説明

現在位置算出装置および現在位置算出方法

【課題】実測値にしたがった現在位置算出の迅速化を図ること。
【解決手段】現在位置算出装置は、移動体の移動状態に応じて変動する検出信号を検出する検出部201と、検出部201によって検出された検出信号のデジタル変換を行う変換部202と、移動体の測位情報を取得する取得部203と、取得部203によって測位情報を取得した時刻を測位時刻情報として変換部202に出力する出力部204と、変換部202を介して出力された測位時刻情報に基づいて、取得部203によって取得された測位情報および変換部202によってデジタル変換された検出信号との同期を取る同期部205と、同期部205によって同期が取られた測位情報および検出信号に基づいて、移動体の現在位置を算出する位置算出部206と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現在位置算出装置および現在位置算出方法に関する。ただし、この発明の利用は、現在位置算出装置および現在位置算出方法に限らない。
【背景技術】
【0002】
たとえば、GPSに関する測位情報および車両などの移動体に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて、現在位置を算出するようにした現在位置算出装置がある。
【0003】
図1は、従来の現在位置算出装置の機能的構成を示すブロック図である。図1によれば、GPS信号の測位に際して出力されるRF信号(GPS測位信号)は、受信部101およびGPS制御部102において演算され、演算結果はナビゲーション主制御部(ナビ側メインCPU)103に入力される。GPS制御部(GPS CPU)102とナビゲーション主制御部103とは、非同期シリアル通信によって情報通信を行っている。ナビゲーション主制御部103には、ジャイロセンサ104や加速度センサ105などのセンサ部106からの出力信号も入力される。センサ部106からの出力値は、A/D変換部107によってデジタル変換された後にナビゲーション主制御部103に入力される。
【0004】
加えて、ナビゲーション主制御部103には、車速パルス信号も入力される。車速パルス信号は、車両の移動速度に応じた間隔で発生し、車速センサから直接入力される。ナビゲーション主制御部103に入力された各デジタル信号は、現在位置の算出に用いられる。
【0005】
GPSを利用して現在位置を算出する技術においては、GPS制御部102における測位計算に要した時間(GPS処理時間)に基づいて、センサからの検出結果を制御することで、GPS処理時間に起因する遅延の低減を図るようにした技術がある(たとえば、下記特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2001−324560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の技術では、測位情報および検出信号に基づいて現在位置を算出するまでに、GPS処理時間に加えて、GPS制御部102とナビゲーション主制御部103との間における通信に要する時間も必要である。このため、測位情報を受信してから現在位置を算出するまでに数秒程度要する。すなわち、上述した技術を用いて算出される現在位置は、実際のGPS測位から数秒後に算出されたものであり、リアルタイムな現在位置を取得することができないという問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明にかかる現在位置算出装置は、移動体の移動状態に応じて変動する検出信号を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された検出信号のデジタル変換を行う変換手段と、前記移動体の測位情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって測位情報を取得した時刻を測位時刻情報として前記変換手段に出力する出力手段と、前記出力手段によって出力された測位時刻情報に基づいて、前記取得手段によって取得された測位情報および前記変換手段によってデジタル変換された検出信号との同期を取る同期手段と、前記同期手段によって同期が取られた前記測位情報および前記検出信号に基づいて、前記移動体の現在位置を算出する位置算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項6の発明にかかる現在位置算出方法は、移動体の移動状態に応じて変動する検出信号を検出する検出工程と、前記検出工程によって検出された検出信号のデジタル変換を行う変換工程と、前記移動体の測位情報を取得する取得工程と、前記取得工程によって測位情報を取得した時刻を測位時刻情報として前記変換工程に出力する出力工程と、前記出力工程によって出力された測位時刻情報に基づいて、前記取得工程によって取得された測位情報および前記変換工程によってデジタル変換された検出信号との同期を取る同期工程と、前記同期工程によって同期が取られた前記測位情報および前記検出信号に基づいて、前記移動体の現在位置を算出する位置算出工程と、を含んだことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる現在位置算出装置および現在位置算出方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態の現在位置算出装置は、たとえば車両などの移動体に搭載される。
