説明

球状体吸着装置、球状体搭載装置、球状体吸着方法および球状体搭載方法

【課題】使用者に対して未吸着の吸気口の発生およびその発生原因を把握させる。
【解決手段】複数の吸気口が形成された吸着面を有して吸気口に球状体を吸着する吸着ヘッド11と、球状体を保持している保持部を吸着面に近接させた状態を維持しつつ吸着面に沿って移動させて球状体を吸着ヘッドに供給する供給部12と、球状体を吸着している吸着ヘッド11の吸着面を撮像する撮像部14と、球状体を未吸着の吸気口の数および位置を撮像部14によって撮像された吸着面の撮像画像に基づいて特定する処理を実行する制御部16とを備え、制御部16は、未吸着の吸気口の数および位置に基づいて未吸着の吸気口の分布状態を特定すると共に、分布状態が予め規定された複数種類の分布パターンのいずれかに該当すると判定したときに判定した種類の分布パターンに予め対応付けられた未吸着の発生原因を示すデータを出力する処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状体を吸着する球状体吸着装置、その球状体吸着装置を備えて球状体を搭載対象体に搭載する球状体搭載装置、球状体を吸着する球状体吸着方法、およびその球状体吸着方法で吸着している球状体を搭載対象体に搭載する球状体搭載方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の球状体吸着装置として、特開2011−9591号公報において出願人が開示した半田ボール吸着装置が知られている。この半田ボール吸着装置は、吸着ヘッド、収容容器、吸着保持部、駆動機構および整列用プレートなどを備えて半田ボールを吸着可能に構成されている。この半田ボール吸着装置では、吸着保持部が収容容器に収容されている半田ボールを先端部で吸着して保持する。次いで、駆動機構が吸着保持部の先端部を整列用プレート(吸着ヘッドの吸着面)に近接させた状態で整列用プレート(吸着ヘッドの吸着面)に沿って吸着保持部を移動させる。この際に、先端部に保持されている半田ボールが、吸着保持部の移動に伴って吸着ヘッドにおける複数の吸気口に徐々に供給されて、各吸気口の縁部に1つずつ吸着される。
【0003】
この場合、半田ボールを吸着していない未吸着の吸気口が存在するときには、吸着ヘッドに吸着された各半田ボールを基板における複数の端子に搭載する搭載処理を行う際に、各端子の一部に半田ボールが搭載されない欠陥が生じることとなる。このため、出願人は、このような未吸着の吸気口の有無を把握するための手段として、半田ボールを吸着している吸着ヘッドの吸着面を撮像する撮像部を備えた半田ボール吸着装置を既に開発している。この半田ボール吸着装置では、使用者が、撮像部による撮像画像を監視することで、未吸着の吸気口の有無を把握することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−9591号公報(第6−9頁、第10−14図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記の半田ボール吸着装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、この半田ボール吸着装置では、吸着ヘッドの吸着面の撮像画像を使用者が監視することで、未吸着の吸気口の有無を使用者が把握している。このため、例えば、半田ボールを吸着ヘッドに吸着させる処理を繰り返して実行して数多くの基板に対して搭載処理を行う場合において、未吸着の吸気口の発生を確実に把握するためには、撮像画像を長時間に亘って常時監視する必要がある。しかしながら、このような監視体制を採用するのは、一般的には困難である。したがって、この半田ボール吸着装置では、使用者に対して未吸着の吸気口の発生を確実に把握させるすることが困難なことがある。また、撮像画像の監視によって未吸着の吸気口の発生を発見したとしても、未吸着の吸気口の数や位置と未吸着が発生する原因との関連性を特定するには使用者の経験や知識が必要なことがあるため、その発生原因を解消して未吸着の吸気口の発生を直ちに防止することができないことがある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、使用者に対して未吸着の吸気口の発生およびその発生原因を把握させ得る球状体吸着装置、球状体搭載装置、球状体吸着方法および球状体搭載方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく請求項1記載の球状体吸着装置は、複数の吸気口が形成された吸着面を有して当該吸気口に球状体を吸着する吸着ヘッドと、球状体を保持している保持部を前記吸着面に近接させた状態を維持しつつ当該吸着面に沿って相対的に移動させて当該球状体を前記吸着ヘッドに供給する供給部と、前記球状体を吸着している吸着状態における前記吸着ヘッドの前記吸着面を撮像する撮像部とを備えた球状体吸着装置であって、前記球状体を未吸着の前記吸気口の数および位置を前記撮像部によって撮像された前記吸着面の撮像画像に基づいて特定する処理を実行する処理部を備え、前記処理部は、前記未吸着の吸気口の数および位置に基づいて当該未吸着の吸気口の分布状態を特定すると共に、当該分布状態が予め規定された複数種類の分布パターンのいずれかに該当すると判定したときに当該判定した種類の分布パターンに予め対応付けられた未吸着の発生原因を示すデータを出力する処理を実行する。
