説明

球形炭素材及び球形炭素材の製造方法

【課題】 等方的粒子であって、炭化又は黒鉛化を経ても形状変化が著しく小さく、且つ、結晶成長性の良い球形炭素材を提供する。
【解決手段】 走査型電子顕微鏡で観察される粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値が60%以上の生コークス球形炭素材であって、1200℃で5時間の加熱と2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である生コークス球形炭素材、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含む生コークス粉末に圧縮せん断応力を加えて、乾式で造粒球形化処理を行って得られた前記生コークス球形炭素材の製造方法及び前記生コークス球形炭素材を炭化する炭素質球形炭素材とその製造方法、前記生コークス球形炭素材を黒鉛化する黒鉛質球形炭素材とその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は球形炭素材とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、特殊炭素材用途や、リチウムイオン二次電池の負極材として、球形炭素材が求められている。
【0003】
特殊炭素材の場合、強度向上のために成形体の等方性が求められる。従来は炭素材をバインダーで混練した成形物にCIP成型のような等方成形を行うことや、焼成及びピッチ等の含浸の工程を繰り返す長い工程を経ることで、等方的な特殊炭素製品を生産していた。また、近年では、特殊な等方成形によらず等方性炭素を得る方法が求められている。例えばMCMBからバインダーを用いずに等方性の炭素材が得られることが報告されているが(非特許文献1)、MCMBは異方性の球状の炭素材料であり、球状の小粒子であることでランダムな充填がされるために等方的な成形体を得ることができるものであり、さらに、高価な材料であるために適用できる用途が限定されている。
【0004】
リチウムイオン二次電池の負極材としては、電極密度を上げる、あるいは工場での歩留まりを上げるためのハンドリング性向上のために、球形炭素材は必要とされている。さらに、等方的な材料が、レート特性や寿命特性の点で必要とされている。また、MCMB等の従来の球形炭素材は黒鉛化した時の結晶成長があまり進まず、リチウムイオン二次電池の負極材として用いたとき、黒鉛の理論容量に対して、十分な容量が出ない事も問題の1つである。結晶成長が悪いことは、導電性や熱伝導性も、結晶が十分に発達した黒鉛材に比べて低くなる。
【0005】
この様な背景から、現在、安価で、結晶性が良く、等方的結晶構造の球形炭素材が求められている。
【0006】
特許文献1には、高密度、高強度の等方性黒鉛材として、生コークスとピッチ系バインダーを混練した成形粉を成形し、焼成して黒鉛化した材料が示されている。しかしながら、成形体材料に供される成形粉が等方性を備えたものでなく、等方成形を必要とするものであった。
【0007】
特許文献2には、生コークスを粉砕し黒鉛化した、アスペクト比が1.00〜1.32である黒鉛材料が示されているが、炭化及び黒鉛化の過程で粒子形状が扁平化するものであり、球状の粒子は得られていない。
【0008】
特許文献3には、粒子断面の円形度が0.6〜0.9である炭素粒子が示されているが、黒鉛粒子に機械的処理を施すことで円形度を高めるものであるために、粒子断面の輪郭線に直線的な部分や角部を有する、球形とは言い難い粒子であった。さらに、成形体に等方性を持たせるためには、等方性加圧処理を行う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−298231号公報
【特許文献2】特開2007−172901号公報
【特許文献3】特開2009−238584号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】藤本宏之、「メソカーボンマイクロビーズの工業的製造法とその応用」、炭素、炭素材料学会、Vol.2010、No.241、pp.10〜14
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、結晶構造が等方的であって、炭化又は黒鉛化を経ても球形の粒子形状を維持することができる球形炭素材を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記技術的課題は、次の通り本発明によって達成できる。
【0013】
即ち、本発明は、走査型電子顕微鏡で観察される粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値が60%以上の生コークス球形炭素材であって、1200℃で5時間の加熱と2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である生コークス球形炭素材である(本発明1)。
【0014】
また、本発明は、走査型電子顕微鏡で観察される粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値が55%以上の炭素質球形炭素材であって、2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である炭素質球形炭素材である(本発明2)。
