説明

球検査用転がし装置

【課題】球径の大きさの変化に対応できる球検査用転がし装置を提供する。
【解決手段】複数の球55を載置する載置用台と、複数の球55を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠30と、枠を水平面内の直行する2方向へ移動可能に案内する案内装置70とからなる球検査用転がし装置であって、枠30に球55との縦方向の距離を詰める縦方向調整板36を縦方向に移動可能に設け、枠30に球55との横方向の距離を詰める横方向調整板35を横方向に移動可能に設け、縦方向調整板36および横方向調整板35を枠に固定する固定装置38を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球を転がして目視検査するのに最適な球検査用転がし装置に関する。
【背景技術】
【0002】
玉軸受に使用される球は、材質の面で鋼製およびセラミックス製の2種類があり、鋼製のものはカメラで捉えた画像を処理することにより、球の色、傷等の不具合を発見している。光の反射の関係上、鋼製はカメラで白っぽく捕えられるのに対し、セラミックス製はカメラで黒っぽく捕えられるので、セラミックス製の球は、球の色、傷等の不具合を発見しにくい。
【0003】
セラミックス製の球は、1個1個転がすと球の色、傷等の不具合を発見しにくいので、複数の球を転がして目視で一際異なるものを見つける方法を採用している。この方法を採用した球検査用転がし装置として、図16(特許文献1)に示すようなものがある。図16の(1)は、球検査用転がし装置の平面図であり、図19の(2)は、(1)のF−F線断面図である。このものは、ガイド板120の各ガイド穴123に球130を入れてこれらの球130をパッド110上に載せ、ガイド板120をガイド溝121、122およびピン111、112、113に倣って動かすことにより、各球130を一斉に図16の(1)の左下がりの方向に転がし、続いて左上がりの方向に転がし、左下がりの方向に転がし、左上がりの方向に転がし、最後に左下がりの方向に転がすことができる。これを使用すれば、誰が行っても同じ転がしを球に与えることができ、熟練度によるバラツキを無くすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4654269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図16に示す球検査用転がし装置は、球径が大きくなると、球130がガイド穴123に入らなくなる。逆に、球径が小さくなると、球130およびガイド穴123間の隙間が大きくなり、ガイド板120を動かしても球130がすぐに転がらない。つまり球径の大きさの変化に対応できない。本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、球径の大きさの変化に対応できる球検査用転がし装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、複数の球を載置する載置用台と、前記複数の球を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠と、前記枠を水平面内の直交する2方向へ移動可能に案内する案内装置とからなる球検査用転がし装置であって、前記枠に前記球との縦方向の距離を詰める縦方向調整板を縦方向に移動可能に設け、前記枠に前記球との横方向の距離を詰める横方向調整板を横方向に移動可能に設け、前記縦方向調整板および前記横方向調整板を前記枠に固定する固定装置を設けたものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、複数の球を載置する載置用台と、前記複数の球を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠と、前記載置用台および前記枠を水平面内の直交する2方向へ相対移動させる移動装置とからなる球検査用転がし装置であって、前記枠に前記球との縦方向の距離を詰める縦方向調整板を縦方向に移動可能に設け、前記枠に前記球との横方向の距離を詰める横方向調整板を横方向に移動可能に設け、前記縦方向調整板および前記横方向調整板を前記枠に固定する固定装置を設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、球径の大きさの変化に対応できる球検査用転がし装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態における球検査用転がし装置の全体平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態において球検査用転がし装置の図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態において球検査用転がし装置の図1のB−B線断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態において球検査用転がし装置の図1のC−C線断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における球検査用転がし装置の縦方向