説明

現地採取土砂混合装置

【課題】交換作業が容易であって、故障などした特定の撹拌機のみを対象として保守点検などの措置を講ずることができ、復旧までの時間を短縮することが可能な現地採取土砂混合装置を提供する。
【解決手段】現地採取土砂混合装置において、混合用筒部2が、混合材料の流下を案内する底部及び混合材料の流下方向に間隔を隔てて底部にこれを跨ぐ方向に配設された複数の門型フレーム12を備える本体部9と、撹拌機及び撹拌機を駆動するモータ29を有し、本体部の門型フレーム間に着脱自在に装着されて、底部を覆って搬送通路Pを区画形成する複数の撹拌機付きユニット体10とから形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換作業が容易であって、故障などした特定の撹拌機のみを対象として保守点検などの措置を講ずることができ、復旧までの時間を短縮することが可能な現地採取土砂混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の現地採取土砂混合装置としては、特許文献1が知られている。特許文献1の「現地複合材料混合装置」は、上端の搬入口と下端の搬出口とを備えて傾斜状に設置される流下搬送体、流下搬送体に直交させて並行に複数個配置し、回転軸の周辺にパドルを軸方向と周辺方向に所定の間隔で放射状に植設して成る撹拌翼、撹拌翼に対応させて傾斜方向の後方位置に設置される流下堰板及び複数の撹拌翼を連結しながら傾斜方向と反対方向に回転させる撹拌翼駆動機から構成されている。
【0003】
特許文献1では、複数の撹拌翼がチェーンを介して順次連結されていて、チェーンを1つの撹拌翼駆動機で駆動することにより、全部の撹拌翼を一括して回転駆動するようにしていた。また、流下搬送体は、撹拌翼を設けた中空箱形のブロックを順次連結して構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−52988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いずれか1つの撹拌翼が故障した場合、故障した撹拌翼の修理が完了するまでの間、故障が生じていない他の撹拌翼も駆動することができず、装置の復旧までに時間がかかるという課題があった。
【0006】
また、迅速な復旧のために、故障した撹拌翼が取り付けられているブロックを流下搬送体から取り外し、他のブロックと交換することが考えられる。しかしながら、いずれかのブロックを流下搬送体から取り外すと、それによって流下搬送体が2分割など、元の形態を維持できずにバラバラに分かれてしまう。このため、ブロックを交換する場合も、流下搬送体の分解・組立という煩雑な作業を行う必要があって、装置の復旧までに時間がかかるという課題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、交換作業が容易であって、故障などした特定の撹拌機のみを対象として保守点検などの措置を講ずることができ、復旧までの時間を短縮することが可能な現地採取土砂混合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる現地採取土砂混合装置は、中空の搬送通路を区画形成し、上端から下端にわたって傾斜配置されると共に、モータで駆動される複数の撹拌機を該搬送通路内に傾斜方向に沿って多段に配設した混合用筒部の上端から該搬送通路内に混合材料を投入し、当該搬送通路内で混合されつつ流下する混合材料を該撹拌機で撹拌し、該搬送通路内で混合撹拌した混合材料を該混合用筒部の下端から排出する現地採取土砂混合装置において、上記混合用筒部が、混合材料の流下を案内する底部及び混合材料の流下方向に間隔を隔てて該底部にこれを跨ぐ方向に配設された複数の門型フレームを備える本体部と、上記撹拌機及び該撹拌機を駆動する上記モータを有し、該本体部の該門型フレーム間に着脱自在に装着されて、該底部を覆って上記搬送通路を区画形成する複数の撹拌機付きユニット体とから形成されることを特徴とする。
【0009】
前記本体部には、少なくとも1つの前記撹拌機付きユニット体に代えて、前記底部を覆って前記搬送通路を区画形成するブランクユニット体が前記門型フレーム間に着脱自在に装着されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる現地採取土砂混合装置にあっては、交換作業が容易であって、故障などした特定の撹拌機のみを対象として保守点検などの措置を講ずることができ、復旧までの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る現地採取土砂混合装置の好適な一実施形態を示す全体側面図である。
【図2】図1に示した現地採取土砂混合装置の傾斜設置状態を示す正面図である。
【図3】図1に示した現地採取土砂混合装置の横倒し支持状態を示す正面図である。
【図4】図1に示した現地採取土砂混合装置の混合用筒部の側面図である。
【図5】図1に示した現地採取土砂混合装置の混合用筒部の平面図である。
【図6】図1に示した現地採取土砂混合装置の混合用筒部の本体部の側面図である。
