの作像プロセス部部10Y,C,M,Kと転写ユニット70との組合せが、トナー像担持体たる中間転写ベルト7の無端移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段ととして機能している。
【0026】
次に、4つの作像プロセス部10Y,C,M,Kが備える、現像装置4Y,C,M,K及び感光体1Y,C,M,Kとをユニットとして一体的に支持する作像装置としての作像ユニット200Y,C,M,Kについて説明する。作像ユニット200Y,C,M,Kは、使用するトナーの色が異なる点以外は共通する構成となっているので、以下の説明ではY,C,M,Kは省略して説明する。
図4は、作像ユニット200の概略断面図である。本実施形態の作像ユニット200は、現像装置4及び感光体1以外の作像部材として、クリーニング装置6、不図示の除電装置、帯電装置2を一体として支持し、プリンタ100本体に対して着脱可能となっている。作像ユニット200は、潜像形成手段である光書込装置3Yは一体的に支持する構成ではないが、潜像形成手段を構成する部材も作像ユニット200として、プリンタ100本体から着脱可能に構成しても良い。
現像装置4は、現像剤を図4中の手前側から奥側へと搬送しながら2つの現像ローラ41である上現像ローラ411及び下現像ローラ412に現像剤を供給する供給スクリュ51を備える。また、現像ローラに供給され、現像ローラと感光体1との対向部である現像領域を通過した後の現像剤を回収し、図4中手前側から奥側へと搬送する回収スクリュ52を備える。さらに、回収スクリュ52の搬送方向下流端まで到達した現像剤を供給スクリュ51の搬送方向上流端に受け渡して現像剤を循環させる循環スクリュ53を備える。循環スクリュ53は、現像装置4の図4中の奥側端部では、回収スクリュ52と同じ高さとなり、手前側端部では供給スクリュ51と同じ高さとなるように、奥側から手前側に向けて斜め上方となるように配置されている。ここで、現像装置4の供給スクリュ51が配置されている空間を供給搬送路51a、回収スクリュ52が配置されている空間を回収搬送路52a、そして、循環スクリュ53が配置されている空間を循環搬送路53aとする。また、上現像ローラ411と下現像ローラ412とを配置し、感光体1と対向する空間を現像室59とする。また、現像装置4は、下現像ローラ412の下方で感光体1と対向するキャッチローラ56を備えている。
【0027】
上現像ローラ411やこれの下方に配設された下現像ローラ412は、それぞれ、図示しないモータや駆動伝達系などからなる駆動手段によって図中時計周り方向に回転駆動される非磁性パイプからなる現像スリーブと、これに連れ回らないように内包される図示しないマグネットローラとを有している。
【0028】
上現像ローラ411や下現像ローラ412を収容している現像室59は、感光体1と対向する側の壁に開口を有しており、そこから2つの現像ローラ41の現像スリーブの周面の一部を露出させている。この現像室59における感光体1との対向側とは反対側は、両現像ローラの軸線方向の全域に渡って、供給搬送路51a及び回収搬送路52aが連通している。供給搬送路51aは回収搬送路52aの鉛直方向の真上に配設されており、これら供給搬送路51a及び回収搬送路52aが何れも図中右側(感光体側)を長手方向の全域に渡って現像室59に連通しているのである。
【0029】
供給搬送路51a内に配置されている供給スクリュ51は、感光体1や両現像ローラ41と同様に水平方向に延在する姿勢をとっている。そして、供給スクリュ51は、棒状の回転軸部材とこれの周面に螺旋状に立設せしめられたスクリュウ羽根とが、図示しないモータや駆動伝達系などからなる駆動手段によって図4中の反時計回り方向に一体的に回転駆動される。
【0030】
回収搬送路52a内に収容されている回収スクリュ52も、感光体1、両現像ローラ41、供給スクリュ51と同様に、水平方向に延在する姿勢をとっている。そして、図示しない駆動手段によって回転軸部材とスクリュウ羽根とが図中時計回り方向に一体的に回転駆動される。
【0031】
供給搬送路51aや回収搬送路52aにおける現像室59側とは反対側には、循環搬送路53aが隣接している。この循環搬送路53aは、他の現像剤搬送路とは異なり、水平方向から傾いた姿勢で延在するように形成されている。そして、回転軸部材の周面上にスクリュウ羽根が立設せしめられた循環スクリュ53も、かかる循環搬送路53a内において傾斜した姿勢で延在しており、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される。なお、循環搬送路53aは、仕切壁58によってその大部分が供給搬送路51aや回収搬送路52aから仕切られている。但し、仕切壁58に設けられた開口によって、供給搬送路51aや回収搬送路52aと部分的に連通している。
【0032】
供給搬送路51a内においては、供給スクリュ51aの羽根内に保持された図示しない現像剤が、供給スクリュ51の回転に伴って、図紙面に直交する方向の手前側から奥側へと搬送される。この搬送の過程において、現像剤は現像室59内の上現像ローラ411の現像スリーブ(以下、上現像スリーブという)に順次供給されていく。そして、上現像スリーブ内のマグネットローラの磁力によって上現像スリーブに汲み上げられる。
【0033】
上現像スリーブに汲み上げられた現像剤は、先端を上現像スリーブの表面と所定の間隙を介して対向させているドクタブレード57によって上現像スリーブ上での層厚が規制される。そして、感光体1に対向する第1現像領域まで搬送されて、ここで現像に寄与する。
【0034】
上現像スリーブに汲み上げられずに供給スクリュ51の剤搬送方向下流側端部付近(図中奥側端部付近)まで搬送された現像剤は、供給搬送路51aの底壁に設けられた不図示の落とし込み開口から回収搬送路52a内に落下する。
【0035】
また、上現像スリーブの回転に伴って、上現像スリーブと感光体1とが対向する第1現像領域まで搬送されて現像に寄与した現像剤は、その後、上現像スリーブの回転に伴って第1現像領域を通過する。そして、上現像ローラ411の下方に配設された下現像ローラ412の現像スリーブ(以下、下現像スリーブという)に受け渡される。その後、下現像スリーブの回転に伴って、下現像スリーブと感光体1とが対向する第2現像領域に送られて、ここで再び現像に寄与する。2度目の現像工程を終えた現像剤は、現像室59と回収搬送路52aとの連通位置まで搬送される。そして、下現像ローラ412のマグネットローラの形成する反発磁界の影響によって下現像スリーブ表面から離脱した後、回収搬送路52a内に落下する。
【0036】
下現像スリーブの回転とともに第2現像領域を通過した後、回収搬送路52aから比較的離れた位置で下現像スリーブ表面から離脱してしまった現像剤は、下現像スリーブの直下に配設されたキャッチローラ56の回転力により、回収搬送路52aに向けて搬送される。
【0037】
回収搬送路52a内では、回収スクリュ52の羽根内に保持された図示しない現像剤が、回収スクリュ52の回転に伴って、図紙面に直交する方向の手前側から奥側へと搬送される。そして、この搬送の過程において、不図示のトナー補給装置によって回収搬送路52a内の現像剤にトナーが補給される。また、供給搬送路51aの上記落とし込み開口から落下してくる現像剤を取り込む。その後、回収スクリュ52の剤搬送方向下流側端部付近(図2中奥側端部付近)まで搬送された現像剤は、仕切壁58に設けられた開口部を通って、循環搬送路53a内に進入する。
【0038】
循環搬送路53a内に進入した現像剤は、循環スクリュ53aの剤搬送方向上流側端部に取り込まれる。そして、剤搬送方向上流側から剤搬送方向下流側への斜め上向きの姿勢で配設された循環スクリュ53aの回転に伴って、昇り勾配で搬送される。現像剤が循環スクリュ53の剤搬送方向下流側端部付近まで搬送されると、仕切壁58に設けられた開口部を通って、供給搬送路51aに戻される。そして、供給スクリュ51の剤搬送方向上流側端部に取り込まれる。
【0039】
図5は、作像ユニット200の斜視説明図であり、作像ユニット200から、現像装置4及び感光体1以外の作像部材を取り外した状態で有る。また、図6は、作像ユニット200の概略上面図である。作像ユニット200は、回転軸が平行になるように配置された複数のローラ部材として、感光体1と現像ローラ41とを備えたローラ装置である。
なお、図6に示す作像ユニット200では、感光体1の代わりに現像ギャップPGを測定する現像ギャップ測定冶具1aを設置したものである。また、現像ギャップ測定冶具1aに符号を付して説明した部分は、感光体1についても同様である。現像ギャップ測定冶具1aは、図6に示すように、現像ローラ41の回転軸の軸方向の両端部と中央部とに現像ギャップ測定部を備える。また、現像装置4は、2つの現像ローラ(411、412)を備えた構成であるが、図6は、現像ローラと感光体1との位置関係を模式的に示したものであるため、現像ローラ41として1つのみを示している。作像ユニット200が備える感光体1は、OPC感光体であり、その大きさはφ100[mm]、上現像ローラ411及び下現像ローラ412の大きさはともに、φ30[mm]である。
作像ユニット200は図中の矢印C方向にスライドさせることにより、プリンタ100本体に対して装着する。ここで、作像ユニット200のスライド方向である図中矢印C方向をユニット後側、ユニット後側とは逆側をユニット前側と呼ぶ。そして、図5(a)は、ユニット後側から見た斜視説明図であり、図5(b)は、ユニット前側から見た斜視説明図である。
図5及び図6に示すように、作像装置である作像ユニット200は、感光体1と、その表面が感光体1の表面との間で現像ギャップPGを形成し、感光体1上の潜像を現像する現像ローラ41(411及び412)を備える現像装置4を備える。また、感光体1の回転軸の軸方向のユニット前側の感光体1と現像装置4との端部を支持する第一支持面板である前面板210と、感光体1及び現像装置4を挟んで前面板210に対向して配置され、ユニット後側の感光体1と現像装置4との後端を支持する第二支持面板である後面板220とを有する。さらに、前面板210と後面板220との軸方向の距離を決めるステー部材として、前面板210側から見て右側には金属からなる板状ステー230を備える。また、前面板210側から見て左側の前面板210と後面板220との軸方向の距離は、現像装置4によって決まり、現像装置4が左側のステー部材として機能する。また、前面板210には、ドラムノブホルダ212及びドラムノブ211を備える。図6に示すように、ドラムノブ211には、第二感光体軸13bの軸受部材として玉軸受からなる第二感光体軸受14が内蔵されている。
さらに、後面板220には、軸受ホルダ221及び玉軸受からなる感光体軸受12を備える。そして、軸受ホルダ221の凹み部分に、感光体1に駆動を伝達する駆動ギヤ及びカップリングが入る配置となっている。
