説明

球状化されたポリマー粒子

液体媒体で非球状の粒子を加熱することによって、非球状の粒子から球状のポリマー粒子を生成するための方法を開示する。また本明細書には、任意選択で界面活性剤および/または他の添加剤を含む、加熱した液体媒体において非球状のポリマー粒子を攪拌することによって、非球状のポリマー粒子を球状にする方法を開示する。これらの方法を用いて、ポリマー材料および最終生成物における残留モノマーレベルを低減することもできる。さらに、これらの方法を、ポリマー、およびポリマーに埋め込まれた1つまたは複数の第2の成分を含むポリマー粒子とともに用いることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2006年10月31日に出願された、米国仮特許出願第60/855,551号の優先権の利益を主張し、この出願をその全体を参考として本明細書中で援用する。
【背景技術】
【0002】
背景
ポリマー粒子には多数の使用がある。ポリマー粒子は、薬物の送達および作用のタイミング、部位、および放出のプロファイルに影響を及ぼすために、薬物およびワクチンの担体として医薬の設定で用いることができる。ポリマー粒子は、診断の補助として用いて撮像剤および造影剤を運搬することもできる。ポリマー粒子には、塗料、コーティング、および密封剤などにおいて、多くの産業上の使用もある。
【0003】
ポリマー粒子の形状は、特定の使用に対する適合性にとって最も重要であり得る。このようなものとして、所望の形状を得るために、特定の形態のポリマー粒子を調製し、また粒子を処理加工(例えば、磨砕、切断、粉砕)するための多くの方法が存在する。しばしば、特定のポリマー粒子を調製し、またはその粒子を処理加工する結果、粒子の表面は粗く、かつ/またはギザギザする。このように不規則な形状の粒子には、放出のプロファイルに変動が大きいこと、および粒子内への薬物の投薬など、いくつかの不都合があることがある。他の問題点は送達に関するものであり得る(例えば、凝固および凝集)。このようなものとして、ポリマー粒子を取り、その形態を変更してより均一な形状をもたらすのが望ましいことがある。本明細書に開示する方法はこれらおよび他の必要を満たすものである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
本明細書に具体化し、広範に記載する通り、開示する材料、組成物、物品、装置、および方法の目的に従い、一態様では、開示する主題はこのような化合物および組成物を調製し、用いるための化合物および組成物および方法に関する。ポリマー粒子、およびこのような粒子を作成し、用いる方法も開示する。
【0005】
さらなる利点は、一部は以下の明細書において述べられ、一部は明細書より明らかであり、または以下に記載する態様を実践することによって習得することができる。以下に記載する利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘する要素および組合せによって理解され、達成されよう。前述の概要の記載および以下の発明を実施するための形態は例示的および説明的なものにすぎず、限定的なものではないことを理解されたい。
【0006】
添付の図面は本明細書に組み入れられ、その一部分を構成するものであり、以下に記載するいくつかの態様を例示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】球状化処理前の、Lakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)からの75:25PLG(7525DLG6A)の篩い分けしたポリマー粒子のSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールバーは0.25mmを表す)。
【図2】実施例4に記載する球状化処理後の、Lakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)からの75:25PLG(7525DLG6A)の篩い分けしたポリマー粒子のSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.25mmを表す)。
【図3】球状化処理前の、実施例3に記載するTinius−Olsenプラストメーターを用いて調製した、押出し加工したポリマーからの75:25DL−PLG(Boehringer Ingelheim)のSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.5mmを表す)。
【図4】実施例4に記載する球状化処理後の、実施例3に記載するTinius−Olsenプラストメーターを用いて調製した、押出し加工したポリマーからの75:25DL−PLG(Boehringer Ingelheim)のSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.5mmを表す)。
【図5】球状化処理前の、実施例3に記載するTinius−Olsenプラストメーターを用いて調製した、Lakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)からの押出し加工したポリマーであるポリカプロラクトン(PCL)100CL12EのSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.25mmを表す)。
【図6】実施例4に記載する球状化処理後の、実施例3に記載するTinius−Olsenプラストメーターを用いて調製した、Lakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)からの押出し加工したポリマーであるポリカプロラクトン(PCL)100CL12EのSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.25mmを表す)。
【図7】球状化処理前の、実施例3に記載するTinius−Olsenプラストメーターを用いて調製した、押出し加工したポリマーEVAのSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.5mmを表す)。
【図8】実施例4に記載する球状化処理後の、実施例3に記載するTinius−Olsenプラストメーターを用いて調製した、押出し加工したポリマーであるEVAのSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.25mmを表す)。
【図9】酢酸エチルに曝露せず、実施例4に記載するように40℃の球状化プロセスに対して処理したBirmingham Polymers(Birmingham、AL)からのポリ(DL−ラクチド)(DL−PL)ポリマーのポリマー粒子のSEM顕微鏡写真を示す図である。40℃の処理後、ポリマー粒子は不規則であり、非球状であることに注目されたい(スケールは0.25mmを表す)。
【図10】最初に酢酸エチルを用いて可塑化し(実施例5に記載する通り)、次いで実施例4に記載するように40℃の球状化プロセスに対して処理したポリ(DL−ラクチド)(DL−PL)ポリマーのポリマー粒子のSEM顕微鏡写真を示す図である。図9に示した粒子とは対照的に、40℃の処理後では可塑化したポリマー粒子の形状はより規則的になったことに注目されたい(スケールは0.25mmを表す)。
【図11】非処理のCoumarin−6/ポリマー押出物のSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは1mmを表す)。
【図12】処理したCoumarin−6/ポリマー押出物のSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.5mmを表す)。
【図13】粉砕した酸化第一鉄/ポリマー粒子のSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.25mmを表す)。
【図14】処理した酸化第一鉄/ポリマー粒子のSEM顕微鏡写真を示す図である(スケールは0.25mmを表す)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
本明細書に記載する材料、化合物、組成物、物品、および方法は、本明細書に含まれる、開示する主題、図、実施例の特定の態様の以下の発明を実施するための形態を参照することによってより容易に理解することができる。
【0009】
本材料、化合物、組成物、物品、および方法を開示し、記載する前に、以下に記載する態様は、特定の合成方法または特定の試薬に制限されず、それ自体がもちろん変化することがあることを理解されたい。本明細書で用いられる専門用語は特定の態様だけを記載する目的であり、限定的なものを意図しないことも理解されたい。
【0010】
また、本明細書を通して様々な出版物が参照とされる。これら出版物の全文の開示は、開示された事項が関連する最新技術をより完全に記載するために、本出願中に参照によって本明細書に組み入れられるものである。開示する参考文献は、やはり、個々に、かつ特に、参照が依拠する文章において論じられるそれに含まれる題材に関して、本明細書に参照によって組み入れられる。
【0011】
定義
本明細書において、および以下の特許請求の範囲において、数々の用語に言及するが、これらは以下の意味を有すると定義される。
【0012】
本明細書および本明細書の特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」ならびに「含んでいる」、「含む(comprises)」など他の形の言葉は、例えば、他の添加剤、成分、整数、またはステップを含むが、それらに限定されないことを意味し、また除外しようとするものではない。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が他のものを明らかに指示しなければ、複数の指示物を含んでいる。このように、例えば「1つの(a)化合物」と言及すれば、2つまたはそれを超えるそのような化合物の混合物が含まれ、「1つの(an)薬剤」と言及すれば、2つまたはそれを超えるそのような薬剤の混合物が含まれ、「その(the)ポリマー」と言及すれば、2つまたはそれを超えるそのようなポリマーの混合物が含まれる、などである。
【0014】
「場合による」、または「場合により」は、引き続き記載される事象または状況が起こることがあり、または起こることがないことを意味し、また記載には、事象または状況が起こる場合および起こらない場合が含まれる。
【0015】
範囲は、本明細書において「約」1つの特定の値から、および/または「約」1つの別の特定の値までとして表すことができる。このような範囲を表す場合、別の態様には、1つの特定の値から、および/または他の特定な値までが含まれる。同様に、先行詞「約」の使用によって値を近似として表す場合は、特定の値が他の態様を形成することが理解されよう。各々の値のエンドポイントは、他のエンドポイントとの関係および独立に他のエンドポイントとの関係の両方において意義深いことがさらに理解されよう。本明細書には数々の値が開示されており、各々の値は本明細書において値自体に加えて「約」その特定の値としても開示されることも理解される。例えば、「10」という値が開示される場合は、「約10」も開示される。その値「に等しいまたはそれ未満」、「その値に等しいまたはそれを超える」値が開示される場合、および値の間の可能な範囲も開示される場合は、当業者によって好適に理解される通りであることも理解される。例えば、「10」の値が開示される場合は、「10に等しいまたはそれ未満」および「10に等しいまたはそれを超える」も開示される。本出願を通して、データは数々の異なる形式で提供され、このデータはエンドポイントおよび開始点、ならびにデータポイントのあらゆる組合せに対する範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータポイントである「10」および特定のデータポイントである「15」が開示される場合、10および15を超え、それらに等しいまたはそれらを超える、それら未満、それらに等しいまたはそれら未満、およびそれらに等しいも、10と15の間同様に開示されるとみなされることも理解される。2つの特定の単位の間の各単位も開示されることも理解される。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13、および14も開示される。
【0016】
本明細書および最後の特許請求の範囲における組成物における特定の要素または成分の重量による部分に対する参照は、重量による部分がそれに対して表される組成物または物品における、要素または成分と他の要素または成分との間の重量の関係を意味する。したがって、重量で2部の成分X、および重量で5部の成分Yを含む化合物では、XおよびYは2:5の重量比で存在し、さらなる化合物が化合物に含まれるか否かにかかわらずこのような比で存在する。
【0017】
成分の重量パーセントは、反対のものを特に記載しなければ、成分が含まれる製剤または組成物の全重量をベースにするものである。
【0018】
「ポリマー粒子」という用語は、ポリマーのあらゆる断片または切片を意味する。ポリマー粒子は、顕微鏡上の断片、粉末から肉眼的なグレインなどのあらゆるサイズであってよいので、これはいかなる特定のサイズの粒子を含意することを意味するものではない。さらに、ポリマー粒子はあらゆる形状を有することができるので、いかなる特定の形状も含意することを意味するものではない。
【0019】
本明細書において「球状」という用語は、開示する球状化のプロセスによって処理した後のポリマー粒子の形状を記載するために用いられる。特に、粗面、ギザギザの縁、および/または鋭い角を有するポリマー粒子を、開示する球状化のプロセスによって修飾して、滑らかな表面、丸い縁および角、ならびに全体に輪状の形状を有する「球状」のポリマー粒子をもたらすことができる。このようなものとして「球状」という用語は、そのような粒子が完全に球状の形状だけを有することを含意する意味ではない。実際に、ほとんどの場合ではそうではない。同様に、「球状化する」および「球状化」という用語は、完全に球状の形状だけに関することを意味するのではない。「球状」、「球状化した」、および「球状化」という用語は、そうではなく、小球、卵、またはビーズの形状など、全体に球状の形状を意味する。これらの用語は、カプセルまたはロッドの形状などの長円形の形状にも関連する。さらに、これらの用語は、円盤、丸剤、またはペレットの形状を有する平板化した球にも関連する。多くの例において、本明細書に開示する「球状」および「球状化した」ポリマー粒子は、開示する球状化プロセスに従って処理する前のポリマー粒子よりも、粗表面の割合が小さい。
【0020】
本明細書において「非球状」という用語は、上記で定義した「球状」以外であるポリマー粒子の形状を記載するために用いられる。特に、「非球状」の粒子は、開示する球状化プロセスによって処理していないものである。このようなものとして、「非球状」の粒子は、粗面、ギザギザの縁、および/または鋭い角を有する。多くの例において、本明細書に開示する「非球状」のポリマー粒子は、開示する球状化プロセスに従って処理した後のポリマー粒子よりも粗面の割合が大きい。
【0021】
本明細書において「生理活性物質」という用語は、それが適用される生物系において、局所または全身性の、生物学的、生理学的、または治療的な効果を提供することができる化合物または組成物を意味するために用いられる。例えば、生理活性物質は、他の機能の中でも、感染または炎症をコントロールし、細胞の増殖および組織の再生を増強し、腫瘍の増殖をコントロールし、または腫瘍細胞を死滅させるように作用し、鎮痛薬として作用し、抗細胞接着を促進し、骨の増殖を増強するように作用することができる。生理活性物質のいくつかの特異的ではあるが非限定的な例には、抗癌薬、抗感染薬、抗ウイルス薬、ビタミン、ホルモン、抗体、ステロイド、炭水化物、核酸、アプタマー、ペプチド、タンパク質、抗体、ワクチン、または治療用化合物(例えば、薬物/薬剤)が含まれる。さらに他の生理活性物質には、投与するときは生物学的に活性ではない物質であるが、対象に投与すると、代謝またはいくつかの他の機序によって生理活性物質に変換されるプロドラッグが含まれる。生理活性物質は、獣医学的な治療薬および農学上の物質(例えば、殺虫剤、除草剤、成長促進物質、肥料)であってもよい。さらに、本明細書に開示するあらゆる組成物は、2つまたはそれを超える生理活性物質の組合せを含むことができる。
【0022】
本明細書において用いられる「残留物」という用語は、部分が実際に特定の化学種から得られるか否かにかかわらず、特定の反応スキームまたはその後の製剤もしくは化学製品における特定の化学種の結果として得られた生成物である部分を意味する。例えば、「ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ヒドロキシブチレートから選ばれるモノマーの残留物」は、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、またはヒドロキシブチレートが特定の反応(例えば、重合反応)に関与した場合にもたらされる部分を意味する。この場合、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、またはヒドロキシブチレート残留物は、これらの化合物から「誘導」される。
【0023】
本明細書において、「第2の成分」という用語は、ポリマー粒子に付随し、または付着し、または粒子内に含まれており、1つまたは複数の生理活性物質、医薬品、生体分子、造影剤、撮像剤、色素、栄養、標的部分、ワクチン、抗原、蛍光物質、磁性粒子、X線不透過剤、天然高分子(例えば、タンパク質、多糖、ポリペプチド、酵素、抗体、核酸など)、合成高分子(例えば、PEG、PVP、合成ポリペプチド、修飾した多糖、アプタマーなど)、バッファー、界面活性剤、脂質、浸透圧剤、アジュバントなどを含むことができるあらゆる化合物、組成物、添加剤などを意味するために用いられる。
【0024】
開示する材料、化合物、組成物、物品、および方法の特定の態様に対して詳しく次に言及し、これらの例を添付の実施例および図面において説明する。
【0025】
材料および組成物
本明細書において、開示する方法、装置、および組成物に用いることができ、これらと組み合わせて用いることができ、これらを調製するのに用いることができ、またはこれらの生成物である、材料、化合物、組成物、および成分が開示される。これらおよび他の材料が本明細書に開示され、また、これらの材料の組合せ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、各々の様々な個体および集合的な組合せならびにこれらの化合物の順列の特定な言及が明確に開示され得ない限りは、各々が本明細書において具体的に企図され、記載されることが理解される。例えば、組成物が開示され、組成物の数々の成分または残留物に対して行うことができる数々の修飾が論じられる場合、反対のものが具体的に指摘されなければ、可能であるすべての組合せおよび順列が具体的に企図される。したがって、A、B、およびCの成分または残留物のクラスが、D、E、およびFの成分または残留物のクラス同様に開示され、A−Dの組合せの化合物の例が開示される場合は、各々が個々に列挙されなくても、各々が個々におよび集合的に企図される。したがって、この例では、A−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、およびC−Fの各々の組合せが具体的に企図され、A、B、およびC;D、E、およびF;ならびにA−Dの組合せの例の開示から開示されると考えなければならない。同様に、これらのあらゆるサブセットまたは組合せも具体的に企図され、開示される。したがって、例えば、A−E、B−F、およびC−Eのサブグループが、A、B、およびC;D、E、およびF;ならびにA−Dの組合せの例の開示から具体的に企図され、開示されると考えなければならない。この概念は、それだけには限定されないが、開示される組成物を作成し、使用する方法におけるステップを含む本開示の全態様に適用される。したがって、行うことができる様々なさらなるステップが存在する場合、これらさらなるステップの各々は、開示される方法のあらゆる特定の態様または態様の組合せで行うことができ、各々のこのような組合せが具体的に企図され、開示されると考えるべきであると理解される。
【0026】
本明細書に開示するある種の材料、化合物、組成物、および成分は市場で入手することができ、または当業者には一般に知られている技術を用いて容易に合成することができる。例えば、開示する化合物および組成物を調製するのに用いられる出発材料および試薬は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee、Wis)、Acros Organics(Morris Plains、N.J.)、Fisher Scientific(Pittsburgh、Pa)、またはSigma(St.Louis、Mo)などの市場の供給元から入手可能であり、あるいは、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、1〜17巻(John Wiley and Sons、1991年)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、1〜5巻および補完(Elsevier Science Publishers、1989年)、Organic Reactions、1〜40巻(John Wiley and Sons、1991年)、March’s Advanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons、第4版)、ならびにLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.、1989年)などの参考文献に述べられている手順に従って当業者には知られている方法によって調製される。
【0027】
球状化プロセス
本明細書には、任意選択で界面活性剤および/または他の添加剤を含む、加熱した液体媒体において非球状のポリマー粒子を攪拌することによって、非球状のポリマー粒子を球状にする方法を開示する。これらの方法を用いて、ポリマー材料および最終生成物における残留モノマーレベルを低減することもできる。さらに、これらの方法を、ポリマー、およびポリマーに埋め込まれた1つまたは複数の第2の成分を含むポリマー粒子とともに用いることもできる。このようなポリマー粒子のブレンドは、ポリマーおよび1つまたは複数の第2の成分、例えば、生理活性物質、医薬品、生体分子、造影剤、撮像剤、色素、栄養、標的部分、合成高分子(例えば、PEG、PVP、ポリペプチド、修飾した多糖、多糖など)、磁性粒子、放射線不透過剤などを含むことができる。本明細書に開示するプロセスによって調製される球状粒子を、粒子表面を修飾するために操作することもできる。本明細書に開示するいくつかの特定の例では、共有性の連結の化学を用いてポリマー粒子の表面に第2の成分を付加することができる。このような第2の成分のポリマー粒子への共有性の連結は、開示する球状化プロセスの前に、間に、または後に行うことができる。
【0028】
開示するプロセスでは、非球状のポリマー粒子を、本明細書で定義する球状に作成する。開示する方法は、非球状のポリマー粒子および液体媒体を含む混合物を提供するステップと、混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度(すなわち、非球状の粒子が球状になる点)を超えて加熱するステップと、混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度未満に冷却するステップとを含み、それにより、球状のポリマー粒子を生成する。開示する方法は、球状のポリマー粒子を回収し、洗浄し、乾燥するステップをさらに含む。
【0029】
高残留モノマー含量を有するポリマー粒子から低残留のモノマー含量を有するポリマー粒子を調製する方法も開示する。開示する方法は、最初の残留モノマー含量および液体媒体を有する、高残留モノマーポリマー粒子を含む混合物を提供するステップと、混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度を超えて加熱するステップと、混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度未満に冷却するステップとを含み、それにより、最初の残留モノマー含量未満である低残留モノマー含量を有する、低残留モノマーポリマー粒子を生成する。低残留モノマー粒子を、これらのプロセスによって球状化することもできる。ある例では、最初の残留モノマー含量は、開示する方法によってポリマー粒子の重量ベースで25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、85%、または90%低減することができる。このようのものとして、非球状のポリマー粒子の最初の残留モノマー含量の10から約75%でまである低残留モノマー含量を有する球状のポリマー粒子を、本明細書に開示する。
【0030】
開示するプロセスによって作成されるポリマーも開示する。例えば、本明細書には、それから作成される非球状のポリマー粒子よりも少ない残留モノマーを含む球状のポリマー粒子を開示する。
【0031】
ポリマー
開示する方法で用いられる非球状のポリマーまたは高残留モノマーポリマーは、一般には小粒子として提供される。小粒子のポリマーは複数の方法で得ることができ、これらの粒子を得る方法は、開示する方法にとって決定的ではない。例えば、ポリマー粒子は、ポリマーのロッドまたは繊維を小片に切断することによって生成することができ、この場合得られる粒子は円柱形の形状であってよい。小型のポリマー粒子は、ポリマーを磨砕することによって生成することができ(磨砕ビーズ、ペレット、シートなど)、この場合、得られる粒子の形状は不規則である。さらに、ポリマー粒子を市場で入手することができる。
【0032】
球状化し、かつ/または残留モノマー含量を減少させたいと思うあらゆるポリマーおよびポリマーのブレンドを、開示する方法で用いることができる。特に適切な例には、それだけには限定されないが、ポリ(ラクチド−グリコリド)コポリマー、ラクチドホモポリマー、グリコリドホモポリマー、カプロラクトン、およびこれらの混合物が含まれる。他の適切なポリマーは、ポリエチレンオキシド(PEO)としても知られるポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの混合物を含む。ポリマーのさらなる例は、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ(アルキルシアノアクリレート)のホモポリマーまたはコポリマーなど、アクリル酸をベースにしたものであってよい。さらに他の例には、それだけには限定されないが、ポリグルクロン酸、ポリアスパラギン酸、ポリ酒石酸、ポリグルタミン酸、ポリフマル酸、などの有機酸ベースのポリマー(これらのコポリマーを含む)が含まれる。エステルをベースにした適切なポリマーには、それだけには限定されないが、ポリ(オルトエステル)、ポリ(ブロック−エーテルエステル)、ポリ(エステルアミド)、ポリ(エステルウレタン)、ポリホスホン酸エステル、ポリホスホエステル、ポリ無水物、およびポリホスファゼン(これらのコポリマーを含む)が含まれる。