【0011】
図2は、本実施の形態の現在位置算出装置を示すブロック図である。本実施の形態の現在位置算出装置は、検出部201と、変換部202と、取得部203と、出力部204と、同期部205と、位置算出部206と、割り込み部207と、を備えている。
【0012】
検出部201は、移動体の移動状態に応じて変動する検出信号を検出する。検出部201は、自立航法を用いた現在位置の算出に用いる検出信号を検出する。具体的には、たとえば、移動体が車両である場合には、加速度センサやジャイロセンサから出力される信号を検出信号として検出する。検出部201は、たとえば、検出信号をアナログの電圧値として検出してもよい。
【0013】
変換部202は、検出部201によって検出された検出信号のデジタル変換を行う。より具体的には、変換部202は、検出部201がアナログの電圧値の検出信号を検出した場合に、この検出信号のデジタル変換を行う。変換部202は、割り込み部207によって割り込み信号が発生されたタイミングでデジタル変換を行うようにしてもよい。もしくは、変換部202でデジタル変換した結果を取得するタイミングを、割り込み部207によって割り込み信号を発生させて知らせるようにしてもよい。変換部202は、たとえば、アナログの電圧値をデジタル変換するアナログ/デジタル変換回路によって実現することが可能である。
【0014】
取得部203は、移動体の測位情報を取得する。本実施形態において取得部203は、衛星航法を用いた現在位置の算出に用いる測位情報を取得するものである。出力部204は、取得部203によって測位情報が取得された時刻を測位時刻情報として変換部202に出力する。アナログ/デジタル変換回路によって変換部202を実現する場合、出力部204は、デジタル変換された電圧値をアナログ/デジタル変換回路に設けられたデータ入力ポートに出力するようにしてもよい。
【0015】
同期部205は、出力部204によって出力された測位時刻情報に基づいて、取得部203によって取得された測位情報および変換部202によってデジタル変換された検出信号との同期を取る。位置算出部206は、同期部205によって同期が取られた測位情報および検出信号に基づいて、移動体の現在位置を算出する。なお、前記取得部203は測位情報を非同期シリアル通信によって同期部205出力させる。測位情報の同期部205への出力は、非同期シリアル通信に限るものではない。たとえば、USB、パラレル通信あるいはIEEEなど、公知の各種通信技術を用いることが可能である。割り込み部207は、所定間隔毎に割り込み信号を発生させる。
【0016】
(現在位置算出装置の処理手順)
図3は、本実施の形態の現在位置算出装置の処理手順を示すフローチャートである。図3に示す処理は、まず、検出信号を検出する(ステップS301)。ステップS301においては、検出信号は、たとえば、アナログの電圧値として検出される。
【0017】
つづいて、割り込み信号が発生したか否かを判定する(ステップS302)。図3においては、ステップS302の処理として「割り込みが発生したか?」と記載されている。割り込み信号が発生していないと判定された場合には(ステップS302:No)、ステップS301に進む。
【0018】
割り込み信号が発生したと判定された場合には(ステップS302:Yes)、ステップS301において検出された検出信号をデジタル変換する(ステップS303)。その後、測位時刻情報を取得したか否かを判定する(ステップS304)。本実施の形態における測位時刻情報は、測位情報が取得された時刻であるため、ステップS304においては測位情報を取得したか否かを判定してもよい。測位時刻情報を取得していないと判定した場合には(ステップS304:No)、ステップS301に進む。
【0019】
測位時刻情報を取得したと判定した場合には(ステップS304:Yes)、取得した測位時刻情報を同期部205に出力する(ステップS305)。同期部205は、出力された測位時刻情報に基づいて、取得部203によって取得された測位情報、および、ステップS303によってデジタル変換された検出信号との同期を取る(ステップS306)。図3においては、ステップS306の処理として「同期処理」と記載されている。最後に、同期が取られた測位情報および検出信号に基づいて、位置算出部206において移動体の現在位置を算出する(ステップS307)。
【0020】
以上説明したように、本実施の形態によれば、衛星航法を用いた現在位置の算出に用いる測位情報を取得した時刻に関する情報を測位時刻情報として、現在位置の算出より以前に、自立航法を用いた現在位置の算出に供される検出信号のデジタル変換を行う変換部202を介して、同期部205に出力することで、同期部205において現在位置を算出する際に測位情報と検出信号との同期を取ることができる。これによって、算出される現在位置の精度の向上を図ることができる。
【0021】
また、測位情報と検出信号との同期付けを、現在位置の算出に際して行う場合と比較して、取得部203(GPS)から同期部205への信号転送にかかる処理時間が含まれない分、測位情報と検出信号との同期を正確に行うことができる。これによって、算出される現在位置の精度向上を図ることができ、より利用価値の高い現在位置に関する情報を提供することができる。