【図7】図1に示した現地採取土砂混合装置の混合用筒部の本体部の平面図である。
【図8】図1に示した現地採取土砂混合装置の混合用筒部の本体部の一部底面図である。
【図9】図1に示した現地採取土砂混合装置の混合用筒部の撹拌機付きユニット体の側面図である。
【図10】図1に示した現地採取土砂混合装置の混合用筒部の撹拌機付きユニット体の正面図である。
【図11】図1に示した現地採取土砂混合装置の混合用筒部の撹拌機付きユニット体の平面図である。
【図12】図1に示した現地採取土砂混合装置の保守作業の第1段階を説明するための側面図である。
【図13】図1に示した現地採取土砂混合装置の保守作業の第2段階を説明するための側面図である。
【図14】図1に示した現地採取土砂混合装置の保守作業の第3段階を説明するための側面図である。
【図15】図1に示した現地採取土砂混合装置の保守作業の第4段階を説明するための側面図である。
【図16】図1に示した現地採取土砂混合装置の保守作業の第5段階を説明するための側面図である。
【図17】本発明に係る現地採取土砂混合装置の変形例を示す側面図である。
【図18】図17に示した変形例におけるブランクユニット体の撤去状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる現地採取土砂混合装置の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図11に示すように、本実施形態にかかる現地採取土砂混合装置1は、混合用筒部2を備える。混合用筒部2は全体として、中空筒体状に形成され、これにより内部に中空の搬送通路Pが区画形成される。
【0013】
混合用筒部2は、後述する支持装置3により、上端から下端にわたって傾斜配置される。混合用筒部2の上端には、搬入手段4であるベルトフィーダから投下される混合材料を受容するホッパ5が設けられる。混合用筒部2の下端には、混合撹拌した混合材料を、搬出手段6であるベルトスケールに向かって排出するシュート7が設けられる。ホッパ5で受容された混合材料は搬送通路Pを経過してシュート7から排出される。
【0014】
混合用筒部2の搬送通路P内には、複数の撹拌機8が設けられる。これら撹拌機8は、搬送通路Pの傾斜方向に沿って多段に配設される。混合用筒部2は、ホッパ5から搬送通路P内に投入された混合材料を重力の作用で流下させ、この流下過程で混合材料を混合すると共に、混合されつつ流下する混合材料をさらに撹拌機8で撹拌し、搬送通路P内で混合撹拌した混合材料をシュート7から排出する。
【0015】
混合用筒部2は、図6〜図11に詳細を示すように、主として、本体部9と、本体部9に着脱自在に装着される複数の撹拌機付きユニット体10とから形成される。本体部9は主に、ホッパ5と、シュート7と、これらホッパ5とシュート7との間に混合用筒部2の長さ方向に沿って長く形成された板状底部11と、底部11から立ち上げて設けられた複数の門型フレーム12とを備える。
【0016】
底部11は、幅方向両端縁を低く立ち上げて立ち上げ部を形成することにより、混合材料の流下を案内する浅い溝状に形成される。立ち上げ部には、その上端から外方へ張り出して底部連結フランジ部13が形成される。
【0017】
また、底部11には、混合用筒部2の下端となるシュート7側に、これより幅方向両側へ突出させて、連結ブラケット14付きの支持ビーム15が設けられる。混合用筒部2の上端となるホッパ5には、連結ブラケット14を配置した側に支持ブラケット16が設けられると共に、支持ブラケット16と反対側に吊り用ブラケット17が設けられる。
【0018】
門型フレーム12は、一対の脚部が底部11の幅方向両端縁に接合され、横架部が底部11を跨ぐ方向、すなわち底部11の幅方向に向けて配設される。これら門型フレーム12は、搬送通路P内を流下する混合材料の流下方向、言い換えれば、底部11の長さ方向に等間隔で配列される。門型フレーム12は、ホッパ5及びシュート7と近接する最上部及び最下部のものと、それら間に配置されるものとが異なる形態で構成される。
【0019】
最上部及び最下部の門型フレーム12は、コの字形状の板材12aをホッパ5及びシュート7それぞれに接合することで構成され、ホッパ5やシュート7との仕切りを兼ねるようになっている。他の門型フレーム12は、門形状に組んだ部材12bの両側に、一組のコの字形状の板材12aを接合して、断面U字チャンネル状のフレーム構造とされる。いずれのコの字形状の板材12aも、その周縁がコ字状連結フランジ部18とされる。図示例にあっては、4つの門型フレーム12が備えられている。
【0020】
さらに底部11には、門型フレーム12の間に位置させて、点検口19が形成され、これら点検口19はそれぞれ、搬送通路Pに面する底部11上面とは反対側の底部11下面に設けたシリンダ式の開閉器20により開閉される点検扉21で開閉されるようになっている。好ましくは、点検口19は、撹拌機8の直下に設定される。
【0021】
