球状体吸着装置、球状体搭載装置および球状体吸着方法

【課題】吸着ヘッドに吸着させた球状体を吸着ヘッドから確実に離反させる。
【解決手段】底壁22に吸気孔23が複数形成された箱状に構成され、内部空間21が負圧のときに吸気孔23からの吸気によって底壁22の外面22aにおける吸気孔23の開口部23aに球状体を吸着すると共に内部空間21が常圧に復帰したときに球状体の吸着を解除可能に構成された吸着ヘッド11と、底壁22の内面22bに対して接離する方向に沿って移動可能に内部空間21に配設されて内面22bに当接面33が当接している状態において内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bを閉塞する当接部材12と、当接部材12を接離する方向に沿って移動させる移動機構13とを備え、移動機構13は、球状体を吸着した吸着ヘッド11の内部空間21が常圧に復帰した後に、底壁22の内面22bに当接面33を当接させるように当接部材12を移動させる。
【解決手段】底壁22に吸気孔23が複数形成された箱状に構成され、内部空間21が負圧のときに吸気孔23からの吸気によって底壁22の外面22aにおける吸気孔23の開口部23aに球状体を吸着すると共に内部空間21が常圧に復帰したときに球状体の吸着を解除可能に構成された吸着ヘッド11と、底壁22の内面22bに対して接離する方向に沿って移動可能に内部空間21に配設されて内面22bに当接面33が当接している状態において内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bを閉塞する当接部材12と、当接部材12を接離する方向に沿って移動させる移動機構13とを備え、移動機構13は、球状体を吸着した吸着ヘッド11の内部空間21が常圧に復帰した後に、底壁22の内面22bに当接面33を当接させるように当接部材12を移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底壁に形成された吸気孔の開口部に球状体を吸着する吸着ヘッドを備えた球状体吸着装置、その球状体吸着装置を備えて球状体を搭載対象体に搭載する球状体搭載装置、および吸着ヘッドを用いて球状体を吸着する球状体吸着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の球状体搭載装置として、特開2003−100789号公報に開示された半田(はんだ)ボール搭載装置が知られている。この半田ボール搭載装置は、複数の吸着穴が吸着面に形成された整列マスク、整列マスクを移動させる移動部、および半田ボールを収容する半田ボール容器などを備えて構成されている。この半田ボール搭載装置を用いてパッケージの接続端子に半田ボールを搭載する際には、半田ボールを収容した半田ボール容器に整列マスクを嵌合させ、次いで、整列マスクの内部を負圧(真空圧)とすることにより、整列マスクの吸着穴に半田ボールを吸着させる。続いて、移動部が整列マスクを移動させて、整列マスクに吸着されている半田ボールをパッケージの接続端子に対向させる。次いで、移動部が整列マスクを下降させて、半田ボールを接続端子に接触させる。続いて、整列マスク内を常圧に復帰させて半田ボールの吸着を解除させた後に、移動部が整列マスクを上昇させる。これにより、接続端子に半田ボールが搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−100789号公報(第2−4頁、第1−6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の半田ボール搭載装置には、以下の課題がある。すなわち、この半田ボール搭載装置では、整列マスク内を負圧とすることによって吸着穴に半田ボールを吸着させ、搭載対象の接続端子に半田ボールを対向させた状態で整列マスク内を常圧に復帰させて半田ボールの吸着を解除することにより、接続端子に半田ボールを搭載している。しかしながら、半田ボールは柔らかく変形しやすいため、吸着の際に変形して吸着穴に嵌り込むことがある。このような場合には、整列マスク内を常圧に復帰させただけでは、半田ボールが整列マスクから離反しないことがある。このため、上記の半田ボール搭載装置には、接続端子の一部に半田ボールが搭載されない欠陥が生じるおそれがある。この場合、発明者は、整列マスク内に空気を送り込んで整列マスク内を加圧し、これによって半田ボールを整列マスクから離反させる方法も開発している。しかしながら、この方法では、吸着を解除した段階で一部の半田ボールが離反したときには、その半田ボールを吸着していた吸着穴から空気が漏れて、整列マスク内の加圧が不十分となるため、全ての半田ボールを確実に離反させるのは依然として困難である。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、吸着ヘッドに吸着させた球状体を吸着ヘッドから確実に離反させ得る球状体吸着装置、球状体搭載装置および球状体吸着方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の球状体吸着装置は、底壁に吸気孔が複数形成された箱状に構成され、内部空間が負圧のときに前記吸気孔からの吸気によって前記底壁の外面における当該吸気孔の開口部に球状体を吸着すると共に当該内部空間が常圧に復帰したときに当該球状体の吸着を解除可能に構成された吸着ヘッドを備えた球状体吸着装置であって、前記底壁の内面に対して接離する方向に沿って移動可能に前記内部空間に配設されて当該内面に当接面が当接している状態において当該内面における全ての前記吸気孔の開口部を閉塞する当接部材と、当該当接部材を前記接離する方向に沿って移動させる移動機構とを備え、前記移動機構は、前記球状体を吸着した前記吸着ヘッドの前記内部空間が常圧に復帰した後に、前記底壁の前記内面に前記当接面を当接させるように前記当接部材を移動させる。
【0007】
また、請求項2記載の球状体吸着装置は、請求項1記載の球状体吸着装置において、前記当接部材は、前記底壁の前記当接面側が弾性体で構成されている。
【0008】
また、請求項3記載の球状体吸着装置は、請求項1または2記載の球状体吸着装置において、前記移動機構は、前記当接部材の移動速度を変更可能に構成されている。
【0009】
また、請求項4記載の球状体搭載装置は、請求項1から3のいずれかに記載の球状体吸着装置と、前記球状体を吸着させる吸着位置に前記吸着ヘッドを搬送すると共に前記球状体を吸着している前記吸着ヘッドを搭載対象体の配置位置まで搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象体に搭載する。
【0010】
また、請求項5記載の球状体吸着方法は、底壁に吸気孔が複数形成された箱状に構成された吸着ヘッドの内部空間を負圧にして前記吸気孔からの吸気によって当該底壁の外面における当該吸気孔の開口部に球状体を吸着すると共に、前記内部空間を常圧に復帰させて前記球状体の吸着を解除する球状体吸着方法であって、前記球状体を吸着した前記吸着ヘッドにおける前記内部空間を常圧に復帰させた後に、前記内部空間に配設した当接部材の当接面を前記底壁の前記内面に当接させるように当接部材を移動させて当該内面における全ての前記吸気孔の開口部を閉塞させる。
【0011】
また、請求項6記載の球状体吸着方法は、請求項5記載の球状体吸着方法において、前記底壁の前記当接面側が弾性体で構成されている前記当接部材を用いる。
【0012】
また、請求項7記載の球状体吸着方法は、請求項5または6記載の球状体吸着方法において、前記内部空間を常圧に復帰させたときの前記球状体の吸着状態に応じて前記当接部材の移動速度を変更する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の球状体吸着装置、および請求項5記載の球状体吸着方法では、球状体を吸着した吸着ヘッドにおける内部空間を常圧に復帰させた後に、内部空間に配設した当接部材の当接面を底壁の内面に押し当てるように当接部材を移動させて、内面における全ての吸気孔の開口部を閉塞させる。このため、この球状体吸着装置および球状体吸着方法によれば、底壁の内面に対する当接部材の当接面の押し当ての際の撃力により、吸気孔内の空気を圧縮させ、この空気の圧力によって底壁の外面における吸気孔の開口部から離反する向きに球状体を押圧することができる。また、当接部材の当接面が吸着ヘッドにおける底壁の内面に当接したときに、内面における全ての吸気孔の開口部が閉塞されるため、開口部が開放している吸気孔の有無に拘わらず、球状体が嵌り込んでいる吸気孔内の空気を確実に圧縮することができる。したがって、この球状体吸着装置および球状体吸着方法によれば、外面における吸気孔の開口部に嵌り込んだ球状体を含めて、吸着ヘッドによって吸着されていた球状体の全てを外面における吸気孔の開口部から確実に離反させることができる。この結果、この球状体吸着装置および球状体吸着方法によって吸着した複数の球状体を、搭載対象体としての基板における複数の端子に搭載する際に、全ての端子に球状体を確実に搭載することができる。
