説明

球供給装置

【課題】 遊技島の下部タンク31の球検出センサの設置位置を調整するといった煩雑な作業を省いて各設置島内の球の貯留量を簡単に調整できるようにする。
【解決手段】 タンク31には、タンク31の底部の上方に球貯留空間を空けた状態でタンク31の側壁から突出し、球を側壁に沿って流下させる傾斜樋65,66と、該傾斜樋65,66に沿って流下する球を傾斜樋65,66の突出先端側からタンク31の底部へ落下させるように誘導する誘導部材81,82と、タンク31の側壁に設けられ誘導部材81,82を傾斜樋65,66の傾斜方向に沿って複数段階に係合させる係合部(係合部83,84等)と、が備えられた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の遊技機(例えば、パチンコ機など)が設置された遊技場の遊技機設置島(場合により、設置島、遊技島又は島という。)において、隣接する設置島間に樋を架け渡し、一方の設置島に設けられたタンクに貯留された球を他方の設置島に設けられたタンクに前記樋を介して供給するようにした球供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機設置島、例えばパチンコ遊技機を設置した設置島においては、内部下方に下部タンクを設置島の長手方向に沿って配設し、この下部タンクの底部にパチンコ遊技機から排出された球を回収する回収樋が形成され、回収樋の下り傾斜の下流側に球揚送装置を設置し、設置島の上部には、球揚送装置により研磨しながら揚送した球を貯留する上部タンクを設けるとともに、この上部タンクから各パチンコ遊技機に球を補給する球補給樋を設置島の長手方向に沿って設けてある。
また、パチンコ遊技店には上記の設置島が間隔を空けて併設され、上部タンクに含まれる交流タンク同士を相互に樋で連結し、この連結部に開閉シャッターを設けて設置島間で球を交流できるようにし、パチンコ遊技機が大量の賞球を排出することにより下部タンクが球不足状態になると隣島から球を受け入れて下部タンクを球で充足できるような島間補給システムが設けられている。
【0003】
このような島間補給システムの中には、特許文献1に開示されているように、下部タンクに貯留量を段階的に検出するための複数の球検出センサを設け、自島の球有り状態を検出している球検出センサの数が、隣島の球有り状態を検出している球検出センサの数よりも少ない場合に、自島の交流タンクの開閉シャッターを開ける制御が開示されており、この制御により、パチンコ遊技店における各設置島内にバランス良く球を貯留させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開平11−319284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、設置島及び島間補給システムの施工後に各設置島内にバランス良く球が貯留されるか否かのテスト運転が行われるが、夫々の設置島における下部タンクの球の貯留状態にバラツキが有る(下部タンクの一部に山積状態で球が貯留されたり、下部タンク全域に亘ってほぼフラットに球が貯留されたりする)ため、制御上はバランスが保たれた状態であるにも拘わらず球がいずれかの下部タンクに偏る場合がある。この島間における球貯留量の偏りを是正するために、下部タンクの球検出センサの設置位置を調整しており、この調整作業が煩雑であった。
そこで本発明は、上述した設置島における下部タンクの球検出センサの設置位置を調整するといった煩雑な作業を省いて各設置島内の球の貯留量を簡単に調整できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の球供給装置は、隣接する設置島間に樋を架け渡し、一方の設置島に設けられたタンクに貯留された球を他方の設置島に設けられたタンクに前記樋を介して供給するようにした球供給装置において、
前記タンクは、タンクの底部の上方に球貯留空間を空けた状態でタンクの側壁から突出し、球を側壁に沿って流下させる傾斜樋と、該傾斜樋に沿って流下する球を傾斜樋の突出先端側からタンクの底部へ落下させるように誘導する誘導部材と、前記タンクの側壁に設けられ前記誘導部材を傾斜樋の傾斜方向に沿って複数段階に係合させる係合部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願請求項2に記載の球供給装置は、前記傾斜樋の突出先端側に間隔を空けて複数の球落下防止壁を設け、前記誘導部材は、前記球落下防止壁に対して傾斜上流側から係合することを特徴とする。
【0008】
本願請求項3に記載の球供給装置は、前記傾斜樋は、タンクの両側壁から突出し、
前記傾斜樋の上流に、前記樋を介して供給された球を両側方いずれかの傾斜樋に分別誘導する分別誘導部を設け、一側の傾斜樋に形成された前記球落下防止壁間の間隔は、他側の傾斜樋に形成された球落下防止壁間の間隔に対して非対向状態に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願請求項1に記載の球供給装置によれば、傾斜樋に沿って流下する球を傾斜樋の突出先端側からタンクの底部へ落下させるように誘導する誘導部材を設けたので、誘導部材により他の設置島に比べて貯留量が多くなる傾向の設置島の貯留量を制限でき、夫々の設置島のタンクにおける球の貯留状態のバラツキ(下部タンクの一部に山積状態で球が貯留されたり、下部タンク全域に亘ってほぼフラットに球が貯留されたりする)の度合いを小さくできる。また、タンクの側壁に、誘導部材を傾斜樋の傾斜方向に沿って複数段階に係合させる係合部を設けたので、下部タンクの球検出センサの設置位置を調整するといった煩雑な作業に比べて、各設置島内の球の貯留量を簡単に調整できる。