各撹拌機付きユニット体10は、底部11を覆って搬送通路Pを区画形成する断面門型状の筐体22を備える。筐体22は具体的には、門型フレーム12の一対の脚部に対応させて、底部11の幅方向両端縁に位置される一対の側板22aと、門型フレーム12の横架部に対応させて、側板22a間に掛け渡される天板22bとで門型状に組み立てると共に、底部11の長さ方向に沿う前後端に、門型フレーム12のコ字状連結フランジ部18と接合されるコ字状取付フランジ部23を形成し、かつ側板22a下端に、底部11の底部連結フランジ部3と接合される底部取付フランジ部24を形成して構成される。
【0022】
側板22a間には、これら側板22aそれぞれに設けた軸受25により、搬送通路P内に位置させて撹拌機8が回転自在に設けられる。撹拌機8は、軸受25で両端が支持された回転軸26と、回転軸26に放射状の配列で溶接等により一体的に接合され、混合材料を掻き上げつつ撹拌するパドル27とから構成される。一方の側板22aには、外方へ張り出して台座28が設けられ、この台座28上には、撹拌機8を駆動するモータ29が搭載される。モータ29は、撹拌機8の回転軸26の一端に、ギヤボックス30やカップリング31を介して接続される。このように各撹拌機付きユニット体10それぞれには個別に、それぞれの撹拌機8を独立に駆動するモータ29が備えられている。
【0023】
各撹拌機付きユニット体10の天板22bには、天部開口を開閉する天部開閉蓋32が設けられる。また各撹拌機付きユニット体10の側板22aには、側部開口を開閉する側部開閉蓋33が設けられる。これら開閉蓋32,33を取り外すことで、混合用筒部2内部の点検保守等を行うことができる。また、天板22bには、搬送通路Pに面する下面に、撹拌機8で掻き上げられて飛散する混合材料を衝突させ、当該混合材料の流れに戻す堰部材34が設けられる。
【0024】
撹拌機付きユニット体10が本体部9の門型フレーム12間に着脱自在に装着されることにより、ホッパ5からシュート7にわたる一連の中空の搬送通路P内に撹拌機8を多段に配設した混合用筒部2が構成されるようになっている。各撹拌機付きユニット体10は、それらの取付フランジ部23,24を、本体部9の連結フランジ部13,18にボルト・ナットで締結することで、本体部9に装着される。
【0025】
このようにして構成される混合用筒部2には、混合材料の流下方向に沿って、最上段に配置される第1撹拌機8の下流側に、搬送通路P内を流下する混合材料に給水するための給水部35が設けられる。本実施形態にあっては、給水部35は、門型フレーム12の一対の脚部間に指し渡すことで搬送通路P内に位置させた多孔状のパイプで構成され、このパイプを給水源に接続することにより、パイプから搬送通路P内に散水するようになっている。
【0026】
図示例にあっては、給水部35は、最上部の門型フレーム12に続く、上から2番目の門型フレーム12に備えられていて、言い換えれば、最上段に設けられる第1撹拌機8よりも混合材料の流下方向下流側に位置する撹拌機8の上流側に設けられる。給水部35は、一箇所に限らず、必要に応じて複数箇所に設けても良い(図17等参照)。なお、図中、36は、混合用筒部2に設けられ、当該混合用筒部2の傾斜角度を表示する角度計である。
【0027】
混合用筒部2は、支持装置3によって傾斜状態で支持される。支持装置3は主に、現地に設置されて混合用筒部2が搭載される支持架台37と、支持架台37に基端(下端)が回転自在にピン結合されると共に先端(上端)が混合用筒部2上端側の支持ブラケット16に回転自在にピン結合され、傾動可能な一対の傾倒式固定長ピラー38と、支持架台37と混合用筒部2下端側の連結ブラケット14それぞれに両端がピン結合され、これら支持架台37及び混合用筒部2下端側の間に傾動自在にかつ離脱可能に設けられた一対の支持ピラー39と、支持架台37に一端が回転自在にピン結合されると共に他端が混合用筒部2下端側の連結ブラケット14に回転自在にピン結合され、かつ固定長ピラー38と支持ピラー39の向きと交差する方向に配置されて、混合用筒部2の傾斜角度を調整するために伸縮作動される一対の可変長ピラー40とから構成される。
【0028】
支持架台37には、固定長ピラー38及び可変長ピラー40を同軸で一括してピン結合する第1ブラケット41と、支持ピラー39をピン結合する第2ブラケット42が配設される。支持ピラー39は、第2ブラケット42及び連結ブラケット14とピン結合される両端のいずれかのピンを外すことにより、支持架台37と混合用筒部2との間から離脱される。可変長ピラー40は、ネジジャッキや油圧シリンダなどの伸縮機構を備える。伸縮操作は、手動であっても、自動であっても良い。
【0029】
支持装置3は、混合用筒部2、支持架台37、固定長ピラー38、並びに支持ピラー39による四角形リンクを、可変長ピラー40によって静定化する構造となっている。そして、可変長ピラー40を伸張させると、支持ピラー39が立ち上がりつつ、混合用筒部2は、固定長ピラー38の先端がピン結合された混合用筒部2上端側の支持ブラケット16位置を回転支点として、支持架台37に対する傾斜角度が小さくなる(緩い傾斜となる)。他方、可変長ピラー40を収縮させると、支持ピラー39が倒れつつ、混合用筒部2は、その上端側の支持ブラケット16位置を回転支点として、支持架台37に対する傾斜角度が大きくなる(きつい傾斜となる)。これにより、混合用筒部2の傾斜角度を調整することができる。支持ピラー39については、四角形リンクの動きを円滑にするために、必要に応じて伸縮自在としても良い。
