説明

球状の水酸化マグネシウム粒子、及び球状の酸化マグネシウム粒子、並びにそれらの製造方法

【課題】分散性に優れた球状の水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子、並びにそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】鱗片状の一次粒子が凝集した球形状であり、細孔分布における、モード容積が1.4ml/mg以上であり、モード径が0.4μm以上である、水酸化マグネシウム粒子、及び酸化マグネシウム粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状の水酸化マグネシウム粒子、及び球状の酸化マグネシウム粒子、並びにそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水酸化マグネシウム粒子、及び酸化マグネシウム粒子は、様々な分野で使用されている。水酸化マグネシウム粒子の用途としては、インクジェット用紙のコーティング剤、難燃剤、蓄熱材料、触媒及び電子材料等が挙げられ、酸化マグネシウム粒子の用途としては、光学材料、インクジェット用紙のコーティング剤、触媒及び電子材料等が挙げられる。
【0003】
水酸化マグネシウム粒子をインクジェット用紙のコーティング剤、難燃剤、蓄熱材料、触媒及び電子材料用途に用いる場合には、以下のことが望まれている。
コーティング剤においては、染料インクが有する多くのOH基と親和性が高いOH基及び多くのマイナス電荷を有する顔料インクに吸着しやすい正電荷を有し、かつ染料が粒子間に染み込みやすい凝集体構造をもつ水酸化マグネシウム粒子が求められている。また、難燃剤、蓄熱材料及び触媒においては、分散性に優れ、高い反応性を示す凝集体構造をもつ水酸化マグネシウム粒子が求められている。さらに、電子材料においては、分散性に優れる小さな水酸化マグネシウム粒子が求められている。
【0004】
酸化マグネシウム粒子を、光学材料、インクジェット用紙のコーティング剤、触媒及び電子材料等の用途に用いる場合には、以下のことが望まれている。
光学材料においては、分散性に優れ、光を拡散しやすい凝集体構造をもつ酸化マグネシウム粒子が求められている。また、触媒においては、分散性に優れ、高い反応性を示す凝集体構造をもつ酸化マグネシウム粒子が求められている。さらに、電子材料においては、分散性に優れる小さな酸化マグネシウム粒子が求められている。
【0005】
特許文献1には、硫酸イオン〔(SO2−〕/マグネシウムイオン〔(Mg)2+〕のイオン濃度比を、0.3〜2.0の範囲にすることにより得られる、2以上の異方向のリーフレット状片が結合および/または交叉した構造を有する球状の水酸化マグネシウム粒子が記載されている。しかし、特許文献1に記載の方法では安定して球状の水酸化マグネシウムができず、板状、及び柱状の水酸化マグネシウムが混在してしまい、このような水酸化マグネシウム粒子は、樹脂等に対する分散性が十分ではないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−261796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の問題を解決し、樹脂等に対する分散性に優れた球状の水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子、並びにそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
本発明者らは、Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物を含む分散液に、2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物は除く)を添加し、さらに有機酸を添加して得られる反応液と、酸化マグネシウム粒子とを混合して、高せん断下で水和反応させることにより、分散性に優れた球状の水酸化マグネシウム粒子が得られることを見出した。
また、本発明者らは、本発明の水酸化マグネシウム粒子を、大気雰囲気中で500℃〜1400℃で焼成することで、球状の酸化マグネシウム粒子が得られることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、鱗片状の一次粒子が凝集した球形状であり、細孔分布における、モード容積が1.4ml/mg以上であり、モード径が0.4μm以上である、水酸化マグネシウム粒子に関する。
本発明は、レーザ回折散乱式粒度分布測定による体積累積の50%粒子径(D50)が0.5〜20μmである、前記に記載の水酸化マグネシウム粒子に関する。
本発明は、吸油量が30ml/100g以上である、前記に記載の水酸化マグネシウム粒子に関する。