【0010】
また、請求項2に記載の球供給装置によれば、傾斜樋の突出先端側に間隔を空けて複数の球落下防止壁を設けたので、球落下防止壁間の各間隔からタンクの底部に均等に球が落ちるので、夫々の設置島のタンクにおける球の貯留状態のバラツキの度合いをより効果的に小さくできる。また、誘導部材は、球落下防止壁に対して傾斜上流側から係合するので、誘導部材を固定手段(ビスなど)を用いて固定せずとも傾斜樋を流下する球を確実に受け止めてタンクの底部へ誘導できる。
【0011】
また、請求項3に記載の球供給装置によれば、傾斜樋は、タンクの両側壁から突出し、傾斜樋の上流に、他方の設置島から供給された球を両側方いずれかの傾斜樋に分別誘導する分別誘導部を設け、一側の傾斜樋に形成された球落下防止壁間の間隔は、他側の傾斜樋に形成された球落下防止壁間の間隔に対して非対向状態に設けられたので、一側の球落下防止壁間の各間隔からタンクの底部に球が落ちて形成された複数の球の山の間に、他側の球落下防止壁間の各間隔からタンクの底部に球が落ちるので、タンクにほぼフラットに球を貯留でき、夫々の設置島のタンクにおける球の貯留状態のバラツキの度合いをより効果的に小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
A.遊技場の設備全体の概略構成
まず、球供給装置を含む遊技場の設備全体の概略構成について説明する。図1は、後述する遊技島10cの内部構造(正面を覆う板や遊技機を取り外した状態)を示す正面図である。また図2は、同遊技島10cの側面図である。
本例の設備は、複数の島よりなるグループが複数設置されて構成される。例えば、三つの島10a,10b,10c(島10cのみを図1に示す、他は図示省略)が並列状態に設置されてグループ1が形成されている。そして、このグループ1の隣りには、同一島配列又は異なる島配列の他のグループ(図示省略)が配置されていて、グループ間の遊技球の移動(交流)が行われる。例えば、グループ1と全く同一構成のグループが隣接して配置され、端に位置する子島同士(グループ1では例えば島10c)を介して交流が行われる。
【0013】
各遊技島には、その筐体内に、遊技球を使用して遊技が行われるパチンコ機等の遊技機(図示省略)が長手方向に並べて設置してある。そして、特定の遊技島(例えば、両端の島10aと島10c)の一端又は両端には、計数器12が設置されている。計数器12は、払い出された遊技球(即ち、景品球)を受入れてその数量を計数し、その数量の情報等を所定の媒体(レシート、カードなど)に記録して出力する周知の機械であり、各計数器12から受入れた遊技球は各計数器12が設置された遊技島内に直接回収される構成となっている。
なお、遊技島の配列や配列数、或いは計数器の配置等は、上述の態様に限られないことはいうまでもない。
【0014】
各遊技島の中央上面側には、揚送された内部の遊技球が島内循環或いは島間循環のために一時的に貯留される上部タンク13が設けられており、この上部タンク13は、上部主タンク13aと、上部補助タンク13bとよりなる。このうち、上部補助タンク13bには、隣接する遊技島間を連絡する島間樋(図示省略)が接続されている。
ここで、島間樋は、遊技球を流下させる方向において斜め下に傾斜した状態に設けられており、遊技球を自重により流下させることによって、或る遊技島から隣接する遊技島(同グループ内又は他グループ内の他の島)に移動させる樋である。この島間樋は、本発明の球供給装置における樋(隣接する設置島間に架け渡した樋)に相当する。
なお、図1における符号14や15は、上部補助タンク13bにおける島間樋の接続口を示し、このうち符号14は他島から自島へ向かう島間樋の接続口、符号15は自島から他島へ向かう島間樋の接続口を示す。
【0015】
そして、上部タンク13における島間樋の傾斜下端側の遊技球入口(図1では接続口14)には、この入口を開閉する上部シャッター(図示省略する)が設けられている。
また各島には、島制御装置(図示省略)が設けられ、上記上部シャッターを含む各島内の機器の制御は、それぞれこれらの島制御装置により行われる。各島の島制御装置は、相互に接続されている。
【0016】
B.遊技島の概略構成
次に、各遊技島の概略構成及び遊技球の流れの概要について説明する。
各遊技島は、図1に示す如く、前述の上部タンク13に加えて、島内の比較的下側に配置されて遊技球を貯留する下部タンク31と、島の長手方向(遊技機が並ぶ左右方向)の略中央に配置される球揚送装置33と、この球揚送装置33を中心として両側に伸びるように各遊技機の下方に配設された遊技球回収樋34と、上部タンク13の下部両側に接続されて上部タンク13の遊技球を各遊技機に補給する遊技球補給樋35と、上部タンク13内の遊技球を自島内の下部タンク31に向けて流下させる降下流路(図1に示す移送球流路36や図示省略したオーバーフロー流路)と、下部タンク31の底部であって球揚送装置33の近傍(遊技球回収樋34の下流側)に設けられた下部シャッター37とを備える。なお、球揚送装置33による揚送経路以外の遊技球の移動経路(各樋及び流路)は、全て遊技球がその自重により移動するものである。