【0030】
本実施形態にあっては、傾倒式固定長ピラー38と支持ピラー39を組み合わせて四角形リンクに構成するようにしているが、固定長ピラー38を支持架台37に対して回転不能に固定することにより、支持ピラー39を省略するようにしても良い。この場合であっても、可変長ピラー40を伸縮させることにより、混合用筒部2は、固定長ピラー38の先端がピン接合された混合用筒部2上端側の支持ブラケット16位置を回転支点として、支持架台37に対する傾斜角度を小さくしたり大きくしたりする角度調整を行うことができる。
【0031】
さらに、上記現地採取土砂混合装置1の周辺には、その保守設備43が備えられる。保守設備43は、混合用筒部2上端側の吊り用ブラケット17に吊り具44が着脱自在に連結される天井クレーン等の揚重機45と、支持架台37上に設けられ、傾倒式固定長ピラー38を傾斜状態で支持する受け台46と、支持架台37上に設けた反力受けブラケット47及び固定長ピラー38に設けた取付ブラケット48との間に着脱自在に設けたワイヤーやチェーンなどの引張力導入部材49とから主に構成される。
【0032】
傾倒式固定長ピラー38には、これを傾倒させる方向が設定されている。また、固定長ピラー38は、支持ピラー39を離脱しかつ可変長ピラー40を連結した状態の混合用筒部2と共に傾倒される。混合用筒部2は、支持ピラー39を離脱することにより、固定長ピラー38と共に傾倒可能となり、揚重機45は、傾倒可能となった混合用筒部2を、固定長ピラー38とともに、吊り用ブラケット17を介して吊り上げ支持するようになっている。
【0033】
受け台46は、固定長ピラー38の設定傾倒方向に位置させて、言い換えれば固定長ピラー38が倒れてくる箇所に配置される。受け台46の上面46aは、固定長ピラー38を傾斜状態の姿勢で支持するために、支持架台37上に固定長ピラー38をピン結合する第1ブラケット41のピン位置よりも高い高さに位置する斜面とされる。固定長ピラー38が傾倒するとき、受け台46の高さと、支持架台37から浮いた傾斜状態の姿勢をとる可変長ピラー40とにより、これらの協働作用で、混合用筒部2は、横倒しで支持架台37上方に浮かせた状態に支持される。この際、混合用筒部2の重心位置は、受け台46直上周辺となるように設定することが好ましい。
【0034】
引張力導入部材49は、巻き取りリールやチェーンブロックなどを備えて、巻き取り巻き戻しにより、長さ調整可能とされる。引張力導入部材49は、混合用筒部2に連結された固定長ピラー38を反力受けブラケット47側へ引き込む引張力が導入されるようになっている。具体的には、引張力導入部材49は、揚重機45で吊り上げ支持された混合用筒部2及びこれに連結されている固定長ピラー38が不測の方向へ傾倒することを防ぐために、固定長ピラー38を介して混合用筒部2を設定傾倒方向へ引張する引張力が入力される。
【0035】
以下に、本実施形態にかかる現地採取土砂混合装置1の作用について説明する。まず、現地採取土砂混合装置1の稼働状況について説明する。混合用筒部2は、支持架台37上に傾斜状態で設置される。各撹拌機付きユニット体10のモータ29が起動され、各撹拌機付きユニット体10の撹拌機8が個別独立に、個々のモータ29で回転駆動される。また、門型フレーム12に備えた給水部35から搬送通路P内への散水が開始される。混合用筒部2上端のホッパ5に、搬入手段4から混合材料を投下すると、投下された混合材料は、重力の作用で混合用筒部2の搬送通路P内へと流下していく。本実施形態では、搬入手段4からは、現地採取土砂とセメントを混合したドライな混合材料が投下される。
【0036】
流下する混合材料は、最上段の第1撹拌機8により、ドライな状態で空練りされる。空練りされた混合材料は、給水部35を有する門型フレーム12を経過して、搬送通路P内を次段の撹拌機8に向かって流下していく。給水部35を通過する際、混合材料は、水が添加されて、その後は湿潤状態で流下していく。混合材料はその後も、流下による混合作用と、多段に配設されている撹拌機8による撹拌作用とによって、混合撹拌され、混合用筒部2下端に達してシュート7から搬出手段6へと排出される。これにより、混合材料の混合撹拌が達成される。
【0037】
上記説明では、ホッパ5にドライな混合材料を投下する場合について説明したが、ホッパ投入前に混合材料に水を添加して、湿潤状態にした混合材料をホッパ5に投下するようにしても良い。この場合においても、必要に応じて追加的に給水部35から給水を行うようにしても良い。もちろん、給水部35からの給水を行わないようにしても良い。
【0038】
次に、混合用筒部2の傾斜角度調整について説明する。混合用筒部2は、支持架台37上に、傾倒式固定長ピラー38と、支持ピラー39と、可変長ピラー40とによって一定傾斜角度で支持されている。混合用筒部2の傾斜角度を調整する際には、可変長ピラー40を伸張させたり、収縮させる。可変長ピラー40を伸張させると、混合用筒部2は、固定長ピラー38先端とピン結合された支持ブラケット16回りに回転され、これにより混合用筒部2を、支持架台37に対する傾斜角度が小さくなるように調整することができる。他方、可変長ピラー40を収縮させると、混合用筒部2は、その上端の支持ブラケット16回りに回転され、これにより混合用筒部2を、支持架台37に対する傾斜角度が大きくなるように調整することができる。