本発明は、さらに、Zn、Zr、Hf、及びTiよりなる群から選択される1以上の金属元素を、酸化物換算で0.01〜4.0質量%含み、さらに、2価及び3価の金属元素からなる群より選択される1以上の金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)を、金属元素換算で0.01〜5.0質量%含む、前記に記載の水酸化マグネシウム粒子に関する。
本発明は、鱗片状の一次粒子が凝集した球形状であり、細孔分布における、モード容積が1.4ml/mg以上であり、モード径が0.4μm以上である、酸化マグネシウム粒子に関する。
本発明は、レーザ回折散乱式粒度分布測定による体積累積の50%粒子径(D50)が0.5〜20μmである、前記に記載の酸化マグネシウム粒子に関する。
本発明は、吸油量が30ml/100g以上である、前記に記載の酸化マグネシウム粒子に関する。
本発明は、さらに、Zn、Zr、Hf、及びTiからなる群より選択される1以上の金属元素を、酸化物換算で0.01〜4.0質量%含み、さらに、2価及び3価の金属元素からなる群より選択される1以上の更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)を、金属元素換算で0.01〜5.0質量%含む、前記に記載の酸化マグネシウム粒子に関する。
本発明は、水酸化マグネシウム粒子の製造方法であって、
(a)Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物を含む分散液に、2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物は除く)を添加し、さらに、有機酸を添加して反応液を得る工程、
(b)工程(a)の反応液及び平均粒子径が0.1〜30μmである酸化マグネシウム粒子を混合して、混合液を得る工程、
(ここで、
Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物は、酸化マグネシウム粒子に対して、酸化物換算で、0.1〜5.0質量%であり、
2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物は、酸化マグネシウム粒子に対して、金属元素換算で、0.1〜5.0質量%であり、
有機酸は、酸化マグネシウム粒子100gに対して、0.01〜3.0molである)
(c)工程(b)の混合液を、50〜100℃の温度で、周速が7〜20m/sである撹拌機を用いて混合する工程、
(d)30〜100℃の温度で、長時間撹拌して水酸化マグネシウムスラリーを得る工程、
及び
(e)工程(d)の水酸化マグネシウムスラリーをろ過、水洗、乾燥させて、水酸化マグネシウム粒子を得る工程
を含む、水酸化マグネシウム粒子の製造方法に関する。
本発明は、工程(b)の混合液における、酸化マグネシウムの濃度が20〜200g/Lである、前記に記載の水酸化マグネシウム粒子の製造方法に関する。
本発明は、酸化マグネシウム粒子の製造方法であって、前記に記載の水酸化マグネシウム粒子又は前記に記載の方法により得られた水酸化マグネシウム粒子を、大気雰囲気中で、500〜1400℃で焼成する工程を含む、酸化マグネシウム粒子の製造方法に関する。
【0010】
本発明の水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子は、高い分散性を有し、様々な分野に有用である。また、本発明の製造方法によれば、水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の水酸化マグネシウム粒子の電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の水酸化マグネシウム粒子は、鱗片状の一次粒子が凝集した球形状であり、細孔分布のモード容積が1.4ml/mg以上であり、モード径が0.4μm以上である。本発明において、一次粒子の形状は鱗片状であり、鱗片の厚み(短軸)が、例えば0.01〜0.1μmであり、厚みに対する鱗片の最大長さの比率(アスペクト比)が、例えば10〜1000である。このような一次粒子が凝集した球形状の粒子は、均一な細孔が粒子表面に存在し、従来の製造方法により得られる六角板状の水酸化マグネシウム粒子に比べて、液体及び気体分子の吸着性が高く、形状が球状であることから樹脂等に対する分散性が高い。また、このようなモード径を有する水酸化マグネシウム粒子を用紙のコーティング剤として使用した場合、インクの定着性及び吸収性が良好である。さらに、このようなモード容積を有する水酸化マグネシウム粒子は、球状を構成している鱗片状の水酸化マグネシウムが密集しすぎないため、インクの吸着性が良好である。本発明の水酸化マグネシウム粒子の細孔分布のモード容積は、好ましくは1.4〜10ml/mgであり、モード径は、好ましくは0.4〜3.0μmであり、より好ましくは0.5〜2.0μmである。
【0013】
本発明のモード容積及びモード径は、水銀圧入法によって測定され、ここで、モード容積は、log微分細孔容積分布曲線の最大値であり、モード径は、log微分細孔容積分布曲線の最大値に対応する細孔直径である。本発明の水酸化マグネシウム粒子、又は酸化マグネシウム粒子の凝集体の細孔分布を、水銀圧入法によって測定した場合、モード径は、球状粒子を構成している水酸化マグネシウム粒子、又は酸化マグネシウム粒子同士の間の空隙に対応する。
