説明

現場コミュニケーション/サポートシステム

【課題】 中央の管理本部から離散して複数存在する工事等の各現場や、また、移動しながら機器、設備等の初期立ち上げおよびメンテナンス等を行う点検作業の各現場等を、中央の管理本部から管理監督したりサポートしたりする現場管理システムを提供すること。
【解決手段】 中央の管理本部に設けられた管理端末装置と、各現場に設置された端末装置と、該管理端末装置と端末装置とが接続されたインターネット等の通信網とを備えた、要員や部材などの変化により刻々と変化する現場状況に応じてリアルタイムに工事や作業が進む各現場に対し、各現場だけでなく複数の全体の現場を、全体最適な内容で中央の管理本部からコミュニケーションをとりながら臨機応変にリアルタイムに管理監督やサポートすることができるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央の管理本部から離散して複数存在する工事等の各現場や、また、移動しながら機器、設備等の初期立ち上げおよびメンテナンス等を行う点検作業の各現場等にあって、中央の管理本部に設けられた管理端末装置と各現場に設置された端末装置とをインターネット等の通信網で接続して、中央の管理本部で各現場を集中して管理監督したりサポートする現場管理システム技術に関する。
【背景技術】
【0002】
道路建設工事現場や建物建設工事現場等の各工事現場は中央の管理本部から離散して複数存在し、各工事現場は現場の独自性が高く、各工事現場の工事管理は各工事現場にまかせた形となっており、各工事現場では独自に工事の進捗管理や管理監督が行われていて、中央の管理本部への現場状況の報告は定期的な進捗等の報告だけであり、特別な場合として、突発的な事故や不具合発生等に対して緊急の報告が行われているだけである。そのため、中央の管理本部では各現場の状況をリアルタイムに把握できず、中央の管理本部で各工事現場を集中してリアルタイムに管理監督するのは困難である。このように、各工事現場は中央の管理監督から離れて独自に管理監督されているため、中央の管理本部から見ると、各工事現場の管理監督は、いわば糸の切れた凧のような管理監督となっているのが実情である。
【0003】
以上の状況を解決するために、中央の管理本部と各工事現場をインターネットや電話回線網で結び、各工事現場の状況を中央の管理本部から、工事関係者が各工事現場を観察したり管理監督する方法が提案されている例があるが、各工事現場の観察や中央の管理本部と各工事現場とのコミュニケーション等が述べられているだけであり、要員や部材などの変化により刻々と変化する現場状況に応じてリアルタイムに工事が進む各工事現場に対し、中央の管理本部から臨機応変にリアルタイムに管理監督できる状況にはなく、また、各工事現場だけでなく複数の全体の工事現場を要員や部材の配置等から総合的に判断して、全体最適な管理監督の方法により、中央の管理本部から各工事現場を集中して管理監督する方法については言及されていない。
【0004】
上記と同様に、中央の管理本部から離れた場所に存在する機器、設備等の初期立ち上げやメンテナンス等を目的として、作業者が場所を移動しながら行う点検作業等の各点検作業現場を、中央の管理本部から集中してサポートする場合、中央の管理本部と各点検作業現場を通信回線や人工衛星により結び、各点検作業現場の状況を中央の管理本部で管理監督する方法が提案されている例があるが、各点検作業現場への移動の効率向上や中央の管理本部と各点検作業現場とのコミュニケーション等が述べられているだけであり、刻々と変化する各点検作業の状況に応じてリアルタイムに点検作業が進む各点検作業現場に対し、中央の管理本部から臨機応変に要員や部材の配置等をリアルタイムにサポートできる状況にはなく、また、各点検作業現場だけでなく複数の全体の点検作業現場を要員や部材の配置等から総合的に判断して、全体最適なサポート方法により、中央の管理本部から各点検作業現場を集中してサポートする方法についても言及されていない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−269176
【特許文献2】特開2000−207669