【0014】
請求項2記載の球状体吸着装置、および請求項6記載の球状体吸着方法によれば、底壁の当接面側が弾性体で構成されている当接部材を用いることにより、当接部材の当接面を底壁の内面に押し当てたときの慣性力によって弾性体における吸気孔の開口部に対向する部位が底壁の外面に向かう向きに変形して開口部に入り込むため、その分、吸気孔内の空気をさらに大きく圧縮させることができる結果、外面における吸気孔の開口部から球状体をより確実に離反させることができる。
【0015】
請求項3記載の球状体吸着装置、および請求項7記載の球状体吸着方法によれば、吸着ヘッドの内部空間を常圧に復帰させたときの球状体の吸着状態に応じて当接部材の移動速度を変更することにより、例えば、球状体が底壁の外面における吸気孔の開口部に強く吸着されて(開口部に強く嵌り込んで)、離反が困難なときには、当接部材の当接面を底壁の内面に押し当てる際の当接部材の移動速度を速くすることで、吸気孔内の空気の圧縮の程度を高めることができる結果、そのような場合においても、球状体を開口部から確実に離反させることができる。
【0016】
また、請求項4記載の球状体搭載装置によれば、上記の球状体吸着装置を備えたことにより、上記の球状体吸着装置が有する効果と同様の効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】半田ボール搭載装置1の構成を示す構成図である。
【図2】半田ボール吸着装置2の構成を示す構成図である。
【図3】収容容器15の構成を示す構成図である。
【図4】半田ボール300の搭載工程を説明する第1の説明図である。
【図5】半田ボール300の直径L1、吸気孔23の直径L2、規制用プレート41の厚みL3、規制用プレート41から底壁22までの離間距離L4、および貫通孔42の直径L5の関係を説明する説明図である。
【図6】半田ボール300の搭載工程を説明する第2の説明図である。
【図7】半田ボール300の搭載工程を説明する第3の説明図である。
【図8】半田ボール300の搭載工程を説明する第4の説明図である。
【図9】半田ボール300の搭載工程を説明する第5の説明図である。
【図10】半田ボール300の搭載工程を説明する第6の説明図である。
【図11】半田ボール300の搭載工程を説明する第7の説明図である。
【図12】半田ボール吸着装置102の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、球状体吸着装置、球状体搭載装置および球状体吸着方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0019】
最初に、図1に示す半田ボール搭載装置1の構成について説明する。半田ボール搭載装置1は、球状体搭載装置の一例であって、同図に示すように、半田ボール吸着装置2、搬送装置3および制御部4を備えて、球状体の一例としての微小な球状粒体である半田ボール(マイクロボール)300(図3参照)を搭載対象体としての基板400の端子401(図8参照)に搭載(載置)可能に構成されている。この場合、半田ボール300は、直径L1(図5参照)が70μm程度の球状に構成されている。また、半田ボール300は、半田ボール搭載装置1によって基板400の端子401に搭載された後に加熱溶融されることにより、基板400上にボールグリッドアレイ(BGA)を構成する。
【0020】
半田ボール吸着装置2は、球状体吸着装置の一例であって、図1に示すように、吸着ヘッド11、当接部材12、移動機構13、吸引機構14および収容容器15を備えて、後述する球状体吸着方法に従って半田ボール300の吸着および吸着の解除が可能に構成されている。
【0021】
吸着ヘッド11は、図2に示すように、内部空間21を有する箱状に構成されている。また、吸着ヘッド11の底壁22には、複数の吸気孔23が形成されている(同図では、その5つの吸気孔23のみを図示している)。この場合、図5に示すように、吸気孔23の直径L2は、半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも短い40μm程度に規定されている。また、図2に示すように、吸着ヘッド11の天壁24には、内部空間21の空気を排出(排気)するための排気孔25が形成されている。
【0022】
この吸着ヘッド11では、排気によって内部空間21が負圧となり(減圧され)、それに伴って吸気孔23から吸気が行われることにより、底壁22の外面22aにおける吸気孔23の開口部23aに半田ボール300を吸着すると共に、内部空間21が常圧に復帰したとき(減圧が解除されたとき)に半田ボール300の吸着を解除することが可能となっている。
【0023】
当接部材12は、図2に示すように、支持板31および弾性体32を備えて構成されている。支持板31は、一例として、金属によって板状に形成されている。弾性体32は、柔軟性を有して弾性変形が容易な材料(一例としてシリコーンゴム)で板状に形成され、支持板31の一面(吸着ヘッド11の底壁22に対向する面)側に取り付けられている。また、当接部材12は、同図に示すように、吸着ヘッド11における底壁22の内面22bに対して弾性体32の当接面33が接離する方向(同図における矢印A,Bの向き)に沿って移動可能に吸着ヘッド11の内部空間21に配設されている。この場合、当接部材12は、図10に示すように、底壁22の内面22bに弾性体32の当接面33が当接している状態において内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bを閉塞する。また、図4に示すように、当接部材12の支持板31にはロッド34が取り付けられており、このロッド34は、吸着ヘッド11の天壁24に形成された挿通孔26に挿通されて、基端部側が吸着ヘッド11の外側に突き出ている
【0024】
移動機構13は、図2に示すように、当接部材12の支持板31に取り付けられているロッド34を駆動する(下向きに押し下げ、上向きに引き上げる)ことにより、同図における矢印A,Bの向きに当接部材12を移動させる。また、移動機構13は、矢印Aの向き(当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに当接させる向き)に当接部材12を移動させる際の移動速度を任意に変更することが可能に構成されている。吸引機構14は、配管20(図1参照)を介して吸着ヘッド11の排気孔25に接続された図外の真空ポンプおよび電磁弁等を備えて構成され、制御部4の制御に従って吸着ヘッド11の内部空間21の空気を吸引する。
【0025】
収容容器15は、図3に示すように、半田ボール300を収容可能に構成されている。また、収容容器15は、図外の給気機構からの空気の供給によって収容している半田ボール300を浮遊させることが可能となっている。また、収容容器15の上部には、吸着ヘッド11による余剰な半田ボール300の吸着を規制するための(規制作用を有する)規制用プレート41が取り付けられている。この場合、規制用プレート41は、その厚みL3(図5参照)が半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも薄い30μm程度に規定された板状に構成されると共に、図4に示すように、吸着ヘッド11の底壁22の外面22aと収容容器15の上部の縁部とが当接した状態(以下、この状態を「セット状態」ともいう)において、外面22aまでの離間距離L4(図5参照)が半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも短い40μm程度となるように配置されている。
【0026】