【0014】
本発明の水酸化マグネシウム粒子は、レーザ回折散乱式粒度分布測定による体積基準の累積50%粒子径(D50)が、0.5〜20μmである。このような範囲であれば、樹脂等への配合時に粘度が高くなりすぎず、また粒子の凝集が抑えられるため分散性が良好である。また、このような粒子径を有する水酸化マグネシウム粒子を用紙のコーティング剤として使用した場合には、粒子がインク受容層から突出せず、さらに、粒子径が大きすぎないため光学材料及び電子材料に有用である。本発明の水酸化マグネシウム粒子のD50は、好ましくは1.0〜20μmである。
【0015】
本発明の水酸化マグネシウム粒子の吸油量は、30ml/100g以上である。本発明における吸油量は、フタル酸ジオクチル吸油量である。吸油量は、粉末の樹脂への充填性を評価する指標であり、この方法が充填性の評価に使用できる(雑誌「工業材料」vol.39、No.1、p116−117(1991))。吸油量は、具体的には、試料粉末にフタル酸ジオクチル(DOP)を滴下しつつ練り合わせ、全体が硬い一つの塊となるのに必要なDOP量を測定することにより求められ、試料粉末100gあたりのDOP量(ml/100g)で表される。吸油量が30ml/100g以上であれば、樹脂等への分散性が良好であり、また用紙のコーティング剤として使用した場合、インクの定着性及び吸収性が良好である。本発明の水酸化マグネシウム粒子の吸油量は、好ましくは50〜300ml/100gである。
【0016】
本発明の水酸化マグネシウム粒子は、その製造工程において用いられる化合物の金属元素をさらに含んでいてもよい。
本発明の水酸化マグネシウム粒子は、Zn、Zr、Hf、及びTiからなる群より選択される1以上の金属元素を、酸化物換算で0.01〜4.0質量%含み、さらに2価及び3価の金属元素からなる群より選択される1以上の更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)を、金属元素換算で0.01〜5.0質量%含む。これらの金属元素の含有量であれば、水酸化マグネシウム粒子をコーティング剤として使用した場合に、白色度、紫外線吸収性、及び屈折率等が十分である。
【0017】
Zn、Zr、Hf、及びTiからなる群より選択される1以上の金属元素、つまりZn、Zr、Hf、Ti、又はそれらの混合物の含有量は、酸化物換算で、好ましくは0.05〜4.0質量%であり、より好ましくは0.2〜4.0質量%であり、さらに好ましくは0.4〜4.0質量%である。
【0018】
本発明において、2価及び3価の金属元素からなる群より選択される1以上の更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)としては、特に限定されず、Ag、Al、B、Ba、Bi、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、In、Mn、Mo、Ni、Pb、Sr、Tl、及びVが挙げられ、Al及びFeが好ましい。
2価及び3価の金属元素からなる群より選択される1以上の更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)の含有量は、金属元素換算で、好ましくは0.05〜5.0質量%であり、より好ましくは0.1〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.3〜4.0質量%である。
【0019】
本発明の酸化マグネシウム粒子は、鱗片状の一次粒子が凝集した球形状であり、細孔分布のモード容積が1.4ml/mg以上であり、モード径が0.4μm以上である。このような酸化マグネシウム粒子は、樹脂等への分散性が優れている。具体的には、このようなモード径を有する酸化マグネシウム粒子は、用紙のコーティング剤として使用した場合、インクの定着性及び吸収性が良好であり、またこのようなモード容積を有する酸化マグネシウム粒子は、球状を構成している鱗片状の酸化マグネシウムが密集しすぎず、インクの吸着性が良好である。細孔分布のモード容積は、好ましくは1.4〜10ml/mgであり、モード径は、好ましくは0.4〜3.0μmであり、より好ましくは0.5〜2.0μmである。
【0020】
本発明の酸化マグネシウム粒子は、レーザ回折散乱式粒度分布測定による体積基準の累積50%粒子径(D50)が、0.5〜20μmである。このような範囲であれば、樹脂等への配合時に粘度が高くなりすぎず、また粒子の凝集が抑えられるため分散性が良好である。また、用紙のコーティング剤として使用した場合には、粒子がインク受容層から突出せず、さらに、粒子径が大きすぎないため光学材料及び電子材料に有用である。本発明の酸化マグネシウム粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、好ましくは1〜20μmである。
【0021】
