説明

球状トイレ用洗浄剤ブロック、その製造方法、および球状トイレ用洗浄剤ブロックを含んでなる洗浄保持器

香料、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、少なくとも1種のアルキルベンゼンスルホネートおよび少なくとも1種のオレフィンスルホネートを含んでなる、圧延機またはプレスで回転対称物体(特に球体)に成形することができたトイレ用洗浄剤ブロックは、少なくとも1個のトイレ用洗浄剤ブロックおよび少なくとも1個の適用用放出デバイスからなるシステムの一部となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、少なくとも1種のアルキルベンゼンスルホネートおよび少なくとも1種のオレフィンスルホネートを含んでなる、圧延機またはプレスで回転対称物体(特に球状物体)に成形することができたトイレ用洗浄剤ブロック、その製造方法、および少なくとも1個のそのようなトイレ用洗浄剤と放出デバイスとからなるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ用ブロックとしても知られているトイレ用洗浄剤製品は、便器を洗浄、消毒および芳香付与するために、便器リムの下方で(いわゆるリムブロック)および貯水タンク内で(タンク内ブロックまたはタンクブロック)長い間使用されてきた。これに関して、近年、美的感覚および有効性がますます重要になってきている。そのため、例えば多室型容器である程度提供されている、ゲル状または液体状のトイレ用フレッシュナーが開発されており、それにより、トイレの水を流した際の洗浄剤の放出と長期的室内フレッシュ(消臭)との組み合わせが可能である。
【0003】
しかしながら、固体状トイレ用洗浄剤ブロックが、なお必要とされている。これまで、固体状トイレ用洗浄剤ブロックは主として、主に長方形のトイレ用リムブロックが得られるように、押し出し、次いで断片に切断し、その後適当なバスケットに挿入することによって製造されてきた。
【0004】
このリムブロックの欠点は、バスケット内に進入する流水によってリムブロックが膨張し、不均一に流し去られ、その形状を失うことである。従って、短時間の後には既に、審美性を欠くブロックが残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、全使用期間にわたって均一に流し去られかつ可能な限り膨潤しない、均整のとれた審美的なトイレ用洗浄剤ブロックを製造することが望まれている。同時に、経済的理由および生態学的理由から、製造は可能な限り低い温度で実施されなければならない。なぜなら、高温は香油の損失をもたらすからである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
意外なことに、香料、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホネートおよび少なくとも1種のオレフィンスルホネートを含んでなる組成物が、30℃以下の温度での、球状の従って審美的なトイレ用洗浄剤ブロックの製造を可能にすることが見出された。このトイレ用洗浄剤ブロックは膨潤せず、その球形状の故に最小表面積を常に示す。従って、このトイレ用洗浄剤ブロックは均一に流し去られるので、トイレの水を多数回流した後であっても、その初期形状を保持する。
【0007】
従って、本発明の態様は、香料、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、少なくとも1種のアルキルベンゼンスルホネートおよび少なくとも1種のオレフィンスルホネートを含んでなる、圧延機またはプレスで回転対称物体に成形することができたトイレ用洗浄剤ブロックである。特に、球形度の高い球状トイレ用洗浄剤ブロックを製造することができる。
【0008】
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは通常、放出デバイス(例えばいわゆるトイレ用バスケット)において使用される。従って、本発明の別の態様は、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックの少なくとも1個および放出デバイスからなるシステムである。
【0009】
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、成分を混合する工程、混合物を押し出す工程、押し出したストランドを所定の質量を有する断片に切断する工程、および回転対称物体に成形する工程を含む方法で製造することができる。
【0010】
従って、本発明の更に別の態様は、
a)成分を混合する工程、
b)混合物を押し出す工程、
c)押し出したストランドを所定の質量を有する断片に切断する工程、
d)回転対称物体に成形する工程
を含む、香料、非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホネートおよびオレフィンスルホネートを含んでなる回転対称トイレ用洗浄剤ブロックの製造方法である。
【0011】
トイレ用洗浄剤ブロックおよび放出デバイスからなる本発明のシステムは更に、トイレ用洗浄剤ブロックが導入された放出デバイスを便器内側に吊るし、トイレの水を流すと、トイレ用洗浄剤ブロックの溶解成分が流水に達し、流水中で溶解成分の洗浄および/または芳香付与および/または消毒作用が発揮されるように、水洗トイレの洗浄および/または芳香付与および/または消毒方法において使用することができる。従って、本発明の更に別の態様は、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックおよび放出デバイスからなるシステムの使用を含む、水洗トイレの洗浄および/または芳香付与および/または消毒方法である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】入口開口部の上方に流水分配要素を有するトイレ用バスケットの側面図を示す。
【図2】入口開口部の下方に流水分配要素を有するトイレ用バスケットの側面図を示す。
【図3】一列に互いに並んで配置された容器と流水分配要素とを有するトイレ用バスケットの平面図を示す。
【図4】ほぼ球状の容器と流水分配要素とを有する固体状またはゲル状調製物向けトイレ用バスケットの斜視図を示す。
【図5】ほぼ球状の容器と流水分配要素とを有する固体状またはゲル状調製物向けトイレ用バスケットの正面図を示す。
【図6】流水を衝突させることができる、ほぼ球状の容器を有する固体状またはゲル状調製物向けトイレ用バスケットの概略図を示す。
【図7】トイレ用洗浄剤ブロックを伴ったプレート状放出デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
化粧品用成分としても使用される物質は、以下、必要に応じて、INCI名に従って記載する。化合物は英語のINCI名を有する。例えば「水」、「ハチミツ」または「海塩」がラテン語で記載されるように、植物成分はリンネに従ってもっぱらラテン語(いわゆる種小名)で記載する。INCI名は、The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association (CTFA)(1101, 17th Street NW, Suite 300, Washington, DC 20036, USA)によって出版されたInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook, 第7版(1997)に見られ、9000を超えるINCI名と、31カ国を超える関連販売業者を含む37000を超える商品名および工業銘柄とを包含する。International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbookでは、成分が1つ以上の化学的分類(例えばポリマーエーテル)および1つ以上の機能(例えば界面活性剤−クレンジング剤)に分類されている。成分は、必要に応じてより詳細に記載されており、これを参照する。
【0014】