【0039】
さらに、本実施形態の現地採取土砂混合装置1について例示した保守設備43の作用について、図1〜図3,並びに図12〜図16を用いて説明する。保守作業前にあっては、現地採取土砂混合装置1の混合用筒部2は、支持装置3によって傾斜状態で支持されている。
【0040】
まず、図12に示すように、揚重機45の吊り具44を混合用筒部2上端側の吊り用ブラケット17に装着し、揚重機45に、混合用筒部2を吊り上げ支持する吊り上げ荷重を発生させる。また、混合用筒部2下端側の連結ブラケット14に支持ピラー39の一端をピン結合しているピンを外し、混合用筒部2及び支持架台37の間から支持ピラー39を離脱させる。これにより、混合用筒部2の吊り工程が完了する。
【0041】
次に、揚重機45で混合用筒部2を吊り上げ支持した状態で、可変長ピラー40を伸張もしくは収縮させ、これにより、固定長ピラー38を受け台46上に傾斜状態で支持させたときに、混合用筒部2がほぼ水平の横倒し状態となる傾倒時角度に当該混合用筒部2の角度を調整する。具体的には、第1ブラケット41により一括してピン接合した固定長ピラー38及び可変長ピラー40と混合用筒部2とで形成される三角形状に関し、角度調整可能な混合用筒部2の傾斜角度を、「混合用筒部2を水平横倒し状態としかつ固定長ピラー38を受け台46上で傾斜状態に支持する条件を満足する傾倒時角度」に、可変長ピラー40で調整する。これにより、混合用筒部2の傾倒時角度調整工程が完了する。
【0042】
次に、図12に示すように、引張力導入部材49を固定長ピラー38の取付ブラケット48に連結する。この連結作業は、吊り工程や傾倒時角度調整工程で完了しておいても良い。引張力導入部材49を固定長ピラー38に連結した状態で、揚重機45の吊り具44の移動及び引張力導入部材49の巻き取りにより、混合用筒部2を支持架台37や受け台46に向けて傾倒させていく。このように傾倒させていくことで、混合用筒部2の重心位置が設定傾倒方向に移動する。重心位置が設定傾倒方向に移動すれば、混合用筒部2や固定長ピラー38の倒れ方向は安定するので、その後、引張力導入部材49を取付ブラケット48から外して撤去する。これにより、混合用筒部2の傾倒操作工程が完了する。
【0043】
次に、揚重機45により混合用筒部2を支持架台37に向かって下降させる。混合用筒部2を下降させると、図13に示すように、固定長ピラー38が受け台46上に載置される。混合用筒部2は、可変長ピラー40によって傾倒時角度にセットされているので、固定長ピラー38を受け台46で傾斜状態に支持すると、自動的に、固定長ピラー38と可変長ピラー40が協働して、混合用筒部2を横倒しで支持架台37上方に浮かせた状態に支持することができる。これにより、混合用筒部2の横倒し支持工程が完了する。
【0044】
混合用筒部2を横倒し支持した状態で、適宜に点検保守作業を実施する。当該作業に際しては、混合用筒部2の点検口19は、当該混合用筒部2を受け台46で浮かせて支持した際に支持架台37に面することとなるので、開閉扉21により当該点検口19を開けることで、混合用筒部2の下側から搬送通路P内を点検保守することができる。搬送通路P内に混合材料が滞留していれば、点検口19から支持架台37上に排土することもできる。また、天部開閉蓋32及び側部開閉蓋33を取り外すことでも、搬送通路P内の点検保守を行うことができる。
【0045】
さらに、撹拌機付きユニット体10単位で交換を行うこともできる。交換する際には、混合用筒部2の本体部9に対し、撹拌機付きユニット体10の取り外しを行い、交換する別の撹拌機付きユニット体10の装着を行う。撹拌機付きユニット体10の取り外しは、その取付フランジ部23,24を本体部9の連結フランジ部13,18から取り外せばよい。その後、図14に示すように、混合用筒部2から離脱させた揚重機10の吊り具44を撹拌機付きユニット体10の適宜箇所に連結し、揚重して撤去する。
【0046】
その後、図15に示すように、交換する別の撹拌機付きユニット体10を揚重機45で搬入し、門型フレーム12間に装着するように本体部9へ吊り降ろして、その取付フランジ部23,24と本体部9の連結フランジ部13,18とを締結する。この際、各撹拌機付きユニット体10にモータ29を個別に備えたので、交換対象の撹拌機付きユニット体10の吊り上げ・吊り降ろしだけで交換を完了することができる。したがって、撹拌機付きユニット体10相互間で作業を行う必要がなく、簡単に作業を完了することができる。これにより、ユニット体交換工程が完了する。
【0047】
点検保守作業が完了した後は、図16に示すように、揚重機45の吊り具44を混合用筒部2の吊り用ブラケット17に連結し、混合用筒部2を吊り上げ支持する。また、固定長ピラー38の取付ブラケット48に、引張力導入部材49を装着する。その後、固定長ピラー38及び混合用筒部2が設定傾倒方向とは異なる方向へ倒れることがないように、引張力導入部材49を、これに引張力を加えつつ巻き戻しながら揚重機45の吊り具44を移動して、固定長ピラー38と共に混合用筒部2を立ち上げていく。これにより、混合用筒部2の立ち上げ操作工程が完了する。