【0017】
ここで、下部タンク31は、遊技球回収樋34の上方の空きスペースを、その設置空間とするタンクであり、本発明の球供給装置のタンクに相当する。この下部タンク31(以下、場合により単にタンク31という)や遊技球回収樋34や下部シャッター37は、球揚送装置33の左右両側に1個ずつ設けられている。
また移送球流路36は、上部補助タンク13bに上端が接続されて下方に伸びる管状の流路であり、島間樋から流入した遊技球を左右の下部タンク31に向けて流下させるものである。この移送球流路36の下端は、後述する図4のならし樋61の始端部(後述する球落下部36a)に向けて配置され、このならし樋61の始端部に上部タンク13からの球を落下させる。
またオーバーフロー流路は、上部タンク13に接続されて、左右何れかの下部タンク31内に遊技球を流下させるものである。
また下部シャッター37は、前記島制御装置によって制御され、例えば自島の球貯留量(下部タンク31内の球貯留量)が少ないときに、下部タンク31内から球揚送装置33の入口に向かう遊技球の流路を遮断して、他島への遊技球の供給を停止するためのものである。このように球揚送装置33の入口への遊技球の流入を適宜停止することによって、球揚送装置33の負荷が減る利点がある。
なお、下部タンク31やその周辺構成の詳細については、後述する。
【0018】
そして遊技球は、概略次のように島内を循環する構成となっている。
即ち、各遊技機から排出される遊技球(アウト球等)は、まず島の下部(各遊技機の下側)の左右方向に傾斜した状態に設けられた遊技球回収樋34(或いは、後述するならし樋61)により回収されて、下部シャッター37によって開閉される流路を経由して島の略中央底部の位置に集められる。この位置には、球揚送装置33の下端側の入口が配置されており、この位置に集められた遊技球は図示省略した整列装置により、整然と球揚送装置33に入り、この球揚送装置33で研磨されつつ揚送され、球揚送装置33の上端側の出口から前述の上部タンク13における上部主タンク13a内の上部に排出される。
【0019】
なお、計数器12が受入れた遊技球も、計数器12の裏面側(島の側壁の内側)に突出する排出口12a(図3に示す)より、遊技球回収樋34の始端部に流れ落ちるようになっており、遊技機から排出された遊技球と同様に回収され、球揚送装置33に送られる。
次に、球揚送装置33から上部主タンク13a内の上部に排出された遊技球は、例えば、島間樋、遊技球補給樋35、オーバーフロー流路の順に優先して供給される。即ち、まず他島へ球を送る島間樋に供給され、この島間樋の入口が遊技球により満杯となっていると遊技球補給樋35に供給され、遊技球補給樋35の入口が遊技球により満杯となっているとオーバーフロー流路に供給される。
なお、遊技球補給樋35に流入した遊技球は、島の上部(各遊技機の上側)の左右方向に傾斜した状態に設けられた各遊技球補給樋35により各遊技機に供給される。遊技球補給樋35には、各遊技機に対応する複数箇所にシュートと呼ばれる遊技球の分配器(図示省略)が設けられており、この分配器の動作により適宜補給が必要な遊技機や遊技機に付設された球貸機に上記遊技球補給樋35から遊技球が補給される。
【0020】
また、島間樋から流入した遊技球(他島から供給された遊技球)は、移送球流路36に供給される。なお、前述した上部シャッターが閉じると、この島間樋からの遊技球の流入が止まる。前述した島制御装置は、例えば自島の遊技球貯留量が他島に比較して多いときに、上部シャッターを閉じる。
【0021】
なお、符号を付しての詳細説明を省略するが、球揚送装置33は、例えば、上下方向に配されて周回する搬送ベルトと、この搬送ベルトの片面側に対向配置される研磨布と、遊技球の外径に対応した断面半円状の溝が上下方向に形成され、前記研磨布の裏面側を保持した状態に配置される案内部材と、前記搬送ベルトを駆動するモータ等の駆動機構とを備えるもので、前記搬送ベルトと研磨布の間に遊技球を挟み込んだ状態で、遊技球を整列させたまま上向きに転動させることにより、遊技球を研磨しつつ整然と揚送する装置である。この球揚送装置33は、基本的に常時駆動される。
【0022】
C.下部タンク等の構成
次に、計数器12が設置された島10cにおける下部タンク31とその周辺構成について、図3〜図10により説明する。
ここで図3は、右側の下部タンク31や遊技球回収樋34等を示す斜視図(球揚送装置33の側から斜めに見た図)である。図4及び図5は、右側の下部タンク31等を上面側から見た図であり、図4は後述する誘導部材81,82を上流側に取り付けた場合の遊技球の流れを矢印で示し、図5は後述する誘導部材81,82を下流側に取り付けた場合の遊技球の流れを矢印で示すものである。図6は、後述する誘導部材82を上流側から斜めに見た斜視図である。図7は、後述する誘導部材82を下流側から斜めに見た斜視図である。図8は、後述する誘導部材81の取り付け作業を説明するための斜視図である。また図9及び図10は、右側の下部タンク31等を上面側から見た図であり、図9は後述する傾斜樋65,66に遊技球が充満していない場合の遊技球の流れを矢印で示し、図10は後述する傾斜樋65,66に遊技球Kが充満している場合の遊技球の流れを矢印で示すものである。