ドラムノブホルダ212及び軸受ホルダ221はアウトサート成形によって成形された樹脂部材である。これらの樹脂部材は、二つの面板を有する作像ユニット200をプリンタ100は本体にセットするときのプリンタ100本体側と感光体1のセット位置と、ユニット100が備える感光体1との位置出しのために樹脂によって成形されている。位置出しのためには樹脂成形からなる部材を用いることが好ましいが、面板全体を樹脂で成形すると強度の問題が生じるため、面板全体の形状は板金で作成することで強度を出しておいて、それに対して、正確な位置決めを必要とする部分をアウトサート樹脂成形を選択している。ここで、前面板210においてドラムノブホルダ212と同時にアウトサート成形される樹脂部材としては、図16を用いて後述する軸固定部47や、図24を用いて後述する前面板210に設けられた嵌合孔(106a、107a)に対して成形された固定孔形成部材(106b、107b)などがある。また、後面板220において軸受ホルダ221と同時にアウトサーと成形される樹脂部材としては、現像ローラ軸受42を介して現像ローラ軸43aの位置決めする現像ローラ軸受ホルダ142などがある。
また、現像ローラ41の表面と感光体1の表面との間には現像ギャップPGを形成する。
【0040】
また、現像ローラ41の第二現像ローラ軸43bを前面板210に対して位置決めを行う、偏心ホルダ45を備える。詳細は後述するが、偏心ホルダ45によって第二現像ローラ軸43bの前面板210に対する位置を、図6中の矢印D方向に調節することができる。
【0041】
図7は、プリンタ100本体に対して、作像ユニット200の一つを引き出した状態の斜視説明図である。なお、図7では、引き出した作像ユニット200からは感光体1を取り外した状態である。プリンタ100に装着した状態の作像ユニット200は、図4に示す第一スライドレール110と、第二スライドレール120によって支持されている。このため、作像ユニット200は第一スライドレール110及び第二スライドレール120によって、図7に示すようにプリンタ100の前面側に引き出し可能となっている。なお、図7に示すように、作像ユニット200を引き出した状態では、ユニット前側はアクセスが容易であるが、ユニット後側はアクセスが困難である。
【0042】
本実施形態の作像ユニット200は、ユニットの状態で感光体1と2つの現像ローラ41(上現像ローラ411、下現像ローラ412)との間隙である現像ギャップPGを調節して、ユニット単位で現像ギャップPGの調整が成された状態で、プリンタ100本体に設置する。
また、図7に示すように、プリンタ100本体側には、感光体1に駆動を伝達する感光体駆動軸113が配置されている。そして、感光体1を配置した作像ユニット200をプリンタ100本体に装着することによって、感光体駆動軸113が、図6に示す、第一感光体軸13aの孔部(113a)と第二感光体軸13bの孔部(113b)とで感光体1と係合する。これにより、感光体駆動軸113の回転駆動を感光体1に伝達することができる。
【0043】
図8は、図5に示す作像ユニット200から感光体1を取り外した状態の斜視説明図である。図9は、図5に示す作像ユニット200の前面板210及び後面板220から各部材を取り外した状態の斜視説明図である。図10は、図5に示す感光体1を取り外した状態(図8の状態)の作像ユニット200の前面板210及び後面板220から各部材を取り外した状態の斜視説明図である。図8〜図10において、(a)は、ユニット後側から見た斜視説明図であり、(b)は、ユニット前側から見た斜視説明図である。
図11は、前面板210の説明図であり、図11(a)は、ユニット後側から前面板210を見た斜視説明図であり、図11(b)は、ユニット前側から前面板210を見た斜視説明図である。また、図12は、後面板220の説明図であり、図12(a)は、ユニット後側から後面板220を見た斜視説明図であり、図12(b)は、ユニット前側から後面板220を見た斜視説明図である。図11及び図12中の数字に「a」を付した符号は、数字に該当するネジ、または、偏心ホルダの嵌合孔である。
【0044】
作像ユニット200では、現像装置4と前面板210とは、現像ローラ41の第二現像ローラ軸43bを位置決め基準として、現像装置4と後面板220とは、現像ローラ41の第一現像ローラ軸43aに対して嵌合する玉軸受からなる現像ローラ軸受42を介した位置決め基準にて、ネジ止めによって固定される。図8〜図10に示すように、現像装置4と前面板210とは、第一現像前面ネジ941、第二現像前面ネジ942、及び、第三現像前面ネジ943によって固定される。また、現像装置4と後面板220とは、第一現像後面ネジ944、第二現像後面ネジ945、及び、第三現像後面ネジ946によって固定される。
なお、後面板220側では、現像ローラ41(図8中の411及び412)の第一現像ローラ軸43a(図8中の431a及び432a)の軸受部材であり、後面板220に対して現像ローラ41を位置決めする現像ローラ軸受42(図8中は不図示)がセットされた後、第一現像ローラ軸43a(図8中の431a及び432a)に駆動を伝達する駆動ギヤおよびカップリング等が取り付けられる。このため、作像ユニット200の後面板220の外側は、駆動ギヤ等の多くの部材が設けられているため、後面板220側に現像ギャップPGを調節する調節機構を配置することは困難である。なお、図8〜図10では、図示していないが、現像ローラ軸受42は431a及び432aのそれぞれ対して配置されている。
【0045】
また、板状ステー230と前面板210とは、第一ステー前面ネジ931と第二ステー前面ネジ932とによって固定され、板状ステー230と後面板220とは、第一ステー後面ネジ933と第二ステー後面ネジ934とによって固定される。
【0046】
前面板210と後面板220との距離である面板間スパンについては、前面板210側から見て左側の第二スパンS2は、現像装置4が固定ステー部材として機能しているため一定となっている。一方、前面板210側から見て右側の第一スパンS1は、前面板210と板状ステー230との間のスペーサー部材としてのシム231の装着数を変えることによって変更可能となっている。詳しくは、板状ステー230は、初期設定の状態で前面板210との間にシム231を挟む設定となっており、軸方向についての板状ステー230の長さが現像装置4の長さよりも短く設定されている。そして、初期設定の状態からシム231の数を増減させることにより、第一スパンS1が変更可能となっている。
【0047】
作像ユニット200では、初期設定の状態で、シム231が2枚装着されている。そして、シム231の装着数を増加させることにより、第一スパンS1が長くなる。これにより、後面板220は図6中の矢印α方向に傾くように撓みが生じる。後面板220に撓みが生じることにより、後面板220に固定された玉軸受である感光体軸受12の位置が図6中の矢印γ方向に変位する。このように、感光体軸受12が変位することによって、図13を用いて説明したローラ装置9と同様に後面板220側の現像ギャップPGが広がる方向の調節を行うことができる。
一方、シム231の装着数を減少させることにより、第一スパンS1が短くなり、後面板220は図6中の矢印β方向に傾くように撓みが生じ、シム231の装着数を増加させた場合とは逆に現像ギャップPGが狭まる方向の調節を行うことができる。
【0048】
次に、シム231の装着について説明する。図13は、図10(a)における前面板210と板状ステー230との固定部近傍の拡大説明図である。また、図14は、シム231を装着した状態の前面板210と板状ステー230との固定部近傍の拡大説明図である。
板状ステー230において、第一ステー前面ネジ931とネジ固定がなされる第1固定部232と、第二ステー前面ネジ932とネジ固定がなされる第2固定部233とには、タップ穴が形成されている。そして、シム231を装着するときには、第一ステー前面ネジ931及び第二ステー前面ネジ932を緩めて前面板210と板状ステー230との間に空間が生じる状態、または、図13に示すように、前面板210と板状ステー230とを取り外した状態とする。そして、前面板210の嵌合孔に第一ステー前面ネジ931と第二ステー前面ネジ932とを挿したままの状態で、第一ステー前面ネジ931と第二ステー前面ネジ932とにシム231の二つのU字溝を嵌合させるようにして取り付ける。
詳しくは、シム231の図13中右側のU字溝を矢印Eで示すように、第二ステー前面ネジ932に嵌合させる。そして、U字溝の一方に第二ステー前面ネジ932を嵌合させた状態で、シム231を図13中で反時計回りに回転させて、シム231の図13中の左側のU字溝を第一ステー前面ネジ931に対して上方から嵌合させる。これにより、シム231が第一ステー前面ネジ931及び第二ステー前面ネジ932に支持された状態となる。この状態で、板状ステー230の第1固定部232及び第2固定部233のタップ孔に対して、第一ステー前面ネジ931及び第二ステー前面ネジ932を締めることによって、図14に示すように板状ステー230と前面板210との間にシム231が挟まれた状態となる。また、シム231は重ねて取り付けることでその装着枚数を調節することができる。
【0049】
作像ユニット200では、第一スパンS1の変更に対して、前面板210及び後面板220は、現像装置4側を固定端とした場合の梁状のたわみ変位が発生する。このたわみ変位に伴い、感光体1を保持し、位置決めをする玉軸受(12、14)も変位する。
ただし、作像ユニット200は、下記のような構成を行っている。
前面板210は、図11に示すように、後面板220に比べて、部材の面積が大きく、端部には曲げ加工が施してある。このため、曲げ強度が大きく、たわみによる変形量が小さい。また、図6に示すように、前面板210に固定された玉軸受である第二感光体軸受14の前面板210に対するオフセット量W2は、後面板220に固定された玉軸受である感光体軸受12の後面板220に対するオフセット量W1に比べて小さい。このため、たわみ変形に対する玉軸受の変位において、PG方向の変位量が小さい。
一方、後面板220は、図12に示すように、前面板210に比べて、部材の面積が小さく、端部の曲げ加工もない。このため、曲げ強度が小さく、たわみによる変形量が大きい。また、図6に示すように、感光体軸受12の後面板220に対するオフセット量W1は、第二感光体軸受14の前面板210に対するオフセット量W2よりも大きい。このため、たわみ変形に対する玉軸受の変位において、PG方向の変位量が大きくなる。
【0050】
このように、前面板210よりも後面板220の曲げ強度を小さくすることにより、第一スパンS1を変更したときに後面板220を主に変形させ、前面板210の変形を抑制することができる。さらに、感光体軸受12のオフセット量W1を、第二感光体軸受14のオフセット量W2よりも大きくすることにより、第一スパンS1を変更したときに、感光体軸受12を主に変位させることができ、第二感光体軸受14の変位を抑制することができる。
なお、前面板210と後面板220との曲げ強度に差を設定する方法としては、前面板210の方が板厚が厚くなるように板厚に差を持たせたり、後面板220に切り欠き形状を追加したりしてもよい。
このように、作像ユニット200は、前面板210よりも後面板220の曲げ強度が小さく、感光体軸受12のオフセット量W1が、第二感光体軸受14のオフセット量W2よりも大きい構成である。このような構成により、第一スパンS1を変更させたときの現像ギャップPGの変化量が、(前側のPG変化量)<<(後側のPG変化量)の関係となるように設定することができる。
【0051】