1回転、横方向1回転後の状態図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における球検査用転がし装置の縦方向90度回転、横方向45度回転、縦方向90度回転後の動作図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における球検査用転がし装置の球径変化対応の状態図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における球検査用転がし装置の平面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態において図13のD矢視図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における入出力装置の画面の状態図である。
【図11】本発明の第2の実施形態において球径入力のフロー図である。
【図12】本発明の第2の実施形態において検査用球転がし動作のフロー図である。
【図13】本発明の第2の実施形態において第2移動台移動のフロー図である。
【図14】本発明の第2の実施形態において第1移動台移動のフロー図である。
【図15】本発明の第2の実施形態における球の転がり状態を示す状態図である。
【図16】従来におけるガイド板タイプの球検査用転がし装置の全体図であり、(1)は平面図であり、(2)は(1)のF−F線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図7を参酌しつつ説明する。図1は球検査用転がし装置の平面図であり、図2は図1のA−A線断面図であり、図3は図1のB−B線断面図であり、図4は図1のC−C線断面図であり、図5は縦方向1回転、横方向1回転後の状態図であり、図6は縦方向90度回転、横方向45度回転、縦方向90度回転後の状態図であり、図7は球径変化対応の状態図である。
【0011】
図1および図2に示すように、球検査用転がし装置は、複数の球55を載置する載置用台11と、複数の球55を縦横複数列に内側に配置する四角形状の内枠30と、内枠30の外側の周囲面に接触して内枠30を縦横の2方向に案内する外枠70と、外枠70の外側の周囲面に接触して外枠70を縦横の2方向に案内する大外枠80からなっている。
【0012】
載置用台11は、上から見ると四角形状を有し、横から見ると所定の肉厚を有する金属製の板材である。載置用台11は凹凸の非常に少ない上面を有し、この上面にゴム製の薄板状のパット12が載置されている。載置用台11には、ゴム製のパッド12を介して球55、内枠30、外枠70および大外枠80が載置されている。
【0013】
内枠30は、金属製で四角形状の枠状のもので、この内側に球55が縦4列、横5列配置される。内枠30は、左右方向に延びる左右板31、34と、前後方向に延びる前後板32、33とからなる。内枠30は、左右板31、34の両端に連結ボルト37で前後板32、33を連結した簡単なものである。
【0014】
左右板31、34の両端には、上下方向に等間隔に嵌合溝31dが形成され、嵌合溝31d間で嵌合突起31eが形成されている。同じ様に、前後板32、33の両端には、上下方向に等間隔に嵌合溝32d、33dが形成され、嵌合溝32d、33d間で嵌合突起32e、33eが形成されている。嵌合溝31dは嵌合突起32e、33eに対応する位置に形成され、嵌合溝32d、33dは嵌合突起31eに対応する位置に形成されている。この結果、嵌合溝31dに嵌合突起32e、33eが嵌り、嵌合溝32d、33dに嵌合突起31eが嵌る。上部の嵌合突起32e、33eには、上下方向に貫通した挿通穴32f、33fが形成され、上部の嵌合突起31eには挿通穴32f、33fに対応する位置でネジ穴31gが形成されている。連結ボルト37を、挿通穴32f、33fに挿通し、さらにネジ穴31gにねじ込むことによって、左右板31、34および前後板32、33を一体化できるようになっている。
【0015】
図1、図3および図4に示すように、前後板32、33の前側には、第1縦方向調整板36が前後方向に移動可能に案内され、左右板31、34の右側には、第1横方向調整板35が左右方向に移動可能に案内されている。前後板32、33の前側には、前後方向に案内溝32b、33bが形成され、第1縦方向調整板36の前後板32側の一端には、案内溝32b側へ突出してこれに係合する案内部36bが形成されている。左右板31、34の右側には、左右方向に案内溝31b、34bが形成され、第1横方向調整板35の左右板31側の一端には、案内溝31b側へ突出してこれに係合する案内部35bが形成されている。可動用左右板36および可動用前後板35が互いに干渉しないように、第1縦方向調整板36の右側に櫛の歯36aが形成され、第1横方向調整板35の前側に櫛の歯35aが形成され、歯36aおよび歯35aは互いに上下方向にずれて設けられている。歯35aは案内溝34bに係合し、歯36aは案内溝33bに係合している。案内溝34bの延長線上に嵌合溝34dが形成され、案内溝33bの延長線上に嵌合溝33dが形成されている。
【0016】