【0023】
図3等において符号41で示すのは、島の筐体の側壁である。遊技球回収樋34の島端側の端壁(図示省略)は、この側壁41の内面に接合した状態に配置されている。この側壁41には、後述する排出口12aを挿入するための開口部41aが形成されている。
また図3等に示すように、上記側壁41の外面側には、計数器設置台42が配置され、この計数器設置台42の上に計数器12が載置される。
そして、計数器12の背面に設けられた球の排出口12aは、上記開口部41aに挿入されて、側壁41より内面側(遊技球回収樋34の始端部上方)に突出し、計数器12で投入された遊技球は、その排出口12aから島の遊技球回収樋34の始端部(詳しくは、後述する蓋部材49の上面)に落下する構成となっている。
【0024】
また、図3において符号43で示すのは、島の筐体の底部を構成する底部構成部材である。この底部構成部材43は、図3に示すように、遊技球回収樋34の正面と後面と下面を覆うように床面上に設置される概略断面U字状の部材である。この底部構成部材43の正面側と後面側の上端部は、それぞれ前方又は後方にL字状に曲がって伸びていて、この前方又は後方に伸びる平板状部分がいわゆる膳板43a,43b(遊技機の下方に位置し、遊技者が出球を入れた箱を載せておく棚板)を構成し、この平板状部分の回収樋側に遊技機設置部が構成されている。なお、遊技球回収樋34の前面壁34bと後面壁34c(図3等に示す)は、この底部構成部材43の内面に接合している。
【0025】
そして、図3に示すように、遊技球回収樋34の始端部(排出口12aの下方)には、遊技球回収樋34における球の貯留状態を検出する第1検出部44が設けられている。
この第1検出部44は、遊技球が遊技球回収樋34の始端側(側壁41の付近)に所定量以上滞留したことを検出して検出信号を出力する第1検出器45と、この第1検出器45を取り付けた壁状部材46と、この壁状部材46の両縁部を上方から挿通する溝部(図示省略)と、この溝部に挿通された壁状部材46を上方から覆う蓋部材49と、から構成されている。
ここで、第1検出器45が出力する前記検出信号は、例えば次のように利用される。即ち、この信号を受けた当該遊技島の島制御装置は、当該遊技島の下部シャッター37を開くと共に、隣接する他の島の島制御装置に、当該遊技島の遊技球回収樋34の始端側に遊技球が所定量以上滞留していることを示す信号を送信する。そして、この信号を受けた隣接する島は、上部シャッターを開いて遊技球を受け入れ、当該遊技島において遊技球が過剰となることを阻止する。
【0026】
なお、壁状部材46は単に前記溝部に両端を挿通することで組み付けられ、また蓋部材49は、壁状部材46の上面側に設けられた載置部(図示省略)に単に載せた状態で組み付けられており、これら蓋部材49や壁状部材46は容易に取り外し可能となっている。このため、第1検出器45のメンテナンスが簡単にできる。
そして蓋部材49は、上面側と下面側に衝撃吸収性材を備え、上面に計数器12からの計数球が衝接する衝接部を形成し、計数器12からの遊技球を遊技球回収樋34へ静かに落下させる構成となっている。
【0027】
次に、図3等において符号61で示すのは、ならし樋である。ならし樋61は、遊技球回収樋34の上部(即ち、下部タンク31の上部)に、遊技球回収樋34の上面側を一部覆うように配置された帯板状部材よりなる樋である。このならし樋61は、球揚送装置33の近傍位置から島端に向けて延びるように球揚送装置33の両側にそれぞれ設けられており、遊技球回収樋34とは逆向きに傾斜している。即ち、遊技球回収樋34が、島の中央側(球揚送装置33の近傍位置)から島端に向かって上り傾斜しているのに対して、ならし樋61は、島の中央から島端に向かって下り傾斜している(図1参照)。いいかえると、遊技球回収樋34の始端(遊技球の流れ方向の上流側の端)は島端側に位置するのに対して、ならし樋61の始端は島の中央(遊技球回収樋34の終端側)に位置する。このため、ならし樋61上の遊技球は、遊技球回収樋34とは逆に、基本的に島の中央から島端に向かって流れる。そして図1に示すように、ならし樋61の始端が遊技球回収樋34の底面よりも上方に大きく離れているのに対して、ならし樋61の終端は、遊技球回収樋34の底面から僅かな距離しか離れていない。
なお、このならし樋61の終端は、遊技球回収樋34の始端位置(第1検出部44)よりも少し手前の位置(島の中央側)に位置している。これにより、ならし樋61上をその終端まで流れた遊技球は、遊技球回収樋34の始端位置に円滑に流れ落ち、遊技球が充満していない限り、今度は逆に遊技球回収樋34の底面上を島中央側に向かって流れる構成となっている。
【0028】
また図3等に示すように、ならし樋61の幅方向(前後方向)の中心線上には、その終端から始端に向けて延びるように長方形状の切り欠き62(上下に開口する部分)が形成されている。これにより、ならし樋61上を流れる遊技球は、場合によっては、ならし樋61の終端に到達する前に、この切り欠き62(詳細には、後述する球落下防止壁67,68の間隙67a,68a等)を介して遊技球回収樋34の底面上(即ち、下部タンク31の底部)に流れ落ちる構成となっている。なお図4等に示すように、ならし樋61の始端部付近には、切り欠き62は形成されておらず、この部分で遊技球がならし樋61から下方に落下することはない。