図15は、作像ユニット200におけるシム231の装着枚数に対する現像ギャップの変化の測定を示すグラフである。図15中において、上現像ローラ411の現像ギャップPGの測定位置が手前側、中央、奥側の順に、上−F、上−C、上−Rで示されており、下現像ローラ412の現像ギャップPGの測定位置が手前側、中央、奥側の順に、下−F、下−C、下−Rで示されている。シムは厚さが0.2[mm]であり、作像ユニット200は初期設定の状態ではシム231は二枚であるため、シム枚数2枚の状態をPG変位量0[mm]としている。そして、シム枚数を3枚、4枚としたときがシム枚数を増加させた状態、即ち、第一スパンS1を広めるように調節した状態であり、シム枚数を1枚、0枚としたときがシム枚数を減少させた状態、即ち、第一スパンS1を狭めるように調節した状態である。図15中のR、C、及び、Fは、奥側、中央、及び、前側のPG変化を示している。ここで、前側の現像ギャップPGの測定位置は、図6に示すように、前面板210よりも内側の作像幅内にて行っているため、前側の現像ギャップPG測定値は後側の現像ギャップPGの変化の影響を受けている。
【0052】
上述した第一スパンS1を変更することによる現像ギャップPGの調節は、前側の現像ギャップPGにも影響はあるものの、後側の現像ギャップPGを調節することを主とする調節である。
図16は、第二現像ローラ軸43bの前面板210に対する位置決めを偏心ホルダ45ではなく、軸固定部47によって行う構成の前面板210の説明図である。第一スパンS1を変更する方式において、現像ローラ41の前面板210に対する位置決めが、図16に示すように、第二現像ローラ軸43bの前面板210に対する位置固定の構成の場合、前側の現像ギャップPGを基準として第一スパンS1の変更により前後PG偏差を小さくするように調整する作業となる。ただし、より厳しい現像ギャップPG公差範囲設定が必要とされる場合、第一スパンS1を変更する方式によって後側の現像ギャップPGを調整した後に、その値に合わせて前側の現像ギャップPGを調整する機構を設けることが好ましい。
【0053】
次に、作像ユニット200における前側の現像ギャップPGの調節について説明する。
図17は、第二現像ローラ軸43bの前面板210に対する位置決めを偏心ホルダ45によって行う構成の前面板210の説明図である。また、図18は、偏心ホルダ45の斜視説明図であり、図18(a)は、前面板210に取り付けた際にユニット後側となる側から見た斜視図であり、図18(b)は、前面板210に取り付けた際にユニット前側となる側から見た斜視図である。
偏心ホルダ45は、前面板210の嵌合穴(451a、452a)に嵌合し、外形の断面が円形となる面板嵌合部45b、調節ネジ止め部45d、及び、つまみ部45eとからなる。面板嵌合部45bには第二現像ローラ軸43bの端部と嵌合する軸嵌合孔45aが設けられている。軸嵌合孔45aの断面形状と、面板嵌合部45bの外形の断面形状は共に円形であるが、軸嵌合孔45aは面板嵌合部45bの外形に対して偏心孔となっている。また、調節ネジ止め部45dには、面板嵌合部45bの外形に沿った形状の調節ネジ止め孔45cが設けられている。
【0054】
図19は、偏心ホルダ45(上偏心ホルダ451、下偏心ホルダ452)によって前側の現像ギャップPGを調節する構成の説明図である。
図19中の破線は、感光体1の表面と現像ローラ41の表面とを示している。偏心ホルダ45(451、452)は、前面板210の嵌合孔に対して嵌合されるため、感光体1に対する偏心ホルダ45の位置は変化しない。一方、偏心ホルダ45の面板嵌合部45bと第二現像ローラ軸43bとは偏心しているため、現像ローラ41の回転中心41pに対して偏心ホルダ45の回動中心は偏心し、偏心ホルダ45を回動させることによって、現像ローラ41が感光体1に対して変位する。図19では、偏心ホルダ45を時計回り方向(図19中の矢印ε方向)に回転させることによって、現像ローラ41が感光体1に遠ざかる方向に変位し、前側の現像ギャップPGを広げるように調節することができる。逆に、偏心ホルダ45を反時計回り方向(図19中の矢印εとは逆方向方向)に回転させることによって、前側の現像ギャップPGを狭めるように調節することができる。これにより、図6中の矢印Dで示すように、第二現像ローラ軸43bの前面板210に対する位置を調節することができる。
なお、偏心ホルダ45によって前側の現像ギャップPGを調節するときには、偏心ホルダ調節ネジ46(461、462)を緩めて、偏心ホルダ45を回動させ、偏心ホルダ調節ネジ46を締めることによって、偏心ホルダ45の回動を調節した状態で現像ギャップPGを固定することができる。
なお、図19に示すように、上偏心ホルダ451が嵌合する前面板210の嵌合孔451aは丸孔形状であるのに対して、下偏心ホルダ452が嵌合する前面板210の嵌合孔452aは長孔形状となっている。このため、下偏心ホルダ452の前面板210に対する位置は嵌合穴452aの長手方向に変位可能となっている。これは、上現像ローラ411と下現像ローラ412の軸間距離は現像装置4の中で決められ、上偏心ホルダ451および下偏心ホルダ452の調整において変動しないようにすることで、上現像ローラ411と下現像ローラ412の間での現像剤の受渡しに影響を与えないようにする構成である。
【0055】
また、作像ユニット200は偏心ホルダ45として、上現像ローラ411及び下現像ローラ412のそれぞれに対して、上偏心ホルダ451及び下偏心ホルダ452を備えている。このため、上偏心ホルダ451及び下偏心ホルダ452は図17中の矢印ηで示すようにそれぞれ独立して回動させることができ、上現像ローラ411の現像ギャップPGと下現像ローラ412の現像ギャップPGとをそれぞれ独立で調節することができる。
本実施形態の作像ユニット200のように、2つの現像ローラ41(411及び412)を備えた2段現像方式の現像装置4においては、上述した偏心ホルダ45による調節機構のように、後側の現像ギャップPGに応じて、二つの現像ローラ41をそれぞれ独立で前側の現像ギャップPGを調整することにより、狭い設定範囲での現像ギャップPGの公差の改善と現像ギャップPGの前後の偏差の改善との両立をさせることが可能となる。
【0056】
図20は、作像ユニット200における上偏心ホルダ451の回転角度に対する現像ギャップの変化の測定を示すグラフであり、図21は、下偏心ホルダ452の回転角度に対する現像ギャップの変化の測定を示すグラフである。なお、図20及び図21に示すグラフは、板状ステー230と前面板210との間にシム231を3枚挟んだ状態での測定結果であり、図19中の矢印ε方向に回転させたときの角度をプラス方向の回転角度、逆方向に回転させたときの角度をマイナス方向の回転角度としている。また、図15と同様に、上現像ローラ411の現像ギャップPGの測定位置が手前側、中央、奥側の順に、上−F、上−C、上−Rで示されており、下現像ローラ412の現像ギャップPGの測定位置が手前側、中央、奥側の順に、下−F、下−C、下−Rで示されている。
図20及び図21に示す、偏心ホルダ45の回転角度に対する現像ギャップPGの変化は、図15を用いて説明したシム231の増減による現像ギャップPGの変化とは独立しており、現像ギャップPG変化量の加法性が成り立つ。このため、平均的な変化のデータを基にしたシムの装着数の変化と偏心ホルダの回転角度の変化との組合せによる調整結果の推定も可能である。
【0057】
作像ユニット200では、前側の現像ギャップPGを偏心ホルダ45による調整、後側の現像ギャップPGを第一スパンS1の変更による調整という構成である。このような構成で現像ギャップPGを調整することにより、駆動ギヤ列を有しレイアウト余裕度の小さい後面板220の後側において、現像ギャップ調整機構追加による制約を受けることがない。さらに、駆動側となる後面板220に対する各ローラ軸位置を変更しない(調整しない)ため、ギヤ噛み合いバラツキを発生させることがない。また、例えば前側の調整機構のような調整後ネジ止めをするような構成の場合の際の現像装置駆動の衝撃による調整部材のズレなどの心配も必要ないものとなる。
また、後側の現像ギャップPGの調節が、前面板210と板状ステー230との間のシム231の装着枚数によって調節することができるので、現像ギャップを調整する作業においてアクセスが困難な後側に対する作業を必要としない。さらに、前側の現像ギャップPGの調整作業と後側の現像ギャップPGの調整作業とを、作業者がユニット前側からの作業のみで行うことができ、作業性を確保できる。そして、ユニット前側からの作業のみであれば、図7に示すような状態であっても作業を行うことができ、プリンタ100本体上で現像ギャップPGの調整及び修正が可能となる。
【0058】
本実施形態の作像ユニット200は、現像装置4を2つの面板(210、220)に固定することによって、現像装置4が左側のステー部材(固定ステー部材)として構成する方式として、スペースを有効に利用する構成を提示しているが、このような構成に限るものではない。例えば、現像装置4を二つの面板に固定せず、別に左側のステー部材を設ける構成であってもよい。また、右側のステー部材である板状ステー230側の第一スパンS1を固定長さとして、現像装置4側の長手長である第二スパンS2を調節する調節機構を設ける構成であっても良い。
なお、作像ユニット200は、現像装置4、感光体1、帯電装置2、クリーニング装置6、及び除電部を一体的に支持するプロセスカートリッジとなっている。作像ユニットとしてはこのような構成に限らず、少なくとも現像装置4と感光体1とを備えた構成であれば良い。
【0059】
また、本実施形態の作像ユニット200では、固定ステー部材として機能する現像装置4の軸方向に延在する部材と、支持面板間距離調節可能ステー部材である板状ステー230とを、熱膨張係数が略等しい材質で構成している。
図22は、作像ユニット200のステー部材となる各部品の説明図である。現像装置4を構成する部品のうち、図22に示す前現像ケース48、後現像ケース49、下現像ケース40、及び、ドクタブレードホルダ44がステー部材として機能する。現像装置4では、軸方向に延在する部材である下現像ケース40とドクタブレードホルダ44とをアルミニウムからなる材料によって構成し、板状ステー230としてもアルミニウムからなる材料によって構成する。詳しくは、下現像ケース40をアルミダイキャスト、板状ステー230をアルミ押し出し材で構成する。なお、前現像ケース48及び後現像ケース49は、ABS樹脂より構成されている。また、ドクタブレードホルダ44は、ドクタブレード57を支持する部材である。
現像ギャップPGを調整した時の温度とプリンタ100の動作時の温度との温度差や、プリンタ動作開始時温度と連続動作中温度との温度差など、作像ユニット200の設置環境は温度変化が生じる。このため、現像装置4の軸方向に延在する部材と板状ステー230として、熱膨張係数の異なる材料からなるものを用いていると、温度変化による現像装置4と板状ステー230との間に、ステー方向の寸法差が発生し、前面板210に対する後面板220の傾きが変動する。前面板210に対する後面板220の傾きが変動すると、現像ギャップPGにも変動が生じるため、本実施形態の作像ユニット200では、現像装置4の下現像ケース40及びドクタブレードホルダ44と、板状ステー230としてアルミニウムからなる部品を用いているので、温度変化に起因するステー方向の寸法差が生じることを防止し、現像ギャップPGに変動が生じることを防止することができる。