【0015】
また、本発明は、走査型電子顕微鏡で観察される粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値が50%以上であり、透過型電子顕微鏡で観察される同一の結晶方向を向いた結晶ドメインの面積が80%以下である黒鉛質球形炭素材である(本発明3)。
【0016】
また、本発明は、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含む生コークス粉末に圧縮せん断応力を加えて、乾式で造粒球形化処理を行う本発明1に記載の生コークス球形炭素材の製造方法である(本発明4)。
【0017】
また、本発明は、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含む生コークス粉末に圧縮せん断応力を加えて、乾式で造粒球形化処理を行って得られた生コークス球形炭素材を炭化する本発明2に記載の炭素質球形炭素材の製造方法である(本発明5)。
【0018】
また、本発明は、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含む生コークス粉末に圧縮せん断応力を加えて、乾式で造粒球形化処理を行って得られた生コークス球形炭素材を黒鉛化する本発明3に記載の黒鉛質球形炭素材の製造方法である(本発明6)。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る生コークス球形炭素材は、炭化及び/又は黒鉛化を経ても球形の粒子形状を維持することができ、該生コークス球形炭素材を用いて製造される炭素成形体は高い強度を得ることができる。
【0020】
本発明に係る炭素質球形炭素材は、黒鉛化を経ても球形の粒子形状を維持することができ、該炭素質球形炭素材を用いて製造される炭素成形体は高い強度を得ることができる。また、本発明に係る炭素質球形炭素材は、球形で等方的な結晶構造を持つ粒子であるため、リチウムイオン二次電池の負極材としても好適である。
【0021】
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、球形で等方的な結晶構造を持つ粒子であるため、該黒鉛質球形炭素材を用いて製造される炭素成形体は高い強度を得ることができる。また、本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、球形で等方的な結晶構造を持つ粒子であるため、リチウムイオン二次電池の負極材としても好適である。
【0022】
さらに、本発明に係る球形炭素材の製造方法は、安価な材料を使用することが可能であり、短い工程での製造ができ、且つ得られる粒子そのものが等方的であるために、成形時に余分な工程を経る必要がなくなり、経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1−1で得られた生コークス球形炭素材の平面方向の走査型電子顕微鏡写真。
【図2】実施例1−1で得られた生コークス球形炭素材の立面方向の走査型電子顕微鏡写真。
【図3】実施例3−1で得られた黒鉛質球形炭素材の平面方向の走査型電子顕微鏡写真。
【図4】実施例3−1で得られた黒鉛質球形炭素材の立面方向の走査型電子顕微鏡写真。
【図5】比較例1−2で得られた生コークス球形炭素材の平面方向の走査型電子顕微鏡写真。
【図6】比較例1−2で得られた生コークス球形炭素材の立面方向の走査型電子顕微鏡写真。
【図7】比較例3−2で得られた黒鉛質球形炭素材の平面方向の走査型電子顕微鏡写真。
【図8】比較例3−2で得られた黒鉛質球形炭素材の立面方向の走査型電子顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明に係る球形炭素材について説明する。まず、本発明に係る生コークス球形炭素材について述べる。
【0025】
本発明に係る生コークス球形炭素材の平均粒径(D50)は、2〜50μmであることが好ましい。本発明に係る製造方法において、平均粒径が2μm未満の球形炭素材を製造しようとすれば、粉砕エネルギーも莫大になり、現実的でない。50μmを超える粒子では、成形体あるいは膜において十分な粒子を配列させることができないために、成形体材料に用いた場合には高強度な成形体が得られず好ましくない。粉体のハンドリングを考えると、より好ましい平均粒径は7μm〜30μmである。
【0026】
本発明に係る生コークス球形炭素材のBET比表面積は、粒子サイズによっても異なるが、0.2〜10m/gであることが好ましい。BET比表面積が10m/gよりも大きければ、粉体のハンドリング性に悪影響を及ぼす。また、BET比表面積が10m/gよりも大きい生コークス球形炭素材は、十分な球形化処理がなされておらず、炭化又は黒鉛化を行った場合に、粒子形状が薄状化するものである。生コークス球形炭素材のBET比表面積は、0.3〜5.0m/gであることがより好ましい。
【0027】
