説明

現金自動取引機及びそれを備えるオンラインシステム

【課題】 或る特定種類の生体情報を読み取ることが可能な現金自動取引機において、異なる種類の生体情報を採用する金融機関の顧客が取引を行おうとした場合に、その顧客が取引を実施することができるようにする。
【解決手段】 顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機であって、前記顧客のカードまたは通帳に記録された情報を読み取るための情報読取部と、前記顧客から特定種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部と、外部から暗証番号を入力するための入力部と、制御部と、を少なくとも備え、前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出し、その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合に、前記顧客に対し、前記暗証番号による本人確認の実行を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の生体情報に基づいて、顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現金自動取引機(以下、ATMという)において、出金取引などを実施する場合、顧客の本人確認を行う方法としては、従来、暗証番号による本人確認のみであった。従って、或る金融機関の顧客が他の金融機関のATMで取引を実施する場合も、本人の暗証番号を入力することで、取引は可能である。これは、そのATMが、各金融機関の共同センタを経由して、その顧客の金融機関のホストへ接続することで、その顧客の暗証番号チェックを可能としているからである。しかし、最近、この暗証番号が盗まれ、他人が本人になりすまし、取引を実施してしまう犯罪が急増しており、各金融機関は本人確認の方法を見直し、盗まれることのないその顧客の生体情報による本人確認を実施するケースが増えている。
【0003】
この生体情報の種類としては、例えば、指紋、指静脈、掌(てのひら)静脈、虹彩、顔などがある。各金融機関は、それぞれ、異なる種類の生体情報を採用している。これらの生体情報を本人確認において使用するために、各金融機関は、それぞれが採用した種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部を備えたATMを保持している。
【0004】
金融機関が、顧客の生体情報を保持する方法としては大きく2つあり、1つは顧客の持つICカード内に保持する方法であり、他の1つは金融機関のデータベースサーバ内に保持する方法である。
【0005】
ICカード内に保持する方法の場合、或る金融機関の顧客がATMで取引を実施する際には、ATMは、顧客のICカードから保持されている生体情報を読み取り、さらに、その顧客から、生体情報読取部によって生体情報を読み取り、その2つの情報を照合し、両者が一致する場合、その顧客との取引を可能としている。
【0006】
一方、データベースサーバ上に保持する方法の場合、ATMは、顧客のキャッシュカードから情報を読み取って、その情報に基づき、その金融機関の生体情報データベースサーバへアクセスすることで、そのサーバに保持されているその顧客の生体情報を取得し、さらに、その顧客から、生体情報読取部によって生体情報を読み取り、その2つの情報を照合し、両者が一致する場合、その顧客との取引を可能としている。
【0007】
このように、各金融機関が、それぞれ、独自の種類の生体情報による本人確認を行っているため、或る金融機関が採用している種類の生体情報を読み取ることが可能なATMにおいて、その金融機関の顧客が、生体情報による本人確認を行って、取引を実施することは可能であるが、異なる種類の生体情報を採用している他の金融機関の顧客が、そのATMにおいて、生体情報による本人確認を行って、取引を実施する点については、従来において何ら考慮されていなかった。
【0008】
例えば、下記の特許文献1〜3に記載の技術では、或る金融機関のATMにおいて、或る特定種類の生体情報である声、顔、虹彩による本人確認を行い、取引の実施を可能としている。また、下記の特許文献4に記載の技術は、ATMでの生体認証とカード情報との組合わせにより利用者のランク付けを行い、そのランクに応じた取引を実施することで、セキュリティの確保を可能としている。しかし、上記の各特許文献では、或る特定種類の生体情報による本人確認を行うATMでの取引及びその応用例についての記載はあるが、或る特定種類の生体情報を読み取ることが可能なATMにおいて、異なる種類の生体情報を採用している金融機関の顧客が、取引を実施する場合については、何ら記載されてない。
【0009】
【特許文献1】特開平05−054242号公報
【特許文献2】特開平05−314344号公報
【特許文献3】特開平09−161135号公報
【特許文献4】特開2002−288424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、上記した従来技術においては、次のような問題があった。
例えば、或る金融機関で採用する生体情報の種類が指紋である場合、その金融機関の有するATMは、指紋を読み取ることが可能なATMである。従って、その金融機関の顧客は、生体情報として指紋を使用するため、ICカードや生体情報データベースサーバには、その顧客の指紋の情報が登録されている。その顧客が、その金融機関のATMで取引を行う際は、そのATMにおいて、指紋による本人確認が可能であり、取引が実施可能である。しかし、別の金融機関で採用する生体情報の種類が指紋ではなく、指静脈である場合、その金融機関の顧客が、先の金融機関のATMで取引を行う際、そのATMでは、指紋による本人確認のみ可能であり、指静脈による本人確認は不可能であるため、その顧客については、生体情報による本人確認は行えず、そのATMでは取引が実施できないという問題があった。
