説明

球形タンクの脚部耐震補強構造

【課題】 地震や強風などによる縦揺れや横揺れに対して従来構造よりも、より強く安全性を向上し、さらに腐食箇所や損傷箇所の補修施工に対しても、構造が簡単で工事施工もし易い球形タンクの脚部耐震補強構造を提供する。
【解決手段】 球形タンク1の球殻体3を支持する基礎5から球殻体3に至る既設脚部の支持部6、接続部4、或いはブレース7の外周の全体又は一部に、半割り円筒管よりなる新規の円筒支持部材8、或いは新規の円筒ブレース9を用いて被覆し溶接で一体形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧縮ガス、液化ガス等を貯蔵する球形タンクについて、地震に対して安全性を向上した球形タンクの脚部耐震補強構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5に基づいて、球形タンクの球殻体(球殻板から構成される)を支持する脚部構造について説明する。
球形タンク1は、球殻体3を脚部構造2で支持している。
この脚部構造2は、基礎5と、この基礎5に立設して球殻体3を支持する地面に対して垂直な支持部6と、この支持部6を球殻体3に接続する接続部4と、支持部6、6の相互間に傾斜し交差させて設けたブレース7とで形成されている。
(a)は鋼管で形成するパイプブレース71を有する球形タンクを示し、(b)は棒鋼材にターンバックルを設けたタイロッドブレース72を有する球形タンク1を示す。
【0003】
図6は、形鋼材を用いてタイロッドブレースを有する球形タンク1の支持部6を補強する従来の事例で、(a)は支持部6の下部を示し、(b)はA−A水平断面を示す。
球形タンク1の球殻体3を支持する脚部構造2の支持部6を耐震補強する場合は、形鋼材61などを使用して補強している。この形鋼材61は、例えば、断面コ字状のチャンネル鋼材を用いて、支持部6の外周面に沿って複数垂直列状に並べて、溶接により固着している。さらに、パイプブレース、或いはタイロッドブレースの各部材は、図示はしないが、形鋼材で補強するか、或いは強度を向上させた新規部材に交換するなどして耐震補強がされている。
【0004】
地震や強風などによる振動や揺れによる変位を抑えて耐久性と耐震性を向上させた既設の球形タンク脚部を補強した従来技術の発明には、例えば本出願人による特許文献1の特開2006−273398号「球形タンク脚部の補強構造」の発明がある。この発明は、既設の球形タンクの支柱に対して、基礎の近傍に隔離して設けた環状の支持枠と、該支持枠から上記支柱にわたって設けた傾斜材と、該傾斜材と上記支柱とを連結する水平梁材とで一体剛構造に形成する補強構造であって、上記支柱と傾斜材及び水平梁材は、湾曲材を介して支柱取付部にてボルト接合等で結合して一体架構の剛構造とし、現地で火気を使用することなく組立て施工する接合構造である。
【0005】
また、地震や強風などによる振動や揺れに対して、支柱及び基礎の耐久性と耐震性を向上させた既設の球形タンクの補強改造に関する従来技術の発明には、本出願人による特許文献2の特開2008−162657号「球形タンクの脚部の構造と構築方法」の発明がある。この発明は、既設の球形タンクの球殻から水平方向外側に張出した上部支柱と、該上部支柱から垂直方向に設置し既設の球形タンクを垂直に支承する支柱と、該支柱を支持するフーチングとペデスタルよりなる基礎を、既設の球形タンクの球殻体本体の直下より外周の位置に設けた既設の球形タンクの脚部の補強構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−273398号公報
【特許文献2】特開2008−162657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図5に示す球形タンク1を補強して耐震性を高める場合、球形タンクにかかる地震や強風による荷重は脚部に対してあらゆる方向にかかるので、従来例の図6(a),(b)に示す円柱状の支持部6の外周面に、複数垂直列状に形鋼材61を溶着施工する脚部の補強構造は、荷重の方向により耐久強度の差が生じるため、補強構造を大きくする必要が生じた。また補強部材によって美観が良くなかった。
【0008】
従来の特許文献1の特開2006−273398号「球形タンク脚部の補強構造」の発明は、既設の球形タンクを支持する支柱の外周に、環状枠材と傾斜材と水平梁材を組合せた構造体を安全作業で作業能率良くするものであるが、球形タンクの周囲に広いスペースが必要となった。
【0009】
また、従来の特許文献2の特開2008−162657号「球形タンクの脚部の構造と構築方法」の発明は、支柱及び基礎の耐久性と耐震性を向上させた既設の球形タンクの補強改造であるが、球殻面に新規の支柱を取り付ける工事と基礎の改造工事が必要となった。
【0010】
この発明は上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、地震や強風などによる縦揺れや横揺れに対して従来構造よりも、より強くして安全性を向上し、さらに腐食箇所や損傷箇所の補修施工に対しても、構造が簡単で工事施工し易い球形タンクの脚部耐震補強構造を提供することにある。