本発明に係る生コークス球形炭素材の粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は、60%以上である。60%未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であり、炭化又は黒鉛化を行うことで六角網平板構造の結晶構造が発達して粒子形状が薄状化し、結晶性としては異方性が強くなる。結晶の等方性の観点からは、生コークス球形炭素材の球形度は高いほど良いが、あまりに球形度の高いものを製造しようとすれば、製造コストの点で問題が出てくる。よって、特殊炭素材用途に用いられる場合には、粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は80〜90%であることが好ましい。一方、リチウムイオン二次電池の負極材として用いる場合、生コークス球形炭素材の球形度が高すぎると炭化又は黒鉛化した球形炭素材の球形度も高くなるために、粒子間接点が少なくなり、レート特性の点で問題が生じるとともに、結晶成長が不十分となる場合があり、容量が低下する傾向が見られる。よって、粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は60〜80%であることが好ましい。
【0028】
本発明に係る生コークス球形炭素材は、不活性ガス中で1200℃で5時間の加熱と2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である。形状維持率が70%を下回る球形炭素材は、炭化又は黒鉛化を行った場合に、粒子形状が薄状化するものであり、結晶構造も異方性が強くなる。好ましい形状維持率は80%以上である。
【0029】
次に、本発明に係る炭素質球形炭素材について述べる。
【0030】
本発明に係る炭素質球形炭素材の平均粒径(D50)は、2〜50μmであることが好ましい。本発明に係る製造方法において、平均粒径が2μm未満の球形炭素材を製造しようとすれば、粉砕エネルギーも莫大になり、現実的でない。50μmを超える粒子では、成形体あるいは膜において十分な粒子を配列させることができないために、成形体材料に用いた場合には高強度な成形体が得られず好ましくない。粉体のハンドリングを考えると、より好ましい平均粒径は7μm〜30μmである。
【0031】
本発明に係る炭素質球形炭素材の粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は、55%以上である。55%未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であるか、炭化の過程で粒子形状が薄状化したものであり、黒鉛化を行った場合には、さらに六角網平板構造の結晶構造が発達して粒子形状が薄状化し、結晶性としては異方性が強くなる。結晶の等方性の観点からは、炭素質球形炭素材の球形度は高いほど良いが、あまりに球形度の高いものを製造しようとすれば、製造コストの点で問題が出てくる。よって、特殊炭素材用途に用いられる場合には、粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は80〜90%であることが好ましい。一方、リチウムイオン二次電池の負極材として用いる場合、炭素質球形炭素材の球形度が高すぎると黒鉛化した球形炭素材の球形度も高くなるために、粒子間接点が少なくなり、レート特性の点で問題が生じるとともに、結晶成長が不十分となる場合があり、容量が低下する傾向が見られる。よって、粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は55〜80%であることが好ましい。
【0032】
本発明に係る炭素質球形炭素材は、不活性ガス中で2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である。形状維持率が70%を下回る球形炭素材は、黒鉛化を行った場合に、粒子形状が薄状化するものであり、結晶構造も異方性が強くなる。好ましい形状維持率は80%以上である。
【0033】
次に、本発明に係る黒鉛質球形炭素材について述べる。
【0034】
本発明に係る黒鉛質球形炭素材の平均粒径(D50)は、2〜50μmであることが好ましい。本発明に係る製造方法において、平均粒径が2μm未満の球形炭素材を製造しようとすれば、粉砕エネルギーも莫大になり、現実的でない。50μmを超える粒子では成形体あるいは膜において十分な粒子を配列させることができないために、成形体材料に用いた場合には高強度な成形体が得られず、リチウムイオン二次電池の負極材として電極に使用した場合にはショートを引き起こす原因となる。粉体のハンドリング性や、最近の電極の薄層化を考えると、より好ましい平均粒径は7μm〜30μmである。
【0035】
本発明に係る黒鉛質球形炭素材のBET比表面積は、粒子サイズによっても異なるが、0.2〜10m/gであることが好ましい。BET比表面積が10m/gよりも大きければ、粉体のハンドリング性にも悪影響を及ぼし、特に、リチウムイオン二次電池の負極材の場合には、表面での電解液の還元反応による不可逆容量の増大を招き、初期効率の悪化につながる。また、0.2m/g未満にしようとする時、完全な球状粒子の領域になり、物理的に、あるいは、製造コスト的に現実ではない。黒鉛質球形炭素材のBET比表面積は、0.3〜5.0m/gであることがより好ましい。
【0036】