前後板32、33の前側上部には、上下方向に貫通し前後方向に縦長の長穴32a、33aが形成されている。案内部36bおよび歯36aには、ネジ穴36cが形成されている。調整ボルト38を長穴32a、33aに挿通し、ネジ穴36cにねじ込むことにより、第1縦方向調整板36が前後板32、33に固定されるようになっている。
【0017】
左右板31、34の右側上部には、上下方向に貫通し左右方向に横長の長穴31a、34aが形成されている。案内部35bおよび歯35aには、ネジ穴35cが形成されている。調整ボルト38を長穴31a、31aに挿通し、ネジ穴35cにねじ込むことにより、第1横方向調整板35が左右板31、34に固定されるようになっている。
【0018】
図1ないし図4に示すように外枠70は、金属製で四角形状の枠状のもので、内枠30の外側の周囲面に接触して、内枠30を縦横に移動可能に案内する機能を有する。外枠70は、左右方向に延びる左右板71、74と、前後方向に延びる前後板72、73とからなる。外枠70は、左右板71、74の両端に連結ボルト77で前後板72、73を連結した簡単なものである。
【0019】
左右板71、74の両端には、左右板31、34と同様に嵌合溝および嵌合突起が上下方向に交互に形成されている。前後板72、73の両端には、前後板32、33と同様に嵌合溝および嵌合突起が上下方向に交互に形成されている。左右板71、74の嵌合溝に前後板72、73の嵌合突起が嵌り、前後板72、73の嵌合溝に左右板71、74の嵌合突起が嵌り、左右板71、74の嵌合突起および前後板72、73の嵌合突起を連結ボルト77を介して互いに連結することにより、前後板72、73および左右板71、74を一体化している。
【0020】
外枠70は、後述する大外枠80に対して図1の左下の位置に固定、あるいは、図6の右下の位置に固定できるようになっている。このために左右板71、74に上下方向に貫通しかつ左右方向に横長の長穴74hを有し、載置用台11にネジ穴11aが形成されている。長穴74hに挿通し、ネジ穴11aに固定ボルト79をねじ込むことにより、外枠70は載置用台11に固定されるようになっている。
【0021】
前後板72、73の前側には、第2縦方向調整板76が前後方向に移動可能に案内され、左右板71、74の右側には、第2横方向調整板75が左右方向に移動可能に案内されている。前後板72、73の前側には、前後方向に案内溝72bが形成され、左右板71、74の右側には、左右方向に図略の案内溝が形成されている。第2縦方向調整板76および第2横方向調整板75が互いに干渉しないように、第2縦方向調整板76の右側に櫛の歯76aが形成され、第2横方向調整板75の前側に図略の櫛の歯が形成され、両方の櫛の歯は、互いに上下方向にずれて設けられている。第2縦方向調整板76の左端および第2横方向調整板75の後ろ端には、前記案内溝に係合する案内部が形成されている。案内溝、案内部および櫛の歯によって、前後板72、73の前側に、第2縦方向調整板76が前後方向に移動可能に案内支持され、左右板71、74の右側に、第2横方向調整板75が左右方向に移動可能に案内支持される。
【0022】
前後板72、73の前側上部には、上下方向に貫通し前後方向に縦長の長穴72a、73aが形成されている。案内部および歯には、図略のネジ穴が形成されている。調整ボルト78を長穴72a、73aに挿通し、ネジ穴にねじ込むことにより、第2縦方向調整板76が前後板72、73に固定されるようになっている。
【0023】
左右板71、74の右側上部には、上下方向に貫通し左右方向に横長の長穴71a、74aが形成されている。案内部および歯には、図略のネジ穴が形成されている。調整ボルト78を長穴71a、71aに挿通し、ネジ穴にねじ込むことにより、第2横方向調整板75が左右板71、74に固定されるようになっている。
【0024】
前後板72および第2横方向調整板75によって内枠30は前後方向に移動可能に案内され、左右板71および第2縦方向調整板76によって内枠30は左右方向に移動可能に案内されるようになっている。
【0025】
図1および図4に示すように、大外枠80は、金属製で四角形状の枠状のもので、外枠70の外側の周囲面に接触して、外枠30を縦横に移動可能に案内する機能を有する。大外枠80は、左右方向に延びる左右板81、84と、前後方向に延びる前後板82、83とからなる。大外枠80は、左右板81、84の両端に連結ボルト87で前後板82、83を連結した簡単なものである。
【0026】
左右板81、84の両端には、左右板31、34と同様に嵌合溝および嵌合突起が上下方向に交互に形成されている。前後板82、83の両端には、前後板32、33と同様に嵌合溝および嵌合突起が上下方向に交互に形成されている。左右板81、84の嵌合溝に前後板82、83の嵌合突起が嵌り、前後板82、83の嵌合溝に左右板81、84の嵌合突起が嵌り、左右板81、84の嵌合突起および前後板82、83の嵌合突起を連結ボルト87を介して互いに連結することにより、前後板82、83および左右板81、84を一体化している。
【0027】
左右板81、84には、上下方向に貫通した図略の挿通穴が形成されている。載置用台11には、図略のネジ穴が形成され、固定ボルト89を挿通穴に挿通し、ネジ穴にねじ込むことにより、大外枠80が載置用台11に固定されるようになっている。
【0028】