【0011】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、或る特定種類の生体情報を読み取ることが可能な現金自動取引機において、異なる種類の生体情報を採用する金融機関の顧客が、取引を行おうとした場合に、結果的に、その顧客が取引を実施することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の第1の現金自動取引機は、顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機であって、
前記顧客のカードまたは通帳に記録された情報を読み取るための情報読取部と、
前記顧客から特定種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部と、
外部から暗証番号を入力するための入力部と、
制御部と、
を少なくとも備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出し、その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合に、前記顧客に対し、前記暗証番号による本人確認の実行を許可することを要旨とする。
【0013】
このように、本発明の第1の現金自動取引機においては、カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類が、生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合であっても、顧客に対し、暗証番号による本人確認の実行を許可するので、既存方式である暗証番号による認証方式で取引を続行させることができる。従って、本発明の現金自動取引機において、異なる種類の生体情報を採用する金融機関の顧客が取引を行おうとした場合でも、その取引を実施することができる。
【0014】
本発明の第1の現金自動取引機において、前記制御部は、前記検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合であっても、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、予め、前記生体情報による本人確認しか許容しない旨の設定がされていることを検出した場合、前記顧客に対し、前記暗証番号による本人確認の実行を許可しないようにしてもよい。
【0015】
このようにして、暗証番号による本人確認の実行を禁止し、必ず生体認証による本人確認を実行するようにすることにより、セキュリティを確保することができる。
【0016】
本発明の第2の現金自動取引機は、顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機であって、
前記顧客のカードまたは通帳に記録された情報を読み取るための情報読取部と、
前記顧客から特定種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部と、
外部に対し所定の情報を表示するための表示部と、
制御部と、
を少なくとも備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出し、その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合に、前記表示部に、前記検出した種類を読み取ることが可能な生体情報読取部を備える別の現金自動取引機の存在場所を前記顧客に案内するための情報を表示させることを要旨とする。
【0017】
このように、本発明の第2の現金自動取引機においては、カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類が、生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合であっても、表示部に、その種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部を備える別の現金自動取引機の存在場所を顧客に案内するための情報を表示させるので、顧客は、その情報を見て、その種類の生体情報に対応している別の現金自動取引機のある場所まで行くことができ、その現金自動取引機を利用することができる。従って、本発明の現金自動取引機において、異なる種類の生体情報を採用する金融機関の顧客が取引を行おうとした場合、その現金自動取引機で取り引きできなくても、案内された別の現金自動取引機で取引を実施することができる。
【0018】
本発明の第3の現金自動取引機は、顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機であって、
前記顧客のカードまたは通帳に記録された情報を読み取るための情報読取部と、
前記顧客から、特定の複数種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部と、
制御部と、
を少なくとも備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出し、その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることが可能な種類である場合に、前記生体情報読取部によって、前記顧客からその検出した種類の生体情報を読み取り、その読み取った生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことを要旨とする。