本発明に係る黒鉛質球形炭素材の粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は50%以上である。50%未満である場合には、十分な造粒がなされていない状態であるか、粒子が薄状化した状態であり、結晶性としては異方性が強くなるために好ましくない。結晶の等方性の観点からは、黒鉛質球形炭素材の球形度は高いほど良いが、あまりに球形度の高いものを製造しようとすれば、製造コストの点で問題が出てくる。よって、特殊炭素材用途に用いられる場合には、粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は、80%〜90%であることが好ましい。一方、リチウムイオン二次電池の負極材として用いる場合、黒鉛質球形炭素材の球形度が高すぎると、粒子間接点が少なくなり、レート特性の点で問題が生じるとともに、結晶成長が不十分となる場合があり、容量が低下する傾向が見られる。よって、粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値は50〜70%であることが好ましい。
【0037】
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、透過型電子顕微鏡で観察される同一の結晶方向を向いた結晶ドメインの面積が、80%以下である。80%を超えて同じ結晶方向を持つドメインが存在していれば、等方的な性質の粒子とは言いにくい。同じ結晶方向を持つ結晶ドメインの面積は好ましくは、10〜75%であり、より好ましくは40%〜60%である。
【0038】
本発明に係る球形炭素材は、1つの粒子が等方的な結晶構造、即ち、結晶面がランダムに配向し、特定の結晶面が成長していないために、等方的な結晶構造を取り易い。
【0039】
次に、本発明に係る球形炭素材の製造方法について説明する。
【0040】
本発明において炭素原料としては、石油系や石炭系の生コークス粉末が用いられ、モザイクコークス、ニードルコークス等のいずれも使用することができる。生コークスとは、石油系又は石炭系重質油を例えばディレードコーカー等のコークス化設備を用い、300℃〜700℃程度の温度で加熱して熱分解・重縮合反応を行うことにより得られる、揮発成分を含んだ状態のコークスである。
【0041】
本発明において炭素原料として用いられる生コークス粉末は、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含むものである。好ましくは、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を10〜30%含むものである。平均粒径(D50)の1/3より大きい粒径の粒子は、造粒時に核となり得る粒子であるために、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子が5%未満である場合には、核粒子に複合化させる粒子が不足して十分な球形化がなされない。平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子が30%を超える場合には、核となり得る粒子の割合が少なく、微粉同士の造粒現象が見られるが所望の粒径の球形粒子は得られ難い場合がある。
【0042】
また、本発明の炭素材の製造方法においては、前記粒度分布の生コークス粉末を用いて造粒しながら、さらに生コークスの微粉を添加していく方法もとり得る。この場合、後から添加する生コークスの微粉の量は造粒を妨げない範囲で添加することが可能であり、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を造粒当初の生コークス粉末の30%以下に限るものではない。
【0043】
本発明において炭素原料として用いられる生コークス粉末の平均粒径は、好ましくは30μm以下である。生コークス粉末の平均粒径が30μmを超える大きさの粒子で乾式造粒を行って、十分に球形化された粒子を得ようとすると、目的とする最適な粒子サイズよりも大きくなるためである。さらに、好ましい平均粒径は5〜30μmである。この理由は、生コークス粉末の平均粒径が5μmより小さいと、乾式造粒を行う際に、粒子に十分に力学的エネルギーを付与できない場合があるためである。
【0044】
本発明においては、上記の粒度分布である生コークス粉末を用い、強いせん断応力加えることで、造粒と粒子球形化を促進している。そして、本発明に係る球形炭素材は、炭化又は黒鉛化を経ても球形の粒子形状を維持することができる。
【0045】
このような生コークス粉末に、圧縮応力と剪断応力を付与する球形化処理を行うことにより本発明に係る球形炭素材が得られる。このとき、圧縮応力と剪断応力のほか、衝突、摩擦、ずり応力等も発生する。これらの応力が与える機械的エネルギーは、一般的な攪拌により得られるエネルギーより大きく、それらのエネルギーが、粒子表面に与えられることで、粒子形状の球形化や、粒子の複合化といったメカノケミカル現象と称される効果が発現する。
【0046】
生コークス粉末にメカノケミカル現象を起こさせるための機械的エネルギーを与えるには、剪断、圧縮、衝突等の応力を同時にかけることができる装置を用いればよく、特に装置の構造及び原理に限定されるものではない。たとえば、回転式のボールミルなどのボール型混練機、エッジランナー等のホイール型混練機、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョン(ホソカワミクロン社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、COMPOSI(日本コークス工業社製)などがある。