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、道路工事建設現場や建物建設現場等の中央の管理本部から離散して存在する複数の各工事現場や、また、中央の管理本部から離れた場所を作業者が移動しながら行う、機器、設備等の初期の立ち上げおよびメンテナンス等の各点検作業現場等とを、中央の管理本部からコミュニケーションを取りながら集中して管理監督したりサポート等をしたりする現場管理システムにおいて、中央の管理本部に設けられた管理端末装置と、各現場に設置された端末装置と、該管理端末装置と端末装置とが接続されたインターネット等の通信網とを備えた、要員や部材などの変化により刻々と変化する現場状況に応じてリアルタイムに工事や作業が進む各現場に対し、中央の管理本部からコミュニケーションをとりながら臨機応変にリアルタイムに管理監督やサポート等ができる、また、各現場だけでなく複数の全体の現場を要員や部材の配置等から総合的に判断して、全体最適な管理監督やサポートの方法により、中央の管理本部から集中して各現場をリアルタイムに管理監督したりサポート等をすることができる現場管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決するために、本発明では、以下の手段を提案している。
即ち、請求項1に記載された発明は、複数の現場を中央の管理本部で集中して管理監督する現場管理システムで、中央の管理本部に設けられた管理端末装置と、各現場に設置された端末装置と、該管理端末装置と端末装置とが接続されたインターネット等の通信網と、を備えた現場管理システムにあって、前記管理端末装置が、端末装置から各現場の入力状況をリアルタイムに取得するとともに、取得した各現場の状況を総合的に分析して、端末装置に対してリアルタイムに全体最適の指示情報を送信することを特徴とする。
【0008】
これにより、中央の管理本部から離散して存在する複数の工事現場の各現場や作業者が離れた場所を移動しながら行う点検作業等の各現場とを、既設のインターネット等の通信網で接続し、特別の通信手段を用いずに容易に中央の管理本部と各現場とを結び、中央の管理本部は各現場の状況をリアルタイムに取得することが可能となり、各現場の状況をリアルタイムに把握しながら、定期的および突発的な事象に対し臨機応変に各現場を管理監督することやサポート等することができるだけでなく、各現場の状況を総合的に分析して、刻々と変化する現場の状況に応じて各現場を集中して全体最適な方法でリアルタイムに管理監督したりサポート等をしたりすることができる。
【0009】
また、請求項2に記載された発明は、前記管理端末装置が、前記端末装置から現場の進捗状況等の現場情報をリアルタイムに画像情報として取得するとともに、取得した情報に基づいて、各現場ごとに前記端末装置に対して管理情報を画像情報等として送信することを特徴とする。
【0010】
これにより、中央の管理本部は各現場の進捗状況や不具合などの現場情報をリアルタイムに画像情報として入手することが可能となり、音声単独だけの場合よりも情報量の多い細部におよぶ現場情報により各現場の状況を的確に把握し、また、各現場にも画像情報により的確な管理監督情報やサポート情報等を送信することができる。
【0011】
また、請求項3に記載された発明は、前記管理端末装置と各現場に設置された端末装置との間で情報を映像・音声によってやりとりするコミュニケーション手段をさらに備え、前記管理端末装置が前記コミュニケーション手段により得られた各現場の情報に基づいて、前記コミュニケーション手段により、リアルタイムな管理情報を前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0012】
これにより、中央の管理本部と各現場とは映像・音声のやりとりによってテレビ会議等を行うことが可能になり、中央の管理本部と各現場の距離を意識することなく中央の管理本部と各現場とはリアルタイムのコミュニケーションにより相互の意志の疎通を図りながら、中央の管理本部は集中して的確でリアルタイムな各現場の管理監督やサポート等を行うことができる。
【0013】
また、請求項4に記載された発明は、前記端末装置が携帯端末装置であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の現場管理システムであることを特徴とする。
【0014】