表示CASは、続く一連の数字がChemical Abstracts Serviceの名称に関係することを意味する。
【0015】
本発明では、脂肪酸または脂肪アルコールまたはそれらの誘導体は、特に記載のない限り、好ましくは6〜22個、特に8〜20個、特に好ましくは10〜18個、最も好ましくは12〜16個、例えば12〜14個の炭素原子を有する分岐または非分岐のカルボン酸またはアルコールまたはそれらの誘導体を表す。脂肪酸は植物由来であり、かつ再生可能原料に基づくので、生態学的理由から特に好ましい。しかしながら、本発明の教示は脂肪酸に限定されるわけではない。例えば、7〜19個、特に9〜19個、特に好ましくは9〜17個、最も好ましくは11〜15個、例えば9〜11個、12〜15個または13〜15個の炭素原子を含有し、レーレンのオキソ合成から得られるオキソアルコールまたはそれらの誘導体も、特に適切に使用することができる。
【0016】
香料
組成物は、好ましくは0.01〜10重量%、好適には0.05〜8重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の1種以上の香料を含んでなる。その場合、d−リモネンを香料成分として含むことができる。特に好ましい態様では、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、エーテル油(精油としても知られている)に基づく香料を含んでなる。本発明では、そのような油の例として、パイン油、シトラス油、ジャスミン油、パチョリ油、ローズ油またはイランイラン油を使用することができる。ムスカテル(マスカット)セージ油、カモミール油、ラベンダー油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、杜松子油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダナム油、オレンジ花油、ネロリ油、オレンジピール油およびビャクダン油も適している。
【0017】
芳香物質の揮発性は、香りを知覚するために重要であり、官能基の種類および化合物の構造に加えて、分子量も強く影響する。従って、ほとんどの芳香物質は、約200ダルトンまでの分子量を有し、300ダルトン以上の分子量は極めて例外的である。芳香物質の異なった揮発性により、複数の芳香物質からなる香料の匂いは蒸発中に変化し、匂いの効果は、「トップノート」、「ミドルノート」または「ボディ」および「エンドノート」または「ドライアウト」に細分される。
【0018】
本発明において香油に有利に使用できる強い芳香物質の例は、以下である:エーテル油、例えば、アンジェリカルート油、アニス油、アルニカ花油、バジル油、ベイ油、ベルガモット油、チャムパックス花(champax blossom)油、ヨーロッパモミ油、ヨーロッパモミ球果油、エレミ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、松葉油、ガルバヌム油、ゼラニウム油、ジンジャーグラス油、ガイアカムウッド油、インディアンウッド油、ムギワラギク油、ホウ油、ジンジャー油、アヤメ油、カユプテ油、ショウブ油、カモミール油、カンフル油、Canoga油、カルダモン油、カシア油、ヨーロッパアカマツ油、コパイババルサム油、コリアンダー油、スペアミント油、キャラウェー油、クミン油、ラベンダー油、レモングラス油、ライム油、マンダリン油、メリッサ油、トロロアオイモドキ種子油、ミルラ油、丁子油、ネロリ油、ニアウリ油、乳香油、オレンジ油、ハナハッカ油、パルマローザ油、パチョリ油、ペルーバルサム油、プチグレイン油、ペッパー油、ペパーミント油、ピメント油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、ビャクダン油、セロリー種子油、ラベンダースパイク油、シキミ油、テレビン油、ニオイヒバ油、タイム油、バーベナ油、ベチベル油、杜松子油、ヨモギ油、冬緑油、イランイラン油、ヒソップ油、シナモン油、シナモン葉油、シトロネラ油、シトラス油および糸杉油。
【0019】
しかしながら、本発明では、天然または合成起源の高沸点または固体状香料を、香油における強い香料または香料混合物として使用することが有利な場合もある。これらの化合物は、下記化合物およびそれらの混合物を包含する:アンブレットリド、α−アミルシンナムアルデヒド、アネトール、アニスアルデヒド、アニスアルコール、アニソール、メチルアントラニレート、アセトフェノン、ベンジルアセトン、ベンズアルデヒド、エチルベンゾエート、ベンゾフェノン、ベンジルアルコール、ベンジルアセテート、ベンジルベンゾエート、ベンジルホルメート、ベンジルバレリエート、ボルネオール、ボルニルアセテート、α−ブロモスチレン、n−デシルアルデヒド、n−ドデシルアルデヒド、オイゲノール、オイゲノールメチルエーテル、オイカリプトール、ファルネソール、フェンチョン、フェンチルアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルホルメート、ヘリオトロピン、メチルヘプチンカルボキシレート、ヘプトアルデヒド、ヒドロキノンジメチルエーテル、ヒドロキシシンナムアルデヒド、ヒドロキシシンナミルアルコール、インドール、イロン、イソオイゲノール、イソオイゲノールメチルエーテル、イソサフロール、ジャスモン、カンファー、カルバクロール、カルボン、p−クレゾールメチルエーテル、クマリン、p−メトキシアセトフェノン、メチル−n−アミルケトン、メチルアントラニル酸メチルエステル、p−メチルアセトフェノン、メチルカビコール、p−メチルキノリン、メチル−β−ナフチルケトン、メチル−n−ノニルアセトアルデヒド、メチル−n−ノニルケトン、ムスコン、β−ナフトールエチルエーテル、β−ナフトールメチルエーテル、ネロール、ニトロベンゼン、n−ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、n−オクチルアルデヒド、p−オキシアセトフェノン、ペンタデカノリド、β−フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニル酢酸、プレゴン、サフロール、イソアミルサリチレート、メチルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、サンタロール、スカトール、テルピネオール、チミン、チモール、γ−ウンデカラクトン、バニリン、ベラトラムアルデヒド、シンナムアルデヒド、シンナミルアルコール、桂皮酸、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート。
【0020】
本発明において、有利に使用できる高揮発性香料は、特に、単独または混合物として使用できる天然または合成起源の低沸点香料を包含する。易揮発性芳香物質の例は、アルキルイソチオシアネート(アルキルからし油)、ブタンジオン、リモネン、リナロール、リナリルアセテートおよびリナリルプロピオネート、メントール、メントン、メチル−n−ヘプテノン、フェランドレン、フェニルアセトアルデヒド、テルピニルアセテート、シトラール、シトロネラルである。
【0021】
界面活性剤
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、少なくとも1種のアルキルベンゼンスルホネートおよび少なくとも1種のオレフィンスルホネートを含んでなる。加えて、更なる界面活性剤を含むこともできる。
【0022】
これに関して、好ましいアルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に約12個の炭素原子を含有するアルキルベンゼンスルホネート、例えば直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。好ましいオレフィンスルホネートは、14〜16の炭素鎖長を有する。本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、好適には10〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、特に好ましくは20〜30重量%のアルキルベンゼンスルホネートおよび好適には10〜30重量%、好ましくは15〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%のオレフィンスルホネートを含んでなる。