【0047】
圧縮剪断応力を付与する工程における製造条件は、使用する装置によっても異なるが、回転するブレードの羽根とハウジングの間隙で、粉体に圧密、圧縮応力が加わる構造の装置を用いる。
【0048】
COMPOSI(日本コークス工業社製)を用いる場合には、周速度50m/s〜100m/sで処理時間を10分〜180分とするのが好ましい。周速度が50m/sより小さいとき、もしくは処理時間が10分未満では生コークス粉末に十分な圧縮剪断応力を付与することができない。一方、180分より長い処理を行うと、製造コストが大きくなり、安価な炭素材料の供給に不利である。
【0049】
ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)を用いる場合には、周速度40m/s〜80m/sで処理時間を5分〜180分とすることが生コークス粉末に十分な圧縮剪断応力を付与することができ、好ましい。
【0050】
また、生コークス粉末に圧縮剪断応力を付与する処理時の制御温度として、好ましくは60℃〜400℃で行うことが好ましい。特に、処理時の制御温度が150℃〜350℃での運転が望ましい。
【0051】
生コークス粉末に圧縮応力と剪断応力をかける処理は、粒径の小さな粒子を、メカノケミカル反応を利用して核となる粒子表面に複合化する処理であり、微粉の吸収とともに、粒子形状が球形化されていく処理である。したがって、微粉を発生させ、粒径を小さくする粉砕ではない。生コークスは、揮発分を含んでいるため粘着性を有するが、この粘着性は、削られた部分が瞬時に粒子に付着することを容易にするため好ましく作用する。
【0052】
本発明においては、前記で得られた生コークス球形炭素材に炭化処理を行って、炭素質球形炭素材を得ることができる。
【0053】
炭化の方法は、特に限定されないが、通常は、窒素、アルゴン又はヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で最高到達温度800℃〜1600℃、最高到達温度の保持時間0時間〜10時間の加熱処理をする方法を挙げることができる。
【0054】
本発明においては、前記で得られた生コークス球形炭素材又は炭素質球形炭素材に黒鉛化処理を行って、黒鉛質球形炭素材を得ることができる。
【0055】
黒鉛化処理の方法は、特に限定されないが、通常は、窒素、アルゴン又はヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、最高到達温度2000℃〜3200℃、最高到達温度保持時間0時間〜100時間の加熱処理をする方法を挙げることができる。
【0056】
一般に、2800℃以上の黒鉛化温度で加熱処理された黒鉛材料は、結晶化が進行し、異方性の強い結晶構造になっており、負極として使用したリチウムイオン二次電池の容量は大きいが、溶媒共挿入による電解液の分解が生じ易いため、寿命特性が劣化する。しかしながら、本発明によれば、単に、高度に発達した結晶ではなく、特に粒子表面は、結晶等方性が強く、コークス原料を単に原料とした負極材に比べて、結晶構造の中で、還元反応が進み不可逆容量が大きくなる事が緩和され、さらには、等方的結晶のために、レート特性及び寿命特性に有利に働く。そのため、高い容量と高い寿命特性を両立できる。
【0057】
すなわち、本発明に係る生コークス球形炭素材は、炭化及び/又は黒鉛化を経ても球形の粒子形状を維持することができ、該生コークス球形炭素材を用いて製造される炭素成形体は高い強度を得ることができる。
【0058】
本発明に係る炭素質球形炭素材は、黒鉛化を経ても球形の粒子形状を維持することができ、該炭素質球形炭素材を用いて製造される炭素成形体は高い強度を得ることができる。また、本発明に係る炭素質球形炭素材は、球形で等方的な結晶構造を持つ粒子であるため、リチウムイオン二次電池の負極材としても好適である。
【0059】
本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、球形で等方的な結晶構造を持つ粒子であるため、該黒鉛質球形炭素材を用いて製造される炭素成形体は高い強度を得ることができる。また、本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、球形で等方的な結晶構造を持つ粒子であるため、リチウムイオン二次電池の負極材としても好適である。
【実施例】
【0060】
原料である生コークスと球形炭素材の平均粒径は、レーザー散乱式粒度分布測定器、LMS-2000e(マルバーン社製)を使用して測定した。
【0061】
BET比表面積は、マルチソーブ(マルバーン社製)を使用して測定した。
【0062】
球形化率は、粒子が積層しないように、且つ扁平な粒子は扁平面がシートに平行に配列するように塗布したシートを走査型電子顕微鏡(S−4800 日立ハイテク社製)によって平面方向又は立面方向から撮影した画像から、以下の式に基づいて算出した粒子300個の球形度の平均値である。
球形度(%)=(粒子の投影面積/粒子の投影像の最小外接円の面積)×100