これにより、各現場では移動しながらの中央の管理本部との情報のやり取りが可能となり、中央の管理本部は各現場の何処からでも現場の的確な情報を入手し、集中して各現場の的確な管理監督やサポート等を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、中央の管理本部と、離散して存在する複数の工事現場等の各現場や作業者が離れた場所を移動しながら行う点検作業等の各現場とを、既設のインターネット等の通信網で接続し、特段の通信手段を用いずに容易に中央の管理本部と各現場とを結び、画像情報やテレビ会議等の映像・音声の手段により、また、各現場で携帯端末装置を用いることにより現場の何処からでも中央の管理本部と情報交換ができるようになり、中央の管理本部は各現場と相互の意志の疎通を図りながら、各現場の状況をリアルタイムに的確に取得することが可能となる。これにより、中央の管理本部は各現場の状況をリアルタイムに把握して、定期的および突発的な事象に対し臨機応変に各現場を管理監督することやサポート等することができるだけでなく、また、各現場の状況を総合的に分析して、刻々と変化する現場の状況に応じて各現場を集中して全体最適な方法でリアルタイムに管理監督したり、また、サポート等をすることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【実施例1】
【0017】
第1の実施例は、道路建設工事現場や建物建設工事現場等の中央の管理本部から離散して複数存在する各現場を、中央の管理本部から集中して管理監督する場合の現場管理システムの例であって、図1に示すように、中央の管理本部10は管理端末装置としてサーバ11と管理用パソコン12、および管理用パソコン12に接続されたカメラ13、マイクロホン14、スピーカ/イヤホン15とから構成されている。各現場は20の工事現場Aから30の工事現場Nまで複数存在し、20の工事現場Aはパソコン21、およびパソコン21に接続されたカメラ22、マイクロホン23、スピーカ/イヤホン24とから構成され、30の工事現場Nはパソコンの代りに移動して携帯可能なPDA(Personal Digital Assistance)31、およびPDA31に接続されたカメラ32、マイクロホン付ヤホン33で構成されている例を示す。図1では30の工事現場NにPDA31を使用する例を示したが、必要に応じてPDA31をパソコン21に置き換えて、カメラ32、マイクロホン付イヤホン33をカメラ22、マイクロホン23、スピーカ/イヤホン24と置き換えてもかまわない。また、図1では中央の管理本部10と20の工事現場Aから30の工事現場Nの各現場は、インターネット100で接続されている例を示す。図1には示していないが、インターネット100の代りに無線通信等の通信網が使用されても機能上は同等である。
【0018】
サーバ11は20の工事現場Aから30の工事現場Nの、各現場からの情報収集の機能を果たすと共に、中央の管理本部の管理資料等を収納しているデータースの役割をも果たす。管理用パソコン12は中央の管理本部の管理用の操作端末装置であり、各現場から情報収集したり各現場へ管理監督の指示を出す操作端末装置でもある。それと同時に、テレビ会議を行う場合の操作端末装置でもある。カメラ13、マイクロホン14、スピーカ/イヤホン15は各現場とコミュニケーションを取りながら各現場へ管理監督の指示を出す端末装置であるが、各現場とテレビ会議を行うための端末装置でもある。20の工事現場Aのパソコン21は20の工事現場Aの管理端末装置であり、中央の管理本部へ現場情報を送る端末装置でもある。それと同時に、テレビ会議を行う場合の操作端末装置でもある。カメラ22、マイクロホン23、スピーカ/イヤホン24は中央の管理本部とコミュニケーションを行いながら20の工事現場Aの現場の情報収集を行う端末装置でもある。30の工事現場NのPDA31、カメラ32、マイクロホン付イヤホン33も同様である。このようにして、サーバ11、管理用パソコン12、カメラ13、マイクロホン14およびスピーカ/イヤホン15から構成される中央の管理本部10の管理端末装置を用いることにより、画像情報、映像・音声の情報交換により、中央の管理本部10は20の工事現場Aから30の工事現場Nの各現場とコミュニケーションを図りながら、各現場を管理監督したりサポートしたりすることができる。
【0019】
図2に本実施例の機能を示す。中央の管理本部には大きく分けて、総合現場管理機能と個別現場管理機能およびコミュニケーション機能がある。工事現場Aから工事現場Nの各現場には工事進捗状況、要員状況、部材状況等の機能があり、定例/異常報告を定期的にあるいは異常が生じたら即時に中央の管理本部に送る。中央の管理本部は、この工事現場Aから工事現場Nの各現場からの報告に基づき、工事現場Aから工事現場Nの各現場に管理監督やサポート等の指示を送る。
【0020】