【0008】
また、請求項2記載の球状体吸着装置は、請求項1記載の球状体吸着装置において、前記各吸気口は、マトリクス状に配列された状態で前記吸着面に形成され、前記供給部は、前記保持部における前記球状体を保持する保持面が前記吸着面の第1方向に沿って長尺の四角形状に形成されると共に、前記吸着面における前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記保持部を相対的に移動させ、前記第1方向に沿った前記未吸着の吸気口の分布のパターンを示す複数種類の第1方向パターンと前記第2方向に沿った前記未吸着の吸気口の分布のパターンを示す複数種類の第2方向パターンとの組み合わせが互いに異なる前記複数種類の分布パターンが規定され、前記処理部は、前記未吸着の吸気口の前記第1方向に沿った分布状態と前記各第1方向パターンとを比較すると共に前記未吸着の吸気口の前記第2方向に沿った分布状態と前記各第2方向パターンとを比較して該当する前記分布パターンの種類を判定する。
【0009】
また、請求項3記載の球状体搭載装置は、請求項1または2記載の球状体吸着装置と、前記球状体の吸着が行われる吸着位置と前記球状体が搭載対象体に搭載される搭載位置との間で前記球状体吸着装置の前記吸着ヘッドを搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象体に搭載する。
【0010】
また、請求項4記載の球状体吸着方法は、複数の吸気口が形成された吸着面を有する吸着ヘッドの当該吸着面に対して、球状体を保持している保持部を近接させた状態を維持しつつ当該吸着面に沿って相対的に移動させて当該球状体を当該吸着ヘッドに供給し、当該吸気口に前記球状体を吸着させ、前記球状体を吸着している吸着状態における前記吸着ヘッドの前記吸着面を撮像する球状体吸着方法であって、前記球状体を未吸着の前記吸気口の数および位置を前記吸着面を撮像した撮像画像に基づいて特定する処理を実行し、前記未吸着の吸気口の数および位置に基づいて当該未吸着の吸気口の分布状態を特定すると共に、当該分布状態が予め規定された複数種類の分布パターンのいずれかに該当すると判定したときに当該判定した種類の分布パターンに予め対応付けられた未吸着の発生原因を示すデータを出力する処理を実行する。
【0011】
また、請求項5記載の球状体吸着方法は、請求項4記載の球状体吸着方法において、前記各吸気口がマトリクス状に配列された状態で前記吸着面に形成された前記吸着ヘッドを用いると共に、前記球状体を保持する保持面が前記吸着面の第1方向に沿って長尺の四角形状に形成された前記保持部を当該吸着面における当該第1方向に直交する第2方向に沿って相対的に移動させ、前記第1方向に沿った前記未吸着の吸気口の分布のパターンを示す複数種類の第1方向パターンと前記第2方向に沿った前記未吸着の吸気口の分布のパターンを示す複数種類の第2方向パターンとの組み合わせが互いに異なる前記複数種類の分布パターンが規定され、前記未吸着の吸気口の前記第1方向に沿った分布状態と前記各第1方向パターンとを比較すると共に前記未吸着の吸気口の前記第2方向に沿った分布状態と前記各第2方向パターンとを比較して該当する前記分布パターンの種類を判定する。
【0012】
また、請求項6記載の球状体搭載方法は、請求項4または5記載の球状体吸着方法で前記吸着ヘッドに前記球状体を吸着させ、当該球状体を吸着している前記吸着ヘッドを搭載位置に移動させて、前記球状体を搭載対象体に搭載する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の球状体吸着装置、請求項3記載の球状体搭載装置、請求項4記載の球状体吸着方法、および請求項6記載の球状体搭載方法では、未吸着の吸気口の数および位置を吸着面の撮像画像に基づいて特定する処理を実行し、特定した未吸着の吸気口の数および位置に基づいて未吸着の吸気口の分布状態を特定すると共に、その分布状態が予め規定された複数種類の分布パターンのいずれかに該当すると判定したときにその分布パターンPTに対応付けられた発生原因を示すデータを出力する処理を実行する。このため、この球状体吸着装置、球状体搭載装置、球状体吸着方法および球状体搭載方法によれば、使用者が撮像画像を監視することによって未吸着の吸気口の発生やその発生原因を特定する構成および方法とは異なり、数多くの基板に対して搭載処理を行う場合においても撮像画像を長時間に亘って常時監視することなく、未吸着の吸気口の発生を使用者に確実に把握させることができる。また、該当すると判定した分布パターンに予め対応付けられた発生原因を示すデータを出力し、これによって発生原因を示す文字情報や画像を表示することで、使用者の経験や知識に頼ることなく、未吸着の吸気口の発生原因を使用者に把握させることができる。
【0014】