本発明の酸化マグネシウム粒子の吸油量は、30ml/100g以上である。このような範囲であれば、樹脂等への分散性が良好であり、また用紙のコーティング剤として使用した場合、インクの定着性及び吸収性が良好である。本発明の酸化マグネシウム粒子の吸油量は、好ましくは50〜300ml/100gである。
【0022】
本発明の酸化マグネシウム粒子は、その製造工程において用いられる化合物の金属元素をさらに含んでいてもよい。
本発明の酸化マグネシウム粒子は、Zn、Zr、Hf、及びTiからなる群より選択される1以上の金属元素を、酸化物換算で0.01〜4.0質量%含み、さらに2価及び3価の金属元素からなる群より選択される1以上の更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)を、金属元素換算で0.01〜5.0質量%含む。これらのような金属元素の含有量であれば、酸化マグネシウム粒子をコーティング剤として使用した場合に、白色度、紫外線吸収性及び屈折率等が十分である。
【0023】
Zn、Zr、Hf、及びTiからなる群より選択される1以上の金属元素、つまりZn、Zr、Hf、Ti、又はそれらの混合物の含有量は、酸化物換算で、好ましくは0.05〜4.0質量%であり、より好ましくは0.2〜4.0質量%であり、さらに好ましくは0.4〜4.0質量%である。
【0024】
2価及び3価の金属元素からなる群より選択される1以上の更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)としては、特に限定されず、Ag、Al、B、Ba、Bi、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、In、Mn、Mo、Ni、Pb、Sr、Tl、及びVが挙げられ、Al及びFeが好ましい。
2価及び3価の金属元素からなる群より選択される1以上の更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)の含有量は、金属元素換算で、好ましくは0.1〜5.0質量%であり、より好ましくは0.3〜4.0質量%であり、さらに好ましくは0.4〜4.0質量%である。
【0025】
本発明の水酸化マグネシウム粒子の製造方法は、
(a)Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物を含む分散液に、2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物は除く)を添加し、さらに、有機酸を添加して反応液を得る工程、
(b)工程(a)の反応液及び平均粒子径が0.1〜30μmである酸化マグネシウム粒子を混合して、混合液を得る工程、
(ここで、
Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物は、酸化マグネシウムに対して、酸化物換算で、0.1〜5.0質量%であり、
2価及び3価の金属元素の塩化物、及び2価及び3価の金属元素の硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物は、酸化マグネシウムに対して、金属元素換算で0.1〜5.0質量%であり、
有機酸は、酸化マグネシウム100gに対して、0.01〜3.0molである)、
(c)工程(b)の混合液を、50〜100℃の温度で、周速が7〜20m/sである撹拌機を用いて、混合する工程、
(d)30〜100℃の温度で、長時間撹拌して水酸化マグネシウムスラリーを得る工程、
及び
(e)工程(d)の水酸化マグネシウムスラリーをろ過、水洗、乾燥させて、水酸化マグネシウム粒子を得る工程
を含む。
【0026】
工程(a)は、酸化マグネシウムを水和反応させるための反応液を得る工程である。
Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物は、本発明の水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子である、複合水酸化物及び複合酸化物を作成するために添加される。これにより、白色度、紫外線吸収性及び屈折率等が向上し、光学材料や、インクジェット用紙のコーティング剤に適する本発明の水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウム粒子が得られる。
Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物として、これらの金属元素を有する化合物であれば特に限定されず、酸化物、水酸化物、水素化物、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、リン酸塩、炭酸塩、及び硝酸塩などが挙げられ、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、酸化ハフニウム、水酸化ハフニウム、塩化ハフニウム、硝酸ハフニウム、酸化チタン、水酸化チタン、塩化チタン、及び硝酸チタンが好ましい。
Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物は、純度が99.0%以上であることが好ましく、99.5%以上であることがより好ましい。本発明において、純度は、対象粒子中の不純物元素(Ag、Al、B、Ba、Bi、Cd、Cl、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、In、K、Li、Mn、Mo、Na、Ni、P、Pb、S、Si、Sr、Tl、V、Zn、Ti及びZr)の含有量を測定し、これらの合計含有量を100質量%から差し引いた値とする。これらの不純物元素の含有量の測定方法としては、ICP発光分析装置を用いた測定方法が挙げられる。
Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物は、平均粒子径が0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜50μmであることがより好ましい。
【0027】
工程(a)において、Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物の量は、工程(b)で使用される酸化マグネシウム粒子に対して、0.1〜5.0質量%である。Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される化合物の量が0.1質量%より小さいと、コーティング剤として使用した場合、白色度、紫外線吸収性及び屈折率等が十分ではなく、粒子形状も鱗片状の一次粒子が凝集した球状粒子にならず六角板状の粒子になる。また、Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される化合物の量が5.0質量%より大きいと、本発明のような鱗片状の一次粒子が凝集した球状粒子にならず六角柱状の粒子になる。Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物の量は、酸化マグネシウム粒子の重量に対して、好ましくは0.4〜4.0質量%である。
Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物を含む分散液は、例えばイオン交換水にZn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物を添加することにより得ることができる。
【0028】
2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩は、本発明の水酸化マグネシウム粒子である、複合水酸化物の溶解度及び析出速度を制御するために添加される。
2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩として、塩化アルミニウム、塩化鉄、硝酸アルミニウム、及び硝酸鉄が好ましい。
2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩は、純度が99.0%以上であることが好ましく、99.5%以上であることがより好ましい。
また、2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩は、平均粒子径が0.1〜100μmであることが好ましく、0.5〜50μmであることがより好ましい。
【0029】
2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物の量は、工程(b)で使用される酸化マグネシウム粒子に対して、金属元素換算で0.1〜5.0質量%である。添加量が0.1質量%より小さいと結晶の析出速度が遅くなり、単分散した六角柱状の粒子になり、添加量が5.0質量%より大きいと結晶の析出速度が速くなりすぎ、粗大な凝集粒子になる。2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物の量は、酸化マグネシウム粒子に対して、金属元素換算で0.4〜4.0質量%であるのがより好ましい。
【0030】
本発明において、有機酸は、原料である酸化マグネシウム粒子の溶解度を抑制するために添加される。有機酸としては、カルボキシル基を持つ脂肪族又は芳香族の有機酸が挙げられ、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及び安息香酸が好ましい。
有機酸の添加量は、工程(b)で使用される酸化マグネシウム粒子100gに対して、0.01〜3.0molである。有機酸の添加量が酸化マグネシウム粒子100gに対して、0.01molより小さいと結晶の析出速度が遅くなり、単分散した六角柱状の粒子になり、3.0molより大きいと結晶の析出速度が速くなりすぎ、粗大な凝集粒子になる。有機酸の添加量は、工程(b)で使用される酸化マグネシウム100gに対して、好ましくは0.01〜2.0molである。
【0031】
工程(b)は、工程(a)で得られた水和反応のための反応液及び原料である酸化マグネシウム粒子を混合する工程である。