また図3に示すように、ならし樋61の始端部の若干上方位置には、移送球流路36の下端開口が下向きに配置され、このならし樋61の始端部が、移送球流路36からの遊技球が落下する球落下部36a(図4に示す)となっている。この球落下部36aに落下した遊技球は、島の左右に配置されたならし樋61の何れか一方に流れる。そして、まずならし樋61の始端部から切り欠き62のある終端側(島端側)に向かってならし樋61の上を流れる構成となっている。
【0029】
そして図3等に示すように、ならし樋61の始端部よりも若干下流側(終端側)であって切り欠き62よりも上流側(始端側)には、分別誘導部63が形成されている。分別誘導部63は、この場合、ならし樋61の上面から上方に所定高さ(遊技球の外径に対応する寸法)だけ突出した部分である。この分別誘導部63は、ならし樋61の幅方向においては、略中央に形成されている。また分別誘導部63は、上面から見たときに、菱形(ひし形)の形状とされており、その側面(ならし樋61の上面から略直角に起立する壁面)において遊技球と接触して、遊技球の流れ方向に影響して遊技球を誘導するものである。また分別誘導部63は、図9及び図10に示すように、その上流側の略半分が、上面から見たときに下流に向かって末広がりとなる形状の末広がり部63aを構成しており、またその下流側の残りの略半分が、上面から見たときに下流に向かって末細りとなる形状の末細り部63bを構成している。
【0030】
なお、分別誘導部63の上流側の端(末広がり部63aの頂点)は、尖った形状となっており、この先端が遊技球が当接する当接位置63cとなっている。即ち、末広がり部63aの頂点(当接位置63c)は、図9に示すように、前記球落下部36aに落下して直線的に流下した遊技球が当接する位置に配置され、この当接位置63cから下流に向けて末広がり部63aの両側の側面が前後方向外側に斜めに延びている。これにより、図9で矢印により示すように、球落下部36aから流下した遊技球は、上記末広がり部63aによって両側方(島の前後方向)のいずれかに分別誘導される。
【0031】
一方、分別誘導部63の下流側の端(末細り部63bの頂点)も、尖った形状となっている。また末細り部63bは、末広がり部63aに連続させて形成され、この末細り部63bの両側の側面は、末広がり部63aの両側の側面から連続するようにして、逆に前後方向内側に斜めに延びて末細り部63bの頂点63dに到達している。これによって図10に示すように、後述する傾斜樋65,66に遊技球Kが充満しているときには、末細り部63bの両側に形成される誘導路64により、球落下部36aに落下した遊技球が、両傾斜樋65,66の間から(即ち、切り欠き62の上流側の端から)下部タンク31(遊技球回収樋34上)に落下するように誘導される構成となっている。
【0032】
次に、ならし樋61において、前記切り欠き62が形成されることによってこの切り欠き62の幅方向両側に形成された幅の狭い帯板状部分は、本発明(球供給装置)の構成要素である傾斜樋65,66を構成する。傾斜樋65,66は、下部タンク31の底部の上方に球貯留空間を空けた状態で下部タンク31の両側壁(即ち、前面壁34bと後面壁34c)から夫々前後方向に突出し、分別誘導部63の末広がり部63aにより分別誘導された遊技球を、図9で矢印により示すように、下部タンク31の側壁に沿って転動させる部分である。
この傾斜樋65,66の夫々には、図4等に示すように、下部タンク31の側壁からの突出先端側に球落下防止のための球落下防止壁67,68が、間隔を空けて複数形成されている。なお、各球落下防止壁67の間隔に相当する部分(本例では2箇所)には、球が落下可能な間隙67aが形成され、また各球落下防止壁68の間隔に相当する部分(本例では3箇所)には、球が落下可能な間隙68aが形成されている。そして、これら間隙67a,68aは、互いに非対向状態となるように(即ち、互い違いの位置となるように)配置されている。即ち、一側の傾斜樋65に形成された球落下防止壁67間の間隔は、他側の傾斜樋66に形成された球落下防止壁68間の間隔に対して非対向状態に設けられている。
【0033】
そして、傾斜樋65には図8に示す誘導部材81が、傾斜樋66には図6及び図7に示す誘導部材82が、夫々複数位置において容易に脱着可能となっている。またそのために、遊技球回収樋34の前面壁34bの複数箇所(前記間隙67aに対応する箇所)には係合部83が形成され、遊技球回収樋34の後面壁34cの複数箇所(前記間隙68aに対応する箇所)には係合部84が形成されている。
誘導部材81は、一側の傾斜樋65に沿って流下する球をこの傾斜樋65の突出先端側(即ち、何れかの間隙67a)から下部タンク31の底部へ落下させるように誘導する部材であり、誘導部材82は、他側の傾斜樋66に沿って流下する球をこの傾斜樋66の突出先端側(即ち、何れかの間隙68a)から下部タンク31の底部へ落下させるように誘導する部材である。なお、誘導部材81と誘導部材82は、例えば金属性の薄板をプレス加工してなるものであり、互いに左右対称の形状のものである。以下、主に一方の誘導部材81の構成について詳細に説明する。
【0034】