【0019】
このように、本発明の第3の現金自動取引機においては、生体情報読取部が複数種類の生体情報を読み取ることができるので、複数種類の生体情報に対応可能である。従って、本発明の現金自動取引機によれば、金融機関の採用する生体情報の種類がそれぞれ異なっていても、各々の金融機関の顧客に対し、1台で対応することが可能となる。
【0020】
本発明の第3の現金自動取引機において、ネットワークを介して通信を行うための通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に前記顧客の生体情報が含まれている場合、その含まれていた生体情報と、前記生体情報読取部によって読み取った生体情報と、を照合し、その照合結果により、前記顧客が本人であることを確認できた場合に、前記通信部によって、前記ネットワークに接続された前記金融機関に属するホストにアクセスし、取引の実施を可能にするようにしてもよい。
【0021】
こうすることにより、各々の金融機関の顧客に対し、生体情報による本人確認を行った上で、実際の取引を実施することができる。
【0022】
本発明の第3の現金自動取引機において、ネットワークを介して通信を行うための通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に前記顧客の生体情報が含まれていない場合、前記通信部によって、前記ネットワークに接続された生体情報格納サーバにアクセスし、前記生体情報格納サーバに保持されている前記顧客の生体情報を取得し、その取得した生体情報と、前記生体情報読取部によって読み取った生体情報と、を照合し、その照合結果により、前記顧客が本人であることを確認できた場合に、前記通信部によって、前記ネットワークに接続された前記金融機関に属するホストにアクセスし、取引の実施を可能にするようにしてもよい。
【0023】
こうすることにより、各々の金融機関の顧客に対し、生体情報による本人確認を行った上で、実際の取引を実施することができる。
【0024】
なお、本発明は、上記した現金自動取引機などの態様に限ることなく、その現金自動取引機を備えるオンラインシステムなどの態様で実現することもできる。また、このような装置発明としての態様に限るものではなく、現金自動取引機の制御方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。さらには、それら方法や装置を構築するためのコンピュータプログラムとしての態様や、そのようなコンピュータプログラムを記録した記録媒体としての態様や、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.オンラインシステムの構成:
B.第1の実施例:
C.第2の実施例:
D.変形例:
【0026】
A.オンラインシステムの構成:
図1は本発明の実施例としてのATMを利用したオンラインシステムを示す構成図である。A銀行,B銀行などの各金融機関のATMa,bは、それぞれ、各金融機関の専用ネットワーク102a,102bを介して、各金融機関の生体情報データベースサーバ104a,b及び金融ホスト105a,bに接続されている。また、ATMa,bは、共同ネットワーク103を介して、複数の金融機関が共同で管理する共同ホスト106及び生体情報共同データベースサーバ107にそれぞれ接続されている。また、各専用ネットワーク102a,bは、それぞれ、共同ネットワーク103に接続されている。
【0027】
B.第1の実施例:
図2は本発明の第1の実施例としてのATMの構成を示すブロック図である。本実施例は、顧客の生体情報をICカード内に保持している場合に対応した実施例である。図2に示すように、本実施例のATM200は、種々の情報を表示するための表示部201と、外部から暗証番号や金額など種々の情報を入力するための入力部202と、ICカード250から情報を読み取ったり、ICカード250に情報を書き込んだりするためのカード読取書込部203と、通帳(図示せず)から情報を読み取ったり、通帳に情報を書き込んだりするための通帳読取書込部204と、通帳に金額などの情報を印字するための通帳印字部205と、顧客から、特定種類の生体情報を読み取るための生体情報読取部206と、CPUなどで構成される制御部207と、ハードディスク装置などで構成される補助記憶装置210と、メモリなどで構成される主記憶装置211と、ネットワークインタフェースなどで構成される送受信部212と、を備えている。このうち、制御部207は、主記憶装置211に記憶されたプログラムを実行することにより、生体情報取得部220,生体情報照合部221及び取引管理部222として機能する。ここで、ICカード250や通帳は、何れも、金融機関によって発行されたものである。
【0028】
なお、図2において、カード読取書込部203や通帳読取書込部204は、請求項における情報読取部に、生体情報読取部206は、請求項における生体情報読取部に、入力部202は、請求項における入力部に、表示部201は、請求項における表示部に、制御部207は、請求項における制御部に、送受信部212は、請求項における通信部に、それぞれ相当する。
【0029】
図3は図2のATMにおいて実行される処理手順を示すフローチャートである。まず、顧客によってATM200のカード読取書込部203にICカード250が挿入されると、カード読取書込部203が、ICカード250に格納されている情報を読み取る(ステップS701)。次に、生体情報取得部220が、読み取った情報から、顧客の口座のある金融機関が採用している生体情報の種類を検出する(ステップS702)。例えば、読み取った情報の中に、生体情報の種類を示す識別コードが含まれており、その識別コードを抽出することによって、生体情報の種類を検出するようにしてよい。図4は各金融機関で採用されている生体情報の種類を示す説明図である。図4に示すように、各金融機関は、それぞれ、異なる種類の生体情報を採用しており、その種類としては、指紋、指静脈、掌静脈、虹彩、顔などがある。また、どの金融機関も、既存方式である暗証番号も、併せて採用している。