また、規制用プレート41には、図4に示すように、セット状態において、吸着ヘッド11の各吸気孔23に対向する位置に複数(同図では、そのうちの5つのみを図示している)の貫通孔42が形成されている。この場合、貫通孔42の直径L5は、図5に示すように、半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも長く、かつ直径L1の2倍よりも短い90μm程度となるように形成されている。
【0027】
搬送装置3は、制御部4の制御に従い、収容容器15の配置位置(吸着位置)、および基板400の配置位置に吸着ヘッド11、当接部材12および移動機構13を搬送する。なお、以下の説明において、吸着ヘッド11、当接部材12および移動機構13を合わせて「吸着部100(図2参照)」ともいう。
【0028】
制御部4は、半田ボール搭載装置1を構成する各構成要素を制御する。具体的には、制御部4は、搬送装置3を制御して吸着部100を収容容器15の配置位置、およびに基板400の配置位置に搬送させる。また、制御部4は、吸引機構14を制御して吸着ヘッド11の内部空間21の空気を吸引させる。また、制御部4は、移動機構13を制御して当接部材12を移動させる。
【0029】
次に、半田ボール搭載装置1を用いて、球状体吸着方法に従って半田ボール吸着装置2に半田ボール300を吸着させ、その半田ボール300を基板400の端子401に搭載する工程、およびその際の半田ボール搭載装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、この例では、吸着ヘッド11における底壁22の外面22aを下向きにした状態で半田ボール吸着装置2が半田ボール300を吸着するものとする。また、初期状態では、図2に示すように、当接部材12が吸着ヘッド11の内部空間21における上部側に位置しているものとする。
【0030】
この半田ボール搭載装置1では、開始操作がされたときに、制御部4が、搬送装置3を制御して、吸着部100を収容容器15の上方に搬送させ、次いで、図4に示すように、吸着ヘッド11の底壁22の外面22aと収容容器15の上部の縁部とが当接するように吸着部100を降下させる。続いて、制御部4は、吸引機構14を制御して、吸着ヘッド11の内部空間21の空気を吸引させる。この際に、内部空間21が負圧となり(減圧され)、これに伴って底壁22に形成されている吸気孔23からの吸気が行われる。
【0031】
次いで、制御部4は、図外の給気機構から収容容器15内に空気を供給させる。この際に、空気の供給によって収容容器15に収容されている半田ボール300が浮遊させられる。また、図6に示すように、収容容器15内で浮遊している半田ボール300が、吸着ヘッド11の吸気孔23からの吸気に伴う吸引力によって吸気孔23の開口部23bに引き寄せられ、収容容器15の規制用プレート41に形成されている貫通孔42を通って吸着ヘッド11の外面22aにおける開口部23aに吸着される。
【0032】
この場合、半田ボール300が微小なため、半田ボール300同士が互いに引き合う力が重量に対して相対的に大きく、この結果、図6に示すように、開口部23aに吸着された半田ボール300(以下、この半田ボール300を「搭載対象の半田ボール300」ともいう)に他の半田ボール300(以下、この半田ボール300を「余剰の半田ボール300」ともいう)が付着する。続いて、制御部4は、収容容器15に対する空気の供給を停止させることにより、半田ボール300の浮遊を停止させる。
【0033】
次いで、制御部4は、搬送装置3を制御して、図7に示すように、吸着部100を上方(同図に示す矢印Bの向き)に移動させる。この際に、吸着ヘッド11の底壁22の外面22aが収容容器15の規制用プレート41から離間するため、開口部23aの縁部に吸着されている搭載対象の半田ボール300と余剰の半田ボール300との間に介在している規制用プレート41の規制作用により、余剰の半田ボール300が搭載対象の半田ボール300から引き離される結果、同図に示すように、余剰の半田ボール300が自重によって落下する。
【0034】
続いて、制御部4は、搬送装置3を制御して、図8に示すように、基板400の配置位置の上方に吸着部100を移動させ、次いで、図9に示すように、吸着ヘッド11に吸着されている半田ボール300の先端部が基板400の端子401に近接する位置に半田ボール吸着装置2を降下させる。続いて、制御部4は、吸引機構14を制御して、吸引を停止させる。これにより、吸着ヘッド11の内部空間21が常圧に復帰し(減圧が解除される)、吸気孔23からの吸気が停止する結果、吸着ヘッド11による半田ボール300の吸着が解除される。
【0035】
次いで、制御部4は、移動機構13を制御して、当接部材12の支持板31に取り付けられているロッド34を図9に示す矢印Aの向き(底壁22の内面22bに近接する下向き)に押し下げさせることにより、当接部材12における弾性体32の当接面33を底壁22の内面22bに対して押し当てるように(当接させるように)当接部材12を予め決められた移動速度で矢印Aの向きに移動させる。続いて、図10に示すように、当接部材12の弾性体32が吸着ヘッド11における底壁22の内面22bに当接した(押し当てられた)ときには、内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bが閉塞される。
【0036】
また、底壁22の内面22bに対する弾性体32の当接面33の押し当ての際の撃力により、吸気孔23内の空気が圧縮される。この場合、この半田ボール吸着装置2では、柔軟性を有して弾性変形が容易な材料で弾性体32が形成されている。このため、図10に示すように、押し当ての際に、弾性体32における吸気孔23の開口部23bに対向する部位が下向き(底壁22の外面22aに向かう向き)に変形する。このため、この半田ボール吸着装置2では、弾性体32が変形して開口部23bに入り込む分だけ、吸気孔23内の空気がさらに大きく圧縮される。
【0037】
ここで、変形が生じることなく開口部23aの縁部に吸着されていた半田ボール300は、吸気孔23からの吸気の停止(吸着の解除)に伴い、自重で開口部23aから離反して基板400の端子401に搭載される。一方、半田ボール300は柔らかく変形しやすいため、吸着の際の衝撃などによって変形して吸気孔23の開口部23aに嵌り込むことがある。このような場合には、吸着を解除させただけでは、半田ボール300が開口部23aから離反しないことがある。このため、吸着の解除だけで開口部23aから半田ボール300を離反させようとする従来の構成および方法では、開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300が開口部23aから離反しないことに起因して、端子401の一部に半田ボールが搭載されない欠陥が生じるおそれがある。また、吸着ヘッド11の内部空間21に空気を送り込んで開口部23aから半田ボール300を離反させようとする発明者の開発している構成および方法では、吸着の解除に伴って一部の半田ボール300が自重で離反して開口部23aが開放している吸気孔23が存在するときに、その吸気孔23から空気が漏れて、開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300の開口部23aからの離反が依然として困難である。
【0038】
これに対して、この半田ボール吸着装置2では、上記したように当接部材12を底壁22の内面22bに当接させることで、吸気孔23内の空気が圧縮されるため、この空気の圧力によって半田ボール300が下向き(開口部23aから離反する向き)に押圧される。また、この半田ボール吸着装置2では、当接部材12の弾性体32が吸着ヘッド11における底壁22の内面22bに当接したときに、内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bが閉塞されるため、開口部23aが開放している吸気孔23の有無に拘わらず、半田ボール300が嵌り込んでいる吸気孔23内の空気が確実に圧縮される。このため、この半田ボール吸着装置2では、吸気孔23の開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300を含めて吸着ヘッド11によって吸着されていた半田ボール300の全てが開口部23aから確実に離反する。
【0039】