【0063】
さらに、本発明においては、走査型電子顕微鏡で観察される粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値をとることにより、一般に炭化又は黒鉛化によって扁平化しやすい球形炭素材を立体的に評価する。
【0064】
粒子の形状維持率は、粒子が積層しないように、且つ扁平な粒子は扁平面がシートに平行に配列するように塗布したシートを走査型電子顕微鏡によって立面方向から撮影した画像を解析した粒子300個の(最小幅/最大長)の平均値から以下の式に基づいて算出したものである。
形状維持率(%)=(加熱後の粒子の最小幅/最大長)/(加熱前の粒子の最小幅/最大長)×100
【0065】
結晶の配向性について透過型電子顕微鏡(HD−2000 日立ハイテク社製)を用いた暗視野観察により、同一の結晶方向を向いた結晶ドメインの面積で評価した。同一の結晶方向を向いた結晶ドメインの面積は、黒鉛質粒子を集束イオンビームにて削り、透過型電子顕微鏡を用いて撮影した粒子断面の暗視野像(256階調のグレースケール画像)をランダムに5ヶ所選択し、しきい値を100として2値化して求めた平均値とした。
【0066】
透過型電子顕微鏡を用いた暗視野観察では、電子線が試料を通過する際に回折された電子線を結像するため、結晶配向性を測定することができる。暗視野像では、回折された部分、即ち同一の結晶方向を向いた結晶ドメインは明るく見え、それ以外の部分は非常に暗く見える。
【0067】
本発明に係る黒鉛質球形炭素材を負極材としてリチウムイオン二次電池を作製した。
【0068】
<正極の作製>
金属リチウム箔を16mmΦに打ち抜いて正極を作製した。
【0069】
<負極の作製>
負極活物質として、本発明に係る黒鉛質球形炭素材94重量%、導電材としてアセチレンブラックを2重量%、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムを2重量%、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを2重量%とを水溶媒で混合した後、銅箔に塗布し120℃に乾燥した。このシートを16mmΦに打ち抜いた後、1.5t/cmで圧着して負極を作製した。
【0070】
<コインセルの組み立て>
アルゴン雰囲気のグローブボックス中でSUS316L製のケースを用い、上記正極と負極の間にポリプロピレン製のセパレータを介し、さらに1mol/LのLiPFを溶解したECとDMCを体積比1:2で混合した電解液を注入して2032型のコイン電池を作製した。
【0071】
<電池評価>
前記コイン型電池を用いて、二次電池の充放電試験を行った。25℃の恒温槽中で、カットオフ電圧が0.01Vから1.5Vの間で、1/5Cの測定条件で充放電を5サイクル繰り返し、第5サイクル目の放電容量を可逆容量とした。
【0072】
実施例1−1
ニードルコークスを平均粒径が10μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を12%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP15型(日本コークス工業社製)で処理温度を150℃とし、周速80m/sにて、120分間球形化処理を行い、風力分級器にて7μm以下の粒子を分級して除いて、生コークス球形炭素材を得た。
得られた生コークス球状炭素材の特性を表1に示す。
【0073】
実施例1−2
ニードルコークスを平均粒径が7μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を10%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP130型(日本コークス工業社製)で処理温度を340℃とし、周速90m/sにて、60分間球形化処理を行い、風力分級器にて3μm以下の粒子を分級して除いて、生コークス球形炭素材を得た。
【0074】
実施例1−3
モザイクコークスを平均粒径が6.4μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を10%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP130型(日本コークス工業社製)で処理温度を240℃とし、周速90m/sにて、75分間球形化処理を行い、風力分級器にて3μm以下の粒子を分級して除いて、生コークス球形炭素材を得た。
【0075】
実施例1−4
ニードルコークスを平均粒径が7μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を20%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をハイブリダイゼーションシステムNHS−1型(奈良機械製作所製)で処理温度を65℃とし、周速60m/sにて、20分間球形化処理を行い、風力分級器にて3μm以下の粒子を分級して除いて、生コークス球形炭素材を得た。
【0076】
実施例1−5