更に詳細に述べると、中央の管理本部の総合現場管理機能は、全現場の総合運営と把握であり、全現場の工事進捗状況等をリアルタイムに把握し、総合的な運営を行う機能である。そのために、工事現場Aから工事現場Nの各現場からの定例/異常報告でもって、各現場を全体的にサイト一覧して、全ての各現場状況や要員配置のリアルタイム把握を行い、新現場予約により今後の現場予約と計画を登録して各現場を一括して運営し、また、全サイト業績では全ての各現場の進捗度や投入要員数等の業績のリアルタイム把握を行う。このようにして、中央の管理本部は各現場の状況を総合的に判断し、要員の配置や部材の配送等を各現場の工事全体を最適な方法で決定して、各現場に管理監督やサポートの指示をする。個別現場管理機能は、各現場の効率化であり、中央の管理本部は各現場毎の状況をリアルタイムに把握し、指導、チェックや対策を行う機能である。例えば中央の管理本部は、工事現場Aからの定例/異常報告に基づき、工事現場Aの工程進捗状況で現場の工程進捗状況を日および週単位で把握し、定例報告では現場からの画像データ付きの報告書で現場の状況を把握し、また、個別報告では重要テーマは個別の詳細報告にてベクトルを合わせて運営することにより、工事現場A独自の進捗管理監督や異常管理監督およびサポートを行う。工事現場Nについても、工事現場Aの場合と同様である。コミュニケーション機能は、各現場の問題等に対してクイックな対策をテレビ会議で行い解決する機能である。中央の管理本部は各現場の当該現場情報を画像情報として入手したり、逆に画像情報としてリアルタイムに各現場に指示すると同時に、映像、音声により各現場とテレビ会議を開き、各現場と定例打合せや個別打合せによりコミュニケーションを取りながらクイックな対策により問題等を解決し、各現場の管理監督指示やサポートを行う。このように中央の管理本部が複数の各現場を管理監督したりサポートするために運用する画面として、例えば、本部管理用として登録、修正、全作業者稼動状況の画面を用い、現場管理用として資料添付、進捗報告の画面を用いて運用することが可能である。
【0021】
図3に中央の管理本部の業績管理機能の現場サイトメンバー状況の例を示す。工事現場Aはサイト名としてAで、工事現場Nはサイト名としてNで表され、工事現場Aと工事現場Nはそれぞれ東京と大阪に存在していることを示す。本管理表によれば、工事現場Aは8月3日から8月10日まで☆印で示すように要員の配置が行われ、要員は佐藤、山本、田中の3人で構成されている。また、工事現場Nは8月3日から8月9日まで、工事現場Aと同様に☆印で示すように要員の配置が行われ、要員は鈴木、中村の2人である。8月4日現在の状況では、工事現場A、工事現場N共に○印で示すように、要員配置は順調に推移していることを示す。
【0022】
図4に中央の管理本部の業績管理機能のメンバー稼動状況の例を示す。図3に示した佐藤、山本、田中の3人は会社で所属する部門が第1部であることを示し、同様に、鈴木、中村の2人は第2部に属することを示す。図4では、図3で示した工事現場Aから工事現場Nの各現場のそれぞれの配置要員の実績と計画の内容が、8月4日現在までの稼動状況として分かり、それ以降の8月10日までの計画の様子も分かる。
【0023】
図5に中央の管理本部の業績管理のサイト業績状況の例を示す。図5では工事現場Aおよび工事現場Nの進捗予定とその実績が示され、例えば工事現場Aでは8月4日現在では計画どおり3人の要員が投入されているが、進捗予定は30%であるのに対し実績は25%で遅れていることを示す。工事現場Nでも、8月4日現在では計画どおり2人の要員が投入されているが、進捗予定は30%に対し実績は20%で遅れていることを示す。
【0024】
以上の結果から、工事現場A、工事現場N共に進捗遅れが発生しているので、より重要な工事現場Aに工事現場Nから応援要員を出すか、しかし、工事現場Nから応援要員を出すと更に工事現場Nも遅れるので、新しく工事現場Aには別の要員を応援に出すか等の判断を、中央の管理本部は全体の要員を見回して決めたり、改めて工事の進捗計画の全体の見直しをしたりして、図3から図5の計画を全体最適な方法で再計画し、工事現場Aから工事現場Nの各現場に再通知して、各現場をリアルタイムに管理監督する。ここで示した管理監督の手法は1例に過ぎないが、工事現場Aから工事現場Nの各現場の状況はテレビ会議等でもリアルタイムに情報収集され、中央の管理本部では図3から図5に示した計画表と実績の差からリアルタイムに各現場を全体的な総合判断のもとに管理監督したりサポートしたりすることができる。ここでは部材等については説明しなかったが、部材等についても要員と同様に計画して、中央の管理本部は工事現場Aから工事現場Nの各現場を管理監督したりサポートしたりすることができる。
【実施例2】
【0025】