【0030】
次に、生体情報取得部220は、その検出した生体情報の種類がこのATM200で対応可能な種類か否か、すなわち、生体情報読取部206によって読み取ることができる種類であるか否かの判定を行う(ステップS703)。図5は各ATMにおいて対応可能な生体情報の種類を示す説明図である。各ATMによって、生体情報読取部206で読み取ることができる生体情報の種類は異なるため、図5に示すように、対応可能な生体情報の種類は、各ATMa〜gによってそれぞれ異なる。基本的には、その金融機関が保持するATMは、その金融機関が採用する生体情報の種類に対応可能である(例えば、図5のATMa〜e)。しかし、ATMによっては、共通化を図るために、生体情報読取部206によって複数種類の生体情報を読み取ることができ、複数種類の生体情報に対応可能である場合もある(例えば、図5のATMg)。そのような場合、ATMは、1つの生体情報読取部を備え、その1つの生体情報読取部で複数種類の生体情報を読み取ることができてもよいし、複数の生体情報読取部を備え、それら複数の生体情報読取部によって複数種類の生体情報を読み取ることができてもよい。
【0031】
図6は各金融機関と各ATMとの生体情報の対応関係を示す説明図である。例えば、A銀行の口座を持つ顧客がATMgで取引を実施する場合、A銀行の採用している生体情報の種類は指紋であり、ATMgの対応可能な生体情報の種類(生体情報読取部206によって読み取ることができる生体情報の種類)は、指紋,指静脈,掌静脈,虹彩,顔の全てであるため、ATMgにおいて、指紋による本人確認は可能である。図6では、このように生体情報による本人確認が可能な場合を、太線枠で囲んである。
【0032】
そこで、ステップS703の判定の結果、検出した生体情報の種類がATM200で対応可能な種類であれば、生体情報取得部220は、読み取った情報の中から、含まれる顧客の生体情報を抽出し、補助記憶装置210へ格納する(ステップS704)。その後、生体情報取得部220は、表示部201に図7に示す生体情報読取準備画面を表示させ、顧客に対し、生体情報の読み取り準備を促す(ステップS705)。それにより、顧客が、例えば、人差し指を生体情報読取部206(指紋読取機)に付けると、生体情報読取部206が、顧客の指紋を生体情報として読み取って、生体情報取得部220が、読み取った生体情報を補助記憶装置210へ格納する(ステップS706)。その後、生体情報照合部221が、ICカード250から読み取った生体情報と、顧客から読み取った生体情報と、を照合し、同一人物か否かの判定、すなわち、本人確認を行う(ステップS707)。
【0033】
照合の結果、同一人物であると判定した場合には、その顧客が本人であることが確認できたので、取引管理部222は、送受信部212を介して金融ホストにアクセスして、必要データを送受信し、出金取引を実施する(ステップS708)。出金取引が完了したら、取引管理部222は、カード読取書込部203よりICカード250を排出させ(ステップ709)、一連の処理を終了する。
【0034】
なお、ATMが、取引実施の際に金融ホストにアクセスする場合、以下のごとくになる。すなわち、図1に示すように、通常、A銀行,B銀行などの各金融機関のATMa,bは、それぞれ、各金融機関の専用ネットワーク102a,102bを介して、各金融機関の金融ホスト105a,bにアクセスし、各々独立して、その金融機関に口座を持つ顧客と取引を実施する。しかし、或る金融機関の口座を持つ顧客が、別の金融機関のATMで取引を実施する場合、そのATMは、共同ネットワーク103を介して、一旦、複数の金融機関が共同で管理する共同ホスト106へアクセスした後、共同ネットワーク103、専用ネットワーク102a,bを介して、その金融機関の金融ホスト105a,bへアクセスし、その顧客との取引を実施する。
【0035】
また、照合の結果、異なる人物であると判定した場合には、その顧客が本人であることが確認できなかったので、取引管理部222は、取引不可とし(ステップS710)、カード読取書込部203よりICカード250を排出させ(ステップ709)、一連の処理を終了する。
【0036】
一方、図6に示すように、例えば、A銀行の口座を持つ顧客がATMbで取引を実施する場合、A銀行の採用している生体情報の種類は指紋であり、ATMbの対応可能な生体情報の種類(生体情報読取部206によって読み取ることができる生体情報の種類)は、指静脈であるため、ATMbにおいて、指紋による本人確認は不可能である。
【0037】
そこで、図3におけるステップS703の判定の結果、検出した生体情報の種類がATM200で対応できない種類(すなわち、生体情報読取部206によって読み取ることができない生体情報の種類)であれば、処理は図8のAに進む。図8は検出した生体情報の種類がATMで対応できない種類である場合の処理手順を示すフローチャートである。図8において、生体情報取得部220は、表示部201に図9に示す選択画面を表示させ(ステップS902)、顧客に対し、ICカード250に保持されている生体情報の種類では、このATM200において、本人確認ができないことを説明し、さらに、次にどのような取引を望むかを選択させる。
【0038】