また、請求項2記載の球状体吸着装置、請求項3記載の球状体搭載装置、請求項5記載の球状体吸着方法、および請求項6記載の球状体搭載方法では、吸着面の第1方向に沿った第1方向パターンと吸着面の第2方向に沿った第2方向パターンとの組み合わせが互いに異なる複数種類の分布パターンが予め規定され、未吸着の吸気口の第1方向に沿った分布状態と第1方向パターンとを比較すると共に、未吸着の吸気口の第2方向に沿った分布状態と第2方向パターンとを比較して該当する分布パターンの種類を判定する。この場合、第1方向に沿った未吸着の吸気口の分布状態、および第2方向に沿った未吸着の吸気口の分布状態は、発生原因に応じて明確に相違する。このため、この球状体吸着装置、球状体搭載装置、球状体吸着方法および球状体搭載方法によれば、未吸着の吸気口の分布状態を第1方向および第2方向に分けて別々に特定して、各種類の第1方向パターンおよび各種類の第2方向パターンとそれぞれ比較することで、未吸着の吸気口の発生原因を正確かつ容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】半田ボール搭載装置1の構成を示す構成図である。
【図2】半田ボール搭載装置1の平面図である。
【図3】半田ボール吸着装置2の構成を示す構成図である。
【図4】吸着ヘッド11、供給部12およびプレート13の断面図である。
【図5】吸着ヘッド11を底面22側から見た平面図である。
【図6】供給部12の構成を示す斜視図である。
【図7】供給部12の構成を示す分解斜視図である。
【図8】吸着ヘッド11に半田ボール300が吸着された状態を示す断面図である。
【図9】半田ボール吸着装置2の動作を説明する説明図である。
【図10】第1方向パターンPX1〜PX3を説明する説明図である。
【図11】第2方向パターンPY1〜PY3を説明する説明図である。
【図12】分布パターンPT1を説明する説明図である。
【図13】分布パターンPT2を説明する説明図である。
【図14】分布パターンPT3を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、球状体吸着装置、球状体搭載装置、球状体吸着方法および球状体搭載方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0017】
最初に、図1に示す半田ボール搭載装置1の構成について説明する。半田ボール搭載装置1は、球状体搭載装置の一例であって、同図および図2に示すように、半田ボール吸着装置2、移動装置3および基板搬送装置4を備えて、球状体搭載方法に従い、基板400(搭載対象体の一例:図1参照)の表面にマトリクス状に配列された端子401(同図参照)に対して、直径L1(図8参照)が80μm程度の微細な半田ボール300(球状体の一例:同図参照)を搭載する搭載処理を実行可能に構成されている。この場合、半田ボール搭載装置1によって基板400の各端子401にそれぞれ搭載された半田ボール300は、加熱溶融されて、半球状の溶融体となった状態で各端子401に固着されてボールグリッドアレイ(BGA)を構成する。
【0018】
半田ボール吸着装置2は、球状体吸着装置の一例であって、図3に示すように、吸着ヘッド11、供給部12、プレート13、撮像部14、表示部15および制御部16を備えて構成されて、球状体吸着方法に従って半田ボール300を吸着する吸着処理を実行する。
【0019】
吸着ヘッド11は、一例として、図4に示すように、内部空間21を有する中空の箱型に構成されている。また、図5に示すように、吸着ヘッド11の底面22は長方形に形成され、その底面22における長方形の吸着領域Aa(同図参照)には、半田ボール300を吸着するための複数の吸気口22aが形成されている。この場合、各吸気口22aは、直径L2(図8参照)が例えば40μm程度に規定されている。また、各吸気口22aは、基板400における各端子401の配列パターンと同じマトリクス状の配列パターンで底面22に形成されている(図5参照)。
【0020】
また、図4に示すように、吸着ヘッド11の天面23には、内部空間21の空気を吸気するための吸気孔23aが形成されている。この吸着ヘッド11では、内部空間21の空気が吸気孔23aを介して図外の吸気機構によって吸気されて内部空間21が負圧状態となり、それに伴って各吸気口22aからの吸気が行われることにより、各吸気口22aに半田ボール300を吸着する(図8,9参照)。
【0021】
供給部12は、図4,6,7に示すように、収容容器31、保持部32、吸引部33および駆動機構34(図3参照)を備えて、吸着ヘッド11に半田ボール300を供給する供給処理を実行する。
【0022】
収容容器31は、半田ボール300を収容する。保持部32は、図6,7に示すように、略直方体状に形成されている。また、保持部32は、図外の吸気機構に接続されており、収容容器31に収容されている半田ボール300を先端部(図4における下端部)の保持面32aで吸着して保持する。この場合、保持部32の保持面32aは、図5に示すように、長尺側の長さが吸着ヘッド11の底面22における吸着領域Aaの第1方向(同図に示す矢印Xの方向(左右方向)であって、以下「X方向」ともいう)に沿った長さよりもやや長い長方形(四角形の一例)に形成されている。また、保持部32は、基端部(図4における上端部)を中心として回動可能に構成されている。
【0023】
吸引部33は、図外の吸気機構に接続されており、吸着ヘッド11に供給される半田ボール300のうちの余剰分を吸引して除去する。駆動機構34は、制御部16の制御に従い、供給処理において、収容容器31、保持部32および吸引部33(以下、この3つの構成要素をまとめて「供給部本体100」ともいう)を移動させる処理、並びに保持部32を回動させる処理を行う。この場合、駆動機構34は、供給処理において、底面22(吸着領域Aa)における上記した第1方向(X方向)に直交する第2方向(図5に示す矢印Yの方向(上下方向)であって、以下「Y方向」ともいう)に沿って供給部本体100(保持部32)を移動させる。また、供給部12は、図外のバネによってプレート13(プレート13の配設位置)に向けて供給部本体100が付勢されており、供給処理において、保持部32の先端部(保持面32aに保持されている半田ボール300)をプレート13に向けて押圧するように構成されている。