【0033】
さらなる例では、ポリマーは多糖であってよい。ポリマーのなおさらなる例には、それだけには限定されないが、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(プロピレンフマレート)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルポリピロリドン、ポリビニル−N−メチルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、デンプン、セルロース、メチルセルロース、アミノデキストラン、デキストラン、DEAEデキストラン、コンドロイチン硫酸、デルマタン、デルマタン硫酸、ヘパラン、ヘパラン硫酸、ヘパリン、キトサン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルアミロース、ヒアルロン酸、ヒアルロナン、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸カルシウム、アガロース、カラゲナン、ゼラチン、酸加水分解で分解されたゼラチン、グリコーゲン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、またはこれらのあらゆる組合せが含まれる。
【0034】
先に示したように、非球状の、および/または高残留モノマーのポリマー粒子は、ポリマー粒子に埋め込まれ、または共有性に連結している1つまたは複数の第2の成分を有することができる。「埋め込まれた」は、第2の成分が全体的または部分的に粒子中に封入されていることを意味する。開示する球状化プロセス後、第2の成分の大半(例えば、もとの量の50%を超えて)が、得られる球状のポリマー粒子に依然として存在していてよい。開示するポリマー粒子は、活性がなくてもよい(例えば、プラセボ)。
【0035】
球状のポリマー粒子を形成する前に、このようなポリマーを押出し加工してロッドまたは繊維にしてもよく、あるいはポリマーは、ペレット、ビーズ、または磨砕したバルクのポリマー、または1シートの形態であってよい。
【0036】
第2の成分
本明細書における多くの例では、開示するポリマー粒子は、直接またはリンカーによって粒子に埋め込まれ、または共有性に連結している1つまたは複数の第2の成分を有することができる。第2の成分の適切な例には、生理活性物質、(例えば、医薬品(薬物またはワクチン)、栄養、生体分子)、造影剤、撮像剤、色素、標的部分、合成ポリマー、磁性粒子、X線不透過剤などが含まれる。
【0037】
第2の成分が生理活性物質である場合は、疾患または疾病を処置するための薬物または他の薬学的に活性な物質であってよい。開示する球状化プロセスが医薬品に有害な影響(例えば、分解)を及ぼさない限り、あらゆるそのような医薬品を第2の成分として用いることができる。医薬品の適切な例は、メルクインデックス(13版、Wiley、2001年)、米国薬局方−国民医薬品集(USP−NF)、およびFDAのオレンジブックに見ることができ、これらは各々、少なくとも医薬品の教示に関して本明細書に参照によって組み入れられる。適切な医薬品は市場で入手できる。潜在的な治療薬は、開示されるポリマー粒子における適切な第2の成分であり得ることも企図される。
【0038】
他の例では、第2の成分は生体分子などの生理活性物質であってよい。生体分子の例には、それだけには限定されないが、小分子、ペプチド、タンパク質、酵素(例えば、キナーゼ、ホスファターゼ、メチル化剤、プロテアーゼ、転写酵素、エンドヌクレアーゼ、リガーゼなど)、抗体、および/またはそれらのフラグメント、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド、プライム(prime)、プローブ、アプタマー、リボザイムなど)、脂質、炭水化物、ステロイド、ホルモン、ビタミンが含まれる。本明細書で用いられる「小分子」は、分子量が約5kD未満である、例えば約4kD未満である組成物を言及することを意味する。小分子は、核酸(例えば、DNA、RNA)、ペプチド、ポリペプチド、ペプチドミメティック、炭水化物、脂質、因子、補助因子、ホルモン、ビタミン、ステロイド、微量元素、または他の有機(含炭素)もしくは無機の分子であってよい。これらの生体分子は市場で入手することができ、または合成され、もしくは当技術分野では知られている方法によって天然の供給源から単離され得る。
【0039】
本明細書では、第2の成分(例えば、生体分子)が、例えば、酵素および抗体を含めた、アミノ酸ベースの分子を含むことができる様々な組成物を開示する。したがって、本明細書で用いられる「アミノ酸」は、ポリペプチドをなす、典型的に遭遇する20個のアミノ酸を意味する。さらに、これには天然に存在するもの(例えば、それだけには限定されないが、アミノ酸に典型的に見出される類似体であるホルミルメチオニンおよびセレノシステイン)、ならびにアミノ酸またはアミノ酸官能性の模倣物の両方であるあまり典型的ではない構成成分もさらに含まれる。これらおよび他の分子の非制限的な例は、本明細書で論じられる。
【0040】
本明細書で用いられる「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、化学的に一緒に結合しているアミノ酸からなる化合物のクラスを意味する。これらおよび他の分子の非制限的な例は、本明細書で論じられる。一般に、アミノ酸はアミド連結(CONH)によって一緒に化学的に結合しているが、アミノ酸は、当技術分野では知られている他の化学結合によって一緒に結合することができる。例えば、アミノ酸はアミン連結によって結合することができる。本明細書で用いられる「ペプチド」は、天然に存在し、または操作されるポリペプチドおよびタンパク質を含めた、アミノ酸のオリゴマー、ならびに小型および大型のペプチドを含む。「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書では交換可能に用いることができることが理解される。
【0041】
このようなペプチドおよびタンパク質を生成するための方法はよく知られている。開示するタンパク質を生成する一方法は、タンパク質化学の技術によって2つまたはそれを超えるペプチドまたはポリペプチドを一緒に連結することである。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)またはBoc(tert−ブチルオキシカルボニル)の化学作用のいずれかを用いて、現在入手可能な実験装置を用いて化学的に合成することができる。(Applied Biosystems,Inc.、Foster City、CA)。当業者であれば、開示するタンパク質に対応するペプチドまたはポリペプチドを、例えば、標準の化学反応によって合成することができることが容易に理解できる。例えば、ペプチドまたはポリペプチドを合成し、その合成樹脂から切断せず、他方ではペプチドまたはタンパク質の他のフラグメントを合成し、引き続き樹脂から切断し、それにより、他のフラグメント上で機能的にブロックされている末端基を曝露することができる。ペプチド縮合反応によって、これら2つのフラグメントは、それぞれのカルボキシル末端およびアミノ末端でペプチド結合により共有性に接合して抗体、またはそのフラグメントを形成することができる(Grant、Synthetic Peptides: A User Guide.、W.H. Freeman and Co.、N.Y.、1992年;BodanskyおよびTrost編集、Principles of Peptide Synthesis.、Springer−Verlag Inc.、N.Y.、1993年、これらは少なくともペプチド合成のその教示に関して本明細書に参照によって組み入れられる)。
【0042】
別の一例では、第2の成分は抗体またはそのフラグメントを含むことができる。抗体またはそのフラグメントは、本明細書で用語が用いられるように、生体分子、撮像剤、および/または標的部分と考えることができる。「抗体」という用語は、それだけには限定されないが、あらゆるクラスの免疫グロブリン全体(すなわち、完全な抗体)を包含する。天然の抗体は、通常、2本の同一の軽(L)鎖および2本の同一の重(H)鎖からなるヘテロ4量体の糖タンパク質である。典型的には、軽鎖は各々、1つの共有性のジスルフィド結合によって重鎖に連結しており、ジスルフィド連結の数は、異なる免疫グロブリンのイソ型の重鎖間で変化する。各々の重鎖および軽鎖も、規則的な間隔の鎖間ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一終端に可変ドメイン(V(H))を有し、後に数々の定常ドメインが続く。各軽鎖は、一終端に可変ドメイン(V(L))を、もう一方の終端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第1の定常ドメインと一直線上にあり、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと一直線上にある。特定のアミノ酸残基が、軽鎖可変ドメインと重鎖可変ドメインの間の境界面を形成していると考えられている。あらゆる脊椎動物種からの抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、κおよびλと呼ばれる2つの明らかに異なるタイプのうちの1つに割り当てることができる。免疫グロブリンは、その重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、様々なクラスの割り当てることができる。ヒト免疫グロブリンには、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMの5つの主要なクラスがあり、これらのいくつかは、IgG−1、IgG−2、IgG−3、およびIgG−4;IgA−1、およびIgA−2など、サブクラス(イソ型)にさらに分けることができる。当業者であれば、マウスに対して比較できるクラスを認識する。免疫グロブリンの様々なクラスに相当する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。
【0043】
本明細書用いられる「抗体」という用語は、完全な分子、およびそれらのフラグメント(例えば、エピトープの決定基に結合することができるFabおよびF(ab’)2など)を含むことを意味する。「抗体」という用語は、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、抗イデオパシー(anti−idiopathic)抗体、およびヒト化抗体も含む。
【0044】
本明細書で用いられる「抗体またはそのフラグメント」という用語は、二重もしくは多重の抗原またはエピトープ特異性を有するキメラ抗体およびハイブリッド抗体、ならびにハイブリッドのフラグメントを含めた、F(ab’)2、Fab’、Fabなどのフラグメントを包含する。このような抗体およびフラグメントは、当技術分野では知られている技術によって作成することができる(HarlowおよびLane.、Antibodies, A Laboratory Manual.、Cold Spring Harbor Publications、N.Y.、1988年を参照されたい)。このような抗体およびそのフラグメントは、本明細書に開示する方法に従って、特異性および活性に対してスクリーニングすることができる。
【0045】
「抗体またはそのフラグメント」の意味内には、例えば、その内容が少なくとも抗体結合体のその教示に関して本明細書に参照によって組み入れられる米国特許第4704692号に記載される抗体フラグメントと抗原結合性タンパク質(単鎖抗体)の結合体も含まれる。フラグメントは、他の配列に付着していても、またはいなくても、特定の領域または特定のアミノ酸残基の、挿入、欠失、置換、または他の選択される修飾を含む。本明細書に開示する抗体を生成および/または単離する方法はよく知られている。
【0046】
本明細書には、第2の成分が核酸ベースの分子を含むことができる様々な組成物も開示する。このように、本明細書で用いられる「核酸」は、例えば、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、またはヌクレオチド代替物からできている分子を意味する。これらおよび他の分子の非限定的な例を、本明細書で論じる。核酸は、2本鎖でも、または1本鎖でもよい。核酸は、オリゴヌクレオチドを含むことも意味する。
【0047】
本明細書で用いられる「ヌクレオチド」は、塩基部分、糖部分、およびリン酸部分を含む分子である。ヌクレオチドは、そのリン酸部分および糖部分によって一緒に連結し、インターヌクレオシド(internucleoside)連結を生成することができる。ヌクレオチドの塩基部分は、アデニン−9−イル(A)、シトシン−1−イル(C)、グアニン−9−イル(G)、ウラシル−1−イル(U)、およびチミン−1−イル(T)であってよい。ヌクレオチドの糖部分はリボースまたはデオキシリボースである。ヌクレオチドのリン酸部分は、五価のリン酸塩である。ヌクレオチドの非限定的な例は、3’−AMP(3’−アデノシン一リン酸)または5’−GMP(5’−グアノシン一リン酸)である。
【0048】
本明細書で用いられる「ヌクレオチド類似体」は、塩基、糖、またはリン酸部分のいずれかに対するいくつかのタイプの修飾を含むヌクレオチドである。ヌクレオチドに対する修飾は、当技術分野ではよく知られており、例えば、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、および2−アミノアデニン、ならびに糖またはリン酸部分での修飾が含まれる。
【0049】
本明細書で用いられる「ヌクレオチド代替物」は、ヌクレオチドに類似の機能的性質を有する分子であるが、ペプチド核酸(PNA)などのリン酸部分を含まない。ヌクレオチド代替物は、ワトソン−クリック、またはHoogsteenの様式で核酸を認識するが、リン酸部分以外の部分によって一緒に連結している分子である。ヌクレオチド代替物は、好適な標的の核酸と相互作用する場合に2本鎖型の構造に合致することができる。
【0050】
他のタイプの分子をヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体に連結して、例えば、細胞の取り込みを増強することができる結合体を作成することも可能である。結合体は、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体に化学的に連結することができる。このような結合体には、それだけには限定されないが、コレステロール部分などの脂質部分が含まれる(少なくとも核酸結合体のその教示に関して本明細書に参照として組み入れられる、Letsingerら、Proc Natl Acad Sci USA、1989年、86巻、6553〜6頁)。本明細書で用いられる、核酸という用語は、このような核酸の結合体、類似体、および変異体を含む。
【0051】
本明細書に記載するものなどの核酸は、標準の化学合成方法を用いて作成することができ、または酵素的な方法もしくはあらゆる他の知られている方法を用いて生成することができる。このような方法は、標準の酵素的な消化とその後のヌクレオチドフラグメント単離(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、2001年、チャプター5、6を参照されたい)から、例えば、MilligenまたはBeckman System 1Plus DNA合成機(例えば、Milligen−Biosearchの自動化合成機Model 8700 、Burlington、MAまたはABI Model 380B)を用いたシアノエチルホスホラミダイト法による、純粋な合成法までの範囲であってよい。オリゴヌクレオチドを作成するのに有用な合成法は、Ikutaら、Ann Rev Biochem、1984年、53巻、323〜56頁(リン酸トリエステルおよび亜リン酸トリエステル法)、およびNarangら、Methods Enzymol、1980年、65巻、610〜20頁(リン酸トリエステル法)によってやはり記載されている。タンパク質核酸分子は、Nielsenら、Bioconjug Chem、1994年、5巻、3〜7頁に記載されているものなど(これらの参照は各々、少なくとも核酸合成のその教示に関して本明細書に参照によって組み入れられる)知られている方法を用いて作成することができる。
【0052】
また、第2の成分は、直接的または間接的のいずれかで検出可能なシグナルを生成することができる化学物質である撮像剤を含むことができる。このような撮像剤の多くは、当業者には知られている。開示する組成物および方法において使用するのに適する撮像剤の例は、放射性同位元素、蛍光分子、リン光分子、酵素、抗体、およびリガンドである。本明細書に開示する2つまたはそれを超える部分を組み合わせて撮像剤も、撮像部分とみなされる。
【0053】
撮像剤が球状化プロセスによって有害な影響を受けない限り、あらゆる知られている撮像剤を、開示する粒子および球状化プロセスと一緒に用いることができる。撮像剤によって産生されるシグナルを検出および測定するための方法は、当業者にはやはり知られている。例えば放射性同位元素はシンチレーションカウンティングまたは直接可視化によって検出することができ、蛍光分子は蛍光分光光度計で検出することができ、リン光分子は分光光度計で、またはカメラで直接可視化して検出することができ、酵素は、その酵素が触媒する反応の生成物を検出または可視化することによって検出することができ、抗体は、抗体にカップリングしている2次検出標識を検出することによって検出することができる。
【0054】
一例では、開示する撮像剤は蛍光の撮像剤を含むことができる。蛍光の撮像剤は、検出可能な蛍光シグナルを有するあらゆる化学部分である。この撮像剤を、単独で、または他の撮像剤と組み合わせて用いることができる。本明細書に開示する組成物および方法において用いることができる適切な蛍光物質の例には、それだけには限定されないが、フルオレセイン(FITC)、5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、フルオレスカミン、OPA、NDA、インドシアニングリーン色素、シアニン色素(例えば、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、およびCy7)、4−アセトアミド−4’−イソチオシアネートスチルベン−2,2’−二スルホン酸、アクリジン、アクリジンイソチオシアネート、5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)、4−アミノ−N−[3−ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド−3,5−二スルホン酸塩、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、BODIPY、ブリリアントイエロー、クマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)、シアノシン、4’、6−ジアミニジノ(diaminidino)−2−フェニルインドール(DAPI)、5’、5”−ジブロモピロガロール−スルホナフタレイン(ブロモピロガロールレッド)、7−ジエチルアミノー3−(4’−イソチオシアネートフェニル)−4−メチルクマリンジエチレントリアミン五酢酸、4,4’−ジイソチオシアネートジヒドロ−スチルベン−2,2’−二スルホン酸、4,4’−ジイソチオシアネートスチルベン−2,2’−二スルホン酸、5−[ジメチルアミノ]ナフタレン−1−スルホニルクロライド(DNS、ダンシルクロライド)、4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、4−ジメチルアミノフェニルアゾフェニル−4’−イソチオシアネート(DABITC)、エオシン、エオシンイソチオシアネート、エリスロシンB、エリスロシン、イソチオシアネート、エチジウムブロマイド、エチジウム、5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’−ジメトキシ−4,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネート、IR144、IR1446、マラカイトグリーンイソチオシアネート、4−メチルウンベリフェロン、オルトクレゾールフタレイン、ニトロチロシン、パラローザニリン、フェノールレッド、B−フィコエリトリン、o−フタルジアルデヒド、ピレン、ピレンブチレート、スクシンイミジル1−ピレンブチレート、リアクティブレッド4(Cibacron[R]Brilliant Red 3B−A)、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンBスルホニルクロライドローダミン(Rhod)、5,6−テトラメチルローダミン、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロライド誘導体(テキサスレッド)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、リボフラビン、ロゾール酸、クマリン−6など(これらの組合せを含む)が含まれる。これらの蛍光撮像部分は、Molecular Probes、Eugene、OR、およびResearch Organics、Cleveland、Ohioを含む様々な市場供給源から入手することができ、または当業者であれば合成することができる。
【0055】
別の一例では、開示する撮像剤は、磁気共鳴画像法(MRI)薬剤を含むことができる。MRI薬剤は、検出可能な磁気共鳴シグナルを有し、または別の薬剤の磁気共鳴シグナルに影響を及ぼす(例えば、増大する、もしくはシフトする)ことができるあらゆる化学部分である。このタイプの撮像剤は、単独、または他の撮像剤と組み合わせて用いることができる。さらに別の一例では、ガドリニウムベースのMRI薬剤が撮像剤として役立つことができる。開示する撮像剤中に組み入れることができる適切なMRI薬剤の一例は、ガドリニウムに強力に結合することが知られており、磁気共鳴の造影剤として臨床の使用に認可されている、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)の結合形態であるパラ−アミノ−ベンジル−ジエチレントリアミン五酢酸(p−NH2−Bz−DTPA、Compound7)である。他のものも、同様のMRI造影剤をin vivoの小動物の撮像用のデンドリマーであるPAMAM(商標)に上首尾に結合させている(Kobayashiら、Bioconjugate Chem、2001年、12巻、100〜107頁;Kobayashiら、Mag Res in Medicine、2001年、46巻、579〜85頁);これらの参考文献は、少なくともMRI薬剤のその教示に関して本明細書に参照によって組み入れられる。MRI薬剤を本明細書に開示するデンドリマーの物質などの大型の巨大分子上に組み入れることにより、単一の分子上への大型のT1緩和(ハイコントラスト)および複数の薬剤のコピーを可能にすることができ、これはシグナルを増大することができる。MRI撮像剤と、例えば蛍光の撮像剤とを組み合わせることによって、得られる薬剤を検出し、撮像化し、その後MRIによってリアルタイムで追跡することができる。
【0056】
他の撮像剤には、18F、または64Cuもしくは68Gaに対するキレート剤を組み入れることによって調製することができるPET薬剤が含まれる。また、放射性核種の添加を用いて、SPECT撮像を促進し、または放射線量を送達することができる。
【0057】
粒子に埋め込むことができ、または粒子表面に共有性に付着することのいずれかができる他の適切な第2の成分にはポリマーが含まれ、このポリマーは合成ポリマー、天然ポリマー、またはさらに化学的に修飾した天然ポリマーであってよい。合成ポリマーの非限定的な例には、それだけには限定されないが、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、PEGおよびPEOのコポリマー(Pluronicsなど)、ポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。天然ポリマーおよび化学的に修飾した天然ポリマーには、それだけには限定されないが、生体高分子、ペプチド、タンパク質、核酸、および多糖が含まれる。タンパク質の非限定的な例には、それだけには限定されないが、アルブミン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アポリポタンパク質E、ケラチン、エラスチン、アクチン、ミオシン、ゼラチン、コラーゲン、酵素、抗体などが含まれる。多糖の非限定的な例には、それだけには限定されないが、デキストラン、キチン、キトサン、デンプン、グリコーゲン、セルロース、デキストリン、マルトデキストリン、ヒアルロン酸などが含まれる。
【0058】
開示する粒子は、粒子中に、または粒子表面に共有性に付着した、またはその両方の、1つの第2の成分、または2つもしくはそれを超える第2の成分を有することができる。開示する粒子の第2の成分は、粒子表面に直接、共有性に付着していてもよく、またはリンカーもしくは連結の化学作用によって粒子表面に付着していてもよい。リンカーは非重合性であってもよく、または鎖長がオリゴマー性もしくはポリマー性であってもよい。
【0059】
いくつかの例では、開示する第2の成分は、酵素が切断することができるペプチドである生物感受性なリンカーによってポリマー粒子に連結していてよい。得られるポリマーは、標的とした送達に、または特定の酵素活性が増大する部位の撮像に用いることができる。
【0060】
さらなる例では、第2の成分は標的部分も含むことができる。例えば、標的部分(例えば、本明細書に記載する抗体、またはそのフラグメント)を、ポリマーに直接、またはリンカーによって、または生物感受性なリンカーによって付着することができる。標的部分は、ポリマー粒子を、対象の特定の領域に送達または局在化させるように働くことができる。標的薬剤または部分の非限定的な例には、葉酸結合性薬剤、ビオチン、アルブミン、ペプチド、タンパク質、多糖、RGDペプチド、グリコシル化されたターゲティングリガンド、リポタンパク質、抗体、抗体フラグメント、酵素、核酸、アプタマー、腫瘍特異的リガンドまたはペプチド、受容体特異的リガンドまたはペプチドなどが含まれ得る。
【0061】
代替の例では、第2の成分は、指示薬(例えば、pH)、炭素ベースのナノ構造(例えば、バッキーボールおよびナノチューブ)、デンドリマー、ナノスケール装置、微小電気機械(MEM)、有機または無機の化合物(例えば、酸化鉄)、非水溶液、気体(例えば、水素)、およびこれらの混合物であってよい。
【0062】
液体媒体
開示する方法では、非球状および/または高残留モノマーポリマー粒子を、液体媒体に配置して混合物を形成する。次いで、得られた混合物(粒子のサイズおよび媒体に応じて、懸濁液とも呼ぶことができる)を、ポリマーのガラス転移温度(Tg)(非結晶性ポリマーの場合)または融解点(結晶性ポリマーの場合)を超えて加熱すると、粒子が部分的または完全に溶け、媒体中に「液滴」を形成する。ポリマーのTgまたは融解点未満に冷却すると、「液滴」は硬化して「球状」の微粒子になる。今や球状のポリマー粒子を、次いで回収し、洗浄し、乾燥することができる。