前後板82、83の前側には、第3縦方向調整板86が前後方向に移動可能に案内され、左右板81、84の右側には、第3横方向調整板85が左右方向に移動可能に案内されている。前後板82、83の前側には、前後方向に図略の案内溝が形成され、左右板81、84の右側には、左右方向に図略の案内溝が形成されている。第3縦方向調整板86および第3横方向調整板85が互いに干渉しないように、第3縦方向調整板86の右側に櫛の歯86aが形成され、第3横方向調整板85の前側に図略の櫛の歯が形成され、両方の櫛の歯は、互いに上下方向にずれて設けられている。第3縦方向調整板86の左端および第3横方向調整板85の後ろ端には、前記案内溝に係合する案内部が形成されている。案内溝、案内部および櫛の歯によって、前後板82、83の前側に、第3縦方向調整板86が前後方向に移動可能に案内支持され、左右板81、84の右側に、第3横方向調整板85が左右方向に移動可能に案内支持される。
【0029】
前後板82、83の前側上部には、上下方向に貫通し前後方向に縦長の長穴82a、83aが形成されている。案内部および歯には、図略のネジ穴が形成されている。調整ボルト88を長穴82a、83aに挿通し、ネジ穴にねじ込むことにより、第3縦方向調整板86が前後板82、83に固定されるようになっている。
【0030】
左右板81、84の右側上部には、上下方向に貫通し左右方向に横長の長穴81a、84aが形成されている。案内部および歯には、図略のネジ穴が形成されている。調整ボルト88を長穴81a、81aに挿通し、ネジ穴にねじ込むことにより、第3横方向調整板85が左右板81、84に固定されるようになっている。
【0031】
前後板82および第2横方向調整板85によって外枠70は前後方向に移動可能に案内され、左右板81および第2縦方向調整板86によって外枠70は左右方向に移動可能に案内されるようになっている。
【0032】
載置用台11上のパッド12には、球55の重力が作用し、パッド12自体の摩擦係数が高いので、パッド12に対して球55は転がる。これに対して、球55はセラミックス製で摩擦係数が小さく、内枠30は金属製で摩擦係数が小さいので、内枠30に対し球55は滑る。球55間でも滑りが発生する。すなわち、外枠70に沿って内枠30を縦横に移動させると、球55は内枠30によって縦横方向に押され、球55はパッド12上を転がりながら、球55は内枠30に対して滑り、球55同士で滑りが発生する。
【0033】
前後板72、73は、内枠30を前後方向に移動させたときに、球55が縦方向に1回転する程度の長さを有し、左右板71、74は、内枠30を左右方向に移動させたときに、球55が横方向に1回転する程度の長さを有する。前後板82、83は、内枠30とともに外枠70を前後方向に移動させたときに、球55が縦方向に90度回転する程度の長さを有し、左右板81、84は、内枠30とともに外枠70を前後方向に移動させたときに、球55が横方向に45度回転する程度の長さを有する。
【0034】
外枠70の外側に大外枠80を設けた理由について説明する。球55を縦方向に1回転させ、続いて球55を横方向に1回転させると、見た範囲の重なるところが上下の2箇所に出来る。このまま縦方向に1回転、横方向に1回転させると、同じところを見ることなり、好ましくない。上下の重なった2箇所を軸に45度回転させてから縦方向に1回転、横方向に1回転させると、先ほどと異なるところを見ることができ、球55の全面を見ることが可能となる。前述した横方向に90度回転、縦方向に45度回転、90度回転は、上下の重なった2箇所を軸に直接45度回転させる動作と同じことが得られる動作である。45度回転させる動作を、縦横方向に球をそれぞれ1回転させる1回目の動作と、横縦方向に球をそれぞれ1回転させる2回目の動作間に入れた。
【0035】
次に第1の実施形態の動作について説明する。大外枠80に対し外枠70を図1の左下に置き、固定ボルト79を長穴74hに挿通し、載置用台11の図略のネジ穴にねじ込むことにより、外枠70を載置用台11に固定する。外枠70に対し内枠30を図1の左下に置き、内枠30の外側の周囲面を外枠70の左右板71および前後板72に接触させる。内枠30へ一斉に複数の球55を投入し、第1縦方向調整板36を後ろ側へ移動させ、第1横方向調整板35を左方向へ移動させ、調整ボルト38によって第1縦方向調整板36および第1横方向調整板35を球55との隙間を最小限にした位置に固定する。内枠30の内側に球55を縦4列、横5列配置した図1に示す状態となる。このようにすれば、内枠30を移動させたときに、すぐに球55が転がる。
【0036】
作業者は内枠30を前方向に押し、内枠30を前後板72に沿って前方向へ移動させ、球55を縦方向に1回転させる。内枠30を右方向に押し、内枠30を第2縦方向調整板76に沿って右方向へ移動させ、球55を横方向に1回転させ、図5に示す状態となる。球55上に入った2本線が作業者が見た範囲であり、縦横方向の十字に2本線が入っている。
【0037】
次に固定ボルト79を緩め、外枠70の載置用台11への固定を解除する。内枠30とともに外枠70を前方向に押し、前後板81に沿って外枠70を前方向へ移動させ、球55を縦方向に90度回転させる。内枠30とともに外枠70を右方向に押し、外枠70を第2縦方向調整板86に沿って右方向へ移動させ、球55を横方向に45度回転させる。内枠30とともに外枠70を後ろ方向に押し、第2横方向調整板85に沿って外枠70を後ろ方向へ移動させ、球55を縦方向に90度回転させ、図6に示す状態となる。直交する斜め方向の十字に2本線が入っている。図5に示す状態から上下の重なった範囲を軸に45度回転した状態と同じになったことが分かる。