顧客は、以下の選択肢から取引を選択する。1.既存方式である暗証番号による認証方式で取引を続行する。2.指紋認証可能なATMの場所案内を見る。3.取引キャンセル。そこで、まず、取引管理部222は、既存方式である暗証番号による認証方式で取引を続行するか否か、すなわち、1が選択されたか否かの判定を行い(ステップS903)、1が選択されている場合には、暗証番号による本人確認の実行を許可し、表示部201に暗証番号入力画面(図示せず)を表示させる(ステップS904)。その後、顧客が、表示された暗証番号入力画面から、入力部202を用いて暗証番号を入力すると(ステップS905)、取引管理部222は、送受信部212を介して、その金融機関の金融ホストへアクセスし、その金融ホストで保持するその顧客の暗証番号を取得し、入力された暗証番号を金融ホストから取得した暗証番号と照合し、同一人物か否かの判定、すなわち、本人確認を行う(ステップS906)。
【0039】
照合の結果、同一人物であると判定した場合には、その顧客が本人であることが確認できたので、取引管理部222は、送受信部212を介して金融ホストにアクセスして、必要データを送受信し、出金取引を実施する(ステップS907)。出金取引が完了したら、取引管理部222は、カード読取書込部203よりICカード250を排出させ(ステップ708)、一連の処理を終了する。
【0040】
また、照合の結果、異なる人物であると判定した場合には、その顧客が本人であることが確認できなかったので、取引管理部222は、取引不可とし(ステップS909)、カード読取書込部203よりICカード250を排出させ(ステップ908)、一連の処理を終了する。
【0041】
一方、ステップ903における判定の結果、1が選択されていない場合には、次に、取引管理部222は、指紋認証が可能な別のATM(すなわち、生体情報読取部によって指紋を読み取ることができる別のATM)の場所案内を表示させるか否か、すなわち、2が選択されたか否かの判定を行い(ステップS910)、2が選択されている場合には、表示部201に、指紋認証が可能な別のATMが存在する場所を顧客に案内するための案内画面(図示せず)を表示させる(ステップS911)。この案内画面によって、例えば、ATM200からもっとも近い位置にある指紋認証が可能な別のATMの場所に、顧客を案内することができる。
【0042】
また、ステップ910における判定の結果、2が選択されていない場合には、3の取引キャンセルが選択されたことになるので、取引管理部222は、取引不可とし(ステップS909)、カード読取書込部203よりICカード250を排出させ(ステップ908)、一連の処理を終了する。
【0043】
以上説明したように、本実施例においては、顧客の口座のある金融機関が採用している生体情報の種類が、ATM200で対応できない種類である場合であっても、顧客の選択によって、既存方式である暗証番号による認証方式で取引を続行させることができる。また、顧客の選択によって、指紋認証が可能な別のATMが存在する場所を顧客に案内するための案内画面を表示させるので、顧客はその案内画面を見て、その別のATMのある場所に行くことができ、そのATMを利用することができる。従って、ATM200において、異なる種類の生体情報を採用する金融機関の顧客が取引を行おうとした場合、そのATM200で、または、案内された別のATMで取引を実施することが可能となる。
【0044】
また、本実施例において、図5に示すATMgは、生体情報読取部206によって複数種類の生体情報を読み取ることができ、複数種類の生体情報に対応可能である。従って、このようなATMによれば、金融機関の採用する生体情報の種類がそれぞれ異なっていても、各々の金融機関の顧客に対し、1台で対応することが可能となる。
【0045】
C.第2の実施例:
図10は本発明の第2の実施例としてのATMの構成を示すブロック図である。本実施例は、顧客の生体情報を金融機関のデータベースサーバ内及び複数の金融機関が共同で管理する生体情報共同データベースサーバ内に保持している場合に対応した実施例である。図10に示すように、本実施例のATM300は、図2に示すATM200と同様に、種々の情報を表示するための表示部301と、外部から暗証番号や金額など種々の情報を入力するための入力部302と、キャッシュカード350から情報を読み取ったり、キャッシュカード350に情報を書き込んだりするためのカード読取書込部303と、通帳(図示せず)から情報を読み取ったり、通帳に情報を書き込んだりするための通帳読取書込部304と、通帳に金額などの情報を印字するための通帳印字部305と、顧客から、特定種類の生体情報を読み取るための生体情報読取部306と、CPUなどで構成される制御部307と、ハードディスク装置などで構成される補助記憶装置310と、メモリなどで構成される主記憶装置311と、ネットワークインタフェースなどで構成される送受信部312と、を備えている。このうち、制御部307は、主記憶装置311に記憶されたプログラムを実行することにより、生体情報取得部320,生体情報照合部321及び取引管理部322として機能する。ここで、キャッシュカード350や通帳は、何れも、金融機関によって発行されたものである。
【0046】
なお、図10において、カード読取書込部303や通帳読取書込部304は、請求項における情報読取部に、生体情報読取部306は、請求項における生体情報読取部に、入力部302は、請求項における入力部に、表示部301は、請求項における表示部に、制御部307は、請求項における制御部に、送受信部312は、請求項における通信部に、それぞれ相当する。
【0047】