【0024】
プレート13は、図4に示すように、板状に構成され、吸着ヘッド11の底面22に近接(または接触)している状態(図8に示す状態)において吸着ヘッド11の吸気口22aに対向する位置に、半田ボール300が通過可能な(直径L4(同図参照)が95μm程度の)挿通孔13aが形成されている。このプレート13は、供給部12によって供給された半田ボール300を挿通孔13aに挿通させて吸着ヘッド11の吸気口22aに吸着させると共に、吸着ヘッド11による余剰な半田ボール300の吸着を規制する機能を有している。この場合、同図に示すように、プレート13の厚みL3は、吸気口22aに吸着された半田ボール300の端部が下面からやや突出する75μm程度に規定されている。
【0025】
撮像部14は、図2に示すように、吸着ヘッド11に半田ボール300を吸着させる吸着位置P3(プレート13の配設位置:同図参照)と、基板400に半田ボール300を搭載する搭載位置P2(同図参照)との間に配置されて、制御部16の制御に従い、半田ボール300を吸着している状態(以下「吸着状態」ともいう)の吸着ヘッド11の底面22を撮像する。
【0026】
表示部15は、制御部16の制御に従い、制御部16から出力される画像データに基づき、半田ボール300が吸着されていない吸気口22a(以下、「未吸着吸気口22b」ともいう:図12参照)が発生している旨を示す文字情報や画像、およびその未吸着吸気口22bの発生原因を示す文字情報や画像を表示する。
【0027】
制御部16は、供給部12(駆動機構34)、撮像部14および表示部15を制御する。また、制御部16は、移動装置3および基板搬送装置4を制御する。また、制御部16は、図外の吸気装置による吸気(空気の吸引)を制御する。
【0028】
さらに、制御部16は、処理部として機能して、撮像部14によって撮像された吸着状態の吸着ヘッド11における底面22の撮像画像に基づき、未吸着吸気口22bを検出する検出処理を実行する。また、制御部16は、検出処理において未吸着吸気口22bを検出したときには、その数および位置を底面22の撮像画像に基づいて特定し、さらに特定した数および位置から未吸着吸気口22bの分布状態を特定すると共に、その分布状態が予め規定された複数種類の分布パターンPTのいずれかに該当(合致)するか否かを判定するパターン判定処理を実行する。また、制御部16は、パターン判定処理において、該当すると判定した分布パターンPTに予め対応付けられている未吸着吸気口22bの発生原因を示す文字情報や画像を表示させる画像データ(発生原因を示すデータ)を表示部15に出力することにより、その文字情報や画像を表示部15に表示させる(発生原因を報知させる処理の実行)。
【0029】
この場合、底面22の吸着領域AaにおけるX方向に沿った未吸着吸気口22bの分布のパターンを示す第1方向パターンPXと、吸着領域AaにおけるY方向に沿った未吸着吸気口22bの分布のパターンを示す第2方向パターンPYとの組み合わせが互いに異なる複数種類の分布パターンPTが規定されている。
【0030】
具体的には、第1方向パターンPXとして、図10に示すように、吸着領域AaのX方向における一方の端部(同図における左側の端部)に未吸着吸気口22bが集中している第1方向パターンPX1、X方向に沿って未吸着吸気口22bが連続している第1方向パターンPX2、およびX方向に沿って未吸着吸気口22bが分散(この例では、均等またはほぼ均等に分散)している第1方向パターンPX3の3種類の第1方向パターンPXが規定されている。また、第2方向パターンPYとして、図11に示すように、吸着領域AaのY方向における一方の端部(同図における上部側の端部)に未吸着吸気口22bが集中している第2方向パターンPY1、Y方向に沿って未吸着吸気口22bが連続している第2方向パターンPY2、およびY方向に沿って未吸着吸気口22bが分散(この例では、均等またはほぼ均等に分散)している第2方向パターンPY3の3種類の第2方向パターンPYが規定されている。
【0031】
この半田ボール吸着装置2では、複数種類の分布パターンPTの一例として、次のような3種類の分布パターンPTが規定されている。1つ目の分布パターンPTとして、図12に示すように、上記した第1方向パターンPX1と上記した第2方向パターンPY2とを組み合わせた分布パターンPT、つまり未吸着吸気口22bが吸着領域AaのX方向における一方の端部(この例では、左側の端部)に帯状に集中している分布パターンPT(以下、この分布パターンPTを「分布パターンPT1」ともいう)が規定されている。
【0032】
また、2つ目の分布パターンPTとして、図13に示すように、上記した第1方向パターンPX2と上記した第2方向パターンPY1とを組み合わせた分布パターンPT、つまり未吸着吸気口22bが吸着領域AaのY方向における一方の端部(この例では、上部側の端部)に帯状に集中している分布パターンPT(以下、この分布パターンPTを「分布パターンPT2」ともいう)が規定されている。
【0033】