【0060】
ここで、板状ステー230を鉄製の板金(Fe)で構成した場合と、アルミ押し出し材(Al)で構成した場合との、温度変化に起因するステー方向の寸法差の発生を比較した。
各部材のステー方向の長さ(スパン)は図22に示す。
表1は、下現像ケース40を配置した位置におけるスパンの変動を示し、表2は、ドクタブレードホルダ44を配置した位置におけるスパンの変動を示す。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
また、表3及び表4は、板状ステー230を配置した位置におけるスパンの変動を示すものであり、表3は、板状ステー230が鉄製の場合、表4は、板状ステーがアルミニウム製の場合の表である。なお、表3及び表4で示す、スパン偏差の「ケース側」は、表1で示した下現像ケース40を配置した位置におけるスパンである。
【0064】
【表3】

【0065】
【表4】

【0066】
表1に示す下現像ケース40を配置した位置におけるスパンの合計の温度変化と、表3及び表4の板状ステー230のスパンの温度変化のグラフを図23に示す。
図15の特性に当てはめてみると、23の矢印H及び表3に示すように、鉄製の板金からなる板状ステー230を用いた場合、スパン偏差は約211[μm]となった。この差は、後側の現像ギャップPGが約0.02[mm]変動する状態に相当する。
一方、図23の矢印I及び表4に示すように、アルミニウム製の板状ステー230を用いた場合、スパン偏差は約34[μm]であり、鉄製のものを用いた場合に比べて、スパン偏差を大幅に低減することができ、このため、後側の現像ギャップPGの変動も抑制することができる。
【0067】
従来、現像装置とは別にステー部材を設ける場合、ステー部材としては、鉄製のものを用いることが多い。しかし、作像ユニットを配置する温度は、使用環境や稼動時間などで30[℃]〜40[℃]の温度変化が生じる場合がある。このとき、ABS樹脂からなる部品とアルミニウムからなる部品とによってスパン長が決定する現像装置4と、鉄製の板状ステー230とでは、温度上昇が生じた際のそれぞれのステー部材で構成された部分での伸びの変化が大きく異なる。この場合、温度変化によって、現像ギャップPGが0.02[mm]もの変動が生じるおそれがある。一方、本実施形態の作像ユニット200のように、板状ステー230を現像装置4の長手方向に延在する部品と同じアルミニウムからなるものを用いることにより、スパン偏差を低減することができ、温度変化に起因する現像ギャップPGの変動も抑制することができる。
【0068】
図24は、前面板210と、プリンタ100本体の本体側板105との固定部の説明図であり、図24(a)は、固定部を上方から見た断面図であり、図24(b)は、ユニット前側から見た正面図である。図24(a)は、第一前板固定ネジ106と第二前板固定ネジ107とによって、固定した状態の説明図であるが、図24(b)は、第一前板固定ネジ106及び第二前板固定ネジ107を前面板210の嵌合孔(106a、107a)に嵌め込む前の状態の説明図である。
第一前板固定ネジ106の嵌合孔(106a)は、第一固定孔形成部材106bによって形成されており、本体側板105側の固定部である第一面板固定スタット106cには雌ネジが切ってある。そして、図24(a)に示すように、第一固定孔形成部材106bに第一面板固定スタット106cを挿入し、第一面板固定スタット106cの雌ネジに対して第一前板固定ネジ106をネジ止めすることにより、第一前板固定ネジ106の嵌合孔(106a)側を本体側板105に固定することができる。また、第二前板固定ネジ107の嵌合孔(107a)側でも、第二固定孔形成部材107b及び第二面板固定スタット107cによって、同様に、本体側板105に固定することができる。
このように、前面板210は、本体側板105に対してネジ固定するため、感光体1や現像ローラ41の回転軸の軸方向についても、また、軸方向に直交する方向についてもプリンタ100本体に対して位置決めが成される。
【0069】
一方、後面板220は、図12に示すように、プリンタ100本体に対してネジ固定する嵌合孔などは備えていないが、作像ユニット200をプリンタ100本体に装着したときにプリンタ100本体側の不図示の嵌合孔に嵌合する突起部224を備えている。この突起部224がプリンタ100本体側の嵌合孔に嵌合することによって、上記の回転軸の軸方向に直交する方向について後面板220はプリンタ100本体に対して位置決めが成される。しかし、嵌合部に対して突起部を挿入しているだけであるので、後面板220は回転軸の軸方向については、プリンタ100本体に対して位置決めが成されていない状態である。このため、作像ユニット200をプリンタ100本体に対して配置した状態で、後面板220はプリンタ100本体に対して、回転軸の軸方向について変位可能である。なお、突起部224の作像ユニット200の回転方向の従基準であり、この回転方向の主基準は感光体1の回転軸である。
本実施形態の作像ユニット200は、後面板220の板状ステー230が固定されている部分の位置を変位させることで、前面板210に対する後面板220の傾きを変更し、第一スパンS1を変更して現像ギャップPGを調節する構成である。
このような構成で、後面板220が軸方向についてプリンタ100本体に対して位置決めが成される構成であると、第一スパンS1の変化にプリンタ100本体側が干渉する。そして、現像ギャップGPの調整を行った後に作像ユニット200をプリンタ100本体に装着してときに、ユニット単体で調整された現像ギャップPGがプリンタ100本体側からの干渉により変動するおそれがある。一方、本実施形態のように、後面板220が軸方向について、プリンタ100本体に対して位置決めが成されていない構成であれば、第一スパンS1の変化にプリンタ100本体側が干渉することでの影響を防止し、ユニット単体で調整された現像ギャップPGが、プリンタ100本体への設置によって変動することを防止することができる。
【0070】
次に、後面板220の特徴的な形状について説明する。図25は、ユニット前側から後面板220を見た後面板220の正面図である。
後面板220は、2つのネジ(第一ステー後面ネジ933と第二ステー後面ネジ934)によってネジ止めされることによって、板状ステー230に対して固定が成される。そして、板状ステー230が固定された位置の後面板220の形状は、図25に示すように、半島形状となっている。すなわち、第一ステー後面ネジ933によるネジ止めが成される第一後面ステーネジ嵌合孔933aが設けられた部分は、第二ステー後面ネジ934によるネジ止めが成される第二後面ステーネジ嵌合孔934aが設けられた部分でのみ後面板220の他の部分と繋がっており、第二後面ステーネジ嵌合孔934aが設けられた部分の方向以外の他の三方は、フリーな状態となっている。
このような半島形状とすることにより、半島形状の根元に位置する第二後面ステーネジ嵌合孔934aの位置から第一後面ステーネジ嵌合孔933aの位置にかけての後面板220の曲げ強度を弱くすることができる。すなわち、二点の固定部で板状ステー230に対して固定される後面板220の固定部のうち、固定ステーである現像装置4に近い側の固定部の位置から、他方の固定部の位置までの部分の後面板220の曲げ強度を弱くすることができる。
【0071】
ここで、2つの固定部の間の曲げ強度を弱くすることの利点について説明する。
図26は、第一スパンS1が広がるように調節が行われた場合の、後面板220の変形を模式的に示した説明図である。図26(a)は、変形前の説明図、図26(b)は、2つの固定部の間の曲げ強度を弱くしていない構成で、第一スパンS1が広がったときの説明図、図26(c)は、2つの固定部の間の曲げ強度を弱くした構成で、第一スパンS1が広がったときの説明図である。
2つの固定部の間の曲げ強度が他の部分と同じ曲げ強度であると、後面板220の剛性の影響により、図26(b)に示すように、後面板220がユニット後側に膨らんだ状態となり、第一スパンS1の変更に対する後面板220の変形の線形成を確保することができなくなる。このため、前面板210に対する後面板220の傾きを所望の傾きに調節することが困難となる。
一方、2つの固定部の間の曲げ強度を弱くした構成の場合、図26(c)に示すように、第二後面ステーネジ嵌合孔934aの位置の一点に荷重を加えたように後面板220を変形させることができ、第一スパンS1の変更に対する後面板220の変形の線形成を確保することができる。これにより、前面板210に対する後面板220の傾きを所望の傾きに調節することができる。
また、このような利点を得るために、板状ステー230と後面板220とを一点で固定することが考えられるが、後面板220に対する固定位置が一点であると、第一スパンS1を変化させるように操作し、後面板220に力が加わったときに前面板210に対して後面板220のねじれ方向の変形が生じ易くなる。これに対して、二箇所以上の複数の固定位置で板状ステー230と後面板220とを固定することにより、ねじれ方向の強度を確保し、後面板220がねじれ方向に変形することを防止することができる。
【0072】
図25中の一点鎖線Laは、上現像ローラ411の回転中心と感光体1の回転中心とを結んだ直線であり、一点鎖線Lbは、下現像ローラ412の回転中心と感光体1の回転中心とを結んだ直線である。一点鎖線Laは、上現像ローラ411の回転中心と下現像ローラ412の回転中心との中点と、感光体1の回転中心とを結んだ直線である。
作像ユニット200では、2つのネジ止め位置のうち、固定ステーである現像装置4に近いネジ止め位置である第二後面ステーネジ嵌合孔934aの位置が、後面板220における一点鎖線Laまた一点鎖線Lbで示す直線上、または、この直線の近傍に位置することが望ましい。本実施形態の作像ユニット200では、上現像ローラ411の回転中心を通る一点鎖線Laで示す直線の近傍に第二後面ステーネジ嵌合孔934aが配置されている。
このように配置して、現像ローラ41と感光体1とを結んだ線に近い方向に対して後面板220を変形させることで、同じ現像ギャップPGの変位量であっても、後面板220の変形量を少なくすることができる。すなわち、現像ギャップPGの変化に有効に働く方向に後面板220を変形させるため、後面板220の撓みによって生じ得る各部材の設置位置の歪を抑制することができる。
【0073】
また、作像ユニット200としては、2つの現像ローラ41の回転中心の中点と感光体1とを結んだ一点鎖線Lmで示す直線上、または、その直線の近傍に第二後面ステーネジ嵌合孔934aが位置するような配置としても良い。これにより、上現像ローラ411と下現像ローラ412との後側の現像ギャップPGを略均等に変化させる方向に後面板220を変形させることができる。
【0074】
また、図24(b)に示すように、前面板210は作像ユニット200を装着するプリンタ100本体の本体側板105に対して、第一前板固定ネジ106及び第二前板固定ネジ107の嵌合孔(106a、107a)の位置を固定部として固定が成される。そして、これら2つの固定部は前面板210の上端部近傍に配置されているのに対して、板状ステー230の固定位置は前面板210の下端部近傍に配置されている。このため、前面板210のプリンタ100本体に対する固定位置と、板状ステー230に対する固定位置とを、離れた位置に配置することができる。