【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、球形タンクの球殻体を支持する基礎から球殻体に至る既設脚部の支持部及び接続部外周の全体又は一部に、半割り円筒管を用いて新規の円筒支持部材を被覆し溶接で一体形成することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、球形タンクの球殻体を支持する既設の支持部間に設けられているブレース外周の全体又は一部に、半割り円筒管を用いて新規の円筒ブレースを被覆し溶接で一体形成することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、請求項1又は2記載の新規の円筒支持部材および新規の円筒ブレースについて、半割り円筒管の長手継手部に帯板状の裏当板を設け、また半割り円筒管の周継手部に半短管状の裏当リングを設けて溶接形成することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、請求項1乃至3記載の新規の円筒支持部材と内部既設の支持部、および既設のブレースと新規の円筒ブレースとの間隙に、所定間隔を保持し組立精度を向上させる半円板状のガイドリングを設けることを特徴とする。

【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、球形タンクの球殻体を支持する基礎から球殻体に至る既設脚部の支持部及び接続部外周の全体又は一部に、半割り円筒管を用いて新規の円筒支持部材を被覆し溶接で一体形成するので、形鋼材などの補強部材を必要とすることなく、補強した脚部の支持部や接続部にかかる荷重に対して耐久強度が均一となり、補強構造がスマートで安定感があり美観に優れる。
半割り円筒管を使用し、複数に分割することで、重量と寸法が低減され、かつ現場で調整が容易となり、組立てがし易く同時に複数箇所での施工が可能であって、現場施工の能率化が図れる。
また、支持部や接続部の腐食箇所や損傷箇所などを部分的に補修し補強をすることができる。
さらに、既設部材をそのまま残して使えるため、部材の一体化が図られて強度が高まる。
【0016】
請求項2の発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、球形タンクの球殻体を支持する既設の支持部間に設けられているブレース外周の全体又は一部に、半割り円筒管を用いて新規の円筒ブレースを被覆し溶接で一体形成するので、補強したブレースの周方向の荷重に対して耐久強度が均一となり、補強構造も美観に優れている。
また、ブレースと支持部との接続箇所やブレース交差部における損傷や座屈などしやすい箇所などを、部分的に補強をすることができる。
さらに、ブレースの腐食箇所を部分的に補修し補強をすることができる。
この円筒ブレースは、複数に分割することで、重量と寸法が低減され、かつ現場で調整が容易となり、組立てがし易く同時に複数箇所での施工が可能であって、現場施工の能率化が図れる。
支持部材と同様に円筒ブレースも既設部材をそのまま残して使えるため、部材の一体化が図られて強度が高まる。