さらに、3つ目の分布パターンPTとして、図14に示すように、上記した第1方向パターンPX3と上記した第2方向パターンPY3とを組み合わせた分布パターンPT、つまり吸着領域Aaの全域に未吸着吸気口22bが均等またはほぼ均等に分散している分布パターンPT(以下、この分布パターンPTを「分布パターンPT3」ともいう)が規定されている。
【0034】
上記したように、この半田ボール吸着装置2では、第1方向パターンPXおよび第2方向パターンPYの組み合わせが互いに異なる複数種類の分布パターンPTが規定されている。このため、制御部16は、パターン判定処理において、未吸着吸気口22bの数および位置に基づき、X方向に沿った未吸着吸気口22bの分布状態を特定して各第1方向パターンPXと比較すると共に、Y方向に沿った未吸着吸気口22bの布状態を特定して各第2方向パターンPYと比較することにより、分布状態が上記した各分布パターンPTのいずれかに該当するか否かを判定する。
【0035】
一方、この半田ボール吸着装置2では、収容容器31に十分な量の半田ボール300が収容されていないために、保持部32の保持面32aに半田ボール300が十分に保持されていないときに、未吸着吸気口22bの分布状態が上記した分布パターンPT1となる。つまり、未吸着吸気口22bの分布状態が上記した分布パターンPT1に該当するときには、収容容器31における半田ボール300の不足が未吸着吸気口22bの発生原因である可能性がある。このため、この半田ボール吸着装置2では、この「収容容器31における半田ボール300の不足」との事象が未吸着吸気口22bの発生原因として分布パターンPT1に予め対応付けられている。
【0036】
また、この半田ボール吸着装置2では、供給部12の駆動機構34による供給部本体100の移動がスムーズに行われずに、保持部32の保持面32aに保持されている半田ボール300がプレート13に対して押圧される押圧力が変化するような供給部12の機構上の不具合があるときには、未吸着吸気口22bの分布状態が上記した分布パターンPT2となる。つまり、未吸着吸気口22bの分布状態が上記した分布パターンPT2に該当するときには、供給部12の機構上の不具合が未吸着吸気口22bの発生原因である可能性がある。このため、この半田ボール吸着装置2では、この「供給部12の機構上の不具合」との事象が未吸着吸気口22bの発生原因として分布パターンPT2に予め対応付けられている。
【0037】
さらに、この半田ボール吸着装置2では、基板400に塗布されているフラックスの付着などによってプレート13が汚れているときには、未吸着吸気口22bの分布状態が上記した分布パターンPT3となる。つまり、未吸着吸気口22bの分布状態が上記した分布パターンPT3に該当するときには、プレート13の汚れが未吸着吸気口22bの発生原因である可能性がある。このため、この半田ボール吸着装置2では、この「プレート13の汚れ」との事象が未吸着吸気口22bの発生原因として分布パターンPT3に予め対応付けられている。
【0038】
移動装置3は、半田ボール吸着装置2における制御部16の制御に従い、吸着位置P3と搭載位置P2との間で吸着ヘッド11を移動させる。
【0039】
基板搬送装置4は、図2に示すように、ステージ4aおよび移動機構4bを備えて構成されている。ステージ4aは、搭載対象体としての基板400をその載置面(上面)に載置可能に構成されると共に、載置された基板400を例えば吸着することによって固定(支持)可能に構成されている。移動機構4bは、制御部16の制御に従い、基板400がステージ4aに供給(載置)される供給位置P1(同図参照)と搭載位置P2との間でステージ4aを移動させる。
【0040】
次に、半田ボール搭載装置1を用いて、球状体吸着方法に従って吸着した半田ボール300を基板400に搭載する球状体搭載方法について、図面を参照して説明する。
【0041】
この半田ボール搭載装置1では、搭載処理の開始が指示されたときに、図2に示すように、供給位置P1に位置している基板搬送装置4におけるステージ4aの載置面に図外の供給装置が基板400を載置(供給)し、ステージ4aがその基板400を保持する。
【0042】
次いで、半田ボール吸着装置2の制御部16が、基板搬送装置4の移動機構4bを制御して、ステージ4aを供給位置P1から搭載位置P2に移動させる。続いて、制御部16は、移動装置3を制御して、半田ボール吸着装置2の吸着ヘッド11を吸着位置P3(プレート13の配設位置)に移動させ、図8に示すように、底面22とプレート13とを接触(近接)させる。なお、この時点では、半田ボール300は吸着されていない。
【0043】
次いで、制御部16は、吸着処理を実行する。この吸着処理では、制御部16は、図外の吸気機構を制御して、吸着ヘッド11における内部空間21の空気の吸引を開始させる。この際に、内部空間21が負圧状態となって底面22の吸気口22aからの吸気が開始される。
【0044】
また、制御部16は、吸気機構を制御して、供給部12における保持部32の先端部、および供給部12における吸引部33の先端部からの吸気を開始させる。続いて、保持部32の先端部(図4における下端部)からの吸気に伴い、収容容器31に収容されている半田ボール300が保持部32における先端部の保持面32aに吸着されて保持される。次いで、制御部16は、供給部12の駆動機構34を制御して、保持部32の基端部側(図9における下端部)を中心として保持部32を回動させる。続いて、制御部16は、保持部32の保持面32aがプレート13に対向した時点で、供給部12の駆動機構34を制御して、保持部32の回動を停止させる。