【0048】
次いで、可変長ピラー40を伸縮動作して、混合用筒部2の角度を、傾倒時角度から操業時角度に角度調整し、これにより混合用筒部2の操業時角度調整工程が完了する。
【0049】
最後に、支持架台37の第2ブラケット42にピン接合されている支持ピラー39の一端を混合用筒部2の連結ブラケット14に、ピンを差し込んでピン接合する。その後、混合用筒部2の吊り用ブラケット17から揚重機45の吊り具44を撤去する。必要に応じて、引張力導入部材49も撤去する。これにより、混合用筒部2を支持架台37上に、固定長ピラー38、支持ピラー39及び可変長ピラー40で傾斜状態に支持することができて、現地採取土砂混合装置1を再稼働させることができる復帰完了工程が完了する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態にかかる現地採取土砂混合装置1にあっては、混合用筒部2を、混合材料の流下を案内する底部11及び混合材料の流下方向に間隔を隔てて底部11にこれを跨ぐ方向に配設された複数の門型フレーム12を備える本体部9と、撹拌機8及び撹拌機8を駆動するモータ29を有し、本体部9の門型フレーム12間に着脱自在に装着されて、底部11を覆って搬送通路Pを区画形成する複数の撹拌機付きユニット体10とから形成したので、いずれかの撹拌機8が故障した場合など、いずれかの撹拌機付きユニット体10が運転不能となっても、その他の撹拌機付きユニット体10は個々にモータ29を備えてそれらの稼働は可能であり、従って、支障が生じた撹拌機付きユニット体10単体を交換するだけで装置1を復旧することができる。
【0051】
その交換作業も、本体部9に対し着脱自在とした撹拌機付きユニット体10を、例えばフランジ部13,18,23,24における連結を脱着するだけで、取り外したり、取り付けることができ、容易である。容易な交換作業で撹拌機付きユニット体10を取り替えるだけで、その後は、装置1を復旧して稼働させることができ、混合用筒部2に組み込んだ状態で故障した撹拌機8を修理する場合などに比べて、格段に復旧時間を短縮することができる。
【0052】
取り外した撹拌機付きユニット体10については、これを対象として保守点検などの措置を自在に講ずることができる。
【0053】
また、混合用筒部2を、撹拌機付きユニット体10と、これらが脱着される本体部9とで構成していて、撹拌機付きユニット体10を取り外しても、これによって混合用筒部2が元の形態を維持できずにバラバラになるようなことはなく、従って、撹拌機付きユニット体10の交換作業についても、上述したように容易であると共に、交換に要する作業時間を短縮することができる。
【0054】
このように、撹拌機付きユニット体10毎に交換でき、交換後は、故障していない撹拌機付きユニット体10を含めてそれら個々に備えたモータ29を起動すれば運転を再開することができるので、交換後にさらに撹拌機8同士をチェーン連結したり、バラバラになるユニット体10を直結して混合用筒部2を組み立てる場合に比べて、格段に容易かつ短時間で現地採取土砂混合装置1を復旧して再稼働することができる。
【0055】
また、混合材料として現地採取土砂及びセメントが上端から投入される混合用筒部2と、混合用筒部2の撹拌機8のうち、最上段に設けられて混合材料を空練りする第1撹拌機8と、混合材料の流下方向に沿って第1撹拌機8よりも下流側に設けられ、搬送通路P内を流下する混合材料に給水する給水部35とを備えていて、第1撹拌機8による空練りによって現地採取土砂とセメントとを、重力による流下作用で行われる混合だけに頼ることなく、十分かつ均一に撹拌混合することができ、その後に給水部35から加水するので、水を含めて混合撹拌するすべての材料を一気にホッパから投入する場合に比べて、良好かつ合理的な撹拌混合を行うことができる。すなわち、混合用筒部2に混合材料の流下方向に沿って、構造的に混練ステップを分けたり、混練ステップを設定することができて、搬送通路P内で適切に混合材料を混合撹拌することができる。
【0056】
また、混合用筒部2を、混合材料の流下を案内する底部11及び混合材料の流下方向に間隔を隔てて底部11にこれを跨ぐ方向に配設された複数の門型フレーム12を備える本体部9と、撹拌機8及び撹拌機8を駆動するモータ29を有し、本体部9の門型フレーム12間に着脱自在に装着されて、底部11を覆って搬送通路Pを区画形成する複数の撹拌機付きユニット体10とから形成し、給水部35を門型フレーム12に設けたので、給水のためのスペースを確保することなく、撹拌機付きユニット体10を装着するための門型フレーム12を利用して、撹拌機8の間に適切にかつ合理的に給水部35を設置することができる。詳細には、混合材料の流下方向に沿って、混合材料を撹拌する撹拌機8前方で加水できて、加水した混合材料を有効かつ効率的に撹拌機8で撹拌できると共に、給水部35を、回転駆動される撹拌機8の邪魔にならない位置に合理的に配設することができる。
【0057】