【0023】
非イオン性界面活性剤
本発明における非イオン性界面活性剤は、アルコキシレート、例えば、ポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、末端キャップトポリグリコールエーテル、混合エーテル、ヒドロキシ混合エーテルおよび脂肪酸ポリグリコールエステルであってよい。エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー、脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪酸ポリグリコールエーテルを使用することもできる。本発明で使用できる非イオン性界面活性剤の別の重要な種類は、ポリオール界面活性剤、本発明では特にグリコール界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシドおよび脂肪酸グルカミドである。アルキルポリグリコシド、とりわけアルキルポリグルコシド、および脂肪アルコールアルコキシレート(脂肪アルコールポリグリコールエーテル)が特に好ましい。
【0024】
好ましい脂肪アルコールアルコキシレートは、30までのアルコキシル化度を有する、エチレンオキシド(EO)および/またはプロピレンオキシド(PO)によりアルコキシル化された非分岐または分岐、飽和または不飽和C8〜22アルコール、好適には、30未満、好ましくは12〜28、特に20〜28、特に好ましくは25のエトキシル化度を有するエトキシル化C12〜22脂肪アルコール、例えば25EO含有C16〜18脂肪アルコールエトキシレートである。
【0025】
アルキルポリグリコシドは、従来の有機化学の適当な方法を用いて、糖とアルコールとの反応により得ることができ、調製方法に従って、モノアルキル化オリゴマー糖またはモノアルキル化ポリマー糖の混合物が得られる。好ましいアルキルポリグリコシドは、アルキルポリグルコシドであり、アルコールは特に好ましくは、長鎖脂肪アルコール、或いは分岐または非分岐C〜C18アルキル鎖含有長鎖脂肪アルコール混合物であり、糖のオリゴマー化度(DP)は、1〜10、有利には1〜6、特に1.1〜3、最も好ましくは1.1〜1.7である。アルキルポリグリコシドは例えばC8〜10アルキル−1.5−グルコシド(DP=1.5)である。
【0026】
脂肪アルコールエトキシレートは、好ましくは20重量%まで、特に好ましくは4〜12重量%、とりわけ好ましくは7〜9重量%の量で使用される。また、更なる非イオン性界面活性剤、例えば脂肪酸モノアルカノールアミドおよび/またはアルキルポリグリコシドは、10重量%までの量で含まれる。
【0027】
更なるアニオン性界面活性剤
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックにおける更なるアニオン性界面活性剤は、脂肪族スルフェート、例えば脂肪アルコールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、ジアルキルエーテルスルフェートおよびモノグリセリドスルフェート、並びに脂肪族スルホネート、例えばアルカンスルホネート、エーテルスルホネート、n−アルキルエーテルスルホネート、エステルスルホネートおよびリグニンスルホネートであってよい。脂肪酸シアナミド、スルホスクシネート、特にコハク酸のC〜C18アルキルモノエステルおよびジエステル、スルホスクシナメート、スルホスクシンアミド、脂肪酸イセチオネート、アシルアミノアルカンスルホネート(脂肪酸タウリド)、脂肪酸サルコシネート、エーテルカルボン酸、アルキル(エーテル)ホスフェート、α−スルホ脂肪酸塩、アシルグルタメート、モノグリセリドジスルフェート、並びにグリセリンジスルフェートのアルキルエーテルも同様に、本発明において使用することができる。
【0028】
本発明では、脂肪アルコールスルフェートおよび/または脂肪アルコールエーテルスルフェート、特に脂肪アルコールスルフェートが好ましい。脂肪アルコールスルフェートは、対応するアルコールの硫酸化反応の生成物である。一方、脂肪アルコールエーテルスルフェートは、アルコキシル化アルコールの硫酸化反応の生成物である。本発明において、アルコキシル化アルコールは一般に、アルキレンオキシド(好ましくはエチレンオキシド)とアルコール(好ましくは長鎖アルコール)との反応生成物を意味すると当業者に理解される。一般に、反応条件に依存して、nモルのエチレンオキシドが1モルのアルコールと反応して、種々のエトキシル化度を有する付加生成物の複雑な混合物が生じる。アルコキシル化の別の態様は、アルキレンオキシド混合物、好ましくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物の使用にある。好ましい脂肪アルコールエーテルスルフェートは、1〜4のエチレンオキシド単位(EO)、特に1〜2のEO、例えば1.3のEOを含有する低エトキシル化脂肪アルコールのスルフェートである。
【0029】
アニオン性界面活性剤は、好ましくはナトリウム塩として添加されるが、他のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩)として、アンモニウム塩或いはモノアルキルアンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアンモニウム塩またはテトラアルキルアンモニウム塩として、スルホネートの場合は対応する酸(例えばドデシルベンゼンスルホン酸)として含まれることもできる。
【0030】
先に記載した界面活性剤に加えて、本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤を付加的に含むこともできる。
【0031】
適当な両性界面活性剤は、例えば、式:
(RIII)(RIV)(R)NCHCOO
[式中、RIIIは場合によりヘテロ原子またはヘテロ原子団によって中断されていてよいC8〜25、好ましくはC10〜21アルキル基を意味し、RIVおよびRは同じまたは異なったC1〜3アルキル基を意味する]
で示されるベタイン、特に、C10〜18アルキルジメチルカルボキシメチルベタインおよびC11〜17アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシメチルベタインである。
【0032】
適当なカチオン性界面活性剤は、とりわけ、式:
(RVI)(RVII)(RVIII)(RIX)N
[式中、RVI〜RIXは4つの同じまたは異なった基、特に2つの長鎖アルキル基および2つの短鎖アルキル基を意味し、Xはアニオン、特にハライドイオンを意味する]
で示される第四級アンモニウム化合物、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジデシルアンモニウムクロリドおよびそれらの混合物である。
【0033】
更なる成分
先に記載した成分に加えて、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、トイレ用洗浄剤ブロックに典型的に使用され、酸、塩基、塩、増粘剤、抗菌剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、着色剤、芳香剤、香料増強剤、充填剤、ビルダー、漂白剤、腐蝕抑制剤、流出調節剤、酵素、微生物、バイオフィルム除去用活性物質、石灰スケール抑制剤、汚れ付着抑制剤およびそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される更なる成分を含んでなることができる。合計で、60重量%以下、好ましくは0.01〜60重量%、特に0.2〜15重量%の更なる成分が含まれるべきである。
【0034】