【0045】
次いで、制御部16は、供給部12に供給処理を実行させる。具体的には、制御部16は、供給部12の駆動機構34を制御して、プレート13に向けて供給部本体100を移動させ、続いて、図9に示すように、保持部32の先端部をプレート13に近接させた状態を維持しつつ供給部本体100をプレート13に沿って同図に示す矢印の向きに移動させる。この際に、先端部に保持されている半田ボール300が、吸着ヘッド11における吸気口22aからの吸気に伴う吸引力によって引き寄せられて吸着ヘッド11に供給され、供給された半田ボール300がプレート13の各挿通孔13aを通って吸着ヘッド11の各吸気口22aに1つずつ吸着される。
【0046】
次いで、制御部16は、供給部12の駆動機構34を制御して、供給部本体100をプレート13に沿ってさらに移動させる。この際に、吸引部33が、プレート13に付着している余剰な半田ボール300を吸引して除去する。以上で、吸着処理が終了する。
【0047】
続いて、制御部16は、移動装置3を制御して、吸着ヘッド11を撮像部14の上方に移動させる。次いで、制御部16は、撮像部14を制御して、吸着状態の吸着ヘッド11の底面22を撮像させる。続いて、制御部16は、検出処理を実行する。この検出処理では、制御部16は、撮像部14によって撮像された撮像画像に基づき、吸着ヘッド11の各吸気口22aの中に、未吸着吸気口22bが存在するか否かを検出する。
【0048】
この場合、未吸着吸気口22bが存在しないときには、制御部16は、移動装置3を制御して吸着ヘッド11を移動させ、搭載位置P2に搬送されている基板400の搭載面(端子401が設けられている面)に対して、吸着ヘッド11によって吸着されている半田ボール300を近接(接触)させる。次いで、制御部16は、吸気機構を制御して、吸着ヘッド11の内部空間21からの空気の吸引(吸気口22aからの吸気)を停止させる。この際に、吸気口22aによる吸着が解除されて、半田ボール300が基板400の端子401に搭載されて搭載処理が終了する。
【0049】
一方、検出処理において未吸着吸気口22bを検出したときには、制御部16は、パターン判定処理を実行する。このパターン判定処理では、制御部16は、未吸着吸気口22bの数および各未吸着吸気口22bの位置を撮像部14によって撮像された底面22の撮像画像に基づいて特定する。次いで、制御部16は、特定した数および位置から未吸着吸気口22bの分布状態を特定する。
【0050】
具体的には、制御部16は、未吸着吸気口22bの数および位置に基づき、底面22の吸着領域AaにおけるX方向(図5参照)に沿った未吸着吸気口22bの分布状態を特定して上記した3種類の第1方向パターンPXと比較し、各第1方向パターンPXの中から特定した分布状態に該当(類似)する種類の第1方向パターンPXを特定する。また、制御部16は、未吸着吸気口22bの数および位置に基づき、底面22の吸着領域AaにおけるY方向(同図参照)に沿った未吸着吸気口22bの分布状態を特定して上記した3種類の第2方向パターンPYと比較し、各第2方向パターンPYの中から特定した分布状態に該当(類似)する種類の第2方向パターンPYを特定する。続いて、制御部16は、第1方向パターンPXおよび第2方向パターンPYの組み合わせによって規定される上記した分布パターンPT1〜PT3(図12〜図14参照)の中から該当する種類の分布パターンPTを特定する。次いで、制御部16は、特定した種類の分布パターンPTに予め対応付けられている未吸着吸気口22bの発生原因を特定する。続いて、制御部16は、未吸着吸気口22bが発生している旨を示す文字情報や画像、および上記のようにして特定した未吸着吸気口22bの発生原因を示す文字情報や画像を表示させる画像データを表示部15に出力することにより、これらの文字情報や画像を表示部15に表示させる。これにより、未吸着吸気口22bが発生している旨が報知されると共に、未吸着吸気口22bの発生原因が報知される。また、制御部16は、未吸着吸気口22bを検出したときには、移動装置3による吸着ヘッド11の移動を停止させて、搭載処理を中断する。
【0051】
このように、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1、球状体吸着方法および球状体搭載方法では、未吸着吸気口22bの数および位置を底面22の撮像画像に基づいて特定する処理を実行し、特定した未吸着吸気口22bの数および位置に基づいて未吸着吸気口22bの分布状態を特定すると共に、その分布状態が予め規定された複数種類の分布パターンPTのいずれかに該当すると判定したときにその分布パターンPTに対応付けられた発生原因を示す文字情報や画像の画像データを出力する処理を実行して、これらの文字情報や画像を表示部15に表示させる処理(発生原因を報知する処理)を実行する。このため、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1、球状体吸着方法および球状体搭載方法によれば、使用者が撮像画像を監視することによって未吸着吸気口22bの発生やその発生原因を特定する構成および方法とは異なり、数多くの基板に対して搭載処理を行う場合においても撮像画像を長時間に亘って常時監視することなく、未吸着吸気口22bの発生を使用者に確実に把握させることができる。また、該当すると判定した分布パターンPTに予め対応付けられた発生原因を示す文字情報や画像の画像データを出力し、これによってこれらの文字情報や画像が表示されるため、使用者の経験や知識に頼ることなく、未吸着吸気口22bの発生原因を使用者に把握させることができる。