これにより、図11に示すように、吸着ヘッド11によって吸着されていた全ての半田ボール300が基板400の端子401上に搭載される。次いで、制御部4は、搬送装置3を制御して、同図に示すように、吸着部100を上方(同図に示す矢印Bの向き)に移動させた後に初期位置に搬送させる。以上により、基板400の端子401への半田ボール300の搭載が完了する。この場合、上記したように、吸着の際に開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300が存在したとしても、その半田ボール300を含む吸着ヘッド11に吸着された全ての半田ボール300が開口部23aから離反される。このため、基板400における全ての端子401に半田ボール300が確実に搭載される。
【0040】
なお、この半田ボール吸着装置2では、当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに対して押し当てる際の当接部材12の移動速度を変更可能に移動機構13が構成されている。このため、開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300が離反し難いときには、その状態(つまり、内部空間21を常圧に復帰させたときの半田ボール300の吸着状態)に応じて当接部材12の移動速度を変更する(つまり、強い吸着状態(強く嵌り込んだ状態)のときには移動速度を速く、弱い吸着状態(弱く嵌り込んだ状態)のときには移動速度を遅く変更する)ことにより、吸気孔23内の空気の圧縮の程度を調整することができる。このため、この半田ボール吸着装置2では、開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300をより確実に開口部23aから離反させることが可能となっている。
【0041】
このように、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法では、半田ボール300を吸着した吸着ヘッド11における内部空間21を常圧に復帰させた後に、内部空間21に配設した当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに押し当てるように当接部材12を移動させて、内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bを閉塞させる。このため、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法によれば、底壁22の内面22bに対する弾性体32の当接面33の押し当ての際の撃力により、吸気孔23内の空気を圧縮させ、この空気の圧力によって開口部23aから離反する向きに半田ボール300を押圧することができる。また、当接部材12の弾性体32が吸着ヘッド11における底壁22の内面22bに当接したときに、内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bが閉塞されるため、開口部23aが開放している吸気孔23の有無に拘わらず、半田ボール300が嵌り込んでいる吸気孔23内の空気を確実に圧縮することができる。したがって、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法によれば、吸気孔23の開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300を含めて、吸着ヘッド11によって吸着されていた半田ボール300の全てを開口部23aから確実に離反させることができる結果、基板400における全ての端子401に半田ボール300を確実に搭載することができる。
【0042】
また、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法では、底壁22の内面22bに当接する部位が弾性体32で構成されている当接部材12を用いることにより、当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに押し当てたときの慣性力によって弾性体32における吸気孔23の開口部23bに対向する部位が底壁22の外面22aに向かう向きに変形して開口部23bに入り込むため、その分、吸気孔23内の空気をさらに大きく圧縮させることができる結果、開口部23aから半田ボール300をより確実に離反させることができる
【0043】
また、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法によれば、吸着ヘッド11の内部空間21を常圧に復帰させたときの半田ボール300の吸着状態に応じて当接部材12を移動させる移動速度を変更することにより、例えば、半田ボール300が開口部23aに強く吸着されて(開口部23aに強く嵌り込んで)、離反が困難なときには、当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに押し当てる際の当接部材12の移動速度を速くすることで、吸気孔23内の空気の圧縮の程度を高めることができる結果、そのような場合においても、半田ボール300を開口部23aから確実に離反させることができる。
【0044】
なお、球状体吸着装置、球状体搭載装置および球状体吸着方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、当接部材12に取り付けられたロッド34を駆動して当接部材12を移動させる移動機構13を用いる構成および方法について上記したが、移動機構13に代えて、図12に示す移動機構113を用いる構成および方法を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した各構成要素と同様の構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この場合、移動機構113は、同図に示すように、支持板31に取り付けられた電磁コイル131と、吸着ヘッド11の外部に配列された固定磁石132とを備え、同図における矢印A,Bの向きに沿ってリニアモータ方式で当接部材12を移動させる。
【0045】
また、吸着ヘッド11における底壁22の外面22aを下向きにした状態で半田ボール吸着装置2に半田ボール300を吸着させる構成および方法について上記したが、外面22aを上向き、または横向きにした状態で半田ボール吸着装置2に半田ボール300を吸着させる構成および方法を採用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 半田ボール搭載装置
2 半田ボール吸着装置
3 搬送装置
4 制御部
11 吸着ヘッド
12 当接部材
13 移動機構
21 内部空間
22 底壁
22a 外面
22b 内面
23 吸気孔
23a 開口部
32 弾性体
33 当接面
102 半田ボール吸着装置
300 半田ボール
400 基板
401 端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、底壁に形成された吸気孔の開口部に球状体を吸着する吸着ヘッドを備えた球状体吸着装置、その球状体吸着装置を備えて球状体を搭載対象体に搭載する球状体搭載装置、および吸着ヘッドを用いて球状体を吸着する球状体吸着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の球状体搭載装置として、特開2003−100789号公報に開示された半田(はんだ)ボール搭載装置が知られている。この半田ボール搭載装置は、複数の吸着穴が吸着面に形成された整列マスク、整列マスクを移動させる移動部、および半田ボールを収容する半田ボール容器などを備えて構成されている。この半田ボール搭載装置を用いてパッケージの接続端子に半田ボールを搭載する際には、半田ボールを収容した半田ボール容器に整列マスクを嵌合させ、次いで、整列マスクの内部を負圧(真空圧)とすることにより、整列マスクの吸着穴に半田ボールを吸着させる。続いて、移動部が整列マスクを移動させて、整列マスクに吸着されている半田ボールをパッケージの接続端子に対向させる。次いで、移動部が整列マスクを下降させて、半田ボールを接続端子に接触させる。続いて、整列マスク内を常圧に復帰させて半田ボールの吸着を解除させた後に、移動部が整列マスクを上昇させる。これにより、接続端子に半田ボールが搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−100789号公報(第2−4頁、第1−6図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の半田ボール搭載装置には、以下の課題がある。