【0017】
請求項3の発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、請求項1又は2記載の新規の円筒支持部材および新規の円筒ブレースについて、半割り円筒管の長手継手部に帯板状の裏当板を設け、また半割り円筒管の周継手部に半短管状の裏当リングを設けて溶接形成するので、工場で予め裏当リングや裏当板を取付けることにより、現場組立て時に仮組みが容易となり、継手部の確実な位置合わせを行うことができる。さらに、部材の寸法設定と精度が向上し、完全な溶接ができ適正な接続構造が得られる。
【0018】
請求項4の発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、請求項1乃至3記載の新規の円筒支持部材と内部既設の支持部、および既設のブレースと新規の円筒ブレースとの間隙に、所定間隔を保持し組立精度を向上させる半円板状のガイドリングを設けるので、半円部材の捩れ防止を図ることができ、既設部材に合わせ易く中心がずれることなく円筒形状を確保し、確実正確に位置決め設定し組立てができ、作業能率良く補修工事ができる。

【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明に係る球形タンク脚部の耐震補強構造の第1実施形態でパイプブレースを有する球形タンクの場合を示す説明図である。
【図2】図1の要部の説明図で、(a)は支持部の上部、(b)は支持部の中間部、(b’)はパイプブレースの中間交差部、(c)は支持部の下部である。
【図3】第2実施形態を示すタイロッドブレースの要部の説明図で、(a)は支持部の上部、(b)は支持部の中間部、(c)は支持部の下部である。
【図4】パイプ材に設ける補強部材の事例で、(a)は側面及び縦断面の説明図、(b)は分解斜視説明図である。
【図5】球形タンクの一般事例で、(a)はパイプブレースを有する球形タンクの全体側面説明図、(b)はタイロッドブレースを有する球形タンクの全体側面説明図である。
【図6】従来例のタイロッドブレースを有する球形タンクについて、形鋼材を用いて支持部を補強する事例の要部で、(a)は支持部の下部側面図、(b)はA−A水平断面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明に係る球形タンク脚部の耐震補強構造の実施形態について、図1乃至図4を参照しながら説明する。
図1乃至図4にわたって同一の用語には同一の符号を使用し、各符号の説明は一部を省略している。この実施形態は、既設のパイプブレースを有する球形タンク、タイロッドブレースを有する球形タンクの脚部の耐震補強に適用する。
球殻体3を接続部4で支持する支持部6の数は、球形タンク1の規模に応じて6、8、10、12等と増加する。
本発明は下記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で下記の実施形態に変更(例えば構成要素の省略又は付加、構成要素の形状の変更等)を加えることが出来るのはもちろんである。
【0021】
図1及び図2は、この発明に係る球形タンク脚部の耐震補強構造の第1実施形態としてパイプブレースを有する球形タンクの事例を示す。
球形タンク1は、球殻体3を脚部構造2で支持している。
この脚部構造2は、基礎5と、この基礎5に立設して球殻体3を支持する地面に対して垂直な支持部6と、この支持部6を球殻体3に接続する接続部4と、支持部6、6の相互間に傾斜し交差させて設けたブレース7とで形成されている。
図1は、球形タンク1の球殻体3を支持する基礎5から球殻体3に至る既設の支持部6の外周に、新規の円筒支持部材8を基礎5から鉛直方向に立設し被覆し溶接で一体形成する場合を示す。
また、図のように既設のブレース7がパイプ構造のブレース71の場合には、このブレース71の外周に新規の円筒ブレース9を傾斜方向に被覆し溶接で一体形成する。
【0022】
図2は、図1の要部の説明図で、(a)は支持部の上部、(b)は支持部の中間部、(b’)はパイプブレースの中間交差部、(c)は支持部の下部である。
球殻との接続部4の下端縁に接続する既設の支持部6の外周に、新規の円筒支持部材8a、8b、8cを被覆し溶接で一体形成する。
この新規の円筒支持部材8a、8b、8cは、図のように既設脚部の支持部外周の全体にわたって被覆し溶接で一体形成する。或いは腐食や損傷をした箇所に、部分的に被覆し溶接で補修や補強をする。
このように、新規の円筒支持部材8a、8b、8cを被覆し溶接で一体形成する補強構造は、形鋼材などの補強部材を必要とすることなく、断面形状がどの方向にも均一な円筒支持部材8を用いて、支持部6の周囲全方向の荷重に対して耐久強度が得られる。
また円筒形状の補強部材を用いるため、補強構造がスマートで安定感があり美観に優れる。
半割り円筒管を使用し、複数に分割することで、重量と寸法が低減され、かつ現場で調整が容易となり、組立てがし易く同時に複数箇所での施工が可能であって、安全作業で効率良く補強施工を行い、現場施工の能率化が図れる。
既設部材の支持部6は、そのまま残して使えるため、新規の円筒支持部材8a、8b、8cとの一体化が図られて一層強度が高まる。
このように支持部6及びブレース71への施工は、球形タンク本体に影響がないため、本体使用中のままの工事施工が可能となる。