第2の実施例は、機器、設備等の初期の立ち上げおよびメンテナンス等のために、作業者が中央の管理本部から離れた場所を移動しながら行う点検作業等の各点検作業現場を、中央の管理本部からコミュニケーションを取りながら集中して管理監督したりサポート等をしたりする場合の現場管理システムの例であって、図6に示すように、図1と同様に中央の管理本部10は管理端末装置としてサーバ11と管理用パソコン12、および管理用パソコン12に接続されたカメラ13、マイクロホン14、スピーカ/イヤホン15とから構成されている。各点検作業現場は40の点検作業現場Aから50の点検作業現場Nまで複数存在し、40の点検作業現場Aは移動して携帯可能なPDA41、およびPDA41に接続されたカメラ42、マイクロホン付イヤホン43とから構成され、50の点検作業現場Nは点検作業現場Aと同様にPDA51、およびPDA51に接続されたカメラ52、マイクロホン付イヤホン53で構成されている。図6では40の点検現場Aに図1に示すパソコン21の代りにPDA41で示したが、必要に応じてPDA41はパソコン21で置き換えて、カメラ42、マイクロホン付イヤホン43を、図1のカメラ22、マイクロホン23、スピーカ付イヤホン24と置き換えてもかまわない。50の点検現場Nの場合も同様である。また、図6では中央の管理本部10と40の点検作業現場Aから50の点検作業現場Nの各現場はインターネット100で接続されている例を示す。図6には示していないが、インターネット100の代りに無線通信等の通信網が使用されても、図6の場合と同様に機能上は同等である。
【0026】
サーバ11は40の点検作業現場Aから50の点検作業現場Nの各現場からの情報収集の機能を果たすと共に、中央の管理本部の管理資料等を収納しているデータースの役割をも果たす。管理用パソコン12は中央の管理本部の管理用の操作端末装置であり、各現場から情報収集したり各現場へ管理監督やサポートの指示を出す操作端末装置でもある。図6には示していないが、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場では、作業者は携帯電話を所持し、PDA41およびPDA51を用いて携帯電話も利用しながら、中央の管理本部との間で電話会議を行うことが可能である。カメラ13、マイクロホン14、スピーカ/イヤホン15は各現場とコミュニケーションを取りながら各現場に管理監督の指示を出したりサポートしたりする端末装置である。40の点検作業現場AのPDA41は40の点検作業現場Aの管理端末装置であり、中央の管理本部へ現場情報を送る端末装置でもある。カメラ42、マイクロホン付イヤホン43は中央の管理本部とコミュニケーションを行いながら40の点検作業現場Aの現場の情報収集を行う端末装置でもある。50の点検作業現場NのPDA51、カメラ52、マイクロホン付イヤホン53も同様である。このようにして、サーバ11、管理用パソコン12、カメラ13、マイクロホン14およびスピーカ/イヤホン15から構成される中央の管理本部10の管理端末装置を用いることにより、画像情報、映像・音声の情報交換により、中央の管理本部10は40の点検作業現場Aから50の工事現場Nの各点検作業現場とコミュニケーションを図りながら各現場を管理監督したりサポートしたりすることができる。
【0027】
図7に本実施例の機能を示す。中央の管理本部には大きく分けて、総合現場管理機能と個別現場管理機能および遠隔サポート機能がある。点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場には点検状況、要員状況、部材状況等の機能があり、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場からは、行動状況通知、点検レポートを定期的にあるいは異常が生じたら即時に中央の管理本部に送る。中央の管理本部は、この点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場からの報告に基づき、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場に管理監督やサポートの指示を送る。
【0028】