図11は図1における生体情報データベースサーバ104の構成を示すブロック図であり、図12は同じく図1における生体情報共同データベースサーバ107の構成を示すブロック図である。図11に示すように、生体情報データベースサーバ104は、その金融機関に口座を持つ顧客の生体情報を保持する生体情報データベース401と、CPUなどで構成される制御部402と、ネットワークインタフェースなどで構成される送受信部403と、を備えている。また、図12に示すように、複数の金融機関が共同で管理する生体情報共同データベースサーバ107は、それら金融機関のいずれかに口座を持つ顧客の生体情報を保持する生体情報データベース501と、CPUなどで構成される制御部502と、ネットワークインタフェースなどで構成される送受信部503と、を備えている。
【0048】
図13は図10のATMにおいて実行される処理手順を示すフローチャートである。まず、顧客によってATM300のカード読取書込部303にキャッシュカード350が挿入されると、カード読取書込部303が、キャッシュカード350に格納されている情報を読み取る(ステップS801)。次に、生体情報取得部220が、読み取った情報から、顧客の口座のある金融機関が採用している生体情報の種類を検出する(ステップS802)。例えば、読み取った情報の中に、生体情報の種類を示す識別コードが含まれており、その識別コードを抽出することによって、生体情報の種類を検出するようにしてよい。
【0049】
次に、生体情報取得部320は、その検出した生体情報の種類がこのATM300で対応可能な種類か否か、すなわち、生体情報読取部306によって読み取ることができる種類であるか否かの判定を行う(ステップS803)。判定の結果、検出した生体情報の種類がATM300で対応可能な種類であれば、生体情報取得部320は、送受信部312を介して、その顧客が口座を持つ金融機関の生体情報データベースサーバ104か、あるいは、複数の金融機関(その顧客が口座を持つ金融機関も含む)によって共同で管理されている生体情報共同データベースサーバ107にアクセスし、そこに保持されている顧客の生体情報を取得して、補助記憶装置310へ格納する(ステップS804)。その後、生体情報取得部320は、表示部301に図7に示した生体情報読取準備画面を表示させ、顧客に対し、生体情報の読み取り準備を促す(ステップS805)。それにより、顧客が、例えば、人差し指を生体情報読取部306(指紋読取機)に付けると、生体情報読取部306が、顧客の指紋を生体情報として読み取って、生体情報取得部320が、読み取った生体情報を補助記憶装置310へ格納する(ステップS806)。その後、生体情報照合部321が、生体情報データベースサーバ104または生体情報共同データベースサーバ107から取得した生体情報と、顧客から読み取った生体情報と、を照合し、同一人物か否かの判定、すなわち、本人確認を行う(ステップS807)。
【0050】
照合の結果、同一人物であると判定した場合には、その顧客が本人であることが確認できたので、取引管理部322は、送受信部312を介して金融ホストにアクセスして、必要データを送受信し、出金取引を実施する(ステップS808)。出金取引が完了したら、取引管理部322は、カード読取書込部303よりキャッシュカード350を排出させ(ステップ809)、一連の処理を終了する。
【0051】
また、照合の結果、異なる人物であると判定した場合には、その顧客が本人であることが確認できなかったので、取引管理部322は、取引不可とし(ステップS810)、カード読取書込部303よりキャッシュカード350を排出させ(ステップ809)、一連の処理を終了する。
【0052】
一方、図13におけるステップS803の判定の結果、検出した生体情報の種類がATM300で対応できない種類(すなわち、生体情報読取部306によって読み取ることができない生体情報の種類)である場合には、処理は前述した図8のAに進む。なお、本実施例においても、図8の処理については、第1の実施例の場合と同様であるので、説明は省略する。
【0053】
従って、本実施例においても、第1の実施例と同様の効果を奏することができる。また、カード自体に生体情報を保持していないので、顧客の持つカードとして、既存のキャッシュカードをそのまま採用することができる。
【0054】
E.変形例:
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0055】
上記した実施例においては、図9に示す選択画面において、顧客が選択肢の中から1を選択したら、無条件で、暗証番号による認証方式で取引が続行される。しかしながら、暗証番号が盗まれ、他人が本人になりすまし、顧客として、このATMを使用した場合、盗まれた暗証番号によって、取引が実施されてしまう怖れがある。
【0056】
そこで、顧客からの希望に応じて、予め、生体情報による本人確認しか許容しない旨の設定を可能としてもよい。例えば、そのような設定情報を、予め、ICカードまたはキャッシュカード内に保持しておき、顧客が選択肢の中から1を選択した場合には、取引管理部は、そのカードから読み取った情報に、上記設定情報があるか否かを判定し、そのような設定情報がある場合には、暗証番号による本人確認の実行を許可せずに、禁止する。すなわち、取引管理部は、表示部に暗証番号入力画面を表示せず、代わりに、暗証番号による本人確認は実行できない旨の表示を行い、取引不可とする。このようにして、暗証番号による本人確認の実行を禁止し、必ず生体認証による本人確認を実行するようにすることにより、セキュリティを確保することができる。
【0057】
なお、上記した設定情報は、必ずしも、カード内にある必要はなく、通帳内に保持されていてもよい。また、ネットワークに接続された金融ホストなどに保持されていてもよい。その場合、カードなどから読み取った情報に基づいて、その金融ホストにアクセスし、その金融ホストから上記した設定情報を取得するようにすればよい。
【0058】