誘導部材81は、図8に示すように、取り付け状態において傾斜樋65上に略直角に起立する誘導板部81aと、この誘導板部81aの一側(前面壁34bから離れた側)の端縁から延びる断面L字状の一側係合部81bと、この一側係合部81bの下端から傾斜樋65に沿って延びる下面側板部81cと、前記誘導板部81aの下端縁から傾斜樋65に沿って延びる上面側板部81dと、前記誘導板部81aの他側(前面壁34bに近い側)の端縁から傾斜樋65の下流側に向かって略直角に延びる側板部81eとを有する。
ここで誘導板部81aは、取り付け状態において、上面から見て一側(前面壁34bから離れた側)に向かって傾斜樋65の下流側に傾斜する板状部であり、傾斜樋65上を流下する遊技球に当接することによって、この遊技球を傾斜樋65の突出先端側(即ち間隙67a)から下部タンク31の底部へ落下させるように誘導する部分である。また一側係合部81bは、取り付け状態において、球落下防止壁67の傾斜上流側の端面と側面に接合するように、球落下防止壁67に対して傾斜上流側から係合する部分である。また下面側板部81cは、取り付け状態において、球落下防止壁67の傾斜上流側の下面に接合するように、球落下防止壁67に対して傾斜上流側から係合する部分であり、この下面側板部81cが球落下防止壁67の下面に当接することによって、誘導部材81の一側の浮き上がりが防止される。また上面側板部81dは、取り付け時に傾斜樋65の上面に接合し、誘導部材81の取り付け作業を容易にする。また側板部81eは、取り付け状態において、係合部83内に挿入された状態に係合し、誘導部材81を所定位置に保持する部分である。
【0035】
また係合部83は、図8に示す係合部構成部材83aを前面壁34bの所定位置に取り付けることによって形成される。係合部構成部材83aは、例えば金属性の薄板をプレス加工してなるものであり、上下両端に、前面壁34bに接合した状態でビス止めされる取付板部83b,83cを有する。またこの係合部構成部材83aは、上下の取付板部83b,83cの間に、断面コ字状の係合板部83dを有しており、この係合板部83dと前面壁34bの間の隙間として係合部83を形成している。そして、この係合部構成部材83aよりなる係合部83は、図4等に示すように、前面壁34bにおいて、球落下防止壁67の上流側の端部に対応する位置(本例では2箇所)に夫々設けられている。即ち、誘導部材81の一側係合部81bが球落下防止壁67の上流側端部に上流側から係合した取り付け状態では、当該誘導部材81の側板部81eが対応する係合部83(係合板部83dと前面壁34bの間の隙間)に上流側から挿入され、これによって当該誘導部材81が所定位置に取り付けられて保持される構成となっている。
このような構成であるから、誘導部材81は、図8に示すように、球落下防止壁67の上流側端部やこれに対応する係合部83に対して上流側からスライドさせて係合させるだけで、極めて容易に取り付け可能であり、また逆に上流側にスライドさせることで、極めて容易に取外し可能である。そしてこのように脱着することで、誘導部材81の取り付け位置を、極めて容易に変更可能である。本例の場合、図4に示す上流側の位置又は図5に示す下流側の位置の何れかに取付可能であり、2箇所の位置の何れかに容易に取り付け位置を変更できる。
なお本例の誘導部材81に関しては、上記係合部構成部材83aよりなる係合部83と、球落下防止壁67の上流側端部が、本発明の係合部(タンクの側壁に設けられ誘導部材を傾斜樋の傾斜方向に沿って複数段階に係合させる係合部)に相当する。
【0036】
一方、図6及び図7に示す如く、誘導部材82も、誘導部材81と同様に、誘導板部82aと、一側係合部82bと、下面側板部82cと、上面側板部82dと、側板部82eとを有する。
ここで誘導板部82aは、取り付け状態において、上面から見て一側(後面壁34cから離れた側)に向かって傾斜樋66の下流側に傾斜する板状部であり、傾斜樋66上を流下する遊技球に当接することによって、この遊技球を傾斜樋66の突出先端側(即ち間隙68a)から下部タンク31の底部へ落下させるように誘導する部分である。また一側係合部82bは、取り付け状態において、球落下防止壁68の傾斜上流側の端面と側面に接合するように、球落下防止壁68に対して傾斜上流側から係合する部分である。また下面側板部82cは、取り付け状態において、球落下防止壁68の傾斜上流側の下面に接合するように、球落下防止壁68に対して傾斜上流側から係合する部分であり、この下面側板部82cが球落下防止壁68の下面に当接することによって、誘導部材82の一側の浮き上がりが防止される。また上面側板部82dは、取り付け時に傾斜樋66の上面に接合し、誘導部材82の取り付け作業を容易にする。また側板部82eは、取り付け状態において、係合部84内に挿入された状態に係合し、誘導部材82を所定位置に保持する部分である。
【0037】
また係合部84は、図8に示す係合部構成部材83aと同様の部材を後面壁34cの所定位置に取り付けることによって形成される。そして、この係合部84は、図4等に示すように、後面壁34cにおいて、球落下防止壁68の上流側の端部に対応する位置(本例では2箇所)に夫々設けられている。即ち、誘導部材82の一側係合部82bが球落下防止壁68の上流側端部に上流側から係合した取り付け状態では、当該誘導部材82の側板部82eが対応する係合部84に上流側から挿入され、これによって当該誘導部材82が所定位置に取り付けられて保持される構成となっている。