本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、石灰スケールおよび尿石に対する洗浄力を高めるために、1種以上の酸および/またはそれらの塩を含んでなることができる。酸は好ましくは環境に優しい原料から調製される。従って、有機酸、例えば、蟻酸、酢酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸およびそれらの混合物が酸として特に適している。しかしながら、鉱酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸および硝酸、またはアミドスルホン酸、或いはそれらの混合物を使用することもできる。酸および/またはそれらの塩は、特に好ましくは、クエン酸、乳酸、それらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。酸および/またはそれらの塩は、0.01〜10重量%、特に好ましくは0.2〜5重量%の量で使用される。
【0035】
好ましい態様では、組成物は、無機塩、有利にはアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、とりわけ炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物塩またはリン酸塩およびそれらの混合物を更に含んでなる。硫酸ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウムを使用することが特に好ましい。しかしながら、その場合、硫酸ナトリウムは60重量%まで、好ましくは0.01〜60重量%、特に好ましくは20〜60重量%、とりわけ35〜55重量%の量で含まれることができる。炭酸ナトリウムおよび更なる塩は、30重量%まで、好ましくは10重量%まで、特に好ましくは5重量%までの量で含まれることができる。
【0036】
塩基
更に、本発明の組成物は、アルカリを含んでなることができる。本発明の組成物に塩基として好ましく使用されるものは、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物並びに炭酸塩からなる群から選択されるアルカリ、特に炭酸ナトリウムまたは水酸化ナトリウムである。しかしながら、アンモニアおよび/または分子内に9個までの炭素原子を含有するアルカノールアミン、好ましくはエタノールアミン、特にモノエタノールアミンを使用することもできる。
【0037】
抗菌剤
消毒および衛生は、洗浄の特定の形態を表す。従って、相応の本発明の特定の態様では、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、1種以上の抗菌剤を、好ましくは0.01〜1重量%、有利には0.02〜0.8重量%、特に0.05〜0.5重量%、特に好ましくは0.1〜0.3重量%、最も好ましくは0.2重量%の量で含んでなる。
【0038】
本発明の教示によれば、用語「消毒」、「衛生」、「抗菌作用」および「抗菌剤」は、通常の技術的意味を有する。医療行為における厳密な意味での消毒は、理論上全ての伝染性病原菌を殺菌することを意味するが、衛生においての消毒とは、全病原菌(人体に通常有害ではない腐生性病原菌であっても)の可能な限り最大限の排除を意味すると理解される。ここで、消毒または衛生の程度は、使用される組成物の抗菌作用に依存し、抗菌剤の含量を少なくするかまたは使用する組成物の希釈度を高めると、抗菌作用は低下する。
【0039】
本発明の適当な抗菌剤の例は、好ましくは、アルコール、アミン、アルデヒド、抗菌性酸およびそれらの塩、カルボン酸エステル、酸アミド、フェノール、フェノール誘導体、ジフェニル、ジフェニルアルカン、ウレア誘導体、酸素アセタール、窒素アセタール、酸素ホルマールおよび窒素ホルマール、ベンズアミジン、イソチアゾリン、フタルイミド誘導体、ピリジン誘導体、抗菌性界面活性化合物、グアニジン、抗菌性両性化合物、キノリン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨードフォア、活性塩素を分離させる化合物、および過酸化物からなる群から選択される。好ましい抗菌剤は、好適には、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1,3−ブタンジオール、フェノキシエタノール、1,2−プロピレングリコール、グリセリン、ウンデシレン酸、クエン酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、チモール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、N−(4−クロロフェニル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)ウレア、N,N’−(1,10−デカンジイルジ−1−ピリジニル−4−イリデン)−ビス−(1−オクタンアミン)ジヒドロクロリド、N,N’−ビス−(4−クロロフェニル)−3,12−ジイミノ−2,4,11,13−テトラアザテトラデカンジイミドアミド、抗菌性第四級界面活性化合物、グアニジンおよびナトリウムジクロロイソシアヌレート(DCI、1,3−ジクロロ−5H−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオンナトリウム塩)からなる群から選択される。好ましい抗菌活性界面活性第四級化合物は、アンモニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基、ヨードニウム基またはアルソニウム基を含有する。更に、同時に洗浄剤の芳香を付与する抗菌活性エーテル油を使用することもできる。しかしながら、特に好ましい抗菌剤は、サリチル酸、第四級界面活性剤、特に塩化ベンザルコニウム、ペルオキシ化合物、特に過酸化水素、アルカリ金属次亜塩素酸塩、ナトリウムジクロロイソシアヌレートおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0040】
防腐剤
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、防腐剤を含んでなることができる。特に、抗菌剤として記載した物質を防腐剤として使用することができる。
【0041】
キレート剤
金属イオン封鎖剤としても知られているINCI名「キレート剤」は、洗浄剤の安定性または外観(例えば濁り)への悪影響を防ぐことができるように、金属イオンを錯化および不活性化できる成分である。硬水中のカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンは多数の成分と適合できないので、それらイオンを錯化することが重要である。重金属(例えば鉄または銅)のイオンの錯化は、最終組成物の酸化分解を抑制する。加えて、キレート剤は、洗浄作用を補う。
【0042】
例えば、INCI名に従って命名された以下のキレート剤が適している:アミノトリメチレンホスホン酸、β−アラニンアセト酢酸、カルシウム二ナトリウムEDTA、クエン酸、シクロデキストリン、シクロヘキサンジアミン四酢酸、二アンモニウムシトレート、二アンモニウムEDTA、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、二カリウムEDTA、二ナトリウムアザシクロヘプタンジホスホネート、二ナトリウムEDTA、二ナトリウムピロホスフェート、EDTA、エチドロン酸、ガラクタル酸、グルコン酸、グルクロン酸、HEDTA、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、メチルシクロデキストリン、五カリウムトリホスフェート、五ナトリウムアミノトリメチレンホスホネート、五ナトリウムエチレンジアミンテトラメチレンホスホネート、五ナトリウムペンテテート、五ナトリウムトリホスフェート、ペンテト酸、フィチン酸、カリウムシトレート、カリウムEDTMP、カリウムグルコネート、カリウムポリホスフェート、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、リボン酸、ナトリウムキトサンメチレンホスホネート、ナトリウムシトレート、ナトリウムジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート、ナトリウムジヒドロキシエチルグリシネート、ナトリウムEDTMP、ナトリウムグルセプテート、ナトリウムグルコネート、ナトリウムグリセレス−1ポリホスフェート、ナトリウムヘキサメタホスフェート、ナトリウムメタホスフェート、ナトリウムメタシリケート、ナトリウムフィテート、ナトリウムポリジメチルグリシノフェノールスルホネート、 ナトリウムトリメタホスフェート、TEA−EDTA、TEA−ポリホスフェート、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、四カリウムエチドロネート、四カリウムピロホスフェート、四ナトリウムEDTA、四ナトリウムエチドロネート、四ナトリウムピロホスフェート、三カリウムEDTA、三ナトリウムジカルボキシメチルアラニネート、三ナトリウムEDTA、三ナトリウムHEDTA、三ナトリウムNTAおよび三ナトリウムホスフェート。