すなわち、この半田ボール搭載装置では、整列マスク内を負圧とすることによって吸着穴に半田ボールを吸着させ、搭載対象の接続端子に半田ボールを対向させた状態で整列マスク内を常圧に復帰させて半田ボールの吸着を解除することにより、接続端子に半田ボールを搭載している。しかしながら、半田ボールは柔らかく変形しやすいため、吸着の際に変形して吸着穴に嵌り込むことがある。このような場合には、整列マスク内を常圧に復帰させただけでは、半田ボールが整列マスクから離反しないことがある。このため、上記の半田ボール搭載装置には、接続端子の一部に半田ボールが搭載されない欠陥が生じるおそれがある。この場合、発明者は、整列マスク内に空気を送り込んで整列マスク内を加圧し、これによって半田ボールを整列マスクから離反させる方法も開発している。しかしながら、この方法では、吸着を解除した段階で一部の半田ボールが離反したときには、その半田ボールを吸着していた吸着穴から空気が漏れて、整列マスク内の加圧が不十分となるため、全ての半田ボールを確実に離反させるのは依然として困難である。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、吸着ヘッドに吸着させた球状体を吸着ヘッドから確実に離反させ得る球状体吸着装置、球状体搭載装置および球状体吸着方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の球状体吸着装置は、底壁に吸気孔が複数形成された箱状に構成され、内部空間が負圧のときに前記吸気孔からの吸気によって前記底壁の外面における当該吸気孔の開口部に球状体を吸着すると共に当該内部空間が常圧に復帰したときに当該球状体の吸着を解除可能に構成された吸着ヘッドを備えた球状体吸着装置であって、前記底壁の内面に対して接離する方向に沿って移動可能に前記内部空間に配設されて当該内面に当接面が当接している状態において当該内面における全ての前記吸気孔の開口部を閉塞する当接部材と、当該当接部材を前記接離する方向に沿って移動させる移動機構とを備え、前記移動機構は、前記球状体を吸着した前記吸着ヘッドの前記内部空間が常圧に復帰した後に、前記底壁の前記内面に前記当接面を当接させるように前記当接部材を移動させる。
【0007】
また、請求項2記載の球状体吸着装置は、請求項1記載の球状体吸着装置において、前記当接部材は、前記底壁の前記当接面側が弾性体で構成されている。
【0008】
また、請求項3記載の球状体吸着装置は、請求項1または2記載の球状体吸着装置において、前記移動機構は、前記当接部材の移動速度を変更可能に構成されている。
【0009】
また、請求項4記載の球状体搭載装置は、請求項1から3のいずれかに記載の球状体吸着装置と、前記球状体を吸着させる吸着位置に前記吸着ヘッドを搬送すると共に前記球状体を吸着している前記吸着ヘッドを搭載対象体の配置位置まで搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象体に搭載する。
【0010】
また、請求項5記載の球状体吸着方法は、底壁に吸気孔が複数形成された箱状に構成された吸着ヘッドの内部空間を負圧にして前記吸気孔からの吸気によって当該底壁の外面における当該吸気孔の開口部に球状体を吸着すると共に、前記内部空間を常圧に復帰させて前記球状体の吸着を解除する球状体吸着方法であって、前記球状体を吸着した前記吸着ヘッドにおける前記内部空間を常圧に復帰させた後に、前記内部空間に配設した当接部材の当接面を前記底壁の前記内面に当接させるように当接部材を移動させて当該内面における全ての前記吸気孔の開口部を閉塞させる。
【0011】
また、請求項6記載の球状体吸着方法は、請求項5記載の球状体吸着方法において、前記底壁の前記当接面側が弾性体で構成されている前記当接部材を用いる。
【0012】
また、請求項7記載の球状体吸着方法は、請求項5または6記載の球状体吸着方法において、前記内部空間を常圧に復帰させたときの前記球状体の吸着状態に応じて前記当接部材の移動速度を変更する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の球状体吸着装置、および請求項5記載の球状体吸着方法では、球状体を吸着した吸着ヘッドにおける内部空間を常圧に復帰させた後に、内部空間に配設した当接部材の当接面を底壁の内面に押し当てるように当接部材を移動させて、内面における全ての吸気孔の開口部を閉塞させる。このため、この球状体吸着装置および球状体吸着方法によれば、底壁の内面に対する当接部材の当接面の押し当ての際の撃力により、吸気孔内の空気を圧縮させ、この空気の圧力によって底壁の外面における吸気孔の開口部から離反する向きに球状体を押圧することができる。また、当接部材の当接面が吸着ヘッドにおける底壁の内面に当接したときに、内面における全ての吸気孔の開口部が閉塞されるため、開口部が開放している吸気孔の有無に拘わらず、球状体が嵌り込んでいる吸気孔内の空気を確実に圧縮することができる。したがって、この球状体吸着装置および球状体吸着方法によれば、外面における吸気孔の開口部に嵌り込んだ球状体を含めて、吸着ヘッドによって吸着されていた球状体の全てを外面における吸気孔の開口部から確実に離反させることができる。この結果、この球状体吸着装置および球状体吸着方法によって吸着した複数の球状体を、搭載対象体としての基板における複数の端子に搭載する際に、全ての端子に球状体を確実に搭載することができる。
【0014】
請求項2記載の球状体吸着装置、および請求項6記載の球状体吸着方法によれば、底壁の当接面側が弾性体で構成されている当接部材を用いることにより、当接部材の当接面を底壁の内面に押し当てたときの慣性力によって弾性体における吸気孔の開口部に対向する部位が底壁の外面に向かう向きに変形して開口部に入り込むため、その分、吸気孔内の空気をさらに大きく圧縮させることができる結果、外面における吸気孔の開口部から球状体をより確実に離反させることができる。
【0015】
請求項3記載の球状体吸着装置、および請求項7記載の球状体吸着方法によれば、吸着ヘッドの内部空間を常圧に復帰させたときの球状体の吸着状態に応じて当接部材の移動速度を変更することにより、例えば、球状体が底壁の外面における吸気孔の開口部に強く吸着されて(開口部に強く嵌り込んで)、離反が困難なときには、当接部材の当接面を底壁の内面に押し当てる際の当接部材の移動速度を速くすることで、吸気孔内の空気の圧縮の程度を高めることができる結果、そのような場合においても、球状体を開口部から確実に離反させることができる。
【0016】
また、請求項4記載の球状体搭載装置によれば、上記の球状体吸着装置を備えたことにより、上記の球状体吸着装置が有する効果と同様の効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】半田ボール搭載装置1の構成を示す構成図である。
【図2】半田ボール吸着装置2の構成を示す構成図である。
【図3】収容容器15の構成を示す構成図である。
【図4】半田ボール300の搭載工程を説明する第1の説明図である。
【図5】半田ボール300の直径L1、吸気孔23の直径L2、規制用プレート41の厚みL3、規制用プレート41から底壁22までの離間距離L4、および貫通孔42の直径L5の関係を説明する説明図である。
【図6】半田ボール300の搭載工程を説明する第2の説明図である。
【図7】半田ボール300の搭載工程を説明する第3の説明図である。
【図8】半田ボール300の搭載工程を説明する第4の説明図である。
【図9】半田ボール300の搭載工程を説明する第5の説明図である。
【図10】半田ボール300の搭載工程を説明する第6の説明図である。
【図11】半田ボール300の搭載工程を説明する第7の説明図である。
【図12】半田ボール吸着装置102の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、球状体吸着装置、球状体搭載装置および球状体吸着方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0019】