以上を機能面から更に詳述すると、中央の管理本部の総合現場管理機能は、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場からの行動状況通知や点検レポートの定例/異常報告により、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場の全体の点検作業現場の状況を全体的にサイト一覧しながら総合的に判断し、要員の配置や部材の配送等を、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場の点検作業全体の最適な方法で決定して、スケジュール管理や行動状況チェックを行い、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場に、全体最適な管理監督やサポートの指示をする。個別現場管理機能は、例えば点検作業現場Aからの行動状況通知や点検レポートの定例/異常報告に基づき、点検作業現場Aの点検結果報告をまとめたり、部品調達の手配をしたりしながら点検作業現場A独自の管理監督とサポートを行う。点検作業現場Nについても、点検作業現場Aの場合と同様である。遠隔サポート機能は、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場の現場情報を画像情報として入手したり、画像情報としてリアルタイムに工事現場Aから工事現場Nの各現場に指示すると同時に、映像、音声により点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場と電話会議等を開き、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場とコミュニケーションを取りながら、点検作業現場Aから点検作業現場Nの各現場の管理監督とサポートを行う。
【0029】
図8に中央の管理本部の業績管理機能の移動現場とメンバー状況の例を示す。点検作業現場Aはサイト名としてAで、点検作業現場Nはサイト名としてNで表され、これまで点検作業現場Bについては述べてこなかったが、図8には点検作業現場Bの場合も示されている。点検作業現場Aと点検作業現場Bおよび点検作業現場Nはそれぞれ東京と大阪および名古屋に存在していることを示す。本管理表によれば、点検作業現場Aは8月3日から8月4日まで☆印で示すように要員の配置が行われ、要員は小林、高橋の2人で構成されている。点検作業現場Bは8月4日から8月5日まで斎藤1人が、また、点検作業現場Nは8月6日に山田1人が、点検作業現場Aと同様にして☆印で示しながら要員配置を行っている。8月4日現在の状況では、点検作業現場A、点検作業現場B共に○印で示すように、要員配置は順調に推移していることを示す。
【0030】
図9に中央の管理本部の移動現場管理機能のメンバー稼動状況の例を示す。図8に示した小林、斎藤、高橋の3人は会社で所属する部門が第5部であることを示す。同様に、山田は第6部に属することを示し、第6部には当面何処の点検作業現場にも配置されていない渡辺が居ることを示す。図9では、図8で示した点検作業現場Aから点検作業現場Bおよび点検作業現場Nまでの各現場のそれぞれの配置要員の実績と計画の内容が、8月4日現在までの稼動状況として分かり、それ以降の8月10日までの計画の様子も分かる。
【0031】
図10に中央の管理本部の移動現場管理機能のサイト業績状況の例を示す。図10では点検作業現場A、点検作業現場Bおよび点検作業現場Nの進捗予定とその実績が示され、例えば点検作業現場Aでは8月4日現在では計画どおり2人の要員が投入され、進捗予定100%に対し実績は100%であることを示す。点検作業現場Bでも、8月4日現在では計画どおり1人の要員が投入され、進捗予定50%に対し実績も50%で遅れのないことを示している。点検作業現場Nは8月6日に点検作業が行われる予定であるが、まだ、当該日程に至っていないことを示している。
【0032】
以上の結果から、点検作業現場A、点検作業現場B共に進捗遅れは発生していないし問題も発生していないので、このままの推移を見守ればよいが、もし要員配置に問題が発生した場合は、実施例1の場合と同様にして、中央の管理本部は全体の要員を見回して要員配置を決める。更に、点検作業の進捗計画の全体の見直しをしたりして、図8から図10の計画を全体最適な方法で再計画し、点検作業現場Aから点検作業現場Bおよび点検作業現場Nの各現場に再通知して、各現場をリアルタイムに管理監督したりサポートする。要員の配置だけでなく部材等の供給等の管理監督やサポートも実施例1の場合と同様である。
【0033】
ここで示した管理監督の手法も実施例1の場合と同様に1例に過ぎないが、点検作業現場Aから点検作業現場Bおよび点検作業現場Nまでの各現場の状況は電話会議等でもリアルタイムに情報収集され、中央の管理本部では図8から図10に示した計画表と実績の差から、全体的な総合判断のもとにリアルタイムに各現場の要員配置や部材の供給等の管理監督やサポートを行うことができる。