【0022】
また、本実施の形態によれば、割り込み信号の発生タイミングにしたがってデジタル変換を行うことにより、割り込み信号の発生間隔を調整することで、構造を複雑化することなく、算出される現在位置の精度を調整することができる。すなわち、より短い間隔で割り込み信号を発生させた場合には、現在位置の算出に用いるデータ量が多くなるため、より精度の高い現在位置を算出することができる。また、たとえば、位置算出部206における処理能力などに応じて割り込み信号の発生間隔を調整することも可能である。
【0023】
なお、割り込み信号の発生タイミングにしたがってデジタル変換を行うものを実施の形態として例示したが、これに限らず、変換部202によってデジタル変換された検出信号を記憶する記憶部(図示省略)を更に設け、変換部202は、割り込み部207によって割り込み信号が発生されたタイミングで記憶部に記録されたデジタル変換の値を同期部205に出力するように構成してもよい。
【0024】
また、アナログの電圧値として検出された検出信号をデジタル変換するアナログ/デジタル変換回路は、従来の現在位置算出装置でも用いられている回路である。これにより、上述した効果を奏する現在位置算出装置を、構造を複雑化することなく、安価に実現することができる。
【実施例】
【0025】
図4は、本実施例のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。本実施例のナビゲーション装置は、ナビゲーション主制御部(ナビ側メインCPU)401と、GPS制御部(GPS CPU)402と、受信部403と、A/D(アナログ/デジタル)変換部404と、センサ部405と、を備えている。
【0026】
ナビゲーション主制御部401は、ナビゲーション装置が備える各部を駆動制御する。ナビゲーション主制御部401には、GPS制御部402およびA/D変換部404が接続されている。また、ナビゲーション主制御部401には、図示しない車速センサによって検出される車速パルス信号が入力される入力ポートが確保されている。
【0027】
ナビゲーション主制御部401において、A/D変換部404が接続される位置には、図示しないASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)が設けられている。このASICは、A/D変換部404に対する割り込み信号を発生する。A/D変換部404は、ASICによって発生された割り込み信号に基づいて、割り込み信号の発生タイミングで、センサ部405からの検出信号のA/D変換を行う。
【0028】
GPS制御部402は、衛星航法を用いた現在位置の取得に関わる処理を実行する。GPS制御部402は、衛星航法を用いた現在位置の取得に関わる各部を駆動制御する。GPS制御部402は、受信部403によって受信されたRF信号に基づいて、アンテナの絶対位置、速度、方位および時間などを算出する。
【0029】
GPS制御部402には、A/D変換部404に対してデータを出力するための図示しないデータ出力ポートが設けられている。GPS制御部402は、このデータ出力ポートを介して、受信部403におけるRF(Radio Flequency)信号を受信し、RF信号から測位情報を演算したタイミングに応じてHigh/Low切り替えされるデータを測位時刻情報として出力する。このため、GPS制御部402は、測位情報を演算するタイミングに応じて、データ出力ポートから出力するデータHigh/Lowを切り替える図示しない切り替え部を備えている。
【0030】
受信部403は、GPS制御部402に接続されている。受信部403は、RF信号を受信するためのアンテナなどを含む。受信部403は、受信したRF信号をGPS制御部402に出力する。本実施例においては、GPS制御部402と受信部403とはユニット化されている。
【0031】
A/D変換部404は、センサ部405から出力されるアナログの検出信号をデジタル変換する。本実施例におけるセンサ部405は、ジャイロセンサ406と加速度センサ407とによって構成されている。ジャイロセンサ406は、ナビゲーション装置を搭載する車両などの移動体の角速度を検出し、A/D変換部404へ出力する。加速度センサ407は、ナビゲーション装置を搭載する車両などの移動体に加わる加速度を検出し、A/D変換部404へ出力する。
【0032】
このような構成において、受信部403によってRF信号が受信されると、受信されたRF信号に基づいてGPS制御部402によって所定の処理が行われ、衛星航法に基づいて、ナビゲーション装置(を搭載する車両)の現在位置が算出される。算出された現在位置に関する情報は、非同期シリアル通信によって、GPS制御部402からナビゲーション主制御部401に信号s1として出力される。なお、GPS制御部402からナビゲーション主制御部401との通信は、非同期シリアル通信に限るものではない。たとえば、USB、パラレル通信、IEEEなどを用いて通信を行ってもよい。
【0033】
受信部403によってRF信号が受信されると、受信されたRF信号から演算した測位情報を、非同期シリアル通信を用いてナビゲーション主制御部401へ出力される他に、測位情報を取得した時刻に関する情報を測位時刻情報としてGPS制御部402からデータ出力ポートを介して、信号s2としてA/D変換部404に出力される。GPS制御部402から出力された信号s2は、A/D変換部404に設けられたデータ入力ポートから入力される。