ニードルコークスを平均粒径が10μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を12%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP130型(日本コークス工業社製)で処理温度を230℃とし、周速80m/sにて、60分間球形化処理を行い、風力分級器にて5μm以下の粒子を分級して除いて、生コークス球形炭素材を得た。
【0077】
実施例1−6
ニードルコークスを平均粒径が10μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を12%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP130型(日本コークス工業社製)で処理温度を350℃とし、周速90m/sにて、30分間球形化処理を行い、風力分級器にて5μm以下の粒子を分級して除いて、生コークス球形炭素材を得た。
【0078】
比較例1−1
ニードルコークスを平均粒径が12μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を1%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をCOMPOSI CP15型(日本コークス工業社製)で処理温度を170℃とし、周速80m/sにて、120分間球形化処理を行い、風力分級器にて3μm以下の粒子を分級して除いて、生コークス球形化炭素材を得た。
【0079】
比較例1−2
ニードルコークスを平均粒径が12μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を1%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末を得た。
【0080】
比較例1−3
ニードルコークスを平均粒径が16μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を2.5%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末を得た。
【0081】
比較例1−4
ニードルコークスを平均粒径が12μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を1%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をノビルタ NOB−130型(ホソカワミクロン社製)で処理温度を50℃とし、周速20m/sにて、30分間球形化処理を行い、生コークス球形炭素材を得た。
【0082】
比較例1−5
ニードルコークスを平均粒径が16μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を2.5%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をノビルタ NOB−700型(ホソカワミクロン社製)で処理温度を98℃とし、周速20m/sにて、120分間球形化処理を行い、生コークス球形炭素材を得た。
【0083】
比較例1−6
ニードルコークスを平均粒径が16μmであって、平均粒径の1/3以下の粒径の微粉を2.5%含むように粉砕及び分級した生コークス粉末をノビルタ NOB−130型(ホソカワミクロン社製)で処理温度を60℃とし、周速20m/sにて、30分間球形化処理を行い、生コークス球形炭素材を得た。
【0084】
【表1】

【0085】
実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−6で得られた生コークス球形炭素材について、それぞれ、不活性ガス雰囲気下で1200℃にて300分間炭化処理を行い、実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−6の炭素質球形炭素材を得た。得られた炭素質球状炭素材の特性を表2に示す。
【0086】
【表2】

【0087】
さらに、実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−6で得られた炭素質球形炭素材について、それぞれ、不活性ガス雰囲気下で2800℃にて60分間黒鉛化処理を行い、実施例3−1〜3−6及び比較例3−1〜3−6の黒鉛質球形炭素材を得た。得られた黒鉛質球状炭素材の特性を表3に示す。
【0088】
【表3】

【0089】
実施例1−1の生コークス球形炭素材と実施例3−1の黒鉛質球形炭素材の走査型電子顕微鏡像を図1〜4に示した。実施例1−1の生コークス球形炭素材は、炭化及び黒鉛化を経た後の形状維持率が100%であった。従って、本発明に係る球形炭素材は、炭化及び黒鉛化を経ても球形の粒子形状を維持していることが確認できる。一方、比較例1−2の生コークス炭素材は、炭化及び黒鉛化を経た後の形状維持率が59%であり、従来言われていたように、コークス原料を原料にして炭化及び黒鉛化を行った場合には、六角網平板の結晶構造が発達して、粒子形状が薄状化していくという現象が確認された。
【0090】
比較例1−1は、平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を十分に含まない生コークス粉末を用いて球形化処理を行った炭素材であるが、表1に示すように球形化率が低いものであった。
【0091】