【0023】
また、既設のパイプ構造ブレース71の外周に、新規の円筒ブレース9a、9b、9cを傾斜方向に被覆し溶接で一体形成する。
この新規の円筒ブレース9a、9b、9cは、既設のパイプブレース71外周の全体に被覆し溶接で一体形成する。或いは、支持部6との接続箇所やブレース交差部におけるパイプブレース71の損傷や座屈しやすい箇所、腐食した箇所などを、部分的に被覆し溶接で補修し補強をする。
このように、既設のパイプブレース71の外周に新規の円筒ブレース9a、9b、9cを被覆し溶接で一体形成することにより、補強したパイプブレース9の周方向の荷重に対して耐久強度が均一となり、簡単な構造部材を用いて補強構造も美観に優れる。
殊に、パイプブレース71と支持部6の接続箇所やパイプブレース71同士の交差部など、パイプブレース71の損傷や座屈などしやすい箇所を部分的に補強して、地震や強風などの縦揺れや横揺れに対して強い球形タンクの脚部耐震補強構造が得られる。
この新規の円筒ブレース9a、9b、9cは、複数に分割することで、重量と寸法が低減され、かつ現場で調整が容易となり、組立てがし易く同時に複数箇所での施工が可能であって、現場施工の能率化が図れる。
支持部材と同様にパイプブレース71も既設部材をそのまま残して使えるため、新旧部材の一体化が図られて一層強度が向上する。
【0024】
図3は、第2実施形態のタイロッドブレースを有する球形タンク脚部の耐震補強構造を示す説明図で、(a)は支持部の上部、(b)は支持部の中間部、(c)は支持部の下部である。
球殻体との接続部4下部に接続する既設の支持部6の外周に、新規の円筒支持部材8a、8b、8cを被覆し溶接で一体形成する。
なお既設のタイロッド構造のブレース72は新規のタイロッドブレースに交換するか、或いは図示しないが新規の円筒ブレースを傾斜方向に新たに取付ける。
【0025】
第2実施形態のタイロッドブレースを有する球形タンクの脚部補強構造は、このように既設の支持部6の外周に、新規の円筒支持部材8a、8b、8cを被覆し溶接で一体形成することにより、簡単な構造部材を用いて安全作業で効率良く補強施工を行い、耐震性を向上することができる。
また、既設のタイロッド構造のブレース72は、同じタイロッド構造の新規のブレース7cに交換し補強構造とすることができ、或いは新規の円筒ブレースを取付けて改造することもできる。
【0026】
図4は、パイプ材に設ける補強部材の事例で、(a)は側面及び要部の縦断面説明図、(b)は分解斜視説明図である。
既設の支持部6の外周に半割り円筒形状の新規の円筒支持部材8を、或いは既設のブレース71の外周に新規の円筒ブレース9を、それぞれ被覆し溶接で一体形成する。
側面及び縦断面の説明図(a)に示すように、新規の円筒支持部材8、或いは新規の円筒ブレース9の継手部には、A−A断面に示すように裏当リング10,10を設け、B−B断面に示すように裏当板11,11を設ける。
また、新規の円筒支持部材8と既設の支持部6、或いは新規の円筒ブレース9と既設のブレース71との間には、C−C断面に示すように、間隔を保持する半円板状のガイドリング12,12を設ける。
【0027】
分解斜視説明図(b)に示すように、予め、半割り異形の円板リング状のガイドリング12(裏当板11,11が当る部位に切欠き部を有する)を介装しておく。
また、半割り円筒の長手方向に沿った縦継手部に、帯板状の裏当板11,11を設け、半割り円筒の両端縁の円周方向に沿った周継手部に、半短管状の裏当リング10,10を設ける。
【0028】
このように、半割り円筒の長手継手部に帯板状の裏当板11,11を設け、半割り円筒の円周継手部に半短管状の裏当リング10,10を設けることにより、新規の円筒支持部材8或いは新規の円筒ブレース9の継手部は、位置合せが適正となり確りした溶接を行うことができる。
また、これらの裏当リング10や裏当板11は、予め工場で新規の円筒支持部材8或いは新規の円筒ブレース9の継手部に取付けることにより、現場での組立て時に仮組みが容易となり、継手部の確実な位置合わせを行うことができる。
このように、裏当リング10や裏当板11を設けることにより、継手部の寸法設定と精度が向上し完全な溶接ができるため適正な接続構造が得られる。
【0029】
新規の円筒支持部材8と内部既設の支持部6、および既設のブレース71と新規の円筒ブレース9との間隙に、所定間隔を保持し組立精度を向上させる半円板状のガイドリング12を設けるので、現場で既設の円筒形状に沿わせて上記新規の半割り円筒部材を取付ける際に、既設部材に合わせ易く中心がずれることなく組立てが容易にできるため、作業能率良く補修工事を行うことができる。
また、このガイドリング12は、工場で予め新規の円筒支持部材8及び新規の円筒ブレース9の各半割り円筒部材に取付けることにより、捩れの防止が図られ正確な半割り円筒形状を確保し、運送時や組立時に形状維持をすることができる。