【0034】
A/D変換部404は、受信部403によるRF信号の受信とは無関係に、センサ部405から出力されるアナログの検出信号をデジタル変換する。このとき、A/D変換部404は、ASICによって発生される割り込み信号に基づいて、デジタル変換を行う。A/D変換部404においてデジタル変換された各種の検出信号は、信号s3としてナビゲーション主制御部401に出力される。このとき、A/D変換部404に入力された信号s2(測位時刻情報)と、デジタル変換されたセンサ部405から検出信号s4とが、信号s3としてナビゲーション主制御部401に出力される。
【0035】
ナビゲーション主制御部401は、A/D変換部404からの信号s3のうち、測位時刻情報に基づいて、GPS制御部402から非同期シリアル通信によって出力された信号s1およびA/D変換部404から出力された信号s3を同期させ、移動体の現在位置を算出する。
【0036】
図5は、信号s2を示すタイミングチャートである。GPS制御部402に設けられた図示しない切り替え部によって、RF信号を受信し測位情報を演算したタイミングで出力のHigh/Lowが切り替えられた信号s2が出力されていることが分かる。図5における信号s2のHigh/Lowの切り替え間隔は、たとえば、100msec〜1sec程度とされる。
【0037】
ナビゲーション主制御部401は、移動体の現在位置の算出に際して、センサ部405から出力されたデジタル値の検出信号とともに、GPS制御部402から出力された信号s2(電圧値)を積算する。積算値をHighの積算電圧値で除算する。さらに、除算した結果をA/D変換間隔で乗算する。これにより、数msecのオーダーで、GPS測位計算のタイミングを知ることができる。
【0038】
図8は、GPS測位情報の演算のタイミングの算出を説明するタイミングチャートである。図8においては、100msec間隔で積算が行われている場合について説明する。High時の電圧が1V、Low時の電圧が0Vとし、A/D変換間隔は1ms毎とする。200msecの時点での積算値が0であり、300msecの時点での積算値が70であった場合、積算値をHighの積算電圧値で除算し、さらにA/D変換間隔で乗算することによって、GPSの測位情報の演算のタイミングが200+(100−(70/1×1))=230msecであることが算出される。
【0039】
図6および図7は、信号s2を示す別のタイミングチャートである。信号s2は、受信部403においてRF信号から測位情報を演算したタイミングでHigh/Lowを切り替える他に、図6に示すようにRF信号から測位情報を演算したタイミングでピーク信号を発生させたり、図7に示すようにRF信号から測位情報を演算したタイミングパルス信号を発生させたりしてもよい。
【0040】
図9は、RF信号から測位情報を演算したタイミングを取得する一例を示すタイミングチャートである。測位情報の演算タイミングの取得に際しては、上述の方法に限るものではない。たとえば、絶対時間に同期した信号PPS(pulse per second)を用いて測位情報の演算タイミングを取得するようにしてもよい。
【0041】
すなわち、図9に示すようなPPSに同期した信号をA/D変換部404に入力しておく。そして、測位情報の演算時には、このPPS信号(絶対時間)と、測位演算のタイミングとの差をシリアル通信データによってナビゲーション主制御部401へ出力する。これらの情報に基づいてナビゲーション主制御部401により測位情報の演算タイミングを取得するようにしてもよい。なお、図9においては、11:10:1、11:10:2、11:10:3・・・のように入力タイミングが記されているタイミングチャートによって表される信号が、PPSに同期した信号である。そして、PPSに同期した信号に併記してあるタイミングチャートによって表される信号が測位時刻情報である。これら図6、7、9では、A/D変換部404で電圧が変化したタイミングを検出することで測位計算タイミングを知ることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施例によれば、衛星航法を用いて測位情報に基づいた現在位置を算出するGPS制御部402が、自立航法を用いた現在位置の算出に供される検出信号が入力されるナビゲーション主制御部401とは独立して設けられている場合にも、測位情報と検出信号との同期を取ることができる。これによって、算出される現在位置の精度の向上を図ることができる。
【0043】
また、本実施例によれば、割り込み信号の発生タイミングにしたがってデジタル変換を行うことにより、割り込み信号の発生間隔を調整することで、構造を複雑化することなく、算出される現在位置の精度を調整することができる。すなわち、より短い間隔で割り込み信号を発生させた場合には、現在位置の算出に用いるデータ量が多くなるため、より精度の高い現在位置を算出することができる。また、たとえば、ナビゲーション主制御部における処理能力などに応じて割り込み信号の発生間隔を調整することも可能である。
【0044】
なお、アナログの電圧値として検出された検出信号をデジタル変換するアナログ/デジタル変換回路は、従来の現在位置算出装置(ナビゲーション装置)でも用いられている回路である。これにより、上述した効果を奏するナビゲーション装置を、構造を複雑化することなく、安価に実現することができる。