最初に、図1に示す半田ボール搭載装置1の構成について説明する。半田ボール搭載装置1は、球状体搭載装置の一例であって、同図に示すように、半田ボール吸着装置2、搬送装置3および制御部4を備えて、球状体の一例としての微小な球状粒体である半田ボール(マイクロボール)300(図3参照)を搭載対象体としての基板400の端子401(図8参照)に搭載(載置)可能に構成されている。この場合、半田ボール300は、直径L1(図5参照)が70μm程度の球状に構成されている。また、半田ボール300は、半田ボール搭載装置1によって基板400の端子401に搭載された後に加熱溶融されることにより、基板400上にボールグリッドアレイ(BGA)を構成する。
【0020】
半田ボール吸着装置2は、球状体吸着装置の一例であって、図1に示すように、吸着ヘッド11、当接部材12、移動機構13、吸引機構14および収容容器15を備えて、後述する球状体吸着方法に従って半田ボール300の吸着および吸着の解除が可能に構成されている。
【0021】
吸着ヘッド11は、図2に示すように、内部空間21を有する箱状に構成されている。また、吸着ヘッド11の底壁22には、複数の吸気孔23が形成されている(同図では、その5つの吸気孔23のみを図示している)。この場合、図5に示すように、吸気孔23の直径L2は、半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも短い40μm程度に規定されている。また、図2に示すように、吸着ヘッド11の天壁24には、内部空間21の空気を排出(排気)するための排気孔25が形成されている。
【0022】
この吸着ヘッド11では、排気によって内部空間21が負圧となり(減圧され)、それに伴って吸気孔23から吸気が行われることにより、底壁22の外面22aにおける吸気孔23の開口部23aに半田ボール300を吸着すると共に、内部空間21が常圧に復帰したとき(減圧が解除されたとき)に半田ボール300の吸着を解除することが可能となっている。
【0023】
当接部材12は、図2に示すように、支持板31および弾性体32を備えて構成されている。支持板31は、一例として、金属によって板状に形成されている。弾性体32は、柔軟性を有して弾性変形が容易な材料(一例としてシリコーンゴム)で板状に形成され、支持板31の一面(吸着ヘッド11の底壁22に対向する面)側に取り付けられている。また、当接部材12は、同図に示すように、吸着ヘッド11における底壁22の内面22bに対して弾性体32の当接面33が接離する方向(同図における矢印A,Bの向き)に沿って移動可能に吸着ヘッド11の内部空間21に配設されている。この場合、当接部材12は、図10に示すように、底壁22の内面22bに弾性体32の当接面33が当接している状態において内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bを閉塞する。また、図4に示すように、当接部材12の支持板31にはロッド34が取り付けられており、このロッド34は、吸着ヘッド11の天壁24に形成された挿通孔26に挿通されて、基端部側が吸着ヘッド11の外側に突き出ている
【0024】
移動機構13は、図2に示すように、当接部材12の支持板31に取り付けられているロッド34を駆動する(下向きに押し下げ、上向きに引き上げる)ことにより、同図における矢印A,Bの向きに当接部材12を移動させる。また、移動機構13は、矢印Aの向き(当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに当接させる向き)に当接部材12を移動させる際の移動速度を任意に変更することが可能に構成されている。吸引機構14は、配管20(図1参照)を介して吸着ヘッド11の排気孔25に接続された図外の真空ポンプおよび電磁弁等を備えて構成され、制御部4の制御に従って吸着ヘッド11の内部空間21の空気を吸引する。
【0025】
収容容器15は、図3に示すように、半田ボール300を収容可能に構成されている。また、収容容器15は、図外の給気機構からの空気の供給によって収容している半田ボール300を浮遊させることが可能となっている。また、収容容器15の上部には、吸着ヘッド11による余剰な半田ボール300の吸着を規制するための(規制作用を有する)規制用プレート41が取り付けられている。この場合、規制用プレート41は、その厚みL3(図5参照)が半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも薄い30μm程度に規定された板状に構成されると共に、図4に示すように、吸着ヘッド11の底壁22の外面22aと収容容器15の上部の縁部とが当接した状態(以下、この状態を「セット状態」ともいう)において、外面22aまでの離間距離L4(図5参照)が半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも短い40μm程度となるように配置されている。
【0026】
また、規制用プレート41には、図4に示すように、セット状態において、吸着ヘッド11の各吸気孔23に対向する位置に複数(同図では、そのうちの5つのみを図示している)の貫通孔42が形成されている。この場合、貫通孔42の直径L5は、図5に示すように、半田ボール300の直径L1(この例では、70μm)よりも長く、かつ直径L1の2倍よりも短い90μm程度となるように形成されている。
【0027】
搬送装置3は、制御部4の制御に従い、収容容器15の配置位置(吸着位置)、および基板400の配置位置に吸着ヘッド11、当接部材12および移動機構13を搬送する。なお、以下の説明において、吸着ヘッド11、当接部材12および移動機構13を合わせて「吸着部100(図2参照)」ともいう。
【0028】
制御部4は、半田ボール搭載装置1を構成する各構成要素を制御する。具体的には、制御部4は、搬送装置3を制御して吸着部100を収容容器15の配置位置、およびに基板400の配置位置に搬送させる。また、制御部4は、吸引機構14を制御して吸着ヘッド11の内部空間21の空気を吸引させる。また、制御部4は、移動機構13を制御して当接部材12を移動させる。
【0029】
次に、半田ボール搭載装置1を用いて、球状体吸着方法に従って半田ボール吸着装置2に半田ボール300を吸着させ、その半田ボール300を基板400の端子401に搭載する工程、およびその際の半田ボール搭載装置1の動作について、図面を参照して説明する。なお、この例では、吸着ヘッド11における底壁22の外面22aを下向きにした状態で半田ボール吸着装置2が半田ボール300を吸着するものとする。また、初期状態では、図2に示すように、当接部材12が吸着ヘッド11の内部空間21における上部側に位置しているものとする。
【0030】
この半田ボール搭載装置1では、開始操作がされたときに、制御部4が、搬送装置3を制御して、吸着部100を収容容器15の上方に搬送させ、次いで、図4に示すように、吸着ヘッド11の底壁22の外面22aと収容容器15の上部の縁部とが当接するように吸着部100を降下させる。続いて、制御部4は、吸引機構14を制御して、吸着ヘッド11の内部空間21の空気を吸引させる。この際に、内部空間21が負圧となり(減圧され)、これに伴って底壁22に形成されている吸気孔23からの吸気が行われる。
【0031】
次いで、制御部4は、図外の給気機構から収容容器15内に空気を供給させる。この際に、空気の供給によって収容容器15に収容されている半田ボール300が浮遊させられる。また、図6に示すように、収容容器15内で浮遊している半田ボール300が、吸着ヘッド11の吸気孔23からの吸気に伴う吸引力によって吸気孔23の開口部23bに引き寄せられ、収容容器15の規制用プレート41に形成されている貫通孔42を通って吸着ヘッド11の外面22aにおける開口部23aに吸着される。
【0032】
この場合、半田ボール300が微小なため、半田ボール300同士が互いに引き合う力が重量に対して相対的に大きく、この結果、図6に示すように、開口部23aに吸着された半田ボール300(以下、この半田ボール300を「搭載対象の半田ボール300」ともいう)に他の半田ボール300(以下、この半田ボール300を「余剰の半田ボール300」ともいう)が付着する。続いて、制御部4は、収容容器15に対する空気の供給を停止させることにより、半田ボール300の浮遊を停止させる。
【0033】
次いで、制御部4は、搬送装置3を制御して、図7に示すように、吸着部100を上方(同図に示す矢印Bの向き)に移動させる。この際に、吸着ヘッド11の底壁22の外面22aが収容容器15の規制用プレート41から離間するため、開口部23aの縁部に吸着されている搭載対象の半田ボール300と余剰の半田ボール300との間に介在している規制用プレート41の規制作用により、余剰の半田ボール300が搭載対象の半田ボール300から引き離される結果、同図に示すように、余剰の半田ボール300が自重によって落下する。