本発明の黒鉛質球形炭素粒子の結晶配向性として、同一方向を向いた結晶のドメイン面積の割合を表3に示す。MCMB及びその黒鉛化材の結晶構造は、一定方向に分子が配列したラメラ構造をとるものであるが(非特許文献1)、本発明の黒鉛質球形炭素材は、粒子1つとしても等方的結晶の要素を示し、特殊炭素材にしたときにも強度の点で有利に働くと考えられる。
【0092】
また、比較例1−2及び1−3のように、粉砕したニードルコークス粉末を球形化処理を行わずに黒鉛化した場合には、同一方向を向いた結晶のドメイン面積が大きな値を示し、異方性の強い材料になっていることが分かる。一方、実施例1のように、今回発明の製法で炭素材料を製造すると、同一方向を向いた結晶のドメイン面積が小さくなり、等方性の強い結晶構造になっていることが分かる。
【0093】
また、実施例1−2及び1−3に示されるように、本発明に係る製造方法は、生コークス原料が粒径の小さい粒子であっても適用が可能であった。一般に小さく粉砕されたコークス原料は、原料の結晶粒界に沿って、剥片化し易く、黒鉛化した場合には、結晶的にも異方性の強い材料になると言われてきた。しかしながら、本発明に係る製造方法によれば、粒径の小さい粒子であっても黒鉛化後に球形の形状が保たれている。
【0094】
また、実施例1−3に示されるように、原料にモザイクコークスを用いた場合であっても、本発明の製造方法が有効に働くことが確認できる。通常、モザイクコークスも粉砕や熱処理をすることで、結晶に沿って剥片化した粒子となり易いが、本発明の製造方法によれば、球形度が高く、熱処理前後での形状維持率が極めて高い球形炭素材を得ることができる。
【0095】
本発明の黒鉛質球形炭素材は、電池の可逆容量として、実施例3−2は334mAh/g、実施例3−4は344mAh/g、実施例3−5は322mAh/gであり、300mAh/g以上の値を示している。従来より存在する球状の黒鉛化炭素として、代表的には、MCMBが挙げられるが、非特許文献1にも示されるように、製法に起因する性状のため、黒鉛化温度を高くしても中々可逆容量が大きくならないことは一般的に言われていることである。本発明の黒鉛質球形炭素材は、球形で等方的な結晶構造を持つ粒子であるため、電池の可逆容量が向上し、リチウムイオン二次電池の負極材に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明によれば、結晶構造が等方的粒子であって、高密度に充填が可能な球形炭素材を得ることができる。本発明に係る球形炭素材は炭化又は黒鉛化を経ても球形の粒子形状を維持することができ、当該材料を用いて製造される炭素成形体は高い強度を得ることができる。
また、本発明に係る黒鉛質球形炭素材は、球形で等方的な結晶構造を持つ粒子であるため、リチウムイオン二次電池用負極活物質としても好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査型電子顕微鏡で観察される粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値が60%以上の生コークス球形炭素材であって、1200℃で5時間の加熱と2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である生コークス球形炭素材。
【請求項2】
走査型電子顕微鏡で観察される粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値が55%以上の炭素質球形炭素材であって、2800℃で3時間の加熱を経た後の形状維持率が70%以上である炭素質球形炭素材。
【請求項3】
走査型電子顕微鏡で観察される粒子の平面方向の球形化率と立面方向の球形化率との平均値が50%以上であり、透過型電子顕微鏡で観察される同一の結晶方向を向いた結晶ドメインの面積が80%以下である黒鉛質球形炭素材。
【請求項4】
平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含む生コークス粉末に圧縮せん断応力を加えて、乾式で造粒球形化処理を行う請求項1記載の生コークス球形炭素材の製造方法。
【請求項5】
平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含む生コークス粉末に圧縮せん断応力を加えて、乾式で造粒球形化処理を行って得られた生コークス球形炭素材を炭化する請求項2記載の炭素質球形炭素材の製造方法。
【請求項6】
平均粒径(D50)の1/3以下の粒径の粒子を5%以上含む生コークス粉末に圧縮せん断応力を加えて、乾式で造粒球形化処理を行って得られた生コークス球形炭素材を黒鉛化する請求項3記載の黒鉛質球形炭素材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−79173(P2013−79173A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220554(P2011−220554)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000166443)戸田工業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】