このような構成であるから、誘導部材82も、前述の誘導部材81と同様に、極めて容易に脱着可能である。そしてこのように脱着することで、誘導部材82の取り付け位置も、極めて容易に変更可能である。本例の場合、図4に示す上流側の位置又は図5に示す下流側の位置の何れかに取付可能であり、2箇所の位置の何れかに容易に取り付け位置を変更できる。
なお本例の誘導部材82に関しては、上記係合部84と、球落下防止壁68の上流側端部が、本発明の係合部(タンクの側壁に設けられ誘導部材を傾斜樋の傾斜方向に沿って複数段階に係合させる係合部)に相当する。
【0038】
なお、図1において符号70で示すものは、下部タンク31の島中央側の端壁である。この端壁70は、遊技球回収樋34の上方空間を仕切るように遊技球回収樋34の上面に縦に配置されたもので、その下端部には、遊技球を少しずつ島中央側(球揚送装置33)に送るための開口(図示省略)が形成されている。下部タンク31内の遊技球は、この開口を通過して前述した下部シャッター37によって開閉される流路に流れ、さらにこの流路を経由して球揚送装置33の入口へと流れる構成となっている。
また、図3において符号72,73で示すものは、夫々第2検出器と第3検出器である。これら第2検出器72と第3検出器73は、下部タンク31内の球貯留量を段階的に検知するためのセンサである。従来では、各島のタンク31の貯留状態のバラツキを是正するために、例えばこの第2検出器72又は第3検出器73の位置を変更するという極めてめんどうな調整作業が必要であった。
なお以上の説明では、図3等によって右側の下部タンク31やその周辺構成について説明したが、本例の場合、計数器12に関係する構成を除いて、島の左側にも同様の構成の下部タンク31等が設けられている。
【0039】
以上説明した遊技設備における球供給装置によれば、次のような効果が奏される。
即ち、傾斜樋65,66に沿って流下する球を傾斜樋65,66の突出先端側からタンク31の底部へ落下させるように誘導する誘導部材81,82を設けたので、誘導部材81,82により他の設置島に比べて貯留量が多くなる傾向の設置島の貯留量を制限でき、夫々の設置島のタンク31における球の貯留状態のバラツキ(下部タンク31の一部に山積状態で球が貯留されたり、下部タンク31の全域に亘ってほぼフラットに球が貯留されたりする)の度合いを小さくできる。また、タンク31の側壁に、誘導部材81,82を傾斜樋65,66の傾斜方向に沿って複数段階に係合させる係合部(係合部83,84や球落下防止壁67,68の上流側端部)を設けたので、下部タンク31の球検出センサ(例えば、第2検出器72又は第3検出器73)の設置位置を調整するといった煩雑な作業に比べて、各設置島内の球の貯留量を簡単に調整できる。
【0040】
例えば、他の設置島に比べて、下部タンク31の全域に亘ってほぼフラットに球が貯留されて貯留量が多くなる傾向の設置島については、図3及び図4に示すように上流側の位置に誘導部材81,82を取り付ける。こうすれば、図4に矢印で示すように、遊技球が下部タンク31の一方側(傾斜樋65,66の上流側)に偏って貯留されるから、当該設置島の他の設置島に対する貯留状態のバラツキを極めて容易に低減できる。また、上流側の位置に誘導部材81,82を取り付けたことによって、貯留量が少なくなりすぎた場合には、下流側の位置に誘導部材81,82を移動させることにより貯留量を調整できる。
【0041】
また、本例の球供給装置によれば、傾斜樋65,66の突出先端側に間隔を空けて複数の球落下防止壁67,68を設けたので、球落下防止壁間の各間隔(間隙67a,68a)からタンク31の底部に均等に球が落ちるので、夫々の設置島のタンク31における球の貯留状態のバラツキの度合いをより効果的に小さくできる。また、誘導部材81,82は、球落下防止壁67,68に対して傾斜上流側から係合するので、誘導部材81,82を固定手段(ビスなど)を用いて固定せずとも傾斜樋65,66を流下する球を確実に受け止めてタンク31の底部へ誘導できる。
【0042】
また、本例の球供給装置によれば、傾斜樋65,66は、タンク31の両側壁から突出し、傾斜樋65,66の上流に、他方の設置島から供給された球を両側方いずれかの傾斜樋65,66に分別誘導する分別誘導部63を設け、一側の傾斜樋65に形成された球落下防止壁間の間隔(間隙67a)は、他側の傾斜樋66に形成された球落下防止壁間の間隔(間隙68a)に対して非対向状態に設けられたので、一側の球落下防止壁間の各間隔(間隙67a)からタンク31の底部に球が落ちて形成された複数の球の山の間に、他側の球落下防止壁間の各間隔(間隙68a)からタンク31の底部に球が落ちるので、タンク31にほぼフラットに球を貯留でき、夫々の設置島のタンク31における球の貯留状態のバラツキの度合いをより効果的に小さくできる。
即ち、一方の傾斜樋65における球落下防止壁67の間隙67aから落下して下部タンク31(遊技球回収樋34上)に形成される遊技球による山同士の隙間が、他方の傾斜樋66における球落下防止壁68の間隙68aから落下した球により埋められるように貯留されるので、効果的に球の貯留状態を均等化することができる。というのは、下部タンク31の球貯留量が少ない状態(少なくとも傾斜樋65,66に遊技球が充満していない状態)で、球落下部36aに落下した遊技球は、図9において矢印により示すように、分別誘導部63で分別誘導されて傾斜樋65,66の何れか一方を流れ、傾斜樋65,66の終端から遊技球回収樋34上に流れ落ちるか、或いは何れかの間隙67a,68aから遊技球回収樋34上に流れ落ちる。この際、各間隙67a,68aが互い違いの位置に形成されていることによって、例えば一方の傾斜樋65における球落下防止壁67の間隙67aから落下して遊技球回収樋34上に形成される遊技球による山同士の隙間が、他方の傾斜樋66における球落下防止壁68の間隙68aから落下した遊技球により埋められるように貯留されるので、効果的に遊技球の貯留状態を均等化することができる。