【産業上の利用可能性】
【0030】
この発明に係る球形タンクの脚部耐震補強構造は、脚部の耐久性改善が望まれる球形タンクのみならず、耐震性能の向上が望まれる給水用の高架球形タンク、モニュメントなどの脚部の補強や部分補修にも適用することができる。

【符号の説明】
【0031】
1 球形タンク
2 脚部構造
3 球殻体(球殻板)
4 接続部
5 基礎
6 支持部
61 形鋼材
7 ブレース
71 パイプブレース
72 タイロッドブレース
8 新規の円筒支持部材
9 新規の円筒ブレース
10 裏当リング
11 裏当板
12 ガイドリング




【特許請求の範囲】
【請求項1】
球形タンクの球殻体を支持する基礎から球殻体に至る既設脚部の支持部及び接続部外周の全体又は一部に、半割り円筒管を用いて新規の円筒支持部材を被覆し溶接で一体形成することを特徴とする球形タンクの脚部耐震補強構造。
【請求項2】
球形タンクの球殻体を支持する既設の支持部間に設けられているブレース外周の全体又は一部に、半割り円筒管を用いて新規の円筒ブレースを被覆し溶接で一体形成することを特徴とする球形タンクの脚部耐震補強構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の新規の円筒支持部材および新規の円筒ブレースについて、半割り円筒管の長手継手部に帯板状の裏当板を設け、また半割り円筒管の周継手部に半短管状の裏当リングを設けて溶接形成することを特徴とする球形タンクの脚部耐震補強構造
【請求項4】
上記新規の円筒支持部材と内部既設の支持部、および既設のブレースと新規の円筒ブレースとの間隙に、所定間隔を保持し組立精度を向上させる半円板状のガイドリングを設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の球形タンクの脚部耐震補強構造。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−184056(P2011−184056A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49478(P2010−49478)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000147729)株式会社石井鐵工所 (67)
【Fターム(参考)】