【0045】
本実施例によれば、同期を取るためのRF信号は、GPS制御部402における各種の演算を介することなくA/D変換部404に設けられたデータ入力ポートに出力することによって、実用上簡易な構成によって、上述の各種効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】従来の現在位置算出装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の現在位置算出装置を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態の現在位置算出装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本実施例のナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】信号s2を示すタイミングチャートである。
【図6】信号s2を示す別のタイミングチャートである。
【図7】信号s2を示す別のタイミングチャートである。
【図8】RF信号の受信タイミングの算出を説明するタイミングチャートである。
【図9】RF信号の受信タイミングの取得の一例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0047】
201 検出部
202 変換部
203 取得部
204 出力部
205 同期部
206 位置算出部
207 割り込み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の移動状態に応じて変動する検出信号を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された検出信号のデジタル変換を行う変換手段と、
前記移動体の測位情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって測位情報を取得した時刻を測位時刻情報として前記変換手段に出力する出力手段と、
前記出力手段によって出力された測位時刻情報に基づいて、前記取得手段によって取得された測位情報および前記変換手段によってデジタル変換された検出信号との同期を取る同期手段と、
前記同期手段によって同期が取られた前記測位情報および前記検出信号に基づいて、前記移動体の現在位置を算出する位置算出手段と、
を備えることを特徴とする現在位置算出装置。
【請求項2】
所定間隔毎に割り込み信号を発生させる割り込み手段を備え、
前記変換手段は、前記割り込み手段によって割り込み信号が発生されたタイミングでデジタル変換を行うことを特徴とする請求項1に記載の現在位置算出装置。
【請求項3】
所定間隔毎に割り込み信号を発生させる割り込み手段と、
前記変換手段によってデジタル変換された検出信号を記憶する記憶手段と、を備え、
前記変換手段は、前記割り込み手段によって割り込み信号が発生されたタイミングで前記記憶手段に記録されたデジタル変換の値を前記同期手段に出力することを特徴とする請求項1に記載の現在位置算出装置。
【請求項4】
前記検出手段は、自立航法を用いた現在位置の算出に用いる検出信号を検出し、
前記取得手段は、衛星航法を用いた現在位置の算出に用いる測位信号を取得すると共に、測位信号から演算した測位情報を通信によって前記同期手段に出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の現在位置算出装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記検出信号をアナログの電圧値として検出し、
前記変換手段は、前記アナログの電圧値をデジタル変換するアナログ/デジタル変換回路であり、
前記出力手段は、デジタル変換された電圧値を前記アナログ/デジタル変換回路に設けられたデータ入力ポートに出力することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の現在位置算出装置。
【請求項6】
移動体の移動状態に応じて変動する検出信号を検出する検出工程と、
前記検出工程によって検出された検出信号のデジタル変換を行う変換工程と、
前記移動体の測位情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって測位情報を取得した時刻を測位時刻情報として前記変換工程に出力する出力工程と、
前記出力工程によって出力された測位時刻情報に基づいて、前記取得工程によって取得された測位情報および前記変換工程によってデジタル変換された検出信号との同期を取る同期工程と、
前記同期工程によって同期が取られた前記測位情報および前記検出信号に基づいて、前記移動体の現在位置を算出する位置算出工程と、
を含んだことを特徴とする現在位置算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−284319(P2006−284319A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103395(P2005−103395)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】