図24(a)で示すように、前面板210のプリンタ100本体に対する2つの固定孔形成部材(106bおよび107b)は、プリンタ100本体の本体側板105に配置された、第一面板固定スタット106c及び第二面板固定スタット107cと嵌合し、第一面板固定スタット106c及び第二面板固定スタット107cの段差面と突き当てで固定される。このとき、第一面板固定スタット106c及び第二面板固定スタット107cの位置と、前面板210側の2つの固定位置とを精度良く完全に一致させることは困難である。
このため、ある程度の誤差が生じるが、誤差が生じた場合、プリンタ100本体の本体側板105ではない、前面板210が変形することによってその誤差を吸収する。また、本体側板105の作像ユニット200の取り付け方向の寸法にバラツキがある場合、作像ユニット200をセットしたときに、感光体1の回転軸に対する前面板210の直角度が変化する。
このときの前面板210の変形が板状ステー230に対する固定位置まで影響すると、第一スパンS1を調節することによって調整がなされた後側の現像ギャップPGに前面板210の変形が影響するおそれがある。これに対して、作像ユニット200では、前面板210のプリンタ100本体に対する固定位置と、板状ステー230に対する固定位置とを、離れた位置に配置している。このため、プリンタ100本体に対する固定により前面板210に変形が生じていても、その変形は、プリンタ100本体に対する固定位置と、板状ステー230に対する固定位置との間の前面板210によってほとんど吸収され、板状ステー230の固定部での前面板210の変位量を抑制することができる。これにより、板状ステー230を介して、第一スパンS1を調節することによって調整がなされた後側の現像ギャップPGに、前面板210の変形が影響することを防止することができる。
【0075】
また、前面板210のプリンタ100本体に対する二箇所の固定部のうち、少なくとも一方の固定部近傍の前面板210の曲げ強度が弱くなるように構成しても良い。具体的には、図24(c)中の斜線部Jの部分を切り欠きにしたり、斜線部Kの曲げを無くしたりすることが挙げられる。これにより、第一前板固定ネジ106の嵌合孔(106a)は近傍の曲げ強度を弱くすることができ、プリンタ100本体に対する固定により前面板210に変形が生じていても、この曲げ強度が弱い部分が主に変形し、板状ステー230の固定部での前面板210の変位量を抑制することができる。
【0076】
なお、作像ユニット200では、前面板210及び後面板220それぞれに対して板状ステー230を二箇所の固定位置で固定する構成であるが、シム231による第一スパンS1の調節は、1つシム231で二箇所の固定位置に対して同時に調節が行われている。スペーサー部材による第一スパンS1の調節は、二箇所の固定位置を同時に調節するものに限らず、それぞれ独立して調節を行うものであっても良い。すなわち、二箇所の固定位置のそれぞれに対して独立してスペーサ−部材の装着数を変更する構成である。二箇所の固定位置における第一スパンS1をそれぞれ独立して調節することにより、後面板220の前面板210に対するねじれ方向の傾き、いわゆるアオリの調節を行うことができる。この場合は、板状ステー230の二箇所の固定位置は、後述する変形例の説明図である図28中の243a及び243bのように縦に並べて配置する。
【0077】
〔変形例1〕
次に、本実施形態の作像ユニット200の第一スパンS1を変更することによって現像ギャップPGの調節を行う構成の、1つ目の変形例(以下、変形例1と呼ぶ)について説明する。
図27は、変形例1の作像ユニット200の概略上面図である。
変形例1の作像ユニット200は、図6で示した作像ユニット200の板状ステー230の代わりに棒状ステー240を備える点で異なる。他の構成は、共通するため、その説明は省略する。
図27に示すように、変形例1の作像ユニット200が備える棒状ステー240は雄ネジ部241を備える。そして、棒状ステー240と後面板220とは棒状ステー固定ネジ243によってネジ固定がなされ、棒状ステー240と前面板210とは、雄ネジ部241に前面板210の前後に取り付けられた2つのナット242(242a、242b)によって前面板210を挟見込むことによって固定がなされる。
変形例1の作像ユニット200では、ナット242を回転させることによって、前面板210に対する雄ネジ部241の突き出し量が変化し、第一スパンS1が変更可能となっている。第一スパンS1が変更することによって、図6を用いて説明した作像ユニット200と同様に、第一スパンS1を調節することによって、後側の現像ギャップPGを調節することができる。
【0078】
図28は、変形例1の作像ユニット200をユニット後側から見た斜視説明図であり、図29は、ユニット前側から変形例1の後面板220を見た後面板220の正面図である。
図28に示すように、変形例1の作像ユニット200は、支持面板間距離調節可能ステー部材である棒状ステー240として、第一棒状ステー240a及び第二棒状ステー240bの2つを備える。そして、第一棒状ステー240a及び第二棒状ステー240bは、前面板210から後面板220までの距離である第一スパンS1を互いに独立して調節可能に構成されている。詳しくは、図27を用いて説明した、雄ネジ部241及びナット242を図28に示すように、第一棒状ステー240a及び第二棒状ステー240bがそれぞれ備えているため、2つのナット(242a、242b)をそれぞれ独立して回転させることにより、前面板210に対する第一雄ネジ部241a及び第二雄ネジ部241bとの突き出し量をそれぞれ独立して調節することができる。
【0079】
図29において、244a及び244bは、第一棒状ステー固定ネジ243a及び第二棒状ステー固定ネジ243bの嵌合孔であり、破線で示す240a及び240bは、第一棒状ステー240a及び第二棒状ステー240bの固定位置を示している。
また、図29に示すように、第一棒状ステー240aの後面板220に対する固定位置は、下現像ローラ412の回転中心と感光体1の回転中心とを通る図29中の一点鎖線Lbの近傍となるように配置されている。また、第二棒状ステー240bの後面板220に対する固定位置は、上現像ローラ411の回転中心と感光体1の回転中心とを通る図29中の一点鎖線Laの近傍となるように配置されている。また、図29に示すように、2つの固定位置は、上現像ローラ411の回転中心と下現像ローラ412の回転中心との中点と、感光体1の回転中心と、を通る図29中の一点鎖線Lmに対して直交する、一点鎖線Lnで示される直線の近傍に配置されている。このように配置された2つの固定位置における第一スパンS1を独立して調節することにより、後面板220の変形方向(あおり方向)をコントロールし、上下の現像ローラ41の奥側現像ギャップPGのバランスを調節する。
【0080】
また、上述した板状ステー230の二箇所の固定位置のそれぞれに対して独立してスペーサー部材の装着数を変更する構成の場合、図28の2つの棒状ステー(240a、240b)の代わりに板状ステー230を配置する。そして、2つのナット(242a、242b)を回転させる代わりに、板状ステー230と後面板220との間におけるスペーサー部材であるシムの装着枚数を調節させることにより、第一スパンS1を調節することが出来る。また、2つのナット(242a、242b)を独立して回転させる構成と同様に、二つの固定位置のシムの枚数をそれぞれ独立して調節することにより、板状ステー230を用いた構成であっても、いわゆるアオリの調節を行うことができる。
なお、1つの板状ステー230の二つの固定位置を縦方向に配置して、二つの固定位置のそれぞれに対して独立してスペーサ−部材の装着数を変更する場合は、板状ステー230と後面板220との間にスペーサー部材を挟むことが望ましい。これは、前面板210側で異なる枚数のスペーサー部材を挟むと、板状ステー230がねじれた状態に変形し、所望のアオリの調節を行えなくなるおそれがあるためである。
【0081】
本実施形態の作像ユニット200では、1つの現像装置4が2つの現像ローラ41を備える構成について説明したが、本発明の特徴部は、1つの現像装置が1つの現像ローラを備える作像ユニットに対しても適用可能である。
なお、現像装置1つに対して1つの現像ローラを備える構成の場合、現像ローラの回転中心と、感光体の回転中心とを結んだ直線の直線上、またはその直線の近傍に、第一スパンS1を調節する部材の固定位置を設けることが望ましい。
また、本実施形態では、回転軸が平行になるように配置された複数のローラ部材を備えるローラ装置として、複数のローラ部材が感光体1と現像ローラ41である作像装置(作像ユニット200)について説明したが、第一支持面板に対する第二支持面板の傾きを変化させることにより、ローラ間距離を調節するローラ装置としては、作像装置に限るものではない。ローラ装置を構成する2つのローラ部材の組み合わせとしては、感光体と帯電ローラ、搬送ローラ対、定着装置の定着ニップを形成するローラ対などを挙げることができるが、これらに限るものではない。
【0082】
以上、本実施形態の作像装置としての作像ユニット200は、感光体1と、表面が感光体1の表面との間で現像ギャップを形成し、感光体1上の潜像を現像する現像ローラ41を備える現像装置4とを有する。また、感光体1の回転軸の軸方向の一端と現像ローラ41の回転軸の軸方向の一端とを支持する第一支持面板である前面板210と、感光体1及び現像ローラ41を挟んで前面板210に対向して配置され、感光体1の回転軸の軸方向の他端と現像ローラ41の回転軸の軸方向の他端とを支持する第二支持面板である後面板220とを有する。そして、作像ユニット200は、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させることにより、現像ギャップGPを調節する。このように、現像ギャップGPを調節することにより、支持面板である後面板220に対する感光体1の回転軸及び現像ローラ41の回転軸の位置を変位させることなく、現像ギャップGPを調節することができる。
【0083】
また、作像ユニット200は、回転軸の軸方向に延在し、軸方向の両端部が前面板210と後面板220とにそれぞれ固定され、前面板210と後面板220との回転軸の軸方向についての距離を決める複数のステー部材として、現像装置4と板状ステー230とを備える。これら、複数のステー部材のうちの一部である板状ステー230が固定された位置の前面板210と後面板220との距離を変化させることによって、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させる。これにより、簡易な構成で、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させることができる。
【0084】
また、作像ユニット200は、複数のステー部材として、前面板210及び後面板220に対する位置が固定された固定ステー部材である現像装置4と、固定された位置の前面板210から後面板220までの距離が調節可能に構成された支持面板間距離調節可能ステー部材である板状ステー230とを備える。これにより、板状ステー230側の前面板210と後面板220との間の距離を調節することによって、後面板220の前面板210に対する傾きを調節することができる。