原料として用いられる酸化マグネシウム粒子は、平均粒子径が0.1〜30μmである。平均粒子径が0.1μmより小さいと、水和速度が速くなりすぎ、粗大な凝集粒子になる。また、平均粒子径が30μmより大きいと、十分に水和反応が進まず粒子酸化マグネシウムを含んだ粒子が残る。酸化マグネシウム粒子の平均粒子径は、より好ましくは0.5〜15μmである。
工程(b)において、混合液における、酸化マグネシウムの濃度は、好ましくは20〜200g/Lであり、より好ましくは50〜180g/Lである。すなわち、工程(a)で得られる反応液に対する酸化マグネシウムの量は、20〜200g/Lに調整することが好ましく、50〜150g/Lであることがより好ましい。このような反応液における酸化マグネシウム濃度であれば、水和反応が十分に進む。
工程(b)において、反応液の温度は、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは50〜95℃であり、さらに好ましくは70℃〜90℃である。このような温度であれば、水和反応が十分に進む。
【0032】
工程(c)は、50〜100℃の温度で、周速が7〜20m/sである撹拌機を用いて混合する工程である。撹拌の回転数は、反応時の分散状態を制御するために調整される。本発明において、周速が7m/sより小さいと、鱗片状の一次粒子が凝集した球状の水酸化マグネシウムが得られない。また、周速が20m/sより大きいと、水酸化マグネシウム粒子が核生成時に十分に分散し、単分散した六角柱状の水酸化マグネシウム粒子になり、本発明のような球状の水酸化マグネシウム粒子が得られない。このような撹拌のための装置として、ホモディスパー(プライミクス社、T.K.ホモディスパー)等が挙げられる。周速は、好ましくは8〜18m/sであり、より好ましくは9〜15m/sである。
また、工程(c)における反応温度は、好ましくは55〜95℃であり、より好ましくは60〜95℃である。
工程(c)において、混合時間は、水和反応の程度に応じて変更でき、例えば10分〜360分、好ましくは20分〜200分とすることができる。
【0033】
工程(d)は、30〜100℃の温度で、長時間撹拌して水酸化マグネシウムスラリーを得る工程である。これにより、未反応の酸化マグネシウムの水和反応を促進させて、水酸化マグネシウムとすることができる。温度は、好ましくは50〜95℃であり、より好ましくは70〜90℃である。
撹拌速度は、水酸化マグネシウムスラリーが十分撹拌できる程度であればよく、特に制限はないが、例えば、3枚ばねの攪拌機で100〜500rpmとすることができる。撹拌時間は、水和反応が十分に進み所望の水酸化マグネシウムスラリーが得られる時間であれば、特に制限なく、例えば、0.5〜6時間とすることができる。
【0034】
工程(e)は、工程(d)の水酸化マグネシウムスラリーをろ過、水洗、乾燥させて、水酸化マグネシウム粒子を得る工程である。これにより、本発明の水酸化マグネシウム粒子が得られる。
【0035】
本発明の酸化マグネシウム粒子は、本発明の工程(a)〜工程(e)を含む製造方法により得られる水酸化マグネシウム粒子を、大気雰囲気中で、500〜1400℃で焼成する工程を含む方法により得られる。好ましくは、600〜1300℃で焼成する工程を含む方法により得られる。
【0036】
例えば、水酸化マグネシウム粒子を、大気雰囲気中で、昇温速度1〜20℃/分(好ましくは3〜10℃/分)で500℃〜1400℃、好ましくは600〜1300℃まで昇温し、昇温後、500℃〜1400℃、好ましくは600〜1300℃で0.1〜5時間焼成することにより、本発明の酸化マグネシウム粒子を得ることができる。焼成温度が500℃未満であると、熱量が不足し水酸化マグネシウムが残る。一方、焼成温度が1400℃を超えると、酸化マグネシウムが粒成長して、鱗片状の一次粒子が凝集した球状の酸化マグネシウムにはならない。
【0037】
このようにして、分散性に優れた球状の水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子が得られる。
【実施例】
【0038】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0039】
[分析方法]
(1)レーザ回折散乱式粒度分布測定
レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(商品名:MT3300、日機装社製)を使用して、体積基準の累積50%粒子径(D50)を測定した。
【0040】
(2)元素の質量測定法
粒子中の測定対象となる元素(Al、Fe、Zn、Zr、Hf、Ti)は、ICP発光分析装置(商品名:SPS−5100、セイコーインスツルメンツ製)を使用して、試料を酸に溶解したのち質量を測定した。
【0041】
(3)細孔分布(モード容積及びモード径)の測定