【0063】
開示する方法は、ポリマーを溶解するのに溶剤を用いる、乳剤/溶剤抽出法を用いない。すなわち、用いる液体媒体は、好ましくはポリマーを溶解せず、または少なくともポリマー粒子が部分的に不溶解であるあらゆる媒体であってよい。このように、用いる特定の液体媒体は用いるポリマー、第2の成分のタイプ(もしあれば)、好み、可塑剤を用いるか否か、などに依存する。
【0064】
適切な液体媒体の例には、それだけには限定されないが、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド、エタノール、メタノール、1−または2−プロパノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、エチレングリコール、プロピレングリコール、C1〜4アルキルおよびアルコキシエチレングリコールおよびプロピレングリコール(例えば、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコール)、アルカン(例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカン)、塩化メチレン、クロロホルム、ならびにこれらの混合物が含まれる。特に、液体媒体の適切な例には、それだけには限定されないが、水および少量の界面活性剤を含む水系が含まれる(例えば、ポリビニルアルコール約1%)。
【0065】
ある例では、可塑剤なしで必要とされるよりも、低温度で、かつ/または短時間でプロセスを行うために、開示する球状化プロセスの前に、または間に可塑剤をポリマーに加えることができる。すなわち、可塑剤の使用により、ポリマーのTgまたは融解点を低減することができ、したがって粒子の球状化に必要とされる温度または時間を低減することができる。ポリマー粒子の可塑化は、粒子を液体媒体に配置する前に、または粒子が液体媒体中にある間に、可塑剤をポリマー粒子の外側部分に接触させることによって行ってもよい。あるいは、可塑剤をポリマー粒子全体にわたって接触させてもよい。詳しい一例では、溶剤の蒸気で処理することによって、または粒子を可塑剤の溶剤の液体中に、もしくは可塑剤を含む溶液中に直接配置することによって、粒子を可塑剤の溶剤と接触させる。可塑剤の溶剤の適切な例は、酢酸エチル、アセトン、ブタノン、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール、N−メチルピロリドン、塩化メチレン、DMFなどである。可塑剤の適切な例には、それだけには限定されないが、フタル酸ジエチル、三酢酸グリセロール、アセチル化モノグリセリド、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリエチル、ヒマシ油、クエン酸エステル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、フタル酸ジエチル、コハク酸ジエチル、マロン酸ジエチル、酒石酸ジエチル、フタル酸ジメチル、グリセリン、グリセロール、三酢酸グリセロール、グリセリルトリブチレート、鉱油およびラノリンアルコール、ワセリンおよびラノリンアルコール、フタル酸エステル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ナタネ油、ゴマ油、トリアセチン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ならびにクエン酸トリエチルアセチル、または前者のあらゆる2つまたはそれを超える混合物が含まれる。水性のコーティングに用いることができる可塑剤には、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG400)、トリアセチン、ポリソルベート80、クエン酸トリエチル、d−酒石酸ジエチルが含まれる。
【0066】
界面活性剤
多くの例において、水性の液体媒体は界面活性剤を含むことができる。本明細書で用いられる「界面活性剤」は、親水性基および疎水性基からなる分子(すなわち、両親媒性物質)である。界面活性剤は、イオン性界面活性剤でも、または非イオン性界面活性剤でもよい。例えば、液体媒体は陰イオン性界面活性剤を含むことができる。あらゆる陰イオン性界面活性剤を用いることができる。適切な陰イオン性界面活性剤は、洗剤、シャンプー、石鹸などで一般に用いられており、市場で入手することができ、または当技術分野で知られている方法によって調製することができる。これらには、それだけには限定されないが、アルキルベンゼンスルホン酸塩(洗剤)、脂肪酸ベースの界面活性剤、ラウリル硫酸(例えば、起泡剤)、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩(例えば、湿潤剤)、リグノスルホン酸塩(例えば、分散剤)など(これらの混合物を含む)が含まれる。他の例では、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、αオレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、スルホコハク酸ナトリウム、ヒドロトロープ(これらの混合物を含む)を用いることができる。
【0067】
他の例では、水性の液体媒体は、陽イオン性界面活性剤を含むことができる。あらゆる陽イオン性界面活性剤を用いることができる。適切な陽イオン性界面活性剤には、それだけには限定されないが、4級アンモニウム化合物、イミダゾリン、ベタインなどが含まれる。このような陽イオン性界面活性剤は市場で入手することができ、または当技術分野では知られている方法によって調製することができる。
【0068】
さらに他の例では、水性の液体媒体は非イオン性界面活性剤を含むことができる。あらゆる非イオン性界面活性剤を用いることができる。適切な非イオン性界面活性剤は、その親水性基が、アルコール、フェノール、エーテル、エステル、またはアミドなど、非解離型であるので、水溶液でイオン化しない。これらはエーテル(例えば、グリセリン、ソルビトール、ショ糖などの多価アルコール)、脂肪酸エステル(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなど)、エステル(例えば、エチレンオキシドを、高級アルコール、アルキルフェノールなどのヒドロキシルラジカルを有する材料に適用することによって作成される化合物)、エーテル/エステル(例えば、エチレンオキシドを、分子内にエステル結合およびエーテル結合の両方を有する脂肪酸または多価アルコール脂肪酸エステルに適用することによって作成される化合物)、ならびに他のタイプ(例えば、脂肪酸アルカノール−アミドタイプ、またはアルキルポリグリセリドタイプ)に分類することができる。特に適切な非イオン性界面活性剤は、ポリ(ビニルアルコール)である。非イオン性界面活性剤の他の適切な例には、それだけには限定されないが、アルコールエトキシレートおよびアルキルフェノールエトキシレート、脂肪族アミンオキシド、アルカノールアミド、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、アルキルアミンエトキシレート、タイガーコール(tigercol)の滑沢剤などが含まれ得る。
【0069】
さらに他の例では、水性の液体媒体は二極性の界面活性剤を含むことができる。あらゆる二極性の界面活性剤を用いることができる。適切な二極性の界面活性剤(両性または双性イオン性と呼ばれる)は、陰イオン性および陽イオン性両方の解離を示す。二極性界面活性剤の適切な例には、それだけには限定されないが、ベタインまたはスルホベタインなどの製品、ならびにアミノ酸およびリン脂質などの天然物質が含まれる。一態様では、その全文が参照によって組み入れられる米国特許第6852816号、第6846795号、第6846352号、および第6849426号に開示されているベタインを本明細書で用いることができる。
【0070】
適切な界面活性剤の他の例には、その起源を植物または動物の器官に有することができる天然の界面活性剤が含まれる。別の一例では、ボロフォーム(boloform)の界面活性剤を用いることができる。ボロフォームの界面活性剤は、疎水性の尾の反対側の終端に2つの親水性の頭の基を有する界面活性剤である。
【0071】
これらの界面活性剤の混合物を、本明細書に開示する組成物および方法でやはり用いることができる。
【0072】
添加剤
液体媒体は、他の添加剤または賦形剤も含むことができる。例えば、液体媒体はpHバッファー、有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、シュウ酸など)、鉱酸(例えば、HCl、HBr、HSO、HPOなど)、塩基(例えば、NaOH、KOH、EtN、NaCO、NaHCO、KHCOなど)、保存剤、色素、抗酸化剤(例えば、トコフェロール)、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、凝集剤、および分散剤を含むことができる。液体媒体は、生理活性物質も含むことができる。例えば、処理加工中にポリマーブレンドから抽出される薬物の量を低減するために、ポリマーブレンド中の生理活性物質(液体媒体における飽和レベルまで、およびそれを含む濃度レベルの)を液体媒体に加えることができる。他の例では、液体媒体は、微生物の作用を防止するための他の添加剤を含むことができる。これは、様々な抗菌剤および/または抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、4級アンモニウム化合物などによって行うことができる。界面活性剤、結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、およびアラビアゴム)、保湿剤(例えば、グリセロール)、湿潤剤(例えば、セチルアルコール、およびモノステアリン酸グリセロール)、吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト)、ならびに滑沢剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物)を含むのも望ましいことがある。用いることができる適切な凝集剤には、それだけには限定されないが、アルミニウム塩(例えば、硫酸アルミニウム)、2価鉄塩、および3価鉄塩(例えば、硫酸第二鉄、および塩化第二鉄)が含まれる。適切な懸濁化剤には、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物などが含まれ得る。液体媒体は、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物なども含むことができる。添加剤は、第2の成分の共有性のカップリング、またはポリマー粒子の他の化学にさらに影響を及ぼすことがある。このような物質は一般的に知られており、市場で入手できる。
【0073】
温度および攪拌
非球状のポリマー粒子と液体媒体の混合物の加熱は、当技術分野では知られているあらゆる加熱技術によって行うことができる。混合物をそこまで加熱する温度は、ポリマーのタイプおよび液体媒体のタイプに依存する。一般には、混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度を超えて加熱する。
【0074】
非球状のポリマー粒子と液体媒体の混合物を混合してもよい。混合は、それだけには限定されないが、様々な攪拌の機序(例えば、機械的、およびマグネチックスターラー)、かき混ぜの機序(例えば、シェーカー、タンブラー、媒体を通したガスバブル)、超音波、ならびにボルテックスを含めた、当技術分野におけるあらゆる従来の手順によって行うことができる。
【0075】
サイズ
開示する方法により、より大型のポリマー粒子、特に、1mmを超える粒子など、乳化/抽出プロセスでは安定でないものを作成するのが可能になり得る。1mm未満の粒子、例えば、直径100μmのものも作成することができる。この方法によって生成される粒子のサイズは、用いられる非球状のポリマー粒子のサイズに関連する。典型的には、約40μmから1mmの寸法(l×w×h)に切断した片を用い、大まかに同じサイズの球状のポリマー粒子を生成する。いくつかの詳しい例では、本明細書に開示する方法によって調製した球状のポリマーは、約1μmから約1mm、約50μmから約500μm、約100μmから約300μm、約500μmから約1000μm、約1μmから約100μm、約90μmから約300μmまたは約90μmから約180μmの直径を有する。いくつかの詳しい例では、球状のポリマーは、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、475、480、485、490、495、500、505、510、515、520、525、530、535、540、545、550、555、560、565、570、575、580、585、590、595、600、605、610、615、620、625、630、635、640、645、650、655、660、665、670、675、680、685、690、695、700、705、710、715、720、725、730、735、740、745、750、755、760、765、770、775、780、785、790、795、800、805、810、815、820、825、830、835、840、845、850、855、860、865、870、875、880、885、890、895、900、905、910、915、920、925、930、935、940、945、950、955、960、965、970、975、980、985、990、995、1000μmの直径を有することができ、この場合、記載したあらゆる値は範囲の上または下のエンドポイントを形成することができる。開示する球状粒子は完全な球状ではないことがしばしばあるので、本明細書で用いられる「直径」という用語は、粒子の一端から他の一端までの最長の直線距離を意味する。
【0076】
連結
球状のポリマーの表面が、本明細書に記載するように、1つまたは複数の第2の成分で官能基化されていることが望ましいことがある。表面の官能基化は、第2の成分を球状粒子に共有性に連結することによって行うことができる。共有性の連結は、球状のポリマー上の反応性部分と第2の成分上の反応性部分との間の3+2環化反応によって実現することができる。例えば、球状のポリマーはジエン部分を含むことができ、第2の成分はジエネオフィルを含むことができる。あるいは、球状のポリマーはジエネオフィルを含むことができ、第2の成分はジエンを含むことができる。共有性の連結は、球状のポリマー上の反応性部分と第2の成分上の反応性部分との間の2+2環化反応によって実現することができる。
【0077】
共有性の連結は、エーテル、イミデート、チオイミデート、エステル、アミド、チオエーテル、チオエステル、チオアミド、カルバメート、ジスルフィド、ヒドラジド、ヒドラゾン、オキシムエーテル、オキシムエステル、および/またはアミンの連結によって第2の成分を球状のポリマー粒子に連結することも伴ってもよい。このような連結は、アミン反応性の化学作用、チオール反応性の化学作用、カルボキシレート反応性の化学作用、ヒドロキシル反応性の化学作用、アルデヒドおよびケトン反応性の化学作用、活性水素反応性の化学作用、光反応性の化学作用、酸化還元ベースの化学作用などとして、知られている共有性のカップリングの化学作用から形成することができる。一例では、第2の成分またはポリマー粒子がアミノ基を有し、他のものがカルボキシル基を有する場合、これらはペプチド結合によって共有性に連結することができる。これは、典型的には、カップリングを媒介するための活性化剤を用いることによって行うことができる。カップリング反応に用いることができる様々な活性化剤には、それだけには限定されないが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N、N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIP)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサ−フルオロリン酸(BOP)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、およびN−メチルモルホリン(NMM)(これらの混合物を含む)が含まれる。カップリング反応は、N−メチルピロリドン(NMP)またはDMF中で行うことができる。別の一例では、カップリング反応は、DMF中EDC、HOBt、およびNMMの存在下で、保護されているヒドロキシルアミンとのスルホンアミド処理を伴うことがある。アミン−酸カップリング反応のその教示に関して本明細書に参照として組み入れられる、Tamuraら、J Med Chem、1998年、41巻、640〜649頁を参照されたい。
【0078】
他の結合の技術は、結合技術の教示に関して本明細書に参照によって組み入れられる、Greg T. Hermanson、「Bioconjugate Techniques」、Academic Press (Elsevier)、1996年に開示されている。
【実施例】
【0079】
以下の実施例は、本明細書に記載され、請求される化合物、組成物、物品、装置、および/または方法を作成し、評価する方法の完全な開示および記載を当業者に提供するために記載するものであり、純粋に例示しようとするものであり、本発明者らが本発明としてみなすものの範囲を制限しようとするものではない。数(例えば、量、温度など)に関して確実に正確にするために努力したが、いくらかの誤差および偏差を考慮に入れなければならない。別段の指摘がなければ、部とは重量による部であり、温度とは℃におけるものであり、または周囲温度におけるものであり、圧力は大気圧、または大気圧付近におけるものである。成分濃度、望ましい溶剤、溶剤混合物、温度、圧力および他の反応範囲、ならびに本明細書に記載する方法を最適化するために用いることができる条件など、条件の多くの変形および組合せが存在する。理にかなっており、慣例である実験法だけが、このようなプロセス条件を最適化するのに必要とされる。
【0080】
(実施例1)
磨砕(粉砕)手順
ポリマー粒子の磨砕を、Retschミル ZM(Retsch、Duesseldorf、ドイツ)を用いて行った。ポリマー粒子を磨砕するのに、0.5mmのスクリーンおよび歯数24のローターを用いた。
【0081】
用いたポリマーは、Lakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)からのLakeshoreポリマー、75〜25酸性であった。最初に、ポリマーを、液体窒素中で10分間冷却してから磨砕した。Retschミルも液体窒素を用いて予め冷却した。次いで、凍結したポリマーをRetschミルに連続的に加え、粉砕速度18000rpmを用いて磨砕した。
【0082】
(実施例2)
篩い分け手順
実施例1の粉砕操作からのポリマー生成物を、次いで、そのまま、手操作によって篩い分けした。ポリマー生成物を、300μm、直径4インチ(10.2cm)のスクリーンの上部に配置した。90μm、直径4インチ(10.2cm)のスクリーンを、300μmスクリーンの下に固定した。300μmスクリーンの上部に覆いを配置した。次いで、組み立て物を手で揺すって、粒子をサイズによって分離した。90μmスクリーンの上部に回収された材料は、約90μmから300μmまでの範囲のサイズを有する粉砕されたポリマーの粒子サイズ分画を表していた。
【0083】
次に、この粉砕し、篩い分けしたポリマー粉末を、真空乾燥機中で乾燥させた。これを、室温の真空乾燥機の内部に配置した。一夜(約16時間)、材料上を真空に引いた(約25μmHg)。次いで、粒子サイズが約90〜300μmの範囲である篩い分けしたポリマーを、さらなる調査に用いた(図1)。
【0084】
(実施例3)
Tinius−Olsenプラストメーターを用いた押出し
押出し加工したポリマーバルク押出物を、直径1.5mmの押出しダイに適合させ、温度100℃に設定したTinius−Olsenプラストメーターを用いて調製した。出発ポリマー(Boehinger Ingleheim75:25 DL−PLG、Boehinger Ingleheimから)を、Tinius−Olsenプラストメーターを用いた押出し用の供給原料として用いた。
【0085】
最初に、押出しダイを、プラグを用いて閉じた。ポリマー約5グラムを、Tinius−Olsenプラストメーターの予め加熱したバレルに加えた。プラストメーターのプランジャーをバレルに挿入し、プランジャーに10kgの重量をかけてポリマー粉末をプラストメーターの底部に圧縮した。熱的に平衡にし、薬物−ポリマーの粉末をプラストメーターのバレルの底部に圧縮するために、これを約5分間維持した。5分の平衡時間の後、押出しダイ上のプラグを除去し、ポリマーをプラストメーターから、固体の円柱状チューブの形態に押出し加工した(押出物)。押出物を、カミソリの刃を用いて約1〜2mmの長さの短い円筒形片に切断した。図3を参照されたい。次いで、これらの切断した円筒状押出物を、以下に記載する球状化プロセスで用いた。
【0086】
さらなるポリマーおよびポリマーブレンドを、プラストメーターを用いて押出し加工した。例えば、ポリカプロラクトン(PCL)(図5)およびUltratheneエチレン酢酸ビニル(EVA)(図7)(Sigma−Aldrich Chemicals、St.Louis、MO)を、他所に記載するように他のサンプルと一緒にプラストメーターを用いて押出し加工した。
【0087】
(実施例4)
球状化プロセス
ポリマーサンプル約1から1.5グラム(実施例3からの切断ポリマー押出物、または実施例2からの篩い分けしたポリマー粉末のいずれかなど)を250mLビーカー中に量り入れた。これに、PVA(ポリビニルアルコール)2重量%からなる水溶液約100グラムを加えた。ビーカーおよびその内容物を、加熱攪拌プレート(Corning Model PC−320、Corning Inc.、Corning NY)上に配置した。オーバーヘッド攪拌モーターを、小型のテフロン(登録商標)製攪拌インペラーとともにセットした。懸濁液またはスラリーを、加熱せずに約1000rpmの攪拌速度で攪拌した。5分後、攪拌プレートを用いてビーカーを加熱した。内容物の温度をモニターし、内容物の温度が90℃に達するまで加熱を続けた。この温度に到達したら、内容物を規定された時間(例えば、1時間、2時間、または3時間)攪拌した。設計された攪拌時間(処理時間)の後、ホットプレートのスイッチを切り、次いで脱イオン(DI)水(室温の)約100mLをビーカーに加え、温度が50℃未満に下がるまで懸濁液を攪拌した。次いで、内容物を、150μmのふるいおよび90μmのふるい(お互いの上部に積み重ねて)に注いだ。次いで、90μmスクリーンの上部に回収された材料を、室温のDI水で完全にすすぎ、次いで、ポリマー全体が乾燥するように約16時間、層流フードに配置した。切断した押出物材料に対して処理を行った場合は、150μmふるい(90μmふるいではなく)の上部で生成物を回収した。図2、4、6、および8を参照されたい。
【0088】
(実施例5)
添加剤または可塑剤
実施例1に従ってポリマーを粉砕した。DL−PLポリマー(Birmingham Polymers Inc、Birmingham AL)を用いた。粉砕後、ポリマーを実施例2に従って篩い分けした。次いで、篩い分けしたポリマー約2グラムを、90μm、直径4インチ(10.2cm)のスクリーン上に配置した。酢酸エチル50グラムを含む250mLビーカー上にふるいをセットした。ポリマーを含むふるいを、酢酸エチルを含むビーカーの上に1時間維持した。1時間後、ふるいを除去した。ふるいの内容物を、2重量%PVA100グラムを含む250mLビーカーに移した。懸濁したポリマーを実施例4に記載した通りに処理したが、90℃の代わりに40℃の処理温度を用いた。処理時間は1時間であった。図10を参照されたい。
【0089】
ポリマーの別のサンプルを、実施例2に従って篩い分けし、次いで、上記と同じ方法で処理したが、酢酸エチルでの処理は行わなかった。処理温度は40℃であった。図9を参照されたい。
【0090】
示差走査熱量計分析(DSC)を利用して、ポリマー粒子サンプルのガラス転移温度(Tg)を測定した。TA Instruments2920(Newcastle、DE)を用い、5〜10mgのサンプルに対して、加熱速度10℃/分を用いてDSCを行った。酢酸エチルを用いて可塑化しなかったポリマーサンプルのガラス転移温度は46℃であることが見出された。酢酸エチルで可塑化したポリマーサンプルのガラス転移温度は26℃であることが見出された。
【0091】
(実施例6)
結合手順
EDC(Pierce Chemicals、Piece Biotechnology Inc.、Rockford ILからの1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド)の溶液100mMを、0.1M MESバッファー(モルホリンエタンスルホン酸バッファー)で調製した。次に、実施例4からの球状化した粒子250mgを20mLシンチレーションバイアル中に量り入れ、次いでそれにEDC溶液10mLを加えた。バイアルをプラットホームシェーカー上に配置し、内容物を2時間振盪した。2時間後、BSA(ウシ血清アルブミン)またはHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)のいずれか(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MOから)10mgを加え、さらに2時間内容物を振盪した。
【0092】
バイアルを、約16時間(一夜)冷蔵庫に配置した。翌朝、バイアルおよび内容物を25μm試験ふるい上に注いだ。回収した粒子を大量の水およびリン酸緩衝食塩水(PBS)で洗浄した。次いで、回収した粒子を層流フードで乾燥させた。コントロールのサンプル(タンパク質またはEDCあり、およびなし)を、列挙したように調製した。
【0093】
(実施例7)
結合した粒子に対するタンパク質アッセイ
Pierce BCAタンパク質アッセイキット(Pierce Biotechnology Inc.、Rockford ILから)を用いて、実施例6からのコントロールサンプルおよび試験サンプルの両方をタンパク質含量に対して分析した。サンプルを、590nmのUV−Visによって分析した。材料約20〜30ミリグラムを、試験管中に正確に重量を量り入れ、1N NaOH 2mLを加えた。試験管の内容物を約18時間にわたって溶解させた。
【0094】
この時点で、PBS 2mL、pH7.4を加え、リン酸を用いてpH7にpH調整した。次いで、内容物を10mLメスフラスコに分析用に移し、次いでPBSでその体積に希釈した。次いで、Pirce BCAタンパク質アッセイキットの指示に従って、タンパク質分析を行った。スタンダードは、BSAまたはHRPのいずれかからそれぞれ調製した。アッセイコントロールを、好適な化学のステップで用いたのと等しい量の材料を用いて調製した。次いで、分析用の調製では、これらのコントロールサンプルを、試験サンプルを処理するのに用いたのと同じサンプル調製ステップに対して処理した。データを表1に示す。
【0095】
【表1】