【0034】
続いて、制御部4は、搬送装置3を制御して、図8に示すように、基板400の配置位置の上方に吸着部100を移動させ、次いで、図9に示すように、吸着ヘッド11に吸着されている半田ボール300の先端部が基板400の端子401に近接する位置に半田ボール吸着装置2を降下させる。続いて、制御部4は、吸引機構14を制御して、吸引を停止させる。これにより、吸着ヘッド11の内部空間21が常圧に復帰し(減圧が解除される)、吸気孔23からの吸気が停止する結果、吸着ヘッド11による半田ボール300の吸着が解除される。
【0035】
次いで、制御部4は、移動機構13を制御して、当接部材12の支持板31に取り付けられているロッド34を図9に示す矢印Aの向き(底壁22の内面22bに近接する下向き)に押し下げさせることにより、当接部材12における弾性体32の当接面33を底壁22の内面22bに対して押し当てるように(当接させるように)当接部材12を予め決められた移動速度で矢印Aの向きに移動させる。続いて、図10に示すように、当接部材12の弾性体32が吸着ヘッド11における底壁22の内面22bに当接した(押し当てられた)ときには、内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bが閉塞される。
【0036】
また、底壁22の内面22bに対する弾性体32の当接面33の押し当ての際の撃力により、吸気孔23内の空気が圧縮される。この場合、この半田ボール吸着装置2では、柔軟性を有して弾性変形が容易な材料で弾性体32が形成されている。このため、図10に示すように、押し当ての際に、弾性体32における吸気孔23の開口部23bに対向する部位が下向き(底壁22の外面22aに向かう向き)に変形する。このため、この半田ボール吸着装置2では、弾性体32が変形して開口部23bに入り込む分だけ、吸気孔23内の空気がさらに大きく圧縮される。
【0037】
ここで、変形が生じることなく開口部23aの縁部に吸着されていた半田ボール300は、吸気孔23からの吸気の停止(吸着の解除)に伴い、自重で開口部23aから離反して基板400の端子401に搭載される。一方、半田ボール300は柔らかく変形しやすいため、吸着の際の衝撃などによって変形して吸気孔23の開口部23aに嵌り込むことがある。このような場合には、吸着を解除させただけでは、半田ボール300が開口部23aから離反しないことがある。このため、吸着の解除だけで開口部23aから半田ボール300を離反させようとする従来の構成および方法では、開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300が開口部23aから離反しないことに起因して、端子401の一部に半田ボールが搭載されない欠陥が生じるおそれがある。また、吸着ヘッド11の内部空間21に空気を送り込んで開口部23aから半田ボール300を離反させようとする発明者の開発している構成および方法では、吸着の解除に伴って一部の半田ボール300が自重で離反して開口部23aが開放している吸気孔23が存在するときに、その吸気孔23から空気が漏れて、開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300の開口部23aからの離反が依然として困難である。
【0038】
これに対して、この半田ボール吸着装置2では、上記したように当接部材12を底壁22の内面22bに当接させることで、吸気孔23内の空気が圧縮されるため、この空気の圧力によって半田ボール300が下向き(開口部23aから離反する向き)に押圧される。また、この半田ボール吸着装置2では、当接部材12の弾性体32が吸着ヘッド11における底壁22の内面22bに当接したときに、内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bが閉塞されるため、開口部23aが開放している吸気孔23の有無に拘わらず、半田ボール300が嵌り込んでいる吸気孔23内の空気が確実に圧縮される。このため、この半田ボール吸着装置2では、吸気孔23の開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300を含めて吸着ヘッド11によって吸着されていた半田ボール300の全てが開口部23aから確実に離反する。
【0039】
これにより、図11に示すように、吸着ヘッド11によって吸着されていた全ての半田ボール300が基板400の端子401上に搭載される。次いで、制御部4は、搬送装置3を制御して、同図に示すように、吸着部100を上方(同図に示す矢印Bの向き)に移動させた後に初期位置に搬送させる。以上により、基板400の端子401への半田ボール300の搭載が完了する。この場合、上記したように、吸着の際に開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300が存在したとしても、その半田ボール300を含む吸着ヘッド11に吸着された全ての半田ボール300が開口部23aから離反される。このため、基板400における全ての端子401に半田ボール300が確実に搭載される。
【0040】
なお、この半田ボール吸着装置2では、当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに対して押し当てる際の当接部材12の移動速度を変更可能に移動機構13が構成されている。このため、開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300が離反し難いときには、その状態(つまり、内部空間21を常圧に復帰させたときの半田ボール300の吸着状態)に応じて当接部材12の移動速度を変更する(つまり、強い吸着状態(強く嵌り込んだ状態)のときには移動速度を速く、弱い吸着状態(弱く嵌り込んだ状態)のときには移動速度を遅く変更する)ことにより、吸気孔23内の空気の圧縮の程度を調整することができる。このため、この半田ボール吸着装置2では、開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300をより確実に開口部23aから離反させることが可能となっている。
【0041】
このように、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法では、半田ボール300を吸着した吸着ヘッド11における内部空間21を常圧に復帰させた後に、内部空間21に配設した当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに押し当てるように当接部材12を移動させて、内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bを閉塞させる。このため、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法によれば、底壁22の内面22bに対する弾性体32の当接面33の押し当ての際の撃力により、吸気孔23内の空気を圧縮させ、この空気の圧力によって開口部23aから離反する向きに半田ボール300を押圧することができる。また、当接部材12の弾性体32が吸着ヘッド11における底壁22の内面22bに当接したときに、内面22bにおける全ての吸気孔23の開口部23bが閉塞されるため、開口部23aが開放している吸気孔23の有無に拘わらず、半田ボール300が嵌り込んでいる吸気孔23内の空気を確実に圧縮することができる。したがって、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法によれば、吸気孔23の開口部23aに嵌り込んだ半田ボール300を含めて、吸着ヘッド11によって吸着されていた半田ボール300の全てを開口部23aから確実に離反させることができる結果、基板400における全ての端子401に半田ボール300を確実に搭載することができる。
【0042】