水銀圧入式細孔分布測定装置は、マイクロメトリックス社製オートポア9410を使用し測定した。なお、水銀は、純度99.5mass%以上、密度13.5335×10kg/mである特級の水銀試薬を用いた。水銀圧入式細孔分布測定により得られるlog微分細孔容積分布曲線の最大値(モード容積)及び、モード容積に対応する細孔直径(モード径)を求めた。
【0042】
(4)吸油量の測定
試料粉末2.5×10gに、フタル酸ジオクチル(DOP)を滴下しつつ練り合わせ、全体が硬い一つの塊となる点を終点とし、その時のDOP量を吸油量とした。
【0043】
〔実施例1〕
反応に使用する酸化マグネシウムに対し0.4質量%の酸化亜鉛、及びイオン交換水1リットルを含むイオン交換水の溶液に、金属元素換算で0.5質量%の塩化アルミニウム・6水和物、及び酸化マグネシウム100gに対し0.03molのプロピオン酸を添加することで反応液を作製した。
作製した反応液の温度を60℃まで昇温させ、平均粒子径が8.8μmの酸化マグネシウムを100g投入して、混合液を得た。酸化マグネシウムを投入後、反応液の温度を95℃まで上昇させ、撹拌機(プライミクス社製 T.K.ホモディスパー)で、周速が9m/sなるように調整し、1時間反応させた。
その後、90℃で、スラリ−が十分撹拌できる程度の回転速度で4時間撹拌することにより、水酸化マグネシウムスラリーを作製した。作製した水酸化マグネシウムスラリーをろ過、水洗、乾燥させて、本発明の水酸化マグネシウム粒子を得た。
【0044】
〔実施例2〕
酸化亜鉛の添加量を3.0質量%にした以外は実施例1と同様に行った。
【0045】
〔実施例3〕
酸化亜鉛の添加量を0.1質量%にした以外は,実施例1と同様に行った。
【0046】
〔実施例4〕
酸化亜鉛を0.5質量%の酸化チタンにした以外は、実施例1と同様に行った。
【0047】
〔実施例5〕
塩化アルミニウム・6水和物の添加量を、金属元素換算で3.0質量%にした以外は実施例1と同様に行った。
【0048】
〔実施例6〕
塩化アルミニウム・6水和物の添加量を、金属元素換算で0.1質量%にした以外は実施例1と同様に行った。
【0049】
〔実施例7〕
塩化アルミニウム・6水和物を0.5質量%の塩化鉄に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
【0050】
〔実施例8〕
塩化アルミニウム・6水和物を0.5質量%の硝酸アルミニウムに変更した以外は、実施例1と同様に行なった。
【0051】
〔実施例9〕
プロピオン酸の添加量を0.5molにした以外は、実施例1と同様に行った。
【0052】
〔実施例10〕
プロピオン酸を0.02molの酢酸にした以外は、実施例1と同様に行った。
【0053】
〔実施例11〕
プロピオン酸を0.02molの酪酸にした以外は、実施例1と同様に行った。
【0054】
〔実施例12〕
水和反応時の撹拌機の周速を14m/sにした以外は、実施例1と同様に行った。
【0055】
〔実施例13〕
水和反応時の撹拌機の周速を7m/sにした以外は、実施例1と同様に行った。
【0056】
〔実施例14〕
実施例7で作製した水酸化マグネシウムを、大気雰囲気中で800℃×1時間焼成し、酸化マグネシウム粒子を得た。
【0057】
〔実施例15〕
焼成温度を1000℃にした以外は、実施例14と同様に行なった。
【0058】
〔実施例16〕
焼成温度を1200℃にした以外は、実施例14と同様に行なった。
【0059】
〔比較例1〕
酸化亜鉛の添加量を6.0質量%にした以外は、実施例1と同様に行った。
【0060】
〔比較例2〕
酸化亜鉛を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
【0061】
〔比較例3〕
塩化アルミニウム・6水和物を0.5質量%の硫酸アルミニウムにした以外は、実施例1と同様に行なった。
【0062】
〔比較例4〕
プロピオン酸を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
【0063】
〔比較例5〕
塩化アルミニウム・6水和物を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
【0064】
〔比較例6〕
塩化アルミニウム・6水和物を酢酸アルミニウムにした以外は、実施例1と同様に行った。
【0065】
〔比較例7〕
水和反応時の撹拌機の周速を21m/sにした以外は、実施例1と同様に行った。
【0066】
〔比較例8〕
焼成温度を1500℃にした以外は、実施例14と同様に行なった。
【0067】
以上の実施例によって得られた水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子に関する測定結果を表1に示し、比較例によって得られた水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子に関する測定結果を表2に示す。
【0068】
【表1】


【表2】

【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明の水酸化マグネシウム粒子及び酸化マグネシウム粒子は、球状であり、粒子径が小さく、かつ均一であり、分散性が良いため様々な分野で有用性が高い。また、本発明の製造方法によれば、上記のような粒子を容易に調製することができ、利便性が高い。