【0096】
(実施例8)
粒子の予備的な塩基処理を伴う結合手順
実施例4からの球状化した粒子のサンプル250mgを、20mLシンチレーションバイアル中に量り入れた。次に、バイアルに1N NaOH溶液10mLを加えた。バイアルをプラットホームシェーカー上に配置し、内容物を30分間振盪した。30分粒子を落ち着かせた後、ピペットを用いて、粒子を残して溶液を除去した。次いで、水10mLを加え、バイアルの内容物をボルテックスミキサーを用いて混合した。粒子を落ち着かせた後、ピペットを用いて、粒子を残して溶液を除去した。上記のプロセスをもう一度繰り返した。
【0097】
次に、EDC溶液10mLをバイアルに加えた。バイアルをプラットホームシェーカー上に配置し、内容物を2時間振盪した。2時間後、BSA(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)10mgを加え、内容物をさらに2時間振盪した。実施例6に記載したサンプルを含むBSAも、コントロールとして繰り返した。サンプルに対するタンパク質アッセイは、実施例に列挙したのと同じであった。比較の目的で、水酸化ナトリウム溶液で前処理しなかったポリマー粒子を用いて、BSA結合をやはり行った(コントロールサンプル)。結合したコントロールおよびこの実施例からの試験サンプルの分析からの結果を表2に提供する。
【0098】
【表2】