【0085】
また、前面板210と板状ステー230との間に着脱可能なスペーサー部材であるシム231の装着数を変えることによって、板状ステー230が固定された位置の前面板210と後面板220との距離である第一スパンS1を変化させる。このような構成により、シム231の増減という簡易な構成で、現像ギャップPGを調節することができる。
【0086】
また、変形例1の作像ユニット200は、複数のステー部材として、前面板210及び後面板220に対する位置が固定された固定ステー部材である現像装置4と、固定された位置の前面板210から後面板220までの距離が調節可能に構成された支持面板間距離調節可能ステー部材である棒状ステー240とを備える。そして、棒状ステー240の長さを調節することによって、棒状ステー240が固定された位置の前面板210と後面板220との距離である第一スパンS1を変化させる。このような構成により、棒状ステー240の長さ調節という簡易な構成で、現像ギャップPGを調節することができる。
【0087】
また、作像ユニット200は、固定ステー部材である現像装置4の軸方向に延在する部材(下現像ケース40、ドクタブレードホルダ44)と、支持面板間距離調節可能ステー部材である板状ステー230とを、アルミニウムで構成している。同じ材質のものを用いているので、現像装置4の軸方向に延在する部材と板状ステー230との熱膨張係数は等しくなり、現像装置4側と板状ステー230側とで温度変化に起因するステー方向の寸法差が生じることを防止し、現像ギャップPGに変動が生じることを防止することができる。
【0088】
また、作像ユニット200の前面板210に対する後面板220の傾きの調節は、後面板220の板状ステー230が固定された位置の前面板210に対する位置を変位させることにより行われ、後面板220と板状ステー230とは2つのネジによってネジ止めすることによって固定されている。そして、板状ステー230が固定された位置の後面板220の形状は、図25に示すように、半島形状となっている。このような半島形状とすることにより、半島形状の根元に位置する第二後面ステーネジ嵌合孔934aの位置から半島形状の先端に位置する第一後面ステーネジ嵌合孔933aの位置にかけての後面板220の曲げ強度を弱くすることができる。これにより、第二後面ステーネジ嵌合孔934aの位置の一点に荷重を加えたように後面板220を変形させることができ、第一スパンS1の変更に対する後面板220の変形の線形成を確保することができる。
【0089】
また、作像ユニット200では、2つのネジ止め位置のうち、固定ステーである現像装置4に近いネジ止め位置である第二後面ステーネジ嵌合孔934aの位置が、後面板220における上現像ローラ411の回転中心を通る一点鎖線Laで示す直線の近傍に位置するように配置されている。これにより、現像ローラ41と感光体1とを結んだ線に近い方向に対して後面板220を変形させることができ、同じ現像ギャップPGの変位量であっても、後面板220の変形量を少なくすることができる。
【0090】
また、作像ユニット200は、後面板220と板状ステー230とは複数のネジによってネジ止めすることによって固定が成され、現像装置4は2つの現像ローラ41として上現像ローラ411と下現像ローラ412を有する。そして、2つのネジ止め位置のうち、固定ステーである現像装置4に近いネジ止め位置である第二後面ステーネジ嵌合孔934aの位置が、後面板220における2つの現像ローラ41の回転中心の中点と感光体1の回転中心とを結ぶ一点鎖線Lmで示す直線上またはその直線の近傍に位置するように配置してもよい。これにより、上現像ローラ411と下現像ローラ412との後側の現像ギャップPGを略均等に変化させる方向に後面板220を変形させることができる。
【0091】
また、変形例1の作像ユニット200は、第一棒状ステー240a及び第二棒状ステー240bの2つの支持面板間距離調節可能ステー部材を備える。そして、前面板210に対する第一雄ネジ部241a及び第二雄ネジ部241bとの突き出し量をそれぞれ独立して調節することにより、第一棒状ステー240a及び第二棒状ステー240bは、前面板210から後面板220までの距離である第一スパンS1を互いに独立して調節可能に構成されている。後面板220における第一棒状ステー240a及び第二棒状ステー240bの2つの固定位置は、上現像ローラ411の回転中心と下現像ローラ412の回転中心との中点と、感光体1の回転中心と、を通る一点鎖線Lmに対して直交する、一点鎖線Lnで示される直線の近傍に配置されている。このように配置された2つの固定位置における第一スパンS1を独立して調節することにより、後面板220の変形方向(あおり方向)をコントロールし、上下の現像ローラ41の奥側現像ギャップPGのバランスを調節する。
【0092】
前面板210は作像ユニット200を配置するプリンタ100本体に対して固定する固定部として嵌合孔(106a、107a)が設けられ、この2つの嵌合孔と板状ステー230の固定位置とが離れた位置となるように配置されている。これにより、前面板210と本体側板105とのバラツキを前面板210の変形によって吸収した場合であっても、板状ステー230の固定部での前面板210の変位量を抑制することができる。よって、板状ステー230を介して、第一スパンS1を調節することによって調整がなされた後側の現像ギャップPGに、前面板210の変形が影響することを防止することができる。
【0093】
また、前面板210のプリンタ100本体に対する固定部は二箇所であり、二箇所の固定部のうちの少なくとも一方の固定部近傍の前面板210の曲げ強度が弱くなるように構成してもよい。これにより、プリンタ100本体に対する固定により前面板210に変形が生じていても、この曲げ強度が弱い部分が主に変形し、板状ステー230の固定部での前面板210の変位量を抑制することができる。
【0094】
また、作像ユニット200は、固定ステー部材である現像装置4の固定部と、支持面板間距離調節可能ステー部材である板状ステー230の固定部との間に、前面板210及び後面板220に対する感光体1の位置決め機構である感光体軸受12及び第二感光体軸受14が配置されている。これにより、前面板210における板状ステー230の固定位置が変位することによって、現像装置4に対する感光体軸受12の位置が変位する。よってい、感光体1の現像ローラ41に対する位置が変化し、現像ギャップPGを調節することができる。
【0095】
また、現像装置4を前面板210及び後面板220に対して固定することによって、現像装置4が固定ステー部材としての機能を兼用する。これにより、固定ステー部材を別に設ける必要が無く、スペースを有効に利用することができる。
【0096】
また、前面板210及び後面板220のそれぞれに対して感光体1の位置決めを行う感光体位置決め機構は、感光体1を前面板210及び後面板220に対して回転可能に支持する回転支持部材である感光体軸受部材(感光体軸受12及び第二感光体軸受14)を備える。そして、感光体軸受部材のうちの感光体軸受12は、後面板220に対して、軸方向についての位置がオフセットした配置である。これにより、後面板220のたわみ変形に対する感光体軸受12の変位量が大きくなる。
【0097】
また、作像ユニット200では、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させたときの感光体軸受部材(感光体軸受12及び第二感光体軸受14)の変位量が、第二感光体軸受14よりも感光体軸受12の方が大きくなる構成である。これにより、第一スパンS1を変更したときに、感光体軸受12を主に変位させることができ、第二感光体軸受14の変位を抑制することができる。
【0098】
また、作像ユニット200は、前面板210に配置された第二感光体軸受14と、後面板220に配置された感光体軸受12とで、その感光体軸受部材が配置された支持面板に対するオフセット量が異なるように構成している。感光体軸受部材の支持面板に対するオフセット量が異なることによって、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させたときの感光体軸受部材の変位量が、第二感光体軸受14と感光体軸受12とで異なるように構成できる。具体的には、感光体軸受12のオフセット量を大きくすることによって、第一スパンS1を変更したときに、感光体軸受12を主に変位させることができ、第二感光体軸受14の変位を抑制することができる。
【0099】
また、作像ユニット200は、前面板210及び後面板220における現像ローラ41の回転中心(2つの現像ローラの回転中心の中点)と感光体1の回転中心とを結ぶ直線上の方向に対する曲げ強度が前面板210と後面板220とで異なる。曲げ強度が異なることによって、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させたときの感光体軸受部材の変位量が、第二感光体軸受14と感光体軸受12とで異なるように構成できる。具体的には、前面板210よりも後面板220の曲げ強度を弱くすることによって、第一スパンS1を変更したときに、感光体軸受12を主に変位させることができ、第二感光体軸受14の変位を抑制することができる。
【0100】
また、作像ユニット200は、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させたときの感光体軸受部材の変位量が小さい側の支持面板である前面板210に、前面板210における現像ローラ41の回転軸である、第二現像ローラ軸43bを支持する位置を調節する現像ローラ位置調節機構である偏心ホルダ45を備える。これにより、第一スパンS1を変更することによって、調節した後側の現像ギャップGPに合わせるように、前側の現像ギャップGPの調節を行うことができる。
【0101】
また、作像ユニット200は、2つの現像ローラ41(上現像ローラ411、下現像ローラ412)のそれぞれに対して独立の現像ローラ位置調節機構として、上偏心ホルダ451、及び、下偏心ホルダ452を有する。これにより、後側の現像ギャップPGに応じて、二つの現像ローラ41をそれぞれ独立で前側の現像ギャップPGを調整することにより、狭い設定範囲での現像ギャップPGの公差の改善と現像ギャップPGの前後の偏差の改善との両立をさせることが可能となる。
【0102】
また、作像ユニット200は、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させたときの感光体軸受部材の変位量が大きい側の支持面板である後面板220側に、現像ローラ41に駆動を伝達する不図示の現像ローラ駆動機構を有する。現像ギャップPGの調節作業を行っても、後面板220側では現像ローラ41の回転軸である第一現像ローラ軸43aの後面板220に対する位置が変化しないため、駆動ギヤ等の現像ローラ駆動機構に対する第一現像ローラ軸43aの位置が変化せず、現像ギャップPGの調節が駆動の伝達に影響することを防止することができる。
【0103】