上記した実施例においては、顧客の口座のある金融機関が採用している生体情報の種類を示す情報(例えば、識別コード)は、ICカードまたはキャッシュカード内に保持されていたが、通帳に保持されていてもよい。また、顧客の生体情報は、ICカード内に保持されていたが、通帳に保持されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施例としてのATMを利用したオンラインシステムを示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例としてのATMの構成を示すブロック図である。
【図3】図2のATMにおいて実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図4】各金融機関で採用されている生体情報の種類を示す説明図である。
【図5】各ATMにおいて対応可能な生体情報の種類を示す説明図である。
【図6】各金融機関と各ATMとの生体情報の対応関係を示す説明図である。
【図7】図2のATMにおける表示部に表示される生体情報読取準備画面を示す説明図である。
【図8】検出した生体情報の種類がATMで対応できない種類である場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図2のATMにおける表示部に表示される選択画面を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施例としてのATMの構成を示すブロック図である。
【図11】図1における生体情報データベースサーバ104の構成を示すブロック図である。
【図12】図1における生体情報共同データベースサーバ107の構成を示すブロック図である。
【図13】図10のATMにおいて実行される処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
102...専用ネットワーク
103...共同ネットワーク
104...生体情報データベースサーバ
105...金融ホスト
106...共同ホスト
107...生体情報共同データベースサーバ
200...ATM
201...表示部
202...入力部
203...カード読取書込部
204...通帳読取書込部
205...通帳印字部
206...生体情報読取部
207...制御部
210...補助記憶装置
211...主記憶装置
212...送受信部
220...生体情報取得部
221...生体情報照合部
222...取引管理部
250...ICカード
300...ATM
301...表示部
302...入力部
303...カード読取書込部
304...通帳読取書込部
305...通帳印字部
306...生体情報読取部
307...制御部
310...補助記憶装置
311...主記憶装置
312...送受信部
320...生体情報取得部
321...生体情報照合部
322...取引管理部
350...キャッシュカード
401...生体情報データベース
402...制御部
403...送受信部
501...生体情報データベース
502...制御部
503...送受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機であって、
前記顧客のカードまたは通帳に記録された情報を読み取るための情報読取部と、
前記顧客から特定種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部と、
外部から暗証番号を入力するための入力部と、
制御部と、
を少なくとも備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出し、その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合に、前記顧客に対し、前記暗証番号による本人確認の実行を許可することを特徴とする現金自動取引機。
【請求項2】
請求項1に記載の現金自動取引機において、
前記制御部は、前記検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合であっても、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、予め、前記生体情報による本人確認しか許容しない旨の設定がされていることを検出した場合、前記顧客に対し、前記暗証番号による本人確認の実行を許可しないことを特徴とする現金自動取引機。
【請求項3】
顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機であって、
前記顧客のカードまたは通帳に記録された情報を読み取るための情報読取部と、
前記顧客から特定種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部と、
外部に対し所定の情報を表示するための表示部と、
制御部と、
を少なくとも備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出し、その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合に、前記表示部に、前記検出した種類を読み取ることが可能な生体情報読取部を備える別の現金自動取引機の存在場所を前記顧客に案内するための情報を表示させることを特徴とする現金自動取引機。
【請求項4】
顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機であって、
前記顧客のカードまたは通帳に記録された情報を読み取るための情報読取部と、
前記顧客から、特定の複数種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部と、