【0099】
(実施例9)
球状化したポリマー粒子の表面へのポリエチレングリコール−NH(PEG−NH)ポリマーの関与する表面結合
球状化したポリマー粒子の表面へのPEG−NHの結合
EDC溶液(Pierce Chemicals、Pierce Biotechnology Inc.、Rockford IL)100mMをMESバッファーで調製した。次に、実施例4からの球状化した粒子250mgを20mLシンチレーションバイアル中に量り入れ、次いで、これにEDC溶液10mLを加えた。バイアルをプラットホームシェーカー上に配置し、内容物を2時間振盪した。2時間後、アミンを終端としたポリエチレングリコール(PEG−NH2、分子量5000ダルトン)(LaysanBio,Inc.、Arab、AL)10mgを加え、内容物をさらに2時間振盪した。
【0100】
バイアルを冷蔵庫に約16時間(一夜)配置した。翌朝、バイアルおよび内容物を25μm試験ふるい上に注いだ。回収した粒子を大量の水およびPBSで洗浄した。次いで、回収した粒子を、層流フードで、室温で蒸発させて乾燥させた。コントロールのサンプル(PEG−NHまたはEDCあり、およびなし)を、列挙した通りに調製した。
【0101】
結合した微小球状のサンプルにおけるPEG−NHの測定
結合した微小球状のサンプルのPEG−NH含量を、NMR分析によって測定した。PEG−NHを、重水素化したクロロホルムに溶解し、NMRによって測定した。3.6ppmの化合物に対して一重線のピークが確認された。75:25DL−PLG6A(Lakeshore Biomaterials、Birmingham AL)のサンプルを重水素化したクロロホルムに溶解し、NMRによって分析した。PEG−NHを含まないコントロールのポリマーサンプルでは、3.6ppmではピークは確認されなかった。一点スタンダードとして、PEG−NH濃度0.4重量%の、PEG−NHおよび75:25DL−PLGのサンプル100mgを調製した。このスタンダードのサンプルを重水素化したクロロホルムに溶解し、NMRによって分析した。スタンダードのサンプルの3.6ppmシフトに対するピーク高さを測定し、試験およびコントロールのサンプルのPEG含量を推定するための一点スタンダードとして用いた。PEG結合した微小球状の試験サンプル100mgを、(記載する通り、様々な他のコントロールサンプルと一緒に)重水素化したクロロホルム中に溶解することによってコントロールサンプルと同様の様式で調製した。NMR分析により、試験サンプルに含まれていたPEGでは3.6ppmのピーク高さが得られた。試験サンプルのPEG含量を、スタンダードのサンプルのピーク高さに対して決定した。試験サンプルおよびコントロールサンプルのPEG含量を、表3に示す。
【0102】
【表3−1】