【0043】
ポリマー
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、ポリマーを更に含んでなることができる。ポリマーは例えば、石灰スケール生成および汚れ再付着性を減少させるよう作用することができる。
【0044】
これに関して、好ましいポリマーは、例えばMirapolの商品名でRhodiaから市販されているような、アクリルポリマーである。
【0045】
香料および着色剤
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、更なる成分として、1種以上の香料および/または1種以上の着色剤を含んでなることができる。水溶性着色剤および油溶性着色剤のいずれも着色剤として使用できる。その際、一方では、更なる成分(例えば漂白剤)との相溶性に配慮しなければならず、他方では、添加着色剤はトイレのセラミックに対し、長期使用後であっても実質的に作用してはならない。着色剤は、好ましくは0.0001〜0.1重量%、特に0.0005〜0.05重量%、特に好ましくは0.001〜0.01重量%の量で含まれる。
【0046】
ビルダー
水溶性ビルダーおよび/または非水溶性ビルダーを、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックに、場合により使用することができる。水溶性ビルダーは一般に、硬質表面に不溶性残留物を残し難いので、本発明では水溶性ビルダーが好ましい。本発明に従って存在できる常套のビルダーは、低分子量ポリカルボン酸およびそれらの塩、ホモポリマーおよびコポリマーのポリカルボン酸およびそれらの塩、クエン酸およびその塩、カーボネート、ホスフェートおよびシリケートを包含する。非水溶性ビルダーはゼオライトを包含し、ゼオライトおよび前記ビルダー物質混合物を使用することもできる。
【0047】
漂白剤
本発明では、漂白剤を洗浄剤に添加できる。適当な漂白剤は、過酸化物、過酸および/または過ホウ酸塩を包含し、特に好ましくは過酸化水素である。一方、次亜塩素酸ナトリウムは有毒な塩素ガス蒸気を放出するので、酸性洗浄剤にあまり適していない。しかしながら、アルカリに調節した洗浄剤には使用できる。ある状況では、漂白剤に加えて、漂白活性剤が必要な場合もある。
【0048】
腐蝕抑制剤
適当な腐蝕抑制剤は例えば、INCI名に従って命名された以下の物質である:シクロヘキシルアミン、ジアンモニウムホスフェート、ジリチウムオキサレート、ジメチルアミノメチルプロパノール、二カリウムオキサレート、二カリウムホスフェート、二ナトリウムホスフェート、二ナトリウムピロホスフェート、二ナトリウムテトラプロペニルスクシネート、ヘキソキシエチルジエチルアンモニウム、ホスフェート、ニトロメタン、カリウムシリケート、ナトリウムアルミネート、ナトリウムヘキサメタホスフェート、ナトリウムメタシリケート、ナトリウムモリブデート、ナトリウムニトレート、ナトリウムオキサレート、ナトリウムシリケート、ステアラミドプロピルジメチコン、四カリウムピロホスフェート、四ナトリウムピロホスフェート、トリイソプロパノールアミン。
【0049】
流出調節剤
流出調節剤と称される物質は主に、意図した使用期間が守られるよう、使用中の洗浄剤の消費を制御する働きをする。固体状長鎖脂肪酸、例えばステアリン酸が好ましい調節剤であるが、そのような脂肪酸、脂肪酸エタノールアミド、例えばココ脂肪酸モノエタノールアミド、または固体状ポリエチレングリコール、例えば10000〜50000の分子量を有する固体状ポリエチレングリコールも適している。
【0050】
付着抑制剤
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックを製造する際、加工性を改善するために、付着抑制剤を添加することができる。例えば、微細粒度分布を有するドロマイト粉または二酸化チタン粉の添加は、球体成形時の加工性を改善し、摩耗および粘着を著しく低減する。
【0051】
そのような抑制剤を用いた結果は、他の常套法(例えば、滑剤による球体の被覆、テフロン(登録商標)による成形ローラーの粉付けまたは被覆)を用いた場合より良好である。
【0052】
酵素
洗浄剤は、酵素、例えばプロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、ヒドロラーゼおよび/またはセルラーゼを含んでなることもできる。酵素は、先行技術によって確立されたそれぞれの形態で、本発明の洗浄剤に添加できる。そのような形態は、酵素溶液、有利には可能な限り濃厚な酵素溶液、無水物および/または安定剤添加形態を包含する。別の態様では、カプセル(例えば酵素が凝固ゲル中に封入されているカプセル)形態、または酵素含有コアが水、空気および/または薬品を通さない保護層で被覆されているコアシェル型カプセルに、例えば好ましくは天然ポリマーと一緒に酵素溶液を噴霧乾燥または押し出すことによって、酵素をカプセル化することができる。別の活性成分、例えば安定剤、乳化剤、顔料、漂白剤または着色剤を、付加的な層に適用することもできる。そのようなカプセルは、既知の方法で、例えば振動造粒またはロール圧縮によって或いは流動層法によって製造される。有利なことに、例えば被覆ポリマーフィルム形成体を伴った、これらのタイプの粒質物は無塵であり、被覆されているので貯蔵安定である。
【0053】
また、酵素含有洗剤には、本発明の洗浄剤に含まれている酵素を損傷(例えば、物理的作用、酸化またはタンパク質分解的切断による、例えば不活性化、変質または分解)から保護するために、酵素安定剤が存在できる。使用する酵素にそれぞれ依存して、下記物質が酵素安定剤として適している:ベンズアミジン塩酸塩、ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸またはそれらの塩或いはエステル、主として芳香族基含有誘導体、例えば置換フェニルボロン酸またはそれらの塩或いはエステル;ペプチドアルデヒド(減少した炭素末端を有するオリゴペプチド)、アミノアルコール、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンおよびモノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミンおよびそれらの混合物、C12までの脂肪族カルボン酸、例えば、コハク酸、他のジカルボン酸または前記酸の塩、末端ブロックト脂肪酸アミドアルコキシレート;脂肪族低級アルコールおよび主としてポリオール、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはソルビトール、並びに還元剤および酸化防止剤、例えば亜硫酸ナトリウムおよび還元糖。別の適当な安定剤は、先行技術から知られている。安定剤の組み合わせを使用することが好ましく、その例は、ポリオール、ホウ酸および/またはホウ砂の組み合わせ、ホウ酸またはボレート、還元塩およびコハク酸または別のジカルボン酸との組み合わせ、或いはホウ酸またはボレートとポリオールまたはポリアミノ化合物とのおよび還元塩との組み合わせである。
【0054】
多層トイレ用洗浄剤ブロック