【0038】
続いて固定ボルト79を長穴74hに挿通して載置用台11のネジ穴にねじ込み、外枠70を載置用台11に固定する。内枠30を後ろ方向に押し、内枠30を横調整用板75に沿って後ろ方向へ移動させ、球55を縦方向に1回転させる。内枠30を左方向に押し、内枠30を左右板71に沿って左方向へ移動させ、球55を横方向に1回転させる。これによって、縦横方向の十字に2本線が入り、直交する斜め方向の十字の2本線と合わさり、重なりを最低限にしながら見落としなく球55の全面を効率良く見ることができる。
【0039】
図7に示すように、球径の大きい球55を内枠30に投入するときは、第1縦方向調整板36を前側へ移動させ、第1横方向調整板35を右側へ移動させ、かかる状態で内枠30に球55を投入する。この後、縦方向調整板35を後ろ側へ移動させて球55との隙間を最小限にし、横方向調整板36を左側へ移動させて球55との隙間を最小限にする。かかる位置で縦方向調整板35および横方向調整板36を調整ボルト38により固定する。このようにすれば、内枠30を移動させたときに球55がすぐに転がる。
【0040】
球径が大きくなったことに伴い、第2縦方向調整板76を前側へ移動させ、第2横方向調整板75を右側へ移動させ、かかる位置で縦方向調整板75および横方向調整板76を調整ボルト78により固定する。第2縦方向調整板76および前後板34間には、内枠30を移動させたときに、球径が大きくなった球55が縦方向に1回転する程度の距離を有する。第2横方向調整板75および左右板33間には、内枠30を移動させたときに、球径が大きくなった球55が横方向に1回転する程度の距離を有する。このようにすれば、球径の変化にも関わらず球の回転量を一定にできる。
【0041】
球径が大きくなったことに伴い、第3縦方向調整板86を前側へ移動させ、第3横方向調整板85を右側へ移動させ、かかる位置で第3縦方向調整板85および第3横方向調整板86を調整ボルト88により固定する。第3縦方向調整板86および前後板74間には、外枠70とともに内枠30を移動させたときに、球径が大きくなった球55が縦方向に90度回転する程度の距離を有する。第3横方向調整板85および左右板73間には、第3縦方向調整板86および前後板74間には、外枠70とともに内枠30を移動させたときに、球径が大きくなった球55が横方向に45度回転する程度の距離を有する。このようにすれば、球径の変化にも関わらず球の回転量を一定にできる。
【0042】
本発明の第2の実施形態について、図8ないし図15を参酌しつつ説明する。図8は球検査用転がし装置の平面図であり、図9は図8のD矢視図であり、図10は入出力装置の画面の状態図であり、図11は球径入力のフロー図であり、図12は検査用球転がし動作のフロー図であり、図13は第2移動台移動のフロー図であり、図14は第1移動台移動のフロー図であり、図15は球の転がり状態を示す状態図である。
【0043】
図8および図9に示すように、球検査用転がし装置10は、床面に設置された図略の下部支持台と、この下部支持台上に載置された上部支持台11と、上部支持台11に前後方向に移動可能に設けられた第1移動台12と、第1移動台12を前後方向に駆動する第2駆動装置40と、第1移動台12に左右方向に移動可能に設けられた第2移動台13と、第2移動台13を左右方向に駆動する第1駆動装置20と、第1駆動装置20および第2駆動装置40を制御する制御装置51と、動作プログラムおよび球径等のデータを入力する入出力装置52とからなっている。
【0044】
上部支持台11は、水平な面を有する板状で金属製のテーブルであり、上部支持台11は、金属製で凹凸の非常に少ない上面を有し、この上面に前後方向が長手方向となるように一対の案内レール41が設置されている。各案内レール41に一対のボール保持器42が前後方向に移動可能に案内され、これらのボール保持器42上に第2移動台12が設置されている。第2移動台12は、水平な面を有する板状で金属製のテーブルであり、第2移動台は、金属製で凹凸の非常に少ない上面を有し、この上面に左右方向が長手方向となるように一対の案内レール21が設置されている。各案内レール21に一対のボール保持器22が左右方向に移動可能に案内され、これらのボール保持器22上に第1移動台13が設置されている。第1移動台13は、水平な面を有する板状で金属製のテーブルであり、第1移動台13は、金属製で凹凸の非常に少ない上面を有する。第1移動台13上には四角形状の枠30が設けられ、この枠30は固定ブラケット14を介して上部支持台11に固定されている。
【0045】
枠30は、第1の実施形態にて説明した内枠30と同様なものであるので、説明を省略し、同一番号を付与する。
【0046】
図8および図9に示すように、第1駆動装置20は、枠30に連結されたネジ軸23と、ネジ軸23に螺合する第2プーリ24と、第2プーリ24と平行に設けられた第1プーリ25と、第1プーリおよび第2プーリ24に掛け渡された駆動ベルト26と、第1プーリ25を回転駆動する第1モータ27と、第1モータ27に印加する電流を制御する第1駆動回路53とからなっている。