【0103】
【表3−2】


【0104】
(実施例10)
低残留モノマーレベルを有する市販のポリマーの分析
低レベルのラクチドを有すると報告されている市販のポリマー(Boehinger Ingleheim(BI)、Ingleheim、ドイツ)のポリマーサンプルを分析した。BIによる分析証明書に報告されている最低値は<0.01重量%である。残留モノマーをガスクロマトグラフィーによって分析した。分析方法はガスクロマトグラフ法であった。方法の詳細は以下の通りである:Restek Rtx−1、30m×0.53mmID、5μmガスクロマトグラフカラム(Restek Ink.、Bellefonte、PA)を用い、ヘリウム流速24.5mL/分、スプリット比4:1でポリマーサンプルを分析した。ガスクロマトグラフへのサンプル導入を、注入口温度145℃を用いて行った。開始温度125℃で7.5分間、次いで25℃/分で200℃まで上昇させ4.5分間保持する、GCオーブンの温度勾配プログラムを用いた。モノマーの検出は、FIDによって250℃で行った。ポリマーサンプルを、1.5重量%ポリマー(25mL中0.375g)の濃度で塩化メチレンに溶解した。ラクチドおよびグリコリドのスタンダードは、ラクチドでは8から160μg/mL、グリコリドでは4から80μ/mLの範囲であった。
【0105】
記載がある場合は、0.002重量%のラクチドの定量下限(LOQ)レベルで計測を何回か行った。これらの場合、4ppm(ラクチド)の、一点キャリブレーションスタンダードを調製した。このスタンダードの6回反復注入を行い、LOQはスタンダード4ppmの約10倍のシグナル対ノイズ比のレベルであると推定した。これらのアッセイでは、6重量%ポリマー(5mL中0.3g)の濃度の試験サンプルを調製して、検出レベルをさらに改善した。BIサンプルの試験の結果を表4にまとめる。
【0106】
【表4−1】

【0107】
【表4−2】


【0108】
(実施例11)
開示するプロセスによって処理したポリマーの調製および分析
高残留モノマーレベルを有する、75:25PLGポリマー(7525DLG 6A)を、Lakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)から入手した。このポリマーを、実施例1に記載したように粉末に粉砕した。この粉末を、実施例2に記載した通り篩い分けしたが、300μmフィルターの代わりに150μmフィルターを用いた。これにより、粒子サイズ分画が90から150μmまでのサイズの粉末が得られた。この磨砕し、篩い分けした材料を、次いで、実施例4に記載した通りに処理した。非処理のポリマーおよび試験サンプルの残留モノマー試験の結果を表5に示す。
【0109】
【表5】

球状化プロセスは、材料が開始時に非常に高い残留ラクチドレベルを有する場合でも、ラクチドレベルを低減するのに有効であった。開始時に低いラクチドレベルを有する出発材料が、より短い処理時間でその残留ラクチド含量を低下させることができるというのは実に可能である。このサンプルに対して達成される残留ラクチドレベルは、見かけのLOQまたはそれ未満の残留ラクチドレベルを有すると業者が報告した市販のポリマーサンプルに対して測定した残留モノマーレベルより約3倍低かった(報告されたラクチドレベルは<0.01重量%であった)。これは、このプロセスを用いることで、他の市販の業者から現在入手可能であるものを上回る、大幅な改善があることを示している。
【0110】
(実施例12)
処理温度を変化させた、開示するプロセスによって処理したポリマーの処理および分析
1つは酸の終端基を有し(5050DLG4A)、1つはエステルの(キャップ付けされた)終端基を有する(5050 DLG 3E)、2つの50:50PLGポリマーをLakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)から入手した。受け取ったポリマー各々の残留モノマーレベルは類似していた(業者から受け取ったもののラクチド含量は1〜1.2重量%)。ポリマーを、実施例1に記載したのと類似の様式で粉砕して粉末にした。得られた粉末を、実施例2に記載したように篩い分けした。これによって、サイズ90から300μmまでの粒子サイズ分画の粉末がもたらされた。
【0111】
この磨砕し、篩い分けしたポリマー粉末を、次いで、実施例4に記載したように処理したが、90℃の代わりに50℃および80℃の処理温度を用い、処理時間を下記に特定するように変化させた(2分から6時間までの範囲)。出発ポリマー(受け取ったもの)および試験サンプルの残留モノマー試験の結果を表6に示すが、これはポリマーの残留モノマーレベルを低下させるために様々な処理温度および時間を用いることができることを示している。
【0112】
GPCによって、これらのサンプルに対するGPC分子量測定も行った。クロロホルム中のサンプルを、JordiゲルDVB10000オングストローム、10×500mmカラム(ChromTech Inc)を用いて1mL/分の流速で分析した。検出を蒸発光散乱検出によって行い、DIN認定されたポリスチレンスタンダード(ChromTech Inc.)と比較することによって分子量を決定した。重量平均分子量を表7に報告する。
【0113】
【表6】

【0114】
【表7】


【0115】
(実施例13)
添加剤を用いて開示するプロセスによって処理したポリマーの処理および分析
1つは酸の終端基を有し(5050DLG4A)、1つはエステルの(キャップ付けされた)終端基を有する(5050 DLG 3E)、2つの50:50PLGポリマーをLakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)から入手した。受け取ったポリマー各々の残留モノマーレベルは類似していた(業者から受け取ったもののラクチド含量は1〜1.2重量%)。ポリマーを、実施例1に記載したのと類似の様式で粉末に粉砕した。得られた粉末を、実施例2に記載したように篩い分けした。これによって、サイズ90から300μmまでの粒子サイズ分画の粉末がもたらされた。
【0116】
磨砕し、篩い分けしたポリマー粉末を、次いで、実施例4に記載した通りに処理したが、磨砕したポリマー約1〜1.5グラムを、PVA2重量%および炭酸水素ナトリウム1重量%からなる溶液100グラムで処理し、処理を50℃で6時間行った。両方の残留モノマー試験の結果を表8に示す。
【0117】
【表8】


【0118】
(実施例14)
前処理および処理の条件を変化させた、開示するプロセスによって処理したポリマーの処理および分析
50:50PLGポリマー(5050 DLG 3E)をLakeshore Biomaterials(Birmingham、AL)から得た。このラクチドモノマー含量の報告値は1.2重量%であった。このポリマーを、実施例1に記載したように微粉末に磨砕した。この粉末を、実施例2に記載したように篩い分けした。これによって、サイズ90から300μmまでの粒子サイズ分画の粉末がもたらされた。この磨砕および篩い分けした材料を、次いで、以下の修飾を行って実施例4に記載したように処理した。
【0119】
サンプル1から5を、最初に、可塑剤であるエタノールでポリマーを前処理し、その後、引き続き実施例4に記載する一般的な方法によって処理することによって調製した。簡潔に述べると、サンプル1〜5は、粉砕し篩い分けしたポリマー約1.5グラムを250mLのビーカーに加え、次いでビーカーにエタノール10グラムを加えることによって調製した。スラリーを30分間攪拌した。
【0120】
サンプル1および2を、次いで、室温(rt)の2重量%PVA溶液100グラム中に移した。サンプル1は室温で3時間攪拌し、サンプル2は3時間50℃に加熱し、その後実施例4に記載したように回収した。
【0121】
エタノールで30分処理した後、次いで、サンプル3および4をさらなる100グラムのエタノールで希釈した。サンプル3は室温で3時間攪拌し、サンプル4は3時間50℃に加熱し、その後実施例4に記載したように回収した。
【0122】
最後に、エタノールで30分処理した後、サンプル5をヘプタン100グラム中に移し、次いでこのスラリーを3時間50℃に加熱し、その後実施例4に記載したように回収した。
【0123】
サンプル6および7は、実施例3に記載したように作成した、長さ約10〜12cmの、押出し加工したポリマーの円柱を用いて調製した。これらの特定のサンプルでは、ポリマー約1〜1.5グラムを、先に記載したようにエタノール10グラムで30分間処理した。次いで、サンプル6および7を、2重量%のPVA溶液100グラムに移した。次いで、サンプル6は室温で3時間攪拌し、サンプル7は3時間50℃に加熱し、その後実施例4に記載したように回収した。
【0124】
サンプル8は、エタノールではなく酢酸エチルの可塑剤に対してポリマー粒子を前処理することによって調製した。前処理は、実施例5に先に記載したように、ポリマー粒子を蒸気状態の酢酸エチルに曝露することによって行った。次いで、前処理したポリマー約1〜1.5グラムを2重量%のPVA溶液100グラムに加え、攪拌しながら50℃に3時間加熱し、その後実施例4に記載したように回収した。
【0125】
サンプル9および10は、各々、ポリマー2グラムを酢酸エチル2グラム中に溶解することによって調製した。濃縮したポリマー溶液を10mLシリンジに移し、これに18ゲージの針を取り付けた。サンプル9はシリンジの内容物を18ゲージ針を通して、攪拌しながら2重量%のPVA溶液100グラム中に注入することによって調製した。サンプルを室温で3時間攪拌した。サンプル10は同様の様式で調製したが、シリンジの内容物を50℃に加熱した2重量%のPVA溶液100グラム中に注入した。サンプルを50℃で3時間攪拌し、その後回収した。残留モノマー(ラクチド)試験およびポリマーの分子量分析の結果を表9および10に示す。
【0126】
【表9−1】