【0034】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のシステム構成や操作方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、例えば訪問販売等の現場を管理監督したりサポートする例などのように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、中央の管理本部から離散して複数存在する工事等の各現場や、また、移動しながら機器、設備等の初期立ち上げおよびメンテナンス等を行う点検作業の各現場等にあって、中央の管理本部に設けられた管理端末装置と各現場に設置された端末装置とをインターネット等の通信網で接続して、中央の管理本部で各現場を集中して管理監督したりサポートするような種々の形態の現場管理システムの技術として産業上の利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施例1に係るシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係るシステムの機能を示す図である。
【図3】本発明の実施例1に係る業績管理機能のサイトメンバー状況の例を示す図である。
【図4】本発明の実施例1に係る業績管理機能のメンバー稼動状況の例を示す図である。
【図5】本発明の実施例1に係る業績管理機能のサイト業績状況の例を示す図である。
【図6】本発明の実施例2に係るシステムの構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例2に係るシステムの機能を示す図である。
【図8】本発明の実施例2に係る移動現場管理機能の移動現場とメンバー状況を示す図である。
【図9】本発明の実施例2に係る移動現場管理機能のメンバー稼動状況を示す図である。
【図10】本発明の実施例2に係る移動現場管理機能のサイト業績状況を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
10 中央の管理本部
11 サーバ
12 管理用パソコン
13 カメラ(その1)
14 マイクロホン(その1)
15 スピーカ/イヤホン(その1)
20 工事現場A
21 パソコン
22 カメラ(その2)
23 マイクロホン(その2)
24 スピーカ/イヤホン(その2)
30 工事現場N
31 PDA(その1)
32 カメラ(その3)
33 マイクロホン付イヤホン(その1)
40 点検作業現場A
41 PDA(その2)
42 カメラ(その4)
43 マイクロホン付イヤホン(その2)
50 点検作業現場N
51 PDA(その3)
52 カメラ(その5)
53 マイクロホン付イヤホン(その3)
100 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の現場を中央の管理本部で集中して管理監督する現場管理システムで、
中央の管理本部に設けられた管理端末装置と、
各現場に設置された端末装置と、
該管理端末装置と端末装置とが接続されたインターネット等の通信網と、
を備えた現場管理システムにあって、
前記管理端末装置が、端末装置から各現場の入力状況をリアルタイムに取得するとともに、取得した各現場の状況を総合的に分析して、端末装置に対してリアルタイムに全体最適の指示情報を送信することを特徴とする現場管理システム。
【請求項2】
前記管理端末装置が、前記端末装置から現場の進捗状況等の現場情報をリアルタイムに画像情報として取得するとともに、取得した情報に基づいて、各現場ごとに前記端末装置に対して管理情報を画像情報等として送信することを特徴とする請求項1に記載の現場管理システム。
【請求項3】
前記管理端末装置と各現場に設置された端末装置との間で情報を映像・音声によってやりとりするコミュニケーション手段をさらに備え、
前記管理端末装置が前記コミュニケーション手段により得られた各現場の情報に基づいて、前記コミュニケーション手段により、リアルタイムな管理情報を前記端末装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の現場管理システム。
【請求項4】
前記端末装置が携帯端末装置であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の現場管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−80010(P2007−80010A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267780(P2005−267780)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(501207043)株式会社 アイ・シー・エス (11)