異なった組成の組成物からトイレ用洗浄剤ブロックを製造することは、先行技術(例えばEP 791047 B1)から知られている。同文献では、組成物の1つを別の組成物で全体的にまたは部分的にカプセル化している。例えば、内部組成物が外部組成物と異なる香料を含む場合であっても、使用期間にわたって減少する球体重量に伴って一定の芳香印象が確実となるよう、内部組成物は外部組成物より高い香料濃度を有することができる。別の態様では、別の活性物質を別の層に配合することもでき、別の活性物質はトイレの水を流す回数に応じて別のタイミングで放出される。このタイプの層状構造は、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックにも可能である。
【0055】
球形度
トイレ用洗浄剤ブロックは、好ましくは0.8〜1、特に好ましくは0.85〜1、とりわけ好ましくは0.9〜1の球形度Ψを示す。
【0056】
対象物Kの球形度Ψは、対象物表面の、対象物と同じ体積を有する球の表面に対する比である。
【数1】

式中、Vは対象物体積を示し、Aは対象物表面積を示す。
【0057】
トイレ用洗浄剤ブロックのほぼ理想的な球形は、トイレ用洗浄剤ブロックの均一な流去をもたらすので、水が流れている間または流れた後であっても、トイレ用洗浄剤ブロックは本質的にその球形を維持し、トイレ用洗浄剤ブロックは相応に浸食される。特に、流水の衝突前にトイレ用洗浄剤ブロックの球形度Ψがより高いことが、水が流れている間または流れた後の球形の維持に重要であることが見出された。
【0058】
球状トイレ用洗浄剤ブロックの直径は、好ましくは1mm〜10cm、好適には5mm〜5cm、特に1cm〜3cmである。
【0059】
トイレ用洗浄剤ブロックは、保持器により便器リムに固定される放出デバイスの中に挿入される。このために、まず、先行技術(例えばDE 102008037723)で既に記載されているような、流水分配要素を有するバスケットが適している。バスケットは、1個以上のトイレ用洗浄剤ブロックを収納できる。図1〜6に、バスケットをより詳細に示す。次に、1つ以上の開放プレートを使用できる。図7に示すように、開放プレートの上に、1個以上のトイレ用洗浄剤ブロックを相応に固定する。トイレ用洗浄剤ブロックおよび放出デバイスは一緒にシステムを形成する。従って、このシステムは、トイレ用洗浄剤ブロックが導入された放出デバイスを便器内側に吊るし、トイレの水を流すと、トイレ用洗浄剤ブロックの溶解成分が流水に達し、流水中で溶解成分の洗浄および/または芳香付与および/または消毒作用が発揮されるように、水洗トイレの洗浄および/または芳香付与および/または消毒方法において使用することができる。
【0060】
図を参照して、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックに適した放出デバイスを記載する。具体的には:
図1は、入口開口部の上方に流水分配要素を有するトイレ用バスケットの側面図を示し、
図2は、入口開口部の下方に流水分配要素を有するトイレ用バスケットの側面図を示し、
図3は、一列に互いに並んで配置された容器と流水分配要素とを有するトイレ用バスケットの平面図を示し、
図4は、ほぼ球状の容器と流水分配要素とを有する固体状またはゲル状調製物向けトイレ用バスケットの斜視図を示し、
図5は、ほぼ球状の容器と流水分配要素とを有する固体状またはゲル状調製物向けトイレ用バスケットの正面図を示し、
図6は、流水を衝突させることができる、ほぼ球状の容器を有する固体状またはゲル状調製物向けトイレ用バスケットの概略図を示し、
図7は、トイレ用洗浄剤ブロックを伴ったプレート状放出デバイスを示す。
【0061】
符号の説明
1 放出デバイス
2 保持要素
3 容器
4 トイレ用洗浄剤ブロック
5 入口
6 出口
7 容器壁
8 流水分配要素
9 バネ要素
10 バネ要素
11 分配要素
12 受容部
13 接合部
14 遠位末端
15 スパイク
16 プレート
【0062】
第一の態様を図1に記載する。図1は、入口の上方に流水分配要素(8)を有する、トイレ用洗浄剤ブロック(4)のための放出デバイス(1)の側面図を示す。放出デバイス(1)は、その上端に入口(5)を有する容器(3)からなる。流水は、流水分配要素(8)上および入口を通って、容器(3)に流れ込むことができる。容器(3)に流れ込んだ流水は、容器(3)に収納されているトイレ用洗浄剤ブロック(4)の一部を溶解し、相応の調製物を含む流水が、出口(6)を通って容器(3)から流れ出、便器内側に分注される。
【0063】
前記態様では、流水分配要素(8)はプレート状である。しかしながら別の態様では、流水分配要素(8)は、例えば、鉢状、傾斜状、湾曲状およびこれらの組み合わせといった形状をとってもよい。流水分配要素(8)は、便器の流水流れを受け止める。流水流れの主方向は重力下向きであり、矢印で示されている。流水流れは、じゃま板と同様の働きをする流水分配要素(8)によって分散され、流水分配要素(8)表面上で分配される。流水流れに面した流水分配要素(8)表面は、液体チャネリング構造および/または液体分配構造、例えば、斜め方向および/または長軸方向に走る溝、キャピラリーまたは格子を有することができる。
【0064】
流水分配要素(8)は開口部を有することもできる。流水は、開口部を通って容器(3)の入口(5)に流れ込むことができる。
【0065】
図1に示されているように、記載のトイレ用バスケットは、保持要素(2)を有する。使用者は、保持要素によって、トイレ用バスケットを便器リムに着脱可能に設置することができる。
【0066】
保持器(2)は、第1バネ要素(9)および第2バネ要素(10)を有する。トイレ用放出デバイス(1)を便器内側に設置した状態で、第1バネ要素(9)は本質的に垂直なバネたわみ経路を有し、第2バネ要素(10)は本質的に水平なバネたわみ経路を有し、それらによって、トイレ用バスケットをより良好かつより柔軟に、種々の厚さおよび設計の便器リムを有する便器に固定することができる。
【0067】
入口の下方に配置された流水分配要素を有する、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックのためのトイレ用バスケットの別の態様を、図2に示す。この放出デバイス(1)は、放出デバイス(1)を便器内側に設置した状態において、容器(3)の入口(5)のすぐ下で便器リムに向かって伸びるプレート状流水分配要素(8)を有する。
【0068】
図3は、図1および図2から具体的な情報が得られる、一列に互いに並んで配置された容器(3a)〜(3d)と流水分配要素(8)とを有するトイレ用バスケットの平面図を示す。トイレ用洗浄剤ブロック(4a)〜(4d)の異なった網掛けによって示されているように、容器(3a)〜(3d)は、互いに異なった調製物(4a、4b、4c、4d)を収納することができる。隣接する容器(3a)〜(3d)は、非導水性接合部(13)によって互いに接合されている。
【0069】
図4は、透明な材料で作られた放出デバイス(1)の斜視図を示す。この放出デバイスは、トイレ用洗浄剤ブロック(4a)〜(4d)のための球状容器(3a)〜(3d)および流水分配要素(8)で形成されている。容器(3a)〜(3d)は、一列に互いに並んで配置されている。球状の固体状調製物(4a)〜(4d)が透明な容器(3a)〜(3d)に収納されており、これらの調製物は異なっていてよい。容器(3a)〜(3d)は透明な設計なので、使用者は、調製物(4a)〜(4d)の消費の程度を可視的にかつ容易に確認することができる。
【0070】
ほぼ長軸の位置に通ったプレート状流水分配要素(8)が、容器(3a)〜(3d)のスリット状入口(5a)〜(5d)の下方に配置されており、トイレ用バスケットの全長にわたって伸びている。このことは、図4に示されているトイレ用バスケットの正面図から明らかに認めることができ、この正面図を図5に示す。
【0071】
容器(3a)〜(3d)および流水分配要素(8)は、1つの部品で形成されている。
すなわち、容器(3a)〜(3d)は、蝶番状材料ブリッジにより接合され、特に射出成形法によって成形される2つの半殻状要素からなる。流水分配要素(8)は、半殻状要素の一方に成形する。容器(3a)〜(3d)は、両方の半殻状要素を一緒に合わせることによって形成される。一緒に合わせた要素は、適当な形状の適合した、すなわち結合できる接合部によって、互いに固定される。