また、混合用筒部2が搭載される支持架台37と、支持架台37に基端が回転不能に固定されると共に先端が混合用筒部2上端側に回転自在にピン結合された固定式固定長ピラー38と、支持架台37に一端が回転自在にピン結合されると共に他端が混合用筒部2に回転自在にピン結合され、混合用筒部2の傾斜角度を調整するために伸縮作動される可変長ピラー40とを備える、もしくは固定式固定長ピラー38に代えて、支持架台37に基端が回転自在にピン結合されると共に先端が混合用筒部2上端側に回転自在にピン結合された傾倒式固定長ピラー38及び支持架台37と混合用筒部2下端側それぞれに両端がピン結合された支持ピラー39を備えたので、背景技術とは異なり、傾動される混合用筒部2の回転端をその上端(ホッパ5側)に設定することができ、傾斜角度を調整しても、混合用筒部2の上端位置の移動量を小さく抑えることができる。
【0058】
これにより、ホッパ5に混合材料を投入する搬入装置4の位置調整がほとんど不要、必要であっても僅かであって、材料投入操作に支障を生じることを防止することができる。従って、混合用筒部2の傾斜角度を変更する必要が生じても、容易かつ短時間で復旧することができる。
【0059】
また、固定長ピラー38を固定式としてこれにより混合用筒部2を支持する場合には、支持ピラー39の設置が不要で、構造を簡単化することができる。他方、支持ピラー39を設置することで、固定長ピラー38を傾倒可能に構成することができ、混合用筒部2の姿勢を自由度高く調整することができる。
【0060】
また、支持ピラー39を備えることにより、傾倒式固定長ピラー38、混合用筒部2及び支持架台37とともに四角形リンクを形成することができ、これにより可変長ピラー40を、傾倒式固定長ピラー38とともに支持架台37に同軸で一括してピン結合することができる(第1ブラケット41参照)ので、これらピラー38,39,40等の取付スペースをコンパクト化できると共に、取付作業を簡便化することができる。
【0061】
さらに、本実施形態にあっては、現地採取土砂混合装置の保守設備43及び保守方法が示されていて、混合用筒部2が搭載される支持架台37と、支持架台37に基端が回転自在にピン結合されると共に先端が混合用筒部2上端側に回転自在にピン結合された傾倒式固定長ピラー38と、支持架台37及び混合用筒部2下端側の間に傾動自在にかつ離脱可能に設けられた支持ピラー39と、支持架台37に一端が回転自在にピン結合されると共に他端が混合用筒部2に回転自在にピン結合され、混合用筒部2の傾斜角度を調整するために伸縮作動される可変長ピラー40と、支持ピラー39が離脱されて傾倒可能な固定長ピラー38に支持された混合用筒部2を吊り上げ支持するための揚重機45と、適宜高さを有し、支持架台37上に固定長ピラー38の設定傾倒方向に位置させて設けられ、可変長ピラー40と協働して、混合用筒部2を横倒しで支持架台37上方に浮かせて支持するために、傾倒した固定長ピラー38を傾斜状態に支持する受け台46と、支持架台37と固定長ピラー38との間に着脱自在に設けられ、揚重機45で吊り上げ支持されている混合用筒部2を設定傾倒方向へ引張する引張力が導入される引張力導入部材49とを備えると共に、この保守設備43を用いて、混合用筒部2を揚重機45で吊り上げ支持すると共に支持ピラー39を混合用筒部2及び支持架台37の間から離脱させる吊り工程と、可変長ピラー40により、混合用筒部2を傾倒時角度に調整する傾倒時角度調整工程と、揚重機45及び引張力導入部材49により混合用筒部2を受け台46に向けて傾倒させ、混合用筒部2の重心位置が設定傾倒方向に移動したことに応じて引張力導入部材49を撤去する傾倒操作工程と、揚重機45により混合用筒部2を下降させ、固定長ピラー38を受け台46上に載置することにより、可変長ピラー40と協働して、混合用筒部2を横倒しで支持架台37上方に浮かせた状態で支持させる横倒し支持工程とを実施するようにしたので、混合用筒部2を支持する支持装置3の各種部材をほとんど撤去することなく、混合用筒部2を、保守点検姿勢である横倒し状態に容易に移行させることができ、かつまたその復旧作業もおおよそ揚重機45で混合用筒部2を立ち上げるだけで良くて、横倒し及びその復旧作業を容易かつ短時間に実施することができる。
【0062】
また、受け台46と可変長ピラー40を備え、混合用筒部2の傾倒時角度調整工程を実施するようにしたので、混合用筒部2を支持架台37上方に浮かせた状態でほぼ水平に横倒しすることができる。混合用筒部2を、支持架台37上面に直に設置すると横倒し時に混合用筒部2の下面に対し、何らの作業も行うことができない不都合があるが、本実施形態にあっては、混合用筒部2の下側から保守点検や排土を行うことができて、効率よくかつ十分に現地採取土砂混合装置1の点検保守を実施することができる。
【0063】
また、引張力導入部材49を備えているので、混合用筒部2や固定長ピラー38が不測の方向へ傾倒することを規制することができ、傾倒操作工程の作業安全性を高めることができる。
【0064】
また、混合用筒部2には少なくとも、受け台46で浮かせて支持した際に支持架台37に面する点検口19を設けたので、具体的には本体部9の底部11に設けたので、混合用筒部2の点検保守を効率よく的確に行うことができる。