【0043】
また図10に示すように、前述した末細り部63bの作用によって、傾斜樋65,66に遊技球Kが充満しているときには、末細り部63bの両側に形成される誘導路64により、球落下部36aに落下した遊技球が、両傾斜樋65,66の間から(即ち、切り欠き62の上流側の端から)下部タンク31(遊技球回収樋34上)に落下するように誘導される。このため、下部タンク31の分別誘導部側端部(島中央側の端部)まで満遍なく遊技球を貯留できる。
【0044】
なお、本発明は上述した形態例に限られず、各種の変形や応用があり得る。
例えば、誘導部材81,82を取り付ける係合部を3箇所以上設けてもよい。また、傾斜樋がタンクの一方の側壁にのみ設けられた態様でもよい。
また、分別誘導部63の末細り部63bは必ずしも必要ではない、上記形態例において末細り部63bが無い構成(分別誘導部63が末広がり部63aのみからなる構成)もあり得る。また、分別誘導部63の形状は菱形に限らず、例えば、楕円形でも良い。
なお、島の構成も上記形態例に限られないことは当然である。例えば、上記形態例では島の中央において遊技球を落下させているが、島端において遊技球をタンクに向かって落下させる構成において、本発明を実施することも可能である。この場合、球揚送装置が島中央にあることを前提とすれば、ならし樋(傾斜樋を含む)と遊技球回収樋が略平行(どちらも島中央に向かって下り傾斜した構成)となり、このような島構成に対しても本発明は適用可能である。
【0045】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】遊技島の内部構造を示す正面図である。
【図2】遊技島の側面図である。
【図3】下部タンクや遊技球回収樋等を示す斜視図であり、島中央側から斜めに見た図である。
【図4】下部タンク等を上面側から見た図(誘導部材を上流側に取り付けた場合)である。
【図5】下部タンク等を上面側から見た図(誘導部材を下流側に取り付けた場合)である。
【図6】誘導部材を上流側から斜めに見た斜視図である。
【図7】誘導部材を下流側から斜めに見た斜視図である。
【図8】誘導部材の取り付け作業を説明するための斜視図である。
【図9】下部タンク等を上面側から見た図であり、傾斜樋に遊技球が充満していない場合の遊技球の流れを矢印で示すものである。
【図10】下部タンク等を上面側から見た図であり、傾斜樋に遊技球が充満している場合の遊技球の流れを矢印で示すものである。
【符号の説明】
【0047】
10c 島(遊技島)
12 計数器
31 下部タンク(タンク)
33 球揚送装置
34 遊技球回収樋
61 ならし樋
62 切り欠き(ならし樋の切り欠き)
63 分別誘導部
65,66 傾斜樋
67,68 球落下防止壁
67a,68a 間隙(球落下防止壁の間隔)
81,82 誘導部材
83,84 係合部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する設置島間に樋を架け渡し、一方の設置島に設けられたタンクに貯留された球を他方の設置島に設けられたタンクに前記樋を介して供給するようにした球供給装置において、
前記タンクは、タンクの底部の上方に球貯留空間を空けた状態でタンクの側壁から突出し、球を側壁に沿って流下させる傾斜樋と、該傾斜樋に沿って流下する球を傾斜樋の突出先端側からタンクの底部へ落下させるように誘導する誘導部材と、前記タンクの側壁に設けられ前記誘導部材を傾斜樋の傾斜方向に沿って複数段階に係合させる係合部と、を有することを特徴とする球供給装置。
【請求項2】
前記傾斜樋の突出先端側に間隔を空けて複数の球落下防止壁を設け、
前記誘導部材は、前記球落下防止壁に対して傾斜上流側から係合することを特徴とする請求項1に記載の球供給装置。
【請求項3】
前記傾斜樋は、タンクの両側壁から突出し、
前記傾斜樋の上流に、前記樋を介して供給された球を両側方いずれかの傾斜樋に分別誘導する分別誘導部を設け、一側の傾斜樋に形成された前記球落下防止壁間の間隔は、他側の傾斜樋に形成された球落下防止壁間の間隔に対して非対向状態に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の球供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−114005(P2008−114005A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302577(P2006−302577)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(000132747)株式会社ソフィア (2,465)
【出願人】(390025601)株式会社西陣 (107)
【Fターム(参考)】