【0072】
放出デバイス(1)を便器リムに固定するための、1つの部品からなる保持要素(2)は、2つの菱形状バネ要素(9)および(10)を有する。トイレ用放出デバイス(1)を便器内側に設置した状態で、第1バネ要素(9)は本質的に垂直なバネたわみ経路を有し、第2バネ要素(10)は本質的に水平なバネたわみ経路を有する。得られたバネたわみ経路によって、トイレ用バスケットをより良好かつより柔軟に、種々の厚さおよび設計の便器リムを有する便器に固定することができる。
【0073】
流水分配要素(8)を有する球状容器(3a)〜(3d)の操作モードは、図6を参照してより詳細に説明する。
【0074】
図6では、球状容器に衝突する第一流水流れを、矢印Aで概略的に示す。矢印Aの幅および長さはそれぞれ、流水量および流水速度を表わしている。流水流れが容器の球状表面にぶつかると、衝突した流水流れは分散する。すなわち、一部は逸れて水しぶきになり(矢印A1として表示)、一部は容器表面上を流れていく(矢印A2として表示)。
【0075】
例として、流水流れAより流水速度が遅く、かつ流水量が少ない第二流水流れBを図6に示す。従って、流水流れBはより短くより幅の狭い矢印を有することが認められる。流水速度が遅く、かつ流水量が少ないので、球状表面にぶつかった際の水しぶきは少なく、球状容器表面に衝突した後に球状容器表面上を流れる流水量は増加する。
【0076】
トイレ用バスケットが便器内側に設置された状態で、球状容器の1つが、高速で強い流水衝突を受ける位置に存在するならば、より多量の水しぶきが生じ、隣接した球状容器上に水しぶきが分配される。このとき、水しぶきは、球状容器表面上を流れ落ちるか、または容器入口に直接達する。より緩やかな流水衝突を受ける領域では、容器の球状設計の故に、より少ない量の水しぶきが生じ、より多量の流水が容器表面上を流れ落ちる。このようにして、容器入口への流水の均一な供給が達成される。
【0077】
流水分配要素は同様の働きをする。トイレ用バスケットを固定した状態で、流水分配要素は、流水流れにおける一種のじゃま板として作用する。高速で強い流水衝突を受ける領域では、より穏やかな流水衝突を受ける領域より、多量の水しぶきが生じるので、流水の均一な供給が、容器入口に向かって流水分配要素表面上で起こる。
【0078】
調製物の均一な流去は、球状容器および流水分配要素の構造、特に、球状容器が流水流れの中に部分的または完全に存在する程度、容器入口の寸法および構造、並びに流水分配要素の寸法および位置によって達成される。
【0079】
これに関して、球状容器(3a)および(3b)は、25〜40mmの直径を有する球状調製物を収納するよう設計することが好ましい。更に、流水分配要素(8)の奥行きは、好ましくは2〜20mm、特に好ましくは5〜15mmである。「奥行き」とは、流水が衝突する便器リムまでの、設置状態での流水分配要素(8)の水平拡がりを意味すると理解される。球状容器(3a)および(3b)の中央を通る断面と水平にまたは前記断面上方水平に流水分配要素(8)を配置することが特に有利である。本発明の好ましい態様では、球状容器(3a)および(3b)の流水入口(5a)および(5b)の上縁と流水分配要素(8)とのギャップは2mm〜8mmである。また、水平に走るスリットが、流水入口(5a)および(5b)として好ましく、スリットは好適には、1〜6mm、好ましくは2〜4mmの高さと5〜35mm、好ましくは20〜25mmの幅とを有する。
【0080】
図7は、便器リムに放出デバイス(1)を固定するためのクランプ状保持要素(2)を有する本発明の放出デバイス(1)を示す。このようなタイプの保持要素(2)は、当業者に知られている。便器リムに放出デバイス(1)を配置した状態で、トイレ用洗浄剤ブロックを受けるために役立つ受容部(12)は、保持要素(2)の(便器内側を向いている)遠位末端(14)に配置されている。もちろん、同じまたは異なったトイレ用洗浄剤ブロックのための複数の受容部を保持要素(2)に配置することもできる。
【0081】
受容部(12)はプレート(16)からなり、プレート(16)から少なくとも1個のスパイク(15)が垂直に伸びている。トイレ用洗浄剤ブロック(4)はスパイク(15)に押し付けることによって固定され、トイレ用洗浄剤ブロック(4)は、プレート(16)上に少なくとも部分的に存在するので、トイレ用洗浄剤ブロック(4)は受容部(12)上に十分に固定される。トイレ用洗浄剤ブロックを固定するために、複数のスパイクをプレート(16)上に配置することもできる。
【0082】
このようにして、包囲するバスケットの形成を回避することができる。
【0083】
図7に示す放出デバイスおよびトイレ用洗浄剤ブロックの態様によって、材料の必要量を可能な限り少なくすると同時に、便器に固定される好ましい審美的外観を有する放出デバイス(1)が可能となる。更に、記載した態様によって、放出デバイス(1)の簡単な補充が可能となる。すなわち、トイレ用洗浄剤ブロック(4)が流去されたら、放出デバイス(1)の受容部(12)に新たなトイレ用洗浄剤ブロックを単に差し込むことによって、新たなトイレ用洗浄剤ブロックを配置することができる。
【0084】
トイレ用洗浄剤ブロック(4)の膨潤を防ぐことよって、トイレ用洗浄剤ブロック(4)は、水を多数回流した後であっても、受容部(12)にしっかり固体される。
【0085】
放出デバイス(1)は好ましくは、配置位置でプレート(16)が本質的に水平になり、スパイク(15)が本質的に垂直になるよう形成される。これによって、特に複数回水を流してトイレ用洗浄剤ブロック(4)が相応に摩滅した後に、流水衝突時に受容部(12)からトイレ用洗浄剤ブロック(4)が滑り落ちることを防ぐ。
【0086】
スパイクは、トイレ用洗浄剤ブロック(4)が物理的に分解しないようにして、トイレ用洗浄剤ブロック(4)を適切に取り付けることのできる任意の形状を有することができる。特に、スパイク(15)は、円柱形、円錐形、ピラミッド形、スクリュー形または同様の形状に設計することができる。更に、スパイク(15)には、返しを付けることもできる(図7には記載していない)。返しは、一旦トイレ用洗浄剤ブロック(4)を取り付けると、受容部(12)から取り外せないようにする。
【0087】
好ましい態様では、本発明の球状トイレ用洗浄剤ブロックの不適当な使用を回避するために、図1〜6に示したトイレ用バスケットは、小児用安全クロージャーを備える。
【0088】
本発明のトイレ用洗浄剤ブロックは、
a)成分を混合する工程、
b)混合物を押し出す工程、
c)押し出したストランドを所定の質量を有する断片に切断する工程、
d)回転対称物体に成形する工程
を含む方法で製造する。
【0089】
成形工程d)は、好ましくは、ボール圧延機またはプレスで実施する。別の適当な成形法は、注型またはカレンダリングである。工程a)およびb)を組み合わせることもできる。すなわち、押出機内で成分を混合することができる。工程段階は場合により異なった温度で実施してよいので、前記工程の間に加熱工程または冷却工程が挿入されることもある。このようなことは、当業者によって適宜実施される。
【0090】
好ましい態様では、工程b)またはc)の一方の後に、押し出しストランドに滑剤を供給するという更なる工程段階を実施する。このため、押し出しストランド表面に、完全にまたは部分的に、好ましくは10〜40重量%、滑剤が供給されるよう、滑剤の装填が長期的であるローラー状のスポンジを押し出しストランド上にガイドする。滑剤の添加は、その後の球体への成形を改善する。適当な滑剤は特に、例えば本発明の調製物において界面活性剤または流出調節剤として添加される物質である。これに関して、添加滑剤は、特に好ましくは、ジプロピレングリコール、パラフィン、非イオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物からなる群から選択され、ジプロピレングリコールが特に好ましい。
【0091】
トイレ用洗浄剤ブロックは、好ましくは0.8〜1、特に好ましくは0.85〜1、とりわけ好ましくは0.9〜1の球形度Ψを示す。
【実施例】
【0092】