【0065】
また、混合用筒部2を、混合材料の流下を案内する底部11及び混合材料の流下方向に間隔を隔てて底部11にこれを跨ぐ方向に配設された複数の門型フレーム12を備える本体部9と、撹拌機8及び撹拌機8を駆動するモータ29を有し、本体部9の門型フレーム12間に着脱自在に装着されて、底部11を覆って搬送通路Pを区画形成する複数の撹拌機付きユニット体10とから形成し、横倒し支持工程の後、撹拌機付きユニット体10の交換を行うユニット体交換工程を実施するようにしているので、例えば混合用筒部2から揚重機45を離脱させて当該揚重機45により撹拌機付きユニット体10を交換することができて、故障した撹拌機付きユニット体10を迅速かつ簡単に新しいものに交換することができる。これにより、現地採取土砂混合装置1の復旧を短時間で完了することができる。
【0066】
また、保守作業が終了した後に、揚重機45により混合用筒部2を吊り上げ支持すると共に、引張力導入部材49を固定長ピラー38に装着し、固定長ピラー38と共に混合用筒部2を立ち上げていく立ち上げ操作工程と、可変長ピラー40により、混合用筒部2を操業時角度に調整する操業時角度調整工程と、支持架台37及び混合用筒部2下端側の間に支持ピラー39を装着し、その後、混合用筒部2から揚重機45を撤去する復帰完了工程とを実施するようにしているので、現地採取土砂混合装置1の復旧にあたっての混合用筒部2の立ち上げを安全に行うことができると共に、この復旧過程で、支持ピラー39を装着する前に、混合用筒部2の操業時角度調整を行うので、支持ピラー39を取り付けた後よりも簡便に混合用筒部2の角度調整を行うことができる。
【0067】
図17及び図18には、上記実施形態の変形例が示されている。上記実施形態にあっては、すべての門型フレーム12間に、撹拌機付きユニット体10が装着されるようにしているが、図17に示すように、撹拌機付きユニット体10に代えて、撹拌機及びモータを備えてはいないブランクユニット体50を適宜位置に着脱自在に装着するようにしても良い。図示例にあっては、混合用筒部2の最下端にブランクユニット体50が装着されている。ブランクユニット体50は、上記一対の側板22aと天板22bから構成され、撹拌機付きユニット体10と同様に、取付フランジ部23,24を介して、本体部9の連結フランジ部13,18に接合される。このブランクユニット体50は、撹拌具合の調整用であって、必要であれば、これに代えて、図18に示すように、撹拌機付きユニット体10に交換するようにしても良い。交換作業は、上記保守設備43によるユニット体交換工程によって行われる。
【0068】
このように本体部9には、少なくとも1つの撹拌機付きユニット体10に代えて、底部11を覆って搬送通路Pを区画形成するブランクユニット体50が門型フレーム12間に着脱自在に装着されるので、必要撹拌能力に応じて、撹拌機付きユニット体10の設備個数を変更することができる。すなわち、撹拌能力が十分である場合には、撹拌機付きユニット体10の撹拌機が搬送通路Pにあると排出の妨げとなるので、当該撹拌機付きユニット体10に代えて、ブランクユニット体50を組み付けることが好ましく(モータ無しの省エネ構造となる)、撹拌能力を向上する場合には、ブランクユニット体50に代えて、撹拌機付きユニット体10を組み付けて現地採取土砂混合装置1を構成すれば良く、このように装置構成に余地を与えることができ、フレキシビリティを向上できて、効率よく混合材料の混合撹拌を行うことができる。
【符号の説明】
【0069】
1 現地採取土砂混合装置
2 混合用筒部
8 撹拌機
9 本体部
10 撹拌機付きユニット体
11 底部
12 門型フレーム
29 モータ
50 ブランクユニット体
P 搬送通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の搬送通路を区画形成し、上端から下端にわたって傾斜配置されると共に、モータで駆動される複数の撹拌機を該搬送通路内に傾斜方向に沿って多段に配設した混合用筒部の上端から該搬送通路内に混合材料を投入し、当該搬送通路内で混合されつつ流下する混合材料を該撹拌機で撹拌し、該搬送通路内で混合撹拌した混合材料を該混合用筒部の下端から排出する現地採取土砂混合装置において、
上記混合用筒部が、混合材料の流下を案内する底部及び混合材料の流下方向に間隔を隔てて該底部にこれを跨ぐ方向に配設された複数の門型フレームを備える本体部と、上記撹拌機及び該撹拌機を駆動する上記モータを有し、該本体部の該門型フレーム間に着脱自在に装着されて、該底部を覆って上記搬送通路を区画形成する複数の撹拌機付きユニット体とから形成されることを特徴とする現地採取土砂混合装置。
【請求項2】
前記本体部には、少なくとも1つの前記撹拌機付きユニット体に代えて、前記底部を覆って前記搬送通路を区画形成するブランクユニット体が前記門型フレーム間に着脱自在に装着されることを特徴とする請求項1に記載の現地採取土砂混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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