【0052】
また、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1、球状体吸着方法および球状体搭載方法では、底面22のX方向に沿った第1方向パターンPXと底面22のY方向に沿った第2方向パターンPYとの組み合わせが互いに異なる複数種類の分布パターンPTが予め規定され、未吸着吸気口22bのX方向に沿った分布状態と第1方向パターンPXとを比較すると共に、未吸着吸気口22bのY方向に沿った分布状態と第2方向パターンPYとを比較して該当する分布パターンPTの種類を判定する。この場合、X方向に沿った未吸着吸気口22bの分布状態、およびY方向に沿った未吸着吸気口22bの分布状態は、発生原因に応じて明確に相違する。このため、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1、球状体吸着方法および球状体搭載方法によれば、未吸着吸気口22bの分布状態をX方向およびY方向に分けて別々に特定して、各種類の第1方向パターンPXおよび各種類の第2方向パターンPYとそれぞれ比較することで、未吸着吸気口22bの発生原因を正確かつ容易に特定することができる。
【0053】
なお、球状体吸着装置、球状体搭載装置、球状体吸着方法および球状体搭載方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、3種類の分布パターンPTが規定されている構成および方法について上記したが、分布パターンPTの種類の数は任意に変更することができるし、その分布パターンPTの内容も任意に変更することができる。また、X方向(第1方向)に沿った第1方向パターンPX、およびX方向に直交するY方向(第2方向)に沿った第2方向パターンPYが複数種類規定され、これらの組み合わせで複数種類の分布パターンPを規定した例について上記したが、X方向およびY方向以外の方向に沿った分布のパターンを規定し、そのパターンの組み合わせで複数種類の分布パターンPを規定することもできる。
【0054】
また、表示部15を備えてその表示部15に発生原因を示す文字情報や画像を表示させる例について上記したが、外部の表示部に発生原因を示すデータ(画像データ)を出力してこれらの文字情報や画像を表示させる構成および方法を採用することもできる。また、文字情報や画像を表示させる構成および方法に代えて、発生原因を示す音声データを出力して発生原因を音声で報知する構成および方法を採用することもできる。
【0055】
さらに、供給処理において、静止状態における吸着ヘッド11の底面22(プレート13)に対して保持部32を近接させて底面22に沿って移動させる構成および方法について上記したが、保持部32に対して吸着ヘッド11およびプレート13を移動させる構成および方法を採用することもできる。また、供給処理において、吸着ヘッド11およびプレート13に対して保持部32を移動させるのと同時に、保持部32に対して吸着ヘッド11およびプレート13を移動させる構成および方法を採用することもできる。
【0056】
また、保持面32aを長方形に形成した保持部32を用いる構成および方法について上記したが、保持面を平行四辺形や台形(四角形の他の形態)に形成した保持部を用いる構成および方法を採用することもできる。
【0057】
また、プレート13を用いる構成および方法について上記したが、プレート13を用いない構成および方法を採用することもできる。この場合、プレート13を用いないときには、静止状態の吸着ヘッド11に対して保持部32を移動させる構成および方法、保持部32に対して吸着ヘッド11を移動させる構成および方法、並びに保持部32および吸着ヘッド11の双方を移動させる構成および方法のいずれも採用することができる。
【0058】
また、分布状態が各分布パターンPTのいずれかに該当すると判定したときに、その分布パターンPTに対応付けられた発生原因を解消する処理を実行する(つまり、発生原因を自動的に解消する)構成および方法を採用することもできる。具体的には、上記した分布パターンPT1に該当すると判定したときに、分布パターンPT1に対応付けられている「収容容器31における半田ボール300の不足」との発生原因を解消すべく収容容器31に半田ボール300を補給する構成および方法や、上記した分布パターンPT2に該当すると判定したときに、分布パターンPT2に対応付けられている「供給部12の機構上の不具合(プレート13に対する半田ボール300の押圧力の変化)」との発生原因を解消すべく、押圧力を自動調整する構成および方法を採用することができる。また、上記した分布パターンPT3に該当すると判定したときに、分布パターンPT3に対応付けられている「プレート13の汚れ」との発生原因を解消すべく、プレート13や吸着ヘッド11の底面22を自動的に清掃する構成および方法を採用することができる。さらに、上記した各発生原因以外の原因として、吸着ヘッド11に半田ボール300を吸着させる際の吸気圧の過不足が発生原因として分布パターンPTに対応付けられているときには、吸気圧を自動調整したり、吸着ヘッド11と供給部12(保持部32)との位置ずれが発生原因として分布パターンPTに対応付けられているときには、位置補正を自動的に行う構成および方法を採用することもできる。