【0047】
第1移動台13の右側面には第1案内部材28が固定され、第1案内部材28には前後方向に案内溝29が形成されている。ネジ軸23の一端には、案内溝29へ突出しこれに係合する係合部23aが形成されている。案内溝29に係合部23aが係合することにより、ネジ軸23の左右方向の移動を第1移動台13に伝えることができ、ネジ軸23に対する第1移動台13の前後方向の移動を許容することができる。第1プーリ25および第2プーリ24は、上部支持台11に取り付けられた図略の第1ブラケットを介して回転可能に軸承されている。第1ブラケットには第1モータ27が取付けられ、第1モータ27はこれの回転量を第1駆動回路53へ出力できるサーボモータタイプのものが使用される。第1駆動回路53は制御装置51からの移動指令量を受け取り、この移動指令量に応じた電流を発生させるものである。
【0048】
第2駆動装置40は、枠30に連結されたネジ軸43と、ネジ軸43に螺合する第2プーリ44と、第2プーリ44と平行に設けられた第1プーリ45と、第1プーリ45および第2プーリ44に掛け渡された駆動ベルト46と、第1プーリ45を回転駆動する第2モータ47と、第2モータ47に印加する電流を制御する第2駆動回路54とからなっている。
【0049】
第1移動台13の後ろ側面には第2案内部材48が固定され、第2案内部材48には左右方向に案内溝49が形成されている。ネジ軸43の一端には、案内溝49へ突出しこれに係合する係合部43aが形成されている。案内溝49に係合部43aが係合することにより、ネジ軸43の前後方向の移動を第1移動台13に伝えることができ、ネジ軸43に対する第1移動台13の左右方向の移動を許容することができる。第1プーリ45および第2プーリ44は、上部支持台11に取り付けられた図略の第2ブラケットを介して回転可能に軸承されている。第2ブラケットには第2モータ47が取付けられ、第2モータ47はこれの回転量を第2駆動回路54へ出力できるサーボモータタイプのものが使用される。第2駆動回路54は制御装置51からの移動指令量を受け取り、この移動指令量に応じた電流を発生させるものである。
【0050】
制御装置51は、例えばパソコン本体のマザーボードにコントロールボードを差し込んだものが使用される。コントロールボードには、第1駆動回路53および第2駆動回路54が接続される。パソコン本体には、後述するメイン画面および設定画面を表示する表示プログラムと、コントロールボードを作動させる動作プログラムと、球55の外径等のデータを格納する格納プログラムと、球55の外径等のデータとが格納されている。
【0051】
入出力装置52は、例えばパソコンのマウス、キーボードおよび液晶画面が使用される。液晶画面には、図10の(1)に示すようなメイン画面、または図10の(2)に示すような設定画面が表示されるようになっている。メイン画面には、移動台原点移動ボタン56a、検査用球転がしボタン56b、設定ボタン56c、第2移動台各個動作の+ボタン、−ボタン、第1移動台各個動作の+ボタン、−ボタンが設定されている。設定ボタン56cを押すと設定画面へ移るようになっている。設定画面には、球径D入力項目57a、第2移動台の減速比m入力項目57b、第1移動台の減速比n入力項目57c、第2移動台の速度入力項目、第1移動台の速度入力項目、前画面ボタン56dが設定されている。前画面ボタン56dを押すとメイン画面に戻るようになっている。
【0052】
制御装置51には、図11のフローに示すような格納プログラムが入っており、設定画面で球径D入力項目57aに球径Dを入力し、エンターを押すと球径Dが格納されるようになっている。
【0053】
制御装置51には、図12のフローに示すような球検査用球転がし動作プログラムが入っており、メイン画面で検査用球転がしボタン56bを押すと、この動作プログラムが実行されるようになっている。
【0054】
制御装置51には、図13のフローに示すような第2移動台動作プログラムが入っており、図12のステップ60a、60d、60fを実行するときに、図13のフローに従って実行されるようになっている。
【0055】
制御装置51には、図14のフローに示すような第1移動台動作プログラムが入っており、図12のステップ60b、60c、60e、60gを実行するときに、図14のフローに従って実行されるようになっている。
【0056】
制御装置51には、第1移動台原点移動動作プログラムおよび第2移動台原点移動動作プログラムが入っており、メイン画面で移動台原点移動ボタン56aを押すと、これらの動作プログラムがほぼ同時に実行されるようになっている。
【0057】
第1移動台12には図略のゴム製のパッドが載置され、パッドには、球55の重力が作用し、パッド自体の摩擦係数が高いので、パッドに対して球55は転がる。これに対して、球55はセラミックス製で摩擦係数が小さく、枠30は金属製で摩擦係数が小さいので、枠30に対し球55は滑る。球55間でも滑りが発生する。すなわち、パッドを前後方向に移動させると、球55は枠30によって前後方向の移動が止められているので、球55はパッド上を転がりながら、球55は枠30に対して滑り、球55同士で滑りが発生する。また、パッドを左右方向に移動させると、球55は枠30によって左右方向の移動が止められているので、球55はパッド上を転がりながら、球55は枠30に対して滑り、球55同士で滑りが発生する。