【0127】
【表9−2】

【0128】
【表10】


【0129】
(実施例15)
押出物−Tinius−Olsenプラストメーター(ビタミンB12およびナルメフェン塩基の両方)
押出し加工した薬物−ポリマーのバルクの押出物を、Tinius−Olsenプラストメーター、および実施例3に記載した通り1.5mmの押出しダイと100℃の設定温度を用いて調製した。
【0130】
出発ポリマー(Lakeshore75:25PLG6A、Lakeshore Biomaterials、Birmingham ALから)を、最初に磨砕し、実施例1および2に記載したように90〜300μmの規定された粒子サイズ範囲に篩い分けした。唯一の例外はサンプル4および5であり、これらは90〜180μmのスクリーンを通して回収したポリマー粉末を用いて調製した。
【0131】
ビタミンB12をSpectrum Chemicals(Northhamptonshire、英国)から入手した。ナルメフェン塩基は、塩酸ナルメフェン(Mallinckrodt、Hazelwood、MOより購入)を水酸化ナトリウムを用いて遊離塩基に変換することによって得た。十分な薬物を加えることによって薬物とポリマーのブレンドを個々に調製し、最終の薬物−ポリマーブレンドにおいてブレンドは薬物5重量%を含んでいた。これらのブレンドを完全に混和し、次いで、Tinius−Olsenプラストメーターを用いた押出し用の供給原料として用いた。
【0132】
最初に、押出しダイを、プラグを用いて閉じた。薬物−ポリマー粉末ブレンド約5グラムを、Tinius−Olsenプラストメーターの予め加熱したバレルに加えた。プラストメーターのプランジャーをバレル中に挿入し、10kgの押出し重量をプランジャーにかけて、粉末をプラストメーターの底部に圧縮した。熱的に平衡にし、薬物−ポリマー粉末をプラストメーターの底部に圧縮するために、これを約5分間維持した。5分の平衡時間の後、押出しダイ上のプラグを除去し、押し出した材料をプラストメーターから回収した。押出物を、長さ約10〜15cmのより小さな切片に切断した。
【0133】
(実施例16)
押出し−Randcastle RC−0500 1/2インチ押出し機
記載がある場合は、加熱ゾーンを4つ有するRandcastleシングルスクリュー押出し機を用いて押出しを行った。操作温度170°F(77℃)に設定したゾーン1(押出しバレルのフィードまたは入り口終端に位置する)以外は、すべてのゾーンを220°F(104℃)の温度で操作した。直径1.8mmの押出しダイとともにスクリュー速度20rpmを用いた。最終混合物に薬物5重量%を含む、粉末化した薬物およびポリマーのブレンド20グラムを調製した。この操作で用いたポリマー粉末を、実施例2に記載したように篩い分けしたが、サイズ範囲約90から180μmを有するポリマー粉末を提供するために300μmのスクリーンの代わりに180μmのスクリーンを用いた。これら2つの材料を合わせて完全に混和した後、このブレンドを押出し機にゆっくりと加えた。生成物を長さ6〜10インチ(15.2〜25.4cm)に切断した。薬物とポリマーのブレンド20グラムを押出し機に加え、押出物が押出し機を完全に離れるまで、押出しを行った。
【0134】
(実施例17)
押出し加工した薬物−ポリマー押出物の磨砕
実施例15および16両方からのバルクの薬物−ポリマー押出物を、実施例1に記載したように磨砕して粉末にした。最初に押出物を、磨砕プロセスに備えて1〜2cmの長さの断片に切断した。次いで、この材料を10分間、液体窒素で凍結させた後、粉砕した。次いで、凍結した材料をRetschミルに配置し、1.0mmスクリーンおよび歯数12のローターを用いて磨砕した。次いで、生成物を回収し、再凍結し、0.5mmスクリーンおよび歯数24のローターを用いて2回目の磨砕をした。操作はすべて18000rpmで行った。
【0135】
押出しプロセスの後、材料を150μmの試験ふるいを通して篩い分けした。150μmのふるいを通過した、粉末化した薬物−ポリマー押出物を維持し、次いで約16時間(一夜)真空下(室温)で乾燥させた。
【0136】
(実施例18)
磨砕した薬物−ポリマー押出物の処理(水性およびヘキサン処理)
実施例17からの粉末化した薬物−ポリマー押出物1から1.5グラムを、250mLビーカー中に量り入れた。2重量%のPVA(ポリビニルアルコール)100グラムをビーカー中に量り入れた。記載がある場合は、PVA水溶液を過剰の薬物で処理して、加熱処理プロセスの間、確実に飽和するようにした。しかし特に指摘されなければ、処理プロセスの間PVA溶液にはさらなる薬物は加えなかった。ビーカーおよびその内容物を、加熱/攪拌プレート(Corning Model PC−320、Corning、NY)上に配置した。オーバーヘッド攪拌モーターを、小型のテフロン(登録商標)製攪拌インペラーとともにセットした。懸濁液を、加熱せずに約1000rpmの攪拌速度で攪拌した。5分後、加熱攪拌プレートを「オン」にし、設定を「高」にした。電子式温度計を内容物中に浸し、温度をモニターした。ビーカー内容物の温度が90℃に到達したら、タイマーをスタートさせ、温度を±2℃以内に維持した。30分の処理時間の後、加熱プレートを切り、DI水(室温の)約100mLをビーカーに加え、温度が50℃未満に下がるまで懸濁液を攪拌した。次いで、内容物を、90μmのふるい上の150μmのふるい上に注いだ。次いで、90μmスクリーンの上に回収された材料を、DI水で完全にすすぎ、次いで、約16時間、層流フードに配置してポリマーを乾燥させた。
【0137】
あるいは非水性系で処理を行った。上記の方法と同様に、ヘキサンにおける処理を行った。粉末化した薬物−ポリマー押出物約1.2グラムを、ヘキサン200グラムおよびSpan85 20グラムを含む250mLビーカー中に量り入れた。ホットプレートの加熱および攪拌を、上記に記載した通りに行った。攪拌した懸濁液を80℃に加熱し、30分間、この温度に保った。熱源を取り除き、懸濁液を(攪拌しながら)温度が50℃未満に下がるまで冷却した。この時点で、内容物を、90μmふるい上の150μmふるい上に注いだ。90μmスクリーン上に回収された材料を、次いで、ヘキサン1Lで完全にすすいだ。次いで、生成物を、約16時間(一夜)、層流フードに配置してポリマーを乾燥させた。
【0138】
(実施例19)
ビタミンB12粒子の薬物測定
実施例18からの粒子20から30mgを、10mLのネジぶた付き試験管中に量り入れ、塩化メチレン2mLを加えた。粒子を溶解させ、水2mLを加え、内容物を混和した。次いで、試験管を遠心器に配置して2層を分離した。上層を除去し、25mLメスフラスコに加えた。試験管に水2mLを加え、上記のプロセスをさらに2回繰り返した。抽出物を1本のフラスコに併せ、マークまで希釈した。アリコートを、0.45μmシリンジフィルターを通してろ過して除き、HPLCバイアルに移した。ビタミンB12含量をHPLC法(270nmのUV)によって測定した。薬物およびポリマーの重量を量り、上記と同じステップを行うことによってコントロールを調製した。
【0139】
(実施例20)
ビタミンB12粒子のin vitroの放出
実施例18からの粒子50から60mgを20mLシンチレーションバイアル中に量り入れ、PBS10mLを加えた。バイアルを、温度を37℃に維持し、振盪速度50rpmのシェーカーバスに配置した。好適な時間点で、あらゆる粒子を避けながらバッファー1mLをバイアルから除去した。新たなバッファー1mLを置換え、バイアルをシェーカーバス中に戻し次の時間点まで配置した。放出された薬物を含むバッファーを、HPLC法(270nmのUV)を用いてビタミンB2に対してアッセイした。累積の放出されたビタミンB12を報告した。
【0140】
(実施例21)
ナルメフェン粒子の薬物測定
実施例18からの粒子20から30mgを、25mLメスフラスコ中に量り入れ、氷酢酸2mLを加えた。粒子を溶解させた。粒子がすべて溶解した後、PBSでフラスコをその体積に希釈した。混合物を0.45μmシリンジフィルターを用いてろ過した。ろ過した溶液をHPLCバイアルに移し、サンプルをHPLC(268nmのUV)によって分析した。薬物およびポリマーを量り、上記と同じステップを行うことによって、コントロールを調製した。
【0141】
(実施例22)
ナルメフェン粒子のin vitroの放出
実施例18からの粒子50から60mgを20mLシンチレーションバイアル中に量り入れ、0.5重量%のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含むPBS20mLを加えた。バイアルを、温度を37℃に維持し、振盪速度50rpmのシェーカーバスに配置した。好適な時間点で、あらゆる粒子を避けながらバッファー1mLをバイアルから除去した。新たなバッファー1mLを置換え、バイアルをシェーカーバス中に戻し次の時間点まで配置した。放出された薬物を含むバッファーを、HPLC法(268nmのUV)を用いてナルメフェンに対してアッセイした。累積の放出されたビタミンおよびナルメフェンを報告する。
【0142】
実施例19〜22の結果を、下の表11〜12に示す。
【0143】
【表11】

【0144】
【表12−1】

【0145】
【表12−2】

抽出を最小にするために、PVA溶液を薬物で飽和させる試みを行った。これは、最終の負荷レベルが高かったので(投入レベル5%まで/を超える)助けとなった。5%を超える値は、この溶液が実際に十分に飽和していたことを確実にするために、飽和PVA溶液が実際に余分な遊離の薬物を系に攪拌して含んでいた事実を反映している。この残留の遊離の薬物は、最終の粒子生成物と一緒に最終的に回収され、出発の(理論上の)レベルよりも高い見かけの薬物レベルをもたらした。しかし、これらの高ロードのサンプルをin vitroの試験にかけた場合、1日の間隔で急速な最初の薬物放出(バースト)が観察された。
【0146】
1〜2%の薬物負荷を有する他のサンプル(すなわち、サンプル1、4、および6)は、最終の生成物をin vitro系における薬物の徐放に用いることができることを、さらに実証している。
【0147】
(実施例23)
薬物負荷の分析
残留の薬物を、試験の終わりに残留しているサンプルからの微粒子サンプル自体から抽出した(表12に概略した通り)。次いで、放出された薬物の、サンプルで用いられた薬物の全量に対する質量収支を実証するために、この薬物を定量した。結果は、質量収支が達成されたことを、すなわち、実際、in vitro放出の実験で放出されなかった残留の薬物が、見出され、残留の粒子サンプル内に捕捉されていたことの説明となることを実証している。結果を表13に示す。
【0148】
【表13】