制御部と、
を少なくとも備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出し、その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることが可能な種類である場合に、前記生体情報読取部によって、前記顧客からその検出した種類の生体情報を読み取り、その読み取った生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことを特徴とする現金自動取引機。
【請求項5】
請求項4に記載の現金自動取引機において、
ネットワークを介して通信を行うための通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に前記顧客の生体情報が含まれている場合、その含まれていた生体情報と、前記生体情報読取部によって読み取った生体情報と、を照合し、その照合結果により、前記顧客が本人であることを確認できた場合に、前記通信部によって、前記ネットワークに接続された前記金融機関に属するホストにアクセスし、取引の実施を可能にすることを特徴とする現金自動取引機。
【請求項6】
請求項4に記載の現金自動取引機において、
ネットワークを介して通信を行うための通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に前記顧客の生体情報が含まれていない場合、前記通信部によって、前記ネットワークに接続された生体情報格納サーバにアクセスし、前記生体情報格納サーバに保持されている前記顧客の生体情報を取得し、その取得した生体情報と、前記生体情報読取部によって読み取った生体情報と、を照合し、その照合結果により、前記顧客が本人であることを確認できた場合に、前記通信部によって、前記ネットワークに接続された前記金融機関に属するホストにアクセスし、取引の実施を可能にすることを特徴とする現金自動取引機。
【請求項7】
請求項4に記載の現金自動取引機と、前記金融機関に属するホストと、前記顧客の生体情報を少なくとも保持する生体情報格納サーバと、をネットワークを介して接続して成るオンラインシステムにおいて、
前記現金自動取引機は、
ネットワークを介して通信を行うための通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記情報読取部によって読み取った情報に前記顧客の生体情報が含まれていない場合、前記通信部によって、前記生体情報格納サーバにアクセスし、前記生体情報格納サーバに保持されている前記顧客の生体情報を取得し、その取得した生体情報と、前記生体情報読取部によって読み取った生体情報と、を照合し、その照合結果により、前記顧客が本人であることを確認できた場合に、前記通信部によって、前記ホストにアクセスし、取引の実施を可能にすることを特徴とするオンラインシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のオンラインシステムにおいて、
前記生体情報格納サーバは、前記金融機関に属する専用サーバであることを特徴とするオンラインシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のオンラインシステムにおいて、
前記生体情報格納サーバは、複数の金融機関が共同で管理する共同サーバであることを特徴とするオンラインシステム。
【請求項10】
顧客から特定種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部を備え、読み取った前記顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機の制御方法であって、
(a)前記顧客のカードまたは通帳から、記録されている情報を読み取る工程と、
(b)読み取った前記情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出する工程と、
(c)その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合に、前記顧客に対し、暗証番号による本人確認の実行を許可する工程と、
を備える現金自動取引機の制御方法。
【請求項11】
顧客から特定種類の生体情報を読み取ることが可能な生体情報読取部を備え、読み取った前記顧客の生体情報に基づいて、前記顧客の本人確認を行うことが可能な現金自動取引機の制御方法であって、
(a)前記顧客のカードまたは通帳から、記録されている情報を読み取る工程と、
(b)読み取った前記情報に基づいて、前記カードまたは通帳を発行した金融機関において本人確認に用いられている生体情報の種類を検出する工程と、
(c)その検出した種類が前記生体情報読取部によって読み取ることができない種類である場合に、前記検出した種類を読み取ることが可能な生体情報読取部を備える別の現金自動取引機の存在場所を前記顧客に案内するための情報を表示させる工程と、
を備える現金自動取引機の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2006−53820(P2006−53820A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−235933(P2004−235933)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【出願人】(504373093)日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社 (1,225)
【Fターム(参考)】