【0058】
次に第2の実施形態の動作について説明する。第1移動台13が図8の右にあり、第2移動台12が図8の上にある状態で、枠30へ一斉に複数の球55を投入し、可動用左右板36を後ろ側へ移動させ、可動用前後板35を左側へ移動させ、可動用左右板36および可動用前後板35をこの位置で固定ボルト38により固定する。こうして枠30の内側に球55が縦4列、横5列配置され、図8に示す状態となる。
【0059】
作業者は、図10の(1)のメイン画面で設定ボタン56cを押す。図10の(2)の設定画面となり(図11のステップ63a)、球径D入力項目57aへ球径をキーボートを使用して入力する(ステップ63b)。キーボードのエンターキーを押すと、ステップ63cでYesとなり、球径Dが制御装置51のメモリに格納される(ステップ63d)。
【0060】
続いて作業者は、設定画面の前画面ボタン56dを押し、図10の(1)のメイン画面に切り替える。メイン画面の検査用球転がしボタン56bを押し、図12のフローに示す球検査用球転がし動作プログラムが実行される。ステップ60a、60d、60dの実行時に図13の第2移動台動作プログラムが実行され、ステップ60b、60c、60e、60gの実行時に図14の第1移動台動作プログラムが実行される。
【0061】
第2移動台動作プログラムで球55を1回転させる場合は、k=1であり、球55を45度回転させる場合は、k=0.125である。
【0062】
図13を使用して例えば第2移動台12の移動により球55を1回転させる場合を説明する。球径Dが呼び出され(ステップ61a)、球径Dおよびk=1により枠の移動量Sが算出される(ステップ61b)。第2移動台の減速比mが呼び出され(ステップ61c)、移動量Sおよび減速比mにより第2移動台12の移動指令量Pが算出される(ステップ61d)。制御装置51から第2駆動回路54へ移動指令量Pが送信され(ステップ61e)、この移動指令量Pに応じた電流が第2駆動回路54から第2モータ47に印加される。図8において、第2モータ47は第1プーリ45および駆動ベルト46を介して第2プーリ44を回転駆動し、第2プーリ44に螺合するネジ軸43が第1移動台13および第2移動台12とともに後ろ方向へ移動する。これによって、球55が前方向へ1回転する。第2モータ47の回転量信号は、常に第2モータ47より第2駆動回路54へ送信され、移動指令量P分だけ第2モータ47が作動すると、第2駆動回路54から制御装置51へ移動完了指令が送信され、ステップ61fがYesとなると、第2移動台12の現在位置Yが第2移動台12の移動量Sを加算した値に書き換えられる(ステップ61g)。
【0063】
第1移動台動作プログラムで球55を1回転させる場合は、j=1であり、球55を90度回転させる場合は、j=0.25である。
【0064】
図14を使用して例えば第1移動台12の移動により球55を90度回転させる場合を説明する。球径Dが呼び出され(ステップ62a)、球径Dおよびj=0.25により枠の移動量Tが算出される(ステップ62b)。第1移動台の減速比nが呼び出され(ステップ62c)、移動量Tおよび減速比nによりパッドの移動指令量Qが算出される(ステップ62d)。制御装置51から第1駆動回路53へ移動指令量Qが送信され(ステップ62e)、この移動指令量Qに応じた電流が第1駆動回路53から第1モータ27に印加される。図8において、第1モータ27は第1プーリ25および駆動ベルト26を介して第2プーリ24を回転駆動し、第2プーリ24に螺合するネジ軸23が第1移動台13とともに左方向へ移動する。これによって、球55が右方向へ1回転する。第1モータ27の回転量信号は、常に第1モータ27より第1駆動回路53へ送信され、移動指令量Q分だけ第1モータ27が作動すると、第1駆動回路53から制御装置51へ移動完了指令が送信され、ステップ61fがYesとなると、第1移動台13の現在位置Xが第1移動台13の移動量Tを加算した値に書き換えられる(ステップ62g)
【0065】
球検査用球転がし動作プログラムに戻り、図12を使用してこの動作プログラムによる動作を説明する。第2移動台12を後ろ方向へ球1回転分移動させ(ステップ60a)、続いて第1移動台13を左方向へ球1回転分移動させる(ステップ60b)。第1移動台13を左方向へ球90度回転分移動させ(ステップ60c)、第2移動台12を後ろ方向へ球45度回転分移動させ(ステップ60d)、第1移動台13を右方向へ球90度回転分移動させ(ステップ60e)、第2移動台12を前方向へ球1回転分移動させ(ステップ60f)、第1移動台13を右方向へ球1回転分移動させる(ステップ60g)。
【0066】
図15を使用して球55の目視検査状態を説明する。ステップ60aの開始前は、球55は球55aに示す位置にある。ステップ60aによって球55は前方向へ1回転し、ステップ60a後は球55は球55bに示す位置にあり、縦の2本線間が目視検査済となる。ステップ60bによって球55は右方向へ1回転し、ステップ60b後は球55は球55cに示す位置にあり、横の2本線間が新たな目視完了済となる。球55cには縦横の十字の目視完了の2本線が入っている。
【0067】