【0149】
(実施例24)
押出し−Tinius−Olsenプラストメーター(ポリカプロラクトン中リスペリドン)
押出し加工した薬物−ポリマーのバルクの押出物を、Tinius−Olsenプラストメーターおよび1.2mmの押出しダイ、および80℃の設定温度を用いて調製した。この実施例では、ポリカプロラクトンのポリマー(Aldrich Chemicals)を最初に磨砕し、実施例1および2に記載したように90〜300μmのサイズ範囲に篩い分けした後、用いた。
【0150】
最終ブレンドの10重量%の薬物を含むブレンドを調製するために、薬物粉末(Jubilant Organosys Ltd、Mysore、インドからのリスペリドン)を十分量、ポリマー粉末に加えた。次いで、薬物およびポリマー粉末を併せて完全にブレンドした。このブレンドした薬物およびポリマーの粉末を、次いで、Tinius−Olsenプラストメーターを用いた押出し用の供給原料として用いた。
【0151】
最初に、押出しダイを、プラグを用いて閉じた。薬物−ポリマー粉末のブレンド約5グラムを、Tinius−Olsenプラストメーターの予め加熱したバレルに加えた。プラストメーターのプランジャーをバレル中に挿入し、プランジャーに10kgの押出し重量をかけて粉末をプラストメーターの底部に圧縮した。熱的に平衡にし、薬物−ポリマー粉末をプラストメーターの底部に圧縮するために、これを約5分間維持した。5分の平衡時間の後、押出しダイ上のプラグを除去し、押し出した材料をプラストメーターから回収した。押出物を、長さ約10〜15cmの小切片に切断した。
【0152】
(実施例25)
磨砕した薬物−ポリマー押出物の処理
実施例24からの粉末化した薬物−ポリマー押出物1から1.5グラムを、実施例17に示したように、カミソリの刃で1〜2mmの小切片に切断し、磨砕し、篩い分けした。
【0153】
2重量%のPVA(ポリビニルアルコール)100グラムを、ビーカー中に量り入れた。ビーカーおよびその内容物を、加熱/攪拌プレート(Corning Model PC−320、Corning NY)上に配置した。オーバーヘッド攪拌モーターを、小型のテフロン(登録商標)製攪拌インペラーとともにセットした。懸濁液を、加熱せずに約1000rpmの攪拌速度で攪拌した。
【0154】
5分後、加熱した攪拌プレートを「オン」にし、設定を「高」にした。電子式温度計を内容物中に浸し、温度をモニターした。ビーカー内容物の温度が90℃に到達したら、タイマーをスタートさせ、30分間温度を90℃に維持した。この時間の間、温度を±2℃以内に維持した。30分の処理時間の後、加熱プレートを切り、DI水(室温の)約100mLをビーカーに加え、温度が50℃未満に下がるまで懸濁液を攪拌した。次いで、内容物を、90μmのふるい上に注いだ。次いで、90μmスクリーン上に回収された材料を、DI水で完全にすすぎ、次いで、約16時間、層流フードに配置して乾燥させた。
【0155】
(実施例26)
リスペリドン粒子の薬物測定
実施例25からの粒子20から30mgを、25mLメスフラスコ中に量り入れ、氷酢酸2mLを加えた。粒子を溶解させた。粒子がすべて溶解した後、PBSでフラスコをその体積に希釈した。混合物を0.45μmシリンジフィルターを用いてろ過した。ろ過した溶液をHPLCバイアルに移し、サンプルをHPLC(268nmのUV)によって分析した。薬物およびポリマーの重量を量り、上記と同じステップを行うことによって、コントロールを調製した。結果を表14に示す。
【0156】
(実施例27)
リスペリドン粒子のin vitroの放出
実施例25からの粒子50から60mgを20mLシンチレーションバイアル中に量り入れ、PBS 50mLを加えた。バイアルを、温度を37℃に維持し、振盪速度50rpmのシェーカーバスに配置した。好適な時間点で、あらゆる粒子を避けながらバッファー10mLをバイアルから除去した。新たなバッファー10mLを置換え、バイアルをシェーカーバス中に戻し次の時間点まで配置した。放出された薬物を含むバッファーを、HPLC法(268nmのUV)を用いてリスペリドンに対してアッセイした。累積の放出されたリスペリドンを表15に報告する。実施例23で先に記載したように、粒子が持続放出用の薬物を依然として含んでいることを実証するために、in vitroの放出実験の終結時の粒子に対して質量収支を行った。結果を表16に示す。実施例24〜27の結果を下の表14〜16に示す。
【0157】
【表14】

【0158】
【表15】

【0159】
【表16】


【0160】
(実施例28)
押出し−Tinius−Olsenプラストメーター(50:50PLG中のクマリン6)
押出し加工した薬物−ポリマーバルクの押出物を、1.2mmの押出しダイおよび80℃の設定温度を用いて、Tinius−Olsenプラストメーターを用いて調製した。出発ポリマーである、Lakeshore Biomaterialsからの50:50PLG(5050 DLG 3E)を、最初に磨砕し、実施例1および2それぞれに記載したように90〜300μmの規定された粒子サイズ範囲に篩い分けした。
【0161】
磨砕し、篩い分けしたポリマー4グラムを、ポリマー濃度10重量%の塩化メチレンに溶解した。クマリン6(Polysciences Inc、Warrington、PA)を、ポリマーおよびクマリンを併せた全重量をベースに0.5重量%の負荷でポリマー溶液に加えた。この溶液をフルオロポリマーフィルム上に蒸発させることによって、ポリマー−クマリンフィルムを得た。次いで、Tinius Olsenプラストメーター用に供給原料を調製するために、得られたキャストフィルムを小片に切断した。
【0162】
最初に、押出しダイを、プラグを用いて閉じた。調製したフィルム片約3グラムを、Tinius−Olsenプラストメーターの予め加熱したバレルに加えた。プラストメーターのプランジャーをバレル中に挿入し、10kgの押出し重量をプランジャーにかけて、粉末をプラストメーターの底部に圧縮した。熱的に平衡にし、薬物−ポリマー粉末をプラストメーターの底部に圧縮するために、これを約5分間維持した。5分の平衡時間後、押出しダイ上のプラグを除去し、押出し加工した材料をプラストメーターから回収した。押出物を、長さ約10〜15cmのより小さな切片に切断した。
【0163】
(実施例29)
クマリン−ポリマー切片の処理
実施例28からの粉末化した薬物−ポリマー押出物1から1.5グラムを、カミソリの刃で1〜2mmの小切片に切断した。2重量%のPVA(ポリビニルアルコール)100グラムをビーカー中に量り入れた。ビーカーおよびその内容物を、加熱/攪拌プレート(Corning Model PC−320、Corning、NY)上に配置した。オーバーヘッド攪拌モーターを、小型のテフロン(登録商標)製攪拌インペラーとともにセットした。懸濁液を、加熱せずに約1000rpmの攪拌速度で攪拌した。
【0164】
5分後、加熱攪拌プレートを「オン」にし、設定を「高」にした。電子式温度計を内容物中に浸し、温度をモニターした。ビーカー内容物の温度が90℃に到達したら、タイマーをスタートさせ、温度を30分間90℃に維持した。この時間の間、温度を±2℃以内に維持した。30分の処理時間の後、加熱プレートを切り、DI水(室温の)約100mLをビーカーに加え、温度が50℃未満に下がるまで懸濁液を攪拌した。次いで、内容物を90μmふるい上に注いだ。次いで、90μmスクリーン上に回収された材料をDI水で完全にすすぎ、次いで、約16時間、層流フードに配置して乾燥させた。
【0165】
図11および12は、それぞれ、非処理の、および処理したクマリン−6ポリマー押出物のSEM顕微鏡写真を示している。
【0166】
(実施例30)
酸化鉄および50:50PLGの押出し
Tinius−Olsenプラストメーターを用いて、50:50PLGおよび酸化鉄磁性ナノ粒子で押出しを行った。1.2mm押出しダイを用いて、設定温度100℃で押出しを行った。Lakeshore Biomaterialsからの、5050 DLG 3Eポリマーを最初に磨砕し、それぞれ実施例1および2に記載したように90〜300μmの規定された粒子サイズ範囲に篩い分けした。
【0167】
最終のブレンドの10重量%のナノ粒子を含むブレンドを調製するために、磁性ナノ粒子(Magnetic Nano Particles、FerroTec Coporation、日本)を十分量ポリマー粉末に加えた。次いで、ナノ粒子およびポリマー粉末を併せて完全にブレンドした。次いで、このナノ粒子とポリマーのブレンドした粉末を、Tinius−Olsenプラストメーターを用いた押出し用の供給原料として用いた。
【0168】
押出しダイを、プラグを用いて最初に閉じた。ナノ粒子/ポリマー粉末のブレンド約5グラムを、Tinius−Olsenプラストメーターの予め加熱したバレルに加えた。プラストメーターのプランジャーをバレル中に挿入し、10kgの押出し重量をプランジャーにかけて粉末をプラストメーターの底部に圧縮した。熱的に平衡にし、薬物−ポリマー粉末をプラストメーターの底部に圧縮するために、これを約5分間維持した。5分の平衡時間後、押出しダイ上のプラグを除去し、押出し加工した材料をプラストメーターから回収した。押出物を、長さ約10〜15cmのより小さな切片に切断した。
【0169】
(実施例31)
磨砕したナノ粒子−ポリマー押出物の処理
実施例30からの粉末化したナノ粒子−ポリマー押出物1から1.5グラムを、カミソリの刃で長さ1〜2mmの小切片に切断し、次いでこれを実施例17に示したように磨砕し、篩い分けした(図13)。
【0170】
2重量%のPVA(ポリビニルアルコール)100グラムをビーカー中に量り入れた。ビーカーおよびその内容物を、加熱/攪拌プレート上に配置した(Corning Model PC−320、Corning、NY)。オーバーヘッド攪拌モーターを、小型のテフロン(登録商標)製攪拌インペラーとともにセットした。懸濁液を、加熱せずに約1000rpmの攪拌速度で攪拌した。
【0171】
5分後、加熱攪拌プレートを「オン」にし、設定を「高」にした。電子式温度計を内容物中に浸し、温度をモニターした。ビーカー内容物の温度が90℃に到達したら、タイマーをスタートさせ、温度を30分間90℃に維持した。この時間の間、温度を±2℃以内に維持した。30分の処理時間の後、加熱プレートを切り、DI水(室温の)約100mLをビーカーに加え、温度が50℃未満に下がるまで懸濁液を攪拌した。次いで、内容物を、90μmふるい上に注いだ。次いで、90μmスクリーン上に回収された材料を、DI水で完全にすすぎ、次いで、約16時間、層流フードに配置して乾燥させた。図13および14は、それぞれ、非処理の、および処理した酸化鉄/ポリマー押出物のSEM顕微鏡写真を示している。
【0172】
当業者であれば、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明における様々な修飾および変形を行うことができるのは明らかである。当業者であれば、本明細書に開示する本発明の明細書および実践を考慮すれば、本発明の他の実施形態は明らかである。明細書および実施例は例示にすぎないとみなされ、本発明の真の範囲および精神は添付の特許請求の範囲によって示されることが企図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.液体媒体、および1つまたは複数の第2の成分を含む非球状のポリマー粒子を含む混合物を提供するステップと、
b.混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度を超えて加熱するステップと、
c.混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度未満に冷却するステップと
を含み、それにより、球状のポリマー粒子を生成する、
球状のポリマー粒子を生成する方法。
【請求項2】
非球状のポリマー粒子が、磨砕したポリマー、またはポリマーのロッドもしくは繊維の押出物からのカッティングである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
非球状のポリマー粒子を、ステップaの前、ステップbの前、またはステップbの間に可塑剤と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第2の成分が、1つまたは複数の生理活性物質、撮像剤、標的部分、または磁性粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
生理活性物質が、1つまたは複数の医薬品または生体分子を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
非球状のポリマーが、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、およびこれらの混合物から選択されるモノマーの残留物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
非球状のポリマーが、ポリ(ラクチド−グリコリド)コポリマー、ラクチドホモポリマー、グリコリドホモポリマー、ポリカプロラクトン、ポリエチレンビニルアセテート、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
液体媒体が水である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
液体媒体が界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
液体媒体が添加剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
球状の粒子の直径が約1μmから約1000μmまでである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
a.液体媒体および非球状のポリマー粒子を含む混合物を提供するステップと、
b.混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度を超えて加熱するステップと、
c.混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度未満に冷却し、それにより、球状のポリマー粒子を生成するステップと、
d.第2の成分を球状のポリマー粒子の表面に付着させるステップと
を含む、球状のポリマー粒子を生成する方法。
【請求項13】
第2の成分がコラーゲンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
a.最初の残留モノマー含量および液体媒体を有する、高残留モノマーポリマー粒子を含む混合物を提供するステップと、
b.混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度を超えて加熱するステップと、
c.混合物を、ポリマーのガラス転移温度または融解温度未満に冷却するステップと
を含み、それにより、最初の残留モノマー含量未満である低残留モノマー含量の、低残留モノマーポリマー粒子を生成する、
低残留モノマーポリマー粒子を生成する方法。
【請求項15】
高残留モノマーポリマー粒子が、磨砕したポリマー、またはポリマーのロッドもしくは繊維の押出物からのカッティングである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
高残留モノマーポリマー粒子を、ステップaの前、ステップbの前、またはステップbの間に可塑剤と接触させる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
高残留モノマーポリマー粒子が、1つまたは複数の第2の成分をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
第2の成分が医薬品を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第2の成分が、1つまたは複数の生体分子、撮像剤、標的部分、または磁性粒子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ポリマーが、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、およびこれらの混合物から選択されるモノマーの残留物を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
ポリマーが、ポリ(ラクチド−グリコリド)コポリマー、ラクチドホモポリマー、グリコリドホモポリマー、ポリカプロラクトン、ポリエチレンビニルアセテート、またはこれらの混合物を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
液体媒体が水である、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
液体媒体が水および界面活性剤を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
低残留モノマーポリマー粒子の直径が約1μmから約1000μmである、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
第2の成分を粒子の表面に付着させることをさらに含む、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−508392(P2010−508392A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534697(P2009−534697)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/022885
【国際公開番号】WO2008/054725
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(509121558)サーモディクス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】