また、作像ユニット200は、支持面板間傾き調節手段として、2つのステー部材のうちの1つのステー部材である板状ステー230が固定された位置の前面板210と後面板220との距離を調節する支持面板間距離調節手段を備える。また、支持面板間距離調節手段としては、前面板210とと板状ステー230との間にスペーサー部材としてのシム231を着脱可能に構成し、シム231の装着数を変えることによって、板状ステー230が固定された位置の前面板210と後面板220との距離である第一スパンS1を調節できるように構成している。そして、支持面板間傾き調節手段の操作位置であるシム231の装着位置を、前面板210または後面板220のうち、作像ユニット200をプリンタ100本体に配置したときにアクセスが容易な側の支持面板である前面板210に配置している。また、シム231の装着位置を設けた前面板210は、前面板210に対する後面板220の傾きを変化させたときの感光体軸受部材の変位量が後面板220に比べて小さい側の支持面板である。すなわち、作像ユニット200では、第一スパンS1の変更で主に変形する後面板220側でなく、前面板210側で後面板220の変形を調節する操作を行うことができる。
【0104】
また、本実施形態では、少なくとも、感光体1と現像手段である現像装置4とからなる作像ユニット200を、プリンタ100本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジとすることによって、作像ユニット200単体で現像ギャップPGを調節した状態で、作像ユニット200をプリンタ100本体にセットすることができる。
【0105】
また、プリンタ100は、作像手段として作像ユニット200を備えることにより、現像ギャップPGを適切に調節された作像手段によって画像形成を行うことができるので、良好な画像形成を実現することができる。
【0106】
また、作像ユニット200をプリンタ100置本体に配置した状態で、後面板220はプリンタ100本体に対して、回転軸の軸方向(取り付け方向)について位置決めがされておらず、変位可能である。このように、後面板220が軸方向について、プリンタ100本体に対して位置決めが成されていない構成であれば、第一スパンS1の変化にプリンタ100本体側が干渉することでの影響を防止し、ユニット単体で調整された現像ギャップPGがプリンタ100本体への設置によって変動することを防止することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 感光体
2 帯電装置
3 光書込装置
4 現像装置
5 一次転写チャージャー
6 クリーニング装置
7 中間転写ベルト
8 二次転写ローラ
9 ローラ装置
10 作像プロセス部
13a 第一感光体軸
13b 第二感光体軸
40 下現像ケース
41 現像ローラ
42 現像ローラ軸受
44 ドクタブレードホルダ
45 偏心ホルダ
48 前現像ケース
49 後現像ケース
60 第一ローラ
61 第二ローラ
62 第二ローラ軸受
63 第二ローラ軸
64 第一ローラ軸受
65 第一ローラ軸
70 転写ユニット
71 二次転写対向ローラ
81 レジストローラ対
91 第一支持面板
92 第二支持面板
100 プリンタ
105 本体側板
113 感光体駆動軸
200 作像ユニット
210 前面板
220 後面板
230 板状ステー
231 シム
240 棒状ステー
241 雄ネジ部
242 ナット
243 棒状ステー固定ネジ
S1 第一スパン
S2 第二スパン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0108】
【特許文献1】特開平11−038722号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸が平行になるように配置された複数のローラ部材と、
上記複数のローラ部材の軸方向一端を支持する第一支持面板と、
上記複数のローラ部材を挟んで上記第一支持面板に対向して配置され、上記複数のローラ部材の軸方向の他端を支持する第二支持面板とを有するローラ装置の上記複数のローラ部材のうちの2つのローラ部材の回転中心間の距離であるローラ間距離を調節するローラ間距離調節方法において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させることにより、ローラ間距離を調節することを特徴とするローラ間距離調節方法。
【請求項2】
請求項1のローラ間距離調節方法において、
上記軸方向に延在し、該軸方向の両端部が上記第一支持面板と上記第二支持面板とにそれぞれ固定され、上記第一支持面板と上記第二支持面板との上記軸方向についての距離を決める複数のステー部材を備え、
該複数のステー部材のうちの一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることによって、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させることを特徴とするローラ間距離調節方法。
【請求項3】
請求項2のローラ間距離調節方法において、
上記ローラ装置は、上記複数のステー部材として、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する位置が固定された固定ステー部材と、固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離が調節可能に構成された支持面板間距離調節可能ステー部材とを備え、
上記第一支持面板と上記第二支持面板との少なくとも一方と上記支持面板間距離調節可能ステー部材との間に着脱可能なスペーサー部材の装着数を変えることによって、
上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることを特徴とするローラ間距離調節方法。
【請求項4】
請求項2のローラ間距離調節方法において、
上記ローラ装置は、上記複数のステー部材として、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する位置が固定された固定ステー部材と、固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離が調節可能な支持面板間距離調節可能ステー部材とを備え、
上記支持面板間距離調節可能ステー部材の長さを調節することによって、
上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることを特徴とするローラ間距離調節方法。
【請求項5】
感光体と、
その表面が該感光体の表面との間で現像ギャップを形成し、該感光体上の潜像を現像する現像ローラを備える現像装置とを備える作像装置の上記現像ギャップを調節する現像ギャップ調節方法において、
上記作像装置は上記2つのローラ部材として上記感光体と上記現像ローラとを備えるローラ装置であり、請求項1乃至請求項4の何れかに記載のローラ間距離調節方法によって現像ギャップを調節することを特徴とする現像ギャップ調節方法。
【請求項6】
回転軸が平行になるように配置された複数のローラ部材と、
上記複数のローラ部材の軸方向一端を支持する第一支持面板と、
上記複数のローラ部材を挟んで上記第一支持面板に対向して配置され、上記複数のローラ部材の軸方向の他端を支持する第二支持面板とを有するローラ装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを調節する支持面板間傾き調節手段を備え、
該支持面板間傾き調節手段によって上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させることにより、上記複数のローラ部材のうちの2つのローラ部材の回転中心間の距離であるローラ間距離を調節することを特徴とするローラ装置。
【請求項7】
請求項6のローラ装置において、
上記回転軸の軸方向に延在し、該軸方向の両端部が上記第一支持面板と上記第二支持面板とにそれぞれ固定され、上記第一支持面板と上記第二支持面板との上記回転軸の軸方向についての距離を決める複数のステー部材を備え、
上記支持面板間傾き調節手段として、上記複数のステー部材のうちの一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を調節する支持面板間距離調節手段を備え、
該支持面板間距離調節手段によって上記一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることによって、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを調節することを特徴とするローラ装置。
【請求項8】
請求項7のローラ装置において、
上記複数のステー部材として、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する位置が固定された固定ステー部材と、固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離が調節可能に構成された支持面板間距離調節可能ステー部材とを備えることを特徴とするローラ装置。
【請求項9】
請求項8のローラ装置において、
上記固定ステー部材と上記支持面板間距離調節可能ステー部材とを、熱膨張係数が略等しい材質で構成したことを特徴とするローラ装置。
【請求項10】
請求項8または9のローラ装置において、
上記支持面板間距離調節手段として、上記第一支持面板と上記第二支持面板との少なくとも一方と上記支持面板間距離調節可能ステー部材との間にスペーサー部材を着脱可能に構成し、
該スペーサー部材の装着数を変えることによって、上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化できるように構成したことを特徴とするローラ装置。
【請求項11】
請求項8または9のローラ装置において、
上記支持面板間距離調節手段として、上記支持面板間距離調節可能ステー部材の長さを調節可能に構成し、
該支持面板間距離調節可能ステー部材の長さを調節することによって、上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化できるように構成したことを特徴とするローラ装置。
【請求項12】
請求項8、9、10または11のローラ装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、
上記第二支持面板と上記支持面板間距離調節可能ステー部材とは複数のネジによってネジ止めすることによって固定が成され、
上記第二支持面板における上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第二支持面板の形状が半島形状であることを特徴とするローラ装置。
【請求項13】
請求項8、9、10、11または12のローラ装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、
上記第二支持面板と上記支持面板間距離調節可能ステー部材とは複数のネジによってネジ止めすることによって固定が成され、