【符号の説明】
【0059】
1 半田ボール搭載装置
2 半田ボール吸着装置
3 移動装置
11 吸着ヘッド
13 プレート
14 撮像部
15 表示部
16 制御部
22 底面
22a 吸気口
22b 未吸着吸気口
32 保持部
32a 保持面
34 駆動機構
300 半田ボール
400 基板
401 端子
PT,PT1〜PT3 分布パターン
P2 搭載位置
P3 吸着位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吸気口が形成された吸着面を有して当該吸気口に球状体を吸着する吸着ヘッドと、球状体を保持している保持部を前記吸着面に近接させた状態を維持しつつ当該吸着面に沿って相対的に移動させて当該球状体を前記吸着ヘッドに供給する供給部と、前記球状体を吸着している吸着状態における前記吸着ヘッドの前記吸着面を撮像する撮像部とを備えた球状体吸着装置であって、
前記球状体を未吸着の前記吸気口の数および位置を前記撮像部によって撮像された前記吸着面の撮像画像に基づいて特定する処理を実行する処理部を備え、
前記処理部は、前記未吸着の吸気口の数および位置に基づいて当該未吸着の吸気口の分布状態を特定すると共に、当該分布状態が予め規定された複数種類の分布パターンのいずれかに該当すると判定したときに当該判定した種類の分布パターンに予め対応付けられた未吸着の発生原因を示すデータを出力する処理を実行する球状体吸着装置。
【請求項2】
前記各吸気口は、マトリクス状に配列された状態で前記吸着面に形成され、
前記供給部は、前記保持部における前記球状体を保持する保持面が前記吸着面の第1方向に沿って長尺の四角形状に形成されると共に、前記吸着面における前記第1方向に直交する第2方向に沿って前記保持部を相対的に移動させ、
前記第1方向に沿った前記未吸着の吸気口の分布のパターンを示す複数種類の第1方向パターンと前記第2方向に沿った前記未吸着の吸気口の分布のパターンを示す複数種類の第2方向パターンとの組み合わせが互いに異なる前記複数種類の分布パターンが規定され、
前記処理部は、前記未吸着の吸気口の前記第1方向に沿った分布状態と前記各第1方向パターンとを比較すると共に前記未吸着の吸気口の前記第2方向に沿った分布状態と前記各第2方向パターンとを比較して該当する前記分布パターンの種類を判定する請求項1記載の球状体吸着装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の球状体吸着装置と、前記球状体の吸着が行われる吸着位置と前記球状体が搭載対象体に搭載される搭載位置との間で前記球状体吸着装置の前記吸着ヘッドを搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象体に搭載する球状体搭載装置。
【請求項4】
複数の吸気口が形成された吸着面を有する吸着ヘッドの当該吸着面に対して、球状体を保持している保持部を近接させた状態を維持しつつ当該吸着面に沿って相対的に移動させて当該球状体を当該吸着ヘッドに供給し、当該吸気口に前記球状体を吸着させ、前記球状体を吸着している吸着状態における前記吸着ヘッドの前記吸着面を撮像する球状体吸着方法であって、
前記球状体を未吸着の前記吸気口の数および位置を前記吸着面を撮像した撮像画像に基づいて特定する処理を実行し、
前記未吸着の吸気口の数および位置に基づいて当該未吸着の吸気口の分布状態を特定すると共に、当該分布状態が予め規定された複数種類の分布パターンのいずれかに該当すると判定したときに当該判定した種類の分布パターンに予め対応付けられた未吸着の発生原因を示すデータを出力する処理を実行する球状体吸着方法。
【請求項5】
前記各吸気口がマトリクス状に配列された状態で前記吸着面に形成された前記吸着ヘッドを用いると共に、前記球状体を保持する保持面が前記吸着面の第1方向に沿って長尺の四角形状に形成された前記保持部を当該吸着面における当該第1方向に直交する第2方向に沿って相対的に移動させ、
前記第1方向に沿った前記未吸着の吸気口の分布のパターンを示す複数種類の第1方向パターンと前記第2方向に沿った前記未吸着の吸気口の分布のパターンを示す複数種類の第2方向パターンとの組み合わせが互いに異なる前記複数種類の分布パターンが規定され、
前記未吸着の吸気口の前記第1方向に沿った分布状態と前記各第1方向パターンとを比較すると共に前記未吸着の吸気口の前記第2方向に沿った分布状態と前記各第2方向パターンとを比較して該当する前記分布パターンの種類を判定する請求項4記載の球状体吸着方法。
【請求項6】
請求項4または5記載の球状体吸着方法で前記吸着ヘッドに前記球状体を吸着させ、当該球状体を吸着している前記吸着ヘッドを搭載位置に移動させて、前記球状体を搭載対象体に搭載する球状体搭載方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−105866(P2013−105866A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248250(P2011−248250)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】