配合物E1を用いて、本発明のトイレ用洗浄剤ブロックを製造した。また、本発明ではない調製物V1〜V4も製造した。各組成物を用い、混合物を押し出し、押し出しストランドを所定の質量を有する断片に切断し、圧延機を用いて断片を球体に成形することによって、実験を実施した。調製物V1、V2およびV4は柔らかすぎ、その結果、押し出しや最終的に球体への成形が困難であり、また、得られたブロックが、トイレの水を流すと膨潤することが見出された。V3は、満足に押し出すことができ、球体に成形することができ、膨潤挙動はより良好ではあったが、高温で押し出さなければならず、その結果、望ましくない多大な香料損失が生じた。一方、本発明の洗浄剤ブロックは、最大30℃で押し出して成形することができ、更に、トイレの水を流しても膨潤しなかった。
【0093】
調製物E1およびV1〜V4を以下の表に示す。全ての量は重量%で表す。
【表1】

【符号の説明】
【0094】
1 放出デバイス
2 保持要素
3 容器
4 トイレ用洗浄剤ブロック
5 入口
6 出口
7 容器壁
8 流水分配要素
9 バネ要素
10 バネ要素
11 分配要素
12 受容部
13 接合部
14 遠位末端
15 スパイク
16 プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、少なくとも1種のアルキルベンゼンスルホネートおよび少なくとも1種のオレフィンスルホネートを含んでなる、圧延機またはプレスで回転対称物体に成形することができたトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項2】
球状物体に成形された、請求項1に記載のトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項3】
10〜70重量%、好ましくは20〜65重量%、特に好ましくは20〜30重量%のアルキルベンゼンスルホネートを含んでなる、請求項1または2に記載のトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項4】
10〜30重量%、好ましくは15〜30重量%、特に好ましくは15〜25重量%のオレフィンスルホネートを含んでなる、請求項1〜3のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤が好ましくは脂肪アルコールアルコキシレートである、請求項1〜4のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項6】
好ましくは20重量%まで、特に好ましくは4〜12重量%、とりわけ7〜9重量%の量で脂肪アルコールアルコキシレートを含んでなる、請求項5に記載のトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項7】
脂肪アルコールスルフェート、脂肪酸モノアルカノールアミド、脂肪アルコールエーテルスルフェート、アルカンスルホネートおよびそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、更なる界面活性剤を含んでなる、請求項1〜6のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項8】
トイレ用洗浄剤ブロックに典型的に使用され、酸、塩基、塩、増粘剤、抗菌剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、着色剤、芳香剤、香料増強剤、充填剤、ビルダー、漂白剤、腐蝕抑制剤、流出調節剤、酵素、微生物、バイオフィルム除去用活性物質、石灰スケール抑制剤、汚れ付着抑制剤およびそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、更なる成分の1種以上を含んでなる、請求項1〜7のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項9】
トイレ用洗浄剤ブロックが、0.8〜1、特に好ましくは0.85〜1、とりわけ好ましくは0.9〜1の球形度Ψを有する球形を示す、請求項1〜8のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロック。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロックの少なくとも1個および放出デバイスで作られたシステム。
【請求項11】
放出デバイスが請求項1〜9のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロック(4a、4b、4c、4d)の少なくとも1個を収納する容器(3a、3b、3c、3d)の少なくとも1個を含み、流水が容器(3a、3b、3c、3d)と少なくとも1個の入口開口部(5a、5b、5c、5d)の上を流れることができるよう容器が便器リムの下方に配置されており、1個の流水用出口開口部(6a、6b、6c、6d)が容器壁(7)に成形されており、更に、保持器(2)が放出デバイス(1)を便器リムに保持するために存在し、トイレの水が流れている間、流水が流水分配要素(8)に衝突して流水の均一な放出が容器(3a、3b、3c、3d)の入口開口部(5a、5b、5c、5d)で成されるよう流水分配要素(8)が放出デバイス(1)に配置されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
放出デバイス(1)が、便器リムに固定できる、便器リムに固定した状態で便器内側に位置する遠位末端(14)を含むクランプ状保持要素(2)を有し、請求項1〜9のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロック(4)の少なくとも1個のための受容部(12)の少なくとも1個が遠位末端(14)に備えられており、受容部(12)が少なくとも1個のスパイク(15)および少なくとも1個のプレート(16)で形成されており、請求項1〜9のいずれかに記載のトイレ用洗浄剤ブロック(4)の少なくとも1個がスパイク(15)に差し込まれており、プレート(16)がトイレ用洗浄剤ブロック(4)の下側重力方向に配置されており、トイレ用洗浄剤ブロック(4)がプレート(16)上に存在し、トイレの水を流した際、保持要素(2)を便器リムに固定した状態でトイレ用洗浄剤ブロック(4)に流水が衝突するよう保持要素(2)の遠位末端(14)とトイレ用洗浄剤ブロック(4)の少なくとも1個のための受容部(12)とが配置されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
a)成分を混合する工程、
b)混合物を押し出す工程、
c)押し出したストランドを所定の質量を有する断片に切断する工程、
d)回転対称物体に成形する工程
を含む、香料、非イオン性界面活性剤、アルキルベンゼンスルホネートおよびオレフィンスルホネートを含んでなる回転対称トイレ用洗浄剤ブロックの製造方法。
【請求項14】
トイレ用洗浄剤ブロックを、0.8〜1、特に好ましくは0.85〜1、とりわけ好ましくは0.9〜1の球形度Ψを有する球状に付形する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ボール圧延機またはプレスで成形工程d)を実施する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
請求項10〜12のいずれかに記載のシステムを用いることによる、水洗トイレの洗浄および/または芳香付与および/または消毒方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−526876(P2012−526876A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510227(P2012−510227)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【国際出願番号】PCT/EP2010/056239
【国際公開番号】WO2010/130645
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】