本発明の水酸化マグネシウム粒子の用途としては、インクジェット用紙のコーティング剤、難燃剤、蓄熱材料、触媒及び電子材料等が挙げられ、酸化マグネシウム粒子の用途としては、光学材料、インクジェット用紙のコーティング剤、触媒及び電子材料等が挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鱗片状の一次粒子が凝集した球形状であり、細孔分布における、モード容積が1.4ml/mg以上であり、モード径が0.4μm以上である、水酸化マグネシウム粒子。
【請求項2】
レーザ回折散乱式粒度分布測定による体積累積の50%粒子径(D50)が0.5〜20μmである、請求項1記載の水酸化マグネシウム粒子。
【請求項3】
吸油量が30ml/100g以上である、請求項1又は2記載の水酸化マグネシウム粒子。
【請求項4】
さらに、Zn、Zr、Hf、及びTiからなる群より選択される金属元素を酸化物換算で0.01〜4.0質量%含む、請求項1〜3いずれか1項記載の水酸化マグネシウム粒子。
【請求項5】
さらに、2価及び3価の金属からなる群より選択される更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)を金属元素換算で0.01〜5.0質量%含む、請求項1〜4いずれか1項記載の水酸化マグネシウム粒子。
【請求項6】
鱗片状の一次粒子が凝集した球形状であり、細孔分布における、モード容積が1.4ml/mg以上であり、モード径が0.4μm以上である、酸化マグネシウム粒子。
【請求項7】
レーザ回折散乱式粒度分布測定による体積累積の50%粒子径(D50)が0.5〜20μmである、請求項6記載の酸化マグネシウム粒子。
【請求項8】
吸油量が30ml/100g以上である、請求項6又は7記載の酸化マグネシウム粒子。
【請求項9】
さらに、Zn、Zr、Hf、及びTiからなる群より選択される金属元素を酸化物換算で0.01〜4.0質量%含む、請求項6〜8いずれか1項記載の酸化マグネシウム粒子。
【請求項10】
さらに、2価及び3価の金属からなる群より選択される更なる金属元素(ただし、Zn、Zr、Hf、及びTiは除く)を金属元素換算で0.01〜5.0質量%含む、請求項6〜9いずれか1項記載の酸化マグネシウム粒子。
【請求項11】
水酸化マグネシウム粒子の製造方法であって、
(a)Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物を含む分散液に、2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素の硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物(ただし、Zn、Zr,Hf、及びTiの化合物は除く)を添加し、さらに、有機酸を添加して反応液を得る工程、
(b)工程(a)の反応液及び平均粒子径が0.1〜30μmである酸化マグネシウム粒子を混合して、混合液を得る工程
(ここで、
Zn、Zr、Hf、及びTiの化合物からなる群より選択される1以上の化合物は、酸化マグネシウムに対して、酸化物換算で0.1〜5.0質量%であり、
2価及び3価の金属元素の塩化物、並びに2価及び3価の金属元素硝酸塩からなる群より選択される1以上の化合物は、酸化マグネシウムに対して、金属元素換算で0.1〜5.0質量%であり、
有機酸は、酸化マグネシウム100gに対し、0.01〜3.0molである)、
(c)工程(b)の混合液を50〜100℃の温度で、周速が7〜20m/sである撹拌機を用いて混合する工程、
(d)30〜100℃の温度で、長時間撹拌して水酸化マグネシウムスラリーを得る工程、
及び
(e)工程(d)の水酸化マグネシウムスラリーをろ過、水洗、乾燥させて、水酸化マグネシウム粒子を得る工程
を含む、水酸化マグネシウム粒子の製造方法。
【請求項12】
工程(b)の混合液における、酸化マグネシウムの濃度が20〜200g/Lである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
酸化マグネシウム粒子の製造方法であって、請求項1〜5いずれか1項記載の水酸化マグネシウム粒子又は請求項11〜12いずれか1項記載の方法により得られた水酸化マグネシウム粒子を、大気雰囲気中で、500〜1400℃で焼成する工程を含む、酸化マグネシウム粒子の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−201511(P2012−201511A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64481(P2011−64481)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000108764)タテホ化学工業株式会社 (50)
【Fターム(参考)】