複数のネジ止め位置のうち、上記固定ステーに近いネジ止め位置が、上記第二支持面板における上記ローラ間距離の対象となる上記二つのローラ部材の回転中心同士を結ぶ直線上またはこの直線の近傍に位置するように配置されていることを特徴とするローラ装置。
【請求項14】
請求項6、7、8、9、10、11、12または13のローラ装置において、
ローラ間距離の対象となる2つのローラ部材のうちの一方のローラ部材の両端を支持する2つの軸受部のうち、少なくとも一方の軸受部は、その軸受部が配置された上記第一支持面板または上記第二支持面板に対して、上記軸方向についての位置がオフセットした配置であることを特徴とするローラ装置。
【請求項15】
感光体と、
その表面が該感光体の表面との間で現像ギャップを形成し、該感光体上の潜像を現像する現像ローラを備える現像装置と、
上記感光体の回転軸の軸方向の一端と上記現像ローラの回転軸の軸方向の一端とを支持する第一支持面板と、
上記感光体及び上記現像ローラを挟んで上記第一支持面板に対向して配置され、上記感光体の回転軸の軸方向の他端と上記現像ローラの回転軸の軸方向の他端とを支持する第二支持面板とを有する作像装置において、
上記作像装置は上記2つのローラ部材として上記感光体と上記現像ローラと備える、請求項6、7、8、9、10、11、12または13のローラ装置であることを特徴とする作像装置。
【請求項16】
請求項15の作像装置において、
上記回転軸の軸方向に延在し、該軸方向の両端部が上記第一支持面板と上記第二支持面板とにそれぞれ固定され、上記第一支持面板と上記第二支持面板との上記回転軸の軸方向についての距離を決める複数のステー部材を備え、
上記支持面板間傾き調節手段として、上記複数のステー部材のうちの一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を調節する支持面板間距離調節手段を備え、
該支持面板間距離調節手段によって上記一部のステー部材が固定された位置の上記第一支持面板と上記第二支持面板との距離を変化させることによって、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを調節することを特徴とする作像装置。
【請求項17】
請求項16の作像装置において、
上記複数のステー部材として、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する位置が固定された固定ステー部材と、固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離が調節可能に構成された支持面板間距離調節可能ステー部材とを備えることを特徴とする作像装置。
【請求項18】
請求項17の作像装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、
上記第二支持面板と上記支持面板間距離調節可能ステー部材とは複数のネジによってネジ止めすることによって固定が成され、
上記現像装置は2つの現像ローラを有し、
複数のネジ止め位置のうち、上記固定ステーに近いネジ止め位置が、上記第二支持面板における上記2つの現像ローラの回転中心の中点と上記感光体の回転中心とを結ぶ直線上またはその直線の近傍に位置するように配置されていることを特徴とする作像装置。
【請求項19】
請求項17または18の作像装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、
上記支持面板間距離調節可能ステー部材を複数備え、複数の該支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の上記第一支持面板から上記第二支持面板までの距離は互いに独立して調節可能に構成され、
上記現像装置は2つの現像ローラを有し、
複数の該支持面板間距離調節可能ステー部材の上記第二支持面板に対する固定位置は、上記2つの現像ローラの回転中心の中点と上記感光体の回転中心とを結ぶ直線に直交する直線上またはその直交する直線の近傍に位置するように配置されていることを特徴とする作像装置。
【請求項20】
請求項17、18または19の作像装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の上記支持面板間距離調節可能ステー部材が固定された位置の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、
上記第一支持面板は該作像装置を配置する画像形成装置に対して固定する固定部が設けられ、該固定部と上記第一支持面板に対して上記支持面板間距離調節可能ステー部材を固定する位置とが離れた位置となるように配置されていることを特徴とする作像装置。
【請求項21】
請求項20の作像装置において、
上記第一支持面板の画像形成装置に対する固定部は複数ヵ所あり、
固定部のうちの少なくとも一箇所の固定部近傍の上記第一支持面板の曲げ強度が弱くなるように構成したことを特徴とする作像装置。
【請求項22】
請求項17、18、19、20または21の作像装置において、
上記第一支持面板及び上記第二支持面板は、上記固定ステー部材の固定部と、上記支持面板間距離調節可能ステー部材の固定部との間に、上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対する上記感光体の位置決め機構が配置された構成であることを特徴とする作像装置。
【請求項23】
請求項17、18、19、20、21または22の作像装置において、
上記現像装置を上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対して固定することによって、上記現像装置4が上記固定ステー部材としての機能を兼用することを特徴とする作像装置。
【請求項24】
請求項15、16、17、18、19、20、21、22または23の作像装置において、
上記第一支持面板及び上記第二支持面板のそれぞれに対して上記感光体の位置決めを行う感光体位置決め機構は、
上記感光体を上記第一支持面板及び上記第二支持面板に対して回転可能に支持する回転支持部材である感光体軸受部材を備え
該感光体軸受部材の少なくとも一方は、その感光体軸受部材が配置された上記第一支持面板または上記第二支持面板に対して、上記回転軸の軸方向についての位置がオフセットした配置であることを特徴とする作像装置。
【請求項25】
請求項24の作像装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させたときの上記感光体軸受部材の変位量が、上記第一支持面板に配置された上記感光体軸受部材と、上記第二支持面板に配置された上記感光体軸受部材とで異なる構成であることを特徴とする作像装置。
【請求項26】
請求項25の作像装置において、
上記第一支持面板に配置された上記感光体軸受部材と、上記第二支持面板に配置された上記感光体軸受部材とで、その感光体軸受部材が配置された支持面板に対するオフセット量が異なるように構成したことを特徴とする作像装置。
【請求項27】
請求項25または26の作像装置において、
上記第一支持面板及び上記第二支持面板における上記現像ローラの回転中心と上記感光体の回転中心とを結ぶ直線上の方向に対する曲げ強度が上記第一支持面板と上記第二支持面板とで異なることを特徴とする作像装置。
【請求項28】
請求項25、26または27の作像装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させたときの上記感光体軸受部材の変位量が小さい側の支持面板に、その支持面板における上記現像ローラの回転軸を支持する位置を調節する現像ローラ位置調節機構を備えることを特徴とする作像装置。
【請求項29】
請求項30の作像装置において、
上記現像装置は複数の現像ローラを有し、
上記複数の現像ローラのそれぞれに対して独立の上記現像ローラ位置調節機構を有することを特徴とする作像装置。
【請求項30】
請求項25、26、27、28または29の作像装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させたときの上記感光体軸受部材の変位量が大きい側の支持面板側に、
上記現像ローラに駆動を伝達する現像ローラ駆動機構を有することを特徴とする作像装置。
【請求項31】
請求項25、26、27、28、29または30の作像装置において、
上記支持面板間傾き調節手段の操作位置を、上記第一支持面板または上記第二支持面板のうち、該作像装置を画像形成装置本体に配置したときにアクセスが容易な側の支持面板に配置し、
この支持面板は、上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させたときの上記感光体軸受部材の変位量が他方に比べて小さい側の支持面板側であることを特徴とする作像装置。
【請求項32】
少なくとも、感光体と現像手段とからなる作像手段を備え、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
上記作像手段として、請求項15乃至31のいずれかの作像装置を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項33】
少なくとも、感光体と現像手段とからなる作像手段を備える画像形成装置において、
上記作像手段として、請求項15乃至31のいずれかの作像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項34】
請求項33の画像形成装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きの調節は、該第二支持面板の一部の該第一支持面板に対する位置を変位させることにより行われ、
上記作像装置を上記画像形成装置本体に配置した状態で、
上記第二支持面板は該画像形成装置本体に対して、上記回転軸の軸方向について変位可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項35】
長手方向について平行に配置された複数の長手部材と、
上記複数の長手部材の長手方向一端を支持する第一支持面板と、
上記複数の長手部材を挟んで上記第一支持面板に対向して配置され、上記複数の長手部材の長手方向の他端を支持する第二支持面板とを有する長手部材装置において、
上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを調節する支持面板間傾き調節手段を備え、
該支持面板間傾き調節手段によって上記第一支持面板に対する上記第二支持面板の傾きを変化させることにより、上記複数の長手部材のうちの2つの部材部材の部材間距離を調節することを特徴とする長手部材装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−80263(P2013−80263A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−19299(P2013−19299)
【出願日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【分割の表示】特願2008−119351(P2008−119351)の分割
【原出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】