また、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法では、底壁22の内面22bに当接する部位が弾性体32で構成されている当接部材12を用いることにより、当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに押し当てたときの慣性力によって弾性体32における吸気孔23の開口部23bに対向する部位が底壁22の外面22aに向かう向きに変形して開口部23bに入り込むため、その分、吸気孔23内の空気をさらに大きく圧縮させることができる結果、開口部23aから半田ボール300をより確実に離反させることができる
【0043】
また、この半田ボール吸着装置2、半田ボール搭載装置1および球状体吸着方法によれば、吸着ヘッド11の内部空間21を常圧に復帰させたときの半田ボール300の吸着状態に応じて当接部材12を移動させる移動速度を変更することにより、例えば、半田ボール300が開口部23aに強く吸着されて(開口部23aに強く嵌り込んで)、離反が困難なときには、当接部材12の当接面33を底壁22の内面22bに押し当てる際の当接部材12の移動速度を速くすることで、吸気孔23内の空気の圧縮の程度を高めることができる結果、そのような場合においても、半田ボール300を開口部23aから確実に離反させることができる。
【0044】
なお、球状体吸着装置、球状体搭載装置および球状体吸着方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、当接部材12に取り付けられたロッド34を駆動して当接部材12を移動させる移動機構13を用いる構成および方法について上記したが、移動機構13に代えて、図12に示す移動機構113を用いる構成および方法を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した各構成要素と同様の構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この場合、移動機構113は、同図に示すように、支持板31に取り付けられた電磁コイル131と、吸着ヘッド11の外部に配列された固定磁石132とを備え、同図における矢印A,Bの向きに沿ってリニアモータ方式で当接部材12を移動させる。
【0045】
また、吸着ヘッド11における底壁22の外面22aを下向きにした状態で半田ボール吸着装置2に半田ボール300を吸着させる構成および方法について上記したが、外面22aを上向き、または横向きにした状態で半田ボール吸着装置2に半田ボール300を吸着させる構成および方法を採用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 半田ボール搭載装置
2 半田ボール吸着装置
3 搬送装置
4 制御部
11 吸着ヘッド
12 当接部材
13 移動機構
21 内部空間
22 底壁
22a 外面
22b 内面
23 吸気孔
23a 開口部
32 弾性体
33 当接面
102 半田ボール吸着装置
300 半田ボール
400 基板
401 端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁に吸気孔が複数形成された箱状に構成され、内部空間が負圧のときに前記吸気孔からの吸気によって前記底壁の外面における当該吸気孔の開口部に球状体を吸着すると共に当該内部空間が常圧に復帰したときに当該球状体の吸着を解除可能に構成された吸着ヘッドを備えた球状体吸着装置であって、
前記底壁の内面に対して接離する方向に沿って移動可能に前記内部空間に配設されて当該内面に当接面が当接している状態において当該内面における全ての前記吸気孔の開口部を閉塞する当接部材と、当該当接部材を前記接離する方向に沿って移動させる移動機構とを備え、
前記移動機構は、前記球状体を吸着した前記吸着ヘッドの前記内部空間が常圧に復帰した後に、前記底壁の前記内面に前記当接面を当接させるように前記当接部材を移動させる球状体吸着装置。
【請求項2】
前記当接部材は、前記底壁の前記当接面側が弾性体で構成されている請求項1記載の球状体吸着装置。
【請求項3】
前記移動機構は、前記当接部材の移動速度を変更可能に構成されている請求項1または2記載の球状体吸着装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の球状体吸着装置と、前記球状体を吸着させる吸着位置に前記吸着ヘッドを搬送すると共に前記球状体を吸着している前記吸着ヘッドを搭載対象体の配置位置まで搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象体に搭載する球状体搭載装置。
【請求項5】
底壁に吸気孔が複数形成された箱状に構成された吸着ヘッドの内部空間を負圧にして前記吸気孔からの吸気によって当該底壁の外面における当該吸気孔の開口部に球状体を吸着すると共に、前記内部空間を常圧に復帰させて前記球状体の吸着を解除する球状体吸着方法であって、
前記球状体を吸着した前記吸着ヘッドにおける前記内部空間を常圧に復帰させた後に、前記内部空間に配設した当接部材の当接面を前記底壁の前記内面に当接させるように当接部材を移動させて当該内面における全ての前記吸気孔の開口部を閉塞させる球状体吸着方法。
【請求項6】
前記底壁の前記当接面側が弾性体で構成されている前記当接部材を用いる請求項5記載の球状体吸着方法。
【請求項7】
前記内部空間を常圧に復帰させたときの前記球状体の吸着状態に応じて前記当接部材の移動速度を変更する請求項5または6記載の球状体吸着方法。
【請求項1】
底壁に吸気孔が複数形成された箱状に構成され、内部空間が負圧のときに前記吸気孔からの吸気によって前記底壁の外面における当該吸気孔の開口部に球状体を吸着すると共に当該内部空間が常圧に復帰したときに当該球状体の吸着を解除可能に構成された吸着ヘッドを備えた球状体吸着装置であって、
前記底壁の内面に対して接離する方向に沿って移動可能に前記内部空間に配設されて当該内面に当接面が当接している状態において当該内面における全ての前記吸気孔の開口部を閉塞する当接部材と、当該当接部材を前記接離する方向に沿って移動させる移動機構とを備え、
前記移動機構は、前記球状体を吸着した前記吸着ヘッドの前記内部空間が常圧に復帰した後に、前記底壁の前記内面に前記当接面を当接させるように前記当接部材を移動させる球状体吸着装置。
【請求項2】
前記当接部材は、前記底壁の前記当接面側が弾性体で構成されている請求項1記載の球状体吸着装置。
【請求項3】
前記移動機構は、前記当接部材の移動速度を変更可能に構成されている請求項1または2記載の球状体吸着装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の球状体吸着装置と、前記球状体を吸着させる吸着位置に前記吸着ヘッドを搬送すると共に前記球状体を吸着している前記吸着ヘッドを搭載対象体の配置位置まで搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象体に搭載する球状体搭載装置。
【請求項5】
底壁に吸気孔が複数形成された箱状に構成された吸着ヘッドの内部空間を負圧にして前記吸気孔からの吸気によって当該底壁の外面における当該吸気孔の開口部に球状体を吸着すると共に、前記内部空間を常圧に復帰させて前記球状体の吸着を解除する球状体吸着方法であって、
前記球状体を吸着した前記吸着ヘッドにおける前記内部空間を常圧に復帰させた後に、前記内部空間に配設した当接部材の当接面を前記底壁の前記内面に当接させるように当接部材を移動させて当該内面における全ての前記吸気孔の開口部を閉塞させる球状体吸着方法。
【請求項6】
前記底壁の前記当接面側が弾性体で構成されている前記当接部材を用いる請求項5記載の球状体吸着方法。
【請求項7】
前記内部空間を常圧に復帰させたときの前記球状体の吸着状態に応じて前記当接部材の移動速度を変更する請求項5または6記載の球状体吸着方法。
【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】




【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】


【図11】


【図12】


【公開番号】特開2012−227259(P2012−227259A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92094(P2011−92094)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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