ステップ60cによって球55は右方向へ90度回転し、ステップ60c後は球55は球55dに示す位置にある。ステップ60dによって球55は前方向へ45度回転し、ステップ60d後は球55は球55eに示す位置にある。ステップ60eによって球55は左方向へ90度回転し、ステップ60e後は球55は球55fに示す位置にある。球55fには直交する2つの斜め方向の十字に2本線が入っている。球55cの状態から球55が45度回転して球55fの状態になったことが分かる。
【0068】
ステップ60fによって球55は後ろ方向へ1回転し、ステップ60f後は球55は球55gに示す位置にあり、縦の2本線間が新たな目視完了済となる。ステップ60gによって球55は左方向へ1回転し、ステップ60g後は球55は球55hに示す位置にあり、横の2本線間が新たな目視完了済となる。球55hには、直交する2つの斜め方向の十字にさらに縦横の十字が入る。このようにすれば、目視範囲の重なりを最低限にしながら見落としなく球55の全面を効率良く見ることができる。また、枠30を移動させないので、作業者の顔を固定して球55を検査することができ、球55の不具合の見落としが少ない。
【0069】
上下の重なった2箇所を軸に45度回転させる理由について詳細に説明する。球55を前方向に1回転させ、続いて球55を右方向に1回転させると、見た範囲の重なるところが上下の2箇所に出来る。このまま前方向に1回転、右方向に1回転させると、同じところを見ることなり、好ましくない。上下の重なった2箇所を軸に45度回転させてから前方向に1回転、右方向に1回転させると、先ほどと異なるところを見ることができ、球55の全面を見ることが可能となる。前述した右方向に90度回転、前方向に45度回転、左方向に90度回転は、上下の重なった2箇所を軸に直接45度回転させる動作と同じことが得られる動作である。45度回転させる動作を、縦横方向に球55をそれぞれ1回転させる1回目の動作と、横縦方向に球をそれぞれ1回転させる2回目の動作間に入れた。
【0070】
球検査用球転がし動作が完了すると、作業者は図6の(1)のメイン画面の移動台原点移動ボタン56aを押す。第1移動台原点移動動作プログラムおよび第2移動台原点移動動作プログラムが順次実行される。これらの動作プログラムが高速処理されるので、実際は第1移動台13および第2移動台12の移動開始が同時に行われたように見える。
【0071】
作業者は、転がる複数の球55を目視し、複数の球55の中から一際異なるものを探す。色、傷等の一際異なるものを発見すると、その場でペン等で球55にマークが入れられる。球55の検査用転がりが完了した時点で、マークの入った球55を異常ボックスへ回収し、マークの入っていない球55を一斉に良品ボックスへ回収する。
【0072】
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0073】
上述した第1の実施形態において、四角形状の外枠70を用いて、枠30を縦横方向に案内した。他の実施形態として、第1前後板、第1左右板、第2前後板、第2左右板、第3前後板に順次連結し、これらの板に沿って枠30を移動させても良い。この場合、球55には、縦方向の1回転、横方向の450度(1回転+90度)回転、縦方向の45度回転、横方向の450度(90度+1回転)回転、縦方向の1回転が順に与えられる。
【符号の説明】
【0074】
12:第2移動台、13:第1移動台(載置用台)、20:第1駆動装置(移動装置)、30:内枠(枠)、35:可動用前後板(横方向調整板)、36:可動用左右板(縦方向調整板)、38:固定ボルト(固定装置)、40:第2駆動装置(移動装置)、55:球、70:外枠(案内装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の球を載置する載置用台と、前記複数の球を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠と、前記枠を水平面内の直交する2方向へ移動可能に案内する案内装置とからなる球検査用転がし装置であって、前記枠に前記球との縦方向の距離を詰める縦方向調整板を縦方向に移動可能に設け、前記枠に前記球との横方向の距離を詰める横方向調整板を横方向に移動可能に設け、前記縦方向調整板および前記横方向調整板を前記枠に固定する固定装置を設けたことを特徴とする球検査用転がし装置。
【請求項2】
複数の球を載置する載置用台と、前記複数の球を縦横複数列に内側に配置する四角形状の枠と、前記載置用台および前記枠を水平面内の直交する2方向へ相対移動させる移動装置とからなる球検査用転がし装置であって、前記枠に前記球との縦方向の距離を詰める縦方向調整板を縦方向に移動可能に設け、前記枠に前記球との横方向の距離を詰める横方向調整板を横方向に移動可能に設け、前記縦方向調整板および前記横方向調整板を前記枠に固定する固定装置を設けたことを特徴とする球検査用転がし装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−104775(P2013−104775A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248553(P2011−248553)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】